JP5522582B2 - 水道部材用黄銅合金 - Google Patents
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Description
この発明は、亜鉛を含有する黄銅合金に関し、特に、上水経路等に使用される水道部材用黄銅合金に関する。
亜鉛を20〜40%含む銅合金は、鋳造性や延性、切削性に優れるとともに、金に似た光沢を有する外観上の美しさも有する黄銅、あるいは真鍮と呼ばれ、様々な用途に用いられている。例えば、特許文献1には、亜鉛27〜35%とアルミニウム1〜3%を含有する水道資機材用の黄銅合金が記載されている。
しかしながら、亜鉛の含有量が多い黄銅合金は、様々な成分が溶解した水道水と接触すると、銅に比べて標準電極電位が低い亜鉛が溶け出しやすい。特に、黄銅の平衡状態の中で、一般に亜鉛濃度の高いβ相と呼ばれる結晶構造を取るところの溶出が起きやすい。この脱亜鉛腐食が起こると、水道水中に合金の成分が溶け出すだけでなく、表面が劣化しバルブなどの止水性能を低下させてしまうおそれがあった。
一方で、単純に溶出が起きにくいα相のみを取るようにした特許文献1の合金は、切削性や鋳造性の点で問題があった。また、α相だけでは適用される用途が限定される場合がある。
そこでこの発明は、脱亜鉛腐食を抑制しつつ、機械的性質や切削性、鋳造性がよく、汎用性にも優れた黄銅合金を得ることを目的とする。
この発明は、Alを0.4質量%以上3.2質量%以下、Pを0.001質量%以上0.3質量%以下、Biを0.1質量%以上4.5質量%以下含有するとともに、Znを含有し、Znとその他の元素との含有量から算出される亜鉛当量(Zneq)とAlの含有量(質量%)とが次の2つの式(1)(2)を満足する黄銅合金によって、上記の課題を解決したのである。
Zneq+1.7×Al≧35.0 ……(1)
Zneq−0.45×Al≦37.0 ……(2)
Zneq+1.7×Al≧35.0 ……(1)
Zneq−0.45×Al≦37.0 ……(2)
特にこの発明の特徴は、PをAlと併存させたことと、亜鉛当量によりAlを始めとする他の元素とのバランスをとって配合したこと、そしてBiを含めたことにある。Pは単独で銅合金に対して脱酸効果や耐脱亜鉛腐食効果を発揮するが、Alとの併存により、Al−P系化合物を生成して切削性をも向上させる。ただし、生成する化合物の量が多すぎると機械的性質を低下させるため、その量を適切に調整しなければならない。また、Biは、上記Al−P系化合物と同様に切削性を向上させる。Biを一定以上含有していないと、水道部材用黄銅合金として必要な切削性を確保できない。
さらに、Znを単独で評価するのではなく、合金中の他の含有元素の影響を含めた亜鉛当量Zneqで評価した。亜鉛当量とは、黄銅合金中に他の元素を含有した場合に金属組織を予測する当量である。この発明では黄銅特有のα相およびβ相の相境界を制御するために式(1)及び(2)の制限を設けたので、脱亜鉛腐食を抑制すると同時に機械的性質を確保することができる。
その他の元素としてNiは亜鉛当量に対してマイナスの寄与を示すため、適切な範囲で含有させることで脱亜鉛腐食を起きにくくするだけでなく、合金の特性全般に関わって性能を向上させることできる。
さらにその他の元素としてBを添加すると、組織の微細化を促進し、耐脱亜鉛腐食性の向上や鋳造性、特に鋳造割れの防止に寄与することができる。
その他、Mn、Fe、Pb、Sn、Si、Mg、Cdなど、本発明の効果を阻害しない範囲で含有していてもよい。ただし、これらは亜鉛当量にも関わるため、換算後の値が上記の範囲に入ることが必要である。またこの中でもPbやCdはそれ自体が有害であるため、極力少ないことが望ましく、ほぼゼロとみなしうる量以下であることがより望ましい。その他、製造段階で入り込んでしまう不可避不純物などの微量元素は、本発明の効果を阻害せず、実用上有害とならない範囲で含んでいても良い。
この発明により、金属組織の制御によって脱亜鉛腐食を抑制しながら、機械的性質を十分に確保しつつ、切削性も確保する、バランスの取れた扱いやすい黄銅合金が得られる。鋳造だけでなく鍛造や伸銅等での使用でも、脱亜鉛腐食を効率的に抑制でき、溶出が起きにくいために水道部材として好適に用いることができる。
以下、この発明について具体的に説明する。この発明は、少なくともZnとAlとBiとPを含有する黄銅合金である。Znとその他の元素について、その影響力を後述する亜鉛当量に換算した範囲で規定し、脱亜鉛腐食を抑制する。
