JP5521705B2 - 高強度鉄筋用鋼材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、鉄筋コンクリート構造物に使用される剪断補強筋の素材として用いて好適な高強度鉄筋用鋼材およびその製造方法に関するものである。
鉄筋コンクリート構造物を補強し、その崩壊を防ぐための補強材として、剪断補強筋が使用される。剪断補強筋を使用した鉄筋コンクリート構造物では、鉄筋コンクリート構造物が剪断変形する際に、剪断補強筋が伸びて塑性変形することにより、鉄筋コンクリート構造物の変形エネルギーが剪断補強筋に吸収されて、鉄筋コンクリート構造物の崩壊が防止される。
しかし、これまでの剪断補強筋は、伸び特性という点からは必ずしも十分とは言えなかった。剪断補強筋は、曲げ加工により円形や角形等に成形されて製造されるものであり、伸び特性が良好であると、曲げ加工が容易となり、加工性の面からも大きなメリットとなる。
また、近年では、剪断補強筋を溶接して施工することで鉄筋コンクリート構造物の補強が可能な、施工性のよい溶接閉鎖型の需要が高まっている。この溶接閉鎖型の剪断補強筋では、溶接後の強度・延性を低下させないことが大切であり、溶接部の継手伸びも重要な特性となる。通常、剪断補強筋の溶接では、フラッシュバット溶接やアプセットバット溶接と呼ばれる高能力、高生産性の抵抗溶接が利用される。
フラッシュバット溶接とは、2本の棒鋼の端面どうしを接触させ2つの端面の間に大電圧をかけ、アークの接触と短絡を繰り返して端部に溶融部を形成し、最後にこの溶融部をアプセット(据え込み変形)により排出し、2本の棒鋼の端部に接合部を形成する溶接法である。また、アプセットバット溶接とは、完全に突き合わせられた2本の棒鋼の端面の間に大電圧をかけ、抵抗発熱により端部をアプセットし2本の棒鋼の端部に接合部を形成する溶接法である。
このような剪断補強筋に用いる鉄筋用鋼材として、圧延後に焼入れや焼き戻し等の熱処理を施さなくとも強度と延性に優れ、溶接しても母材と同等レベルの引張強度や延性を有する非調質鉄筋用鋼材が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
特開平8−325637号公報 特許2973909号公報 特開2006−137990号公報
特許文献1に記載の非調質鉄筋用鋼材は、Mo添加を必須とするため、コストが高いという問題がある。
また、特許文献2に記載の高強度鉄筋用非調質鋼材は、Tiを0.003%以上含有するため、TiNの生成により靭性が低下する場合がある。
しかも、これらの鋼材は、低温靭性について考慮されていないため、寒冷地での使用に際して割れが発生するおそれもある。
また、これらの鋼材は圧延ままでの高い強度−延性バランスの達成を目的としているが、熱間圧延後の線材冷却履歴等のばらつきに起因した特性のばらつきが大きく、優れた特性を安定的に得ることが困難であるのが実情である。
特許文献3に記載の非調質鉄筋用鋼材は、上記したコストや低温靭性の問題を解決できる優れた鋼材であるが、特許文献1,2に記載の鋼材と同様、延性のばらつきが大きく、曲げ加工を行う際に折れが発生する場合があるという問題がある。
一方、鉄筋コンクリート構造物における補強材として用いられる異形棒鋼には、高い引張り強度や延性だけでなく、コンクリートとの付着力が要求される。
JIS G 3112に、YS:490MPa級(SD490)までの比較的低強度の鉄筋コンクリート用棒鋼に関する規定があり、同規定では、成分組成や強度に加えて、節の平均間隔、節の高さなどが規定されている。しかしながら、当該JIS規定は、主にコンクリートとの付着力の観点からなされたものであり、一方で曲げ加工時の折損を促進する要因となる。
当該JIS規定を満足する形状として、例えば図6に示すような、節2およびリブ3を有する形状の異形鉄筋1が主にSD490級以下の比較的低強度の異形鉄筋に用いられているが、このような形状の場合、曲げ加工の方向とリブ位置の関係によって、延性が大きく異なる。すなわち、図7(a)に示すように、鉄筋の周方向でリブ3のある位置を最内側として曲げる場合と、図7(b)に示すように、鉄筋の周方向でリブ3とリブ3の間の位置を最内側として曲げる場合とでは、延性が大きく異なる。特に鋼材の高強度化に伴って、リブ3とリブ3の間の位置を最内側として曲げる場合に曲げ延性に問題が生じ、YS:785MPaを超える高強度鉄筋コンクリート用棒鋼においては、曲げ延性とコンクリート付着力の両立は困難とされてきた。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、YS:785MPa以上の高強度鉄筋用鋼材であっても、延性のばらつきが小さく、しかも低温靭性に優れ、溶接しても母材と同等レベルの引張強度や延性を有し、さらにはコンクリートとの付着力にも優れた高強度鉄筋用鋼材を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.15〜0.30%、
