本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では遊技状態がRBの場合には2、それ以外の遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス(以下ではビッグボーナスをBBとする)中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留する遊技媒体貯留部材としてのホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すための払出手段としてのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなる遊技媒体払出装置としてのホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留される補助遊技媒体貯留部材としてのオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材(遊技媒体検出片)からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留された導電性(金属製)のメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。尚、オーバーフロータンク35の詳細な構造に関しては後述することとする。
電源ボックス100の前面には、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態がレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)では2枚、それ以外の遊技状態では3枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行うタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行うメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、図5に示すように、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電子部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
具体的には、図5に示すように、スタートスイッチ7は遊技制御基板40と配線接続され、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34b及び払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電子部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このようにスタートスイッチ7を除く各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施例では、筐体1a)所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、100、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電子部品は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
遊技用電子部品と基板とはケーブルを介して接続されており、遊技用電子部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、コネクタ同士の接続を解除することで分離可能とされている。また、これら遊技用電子部品は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品や演出制御基板90との接続を解除する必要があるため、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品とを接続するケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板40を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。
しかし、このように遊技制御基板40と遊技用電子部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、例えば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となってしまう。
打ち込み器具とは、例えば遊技電子部品から遊技制御基板40に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板40に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、例えば遊技店等において、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板40に入出力して遊技を自動的に進行させることで、例えば特別役が当選した状態等を容易に設定することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン、さらには後述するRB、BBのうちより有利度の高いBBが当選している可能性が高い状態に設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞がある。
このため本実施例では、前述したように、遊技用電子部品のうちスタートスイッチ7のみを遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620bとケーブル600bのケーブル側コネクタ610bとの接続及びスタートスイッチ7の部品側コネクタ640bとケーブル側コネクタ630bとの接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。
また、コネクタ規制部材650は、特に詳細な図示はしないが、解除規制部位を破壊しない限り取り外し不能とされており、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続を解除するためには、解除規制部位を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続が解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正営業をより効果的に抑制することができる。
尚、本実施例では、遊技制御基板40とスタートスイッチ7とは中継基板を経由することなく接続され、コネクタ接続を遊技制御基板40及び電子部品(スタートスイッチ7)側でのみ行えば済むため、配線接続が簡素化されているが、1つまたは複数の中継基板を経由して接続される場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、上記不正営業をより効果的に防止できる。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電子部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35及びゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電子部品32L、32C、32R、34のうち、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができないスタートスイッチ7(スタートスイッチ7からの信号が入力されなければゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施例では、ドア開放検出スイッチ25がケーブルを介して遊技制御基板40と接続されているが、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されると、前面扉1bが開放された際に、その旨を遊技制御基板に搭載されたメイン制御部41が検出することができず、ドア開放報知やドア開放信号の出力が行われなくなるため、前面扉1bが開放されて不正行為がなされてもその発見が遅れてしまう虞があるため、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続にコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよく、このようにすることで、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタ同士の接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことを効果的に防止できる。
また、本実施例では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われるスタートスイッチ7を除く複数の電子部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
尚、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品及びドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
