JP5522012B2 - 容量素子の特性測定方法および特性測定装置 - Google Patents

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この発明は、容量素子に対する絶縁抵抗計測や耐圧試験等の特性測定方法、および特性測定装置に関する。
一般にコンデンサ等の容量素子に要求される特性性能として絶縁抵抗性能や漏洩電流性能があり、コンデンサの製造時には各コンデンサを充電して特性性能が測定され、その測定結果に基づいて良品検査が行われる(例えば、特許文献1,2参照。)。
コンデンサの構成材料として、セラミックコンデンサのように強誘電体(チタン酸バリウム等)が利用されることがある。一般に強誘電体は結晶構造が常温で正方晶であり、結晶粒の内部に自発分極した領域を持つ。強誘電体では、外部電界が印加されることにより結晶粒内部で自発分極の分極方向が揃い、外部電界が印加されない状態では結晶粒内部で自発分極の分極方向が部分反転する。このような強誘電体を用いたコンデンサにおいては、測定電圧を印加してから充電電流値が収束するまで、比較的長い時間を要することが知られている。
特許文献1には、充電電流値が収束するまでの時間を短縮するため、測定電圧よりも高い電圧の印加・放電を行い、その後、再び測定電圧を印加しなおして特性測定を行う方法が開示されている。図1(A)は、特許文献1に開示された方法の概要を示す電圧パターン図である。
また特許文献2には、長期に亘って高い信頼性を確保できるコンデンサを選別するため、高温環境下で測定電圧を印加し、絶縁抵抗測定を行うことが開示されている。図1(B)は、特許文献2に開示された方法の概要を示す電圧パターン図である。
特許3156658号公報 特開2000−164471号公報
強誘電体において、充電電流値が収束するまで長時間を要するのは、外部電界の印加によって自発分極の分極方向が外部電界の方向に沿うように変化し、強誘電体の分極がしだいに進行するためである。このような分極は所定の時定数で進行し、分極の進行に伴って電流(分極電流)が流れる。この分極電流は誘電吸収成分とも呼ばれ、この分極電流が存在する間は電圧印加による充電が分極の進行に費やされるため充電電流値の収束が遅くなる。分極電流はコンデンサが大容量であるほど増加するため、大容量のコンデンサであるほど計測中の充電電流値が漏洩電流値に到達するまでに長時間を要することになる。
特許文献1の方法でも、計測中の充電電流値が漏洩電流値に到達するまでの時間は短縮されるが、測定対象となるコンデンサが極めて大容量な場合には、電圧印加の回数を増加させたり、さらに高い電圧を印加したりする必要が生じる。電圧印加の回数を増加させると時間短縮の効果が限定的になり、印加電圧を高めるとコンデンサの破壊が生じる危険性が高くなってしまう。そのため、多数の大容量コンデンサに対して特性測定の検査を実施する場合には、検査時間が増大することで仕掛かり品が増加することになり、検査コストが増加してしまう。
特許文献2に示されたように、高温環境下で絶縁抵抗値を測定する場合、その絶縁抵抗値はJIS規格等の定める常温環境下での絶縁抵抗値に対して完全な相関関係を持つわけではない。図2は、本願の発明者が実験により得た、複数サンプルの常温環境下での絶縁抵抗値と高温環境下での絶縁抵抗値との関係を示す図である。図示するように両者の相関は弱く、このため、常温環境下での絶縁抵抗値を保証するためには、高温環境下での絶縁抵抗試験とはべつに常温環境下でも絶縁抵抗試験を実施する必要があり、検査時間の短縮は困難であった。
そこで本発明の目的は、検査時間を短縮できる容量素子の特性測定方法、および特性測定装置を提供することにある。
この発明の容量素子の特性測定方法は、強誘電体からなる容量素子をキュリー温度以上に加熱する加熱ステップと、キュリー温度以上に加熱した該容量素子に電圧印加して予備充電する予備充電ステップと、予備充電の途中または予備充電の終了後に該容量素子をキュリー温度未満に冷却する冷却ステップと、キュリー温度未満に冷却した該容量素子を放電する放電ステップと、放電後の該容量素子に電圧印加し再充電して特性を測定する再充電・特性測定ステップと、を有する。
予備充電によって強誘電体に対して高温環境下での電界を印加することで、低温環境下で電界を印加する場合よりも強誘電体の分極の進行が加速される。その状態から強誘電体を冷却して放電を行うことで、分極が進んだ状態を維持することができ、その状態から、特性測定を行うために容量素子を再充電することにより、短時間で充電電流値を漏洩電流値に到達させることができる。
