<<実施形態の全体構成>>
以下、図1乃至図30を用いて、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遠隔通信システム1の概略図であり、まずは図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。
図1に示す遠隔通信システム1は、複数の遠隔通信端末(10aa,10ab,…,10db)、各遠隔通信端末(10aa,10ab,…,10db)用のディスプレイ(118aa,118ab,…,118db)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)、及び遠隔通信管理装置500とログ管理システム550とを有する遠隔通信管理システム50によって構築されている。
なお、本実施形態では、遠隔通信端末(10aa,10ab,…,10db)のうち任意の遠隔通信端末を示す場合には「遠隔通信端末10」を用い、ディスプレイ(118aa,118ab,…,118db)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ118」を用い、中継装置(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置30」を用いる。
遠隔通信端末10は、他の遠隔通信端末10との間で通話データの送受信を行う。この通話データとは、遠隔通信端末間のセッションで送受信されるデータを意味し、画像データや音声データ等が含まれる。本実施形態では、画像データの画像が動画の場合について説明するが、動画だけでなく静止画であってもよい。また、画像データの画像には、動画と静止画の両方が含まれてもよい。中継装置30は、複数の遠隔通信端末10の間で、画像データ及び音声データの中継を行う。遠隔通信管理システム50は、遠隔通信端末10及び中継装置30を一元的に管理する。
また、図1に示されている複数のルータ(70a,70b,…,70g)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、本実施形態では、ルータ(70a,70b,…,70g)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ70」を用いる。プログラム提供システム90は、遠隔通信端末10に各種機能又は各種手段を実現させるための遠隔通信端末用プログラムが記憶された、不図示のHD(Hard Disk)を備えており、遠隔通信端末10に、遠隔通信端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHDには、中継装置30に各種機能又は各種手段を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHDには、遠隔通信管理システム50に各種機能又は各種手段を実現させるための遠隔通信管理用プログラムも記憶されており、遠隔通信管理システム50に、遠隔通信管理用プログラムを送信することができる。
また、遠隔通信端末10aa、遠隔通信端末10ab、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。遠隔通信端末10ba、遠隔通信端末10bb、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70cが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、遠隔通信端末10ca、遠隔通信端末10cb、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。遠隔通信端末10da、遠隔通信端末10db、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70eが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70c,70e)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、遠隔通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、遠隔通信端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。遠隔通信管理システム50を構成する遠隔通信管理装置500及びログ管理システム550は、LAN2eによって通信可能に接続されている。遠隔通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各遠隔通信端末10、各中継装置30、遠隔通信管理システム50の遠隔通信管理装置500、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、遠隔通信端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。本実施形態では、中継先としての遠隔通信端末10で画像データの受信に遅延が生じた場合に、中継装置30によって画像データの画像の解像度を変更してから、中継先としての遠隔通信端末10へ画像データを送信する場合について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る遠隔通信端末10のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態の遠隔通信端末10は、遠隔通信端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、遠隔通信端末用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、画像データや音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、遠隔通信端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、遠隔通信端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F111、CPU101の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)112、このCMOS112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力するマイク114、音声を出力するスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ118に画像データを伝送するディスプレイI/F117、時刻を出力し、時間を計る時計119、及び上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
なお、記録メディア106は、遠隔通信端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。更に、CMOS112は、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子であり、被写体を撮像するものであればCMOSに限らず、CCD(Charge Coupled Device)等を用いてもよい。また、ディスプレイ118は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成されている。
更に、上記遠隔通信端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る遠隔通信管理装置500のハードウェア構成図である。遠隔通信管理装置500は、遠隔通信管理装置500全体の動作を制御するCPU201、遠隔通信管理用プログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、各種データを記憶するHD(Hard Disk)204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、時刻を出力する時計219、及び、上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記遠隔通信管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記遠隔通信管理装置500と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
更に、プログラム提供システム90は、上記遠隔通信管理装置500と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
更に、ログ管理システム550は、上記遠隔通信管理装置500と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、ログ管理システム550を制御するためのログ管理システム用プログラムが記録されている。この場合も、ログ管理システム用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図4は、本実施形態の遠隔通信システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図4では、遠隔通信端末10、中継装置30、及び遠隔通信管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図4では、遠隔通信管理装置500及びログ管理システム550が、LAN2eを介してデータ通信することができるように接続されている。尚、図1に示されているプログラム提供システム90は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図4では省略されている。
<遠隔通信端末の機能構成>
遠隔通信端末10は、他の遠隔通信端末との間で通話データを通信するためのセッションを行う機能を有する。また、遠隔通信端末10は、遠隔通信管理システム50に、このセッションを管理するための管理情報を通信する機能を有する。尚、この管理情報にはセッションの開始又は終了に基づく情報が含まれる。これらの機能を実現するために、遠隔通信端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14a、画像表示制御部14b、音声入力部15a、音声出力部15b、最終絞込部16、遅延検出部17、接続状態検知部18、記憶・読出処理部19、時刻登録部20、時刻取得部21、及び時刻削除部22を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、遠隔通信端末10は、図2に示されているSSD105によって構築される記憶部1000を有している。
(時間情報管理テーブル)
記憶部1000には、図5に示されているような時刻管理テーブルによって構成されている時間情報管理DB(Data Base)1001が構築される。時間情報管理テーブルでは、通話データが通信されるセッション毎にこの通話データ用セッションの開始に基づく時点から終了に基づく時点までの時間が管理される。図5の時刻管理テーブルでは、他の遠隔通信端末との間で通話データが通信されるセッションを一意に識別するためのセッションIDと、このセッションの開始に基づく時刻を示す開始時刻情報と、終了に基づく時刻を示す終了時刻情報が関連付けられて管理される。尚、時間情報管理テーブルでは、開始時刻情報と終了時刻情報とともに、開始時刻情報と終了時刻情報に代えて、通話データ用セッションの開始に基づく時点から終了に基づく時点までの時間を示す時間情報が管理されていても良い。
(遠隔通信端末の各機能部)
次に、遠隔通信端末の各部を詳細に説明する。遠隔通信端末10の送受信部11は、図2に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。操作入力受付部12は、図2に示されている操作ボタン108、及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図4に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。ログイン要求部13は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理装置500に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び遠隔通信端末10abの現時点のIPアドレスを自動的に送信する。