この発明にかかる黄銅合金は、Alを0.4質量%以上含有することが必要であり、1.0質量%以上含有すると好ましい。Alを含有させることで、同一の亜鉛当量であっても引張強さが向上する効果がある。また、後述するPとの間で切削性のよいAl−P系化合物を生成するため、切削性を向上させることができる。ただし、0.4質量%未満であると後述するPと共存させたとしても、耐脱亜鉛腐食性が確保できなくなってしまうおそれが高くなる。また、耐脱亜鉛腐食性を確保したとしても、Alの含有量が少なすぎると、Al−P系化合物の生成による切削性向上効果がやや発揮しにくくなるため1.0質量%以上が好ましい。さらに、後述する亜鉛当量との関係において設定される下限以上に含有される必要がある。一方、Alの含有量が多すぎると、Al−P系化合物が過剰に生成されて切削性が向上する代わりに鋳造性の低下が無視できなくなるので、3.2質量%以下である必要があり、3.0質量%以下であると好ましく、2.5質量%以下であるとより好ましい。
この発明にかかる黄銅合金は、Pを0.001質量%以上含有することが必要であり、0.01質量%以上含有すると好ましく、0.02質量%以上含有するとより好ましい。Pを含有させることで、脱酸効果を発揮する。脱酸効果により、特にこの発明にかかる黄銅合金を鋳造で用いる際に、鋳造欠陥の発生を抑止することができる。また、Alと併存することで少量のP量であっても良好な耐脱亜鉛腐食性を発揮する。さらにAl−P系化合物を生成して、後述するBiと共に作用することで十分な切削性を確保することができる。これは、切削時に切削屑を途中で分断させて細かくするチップブレーカとして作用するためである。0.001質量%未満ではこれらの効果が不十分で、特に、耐脱亜鉛腐食性の効果が不十分になりやすい。一方、P含有量が0.3質量%以下である必要があり、0.2質量%以下であると好ましい。0.3質量%を超えると、Al−P系化合物の生成量が過剰になってしまい、鋳造性が悪くなるだけでなく、伸びが著しく低下しやすくなってしまう。
この発明にかかる黄銅合金は、Biを0.1質量%以上含有する必要があり、0.4質量%以上であるとより好ましい。Biは合金中に微細に分散することで、切削性を劇的に向上させるとともに、耐脱亜鉛腐食性を発揮することができるが、0.1質量%未満では必要な切削性が得られず、0.4質量%以上含有すれば確実な切削性が得られるとともに、顕著な耐脱亜鉛腐食性を発揮する。一方、Biが多すぎると伸びが低下してしまう傾向にあるため、4.5質量%以下である必要があり、3.0質量%以下であると好ましい。さらに、2.0質量%以下であると顕著な耐脱亜鉛腐食性を発揮できてより好ましい。
この発明にかかる黄銅合金は、Niを含有していてもよい。Niは後述する亜鉛当量に対してマイナスの寄与効果があり、脱亜鉛腐食を抑制する効果を発揮する。この効果を十分に発揮させるためには、0.5質量%以上含有することが好ましい。一方で、多すぎると湯流れ性の低下や、ガス吸収が多くなるため、5.5質量%以下に留めておく必要があり、2.5質量%以下に留めておくとより安定した特性が得られやすい。
この発明にかかる黄銅合金は、その他の微量元素としてBを含有してもよい。Bは鋳造組織、特にα相の微細化に効果があり、耐脱亜鉛腐食性や複雑形状の鋳物に対する鋳造割れを改善することができる。この効果を十分に発揮させるためには0.001質量%以上含有することが好ましく、0.003質量%以上含有することがより好ましい。一方で多すぎると硬質な金属間化合物の発生による切削性の低下やガス欠陥などによる鋳造性の低下が起こるため、0.1質量%以下に留めておく必要があり、0.05質量%以下に留めるとより安定した鋳物が得られる。
この発明にかかる黄銅合金は、上記の元素の他に、Mn,Fe,Pb,Sn,Si,Mg,Cdを含有していても良い。ただし、これらの元素はいずれも後述する亜鉛当量に関与し、耐脱亜鉛腐食性を維持する点から、後述する亜鉛当量が規定する範囲で配合率が制限される。また、それぞれが多すぎても本発明の効果を阻害するおそれがあるため、これらの元素の含有量は一元素あたり、0.5質量%以下である必要がある。また、PbとCdはそれ自体が有害であり、特に水道用部材に用いる際には溶出によって水中にこれらの成分が溶け出すおそれがあるため、不可避不純物として含まれる量以下であると好ましく、検出限界以下であるとより好ましい。