Si:0.05〜1.0%、
Mn:0.2〜2.5%、
Al:0.01〜1.0%、
Nb:0.001〜0.3%、
Ti:0.003%未満、
P:0.03%以下、
S:0.03%以下および
N:0.0060%未満
を含有し、さらに、
Cr:0.1〜2.0%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜1.0%、
W:0.01〜1.0%、
Ni:0.01〜1.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
Co:0.01〜1.0%および
Sb:0.0010〜0.0050%
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼組成からなり、
鋼組織が、80%以上がベイナイトで、残部がフェライト、パーライトまたはマルテンサイトの組織からなり、
円周方向に90°間隔で、線材の長手方向に連続する4本のリブを有し、該4本のリブ幅の和が該線材の公称周長の15%以上25%以下で、
該リブを接続する形の節を該線材の公称直径の40%以上70%以下の間隔で有し、該節の高さが該線材の公称直径の4.0%以上8.0%以下で、
該節の頭頂部から節底にかけての節側面傾斜部と母材表面との成す角が100°以上135°未満で、節根元部の角部のRが(節高さ×10%)以上(節高さ×25%)未満で、該節側面傾斜部の表面粗度Rmaxが0.2mm以内であり、
YS:785MPa以上、TS:930MPa以上
であることを特徴とする、曲げ特性およびコンクリート密着性のバランスに優れる高強度鉄筋用鋼材。
2.前記鋼材が、質量%で、さらに、
B:0.0005〜0.0100%
を含有し、かつ鋼中のB量、N量およびTi量が、次式(1)の関係を満足することを特徴とする前記1に記載の高強度鉄筋用鋼材。
B(%)≧{N(%)/14−Ti(%)/27}×11+0.0005 ・・・(1)
ただし、M(%)は、M元素の含有量(質量%)を表わす。
3.質量%で、
C:0.15〜0.30%、
Si:0.05〜1.0%、
Mn:0.2〜2.5%、
Al:0.01〜1.0%、
Nb:0.001〜0.3%、
Ti:0.003%未満、
P:0.03%以下、
S:0.03%以下および
N:0.0060%未満
を含有し、さらに、
Cr:0.1〜2.0%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜1.0%、
W:0.01〜1.0%、
Ni:0.01〜1.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
Co:0.01〜1.0%および
Sb:0.0010〜0.0050%
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する組成からなる鋼素材を、加熱温度:Ac3点〜1350℃、圧延終了温度:Ar3点以上の条件で熱間圧延し、該熱間圧延の最終仕上圧延時に下記を満足するリブおよび節を形成し、その後500〜800℃の温度範囲を0.3℃/s以上、25℃/s以下の冷却速度で冷却することを特徴とする高強度鉄筋用鋼材の製造方法。

リブ:円周方向に90°間隔で線材の長手方向に連続する4本のリブを有し、該4本のリブ幅の和は該線材の公称周長の15%以上25%以下。
節:円周方向に隣り合うリブを接続する形の節であり、線材の長さ方向に該線材の公称直径の40%以上70%以下の間隔で配置、節の高さは該線材の公称直径の4.0%以上8.0%以下、節の頭頂部から節底にかけての節側面傾斜部と母材表面との成す角は100°以上135°未満、節根元部の角部のRは(節高さ×10%)以上(節高さ×25%)未満、該節側面傾斜部の表面粗度Rmaxは0.2mm以内。
4.前記鋼素材が、質量%で、さらに、
B:0.0005〜0.0100%
を含有し、かつ鋼中のB量、N量およびTi量が、次式(1)の関係を満足することを特徴とする前記3に記載の高強度鉄筋用鋼材の製造方法。
B(%)≧{N(%)/14−Ti(%)/27}×11+0.0005・・・(1)
ただし、M(%)は、M元素の含有量(質量%)を表わす。
5.前記3または4に記載の製造方法で製造された鉄筋用鋼材に対し、鉄筋コンクリート施工に使用するための曲げ加工前に、次式(2)を満たす保持温度T(K)、保持時間t(秒)での保持を行うことを特徴とする高強度鉄筋用鋼材の製造方法。
T×logt≧1500 ・・・(2)
本発明によれば、強度、延性が高く、延性のばらつきが小さく、曲げ加工特性の異方性が小さく、低温靭性に優れ、溶接した場合の母材伸びや溶接継手伸びに優れ、さらにはコンクリートとの付着力にも優れた鋼材を、必ずしも高価な合金元素を添加することなく低コストで得ることができる。
