JP5522923B2 - 通信端末、及び、エリア定義プログラム - Google Patents

通信端末、及び、エリア定義プログラム Download PDF

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本発明は、ユーザのシチュエーションを推定するために用いられるエリアを決定する通信端末、及び、エリア定義プログラムに関する。
近年、地図上に各種エリアを定義し、ユーザが携帯する端末の位置情報がエリア内にあるか否かに基づいて、ユーザの状況を示すシチュエーションを推定したり、ユーザが携帯する端末に適切なコンテンツを配信したりする技術が研究されている。コンテンツ配信技術においては、端末がエリア内に滞在している間にコンテンツの配信を完了させるために、端末がエリア内に滞在する時間等に基づいて、コンテンツ配信サービスを提供するエリアの大きさを選択するという工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
このような端末の位置情報に基づく情報処理は位置情報の測位精度に影響され、位置情報の測位精度が低い場合には、正確なシチュエーションを推定したり適切なコンテンツを配信したりすることができないという問題がある。測位精度が低いことによる不具合を防ぐ技術として、特許文献2には、測定精度の誤差により対象者の滞在予定位置とGPS機能等で現実に得られた位置情報とが一致しているにもかかわらず、安易に不一致と判定されることを防止する技術が記載されている。
特開2005−197874号公報 特開2007−141115号公報
ユーザが滞在するエリアに基づくシチュエーションの推定技術において、そのシチュエーションの推定精度を高めるためには、エリアのサイズを小さくすると良い。
しかしながら、エリアのサイズを小さくすると、屋内など測位精度が低い場所では測位誤差が大きくなり、その誤差がエリアの大きさ以上に大きくなってしまうと、ユーザが実際にはエリア内にいるにも関わらずエリア外と判定されてしまう。
逆に測位誤差を吸収するためにエリアサイズを大きくすると広範囲にわたってエリアとみなされるため、シチュエーションの推定精度が低くなってしまう。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、位置情報の測位精度が低い場合にも、ユーザのシチュエーションの推定精度を向上させることが可能なエリアを定義する通信端末、及び、エリア定義プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザの状況を示すシチュエーションの推定に用いられ、かつ、前記ユーザが目的に応じて滞在するエリアを定義するエリア定義手段を備えた通信端末であって、ユーザが携帯する自端末の位置情報を測位する測位手段と、ユーザの補正入力により、前記測位手段により測位された位置情報を補正したユーザ補正位置情報を生成するユーザ補正手段とを備え、前記エリア定義手段は、前記測位手段による位置情報の測位精度に応じて、前記エリアを定義し、前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報を含むエリアを、前記ユーザが特定の目的で滞在する特定エリアを正確に表すユーザ補正エリアとして定義し、前記測位手段により測位された位置情報と、前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報との中点を含むエリアを、前記ユーザが前記特定エリアに滞在することを判定する際の前記位置情報の測位誤差を吸収するための誤差吸収エリアとして定義することを特徴とする通信端末を提供する。
本発明によれば、通信端末は、測位手段による位置情報の測位精度に応じて、シチュエーションを推定するために用いられるエリアを定義するため、位置情報の測位精度が低い場合にも、ユーザのシチュエーションの推定精度を向上させることが可能なエリアを定義することができる。
また、本発明によれば、ユーザが特定の目的で滞在する特定エリアを正確に表すユーザ補正エリアと、ユーザが特定エリアに滞在することを判定する際の前記位置情報の測位誤差を吸収するための誤差吸収エリアとを定義するため、これらのエリアを用いて測位誤差を吸収し、ユーザが滞在するエリアを的確に判定することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信端末において、前記エリア定義手段は、前記測位精度が低いほど前記エリアの面積を大きく定義することを特徴とする。
