JP5524409B2 - 再生エネルギー型発電装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧トランスミッションを介して、発電機に回転シャフトの回転を伝達して電力を生成し、この電力を電力系統に供給する再生エネルギー型発電装置及びその運転方法に関する。なお、再生エネルギー型発電装置は、風、潮流、海流、河流等の再生可能なエネルギーを利用した発電装置であり、例えば、風力発電装置、潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等を挙げることができる。
近年、地球環境の保全の観点から、風力を利用した風力発電装置や、潮流、海流又は河流を利用した発電装置を含む再生エネルギー型発電装置の普及が進んでいる。再生エネルギー型発電装置では、風、潮流、海流又は河流の運動エネルギーをロータの回転エネルギーに変換し、さらにロータの回転エネルギーを発電機によって電力に変換する。
この種の再生エネルギー型発電装置では、通常、発電機は電力系統に連系される。発電機の種類や電力系統への連系の仕方は様々であるが、風力発電装置には例えば図13A及び図13Bのような方式を採用したものが知られている。
図13Aに示す方式の風力発電装置では、増速機500を介して、二次巻線誘導発電機520がロータ2に接続されている。二次巻線誘導発電機520は、その固定子巻線が電力系統50に直接接続され、その回転子巻線がAC−DC−ACコンバータ530を介して電力系統50に接続されている。AC−DC−ACコンバータ530は、発電機側インバータ532、DCバス534及び系統側インバータ536で構成されている。発電機側インバータ532は、回転子巻線の電流を制御して発電機トルクを調節することで、可変速運転を可能とする。一方、系統側インバータ536は、二次巻線誘導発電機520の回転子巻線から受け取った電力を電力系統50の周波数に適合した交流電力に変換する。
また図13Bに示す方式では、同期発電機540がロータ2に接続されている。同期発電機540は、AC−DC−ACリンク550を介して電力系統50に接続される。AC−DC−ACリンク550は、コンバータ552、DCバス554及びインバータ556により構成される。AC−DC−ACリンク550は、同期発電機540のトルクを調節することで可変速運転を可能にするとともに、同期発電機540で生成された電力を電力系統50の周波数に適合した交流電力に変換する役割を担う。
また、図13Bに示す方式と類似のものとして、特許文献1には、増速機を介してロータに接続された同期発電機を、受動型整流器(passive rectifier)及びインバータを経て電力系統に連系するようにした風力発電装置が開示されている。
また、特許文献1には、ギア式の増速機に複数の同期発電機を接続し、受動型整流器及びインバータを介して各同期発電機を電力系統に連系することも記載されている。
ところで、最近になって注目を集めるようになったのが、油圧ポンプ及び油圧モータを組み合わせた油圧トランスミッションを採用した再生エネルギー型発電装置である。
例えば、特許文献2には、ロータの回転により駆動される油圧ポンプと、発電機に接続された油圧モータとを組み合わせた油圧トランスミッションを用いた風力発電装置が記載されている。この風力発電装置の油圧トランスミッションでは、油圧ポンプ及び油圧モータは、高圧リザーバと低圧リザーバを介して互いに接続されている。これにより、ロータの回転エネルギーが、油圧トランスミッションを介して発電機に伝わるようになっている。なお、油圧ポンプは、複数組のピストン及びシリンダと、シリンダ内でピストンを周期的に摺動させるカムとで構成されている。
欧州特許出願公開第2273107号明細書 米国特許出願公開第2010/0032959号明細書
上述のように、従来から、再生エネルギー型発電装置の発電機を電力系統に連系するための技術として、図13A及び図13Bのような方式や、特許文献1に記載された方式が確立されている。しかし、いずれの方式も高価な周波数変換回路を必要とする。
なお、周波数変換回路とは、図13Aに示すAC−DC−ACコンバータ530、図13Bに示すAC−DC−ACリンク550、特許文献1における受動型整流器及びインバータの組合せをいう。
そこで、本出願人は、特許文献2のように油圧ポンプ及び油圧モータを組み合わせた油圧トランスミッションを備えた再生エネルギー型発電装置において、周波数変換回路に頼らずに同期発電機を電力系統に連系する新たな方式の採用を検討している。
ところが、周波数変換回路を用いずに同期発電機を系統に連系するには、電力系統への併入前に、同期発電機の端子電圧の周波数及び位相を電力系統側に同期させる必要がある。これは、すべり(同期速度と発電機回転速度との差分の同期速度に対する比)が所定範囲内でありさえすれば電力系統に併入可能な誘導発電機とは異なり、同期発電機の場合には、発電機側と電力系統側との電圧瞬時値との差分が生じると電力系統側の電圧・周波数が変動してしまうため、電力系統への併入前に両者を一致させる必要があるからである。
特許文献1及び2には、再生エネルギー型発電装置の同期発電機を周波数変換回路に頼らずに電力系統に併入する際、同期発電機の端子電圧の周波数及び位相をどのようにして電力系統側に同期させるかが何ら記載されていない。
また同期発電機を一個しか設けない場合、低負荷時における高効率を得にくいという発電機の特性が再生エネルギー型発電装置の低負荷運転時における効率向上の障壁になり得るだけでなく、発電機の故障時に再生エネルギー型発電装置の運転停止を余儀なくされる。
この点、特許文献1には、受動型整流器及びインバータを介して複数の同期発電機を電力系統に連系した風力発電装置が記載されているが、各同期発電機の電力系統への併入時にどのような制御を行うのか具体的な記載がない。特に、周波数変換回路を用いずに各同期発電機を電力系統に併入する手法について、特許文献1には開示も示唆もされていない。また、特許文献1に記載の風力発電装置では、増速機自体が大重量であり複雑な構造であることに加えて、増速機の出力を複数に分けて各同期発電機の回転軸に取り出すための歯車を設ける必要があり、重量及びコストがさらに嵩んでしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、周波数変換回路を用いずに同期発電機を電力系統に連系可能であり、必要に応じて低負荷運転時における効率向上および発電機故障による発電機会逸失の回避を行いうる再生エネルギー型発電装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明に係る再生エネルギー型発電装置は、再生エネルギーを利用して電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、ブレードと、前記ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーにより回転する回転シャフトと、前記回転シャフトにより駆動されて圧油を生成する油圧ポンプと、前記圧油によって駆動される複数の油圧モータと、周波数変換回路を介さずに電力系統に連系され、前記複数の油圧モータにそれぞれ連結される複数の同期発電機と、前記複数の油圧モータの押しのけ容積を互いに独立して調節するモータ制御部と、各同期発電機の前記電力系統への併入前、各同期発電機の端子電圧の周波数及び位相が前記電力系統に同期するように、各油圧モータの前記押しのけ容積の指令値を前記モータ制御部に与えるシンクロナイザーとを備えることを特徴とする。
この再生エネルギー型発電装置では、各同期発電機の併入前に、各同期発電機の端子電圧の周波数及び位相が電力系統に同期するように、シンクロナイザーからの油圧モータの押しのけ容積の指令値がモータ制御部に与えられる。そのため、各同期発電機と電力系統との間に周波数変換回路が介在していなくても、周波数変換回路に頼らずに、同期発電機を電力系統に併入可能な状態をシンクロナイザーにより作り出すことができる。
また、複数の油圧モータの押しのけ容積の調節は互いに独立して行うようにしたので、複数組の同期発電機及び油圧モータのうち運転に用いる組を任意に選択できる。そのため、必要に応じて、同期発電機及び油圧モータの一部の組のみを使って運転を行うことができる。例えば、低負荷運転時における再生エネルギー型発電装置の全体としての効率を向上させるために同期発電機及び油圧モータの運転に用いる組の数を減らしたり、同期発電機及び油圧モータの故障時における発電の機会逸失を回避するために故障していない同期発電機及び油圧モータの組を用いて発電を継続したりすることができる。
上記再生エネルギー型発電装置において、前記モータ制御部は、各同期発電機の前記電力系統への併入後、各油圧モータの出力目標値に基づいて前記圧油の圧力が目標圧力に維持されるように該油圧モータの押しのけ容積を調節してもよい。
同期発電機が電力系統に併入されると、同期発電機の端子電圧の周波数及び位相を電力系統側に一致させようとする有効横流が同期発電機と電力系統との間で生じる。そのため、同期発電機を電力系統に併入した後は、同期発電機の端子電圧の周波数及び位相を電力系統に積極的に同期させるような制御は必須ではない。そこで、上述のように、同期発電機の電力系統への併入後、各油圧モータの出力目標値に基づいて油圧モータに供給される圧油の圧力が目標圧力に維持されるように該油圧モータの押しのけ容積を調節することで、再生エネルギー型発電装置の安定した運転を行うことができる。
仮に2以上の同期発電機を同時に同期合わせしようとすれば、一の同期発電機の同期合わせのための油圧モータの押しのけ容積の変更が外乱となって、他の同期発電機の同期合わせを困難にする。