本発明の鉄筋用鋼材の形状を示す斜視図である。 本発明の鉄筋用鋼材の形状を説明するための図であり、鉄筋用鋼材の長さ方向の断面図である。 リブおよび節を形成させるための圧延機を示す正面図である。 リブおよび節を形成させるために用いる圧延ロールの部分拡大図である。 曲げ方向を説明するための斜視図である。 従来の一般的な異形鉄筋の形状を示す斜視図である。 曲げ方向を説明するための斜視図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼材の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。以下の説明において%で示す単位は、特に記載がある場合以外は全て質量%である。
C:0.15〜0.30%
Cは、目的とする強度を確保するために0.15%以上の添加を必要とする。しかし、0.30%を超えて添加すると溶接性や延性が劣化するので、0.30%以下とする。
Si:0.05〜1.0%
Siは、鋼の脱酸および強化を図るために添加するが、0.05%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.0%を超えて添加すると継手曲げ性を低下させるので、Si含有量は0.05〜1.0%の範囲とする。
Mn:0.2〜2.5%
Mnは、焼入性を確保し目標の強度を得るために、少なくとも0.2%の添加が必要である。しかし、2.5%を超えて添加すると延性や溶接性の劣化を招くため、2.5%以下とする。
Al:0.01〜1.0%
Alは、鋼の脱酸のために添加するが、0.01%以下ではその効果が少なく、一方1.0%を超えて添加すると継手曲げ性を低下させるため、Al含有量は0.01〜1.0%の範囲とする。
Nb:0.001〜0.3%
Nbは、鋼中に微細な炭窒化物を形成し、母材の強度上昇のみならず、溶接熱影響部の軟化抑制に有効な元素である。また、析出炭窒化物がTiNと比較してもさらに微細であるため、靭性への悪影響も小さい。しかし、添加量が0.001%に満たないと十分な添加効果が得られず、一方0.3%を超えるとNb炭窒化物であっても溶接熱影響部の靭性劣化が著しくなるため、Nb含有量は0.001〜0.3%の範囲とする。
Ti:0.003%未満
Tiは、Nを固定し粗大な窒化物(TiN)を生成し、靭性低下を促進するので、基本的には添加しないことが望ましいが、0.003%未満であれば許容される。
P:0.03%以下
Pは、鋼材を脆化させ、母材と溶接後の延性および低温靭性を劣化させるので、基本的には含有させないことが望ましいが、不可避的不純物として0.03%以下であれば許容し得る。
S:0.03%以下
Sは、鋼中でMnなどの金属と結合して粗大な硫化物を形成し、母材と溶接後の延性および低温靭性を劣化させるので、基本的には含有させないことが望ましいが、不可避的不純物として0.03%以下であれば許容し得る。
N:0.0060%未満
Nは、不可避的不純物であり、0.0060%以上含有された場合、溶接時にTiN、VN等の粗大な析出物を形成し、溶接継手の引張強度および曲げ性を低下させるため、0.0060%未満とする。
Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.01〜1.0%、V:0.01〜1.0%、W:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%、Co:0.01〜1.0%およびSb:0.0010〜0.0050%のうちから選ばれる1種または2種以上
これらの元素は、鋼材の強度−延性のバランスの向上に有効であり、必要に応じて1種または2種以上を選択して添加することができる。
Cr:0.1〜2.0%
Crは、焼入性を高める元素であり、強度を上昇させるために添加することができ、その際の添加量は0.1%以上とすることが好ましい。しかし、2.0%を超えて添加すると焼入性が過大となり延性や溶接性を劣化させるので、添加する場合は2.0%以下とする。
Mo:0.01〜1.0%
Moは、焼入性を高めるとともに、組織を改善して延性を向上させるために有用な元素であり、0.01%以上添加することが好ましい。しかし、1.0%を超えて添加するとコストが上昇し、また溶接性が劣化する原因となるため、添加する場合は1.0%以下とする。
V:0.01〜1.0%
Vは、鋼材の焼入性を向上させると共に、炭窒化物の形成により母材の強度を上昇させ、さらに溶接熱影響部の軟化抑制にも有効な元素である。しかし、添加量が0.01%未満では十分な効果が得られず、一方1.0%を超えると著しく溶接熱影響部の靭性を劣化させるので、、Vを添加する場合は0.01%以上、1.0%以下とする。
W:0.01〜1.0%
Wは、焼入性を向上させる元素である。強度の確保が必要な場合に0.01%以上添加することができるが、高価であることに加えて、過剰に添加すると溶接性を劣化させるので、添加する場合は0.01〜1.0%の範囲とする。
Ni:0.01〜1.0%
Niは、焼入性を向上させる元素である。強度の確保が必要な場合に0.01%以上添加することができるが、高価であることに加えて、過剰に添加すると溶接性を劣化させるので、添加する場合は0.01〜1.0%の範囲とする。
