JP5524776B2 - 薄膜形成方法及びシートフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)や大規模集積回路(LSI)を初めとする各種デバイスの製造に用いられる薄膜形成方法及びシートフィルムに関するものである。
近年、スイッチやセンサーにおいて機械的な動作で機能を発揮するMEMSが重要視されている。MEMSは、既に自動車のセンサー部などにも使われ、LSIとともに我々の生活に無くてはならない部品となってきている。MEMSは、基本的に機械的可動部と電極部、及び外部電源から電極に電圧を印加するための外部接続端子(パッド)部を備えている。このように構成されているMEMS素子は、特に可動部を損傷から保護するため保護膜や封止膜などにより覆われて用いられる。
しかしながら、パッド部は、外部電源との接続のため封止されずに開放している必要がある。これを容易にする技術として、シートフィルム上に形成された膜を素子上に転写する樹脂封止方法がある(特許文献1〜2)。この方法は、シートフィルム上に封止膜となる所定の塗布膜を形成し、真空加熱下においてシートフィルムの塗布膜形成面を基板の表面に当接させ、この後、シートフィルムを離型することで、シートフィルム上の塗布膜を基板に転写し、基板の上に塗布膜が形成された状態としている。
上述した技術について簡単に説明すると、まず、図5(a)に示すように、シートフィルム501の上に、例えば膜厚10μm程度の塗布膜502が形成された状態とする。塗布膜502は、公知のスピン塗布法やノズルスキャン法を用い、膜の材料が溶解した塗布液をシートフィルム501の上に塗布することで形成する。この後、図5(b)に示すように、キャビティー504が形成された基板503に、塗布膜502の形成面を押し付ける。キャビティー504の内部には、図示しないマイクロマシン(MEMS素子)が形成され、また、基板503の図示しない領域に、マイクロマシンに接続するパッド部が形成されている。
以上のようにして、シートフィルム501の塗布膜502形成面を基板503に押し付け(貼り付け)た後、シートフィルム501もしくは基板503を例えば40〜120℃程度に加熱し、塗布膜502が基板503に接着した状態とする。この後、基板503よりシートフィルムを離型することで、基板503の上には塗布膜502が形成された状態となり、塗布膜502によりキャビティー504の内部が封止された状態となる。
また、上述した薄膜形成技術は、半導体集積回路の製造においても、重要なものとなっている。半導体集積回路の製造においては、回路の高密度化に伴い多層配線技術が必須なものとなっている。この多層配線技術を実現するためには、下層に形成されている配線層の上に、平坦化した状態で層間絶縁層を形成する技術が重要となる。前述した薄膜形成技術は、多層配線技術で必要となる平坦な絶縁層を形成する場合にも有効である(特許文献3参照)。
特開2002−305192号公報 特開2004−255487号公報 特開平09−199493号公報 特開2001−298021号公報 WO98/21750号公報
しかしながら、上述した転写による薄膜の形成技術では、シートフィルムの上に均一な塗布膜が形成しにくいという問題がある。例えば、図6に示すように、シートフィルム601の上に塗布膜602が形成された状態とすると、これが均一に形成されないため、膜のない欠陥領域603が形成される。このような欠陥領域603は、このまま転写されることになり、例えば、図7に示すように、転写対象の基板701の上で、キャビティー702が封止されない欠陥領域が発生することになる。