本発明によれば、測位精度が低いほどエリアの面積を大きく定義するため、測位精度が低い場合にユーザが滞在するエリアの判定誤りを減少させて、ユーザのシチュエーションの推定精度を向上させることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の通信端末において、前記エリア定義手段は、前記エリアの形状を円形として定義することを特徴とする。
本発明によれば、エリアの形状を円形として定義するため、円の中心の位置と半径とを管理すればよく、データ管理が容易となる。
請求項に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の通信端末において、前記測位精度に応じて、前記ユーザ補正エリアと前記誤差吸収エリアとの少なくとも一方を用いて、ユーザが現在滞在しているエリアを判定するエリア判定手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、測位精度に応じてユーザ補正エリアと誤差吸収エリアとの少なくとも一方を用いて即位誤差を吸収し、ユーザが滞在するエリアを的確に判定することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の通信端末において、前記エリア判定手段は、前記測位精度が所定の閾値未満の場合であって、かつ、前記測位手段により測位された位置情報が前記ユーザ補正エリア外かつ前記誤差吸収エリア内に含まれる場合には、前記ユーザが前記特定エリアに滞在していると判定することを特徴とする。
本発明によれば、測位精度が低い場合に、測位手段により測位された位置情報がユーザ補正エリア外であっても、誤差吸収エリア内に含まれる場合には、ユーザが特定エリアに滞在していると判定するため、測位誤差を吸収して的確にエリアを判定することができる。
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の通信端末において、前記エリア判定手段は、前記測位手段により測位された位置情報が前記ユーザ補正エリア内に含まれる場合には、前記ユーザが前記特定エリアに滞在していると判定することを特徴とする。
本発明によれば、測位精度にかかわらず、測位手段により測位された位置情報がユーザ補正エリア内に含まれる場合には、ユーザが特定エリアに滞在していると的確に判定することができる。
請求項に記載の発明は、ユーザの状況を示すシチュエーションを推定するために用いられる、前記ユーザが目的に応じて滞在するエリアを定義するためのエリア定義プログラムであって、コンピュータを、位置情報を測位する測位手段と、前記測位手段による位置情報の測位精度に応じて、前記エリアを定義するエリア定義手段と、ユーザの補正入力により、前記測位手段により測位された位置情報を補正したユーザ補正位置情報を生成するユーザ補正手段として機能させ、前記エリア定義手段は、前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報を含むエリアを、前記ユーザが特定の目的で滞在する特定エリアを正確に表すユーザ補正エリアとして定義し、前記測位手段により測位された位置情報と、前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報との中点を含むエリアを、前記ユーザが前記特定エリアに滞在することを判定する際の前記位置情報の測位誤差を吸収するための誤差吸収エリアとして定義することを特徴とするエリア定義プログラムを提供する。
本発明によれば、エリア定義プログラムをコンピュータに記憶させて実行することで、コンピュータを位置情報の測位精度に応じてエリアを定義するよう機能させることができる。
本発明によれば、通信端末は、測位手段による位置情報の測位精度に応じて、シチュエーションを推定するために用いられるエリアを定義するため、位置情報の測位精度が低い場合にも、ユーザのシチュエーションの推定精度を向上させることが可能なエリアを定義することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、通信システムは、ユーザが携帯する、折りたたみ式の移動通信端末100と、移動通信端末100にダウンロードするためのアプリケーションプログラムを管理するサーバ200と、GPS(Global Positioning System)による衛星ID及び時刻を含むGPS信号を送信する測位装置300と、を含んで構成される。
(移動通信端末のハードウェア構成)