そのため、上記再生エネルギー型発電装置において、前記同期発電機および前記油圧モータは、それぞれ、N個(ただしNは2以上の整数)設けられている場合、前記N個の同期発電機は、前記再生エネルギーの流速の増加に応じて前記電力系統に順次併入され、前記モータ制御部は、各同期発電機の前記電力系統への併入前、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて各油圧モータの押しのけ容積を調節してもよい。なお、「再生エネルギーの流速」とは、例えば再生エネルギー型発電装置が風力発電装置の場合は風速を意味し、再生エネルギー型発電装置が潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等の場合は水流の速度を意味する。
このように、再生エネルギーの流速増加に応じてN個の同期発電機を順次併入することとし、各同期発電機の併入前に各油圧モータの押しのけ容積を調節することで、端子電圧の周波数及び位相が電力系統に同期した状態を同期発電機一台ごとに容易に作り出すことができる。
再生エネルギーの流速の増加に応じてN個の同期発電機を順次併入する場合、前記モータ制御部は、前記N個のうちi番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機の前記電力系統への併入後、前記i番目の同期発電機の出力が該同期発電機の最低負荷よりも大きく該同期発電機の定格出力よりも小さい設定値に達するまで前記i番目の同期発電機に連結されたi番目の油圧モータの押しのけ容積を増大させた後、前記N個のうち(i+1)番目の同期発電機の前記電力系統への併入前に、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて前記(i+1)番目の同期発電機に連結された(i+1)番目の油圧モータの押しのけ容積を調節してもよい。
このように、i番目の同期発電機の併入後にその出力が最低負荷より大きい設定値まで増大するのを待ってから、(i+1)番目の同期発電機の併入の準備(同期合わせ)を行うことで、低負荷運転時における発電機使用数を減らして、低負荷運転時における再生エネルギー型発電装置の全体としての効率を向上させることができる。また、前記設定値を同期発電機の定格出力未満とすることで、定格出力と設定値との差分に応じたi番目の同期発電機の出力の上昇マージンが確保され、(i+1)番目の同期発電機の同期合わせ時における不安定な圧油エネルギーをi番目の油圧モータの押しのけ容積の制御(i番目の同期発電機の上昇マージン)により吸収できる。そのため、(i+1)番目の油圧モータは(i+1)番目の同期発電機の同期合わせに専念でき、(i+1)番目の同期発電機の同期合わせが容易になる。
なお、前記設定値は、前記i番目の同期発電機の定格出力の50%以上100%未満であってもよい。
本発明者らの知見によれば、一般的な同期発電機は定格出力の50%未満の低負荷条件下では効率低下が顕著になるから、前記設定値を定格出力の50%以上とすることで、低負荷運転時における再生エネルギー型発電装置の全体としての効率を効果的に向上させることができる。また、前記設定値を同期発電機の定格出力未満とすることで、上述した理由により、(i+1)番目の同期発電機の同期合わせが容易になる。
あるいは、前記モータ制御部は、再生エネルギーの流速の増加に応じてN個の同期発電機を順次併入する場合、前記N個のうちi番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機の前記電力系統への併入後、1番目からi番目のi個の同期発電機の出力が最低負荷に維持されるように1番目からi番目の油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節しながら、前記N個のうち(i+1)番目の同期発電機の前記電力系統への併入前に、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて前記(i+1)番目の同期発電機に連結された(i+1)番目の油圧モータの押しのけ容積を調節してもよい。
これにより、再生エネルギー型発電装置の発電開始点であるカットイン流速に近い極めて低負荷な運転領域を除いて、N組の同期発電機及び油圧モータを全て用いて運転が行われる。そのため、カットイン流速に近い極めて低負荷な運転領域を除いて、各組の同期発電機及び油圧モータを同様に扱うことができ、シンプルな運転制御が可能になる。また、各組の同期発電機及び油圧モータの使用頻度のバラツキも軽減できる。
また、再生エネルギーの流速の増加に応じてN個の同期発電機を順次併入する場合、上記再生エネルギー型発電装置は、前記ブレードのピッチ角を調節するピッチ制御部と、前記油圧ポンプの押しのけ容積を調節するポンプ制御部とをさらに備え、前記N個のうち1番目の同期発電機の前記電力系統への併入前に、前記回転シャフトの回転数が目標回転数に維持されるように前記ブレードのピッチ角が前記ピッチ制御部によって調節され、前記圧油の圧力が目標圧力に維持されるように前記油圧ポンプの押しのけ容積が前記ポンプ制御部によって調節された状態で、前記モータ制御部が、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて前記1番目の同期発電機に連結された1番目の油圧モータの押しのけ容積を調節してもよい。
再生エネルギー型発電装置では、ブレードが受け取る再生エネルギーの量は刻々と変化するから、回転シャフトの回転数及び油圧モータに供給される圧油の圧力も変動し、1番目の同期発電機の同期合わせを行う際の外乱となり得る。そこで、上述のように、ブレードのピッチ角調節により回転シャフトの回転数を目標回転数に維持し、油圧ポンプの押しのけ容積調節により圧油の圧力を目標圧力に維持して、回転シャフトの回転数及び圧油の圧力を安定させることで、1番目の同期発電機の同期合わせが容易になる。
また、再生エネルギーの流速の増加に応じてN個の同期発電機を順次併入する場合、前記同期発電機および前記油圧モータの各組の累積稼働時間、及び、各同期発電機と前記電力系統との接続状態を切り替える各遮断器の開閉回数の少なくとも一方に基づいて、前記同期発電機の併入順が決定されてもよい。
これにより、同期発電機及び油圧モータの各組の使用頻度を均等化して、一部の同期発電機及び油圧モータの極端な劣化を回避して再生エネルギー型発電装置全体としての信頼性を向上させることができる。
また、再生エネルギーの流速の増加に応じてN個の同期発電機を順次併入する場合、上記再生エネルギー型発電装置は、前記油圧ポンプの押しのけ容積を調節するポンプ制御部をさらに備え、前記N個のうちi番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機の前記電力系統への併入後、前記i番目の同期発電機の出力が徐々に増加するように、前記ポンプ制御部による前記油圧ポンプの押しのけ容積の調節と、前記モータ制御部による前記i番目の同期発電機に連結されたi番目の油圧モータの押しのけ容積の調節とが行われてもよい。
このように、i番目の同期発電機の電力系統への併入後、i番目の同期発電機の出力を徐々に増加させることで、回転シャフトの回転数や油圧モータに供給される圧油の圧力の安定性を損なわずに、i番目の同期発電機の出力を上昇させることができる。
また、再生エネルギーの流速の増加に応じてN個の同期発電機を順次併入する場合、前記再生エネルギー型発電装置の定格出力をPratedとしたとき、前記N個のうちM個(ただしMは1以上(N−1)以下の整数)の同期発電機の故障時にPrated×(N−M)/N以下の出力で発電を行ってもよい。
これにより、一部の同期発電機が故障しても、再生エネルギー型発電装置の部分負荷運転を継続することができ、発電機会逸失を回避できる。
なお、前記再生エネルギーの流速が前記再生エネルギー型発電装置の発電開始点であるカットイン流速を下回った場合、前記電力系統に併入されている前記同期発電機を全て解列して、前記再生エネルギー型発電装置の発電を停止してもよい。
また、前記同期発電機が全て解列されている場合、前記再生エネルギー型発電装置の補機に供給するための電力を少なくとも一つの前記同期発電機で生成してもよい。
上記再生エネルギー型発電装置は、各油圧モータは、シリンダおよびピストンにより囲まれる複数の作動室と、各作動室への前記圧油の供給を行う複数の高圧弁と、各作動室からの前記圧油の排出を行う複数の低圧弁と、前記作動室、前記高圧弁及び前記低圧弁が収納されるケーシングとを含み、各油圧モータに対応して前記ケーシングの外部に設けられる始動弁をさらに備え、各油圧モータの始動時、前記モータ制御部は、前記始動弁及び前記低圧弁の開閉制御により前記圧油の供給及び排出が行われる前記作動室の数を調節して各油圧モータを弁切替え目標回転数まで加速し、前記高圧弁及び前記低圧弁の開閉制御により前記圧油の供給及び排出が行われる前記作動室の数を調節して各油圧モータを前記弁切替え目標回転数を超えてさらに加速してもよい。
作動室、高圧弁及び低圧弁を有する油圧モータには、油圧ポンプ及び油圧モータ間を繋ぐオイルライン(高圧油ライン又は低圧油ライン)と各作動室との圧力差を利用して開閉する或いは開閉を補助するように設計されたコンパクトな高圧弁が用いられることがある。この種の高圧弁は、油圧モータの回転軸に十分な慣性が生まれ、ピストンの往復運動によって作り出される上記圧力差を利用してはじめて開閉可能である。そのため、高圧弁とは別に始動弁をケーシングの外部に設け、油圧モータが弁切替え目標回転数に達するまでの加速時には始動弁及び低圧弁を用い、弁切替え目標回転数以降の加速時にはケーシングに内蔵された高圧弁及び低圧弁を用いることで、油圧モータの起動を確実に行うことができる。
なお、前記再生エネルギー型発電装置は、前記再生エネルギーとしての風から電力を生成する風力発電装置であってもよい。
本発明に係る再生エネルギー型発電装置の運転方法は、ブレードを介して受け取った再生エネルギーによって回転する回転シャフトと、前記回転シャフトにより駆動されて圧油を生成する油圧ポンプと、前記圧油によって駆動される複数の油圧モータと、前記複数の油圧モータにそれぞれ連結される複数の同期発電機とを備える再生エネルギー型発電装置の運転方法であって、各同期発電機の端子電圧の周波数及び位相が前記電力系統に同期するように、シンクロナイザーからの指令値に基づいて、前記複数の油圧モータの押しのけ容積を互いに独立して調節するステップと、前記押しのけ容積を調節するステップの後、周波数変換回路を介さずに前記複数の同期発電機を前記電力系統に併入するステップとを備えることを特徴とする。
