本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用したスロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの内部構造図である。図3は、前面扉を示す背面図である。図4は、スロットマシンの構成を示すブロック図である。尚、以下においては、スロットマシンを正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の遊技機の一例であるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aを正面から見て左側の前端辺に回動自在に枢支され、該筐体1aの前面開口を開閉可能な前面扉1bと、から構成されている。前面扉1は、所定のキーにより前面扉1bの施錠及びエラー状態や打止状態を解除するためのドアキー117を備えており、遊技店員等が所有する特定キー(図示略)を用いることで施解錠できるようになっている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3L,3C,3Rから見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「白7」(図示略)、「BAR」(図示略)、「リプレイ」、「ベル」(図示略)、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」(図示略)、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3L,3C,3Rにおいて各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3L,3C,3Rに連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L,2C,2Rの回転を停止させることで、透視窓3L,3C,3Rに3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3L,3C,3Rに対応する透過領域51L,51C,51R及び透視窓3L,3C,3Rを介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51L,51C,51Rを除く領域の背面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその背面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(例えば、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス)の場合には1、リプレイタイム(以下、RTと略称する)では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有する投入メダルセレクタ131、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
尚、本実施例では、前面扉1bの内側に、ビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチは設けられていないが、これら打止スイッチや自動精算スイッチを設けてもよい。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
また、筐体1aを構成する背板1gの内面上部には、後述する遊技制御基板40が収容された遊技制御基板ケース200が、遊技制御基板40の電子部品の実装面の背面側が視認不可となる第1の回動規制位置(背面が筐体の背板に対向する位置)と、遊技制御基板40の背面側が視認可能となる第2の回動規制位置(実装面が筐体の左側板に対向する位置)と、の間で回動可能に設けられている。
電源ボックス100の内部には電源基板101が設けられている。電源基板101には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が搭載されており、これら設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、電源ボックス100の前面に設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、例えば規定数の賭数として遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス)では1枚、通常遊技状態では3枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3L,3C,3Rに表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L,2C,2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L,2C,2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L,2C,2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3L,3C,3Rに表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路等の電子部品が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成され、遊技制御基板40と演出制御基板90とは直接接続されている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、スピーカ53L,53R、54L,54R、前述したリールLED55、演出スイッチ56、各種LED470,472,830a,830b,870,882,898等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、スピーカ53L,53R、54L,54R、リールLED55、演出スイッチ56、各種LED470,472,830a,830b,870,882,898等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、スピーカ53L,53R、54L,54R、リールLED55、演出スイッチ56、各種LED470,472,830a,830b,870,882,898を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、リールLED55、各種LED470,472,830a,830b,870,882,898の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53L,53R、54L,54Rからの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に直接または中継基板等を介して接続された演出スイッチ56等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行うメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電気部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
具体的には、スタートスイッチ7は遊技制御基板40と配線接続され、MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L,8C,8R、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25は、操作部中継基板(図示略)を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L,32C,32R及びリールセンサ33L,33C,33Rは、リール中継基板(図示略)を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34b及び払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板(図示略)、リール中継基板(図示略)、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電気部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電気部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このようにスタートスイッチ7を除く各種電気部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施例では、筐体1a)所定箇所に取り付けた各中継基板(図示略)を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電気部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電気部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電気部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L,2C,2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電気部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L,2C,2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電気部品に入力される信号と、を含む。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板(図示略)を介してホールコンピュータ(図示略)などのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
すなわち、設定キースイッチ37をON状態として電源をONすることにより、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行させるメイン制御部41は、遊技者にとっての有利度である設定値を複数の有利度のうち(設定値1〜6)から設定する本発明の有利度設定手段を構成している。また、設定キースイッチ37やリセット/設定スイッチ38は、有利度である設定値を設定(変更)する際に用いられる設定操作部を構成している。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、ビッグボーナス中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(ビッグボーナス中であればビッグボーナス中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数(後述する判定値加算用乱数、初期値変更用乱数)等、設定変更前にも初期化されないデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がONの状態での起動時、ビッグボーナス終了時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、特別ワーク、非保存ワーク及び使用中スタック領域以外の領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定変更状態終了時の初期化では、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、遊技状態として、例えば、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)(ビッグボーナス(以下ではBBと称す))、RT(0)〜(6)があり、このうちRB(BB)では賭数の規定数として1が定められており、RT(0)〜(6)では賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRB(BB)であれば、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、RT(0)〜(6)であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLが有効化されるようになっており、RB(BB)では賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることなり、RT(0)〜(4)では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
本実施例では、遊技状態が、RT(0)(1)(特別役の非持越中)であるか、RT(2)(4)(5)(特別役の非持越中)であるか、RT(3)(特別役の非持越中)であるか、RT(6)(特別役の持越中)であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となる役が異なる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブCPU91aは、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
(スロットマシンの構造)
