JP5522423B2 - 固体高分子型燃料電池用電極触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池(PEFC)に用いられる電極触媒と、これを用いた膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池に関するものである。
プロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池は、例えば固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池など、他のタイプの燃料電池と比較して低温で作動し、定置用電源や、自動車などの移動体用動力源として期待されており、その実用も開始されている。
このような固体高分子型燃料電池には、Pt(白金)やPt合金に代表される高価な金属触媒が用いられており、このような燃料電池の高価格要因となっていることから、これら貴金属触媒の使用量を低減することができ、燃料電池の低コスト化が可能な技術の開発が求められている。
例えば、特許文献1には、上記のような燃料電池用電極触媒において、導電性担体の微細孔の平均孔径よりも、触媒金属の平均粒径を大きくして触媒粒子が担体の微細孔内に入り込まないようにし、もって電解質ポリマーと接触しない無駄な触媒金属を低減させ、高価な触媒金属の利用効率を高めるようにしている。
特開2007−250274号公報
しかしながら、触媒金属粒子のサイズを大きくする利用率向上の対策は、触媒金属粒子と電解質ポリマーの接触率を高めると同時に、比表面積の低下を招く。すなわち、触媒金属重量あたりの発電性能低下が起きるため、対策前と同等の発電性能を確保するには、高価な金属触媒の使用量を多くしなければならないという問題があった。
本発明は、固体高分子型燃料電池における上記のような課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、触媒の反応活性面積を増し、触媒の利用効率を高めて、高価な貴金属触媒の使用量を低減することができる固体高分子型燃料電池用電極触媒を提供することにある。また、このような電極触媒を用いた膜電極接合体、さらには固体高分子型燃料電池を提供することを目的としている。
本発明者は、上記目的の達成に向けて、種々の検討を繰り返す中で、固体プロトン伝導材(電解質ポリマー)が触媒表面に接触した場合、当該固体プロトン伝導材は、酸素などの反応物質に較べて触媒表面に吸着し易いために、触媒表面の反応活性面積が減少することに着目した。
そして、固体プロトン伝導材と触媒との直接接触を極力少なくする一方、水に代表される液体プロトン伝導材を固体プロトン伝導材と触媒との間に介在させることによって上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒は、導電性担体導電性担体に配置される媒、固体プロトン伝導材、触媒と固体プロトン伝導材をプロトン伝導可能な状態に連結する液体プロトン伝導材を有し、液体プロトン伝導材は、導電性担体の空孔に保持され、触媒の固体プロトン伝導材との接触面積が、触媒の空孔に露出する面積よりも小さいことを特徴としている。
本発明によれば、固体プロトン伝導材と触媒との直接接触を抑え、液体伝導材保持部によって液体プロトン伝導材を介したプロトン輸送経路を確保するようにしていることから、触媒の反応活性面積が確保され、触媒の利用効率が向上するため、発電性能を維持しながら触媒の使用量を低減することができる。
本発明の固体高分子型燃料電池の構造例を示す概略断面図である。 実施例によって得られた本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒の形状・構造を示す概略断面説明図である。 上記実施例に対する比較例としての固体高分子型燃料電池用電極触媒の形状・構造を示す概略断面説明図である。
以下、本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒や、これを用いた膜電極接合体、燃料電池について、さらに詳細、かつ具体的に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒は、上記したように、触媒と、固体プロトン伝導材を有すると共に、触媒と固体プロトン伝導材をプロトン伝導可能な状態に連結する液体プロトン伝導材を保持する液体伝導材保持部を両者の間に備えている。そして、触媒の固体プロトン伝導材との接触面積が、当該触媒の液体伝導材保持部に露出する面積よりも小さいもの、さらに好適には、上記触媒と固体プロトン伝導材とが非接触状態となっている。
すなわち、白金などの触媒における反応活性面積を確保しつつ、発電に必要なプロトンを触媒表面へ輸送するためには、触媒表面への吸着力が強く、表面を覆ってしまう傾向のある固体プロトン伝導材と触媒との直接接触を避けながら、プロトン輸送経路を確保する必要がある。