撮像部14aは、図2に示されているCCD112、及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。映像表示制御部14bは、図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ118に対して画像データを送信するための制御を行う。音声入力部15aは、図2に示されているマイク114、及び音声入出力I/F116によって実現され、利用者の音声を入力し、この音声を音声信号に変換することで、音声信号に係る音声データを出力する。音声出力部15bは、図2に示されているスピーカ115、及び音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号を音声に変換して出力する。
最終絞込部16は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を行うため、図2に示されているCPU101からの命令によって、計測部16a、算出部16b、及び最終選択部16cを実現する。このうち、計測部16aは、送受信部11によって受信された後述の事前送信情報毎に、送受信部11によって事前送信情報が受信される際の受信日時を計測する。算出部16bは、計測部16aによって受信日時が計測された事前送信情報毎に、この計測された受信時間と、この事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する。最終選択部16cは、算出部16bによって算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報が中継された中継装置30を選択することで、最終的に1つの中継装置を選択する。
遅延検出部17は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の遠隔通信端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。
接続状態検知部18は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、遠隔通信管理装置500との接続状態を検知する。この場合、接続状態検知部18は、所定のメッセージを遠隔通信管理装置500に送信し、所定の応答があった場合に遠隔通信管理装置500と接続されていると判断することができる。また、接続状態検知部18は、所定のメッセージを遠隔通信管理装置500に送信し、所定の応答がなかった場合、或は、エラーメッセージを受信した場合に遠隔通信管理装置500と接続されていないと判断することができる。
時刻登録部20は、他の遠隔通信端末との間で通話データが通信されるセッションの開始に基づく時点を時間情報管理テーブル(図5参照)に登録する。具体的には、時刻登録部20は、この開始に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信する際に遠隔通信端末10の時計119から時刻を取得し、取得された時刻(開始時刻情報)を時間情報管理テーブルに登録する。また、時刻登録部20は、通話データが通信されるセッションを終了させる際にこの終了に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信できない場合に、この終了に基づく時点を時間情報管理テーブルに登録する。この場合、時刻登録部20は、遠隔通信端末10の時計119から時刻を取得し、取得された時刻(終了時刻情報)を時間情報管理テーブルに登録する。尚、時刻登録部20は、開始時刻情報と終了時刻情報とともに、開始時刻情報と終了時刻情報に代えて、時計119により計測された通話データ用セッションの開始に基づく時点から終了に基づく時点までの時間を示す時間情報を登録しても良い。時刻取得部21は時間情報管理テーブルから開始時刻情報及び終了時刻情報を取得する。尚、時刻取得部21は、時間情報管理テーブルで時間情報が管理されている場合、時間情報を取得しても良い。時刻削除部22は、終了に基づく管理情報が遠隔通信管理装置500に送信されると、時間情報管理テーブルに登録された開始時刻情報を削除する。また、時刻削除部22は、時間情報が遠隔通信管理装置500に送信されると、終了時刻情報及びセッションIDを削除する。尚、時刻削除部22は、時間情報管理テーブルで時間情報が管理されている場合、時間情報が遠隔通信管理装置500に送信されると、この時間情報を削除しても良い。
また、記憶・読出処理部19は、図2に示すSSD105によって実行され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。記憶部1000には、遠隔通信端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード、並びに、画像データ、及び音声データ等が記憶される。
なお、本実施形態の端末ID、及び後述の中継装置IDは、それぞれ遠隔通信端末10、及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID、及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。また、以下では、テレビ会議の開始を要求する要求元としての遠隔通信端末10を「要求元端末10A」とし、要求先である宛先としての遠隔通信端末10を「宛先端末10B」として説明する。
(中継装置の機能構成)
次に、中継装置30の機能又は手段について説明する。中継装置30は、送受信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、中継装置30は、図3に示されているHD204により構築される記憶部3000を有している。
(変更品質管理テーブル)
記憶部3000には、図7に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB3001が構築される。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての遠隔通信端末30のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図6(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図6(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図6(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。例えば、図7に示されている変更品質管理テーブルにおいて、中継装置30が、IPアドレス「1.3.2.4」の宛先端末10dbに対して画像データを中継する場合には、この中継される画像データの画質(画像の品質)は「高品質」である。
<中継装置の各機能部>
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各部を説明するにあたって、図2に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図4に示されている中継装置30の送受信部31は、図3に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。状態検知部32は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」の状態がある。
データ品質確認部33は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末10BのIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理DB3001(図7参照)を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。変更品質管理部34は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、遠隔通信管理装置500から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である要求元端末10aaと、端末IDが「01db」である宛先端末10dbとの間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う要求元端末bbと宛先端末caが通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末10dbで画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる必要がある。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DB3001の内容が変更される。
データ品質変更部35は、図3に示されているCPU201からの命令によって実現され、送信元端末10から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、図3に示されているHDD205によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<遠隔通信管理装置の機能構成>
次に、遠隔通信管理装置500の機能又は手段について説明する。遠隔通信管理装置500は、送受信部501、端末認証部502、状態管理部503、端末抽出部504、端末状態取得部505、一次絞込部506、セッション管理部507、品質決定部508、記憶・読出処理部509、及び遅延時間管理部510を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、遠隔通信管理装置500は、図3に示されているHD204により構築される記憶部5000を有している。
(中継装置管理テーブル)
記憶部5000には、図8に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が遠隔通信管理装置500で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図8に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「ONライン」で、遠隔通信管理装置500で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図9に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。この端末認証管理テーブルでは、遠隔通信管理システム50によって管理される全ての遠隔通信端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図9に示されている端末認証管理テーブルにおいて、遠隔通信端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(端末管理テーブル)