本実施例では、図6に示すように、遊技制御基板40を基板ケース300に収容した状態でスロットマシンの筐体1aに取り付けるとともに、基板ケース300を構成する上部ケースの封止片と下部ケースの封止片とを固着することにより、封止片を破壊しなければ、基板ケースを開放し、収容された遊技制御基板40へのアクセスを不能とすることで遊技制御基板40への不正を困難としている。しかしながら、このままでは、封止片が外部に露呈しているため、封止片を破壊して基板ケースを開放することが比較的容易であり、封止片を破壊して基板ケースに収容された遊技制御基板40に不正がなされる可能性があり、これら不正に対する対策が依然として不十分である。
このため本実施例では、基板ケースの封止片を覆う被覆部材が取り付けられる。これにより基板ケースの封止片が被覆部材に被覆され、封止片に直接アクセスすることが不可能となり、被覆部材を取り外さなければ、封止片を破壊することが不可能となり、封止片を破壊し、上部ケースと下部ケースとを開放して遊技制御基板40を取り出すのに非常に困難な作業を要することとなるため、遊技制御基板40を不正な基板に交換するといった不正行為を効果的に防止することができる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板(図示略)を介してホールコンピュータ(図示略)などのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、内部当選フラグ、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる6種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化3は、BB終了時に行う初期化であり、初期化3では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化4では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化5は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化5では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1、初期化2を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施例においてメインCPU41aは、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、リセット操作(リセットスイッチ23、またはリセット/設定スイッチ38の操作)がなされるまでゲームの進行を不能動化する満タンエラー状態に制御する。満タンエラー状態に制御されると、メインCPU41aは遊技補助表示器12に満タンエラーである旨を示すエラーコードを表示させるとともに、後述するエラーコマンドを演出制御基板90に送信(出力)し、これに基づきサブCPU91aは、所定のエラー音を出力させるとともに、液晶表示器51の表示領域51aに満タンエラー状態となった旨を表示させる。
尚、本実施例では、外部から投入されたメダルはまずホッパータンク34aに貯留され、ホッパータンク34aが満タンとなって溢れたメダルがオーバーフロータンク35に貯留されるようになっており、このオーバーフロータンク35の満タン状態が満タンセンサ35aによって検出され、満タン状態が判定されるようになっているが、オーバーフロータンク35を設けず、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上となったか否かを検出する満タンセンサを設け、ホッパータンク34aの満タン状態を満タンセンサによって検出し、満タン状態を判定するようにしても良い。また、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上か否かを検出する第1の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサがホッパータンク34aの満タンを検出した場合に、投入メダルの流路をオーバーフロータンク35側に切り替えるとともに、オーバーフロータンク35の満タン状態を検出する第2の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサ及び第2の満タンセンサの一方または双方の検出に基づいて満タン状態を判定するようにしても良い。例えば、第2の満タンセンサが満タン状態を検出している場合でも、ホッパータンク34aに貯留されたメダルが払い出されて第1の満タンセンサが満タン状態を検出しない場合があり、この場合には再度投入メダルの流路をホッパータンク34a側に切り替えることで、双方のタンクが満タン状態となるまでメダルを貯留することができる。さらにこのような場合には、第2の満タンセンサのみが満タン状態を検出していても満タン状態とは判定せず、第1の満タンセンサ及び第2の満タンセンサの双方が満タン状態を検出したときに満タン状態と判定することで、満タン状態と判定される頻度を一層低減することが可能となる。
メインCPU41aは、満タンセンサ35aから出力される検出信号の出力状況をタイマ割込処理において2.24ms毎に行うスイッチ入力判定処理において監視している。スイッチ入力判定処理においては、他のスイッチ類(スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなど)の入力判定を行う場合には、offの状態からonの状態に切り替わり、連続して一定期間(スイッチの種類毎に割り当てられた回数)スイッチのonが判定されたことを条件に、該スイッチのon状態を判定し、当該スイッチの検出フラグをRAM41cに設定するようになっているが、満タンセンサ35aについては、offの状態からonの状態に切り替わるのみで、満タンセンサ35aのon状態を判定し、当該センサの検出フラグをRAM41cに設定するようになっている。これは、満タンセンサ35aが他のスイッチ類よりも高い電圧で駆動されており、ノイズなどが発生しても電圧のブレが少なく、誤検出が発生しにくいからである。このようにスイッチ入力判定処理において、満タンセンサ35aの検出信号がoffからonに変化するのみで満タンセンサ35aのon状態を判定するようになっており、offからonに変化してからの継続時間などを計時する必要がなく、満タンセンサ35aの検出状態の判定に係る制御を簡素化することができる。
メインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態(検出フラグの有無)に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonの状態であれば満タン状態と判定し、満タン状態を示す満タンフラグをRAM41cに設定するが、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、そのゲームが終了するまでメダルの投入を許可しないようになっており、メダルの投入が有効に検出されることはなく、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されないようになっている。また、メインCPU41aは、メダルの投入が許可されていない状態であっても投入メダルセンサ31の検出自体を行うが、仮にリプレイゲーム中にメダルの投入が検出されたとしても、有効なメダルの投入とは判定せず、この場合にも満タン状態か否かの判定は省略される。また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合にも、メダルの投入を検出しないので、このような場合にも、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。
また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否か、すなわち満タン状態と判定されたか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。つまりメインCPU41aは、満タンセンサ35aによりメダルが検出されたときに、満タン状態である旨を出力する貯留量出力手段を構成している。
また、ゲーム制御終了後、満タンフラグが設定されているか否かの判定を行う前に、リプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているか否か、すなわち当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タンフラグが設定されているか否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンフラグが設定されていても満タンエラー状態には制御せず、そのリプレイゲームが終了し、リプレイゲームでなければ、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行われる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、BB中であるか、RB中であるか等)、現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後及びゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨及び設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。
