JP5522655B2 - 画像拡大方法、そのコンピュータプログラム、及び画像処理装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、境界が比較的わかりやすい拡大画像が得られる画像拡大方法等を提供することを目的とする。
また、前記配置情報は、前記周辺画素の画素値それぞれが、前記対応領域中の画素の画素値として選択される際における前記周辺画素間の優先順位を示す情報を含むのが好ましい。
図1は、画像処理装置における処理ステップを示している。本実施形態における画像処理装置は、CPU・メモリなどを有するコンピュータによって構成され、後述する画像処理装置の機能(画像拡大処理)はコンピュータにインストールされたコンピュータプログラムが当該コンピュータによって実行されることで実現される。
なお、本実施形態の画像処理装置の機能は、画像処理プロセッサなどのハードウェアによって構成されてもよい。
図1に示すように、本実施形態の画像拡大処理は、エッジ部分の作成処理(ステップS1)、面領域の作成処理(ステップS2)、補完処理(ステップS3)の各ステップから構成されている。拡大対象となる原画像が入力されるとこれらのステップS1〜S3によって、原画像を拡大した拡大画像が出力される。
図3は、エッジ部分の作成処理(ステップS1)を示している。このステップS1で得られたエッジ部分の位置(画素位置)を示す情報は、ステップS3の補完処理で用いられる。
図3に示すように、エッジ部分の作成処理は、Lanczos法(第1画像拡大アルゴリズム)によって原画像を5倍に拡大するステップS11と、B−Spline法(第2画像拡大アルゴリズム)によって原画像を5倍に拡大するステップS12と、Lanczos法による補間関数とB−Spline法による補間関数との交点を抽出するステップS13とを含んでいる。
なお、エッジを強調する他の第1画像拡大アルゴリズムとしては、線形補間法などがある。
なお、第1画像拡大アルゴリズムよりも画像を滑らかにする他の第2画像拡大アルゴリズムとしては、Mitchell法などがある。
図5において、白色の線がエッジラインである。このようなエッジ部分を示す情報は、ステップS3において拡大画像を生成する際に用いられる。
具体的には、エッジ(エッジライン)は、ステップS3において生成される拡大画像中の物体(画素値)の境界(境界線)線として用いられる。このエッジを用いることで、Lanczos法で拡大した場合に物体が大きくなりすぎる問題や疑似輪郭の問題を防止できる。
図6は、面領域の作成処理(ステップS2)を示している。
面領域の作成処理は、原画像を、B−Spline(Spline)法などの所定の画像拡大アルゴリズムに従って所望の拡大率(ここでは5倍)で拡大して初期拡大画像を得る拡大ステップS21と、初期拡大画像を補正して補正拡大画像を得る1又は複数の補正ステップS22a,S22b,・・と、補正拡大画像中の各画素それぞれの画素値を最適な周辺輝度値で置換した近似拡大画像を得る置換ステップS23と、近似拡大画像を縮小する縮小ステップS24と、原画像とこの縮小ステップS24で縮小した画像との差分を示す判定用差分画像を得る判定用差分画像抽出ステップS25と、を含んでいる。
ここでは、まず、図7に示すように、原画像中のある単位画素(1ピクセル;図7(a)ではdata[4]に相当するピクセル)を拡大(5倍拡大)した領域を「対応領域」という。図7(a)では、前述のある単位画素及び単位画素に隣接する8個の周辺画素の計9個の画素の輝度値をdata[0]〜data[8]で示している。図7(b)では、対応領域中の25個の画素の輝度値をSpline[0]〜Spline[24]で示している。
図10に示すように補完処理(ステップS3)では、まず、判定用差分画像抽出ステップS25で得た判定用差分画像に基づいて、処理を終了するか否かの判定処理(ステップS31)を行う。
まず、ステップS32では、原画像の各画素(単位画素)について、原画像のある特定の画素(単位画素)及びその特定画素に隣接する8個の周辺画素の計9個の画素の輝度値(周辺輝度値)が、その特定画素を拡大したときの拡大画像中の対応領域に及ぼす影響度情報K[j](j:0〜8)を算出する。
この影響度情報K[j]は、9個の周辺輝度値それぞれが、対応領域中の画素の輝度値として選択される画素数(影響面積)である。
したがって、前記影響度情報K[j]は、9個の周辺輝度値それぞれが、前記対応領域において、何個の画素分存在するかを示す値となる。
まず、9個のK[j](j:0〜8)の総和は、前記対応領域中の画素数(5×5=25)に等しい。よって、下記式が成り立つ。
この平均輝度差が小さいほど、拡大画像を再び縮小したときに原画像に近い画像となり好ましい拡大画像となる。
つまり、
また、配置情報は、周辺画素の画素値それぞれが、前記対応領域における画素の画素値として選択される際における前記周辺画素間の優先順位を示す優先情報を含んでおり、この優先情報を「二次勾配」として求める。
このとき、一次勾配a,b,c,d,e,f,g,h(図11(c1)参照)は、図11(c2)のような値となり、この一次勾配を構成する各値a,b,c,d,e,f,g,hは、影響度情報K[j]に基づき、図11(b1)中に示す式に従って算出される。ここでは、a=9,b=7,C=10,d=4,e=8,f=6,g=11,h=5である(図11(b2)(c2)参照)。
これらの二次勾配の各値は、特定画素の周囲における影響度情報の全体的な勾配を示している。