また、記憶部5000には、図10に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。この端末管理テーブルでは、各遠隔通信端末10の端末ID毎に、各遠隔通信端末10の稼動状態、後述のログイン要求情報が遠隔通信管理装置500で受信された受信日時、及び遠隔通信端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の遠隔通信端末10aaは、稼動状態が「ONライン」で、遠隔通信管理装置500でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この遠隔通信端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図11に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議の開始を要求する要求元端末10Aの端末IDに対して、宛先端末10Bの候補として登録されている宛先端末10Bの端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図11に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末10aaからテレビ会議の開始を要求することができる宛先端末10Bの候補は、端末IDが「01ab」の遠隔通信端末10ab、端末IDが「01ba」の遠隔通信端末10ba、及び端末IDが「01db」の遠隔通信端末10dbの3つであることが示されている。この宛先端末10Bの候補は、要求元端末10Aから遠隔通信管理装置500に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この記憶部5000には、図12に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。このセッション管理テーブルでは、遠隔通信端末間で通話データが通信されるセッションを識別するためのセッションID毎に、画像データ及び音声データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末10Aの端末ID、宛先端末10Bの端末ID、宛先端末10Bにおいて画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末10Bから送られて来て遠隔通信管理装置500で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図12に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の要求元端末10aaと、端末IDが「01db」の宛先端末10dbとの間で、画像データ及び音声データを中継しており、宛先端末10dbにおいて「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの遠隔通信端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末10Bではなく要求元端末10Aから送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の遠隔通信端末10の間でテレビ会議を行う場合には、画像データ及び音声データの受信側の遠隔通信端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(アドレス優先度管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図13に示されているようなアドレス優先度管理テーブルによって構成されている優先度管理DB5006が構築されている。このアドレス優先度管理テーブルでは、一般的なIPv4におけるIPアドレスのうちの4組のドットアドレス(Dot Address)部分の同異に応じて、アドレス優先度のポイントが高くなるように関連付けられて管理される。例えば、図13に示されているアドレス優先度管理テーブルにおいて、ドットアドレスの上位から下位にかけて3つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「5」である。ドットアドレスの上位から下位にかけて2つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「3」である。この場合、最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度に関係ない。ドットアドレスの最上位の値が同じで、上位から2番目の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「1」である。この場合、上位から3番目及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。ドットアドレスの最上位の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「0」である。この場合、上位から2番目、3番目、及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。
(伝送速度優先度管理テーブル)
また、記憶部5000に構築されている優先度管理DB5006には、図14に示されているような伝送速度優先度管理テーブルも含まれている。この伝送速度優先度管理テーブルでは、中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)の値に応じて、伝送速度優先度のポイントが高くなるように関連付けられて管理される。例えば、図14に示されている伝送速度優先度管理テーブルにおいて、中継装置30における最大データ伝送速度が1000Mbps以上の場合には、伝送速度優先度のポイントが「5」である。中継装置30における最大データ伝送速度が100Mbps以上1000Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「3」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps以上100Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「1」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「0」である。
(品質管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図15に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。この品質管理テーブルでは、要求元端末10A又は宛先端末10Bにおける画像データの遅延時間(ms)に応じて、中継装置30で中継させる画像データの画質(画像の品質)が関連付けられて管理される。
(遠隔通信管理装置の各機能部)
次に、遠隔通信管理装置500の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、遠隔通信管理装置500の各部を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、遠隔通信管理装置500の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部501は、図2に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2又はLAN2eを介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。端末認証部502は、送受信部501を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。状態管理部503は、ログイン要求してきた要求元端末10Aの稼動状態を管理すべく、端末管理DB5003(図10参照)に、この要求元端末10Aの端末ID、要求元端末10Aの稼動状態、遠隔通信管理装置500でログイン要求情報が受信された受信日時、及び要求元端末10のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。
端末抽出部504は、ログイン要求した要求元端末10Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図11参照)を検索し、要求元端末10Aと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また、端末抽出部504は、ログイン要求してきた要求元端末10Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図11参照)を検索し、上記要求元端末10Aの端末IDを宛先端末10Bの候補として登録している他の要求元端末10Aの端末IDも抽出する。
端末状態取得部505は、上記端末抽出部504によって抽出された宛先端末10Bの候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003(図10参照)を検索し、上記端末抽出部504によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部505は、ログイン要求してきた要求元端末10Aと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部505は、上記端末抽出部504によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末状態管理DB5003を検索し、ログイン要求してきた要求元端末10Aの稼動状態も取得する。
一次絞込部506は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を支援するため、最終絞り込み処理前の一次絞り込み処理を行うため、セッションID生成部506a、端末IPアドレス抽出部506b、一次選択部506c、及び優先度決定部506dを有している。このうち、セッションID生成部506aは、遠隔通信端末間で通話データが通信されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。端末IPアドレス抽出部506bは、要求元端末10Aから送られてきた開始要求情報に含まれている要求元端末10Aの端末ID、及宛先端末10Bの端末IDに基づいて、端末管理DB5003(図10参照)を検索することにより、対応するそれぞれの遠隔通信端末10のIPアドレスを抽出する。一次選択部506cは、中継装置管理DB5001(図8参照)で管理されている中継装置30のうち、稼動状態が「ONライン」となっている中継装置30の中継装置IDを選択することにより、中継装置30の選択を行う。
また、一次選択部506cは、上記端末IPアドレス抽出部506bによって抽出された、要求元端末10AのIPアドレス、及び宛先端末10BのIPアドレスに基づいて、中継装置管理DB5001(図8参照)を検索することにより、上記選択された中継装置30のIPアドレスのドットアドレス毎に、上記要求元端末10A及び宛先端末10Bの各IPアドレスにおける各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する。更に、一次選択部506cは、中継装置毎に、アドレス優先度のポイントにおいて遠隔通信端末10に対する高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにより、中継装置30の更なる選択を行う。
なお、本実施形態では、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにしているが、これに限られるものではなく、中継装置30を1つでも多く絞り込むことができれば、ポイントが高い上位3つ以上の中継装置30を選択するようにしてもよい。
優先度決定部506dは、優先度管理DB5006(図13参照)を参照して、上記一次選択部506cによって調査された中継装置30毎に、アドレス優先度のポイントを決定する。また、優先度決定部506dは、中継装置管理DB5001(図8参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図14参照)を検索することにより、上記一次選択部506cによる第1次の絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置30毎に伝送速度優先度のポイントを決定する。
セッション管理部507は、記憶部5000のセッション管理DB5005(図12参照)に、セッションID生成部506aで生成されたセッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部507は、セッション管理DB5005(図12参照)に対して、セッションID毎に、遠隔通信端末10の最終選択部16cで最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部508は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理DB5007(図15参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。記憶・読出処理部509は、図3に示されているHDD205によって実行され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。遅延時間管理部510は、上記宛先端末10BのIPアドレスを検索キーとして、端末管理DB5003(図10参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理DB5005(図12参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
<ログ管理システムの機能構成>
次に、ログ管理システム550の機能又は手段について説明する。ログ管理システム550は、遠隔通信端末間で通話データが通信されるセッションの開始又は終了に基づく管理情報を受信して、このセッションの通信時間を管理する機能を有する。このため、ログ管理システム550は、送受信部551、オンラインログ登録部552、オフラインログ登録部553、記憶・読出処理部559を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、ログ管理システム550は、図3に示されているHD204により構築される記憶部5500を有している。