操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上有効な状態であるか、無効な状態であるか(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されたおらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。)、を示すコマンドであり、これらスイッチの検出状態が変化したときに、その操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
通常コマンド送信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
本実施例においてメインCPU41aは、0.56msの間隔でタイマ割込処理を実行する。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1〜4が繰り返し行われるようになっており、これらタイマ割込1〜4に固有な処理が2.24msの間隔で行われることとなる。そして、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を行うコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。
一方、サブCPU91aでは、後述する受信用バッファにバッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行った場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
しかしながら、本実施例では、前述のようにメインCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行するとともに1回のコマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、及び操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドのうちの1つのみ送信することで、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で128個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う。
尚、本実施例では、サブCPU91aがタイマ割込処理(サブ)を行う時間間隔(1.12ms)が、メインCPU41aがコマンドを送信する時間間隔(2.24ms)よりも短い間隔であるため、通常のゲームに伴う動作が行われていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されることとなり、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはなく、メインCPU41aから送信されたコマンドを受信すると、その後最初に行われるタイマ割込処理(サブ)によって受信したコマンドは読み出され、コマンドに対応する処理が行われる。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
制御パターンテーブルには、特定のコマンド(待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、サブCPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨及びその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
サブCPU91aは、その起動時にRAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰可能な否かに関わらず、実際に演出を開始する前に、初期化コマンドまたは電源投入コマンドのいずれかを受信するまで待機する。そしてこの状態で初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cのデータをクリアする。また、この状態で特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を示す告知演出を実行し、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、電断前の演出状態に復帰可能であれば復帰し、復帰不能であればデモ演出を実行する。また、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信待ちの状態では、コマンドの受信に基づき演出を実行するタイマ割込処理の実行は許可されないようになっており、他のコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドに基づく演出が行われることはなく、起動後、初期化コマンドまたは電源投入コマンドを受信して、タイマ割込処理の実行が許可されるまでは、何らの演出も行われることはない。
このため、電源投入時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行われることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン、さらには後述するRB、BBのうちより有利度の高いBBが当選している可能性が高い状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(スタートスイッチ7)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材650を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、その旨を報知することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、遊技状態として、レギュラーボーナス(RB)、通常遊技状態があり、このうちRBでは賭数の規定数として2が定められており、それ以外の遊技状態では賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBであれば、賭数として2が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、それ以外の遊技状態であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、RBでは賭数として2が定められた時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることなり、RB以外の遊技状態では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス、レギュラーボーナスが、小役として1枚、スイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役及び役の組み合わせについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役及び役の組み合わせの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組み合わせの判定値数から、特別役、小役、再遊技役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役または再遊技役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の小役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の再遊技役が重複して当選する判定値の範囲、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は排他的なものではなく、1ゲームにおいて複数種類の役が同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、筐体1aの構造について、図2及び図6に基づいて説明する。
筐体1aは、図6に示すように、天板200a、左側板200b、右側板200c、底板200d、背板200eにより前面が開口する箱状に形成されている。天板200aの前端辺内側には上部枠板210aが取り付けられ、左側の側板200bの前端辺内側には左側部枠板210bが取り付けられ、右側の側板200cの前端辺内側には右側部枠板210cが取り付けられ、底板200dの前端辺内側には底部枠板210dが取り付けられている。これら上部枠板210a、左側部枠板210b、右側部枠板210c、底部枠板210dは金属板にて形成され、それぞれの前端部が天板200a、左側板200b、右側板200c、底板200dの前端縁よりも若干前方に突出するように取り付けられており、前面扉1bにより筐体1aの前面開口を閉塞した状態において、これら枠板の前端部が前面扉1b側に進入して筐体1aと前面扉1bとの隙間が閉塞されるようになっている。これにより筐体1aと前面扉1bとの隙間から針金等の異物を内部に挿入することが困難となるため、針金等による不正行為が防止される。