図2は、移動通信端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、移動通信端末100は、全体を制御するCPU101と、プログラムやデータ等のソフトウェアを記憶する記憶装置102と、無線通信を行うための通信インターフェース103と、各種画面を表示する表示装置104と、キーの押下、端末の開閉等の操作に応じた入力信号を端末100に入力する入力装置105と、音声や効果音等の音を出力する音出力装置106と、ユーザの声を入力するマイクロホン等の声入力装置107と、日時を計時する内部時計108と、測位装置300からGPS信号を受信するためのGPS受信機109と、を備えている。
記憶装置102は、ROM121と、RAM122と、不揮発性メモリ123とを備えている。ROM121には、オペレーティングシステム、Java(登録商標)仕様に準拠したアプリケーションプログラムを実行するためのソフトウェア等が記憶されている。また、RAM122には、各種プログラムやデータが一時的に記憶される。
不揮発性メモリ123には、アプリ保存領域123aとスクラッチパッド123bとが設けられている。アプリ保存領域123aには、サーバ200からダウンロードされたアプリケーションプログラムが記憶される。なお、ダウンロードに限らず、当該アプリケーションプログラムを移動通信端末100の製造時からアプリ保存領域123aに記憶させておくことも可能である。スクラッチパッド123bには、サーバ200からダウンロードされたデータや、アプリケーションプログラムを起動することにより、又は、アプリケーションプログラムを実行することによって作成されたデータが記憶される。本実施形態では、スクラッチパッド123bには、曜日を判定するためのカレンダーデータ、音出力装置106から出力するための音データ、表示装置104に表示するための画像データ、地図を表示するための地図データ、ユーザの履歴ログ、測位した位置情報等が記憶される。なお、移動通信端末100は、データを記憶するためのメモリとして、スクラッチパッド123b以外の外部記憶装置を備えていてもよい。
(移動通信端末の機能構成)
次に、図3を参照して、移動通信端末100の機能構成について説明する。なお、同図に示す機能構成は、移動通信端末100のCPU101がROM121やアプリ保存領域123a等に記憶されたプログラムに従って処理を実行することにより、或いは、RAM122やスクラッチパッド123b等の記録媒体により、実現される。
(測位部)
測位部11は、ユーザが携帯する移動通信端末100の位置情報を測位する。本実施形態では、測位部11は、移動通信端末100に搭載されているGPS受信機109が所定の周期毎に測位装置300から受信するGPS信号に基づいて、GPS緯度経度を算出する。GPS信号を受信する所定の周期は、ユーザが滞在しているエリアに応じて変化する。例えば、ユーザが主たる居住場所であるホームエリアに滞在している場合には30分周期であり、ユーザが主たる勤務場所であるワークエリアに滞在している場合には15分周期となる。また、測位部11は、GPS受信機109の測位精度のレベルを検出する。例えば、レベル1(誤差300m以上)、レベル2(誤差50〜300m)、レベル3(誤差0〜50m)の何れのレベルに該当するかを検出する。なお、ホームエリア、ワークエリアの詳細については後述する。
なお、位置情報の測位方法はGPS測位に限定されることはなく、例えば、移動通信端末100が在圏する基地局の位置情報をユーザの位置情報とみなしてもよいし、ジャイロ等を用いて位置情報を測位してもよい。移動通信端末100が在圏する基地局の位置情報をユーザの位置情報とみなす場合には、測位装置300は端末位置測位の補助となる位置情報を提供する。
(エリア定義部)
エリア定義部12は、ユーザが目的に応じて滞在するエリアを定義する。本実施形態では、エリアには、ホームエリア(以下「HA」という)、仮ホームエリア(以下、「仮HA」という)、ワークエリア(以下「WA」という)、仮ワークエリア(以下、「仮WA」という)、「お気に入りエリア」、及び「特定エリア」が存在する。ここで、「HA」とは、自宅、実家等のユーザの主たる居住場所である。「仮HA」とは、友人宅、ホテル等の、ユーザが旅行、出張等で稀に就寝する場所である。「WA」とは、ユーザの主な勤務場所である。「仮WA」とは、客先、イベント会場等の、ユーザが営業、打合せ等で稀に勤務する場所である。「お気に入りエリア」とは、ユーザのお気に入りの場所として設定されるエリアである。「特定エリア」とは、コンテンツプロバイダが当該エリアでユーザにサービスを提供するために設定されるエリアである。本実施形態では、エリアは円形の領域で定義される。なお、エリアの形状は円形に限らず、例えば、多角形であっても四角形であってもよい。もっとも、円形は中心と半径のみで一意に特定可能なため、エリアを円形で定義した方がデータ管理や演算処理が容易となる。