以下、スロットマシン1の詳細な構造について説明する。図5は、スロットマシンを示す斜視図である。図6は、前面扉の前面に組付けられた各種部材を示す分解斜視図である。図7は、前面扉の背面に組付けられた各種部材を示す分解斜視図である。図8は、前面扉の躯体を示す正面図である。図9は、前面扉の躯体を示す背面図である。
(前面扉)
図1〜図3及び図5に示すように、前面扉1bは、正面視縦長長方形状に形成され、上下方向の略中央位置には、前方に突出する突出部5が左右幅方向に延設されており、該突出部5を挟んで前面が上下に区画されている。突出部5の前面には、ストップスイッチ8L,8C,8Rが並設されている。その左側には、スタートスイッチ7及び精算スイッチ10が配設されている。右側には、演出等に使用する演出スイッチ56が配設されているとともに、さらにその右側には、背面側に配設される投入メダルセレクタ131内でのメダル詰まりを解除するためのメダル詰まり解除ボタン110と、その右側には所定のキーにより前面扉1bの施錠及びエラー状態や打止状態を解除するためのドアキー117が配設されている。また、突出部5の上面左側には、MAXBETスイッチ6が配設されているとともに、その左側には、各種LED14〜20及び各種表示器11,13が配設された遊技用表示部12が配設されている。
突出部5の上方位置には、液晶表示器51の表示領域51aを透視可能とする透明で平坦な合成樹脂板により正面視横長長方形状に形成された遊技パネル111が設けられている。遊技パネル111は、液晶表示器51の表示領域51aを保護するためのパネルであって、後述する表示ユニット600に予め一体に組み付けられており、前面扉1bの背面側から取り付けられている。
また、突出部5の下方位置には、透明な合成樹脂板により正面視横長長方形状に形成された下部パネル120が配設されている。下部パネル120は、その背面と前面扉1bの前面との間に所定前後幅寸法を有する空間部が形成され、前面には、当該スロットマシン1の機種名やタイトル等が表示されており、下部パネル120を通して機種名やタイトル等を視認できるようになっている。尚、下部パネル120の詳細な構造については後述する。
下部パネル120の下方位置には、スピーカ54L,54Rに対応する放音部122L,122Rが左右側に設けられている。これら放音部122L,122R間には、メダル払出口9が形成されているとともに、その左側には、遊技機の型式や製造業者名が表記されたラベル(図示略)及び製造番号、製造年月日等が表記された第三者機関発行のラベル(証紙、図示略)が貼付されたラベル貼着部材180が取り付けられている。下部パネル120の下方位置には、前方に向けて突設され、メダル払出口9から払い出されたメダルを貯留可能な受皿123が左右幅方向に延設されている。
遊技パネル111の上方には、後述する天レンズユニット400が遊技パネル111の上辺部に沿うように設けられている。また、遊技パネル111の左右側方には、上サイドレンズユニット450L,450Rが、天レンズユニット400の左右下端部から下方に向けて延設されている。また、下部パネル120の左右側方には、下サイドレンズユニット451L,451Rが上サイドレンズユニット450L,450Rの下端から下方に向けて延設されている。そしてこれら天レンズユニット400、上サイドレンズユニット450L,450R、下サイドレンズユニット451L,451Rにより、正面視下向き略コ字形をなすメイン発光表示部452が形成されている。
さらに、これら天レンズユニット400、上サイドレンズユニット450L,450R、下サイドレンズユニット451L,451Rの外側には、後述する複数の導光部材によって、メイン発光表示部452の左右幅よりも幅狭な筋状のサイド発光表示部460L,460Rが、前面扉1bの上部から下部にかけて左右側辺に沿うように延設されている。また、天レンズユニット400の左右側方には、スピーカ53L,53Rから出力される音を放出する放音部121L,121Rが設けられている。
前面扉1bの背面におけるメダル投入部4の直下には、投入メダルセレクタ131が取り外し自在に設けられている。前面扉1bを背面から見て投入メダルセレクタ131の右側には、投入メダルセレクタ131の側面から流出したメダルをホッパータンク34aに誘導するメダルシュート160が取り付けられているとともに、投入メダルセレクタ131の下方には、投入メダルセレクタ131の背面下部から流出したメダルを下方のメダル払出口9に誘導するメダル返却通路191及びホッパーユニット34から払い出されたメダルをメダル払出口9に誘導するメダル払出通路192を構成するメダル通路部材190が配設されている。
前面扉1bの背面における下部パネル120に対応する位置の右側には、設定値表示器24が実装されるとともに、各種スイッチ類が接続される操作部中継基板715と、サブ中継基板613や下部パネル120側からの配線が接続されるドアベース中継基板717が配設されているとともに、これら各基板を被覆する基板カバー194が取り付けられている。また、放音部122L,122Rに対応する位置にはスピーカ53L,53Rが取り付けられ、ラベル貼着部材180に対応する箇所には不正防止部材220が取り付けられている。
(筐体)
図2に示すように、筐体1aは、木製の上板1c、左側板1d、右側板1e、底板1f、背板1gと、により前面が開口する箱状に形成されている。背板1gの前面上部には、遊技制御基板40を収納する遊技制御基板ケース200が取り付けられている。遊技制御基板ケース200は、遊技制御基板40を収納した状態で開封不能に封止されているとともに、背板1gに対し上下方向を向く回動軸を中心として回動可能に固設された可動ベース201に取り外し不能に固着されている。尚、符号202は遊技制御基板40に接続される配線側コネクタの抜脱を規制するコネクタ規制部材である。
背板1gの前面における遊技制御基板ケース200の下方位置には、リールユニット2が取り付けられている。底板1fの上部には、電源ボックス100が背板1gの表面に当接するように設置されている。尚、電源ボックス100の上部には、電源基板101に設けられた基板側コネクタ(図示略)に接続される配線側コネクタ(図示略)の抜脱を規制するコネクタ規制部材326が取り付けられている。
電源ボックス100の前面には、前述した設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が設けられており、これら設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が設けられた前面は、左側辺を中心として開閉可能に設けられた開閉扉101aにより開閉可能とされている。
上板1cの内面前端部には、帯板状の上補強枠板321が図示しないネジにより左右方向に向けて取り付けられている。左側板1dの内面前端部には、帯板状の左補強枠板322が図示しないネジにより上下方向に向けて取り付けられている。この左補強枠板322には、前面扉1bを回動自在に軸支する上下方向を向く上下一対の一対の軸ピン322a,322bが取り付けられている。右側板1eの内面前端部には、帯板状の右補強枠板323が図示しないネジにより上下方向に向けて取り付けられている。この右補強枠板323には、前面扉1bを係止する左右方向を向く上下一対の係止ピン323a,323bが取り付けられている。底板1fの内面には、板状の下補強枠板324が図示しないネジにより水平に取り付けられている。
これら上補強枠板321、左補強枠板322、右補強枠板323、下補強枠板324は、特に図示しないが互いの端部同士が連結されて四角枠状の補強枠として構成されて筐体1aを補強するとともに、各補強板の前端が筐体1aの前端辺よりも前面側に突出するように配置され、前面扉1bを閉鎖したときに該前面扉1bとの間に形成される隙間を閉塞して不正部材等の進入を防止する。
リールユニット2は、外周面に複数種類の図柄が配列された円筒状のリール2L,2C,2Rと、リール2L,2C,2Rを回転駆動するリールモータ32L,32C,32Rと、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、これらリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、リールセンサ33L,33C,33Rを支持するリール支持板350L,350C,350Rと、リール2L,2C,2Rを左右方向に並設した状態で保持する保持部材としてのリールボックス351と、から主に構成され、リールボックス351の上面にはリール中継基板(図示略)を被覆するリール中継基板ケース370が取り付けられている。
リールボックス351は、合成樹脂材により前面が開口する箱状に形成されている。上板の前後幅寸法は下板の前後幅寸法よりも短寸に形成され、前面開口は上方に向けて背面側に傾斜しているとともに、上板の左右幅寸法は下板の左右幅寸法よりも若干短寸に形成され、前面開口は正面視台形状に形成されている。さらに、左右側板の前辺は後辺よりも長寸に形成されているため、前面開口は背板の面積よりも大きく形成されている。上下幅寸法はリール2L,2C,2Rの直径よりもやや長寸で、各リール2L,2C,2Rの後半部を収容可能な大きさを有している。
リール中継基板ケース370は、各リール2L,2C,2Rのリールモータ32L,32C,32R及びリールセンサ33L,33C,33Rと遊技制御基板40とを中継するリール中継基板(図示略)と、各リール2L,2C,2RのリールLED55と演出制御基板90とを中継するリールLED中継基板(図示略)と、を収納する透明な合成樹脂材からなる基板ベース及び基板カバーから構成されている。
また、リールユニット2は、前面扉1bが閉止位置に位置したときに、リール2L,2C,2Rの前面側に形成される可変表示部が透視窓3L,3C,3Rに臨むように背板1gの内面に取り付けられる。
(前面扉の構造)
次に、前面扉1bの構造について、図6〜図9に基づいて説明する。図6は、前面扉の前面構造を示す分解斜視図である。図7は、前面扉の背面構造を示す分解斜視図である。図8は、前面扉の躯体を示す正面図である。図9は、前面扉の躯体を示す背面図である。尚、以下の説明において、各部材を取り付けるネジは主要なネジのみを図示し、他のネジの図示は省略することがあるものとする。
図6〜図9に示すように、前面扉1bの躯体1hは、非透光性の合成樹脂材により正面視縦長長方形状に形成され、上下方向の中央よりも上方位置には、正面視長方形状の表示用開口500が形成されており、該表示用開口500を介して液晶表示器51の表示領域51aを前面側に臨ませることができるようになっている。
躯体1hの前面において、表示用開口500の上部には、天レンズユニット400を収容可能な横長の収容凹部501が形成されており、該収容凹部501内には、天レンズユニット400が複数のネジ401n,402nにより背面側から取り付けられている。
表示用開口500の左右側には、上サイドレンズユニット450L,450Rが複数のネジ450nにより背面側から取り付けられている。また、上サイドレンズユニット450L,450Rの下方位置には、下サイドレンズユニット451L,451Rが複数のネジ451nにより背面側から取り付けられている。
表示用開口500の下方位置には、突出部5を構成する操作台ユニット502が複数のネジ502nにより背面側から取り付けられている。操作台ユニット502は、突出部5の前面を構成する透明な合成樹脂材からなるカバーパネル503と、カバーパネル503の下部に配設され表面にメッキ処理が施された下枠部材504と、上面に装飾が印刷により施された透光性を有する装飾シート505と、透光性を有する中部材506と、突出部5の上面を下方から照らす操作台LED(図示略)が複数設けられたコンパネ前基板507を保持する支持部材508と、から主に構成されている。
これら操作台ユニット502には、MAXBETスイッチ6を有するMAXBETスイッチユニット6A、スタートスイッチ7を有するスタートスイッチユニット7A、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有するストップスイッチユニット8A、精算スイッチ10を有する精算スイッチユニット10A、各種LED及び表示器が搭載された遊技用表示基板12A、演出スイッチユニット56Aがそれぞれ組み付けられている。
表示用開口500の下方位置には、パネル取付凹部510が凹設されており、パネル取付凹部510には、下部パネル120を有する下部パネルユニット550が複数のネジ550nにより背面側から取り付けられている。また、パネル取付凹部510の右側上部には、投入メダルセレクタ131のセレクタ取付凹部705が前側に膨出するように形成されている。パネル取付凹部510の下方位置には、スピーカ53L,53Rとの対向位置に放音口520L,520Rが形成されている。また、その前面には、パンチングメタルからなる放音口522L,522Rが形成されるとともに、これら放音口522L,522Rの間にラベル貼着部材180が取り付けられる貼着部材取付凹部524及びメダル払出口9を構成する払出孔523が形成された金属性の保護プレート525が、ネジ525nにより前面側から取り付けられている。
保護プレート525の前側には、受皿123を構成する受皿ユニット526がネジ526nにより背面側から取り付けられ、この受皿ユニット526の後端面により保護プレート525の下辺部及び左右側辺部の前面が被覆されるようになっている。また、受皿ユニット526の左側には、灰皿527が回転自在に軸支されている。
また、左右側辺下部には、受皿ユニット526の左右側面を覆うとともに、サイド発光表示部460L,460Rの下部を形成するサイド装飾部材530L,530Rが複数のネジ530nにより背面側から取り付けられている。