左側部枠板210bには、前面扉1bの左側辺を回動自在に枢支するための枢軸220a,220bが上下にそれぞれ形成され、右側部枠板210cには、前面扉1bの右側辺の上下に設けられた係止フック(図示略)が係止される被係止片221a,221bが上下にそれぞれ形成されており、前面扉1bの右側辺を、筐体1aの前面開口を閉塞する閉塞位置にて係止できるようになっている。尚、右側部枠板210cには前面扉1bを施錠するための施錠装置(図示略)が取り付けられる。
底部枠板210dは、平面視略T字形に形成され、その長手方向中央後部に形成されるホッパーユニット34の載置面部222cには、ホッパーユニット34を前方に引き出し自在に収納するための左右一対のガイドレール222a,222bが前後方向に向けて固着されている。
天板200aと左側板200bとの接合辺、左側板200bと底板200dとの接合辺、底板200dと右側板200cとの接合辺、天板200aと右側板200cとの接合辺の内側には、縦断面L字形の棒状の金属板からなる補強枠板230a〜230dが前後方向に向けて取り付けられ、互いに隣接する板同士を連結している。
また、天板200aと左側板200bとの接合辺、左側板200bと底板200dとの接合辺、底板200dと右側板200cとの接合辺、天板200aと右側板200cとの接合辺の外側には、縦断面L字形の棒状の金属板からなる補強枠板231a〜231dが前後方向に向けて取り付けられ、互いに隣接する板同士を連結している。
天板200a、左側板200b、右側板200c及び底板200dと背板200eとのそれぞれの接合辺内側には、縦断面L字形の金属板からなる補強枠板240a〜240dがそれぞれ前後・左右方向に向けてそれぞれ取り付けられ、互いに隣接する板同士を連結している。
また、天板200a、左側板200b、右側板200c及び底板200dと背板200eとのそれぞれの接合辺外側には、縦断面L字形の金属板からなる補強枠板241a〜241dがそれぞれ前後・左右方向に向けてそれぞれ取り付けられ、互いに隣接する板同士を連結している。
これら上部枠板210a、左側部枠板210b、右側部枠板210c、底部枠板210d、補強枠板230a〜230d、補強枠板240a〜240dは、各枠板の端部同士が連結されていることで、互いに一体化された枠状の躯体を構成している。また、補強枠板231a〜231d、補強枠板241a〜241dについても、各枠板の端部同士が連結されていることで、互いに一体化された枠状の躯体を構成している。
底板200dにおける右側板200cの近傍位置には、後述するようにオーバーフロータンク35から排出されるメダルを、筐体1aの下方に設けられる後述するメダル搬送回収路270(図7(b)参照)に排出させるための縦長のメダル回収用開口250が形成されている。
また、背板200eの内面右側下部には、所定長さを有する左右一対の棒状の導電部材(金属片)からなる満タンセンサ35a,35aの後端が取り付けられている。これら満タンセンサ35a,35aは、背板200eの内面から前方に向けて突出するように、かつ、互いに離間して設けられており、その前方に配置されるオーバーフロータンク35内に挿通され、オーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを検出できるようになっている。
このように構成された筐体1aの内部には、リールユニット2、基板ケース300、電源ボックス100、ホッパーユニット34、オーバーフロータンク35及び図示しない各種装置や基板等が設置される。詳しくは、リールユニット2は、背板200eの内面中央位置よりもやや上方位置に取り付けられ、基板ケース300は、背板200eの内面上部に取り付けられる。
底板200dの上面の中央位置に設けられた載置面部222c上にはホッパーユニット34が設置され、その左側に電源ボックス100が設置されるとともに、右側にオーバーフロータンク35が設置される。電源ボックス100は、左側板200bの内面に近接して設置される(図7参照)。
左側板200bの内面上部における前後方向の中央位置には、遊技制御基板40と電源基板101とを配線接続するためのケーブル600cを壁面に保持するためのケーブルバンド280が取り付けられている。ケーブル600cは、工場において筐体1aの製造及び装置等の組み付けを行う際において、両端に設けられたケーブル側コネクタ610c,611cを遊技制御基板40と電源基板101とに配線接続する前にケーブルバンド280に保持される(図6参照)。その後、筐体1a内に基板ケース300及び電源ボックス100が組み付けられた状態で、長手方向の所定箇所が予めケーブルバンド280に保持されているケーブル600cの両端のケーブル側コネクタ610c,611cを、遊技制御基板40の基板側コネクタ620c(図5参照)と電源基板101の基板側コネクタ621c(図5参照)とにそれぞれ接続する。
このように、筐体1aの上部に設けられる基板ケース300内に収納された遊技制御基板40と、筐体1aの下部に設けられる電源ボックス100内に収納された電源基板101と、を配線接続する上下方向を向くケーブル600cの長手方向の所定箇所を左側板200bの垂直な内面の上部に予め保持した状態で、その両端のケーブル側コネクタ610c,611cを遊技制御基板40と電源基板101とに配線接続できるようにしたことで、上下のケーブル側コネクタ610c,611cを間違えることなく接続できるばかりか、ケーブル側コネクタ610c,611cを接続した後にリールユニット2と左側板200bの内面との間に形成される幅狭スペースにケーブル600cを上下方向に配線する必要がないため、配線接続作業が容易になる。
また、例えば機種変更に応じて遊技制御基板40を交換する際に、ケーブル600cの上端側のケーブル側コネクタを遊技制御基板40の基板側コネクタから抜脱した場合に、ケーブル側コネクタ610cが底板200d上まで落下することなく、コネクタの接続位置よりも手前側の所定高さ位置で保持されるため、交換された遊技制御基板40の基板側コネクタ620cに容易に、かつ間違えることなく接続することが可能となる。尚、ケーブルバンド280にはケーブル600c以外のケーブルをまとめて保持してもよい。
図6及び図7に示すように、ホッパーユニット34の上部には、上面が開口するホッパータンク34aが形成されている。ホッパータンク34aは、メダル投入部4から投入され、前面扉1bの後面に設けられたメダルセレクタにより誘導されたメダルが貯留されるようになっている。ホッパータンク34aの右側の側壁には、ホッパータンク34aから溢れたメダルをオーバーフロータンク35内に排出するためのメダル排出口34dが形成されているとともに、ホッパータンク34a内に貯留されたメダルをオーバーフロータンク35に誘導するオーバーフロー誘導樋34eが設けられている。オーバーフロー誘導樋34eは、ホッパータンク34a内部からメダル排出口34dを挿通して外部まで突出されており、その先端はオーバーフロータンク35の上部に配置される。
オーバーフロータンク35は、特に図7に示すように、底板200dの右側に形成されたメダル回収用開口250の上部に取り出し可能に配置される。後述するように、その底面は開閉可能とされ、図7(a)に示すように、メダルを内部に貯留可能な第1の形態(排出口を閉塞)と、図7(b)に示すように、メダルを下方に排出可能な第2の形態(排出口を開放)と、に変更可能とされている。よって、例えば遊技店内に複数設置される各スロットマシン1のホッパータンク34a内にメダルを補給するメダル補給装置(図示略)及びホッパータンク34aから溢れたメダルを回収するメダル回収装置(図7(b)参照)が導入されていない遊技店(図7(a)参照)及び導入されている遊技店(図7(b)参照)双方の営業形態に対応して使用することができるようになっている。
尚、メダル補給装置(図示略)及びメダル回収装置が導入されている遊技店においては、図7(b)に示すように、筐体1aを設置するための設置板260に、該設置板260上に設置される各筐体1aに形成されたメダル回収用開口250に連通するメダル回収用連通口261が形成されているとともに、設置板260の下方には、オーバーフロータンク35の底面から排出され、メダル回収用開口250及びメダル回収用連通口261を介して落下するメダルを受けて、図示しないメダル回収部に向けて搬送して回収するメダル搬送回収路270が、複数の筐体1aの設置方向に向けて延設されている。このように、メダル補給装置(図示略)及びメダル回収装置が導入されている遊技店においては、各スロットマシン1のホッパータンク34aが少なくなると適宜メダルが補給されるとともに、各スロットマシン1のホッパータンク34aが満杯になった場合は、ホッパータンク34aから溢れて落下し、オーバーフロータンク35に貯留されることなくそのまま筐体1aの外部に排出され、メダル搬送回収路270にて回収されるようになっている。
次に、オーバーフロータンク35の詳細な構造について、図8〜図14に基づいて説明する。尚、図11及び図13の下側を前面側、上方を後面側、左方を左側、右方を右側として説明する。また、図10において、左側面図は右側面図と同一であるため省略している。