エリア定義部12は、測位部11による位置情報の測位精度に応じて、エリアを定義する。例えば、測位精度が低いほど、測位した位置情報の誤差が大きいため、エリア定義部12は、エリアの半径を大きくして、エリアの面積を大きく定義する。逆に、測位精度が高いほど、エリアの半径を小さくして、エリアの面積を小さく定義する。
また、エリア定義部12は、入力装置105からのユーザによる入力に基づいてエリア名を定義する。エリア定義部12は、入力されたエリア名を、エリア名が入力された時に測位部11により測位されたGPS緯度経度を示す位置情報と、測位精度に応じて決定されたエリアの半径とに対応付けて、測位エリアとしてスクラッチパッド123bに記憶する。
また、エリア定義部12は、ユーザ補正機能12aと、ユーザ補正エリア定義機能12bと、誤差吸収エリア定義機能12cとを備えている。
ユーザ補正機能12aは、入力装置105からのユーザによるGPS緯度経度の補正入力に基づいて、ユーザ補正位置情報を生成する。
具体的には、例えば、ユーザが自宅に居る時に、HAを登録するために、地図データと測位データとを表示する指示を移動通信端末100に対して行うと、移動通信端末100は、測位部11で測位されたGPS緯度経度と、スクラッチパッド123bから読み出した当該位置情報周辺の地図データとを移動通信端末100の表示装置104に表示する。地図データ上に表示されたGPS緯度経度とユーザの自宅の場所の緯度経度とが一致していない場合、ユーザは地図上で自宅の場所を選択する操作を行う。これにより、ユーザ補正機能12aは、ユーザにより選択された地図上の緯度経度(以下、「ユーザ補正緯度経度」という)を表すユーザ補正位置情報を生成する。
ユーザ補正エリア定義機能12bは、生成したユーザ補正位置情報を、測位精度に応じて決定された半径と、ユーザにより入力されたエリア名とに対応付けて、ユーザ補正エリアとしてスクラッチパッド123bに記憶する。なお、ユーザ補正エリアの半径は、ユーザ補正位置情報が正確であるため、比較的小さくても構わない。
誤差吸収エリア定義機能12cは、GPS緯度経度とユーザ補正緯度経度との中点を含むエリアを、誤差吸収エリアとして定義する。例えば、誤差吸収エリア定義機能12cは、図4に示すように、GPS緯度経度とユーザ補正緯度経度との中点Mを中心とし、GPS緯度経度とユーザ補正緯度経度との間の距離の1/2の距離を半径r3とするエリアを、誤差吸収エリアA3として定義する。この誤差吸収エリアA3は、詳細は後述するが、特定エリアにユーザが居ることを判定する際に、位置情報の測位誤差を吸収するために用いられるエリアである。
図4には、以上のようにしてエリア定義部12により定義されるエリアの一例を示す。ユーザ補正エリアA1はユーザ補正緯度経度を中心とする半径r1のエリアであり、測位エリアA2はGPS緯度経度を中心とする半径r2のエリアであり、誤差吸収エリアA3はユーザ補正緯度経度とGPS緯度経度との中点Mを中心とする半径r3のエリアである。
なお、測位誤差を測位精度のレベルに応じて吸収できるように、誤差吸収エリアA3の半径r3は固定値とせず、測位精度が低いほど大きくするように定義してもよい。また、測位精度が低い場合には、誤差吸収エリアA3は、ユーザ補正エリアA1と測位エリアA2とを含む領域としてもよい。つまり、測位精度が低いほど、誤差吸収エリアA3の面積を大きく定義してもよい。
(ユーザ履歴ログ記憶部)
ユーザ履歴ログ記憶部13は、ユーザの行動の履歴を表すユーザ履歴ログをスクラッチパッド123bに記憶する。図5には、ユーザ履歴ログのデータ構成の一例を示す。同図に示すように、ユーザ履歴ログには、日時、平日・休日区分、位置情報、エリアの種類、シチュエーション、推定起床時刻・推定就寝時刻、表示したセリフID、質問に対する回答、及び、端末開閉時刻・キー操作時刻等の端末操作ログが含まれる。これらのユーザ履歴ログは、例えば、セリフを表示する画像が表示装置104に表示された時、ユーザが質問に答えた時、GPSによる位置測位が行われた時、ユーザが移動通信端末100の操作を行った時等に記憶される。
(モデル定義部)
モデル定義部14は、シチュエーション遷移モデルを定義し、当該定義したシチュエーション遷移モデルをスクラッチパッド123bに記憶する。ここで、「シチュエーション遷移モデル」とは、ユーザの1日のライフサイクルを表すライフサイクル情報と、ユーザが居る場所を表す位置情報とに依存するユーザのシチュエーションの遷移順を定義したモデルである。
