JP5524630B2 - ドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤 - Google Patents
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Description
本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する。
Xが水酸基の場合、Rで表わされるアルキル基の炭素数は1〜30であることが好ましく、炭素数が1〜25であることがより好ましく、炭素数が1〜20であることが特に好ましい。具体的には、直鎖又は分岐のアルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、直鎖又は分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が、環状のアルキル基としてシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
Xがカルボキシル基の場合、Rで表わされるアルキル基の炭素数は4以上であり、炭素数が4〜30であることが好ましく、炭素数が4〜25であることがより好ましく、炭素数が4〜20であることが特に好ましい。具体的には、直鎖又は分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、環状のアルキル基としてシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
Xが水酸基の場合、Rで表わされるアルケニル基の炭素数は1〜30であることが好ましく、炭素数が1〜25であることがより好ましく、炭素数が1〜20であることが特に好ましい。このようなアルケニル基として具体的には、上記でXが水酸基の場合として示したアルキル基の具体例において、二重結合等の不飽和基を1つ以上有するアルケニル基が挙げられる。
Xがカルボキシル基の場合、Rで表わされるアルケニル基の炭素数は4以上であり、炭素数が4〜30であることが好ましく、炭素数が4〜25であることがより好ましく、炭素数が4〜20であることが特に好ましい。このようなアルケニル基として具体的には、上記でXがカルボキシル基の場合として示したアルキル基の具体例において、二重結合等の不飽和基を1つ以上有するアルケニル基が挙げられる。
Rで表わされるアラルキル基としては、アリール基が単環、多環又は縮合環式であるものが含まれ、炭素数は7〜30であることが好ましく、炭素数が7〜25であることがより好ましく、炭素数が7〜20であることが特に好ましい。具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
R1で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基は、前記一般式(1)におけるRが表すアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基とそれぞれ同義で同義であり、好ましい範囲も同様である。
R2で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基は、前記一般式(1)におけるRが表すアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基とそれぞれ同義で同義であり、好ましい範囲も同様である。
なお、本発明において「美白(作用)」とは、メラニン色素の生成を抑え、余分なメラニンのない本来の透明な肌色に戻すこと、または皮膚の黒化若しくはシミ・ソバカス等の色素沈着を防止、抑制することを意味する。
本発明において、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩はそのままドーパオキシダーゼ活性抑制剤又は美白剤として用いてもよい。また、該化合物又はその塩に、例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体または固体の賦形剤または増量剤を加えて用いてもよい。この場合、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩の量は特に制限されないが、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩が0.0001〜20質量%含まれることが好ましく、0.001〜10質量%含まれることがより好ましく、0.005〜5質量%含まれることが特に好ましい。
本発明の美白剤を、他の薬効成分とともに組成物として用いる場合、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩の量は特に制限されないが、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩が0.0001〜20質量%含まれることが好ましく、0.001〜10質量%含まれることがより好ましく、0.005〜5質量%含まれることが特に好ましい。
皮膚外用剤の形態で使用する場合には、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩の他、通常の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば界面活性剤、油性物質、高分子化合物、防腐剤、前記以外の薬効成分、紛体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等を適宜配合できる。また、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する皮膚外用剤の使用量は、有効成分の含有量により異なるが、例えばクリーム状、軟膏状の場合、皮膚面1cm2当たり0.001〜1000μg、液状製剤の場合、同じく0.001〜1000μg使用するのが好ましい。
下記の合成方法により、前記で示した例示化合物1〜17及び下記の比較化合物A、Bをそれぞれ合成した。
4−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノメチル安息香酸のメチルエステル(0.5g,1.88mmol)を4M-塩酸/ジオキサン溶液(15mL)に溶解し室温で1時間撹拌後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をクロロホルム(15mL)に溶解し、0℃で撹拌しながら、そこへ無水酢酸(3.76mmol)、トリエチルアミン(5.64mmol)を加え、その後、室温で一晩撹拌を続けた。反応終了後、2N-塩酸を加え、系内を酸性化した後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−アセチルアミノメチル安息香酸メチルエステル(0.36g,収率92.3%)を中間体として得た。次に、中間体(0.32g,1.54mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、そこへ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム3.08mmol,水10mL)を加え、60℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷却後、2N-塩酸を加えて系内を酸性化した後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、比較化合物Aを得た(0.29g,中間体からの収率96.7%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ1.88(s,3H),4.30(d,2H,J=6.02Hz),7.31(d,2H,J=8.00Hz),7.88(d,2H,J=8.00Hz),8.43(t,1H,J=5.93Hz),13.05(br,1H)