(ログ管理テーブル)
記憶部5500には、図16に示されているようなログ管理テーブルによって構成されているログ管理DB5501が構築されている。このログ管理テーブルでは、遠隔通信端末10の端末ID毎に作成され、ログ情報の識別情報(ログIDという)と管理情報とセッションIDと時刻情報(開始時刻情報又は終了時刻情報)とが関連付けられて管理される。ここで、管理情報とは遠隔通信端末10から遠隔通信管理システム50に送信される管理情報である。この管理情報には、遠隔通信を端末間で通話データが通信されるセッションの開始を要求するための「invite」、このセッションの終了を通知するための「bye」、遠隔通信管理システム50へのログインを要求するための「login」、遠隔通信管理システム50からのログアウトを要求するための「logout」、要求をキャンセルするための「cancel」等の情報が含まれる。また、セッションIDは、遠隔通信端末間で通話データを通信するセッションを一意に識別するための識別情報である。時刻情報はそれぞれのログ情報がログ管理テーブルに登録される際に取得される時刻である。尚、ログ管理テーブルでは、遠隔通信端末10から通話データ用セッションの開始又は終了に基づく管理情報が受信された場合にログ管理システム550により管理される時計から取得される時刻を示す時刻情報(開始時刻管理情報又は終了時刻管理情報)が管理される。また、ログ管理テーブルでは、遠隔通信端末10から時間情報が受信された場合に、開始時刻情報によって示される時刻と時間情報によって示される時間とを加算して算出される時刻を示す終了時刻情報が管理される。
(ログ管理システムの各機能部)
次に、ログ管理システム550の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、ログ管理システム550の各部を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、ログ管理システム550の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部551は、図2に示されているネットワークI/F209によって実行され、LAN2eを介して遠隔通信管理装置500と各種データ(情報)の送受信を行う。また、オンラインログ登録部552は、遠隔通信端末10から遠隔通信管理装置500に送信されたメッセージを、ログ管理DBのログ管理テーブルにオンラインログとして登録する。ここでは、オンラインとは遠隔通信管理装置500と遠隔通信端末10とが通信ネットワーク2を介して接続されている状態を意味する。また、オフラインログ登録部552は、遠隔通信端末10から遠隔通信管理装置500に送信されたメッセージを、ログ管理DBのログ管理テーブルにオフラインログとして登録する。ここでは、オフラインとは遠隔通信管理装置500と遠隔通信端末10とがネットワークを介して接続されていない状態を意味する。即ち、オフラインログとは、オフラインの状態のために遠隔通信端末10から遠隔通信管理装置500に送信されなかったメッセージであって、再びオンラインの状態になったとき送信されるメッセージに基づき作成されるログを意味する。記憶・読出処理部559は、図3に示されているHDD205によって実行され、記憶部5500に各種データを記憶したり、記憶部5500に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<<実施形態の処理・動作>>
以上が、本実施形態に係る遠隔通信システム1の構成及び機能(又は手段)の説明であり、続いて、図17乃至図30を用いて、本実施形態に係る遠隔通信システム1における処理方法を説明する。なお、図17は、各中継装置30から遠隔通信管理システム1に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を示したシーケンス図である。図18は、遠隔通信システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図19は、複数の遠隔通信端末10の間で遠隔通信を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図20は、中継装置30を絞り込む処理を示したシーケンス図である。図21は、中継装置30を絞り込む処理を示した処理フロー図である。図22は、中継装置30の絞り込み処理を行う際のポイントの計算状態を示した図である。図23は、遠隔通信端末10が中継装置30を選択する処理を示したシーケンス図である。図24は、遠隔通信端末で中継装置30を選択する処理を示した処理フロー図である。図25は、遠隔通信端末間で画像データ及び音声データを送受信する処理を示したシーケンス図である。図26は、開始に基づく時点を登録する処理を示したフロー図である。図27は、オンラインログを登録する処理を示したフロー図である。図28は、終了に基づく時点を登録する処理を示したフロー図である。図29は、開始に基づく時点から終了に基づく時点までの時間を送信する処理を示したフロー図である。図30は、オフラインログを登録する処理を示したフロー図である
まず、図17を用いて、各中継装置30から遠隔通信管理装置500に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を説明する。まず、各中継装置30では、図4に示されている状態検知部32が、自装置である中継装置30の稼動状態を定期的に検知している(S1−1〜S1−4)。そして、遠隔通信管理装置500側で各中継装置30の稼動状態をリアルタイムで管理させるべく、各中継装置30の送受信部31は、定期的に通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理装置500へ各状態情報を送信する(ステップS2−1〜S2−4)。これら各状態情報には、中継装置30毎の中継装置IDと、これら各中継装置IDに係る中継装置30の状態検知部32で検知された稼動状態とが含まれている。なお、本実施形態では、中継装置(30a,30b,30d)は、正常に稼動して「ONライン」となっている一方で、中継装置30cは稼働中ではあるが、中継装置30cの中継動作を実行するためのプログラムに何らかの不具合が生じて、「OFFライン」となっている場合が示されている。
次に、遠隔通信管理装置500では、各中継装置30から送られて来た各状態情報を送受信部501が受信し、記憶・読出処理部509を介して記憶部5000の中継装置状態管理DB5001(図8参照)に、中継装置ID毎に状態情報を記憶して管理する(ステップS3−1〜S3−4)。これにより、図8に示されるような中継装置管理テーブルに対して、中継装置ID毎に「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」のいずれかの稼動状態が記憶されて管理される。またこの際に、中継装置ID毎に、遠隔通信管理装置500で状態情報が受信された受信日時も記憶されて管理される。なお、中継装置30から状態情報が送られない場合には、図8に示されている中継装置管理テーブルの各レコードにおける稼動状態のフィールド部分及び受信日時のフィールド部分が空白になるか、又は、前回の受信時の稼動状態及び受信日時をそれぞれ示す。
次に、図18を用いて、遠隔通信システム1における画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念を説明する。図18に示されているように、遠隔通信システム1では、要求元端末10aaと宛先端末10dbとの間では、遠隔通信管理装置500を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、要求元端末10aaと宛先端末10dbとの間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、通話データ用セッションsedとして示している。
次に、図19を用いて、遠隔通信端末10aaと遠隔通信端末10dbとの間で、遠隔通信を開始する前の準備段階の処理について説明する。なお、図19では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図4に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、上記電源ONの受信を契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理装置500に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自装置である遠隔通信端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して記憶部1000から読み出されて、送受信部11に送られたデータである。なお、遠隔通信端末10aaから遠隔通信管理装置500へログイン要求情報が送信される際は、受信側である遠隔通信管理装置500は、送信側である遠隔通信端末10abのIPアドレスを把握することができる。
次に、遠隔通信管理装置500の端末認証部502は、送受信部501を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理DB5002(図9参照)を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。この端末認証部502によって、同一の端末ID及びパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する遠隔通信端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部503は、端末管理DB5003(図10参照)に、遠隔通信端末10aaの端末ID、稼動状態、上記ログイン要求情報が受信された受信日時、及び遠隔通信端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、図10に示されている端末管理テーブルには、遠隔通信端末ID「01aa」に、稼動状態「ONライン」、受信日時「2009.11.10.13:40」及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
そして、遠隔通信管理装置500の送受信部501は、上記端末認証部502によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末10aaに送信する(ステップS25)。本実施形態では、端末認証部502によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
遠隔通信管理装置500の端末抽出部504は、ログイン要求した要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図11参照)を検索し、要求元端末10aaと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補の端末IDを読み出すことによって抽出する(ステップS26)。ここでは、要求元端末10aaの端末ID「01aa」に対応する宛先端末(10ab,10ba,10db)のそれぞれの端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」が抽出されることになる。
次に、端末状態取得部505は、上記端末抽出部504によって抽出された宛先端末10Bの候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)を検索キーとして、端末管理DB5003(図10参照)を検索し、上記端末抽出部504によって抽出された端末ID毎に稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)を読み出すことにより、遠隔通信端末(10ab,10ba,10db)の各稼動状態を取得する(ステップ27)。
次に、送受信部501は、上記ステップ27で使用された検索キーとしての端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)と、対応する宛先端末(10ab,10ba,10db)の稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)とが含まれた宛先状態情報を、通信ネットワーク2を介して要求元端末10aaに送信する(ステップS28)。これにより、要求元端末10aaは、この要求元端末10aaと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補である遠隔通信端末(10ab,10ba,10db)の現時点のそれぞれの稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)を把握することができる。