上記再生エネルギー型発電装置の運転方法では、各同期発電機の併入前に、各同期発電機の端子電圧の周波数及び位相が電力系統に同期するように、シンクロナイザーからの指令値に基づいて油圧モータの押しのけ容積が調節される。そのため、各同期発電機と電力系統との間に周波数変換回路が介在していなくても、周波数変換回路に頼らずに、同期発電機を電力系統に併入可能な状態をシンクロナイザーにより作り出すことができる。
また、複数の油圧モータの押しのけ容積の調節は互いに独立して行うようにしたので、複数組の同期発電機及び油圧モータのうち運転に用いる組を任意に選択できる。そのため、必要に応じて、同期発電機及び油圧モータの一部の組のみを使って運転を行うことができる。例えば、低負荷運転時における再生エネルギー型発電装置の全体としての効率を向上させるために同期発電機及び油圧モータの運転に用いる組の数を減らしたり、同期発電機及び油圧モータの故障時における発電の機会逸失を回避するために故障していない同期発電機及び油圧モータの組を用いて発電を継続したりすることができる。
本発明によれば、シンクロナイザーからの指令値に基づく各油圧モータの押しのけ容積の調節によって、周波数変換回路に頼らずに同期発電機を電力系統に併入可能な状態を作り出すことができる。また、各同期発電機に連結された複数の油圧モータの押しのけ容積の調節は互いに独立して行うようにしたので、複数組の同期発電機及び油圧モータのうち運転に用いる組を任意に選択できる。そのため、必要に応じて、同期発電機及び油圧モータの一部の組のみを運転に用いることも可能である。
風力発電装置の全体構成の一例を示す図である。 風力発電装置の油圧トランスミッションとトランスミッション制御部の構成を示す図である。 油圧トランスミッションの構成を示す図である。 油圧ポンプの具体的な構成例を示す図である。 油圧モータの具体的な構成例を示す図である。 同期発電機周辺の構成例を示す図である。 同期発電機の併入前後における各種パラメータの経時変化の一例を示すグラフである。 2台の同期発電機を電力系統に併入する手順の一例を説明するための図である。 2台の同期発電機を電力系統に併入する手順の他の例を説明するための図である。 トランスミッション制御部において油圧ポンプの押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。 ロータ回転数Wを横軸にとり、ロータトルクTを縦軸にとった座標系においてCp最大曲線を示したグラフである。 トランスミッション制御部において油圧モータの押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。 従来の風力発電装置の例を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下の実施形態では、再生エネルギー型発電装置の一例として風力発電装置について説明する。ただし、本発明は潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等の他の再生エネルギー型発電装置にも適用できる。
[風力発電装置の装置構成]
図1は風力発電装置の全体構成の一例を示す図である。図2は風力発電装置の油圧トランスミッションとトランスミッション制御部の構成を示す図である。図3は油圧トランスミッションの構成を示す図である。図4は油圧ポンプの具体的な構成例を示す図である。図5は油圧モータの具体的な構成例を示す図である。
図1に示すように、風力発電装置1は、主として、風を受けて回転するロータ2と、ロータ2の回転を増速する油圧トランスミッション10と、電力系統に連系された同期発電機20と、油圧トランスミッション10を制御するトランスミッション制御部40(図2参照)と、圧力計31及び回転数計32、36を含む各種計測器とを備える。
油圧トランスミッション10及び同期発電機20は、ナセル22又はこれを支持するタワー24の内部に収納されていてもよい。なお、図1には、タワー24が地上に立設された陸上風力発電装置を示したが、風力発電装置1は洋上を含む任意の場所に設置されていてもよい。
ロータ2は、ブレード4が取り付けられたハブ6に回転シャフト8が連結された構成を有する。すなわち、3枚のブレード4がハブ6を中心として放射状に延びており、それぞれのブレード4が、回転シャフト8に連結されたハブ6に取り付けられている。これにより、ブレード4が受けた風の力によってロータ2全体が回転し、回転シャフト8を介して油圧トランスミッション10に回転が入力される。なお、ブレード4には、アクチュエータ5(図2参照)が取り付けられている。アクチュエータ5は、ピッチ制御部7の制御下で作動し、ブレード4のピッチ角を変化させる。
油圧トランスミッション10は、図2及び3に示すように、回転シャフト8によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ12と、同期発電機20(ただしkは1〜Nの範囲における任意の整数)に接続される出力軸15を有する可変容量型の油圧モータ14と、油圧ポンプ12と油圧モータ14との間に設けられた高圧油ライン16及び低圧油ライン18を有する。なお、風力発電装置1では、油圧モータ14及び同期発電機20は、それぞれ、N個(ただしNは2以上の整数)設けられている。
油圧ポンプ12の吐出側は、高圧油ライン16によって各油圧モータ14の吸込側に接続されており、油圧ポンプ12の吸込側は、低圧油ライン18によって各油圧モータ14の吐出側に接続されている。N個の油圧モータ14は、図3に示すように、互いに並列に高圧油ライン16及び低圧油ライン18に接続されている。油圧ポンプ12で生成された圧油(高圧油)は、高圧油ライン16を介して油圧モータ14に流入し、油圧モータ14を駆動する。油圧モータ14で仕事を行った作動油(低圧油)は、低圧油ライン18を介して油圧ポンプ12に流入して、油圧ポンプ12で昇圧された後、再び高圧油ライン16を介して油圧モータ14に流入する。
油圧ポンプ12及び油圧モータ14は、以下で説明するように、図4及び5で示すような具体的構成を有していてもよい。
油圧ポンプ12は、図4に示すように、シリンダ80及びピストン82により形成される複数の作動室(ワーキングチャンバ)83と、ピストン82に係合するカム曲面を有するリングカム84と、各作動室83に対して設けられる高圧弁86および低圧弁88とにより構成されてもよい。高圧弁86は、各作動室83と高圧油ライン16との間の高圧連通路87に設けられ、低圧弁88は、各作動室83と低圧油ライン18との間の低圧連通路89に設けられている。
油圧ポンプ12の運転時において、回転シャフト8とともにリングカム84が回転すると、カム曲線に合わせてピストン82が周期的に上下動し、ピストン82が下死点から上死点に向かうポンプ工程と、ピストン82が上死点から下死点に向かう吸入工程とが繰り返される。そのため、ピストン82とシリンダ80の内壁面によって形成される作動室83の容積は周期的に変化する。
油圧ポンプ12では、高圧弁86および低圧弁88の開閉制御によって、各作動室83をアクティブ状態又はアイドリング状態に切替えることができる。作動室83がアクティブ状態である場合、吸入工程において高圧弁86を閉じ低圧弁88を開くことで低圧油ライン18から作動室83内に作動油を流入させるとともに、ポンプ工程において高圧弁86を開き低圧弁88を閉じることで作動室83から高圧油ライン16に圧縮された作動油を送り出す。一方、作動室83がアイドリング状態である場合、吸入工程及びポンプ工程の両方において、高圧弁86が閉じて低圧弁88が開いた状態を維持して、作動室83と低圧油ライン18との間で作動油を往復させる(すなわち、高圧油ライン16には作動油を送り出さない)。したがって、アクティブ状態にある作動室83の個数の全作動室数に対する割合を変化させることで、油圧ポンプ12の全体としての押しのけ容積を調節することができる。油圧ポンプ12の全体としての押しのけ容積の調節は、後述のトランスミッション制御部40によって行われる。
油圧モータ14は、図5に示すように、シリンダ90及びピストン92により形成される複数の作動室93と、ピストン92に係合するカム曲面を有する偏心カム94と、各作動室93に対して設けられた高圧弁96および低圧弁98とにより構成されてもよい。高圧弁96は、各作動室93と高圧油ライン16との間の高圧連通路97に設けられ、低圧弁98は、各作動室93と低圧油ライン18との間の低圧連通路99に設けられている。
油圧モータ14の運転時において、油圧ポンプ12が作った高圧油ライン16と低圧油ライン18との差圧によって、ピストン92が周期的に上下動し、ピストン92が上死点から下死点に向かうモータ工程と、ピストン92が下死点から上死点に向かう排出工程とが繰り返される。油圧モータ14の運転中、ピストン92とシリンダ90の内壁面によって形成される作動室93の容積は周期的に変化する。
油圧モータ14は、高圧弁96および低圧弁98の開閉制御によって、各作動室93をアクティブ状態又はアイドリング状態に切替えることができる。作動室93がアクティブ状態である場合、モータ工程において高圧弁96を開き低圧弁98を閉じることで高圧油ライン16から作動室93内に作動油を流入させるとともに、排出工程において高圧弁96を閉じ低圧弁98を開くことで作動室93内で仕事をした作動油を低圧油ライン18に送り出す。一方、作動室93がアイドリング状態である場合、モータ工程及びポンプ工程の両方において、高圧弁96が閉じて低圧弁98が開いた状態を維持して、作動室93と低圧油ライン18との間で作動油を往復させる(すなわち、高圧油ライン16からの高圧油を作動室93に受け入れない)。これにより、油圧モータ14は、油圧ポンプ12と同様に、アクティブ状態にある作動室93の個数の全作動室数に対する割合を変化させることで、全体としての押しのけ容積を調節することができる。油圧モータ14の全体としての押しのけ容積の調節は、後述のトランスミッション制御部40によって行われる。