また、「ライフサイクル情報」とは、ユーザの起床時刻、就寝時刻、始業時刻、終業時刻、起床時間帯、就寝時間帯等の、ユーザ毎に異なる1日のライフサイクルを表す情報をいう。モデル定義部14は、ユーザにより入力された、起床時刻、就寝時刻、始業時刻、終業時刻等の時刻を表すユーザ設定時刻情報と、「起床時間帯」、「就寝時間帯」、「起床時刻」、「就寝時刻」、「始業時刻」、「就業時刻」等のライフサイクルの分類項目と、を対応付けることにより、ライフサイクル情報を定義する。
また、「シチュエーション」とは、ユーザのおかれている状況や状態を表す。本実施形態では、シチュエーションは、主にポイントシチュエーション(PS)と、ラインシチュエーション(LS)と、スペシャルシチュエーション(SS)と、に分類できる。
「ポイントシチュエーション(PS)」とは、ユーザのライフサイクル情報とユーザが居るエリアとに基づいて推定される、行動の起点となるシチュエーションである。ポイントシチュエーションには、起床、出勤開始、仕事開始、仕事終了、帰宅、就寝、外出等が存在する。ポイントシチュエーションは、関連するラインシチュエーションに自動的に遷移する。
「ラインシチュエーション(LS)」とは、2つのポイントシチュエーション同士を結ぶシチュエーションであり、身支度中、出勤中、仕事中、残業中、帰宅中、在宅中、就寝中、外出中等が存在する。
「スペシャルシチュエーション(SS)」とは、ポイントシチュエーション及びラインシチュエーションの何れでもないシチュエーションであり、本実施形態では「迷子中」と呼ばれるシチュエーションが存在する。初回起動時や初めての位置情報取得前等の、現在のユーザのシチュエーションが不明な時のシチュエーションである。
図6には、シチュエーション遷移モデルの一例を示す。同図では、「就寝中」、「外出中」、「起床」、「身支度中」等のシチュエーションが、「就寝時刻前」、「就業時刻前」等のライフサイクル情報、及び、「HA」、「WA」、「EX」等のエリアに応じて遷移する様子が概念的に示されている。なお、図中の「EX」とは、定義されているエリア以外の未定義のエリア(except area)のことである。
図7には、図6に示すシチュエーション遷移モデルをテーブル形式で表現した場合の一例を示す。同図に示すテーブルでは、ユーザの遷移前のシチュエーションと、エリア(HA、仮HA、WA、仮WA、EX)と、ライフサイクル情報(起床時間帯、始業時刻、就業時刻等)と、現在のシチュエーションと、が対応付けられている。
図8には、平日における一般的なシチュエーションの遷移パターンの例を示す。同図に示すように、平日におけるユーザのシチュエーションは、HAにおいて「起床」、「身支度中」と遷移し、ユーザがHAからEXに移動するとシチュエーションはさらに「出勤開始」、「出勤中」へと遷移し、ユーザがEXからWAに移動するとシチュエーションはさらに「仕事開始」、「仕事中」、「残業開始」、「残業中」へと遷移し、ユーザがWAからEXに移動するとシチュエーションはさらに「仕事終了」、「帰宅中」へと遷移し、ユーザがEXからHAに移動するとシチュエーションはさらに「帰宅」、「在宅中」、「就寝」、「就寝中」へと遷移する。
図9には、休日における一般的なシチュエーションの遷移パターンの例を示す。同図に示すように、休日におけるユーザのシチュエーションは、HAにおいて「起床」、「在宅中」と遷移し、ユーザがHAからEXに移動するとシチュエーションはさらに「外出」、「外出中」へと遷移し、ユーザがEXからHAに移動するとシチュエーションはさらに「帰宅」、「在宅中」、「就寝」、「就寝中」へと遷移する。このように、一般的に平日と休日とでシチュエーションの遷移パターンが異なるため、モデル定義部14は、平日用と休日用との2種類のライフスタイルモデルを定義し、平休日区分と対応付けて記憶しておく。
(時刻情報取得部)
時刻情報取得部15は、移動通信端末100が備える内部時計108から現在時刻を表す時刻情報を取得する。なお、時刻情報の取得方法はこれに限定されることはなく、例えば、外部のサーバ装置から時刻情報を取得することも可能である。
(シチュエーション推定部)
シチュエーション推定部16は、エリア定義部12で定義されたエリアと、モデル定義部14により定義されたシチュエーション遷移モデルと、測位部11により測位された位置情報と、時刻情報取得部15により取得された時刻情報と、ユーザの遷移前のシチュエーションとに基づいて、ユーザの現在のシチュエーションを推定する。
具体的には、シチュエーション推定部16は、モデル定義部14に記憶されているライフサイクル情報に基づいて、時刻情報取得部15により取得された時刻情報で表される現在時刻がユーザのライフサイクルのどの分類項目(起床時間帯、始業時刻、就業時刻等)に該当するかを判定する。