更に、遠隔通信管理装置500の端末抽出部504は、ログイン要求してきた要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図11参照)を検索し、上記要求元端末10aaの端末ID「01aa」を宛先端末10Bの候補として登録している他の要求元端末10Aの端末IDを抽出する(ステップS29)。図11に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末10Aの端末IDは、「01ab」、「01ba」、及び「01db」である。
次に、遠隔通信管理装置500の端末状態取得部505は、上記ログイン要求して来た要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末状態管理DB5003(図10参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末10aaの稼動状態を取得する(ステップS30)。
そして、送受信部501は、上記ステップS29で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、及び「01db」)に係る遠隔通信端末(10ab,10ba,10db)のうち、端末管理DB5003(図10参照)で稼動状態が「ONライン」となっている遠隔通信端末(10ba,10db)に、上記ステップS30で取得された要求元端末10aaの端末ID「01aa」と稼動状態「ONライン」が含まれる宛先状態情報を送信する(ステップS31−1,S31−2)。なお、送受信部501が遠隔通信端末(10ba,10db)に宛先状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図10に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末10aaを宛先として遠隔通信することができる他の宛先端末(10db,10ba)のぞれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び稼動状態「ONライン」を伝えることができる。
一方、他の遠隔通信端末10でも、上記ステップ21と同様に、利用者が図3に示されている電源スイッチ109をONにすると、図4に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付け、上記ステップS22〜S31−1,2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図20を用いて、中継装置30を絞り込む処理を説明する。なお、図20では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。また、本実施形態においては、要求元端末10aaは、宛先の候補としての遠隔通信端末10のうち、上記ステップS28によって受信した宛先状態情報により、稼動状態がONラインである遠隔通信端末(10ba,10db)の少なくとも一方と遠隔通信を行うことができる。そこで、以下では、要求元端末10aaの利用者が、宛先端末10dbと遠隔通信を開始することを選択した場合について説明する。
まず、利用者が図2に示されている操作ボタン108を押下して遠隔通信端末10dbを選択すると、図4に示されている操作入力受付部12は、遠隔通信端末10dbとの遠隔通信を開始する要求を受け付ける(ステップS41)。そして、遠隔通信端末10aaの送受信部11は、遠隔通信を開始したい旨のメッセージ、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び宛先端末10dbの端末ID「01db」が含まれる開始要求情報を、遠隔通信管理装置500へ送信する(ステップS42)。これにより、遠隔通信管理装置500の送受信部501は、上記開始要求情報を受信すると共に、送信元である要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。そして、状態管理部503は、開始要求情報に含まれる要求元端末10aaの端末ID「01aa」及び宛先端末10dbの端末ID「01db」に基づき、端末管理DB5003(図10参照)の端末管理テーブルにおいて、上記端末ID「01aa」及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS43)。なお、この状態では、要求元端末10aaと宛先端末10dbは、遠隔通信(通話)を開始していないが、通話中状態となり、他の遠隔通信端末10が要求元端末10aa又は宛先端末10dbと遠隔通信しようとすると、いわゆる通話中状態を示す旨の音声又は表示が出力される。
次に、ステップS44〜S48、及びステップS61−1〜66により、中継装置30を選択するための処理を説明する。まず、セッションID生成部506aは、要求元端末10aaと宛先端末10dbとの間で開始される通話データ用セッションsedを識別するためのセッションIDを生成する(ステップS44)。そして、セッション管理部507は、記憶部5000のセッション管理DB5005(図12参照)に、上記ステップS44で生成されたセッションID「se1」、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び宛先端末10dbの端末ID「01db」を関連付けて記憶して管理する(ステップS45)。
次に、遠隔通信管理装置500の一次絞込部506は、中継装置管理DB5001、端末管理DB5003、及び優先度管理DB5006に基づいて、要求元端末10aaと、宛先端末10dbとの遠隔通信を中継するための中継装置30の一次絞り込みを行う(ステップS46)。
ここで、図21を用いて、ステップS46における処理を更に詳細に説明する。まず、端末IPアドレス抽出部506bは、要求元端末10aaから送られてきた開始通信情報に含まれている要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及宛先端末10dbの端末ID「01db」に基づいて、端末管理DB5003(図10参照)を検索することにより、対応する遠隔通信端末(10aa,10db)のIPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)を抽出する(ステップS46−1)。次に、一次選択部506cは、中継装置管理DB5001(図8参照)で管理されている中継装置30の稼動状態のうち、「ONライン」になっている中継装置(30a,30b,30d)の各中継装置ID(111a,111b,111d)を選択する(ステップS46−2)。また、一次選択部506cは、上記ステップS46−1で抽出された、要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」、及び宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に基づいて、中継装置管理DB5001(図8参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって選択された中継装置(30a,30b,30d)の各IPアドレス(「1.2.1.2.」,「1.2.2.2」,「1.3.2.2」)のドットアドレス毎に、上記要求元端末10aa及び宛先端末10dbの各IPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)における各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する(ステップS46−3)。
次に、優先度決定部506cは、優先度管理DB5006(図13参照)を参照して、上記ステップ46−3によって調査された中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントを決定する(ステップS46−4)。この決定処理の結果を表に表すと、図22に示されているような状態になる。なお、図22は、中継装置30の絞り込み処理を行う際の優先度のポイントの計算状態を示した図である。この図22では、中継装置ID毎に、アドレス優先度のポイント、伝送速度優先度のポイント、及び統合ポイントが示されている。また、アドレス優先度のポイントは、更に、各中継装置30の要求元端末10aaに対するポイント及び宛先端末10dbに対するポイントが示されている。統合ポイントは、アドレス優先度の2つのポイントのうちの高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントの合計である。
本実施形態では、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.同.異」であるため、図22に示されているように、アドレス優先度のポイントは「5」になる。また、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「3」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。更に、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.同.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「5」になる。
次に、図21に戻って、優先度決定部506dは、中継装置管理DB5001(図8参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図14参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって第1次絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置(30a,30b,30d)毎に伝送速度優先度のポイントを決定する(ステップS46−5)。本実施形態では、図8に示されているように、中継装置30aの最大データ伝送速度が100(Mbps)であるため、図14に示されている伝送速度優先度を参照すると、伝送速度優先度が3ポイントになる。また、同様に、中継装置30bの最大データ伝送速度について計算すると1000(Mbps)であるため、伝送速度優先度が5ポイントになる。また同様に、中継装置30dの最大データ伝送速度について計算すると10(Mbps)であるため、伝送速度優先度が1ポイントになる。
次に、一次選択部506cは、中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントにおいて遠隔通信端末(10aa,10db)のうち高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択する(ステップ46−6)。本実施形態では、図22に示されているように、中継装置ID(111a,111b,111d)は、それぞれ統合ポイントが「8」、「8」、「6」であるため、中継装置ID「111a」に係る中継装置30a、及び中継装置ID「111b」に係る中継装置30bが選択されることになる。
以上のステップS46における絞り込み処理が終了すると、図4に示されている送受信部501は、通信ネットワーク2を介して、宛先端末10dbへ、上記絞り込まれた中継装置30の数を伝達するための中継装置絞込情報を送信する(ステップS47)。この中継装置絞込情報には、上記ステップ46によって絞り込まれた中継装置30の数「2」、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び上記セッションID「se1」が含まれている。これにより、遠隔通信端末10dbは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30の数がいくつで、どの遠隔通信端末10からテレビ会議を開始したいとの要求があったのかを把握することができると共に、中継装置絞込情報の送信元である遠隔通信管理装置500のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