細分化ステップS34では、影響度情報K[j]それぞれが示す数に従って、特定画素又は周辺画素の輝度値を、前記対応領域中の画素値として代入する。
この場合、まず、対応領域中に、エッジラインとなる画素が存在する場合、原画像の対応する特定画素の画素値data[4]を、エッジラインとなる画素(block[2],block[7],block[12],block[18],block[23])の画素値として代入する。図12では、エッジラインとなる画素は×で示している。なお、ここでは、エッジライン上の画素数=K[4]=5である。
また、対応領域中の各画素を囲む図形は、対応領域中の画素の輝度値として、どの周辺画素の輝度値が代入されたかを識別するためのものであり、一重丸印は特定画素の左斜上の周辺輝度値(data[0])、二重丸印は同真上の周辺輝度値(data[1])、一重星印は同右斜上の周辺輝度値(data[2])、一重四角印は同左横の周辺輝度値(data[3])、二重四角印は同右横の周辺輝度値(data[5])、一重三角印は同左斜下の周辺輝度値(data[6])、二重星印は同真下の周辺輝度値(data[7])、二重三角印は同右斜下の周辺輝度値(data[8])を示す。
以上で、最初の代入値であるdata[0]の対応領域中への代入が完了する。
同様に、次の代入値data[3]の対応領域中への代入が行われ、他の代入値についても順次代入が行われて、細分化ステップS34が終了する。
特に、Lanczos法で拡大した図15(b)では、疑似輪郭が生じ、物体がやや大きくなっている(トンボの尻尾の部分の周辺を参照)。
なお、上記において開示した事項は、例示であって、本発明を限定するものではなく、様々な変形が可能である
S2 面領域の作成処理
S3 補完処理
Claims (15)
- 原画像を高解像度化して拡大画像を得る画像拡大方法であって、
前記原画像における単位画素に対応する前記拡大画像の対応領域中の複数の画素の各画素値として、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のいずれかの画素値をそのまま選択することで、前記原画像における前記単位画素それぞれを、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のいずれかの画素値を有する複数の画素に細分化して拡大画像を得る細分化ステップ
を含み、
前記細分化ステップは、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のうちどの画素の画素値を、前記対応領域中のどの画素の画素値として選択するかを、影響度情報及び配置情報に基づいて、決定するものであり、
前記影響度情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値それぞれが、前記対応領域における画素の画素値として占める画素数を示す情報であり、
前記配置情報は、前記対応領域に配置される画素の位置を規律する情報であり、
前記影響度情報及び配置情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値に基づいて生成される
画像拡大方法。 - 前記影響度情報は、当該影響度情報に従った場合の対応領域の平均画素値と、前記単位画素の画素値と、の差である平均輝度差を小さくするように決定される
請求項1記載の画像拡大方法。 - 前記影響度情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値における最大値及び最小値が、前記対応領域中における画素値として占める割合が大きくなるように決定される
請求項1又は2記載の画像拡大方法。 - 原画像を高解像度化して拡大画像を得る画像拡大方法であって、
前記原画像における単位画素に対応する前記拡大画像の対応領域中の複数の画素の各画素値として、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のいずれかの画素値を選択することで、前記原画像における前記単位画素それぞれを細分化して拡大画像を得る細分化ステップを含み、
前記細分化ステップは、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のうちどの画素の画素値を、前記対応領域中のどの画素の画素値として選択するかを、影響度情報及び配置情報に基づいて、決定するものであり、
前記影響度情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値それぞれが、前記対応領域における画素の画素値として占める画素数を示す情報であり、当該影響度情報に従った場合の対応領域の平均画素値と前記単位画素の画素値との差である平均輝度差を、前記単位画素及び前記周辺画素の平均画素値と前記単位画素及び前記周辺画素の画素値それぞれとの差の絶対値に、対応する前記単位画素及び前記周辺画素の影響度情報を乗じたものの総和を示す分散値で除した値である変換度に基づいて決定され、
前記配置情報は、前記対応領域に配置される画素の位置を規律する情報であり、
前記影響度情報及び配置情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値に基づいて生成される
画像拡大方法。 - 前記影響度情報は、前記変換度が最小となるように決定される
請求項4記載の画像拡大方法。 - 前記配置情報は、前記周辺画素の画素値が、前記対応領域における画素の画素値として占める範囲の広がり方向を示す方向情報を含む