図7及び図9に示すように、躯体1hの背面における表示用開口500の上部における収容凹部501に対応する箇所には、中継基板700が組付けられた基板カバー701が複数のネジ701nにより背面側から取り付けられている。また、基板カバー701の左右側には、スピーカ53L,53Rがネジ53nにより取り付けられている。左右角部には、上装飾レンズ基板ユニット702L,702Rが複数のネジ702nにより取り付けられている。また、表示用開口500の左右側には、上サイドレンズ基板ユニット703L,703Rが複数のネジ703nにより取り付けられているとともに、その下方には、下サイドレンズ基板ユニット704L,704Rが複数のネジ704nにより取り付けられている。さらにその下方には、装飾基板ユニット707L,707Rが複数のネジ707nにより取り付けられている。
表示用開口500の下方左側には、セレクタ取付凹部705が形成されており、このセレクタ取付凹部705内には、投入メダルセレクタ131が取り外し可能に取り付けられるメダルセレクタ取付部材150が複数のネジ150nにより取り付けられている。また、セレクタ取付凹部705の下部には、保護板金720がネジ720nにより取り付けられている。セレクタ取付凹部705の左側には、操作台ユニット502に組付けられた各種スイッチやLED基板からの配線を挿通するための横長長方形状の挿通口706が形成されている。
挿通口706の下方位置には、取付ベース716aが形成されており、この取付ベース716aには、設定値表示器24等が実装されるとともに各種スイッチが接続される操作部中継基板715がネジ715nにより背面に取り付けられた基板ケース716が着脱可能に取り付けられている。また、その下方には取付ベース718aが形成されており、この取付ベース718aには、ドアベース中継基板717がネジ717nにより背面に取り付けられた基板ケース718が着脱自在に取り付けられている。また、取付ベース718aの左側には、下部パネル120側からの配線を挿通するための配線孔193が形成されている。
尚、これら操作部中継基板715、ドアベース中継基板717の背面には、これら基板や配線孔193を背面から被覆する透明な合成樹脂材からなる基板カバー194がラッチ部材194a(図2参照)により着脱自在に取り付けられる。
また、投入メダルセレクタ131の下方には、投入メダルセレクタ131の背面下部から流出したメダルを下方のメダル払出口9に誘導するメダル返却通路191及びホッパーユニット34から払い出されたメダルをメダル払出口9に誘導するメダル払出通路192を構成する前面が開口する横断面視コ字形に形成されたメダル通路部材190が複数のネジ190nにより取り付けられている。
放音口520L,520Rの背面には、スピーカ54L,54Rが前面から組付けられたスピーカカバー724Lがネジ724nにより取り付けられている。尚、スピーカカバー724Lの背面には、前面扉1bを閉塞したときに、筐体1aに配置された電源ボックス100の前面を開閉する開閉扉101aの前面に当接して該開閉扉101aの開放を規制する開放規制部材725が取り付けられている。
開放規制部材725は、帯状の金属板を平面視略直角三角形をなすように屈曲形成してなり、先端に形成された当接部725aは、前面扉1bを閉塞したときに開閉扉101aの前面に当接する。特に図示はしないが、開閉扉101aは電源ボックス100の前面左側辺を中心として開閉可能とされているため、当接部725aは前面扉1bの前面右側、つまり、開放端側に当接するように設けられているとともに、当接部725aは前面扉1bの前面に対して直交する直交片725bにより支持される。
よって、前面扉1bの閉塞時に不正器具などを筐体1a内部に進入させて開閉扉101aを無理に開放しようとしても、開閉扉101aの開放端側が当接部725aにより押えられていることで開閉扉101aを撓ませて隙間を形成することも困難となるばかりか、当接部725aは直交片725bにより開放方向に対して垂直に支持することで開放規制部材725が変形しにくくなり、開閉扉101aの開放が困難となるため、リセット/設定スイッチ38などに対する不正行為を抑制できる。
放音口520Rの左側にはメダル払出口9が形成されているとともに、その左側には不正防止部材220がネジ220nにより取り付けられている。
躯体1hの上辺部背面には、断面L字形の上補強板金750が複数のネジ(図示略)により左右方向に取り付けられるとともに、下辺部背面には、断面L字形の下補強板金757が複数のネジ(図示略)により左右方向に取り付けられている。また、左辺部には、断面コ字形の左補強板金755が複数のネジ(図示略)により上下方向に取り付けられ、右辺部には、断面コ字形の右補強板金756が複数のネジ(図示略)により上下幅方向に取り付けられている。また、上補強板金750の背面には、後述する取付支柱638a〜638cが突設されている。
尚、上補強板金750の左端部と左補強板金755の上端とは連結ネジ755nにより連結されて躯体1hの背面右上角部に取り付けられ、上補強板金750の右端部と右補強板金756の上端とは連結ネジ756nにより連結されて躯体1hの背面左上角部に取り付けられ、下補強板金757の左端部と左補強板金755の下端とは、連結ネジ755nにより連結されて躯体1hの背面左下角部に取り付けられ、下補強板金757の右端部と右補強板金756の下端とは、連結ネジ756nにより連結されて躯体1hの背面右下角部に取り付けられる。
このように各端部同士が連結された上補強板金750、左補強板金755、右補強板金756、下補強板金757により四角枠状の補強部が構成され、これにより合成樹脂材からなる躯体1hを補強する。
また、右補強板金756には、前面扉1bを閉鎖したときに筐体1aの右補強枠板323に設けられる係止ピン323a,323bに係止される係止フック762a,762bが背面側に向けて配設されているとともに、その前面側にはドアキー117(図1参照)が設けられている。係止フック762a,762bは、ドアキー117を図示しないキーで右回転させることにより回転して係止ピン323a,323bへの係止を解除できるようになっている。
また、ドアキー117の近傍には、リセットスイッチ23及びドア開放検出スイッチ25が取り付けられるスイッチケース759が取り付けられている。ドアキー117を図示しないキーで右回転させて係止フック762a,762bを回転させると図示しない検出片がドア開放検出スイッチ25により検出されて前面扉1bの開放が検出されるとともに、キーを左回転させることで図示しない検出片がリセットスイッチ23により検出されてエラー状態がリセットされるようになっている。
また、表示用開口500の下辺部には、中補強枠780が複数のネジ(図示略)により左右方向に取り付けられている。特にその左右端部は、左補強板金755及び右補強板金756を取り付けるためのネジ(図示略)により左補強板金755及び右補強板金756とともに取り付けられている。
中補強枠780の左右側には、表示ユニット600を取り付ける際にその下端を支持する水平な支持片781L,781Rが背面側に向けて突設されている。各支持片781L,781Rには、係止孔782がそれぞれ形成されている。また、中補強枠780の右側上部には、メダルセレクタ取付部材150の上部に取り付けられる投入メダルガイド部材140が配設される。
表示用開口500の背面側には、後述する表示ユニット600が取り付けられる。また、表示ユニット600の背面には、演出制御基板90が収納された演出制御基板ケース800が組付けられている。
(表示ユニット)
次に、表示ユニット600の詳細な構造について、図10〜図17に基づいて説明する。図10は、(A)は表示ユニットを示す表面図、(B)は背面図である。図11は、表示ユニットの前面側の構成を示す分解斜視図である。図12は、表示ユニットの背面側の構成を示す分解斜視図である。図13は、(A)はベース部材を示す正面図、(B)は背面図である。図14は、図10(A)のA−A断面図である。図15は、図10(B)のB−B断面図である。図16は、(A)は移動取付枠を示す背面図、(B)は取付支柱を示す断面図である。図17は、(A)は緩衝部材を示す斜視図、(B)は緩衝部材の装着状況を示す斜視図、(C)は緩衝部材周辺の縦断面図である。
図10〜図12に示すように、表示ユニット600は、ベース部材601と、該ベース部材601の前面側に取り付けられる液晶表示器51、遊技パネル111、取付枠603、金属板604、緩衝部材605a〜605dと、ベース部材601の背面側に取り付けられる移動取付枠610、補強枠611L,611R、バックライト基板ケース612、サブ中継基板613と、から主に構成されている。
図13〜図15に示すように、ベース部材601は、非透光性を有する合成樹脂材により正面視略正方形状に形成され、主に下部に形成される枠状の取付壁部616と、上部に形成される板状の離間壁部617と、から構成されている。取付壁部616は、内側に横長長方形状をなす表示用開口615が形成されることにより四角枠状に形成される枠状壁部と、左右上部からベース部材601の左右側辺に沿って上方に延びる側壁部616bと、からなる。側壁部616bを含む取付壁部616の左右側辺の上下幅寸法は液晶表示器51の左右側辺とほぼ同寸とされているとともに、左右幅寸法は液晶表示器51の上下辺とほぼ同寸とされている。
これら側壁部616bの上部及び取付壁部616の下部左右角部には、正面視L字形をなす支持片619a〜619dが突設されている。支持片619a〜619dは、例えば図17(B)(C)に示す支持片619cを一例に説明すると、隣り合う2辺に沿って屈曲形成される屈曲片からなり、それらの内側には、複数の保持片620が支持片619a〜619dに対し所定の隙間を隔てて立設されており、これら保持片620と支持片619a〜619dとの間には、ゴム材等からなる緩衝部材605a〜605dが取り付けられている。
図17(A)に示すように、緩衝部材605a〜605dは、支持片619a〜619dと同様にL字形に形成され、内面側には、各保持片620間に差し込まれる前後方向を向くリブ621が複数突設されている。これらリブ621は、図17(B)に示すように、保持片620間に差し込まれたときに該保持片620間から内側に向けて突出する大きさに形成されており、これら突出した部位にて液晶表示器51の角部側周面に接触して保持する。つまり、合成樹脂材からなる支持片619a〜619dにて直接保持するのではなく、緩衝部材605a〜605dを介して液晶表示器51の角部側周面を保持する。
また、ベース部材601の下辺下面左右側には、係止孔782(図7参照)に挿入可能な係止片606L,606Rが下向きに突設されている。また、ベース部材601の上辺左、中、右位置には、切欠部607L,607C,607Rが形成されている。
図11〜図15に示すように、このように構成された取付壁部616には、液晶表示器51がその背面を前面616aに当接させるように前面側から配置される。前面616aに液晶表示器51が配置された状態において、該液晶表示器51の4つの角部の側周面は、緩衝部材605a〜605dを介して支持片619a〜619dにより支持されるとともに、透過領域51L,51C,51Rが表示用開口615に対応して配置される。また、液晶表示器51の背面における左右側辺部、下辺部、透過領域51L,51C,51Rの上方位置が左右方向にわたり前面616aに当接して支持される。
液晶表示器51の前面側には、遊技パネル111が取付枠603を介して取り付けられる。遊技パネル111は、表示領域51a全域を前面側から被覆可能な大きさ、かつ、所定肉厚を有する透明なアクリル樹脂板により構成されており、表示領域51aを前面側から透視可能とする。遊技パネル111は、取付枠603に形成された複数の係止爪622により上下左右辺所定箇所が弾性係止されることにより該取付枠603の前部に取り付けられる。
取付枠603は、四角枠状に形成され、表示領域51aの前面周縁部を前側から押えるように周囲に取り付けられる。取付枠603の上下左右辺には複数の係止爪622が形成されており、これら係止爪622をベース部材601の所定箇所に弾性係止することによりベース部材601に対し着脱可能に取り付けできるようになっている。
図11に示すように、取付壁部616の前面616aに液晶表示器51を配置すると、液晶表示器51の角部側周面が緩衝部材605a〜605dを介して支持片619a〜619dにより支持される。このように液晶表示器51を配置した状態で、遊技パネル111が取り付けられ一体化された取付枠603を、係止爪622をベース部材601に弾性係止して取り付けると、図14及び図15に示すように、液晶表示器51の表示領域51a周囲が取付枠603により前面側から保持され、液晶表示器51の前面616aからの逸脱が規制される。また、表示領域51aに対し遊技パネル111が所定の隙間(例えば、約5〜10mm程度)を隔てて配置されるので、遊技パネル111に対し外力が加わった場合でも衝撃が表示領域51aに直接伝達されることがないため、表示領域51aの破損が防止される。さらに、液晶表示器51の4つの角部側周面が緩衝部材605a〜605dを介してベース部材601に支持されていることで、遊技パネル111に対し加えられた外力による衝撃が取付枠603に伝わっても液晶表示器51には伝達されにくいので、液晶表示器51の破損等が防止される。
離間壁部617は、その前面617aが取付壁部616の前面616aよりも背面側に位置するように形成されており、前面615aに配置された液晶表示器51の上部背面との間に所定の隙間Sが形成される。また、離間壁部617の前面における左右の支持片619a,619bの略中央位置には、正面視横長長方形状の凸部618が突設されている。この凸部618の前面618aは、取付壁部616の前面616aとほぼ前後方向の同位置に配置されているので、前面616aに配置された液晶表示器51の背面上辺部に当接する。
