JP5521966B2 - 直流電源装置 - Google Patents

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この発明は、交流直流変換を行う直流電源装置に関するものである。
近年、直流電源装置が有する整流回路では、商用電源から直流電源装置に入力される入力電流が商用電源の電圧と同期整流できないため電源力率が悪く無効電力分が多いといったこともあり、電力利用率の向上が要求されている。無効電力分とは供給される電力が直流電源装置を介し接続されている負荷側の装置によって消費されず、供給側に返還される分であり、供給元からみると発電・送電の効率が悪く、負荷側からみると供給された電力を有効に利用していない状態である。また、高調波電流成分の含有率が多いと、直流電源装置では商用電源から入力される入力電流の波形が正弦波状の波形から歪み、同一の電源系統に接続された他の装置の動作を妨害したり送電設備を損傷させたりすることがある。これらに対して、国際規格(IEC61000−3)等によって改善が要求されている。その対策として、半導体スイッチング素子にてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行い、電源力率の改善、電源高調波電流の抑制、直流出力電圧の調整を行う直流電源装置が用いられている。
そこで、直流電源回路として用いられる従来のハーフブリッジ型コンバータ回路は、4つのダイオードが接続して形成されたダイオードブリッジ回路のN出力との間に設けられたシャント抵抗により電流検出を行う。さらにSi半導体製の第1のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)がシャント抵抗およびシャント抵抗が接続された側の一方のダイオードに並列に接続されており、Si半導体製の第2のIGBTがシャント抵抗およびシャント抵抗が接続された側の他方のダイオードに並列に接続されており、シャント抵抗により検出された電流値に基づいて制御手段が2つのIGBTを制御する。その際、特にIGBTが逆方向(エミッタからコレクタ)に電流が流れないという特性を利用して、第1のIGBTと第2のIGBTを同時にON/OFFして20〜25kHz程度のスイッチング周波数でスイッチングを行っている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年の省エネ化に従い、直流電源装置のスイッチング周波数を高周波化する場合、直流電源装置の電流が流れる経路上にある半導体素子すなわち整流用素子および半導体スイッチング素子の損失が大きくなるため、インバータ機器同様に炭化ケイ素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体素子に置き変えてパワー半導体モジュールの低損失化、低発熱化を図る技術動向がある。例えば、モータなどを駆動するインバータ回路では、パワー半導体モジュールに、炭化ケイ素(SiC)によるショットキーバリアダイオード(SBD)を用いパワー半導体モジュールのリカバリ電流によるリカバリ損失を減らしたり、パワー半導体モジュールのスイッチ速度(ターンオン速度)を速くしスイッチング損失を減らしたりすることで、モータなどの駆動効率は現状と同等で、パワー半導体モジュールの低損失化、低発熱化を図っている(例えば、特許文献2参照)。
空気調和機などの直流電源装置の半導体スイッチング素子は、耐圧が600V以上、電流が10Arms以上流れるため通常、高耐圧でもオン抵抗を低減可能なSi製のIGBTが用いられていた。しかし、炭化ケイ素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子は、ユニポーラ型の電界効果トランジスタの一種であるMOSFET(Metal Oxide semiconductor Field Effect Transistor)が主流である。これは、炭化ケイ素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体の絶縁破壊強度がSiの約10倍と高く、高耐圧化してもドリフト層を非常に薄くできるため超低オン抵抗化が可能になり、IGBT以上の低損失化により、ワイドバンドギャップ半導体化するメリットを十分得られるためである。また、ワイドバンドギャップ半導体、例えば炭化ケイ素などはシリコンよりもキャリア移動速度が速いためにスイッチング速度を高めることができる。尚、ワイドバンドギャップ半導体とは、シリコンよりもバンドギャップが大きい半導体のことであり、例えば、炭化ケイ素や窒化ガリウムやダイヤモンドなどのことである。
特開2001−286149号公報(0017欄乃0027欄、第1−4図) 特開2008−92663号公報(第3−4頁)
しかしながら、特許文献1に開示されているハーフブリッジ型コンバータ回路の半導体スイッチング素子はバイポーラ型のスイッチング手段であるIGBTであるためこれ以上の大幅な低損失化が望めず、またスイッチング周波数を高く出来ないという問題があり、そこで、更なる低損失、高周波化を目指してIGBTからMOSFETに置き換えた場合、電流がMOSFETを双方向に流れるためシャント抵抗をバイパスする電流経路が発生してしまうことによって、電流を検出するシャント抵抗にすべての電流が流れないために制御が不安定になるという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、直流電源装置の半導体スイッチング素子に電界効果トランジスタを使用しても、シャント抵抗により検出した電流値で安定的に制御が行えるようにすることを目的とする。
この発明の直流電源装置は、商用交流電源から供給される交流電流を整流して負荷側に供給する整流回路と、前記整流回路と負側の出力端子との間に設けられ、前記負側の出力端子から前記整流回路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段と並列に前記整流回路に接続され、寄生ダイオードを有する電界効果トランジスタと、前記電流検出手段が検出する電流値と前記寄生ダイオードを流れる電流値の分流比を予め記憶し、前記電流検出手段が検出する電流値と前記分流比に基づいて求められる前記寄生ダイオードを流れる電流値とから前記整流回路を流れる電流値を求めて前記電界効果トランジスタを制御する制御手段と、を備えたことを特徴する。
この発明の直流電源装置は、商用交流電源から供給される交流電流を整流して負荷側に供給する整流回路と、前記整流回路と負側の出力端子との間に設けられ、前記負側の出力端子から前記整流回路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段と並列に前記整流回路に接続され、寄生ダイオードを有する電界効果トランジスタとを備え、前記整流回路の負極側の整流素子の順方向電圧は前記寄生ダイオードに電流が流れ始める閾値電圧以下であることを特徴とする。