本発明においては、触媒と固体プロトン伝導材の間に液体伝導材保持部を備えており、この保持部に液体プロトン伝導材が導入されることによって、触媒と固体プロトン伝導材の間に、液体プロトン伝導材を介したプロトン輸送経路が確保されることになる。
本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒に用いる触媒としては特に限定はなく、Pt(白金)に代表される従来から知られた種々の金属、例えばPt、Ir(インジウム)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Ag(銀)、Pd(パラジウム)などを単独で、あるいは任意に組み合わせて使用することができる。
このような触媒金属の形状やサイズは特に限定されず、公知の触媒金属と同様の形状およびサイズのものを使用できる。形状としては、粒状、鱗片状、層状などのものが使用できるが、典型例として、粒状の場合には、1〜30nm程度、さらには2〜5nmの範囲内とすることが望ましい。
また、本発明の電極触媒に用いる固体プロトン伝導材としても特に限定はなく、従来から知られた種々の材料を使用することができる。
本発明に用いる固体プロトン伝導材は、ポリマー骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質と、ポリマー骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質とに大別される。
フッ素系電解質として、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーなどを好適な一例として挙げることができる。このようなフッ素系電解質は、一般に耐久性、機械強度に優れる。
炭化水素系電解質としては、具体的に、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸、ポリフェニルスルホン酸などが好適な一例として挙げられる。
固体プロトン伝導材としては、プロトンの伝導度が重要であり、EWが高すぎる場合には、触媒成分と固体イオン伝導材を隔てる液体伝導材保持部でのプロトン伝導を含めた触媒層全体でのイオン伝導性が低下することから、EWは低い方が望ましい。具体的には、固体プロトン伝導材のEWが1200g/eq.以下が好ましく、700g/eq.以下であることがより好ましい。
なお、EW(Equivalent Weight)とは、プロトン伝導性を有するイオン交換基の当量重量を表す。
本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒において、液体伝導材保持部とは、触媒と固体プロトン伝導材の間に形成され、液体プロトン伝導材を保持し、この液体プロトン伝導材を介して触媒と固体プロトン伝導材の間をプロトン伝導可能な状態に連結する空間部を意味する。
上記した液体プロトン伝導材としては、イオン伝導性を有し、触媒と固体プロトン伝導材の間に備えた液体伝導材保持部に保持された状態で、プロトン輸送経路を形成する機能を発揮するのもである限り、特に限定されることはない。
具体的には水、プロトン性イオン液体、過塩素酸水溶液、硝酸水溶液、ギ酸水溶液、酢酸水溶液などを挙げることができる。
ここで、液体プロトン伝導材として水を使用する場合には、発電を開始する前に少量の液水か加湿ガスにより触媒層を湿らせることによって、液体伝導材保持部に水を導入することができる。
また、燃料電池の作動時における電気化学反応によって生じた生成水を利用することもできる。したがって、燃料電池の運転開始の状態においては、必ずしも当該電極触媒の液体伝導材保持部に液体プロトン伝導材が保持されている必要はないことになる。
イオン性液体など、水以外のものを液体プロトン伝導材として使用する場合には、触媒インク作製時に、イオン性液体と固体プロトン伝導材と触媒とを溶液中に分散させることが望ましいが、触媒を触媒層基材に塗布する際にイオン性液体を添加することもできる。
上記触媒は、必要に応じて、種々の材料から成る導電性担体に担持することができる。導電性担体とは、例えば導電性多孔質担体が挙げられる。このとき、上記導電性多孔質担体の空孔部を液体伝導材保持部として利用することができる。
この場合、当該空孔の表面開孔径が固体プロトン伝導材の分子サイズよりも小さくなるような多孔質担体を選択することによって、空孔内に担持された触媒と固体プロトン伝導材との接触を効果的に防止することができる。
したがって、触媒を全て空孔内に担持させると共に、水に代表される液体プロトン伝導材を空孔内に導入することによって、触媒と固体プロトン伝導材との接触を完全に遮断しながら、触媒と固体プロトン伝導材の間にプロトン輸送経路を形成することができるようになる。