この塗布ムラを解消するために、シートフィルムの表面に、酸素プラズマや処理やコロナ処理などの前処理をしてから、塗布膜を形成することで、シートフィルムの上に塗布ムラを低減した状態で塗布膜を形成する技術が提案されている(特許文献4参照)。ところが、このように塗布ムラが解消された状態で、シートフィルムの上に塗布膜が形成されていても、シートフィルムを離型するときに、一部の塗布膜も剥がれてしまう場合が発生する。例えば、図8に示すように、基板801に転写した薄膜803の中で、基板801に密着形成される部分831と、基板801より剥離した部分832とが形成され、キャビティー802が全く封止されない領域が発生する。これは、塗布ムラを解消するための表面処理により、部分的に離型性(剥離性)が低下するためと考えられる。これらのように、従来では、塗布ムラを解消しようとすると、離型性の低下が発生するなど、転写による均一な薄膜の形成が容易ではなかった。
一方、これを解決する手段としてシリカ微粒子の層を形成する方法が提案されている(特許文献5参照)。この方法は、シートフィルムの表面に球状微粒子層を形成し、この球状微粒子層の上に塗布膜を形成し、球状微粒子によりシートフィルムと塗布膜との密着性と剥離性を制御しようとしたものである。しかしながら、この方法では、大きな面積に亘って球状微粒子が均一に分散された状態とすることが重要となるが、これが非常に困難であり、塗布膜を均一な状態で転写することが容易ではない。
以上に説明したように、従来の技術では、転写により均一な薄膜を形成することが容易ではなかった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シートフィルムを用いた転写により、基板の上により均一な状態で薄膜が形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る薄膜形成方法は、樹脂よりなるシートフィルムの上に剥離層が形成された状態とする第1工程と、剥離層の上に、薄膜材料よりなる塗布液を塗布して剥離層の上に塗布膜が形成された状態とする第2工程と、基板とシートフィルムの塗布膜の形成面とを貼り合わせる第3工程と、シートフィルムを剥離層より離型し、基板の上に薄膜材料よりなる薄膜が形成された状態とする第4工程とを少なくとも備え、剥離層は、親水基を有するフッ素化合物から構成されてシートフィルムと接触している面とは反対側の表面に親水基を備えて形成されるようにしたものである。剥離層の上に塗布液を塗布するときに、塗布液がはじかれることなく塗布される。
上記、薄膜形成方法において、剥離層は、フッ素化合物は、水酸基およびカルボキシル基を備えたフッ素化合物、もしくは、Xを5〜15として(CF2x の骨格とカルボキシル基とから構成されるフッ素化合物であり、剥離層からのシートフィルムの離型をより容易としている。例えば、第1工程では、フッ素樹脂よりなる塗布液を塗布することで、剥離層がシートフィルムの上に形成された状態とし、形成された剥離層の上に水分を配置することで、剥離層の表面に親水基が備えられた状態とすればよい。
また、本発明に係るシートフィルムは、樹脂よりなるシートフィルムの上に、薄膜材料よりなる塗布液を塗布してシートフィルムの上に塗布膜が形成された状態とし、基板とシートフィルムの塗布膜の形成面とを貼り合わせ、シートフィルムを塗布膜より離型し、基板の上に薄膜材料よりなる薄膜が形成された状態とする薄膜形成方法に用いるものであり、塗布膜の形成面に剥離層を備え、この剥離層は、親水基を有するフッ素化合物から構成され、シートフィルムと接触している面とは反対側の表面に親水基を備え、フッ素化合物は、水酸基およびカルボキシル基を備えたフッ素化合物、もしくは、Xを5〜15として(CF2x の骨格とカルボキシル基とから構成されるフッ素化合物であるようにしたものである。
以上説明したように、本発明によれば、シートフィルムと接触している面とは反対側の表面に親水基を備えて形成された剥離層の上に、薄膜材料よりなる塗布液を塗布して塗布膜を形成するようにしたので、シートフィルムを用いた転写により、基板の上により均一な状態で薄膜が形成できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における薄膜形成方法例を説明するための工程図である。 図2は、本発明の実施の形態における他の薄膜形成方法例を説明するための工程図である。 図3は、本発明の実施の形態における他の薄膜形成方法例を説明するための工程図である。 