この発明にかかる黄銅合金が含有するZnの量は、上記の元素の含有量と総合して亜鉛当量Zneqで規定する。この亜鉛当量は次の式(3)で表される。
Zneq={(Zn+Σqi・ti)/(Cu+Zn+Σqi・ti)}×100……(3)
(Cu:合金中のCuの含有量(質量%)、Zn:合金中のZnの含有量(質量%)、qi=CuとZn以外の元素の含有量(質量%)、ti=下記表1で示される各元素の当量値)
(Cu:合金中のCuの含有量(質量%)、Zn:合金中のZnの含有量(質量%)、qi=CuとZn以外の元素の含有量(質量%)、ti=下記表1で示される各元素の当量値)
この発明にかかる黄銅合金の亜鉛当量Zneqは、Alとの関係が、次の式(1)の関係を満足することが必要であり、式(4)の関係を満足すると望ましい。式(1)の条件を満足しない範囲では、引張強さ等の黄銅として一般的な機械的性質が得られず、実用上問題となってしまう。式(4)の条件を満足する範囲であれば、十分な引張強さを確保することができる。
さらに、亜鉛当量ZneqとAlとの関係が、次の式(2)を満足する必要があり、亜鉛当量Zneqが37.2以下であると好ましい。式(2)の条件を満足しないと脱亜鉛腐食の進行が速まりやすくなる。亜鉛当量Zneqが37.2以下であると脱亜鉛腐食の進行を十分に抑制できる。
Zneq+1.7×Al≧35.0 ……(1)
Zneq+1.7×Al≧37.5 ……(4)
Zneq−0.45×Al≦37.0 ……(2)
(Al:合金中のAlの含有量(質量%))
Zneq+1.7×Al≧37.5 ……(4)
Zneq−0.45×Al≦37.0 ……(2)
(Al:合金中のAlの含有量(質量%))
この発明にかかる黄銅合金は、上記の元素の他に、微量元素として不可避不純物程度の量で他の元素を含有していても良い。ただし、それらの他の元素は含有量が少ないことが望ましく、検出限界未満であるとより望ましい。具体的にはそれらの他の元素の含有量は合計で0.5質量%未満とすると好ましい。
この発明にかかる黄銅合金は、溶融して鋳型に流し込む鋳造に用いることができ、特に金型鋳造製品に用いると、好適にその効果を発揮することができる。また、鍛造や伸銅製品等に用いてもよい。いずれの場合でも、脱亜鉛腐食が進行しやすいβ相の生成を抑制できるが、結晶構造が変化しやすい場合でも、上記の配合比の範囲であれば、材料の機械的強度や切削性を確保しつつ、溶出や脱亜鉛腐食を抑制することができる。
さらに、この発明にかかる黄銅合金は、脱亜鉛腐食を抑えることができるだけでなく、PbとCdを不可避不純物としてしか含有しない場合は、有害なこれらPbとCdの水道水への溶出も防止できるため、水道水と恒常的に接する水道用部材に、より好適に用いることができる。
この発明にかかる黄銅合金を具体的に配合した実施例を挙げる。まず、評価方法について説明する。
<引張試験方法>
φ28mm×200mmの金型に鋳造した試料から、JIS Z2241で規定する14A号試験片に加工した。具体的形状は図1の通りであり、平行部の原断面積S0と原標点距離L0とがL0=5.65×S01/2の関係にある比例試験片である。棒状部の直径d0は4mm、原標点距離L0は20mm、円柱状とした並行部長さLcは30mm、肩部の半径Rは15mmとした。(L0=5.65×12.65(2×2×π)^1/2=20.04)
φ28mm×200mmの金型に鋳造した試料から、JIS Z2241で規定する14A号試験片に加工した。具体的形状は図1の通りであり、平行部の原断面積S0と原標点距離L0とがL0=5.65×S01/2の関係にある比例試験片である。棒状部の直径d0は4mm、原標点距離L0は20mm、円柱状とした並行部長さLcは30mm、肩部の半径Rは15mmとした。(L0=5.65×12.65(2×2×π)^1/2=20.04)
この試験片について、JIS Z2241に準拠して引張試験を実施して、その引張強さ(MPa)及び伸び(%)を次のように評価した。なお、引張強さは試験において不連続な降伏を示すまで、試験中に試験片が耐えた最大の試験力Fmとした。また、伸びは破断するまで試験した後の試験片の永久伸びを原評点距離に対して百分率で表した値である。
・引張強さの評価は、○……300MPa以上、△……250MPa以上300MPa未満、×……250MPa未満とした。
・伸びの評価は、○……20%以上、△……15%以上20%未満、×……15%未満とした。
・引張強さの評価は、○……300MPa以上、△……250MPa以上300MPa未満、×……250MPa未満とした。