このような導電性多孔質担体としては、液体伝導体保持部を担体の内部もしくは外部に形成することができれば特に限定されず、例えば、活性炭、カーボンブラック(ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなど)などの炭素材料や、Sn(錫)やTi(チタン)などの多孔質金属、さらには導電性金属酸化物などが挙げられる。
これらの中では、担体内部に液体伝導体保持部を形成し易いことから、導電性多孔質担体としてケッチェンブラックを使用することが望ましい。
なお、本発明においては、触媒成分の周囲に液体伝導材保持部が形成される限り、必ずしも導電性多孔質担体を用いる必要はない。
すなわち、導電性担体として、非多孔質の導電性担体やガス拡散層を構成する炭素繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスなども挙げられる。このとき、触媒をこれら非多孔質の導電性担体に担持したり、膜電極接合体のガス拡散層を構成する炭素繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスなどに直接付着させたりすることも可能である。
本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒において、液体プロトン伝導材として水を適用した場合、触媒と固体プロトン伝導材との表面距離を水分子を構成する酸素イオン径である0.28nm以上とすることが望ましい。
このような距離を保持することによって、触媒と固体プロトン伝導材との非接触状態を保持しながら、触媒と固体プロトン伝導材の間(液体伝導材保持部)に水(液体プロトン伝導材)を介入させることができ、両者間の水によるプロトン輸送経路が確保されることになる。
このとき、上記水によるプロトン輸送距離が長くなると、有効イオン伝導性が低下し、発電性能が低下する傾向があることから、上記した触媒と固体プロトン伝導材との表面距離については30nm未満であることが望ましい。
本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒においては、上記したように、触媒の固体プロトン伝導材と接触している総面積が、この触媒が液体伝導材保持部に露出している総面積よりも小さいものとなっている。
これら面積の比較は、例えば、上記液体伝導材保持部に液体プロトン伝導材を満たした状態で、触媒−固体プロトン伝導材界面と触媒−液体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層の容量の大小関係を求めることによって行うことができる。すなわち、電気二重層容量は、電気化学的に有効な界面の面積に比例するため、触媒−固体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層容量の方が触媒−液体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層容量よりも小さければ、触媒の固体プロトン伝導材との接触面積が液体伝導材保持部への露出面積よりも小さいことになる。
ここで、触媒−固体プロトン伝導材界面と、触媒−液体プロトン伝導材界面にそれぞれ形成される電気二重層容量の測定方法、言い換えると、触媒−固体プロトン伝導材間及び触媒−液体プロトン伝導材間の接触面積の大小関係、すなわち、触媒の固体プロトン伝導材との接触面積と液体伝導材保持部への露出面積の大小関係の判定方法について説明する。
すなわち、本発明のような系の電極触媒においては、
(1)触媒−固体プロトン伝導材(C−S)
(2)触媒−液体プロトン伝導材(C−L)
(3)導電性多孔質担体−固体プロトン伝導材(Cr−S)
(4)導電性多孔質担体−液体プロトン伝導材(Cr−L)
の4種の界面が電気二重層容量(Cdl)として寄与し得る。
電気二重層容量は、上記したように、電気化学的に有効な界面の面積に正比例するため、CdlC−S(触媒−固体プロトン伝導材界面の電気二重層容量)及びCdlC−L(触媒−液体プロトン伝導材界面の電気二重層容量)を求めれば、触媒の固体プロトン伝導材及び液体プロトン伝導材との接触面積の大小関係が求まることになる。
そして、電気二重層容量(Cdl)に対する上記4種の界面の寄与については、以下のようにして分離することができる。
まず、例えば100%RHのような高加湿条件、及び10%RH以下のような低加湿条件下において、電気二重層容量をそれぞれ計測する。なお、電気二重層容量の計測手法としては、サイクリックボルタンメトリーや電気化学インピーダンス分光法などを挙げることができる。
これらの比較から、液体プロトン伝導材(この場合は「水」)の寄与、すなわち上記(2)及び(4)を分離することができる。
さらに触媒を失活させること、例えば、Ptを触媒として用いた場合には、測定対象の電極にCOガスを供給してCOをPt表面上に吸着させることによる触媒の失活によって、その電気二重層容量への寄与を分離することができる。このような状態で、前述のように高加湿及び低加湿条件における電気二重層容量を同様の手法で計測し、これらの比較から、触媒の寄与、つまり上記(1)及び(2)を分離することができる。