液晶表示器51の背面における表示用開口615に対応する部分は背面側に開放されるが、表示用開口615の上方位置、つまり、背面上部は離間壁部617に対向することで背面側が開放されない。しかし、背面上部と離間壁部617との間には隙間Sが形成されていることで、液晶表示器51の駆動により発生する熱を隙間Sから上方に逃すことができるようになっている。隙間Sの上部には凸部618が配設されているが、その左右側は上方に開放されているので、背面上部の放熱が妨げられることはない。
また、このような放熱用の隙間S(空間部)が形成されることで、液晶表示器51の背面上部は左右端部が左右の側壁部616bにより支持されているだけであるが、液晶表示器51の背面上辺部の左右方向の略中央位置が凸部618の前面618aに当接して背面側から支持されていることで、液晶表示器51の上辺部が背面側に撓むことによる破損等が防止される。
離間壁部617の前面上部、詳しくは、離間壁部617の前面における液晶表示器51と対向しない領域には、横長長方形状をなす金属板604が複数のネジ604nにより止着されている(図10(A)、図11参照)。金属板604には、横長長方形状をなす開口604aが左右に形成されている。このように、ベース部材601の離間壁部617における金属板604が取り付けられる領域は、後述する天レンズユニット400の取付手段を被覆する被覆部630を構成する。また、離間壁部617における凸部618の左斜め上方位置には、配線挿通口623が前後に貫通して形成されており、左側の開口604aは配線挿通口623を前面側に臨ませている。
離間壁部617の背面には、演出制御基板ケース800の基板ケース取付部624と、サブ中継基板613の基板取付部625と、が左右に形成されている。基板ケース取付部624には、演出制御基板ケース800に突設された係止片(図示略)が係止される係止溝626が4箇所に形成されているとともに、右側にはケースのスライド移動を規制する弾性係止片627が形成されている。また、基板ケース取付部624の下方位置には配線挿通口608が形成されている。
また、基板ケース取付部624における凸部618に対応する位置には凹部618Aが形成されている。つまり、凸部618は、ベース部材601の成型時に離間壁部617の一部を前面側に膨出させることにより背面が開口する中空状に形成され、背面には凹部618Aが形成されている。このように離間壁部617の背面における凸部618に対応する位置には凹部618Aが形成されているので、例えば、手指を挿入可能な取手として機能するため、表示ユニット600を容易に持ち運びすることが可能となる。
また、凹部618Aの内部には、上下方向を向く補強用のリブ628が、凹部618A内を左右方向に3つに区画するように複数形成されている。このようにすることで、中空状の凸部618が変形しないように補強されるだけでなく、1つの大きな空間が形成されるよりも挿入した手指が各リブ628に引っ掛かりやすくなるので、表示ユニット600を持ちやすくなる。
基板取付部625は、サブ中継基板613の周囲を被覆する周壁629を有し、この周壁629内には、サブ中継基板613が複数のネジ613nにより止着される。また、周壁629の上部及び左下には配線フック631,632が形成されている。
離間壁部617の背面上辺部には、表示ユニット600を前面扉1bの躯体1hに取り付けるための移動取付枠610が左右方向に移動可能に取り付けられている。図12、図13及び図16に示すように、移動取付枠610は、横長帯状の金属板からなり、長手方向の左、中、右位置には長孔632a〜632cが左右方向に形成されており、この長孔632a〜632cに挿通した複数の固定ピン631a〜631cを離間壁部617に形成されたネジ孔に止着することで、後述する係止位置と係止解除位置との間で左右方向にスライド移動可能に支持される。取り付けられた移動取付枠610の左右側は、離間壁部617に形成された左右一対の上向きのフック片633により下方から支持されるとともに、背面側への離脱が規制される。
また、移動取付枠610の右端には操作片634が背面側に屈曲形成されており、操作片634を介して移動取付枠610を左右に移動操作できるようになっている。また、離間壁部617の背面右側上部には、規制片635が弾性変形可能に形成されている。この規制片635は、移動取付枠610が係止位置となったときに該移動取付枠610の右端に係止されて係止解除位置方向への移動を規制し、前面側に向けて押圧することで該係止状態が解除されて移動取付枠610を右側の係止解除位置に向けて移動可能とする。
移動取付枠610における長孔632aの右側及び長孔632b,632cの左側には、取付孔636a〜636cが形成されている。取付孔636a〜636cは、上補強板金750の背面における左、中、右位置にそれぞれ突設される取付支柱638a〜638c(図22参照)を挿通可能な大きさを有する挿通部637aと、挿通部637aから左側に連設され、取付支柱638a〜638cを挿通不能、かつ、取付支柱638a〜638cの先端部外周に環状に形成された係止溝638mを挿通可能な上下幅を有する長孔部637bと、からなる。
また、これら取付孔636a〜636cは、左右幅寸法は全て同寸とされているが、挿通部637aの左右幅L1と長孔部637bの左右幅L2との比率がそれぞれ異なっている。具体的には、取付孔636aの挿通部637aの左右幅L1と長孔部637bの左右幅L2との比率は約1:1であり、取付孔636bの挿通部637aの左右幅L1と長孔部637bの左右幅L2との比率は約2:1であり、取付孔636cの挿通部637aの左右幅L1と長孔部637bの左右幅L2との比率は約2.5:1である。
尚、このような挿通部637aの左右幅L1と長孔部637bの左右幅L2との比率は種々に変更可能であり、上記比率に限定されるものではない。
図16(A)に示すように、移動取付枠610を右側の係止解除位置に位置させたとき、各固定ピン631a〜631cは長孔632a〜632cの左端部に位置する。この状態で後述するように表示ユニット600を躯体1hの背面上部に取り付けると、各取付孔636a〜636cの挿通部637aに取付支柱638a〜638cが挿入される。そしてこの状態で移動取付枠610を左側の係止位置に向けて移動させることで、各取付支柱638a〜638cの長孔部637bに係止溝638mが挿入される。このとき、各取付孔636a〜636cの挿通部637aの左右幅L1と長孔部637bの左右幅L2との比率がそれぞれ異なっていることで、各取付支柱638a〜638cの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止されるタイミングが各取付孔636a〜636cで異なるようになっている。
具体的には、移動取付枠610を左側の係止位置に向けて移動させると、まず、挿通部637aの左右幅L1が最も短い取付孔636aの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止される。次いで、取付孔636bの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止され、最後に、取付孔636cの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止される。このように、複数のうち一の長孔部637bが対応する係止溝638mに係止された後に他の長孔部637bが対応する他の係止溝638mに順次係止されるようになっている。よって、移動取付枠610をスライド移動させることで複数の長孔部637bを対応する他の係止溝638mに係止させることができるとともに、複数の長孔部637bは対応する他の係止溝638mに順次係止されていくことにより、例えば、成型精度や組付精度によって各長孔部637bと係止溝638mとの間に位置ずれなどが生じていても、複数の長孔部637bを対応する係止溝638mに一度に係止させるよりも係止の際に生じる摩擦抵抗が小さくなるため、操作性が向上する。
図12及び図25に示すように、取付壁部616の背面左右辺部には、金属製の補強枠611L,611Rが複数のネジ611nにより左右側辺に沿って止着されている。補強枠611L,611Rは、取付壁部616の背面に当接するベース板640aと、ベース板640aの内辺から前方に屈曲される前片640bと、ベース板640aの外辺から後方に屈曲される後片640cと、からなる。ベース板640aにおける上下方向の略中央位置には開口641が形成されており、取付壁部616の背面に形成された取付部642が嵌合されるようになっている。また、後片640cにおける開口641に対応する位置には、長孔643が上下方向に形成されている。
取付部642には、ネジ644nにより係止部材644L,644Rが回動可能に取り付けられている。係止部材644L,644Rは、前後方向を向くネジ644nを中心として軸支された長方形状の係止片644aと、係止片644aの両側辺から後方に向けて屈曲された一対の操作片644bと、から構成されている。また、図25(A)(C)に示すように、係止片644aが上下方向を向く非係止状態と、図25(B)(D)に示すように、係止片644aが左右方向を向く係止状態と、の間の約90度の範囲内で変化(回動)可能とされている。
図25(B)(D)に示す係止状態においては、係止片644aの先端がベース板640aよりも左右側方に突出し、躯体1hに取り付けられた左補強板金755とその前面側に配置される上サイドレンズ基板ユニット703L,703Rとの間に形成された隙間に挿入して左補強板金755の前面に係止されるとともに、他端が長孔643内に挿入されるようになっている。他端が長孔643内に挿入されることで、回動規制されるとともに、係止片644aの先端が左補強板金755に係止されるときに加わる力で係止部材644L,644Rが変形したり、補強枠611L,611Rに対し回動軸が曲がらないように支持される。
また、図25(B)(D)に示す係止状態において、操作片644bの側端面と左補強板金755の側壁755aとの間に後述するケーブルK6等の配線を挿通して挟持することが可能な隙間である配線挿通部645が形成されるため、この配線挿通部645にケーブルK6を挿通して挟持することができる。尚、右側の係止部材644Rは係止部材644Lと同じ構造であり同様の作用・効果を奏するため、ここでの説明は省略する。
(天レンズユニット)
次に、天レンズユニット400の詳細な構造について、図18及び図19に基づいて説明する。図18は、天レンズユニットの内部構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図19は、天レンズユニットの内部構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図18及び図19に示すように、天レンズユニット400は、透明な合成樹脂材により前面が開口する箱状に形成されたベース部材401と、ベース部材401の前面開口を閉止する透明な合成樹脂材からなるカバー部材402と、前面が開口する箱状に形成され、表面にメッキ処理が施された反射部材403と、透明な合成樹脂材により立体形状に形成されるレンズユニット404L,404C,404R、405と、これらレンズユニット404L,404C,404R、405を背面側から照らす天レンズ発光ダイオード(LED)470が設けられた天レンズLED基板471と、レンズユニット404L,404Rを背面側から照らすサイド天レンズ発光ダイオード(LED)472が設けられたサイド天レンズLED基板473L,473Rと、から主に構成されている。
レンズユニット404L,404C,404R、405は反射部材403に前面側から組み付けられ、反射部材403はベース部材401に前面側から組み付けられる。また、カバー部材402は、複数のネジ402nを介してベース部材401に取り付けられるとともに、複数の取付部材406により反射部材403に取り付けられる。このように天レンズユニット400は、ベース部材401とカバー部材402とにより形成される空間内にレンズユニット404L,404C,404R、405及び天レンズLED基板471やサイド天レンズLED基板473L,473Rが組み付けられて一体のユニットとして構成されている。尚、これらレンズユニット404L,404C,404R、405はエッジライト方式にて発光するようになっている。また、レンズユニット404L,404Rは所定の色(例えば、青色)に着色され、斜め外側に向けて発光可能に配設されている。
ベース部材401の背面には、弾性変形可能な複数(本実施例では4つ)の係止爪410a〜410dが突設されているとともに、後述するように躯体1hに取り付けるためのネジ401n(図6参照)が螺入されるネジ孔411a〜411dが複数個所(本実施例では4か所)に形成されている。また、係止爪410a〜410dの内側には配線挿通口412が形成されており、内部に設けられた天レンズLED基板471やサイド天レンズLED基板473L,473Rに接続される配線を挿通可能とされている。
また、カバー部材402の背面には、後述するように躯体1hに取り付けるためのネジ402nが螺入されるネジ孔413a,413bが後端に形成された取付用ボス414a,414bが背面側に向けて突設されている。尚、取付用ボス414a,414bは、ベース部材401とカバー部材402とが一体化されたときにベース部材401の左右下端に挿入されてネジ孔413a,413bがベース部材401の背面側に露呈するようになっている。