・伸びの評価は、○……20%以上、△……15%以上20%未満、×……15%未満とした。
<脱亜鉛腐食試験方法>
φ28mm×200mmの金型に鋳造した試料から、10mm角の立方体状に切り出したものを試験片とし、ISO6509に準拠して行った。すなわち、試験片の周囲を、厚さ15mm以上のエポキシ樹脂で覆い、試験片の一面だけを樹脂から露出させた。この露出面100mm2を湿式研磨紙で研磨した後、1200番の研磨紙で仕上げ、試験直前にエタノールで洗浄した。このエポキシ樹脂に埋め込んで一面のみ露出させた試料を、250mLの12.7g/L塩化第二銅水溶液に、75±5℃にて24時間浸漬させた。試験終了後に、水で洗い、エタノールですすいだ後、すみやかに、その断面部分の脱亜鉛深さ(図2における、表面全体の腐食深さAを除外して腐食面からさらに脱亜鉛腐食した部分Bの深さ、μm)を、光学顕微鏡を用いて計測した。具体的には、試料10mmを5視野に分割して視野毎の脱亜鉛深さを、最小の点と、最大の点で計測し、合計10点の平均値を脱亜鉛平均深さ、それら10点の内、最も深い点の深さを脱亜鉛最大深さとして次のように評価した。それらの結果のいずれも×ではないものを合格とした。
・脱亜鉛平均深さ:○……200μm未満、×……200μm以上
・脱亜鉛最大深さ:○……200μm未満、△……200μm以上400μm未満、×……400μm以上
φ28mm×200mmの金型に鋳造した試料から、10mm角の立方体状に切り出したものを試験片とし、ISO6509に準拠して行った。すなわち、試験片の周囲を、厚さ15mm以上のエポキシ樹脂で覆い、試験片の一面だけを樹脂から露出させた。この露出面100mm2を湿式研磨紙で研磨した後、1200番の研磨紙で仕上げ、試験直前にエタノールで洗浄した。このエポキシ樹脂に埋め込んで一面のみ露出させた試料を、250mLの12.7g/L塩化第二銅水溶液に、75±5℃にて24時間浸漬させた。試験終了後に、水で洗い、エタノールですすいだ後、すみやかに、その断面部分の脱亜鉛深さ(図2における、表面全体の腐食深さAを除外して腐食面からさらに脱亜鉛腐食した部分Bの深さ、μm)を、光学顕微鏡を用いて計測した。具体的には、試料10mmを5視野に分割して視野毎の脱亜鉛深さを、最小の点と、最大の点で計測し、合計10点の平均値を脱亜鉛平均深さ、それら10点の内、最も深い点の深さを脱亜鉛最大深さとして次のように評価した。それらの結果のいずれも×ではないものを合格とした。
・脱亜鉛平均深さ:○……200μm未満、×……200μm以上
・脱亜鉛最大深さ:○……200μm未満、△……200μm以上400μm未満、×……400μm以上
<鋳造性試験>
鋳造性の試験として上記機械的性質試験及び脱亜鉛腐食試験に用いるために、φ28mm×200mmの金型に鋳造する際に湯流れ性等から、その作業性と製品への影響を次のように評価した。
・鋳造性の評価は、○……問題なく鋳造できるもの、△……作業性悪化や製品への悪影響が多少あるが、致命的な欠陥とならないもの、×……作業性の悪化や製品への悪影響があり、水道部材用黄銅合金として不適なものとした。
鋳造性の試験として上記機械的性質試験及び脱亜鉛腐食試験に用いるために、φ28mm×200mmの金型に鋳造する際に湯流れ性等から、その作業性と製品への影響を次のように評価した。
・鋳造性の評価は、○……問題なく鋳造できるもの、△……作業性悪化や製品への悪影響が多少あるが、致命的な欠陥とならないもの、×……作業性の悪化や製品への悪影響があり、水道部材用黄銅合金として不適なものとした。
本発明の実施例及び比較例について、各々の配合比で溶解した後、鋳造によって試料を溶製し、試料の各元素の含有量と、上記の試験を行った結果とを併せて、表2に示す。ここで、Cuの含有量はCu以外の各元素の含有量の和を100質量%から差し引いて求めた値であり、「式A」とは上記の不等式(1)及び不等式(4)の左辺の値、「式B」とは上記不等式(2)の左辺の値を示す。これら実施例及び比較例の中から、特に例を抽出して、それぞれの成分について検証する。また、ここで「総合」とは水道用黄銅合金として適切かどうかを評価する総合評価(以下「総合評価」という)のことであり、上述した機械的性質試験、脱亜鉛腐食試験及び鋳造性試験において全て○の評価となったものを○、△の評価を含むが×の評価を含まないものを●、×を一つでも含むものを×とした。