図4は、ウエハに塗布膜を貼り付けた後、塗布膜よりシートフィルムを離型するときの剥離強さを測定した結果を示す特性図である。 図5は、従来よりある薄膜形成方法を説明するための工程図である。 図6は、従来の薄膜形成方法による問題点を示すための模式的な断面図である。 図7は、従来の薄膜形成方法による問題点を示すための模式的な断面図である。 図8は、従来の薄膜形成方法による問題点を示すための模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における薄膜形成方法例を説明するための工程図である。まず、図1(a)に示すように、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)よりなるシートフィルム101を用意する。シートフィルム101は、例えば直径300mm程度の円板状に整形されたシートである。次に、用意したシートフィルム101の上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)よりなる溶媒に、カルド構造を持つアクリル(高分子)樹脂(薄膜材料)が20wt%溶解した塗布液を塗布し、シートフィルム101の上に塗布膜102が形成された状態とする。PGMEAを溶媒として用いているため、以降に説明するように、シートフィルム101の上に、均一な状態で塗布膜102が形成された状態とすることができる。
塗布液の塗布は、例えば、回転数2000rpmで回転しているシートフィルム101の上に、上記塗布液を供給することによる回転塗布(スピンコート)法により行えばよい。回転しているシートフィルム101の上に供給された塗布液は、遠心力によりシートフィルム101の外周へ押し広げられ、シートフィルム101の上で薄い膜を形成する。また、シートフィルム101の回転を継続することで、形成された塗布液の膜に含まれる溶媒の一部が除去(気化)される。なお、回転塗布に限らず、ディップコートやスプレーコートなど他の塗布法を用いるようにしてもよい。
次に、シートフィルム101を、例えば120℃程度に加熱し、塗布膜102に含まれている溶媒を揮発させて除去する。これらのことにより、膜厚7μm程度の塗布膜102が得られる。ついで、図1(b)に示すように、薄膜形成対象となる例えばシリコンよりなる基板103に、シートフィルム101の塗布膜102の形成面を貼り合わせる。基板103は、円板状のシリコンウエハである。この貼り合わせは、大気圧程度の環境下で行い、また、シートフィルム101及び基板103が80℃程度に加熱された状態とし、塗布膜102より実質的に溶媒が除去され、塗布膜102の粘性(流動性)が抑制された状態で行う。これらの一連の工程は、例えば、同一の処理装置の処理室(チャンバ)内で連続して行うようにすればよい。
次に、貼り合わされた基板103とシートフィルム101とを搬出し、搬出した基板103よりシートフィルム101を離型(剥離)することで、図1(c)に示すように、基板103の上に、部分的な剥がれなどが抑制された状態で、前述した薄膜材料よりなる薄膜112が均一に形成(転写)された状態とすることができる。例えば、基板103が、図示しないMEMS素子が収容されているキャビティー104を備えている場合、転写された薄膜112によりキャビティー104が封止された状態が得られる。なお、上記の貼り合わせを、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスで置換された環境下で、上記貼り合わせを行うようにしてもよい。このようにすることで、キャビティー104の内部が、不活性ガスで充填された状態で封止されるようになる。また、キャビティーの深さなどの形状により、ある程度減圧された環境(数千〜数万パスカル)下で貼り合わせを行うようにしてもよい。