図8及び図9に示すように、オーバーフロータンク35は、合成樹脂材からなる前壁501、後壁502、左側壁503、右側壁504及び底壁505により上面が開口する直方体形状をなし、外形が平面視長方形状に形成されるとともに、底壁505にメダルを排出可能な排出口510が形成されたタンク本体500と、タンク本体500に装着され、排出口510を閉塞可能な排出規制部材としての蓋板550と、から構成されている。
蓋板550は、その左側辺が底壁505の左側辺に回動自在に軸支され、図8に示すように、排出口510を閉塞して該排出口510からのメダルの排出を規制する閉塞位置(規制位置)と、図9に示すように、閉塞位置から上方に回転して左側壁503まで退避し、排出口510を開放して該排出口510からメダルを排出可能とする開放位置(退避位置)と、の間の約95度の回動範囲内で回動(移動)自在に設けられている。
タンク本体500の周面を構成する前壁501、後壁502、左側壁503、右側壁504は、タンク本体500を成型する金型からの抜き勾配を形成するために上方に向けて外方に広がるように傾斜して設けられている(図10参照)。前壁501の上部は前方に突出され、前取手部506を形成するための段部が形成され、また、後壁502の上部は後方に突出され、後取手部507を形成するための段部が形成されている。また、後壁502には、左右一対の満タンセンサ35a,35aがそれぞれ挿通される丸穴状のセンサ挿通穴508a,508bがそれぞれ左右に形成されている。これらセンサ挿通穴508a,508bの直径は、棒状の満タンセンサ35a,35aの上下幅寸法よりも長寸で、かつ、メダルの直径よりも小寸に形成され、メダルが流出しない大きさに形成されている。
尚、本実施例では、センサ挿通穴508a,508bが後壁502にのみ形成されていたが、前壁501にも同様にセンサ挿通穴508a,508bを形成し、タンク本体500の前後を反転させても使用できるようにしてもよい。この場合、タンク本体500を前後線対称形状とすることが好ましい。
底壁505は、前壁501、後壁502、左側壁503、右側壁504の下端よりも若干上方位置に底上げされている。図13及び図14に示すように、底壁505において蓋板550が配置される領域には凹部505bが形成されており、該凹部505b内には、前述したメダル回収用開口250よりも若干小さい排出口510が平面視縦長長方形状に形成されているとともに、該排出口510の周囲には、蓋板550を下方から受支する水平な受支片511が平面視略C字状に形成されている。
この受支片511の上面511aは、底壁505の上面505aよりも蓋板550の肉厚分下方位置に配置されているため、蓋板550が受支片511の上面511aに載置され、排出口510を閉塞する閉塞位置に配置されたときに、該蓋板550の上面550aと底壁505の上面505aとが略面一となり、これら上面550a,505aによりタンク本体500の底面が構成されるようになっている。
受支片511の右側辺部における中央位置には切欠部512が形成され、該切欠部512には、蓋板550に形成された係止片551aが係止される被係止部513が、底壁505の周縁から内向きに突設されている(図12(b)参照)。一方、受支片511の左側辺部における被係止部513との対向位置には、蓋板550に形成される収容凹溝555の下面を収容するための凹溝514が左右方向に向けて形成されている。
受支片511の左側辺部における前後位置には、軸支片形成用穴515a,515bが左側壁503に沿って形成されているとともに、これら軸支片形成用穴515a,515bの上方位置には、後述する蓋板550の軸部554a,554bを軸支するための軸支片516a,516bが設けられている。軸支片516a,516bは、特に図12(a)及び図14(a)に示すように、左側壁503の内面における軸支片形成用穴515a,515bの直上位置から内方に向けて水平に突設される板状片からなり、その先端部には、蓋板550の軸部554a,554bの逸脱を防止するための突出部517が下向きに形成されている。
左側壁503の内面における前後方向の中央位置には、図8に示す開放位置に退避した蓋板550を左側壁503に係止するための係止部としての係止突起520が形成されている。係止突起520は、半球状に形成され、左側壁503の内面から内向きに突設された上下方向を向くリブ521の上端面521aの先端部に上向きに突設されている(図14(b)中拡大図参照)。つまり、水平なリブ521の上端面521a及び上向きの係止突起520により、上向きに屈曲したフック状の係止部を構成している。
リブ521は、左側壁503の内面下部から中央部にかけて、タンク本体500を成型するための金型(図示略)の抜き方向(上方向)に延設され、内側端面521bは垂直面に形成されている。これにより、左側壁503の内面側に突出する上向きの係止突起520を、左側壁503とともに一体成型できるようになっている。
より詳しくは、図14(b)に示すように、リブ521は側面視略三角形状に形成され、その水平な上端面521aの先端部に形成された係止突起520と左側壁503の内面との間には、蓋板550の被係止口556が嵌合される嵌合部が形成され、蓋板550を左側壁503側に傾倒させて、左側壁503の内面に沿うように寄せた状態で係止できるようになっている。
蓋板550は、図9、図12及び図14に示すように、合成樹脂材により外形が平面視略長方形状をなす板材にて、タンク本体500とは別個に設けられ、前述した底壁505の上面に凹設された凹部505b内に上方から嵌合可能な形状をなし、該凹部505b内に嵌合された状態において、その下面周縁部が受支片511にて下方から受支され、その下方に形成された排出口510を閉塞する閉塞位置に保持される。これにより、閉塞位置に配置された蓋板550の上方に貯留されるメダルの荷重が掛かっても、該蓋板550の下面周縁部が下方から支持されるため、蓋板550が排出口510から下方に抜け落ちることが防止される。
蓋板550の右側辺における長手方向の中央位置には、上方及び右側方に開放する凹部551が形成され、該凹部551の一部に、タンク本体500に形成された被係止部513に係脱自在な縦断面L字形の係止片551aが形成されている。係止片551aは、蓋板550が閉塞位置に位置した状態において被係止部513の端部下面に係止され、蓋板550を閉塞位置に保持できるようになっている(図14(b)参照)。尚、被係止部513の先端面は、上方に向けて右向きに傾斜するテーパ面として形成され、係止片551aの先端面は、下方に向けて左向きに傾斜するテーパ面として形成されていることで、蓋板550を上方から閉塞位置に配置する際において、係止片551aの先端面が被係止部513の先端面により僅かに左側に案内されることで被係止部513の下面側に回り込んで係止される。
蓋板550の左側辺(一側辺)における前後位置には、軸支片516a,516bを挿通可能な大きさを有する凹状の切欠部553a,553bがそれぞれ形成されているとともに、これら切欠部553a,553bの外側には、前後方向を向く円柱状の軸部554a,554bがそれぞれ架設されている。つまり軸部554a,554bは、蓋板550の一側辺(左側辺)に沿って形成され、図12(a)及び図14(a)に示すように、受支片511と軸支片516a,516bとの間にタンク本体500の内側から嵌合され、左側壁503と受支片511との接合辺(底面505aの左側辺)に沿って保持される。
尚、受支片511の上面と突出部517の下面との間の離間幅は軸部554a,554bの直径よりも幅狭であり、軸支片形成用穴515a,515bは弾性変形可能に形成されていることで、軸部554a,554bを受支片511と軸支片516a,516bとの間に押し込むことにより、軸支片516a,516bの先端が僅かに上方に撓み、これにより軸部554a,554bが突出部517の内側に入り込む。そして、軸支片516a,516bが弾性復帰することで、軸部554a,554bの逸脱が突出部517により規制され、軸部554a,554bが左側壁503と受支片511(底壁505)との接合辺に沿って保持される。つまり、これら軸支片516a,516bと受支片511とは、蓋板550の左側辺に設けられた軸部554a,554bを、左側壁503と受支片511との接合辺に回動自在に軸支する軸支手段を構成している。
また、軸部554a,554bは、受支片511と軸支片516a,516bとの間に保持された状態において、その上端と軸支片516a,516bの下面との間に僅かな隙間(遊び)が形成されることで(図12(a)参照)、僅かに上下動可能に軸支されている。
蓋板550には、蓋板550を開放位置に退避した際に、リブ521を収容可能な深さを有する上向きに開放する収容凹溝555が、左側辺の長手方向中央位置から左右幅方向の中央位置まで延設されている。収容凹溝555の中央側の端部には、特に図12(b)及び図14(b)に示すように、係止突起520に上方から嵌合可能な被係止口556が形成されている。
このように、リブ521に対応する箇所に収容凹溝555が形成されることで、図14(b)に示すように、蓋板550を開放位置に退避させたときにリブ521が収容凹溝555内に収容されて干渉が防止されるため、蓋板550を左側壁503の内面に沿うように配置することができる。そして左側壁503の内面は、前述したように上方に向けて外方に傾斜するように形成されていることで、蓋板550を垂直姿勢から僅かに外側に傾倒させた傾倒姿勢で開放位置に安定して保持することができる。