なお、作動室93、偏心カム94、高圧弁96及び低圧弁98はケーシング91に収納されている。また、ケーシング91の外部には、高圧弁96をバイパスして高圧油ライン16と作動室93とを繋ぐ流路上に始動弁17が設けられている。この始動弁17は、油圧モータ14の始動時に油圧モータ14を所定回転数まで加速するために、低圧弁98とともに用いられる。始動弁17は、各作動室93に対応して設けられてもよいし、一部の作動室93だけに対応して設けられてもよい。
また、図2に示すように、高圧油ライン16にはアキュムレータ64が接続されている。アキュムレータ64は、油圧モータ12で生成されるエネルギーと、全油圧モータ14で消費されるエネルギーとの差に起因する高圧油ライン16の作動油の圧力の変動を吸収することができる。よって、高圧油ライン16の圧力Pをアキュムレータ64により安定させることができ、同期発電機20の同期合わせ時における油圧モータ14の制御が容易になる。
また高圧油ライン16とアキュムレータ64との間には電磁弁66を設けてもよい。電磁弁66の開閉によって、アキュムレータ64は高圧油ライン16に連通したり、高圧油ライン16から切り離されたりする。なお、電磁弁66を設ける場合、同期発電機20の同期合わせ時に電磁弁66を開いて、アキュムレータ64を用いて高圧油ライン16の圧力Pを安定させてもよい。
高圧油ライン16と低圧油ライン18との間には、全ての油圧モータ14をバイパスするバイパス流路60が設けられている。そして、バイパス流路60には、高圧油ライン16の作動油の圧力を設定圧力以下に保持するリリーフ弁62が設けられている。これにより、高圧油ライン16内の圧力がリリーフ弁62の設定圧力まで上昇すれば、リリーフ弁62が自動的に開いて、バイパス流路60を介して低圧油ライン18に高圧油を逃すことができる。
また、油圧トランスミッション10には、オイルタンク70、補充ライン72、ブーストポンプ74、オイルフィルタ76、返送ライン78、低圧リリーフ弁79が設けられている。
オイルタンク70は、補充用の作動油が貯留されている。補充ライン72は、オイルタンク70を低圧油ライン18に接続している。ブーストポンプ74は、補充ライン72に設けられ、オイルタンク70から低圧油ライン18に作動油を補充するようになっている。
返送ライン78は、オイルタンク70と低圧油ライン18との間に配置されている。低圧リリーフ弁79は、返送ライン78に設けられており、低圧油ライン18内の圧力を設定圧力と同じ又はそれ以下に保持するようになっている。これにより、ブーストポンプ74によって作動油が低圧油ライン18に供給されても、低圧油ライン18内の圧力が低圧リリーフ弁79の設定圧力に達すれば、低圧リリーフ弁79が自動的に開いて、返送ライン78を介してオイルタンク70に作動油を逃すことができる。
なお、風力発電装置1には、図2に示すように、回転数計32及び34と圧力計31とが設けられている。回転数計32及び34は、それぞれ、回転シャフト8の回転速度と油圧モータ14の出力軸15の回転速度を計測する。また圧力計31は、高圧油ライン16の作動油(高圧油)の圧力を計測する。さらに、ナセル22の外部に取り付けられて風速を計測する風速計33や、風力発電装置1の周囲の雰囲気温度を計測する温度センサ34が設けられていてもよい。これら各種計測器による計測結果は、トランスミッション制御部40に送られて、油圧ポンプ12及び油圧モータ14の制御に用いられてもよい。
油圧モータ14の出力軸15には同期発電機20が連結されている。同期発電機20は周波数変換回路(例えば、図13A及び図13Bの周波数変換回路530,550)を介さずに電力系統50に連系される。
なお、風力発電装置は一般的に出力変動が大きいため電力系統に多数連系すると電力系統の周波数の変動要因となるが、風力発電装置を可変速にて運転することで出力が平滑化され、電力系統に及ぼす影響を緩和することができる。そこで、風力発電装置1では、トランスミッション制御部40による油圧トランスミッション10の制御(通常制御モード)により、可変速運転を可能にしている。なお、トランスミッション制御部40の通常制御モードの詳細は後述する。
図6は、同期発電機20周辺の構成例を示す図である。同図に示すように、同期発電機20は、油圧モータ14の出力軸15とともに回転する界磁巻線21と、遮断器122を介して電力系統50に接続される固定電機子(不図示)とを有する。界磁巻線21には、励磁機100から直流の界磁電流が供給されるようになっている。
なお、界磁巻線21に供給される界磁電流の大きさは、励磁機制御部110によって制御される。励磁機制御部110は、端子電圧検出器(計器用変圧器:Potential Transformer)59による同期発電機20の端子電圧の計測値に基づいて、該端子電圧が設定値となるように励磁機100を制御してもよい。
励磁機100の具体的構成として、例えば、図6に示すような交流励磁機を採用してもよい。すなわち、励磁機100は、回転電機子(不図示)及び界磁巻線(固定子)102で構成された交流発電機であってもよい。
この場合、励磁機100は油圧モータ14の出力軸15に直結された交流励磁機であり、励磁機100の回転電機子から出力される交流電流を整流器(回転整流器)103によって直流に変換した後、これを界磁電流として同期発電機20の界磁巻線21に供給する。界磁巻線21と、励磁機100の電機子と、整流器103とが、油圧モータ14の出力軸15とともに回転する部分である。このように、交流励磁機100の回転電機子からの交流電流を整流器(回転整流器)103で整流して、回転子である界磁巻線21に供給することで、ブラシを省略することができ、ブラシの保守(定期的交換)が不要になる。風力発電装置は一般的に山岳地や洋上等の僻地に設置されることが多いため、ブラシの保守(定期的交換)が不要であることは、ランニングコストの低減に大きく寄与する。
また、図6に示す例では、励磁機制御部110は、励磁機100の界磁巻線102に供給する界磁電流の大きさを変化させることで、同期発電機20の界磁巻線21に流れる界磁電流の大きさを調節するようになっている。
この場合、励磁機制御部110は、図6で示すように、比較回路113と、自動電圧調整器(AVR:Automatic Voltage Regulator)114と、サイリスタ116とで構成してもよい。比較回路113では、端子電圧検出器59による同期発電機20の端子電圧の計測値と、シンクロナイザー120から入力された設定値とを比較して、両者の偏差をAVR114に出力する。AVR114では、比較回路113から出力された上記偏差に基づいて、サイリスタ116にゲート信号を供給する。サイリスタ116は、励磁機100の界磁巻線102と、油圧モータ14の出力軸15に直結された永久磁石発電機(PMG:Permanent Magnetic Generator)106からなる副励磁機との間に設けられている。サイリスタ116は、永久磁石発電機(副励磁機)106を電源として用いて、励磁機100の界磁巻線(固定界磁)102を励磁する。
このように、油圧モータ14の出力軸15に直結され、同期発電機20と同軸上に設けられた永久磁石発電機106をサイリスタ116の電源として用いることで、同期発電機20の電力系統50への併入前であっても、外部電源を必要とせずに同期発電機20の励磁を行うことができる。このことは、一般的に外部電源を得にくい性質がある風力発電装置において非常に有利である。
[同期発電機の併入前後における制御]
風力発電装置1では、各同期発電機20の電力系統50への併入のためにシンクロナイザー120が用いられる。
シンクロナイザー120は、端子電圧検出器124による同期発電機20の端子電圧の計測結果と、系統電圧検出器126による電力系統50の電圧の計測結果とを受け取り、これらを各同期発電機20の同期合わせのために用いる。シンクロナイザー120は、同期発電機20の電力系統50への併入に際して、端子電圧検出器124で計測した同期発電機20の端子電圧と系統電圧検出器126で計測した電力系統50の電圧との周波数差及び位相差が所定範囲内に収まるような油圧モータ14の押しのけ容積の指令値をモータ制御部48に与える。シンクロナイザー120からの指令値に従ってモータ制御部48が油圧モータ14の押しのけ容積を調節することで、同期発電機20の端子電圧の周波数及び位相が電力系統50に同期される。この後、シンクロナイザー120からの信号に従って遮断器122が閉じられて、同期発電機20が電力系統50に併入される。
なお、同期発電機20の電力系統50への併入前、シンクロナイザー120から入力された設定値(電力系統50の電圧)と同期発電機20の端子電圧との差が所定範囲に収まるように、励磁機制御部110の制御が行われる。すなわち、比較回路113から出力された偏差に基づいて、AVR114がサイリスタ116にゲート信号を供給し、同期発電機20の界磁巻線21に流れる界磁電流の大きさが調節される。
図7は、同期発電機20の併入前後における各種パラメータの経時変化の一例を示すグラフである。
時刻T以前は油圧モータ14及び同期発電機20は停止している。そのため、油圧モータ14の回転数はゼロであり、油圧モータ14のトルクはゼロであり、同期発電機20側と電力系統50側との位相差は180°〜−180°の間で大きく周期的に変化している。
時刻Tにおいて油圧モータ14の起動を開始する。まず、t=T〜Tにおいて、モータ制御部48による制御下で回転数計36の計測値に基づいて始動弁17及び低圧弁98を開閉し、作動室93への圧油の供給及び排出を繰り返して、油圧モータ14の回転数を所定回転数wまで上昇させる。t=Tにおいて油圧モータ14の回転数がwに到達したら、高圧弁96及び低圧弁98を用いた油圧モータ14の加速に切り替える。そして、t=T〜Tにおいて、モータ制御部48による制御下で回転数計36の計測値に基づいて高圧弁96及び低圧弁98を開閉し、作動室93への圧油の供給及び排出を繰り返して、油圧モータ14の回転数を定格回転数wratedの手前の所定回転数wまで上昇させる。このとき、油圧モータ14を迅速に回転数wに到達させるため、全ての作動室93をアクティブ状態にして油圧モータ14の押しのけ容積を最大化してもよい。