次に、上述した均一な塗布膜(薄膜)の形成についてより詳細に説明する。図1に示す薄膜形成方法では、まず、塗布膜を形成するための塗布液、言い換えると、形成する薄膜の材料よりなる塗布液の表面張力が、用いた樹脂シートの臨界表面張力を超えない範囲であるようにした。図1を用いて説明した例では、塗布膜を形成するための塗布液を構成している溶媒の表面張力が、用いた樹脂シートの臨界表面張力を超えない範囲であるようにした。よく知られているように、臨界表面張力の小さいフッ素樹脂の表面では、表面張力の大きな溶液ははじかれ、均一な塗布が行えない。例えば、ETFEなどのフッ素樹脂よりなるシートフィルムの臨界表面張力は24mN/mであり、表面張力が25mN/mを超えるN−メチルピロリドンを溶媒としたポリイミド溶液は、上記シートフィルムの表面に、均一な状態で塗布することができない。
これに対し、PGMEAの表面張力は、24mN/mとシートフィルムの臨界表面張力を超えることがなく、このようなPGMEAを溶媒とした上記の塗布液であれば、前述した塗布の工程において、フッ素樹脂よりなるシートフィルム101の上であっても、はじかれることなく広がるようになり、シートフィルム101の上にムラなく塗布膜102が形成された状態が得られるようになる。また、n−ヘキサンやメチルエチルケトンを溶媒とした高分子材料の溶液であれば、ETFEより構成されたフッ素樹脂シートに、均一な状態で塗布膜が形成できることが確認されている。
また、シートフィルム101の上に形成された塗布膜102は、溶媒が揮発した後では高分子の膜となってシートフィルム101の全域に形成された状態となっている。このため、分子間の相互作用により、部分的にはじかれるようなことがなく、シートフィルム101の上に形成された塗布膜102は、均一な膜の状態が維持される。また、シートフィルム101の表面は、形成された塗布膜102との間の密着力が低い(弱い)ので、シートフィルム101を離型するときに、塗布膜102(薄膜112)が部分的に基板103より剥離するなどのことが発生しない。なお、これらのことは、フッ素樹脂よりなるシートフィルムに限らず、他の樹脂よりなるシートフィルムであっても同様である。
ところで、代表的な溶媒の表面張力は、エーテル:17mN/:m、ヘキサン:18.4mN/m、エタノール:22.3mN/m、メチルエチルケトン:24mN/m、酢酸エチル:23.9mN/m、トルエン:28.4mN/m、ベンゼン:28.9mN/mである。従って、ETFEより構成されたフッ素樹脂シートを用いる場合、エーテル,ヘキサン,エタノール,メチルエチルケトン,及び酢酸エチルなども、均一な塗布膜(薄膜)を得るための溶媒として用いることができる。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)より構成されたフッ素樹脂シートを用いる場合、PTFEの臨界表面張力が18mN/mであるので、エーテルが、均一な塗布膜を得るための溶媒として用いることができる。
また、上述では、薄膜材料を有機溶媒に溶解した塗布液を用いる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、液体の状態の薄膜材料の塗布液を用いる場合も同様であり、塗布液の表面張力が、シートフィルムの臨界表面張力を超えない範囲の値となっていればよい。例えば、ポリエチレンよりなるシートフィルムを用いる場合、n−ペンタコサンを60℃程度で融解して液体とした塗布液であれば、ムラなく均一に塗布可能である。ポリエチレンは臨界表面張力が35.6mN/mであり、n−ペンタコサンは融点が54℃程度であり、融解したn−ペンタコサンは表面張力が30mN/mである。従って、融解したn−ペンタコサンであれば、ポリエチレンよりなるシートフィルムの上に、均一な塗布膜が形成可能であり、この塗布膜を均一な状態で基板に転写可能である。
次に、本発明の実施の形態における他の薄膜形成方法例について説明する。図2は、本発明の実施の形態における他の薄膜形成方法例を説明するための工程図である。まず、図2(a)に示すように、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)よりなるシートフィルム201を用意する。次に、用意したシートフィルム201の上に、ジプロピルケトンよりなる溶媒にポリイミド樹脂が20wt%溶解した塗布液を塗布し、シートフィルム201の上に塗布膜202が形成された状態とする。ジプロピルケトンを溶媒として用いているため、シートフィルム201の上に、均一な状態で塗布膜202が形成された状態とすることができる。