この発明の直流電源装置は、商用交流電源から供給される交流電流を整流して負荷側に供給する整流回路と、前記整流回路と負側の出力端子との間に設けられ、前記負側の出力端子から前記整流回路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段と並列に前記整流回路に接続され、寄生ダイオードを有する電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタと前記負側の出力端子の間に負側の出力端子から前記整流回路へ電流が流れることを防止する手段と、前記電流検出手段の検出値に基づいて前記電界効果トランジスタを制御する制御手段と、を備えたことを特徴する。
本願発明によれば、電界効果トランジスタと並列に接続された電流検出手段が検出する電流値を用いて安定的に制御動作する直流電源装置とすることができる。
この発明の実施の形態1における直流電源装置の構成図である。 この発明の実施の形態1における回路を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態1における回路を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態2における直流電源装置の構成図である。 この発明の実施の形態2における回路を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態2における電流検出用シャント抵抗を流れる電流、MOSFET素子の寄生ダイオードを流れる電流と電圧の関係図である。 この発明の実施の形態2における回路を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態3における直流電源装置の構成図である。 この発明の実施の形態3における電流検出用シャント抵抗を流れる電流、MOSFET素子の寄生ダイオードを流れる電流と電圧の関係図である。 この発明の実施の形態4における樹脂でモールドされた構成を示した図である。 この発明の実施の形態4における樹脂でモールドされた別の構成を示した図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における直流電源装置となるハーフブリッジ型コンバータ回路の回路構成図であり、空気調和機などの家電製品に用いられている電源力率の改善、電源高調波電流の低減、直流出力電圧の調整を行う直流電源装置である。以降、本回路を例に挙げて説明していく。交流電源1は、ノイズフィルタ2、リアクトル3を介して整流回路4に接続されている。整流回路4は、4つの整流素子4a、4b、4c、4dで構成されたダイオードブリッジ回路である。整流素子とは、例えばPN接合ダイオードやショットキーバリアダイオードなどである。整流回路4の正極端子側に整流素子4a、4b、負極端子側に整流素子4c、4dが接続されている。整流回路4の正極端子は平滑コンデンサ5の正極に接続されてPラインすなわち直流電源装置の正極出力端子を形成している。また、整流回路4の負極端子は電流検出用シャント抵抗6を介して、平滑コンデンサ5の負極に接続されNラインすなわち直流電源装置の負極出力端子を形成している。また、整流回路4の整流素子4c、4dと電流検出用シャント抵抗6とにはPWM制御にてスイッチング動作を行うワイドバンドギャップ半導体で作製されたMOSFET素子7、8と整流素子9、10がそれぞれ接続されている。整流素子9はカソードがNラインと接続しており、アノードがMOSFET素子7のソースと接続している。整流素子10も同様にカソードがNラインと接続し、アノードがMOSFET素子8のソースと接続している。尚、整流素子9、10はNラインから整流回路4に向かって流れる電流を防止できる手段であればよく、ダイオード、スイッチやドランジスタであればよい。
整流回路4の整流出力側には平滑コンデンサ5が接続され、さらにその先には、インバータ装置が接続されており、インバータ装置は直流電源装置から供給される直流電力を任意の周波数の交流電力に変換して、その先の負荷に供給する。負荷は例えば、家庭用の空気調和機の圧縮機や送風機を駆動するためモータである。交流電源1は空気調和機の外部から交流電力を供給し、交流電源1以外は直流電源装置の中に設けられている。なお、交流電源1は、空気調和機のような家電製品を動かすために、一般的に商用電源入力AC100V〜240V程度で使用される。
交流電源1のR、Sラインは、ノイズフィルタ2の入力に接続され、ノイズフィルタ2の出力のR1、S1ラインがリアクトル3の入力に接続されている。正極側のリアクトル3の出力は整流回路4と接点11aで接続しており、負極側のリアクトル3の出力は整流回路4と接点11bで接続している。接点11aは整流素子4aと整流素子4cの間に配置しており、接点11bは整流素子4bと整流素子4dの間に配置している。整流素子4aと整流素子4bの間に配置している接点11cが直流電源装置の正極出力端子となるPラインの接点11dと接続している。整流素子4cと整流素子4dの間に配置している接点11eが電流検出用シャント抵抗6と接続しており、電流検出用シャント抵抗6の他端は接点11fでNラインと接続している。平滑コンデンサ5は正極側で接点11dでPラインと接続し、負極側で接点11gでNラインと接続している。MOSFET素子7は整流素子4aと整流素子4cの間に配置した接点11hで整流回路4と接続し、他端では整流素子9を介して接点11fでNラインと接続している。また、MOSFET素子8は整流素子4bと整流素子4dの間に配置した接点11iで整流回路4と接続し、他端では整流素子10を介して接点11jでNラインと接続している。
また、整流素子4aは接点11aから接点11cに電流を流すように設けられている。整流素子4bは接点11bから接点11cに電流を流すように設けられている。整流素子4cは接点11eから接点11hに電流を流すように設けられている。整流素子4dは接点11eから接点11iに電流を流すように設けられている。整流素子9は接点11hから接点11fに電流を流すように設けられている。整流素子10は接点11iから接点11jに電流を流すように設けられている。
つまり、直列に接続された整流素子4cと電流検出用シャント抵抗6と、同じく直列に接続されたMOSFET素子7と整流素子4aとは、並列に接続されている。整流素子4aは、整流素子4cとは逆極性すなわち逆の向きに電流が流れるような向きに接続されている。同様に、直列に接続された整流素子4dと電流検出用シャント抵抗6と、直列に接続されたMOSFET素子8と整流素子4bとは、並列に接続されており、整流素子4bは、整流素子4dとは逆極性すなわち逆の向きに電流が流れるような向きに接続されている。