そして、遠隔通信端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理装置500へ、上記中継装置絞込情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する(ステップS48)。この受信完了情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、遠隔通信管理装置500は、セッションID「se1」で実行されている中継装置数の伝達が完了した旨と共に、送信元である宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、図23を用いて、宛先端末10aaが中継装置30を選択する処理を説明する。なお、図23では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、遠隔通信管理装置500は、テレビ会議を開始する前に、上記ステップS46によって絞り込まれた中継装置(30a,30b)のそれぞれに対して、事前に中継を要求する旨の事前中継要求情報を送信する(ステップS61−1,2)。この事前中継要求情報には、セッションID「se1」、要求元端末10aaのIPアドレス「01aa」、及び宛先端末10dbが含まれている。これにより、中継装置(30a,30b)は、どのセッションのものであるか、要求元端末10Aが何であるか、及び宛先端末10Bが何であるかを把握することができると共に、事前中継要求情報の送信元である遠隔通信管理装置500のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)のそれぞれは、送受信部31から通信ネットワーク2を介して、上記ステップS61−1,2によって把握した要求元端末10aaへ、テレビ会議の開始前に自装置としての各中継装置(30a,30b)へ、後述のping(Packet Internet Groper)が含まれた事前送信情報を送信させる旨を示す事前送信要求情報を送信する(ステップS62−1,2)。この事前送信情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、要求元端末10aaは、セッションID「se1」で実行されている中継装置30の選択処理において、各中継装置(30a,30b)に事前送信情報を送信することを把握すると共に、事前送信要求情報の送信元である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」,「1.2.2.2」)を把握することができる。
なお、遠隔通信管理装置500から直接、要求元端末10baに対して、宛先端末10dbのIPアドレスを通知せずに、上記ステップ61−1のように中継装置10aaに対して宛先端末10dbのIPアドレスを通知し、上記ステップ61−2のように中継装置10aaが要求元端末10baに対し、自装置(中継装置10aa)に対して事前送信要求情報を送信するように要求するのは、各遠隔通信端末10には、他の遠隔通信端末10のIPアドレスを知らせないようにして、セキュリティーを確保するためである。
次に、要求元端末10aaは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置(30a,30b)へ事前送信情報を送信する(ステップS63−1,2)。この事前送信情報は、画像データ及び音声データの送信に先立って、これら画像データ及び音声データの代わりに各中継装置(30a,30b)を介して宛先端末10dbへ送信されることで、要求元端末10aaの送信から宛先端末dbの受信までの所要時間を計測するために用いられる情報である。また、この事前送信情報には、要求元端末10aa、中継装置(30a,30b)、及び宛先端末10dbが通信可能に接続されていることを確認するためのping、要求元端末10aaから事前送信情報が送信された送信日時、及びセッションID「se1」が含まれている。これにより、各中継装置(30a,30b)は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元である要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)は、上記ステップS61−1,2によって受信した事前中継要求情報に含まれている宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、上記事前送信情報を中継する(ステップS64−1,2)。これにより、宛先端末10dbは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元(中継元)である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」,「1.2.2.2」)を把握することができる。
次に、宛先端末10dbの最終絞込部16は、事前送信情報に基づいて、最終的にテレビ会議で画像データ及び音声データを中継する1つの中継装置30に絞り込む(ステップ65)。
ここで、図4及び図24を用いて、ステップS65における処理を更に詳細に説明する。まず、図4に示されている最終絞込部16の計測部16aは、各中継装置(30a,30b)によって中継された事前送信情報毎に、遠隔通信端末10dbの送受信部11で受信した際の受信日時を計測する(ステップS65−1)。次に、算出部16bは、上記受信時間が計測された事前送信情報毎に、上記受信日時と上記事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、各事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する(ステップS65−2)。次に、最終選択部16cは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継予定の中継装置30の数「2」に相当する数の事前送信情報を全て受信したかを判断する(ステップS65−3)。そして、全て受信していない場合には(NO)、最終選択部16cは、遠隔通信端末10dbで事前送信情報を受信してから所定時間(ここでは1分間)経過したかを判断する(ステップS65−4)。更に、所定時間経過していない場合には(NO)、上記ステップS65−1に戻る。一方、上記ステップ65−3において、全て受信した場合(YES)、又は上記ステップS65−4において、所定時間経過した場合(YES)には、最終選択部16cは、これまでに算出部16cで算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報を中継した中継装置30を1つ選択する(ステップS65−5)。本実施形態では、中継装置30aによって中継された事前送信情報が、中継装置30bによって中継された事前送信情報よりも送信から受信までの所要時間が短かったものとして、中継装置30aが選択される例を示している。
なお、上記実施形態では、宛先端末10db側で中継装置30aが絞り込まれたが、これに限るものではなく、宛先端末10dbが要求元端末10aa又は遠隔通信管理装置500へ、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を示した所要時間情報を全て送信することで、要求元端末10aa側又は遠隔通信管理装置500側で、最終的に1つの中継装置30aが絞り込まれるようにしてもよい。
次に、宛先端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理装置500へ、中継装置30aを選択した旨を示す選択情報を送信する(ステップS66)。この選択情報には、セッションID「se1」、及び、選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」が含まれている。これにより、遠隔通信管理装置500は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30aが選択されたことを把握できると共に、選択情報の送信元である遠隔通信端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、遠隔通信管理装置500のセッション管理部507は、セッション管理DB5005(図12参照)のセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」が含まれるレコードの中継装置IDのフィールド部分に、上記最終的に1つに選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」を記憶して管理する(ステップS67)。そして、遠隔通信管理装置500の送受信部501は、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、中継を開始する旨の要求が示された中継開始要求情報を送信する(ステップS68)。この中継開始要求情報には、中継される要求元端末10aa及び宛先端末10dbの各IPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)が含まれている。これにより、中継装置30aは、遠隔通信端末(10aa,10db)の間で、低解像度、中解像度、及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音声データを遠隔通信するための通話データ用セッションsedを確立する(ステップS69)。これにより、遠隔通信端末(10aa,10db)は、テレビ会議を開始することができる。
なお、上記ステップS47において、遠隔通信管理装置500が宛先端末10dbに中継装置絞込情報を送信することに伴い、ステップS48〜S64−1,2を経て、宛先端末10db側で中継装置の選択処理(ステップS65)を行ったが、これに限るものではなく、上記ステップS47において、遠隔通信管理装置500が要求元端末10aaに中継装置絞込情報を送信することで、その後ステップS64−1,2までは、各情報の送信元と受信元が、要求元端末10aaと宛先端末10dbとで入れ替わるようにしてもよい。これにより、要求元端末10aaが上記ステップS65に替わって中継装置の選択処理を行うことができ、また、上記ステップS66に替わって選択情報の送信も行うことができる。
続いて、図4及び図25を用いて、要求元端末10aaと宛先端末10dbとの間で、テレビ会議を行うために、画像データ及び音声データを送受信する処理を説明する。まず、要求元端末10aaは、通話データ用セッションsedによって、撮像部14aで撮像された被写体の画像データ、及び音声入力部15aで入力された音声の音声データを、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ送信する(ステップS81)。なお、本実施形態では、図6に示されている低解像度、中解像度、及び高解像度の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信している。これにより、中継装置30aでは、送受信部31で上記3つの解像度の画像データ及び音声データを受信する。そして、データ品質確認部33が、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理DB3001(図7参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質を抽出することで、中継する画像データの画像の品質を確認する(ステップS82)。本実施形態では、確認された画像データの画像の画質が「高画質」であり、送受信部31で受信した画像データの画質と同じであるため、通話データ用セッションsedによって、そのままの画質の画像データ、及びそのままの音質の音声データで、宛先端末10dbに転送する(ステップS83)。これにより、宛先端末10dbは、送受信部11で画像データ及び音声データを受信し、画像表示制御部14bがディスプレイ118に上記画像データに基づく画像を表示させると共に、音声出力部15bが音声データに基づく音声を出力させることができる。
次に、遠隔通信端末10dbの遅延検出部17は、送受信部11で受信された画像データの受信の遅延時間を一定時間毎(例えば、1秒毎)に検出する(ステップS84)。なお、本実施形態では、遅延時間が200(ms)である場合について、以下説明を続ける。
宛先端末10dbの送受信部11は、管理情報用セッションseiによって、通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理装置500へ、遅延時間「200(ms)」を示す遅延情報を送信する(ステップS85)。これにより、遠隔通信管理装置500は、遅延時間を把握すると共に、遅延情報の送信元である遠隔通信端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、遠隔通信管理装置500の遅延時間管理部510は、上記宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、端末管理DB5003(図10参照)を検索することで、対応する端末ID「01db」を抽出し、更に、セッション管理DB5005(図12参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」のレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間「200(ms)」を記憶して管理する(ステップS86)。