その後、時刻Tにおいて、同期発電機20の端子電圧の周波数を電力系統50に同期させるための油圧モータ14の制御を開始する。具体的には、シンクロナイザー120からの信号に従ってモータ制御部48が油圧モータ14の押しのけ容積(アクティブ状態の作動室93の数)を調節して、油圧モータ14の回転数を定格回転数wratedに近づける。ここで、定格回転数wratedは、同期発電機20の端子電圧の周波数が電力系統50と一致する油圧モータ14の回転数である。なお、この制御の開始前に、同期発電機20の励磁系を起動しておく。
そして、時刻Tにおいて、同期発電機20の端子電圧の位相を電力系統50に同期させるための油圧モータ14の制御に移行する。具体的には、シンクロナイザー120からの信号に従ってモータ制御部48が油圧モータ14の押しのけ容積(アクティブ状態の作動室93の数)を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との位相差が所定範囲内に収まるようにする。時刻Tにおいて同期発電機20側と電力系統50側の位相差が所定範囲内に収まったら、他の条件が満たされるのを待って、時刻Tにおいてシンクロナイザー120からの信号によって遮断器122を閉じて同期発電機20を電力系統50に併入する。なお、ここでいう他の条件とは、同期発電機20の端子電圧と系統電圧との差が所定範囲内に収まることであり、かかる条件は励磁機制御部110による界磁巻線21に流れる界磁電流の制御により満たされる。
この後、油圧モータ14のトルクを徐々に増加させて、同期発電機20の出力を上昇させる。
ところで、2以上の同期発電機20を同時に同期合わせしようとすれば、一の同期発電機の同期合わせのための油圧モータの押しのけ容積の変更が外乱となって、他の同期発電機の同期合わせを困難にする。
そこで、本実施形態では、風速の増加に応じて、N個の同期発電機20を電力系統50に順次併入し、各同期発電機20の電力系統50への併入タイミングを互いに異ならせる。これにより、端子電圧の周波数及び位相が電力系統に同期した状態を同期発電機20一台ごとに容易に作り出すことができる。
以降、i番目に併入される同期発電機20を同期発電機20と称する。
なお、同期発電機20を順次投入する場合、同期発電機20及び油圧モータ14の各組の累積稼働時間や、各同期発電機20と電力系統50との間の各遮断器122の開閉回数などに基づいて、同期発電機20の併入順を決定してもよい。
これにより、同期発電機20及び油圧モータ14の各組の使用頻度を均等化して、一部の同期発電機20及び油圧モータ14の極端な劣化を回避して風力発電装置1全体としての信頼性を向上させることができる。
例えば、i番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機20の電力系統50への併入後、i番目の同期発電機20の出力を設定値Xまで増大させてから、(i+1)番目の同期発電機20i+1の同期合わせを行ってもよい。すなわち、i番目の同期発電機20の電力系統50への併入後、モータ制御部48が油圧モータ14のトルクを増大させて同期発電機20の出力を設定値Xまで上昇させてから、シンクロナイザー120からの指令値に基づいて油圧モータ14i+1の押しのけ容積を調節してもよい。なお、設定値Xは、同期発電機20の最低負荷よりも大きく、同期発電機20の定格出力未満であり、例えば、同期発電機20の定格出力の50%以上100%未満であってもよい。
このように、i番目の同期発電機20の併入後にその出力が最低負荷より大きい設定値Xまで増大するのを待ってから、(i+1)番目の同期発電機20i+1の併入の準備を行うことで、低負荷運転時における発電機使用数を減らして、低負荷運転時における風力発電装置1全体としての効率を向上させることができる。また、前記設定値Xを同期発電機20の定格出力未満とすることで、定格出力と設定値Xとの差分に応じたi番目の同期発電機20の出力の上昇マージンが確保され、(i+1)番目の同期発電機20i+1の同期合わせ時に生じる過剰な圧油エネルギーをi番目の油圧モータ14の押しのけ容積の増大(i番目の同期発電機20の出力上昇)により吸収できる。そのため、(i+1)番目の油圧モータ14i+1は(i+1)番目の同期発電機20i+1の同期合わせに専念でき、(i+1)番目の同期発電機20i+1の同期合わせが容易になる。
図8は、2台の同期発電機20を電力系統50に上記手順で併入する様子を説明するための図である。
まず、t=tにおいて風速計33にて計測した風速がカットイン風速を超えて起動条件が成立すると、ピッチ制御部7の制御下でアクチュエータ5がブレード4のピッチ角をファイン側に移行させて、油圧ポンプ12に入力される空力エネルギーを増加させる。このとき、油圧ポンプ12の押しのけ容積はポンプ制御部44によってゼロにしておく。これにより、油圧ポンプ12に付与される空力トルクに応じた角加速度にて回転シャフト8が加速される。
t=tにおいて回転シャフト8の回転数が所定値(例えば定格回転数の40〜60%の範囲内の回転数)に達したら、ポンプ制御部44によって油圧ポンプ12の押しのけ容積を増大させて、高圧油ライン16への高圧油の吐出を開始して、油圧センサ31で測定される高圧油圧力Pを上昇させる。高圧油圧力Pが所定値に到達したら、ピッチ制御部7によるブレード4のピッチ角調節により回転シャフト8の回転数を目標回転数に維持するとともに、ポンプ制御部44による油圧ポンプ12の押しのけ容積の調節により高圧油圧力Pを目標圧力に維持する。回転シャフト8の回転数及び高圧油圧力Pが安定したら、1番目の油圧モータ14を起動して、油圧モータ14の回転数を定格回転数wratedに向けて上昇させる。なお、油圧モータ14を加速する際、上述のように、所定回転数wに達するまでは始動弁17及び低圧弁98を用い、所定回転数wに到達した後は高圧弁96及び低圧弁98を用いて、油圧モータ14の押しのけ容積を調節してもよい。油圧モータ14が所定回転数に到達したら、1番目の同期発電機20の励磁系を起動する。そして、シンクロナイザー120からの指令値に従ってモータ制御部48が油圧モータ14の押しのけ容積を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との周波数差及び位相差を所定範囲内に収める。また、シンクロナイザー120からの制御信号に基づいて励磁機制御部110が界磁巻線21に流れる界磁電流を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との電圧差を所定範囲内に収める。こうして同期発電機20側と電力系統50側との周波数差、位相差、及び電圧差が所定範囲内に収まった状態で、シンクロナイザー120は遮断器122に閉信号を送り、時刻tにおいて同期発電機20が電力系統50に併入される。
同期発電機20の併入後、ブレード4のピッチ制御、油圧ポンプ12及び油圧モータ14の制御を、後述する通常制御モードに移行させる。具体的には、ピッチ制御部7はブレード4のピッチ角をファイン側でほぼ固定する。また、図10を用いて後述するように、油圧ポンプ12のトルクが回転シャフト8の回転数に応じた値になるようにポンプ制御部44による油圧ポンプ12の押しのけ容積の調節を行う。さらに、図12を用いて後述するように、高圧油圧力Pが目標圧力に維持されるようにモータ制御部48による油圧モータ14の押しのけ容積の調節を行う。そして、油圧ポンプ12及び油圧モータ14の押しのけ容積を次第に大きくして、同期発電機20の出力を徐々に増加させる。
同期発電機20の出力が設定値Xに達するまで油圧モータ14の押しのけ容積を増大させたら、時刻tにおいて2番目の油圧モータ14を起動して、油圧モータ14の回転数を定格回転数wratedに向けて上昇させる。なお、油圧モータ14を加速する際、油圧モータ14と同様に、所定回転数wに達するまでは始動弁17及び低圧弁98を用い、所定回転数wに到達した後は高圧弁96及び低圧弁98を用いて、油圧モータ14の押しのけ容積を調節してもよい。油圧モータ14が所定回転数に到達したら、2番目の同期発電機20の励磁系を起動する。そして、シンクロナイザー120からの指令値に従ってモータ制御部48が油圧モータ14の押しのけ容積を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との周波数差及び位相差を所定範囲内に収める。また、シンクロナイザー120からの制御信号に基づいて励磁機制御部110が界磁巻線21に流れる界磁電流を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との電圧差を所定範囲内に収める。こうして同期発電機20側と電力系統50側との周波数差、位相差、及び電圧差が所定範囲内に収まった状態で、シンクロナイザー120は遮断器122に閉信号を送り、時刻tにおいて同期発電機20が電力系統50に併入される。
同期発電機20の併入後、油圧モータ14の制御を通常制御モードに移行させる。具体的には、図12を用いて後述するように、高圧油圧力Pが目標圧力に維持されるようにモータ制御部48による油圧モータ14の押しのけ容積の調節を行う。そして、両方の同期発電機20及び20の出力を上昇させて、時刻tにおいて各同期発電機20,20の出力が定格出力に到達する。すなわち、時刻tにおいて風力発電装置1全体としての定格出力が得られる。
なお、風速が定格風速以下に減少した場合、油圧モータ14,14の押しのけ容積を次第に少なくして、同期発電機20,20の出力を徐々に減少させて最低負荷に達したら解列する。このとき、一方の同期発電機20の出力を定格出力に維持したまま他方の同期発電機20を解列してもよい。同期発電機20,20の解列順は、同期発電機20及び油圧モータ14の各組の累積稼働時間や、各遮断器122の開閉回数などに基づいて決定してもよい。