また、シチュエーション推定部16はエリア判定機能161を備えており、当該エリア判定機能161により、エリア定義部12で定義されたエリアと、測位部11で測位された位置情報と測位精度とに基づいて、現在ユーザが滞在するエリアを判定する。
さらに、シチュエーション推定部16は、ユーザ履歴ログから、直近のシチュエーション、つまり遷移前のシチュエーションを取得する。そして、シチュエーション推定部16は、判定したライフサイクルの分類項目と、判定したエリアと、取得した遷移前のシチュエーションと、に対応する現在のシチュエーションをシチュエーション遷移モデルから取得し、当該取得した現在のシチュエーションをユーザの現在のシチュエーションと推定する。当該推定されたシチュエーションはユーザ履歴ログに記憶され、次のシチュエーション推定のために使用される。
(エリア判定機能)
ここで、シチュエーション推定部16が備えるエリア判定機能161について詳細に説明する。エリア判定機能161は、測位部11により測位される位置情報の測位精度に応じて、ユーザが現在滞在するエリアを判定する。
具体的には、測位部11により測位された位置情報が特定のエリアに対応するユーザ補正エリア内に含まれる場合には、エリア判定機能161は、ユーザが当該特定のエリアに滞在していると判定する。
また、測位精度が予め定められた所定の閾値以下の場合には、エリア判定機能161は、測位部11により測位された位置情報が特定のエリアに対応するユーザ補正エリア外であっても、誤差吸収エリア内に含まれる場合には、ユーザが当該特定のエリアに滞在していると判定する。このように、測位精度が低い場合には、誤差吸収エリアを利用することにより、測位精度の誤差を吸収して、的確にエリアを判定することができる。
(エリア定義プログラム)
上述したように、ROM121に記憶されているプログラム及びアプリ保存領域123aに記憶されているアプリケーションプログラムには、ユーザのシチュエーションを推定するために用いられるエリアを定義するためのエリア定義プログラムが含まれ、当該エリア定義プログラムは、移動通信端末(「コンピュータ」に対応)100を、位置情報を測位する測位部11と、測位部11による位置情報の測位精度に応じてエリアを定義するエリア定義部12として機能させるためプログラムである。
(HA定義処理)
次に、図10に示すフローチャートを参照して、移動通信端末100を携帯したユーザが在宅中の時に、移動通信端末100が、HAのユーザ補正エリア(以下、「ユーザ補正HA」という)及び誤差吸収エリア(以下、「誤差吸収HA」という)を定義するHA定義処理の流れについて説明する。
まず、初期設定として、予め用意したパラメータである測位回数iに0を設定し、最大測位回数nにN(Nは自然数)を設定し、測位精度閾値mにMを設定する(ステップS101)。
次に、測位回数iは最大測位回数N以下か否かを判定し(ステップS102)、最大測位回数N以下の場合(ステップS102:YES)、測位部11はGPS位置測位を行い(ステップS103)、測位結果のGPS緯度経度を記録する(ステップS104)。
測位精度のレベルを判定し、測位精度のレベルが閾値未満の場合(ステップS105:NO)、測位回数iに1を加算して(ステップS106)、ステップS102〜ステップS106までの処理を繰り返す。何度かこの処理を繰り返しても測位精度のレベルが閾値以上とならず、測位回数iが最大測位回数を超えた場合は(ステップS102:NO)、測位したGPS緯度経度のうち、例えば、ユーザ補正緯度経度が記録されている場合、当該緯度経度から最も遠いGPS緯度経度を記録して(ステップS107)、ステップS108に進む。また、ステップS105において、測位精度のレベルが閾値以上であると判定された場合にも(ステップS105:YES)、ステップS108に進む。
ステップS108において、ユーザは、移動通信端末100の表示装置104に表示された地図データ上のGPS緯度経度と、ユーザの自宅の場所とが一致していないのを見て、入力装置105から地図上の自宅の場所を入力する操作を行う。これにより、移動通信端末100のユーザ補正機能12aは、入力装置105からのユーザによる入力に基づいて、ユーザ補正緯度経度を示すユーザ補正位置情報を生成する。そして、当該生成したユーザ補正緯度経度を記録する(ステップS109)。
次に、ユーザ補正エリア定義機能12bは、ユーザ補正緯度経度を中心としたユーザ補正HAを生成する(ステップS110)。
次に、誤差吸収エリア定義機能12cは、ユーザ補正緯度経度とGPS緯度経度との中点を算出して記録する(ステップS111)。そして、誤差吸収エリア定義機能12cは、測位精度に基づき、ユーザ補正緯度経度とGPS緯度経度との間の距離のx(xは正の数)倍を半径として決定し、当該半径をもつ前記中点を中心とした誤差吸収HAを生成する(ステップS112)。