以上により、上記(1)〜(4)全ての寄与を分離することができ、触媒と固体プロトン伝導材及び液体プロトン伝導材両界面に形成される電気二重層容量を求めることができる。
すなわち、高加湿状態における測定値(A)が上記(1)〜(4)の全界面に形成される電気二重層容量、低加湿状態における測定値(B)が上記(1)及び(3)の界面に形成される電気二重層容量ということになる。また、触媒失活・高加湿状態における測定値(C)が上記(3)及び(4)の界面に形成される電気二重層容量、触媒失活・低加湿状態における測定値(D)が上記(3)の界面に形成される電気二重層容量ということになる。
したがって、AとCの差が(1)及び(2)の界面に形成される電気二重層容量、BとDの差が(1)の界面に形成される電気二重層容量ということになる。そして、これら値の差、(A−C)−(B−D)を算出すれば、(2)の界面に形成される電気二重層容量を求めることができる。
なお、触媒の固体プロトン伝導材との接触面積や、伝導材保持部への露出面積については、上記の他には、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)トモグラフィなどによっても求めることができる。
固体高分子型燃料電池の膜電極接合体は、プロトン伝導性固体高分子材料から成る電解質膜の両側に、空気極(カソード)及び燃料極(アノード)を構成するガス拡散電極をホットプレスによりそれぞれ接合した構造を備えている。
ガス拡散電極は、本発明の上記電極触媒を含む触媒層とガス拡散層から成り、上記触媒層が高分子電解質膜の側に位置するように接合されている。
上記高分子電解質膜を構成するプロトン伝導性固体高分子材料としては、先に固体プロトン伝導材として説明したフッ素系電解質や炭化水素系電解質、具体的には、ナフィオン、アシプレックス等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマーなど(フッ素系電解質)や、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸など(炭化水素系電解質)を用いることができる。このとき、電極触媒に用いた固体プロトン伝導材と必ずしも同じものを用いる必要はない。
また、上記ガス拡散層は、上記触媒層に反応ガスを供給すると共に、触媒層に発生する電荷を集電する機能を有し、カーボン繊維から成る不織布やカーボンペーパー、カーボンクロスが用いられる。
そして、このような膜電極接合体の複数個をガス流路を備えたセパレータを介して積層することによって、固体高分子型燃料電池が構成される。
すなわち、図1は、このような固体高分子型燃料電池の一例を示す概略断面図である。
本実施形態の燃料電池は、膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層と、膜電極接合体及び一対のガス拡散層を挟持し、ガス拡散層との対峙面にガス流路であるチャネルを形成するリブを有するセパレータとを備えたものである。図に示す燃料電池は、プロトン伝導性固体高分子材料から成る電解質膜10をアノード側ガス拡散電極20a及びカソード側ガス拡散電極20cで挟持して成る膜電極接合体(MEA)のさらに両側に、アノード側及びカソード側のセパレータ30a及び30cをそれぞれ配置した構造を有している。
ここで、上記ガス拡散電極20a及び20cは、本発明の電極触媒を含む触媒層21a、21cと、ガス拡散層22a、22cからそれぞれ構成され、上記セパレータ30a及び30cは、それぞれガス流路Ca及びCcを備えている。
本発明の固体高分子型燃料電池は、本発明の上記電極触媒を用いたものであるが、EWが異なる2種類以上の固体プロトン伝導材を発電面内に含むものとし、これら固体プロトン伝導材のうち最もEWが低い固体プロトン伝導材が流路内ガスの相対湿度が90%以下の領域に用いることが好ましい。このような材料配置を採用することにより、電流密度領域によらず、抵抗値が小さくなって、電池性能の向上を図ることができる。
このとき、流路内ガスの相対湿度が90%以下の領域に用いる固体プロトン伝導材、すなわちEWが最も低い固体プロトン伝導材のEWとしては、900以下であることが望ましく、こうすることによって、上述の効果がより確実、顕著なものとなる。
そして、本発明の固体高分子型燃料電池においては、EWが最も低い固体プロトン伝導材を冷却水の入口と出口の平均温度よりも高い領域に用いることが望ましい。これによって、電流密度領域によらず、抵抗値が小さくなって、電池性能のさらなる向上を図ることができる。
さらには、燃料電池システムの抵抗値を小さくするとする観点から、EWが最も低い固体プロトン伝導材は、流路長に対して燃料ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方のガス供給口から3/5以内の範囲の領域に用いることが望ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