また、図1の制御ブロックは、平滑コンデンサ5の両端すなわちP−Nライン間の目標電圧値の指令信号すなわち目標出力電圧を出力する目標出力電圧発生器12と、目標出力電圧発生器12の出力である目標出力電圧とP−Nライン間の実際の電圧である直流出力電圧とが入力され目標出力電圧と直流出力電圧との誤差分を増幅した出力電圧誤差分信号を出力する出力電圧誤差増幅器13と、交流電源1の電圧を全波整流した正弦波基準波形信号を出力する電源同期回路14と、出力電圧誤差増幅器13の出力である出力電圧誤差分信号と電源同期回路14の出力である正弦波基準波形信号とが入力され出力電圧誤差分信号と正弦波基準波形信号とを乗算した出力電圧誤差増幅信号を出力する掛算器15と、電流検出用シャント抵抗6を流れる電流から発生させた実電流信号と掛算器15の出力である出力電圧誤差増幅信号とが入力され実電流信号と出力電圧誤差増幅信号との誤差分を増幅した電流誤差増幅信号を出力する電流誤差増幅器16と、MOSFET素子7、8のスイッチング周波数を制御する三角波を発生させる三角波発生器17と、三角波発生器17の出力である三角波と電流誤差増幅器16の出力である電流誤差増幅信号とが入力され三角波と電流誤差増幅信号とを比較してPWM駆動信号を出力する比較器18と、比較器18が発生するPWM駆動信号が入力されPWM駆動信号に応じてMOSFET素子7、8をオン・オフすなわちスイッチングさせるMOSFET素子駆動回路19と、によって構成されている。MOSFET素子駆動回路19はMOSFET素子7、8を駆動制御して、交流電源1から入力される交流入力電流や平滑コンデンサ5の両端に発生する直流出力電圧を制御する。このように本実施の形態1の直流電源装置の制御ブロック、すなわち制御手段21は出力電圧誤差増幅器13、電源同期回路14、掛算器15、電流誤差増幅器16、三角波発生器17、比較器18、MOSFET素子駆動回路19とを有している。
次に、図2、図3を用いて本実施の形態1の直流電源装置の回路動作と電流の流れについて説明する。図2は、交流電源1の電圧が正の半波すなわち、交流電源1のRラインが正の電圧、Sラインが負の電圧がかかっている場合の電流の流れを図示している。
図2においてMOSFET素子7がオン、MOSFET素子8がオフの場合(破線a)、交流電源1のRラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のR1ラインを通り、リアクトル3、MOSFET素子7のドレイン−ソース、整流素子9、電流検出用シャント抵抗6を経て、整流素子4dからリアクトル3を経由し、ノイズフィルタ2のS1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のSラインへ戻る経路すなわち破線aのループを短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流は増加し、リアクトル3にエネルギーが蓄えられる。
また、図2においてMOSFET素子7及びMOSFET素子8がそれぞれオフの場合(2点鎖線b)、交流電源1のRラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のR1ラインを通り、リアクトル3、整流素子4a、平滑コンデンサ5、電流検出用シャント抵抗6、整流素子4dからリアクトル3を経由し、ノイズフィルタ2のS1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のSラインへ戻る経路すなわち2点鎖線bのループを電流が流れ、平滑コンデンサ5が充電される。このとき、リアクトル3に蓄えられていたエネルギーが、交流電源1が供給する電力とともに平滑コンデンサ5に出力・充電されるので、直流出力電圧の昇圧が行われる。また、交流電源1はリアクトル3とともに平滑コンデンサ5に充電するため、破線aのループを短絡電流が流れる場合に対して、交流電源1からの入力電流は減少する。
次に図3は、交流電源1の電圧が負の半波すなわち、交流電源1のRラインが負の電圧、Sラインが正の電圧がかかっている場合の電流の流れを図示している。
図3においてMOSFET素子7がオフ、MOSFET素子8がオンの場合(破線c)、交流電源1のSラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のS1ラインを通り、リアクトル3、MOSFET素子8、整流素子10、電流検出用シャント抵抗6を経て、整流素子4cからリアクトル3を経由し、ノイズフィルタ2のR1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のRラインへ戻る経路すなわち破線cのループを短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流は増加し、リアクトル3にエネルギーが蓄えられる。
また、図3においてMOSFET素子7及びMOSFET素子8がそれぞれオフの場合(2点鎖線d)、交流電源1のSラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のS1ラインを通り、リアクトル3、整流素子4b、平滑コンデンサ5、電流検出用シャント抵抗6を経て、整流素子4cからリアクトル3を経由し、ノイズフィルタ2のR1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のRラインへ戻る経路すなわち2点鎖線dのループを電流が流れ、平滑コンデンサ5が充電される。このとき、リアクトル3に蓄えられていたエネルギーが、交流電源1が供給する電力とともに平滑コンデンサ5に出力・充電されるので、直流出力電圧の昇圧が行われる。また、交流電源1はリアクトル3とともに平滑コンデンサ5に充電するため、破線cのループを短絡電流が流れる場合に対して、交流電源1からの入力電流は減少する。
以上のように、本実施の形態1の直流電源装置は、ワイドバンドギャップ半導体を使用したMOSFET素子7、8にそれぞれ直列にNライン側から整流回路4に電流を流さない整流素子9、10を設ける構成である。図2、図3を用いて説明したように、図2の破線aの場合はMOSFET素子7と整流素子9を通過した電流が、接点11fで分流して接点11jからMOSFET素子8の寄生ダイオード8aに分流した電流が流れることがなく、図2の2点鎖線bの場合は平滑コンデンサ5を通過した電流が接点11fで分流してMOSFET素子8の寄生ダイオード7aに流れることがない。このように接点11fで電流が分流することなく電流検出用シャント抵抗6に電流が流れるので、電流誤差増幅器16は電流検出用シャント抵抗6が検出する電流値を分流を考慮して補正する必要がないので、リアクトル3や整流回路4を流れる電流を正確に検出することができ直流電源装置の制御を容易に行うことができる。尚、図3の場合も上述したように、接点11fで電流が分流することなく電流検出用シャント抵抗6に流れる。