比較化合物Bを、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにn-ブタン酸クロライドを使用して合成した(収率42.0%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.86(t,3H,J=7.38Hz),1.54(m,2H),2.12(t,2H,J=7.34Hz),4.31(d,2H,J=5.83Hz),7.32(d,2H,J=8.00Hz),7.88(d,2H,J=8.09Hz),8.38(t,1H,J=5.93Hz),13.09(br,1H)
例示化合物1を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにイソブタン酸クロライドを使用して合成した(収率83.9%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.88(t,6H,J=6.40Hz),1.96-2.05(m,3H),4.32(d,2H,J=6.02Hz),7.35(d,2H,J=8.19Hz),7.88(d,2H,J=8.28Hz),8.40(t,1H,J=5.93Hz),12.91(br,1H)
例示化合物2を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにシクロヘキサンカルボン酸クロライドを使用して合成した(収率56.7%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ1.11-1.27(m,3H),1.31-1.40(m,2H),1.59-1.64(m,1H),1.68-1.75(m,4H),2.14-2.20(m,1H),4.30(d,2H,J=6.02Hz),7.32(d,2H,J=8.38Hz),7.88(d,2H,J=8.28Hz),8.31(t,1H,J=6.02Hz),12.90(br,1H)
例示化合物3を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにベンゾイルクロライドを使用して合成した(収率83.4%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ4.53(d,2H,J=5.83Hz),7.38(d,2H,J=8.00Hz),7.48(m,2H),7.55(m,1H),7.87-7.93(m,4H),9.13(t,1H,J=6.02Hz),13.12(br,1H)
例示化合物4を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりに2-エチルヘキサン酸クロライドを使用して合成した(収率92.7%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.79(t,3H,J=7.39Hz),0.83(t,3H,J=7.34Hz),1.10-1.40(m,6H),1.42-1.51(m,2H),2.10(m,1H),4.32(d,2H,J=5.83Hz),7.32(d,2H,J=8.00Hz),7.88(d,2H,J=8.19Hz),8.43(t,1H,J=6.02Hz),13.12(br,1H)
例示化合物5を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりに3-フェニルプロパン酸クロライドを使用して合成した(収率88.7%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ2.47(t,2H,J=7.62Hz),2.85(t,2H,J=7.62Hz),4.30(d,2H,J=5.83Hz),7.18-7.23(m,5H),7.25-7.30(m,2H),7.83(d,2H,J=8.09Hz),8.41(t,1H,J=6.02Hz),13.01(br,1H)
例示化合物6を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにn-オクタン酸クロライドを使用して合成した(収率69.8%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.85(t,3H,J=6.97Hz),1.17-1.29(m,8H),1.51(m,2H),2.14(t,2H,J=7.34Hz),4.31(d,2H,J=5.93Hz),7.34(d,2H,J=8.28Hz),7.88(d,2H,J=8.28Hz),8.39(t,1H,J=5.93Hz),12.91(br,1H)
例示化合物7を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにn-ノナン酸クロライドを使用して合成した(収率90.2%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.85(t,3H,J=7.06Hz),1.17-1.30(m,10H),1.51(m,2H),2.14(t,2H,J=7.34Hz),4.31(d,2H,J=5.83Hz),7.34(m,2H),7.88(m,2H),8.39(t,1H,J=5.93Hz),12.91(br,1H)
例示化合物8を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにn-デカン酸クロライドを使用して合成した(収率62.7%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.85(t,3H,J=7.06Hz),1.18-1.30(m,12H),1.51(m,2H),2.13(t,2H,J=7.34Hz),4.31(d,2H,J=5.93Hz),7.34(d,2H,J=8.28Hz),7.88(d,2H,J=8.28Hz),8.39(t,1H,J=6.02Hz),12.89(br,1H)
例示化合物9を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにラウリン酸クロライドを使用して合成した(収率87.8%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.85(t,3H,J=7.06Hz),1.18-1.30(m,16H),1.51(m,2H),2.13(t,2H,J=7.34Hz),4.31(d,2H,J=6.12Hz),7.34(d,2H,J=8.28Hz),7.88(d,2H,J=8.28Hz),8.39(t,1H,J=6.02Hz),12.89(br,1H)
例示化合物10を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにミリスチン酸クロライドを使用して合成した(収率78.1%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(Pyridine-d5,600MHz) 0.85(t,3H,J=7.01Hz),1.16-1.30(m,18H),1.39(m,2H),1.87(m,2H),2.50(t,2H,J=7.34Hz),4.78(d,2H,J=5.83Hz),7.61(d,2H,J=8.28Hz),8.42(d,2H,J=8.09Hz),9.15(t,1H,J=5.65Hz)