塗布液の塗布は、例えば、回転数2000rpmで回転しているシートフィルム201の上に、上記塗布液を供給することによる回転塗布により行えばよい。回転しているシートフィルム201の上に供給された塗布液は、遠心力によりシートフィルム201の外周へ押し広げられ、シートフィルム201の上で薄い膜を形成する。このように形成された塗布液の膜は、シートフィルム201の回転を継続することで、膜中の溶媒の一部が除去(気化)される。
次に、シートフィルム201を120℃程度に加熱し、塗布膜202に含まれている溶媒をある程度揮発させて除去する。これらのことにより、膜厚7μm程度の塗布膜202が、流動性を備えた状態で得られる。ついで、図2(b)に示すように、薄膜形成対象となる例えばシリコンよりなる基板203に、シートフィルム201の塗布膜202の形成面を貼り合わせる。この貼り合わせは、20Pa程度に減圧された環境下で行い、また、シートフィルム201及び基板203が50℃程度に加熱された状態で行う。加えて、シートフィルム201と基板203との間に、5kgwの荷重を加える。これらのことにより、流動性を備えている塗布膜202が、基板203表面の凹部204の内部にまで入り込み、基板203の表面の凹凸を埋め込むような状態に塗布膜202が形成される。また、減圧環境で貼り合わせが行われるので、基板203と塗布膜202との間に、気泡などが入ることが抑制されるようになる。
次に、処理装置内を大気圧程度の状態としてから、貼り合わされた基板203とシートフィルム201とを搬出し、搬出した基板203よりシートフィルム201を離型(剥離)することで、図2(c)に示すように、基板203の上に、部分的な剥がれなどが抑制された状態で、薄膜212が均一に形成された状態とすることができる。例えば、基板203が、図示しない配線層などを備え、これらの凹凸により凹部204を備えている場合、転写された薄膜212により凹部204が充填され、表面が平坦化された状態の薄膜212が状態が得られる。ポリイミド樹脂よりなる薄膜212は、300℃程度の加熱による硬化した状態となる。このような薄膜212は、例えば、配線層間の絶縁層として利用することも可能である。
以下、本発明の他の実施の形態について図を参照して説明する。図3は、本発明の実施の形態における薄膜形成方法例を説明するための工程図である。まず、図3(a)に示すように、例えば、ETFEよりなるシートフィルム301を用意する。次に、用意したシートフィルム301の上に、水酸基(−OH)及びカルボキシル基(−COOH)などの親水基を備えたフッ素化合物からなる剥離層302が形成された状態とする。剥離層302は、例えば、旭硝子株式会社製「ルミフロン」から構成されたものである。「ルミフロン」は、水酸基(−OH)及びカルボキシル基(−COOH)を備え、フルオロエチレン単位とビニルエーテル単位とが交互に並んだ高分子化合物(フッ素樹脂)である。
剥離層302の形成について説明すると、まず、例えば、「ルミフロン」の5wt%メチルエチルケトン溶液(剥離層溶液)をシートフィルム301にスピン塗布して塗布膜を形成する。前述したように、メチルエチルケトンは、この表面張力がシートフィルム301の臨界表面張力を超えないので、上記塗布膜は、はじかれることなくまたムラなく形成できる。この後、形成した塗布膜の上に水を供給して数分保持する。このことにより、塗布した剥離層302は、表面にカルボキシル基が配置された状態となり、親水性を有する状態となる。なお、湿度50〜80%程度の高い湿度の雰囲気における塗布でも、表面にカルボキシル基が配置された状態で剥離層302が形成できる。