なお、比較例3〜16、18は、亜鉛当量とAlの関係が不等式(2)を満足しない例であり、比較例1,2は上記の不等式(1)の条件を満たさない。また、比較例11は上記不等式(2)を満足しないだけでなく、Al含有量の上限を超えている。一方、比較例17,18はAlを含有しない。
<脱亜鉛深さの実測データについて>
上記の脱亜鉛腐食試験における、脱亜鉛腐食の深さの観測データのうち、亜鉛当量の増加とともに脱亜鉛腐食の抑制が難しくなる特徴的な例について選定した写真を示す。
上記の脱亜鉛腐食試験における、脱亜鉛腐食の深さの観測データのうち、亜鉛当量の増加とともに脱亜鉛腐食の抑制が難しくなる特徴的な例について選定した写真を示す。
亜鉛当量が32.99である実施例2の試料の、200倍の断面拡大写真を図3に示す。表面にはっきりとわかる浅い腐食部がいくつかあるだけで、その中の最大のものが図3中右に確認された。計測の結果、脱亜鉛腐食平均深さ(以下「平均深さ」)が17.5μm、脱亜鉛腐食最大深さ(以下「最大深さ」)が30.8μmとなった。
次に、亜鉛当量が35.94である実施例18の試料の、200倍の断面拡大写真を図4に示す。脱亜鉛腐食によるはっきりとした表面の浅い腐食部だけでなく、不連続な脱亜鉛現象がやや進行しており、その中で最大のものが図4中左に確認された。計測の結果、平均深さが42.9μm、最大深さが101.2μmとなり、平均、最大ともに図3に示す実施例2の約三倍の数値であった。
次に、亜鉛当量が37.30である実施例10の試料の、100倍の断面拡大写真を図5に示す。ただし、倍率は図3及び図4の半分になっている。不連続な脱亜鉛現象がやや進行しており、その中で最大のものが図5中右に確認された。計測の結果、平均深さが189.2μm、最大深さが332.6μmとなり、最大深さは△のデータとなった。
さらに、亜鉛当量が39.14である比較例8の試料の、100倍の断面拡大写真を図6に示す。不連続な脱亜鉛現象が内部深くにまで進行していることが明らかに見てわかる。これは、β相の全般にわたって脱亜鉛腐食が起こっていると考えられる。計測の結果、平均深さが504.7μm、最大深さが711.0μmとなり、いずれも×のデータとなった。
Alを含有しない比較例18の試料の、100倍の断面拡大写真を図7に示す。この比較例18の亜鉛当量は、図5の実施例10の亜鉛当量とほぼ同等の37.39ながら、Alを含有しない。このため、図7では全般的に脱亜鉛現象の進行度合いがAlを含有する図5よりも深くなっている。計測の結果、平均深さが309.9μm、最大深さが454.1μmとなり、いずれも×のデータとなった。
<亜鉛当量とAlとの関係>
表2に記載の、実施例1〜29と比較例1〜18について、X軸を亜鉛当量、Y軸をAlの含有量としてプロットした。このグラフを図8に示す。○、●、×は表2の総合評価である。
図中実線で示す台形は、上辺がAl=3.2質量%、下辺がAl=0.4質量%、右辺が上記不等式(2)、左辺が上記の不等式(1)を示すラインである。実施例はいずれもこの範囲に含まれている。逆に比較例はこの範囲から外れている。
また、台形内に点線で描いた3本の直線は、Alの望ましい上限であるAl=2.5質量%の線、亜鉛当量の望ましい上限37.2の線、及び亜鉛当量とAlの関係で望ましい範囲である上記の不等式(4)を示す線である。特に総合評価が○の実施例は、全てこの望ましい範囲を示す3本の直線で囲まれた範囲に含まれ、この範囲に該当する合金が好ましい性質を発揮することが示された。
表2に記載の、実施例1〜29と比較例1〜18について、X軸を亜鉛当量、Y軸をAlの含有量としてプロットした。このグラフを図8に示す。○、●、×は表2の総合評価である。
図中実線で示す台形は、上辺がAl=3.2質量%、下辺がAl=0.4質量%、右辺が上記不等式(2)、左辺が上記の不等式(1)を示すラインである。実施例はいずれもこの範囲に含まれている。逆に比較例はこの範囲から外れている。
また、台形内に点線で描いた3本の直線は、Alの望ましい上限であるAl=2.5質量%の線、亜鉛当量の望ましい上限37.2の線、及び亜鉛当量とAlの関係で望ましい範囲である上記の不等式(4)を示す線である。特に総合評価が○の実施例は、全てこの望ましい範囲を示す3本の直線で囲まれた範囲に含まれ、この範囲に該当する合金が好ましい性質を発揮することが示された。
<Pの影響>