例示化合物11を、比較化合物Aの合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにパルミチン酸クロライドを使用して合成した(収率50.9%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(Pyridine-d5,600MHz) 0.85(t,3H,J=6.78Hz),1.15-1.32(m,22H),1.39(m,2H),1.87(m,2H),2.49(t,2H,J=7.34Hz),4.77(d,2H,J=5.36Hz),7.61(d,2H,J=7.53Hz),8.41(d,2H,J=7.91Hz),9.14(t,1H,J=5.74Hz)
4−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノメチル安息香酸のメチルエステル(1.33g,5mmol)を4M-塩酸/ジオキサン溶液(30mL)に溶解し室温で1時間撹拌後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をクロロホルム(20mL)に溶解し、0℃で撹拌しながら、そこへオレイン酸(4.75mmol)、1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride(EDC)(5mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5mmol)、トリエチルアミン(5.5mmol)を加え、その温度から室温で一晩撹拌を続けた。反応終了後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(30mL)を加え、クロロホルム(50mL)で抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(50mL)、2N-硫酸(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥・ろ過後、減圧下、溶媒を留去した。残渣(2.09g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−オレオイルアミノメチル安息香酸メチルエステル(0.60g,収率29.4%)を中間体として得た。次に、中間体(0.56g,1.30mmol)を、ジオキサン(20mL)へ溶解し、そこへ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム2.60mmol,水10mL)を加え、100℃で一晩還流した。室温まで冷却後、2N-硫酸(10mL)を加え、系内を酸性化後、クロロホルム(50mL)で抽出し、有機層を分離後、飽和食塩水(30mL)で3回洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥・ろ過後、減圧下、溶媒を留去し、残渣(0.55g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、例示化合物12(0.40g,中間体からの収率74.1%)を得た。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(DMSO-d6,600MHz) δ0.84(t,3H,J=7.06Hz),1.17-1.33(m,20H),1.51(m,2H),1.98(m,4H),2.13(t,2H,J=7.534Hz),4.31(d,2H,J=5.93Hz),5.29-5.35(m,2H),7.33(d,2H,J=8.09Hz),7.88(d,2H,J=8.38Hz),8.39(t,1H,J=6.02Hz),12.93(br,1H)
チラミン塩酸塩(1.0g,5.76mmol)をクロロホルム(15mL)に溶解し、0℃で攪拌しながら、無水酢酸(11.52mmol,1.10mL)、トリエチルアミン(23.04mmol,3.22mL)を加え一晩撹拌した。反応終了後、2N-硫酸(30mL)を加えて系内を酸性化後、クロロホルム(50mL)で抽出した。分離した有機層を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50mL)で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下、溶媒を留去した。残渣(0.97g)をメタノール(15mL)に溶解し、室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム(20mmol,0.8g)の水溶液(15mL)を加え一晩攪拌した。反応終了後、2N-硫酸(30mL)を加え、系内を酸性化後、酢酸エチル(50mL)で抽出し、減圧下、溶媒を留去した。残渣(0.78g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、例示化合物13(0.68g、収率66%)を得た。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(CD3OD,600MHz) δ1.94(s,3H),2.72(t,2H,J=7.34Hz),3.36(t,2H,J=7.34Hz),6.74(m,2H),7.06(m,2H)
例示化合物14を、例示化合物13の合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにn-ブタン酸クロライドを使用して合成した(収率28.6%)。得られた化合物は1H‐NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(CD3OD,600MHz) δ0.95(t,3H,J=7.44Hz),1.64(m,2H),2.16(t,2H,J=7.48Hz),2.72(t,2H,J=7.62Hz),3.38(t,2H,J=7.62Hz),6.74(m,2H),7.06(m,2H)
例示化合物15を、例示化合物13の合成方法に準じて、無水酢酸のかわりにベンゾイルクロライドを使用して合成した(収率23.0%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(CD3OD,600MHz) δ2.85(t,2H,J=7.62Hz),3.57(t,2H,J=7.62Hz),6.76(m,2H),7.11(m,2H),7.48(m,2H),7.56(m,1H),7.80(m,2H)
例示化合物16を、例示化合物13の合成方法に準じて、無水酢酸のかわりに2-エチルヘキサン酸クロライドを使用して合成した(収率24.3%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(CD3OD,600MHz) δ0.87(t,3H,J=7.43Hz),0.92(t,3H,J=7.34Hz),1.21(m,2H),1.26-1.48(m,4H),1.55(m,2H),2.07(m,1H),2.74(t,2H,J=7.15Hz),3.42(m,2H,),6.74(m,2H),7.08(m,2H)
例示化合物17を、例示化合物13の合成方法に準じて、無水酢酸のかわりに3-フェニルプロパン酸クロライドを使用して合成した(収率25.8%)。得られた化合物は1H-NMRにより構造を確認した。
1H−NMR:(CD3OD,600MHz) 2.47(t,2H,J=7.53Hz),2.64(t,2H,J=7.43Hz),2.91(t,2H,J=7.53Hz),3.33(t,2H,J=7.43Hz),6.72(m,2H,),6.98(m,2H),7.19-7.24(m,3H),7.29(m,2H)
96穴プレートにヒト新生児包皮由来のメラノサイト100μLを1×104cell/wellの細胞密度となるように各穴に播種した。培地はMedium254にPMAを除くHMGS(Human Melanocyte Growth Supplement)(いずれもCascade Biologics社製)を添加したものを用いた。