また、ベース部材401の上辺及び左右辺部から前側に向けて形成される側壁415の外面及びカバー部材402の下辺部から背面側に向けて形成される側壁416の外面には、前後2条の段部417,418が周方向に延設されており、これら前後2条の段部417,418は、ベース部材401とカバー部材402とが一体化されたときにそれぞれ連続するようになっている。このような段部417,418が形成されることで、天レンズユニット400の周縁に背面側を向く筋状の段部が形成されるようになっている。
(天レンズユニット及び表示ユニットの取り付け)
次に、天レンズユニット400及び表示ユニット600の躯体1hの取り付けについて、図20〜図28に基づいて説明する。図20は、躯体の上部を示す正面図である。図21は、補強板金が取り付けられた躯体を示す背面図である。図22は、躯体に対する天レンズユニット及び表示ユニットの取付状況を示す斜視図である。図23は、表示ユニットの躯体への取付状況を示す断面図である。図24は、(A)〜(C)は移動取付枠による係止態様を示す説明図である。図25は、(A)(B)は左側の係止部材の係止態様の一例を示す斜視図、(C)(D)は背面図である。図26は、躯体に表示ユニットが取り付けられた状態を示す背面図である。図27は、表示ユニット周辺の配線状況を示す図である。図28は、表示ユニットとリールユニットとの位置関係を示す断面図である。
まず、図20及び図21に示すように、収容凹部501には、天レンズユニット400の係止爪410a〜410dが挿入可能な縦長長方形状の係止孔531a〜531dが複数個所に形成されているとともに、これらの内側には配線挿通口532が形成されている。また、収容凹部501の四隅には、天レンズユニット400を取り付けるためのネジ401n(図22参照)の取付孔533a〜533dが形成されているとともに、収容凹部501の左右側下方位置には、天レンズユニット400を取り付けるためのネジ402n(図22参照)の取付孔534a,534bが形成されている。
このように、天レンズユニット400を配設するための収容凹部501には、係止孔531a〜531d、取付孔533a〜533d、534a,534bなどの取付孔が複数形成されている。つまり、天レンズユニット400は後述するように躯体1hに対し取付手段により背面側から取り付けられるものであるため、収容凹部501には、係止孔531a〜531d、取付孔533a〜533d、534a,534bなどの取付孔が形成される。
また、天レンズユニット400の内部には、表示装置としての天レンズLED470,サイド天レンズLED472が内蔵されており、このような天レンズLED470,サイド天レンズLED472は演出制御基板90に配線接続されるため、躯体1hの前面側に配設される天レンズLED基板471やサイド天レンズLED基板473L,473Rと躯体1hの背面側に配設される演出制御基板90とを接続するケーブル(図示略)を挿通するための配線挿通口532が形成される。尚、成型時に形成される成型孔や部材を背面側に逃がすための開口などが形成されることもある。
このように収容凹部501には、取付孔、配線挿通口などの複数の開口が形成されているため、天レンズユニット400を取り外しことで、スロットマシン1の前面側からこれら開口に不正器具を進入させることが可能な構造とされている。
次に、天レンズユニット400及び表示ユニット600の取り付けについて、図22〜図26に基づいて説明すると、図22に示すように、天レンズユニット400及び表示ユニット600を躯体1hに取り付ける場合、まず、天レンズユニット400を躯体1hの前面上部に形成された収容凹部501に取り付ける。具体的には、天レンズユニット400の背面を収容凹部501に対向させた状態で、躯体1hの前面側から天レンズユニット400を収容凹部501に押し込む。これにより、各係止爪410a〜410dが係止孔531a〜531dに挿入され、係止孔531a〜531dの開口縁に各係止爪410a〜410dが背面側にて弾性係止される。これにより天レンズユニット400は収容凹部501に収容された状態で躯体1hに係止される。
このように天レンズユニット400が躯体1hの前面上部に係止された状態で、ネジ401nを取付孔533a〜533d(図20,図21参照)に取り付けて挿通して天レンズユニット400のネジ孔411a〜411dに螺入するとともに、ネジ402nを取付孔534a,534b(図20,図21参照)に取り付けて挿通して天レンズユニット400のネジ孔413a,413bに螺入する。これにより天レンズユニット400は、躯体1hの前面上部に配設された状態で、取付手段としての係止爪410a〜410d及び係止孔531a〜531dと、複数のネジ401n,402n及び取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411d、413a,413bと、により躯体1hに背面側から取り付けられる。
よって、天レンズユニット400を躯体1hから取り外すときには、躯体1hの背面側にて係止爪410a〜410dを弾性変形させて係止孔531a〜531dへの係止状態を解除するとともに、複数のネジ401n,402nをドライバー等の工具を用いてネジ孔411a〜411d、413a,413bから取り外さなければならない。つまり、取り外し操作が可能な操作部としての係止爪410a〜410dの先端部やネジ401n,402nの頭部が躯体1hの背面側に配置されるので、これら係止爪410a〜410dやネジ401n,402nなどの取付部材は、躯体1hの背面側でのみ被取付部である係止孔531a〜531dやネジ孔411a〜411d、413a,413bから取り外す、すなわち、取付状態を解除することができるようになっている。
次いで、図22に示すように、表示ユニット600を、躯体1hの背面に表示用開口500を被覆するように取り付ける。具体的には、まず、支持片781L,781R上に表示ユニット600を載置した状態で、図23に示すように、表示ユニット600の下端を中心として上部を躯体1hの背面に向けて押し込むように回動させる。このとき、ベース部材601の下面に突設された係止片606L,606Rを中補強枠780の支持片781L,781Rに形成された係止孔782にそれぞれ差し込むことで、表示ユニット600を回動させるときの回動中心が決定されるため、位置ずれが生じることがない。
表示ユニット600を躯体1hの背面に向けて押し込むと、上補強板金750の取付支柱638a〜638cが切欠部607L,607C,607Rを挿通して各取付孔636a〜636cの挿通部637aに挿入される(図16参照)。そして、移動取付枠610を係止解除位置から係止位置に向けて左側(図24中右側)にスライドさせる。
図24に示すように、移動取付枠610を左側(図24中右側)の係止位置に向けて移動させると、まず、左側の取付孔636aの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止される(図24(A)参照)。次いで、中央の取付孔636bの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止され(図24(B)参照)、最後に、右側の取付孔636cの長孔部637bに係止溝638mが挿入して係止される(図24(C)参照)。
このように、複数のうち一の長孔部637bが対応する係止溝638mに係止された後に他の長孔部637bが対応する他の係止溝638mに順次係止される。これにより、表示ユニット600の下部と上部とが躯体1hの背面上部に係止されるため、躯体1hからの離脱が規制される。
次いで、図25に示すように、係止部材644L,644Rを回動させて非係止状態から係止状態に変化させて、係止片644aの先端を左補強板金755及び右補強板金756の前面に係止させる。これにより、表示ユニット600の左右側辺部における上下方向の略中央位置が左補強板金755及び右補強板金756により背面側から支持されるため、表示用開口500を介して前面側から遊技パネル111に外力が加わったときでも、表示ユニット600の左右側辺部が前後方向に撓みにくくなる。
図26に示すように、表示ユニット600が躯体1hの背面上部に取り付けられると、遊技パネル111の前面周縁部が躯体1hの背面における表示用開口500の周縁部に圧接され、表示領域51a全域が表示用開口500を介して前面側に臨むように配設されるとともに、躯体1hの背面における表示用開口500の上方位置である収容凹部501に対応する部分が被覆部630(図中斜線領域)により被覆される。
つまり、天レンズユニット400を躯体1hに取り付けるための係止爪410a〜410dやネジ401nが被覆部630により背面側から被覆される。また、ネジ402nは被覆部630により被覆されないが、離間壁部617の側部により部分的に被覆される。このように天レンズユニット400を躯体1hに取り付けるための取付手段である係止爪410a〜410dやネジ401nの少なくとも一部が被覆部630や離間壁部617により背面側から被覆されることで、これら取付手段による取付状態を解除して天レンズユニット400を躯体1hから取り外すことが極めて困難となる。
また、被覆部630における係止爪410aの近傍位置には配線挿通口623が形成されている。このような係止爪410aなどの取付手段は、被覆部630に形成された配線挿通口623等の挿通口に対応する位置とは異なる個所に形成されていることが好ましいが、係止爪410a全体が配線挿通口623等の挿通口に対応する位置に形成されていなければよい。さらに、複数の取付手段の全てが挿通口に対応する位置に形成されていなければ、複数のうちいずれかが挿通口に対応する位置に形成されていてもよい。
具体的には、図23に示すように、躯体1hにおいて係止孔531a〜531dや取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411dなどの被取付部が形成される収容凹部501の背面に対し、表示ユニット600の被覆部630が所定の隙間を隔てて近接して配置される。これにより、係止爪410a〜410dやネジ401nが被覆されるので、係止爪410a〜410dを背面側から操作したり、ネジ401nにドライバー等の工具を背面側から差し込むことが困難となることで取付状態の解除が困難となる。また、収容凹部501の背面側に係止爪410a〜410dを操作したりネジ401nにドライバー等の工具を差し込むために必要なスペースがなくなって取付状態の解除が困難となる。また、ネジ401nを背面側に取り外す際に被覆部630に接触して取り外しにくくなることにより取付状態の解除が困難となる。
すなわち、表示ユニット600は、前面扉1bを構成する躯体1hに取り付けたときに該表示ユニット600を取り外さない限り取付手段(係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dやネジ401nと取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411d)による取付状態を解除することができないように該取付手段を背面側から被覆する離間壁部617の一部である被覆部630を有している。
また、躯体1hの背面における収容凹部501の背面に対し被覆部630が近接して配置されることで、仮に前面扉1bを開放せずに、何らかの不正器具を進入させることなどによってスロットマシン1の前面側から天レンズユニット400が取り外され、スロットマシン1の前面側からこれら係止孔531a〜531dや取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411dに不正器具を前面側から進入されても、係止孔531a〜531dや取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411dの背面側に配置された被覆部630が邪魔になり、該不正器具を表示ユニット600の背面や筐体1a内部に向けてさらに進入させることができないため、表示ユニット600の背面にある演出制御基板90や筐体1aにある遊技制御基板40まで進入させることは極めて困難となる。
このように、躯体1hの前面側に配設される天レンズユニット400を取り外すには、例えば、遊技店所有の特定キー(図示略)などにより前面扉1bを開放して、背面側から係止爪410a〜410dやネジ401nによる取付状態を解除しなければならないばかりか、該取付手段による取付状態を解除するには、表示装置としての液晶表示器51を有する表示ユニット600を躯体1hから取り外して被覆部630による被覆状態を解除しなければならず手間がかかるため、スロットマシン1の前面側から天レンズユニット400を取り外そうとしても、被覆部630が邪魔になって係止爪410a〜410dやネジ401nによる取付状態を解除することは困難であるため、筐体1a内や前面扉1bの背面に搭載された電気部品等に不正な改造等を施すといった不正行為を抑制することができる。
具体的には、例えば、店員等の目を盗んで筐体1a内の電子部品に不正行為を施す場合、前面扉1bを開放すると目立つため、前面扉1bを開放して短時間のうちに天レンズユニット400の取付状態を背面側から解除した後に一旦前面扉1bを閉塞し、後に前面扉1bを開放せずに、天レンズユニット400のみを部分的に取り外して不正しようとすることが考えられるため、上記のように天レンズユニット400の取り外しが困難であって時間がかかるようにすれば、こういった不正行為を抑止することができる。