図8に示す例では、同期発電機20は定格出力に維持したまま同期発電機20の出力を最低負荷まで下げて、時刻tにおいて遮断器122を開いて同期発電機20を解列する。風速がさらに減少したら、油圧モータ14の押しのけ容積を次第に少なくして、同期発電機20の出力を徐々に減少させる。同期発電機20の出力が最低負荷まで下がったら、時刻tにおいて遮断器122を開いて同期発電機20を解列する。
あるいは、i番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機20の電力系統50への併入後、1番目〜i番目の同期発電機20,…20の出力を最低負荷に維持しながら、(i+1)番目の同期発電機20i+1の同期合わせを行ってもよい。すなわち、i番目の同期発電機20の電力系統50への併入後、モータ制御部48がi個の油圧モータ14〜14の押しのけ容積を調節して同期発電機20〜20の出力を最低負荷に維持しながら、シンクロナイザー120からの指令値に基づいて油圧モータ14i+1の押しのけ容積を調節して、同期発電機20i+1の同期合わせを行ってもよい。
これにより、風力発電装置1の発電開始点であるカットイン風速に近い極めて低負荷な運転領域を除いて、N組の同期発電機20及び油圧モータ14を全て用いた運転が行われる。そのため、カットイン風速に近い極めて低負荷な運転領域を除いて、各組の同期発電機20及び油圧モータ14を同様に扱うことができ、シンプルな運転制御が可能になる。また、各組の同期発電機20及び油圧モータ14の使用頻度のバラツキも軽減できる。
図9は、2台の同期発電機20を電力系統50に上記手順で併入する様子を説明するための図である。
なお、1番目の同期発電機20を電力系統50に併入するまでの手順(t=t10〜t12までの手順)は、図8におけるt=t〜tまでの手順と同様であるから、ここではその説明を省略する。
1番目の同期発電機20の併入後、油圧ポンプ12及び油圧モータ14の押しのけ容積が安定したら、同期発電機20の出力が最低負荷に維持された状態で、2番目の油圧モータ14を起動して、油圧モータ14の回転数を定格回転数wratedに向けて上昇させる。なお、油圧モータ14を加速する際、上述のように、所定回転数wに達するまでは始動弁17及び低圧弁98を用い、所定回転数wに到達した後は高圧弁96及び低圧弁98を用いて、油圧モータ14の押しのけ容積を調節してもよい。油圧モータ14が所定回転数に到達したら、2番目の同期発電機20の励磁系を起動する。そして、シンクロナイザー120からの指令値に従ってモータ制御部48が油圧モータ14の押しのけ容積を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との周波数差及び位相差を所定範囲内に収める。また、シンクロナイザー120からの制御信号に基づいて励磁機制御部110が界磁巻線21に流れる界磁電流を調節して、同期発電機20側と電力系統50側との電圧差を所定範囲内に収める。こうして同期発電機20側と電力系統50側との周波数差、位相差、及び電圧差が所定範囲内に収まった状態で、シンクロナイザー120は遮断器122に閉信号を送り、時刻t13において同期発電機20が電力系統50に併入される。
その後、両方の同期発電機20及び20を同負荷にて出力上昇させて、時刻t14において各同期発電機20,20の出力が定格出力に到達する。すなわち、時刻t14において風力発電装置1全体としての定格出力が得られる。
なお、風速が定格風速以下に減少した場合、油圧モータ14,14の押しのけ容積を次第に少なくして、同期発電機20,20の出力を徐々に減少させて最低負荷に達したら解列する。このとき、両方の同期発電機20,20の出力を最低負荷に向けて略同一レートにて同時に低下させてもよい。
図9に示す例では、油圧モータ14,14の押しのけ容積を略同一レートにて次第に少なくして、同期発電機20,20の出力を徐々に減少させる。そして、時刻t15において、先に出力が最低負荷まで下がった同期発電機20を解列する。また、時刻t16において、遅れて出力が最低負荷まで下がった同期発電機20を解列する。
なお、図8及び9を用いて説明した手順で同期発電機20を順次投入する場合、風速がカットイン風速を所定時間継続して下回った場合、電力系統50に併入されている同期発電機20を全て解列して、風力発電装置1による発電を停止してもよい。
また、風力発電装置1の定格出力をPratedとしたとき、N個の同期発電機20のうちM個(ただしMは1以上(N−1)以下の整数)の同期発電機20の故障時に、風力発電装置1はPrated×(N−M)/N以下の出力で発電を行ってもよい。これにより、一部の同期発電機20が故障しても、風力発電装置1の部分負荷運転を継続することができ、発電機会逸失を回避できる。
なお、同期発電機20の故障は例えば端子電圧検出器59等のモニタリング装置によって検知してもよい。故障が検知された同期発電機20に連結された油圧モータ14は、モータ制御部48によって押しのけ容積をゼロとして停止させ、残りの同期発電機20を電力系統50に連系させたまま運転を継続してもよい。
さらに、同期発電機20が全て解列されている場合であっても、風力発電装置1の補機に供給するための電力を少なくとも一つの同期発電機20で生成してもよい。
[トランスミッション制御部の通常制御モード]
上記構成の風力発電装置1は、同期発電機20の併入前後を除いた運転時には、以下で説明する通常制御モードで油圧トランスミッション10を制御する。
トランスミッション制御部40は、図2に示すように、理想トルク算出部41、トルク目標算出部42、ポンプ要求値算出部43、ポンプ制御部44、ポンプ目標出力算出部45、モータ目標出力算出部46、モータ要求値算出部47、モータ制御部48及び記憶部49を備える。
通常制御モードでは、トランスミッション制御部40は、油圧ポンプ12のトルクが回転シャフト8の回転数に応じた値になるように油圧ポンプ12の押しのけ容積をポンプ制御部44によって調節するとともに、油圧モータ14の出力目標値POWERに基づいて高圧油圧力Pが目標圧力に維持されるように油圧モータ14の押しのけ容積をモータ制御部48によって調節する。そのため、周波数変換回路を用いなくても、風速に対して回転シャフト8の回転数が可変である可変速運転が可能であり、出力平滑化及び発電効率向上を図ることができる。また、油圧モータ14の押しのけ容積の調節によって高圧油圧力Pが目標圧力に維持されるから、風力発電装置1の運転制御を安定して行うことができる。
以下、通常制御モードにおけるトランスミッション制御部40の各部の働きについて説明する。トランスミッション制御部40の役割は、油圧ポンプ12の制御と油圧モータ14の制御に大別されるから、ここでは、油圧ポンプ12の押しのけ容積を調節するための制御について詳述した後、油圧モータ14の押しのけ容積を調節するための制御について詳述する。
図10は、トランスミッション制御部40において油圧ポンプ12の押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。同図に示すように、理想トルク算出部41は、回転数計32で検出された回転シャフト8の回転数Wを受け取って、この回転数Wから油圧ポンプ12の理想トルクTを決定する。例えば、理想トルク算出部41は、予め設定されたW−T関数(回転数Wと理想トルクTとの関数)を記憶部49(図2参照)から読み出し、該W−T関数を用いて回転数Wに対応する理想トルクTを求める。
ここで、記憶部49に記憶されたW−T関数の一例について説明する。
図11は、ロータ回転数Wを横軸にとり、ロータトルクTを縦軸にとった座標系においてCp最大曲線を示したグラフである。Cp最大曲線300とは、パワー係数Cpが最大となるような座標(W,T)を結んだ曲線である。Cp最大曲線300は、種々の風速(例えば、風速V〜V)に関してパワー係数Cpが最大となるような座標Z〜Zを通る曲線である。
記憶部49に記憶されるW−T関数は、図11の太線で示すように、運転点a〜運転点bの範囲ではCp最大曲線300で規定され、運転点b〜運転点cの範囲ではロータ回転数が定格回転数Wratedで一定となる直線で規定される関数310であってもよい。なお、運転点aに対応する風速Vはカットイン風速であり、運転点cに対応する風速Vが定格出力に達する風速(定格風速)である。関数310により理想トルクTを決定するには、回転数計32で検出された回転シャフト8の回転数Wに対応するロータトルクT(すなわち理想トルクT)を関数310から求めればよい。
関数310を用いることで、カットイン風速V〜風速Vの風速域において、初期回転数Wから定格回転数Wratedの範囲で、油圧ポンプ12の回転数(ロータ回転数)Wを風速に応じて変化させて、パワー係数Cpが最大の条件で運転を行うことができる。すなわち、初期回転数Wから定格回転数Wratedの可変速範囲において、最大の効率が得られるような運転が可能となる。また、風速V〜定格風速Vの風速域では、油圧ポンプ12の回転数(ロータ回転数)Wが定格回転数Wratedに維持される。なお、定格風速V〜カットアウト風速の高風速域では、アクチュエータ(ピッチ駆動機構)5によってブレード4のピッチ角が調節されて定格出力に維持される。
このようにして得られた油圧ポンプ12の理想トルクTは、図10に示すように、トルク目標算出部42において修正され、油圧ポンプ12のトルク目標Tが求まる。
トルク目標算出部42は、理想トルクTにスケール係数Mを乗算して、調整理想トルクMTを算出する。スケール係数Mは0〜1の範囲内であればいずれの値であってもよく、好ましくは0.9〜1の範囲内の値である。スケール係数Mを乗算することで、油圧ポンプ12の実際のトルクは理想トルクTよりわずかに低くなり、突風時にはロータ2がより急速に加速することとなる。その結果、理想トルクTにスケール係数Mを乗算しない場合に比べて、より大きな出力を得ることができる。なお、スケール係数Mを用いると、ロータ2はより緩慢に減速するため、凪時においては最適な運転点から少し外れて運転することになってしまう。しかし、突風に対して追従させることにより得られる追加出力は、凪時の非最適運転による出力損失より大きい。