(HA判定処理)
次に、図11を参照して、移動通信端末100が実行するHA判定処理について説明する。
まず、初期設定として、図10のステップS101での処理と同様に、測位回数iに0を設定し、最大測位回数nにNを設定し、測位精度閾値mにMを設定する(ステップS201)。
次に、測位部11は、GPS位置測位を行う(ステップS202)。
GPS測位の測位精度のレベルが閾値m未満の場合(ステップS203:NO)、測位回数iは最大測位回数N以下か否かを判定する(ステップS204)。
測位回数iが最大測位回数N以下の場合(ステップS204:YES)、測位回数iに1を加算して(ステップS205)、ステップS202〜ステップS205までの処理を繰り返す。何度かこの処理を繰り返しても測位精度のレベルが閾値以上とならず、測位回数iが最大測位回数を超えた場合は(ステップS204:NO)、ステップS206に進む。
ステップS206においては、エリア判定機能161は、ステップS202で測位したGPS緯度経度が上記HA定義処理で定義したユーザ補正HAの内側にあるか否かを判定する(ステップS206)。GPS緯度経度がユーザ補正HAの内側にあると判定した場合(ステップS206:YES)、エリア判定機能161は、ユーザはHAに居ると判定する(ステップS209)。
一方、GPS緯度経度がユーザ補正HAの外側にあると判定した場合(ステップS206:NO)、エリア判定機能161は、GPS緯度経度がユーザ補正HAの外側かつ誤差吸収HAの内側にあるか否かを判定する(ステップS207)。
GPS緯度経度がユーザ補正HAの外側かつ誤差吸収HAの内側にあると判定した場合(ステップS207:YES)、エリア判定機能161は、ユーザはHAに居ると判定する(ステップS210)。一方、GPS緯度経度がユーザ補正HAの外側かつ誤差吸収HAの外側にあると判定した場合には(ステップS207:NO)、エリア判定機能161は、ユーザはEXに居ると判定する(ステップS211)。
一方、ステップS203において、測位精度のレベルが閾値以上であると判定した場合は(ステップS203:YES)、エリア判定機能161は、GPS緯度経度はユーザ補正HAの内側にあるか否かを判定する(ステップS208)。
GPS緯度経度がユーザ補正HAの内側にあるか否かを判定した場合には(ステップS208:YES)、エリア判定機能161は、ユーザはHAに居ると判定する(ステップS212)。一方、GPS緯度経度がユーザ補正HAの外側にあると判定した場合には(ステップS208:NO)、エリア判定機能161は、ユーザはEXに居ると判定する(ステップS213)。
このように、測位精度が低い場合には、GPS緯度経度がユーザ補正HA外であっても、誤差吸収HA内に含まれる場合には、ユーザがHAに滞在していると判定するようにしたため、測位誤差を吸収して、ユーザがHAに滞在していることを的確に判定することができる。また、GPS緯度経度がユーザ補正HA内に含まれる場合には、ユーザがHAに滞在していると当然に判定することができる。そして、的確に判定したエリアに基づいて、ユーザのシチュエーションを的確に判定することができる。
以上のように測位精度によって動的にエリアを定義することができ、屋内、屋外等のそれぞれの測位精度にあわせて的確にエリアを判別できるため、シチュエーションの推定精度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、移動通信端末100が図3に示す各機能を備えているとして説明したが、これに限定されることはなく、サーバ200が図3に示す各機能を備えていてもよいし、或いは複数の装置が図3に示す各機能を備えていてもよい。
本発明は、位置情報の測定精度が低い場合にも、ユーザのシチュエーションを正確に判定可能なエリアを定義することができる。
本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。 同実施形態に係る移動通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る移動通信端末の機能構成を示すブロック図である。 同実施形態に係るエリア定義部により定義される特定のエリアの一例を示す図である。 同実施形態に係るユーザ履歴ログの一例を示す図である。 同実施形態に係るシチュエーション遷移モデルの一例を示す図である。 図6に示すシチュエーション遷移モデルをテーブル形式で表現した場合の一例を示す図である。 同実施形態に係る平日のシチュエーションの遷移パターンの一例を示す図である。 同実施形態に係る休日のシチュエーションの遷移パターンの一例を示す図である。 同実施形態に係るHA定義処理の流れを示すフローチャートである。 同実施形態に係るHA判定処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