このようにして剥離層302が形成されたシートフィルム301の上に、N−メチルピロリドンよりなる溶媒にポリイミド樹脂(東レフォトニースもしくはセミコファインなど)が20wt%溶解した薄膜塗布液を塗布し、剥離層302の上に塗布膜303が形成された状態とする。例えば、回転数2000rpmで回転しているシートフィルム301の上に、上記薄膜塗布液を供給することによる回転塗布により行えばよい。回転しているシートフィルム301(剥離層302)の上に供給された塗布液は、遠心力によりシートフィルム301の外周へ押し広げられ、剥離層302の上で薄い膜を形成する。
このように形成された塗布液の膜は、シートフィルム301の回転を継続することで、膜中の溶媒の一部が除去(気化)される。また、剥離層302の表面は親水性となっているので、薄膜塗布液ははじかれることなく、ムラなく塗布され、剥離層302の上に、均一な状態で塗布膜303が形成された状態とすることができる。なお、回転塗布に限らず、ディップコートやスプレーコートなど他の塗布法を用いるようにしてもよい。
次に、シートフィルム301を120℃程度に加熱し、塗布膜303に含まれている溶媒がほぼ揮発されて除去された状態とする。これらのことにより、膜厚10μm程度の塗布膜303が得られる。ついで、図3(c)に示すように、薄膜形成対象となる例えばシリコンよりなる基板304に、シートフィルム301の塗布膜303の形成面を貼り合わせる。この貼り合わせは、大気圧程度の環境下で行い、また、シートフィルム301及び基板304が80℃程度に加熱された状態とし、塗布膜303より実質的に溶媒が除去され、塗布膜303の流動性が抑制された状態で行う。これらの一連の工程は、例えば、同一の処理装置の処理室内で連続して行うようにすればよい。
次に、貼り合わされた基板304とシートフィルム301とを搬出し、搬出した基板304よりシートフィルム301を離型(剥離)することで、図1(d)に示すように、基板304の上に、部分的な剥がれなどが抑制された状態で、薄膜313が均一に形成された状態とすることができる。例えば、基板304が、図示しないMEMS素子が収容されているキャビティー305を備えている場合、転写された薄膜313によりキャビティー305が封止された状態が得られる。なお、シートフィルム301は、剥離層302より離型し、薄膜313の上には剥離層302が形成された状態となる。なお、剥離層を用いる場合においても、図2を用いて説明した場合と同様に、20Pa程度と減圧された環境下でかつ荷重を加えた状態で貼り合わせを行い、段差部を充填して平坦化した状態に薄膜を形成してもよい。
ところで、上述では、有機高分子材料からなる剥離層を用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、CF3(CF2xCOOHやCF3(CF2xCH2CH2OHなどの、親水基を備えたフッ素化合物から剥離層が構成されていてもよい。なお、xは5〜15程度である。これらのフッ素化合物の溶液(剥離層溶液)をETFEよりなるシートフィルムに塗布すると、シートフィルムの側にフッ素鎖が配向され、水酸基やカルボキシル基が塗布層(剥離層)の表面側に配向されるようになり、前述同様に、表面が親水性とされた剥離層が、ムラなくシートフィルムの上に形成されるようになる。
また、剥離層は、シリコン化合物から構成されていてもよい。例えば、シロキサン結合を骨格とし、側鎖に水酸基(−OH)及びカルボキシル基(−COOH)など親水基を備えたシリコーンから剥離層が形成されていてもよい。なお、これらのことは、フッ素樹脂よりなるシートフィルムに限らず、他の樹脂よりなるシートフィルムであっても同様である。シートフィルムの塗布膜の形成面に剥離層を備え、この剥離層を、フッ素樹脂及びシリコーンの少なくとも1つから構成し、シートフィルムと接触している面とは反対側の表面に親水基を備えるようにすることで、均一に塗布膜が形成でき、均一な転写ができるようになる。
また、以下に説明するように、親水基を備えていないフッ素樹脂やシリコーンであっても、剥離層を形成した後で、この表面を親水化処理することで、表面が親水性の剥離層とするようにしてもよい。例えば、水素化シルセスキオキサン(HSQ)のヘキサン溶液(5wt%)を、ETFEよりなるシートフィルムの上に塗布し、シートフィルムの上にシリコーン樹脂膜が形成された状態とする。例えば、回転数2000rpm程度の回転塗布により、膜厚100nm程度のシリコーン樹脂膜が形成される。このようにして形成したシリコーン樹脂膜の表面に対し、例えば、プラズマ照射やコロナ放電処理などの活性化処理を行うことで、表面が親水性とされた剥離層を得ることができきる。これは、フッ素樹脂の場合でも同様である。