より詳細には、強誘電体はキュリー温度以上に加熱すると結晶構造が正方晶から立方晶になり一度自発分極が失われる。キュリー温度以上の高温環境下で強誘電体に電界を印加すると、電界に沿った方向の分極が生じる。この状態の強誘電体をキュリー温度よりも低い温度まで冷却すると結晶構造が立方晶から正方晶に戻り、それに伴い電界方向を分極方向とした自発分極が再生する。則ち、キュリー温度以上で予備充電を実施することで、分極を短時間で進めることができる。その状態で放電を行ってから、特性測定を行うために容量素子を再充電することにより、極めて短時間に充電電流値を漏洩電流値に収束させることができる。
なお、キュリー温度よりも高温で放電を行うと、分極が消えた状態で冷却されることになり、立方晶から正方晶に戻る際に自発分極がランダムな向きに生じてしまい、分極を加速させたことにはならない。このため、予備充電に対する放電は冷却後に行うことが重要である。
上記容量素子の特性測定方法において、前記予備充電ステップでの印加電圧は前記再充電・特性測定ステップで印加する電圧よりも高電圧または同電圧であると望ましい。
充電ステップでの印加電圧が高いほど、前記充電ステップにおいて分極の進行が速まる。
上記容量素子の特性測定方法において、前記予備充電ステップでは、予備充電後に電圧印加用の接触端子を引き離し、前記容量素子の外部端子を開放状態とすると好適である。
この発明の容量素子の特性測定装置は、強誘電体からなる複数の容量素子を供給位置から排出位置まで搬送する搬送路を備える。この搬送路は、加熱領域、予備充電位置、冷却領域、放電位置、再充電・特性測定位置の順に、容量素子を搬送することを特徴とする。なお、加熱領域では容量素子を加熱する。予備充電位置では、前記加熱領域で加熱された容量素子を予備充電する。冷却領域では、前記予備充電位置で充電された前記容量素子を冷却する。放電位置では、前記冷却領域で冷却された前記容量素子を放電する。再充電・特性測定位置では、前記放電位置で放電された前記容量素子を再充電して特性を測定する。
なお、搬送路における加熱領域、予備充電位置、冷却領域、放電位置、再充電・特性測定位置の配置順は、必ずしも明確な境界を持つ必要はない。容量素子の温度環境(キュリー温度以上か未満か)の条件を満足する配置であれば、搬送路中の加熱領域の後半に予備充電位置があってもよいし、冷却領域の後半に放電位置があってもよい。
この発明によれば、強誘電体に高温環境下で電界を印加することにより、比較的短時間に分極を進めることができ、その後に、冷却してから放電を行うことで、分極が進んだ状態を維持することができる。そして、その状態から再充電を行うことにより、充電電流値が漏洩電流値に到達するまでの時間を短縮することができる。これにより、容量素子の検査時間を短縮でき、多数の大容量コンデンサに対して特性測定の全品検査を実施する場合などに、仕掛かり品の増加を抑制し、検査コストを抑制できる。
従来方法の概要を示す電圧波形図である。 高温環境下での絶縁抵抗値と常温環境下での絶縁抵抗値との関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る特性測定方法を説明する図である。 本実施形態の方法と従来方法とでの充電電流の波形を比較する電流波形図である 本発明の第2の実施形態に係る特性測定方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る特性測定方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る特性測定装置を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、容量素子としてセラミックコンデンサを用いる場合を例に説明する。強磁性体からなるセラミックコンデンサの代表例としては、チタン酸バリウム系の固体セラミックコンデンサや積層セラミックコンデンサがある。なお容量素子としては、強誘電体を構成材料とするものであればよく、セラミックコンデンサの他のコンデンサや、圧電デバイス、トランジスタ・FET等の結合容量を持つ素子などを用いても良い。
《第1の実施形態》