また、リブ521を収容凹溝555内に収容する際に、蓋板550を僅かに上昇させて被係止口556の上方の端縁部を係止突起520上を乗り越えさせた後、蓋板550を下降して被係止口556を係止突起520に嵌合させることで、蓋板550における被係止口556の上方の端縁部が、蓋板550の自重により係止突起520と左側壁503の内面との間の嵌合凹部内に嵌合される。これにより蓋板550における被係止口556の上方の端縁部が係止突起520に係止され、閉塞位置方向への回転が規制されるため、開放位置から閉塞位置まで不用意に復帰することが防止される。係止状態を解除するには、蓋板550を自重に抗して僅かに上昇させて逆方向に回転させればよい。
また、蓋板550が開放位置において左側壁503の内面側に傾倒して配置されることにより、蓋板550の右側辺(軸部554a,554bが形成された左側辺と対向する対向側辺)、つまり開放位置における少なくとも上端辺が左側壁503の内面に密接(当接)することで、開放位置において、蓋板550の右側辺と左側壁503の内面との間が閉鎖されてメダルが内部に入り込むことが防止されるため、メダルが蓋板550と左側壁503との間に入り込んで滞留することなく、確実に排出口510から排出することができる。
また、図14(a)に示すように、左側壁503における軸部514a,514b(蓋板550の回動中心)の配置位置から上端までの高さ寸法P1は、蓋板550の左右幅寸法P1、つまり軸部514a,514bの軸心(回動中心)から右側辺までの回転半径L2よりも長寸とされているため、蓋板550が開放位置にて係止突起520に係止された状態において、その右側辺(上端辺)が左側壁503の上端よりも上方に張り出すことなく、タンク本体500内部に収納されるようになっているため、その上方に位置するホッパータンク34aと干渉することがない(図7(b)参照)。
図9、図12及び図14に示すように、蓋板550の下面には、蓋板550の撓みを防止するための枠状の補強用リブ557が下向きに突設されている。補強用リブ557は、排出口510よりも若干小さい枠状に形成され、蓋板550を閉塞位置に配置した際に、排出口510内に入り込むようになっている。
このように構成されたオーバーフロータンク35は、図7及び図15に示すように、筐体1aの底板200dの右側上面に設置して使用される。より詳しくは、後壁502の後取手部507後端が筐体1aの背板200e内面に近接し、かつ、右側壁200cの上端辺が右側板200c内面に近接した状態で右側板200cと背板200eとの角部に配置される。さらにこのとき、前壁501の下端が底部枠板210dの後端側に配置されることで、右方向及び前後方向の位置ずれが規制される。
オーバーフロータンク35が底板200dの右側後角部の設置位置に設置された状態において、背板200eの内面から突設された満タンセンサ35a,35aがセンサ挿通穴508a,508bを挿通して、タンク本体500内部における所定高さ位置に配置される。よって、タンク本体500内部に貯留されたメダルが所定量に達した場合に、所定高さ位置に互いに離間配置される左右一対の満タンセンサ35a,35aが、貯留された導電性のメダルにより通電し、検出信号がメイン制御部41に出力される。
また、設置位置に設置された状態において、排出口510が底板200dに形成されたメダル回収用開口250の直上に配置され、排出口510とメダル回収用開口250とが連通する。尚、メダル回収用開口250は排出口510よりも大きいため、排出口510から排出されたメダルが設置板260におけるメダル回収用開口250の周囲に滞留することはない。
また、タンク本体500の上面開口、つまりホッパータンク34aから溢れでたメダルを受け入れる受入口が、オーバーフロー誘導樋34eの先端下方に配置されるため、オーバーフロー誘導樋34eの先端から落下したメダルは、タンク本体500内に貯留されるか、もしくは排出口510、メダル回収用開口250、メダル回収用連通口261を通過してその下方のメダル搬送回収路270上に落下される。尚、オーバーフロー誘導樋34eの先端は、図15に示すように、排出口510の前部直上付近に配置される。
また、排出口510を開放して使用する場合、蓋板550はホッパータンク34a側の左側壁503内面側の開放位置に係止されることで、特に図15(a)に示すように、オーバーフロー誘導樋34eの先端位置(メダルの落下位置)よりも左側、つまりオーバーフロー誘導樋34eのメダルの流下方向の上流側に退避した位置に配置されるため、オーバーフロー誘導樋34eの先端から落下したメダルが、開放位置に退避した蓋板550上に直接落下することがほとんどないので、蓋板550が邪魔になることがない。また、使用時において落下するメダルにより蓋板550が損傷したり、落下したメダルの衝撃で係止突起520による係止状態が解除され、閉塞位置まで回転して排出口510が閉塞されてしまうことが回避される。
以上説明したように、本発明の実施例としてのオーバーフロータンク35は、底壁505に排出口510が形成されているとともに、左側辺に設けられた前後方向を向く軸部554a,554bが軸支片516a,516bにより軸支された蓋板550が、左側壁503と受支片511との接合辺を中心として、排出口510を上方から閉塞する閉塞位置と、該閉塞位置から左側壁503の内面側に退避して排出口510を開放する開放位置と、の間で回動自在に軸支されている。
よって、蓋板550を閉塞位置に配置することで、タンク本体500にメダルを貯留可能となるとともに、蓋板550を開放位置に配置することで、排出口510からメダルを排出可能となるため、メダルの補給・回収装置が導入されていない遊技店においては、蓋板550を閉塞位置に配置して使用し(図7(a)参照)、メダルの補給・回収装置が導入されている遊技店においては、蓋板550を開放位置に配置して使用することで(図7(b)、図15参照)、メダルの補給・回収装置の導入店、非導入店双方の営業形態に対応して使用することができる。
また、蓋板550は、軸部554a,554bが、軸支片516a,516bと受支片551との間に回動自在に軸支されることで、閉塞位置と開放位置との間でタンク本体500から分離することなく回動されるため、開放位置に退避させて使用する場合において、該蓋板550をタンク本体500から分離されて廃棄または紛失する虞や、遊技店側が別箇所に保管する必要がない。
また、蓋板550の左側辺に形成された軸部554a,554bを、タンク本体500の底面505a(受支片511)の左側辺に沿って回動自在に軸支するとともに、タンク本体500の左側壁503の内面に、開放位置において蓋板550を係止する係止突起520が設けられていることで、蓋板550を軸部554a,554bを中心として回転することにより、閉塞位置において左側壁503に沿って起立姿勢で寄せておくことができるため、メダルを排出口510から排出する際に蓋板550が邪魔になることがないとともに、左側壁503の係止突起520に係止されることで、開放位置から不用意に傾倒して閉塞位置に戻って排出口510からのメダルの排出を規制することが防止されるため、使用時において排出口510が閉塞されてしまう虞がない。
また、図14(a)に示すように、左側壁503における蓋板550の軸部554a,554bから上端までの高さ寸法P1を、蓋板550の軸部554a,554bを回動中心とした回動半径L2よりも長寸としたことにより、蓋板550を左側壁503の内面側の開放位置に退避させた状態において、蓋板550の右側辺部が左側壁503の上端よりも上方に張り出すことがないため、タンク本体500の設置位置周辺に、開放位置に退避した蓋板550の配置スペースを予め確保する必要がない。
具体的には、図7に示すように、オーバーフロータンク35の左側配置されるホッパーユニット34の上部が、左側壁503の上端直上に張り出すように配置される場合においても、開放位置に退避した蓋板550の上端辺がホッパーユニット34に干渉することがないため、オーバーフロータンク35の設置位置や大きさに制限が生じることがない。
さらに蓋板550は、開放位置に退避した状態において、左側壁503の内面側、つまりタンク本体500の内部に収容された状態で配置されることで、例えば図7及び図15に示すように、オーバーフロー35を右側板200cや背板200eに対して近接配置することができ、タンク本体500と右側板200cや背板200eとの間に、開放位置に退避した蓋板550の配置スペースを予め確保しておく必要がない。
また、蓋板550は、閉塞位置において、タンク本体500の底壁505の上面505aにおける排出口510の周縁に形成された受支片511により下方から受支されることで、タンク本体500内部に貯留されたメダルの荷重や、ホッパータンク34aから落下したメダルの衝撃が加わることにより蓋板550が排出口510から抜け落ちることが防止される。
また、蓋板550は、回動中心となる軸部554a,554b及び回動中心となる軸部554a,554bが設けられた左側辺と対向する対向側辺である右側辺が、左側壁503の内面に対して平行に設けられるとともに、開放位置において左側壁503の内面側に配置され、開放位置にて係止突起520に係止された状態において、少なくとも右側辺(開放位置における上端辺)が左側壁503の内面に当接するようになっているので、左側壁503と蓋板550との対向面間に隙間が形成され、落下するメダルが該隙間から左側壁503と蓋板550との対向面間に入り込み挟まれてしまい、排出口510から排出されなくなることや、左側壁503と蓋板550との対向面間に入り込んだメダルにより蓋板550が押されて係止状態が解除されることが防止される。尚、本実施例では、蓋板550の右側辺(開放位置における上端辺)のみが左側壁503の内面に当接するようになっていたが、回動中心となる軸部554a,554bを底面505aの左側辺及び左側壁503の内面に沿って設けることで、蓋板550の上面505aほぼ全域が左側壁503の内面に当接するようにしてもよい。