また、スイッチング素子であるMOSFET素子7、8にシリコン半導体よりもキャリア移動速度が速いワイドバンドギャップ半導体を使用しているので、スイッチング周波数を上げることができ、PWM制御の時間制御をきめ細かに行うことが可能となる。特に、Si製のIGBTでは損失が大きくなるために実用的でなかった25kHzを超えるスイッチング周波数でMOSFET素子7、8を駆動することができるようになり、よりきめ細かなPWM制御を行うことができる。そして、スイッチング周波数の高周波化により電流リップルは小さくなり、電流リップル成分を除去する以外に影響が少ないフィルタ回路で電流リップル成分が除去することができるとともに、PWM制御のきめ細かな時間制御により歪みが少ない正弦波状の入力電流を生成することができ、電源電圧との同期位相ずれを抑制することができるので、設計に近い電源高調波電流の低減と高電源力率の向上とを行うことができ、リアクトルも小型化することができる。
また、電流が接点11fで分流して寄生ダイオード7a、8aに流れないため、電源同期回路14から出力される電源電圧の極性信号に応じて、MOSFET素子7、8のどちらか一方を選択的にスイッチングさせる必要がなくなる。このように整流素子9、10を設けることで、MOSFET素子7、8を電源電圧の極性に寄らず、常に同時にスイッチングすることが可能となり、MOSFET素子7、8をIGBTに置き換えたとしても特許文献1に示すような従来のIGBTを用いた直流電源装置に使用していた制御ブロックを本実施の形態1の直流電源装置に使用でき、製造コストや開発コストを低減することができる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2におけるハーフブリッジ型コンバータ回路の回路構成図であり、空気調和機などの家電製品に用いられている電源力率の改善、電源高調波電流の低減、直流出力電圧の調整を行う直流電源装置である。
上述した実施の形態1では、NラインとMOSFET素子7、8の間にそれぞれ整流素子9、10を設けることによって、シャント抵抗6を流れる抵抗が寄生ダイオード7a、8aに分流することを防止し、シャント抵抗6に流れる電流の値をMOSFET素子7、8の制御に用いている。しかしながら、実施の形態1の構成ように整流素子9、10を設けると高コストになる問題がある。対して、本実施の形態2では整流手段9、10を設けることなく、電流検出用シャント抵抗6を流れる電流の値からMOSFET素子7、8を制御する直流電源装置について説明する。尚、本実施の形態2において、実施の形態1と同一の構成部分には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態2の直流電源装置ではNラインとMOSFET素子7とMOSFET素子8との間に整流手段を設けない構成としているので、MOSFET素子7は接点11fでNラインと接続しており、MOSFET素子8は接点11hでNラインとそれぞれ接続している。制御ブロックには、実施の形態1の制御ブロックに対して電流補正器20が追加されている。電流補正器20は電流検出用シャント抵抗6から得られる電流信号を補正し、実電流信号に変換して電流誤差増幅器16に出力する。電流誤差増幅器16は電流補正器20の出力信号と掛算器15の出力である出力電圧誤差増幅信号とが入力され実電流信号と出力電圧誤差増幅信号との誤差分を増幅した電流誤差増幅信号を比較器18に出力する。尚、電流補正器20の動作の詳細については後述する。
次に、図5乃至図7を用いて本実施の形態2の直流電源装置の回路動作と電流の流れについて説明する。図5は、交流電源1の電圧が正の半波すなわち、交流電源1のRラインが正の電圧、Sラインが負の電圧がかかっている場合である。
図5において電源同期回路14の信号から電源極性(Rが正の電圧)を検知し、MOSFET素子駆動回路がMOSFET素子7をオン、MOSFET素子8をオフさせる。この期間は、MOSFET素子8は常にオフとなる。この場合、交流電源1のRラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のR1ラインを通り、リアクトル3、MOSFET素子7を経て、電流検出用シャント抵抗6と整流素子4dの直列回路、及びMOSFET素子8の寄生ダイオード8aに分流した電流がリアクトル3を流れ、ノイズフィルタ2のS1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のSラインへ戻る経路すなわち破線eのループを短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流は増加し、リアクトル3にエネルギーが蓄えられる。
また、図5においてMOSFET素子7、8がそれぞれオフの場合、交流電源1のRラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のR1ラインを通り、リアクトル3、整流素子4a、平滑コンデンサ5を経て、電流検出用シャント抵抗6と整流素子4dの直列回路、及びMOSFET素子8の寄生ダイオード8aに分流した電流がリアクトル3を流れ、ノイズフィルタ2のS1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のSラインへ戻る経路すなわち2点鎖線fのループを電流が流れ、平滑コンデンサ5が充電される。このとき、リアクトル3に蓄えられたエネルギーが、交流電源1が供給する電力とともに平滑コンデンサ5に出力・充電されるので、直流出力電圧の昇圧が行われる。また、交流電源1はリアクトル3とともに平滑コンデンサ5に充電するため、破線3のループを短絡電流が流れる場合に対して、交流電源1からの入力電流は減少する。
ここで、図6を用いて、この時のMOSFET素子8の寄生ダイオード8aと整流素子4dに流れる電流の分流比について説明する。線23はMOSFET素子8の寄生ダイオード8aの特性を示すグラフであり、線24は電流検出用シャント抵抗6及び整流素子4eの特性を示すグラフである。線23は寄生ダイオード8aで生じる電位差と寄生ダイオード8aを流れる電流の関係を示している。線23で示すように寄生ダイオード8aはknee電圧V2よりも接点11iと接点11jの電位差(接点11jの電位>接点11iの電位)が大きくなると、寄生ダイオード8aに電流が流れ始める。
線24は、電流検出用シャント抵抗6に発生する電圧と整流素子4dの順方向電圧Vf1を足した電圧をV1とし、シャント抵抗6に流れる電流との関係を示している。