まず、本発明の第1の実施形態に係るセラミックコンデンサの特性測定方法について説明する。図3(A)は本実施形態に係る特性測定方法の概要を示す電圧パターン図であり、図3(B)はそのプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
本実施形態の方法では、まず、セラミックコンデンサを加熱設備に供給する(S1)。供給装置としては、振動フィーダまたはバルクカセット式フィーダを用いるとよい。
次に、加熱設備を用いて、セラミックコンデンサをキュリー温度以上に加熱する(S2)。加熱設備としては、内部雰囲気を所定温度に維持する恒温槽や、セラミックコンデンサに押し当てて加熱するホットプレート、非接触でセラミックコンデンサを加熱する赤外線ヒーターなどを利用するとよい。なお、チタン酸バリウム系のセラミックコンデンサの場合には120℃〜150℃以上に加熱すると好適である。その他の材料の場合、各材料に応じたキュリー温度が存在するため、それらに応じて加熱温度は決定すると良い。
次に、セラミックコンデンサにキュリー温度以上の温度を維持させたまま、セラミックコンデンサの外部端子に測定電圧以上の電圧を印加してセラミックコンデンサを予備充電する(S3)。上記電圧の印加時間は、後述する冷却プロセスによってセラミックコンデンサがキュリー温度未満の温度になるまでとしている。これらの条件を満足するのであれば、加熱設備内で予備充電を開始した後に電圧印加状態のままコンデンサを加熱設備から取り出し冷却しても良く、加熱設備で十分に加熱したコンデンサを取り出しキュリー温度以上で予備充電を開始した後に電圧印加状態のまま冷却しても良い。
次に、セラミックコンデンサをキュリー温度未満の温度、好ましくは常温まで冷却する(S4)。冷却方法として自然冷却を用いることは不可能ではないが、冷却時間の短縮のためには冷却設備を用いることが望ましい。冷却設備としては、所望の温度に設定した恒温槽や、セラミックコンデンサとの接触により冷却するペルチェ素子、非接触で冷却気流をあてる送風器などを用いると良い。
次に、冷却後のセラミックコンデンサの放電を行う(S5)。コンデンサの放電とは、コンデンサに蓄積された電荷を逃がし、外部端子間の電位差をなくすことである。ここで、コンデンサ内の電荷を完全に放出する必要はなく、放電後の外部端子間の電圧が後工程の再充電・特性測定時の印加電圧よりも低くなっていれば良い。例えば、放電時間によって放電後の外部端子間の電圧値を制御することができる。予め外部端子間の電圧を低くすることにより、再充電・特性測定時の電流の逆流を防止することができる。
なお、この放電は少なくともキュリー温度よりも低い温度で行う必要がある。仮にキュリー温度以上で放電がされると電圧印加による強誘電体の分極状態が無くなってしまい、冷却時に結晶構造が立方晶から正方晶に戻る際に再生する自発分極の分極方向を電界方向にすることができなくなってしまう。そのため、上述のようにキュリー温度未満で放電を行うことにより、冷却時に結晶構造が立方晶から正方晶に戻る際に再生する自発分極の分極方向を電界方向に沿わせることができる。これにより、後の再充電・特性測定工程において分極に費やされる時間を短縮することができ、測定時間を短縮することが可能になる。
次に、測定電圧を印加してセラミックコンデンサを再充電させる(S6)。この測定電圧の印加開始時刻からの充電時間を計時し、充電時間が所定の時間になると、充電電流を測定する(S7〜S8)。そして、測定した充電電流値を所定値と比較し、セラミックコンデンサの良否判定を行い、充電電流値が所定値未満、則ち漏洩電流が閾値よりも小さい場合を良品として、逆に漏洩電流が閾値よりも大きい場合を不良品として、判定結果に応じた選別・排出を行う(S9〜S11)。なお、測定した充電電流値から絶縁抵抗値を算出し、絶縁抵抗値を基に良品判定を行っても良い。
図4は、測定電圧を印加することによってセラミックコンデンサに流れる充電電流の測定例を示す波形図であり、予備充電時のセラミックコンデンサの温度を高温(130℃)とした場合と、低温(20℃)とした従来の場合とを比較表示している。同図において横軸には測定電圧を印加してからの時間をLOG表示しており、縦軸には測定された充電電流値をLOG表示している。
充電電圧の印加当初は、充電電流値は一様であり、その後、急峻に電流値が低下する。そして、次第に電流値の低下傾向が緩やかになり、次第に電流値は一定化していく。予備充電を低温環境下で行った従来の場合(20℃)と、予備充電を高温環境下で行った本実施形態の場合(130℃)とでは、充電電流値の低下速度が異なり、ほぼ全ての時間域に亘って本実施形態のほうが充電電流値は小さい結果であった。