また、特に本実施例では、表示ユニット600は、表示用開口500を介して前面側に臨ませる遊技パネル111が一体的に組み付けられていることで、例えば、機種変更などに応じて筐体1aや前面扉1bを使い回すときでも、長期の使用によりキズや破損が生じた遊技パネル111は交換する可能性が高いとともに、表示装置である液晶表示器51も一体化されている。よって、遊技パネル111を交換するときや液晶表示器51などに何らかの不具合が生じたときに、遊技店の営業中においても表示ユニット600を躯体1hから取り外すことがあることで、表示ユニット600は、移動取付枠610を係止解除位置までスライド移動させるとともに、係止部材644L,644Rを回動して非係止状態に変化させるだけで、工具等を用いることなく簡単に取り外すことができる。また、取付操作も簡単であるため、天レンズユニット400を躯体1hから取り外すよりは簡単に取り外すことができるようになっている。よって、点検や交換作業が容易である。
このように躯体1hに着脱可能に取り付けられた表示ユニット600を利用して、天レンズユニット400の取付手段である係止爪410a〜410dやネジ401nを被覆することで、天レンズユニット400の取り外しに手間がかかるようにしているため、表示ユニット600の点検や遊技パネル111の交換等の作業性は維持しつつ、不正行為を抑制することができる。
また、演出装置としての天レンズユニット400は、例えば、機種変更などに応じて内部の導光部材の形状を変更したり、LED以外の可動部材などの演出装置が配設された他のユニットに交換するときに躯体1hから取り外すことがあるが、上記のように、機種変更の際には表示ユニット600及び天レンズユニット400双方を躯体1hから取り外す必要があるため、天レンズユニット400を取り外す際に先に表示ユニット600を取り外さなければならなくても、2度手間になることはない。
また、図27に示すように、離間壁部617の基板ケース取付部624には演出制御基板ケース800が取り付けられ、被覆部630の一部である基板ケース取付部624が演出制御基板ケース800により背面側から被覆されることになるため、離間壁部617を破壊するなどして取付手段(係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dやネジ401nと取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411d、413a,413bなど)にアプローチすることをより困難とすることができる。
また、凹部618Aは基板ケース取付部624に形成されていることで、演出制御基板ケース800が基板ケース取付部624に組付けられることで凹部618Aの開口が閉塞されるので、凹部618Aの背面開口を演出制御基板ケース800により目立たないように隠蔽することができる。
また、このように表示ユニット600が躯体1hに取り付けられ、基板ケース取付部624に演出制御基板ケース800が取り付けられると、各基板同士を配線接続することが可能となる。
図27に示すように、演出制御基板ケース800に収納された演出制御基板90に設けられた基板側コネクタCN1は、遊技制御基板40に接続されるケーブルK1のケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN2は、電源基板101に接続されるケーブルK2のケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN3は、サブ中継基板613に接続されるケーブルK3のケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN4は、バックライト基板(図示略)に接続されるケーブルK4のケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。基板側コネクタCN5は、配線挿通口608を挿通して液晶表示器51ケーブルK5のケーブル側コネクタ(図示略)が接続されるコネクタである。
また、サブ中継基板613とドアベース中継基板717(図3参照)とはケーブルK6により配線接続されている。また、サブ中継基板613と天レンズユニット400に内蔵された各天レンズLED基板471とはケーブルK7により配線接続されている。また、基板側コネクタCN1及び該基板側コネクタCN1に接続されるケーブルK1のケーブル側コネクタ(図示略)は、演出制御基板ケース800に取り外し不能に取り付けられたコネクタ規制部材650により被覆されており、基板側コネクタCN1からのケーブル側コネクタ(図示略)の抜脱が規制されている。
ケーブルK6は、上方のサブ中継基板613から下方のドアベース中継基板717(図3参照)に向けて前面扉1bの背面左側辺に沿って配線される。そしてこのケーブルK6の所定箇所は、図25にて説明したように、係止状態である係止部材644Lの操作片644bの側端面と左補強板金755の側壁755aとの間に形成された配線挿通部645に挿通されて保持される。
このように、回動可能な係止部材644Lを利用して配線挿通部645を形成可能とすることで、表示ユニット600を取り外すために係止部材644Lを非係止状態に変化させることによりケーブルK6も容易に外すことができる。また、表示ユニット600を取り付けると係止部材644Lが係止状態となり配線挿通部645が形成されるので、ケーブルK6を体裁よく配線することができる。また、前面扉1bの回動軸側である左側辺に配線挿通部645が形成されるようにすることで、前面扉1bの開閉時にケーブルK6が暴れて筐体1aとの間に挟んで断線すること等を防止できる。
また、図28に示すように、筐体1aの前面開口を前面扉1bにより閉止した状態において、表示ユニット600は各リール2L,2C,2Rの前方に配置されるため、遊技者は透過領域51L,51C,51Rを透してリール2L,2C,2Rを視認することが可能となる。また、バックライト基板ケース612は、リール2Rの右側方に配設されるため、透過領域51L,51C,51Rを正面から覗いてもバックライト基板ケース612は見えないため、バックライト基板ケース612を目立ちにくく配設することができる。さらに、バックライト基板ケース612のリール2R側のケースは黒色に着色されているため、より目立ちにくくなっている。
このように、バックライト基板ケース612を離間壁部617の下方位置である取付壁部616に配置しても、邪魔にならないばかりか、躯体1hの背面に対し直交するように配置することで、透過領域51L,51C,51Rの側方など狭いスペースに設置することが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、表示ユニット600は、該表示ユニット600を躯体1hに取り付けたときに該表示ユニット600を取り外さない限り天レンズユニット400を躯体1h(前面扉1b)に取り付けるための取付手段(係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dやネジ401nと取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411d)による取付状態を解除することができないように該取付手段を背面側から被覆する被覆部630を有することで、躯体1hの前面側に配設される天レンズユニット400を取り外すには、前面扉1bを開放して背面側から係止爪410a〜410dの係止孔531a〜531dへの係止状態を解除したり、ネジ401nを取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411dから取り外すなどしてこれら取付手段による取付状態を解除しなければならないばかりか、該取付手段による取付状態を解除するには、液晶表示器51を有する表示ユニット600を躯体1hから取り外して被覆部630による被覆状態を解除しなければならず、手間がかかる。
よって、躯体1hから天レンズユニット400を取り外して、例えば、針金やセル板などの不正器具を、躯体1hの収容凹部501に形成された係止孔531a〜531d、取付孔533a〜533d、534a,534bなどの取付孔や配線挿通口532等の配線孔や成型時に形成される成型孔といった開口にスロットマシン1の前面側から進入させて、筐体1a内部や前面扉1bの背面など本体内部に搭載された電気部品(例えば、メインCPU41aやサブCPU91aなど)等に不正な改造等を施すといった不正行為を抑制することができる。
また、本実施例の液晶表示器51は、背面側に配置されるリール2L,2C,2Rの可変表示部を透視可能な透視窓部である透過領域51L,51C,51R及び該透過領域51L,51C,51Rを含め前面扉1bの前面の一部を構成する遊技パネル111の全域にわたり設けられる演出表示部としての表示領域51aを有するため、透過領域51L,51C,51Rを含まない液晶表示器に比べて大型で重量がある表示装置とされている。よって、このような大型の液晶表示器51を有する表示ユニット600を利用して取付手段(係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dやネジ401nと取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411d)を被覆することで、該表示ユニット600を躯体1hから取り外すのに手間がかかるため、上記したような不正行為をより抑制することができる。
また、本実施例では、表示ユニット600の上部に形成された被覆部630により取付手段(係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dやネジ401nと取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411d)が被覆されていたが、被覆部630は表示ユニット600の上部以外の部位であってもよい。
また、本実施例では、天レンズユニット400を躯体1hに取り付けるための複数の取付手段である係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dや、ネジ401n,402nと取付孔533a〜533d、534a,534b、ネジ孔411a〜411d、413a,413bのうち、ネジ402nと取付孔534a,534b、ネジ孔413a,413b以外が被覆部630により被覆されていたが、全ての取付手段(係止爪410a〜410dと係止孔531a〜531dや、ネジ401n,402nと取付孔533a〜533d、534a,534b、ネジ孔411a〜411d、413a,413b)が被覆部630により被覆されるようにしてもよい。このように複数の取付手段が被覆されればより取り外しが困難となるので不正行為を抑制できる。
また、例えば、ネジ402nと取付孔534a,534b、ネジ孔413a,413bを、表示ユニット600における被覆部630以外の箇所(例えば、離間壁部617や取付壁部616など)により被覆されるようにしてもよい。
また、本実施例では、取付手段としての複数の取付手段が被覆部630により背面側から被覆されるようになっていたが、複数の取付手段のうち少なくとも一部が被覆されていれば、必ずしも複数の取付手段が被覆されていなくてもよい。
また、本実施例では、被覆部630は板状の壁部にて構成されていたが、取付手段としての係止爪410a〜410dやネジ401nによる取付状態を解除することが困難とされていれば、必ずしも壁部にて被覆されていなくてもよく、例えば、網状部材や柵部材等により被覆されていてもよい。
また、本実施例では、取付手段の一例として、係止孔531a〜531dに係止可能な係止爪410a〜410dや、取付孔533a〜533d、ネジ孔411a〜411dに取り付け可能なネジ401nが適用されていたが、係止爪410a〜410dまたはネジ401nのいずれか一方のみにて取り付けられるようになっていてもよい。さらに、表示ユニット600を躯体1hに取り付け可能な手段であれば、上記のように弾性係脱可能な係止部材やネジ部材に限らず、例えば、被係止部に係止可能な係止フックなどの係止部材や、ラッチ部材等の他の取付部材も適用可能である。
また、本実施例では、演出ユニットの一例として、躯体1hの前面上部に配設される天レンズユニット400が適用されていたが、演出ユニットの配設位置は任意であり、例えば、上サイドレンズユニット450L,450Rや下サイドレンズユニット451L,451Rなど他の演出ユニットを演出ユニットの対象としてもよい。
また、本実施例では、演出装置の一例として、光による演出を実行可能な天レンズLED470,サイド天レンズLED472が適用されていたが、演出装置はこのような照明装置に限定されるものではなく、例えば、液晶表示器のように画像を表示可能な表示装置や、駆動手段により駆動する可動装置や、音を出力可能なスピーカなどの他の演出装置も含まれる。また、所定の演出とは、遊技に関連して実行されるものだけでなく、遊技に関連なく実行される(例えば、LEDを遊技に関連なく装飾として発光させることなど)ものも含まれる。
また、本実施例では、可変表示装置の一例として、リール2L,2C,2Rが適用されていたが、識別情報の変動表示が可能な表示装置であれば、例えば、画像を表示可能な表示器を適用してもよい。また、リール2L,2C,2Rなどの可変表示装置は、筐体1aに配設されていたが、前面扉1bや表示ユニット600に一体に設けられていてもよい。
また、表示ユニット600は、液晶表示器51と該液晶表示器51を取り付けるための合成樹脂材からなるベース部材601とから構成され、ベース部材601は、液晶表示器51の取付部である取付壁部616と被覆部630とを有し、該被覆部630には金属板604が設けられていることで、ベース部材601の被覆部630が金属板604により保護されて不正器具等などによって破壊されにくくなるため、被覆状態の解除を困難化することができるばかりか、被覆部630にのみ金属板604が設けられるので、ベース部材601を極力軽量にすることができる。