次に、品質決定部508は、上記遅延時間「200(ms)」を検索キーとして、品質管理DB5007(図15参照)を検索し、対応する画像データの画質「中画質」を抽出することで、画質を「中画質」に決定する(ステップS87)。
次に、送受信部501は、セッション管理DB(図12参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」に関連付けられている中継装置ID「111a」を検索キーとして、中継装置管理DB5001(図8参照)を検索し、対応する中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」を抽出する(ステップS88)。そして、送受信部501は、管理情報用セッションseiによって、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、上記ステップ87によって決定された画像データの画質「中画質」を示す品質情報を送信する(ステップS89)。この品質情報には、上記ステップS86において検索キーとして用いた宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」が含まれている。これにより、中継装置30aでは、変更品質管理部34が、変更品質管理DB3001(図7参照)に、送信先の遠隔通信端末10(ここでは、宛先端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」、及び中継される画像データの画質「中画質」を関連付けて記憶して管理する(ステップS90)。
次に、遠隔通信端末10aaは、引き続き上記ステップS81と同様に、通話データ用セッションsedによって、中継装置30aへ、低画質、中画質、及び高画質の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信する(ステップS91)。これにより、中継装置30aでは、上記ステップS82と同様に、データ品質確認部33が、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理DB3001(図7参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質「中画質」を抽出することで、中継される画像データの画像の品質を確認する(ステップS92)。本実施形態では、確認された画像データの画質が「中画質」であり、送受信部31で受信された画像データの画質「高画質」よりも低くなるため、データ品質変更部35は、画像データの画質を「高画質」から「中画質」に抑制することで、画像データの画像の品質を変更する(ステップS93)。そして、送受信部31は、通話データ用セッションsedによって、通信ネットワーク2を介して遠隔通信端末10dbへ、上記画像データの画質が「中画質」に変更された画像データ、及び音声の音質が変更されていない音声データを送信する(ステップS94)。このように、画像データを受信する宛先端末10dbで、受信の遅延が生じた場合には、中継装置30aは画像の品質を変更し、テレビ会議に参加している人に違和感を与えないようにすることができる。
続いて、図26を用いて、遠隔通信端末10aaと遠隔通信端末10dbとの間で通話データ用セッションsedを開始する際に、遠隔通信端末10aaが、この開始に基づく時点を時間情報管理テーブル(図5参照)に登録する処理を説明する。ここで、この開始に基づく時点とは、課金等の目的で定められる通話データ用セッションsedの通信時間の始点となる時点を意味し、遠隔通信端末10aaが遠隔通信管理装置500にログインしてから通話データ用セッションsedが確立(ステップS69)されるまでの所定の時点が用いられる。具体的には、ログイン要求情報(図19のステップs22参照)、認証結果情報(図19のステップs25参照)、開始要求情報(図20のステップS42参照)などの管理情報が遠隔通信端末10aaと遠隔通信管理装置500との間で通信される時点が挙げられる。本実施形態では、開始要求情報が遠隔通信管理装置500に送信される際に遠隔通信端末10の時計119から取得される時刻を開始に基づく時点とする。
遠隔通信端末10aaの送受信部11が遠隔通信管理装置500に開始要求情報を送信した後(図19のステップs22)、時刻登録部20は時計119から現在の時刻を取得する(ステップS101)。次に、時刻登録部20は取得された時刻(開始時刻情報)を時間情報管理テーブル(図5参照)に登録して処理を完了する。
続いて、図20及び図27を用いて、ログ管理システム550がオンラインログを登録する処理を説明する。ここでは、処理の一例として、遠隔通信管理システム50が、遠隔通信端末10aaと遠隔通信端末10dbとの間の通話データ用セッションsedの開始に基づくオンラインログを登録する処理について説明する。
遠隔通信端末10aaから開始要求情報が受信されると(図20のステップS42参照)、遠隔通信管理装置500の送受信部501は、この開始要求情報から遠隔通信の開始に基づく管理情報と、要求元端末10aaの端末ID「01aa」と、を抽出する。続いてセッションID生成部506aによってセッションIDが生成されると(図20のステップS44)、送受信部501は、抽出された管理情報及び端末IDと生成されたセッションIDとをログ管理システム550に送信する(ステップS111)。ログ管理システム550の送受信部551がこれらの情報を受信すると、オンラインログ登録部552は、記憶・読出処理部509を介してログ管理DB5501に受信された端末IDに対応するログ管理テーブル(図16参照)があるか否かを判断する(ステップS112)。ここで、対応するログ管理テーブルがない場合には、オンラインログ登録部552は、記憶・読出処理部509を介してこの端末IDに対応するログ管理テーブルを作成する(ステップS113)。続いて、オンラインログ登録部552は、登録される情報を識別するためのログIDを作成する(ステップS114)。更に、オンラインログ登録部552は、ログ管理システム550により管理される時計から現在の時刻を取得する(ステップS115)。本実施形態では、この時計としてはログ管理システム550の時計219が用いられる。更に、オンラインログ登録部552は、記憶・読出処理部509を介して端末ID「10aa」に対応するログ管理テーブル(図16参照)に作成されたログID、取得された時刻(開始時刻管理情報)、受信された管理情報及びセッションIDを登録して処理を完了する(ステップS116)。
上記の例では、通話データ用セッションsedの開始に基づくオンラインログを登録する処理を説明したが、通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報が受信された場合も、同様に時刻(終了時刻管理情報)、終了に基づく管理情報、セッションIDが登録される。このようにして、ログ管理テーブルの同じセッションIDに関連付けられる終了時刻管理情報と開始時刻管理情報の差分から通信時間が算出されるので、ログ管理システム550は通信時間を管理することができる。この場合、開始時刻管理情報及び終了時刻管理情報はログ管理システム550により管理される時計219から取得される時刻に基づき作成されるので正確な遠隔通信の時間が算出される。
続いて、図28を用いて、遠隔通信端末10aaが、遠隔通信端末10dbとの間の通話データ用セッションsedを終了させる際にこの終了に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信できない場合に、この終了に基づく時点を時間情報管理テーブルに登録する処理を説明する。ここで、この終了に基づく時点とは、課金等の目的で定められる通話データ用セッションsedの通信時間の終点となる時点を意味し、通話データ用セッションsedが切断されてから遠隔通信端末10aaの電源OFFが受け付けられるまでの間の所定の時点が用いられる。このような終了に基づく時点としては、通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報が遠隔通信管理装置500に送信される時点や、この終了に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信できない場合に時間情報管理テーブルに終了時刻情報が登録される時点等が挙げられる。本実施形態では、終了時刻情報が登録される時刻を終了に基づく時点とする。
遠隔通信端末10aaの送受信部11が遠隔通信管理装置500に通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報を送信した後(ステップs121)、接続状態検知部18は遠隔通信端末10aaと遠隔通信管理装置500との間の管理情報用セッションseiが中断されているか判断する(ステップs122)。この場合、接続状態検知部18は、終了に基づく管理情報の送信に対し、所定の応答があれば管理情報用セッションseiが中断されていないと判断することができる。また、接続状態検知部18は、この所定の応答がなかった場合、或は、エラーメッセージを受信した場合に管理情報用セッションseiが中断されていると判断することができる。管理情報用セッションseiが中断されていないと判断された場合には(ステップS122のNO)、時刻削除部22は時間情報管理テーブルに登録された開始時刻情報を削除する(ステップS123)。これは、通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報が遠隔通信管理装置500に送信されており、遠隔通信端末10aaが時間情報を送信する必要がないためである。
ステップS122で管理情報用セッションseiが中断されていると判断された場合には(ステップS122のYES)、時刻登録部20は、遠隔通信端末10aaの時計119から現在の時刻を取得する(ステップS124)。次に、遠隔通信端末10aaの時刻登録部20は取得された時刻(終了時刻情報)とセッションIDとを時間情報管理テーブル(図5参照)に登録して処理を完了する。尚、セッションIDとしては、ステップS62−1(図23参照)で取得されるセッションIDが用いられる。本実施形態では、終了時刻情報を時間情報管理テーブルに登録するタイミングで時刻登録部20がセッションIDを登録しているが、ステップS62−1の処理の後の所定のタイミングでセッションIDを登録しても良い。
続いて、図29を用いて、遠隔通信端末10aaが遠隔通信管理装置500にログインして次の管理情報用セッションseiが開始されたときに、通話データ用セッションsedの開始に基づく時点から終了に基づく時点までの時間を示す時間情報を遠隔通信管理装置500に送信する処理を説明する。遠隔通信管理装置500の操作入力受付部12によって電源ONが受け付けられた後、時刻取得部21は時間情報管理テーブル(図5参照)で、開始時刻情報、及び終了時刻情報が管理されているか否かを確認する(ステップS131)。開始時刻情報及び終了時刻情報が記憶されていない場合には(ステップS131のNO)、時間情報を送信する必要がないため、処理を終了する。開始時刻情報及び終了時刻情報が管理されている場合には(ステップS131のYES)、時刻取得部21は、時間情報管理テーブルから開始時刻情報、終了時刻情報、及びセッションIDを取得する(ステップS132)。続いて、時刻取得部21は、取得された終了時刻情報によって示される時刻と開始時刻情報によって示される時刻との差分の時間(時間情報)を算出する(ステップS133)。例えば、図5の時間情報管理テーブルのように終了時刻時刻情報によって示される時刻が「2010.2.3.10:35」であり、図5の時間情報管理テーブルのように開始時刻情報によって示される時刻が「2010.2.3.9:30」である場合、差分の時間として「1:05」が算出される。続いて、送受信部11は、時間情報と、遠隔通信端末10aaの端末ID「10aa」と、遠隔通信IDと、通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報「bye」とを含む送信データを遠隔通信管理装置500に送信する(ステップS134)。尚、オフラインの状態のために送信できなかったメッセージが送信されることを伝達するために、送受信部11はその旨が示された情報を送信しても良い。時間情報を送信するタイミングは遠隔通信端末10aaが遠隔通信管理装置500にログインして次の管理情報用セッションseiが開始されてからログアウトするまでの間であれば良く制限はない。時間情報が送信されると、時刻削除部22は、時刻管理テーブルに登録された開始時刻時刻、終了時刻情報、及びセッションIDを削除する(ステップS135)。