このことから、本実施形態の場合には、従来の場合よりも同一の電流値に到達するまでに要する充電時間が短縮できることがわかる。例えば、従来は約5秒程度かかっていた電流値であっても本実施形態では約1.5秒で到達することができ、充電時間を約30%ほどに短縮することができる。
このように本実施形態によれば、強誘電体を用いた容量素子において、充電開始から充電電流値が収束するまでの時間を大幅に短縮でき、これにより、容量素子の検査時間と検査コストの抑制を実現することが可能になる。
なお、上述した予備充電プロセスはスイッチング電源やシリーズレギュレータ式電源など、どのような電源を用いて行っても良い。一方、測定電圧による再充電プロセスは、物性測定で微小電流を精度良く測定する必要があるため、市販の高抵抗測定器や微小電流測定器などに内蔵される高精度な電圧源を用いると好適である。その他、物性測定で微小電流を精度良く測定することが可能ならば、電圧源を自作しても良く、外部のシリーズレギュレータ式電源から測定電圧を供給したり、スイッチング電源からフィルタを用いてノイズを除去して測定電圧を供給することも可能である。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係るセラミックコンデンサの特性測定方法について説明する。図5は、本実施形態に係る特性測定方法の概要を示す電圧パターン図である。
本実施形態は、予備充電プロセスでの印加電圧を測定プロセスでの測定電圧と同電圧とする点で、第1の実施形態と相違する。この場合、予備充電プロセスにおける、強誘電体の分極の進行は第1の実施形態よりも遅いものになり、第1の実施形態よりも検査時間は若干長くなると思われる。しかしながら、少なくとも、予備充電を行わずに常温環境で特性測定を行うような場合よりは検査時間を短縮できる。そして、両プロセスで用いる電圧源を同一のものにすることができるため、昇圧回路等を用いずに簡易な回路構成を用いて容量素子の特性測定を行える。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態に係るセラミックコンデンサの特性測定方法について説明する。図6は、本実施形態に係る特性測定方法のプロセスフローの一例を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係る特性測定方法を実施する特性測定装置の概略構成を示す図である。
まず、本実施形態のプロセスフローについて図6に基づいて説明する。本実施形態ではセラミックコンデンサを特性測定装置に供給し(S11)、その特性測定装置で、セラミックコンデンサを加熱(S12)する。そして、セラミックコンデンサの外部端子に接触端子を当接させて電圧を印加し、予備充電(S13)を実施する。
そして、同特性測定装置で、セラミックコンデンサの外部端子に電圧を印加していた接触端子を引き離し、両方の外部端子間を開放状態とする。これにより、セラミックコンデンサ自体の蓄積電荷のみによって強誘電体に電界が働く状態としてから、セラミックコンデンサを冷却する(S14)。この場合にも、上記電界に沿った分極方向で自発分極が再生することになり、強誘電体の分極が大幅に進展したものになる。
その後、冷却後のセラミックコンデンサの放電を行い(S15)、測定電圧を印加してセラミックコンデンサを再充電させ(S16)、所定時間の経過後に充電電流値を測定する(S17〜S18)。そして、セラミックコンデンサの良否判定を行い、判定結果に応じた選別・排出を行う(S19〜S21)。
以上のプロセスフローは、図7に示す構成の特性測定装置により実施する。
特性測定装置11は、セラミックコンデンサの搬送路となる円形テーブル1、振動フィーダ2A、分離供給部2、加熱部3、予備充電部4、冷却部5、放電部6、再充電・特性測定部7、および、排出部8を備える。円形テーブル1は、セラミックコンデンサを保持するためのワーク収納孔が等間隔で形成され、セラミックコンデンサを逆時計回りに間欠搬送する。振動フィーダ2Aは、セラミックコンデンサを分離供給部2まで送る。分離供給部2は、供給位置に位置する円形テーブル1のワーク収納孔にセラミックコンデンサを収納する。加熱部3は、供給位置の次にセラミックコンデンサが搬送される加熱領域でセラミックコンデンサを加熱する。予備充電部4は、加熱領域の最後にセラミックコンデンサが搬送される予備充電位置でセラミックコンデンサを予備充電する。冷却部5は、予備充電位置の次にセラミックコンデンサが搬送される冷却領域でセラミックコンデンサを冷却する。放電部6は、冷却領域の次にセラミックコンデンサが搬送される放電位置でセラミックコンデンサを放電する。再充電・特性測定部7は、放電位置の次にセラミックコンデンサが搬送される再充電・特性測定位置でセラミックコンデンサを再充電して充電電流値を測定する。排出部8は、セラミックコンデンサを特性測定結果に応じた位置から排出する。