例えば、1Aの電流により発生させたコロナ放電を、走査速度50mm/秒の速度で上記シリコーン樹脂膜の表面に作用させ、上記シリコーン樹脂膜の表面が親水性とされた状態とする。コロナ放電により、電子が発生するとともにオゾンや紫外線が2次的に発生し、これらの照射により、シリコーン樹脂膜の表面に反応性や極性の高い親水性の官能基が形成されるようになる。このようにしてシリコーン樹脂膜の表面を親水性とすることで、前述同様の剥離層として用いることができる。
次に、塗布膜とシートフィルムとの剥離性について説明する。図4は、ウエハに塗布膜を貼り付けた後、塗布膜よりシートフィルムを離型するときの剥離強さを測定した結果を示す特性図である。まず、図4の波線で示すように、図8を用いて説明した従来技術では、剥離強さが大きく変化する箇所が発生し、また、全体に、剥離強さが大きい。例えば、図4の波線において、中央部の剥離強さが急激に大きく減少している箇所は、シートフィルムに塗布膜が形成されていない箇所である。
これに対し、図1を用いて説明した薄膜形成方法では、図4の実線に示すように、基板103に接着した塗布膜102よりシートフィルム101を離型すると、基板103(ウエハ)の端部より中央部にかけてなだらかに剥離強さが増加し、中央部から端部にかけてなだらかに剥離強さが減少する。円形のウエハでは、中央部に近いほど剥がれている境界線が長くなるため、剥離強さが大きくなるため、図4の実線で示すように変化する。このように、図1に示す薄膜形成方法によれば、剥離強さが全体に小さく、また、急激に剥離強さが変化することがなく、均一に薄膜が転写されている状態が観測される。
101…シートフィルム、102…塗布膜、103…基板、104…キャビティー、112…薄膜。

Claims (2)

  1. 樹脂よりなるシートフィルムの上に剥離層が形成された状態とする第1工程と、
    前記剥離層の上に、薄膜材料よりなる塗布液を塗布して前記剥離層の上に塗布膜が形成された状態とする第2工程と、
    基板と前記シートフィルムの前記塗布膜の形成面とを貼り合わせる第3工程と、
    前記シートフィルムを前記剥離層より離型し、前記基板の上に前記薄膜材料よりなる薄膜が形成された状態とする第4工程と
    を少なくとも備え、
    前記剥離層は、親水基を有するフッ素化合物から構成されて前記シートフィルムと接触している面とは反対側の表面に親水基を備えて形成され、
    前記フッ素化合物は、水酸基およびカルボキシル基を備えたフッ素化合物、もしくは、Xを5〜15として(CF2x の骨格とカルボキシル基とから構成されるフッ素化合物である
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 樹脂よりなるシートフィルムの上に、薄膜材料よりなる塗布液を塗布して前記シートフィルムの上に塗布膜が形成された状態とし、基板と前記シートフィルムの前記塗布膜の形成面とを貼り合わせ、前記シートフィルムを前記塗布膜より離型し、前記基板の上に前記薄膜材料よりなる薄膜が形成された状態とする薄膜形成方法に用いるシートフィルムにおいて、
    前記シートフィルムは、前記塗布膜の形成面に剥離層を備え、
    前記剥離層は、親水基を有するフッ素化合物から構成され、前記シートフィルムと接触している面とは反対側の表面に親水基を備え、
    前記フッ素化合物は、水酸基およびカルボキシル基を備えたフッ素化合物、もしくは、Xを5〜15として(CF2x の骨格とカルボキシル基とから構成されるフッ素化合物である
    ことを特徴とするシートフィルム。
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