MOSFET素子8の寄生ダイオード8aの順方向電圧をVf2とすると、V1とVf2により整流素子4dに流れる電流と寄生ダイオード8aに流れる電流の分流比が決定される。一般的にMOSFET素子8の寄生ダイオード8aの特性は悪く、寄生ダイオード8aがオンするKnee電圧V2>V1となる領域が広く、V1=V2となる電流i1までは整流素子4dのみに電流が流れる。つまり、電流検出用シャント抵抗6に流れている電流がi1未満であれば寄生ダイオード8aに電流は流れていない。電流検出用シャント抵抗6に流れる電流がi1以上になると上記のようにV1とVf2により分流するため、電流検出用シャント抵抗6で検出する電流が、分流した分だけ小さくなる。よって、その分を補正して制御に用いる必要がある。例えば、V1=V3(V3>V2)となる場合、電流検出用シャント抵抗6には電流i3aが流れ、寄生ダイオード8aには電流i3bが流れる。尚、ここでは整流素子4dと寄生ダイオード8aの場合について説明したが、整流素子4cと寄生ダイオード7aの場合も同様である。
次に図7は、交流電源1の電圧が負の半波すなわち、交流電源1のRラインが負の電圧、Sラインが正の電圧がかかっている場合である。
図7において、電源同期回路の信号から今度はSが正と検知し、MOSFET素子8がオン、7がオフとなる。この期間は、MOSFET素子7が常オフとなる。この場合、交流電源1のSラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のS1ラインを通り、リアクトル3、MOSFET素子8を経て、電流検出用シャント抵抗6と整流素子4cの直列回路、及びMOSFET素子7の寄生ダイオード7aに分流した電流がリアクトル3を流れ、整流素子4cおよびリアクトル3を経て、ノイズフィルタ2のR1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のRラインへ戻る経路すなわち破線gのループを短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流は増加し、リアクトル3にエネルギーが蓄えられる。分流比は、図5の場合と同様に、電流検出用シャント抵抗6に発生する電圧と整流素子4cの順方向電圧を足した電圧と、MOSFET素子7の寄生ダイオードの順方向電圧により分流比が決定される。
また、図7においてMOSFET素子7、8がオフの場合、交流電源1のSラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のS1ラインを通り、リアクトル3、整流素子4b、平滑コンデンサ5を経て、電流検出用シャント抵抗6と整流素子4cの直列回路、及びMOSFET素子7の寄生ダイオードに分流した電流がリアクトル3を流れ、ノイズフィルタ2のR1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のRラインへ戻る経路すなわち2点鎖線hのループを電流が流れ、平滑コンデンサ5が充電される。このとき、リアクトル3に蓄えられたエネルギーが、交流電源1が供給する電力とともに平滑コンデンサ5に出力・充電されるので、直流出力電圧の昇圧が行われる。また、交流電源1はリアクトル3とともに平滑コンデンサ5に充電するため、破線gのループを短絡電流が流れる場合に対して、交流電源1からの入力電流は減少する。
このように図5と図7を用いて説明したMOSFET素子7、8の動作が繰り返され、電源電圧と入力電流とが同相となるように制御されるため電源力率が改善される。入力電流が正弦波となるため入力電流に含まれる高次成分の高調波電流すなわち電源高調波電流が低減され、リアクトル3に蓄えられたエネルギーによって直流出力電圧が昇圧させられる。なお、交流電源1がAC100Vの場合で、変換された直流電圧はDC400V程度まで昇圧可能であり、この範囲で直流電圧を可変制御する。
次に、入力電流が正弦波になる制御動作について説明する。図4の制御ブロックにおいて、目標出力電圧発生器12の目標出力電圧とP−Nライン間から検出される実際の直流出力電圧とから出力電圧誤差増幅器13にて出力電圧誤差分が演算され、直流出力電圧が調整される。すなわち、出力電圧誤差増幅器13は、目標出力電圧に対して直流出力電圧が不足であれば、入力電流を増加させリアクトル3に蓄えるエネルギーを増やし、目標出力電圧に対して直流出力電圧が過剰であれば、入力電流を減少させリアクトル3に蓄えるエネルギーを減らすように制御する。
次に、出力電圧誤差増幅器13の出力である出力電圧誤差分信号と電源同期回路14の出力である正弦波基準波形信号とから掛算器15にて正弦波状の出力電圧誤差増幅信号とする。正弦波基準波形信号はノイズフィルタ2の出力であるR1、S1ラインから検出したR1−S1ライン間の電圧すなわち交流電源1の電源電圧と同相の正弦波上の電圧を電源同期回路14にて信号に変換されたものである。交流電源1の電源電圧と同相の正弦波状の正弦波基準波形信号を使用することにより、掛算器15で電源電圧と同期した正弦波状の電流に制御する。交流電源1の入力電流を電源電圧と同期した同相の電流にすることで電源力率は1に近づき、交流電源1の入力電流を正弦波に近づけることにより入力電流に含まれる高次成分の高調波電流すなわち電源高調波電流が0に近づいていく。なお、正弦波基準波形信号はノイズを除去したノイズフィルタ2の出力側R1、S1ラインで取ることが望ましいが、入力側のR、Sラインでもノイズなどに問題がなければ使用しても構わない。
次に、電流補正器20は、電流検出用シャント抵抗6で検出した電流信号を、図5のi1以下の場合はそのまま実電流として電流誤差増幅器16に出力し、i1を超える場合は、予め計算もしくは実験的に求めた分流比データから電流信号を補正して電流誤差増幅器16に出力する。この時、整流素子4c、4dの順方向電圧Vfと、MOSFET素子7、8の寄生ダイオード7a、8aの順方向電圧Vfは温度の影響を受けるため、MOSFET素子7、8の温度を検出して補正に加えても良い。このように電流補正器20は分流比データやMOSFET素子7、8の温度に基づく補正係数を内部に設けた記録部に予め記録させておき、電流検出用シャント抵抗6で検出した電流値から寄生ダイオード7a、8aに流れている電流値を求めることができる。よって、本実施の形態2ではMOSFET素子7を通る接点11hと接点11fの間、或いは接点11fと接点11hの間に電流検出手段および整流手段を設けることなく、低コストでリアクトル3に流れる電流を求めることができる。
次に、電流誤差増幅器16にて正弦波基準波形信号と実電流信号とから電流誤差増幅信号が演算され、実際流れている電流が調整される。すなわち、電流誤差増幅器16では、正弦波基準波形信号に対して実際流れている電流が少なければ増加させ、多ければ減少させるように制御する。