この特性測定装置11では、セラミックコンデンサを間欠送りし、セラミックコンデンサの送り位置ごとに、前述のプロセスフローに示した処理を順次実施する。このような特性測定装置11の詳細構成については特開2009-244116号公報などに公開されているため、ここでの詳述は避けるが、この装置では、予備充電部4によりセラミックコンデンサを予備充電した後で、セラミックコンデンサから電圧印加用の接触端子を引き離し、その後でセラミックコンデンサを冷却部5や放電部6に搬送することになる。このため、この装置を用いれば、各プロセスを同一の送り位置で実施するのではなく別々の送り位置で並列して実施でき、予備充電から冷却、放電までの一連のプロセスを実施するための時間を短縮することができる。そして、そのようにしても、予備充電部4で充電したセラミックコンデンサの放電を、冷却部5での冷却後に実施できるため、強誘電体の分極がキュリー温度以上で消滅することがなく、強誘電体の分極を進行させた状態で、後の再分極および特性測定を実施することができる。
なお、加熱領域、予備充電位置、冷却領域、放電位置、再充電特性測定位置、排出部を直線状に配置し、セラミックコンデンサを直線方向に搬送させてもよい。搬送方法は吸着ヘッドによる保持であっても、メカニカルチャックであってもよく、間欠搬送に限らず連続搬送でも良い。
上述した各実施形態での測定方法や測定装置の構成は仕様に応じたものであり、本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、本発明の範囲には特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…円形テーブル
2…分離供給部
2A…振動フィーダ
3…加熱部
4…予備充電部
5…冷却部
6…放電部
7…特性測定部
8…排出部
11…特性測定装置

Claims (5)

  1. 強誘電体からなる容量素子をキュリー温度以上に加熱する加熱ステップと、
    キュリー温度以上に加熱した前記容量素子に電圧印加して予備充電する予備充電ステップと、
    予備充電の途中または予備充電の終了後に前記容量素子をキュリー温度未満に冷却する冷却ステップと、
    キュリー温度未満に冷却した前記容量素子を放電する放電ステップと、
    放電後の前記容量素子に電圧印加し再充電して特性を測定する再充電・特性測定ステップと、
    を有する容量素子の特性測定方法。
  2. 前記放電ステップ、および前記再充電・特性測定ステップでの前記容量素子の温度が常温であることを特徴とする、請求項1に記載の容量素子の特性測定方法。
  3. 前記予備充電ステップでの印加電圧が、前記再充電・特性測定ステップで印加する電圧よりも高電圧または同電圧であることを特徴とする、請求項1または2に記載の容量素子の特性測定方法。
  4. 前記予備充電ステップ後に前記容量素子から電圧印加用の接触端子を引き離し、前記容量素子の外部端子を開放状態とする、請求項1〜3のいずれかに記載の容量素子の特性測定方法。
  5. 強誘電体からなる複数の容量素子の特性を測定する特性測定装置であって、
    前記容量素子を供給位置から排出位置まで搬送する搬送路を備え、
    前記搬送路には、
    前記容量素子をキュリー温度以上に加熱する加熱領域、
    前記加熱領域で加熱された容量素子に電圧印加して予備充電する予備充電位置、
    前記予備充電位置で充電された前記容量素子をキュリー温度未満に冷却する冷却領域、
    前記冷却領域で冷却された前記容量素子中の電荷を放電する放電位置、
    前記放電位置で放電された前記容量素子に電圧印加し再充電して特性を測定する再充電・特性測定位置、が順に配置されていることを特徴とする、特性測定装置。
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