Cu:0.01〜1.0%
Cuは、焼入性を高め、フェライト相を析出強化することにより強度を向上させる元素である。強度を確保する必要のある場合に添加することができるが、0.01%未満では効果が不十分であり、一方1.0%を超えると熱間加工性や溶接性を阻害するため、添加する場合は0.01〜1.0%の範囲とする。
Co:0.01〜1.0%
Coは、焼入性を向上させ強度の向上に有効な元素である。強度の確保が必要な場合に0.01%以上添加することができるが、過剰に添加しても効果が飽和するため、添加する場合は1.0%以下とする。
Sb:0.0010〜0.0050%
Sbは、熱間圧延前の加熱時のオーステナイト粒径粗大化を抑制すると共に、加熱時の表層脱炭を抑制する作用を有しており、熱間圧延時の加熱温度の上昇が必要な場合に添加することができる。しかし、添加量が0.0010%未満では十分な効果が得られず、一方0.0050%を超えると効果が飽和すると共に熱間加工性および低温靭性の低下を招くため、添加する場合は0.0010〜0.0050%の範囲とする。
上記以外の残部は、Feおよび上記以外の不可避的不純物である。
以上、必須成分および抑制成分について説明したが、本発明では、さらに高い強度を得るためにBを添加することができる。
B:0.0005〜0.0100%
Bは、焼入性を向上させる元素であり、母材の強度上昇を特に必要とする場合に、添加が有効である。強度上昇効果を得るためには0.0005%以上の添加を必要とするが、0.0100%を超えて添加しても焼入性向上効果は飽和し、溶接性が劣化する原因にもなるため、Bを添加する場合には0.0005〜0.0100%の範囲とする。また、強度上昇効果を得るためには、Bを鋼中に固溶させる必要がある。
しかし、鋼中に固溶Nが存在する場合には鋼中のBはBNの形成に消費され、BNとしてBが鋼中に存在する場合には、焼入性の向上に寄与しない。しかし、Tiが存在すると、その存在量に応じて鋼中のNをTiNとして固定し、TiNとなったNはBNの形成に寄与しなくなる。したがって、Bを添加する場合にはBNの形成に消費される以上の量を添加する必要があり、鋼中のB量とN量とTi量との間て、次式(1)で示される関係を満足させることが必要である。
B(%)≧{N(%)/14−Ti(%)/27}×11+0.0005・・・(1)
なお、上記(1)式の各元素記号は質量%での各元素の含有量である。
次に、本発明の鋼材の金属組織について説明する。
本発明の鋼材の金属組織は、実質的にベイナイト組織からなる。実質的にベイナイト組織からなるとは、本発明の作用効果をなくさない限り、ベイナイト以外の組織を含有していても、本発明の範囲に含まれることを意味する。とはいえ、ベイナイト以外の組織を含有すると、強度と延性のバランスが低下するため、ベイナイト以外の組織は少ないほど望ましい。しかし、ベイナイト以外の組織の割合が低い場合は影響を無視できるため、ベイナイトの体積比率は80%以上であればよい。ベイナイト以外の組織とは、フェライト、パーライトおよび/またはマルテンサイト等であるが、かようなマルテンサイトやフェライト、パーライトを含有する場合には、これらの体積比率はそれぞれ10%未満とすることが望ましい。
また、本発明の鋼材においては、TiNは析出させないことが望ましいが、TiNが析出する場合は、その粒径の最大径を10μm 以下とすることが望ましい。
さらに、発明者は、以下の規定を満たす異形形状を有する鋼材が、鋼材強度、曲げ延性、さらにはコンクリート付着力のバランスに優れることを知見した。
以下、図1、図2を参照して、本発明の鉄筋の異形形状を特定した理由について説明する。なお、図1は、本発明の鉄筋用鋼材の形状を示す斜視図であり、図2は本発明の鉄筋用鋼材の長さ方向断面を示す断面図である。また、図中、符号1で鉄筋を示し、2は節、3はリブ、4は母材表面である。
円周方向に90°間隔で、線材の長手方向に連続する4本のリブ
図1に示すように、鉄筋1の長手方向に連続するリブ3の本数を90°間隔の4本とすることにより、曲げ加工時における延性の曲げ方向異方性を大幅に低減することが可能になる。
また、リブ3の本数を増やすことにより、応力集中源を大きく増大させることなく鋼材体積比表面積を増大することが可能となる。比表面積の増大に伴い、表層部からの鋼中水素の放出が容易となる。特に再加熱によって脱水素を行う際には、加熱速度を促進する効果も加わり、脱水素に極めて有利な作用を有する。
ここに、リブ本数が3本以下では上記効果が十分に得られず、他方5本以上のリブを設けることは熱間圧延による形状形成が困難となることに加え、リブ間へのコンクリート流入を阻害してコンクリート付着力を低下させるため、リブ本数は90°間隔で4本とすることが必要である。
4本のリブ幅の和:線材の公称周長の15%以上25%以下