そして、電流誤差増幅器16の出力である電流誤差増幅信号と三角波発生器17の出力である三角波とからPWM駆動信号を比較器18にて生成する。比較器18にて生成されたPWM駆動信号にてMOSFET素子7、8をオン・オフする。すなわち、三角波によってMOSFET素子7、8のスイッチング周波数が制御され、電流誤差増幅信号によってMOSFET素子7、8のオン・オフ時間の比率が制御される。また、図5、図7に基づいて説明した通り、電源同期回路14の信号から電源極性を検知し、MOSFET素子7、8を極性に合せてオンするMOSFET素子を変える。MOSFET素子7、8のどちらかがオンの時、短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流が増加するとともにリアクトル3にエネルギーが蓄えられ、MOSFET素子7、8がオフの時、交流電源1からの入力電流が減少するとともにリアクトル3に蓄えられたエネルギーが平滑コンデンサ5側に出力され、直流出力電圧の昇圧が行われる。
このように、本実施の形態2の直流電源装置の制御手段21には実施の形態1の制御手段21に電流補正器20がさらに設けられている構成となっている。
以上のように、本実施の形態2では、交流電源1のRラインが正の電圧の場合(図5)、MOSFET素子8を常にオフにしてMOSFET素子7をスイッチングさせる。Rラインが負の電圧の場合(図7)、MOSFET素子7を常にオフにしてMOSFET素子8をスイッチングさせる。RラインとSラインの電圧の極性は電源同期回路14からMOSFET素子駆動回路14への出力にて判別する。このような動作を、MOSFET素子7、8をスイッチングするスイッチング周波数すなわちスイッチング周期で、繰り返すことにより、入力電流と直流出力電圧が制御される。このようにスイッチング素子としてMOSFET素子を使用した場合でも、シャント抵抗による検出結果を適宜補正することにより、リアクトル3や整流回路4に流れる電流を精度よく検出することができる。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態2におけるハーフブリッジ型コンバータ回路の回路構成図であり、空気調和機などの家電製品に用いられている電源力率の改善、電源高調波電流の低減、直流出力電圧の調整を行う直流電源装置である。
上述した実施の形態2では、整流素子4c、4dに流れる電流がi1以上、すなわちV1が寄生ダイオード7a、8aのknee電圧V2よりも大きくなると、リアクトル3に流れる電流が接点11jで電流検出用シャント抵抗6と寄生ダイオード7a、8aに分流してしまうので、電流補正器20を設けて電流検出用シャント抵抗6で検出する電流値から寄生ダイオード7a、8aを流れる電流値を求めている。対して、本実施の形態3では電流補正器20を設けることなく、リアクトル3に流れる電流を電流検出用シャント抵抗6で検出する電流値から求める直流電源装置について説明する。尚、本実施の形態3において、実施の形態1及び実施の形態2と同一の構成部分には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態3の直流電源装置の制御ブロックは、実施の形態2で説明した直流電源装置の制御ブロックから電流補正器20を除いた構成となっている。つまり、実施の形態1で説明した制御ブロックと同一の構成となっており、電流検出用シャント抵抗6が検出する電流値は直接電流誤差増幅器に16に出力される構成となっている。また、図8に図示するように、直流電源装置の先にはインバータ25が接続されており、インバータ25は直流電源装置から供給される直流電力を任意の周波数の交流電力に変換して、その先の負荷26に供給する。負荷26は例えば、家庭用の空気調和機の圧縮機や送風機を駆動するためモータであってPWM制御される直流ブラシレスモータ、若しくはIHクッキングヒータの加熱コイルなどである。尚、交流電源1は、空気調和機のような家電製品を動かすために、一般的に商用電源入力AC100V〜240V程度で使用され、負荷26として使用される機器には予め数kWの定格容量(最大出力)が定められている。
図9は本実施の形態3における寄生ダイオード7a、8aの特性と、整流素子4e、4dの特性の関係を示すグラフである。図中に示すimaxは最大出力時に電流検出用シャント抵抗6に流れている電流であり、Vmaxは最大出力時の電流検出用シャント抵抗6に発生する電圧と整流素子4dの順方向電圧Vf1を足した電圧V1のことである。線27はMOSFET素子8の寄生ダイオード8aの特性を示すグラフであり、線28は電流検出用シャント抵抗6及び整流素子4eの特性を示すグラフである。
図9に示すように本実施の形態3においてはVmaxが寄生ダイオード7a、8aがオンするKnee電圧V2よりも小さい構成とすることによって、寄生ダイオード7a、8aに電流が分流しない構成となっている。すなわち、電流が寄生ダイオード7a、8aに分流せずに電流検出用シャント抵抗6に流れる構成となっているので、実施の形態2で使用した電流補正器20を使わずとも、電流検出用シャント抵抗6からリアクトル3を流れる電流を求めることができる。
或いは、寄生ダイオードがオンするKnee電圧V2>Vmaxとなる電流i1以下の領域内になるように、例えば負荷26として使用される機器の入力電流を制限して使用すれば、すべての電流が電流検出用シャント抵抗6に流れ補正の必要がなくなる。空気調和機などの家庭用電化製品において、最大入力電流でも、Knee電圧V2>VmaxとなるようにMOSFET素子7、8のキャリア濃度を調整して作り込むことも可能である。
以上のように、本実施の形態3の直流電源装置では、制御ブロックに電流補正器を設けることなく電流検出用シャント抵抗6で検出する電流からリアクトル3や整流回路4に流れる電流を求めることができるので、より低コストで安定的に制御動作可能な直流電源装置とすることができる。
尚、実施の形態1乃至3で説明した整流素子4a、4b、4c、4d、9、10をワイドワンドギャップ半導体、特に整流素子4c、4dをSiCのショットバリアダイオード(SBD)にすると、リカバリ電流が大幅に減ることから、直流電源装置のエネルギー効率を高めることができる。
また、MOSFET素子7、8をSiC化した構成について実施の形態1乃至3で説明したが、整流素子4a、4b、4c、4dをSiC化しても構わない。特に、整流素子4a、4bをSiCのショットーバリアダイオード(SBD)化した場合は、リカバリ電流が減ることからMOSFET素子7、8側の損失を抑えることができる。さらに、整流素子4a、4bをSiC−SBDとし、整流素子4c、4dをSi製のダイオードとすると、リカバリ電流を減少させると同時に整流回路4のSiC化に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
実施の形態4.