また、液晶表示器51はベース部材601の前面側に取り付けられ、このベース部材は、液晶表示器51が取り付けられる取付壁部616と、液晶表示器51の上部に対し所定の隙間を隔てて配置される離間壁部617と、を有し、離間壁部617には、液晶表示器51の上辺部の一部に当接する凸部618が突設されていることで、液晶表示器51をベース部材601の前面に取り付けたときに該液晶表示器51の少なくとも背面上部とベース部材601との間に隙間Sが形成されることで、液晶表示器51の放熱効率を維持しつつ、凸部618により上辺部が背面側から支持されるので、液晶表示器51に前面側から外力を加えて背面側に撓ませることにより表示用開口500と液晶表示器51との間に形成された隙間に不正器具を挿入されたり、撓みによる液晶表示器51の破損等が防止される。
また、本実施例では、液晶表示器51の一辺である背面上辺部と離間壁部617との間に隙間Sが形成されるようになっていたが、液晶表示器51の他の一辺(縁辺)である左右側辺部などと離間壁部617との間に隙間Sが形成されるようにしてもよい。
また、凸部618は、離間壁部617の一部を前面側に膨出させることにより背面が開口する中空状に形成されていることで、離間壁部617の背面における凸部618に対応する位置には凹部618Aが形成されているので、手指を挿入することで表示ユニット600を容易に持ち運びすることが可能となる。尚、本実施例では、凸部618は中空状に形成されていたが、非中空状に形成されていてもよい。
また、凸部618の内部には補強用のリブ628が複数形成されていることで、凸部618が補強され変形が防止されるだけでなく、挿入した手指がリブ628に引っ掛かりやすくなるので持ちやすくなる。
また、液晶表示器51の制御を行う表示制御手段としてのサブCPU91aが設けられた非透光性の演出制御基板90を備え、演出制御基板90は、凸部618の背面開口を閉塞するように離間壁部617に取り付けられることで、凸部618の背面開口を目立たないように隠蔽することができる。
また、液晶表示器51は、ベース部材601に対し緩衝部材605a〜605dを介して取り付けられていることで、ベース部材601に生じる衝撃が緩衝部材605a〜605dにより吸収され液晶表示器51に伝わりにくくなくなるので、液晶表示器51の破損を防止できる。
また、表示ユニット600は、前面扉1b、躯体1hに取り付けるための所定係止部材としての係止部材644L,644Rを有し、係止部材644L,644Rは、前面扉1bの被係止部である左補強板金755の前面に係止される係止状態(図25(B)(D)参照)と該左補強板金755の前面から離脱する非係止状態(図25(A)(C)参照)とに変化可能に構成され、係止状態と非係止状態とに切替操作するための係止操作部としての操作片644bを有し、係止部材644L,644Rが係止状態であるときに、操作片644bと左補強板金755の側壁755aとの間にケーブルK6を挿通可能な配線挿通部645が形成される。
このようにすることで、表示ユニット600の躯体1hへの取り付け作業を係止部材644L,644Rにより容易に行うことができるばかりか、係止部材644L,644Rを係止状態にすれば配線挿通部645が形成されるので、配線押さえ等の部品を極力共通化して製造コストを低減することができる。
また、表示ユニット600を躯体1hへ取り付けるための係止部材644L,644Rを配線押さえとして利用することで、表示ユニット600を取り外す際に係止部材644L,644Rを回動させて非係止状態とすれば、配線挿通部645が広がってケーブルK6を取り外しやすくなるとともに、表示ユニット600を取り付ける際に係止部材644L,644Rを回動させて係止状態とすれば、配線挿通部645が狭まってケーブルK6が外れにくくなるので、ケーブルK6の配線作業も容易になる。
尚、本実施例では、ケーブルK6は複数のケーブルを含み、これら複数のケーブルが筒状のケーブルカバー(図示略)にて束ねられている。よって、操作片644bと左補強板金755の側壁755aとの間に形成される配線挿通部645に、複数のケーブルからなるケーブルK6を束ねた筒状のケーブルカバー(図示略)を挿通して保持することができる。
また、表示ユニット600は、前面扉1bの躯体1hに取り付けるための特定係止部材を有し、該特定係止部材は、ベース部材601に対し移動可能に設けられた移動取付枠610と、該移動取付枠610に形成され、躯体1hに形成された複数の開閉部側係止部(例えば、取付支柱638a〜638cの係止溝638m)それぞれに係止される複数の被係止部(例えば、取付孔636a〜636cの長孔部637b)と、を含み、移動取付枠610をスライド移動することにより長孔部637bが対応する係止溝638mに対し係脱されるように設けられ、複数のうち一の長孔部637bが対応する係止溝638mに係止された後に他の長孔部637bが対応する他の係止溝638mに係止されるように構成される、つまり、移動取付枠610を係止位置側に向けてスライド移動すると、取付孔636aの長孔部637bが取付支柱638aの係止溝638mに係止され、次いで、取付孔636bの長孔部637bが取付支柱638bの係止溝638mに係止され、最後に、取付孔636cの長孔部637bが取付支柱638cの係止溝638mに係止される。
このようにすることで、移動取付枠610を移動させることで複数の長孔部637bを係止溝638mに係止させることができるとともに、複数の長孔部637bは順に係止溝638mに係止されていくことで係止するために必要な力を分散できるので、係止操作性を向上させることができる。
また、本実施例では、特定係止部材としての移動取付枠610が被覆部630に配設されていることで、ベース部材601のうち被覆部630自体が躯体1hに係止されることになる。よって、被覆部630に外力が加えられても被覆部630が動いたり変形したりしにくくなるため、被覆状態の解除をより困難化することができる。
(メダルセレクタ及びメダルシュート)
次に、投入メダルセレクタ131及びメダルシュート160について、図29〜図33にもとづいて説明する。図29は、メダルシュートを示す六面図である。図30は、(A)は後上方から見たメダルシュートを示す分解斜視図であり、(B)は後下方から見たメダルシュートを示す分解斜視図である。図31は、メダルセレクタ及びメダルシュートを示す斜視図である。図32は、メダルセレクタ及びメダルシュートを示す正面図である。
(メダルセレクタ)
メダル判別装置としての投入メダルセレクタ131は、図31及び図32に示すように直方体形状に構成されており、その本体部内には、正面視略L字状のメダル流下通路133が形成されている(図32中斜線領域)。本体部の上面には、メダル流下通路133の上流側に連通するとともに、上方に配置される投入メダルガイド部材140に形成された投入口140aから落下されたメダルが流入される流入口141が形成され、また、本体部の左側面には、メダル流下通路133の下流側に連通するとともに、メダルを流出させるための流出口142aが形成されている。
図32に示すように、メダル流下通路133は、本体内部に略L字状に凹設される凹溝(図示略)と、該本体部の後方側に、軸部材143を中心に揺動自在に設けられるとともに、バネ144により本体部方向に付勢される揺動板145との間に形成されており、揺動板145は、前面扉1bに設けられるメダル詰まり解除ボタン110(図1参照)により押圧されることでメダル流下通路133を開放するようになっており、これによりメダル流下通路133内に詰まったメダルを本体部下方の流出部142bから排出することができるようになっている。すなわち、揺動板145及び前記凹溝が形成された本体部にて、メダル流下通路133の側面を形成する流下側壁が形成されている。
また、流入口141は、横長長方形状をなし、本体部上面に左右方向に向けて形成され、流出口142aは、縦長長方形状をなし、本体部側面に上下方向に向けて形成されている。つまり、メダル流下通路133の前後の流下側壁は、流入口141から流出口142aまで鉛直方向を向いており、メダル投入部4を構成する投入メダルガイド部材140の投入口140aから起立姿勢で投入され、流入口141から流入したメダルが、その起立姿勢を維持したまま通路内を流下して流出口142aから右側方に流出されるように構成されている。
メダル流下通路133の下方には、本体部の前面側に設けられる流路切替ソレノイド30(図4参照)の励磁に連係して、メダル流下通路133を流下するメダルがメダル流下通路133の下流側に設けられる投入メダルセンサ31a〜31c(図32参照)に検出される直前にてメダル流下通路133から下方に向けて強制的に落下させる流路切替板147が揺動自在に設けられている。また、揺動板145には、メダル流下通路133内を流下するメダルの逆流を防止するための逆流防止部材148がバネを介してメダル流下通路133方向に付勢された状態で回動自在に設けられている。この逆流防止部材148を設けることで、メダル流下通路133内における投入メダルセンサ31a〜31cの近傍でメダルを逆流させること等によりメダルを検出させるといった不正が行われることを防止している。
本体部の左右側面における上部には、係止ピン154がそれぞれ外向きに突設されているとともに、本体部の左右側面における下部には軸ピン155がそれぞれ外向きに突設されている。
投入メダルセレクタ131は、前面扉1bの背面におけるセレクタ取付凹部705に固定されるメダルセレクタ取付部材150に着脱できるように構成されている。メダルセレクタ取付部材150は、図31に示すように、金属板を折曲げ形成することにより構成され、セレクタ取付凹部705にネジ150n(図7参照)により固定される。
メダルセレクタ取付部材150の左右の側板151下部には、投入メダルセレクタ131の軸ピン155を回動自在に受支する上向きに開放する軸受部152が形成されている。また、側板151の上部には、投入メダルセレクタ131の係止ピン154が係脱される合成樹脂製の係止部材153が取り付けられており、該係止部材153の下方には、係止ピン154が係合される、上向きに開放する半円形状の図示しない位置決め凹部が形成されている。
投入メダルセレクタ131をメダルセレクタ取付部材150に装着する場合、投入メダルセレクタ131の本体を斜めに傾けた状態で、メダルセレクタ取付部材150の軸受部152に軸ピン155を上方から軸支させた状態で、本体上部を、軸ピン155を中心にメダルセレクタ取付部材150側に向けて押し当てるように回転させて押し込むと、係止部材153が変形して上方の係止ピン154が係止部材153と前記位置決め凹部との間に入り込んで挟持されるとともに、係止部材153の弾性復帰力にて係止ピン154が前記位置決め凹部に入り込んだ状態で保持される。
また、取り外したい場合には、軸ピン155を中心に、本体上部を後方側に引き出すように回転させるだけで、係止部材153及び前記位置決め凹部による係止ピン154の係止作用が解除されるとともに、本体を上昇させるだけで軸ピン155を軸受部152から簡単に離脱させることができるため、メダルセレクタ取付部材150から簡単に取り外すことができる。
投入メダルガイド部材140は、図示しないネジによりメダルセレクタ取付部材150と一体化された状態で前面扉1bの前面側に配置されるため、それぞれを別々に配置する場合に比べて、このメダルセレクタ取付部材150に取り付けられる投入メダルセレクタ131の流入口141とその直上に配置される投入口140aとの対向位置関係に狂いが生じにくいので、投入メダルガイド部材140と流入口141との間でのメダル詰まりの発生が防止される。
メダルセレクタ取付部材150における左側の側板151の外面には、前述したメダルシュート160が図示しないネジを介して固着されている。メダルシュート160は、金属板を屈曲形成することにより構成され、流出口142aから流出したメダルを筐体1a内に配置されたホッパータンク34a内に誘導する。このようにメダルシュート160がメダルセレクタ取付部材150に固着されることで、メダルシュート160をメダルセレクタ取付部材150以外の場所に配設する場合に比べて、投入メダルセレクタ131の本体との位置関係に狂いが生じにくいので、メダル流下通路133の流出口142aから流出したメダルを落下させることなくメダルシュート160に確実に流出させることができる。
また、図32に示すように、前面扉1bの背面に固定されたメダルセレクタ取付部材150に投入メダルセレクタ131を取り付け、前面扉1bにより筐体1aの前面開口を閉塞した状態において、メダル流下通路133の側面を構成する流下側壁(揺動板145及び図示しない凹溝の内面)の内面が、鉛直方向に対してほぼ平行な状態となるように構成されている(図38参照)。すなわち、投入メダルセレクタ131がメダルセレクタ取付部材150に取り付けられた状態において、薄型円盤状に形成されたメダルは、前記流下側壁により略鉛直方向を向く姿勢に維持された状態で、メダル流下通路133を円周面により回転流下(転動)するように構成されているため、メダル流下通路133を流下するメダルが揺動板145や前記凹溝の内面に摺接した状態のまま流下し続けることが回避される。これにより、例えばメダルに付着したゴミ、あるいは流入口141から入り込んだゴミや塵等が前記流下側壁に付着しにくくなり、摩擦抵抗によるメダル流下速度の低下や、メダル流下通路でのメダル詰まりの発生等を効果的に防止することができるため、投入メダルセンサ31a〜31cによる投入メダルの検出に悪影響が及ぶことを回避される。
(メダルシュート)