リブ3の幅wの和(=4w)が線材の公称周長(=母材径D×π)の15%に満たないと、リブの曲げ延性の改善効果が十分に得られず、一方25%を超えるとコンクリート付着力が大幅に低下するため、4本のリブ幅の和は公称周長の15%以上25%以下の範囲とした。
リブを接続する形の節の間隔:線材の公称直径の40%以上70%以下
本発明の鉄筋用鋼材は、図1に示すように、隣合うリブ3、3を接続する節2を鉄筋用鋼材の長手方向に沿って間隔を置いて複数配置する。節2の存在は、コンクリート付着力を大きく増大させる一方、曲げ加工の際にはその根元部分2bが応力集中源として作用し、折損を促進する弊害がある。図2は、本発明の鉄筋用鋼材の長手方向断面を示す図である。節2の間隔Lが線材の公称直径Dの40%未満の場合、節の根元部分2bが応力集中源として作用し、一方70%を超えるとコンクリート付着力が大きく低下する。
節の高さ:線材の公称直径の4.0%以上、8.0%以下
節高さt(図2参照)が、公称直径Dの4.0%未満ではコンクリート付着力が大きく低下し、一方8.0%を超えると、曲げ加工の際節の根元部分2bに発生する曲げ応力が大きくなり、当該根元部2bに亀裂を生じ、折損を発生しやすくなるため、節の高さは公称直径の4.0%以上、8.0%以下とする。
節の頭頂部から節底にかけて節側面傾斜部と母材表面との成す角θ:100°以上135°未満
節の頂部から節底に節側面傾斜部2a(図2参照)と母材表面4との成す角θが100°未満の場合、曲げ加工の際節の根元部2bに発生する曲げ応力が大きくなり、当該根元部2bに亀裂を生じ、折損を発生しやすくなる。一方、135°を超えるとコンクリート付着力が大きく低下するため、節側面傾斜部と母材表面との成す角θは100°以上135°未満とした。
節根元部の角部のR:(節高さ×10%)以上(節高さ×25%)未満
節根元部2bの角部のRを(節高さ×10%)以上とすると、10%未満の場合と比較して節根元部の応力集中が大幅に緩和され、特にリブ45°方向への曲げ(図5(b)参照)の際の延性が向上し、曲げ延性の異方性が大幅に低減される。一方、角部のRが(節高さ×25%)を超えるとコンクリート付着力の低下を招くため、角部のRは(節高さ×10%)以上(節高さ×25% )未満の範囲とした。
節側面傾斜部の表面粗度Rmax:0.2mm以内
節2の頭頂部から節底にかけての傾斜部2a(図2参照)の表面粗度がRmaxで0.2mmを超えると、曲げ加工の際に新たな応力集中源を導入することとなり、曲げ延性を大幅に低下させるので、節側面傾斜部の表面粗度はRmaxで0.2mm以内とした。
次に、本発明の鉄筋用鋼材を得るのに好適な鉄筋用鋼材の製造方法について説明する。
本発明の鋼材は、前述した成分組成を有する素材を用い、加熱温度:Ac3点〜1350℃、圧延終了温度:Ar3点以上の条件で熱間圧延を行い、該熱間圧延の最終仕上圧延時に下記を満足するリブおよび節を形成し、その後500〜800℃の温度範囲を0.3℃/s以上、25℃/s以下の冷却速度で冷却することにより得ることができる。

リブ:円周方向に90°間隔で線材の長手方向に連続する4本のリブを有し、該4本のリブ幅の和は該線材の公称周長の15%以上25%以下。
節:円周方向に隣り合うリブを接続する形の節であり、線材の長さ方向に該線材の公称直径の40%以上70%以下の間隔で配置、節の高さは該線材の公称直径の4.0%以上8.0%以下、節の頭頂部から節底にかけての節側面傾斜部と母材表面との成す角は100°以上135°未満、節根元部の角部のRは(節高さ×10%)以上(節高さ×25%)未満、該節側面傾斜部の表面粗度Rmaxは0.2mm以内。
以下、各製造工程における限定理由について説明する。
加熱温度:Ac3点〜1350℃
熱間圧延における加熱温度がAc3点未満では、加熱後に引き続いて行われる圧延において加工性が悪化するだけでなく、鋼のミクロ組織中に伸長したフェライトが残留して伸びが低下する。一方、加熱温度が1350℃超になると、オーステナイト粒の粗大化に伴って延性が低下し、また燃料原単位の上昇にもつながる。
圧延終了温度:Ar3点以上
熱間圧延における圧延終了温度がAr3点未満では、変形抵抗の増大と変形能低下により圧延が困難になるだけでなく、圧延直後のフェライト生成が促進され、十分なベイナイト分率を得ることが困難になるという問題が生じる。従って、熱間圧延における圧延終了温度はAr3点以上とした。
熱間圧延の最終仕上圧延時に所望のリブおよび節を形成する。
本発明に従うリブや節を形成するには、できるだけ温度が高い方が好ましいので、本発明では、熱間圧延の最終仕上圧延時にリブおよび節を形成するものとした。
500〜800℃の温度範囲を0.3℃/s以上、25℃/s以下の冷却速度で冷却する
熱間圧延後、500〜800℃の温度範囲における冷却速度が0.3℃/s未満では、フェライトの組織分率が増加し、一方25℃/s超の冷却速度では島状マルテンサイトの組織分率が増加し、いずれも強度−伸びのバランスが低下する。