図10はハーフブリッジ型コンバータ回路の一部または全部を、絶縁樹脂でモールドし、一つのモジュールに集積した構成を図示している。本実施の形態4における直流電源装置の基本的な構成は実施の形態1と同じである。
図10において、大電流が流れる電子部品である整流回路4、MOSFET素子7、8、整流素子9、10および電流検出用シャント抵抗6を、薄膜配線に比べて十分配線厚が厚いリードフレームで接続し、これらを絶縁樹脂でモールドし、集積化して一つのモジュール29としたものである。モジュール29の29a〜29fは基板にモジュールを取付ける基板取付け端子であるとともに、モジュール29内に通電したり、信号を伝達したりする電極である。端子29aは接点11aと、端子29bは接点11bと、端子29cはMOSFET素子7のゲートと、端子29dはMOSFET素子8のゲートと、端子29eは接点11jと端子29fは接点11cとそれぞれ繋がっている。
このモジュール29は、基板取付け端子29a〜29fを介して回路基板の薄膜配線上に半田にて取付けられる。これで、他の電子部品例えば、平滑コンデンサ5などと基板の薄膜配線を介して接続される。モジュール29が基板に取付けられたとき、例えば、直方体上のモジュールの両側に基板取付け端子29a〜29fが設けられるデュアルインライン型のモジュール構造の場合、モジュール29は基板と対抗する面とは逆側にリードフレームからつながる金属面が露出するように半田付けされ、金属面がモジュールの放熱を行う。この金属面に放熱用のヒートシンクを取付け、さらに効率よく放熱を補助する。なお、このモジュールの金属面は放熱構造を良くするために露出しているので、放熱効率が良ければ露出させず絶縁樹脂で全てモールドされていても構わない。また、デュアルインライン型のモジュール構造の場合について説明したが、シングルインライン型でも同様で、モジュール29の露出した金属面にヒートシンクを取付けて放熱を行う。なお、動作については、実施の形態1乃至3のいずれかのものと同様につき、その説明を省略する。
以上により、整流回路4、MOSFET素子7、8および電流検出用シャント抵抗6を、絶縁樹脂でモールドし、集積化して一つのモジュール29とすることにより、薄膜配線基板上にこれらを構成した場合に比べ、基板サイズを小型化することができる。特に発熱量の多いスイッチング素子をSiよりも低発熱、高耐熱のSiCを用いたMOSFET素子にすることによって一つのモジュールに内蔵し、モジュール29を小型化することができる。さらに空気調和機などの家電製品のように商用電源入力AC100〜240V、20A、直流変換出力DC400V程度の高電圧大電流を使用し、狭いスペースに電気品を収納しなければならない製品に有効に利用できる。商用電源入力AC100〜240V、20A、直流変換出力DC400V対応の薄膜配線は広いパターン幅、沿面、空間距離が必要であるが、モジュール化することによりこれらの制約がなくなり、小型化が可能となる。
また、半導体素子をそれぞれ回路基板に半田付けにて実装することに比べて、一つのモジュール部品で実装できるため、組立て性も向上する。
また、MOSFET素子7、8をSiC化したモジュールの例について実施の形態1乃至3で説明したが、整流素子4a、4b、4c、4dをSiC化しても構わない。特に、整流素子4a、4bをSiCのショットーバリアダイオード(SBD)化した場合は、リカバリ電流が減ることからMOSFET素子7、8側の損失を抑えることができるとともに、整流素子4a、4b、4c、4d自身の発熱量が減っているため放熱機構の簡素化などができるためモジュール29の小型化が行える。また、不要な電流による損失を見越した設計の必要がなくなるため、設計理論どおりの十分に小さな半導体チップを選択でき、さらにモジュール29の小型化が行える。
また、集積化、モジュール化により一つの放熱機構に発熱を有する半導体素子を取付けることができるため、放熱機構を集中化・小型化や実装・組立ての効率化が図れる。
また、さらなる高周波化にともなうノイズ発生の対策を行う場合、発生源が一つのモジュールとその周辺回路にまとまっているため、小さな範囲で集中的なシールドで封じることができ、ノイズ対策費や方法が簡単にできる。
さらに、損失が減るとともにSiC化により熱耐力、熱放散が向上しているため、密閉に近いシールド対策も可能となり、柔軟な対策ができる。
塵埃や異物などによりトラッキングなどの対策もモジュール化・小型化により、広範囲に対策を施すことなく、コストも安く実現できる。また、損失が減るとともにSiC化により熱耐力が向上しているため、風路などのモジュールの放熱機構を犠牲にしても対策できる。
また、SiC化によりモジュールの耐電圧強度も引き上げることが容易となったため、日本国内の商用電源入力AC100V、AC200Vと海外の商用電源入力AC240Vなどのように個別に設計されていたが、一つのモジュールで日本から海外までワールドワイドな電源に対応できるようになる。よって、商用電源入力AC100〜240Vというような電源対応が図れ、製品の利便性や設計の効率化などが図れる。
また、従来どおり、AC100V対応、AC200V対応などのように各電源個別に回路・装置を作り、製品を供給する場合でも、モジュール部品を交換するだけで、生産が可能となり、設計が共通化することができる。
また、モジュール29を回路基板に実装した場合、モジュール29が小型となるため薄膜配線基板上の薄膜配線による回路ループの面積が小さくなり、配線の長さが短くなるため、薄膜配線の配線インダクタンスに起因する放射ノイズおよびこの放射ノイズによる誤動作を抑制することが可能となる。また、電流検出用シャント抵抗6をモジュール29内に取り込まずに外付けし、電流検出用シャント抵抗6の抵抗値を変更することにより電流検出レベルの設定を容易に行うことができるような構成や、MOSFET素子駆動回路を内蔵して、制御信号を直接モジュール29に接続する構成が可能となる。