[実施試験1]
〔1〕膜電極接合体(MEA)の作製
導電性多孔質担体として、表面開口径が10nm程度の空孔を有するカーボン担体を用い、これに触媒として粒径1〜5nmの白金(Pt)を50%となるように担持させて、触媒粉末とした。なお、上記カーボン担体としては、ケッチェンブラック(粒径:30〜60nm)を使用した。
この触媒粉末と、固体プロトン伝導材としてのアイオノマー分散液(Nafion(登録商標)D2020,EW=1100g/mol、DuPont社製)とをカーボン担体とアイオノマーの質量比が0.9となるよう混合した。さらに、溶媒としてプロピレングリコール溶液(50%)を固形分率(Pt+カーボン担体+アイオノマー)が19%となるよう添加して、触媒インクを調製した。
そして、親水性多孔質層として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材上に、上記により調製したインクをスクリーン印刷法により、5cm×5cmのサイズに塗布し、Pt担持量が約0.35mg/cmとなるようにした。その後、分散剤としての有機物を除去するために、130℃で30分熱処理を施し、触媒層を作製した。
上記のようにして作製した触媒層を電解質膜(Nafion(登録商標)NR211,DuPont社製)へ転写して膜電極接合体(MEA)を作製した。なお、転写は150℃、10min、0.8MPaの条件で行った。
〔2〕電池の作製
〔2−1〕比較例
上記のようにして作製した膜電極接合体の両面をガス拡散層(24BC,SGLカーボン社製)、さらにカーボンセパレーター、さらには金メッキした集電板で挟持し、電池を作製した。
このように作製した電池を本発明の電極触媒を使用していない比較例として、後述する方法によって、触媒の固体プロトン伝導材及び液体プロトン伝導材との界面に形成される電気二重層容量をそれぞれ測定すると共に、電池性能の評価を行った。
図3は、このようにして作製された電池における電極触媒の断面構造を模式的に示す説明図である。
図において、カーボン担体(ケッチェンブラック)4の外周面及び空孔(液体伝導材保持部)4aの内部表面には、触媒(Pt)粒子2が担持されており、このようなカーボン担体4の外面は、固体プロトン伝導材としてのナフィオン3によって覆われている。
〔2−2〕発明例
一方、上記同様に作製した燃料電池に対して、以下のような処理を施すことによって、触媒の固体プロトン伝導材との接触面積が液体プロトン伝導材との接触面積よりも小さくなるように調整し、本発明の電極触媒を用いた固体高分子型燃料電池とした。
すなわち、上記のように作製した電池において、80℃に加熱した作用極に調湿した窒素ガス、対極には同様に調湿した水素ガスをそれぞれ流通させた。このとき、予め計測しておいた、電気二重層容量の湿度依存性から、電気二重層容量が十分低下している10%RHに調湿することによって、触媒―固体プロトン伝導材、カーボン担体―固体プロトン伝導材界面のみが電気化学的に有効となる。
この状態で、作用極の電位を変動(0.6−1.0V(vs.RHE))させることによって、カーボン担体4の外周部に担持され、固体プロトン伝導材3と接触している触媒粒子2が溶解する。
このような電位変動(各電位で3秒ずつ保持)を150000サイクル行うことによって、担体4の外周部において固体プロトン伝導材3と接触している触媒粒子2を溶解させて減じた本発明の電極触媒1(図2参照)を備えた固体高分子型燃料電池を得た。そして、同様の方法によって、触媒表面の電気二重層容量を測定すると共に、電池性能の評価を行った。
〔3〕電気二重層容量の測定
上記によって得られた実施例及び比較例電池について、電気化学インピーダンス分光法により、高加湿状態、低加湿状態、さらに触媒失活かつ高加湿状態及び低加湿状態における電気二重層容量をそれぞれ測定し、両電池の電極触媒における触媒の両プロトン伝導材との接触面積を比較した。
なお、使用機器としては、北斗電工株式会社製電気化学測定システムHZ−3000と、エヌエフ回路設計ブロック社製周波数応答分析器FRA5020を用い、表1に示す測定条件を採用した。
Figure 0005522423
まず、それぞれの電池をヒーターによって30℃に加温し、作用極及び対極に、それぞれ表1に示した加湿状態に調整した窒素ガス及び水素ガスを供給した状態で電気二重層容量を計測した。
電気二重層容量の測定に際しては、表1に示したように、0.45Vで保持し、さらに、±10mVの振幅で、20kHz〜10mHzの周波数範囲で作用極の電位を振動させた。
すなわち、作用極電位の振動時の応答から、各周波数におけるインピーダンスの実部、虚部が得られる。この虚部(Z”)と角速度ω(周波数から変換)の関係が次式で表されるため、虚部の逆数を角速度の−2乗について整理し、角速度の−2乗が0のときの値を外挿することによって、電気二重層容量Cdlが求められる。
Figure 0005522423