なお、上記した制御冷却を行うべき温度範囲を500〜800℃の範囲としたのは、この温度範囲がフェライトの生成抑制とベイナイトの生成促進を目的とする変態制御にとって有効だからである。
かくして、本発明で所期した、強度、延性が高く、延性のばらつきが小さく、曲げ加工特性の異方性が小さく、低温靭性に優れ、溶接した場合の母材伸びや溶接継手伸びに優れ、さらにはコンクリートとの付着強度にも優れた鋼材を得ることができる。
また、本発明では、上記のようにして得た鉄筋用鋼材に対し、鉄筋コンクリート施工に使用するための曲げ加工を行う前に、次式(2)を満たす保持温度T(K)、保持時間t(秒)での保持を行うことにより、ベイナイトの体積比率が80%以上の組織を有し、残留水素濃度が0.3ppm以下であって、強度−延性バランスや特性のばらつきをより一層改善することができる。
T×logt≧1500 ・・・(2)
鋼中の残留水素の放出挙動は、温度と時間の関数で表すことが可能であり、保持温度に応じて必要な保持時間は異なっている。上記(2)式を満足する保持温度(K)−保持時間(秒)の履歴を経ることで、目標とする鋼中の残留水素濃度を0.3ppm以下まで低減することが可能となる。
上記(2)式を満足させるためには、例えば150℃で5時間の熱処理(423×log18000≒1800>1500)をすることや、あるいは平均気温20℃で20日間保持する(293×log1728000≒1828>1500)など、種々の方法が可能である。50〜450℃の温度域で30分以上保持することが、一つの目安である。ただし、保持温度が450℃超になると、ベイナイトおよびマルテンサイトの焼戻しが進行しすぎて、強度が低下するため、上記(2)式における保持温度Tは450℃以下とすることが好ましい。より好ましくは400℃以下である。なお、気温の高い場所で鋼材を保管する場合は、かような加熱工程は不要であり、鋼材製造後の保管期間の管理のみで所望の効果を得ることが可能である。
上記以外の製造工程は特に限定されず、通常の鉄筋の製造工程を用いることができる。
ここで、前述したように、鉄筋用鋼材にリブおよび節を形成させるのに好適な製造法について説明する。リブおよび節は、上述した熱間圧延の最終仕上圧延時に形成させる。この方法は、圧延に使用するロールの圧下面となるロール周面に節およびリブを形成するための溝を設けておくことで、該溝への素材の噛み出しにより節およびリブを形成する、あるいは、4ロール圧延機を用いて、節はロールの圧下面となるロール周面に設けた溝により、一方リブは隣り合うロール間の間隙への噛み出しにより形成することができる。
以下、最終仕上圧延を、各ロールに節を形成させるための節溝を設けた4ロール圧延機により行い、この最終仕上圧延により節およびリブを素材に形成させる方法をについて説明する。
図3に、前述した鉄筋用鋼材を圧延により製造するのに好適な、節およびリブを成形するための最終仕上圧延機を示す。図中、符号10で最終仕上圧延機を、11で各ロールを示す。また、12は周溝、13は節溝、14はラウンド孔型、15はロール隙間、16は周溝の外縁部、17はロール側面である。
さて、最終仕上圧延機10は、節2、リブ3および母材表面4を形成するためのカリバーが設けられた4つのロール11を有する4ロール圧延機で構成される。すなわち、最終仕上圧延機10は、二個一対のロール11a,11bと、11c,11dとをライン方向から見て直交させて配置した4ロール圧延機であり、各ロール11a,11b,11c,11dには、断面円弧状の周溝12をロール周方向に形成してあり、さらに周方向に沿って所定間隔の節溝13が形成されている。これらロール11のロール隙き間によるラウンド孔型14に、上流側の圧延機列によって断面円形に圧延された素材を通して圧下し、その周面に節2を形成する。同時に、隣接する各ロールの間隙15への噛み出しによりリブ3が形成される。すなわち、リブ3は、ロールに形成した周溝12の両外縁部16側に位置するロール側面17への噛み出しにより形成される。
図4は、ロール11の、周溝12および節溝13の部分を詳細に示した斜視図である。各ロールの、周溝12と節溝13とが交わる角部分にはRが設けられており、この角部分のRが素材に転写されて上述の節根元部の角部のRが形成される。節溝13の側面13a(以下、節溝側面13aという)と周溝12を形成するロール周面とが交わる部分の角度θ’を調整することにより、前述した節傾斜部と母材表面との成す角θを調整することができる。また、節溝側面13aが転写されて節傾斜部2aが形成されるため、節溝側面13aの表面性状を調整することによって、節傾斜部2aの表面粗度Rmaxを調整することができる。また、隣合う節溝13の間隔L’をラウンド孔型の径D’(図3参照)に応じて調整することにより、前述した節間隔Lと公称直径Dとの関係を調整することが可能である。さらに、隣接する各ロール11の間隙15をラウンド孔型の径D’に応じて調整することで調整することで、前述したリブ2の幅wを調整することができる。節2の高さは節溝13の深さおよび圧延時の減面率の調整により、調節することが可能である。