なお、電流検出用シャント抵抗6は必要に応じてモジュール29外に出し、抵抗値違いによるモジュール種類の増加を抑制する構成としても構わない。
以上、モジュールを回路基板に実装した薄膜配線基板は、モジュールの小型化、ノイズ対策規模の縮小化、放熱対策の規模縮小化によって、小型化が可能となり、安価で、小型で、効率や性能が高く、ノイズの発生が低く、誤動作などに対して信頼性の高い直流電源装置を得ることができる。
図11は、この発明の実施の形態4にかかる別の実施の形態であり、ハーフブリッジ型コンバータ回路の一部または全部を、絶縁樹脂でモールドし、一つのモジュール29に集積したものであり、基本的な構成は実施の形態2及び3と同様である。
図11におけるモジュール29の構成は大電流が流れる電子部品である整流回路4とMOSFET素子7、8および電流検出用シャント抵抗6を、薄膜配線に比べて十分配線厚が厚いリードフレームで接続し、これらを絶縁樹脂でモールドし、集積化したものである。モジュール化する効果などは、図10に基づいて上述した効果と同様につき、その説明を省略する。
なお、本発明は空気調和機を例に説明してきたが、直流電源を使用した空気清浄や送風を行う送風機や、冷凍庫・冷蔵庫やショーケースなどの冷凍装置、温水を供給する給湯器であっても使用可能である。また、チラーなどのように水やブラインなどを使用する冷凍機、空気調和機、誘導加熱調理器においても同様に使用可能である。
1 交流電源、
2 ノイズフィルタ、
3 リアクトル、
4 整流回路、
4a、4b、4c、4d 整流素子、
5 平滑コンデンサ、
6 電流検出用シャント抵抗、
7、8 MOSFET素子、
7a、8a 寄生ダイオード、
9、10 整流素子、
11a、11b、11c、11d、11e、11f 接点、
12 目標出力電圧発生器、
13 出力電圧誤差増幅器、
14 電源同期回路、
15 掛算器、
16 電流誤差増幅器、
17 三角波発生器、
18 比較器、
19 MOSFET素子駆動回路、
20 電流補正器、
21 制御手段、
23 MOSFET素子8の寄生ダイオード8aの特性を示すグラフ、
24 電流検出用シャント抵抗6及び整流素子4eの特性を示すグラフ、
25 インバータ、
26 負荷、
27 MOSFET素子8の寄生ダイオード8aの特性を示すグラフ、
28 電流検出用シャント抵抗6及び整流素子4eの特性を示すグラフ、
29、30 モジュール。

Claims (9)

  1. 商用交流電源から供給される交流電流を整流して負荷側に供給する整流回路と、
    前記整流回路と負側の出力端子との間に設けられ、前記負側の出力端子から前記整流回路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段と並列に前記整流回路に接続され、寄生ダイオードを有する電界効果トランジスタと、
    前記電流検出手段が検出する電流値と前記寄生ダイオードを流れる電流値の分流比を予め記憶し、前記電流検出手段が検出する電流値と前記分流比に基づいて求められる前記寄生ダイオードを流れる電流値とから前記整流回路を流れる電流値を求めて前記電界効果トランジスタを制御する制御手段と、
    を備えた直流電源装置。
  2. 商用交流電源から供給される交流電流を整流して負荷側に供給する整流回路と、
    前記整流回路と負側の出力端子との間に設けられ、前記負側の出力端子から前記整流回路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段と並列に前記整流回路に接続され、寄生ダイオードを有する電界効果トランジスタとを備え、
    前記整流回路の負極側の整流素子の順方向電圧は前記寄生ダイオードに電流が流れ始める閾値電圧以下であることを特徴とする直流電源装置。
  3. 前記閾値電圧と前記電流検出手段が検出する電流値とから求められる電力が、前記負荷の定格容量以下であることを特徴とする請求項に記載の直流電源装置。
  4. 商用交流電源から供給される交流電流を整流して負荷側に供給する整流回路と、
    前記整流回路と負側の出力端子との間に設けられ、前記負側の出力端子から前記整流回路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段と並列に前記整流回路に接続され、寄生ダイオードを有する電界効果トランジスタと、
    前記電界効果トランジスタと前記負側の出力端子の間に負側の出力端子から前記整流回路へ電流が流れることを防止する手段と、
    前記電流検出手段の検出値に基づいて前記電界効果トランジスタを制御する制御手段と、
    をさらに備えた直流電源装置。
  5. 前記電界効果トランジスタが25kHz以上でスイッチングすることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の直流電源装置。
  6. 複数の前記電界効果トランジスタを一つのモジュールに集積したことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の直流電源装置。
  7. 前記電界効果トランジスタは炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンドのいずれかの半導体が使用されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の直流電源装置。
  8. 前記整流回路の正極端子側の整流素子は炭化ケイ素製のショットキーバリアダイオードであり、負極端子側の整流素子はSi製のダイオードであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の直流電源装置。
  9. 請求項1乃至8にいずれかに記載の直流電源装置を備えたことを特徴するモータ。
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