P以外の値が近似している例として、実施例17,実施例20,実施例23,実施例21,実施例19に、新たに溶製したPを含有しない比較例19,Pの含有量が0.3質量%を越える比較例20の試料を加え、Pの含有量順に並べたものを表3に示す。この表から、Pが0.016質量%でも含まれていると、劇的に耐脱亜鉛腐食性が向上することが示される。これはPの存在により、各組織が微細化され、β相が分断されたことと、Pが固溶することで、α相の耐腐食性を向上させたことによると考えられる。一方で、Pの添加量が多くなり0.3質量%を超えると、伸びが急激に低下することがわかる。同様に、Pが0.067質量%である実施例22と、P以外の値が実施例22と近似しておりPが0.003質量%である新たに溶製した実施例31とを並べたものを表4に示す。この表から、Pがわずか0.003質量%でも含有していれば20倍以上のP量0.064質量%含有している実施例22と遜色ない耐脱亜鉛腐食性が得られていることがわかる。
P以外の値が近似している例として、実施例17,実施例20,実施例23,実施例21,実施例19に、新たに溶製したPを含有しない比較例19,Pの含有量が0.3質量%を越える比較例20の試料を加え、Pの含有量順に並べたものを表3に示す。この表から、Pが0.016質量%でも含まれていると、劇的に耐脱亜鉛腐食性が向上することが示される。これはPの存在により、各組織が微細化され、β相が分断されたことと、Pが固溶することで、α相の耐腐食性を向上させたことによると考えられる。一方で、Pの添加量が多くなり0.3質量%を超えると、伸びが急激に低下することがわかる。同様に、Pが0.067質量%である実施例22と、P以外の値が実施例22と近似しておりPが0.003質量%である新たに溶製した実施例31とを並べたものを表4に示す。この表から、Pがわずか0.003質量%でも含有していれば20倍以上のP量0.064質量%含有している実施例22と遜色ない耐脱亜鉛腐食性が得られていることがわかる。
Pの含有量による脱亜鉛腐食の違いについて、対照的な二例を示す。先ず、Pを含有しない比較例19の試料の、200倍の断面拡大写真を図9に示す。β相と考えられる部分が全体的に腐食されており、さらに、白黒では判別がつかないが変色しているα相と考えられる部分まで脱亜鉛腐食が進行してしまっている。計測の結果、平均深さが201.3μm、最大深さが276.3μmで、平均深さが×のデータとなった。
次に、Pを0.016質量%含有すること以外は、その他の元素の含有量が比較例19と近似している実施例17の試料の、200倍の断面拡大写真を、図10に示す。β相と考えられる部分がわずかに脱亜鉛腐食していることが見られるのみであった。計測の結果、平均深さが13.4μm、最大深さが81.8μmで、いずれも○の良好なデータとなった。
<Biの影響>
Bi以外の値が近似している例として、実施例23,実施例24,実施例25,実施例28,実施例29に、新たに溶製したBiを含有しない比較例21,Biが4.5質量%を越える比較例22の試料を加え、Biの含有量順に並べたものを表5に示す。Biの添加による急激な変化は数値上観測されにくいが、含有量の増加とともに伸びが低下する傾向にある。比較例22においてはBiの含有量が多すぎるため、伸びが15%未満になってしまい、水道部材用の黄銅合金としては適さない範囲となった。
Bi以外の値が近似している例として、実施例23,実施例24,実施例25,実施例28,実施例29に、新たに溶製したBiを含有しない比較例21,Biが4.5質量%を越える比較例22の試料を加え、Biの含有量順に並べたものを表5に示す。Biの添加による急激な変化は数値上観測されにくいが、含有量の増加とともに伸びが低下する傾向にある。比較例22においてはBiの含有量が多すぎるため、伸びが15%未満になってしまい、水道部材用の黄銅合金としては適さない範囲となった。
また、Biを適量含有した実施例23や実施例24は耐脱亜鉛腐食性が向上しており、Biが耐脱亜鉛腐食性に寄与していることがわかる。さらにBiが多くなるとやや脱亜鉛腐食が起きやすくなる傾向にあるが、これは相対的にCuの含有量が減少したことで、亜鉛当量が大きくなったことによると思われる。なお、比較例21は表5に挙げた引張試験及び脱亜鉛腐食試験の結果は好適であるが、後述する切削性を評価すると水道部材用銅合金としては適さない、大きい切削屑を生じてしまう。
<Niの影響>
Ni以外の値が近似している例として、Niを含有しない実施例10に加えて、新たに溶製したNiを含有する実施例32,実施例33,実施例34の試料について、Niの含有量順に並べたものを表6に示す。Niの添加により耐脱亜鉛腐食性は大きく向上することが示された。また、Niを5.17質量%含有した実施例34はNiがやや過剰となったため、湯流れ性の低下や、ガス吸収が増加により鋳造性が悪化し、△の評価となった。許容可能な鋳造性を維持するためにはこの程度までの含有量に留めておく必要がある。