このような測定を低加湿状態及び高加湿状態(5%RH→10%RH→90%RH→100%RH条件)で順次実施した。
さらに、作用極に濃度1%(体積比)のCOを含む窒素ガスを1NL/分で15分以上流通させることによって、Pt触媒を失活させたのち、上記のような高加湿及び低加湿状態における電気二重層容量をそれぞれ同様に計測した。これらの結果を表2に示す。なお、得られた電気二重層容量は、触媒層の面積当たりの値に換算して示した。
そして、計測値に基づいて、触媒−固体プロトン伝導材(C−S)界面及び触媒−液体プロトン伝導材(C−L)界面に形成された電気二重層容量を算出し、その結果を表3に示す。
なお、算出に当たっては、低加湿状態及び高加湿状態の電気二重層容量を代表するものとして、それぞれ5%RH及び100%RH条件における計測値を用いた。
Figure 0005522423
Figure 0005522423
〔4〕電池性能の評価
燃料電池を80℃に保持し、酸素極には100%RHに調湿した酸素ガス、燃料極には100%RHに調湿した水素ガスをそれぞれ流通させ(これによって、カーボン担体(ケッチェンブラック)4の空孔(液体伝導材保持部4a)内に水が導入され、この水が液体プロトン伝導材として機能する)、電流密度が1.0A/cmとなるように電子負荷を設定し、15分保持した。
その後、セル電圧が0.9V以上となるまで、段階的に電流密度を低下させた。このとき、各電流密度に15分保持するようにして、電流密度と電位の関係を取得した。そして、100%RH条件で取得した触媒有効表面積を用いて、触媒表面積あたりの電流密度に換算し、0.9Vにおける電流密度を比較した。その結果を表3に併せて示す。
表3に示した結果から明らかなように、触媒の固体プロトン伝導材との界面に形成される電気二重層の容量が液体プロトン伝導材との界面に形成される容量よりも大きい電極触媒を用いた比較例の電池においては、Pt表面積あたりの電流密度が286μA/cmであった。
これに対して、固体プロトン伝導材との界面に形成される電気二重層容量の方が小さい本発明の電極触媒を適用した電池においては、322μA/cmという高い電流密度が得られることが確認された。
なお、触媒有効表面積の測定は、上記した電気化学測定システムHZ−3000を用いて、表4に示す条件のもとに測定対象の電位を掃引し、触媒Ptに対するプロトンの吸着による電気量から算出した。
Figure 0005522423
[実施試験2]
〔実施例1〕
導電性多孔質担体として、カーボン担体であるブラックパール(比表面積1500m/g)を用い、これに触媒として粒径1〜5nmのコバルト合金金属をその重量比が50%となるように担持させて、触媒粉末とした。
この触媒粉末と、プロトン伝導基重量等量(EW)の異なる固体プロトン伝導材であるアイオノマー分散液として、Nafion(登録商標)D2020(EW=1100g/mol、DuPont社製)、及びパーフルオロスルホン酸アイオノマーIN201(EW=660g/mol、旭硝子株式会社製)を用い、上記触媒粉末中の導電性多孔質担体との質量比が0.9となるように別々に混合し、アイオノマーが異なる2種類の触媒インクを調製した。
そして、親水性多孔質層として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材上に、上記により調製したインクをスプレー塗布法により、前者の触媒インク(EW=1100g/mol)、後者の触媒インク(EW=660g/mol)の塗布面積が、4:6となるように、5cm×5cmのサイズに塗布し、Pt担持量が約0.35mg/cmとなるようにした。その後、分散剤としての有機物を除去するために、130℃で30分熱処理を施し、触媒層を作製した。
上記のようにして作製した触媒層を電解質膜(Nafion(登録商標)NR211,DuPont社製)へ転写して膜電極接合体(MEA)を作製した。
〔実施例2〕
固体プロトン伝導材としてのアイオノマー分散液として、Nafion(登録商標)D2020のみを使用したこと以外は、上記実施例1と同様操作を繰り返すことによって、MEAを作製した。
〔比較例1〕
導電性多孔質担体として、カーボン担体であるグラファイト化ケッチェンブラック(比表面積150m/g)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことによってMEAを作製した。
〔比較例2〕
固体プロトン伝導材としてのアイオノマー分散液として、Nafion(登録商標)D2020のみを使用したこと以外は、比較例1と同様の操作を繰り返すことによってMEAを作製した。
〔実施例3〕
固体プロトン伝導材として、パーフルオロスルホン酸アイオノマーIN201(EW=660g/mol、旭硝子株式会社製)のみを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことによってMEAを作製した。
上記のようにして作製した膜電極接合体の両面をガス拡散層(25BC,SGLカーボン社製)、さらにカーボンセパレーター、さらには金メッキした集電板で挟持し、電池を作製した。