なお、本発明において、鋼材の母材径(公称直径)Dは6.35mm(D6)〜19.1mm(D19)程度とするのが好適である。
表1に示す成分組成になる鋼(鋼種A〜H)を溶製鋳造してビレットとしたのち、表2に示す種々異形形状の線材に熱間圧延し、ついで必要に応じて種々の温度で種々の時間保持して、公称直径D:12.7mm(D13)の異形棒鋼を製造した(No.1〜20)。なお、最終仕上圧延機として、図3および図4に示した4ロール圧延機を用い、各ロールに形成する節溝13の形状を変化させることで、異形形状の調整を行った。
製造した各棒鋼について、顕微鏡観察により組織と各組織の体積比率を調査すると共に、鋼材中の残留水素濃度を測定した。
また、母材の特性を調べるために引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強度(TS)および母材伸び(EL)を測定した。
上記の引張試験において絞り値も測定した。なお絞り値は、各棒鋼について20箇所ずつ測定して絞り値の標準偏差を求めた。
さらに、母材の曲げ特性を調べるために、異形棒鋼を長さ:500mmに切断した後、公称直径Dの2倍の曲げ直径で180°曲げを行った後、これを90°曲げ戻す曲げ−曲げ戻し試験を0℃で行い、異形棒鋼20本中の折損本数の割合(破断率)を算出することにより曲げ加工性を評価した。曲げ試験は、図5(a)あるいはリブ本数が2本のものは図7(a)に示すように、リブ3のある位置を最内側として(リブを内径に押しつける方向(リブ方向))曲げる場合と、図5(b)あるいはリブ本数が2本のものは図7(b)に示すようにリブとリブの中間を最内側として(リブとリブの中間を内径に押しつける方向(リブ間方向))曲げる場合のそれぞれについて実施した。
また、コンクリート付着力を測定する目的で、異形棒鋼を、100×100×100mmのコンクリート中心部を貫通する形で配筋埋込を実施し、片端から15mm、もう片端からは300mm以上を突出させる形態のものを供試材として作製した。該供試材から300mm以上突出した異形棒鋼を500kN引張試験機を用いて引っ張る形で引き抜き試験を実施し、
(最大引抜応力kN/mm2)=(最大荷重kN)/{(公称直径mm)×(埋込長さmm)×(円周率)}
を測定した。なおコンクリート強度は51.5N/mm2の自然養生のものを使用した。
調査結果を表2に併せて示す。
なお、降伏強度が785MPa以上、引張強度が930MPa以上、方向を問わず曲げ加工時破断率が0%、そしてコンクリート付着力が15kN/mm2以上を本発明の鋼材に必要な特性とした。
Figure 0005521705
Figure 0005521705
表2に示したとおり、本発明の規定よりもリブ本数が少ないNo.6、リブ幅の和が小さいNo.7、節高さが高いNo.10、節間隔が短いNo.11、側面傾斜部と母材部の成す角が小さいNo.13、角部Rが小さいNo.15、側面傾斜部の表面粗度が大きいNo.17はいずれも、少なくともリブ間方向の曲げ時に折損を生じた。
また、本発明の規定よりもリブ幅の和が大きいNo.8、節高さの低いNo.9、節間隔が広いNo.12、側面傾斜部と母材部の成す角が大きいNo.14、角部Rが大きいNo.16は、いずれもコンクリート付着力が15kN/mm2に達しなかった。
本発明で1種以上の添加を規定したCr、Mo、V、W、Ni、Cu、Co、Sbのいずれをも含有しない鋼Gを用いたNo.19は、鋼中ミクロ組織のフェライト含有率が高く、本発明で規定した、体積比率で80%以上のベイナイトを満足しない。そのため、表2に示すように、降伏強度(YS)、引張強度(TS)がそれぞれ目標値に達していない。
一方、本発明の規定よりもTi量が高い鋼Fを用いたNo.18、および本発明の規定よりもC量が多い鋼Hを用いたNo.20はそれぞれ、強度目標は達成したものの、延性不足で曲げ加工時に大量の折損を生じた。
これに対し、本発明の要件を満足するNo.1〜5はいずれも、YS、TS、曲げ加工時破断率、さらにはコンクリート付着力とも、それぞれ目標とする値を得ることができた。
1 鉄筋(異形鉄筋)
2 節
2a 節側面傾斜部
2b 節根元部の角部
3 リブ
4 母材表面
10 最終仕上圧延機
11 ロール
12 周溝
13 節溝
13a 節溝側面
14 ラウンド孔型
15 ロール隙間
16 周溝の外縁部
17 ロール側面

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.15〜0.30%、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.2〜2.5%、
    Al:0.01〜1.0%、
    Nb:0.001〜0.3%、
    Ti:0.003%未満、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下および
    N:0.0060%未満
    を含有し、さらに、