100 移動通信端末
11 測位部
12 エリア定義部
12a ユーザ補正機能
12b ユーザ補正エリア定義機能
12c 誤差吸収エリア定義機能
13 ユーザ履歴ログ記憶部
14 モデル定義部
15 時刻情報取得部
16 シチュエーション推定部
161 エリア判定機能
101 CPU
102 記憶装置
103 通信インターフェース
104 表示装置
105 入力装置
106 音出力装置
107 声入力装置
108 内部時計
109 受信機
123 不揮発性メモリ
123a アプリ保存領域
123b スクラッチパッド
200 サーバ
300 測位装置

Claims (7)

  1. ユーザの状況を示すシチュエーションの推定に用いられ、かつ、前記ユーザが目的に応じて滞在するエリアを定義するエリア定義手段を備えた通信端末であって、
    ユーザが携帯する自端末の位置情報を測位する測位手段と、
    ユーザの補正入力により、前記測位手段により測位された位置情報を補正したユーザ補正位置情報を生成するユーザ補正手段とを備え、
    前記エリア定義手段は、
    前記測位手段による位置情報の測位精度に応じて、前記エリアを定義し、
    前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報を含むエリアを、前記ユーザが特定の目的で滞在する特定エリアを正確に表すユーザ補正エリアとして定義し、
    前記測位手段により測位された位置情報と、前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報との中点を含むエリアを、前記ユーザが前記特定エリアに滞在することを判定する際の前記位置情報の測位誤差を吸収するための誤差吸収エリアとして定義すること
    を特徴とする通信端末。
  2. 前記エリア定義手段は、前記測位精度が低いほど前記エリアの面積を大きく定義することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
  3. 前記エリア定義手段は、前記エリアの形状を円形として定義することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末。
  4. 前記測位精度に応じて、前記ユーザ補正エリアと前記誤差吸収エリアとの少なくとも一方を用いて、ユーザが現在滞在しているエリアを判定するエリア判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の通信端末。
  5. 前記エリア判定手段は、
    前記測位精度が所定の閾値未満の場合であって、かつ、
    前記測位手段により測位された位置情報が前記ユーザ補正エリア外かつ前記誤差吸収エリア内に含まれる場合には、前記ユーザが前記特定エリアに滞在していると判定することを特徴とする請求項に記載の通信端末。
  6. 前記エリア判定手段は、
    前記測位手段により測位された位置情報が前記ユーザ補正エリア内に含まれる場合には、前記ユーザが前記特定エリアに滞在していると判定することを特徴とする請求項又はに記載の通信端末。
  7. ユーザの状況を示すシチュエーションを推定するために用いられる、前記ユーザが目的に応じて滞在するエリアを定義するためのエリア定義プログラムであって、
    コンピュータを、
    位置情報を測位する測位手段と、
    前記測位手段による位置情報の測位精度に応じて、前記エリアを定義するエリア定義手段と、
    ユーザの補正入力により、前記測位手段により測位された位置情報を補正したユーザ補正位置情報を生成するユーザ補正手段と
    して機能させ、
    前記エリア定義手段は、
    前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報を含むエリアを、前記ユーザが特定の目的で滞在する特定エリアを正確に表すユーザ補正エリアとして定義し、
    前記測位手段により測位された位置情報と、前記ユーザ補正手段により生成されたユーザ補正位置情報との中点を含むエリアを、前記ユーザが前記特定エリアに滞在することを判定する際の前記位置情報の測位誤差を吸収するための誤差吸収エリアとして定義すること
    を特徴とするエリア定義プログラム。
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