Ni以外の値が近似している例として、Niを含有しない実施例10に加えて、新たに溶製したNiを含有する実施例32,実施例33,実施例34の試料について、Niの含有量順に並べたものを表6に示す。Niの添加により耐脱亜鉛腐食性は大きく向上することが示された。また、Niを5.17質量%含有した実施例34はNiがやや過剰となったため、湯流れ性の低下や、ガス吸収が増加により鋳造性が悪化し、△の評価となった。許容可能な鋳造性を維持するためにはこの程度までの含有量に留めておく必要がある。
<Bの影響>
B以外の値が近似している例として新たに溶製したNiを含有しない実施例35,実施例36の試料について、またNiを含有しておりB以外の値が近似している例として新たに溶製した実施例37,実施例38の試料について表7に示す。Bがない実施例35,実施例37に比べBを添加した実施例36,実施例38はそれぞれ耐脱亜鉛腐食性が良好になっている。これは組織のα相が微細化され、β相が細かく分断されていることによると考えられる。
B以外の値が近似している例として新たに溶製したNiを含有しない実施例35,実施例36の試料について、またNiを含有しておりB以外の値が近似している例として新たに溶製した実施例37,実施例38の試料について表7に示す。Bがない実施例35,実施例37に比べBを添加した実施例36,実施例38はそれぞれ耐脱亜鉛腐食性が良好になっている。これは組織のα相が微細化され、β相が細かく分断されていることによると考えられる。
次に、B以外の値が近似しており、Bの含有量順に新たに溶製した実施例39,実施例40,実施例41,実施例42,実施例43について表8に示す。Bを添加すると耐脱亜鉛腐食性、特に最大脱亜鉛深さが減少する効果があることが分かった。表8に示したB量と最大脱亜鉛深さの関係についてプロットしたグラフを図11に示す。このグラフから、Bを0.0011質量%含有した実施例40は、Bを含有しない実施例39と比較して最大脱亜鉛深さに対する効果が十分に発揮されており、Bを0.056質量%含有した実施例43ではその効果が飽和していることがわかる。さらに実施例43では、ガス欠陥などにより鋳造性が△となり●の結果となった。実施例43における0.0560質量%以上の含有量では、硬質な金属間化合物による鋳造性の更なる悪化や切削性の低下にも十分に注意する必要があることを示している。
また、Bには複雑形状鋳物への鋳造時の割れに対する効果が見られた。これは、表8にも示すように、十分な鋳造性を示す実施例39であっても、複雑形状鋳物の鋳造時に小さな割れが発生してしまうことがある。しかし、同じ複雑形状鋳物を、Bを0.0011質量%〜0.020質量%含有した実施例40、実施例41、実施例42で鋳造したところ、割れが発生しなかった。Bを適量含有させることで、凝固時における組織の微細化が起こり、好適に複雑形状鋳物を鋳造できる。
<Snの影響>
Sn以外の値が近似している例として、Snを含有しない実施例11,実施例18に加えて、新たに溶製したSnを含有する実施例44、比較例23、比較例24の試料について、Snの含有量順に並べたものを表9に示す。Snを0.3質量%程度添加しても急激な変化は起こらないが0.5質量%を超えたところで急激に伸びが低下してしまうことが示された。
Sn以外の値が近似している例として、Snを含有しない実施例11,実施例18に加えて、新たに溶製したSnを含有する実施例44、比較例23、比較例24の試料について、Snの含有量順に並べたものを表9に示す。Snを0.3質量%程度添加しても急激な変化は起こらないが0.5質量%を超えたところで急激に伸びが低下してしまうことが示された。
<Mn,Fe,Mg,Siの影響>
上記各元素以外の値が近似している例として、実施例22に加えて、Mn,Fe,Mg,Si各元素をそれぞれ含有させ溶製した実施例45,実施例46,実施例47,実施例48,実施例49の試料について表10に示す。Snの添加時と同様に上記の範囲内の亜鉛当量であれば、各元素とも0.3質量%程度添加しても急激な変化が起こらないことが示された。