また、トルク目標算出部42によって求まるトルク目標Tは、調整理想トルクMTとトルクフィードバックコントローラ201の出力値との差であってもよい。トルクフィードバックコントローラ201は、トルク目標の現在値及び加速トルクから空気力学的トルクの推定値Taeroを算出する。加速トルクは、ロータ2の角加速度aと、ロータ2の回転慣性モーメントJとを乗算することにより求められる。トルクフィードバックコントローラ201の出力値は、空気力学的トルクの推定値と調整理想トルクとの偏差Texcessである。この偏差にゲインGを乗算し、補正トルクTfeedbackを算出する。ゲインGは0以上のいずれの値であってもよい。ゲインGを0に設定すれば、トルクフィードバックコントローラ201は無効化される。
トルクフィードバックコントローラ201は、加速時には調整理想トルクMTからトルクを減少させてトルク目標Tをわずかに減少させるとともに、減速時には調整理想トルクMTにトルクを追加してトルク目標Tをわずかに増大させることで、ロータ2の加速及び減速に応答する。これにより、調整理想トルクの制御のみの場合に比べて、風からの入力エネルギーの変化に応じて、回転シャフト8をより迅速に加速及び減速させることができる。よって、風から回収できるエネルギーの総量が増加することとなる。
トルク目標算出部42で求めたトルク目標Tはポンプ要求値算出部43に送られて、油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dの算出に用いられる。トルク目標算出部42では、高圧油ライン16の作動油の圧力Pで除算し、油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dを算出する。この要求値Dは、PID式コントローラであってもよく出力値がコントローラの要求値Dである圧力リミッタ202で補正してもよい。また、圧力リミッタ202は、高圧油ライン16の圧力を許容範囲内に維持する。つまり、ポンプが要求する作動油移動量を修正することで、風力発電装置の安全運転が可能な最大レベル未満に高圧油ライン16の圧力を維持する。リリーフ弁62を介してエネルギーを消散することが望まれるような運転モード(たとえば極度の突風時には風力発電装置が定格速度以上で動作するのを防止する目的)では、圧力リミットは無効としてもよい。あるいは、圧力リミット値は、用途によって異ならせてもよい。なお、ポンプ要求値算出部43において、高圧油ライン16の作動油の温度に基づいて、油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dを補正してもよい。
なお、ポンプ要求値算出部43は、アジャスタ203によって、例えばウィンドファームのファーム制御装置や給電指令所等の外部指令所からの電力要求シグナルに応じて、油圧ポンプ12のトルク目標Tを補正してもよい。これにより、外部指令所からの要求に見合った発電量を得ることが可能となる。
このようにして得られた押しのけ容積の要求値Dはポンプ制御部44に送られて、ポンプ制御部44によって油圧ポンプ12の押しのけ容積が要求値Dに調節される。例えば、ポンプ制御部44は、高圧弁86及び低圧弁88を開閉制御して、アクティブ状態の作動室83の個数の全作動室数に対する割合を変化させることで、油圧ポンプ12の押しのけ容積を要求値Dに調節してもよい。
図12は、トランスミッション制御部40において油圧モータ14の押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。同図に示すように、ポンプ目標出力算出部45は、トルク目標算出部42で求めた油圧ポンプ12のトルク目標Tに、回転数計32で取得された回転シャフト8の回転数Wを乗算して、油圧ポンプ12の目標出力のベース値POWERを算出する。また、ポンプ目標出力算出部45は、ファーム制御装置や給電指令所等の外部指令所210からの電力要求シグナルSに応じて、アジャスタ212で出力補正値POWERを算出する。そして、先に求めた目標出力のベース値POWERに出力補正値POWERを加算して、油圧ポンプ12の目標出力POWERが決定される。
モータ目標出力算出部46は、一次ローパスフィルタ(伝達関数H(s)=1/(T・s+1))により油圧ポンプ12の目標出力POWERを処理し、油圧モータ14のモータ目標出力POWERを算出する。
次いで、モータ要求値算出部47は、モータ目標出力POWERを、油圧センサ31で測定された高圧油圧力P、及び、回転数計36で計測された油圧モータ14の回転数Wで除算して、油圧モータ14の押しのけ容積の名目要求値Dを求める。
また、モータ要求値算出部47では、モータ目標出力POWERから要求補正値Dを算出し、上述の名目要求値Dに加算することで油圧モータ14の押しのけ容積の要求値Dを求める。この要求補正値Dは、例えば、図12に示すように、高圧油ライン16の目標圧力Pと、圧力計31の計測値Pとの偏差に可変ゲインKを乗算する圧力フィードバックコントローラ220によって求めてもよい。
なお、高圧油ライン16の目標圧力Pは、予め設定されたモータ目標出力と高圧油ライン16の目標圧力との関数230に、現在のモータ目標出力POWERを入力して求めてもよい。なお、関数230は、少なくとも一部が、モータ目標出力が増加するに従って、高圧油ライン16の目標圧力が単調増加するような曲線で規定される。そのため、モータ目標出力が大きい(すなわち、油圧ポンプ12の吐出量が多い)場合に比べて、モータ目標出力が小さい(すなわち、油圧ポンプ12の吐出量が少ない)場合における高圧油ライン16の目標圧力Pが小さな値に設定される。これにより、モータ目標出力が小さい場合における油圧ポンプ12の吐出量に対する作動油の内部漏れ量を減らして、作動油の内部漏れが油圧トランスミッション10の制御に及ぼす影響を抑制することができる。
また、可変ゲインKは、関数232を用いて、高圧油ライン16の圧力の現在値(圧力計31の計測値)P、高圧油ライン16の圧力の許容範囲における最大値Pmax及び最小値Pminに応じて決定される。例えば、関数230は、圧力の現在値Pが許容範囲外(すなわち、P<Pmin又はP>Pmax)の場合には可変ゲインKを最大値Kmaxに設定し、圧力の現在値Pが許容範囲内(すなわち、Pmin≦P≦Pmax)の場合には最小値Pmin又は最大値Pmaxに近づくにつれて前記最大値Kmaxに向かって可変ゲインKを増加させてもよい。これにより、圧力Pが上記許容範囲から外れそうになった場合、あるいは圧力Pが上記許容範囲から外れた場合に、高圧油ライン16の圧力Pと目標圧力Pとの偏差に乗じる可変ゲインKを大きくして(又は最大値Kmaxに設定して)、高圧油ライン16の圧力Pを迅速に許容範囲内に収め、かつ、目標圧力Pに近づけることができる。
なお、同期発電機20の端子電圧は、励磁機制御部110による励磁機100の制御によって一定に維持される。例えば、図6に示すように、比較回路113において、端子電圧検出器59による同期発電機20の端子電圧の計測値と、シンクロナイザー120から入力された設定値との偏差を求め、該偏差に基づいてAVR114からサイリスタ116のゲート信号を供給してもよい。これにより、同期発電機20の界磁巻線21に供給される界磁電流の大きさが調節され、同期発電機20の端子電圧が系統電圧に維持される。
以上説明したように、本実施形態では、各同期発電機20の併入前に、各同期発電機20の端子電圧の周波数及び位相が電力系統50に同期するように、シンクロナイザー120からの油圧モータ14の押しのけ容積の指令値がモータ制御部48に与えられる。そのため、各同期発電機20と電力系統50との間に周波数変換回路が介在していなくても、周波数変換回路に頼らずに、同期発電機20を電力系統50に併入可能な状態をシンクロナイザー120により作り出すことができる。
また、モータ制御部48による複数の油圧モータ14の押しのけ容積の調節は互いに独立して行うようにしたので、複数組の同期発電機20及び油圧モータ14のうち運転に用いる組を任意に選択できる。そのため、必要に応じて、同期発電機20及び油圧モータ14の一部の組のみを用いて運転を行うことができる。例えば、低負荷運転時における風力発電装置1全体としての効率を向上させるために同期発電機20及び油圧モータ14の運転に用いる組の数を減らしたり、同期発電機20及び油圧モータ14の故障時における発電の機会逸失を回避するために故障していない同期発電機20及び油圧モータ14の組を用いて発電を継続したりすることができる。
また、風力発電装置1は、ロータ2から発電機20に動力を伝達するドライブトレインとして油圧トランスミッション10を採用したので、発電機軸(油圧モータ14の出力軸15)は回転シャフト8から切り離されている。そのため、回転シャフト8からの動力を複数に分けて発電機20に入力することが容易であり、複数の発電機20を設けた風力発電装置1をシンプルな構成で実現できる。
そして、複数の発電機20を設けることで、一台の発電機のみを用いた風力発電装置に比べて、発電機20の故障耐性及び発電機会を向上させるとともに、低負荷運転時における効率を向上させることができる。特に、図6に示す例のように励磁機100を備えた同期発電機20は、永久磁石式同期発電機に比べて低負荷時における効率が劣ることが知られているから、このような構成の同期発電機20を複数設けることで低負荷運転時における効率改善の大きな効果を享受できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
1 風力発電装置
2 ロータ
4 ブレード
5 アクチュエータ
6 ハブ
7 ピッチ制御部
8 回転シャフト
10 油圧トランスミッション
12 油圧ポンプ
14 油圧モータ
15 出力軸
16 高圧油ライン
17 始動弁
18 低圧油ライン
20 同期発電機
21 界磁巻線
22 ナセル
24 タワー
31 圧力計
32 回転数計
33 風速計
34 雰囲気温度センサ