請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像拡大方法。 - 前記配置情報は、前記周辺画素の画素値それぞれが、前記対応領域中の画素の画素値として選択される際における前記周辺画素間の優先順位を示す情報を含む
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像拡大方法。 - 原画像を高解像度化して拡大画像を得る画像拡大方法であって、
前記原画像における単位画素に対応する前記拡大画像の対応領域中の複数の画素の各画素値として、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のいずれかの画素値を選択することで、前記原画像における前記単位画素それぞれを細分化して拡大画像を得る細分化ステップと、
前記拡大画像におけるエッジを抽出するエッジ抽出ステップと、を含み、
前記エッジ抽出ステップでは、画像におけるエッジが強調されるように画像拡大を行う第1画像拡大アルゴリズムによって前記原画像を拡大した場合の画素値と、前記第1画像拡大アルゴリズムよりも画像全体が滑らかになる第2画像拡大アルゴリズムによって前記対象を拡大した場合の画素値と、が一致する位置にある画素をエッジとして抽出し、
前記細分化ステップでは、前記対応領域中の画素のうち、前記エッジに相当する画素は、その画素値として、前記原画像における前記単位画素の画素値を選択する
画像拡大方法。 - 前記第1画像拡大アルゴリズムは、Lanczos法又は線形補間法である
請求項8記載の画像拡大方法。 - 前記第2画像拡大アルゴリズムは、Spline法又はMitchell法である
請求項8又は9記載の画像拡大方法。 - 拡大対象である原画像を、所定の画像拡大アルゴリズムに従って所望の拡大率で拡大させて初期拡大画像を得る拡大ステップと、
前記初期拡大画像を補正して補正拡大画像を得る補正ステップと、
前記補正拡大画像中の各画素それぞれの画素値を置換した近似拡大画像を得る置換ステップと、
前記近似拡大画像を前記原画像のサイズに縮小したものと、前記原画像と、の差分を示す判定用差分画像を得る判定用差分画像抽出ステップと、
前記判定用差分画像に基づいて、前記近似拡大画像が前記原画像の拡大画像として適切であるか否かを判定する判定ステップと、
を更に含み、
前記補正ステップは、
前記初期拡大画像を前記原画像のサイズに縮小させた縮小画像を得るステップと、
前記原画像と前記縮小画像との差分を示す差分画像を得るステップと、
前記差分画像を前記画像拡大アルゴリズムに従って前記拡大率で拡大させて拡大差分画像を得るステップと、
前記初期拡大画像に前記拡大差分画像を加算して補正拡大画像を得るステップと、
を含み、
前記置換ステップは、前記原画像における単位画素に対応する前記補正拡大画像の対応領域中の複数の置換対象画素それぞれの画素値を、近似値に置換することで近似拡大画像を得るものであり、
更に前記置換ステップでは、前記近似値として、前記原画像における前記単位画素及びその周辺にある複数の周辺画素の各画素値のうち、前記置換対象画素の画素値に最も近い値が選択され、
前記判定ステップにおいて、前記近似拡大画像が前記原画像の拡大画像として適切であると判定されると、前記近似拡大画像を拡大画像として出力し、前記近似拡大画像が前記原画像の拡大画像として適切でないと判定されると前記細分化ステップで得た拡大画像を出力する
請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像拡大方法。 - 前記補正ステップによって得られた前記補正拡大画像を前記初期拡大画像として、前記補正ステップを複数回繰り返す
請求項11記載の画像拡大方法。 - 前記所定の画像拡大アルゴリズムは、Spline法又はMitchell法である
請求項11又は12に記載の画像拡大方法。 - コンピュータに、請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像拡大方法におけるステップを実行させるためのコンピュータプログラム。
- 原画像を高解像度化しつつ拡大した拡大画像を得る画像処理装置であって、
前記原画像における単位画素に対応する前記拡大画像の対応領域中の複数の画素の各画素値として、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のいずれかの画素値をそのまま選択することで、前記原画像における前記単位画素それぞれを、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のいずれかの画素値を有する複数の画素に細分化して拡大画像を得る細分化手段を備え、
前記細分化手段は、前記原画像における前記単位画素又はその周辺にある複数の周辺画素のうちどの画素の画素値を、前記対応領域中のどの画素の画素値として選択するかを、影響度情報及び配置情報に基づいて、決定し、
前記影響度情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値それぞれが、前記対応領域における画素の画素値として占める画素数を示す情報であり、
前記配置情報は、前記対応領域に配置される画素の位置を規律する情報であり、
前記影響度情報及び配置情報は、前記単位画素及び前記周辺画素の画素値に基づいて生成される画像処理装置。
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