上記各元素以外の値が近似している例として、実施例22に加えて、Mn,Fe,Mg,Si各元素をそれぞれ含有させ溶製した実施例45,実施例46,実施例47,実施例48,実施例49の試料について表10に示す。Snの添加時と同様に上記の範囲内の亜鉛当量であれば、各元素とも0.3質量%程度添加しても急激な変化が起こらないことが示された。
<切削性の検証>
次に、切削性の違いによる切削屑の変化を、主に切削性の向上に寄与するAl−P系化合物に関するAl含有量と、同じく切削性の向上に寄与するBi含有量の影響について確認する。Alを含有するがBiを含有しない比較例21、Biを0.17質量%含有する実施例25、Biを0.69質量%含有する実施例6、Biを2.97質量%含有する実施例29に加えて、新たに溶製したAl及びBiを含有しない比較例25の試料について、Φ28×200mmの金型に鋳造した試料を汎用旋盤により、超硬ロウ付けバイトを用いて送り0.15mm/rev、回転数550rpmにて乾式切削加工を行い切削屑を得た。比較例25と比較例21,実施例6,実施例25,実施例29の含有量を表11に示す。それぞれの写真を図12〜図16に示す。AlもBiも含有しない比較例25の図12では切削屑が途切れることなく連続してしまい、極めて切削性が悪かった。Alを含有した比較例21の図13では、途中で切削屑が分断するようになり、切削性が向上したことが確認されたが、水道部材用黄銅合金として必要な切削性は得られなかった。Biを0.17質量%含有した実施例25の図13では、Al−P化合物の効果に加え、Biにより切削屑が細かく分断され、適切な範囲まで切削性が向上したことがわかる。それから図14〜図16を比較すると、Biの含有量が増大するとともに切削屑が細かくなり、切削性がBi含有量に比例して向上することが確かめられた。
次に、切削性の違いによる切削屑の変化を、主に切削性の向上に寄与するAl−P系化合物に関するAl含有量と、同じく切削性の向上に寄与するBi含有量の影響について確認する。Alを含有するがBiを含有しない比較例21、Biを0.17質量%含有する実施例25、Biを0.69質量%含有する実施例6、Biを2.97質量%含有する実施例29に加えて、新たに溶製したAl及びBiを含有しない比較例25の試料について、Φ28×200mmの金型に鋳造した試料を汎用旋盤により、超硬ロウ付けバイトを用いて送り0.15mm/rev、回転数550rpmにて乾式切削加工を行い切削屑を得た。比較例25と比較例21,実施例6,実施例25,実施例29の含有量を表11に示す。それぞれの写真を図12〜図16に示す。AlもBiも含有しない比較例25の図12では切削屑が途切れることなく連続してしまい、極めて切削性が悪かった。Alを含有した比較例21の図13では、途中で切削屑が分断するようになり、切削性が向上したことが確認されたが、水道部材用黄銅合金として必要な切削性は得られなかった。Biを0.17質量%含有した実施例25の図13では、Al−P化合物の効果に加え、Biにより切削屑が細かく分断され、適切な範囲まで切削性が向上したことがわかる。それから図14〜図16を比較すると、Biの含有量が増大するとともに切削屑が細かくなり、切削性がBi含有量に比例して向上することが確かめられた。
以上をまとめると、本発明の実施例では、引張強さ250MPa以上、伸び15%以上、脱亜鉛平均深さ200μm未満、脱亜鉛最大深さ400μm未満を満たすとともに、良好な鋳造性及び切削性を発揮する水道用に適した黄銅合金であることがわかる。
なお、表2乃至表11の各実施例及び比較例の元素の含有量は鋳造後の試料の分析値であり、本発明における各元素の規定も鋳造後の製品における含有量である。
Claims (2)
- Alを0.4質量%以上2.5質量%以下、Pを0.001質量%以上、0.3質量%以下、Biを0.1質量%以上4.5質量%以下含有するとともに、Niの含有量が0質量%以上5.5質量%以下であり、Mn,Fe,Pb,Sn,Si,Mg,Cdの含有量がそれぞれ0質量%以上0.5質量%以下であり、Znを含有し、残部Cuと、不可避不純物とからなり、
Znとその他の元素との含有量から算出される亜鉛当量(Zneq)とAlの含有量(質量%)とが下記不等式(1)及び(2)を満足する水道部材用黄銅合金。
Zneq+1.7×Al≧35.0 ……(1)
Zneq−0.45×Al≦37.0 ……(2) - 請求項1に記載の水道部材用黄銅合金に、さらにBを0.001質量%〜0.1質量%含有させた、水道部材用黄銅合金。
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