36 回転数計
40 トランスミッション制御部
41 理想トルク算出部
42 トルク目標算出部
43 ポンプ要求値算出部
44 ポンプ制御部
45 ポンプ目標出力算出部
46 モータ目標出力算出部
47 モータ要求値算出部
48 モータ制御部
49 記憶部
50 電力系統
59 端子電圧検出器
60 バイパス流路
62 リリーフ弁
64 アキュムレータ
66 電磁弁
70 オイルタンク
72 補充ライン
74 ブーストポンプ
76 オイルフィルタ
78 返送ライン
79 低圧リリーフ弁
100 励磁機(交流励磁機)
102 界磁巻線
103 回転整流器
106 永久磁石発電機
110 励磁機制御部
113 比較回路
114 自動電圧調整器(AVR)
116 サイリスタ
120 シンクロナイザー
122 遮断器
124 端子電圧検出器
126 系統電圧検出器
201 トルクフィードバックコントローラ
202 圧力リミッタ
203 アジャスタ
210 外部指令所
212 アジャスタ
220 圧力フィードバックコントローラ
300 Cp最大曲線
310 W−T関数
500 増速機
520 二次巻線誘導発電機
530 AC−DC−ACコンバータ(周波数変換回路)
540 同期発電機
550 AC−DC−ACリンク(周波数変換回路)

Claims (15)

  1. 再生エネルギーを利用して電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、
    ブレードと、
    前記ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーにより回転する回転シャフトと、
    前記回転シャフトにより駆動されて圧油を生成する油圧ポンプと、
    前記圧油によって駆動される複数の油圧モータと、
    周波数変換回路を介さずに電力系統に連系され、前記複数の油圧モータにそれぞれ連結される複数の同期発電機と、
    前記複数の油圧モータの押しのけ容積を互いに独立して調節するモータ制御部と、
    各同期発電機の前記電力系統への併入前、各同期発電機の端子電圧の周波数及び位相が前記電力系統に同期するように、各油圧モータの前記押しのけ容積の指令値を前記モータ制御部に与えるシンクロナイザーとを備えることを特徴とする再生エネルギー型発電装置。
  2. 前記モータ制御部は、各同期発電機の前記電力系統への併入後、各油圧モータの出力目標値に基づいて前記圧油の圧力が目標圧力に維持されるように該油圧モータの押しのけ容積を調節することを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  3. 前記同期発電機および前記油圧モータは、それぞれ、N個(ただしNは2以上の整数)設けられており、
    前記N個の同期発電機は、前記再生エネルギーの流速の増加に応じて前記電力系統に順次併入され、
    前記モータ制御部は、各同期発電機の前記電力系統への併入前、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて各油圧モータの押しのけ容積を調節することを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  4. 前記モータ制御部は、
    前記N個のうちi番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機の前記電力系統への併入後、前記i番目の同期発電機の出力が該同期発電機の最低負荷よりも大きく該同期発電機の定格出力よりも小さい設定値に達するまで前記i番目の同期発電機に連結されたi番目の油圧モータの押しのけ容積を増大させた後、
    前記N個のうち(i+1)番目の同期発電機の前記電力系統への併入前に、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて前記(i+1)番目の同期発電機に連結された(i+1)番目の油圧モータの押しのけ容積を調節することを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  5. 前記設定値は、前記i番目の同期発電機の定格出力の50%以上100%未満であることを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  6. 前記モータ制御部は、前記N個のうちi番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機の前記電力系統への併入後、1番目からi番目のi個の同期発電機の出力が最低負荷に維持されるように1番目からi番目の油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節しながら、前記N個のうち(i+1)番目の同期発電機の前記電力系統への併入前に、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて前記(i+1)番目の同期発電機に連結された(i+1)番目の油圧モータの押しのけ容積を調節することを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  7. 前記ブレードのピッチ角を調節するピッチ制御部と、
    前記油圧ポンプの押しのけ容積を調節するポンプ制御部とをさらに備え、
    前記N個のうち1番目の同期発電機の前記電力系統への併入前に、前記回転シャフトの回転数が目標回転数に維持されるように前記ブレードのピッチ角が前記ピッチ制御部によって調節され、前記圧油の圧力が目標圧力に維持されるように前記油圧ポンプの押しのけ容積が前記ポンプ制御部によって調節された状態で、前記モータ制御部が、前記シンクロナイザーからの前記指令値に基づいて前記1番目の同期発電機に連結された1番目の油圧モータの押しのけ容積を調節ことを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  8. 前記同期発電機および前記油圧モータの各組の累積稼働時間、及び、各同期発電機と前記電力系統との接続状態を切り替える各遮断器の開閉回数の少なくとも一方に基づいて、前記同期発電機の併入順が決定されることを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  9. 前記油圧ポンプの押しのけ容積を調節するポンプ制御部をさらに備え、
    前記N個のうちi番目(ただしiは1〜(N−1)の範囲における任意の整数)の同期発電機の前記電力系統への併入後、前記i番目の同期発電機の出力が徐々に増加するように、前記ポンプ制御部による前記油圧ポンプの押しのけ容積の調節と、前記モータ制御部による前記i番目の同期発電機に連結されたi番目の油圧モータの押しのけ容積の調節とが行われることを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  10. 前記再生エネルギー型発電装置の定格出力をPratedとしたとき、前記N個のうちM個(ただしMは1以上(N−1)以下の整数)の同期発電機の故障時にPrated×(N−M)/N以下の出力で発電を行うことを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  11. 前記再生エネルギーの流速が前記再生エネルギー型発電装置の発電開始点であるカットイン流速を下回った場合、前記電力系統に併入されている前記同期発電機を全て解列して、前記再生エネルギー型発電装置の発電を停止することを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  12. 前記同期発電機が全て解列されている場合、前記再生エネルギー型発電装置の補機に供給するための電力を少なくとも一つの前記同期発電機で生成することを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  13. 各油圧モータは、シリンダおよびピストンにより囲まれる複数の作動室と、各作動室への前記圧油の供給を行う複数の高圧弁と、各作動室からの前記圧油の排出を行う複数の低圧弁と、前記作動室、前記高圧弁及び前記低圧弁が収納されるケーシングとを含み、
    各油圧モータに対応して前記ケーシングの外部に設けられる始動弁をさらに備え、
    各油圧モータの始動時、前記モータ制御部は、前記始動弁及び前記低圧弁の開閉制御により前記圧油の供給及び排出が行われる前記作動室の数を調節して各油圧モータを弁切替え目標回転数まで加速し、前記高圧弁及び前記低圧弁の開閉制御により前記圧油の供給及び排出が行われる前記作動室の数を調節して各油圧モータを前記弁切替え目標回転数を超えてさらに加速することを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  14. 前記再生エネルギー型発電装置が、前記再生エネルギーとしての風から電力を生成する風力発電装置であることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  15. ブレードを介して受け取った再生エネルギーによって回転する回転シャフトと、前記回転シャフトにより駆動されて圧油を生成する油圧ポンプと、前記圧油によって駆動される複数の油圧モータと、前記複数の油圧モータにそれぞれ連結される複数の同期発電機とを備える再生エネルギー型発電装置の運転方法であって、
    各同期発電機の端子電圧の周波数及び位相が前記電力系統に同期するように、シンクロナイザーからの指令値に基づいて、前記複数の油圧モータの押しのけ容積を互いに独立して調節するステップと、
    前記押しのけ容積を調節するステップの後、周波数変換回路を介さずに前記複数の同期発電機を前記電力系統に併入するステップとを備えることを特徴とする再生エネルギー型発電装置の運転方法。
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