    Cr:0.1〜2.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、
    V:0.01〜1.0%、
    W:0.01〜1.0%、
    Ni:0.01〜1.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    Co:0.01〜1.0%および
    Sb:0.0010〜0.0050%
    のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼組成からなり、
    鋼組織が、80%以上がベイナイトで、残部がフェライト、パーライトまたはマルテンサイトの組織からなり、
    円周方向に90°間隔で、線材の長手方向に連続する4本のリブを有し、該4本のリブ幅の和が該線材の公称周長の15%以上25%以下で、
    該リブを接続する形の節を該線材の公称直径の40%以上70%以下の間隔で有し、該節の高さが該線材の公称直径の4.0%以上8.0%以下で、
    該節の頭頂部から節底にかけての節側面傾斜部と母材表面との成す角が100°以上135°未満で、節根元部の角部のRが(節高さ×10%)以上(節高さ×25%)未満で、該節側面傾斜部の表面粗度Rmaxが0.2mm以内であり、
    YS:785MPa以上、TS:930MPa以上
    であることを特徴とする、曲げ特性およびコンクリート密着性のバランスに優れる高強度鉄筋用鋼材。
  2. 前記鋼材が、質量%で、さらに、
    B:0.0005〜0.0100%
    を含有し、かつ鋼中のB量、N量およびTi量が、次式(1)の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の高強度鉄筋用鋼材。
    B(%)≧{N(%)/14−Ti(%)/27}×11+0.0005 ・・・(1)
    ただし、M(%)は、M元素の含有量(質量%)を表わす。
  3. 質量%で、
    C:0.15〜0.30%、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.2〜2.5%、
    Al:0.01〜1.0%、
    Nb:0.001〜0.3%、
    Ti:0.003%未満、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下および
    N:0.0060%未満
    を含有し、さらに、
    Cr:0.1〜2.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、
    V:0.01〜1.0%、
    W:0.01〜1.0%、
    Ni:0.01〜1.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    Co:0.01〜1.0%および
    Sb:0.0010〜0.0050%
    のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する組成からなる鋼素材を、加熱温度:Ac3点〜1350℃、圧延終了温度:Ar3点以上の条件で熱間圧延し、該熱間圧延の最終仕上圧延時に下記を満足するリブおよび節を形成し、その後500〜800℃の温度範囲を0.3℃/s以上、25℃/s以下の冷却速度で冷却することを特徴とする高強度鉄筋用鋼材の製造方法。

    リブ:円周方向に90°間隔で線材の長手方向に連続する4本のリブを有し、該4本のリブ幅の和は該線材の公称周長の15%以上25%以下。
    節:円周方向に隣り合うリブを接続する形の節であり、線材の長さ方向に該線材の公称直径の40%以上70%以下の間隔で配置、節の高さは該線材の公称直径の4.0%以上8.0%以下、節の頭頂部から節底にかけての節側面傾斜部と母材表面との成す角は100°以上135°未満、節根元部の角部のRは(節高さ×10%)以上(節高さ×25%)未満、該節側面傾斜部の表面粗度Rmaxは0.2mm以内。
  4. 前記鋼素材が、質量%で、さらに、
    B:0.0005〜0.0100%
    を含有し、かつ鋼中のB量、N量およびTi量が、次式(1)の関係を満足することを特徴とする請求項3に記載の高強度鉄筋用鋼材の製造方法。
    B(%)≧{N(%)/14−Ti(%)/27}×11+0.0005・・・(1)
    ただし、M(%)は、M元素の含有量(質量%)を表わす。
  5. 請求項3または4に記載の製造方法で製造された鉄筋用鋼材に対し、鉄筋コンクリート施工に使用するための曲げ加工前に、次式(2)を満たす保持温度T(K)、保持時間t(秒)での保持を行うことを特徴とする高強度鉄筋用鋼材の製造方法。
    T×logt≧1500 ・・・(2)
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