また、蓋板550に形成された被係止口556は、蓋板550に凹設された収容凹溝555の端面、つまり蓋板550の上面550aに対して直交する面に形成され、蓋板550の上面550aに露呈されないことで、蓋板550の上面550aに直接開口を形成する場合に比べて、蓋板550における被係止口556周縁の強度が低下しにくいばかりか、帯状の収容凹溝555が蓋板550に凹設されることにより、蓋板550の強度が向上するため、上方のオーバーフロー誘導樋34eから落下するメダルによる衝撃や、貯留されたメダルの荷重に対する耐久性が向上する。
尚、本実施例では、蓋板550を開放位置にて係止する係止部としての係止突起520が、左側壁503の内面に一体的に形成されていたが、タンク本体500とは別個の係止部材を取り付けてもよい。さらに、係止突起520が上向きに突設されることで、フック状の係止部として構成されていたが、弾性係止爪による係止部としてもよい。さらに、面ファスナー等により蓋板550を開放位置に維持してもよい。
また、タンク本体500の後壁502、すなわち、蓋板550を係止する係止部としてのリブ521の上端面521a及び係止突起520が設けられていない後壁502に、タンク本体500に貯留されたメダルを検出する遊技媒体検出手段としての満タンセンサ35a,35aを挿通可能とするセンサ挿通穴508a,508bが設けられていることで、例えば図15(a)に示すように、タンク本体500を筐体1a内における底板200d上に設置したときに、センサ挿通穴508a,508bからタンク本体500内部に突出する満タンセンサ35a,35aに、開放位置に退避した蓋板550が干渉することがないので、蓋板550に満タンセンサ35a,35aとの干渉を避けるための切欠部や穴部等を形成することなく、左側壁503に寄せることができる。
また、蓋板550を開放位置に配置して使用する場合(図7(b)参照)において、筐体1aに対するタンク本体500の設置位置を、センサ挿通穴508a,508bからタンク本体500内に挿通させた満タンセンサ35a,35aが開放位置に退避した蓋板550と干渉するために、蓋板550を閉塞位置に配置して使用する場合(図7(a)参照)におけるタンク本体500の設置位置よりも前方位置に配置するといったように、蓋板550を開放位置または閉塞位置に配置して使用する双方の場合においてタンク本体500の設置位置を前後にずらす必要がないので、本体部550の設置スペースを最小限に抑えることができる。
また、本実施例では、蓋板550の回動軸心となる軸部554a,554bと、満タンセンサ35a,35aと、がそれぞれ前後方向に向けて互いに略平行に配置されていることで、タンク本体500を筐体1a内に配置することにより、センサ挿通穴508a,508bから内部に突出する満タンセンサ35a,35aの側方近傍位置に、蓋板550を起立姿勢として開放位置に配置できるため、蓋板550と満タンセンサ35a,35aとの干渉を回避するためにタンク本体500を大型化しなくても、蓋板550をタンク本体500内にスペース効率よく退避させておくことができる。
尚、本実施例ではセンサ挿通穴508a,508bが、リブ521の上端面521a及び係止突起520が設けられていない後壁502に設けられていたが、言うまでもなく前壁501や右側壁504に形成されていてもよい。
また、満タンセンサ35a,35aの先端部を、蓋板550の回動範囲内まで突出して設けることで、例えば何らかの要因で蓋板550が開放位置から閉塞位置に向けて回転してしまった場合に、満タンセンサ35a,35aの先端部に当接して回転が規制されるため、閉塞位置まで回転して排出口510を閉塞することを防止できる。
次に、ストップスイッチ8L、8C、8Rを構成するストップスイッチユニット700の構造を、図16に基づいて説明する。尚、図16の左下を前面側、右上を後面側として説明する。
ストップスイッチユニット700は、ベース部材701と、ベース部材701の前面側に装着されるボタン本体702L、702C、702Rと、ベース部材701の前面を覆う前面カバー703と、ベース部材701の後面側に装着され、各ストップスイッチ8L、8C、8R及び左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが前面に配設されたストップスイッチ基板704と、ベース部材701の後面を覆う後面カバー705と、から主に構成される。
ベース部材701は、各ボタン本体702L、702C、702Rが前後方向に移動自在に嵌合されるボタン穴710L、710C、710Rが前面側に左右方向に並設されている。中央のボタン穴710Cの左右側には、ストップスイッチユニット700を前面扉1bの後面に設けられたストップスイッチ装着部(図示略)に固定するためのネジ750a,750bが挿通される挿通穴711a,711bと、前面カバー703をベース部材701の前面に取り付けるためのネジ751a,751bが後面側から取り付けられる取付穴713a,713bが形成されている。また、左右側面には、後面カバー705の係止爪742L,742Rが係止される係止溝712L,712Rが前後方向に向けて形成されている。
ボタン本体702L、702C、702Rは、後面が開口するとともに、前面に押圧面702a有する円筒状部材にて形成されており、内部には、図示しないコイルバネが設けられる。これらボタン本体702L、702C、702Rは、この図示しないコイルバネにより前方に付勢された状態でボタン穴710L、710C、710R内に前面側から装着され、前面扉1bに取り付けられた状態において、各押圧面702aを遊技者が押圧操作可能なように前面側に臨ませて配置される。
前面カバー703は、ボタン本体702L、702C、702Rの前部を挿通可能なボタン挿通穴720L、720C、720Rがそれぞれ並設されるとともに、前面における各ボタン挿通穴720L、720C、720Rの周囲には、ボタン本体702L、702C、702Rの周面を覆う円筒状のカバー筒721L、721C、721Rが前方に向けて突設されている。
中央のカバー筒721C左右側には、前述したネジ750a,750bが挿通される挿通穴722a,722bと、前述したネジ751a,751bが螺入されるネジ穴723a,723bが形成されており、ネジ751a,751bをネジ穴723a,723bに螺入してベース部材701の前面側に装着されることで、各ボタン本体702L、702C、702Rのベース部材701からの逸脱が規制されるようになっている。
ストップスイッチ基板704の前面には、各ストップスイッチ8L、8C、8R及び左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが前面に配設されるとともに、前述したネジ750a,750bが挿通される挿通穴730a,730bが形成されている。
後面カバー705は、前面側が開口する箱状に形成され、後面には、後面側から取り付けられるネジ750a,750bの頭部を収容するネジ収容凹部741a,741bが凹設されるとともに、このネジ収容凹部741a,741bの底面には取付穴740a,740bが形成されている。
後面カバー705の左右側には、ベース部材701の左右側面に形成された係止溝712L,712Rに係止される内向きの係止爪742L,742Rが先端に形成された弾性係止片742a,742aが、前方に向けて延設されており、これら係止爪742L,742Rを係止溝712L,712Rに弾性係止することで、ベース部材701の後面側に装着されるようになっている。
このように構成されるストップスイッチユニット700は、横長に形成された単一のベース部材701の前面側に、3つのボタン本体702L、702C、702Rが左右方向に並設され、その前面側が前面カバー703により覆われるとともに、ベース部材701の後面側に、ボタン本体702L、702C、702Rの押圧操作を検出する各ストップスイッチ8L、8C、8R及び左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが前面に配設されたストップスイッチ基板704が配置され、その後面側が後面カバー705により覆われて一体化されている。
そして、このように各部材や電子部品が一体化されたストップスイッチユニット700を、前面扉1bの後面に設けられたストップスイッチ装着部(図示略)に、前面扉1bの後面側からネジ750a,750bにより固定することで、各ボタン本体702L、702C、702Rの押圧面702aが、前記ストップスイッチ装着部に形成されたストップスイッチ穴(図示略)に臨むようになっている。
よって、例えば各ストップスイッチ8L、8C、8Rをそれぞれ個別にユニット化し、これら各ストップスイッチユニットを前記ストップスイッチ装着部に形成されたストップスイッチ穴(図示略)に前面側から取り付ける場合に比べて、各ボタン本体702L、702C、702Rの後部が単一のベース部材701により一体化されていることで、前面扉1bの前面側から抜き取ることが困難となるため、開放されたストップスイッチ穴(図示略)から針金等の異物を進入させて基板等にアクセスするといった不正行為を困難とすることができる。