このように作製した電池を、上記実施試験1と同様の方法によって、触媒の固体プロトン伝導材及び液体プロトン伝導材との界面に形成される電気二重層容量の計測を用いて、固体プロトン伝導材による触媒の被覆率を算出すると共に、電池性能の評価を行った。なお、被覆率の算出に当たっては、高加湿状態に対する低加湿状態の電気二重層容量の比より算出し、湿度状態を代表するものとして、それぞれ5%RH及び100%RH条件における計測値を用いた。
〔電池性能の評価〕
燃料電池を80℃に保持し、相対湿度100%から40%を代表的な湿度条件として、酸素極に調湿した酸素ガス、燃料極に調湿した水素ガスをそれぞれ流通させ、電圧値が0.9Vとなる触媒表面積あたりの電流密度値、ならびに電流密度が1.0A/cmとなるような電圧値を計測した。その結果を表5及び表5に示す。
Figure 0005522423
Figure 0005522423
表5、表6に示した結果から明らかなように、触媒の固体プロトン伝導材との界面に形成される電気二重層の容量が液体プロトン伝導材との界面に形成される容量よりも小さい電極触媒、すなわち被覆率が小さい電極触媒を、プロトン伝導基重量等量が小さい固体プロトン伝導材で被覆した触媒層を有するMEAを燃料ガス流露内の相対湿度90%以下の領域に配置することによって、発電性能が向上することが確認された。
なお、触媒有効表面積の測定は、上記した電気化学測定システムHZ−3000を用いて、表4に示す条件のもとに測定対象の電位を掃引し、触媒金属に対するプロトンの吸着による電気量から算出した。
1 固体高分子型燃料電池用電極触媒
2 Pt(触媒)
3 ナフィオン(固体プロトン伝導材)
4 カーボン担体(導電性多孔質担体)
4a 液体伝導材保持部

Claims (11)

  1. 導電性担体、前記導電性担体に配置される触媒、固体プロトン伝導材、触媒と固体プロトン伝導材をプロトン伝導可能な状態に連結する液体プロトン伝導材を有し、
    記液体プロトン伝導材は、前記導電性担体の空孔に保持され
    前記触媒の固体プロトン伝導材との接触面積が、前記触媒の前記空孔に露出する面積よりも小さいことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  2. 上記空孔に液体プロトン伝導材が満たされた状態において、触媒−固体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層容量が、触媒−液体プロトン伝導材界面に形成される電気二重層容量よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  3. 上記触媒が固体プロトン伝導材と非接触状態にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  4. 上記導電性担体が、導電性多孔質担体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  5. 上記導電性多孔質担体がケッチェンブラックであることを特徴とする請求項4に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  6. 上記固体プロトン伝導材のEWが1200以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  7. 上記触媒がPt、Ir、Co、Ni、Fe、Cu、Ru、Ag及びPdから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の電極触媒を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜電極接合体。
  9. 請求項8に記載の膜電極接合体と、
    上記膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層と、
    上記膜電極接合体及び一対のガス拡散層を挟持し、上記ガス拡散層との対峙面にガス流路を有するセパレータとを備えたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  10. 発電面内にEWが異なる2種類以上の固体プロトン伝導材を含み、これらのうち最もEWが低い固体プロトン伝導材が流路長に対して燃料ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方のガス供給口から3/5以内の範囲の領域に用いられていることを特徴とする請求項9に記載の固体高分子型燃料電池。
  11. 最もEWが低い固体プロトン伝導材のEWが900以下であることを特徴とする請求項10に記載の固体高分子型燃料電池。
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