続いて、図30を用いて、ログ管理システム550がオフラインログを登録する処理を説明する。ここでは、この処理の一例として、遠隔通信端末10aaと遠隔通信端末10dbとの間の通話データ用セッションsedに基づく時間情報が遠隔通信端末10aaから送信された場合に、ログ管理システム550がオフラインログを登録する処理について説明する。
遠隔通信端末10aaから時間情報を含む送信データを受信すると、遠隔通信管理装置500の送受信部501は、この送信データに含まれる遠隔通信端末10aaの端末ID「01aa」と、セッションID(ここでは「se80」とする)と、差分(ここでは「1:05」とする)、及び終了に基づく管理情報「bye」を抽出してログ管理システム550に送信する(ステップS141)。ログ管理システム550の送受信部551がこれらの情報を受信すると、オフラインログ登録部553は、記憶・読出処理部509を介して、通話データ用セッションsedの開始に基づく管理情報「invite」及びセッションID「se80」を検索キーとして、ログ管理DB5501に構築されたログ管理テーブル(図16参照)を検索する(ステップS142)。図16のログ管理テーブルの場合、検索の結果、ログID「025」のログ情報が出力される。続いて、オフラインログ登録部553は、出力されたログ情報に含まれる時刻管理情報(開始時刻管理情報)「2010.2.3.9:32」を取得する(ステップS143)。オフラインログ登録部553は取得された開始時刻管理情報「2010.2.3.9:32」によって示される時刻に時間情報「1:05」によって示される時間を加算して終了時刻「2010.2.3.10:37」(終了時刻管理情報)を得る(ステップS144)。続いて、オフラインログ登録部553は、登録される情報を識別するログIDを作成する(ステップS145)。更に、オフラインログ登録部553は、記憶・読出処理部509を介して端末ID「10aa」に対応するログ管理テーブル(図16参照)に作成されたログID、終了時刻管理情報「2010.2.3.10:37」、通話データ用セッションsedの終了に基づくメッセージ「bye」及びセッションID「se80」を登録して処理を完了する(ステップS146)。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように本発明によれば、遠隔通信端末10は、遠隔通信管理装置500との間の管理情報用セッションseiで他の遠隔通信端末との間の通話データ用セッションsedの開始又は終了に基づく管理情報を通信するとともに、この開始から終了までの時間を管理する。また、遠隔通信端末10は、通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信できなかった場合に、次の管理情報用セッションseiが開始されると管理されている時間を遠隔通信管理装置500に送信する。これにより、遠隔通信管理装置500は、開始に基づく管理情報が受信されたときに取得された時刻とこの時間に基づき通話データ用セッションsedの終了に基づく時刻を正確に算出することを実現することができる。尚、通常の通話データ用セッションの時間(数分〜数時間)に生じる一般的な情報処理装置の時計の誤差は極めて小さいので、このセッションの開始から終了までの時間が遠隔通信端末10で管理される時計に基づき求められる場合であっても、終了に基づく時刻を正確に算出することができる。
また、本実施形態によれば、遠隔通信端末10は、通話データ用セッションsedの開始に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信する際に前記開始に基づく時点を管理し、通話データ用セッションsedの終了に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信できない場合に終了に基づく時点を管理する。これにより、遠隔通信端末10は、通話データ用セッションsedの開始に基づく時点から終了に基づく時点までの時間を管理することができる。
また、本実施形態によれば、遠隔通信端末10が、少なくとも前記終了に基づく管理情報が前記遠隔通信管理システムに送信されるまで前記開始に基づく時点を管理し、少なくとも前記時間情報が前記遠隔通信管理システムに送信されるまで前記終了に基づく時点を管理する。これにより、開始時刻情報及び終了時刻情報が管理されているか否かに基づき、遠隔通信管理システム50に時間情報を送付すべきであるか否かを判断することができる。
また、本実施形態によれば、遠隔通信端末10が、管理情報用セッションseiの中断を検知し、管理情報用セッションseiの中断が検知された場合に終了の時点を管理する。これにより、通話データ用セッションsedが通信されるセッションが終了されたときに、遠隔通信端末10が終了時刻情報を登録すべきであるか否かを判断することができる。
また、本実施形態によれば、ログ管理システム550が、遠隔通信端末10から通話データ用セッションsedの開始に基づく情報を受信した場合に自システムにより管理される時計から取得される時刻を示す開始時刻情報を管理し、遠隔通信端末をから時間情報が受信された場合に、開始時刻情報によって示される時刻と前記時間情報によって示される時間とを加算して算出される時刻を示す終了時刻情報を管理する。これにより、遠隔通信端末10の時計及びログ管理システム550の時計の同期が取れていない場合であっても、遠隔通信管理システム50は、通話データ用セッションsedの終了時刻を正確に管理することができる。
また、本実施形態によれば、通信ネットワーク2のうち、中継装置30のIPアドレス等のLAN2の環境を入手することができたとしても、インターネット2iの環境までは入手することは困難であるため、まずは入手できる環境の情報から、画像データ及び音声データを中継する複数の中継装置30うち2つ以上に絞り込む。そして、次に複数の遠隔通信端末10の間で画像データ及び音声データを実際に送受信する前に、画像データ及び音声データに替えて、事前送信情報を送受信させてみることで、実際に最も早く事前送信情報を中継することができる1つの中継装置30に絞り込むことができるという効果を奏する。
即ち、遠隔通信端末10のIPアドレスの何れかに近い上位2つ以上のIPアドレスがそれぞれ割り当てられている中継装置30を選択することで、最終的に使用される中継装置30の候補を2つ以上残すことができる。これにより、その後、実際に候補としての各中継装置30を介して、要求元端末10Aと宛先端末10Bの間で事前送信情報を送受信することで、上記2つ以上の候補の中継装置30のうち、送受信に要した所要時間が最短の事前送信情報を中継した中継装置30に絞り込むことができる。よって、現状の通信ネットワーク2の環境下で最大限に高品質の画像データ又は音声データを送受信することを実現することができるという効果を奏する。
また、本実施形態では、中継装置30を絞り込む際に、テレビ会議を行う遠隔通信端末10のIPアドレスに近いIPアドレスの中継装置30を優先的に選択するだけでなく、各中継装置30における最大データ伝送速度も考慮して、2つ以上の中継装置30が選択されている。これにより、現実の通信ネットワーク2の環境に即した中継装置30の候補を絞り込むことができるという効果を奏する。
更に、本実施形態では、中継装置30を絞り込む際に、稼動状態がONラインである中継装置30の中から絞り込むため、現実のネットワーク2の環境に更に即した中継装置30の候補を絞り込むことができる。
<<実施形態の補足>>
なお、上記各実施形態における遠隔通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
また、上記本実施形態の遠隔通信端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び遠隔通信管理用プログラムが記憶された記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHD204、及びこのHD204を備えたプログラム提供システム90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、上記遠隔通信端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び遠隔通信管理用プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
更に、上記実施形態では、接続状態検知部18は、通話データが通信されるセッションの終了に基づく管理情報を遠隔通信管理装置500に送信し、所定の応答があれば管理情報が通信されるセッションが中断されていないと判断し、所定の応答がなかった場合、或は、エラーメッセージを受信した場合にこのセッションが中断されていると判断したが、これに限られるものではない。他の例として、接続状態検知部18が、一定の間隔で所定の信号(例えばTCP(Transmission Control Protocol)におけるkeep−alive信号)を遠隔通信管理装置500との間で送信又は受信することにより、このセッションの中断を検知することができる。この場合、接続状態検知部18がこのセッションの中断を検知した場合に、その旨を示す情報をディスプレイ118に表示させてユーザに通知することもできる。
更に、上記実施形態では、遠隔通信端末10が開始時刻情報によって示される時刻と終了時刻情報によって示される時刻の差分を算出して遠隔通信管理システム50に送信したが、これに限られるものではない。他の例として、遠隔通信端末10が遠隔通信管理装置500に開始時刻情報と終了時刻情報とを送信し、遠隔通信管理システム50がこれらの情報の差分を算出しても良い。
更に、上記実施形態では、図7に示されている変更品質管理テーブル、及び図15に示されている品質管理テーブルによって、中継装置30で中継される画像データの画像の品質の一例として、画像データの画像の解像度に着目して管理したが、これに限られるものではなく、品質の他の例として、画像データの画質の深度、音声データの音声におけるサンプリング周波数、音声データの音声におけるビット長などに着目して管理してもよい。
また、図8、図10、及び図12では、受信日時について管理しているが、これに限るものではなく、受信日時のうち少なくとも受信時間を管理すればよい。
更に、上記実施形態では、図8で中継装置のIPアドレス、図10で遠隔通信端末のIPアドレスを管理することとしたが、これに限るものではなく、通信ネットワーク2上で中継装置30を特定するための中継装置特定情報、又は通信ネットワーク2上で遠隔通信端末10を特定するための端末特定情報であれば、それぞれのFQDN(Fully Qualified Domain Name)を管理してもよい。この場合、周知のDNS(Domain Name System)サーバによって、FQDNに対応するIPアドレスが取得されることになる。なお、「通信ネットワーク2で中継装置30を特定するための中継装置特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における中継装置30への接続先を示した中継装置接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における中継装置30への宛先を示した中継装置宛先情報」と表現してもよい。同じく、「通信ネットワーク2で遠隔通信端末10を特定するための端末特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における遠隔通信端末10への接続先を示した端末接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における遠隔通信端末10への宛先を示した端末宛先情報」と表現してもよい。
また、上記実施形態では、遠隔通信システム1の一例として、テレビ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等の電話システムであってもよい。また、遠隔通信システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、遠隔通信端末30の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、遠隔通信端末30の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。