また、万一ボタン本体702L、702C、702Rが前面扉1bの前面側から抜き取られてストップスイッチ穴(図示略)が開放された場合や、ボタン本体702L、702C、702Rの外周面とカバー筒721L、721C、721Rの内周面との間から針金等の異物が進入された場合でも、各ボタン穴710L、710C、710Rの後方には横長のストップスイッチ基板704が配設されているとともに、該ストップスイッチ基板704の後面側も後面カバー705により覆われているため、針金等の異物を筐体1aの内部まで進入させることは困難である。
尚、特に図示はしないが、互いに近接配置される1枚BETスイッチ5及び精算スイッチ10(図1参照)においても、これら1枚BETボタン本体及び精算ボタン本体双方が配置されるベース部材、前面カバー、スイッチ基板、後面カバーからなるBET清算スイッチユニットにて、ストップスイッチユニット700と同様にユニット化されているため、これら1枚BETスイッチ5及び精算スイッチ10の配置位置からの不正なアクセスが防止されている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例のオーバーフロータンク35は、上面が開口する直方体形状に形成されていたが、上面にメダルを受け入れる受入口が形成され、下面にメダルを排出する排出口を有するタンクであれば、その形状は特に限定されるものではなく、種々に変形可能である。また、排出口510及び蓋板550の形状も平面視長方形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、タンク本体500の上面開口全域がメダルの受入口として形成されていたが、上面の一部にのみ受入口が形成されていてもよい。また、底面の一部に排出口510がされていたが、底面全域を排出口としてもよい。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、蓋板550の一側辺がタンク本体500の底面の左側辺に回動自在に軸支されていたが、タンク本体500の底面505aの右側辺、前辺、後辺や、側辺以外の箇所、例えば排出口510の周縁等に軸支されていてもよいし、さらには側壁501〜504に軸支されていてもよい。
また、蓋板550は、その一側辺がタンク本体500における長方形状の底面505aの一側辺に沿って軸支されていた、つまり蓋板550の回動軸心は、タンク本体500の底面505aの一側辺に対して平行に設けられていたが、タンク本体500の底面505aのいずれの側辺に対しても平行に設けられていなくてもよい。
また、蓋板550は、その一側辺を中心として回動可能に設けられていたが、蓋板550の側辺以外の箇所(例えば前後・左右方向の中央位置等)に設けられた水平軸心を中心として水平方向に回動可能に設けられていてもよいし、あるいは、底面505aに対して直交する垂直軸心を中心として回動可能に設けられていてもよい。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、一側辺が軸支された1枚の蓋板550により排出口510を開閉するようになっていたが、例えば複数枚の蓋板550により排出口510を開閉するようにしてもよい。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、一側辺を中心にタンク本体500に対して回動自在に軸支された蓋板550により排出口510が開閉されるようになっていたが、例えば排出口510を開閉する蓋板550は、開放位置と開閉位置との間で直線的にスライド移動するものでもよい。
図17には、本発明の変形例としてのスライド式の蓋板1550a,1550bが採用されたオーバーフロータンク35’が示されている。このタンク本体500の底壁505の上面には、中央に排出口510が形成された縦長の凹部1552が凹設されている。凹部1552内には、前後一対の蓋板1550a,1550bが、前後移動自在に嵌合されており、これら蓋板1550a,1550bの左右外側面には、図17(b)(c)に示すように、凹部1552の左右内面長手方向に沿って延設されたガイド溝1551a,1551bに摺動自在に係合される前後方を向くガイド片1553a,1553bが外向きに突設されている。すなわち、ガイド溝1551a,1551b及びガイド片1553a,1553bは、蓋板1550a,1550bを凹部1552内において開放位置と閉塞位置との間で移動可能に保持する保持手段を構成している。
この蓋板1550a,1550bは、図17(a)(b)に示すように、排出口510を上方から閉塞する閉塞位置と、該閉塞位置からそれぞれ前後方向に退避して排出口510を開放する開放位置と、の間で前後移動自在に設けられている。このように、閉塞位置と開放位置との間を直線的にスライド移動する排出規制部材としての蓋板1550a,1550bにあっても、排出口510を開閉できるとともに、閉塞位置と開放位置との間においてタンク本体500から離脱することなく、さらに開放位置に退避した場合でもタンク本体500内部に収納されるため、前記実施例の蓋板550と同様の作用・効果が得られる。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、蓋板550が排出口510を上方から閉塞可能に配置されていたが、排出口510を下方から閉塞可能に設けてもよい。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、蓋板550を上方から閉塞可能な閉塞位置から、上方、つまり、タンク本体500の内部側に向けて約95度の回動範囲で回動可能に設けられ、開放位置においてタンク本体500の内部に収納されるようになっていたが、蓋板550を下方から閉塞可能な閉塞位置から、下方、つまり、タンク本体500の外部側に向けて回動可能に設け、開放位置においてタンク本体500の外部(例えば側壁の外面等)に配置されるようにしてもよい。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、排出口510からのメダルの排出を規制可能な排出規制部材として、排出口510を上方から閉塞可能な板状部材である蓋板550にて構成されていたが、排出口510からのメダルの排出を規制可能な排出規制部材であれば、必ずしも排出口510を閉塞可能な板状部材に限定されるものではなく、例えば複数の小穴が形成されたパンチングメタルや、メッシュ状または格子状の枠体等にて構成されていてもよい。
また、前記実施例のオーバーフロータンク35では、蓋板550はタンク本体500とは別個に成型された別部材にて構成されていたが、例えばタンク本体500の底壁505の一部に平面視コ字形の切り込みを形成し、底壁505における切り込みに囲まれた領域を切り離して上方または下方に回動可能な舌片とし、底壁505の一部を排出規制部材とするとともに、該排出規制部材としての舌片をその一側辺を回動中心として上方または下方に回動したときに開放される開口を排出口としてもよい。この場合、排出規制部材は底壁505の一部に形成されることになるので、排出規制部材は、閉塞位置と開放位置との間で分離することなく移動可能となる。
また、この場合、排出規制部材としての舌片はその一側辺を回動中心として閉塞位置と開放位置との間で回動可能としていたが、舌片を可撓性を有する素材にて形成し、該舌片自体を上方または下方に撓ませることにより排出口510を開閉できるようにしてもよい。
また、前記実施例では、メダル投入部4から投入され、前面扉1bの後面に設けられたメダルセレクタにより誘導されたメダル、つまりゲーム(遊技)に用いられたメダルが貯留されるホッパータンク34aにおいて、貯留されたメダルが所定量に達して(満杯)溢れた(オーバーフローした)メダルがオーバーフロータンク35に貯留されるようになっていたが、オーバーフロータンク35に貯留されるメダルは、ホッパータンク34aを経由するメダルに限定されるものではなく、例えばホッパータンク34aに満タンセンサ(図示略)を設けるとともに、前記メダルセレクタを流下するメダルの流路をホッパータンク34aまたはオーバーフロータンク35のいずれかに切り替え可能とし、ホッパータンク34aに貯留されたメダルが所定量に達して満杯になったことが検出された場合に、前記メダルセレクタを流下するメダルの流路をホッパータンク34aからオーバーフロータンク35に切り替え、前記メダルセレクタを流下したメダル、つまりゲームに用いられたメダルがホッパータンク34aを経由することなく直接オーバーフロータンク35に貯留されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例として、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定することでゲームが開始可能となるスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能であるとともに、所定条件の成立に基づいて遊技媒体が払い出される遊技機であれば、遊技媒体としての遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、いわゆる雀球遊技機やアレンジボール遊技機等であっても良い。
更に、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。