24時間の培養後、メラノサイト活性化因子エンドセリン−1(ET−1)、幹細胞増殖因子(SCF)、αメラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、ヒスタミンおよびプロスタグランジンE2(PGE2)を、それぞれ培地中終濃度で10×10−7mol/m3になるように添加した。
最終的に培地量は200μL/wellで、37℃、5%CO2の条件下で3日間培養を行った。
bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子) 3ng/mL
BPE(ウシ脳下垂体抽出液) 0.2体積%
FBS(ウシ胎児血清) 0.5体積%
ハイドロコーチゾン 5×10-4mol/m3
インスリン 5μg/mL
トランスフェリン 5μg/mL
ヘパリン 5μg/mL
細胞増殖活性を測定したメラノサイトをCa2+およびMg2+を除去したPhosphate−buffered saline(PBS)で洗浄し、抽出バッファー(0.1M Tris−HCL(pH7.2)、1%Nonidet P−40、0.01%SDS、100μM PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオライド)、1μg/mLアプロチニン)を20μL/well、Assay buffer(4%ジメチルホルムアミドを含有する100mM Sodium phosphate−buffered(pH7.1))を20μL/well添加し、4℃、3時間で細胞を可溶化し、ドーパオキシターゼ活性の測定を行った。ドーパオキシターゼ活性測定は、MBTH法(例えば、Winder A.J.,Harris H.,Eur.J.Biochem.,198,317-326,1991参照)を参考に、以下のように行った。
可溶化した細胞溶液の各wellに、Assay bufferを80μL/well、20.7mM MBTH(3−メチル−2−ベンゾチアゾリノン ヒドラゾン)溶液を60μL、基質として5mM L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)溶液を40μL、それぞれ加え、37℃で30〜60分反応させた後、その呈色反応を490nmの吸光度で測定した。
ドーパオキシダーゼ活性阻害率(%)=100−{(試料を添加した系の吸光度)/(試料を添加しない系(コントロール)の吸光度)}×100
前述のように、ドーパオキシダーゼ活性はメラニン生合成に関するチロシナーゼの酵素活性の指標として用いられている。参考例として示したコウジ酸は、チロシナーゼに対して高い阻害活性を有する美白成分として公知のものである。前記一般式(1)で表される化合物は、コウジ酸と比較して比較的低い濃度であってもドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制できることがわかる。したがって、前記一般式(1)で表される化合物は、ドーパオキシダーゼ活性を効果的に阻害することでメラニン産生を抑制でき、美白成分として有用であることがわかる。
前記製造例で得られた抽出物を有効成分として、下記に示す組成のローション、乳液、美容液、クリーム及びパックを常法により各々調製した。
(組成) (配合:質量%)
例示化合物4 0.05
1,3−ブチレングリコール 8.0
グリセリン 5.0
エタノール 3.0
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
(組成)
例示化合物13 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 3.0
プロピレングリコール 3.0
エタノール 3.0
カミツレエキス 2.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
(組成) (配合:質量%)
例示化合物4 0.05
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
アルテアエキス 2.0
スクワラン 3.0
オリブ油 3.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:40) 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
キサンタンガム 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.02
精製水 残部
防腐剤 適量
(組成) (配合:質量%)
例示化合物5 0.05
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
水酸化カリウム 0.2
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.15
クエン酸 0.03
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エデト酸二ナトリム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
(組成) (配合:質量%)
例示化合物14 0.1
カミツレエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
キサンタンガム 0.2
カルボキシメチルセルロース 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.15
グリセリン 5.0
プロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(分子量1500) 1.0
モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
(組成) (配合:質量%)
例示化合物6 0.1
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 2.0
チョウジエキス 2.0
メチルポリシロキサン 3.0
スクワラン 2.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0
ステアリルアルコール 1.5
セタノール 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:60) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
水酸化カリウム 0.15
キサンタンガム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
(組成) (配合:質量%)
例示化合物16 0.01
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 3.0
ポリオキシエチレンアルキルエーテル変性シリコーン 3.0
メチルポリシロキサン 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
スクワラン 5.0
硫酸マグネシウム 0.5
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
(組成) (配合:質量%)
例示化合物7 0.01
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(平均分子量1500) 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 5.0
クエン酸ナトリウム 0.5
ポリビニルアルコール 10
乳酸 0.3
ポリオキシエチレンデシルテトレデシルエーテル 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
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