次に、メダルシュート160の構造について説明する。図29及び図30に示すように、メダルシュート160は、流出口142aから流出したメダルが転動するとともに、該流出口142aからメダルの誘導方向、つまり、ホッパータンク34a側に向けて漸次下方に傾斜する転動路面161a及びその内側縁(他側縁)から連設される補助転動路面161bを構成する底板162と、転動路面161aの外側縁(一側縁)に立設され、該転動路面161a上を転動するメダルの周縁上部をホッパータンク34a側に向けて摺接誘導する誘導立面163を構成するガイド板164と、補助転動路面161bの内側端縁に立設され、該補助転動路面161b上を流下(転動)するメダルをホッパータンク34a側に向けて誘導する補助誘導立面165を構成する補助ガイド板166と、ガイド板164の上流側端部から連設される取付片167と、転動路面161a及び補助転動路面161bの上方を覆う規制部材としてのシュートカバー900と、から主に構成されている。
メダルシュート160は、展開された1枚の金属板を屈曲及び湾曲させることにより、底板162、ガイド板164、補助ガイド板166、取付片167をそれぞれ形成している。底板162は、図33(A)に示すように、平面視略扇状に形成され、その上面には転動路面161a及び補助転動路面161bが形成されている。
図33(A)に示すように、転動路面161aは、所定の路面幅L1(本実施例ではメダルの半径L2(図32参照)よりも小寸、L1<L2)を有し、底板162の円弧状の外縁に沿うように延設される帯状の通路であり、転動方向に向けて平坦状に形成されている。投入メダルセレクタ131の本体部側面に形成された流出口142aから左側方に向けて流出したメダルを、後方側、つまり筐体1aに設置されたホッパータンク34a側に向けて約90度左方向に方向変換させる円弧状の方向変換部168を有している。尚、図33において、方向変換部168を挟んで、転動路面161aの左側端部が上流部175、下側端部が下流部176とされている。
補助転動路面161bは、平面視略円弧状に湾曲する帯状の転動路面161aの内側に向けて、該転動路面161aから連設され、平面視略扇状に形成されている。転動路面161aと補助転動路面161bとの間(連設部)、つまり転動路面161aの内側縁には、僅かな規制段部169(図32参照)が形成されており、転動路面161aよりも補助転動路面161bの方が高くなっている。この規制段部169は、本実施例では約1mm程度の段差とされており、転動路面161a上を転動するメダルが転動路面161aから補助転動路面161bに乗り上がり可能であり、かつ、補助転動路面161b上から転動路面161a上に復帰可能な高さとされている。
また、本実施例における規制段部169は、図32に示すように、1枚の底板162における転動路面161aの領域を補助転動路面161bの領域に対して上方から押圧して凹ませることにより、転動路面161aの内側縁に沿って延びるように形成されており、転動路面161a側から補助転動路面161b側に向けて僅かに傾斜する傾斜段部とされている。よって、規制段部169の外側には、平坦状の転動路面161aが該規制段部169の下部から連設され、規制段部169の内側には、平坦状の補助転動路面161bが該規制段部169の上部から連設されている。尚、このような規制段部169は、例えば転動路面161aを構成する板材と補助転動路面161bを構成する板材とを、互いに高さを異ならせるように突き合せることで形成してもよい。
底板162における補助転動路面161bの内側の前後辺部には、補助誘導立面165を構成する補助ガイド板166が、前後方向に延びるように立設されている。この補助ガイド板166は、メダルが補助転動路面161b上を流下する際に、該流下するメダルの落下を防止しつつ、メダルを後方側、つまり、ホッパータンク34a側に向けて誘導するようになっている。また、補助ガイド板166の前後幅方向における中央部には、後述する係止片902bを係止可能な被係止孔166aが形成されている。
また、底板162における左右方向を向く前端縁の長さL5(図32参照)、つまり、転動路面161a及び補助転動路面161bにおける下流側の左右幅(補助ガイド板166の内面である補助誘導立面165と誘導立面163との離間幅)は、メダルMの直径L3(約250mm)よりも大寸(L5>L3)とされているため、メダルが倒伏したとしても確実に滑らせて流下させることができる。
ガイド板164は、底板162の外側端縁に沿うように湾曲形成される1枚の金属板にて構成され、転動路面161aから上方に向けて立設される。また、転動路面161aの上流部175付近において底板162から連設されており、底板162に対して上方に屈曲させることにより立設されている。ガイド板164の高さL4は、長手方向にわたってメダルMの直径L3(図32参照)よりも大寸に形成され(L4>L3)、後述するように、転動するメダルMの周縁上部が内側の誘導立面163に当接(摺接)されるようになっている。また、図29に示すように、ガイド板164と底板162との間には、メダルMの厚み幅寸法よりも短寸の上下幅寸法を有する隙間911が転動路面161aに沿って延設されている。また、ガイド板164は、底板162から屈曲形成された溶着片162aに溶着固定されている。
ガイド板164の上流側端部からは、メダルセレクタ取付部材150の側板151に取り付けるための取付片167が前方に向けて連設されており、該取付片167の上下に形成されたネジ取付孔170にネジ(図示略)により側板151に取り付けられる。また、取付片167には、前述した軸ピン155の軸受部152が前側に開放するように形成されている(図29参照)。更に、取付片167には、後述するシュートカバー900に設けられた取付片904を取り付けるためのネジ孔171が上下に形成されている。また、ガイド板164の下流側上端部からは、後述する被係止孔901dに対して係止可能な係止片164aがメダルシュート160の左方に向けて延設されている。
シュートカバー900は、透明な合成樹脂材により形成され、図29及び図30(A)(B)に示すように、転動路面161aの全域の直上を被覆する上板部901aと、該上板部901aの右辺から底板162に向けて垂下された側板部901bと、該側板部901bの下端部から延設され補助転動路面161bの全域の直上を被覆する上板部901cと、上板部901cの右辺から垂下された側板部902aと、上板部901aの左辺から垂下された側板部903a及び取付板部903bと、から構成されている。このようにシュートカバー900は、上板部901a、側板部901b、上板部901cによって上板部901aが上板部901cよりも上方に位置する段状に形成されている。
側板部902aは、前後幅寸法が補助ガイド板166の前後幅寸法と略同一寸法に形成されており、上板部901cの右辺から補助ガイド板166の右側方に位置するよう垂下されている。また、側板部902aの前後幅方向の中央部には、前述した被係止孔166aに対して係止可能な係止片902bが設けられている。尚、側板部902aにおけるこの係止片902bの前部及び後部には、シュートカバー900の下方に向けて開口し、左右方向に連通する溝部902cが形成されている。このため、係止片902bは、これら溝部902cの間で左右方向に弾性変形可能となっている。
側板部903aは、上板部901aの左辺後端部からガイド板164の左側方に位置するよう垂下されている。また、側板部903aの上下幅寸法は、後述する取付板部903bの上下幅寸法よりも短寸に形成されている。更に、上板部901aから側板部903aにかけては、係止片164aを上下方向に挿通させることで該係止片164aを係止可能な被係止孔901dが形成されている。尚、上板部901aにおける側板部903aの前部には、左方に向けて開口し、上下方向に連通する溝部901eが形成されている。このため、上板部901aの溝部901eよりも後部は、上下方向に弾性変形可能となっている。
取付板部903bは、上板部901aにおける溝部901eの前方から上板部901aの後端部にかけて該上板部901aの左辺からガイド板164の左側方に位置するよう垂下されている。また、取付板部903bの上下幅寸法は、側板部903aよりも長寸に形成されている。また、取付板部903bの前端部からは、取付片167にシュートカバー900を取り付けるための取付片904が前方に向けて連設されており、取付片904の上下に形成されたネジ取付孔904aに図示しないネジを取り付け、該ネジをネジ孔171に螺入することで、シュートカバー900を取付片167に取り付けできるようになっている。
シュートカバー900は、底板162に対向した状態で下方に移動させることで、係止片902bが補助ガイド板166により右側方に向けて弾性変形され、上板部901aの後端部を係止片164aにより上方に向けて弾性変形されていく。そして、係止片902bが弾性復帰することで被係止孔166aに係止されるとともに、上板部901aの後端部が弾性復帰することで係止片164aが被係止孔901dに係止される。
このように係止片902bが被係止孔166aに係止され、係止片164aが被係止孔901dに係止された状態において、前述したようにネジ取付孔904aに取り付けられたネジ(図示略)をネジ孔171に螺入することで、取付片167に対してシュートカバー900が取り付けられる。尚、取付片904には、取り付けたときに取付片167に形成された軸受部152を外側から被覆する被覆凹部904bが形成されている。
このようにシュートカバー900は、転動路面161a、補助転動路面161b、誘導立面163、補助誘導立面165を構成する金属製のシュート部材とは別個に構成される樹脂製のカバー部材であり、転動路面161a、補助転動路面161b、誘導立面163、補助誘導立面165の上方を略全長にわたって被覆するように配設される。
(メダルの流下状況)
次に、投入メダルセレクタ131から流出したメダルがメダルシュート160によりホッパータンク34aに誘導される際の状況を、図33(A)(B)に基づいて説明する。尚、図33(A)において、メダルM1〜M4は同一のメダルを示す。
図33(A)に示すように、投入メダルセレクタ131のメダル流下通路133内を流下してきたメダルは、上下方向を向く流出口142aから起立姿勢のまま、投入メダルセレクタ131の右側方に向けて流出する。流出口142aから起立姿勢で流出して転動路面161aの上流部175に乗り移ったメダルM1は、メダルシュート160の右側に向けて転動しようとするが、転動路面161aの上流部175は、前述したように、誘導立面163側から規制段部169側、つまり、前方側から後方側に向けて下方に傾斜する傾斜面であることで、誘導立面163から離れる方向にスムースに誘導されるため、メダルが誘導立面163に強く接触して摩擦抵抗が大きくなって失速することが防止される。また、メダルの転動方向の後側が流出口142aから完全に抜け出た後は、メダルM2の転動方向の前部が傾斜する転動路面161aにより後方側に傾けられ、後側に向けてカーブ(方向変換)することにより、メダルM2の周縁上部が遠心力により誘導立面163側に傾倒する。
そして、方向変換部168に差し掛かったときに、メダルM3の周縁上部が誘導立面163に接触し、該誘導立面163に摺接した状態で転動する。これにより、メダルが誘導立面163との摺接により後側に向けて方向変換(誘導)される。
また、方向変換部168にて方向変換されたメダルM3は、その周縁下部が規制段部169により当接して横滑りが規制され、周縁上部が誘導立面163側に傾倒して摺接する前後方向を向く傾倒姿勢のまま転動する。下流部176まで到達したメダルM4は、底板162の後辺部から後方に向けて落下して、その下方に配設されるホッパータンク34a内に貯留される。
図33(B)には、流出口142aから起立姿勢で流出し、転動路面161a上を転動するメダルM1〜M4の周縁が通過する軌跡が太実線で示されている。このように、上流部175における幅方向の略中央位置に流出したメダルは、上流部175から方向変換部168に向けて、方向変換部168の内側、つまり規制段部169側に向けてスムースに誘導された後、該方向変換部168を通過して下流部176まで傾倒姿勢で転動するため、周縁の軌跡は規制段部169に沿って描かれることになる。すなわち、メダルは、平面視円弧状に形成される所定幅の転動路面161aから逸脱することなく、転動路面161aに沿ってスムースに、かつ安定して誘導される。
また、メダルが流出口142aから起立姿勢で流出して転動路面161aの上流部175に流入すると、底板162は後側に向けて下方に傾斜しているため、正面視で左側に向けて横向きで流出したメダルの上部が後側に傾倒したり、あるいは、メダルが流出口142aから起立姿勢で流出した時点で、何らかの要因(例えばメダルに付着したゴミ等によりメダル流下通路133内で発生した摩擦抵抗や、遊技者によるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7等の操作あるいは身体の接触等により生じる前面扉1bの振動等)により、通常速度よりも失速してしまったことで、転動路面161aから補助転動路面161b側に向けて方向変換された場合でも、メダルの上部が規制段部169に沿って設けられた側板部901bに当接することで、メダルの後側への倒伏や、転動路面161aから逸脱して補助転動路面161b上を流下することが防止される。
また、方向変換部168から下流部176にかけて流下するメダルの上部が、何らかの要因で補助転動路面161b側に倒伏しようとしても、メダルの上部が規制段部169に沿って設けられた側板部901bに当接することで、メダルの補助転動路面161b側への倒伏が防止される。
尚、仮にメダルの下部が滑って規制段部169を乗り越えて倒伏して転動路面161aから逸脱した場合でも、補助転動路面161b上を滑ってホッパータンク34aに向けて誘導される。
このように、転動路面161aを流下するメダルの上部は、側板部901bとガイド板164とにより挟まれていて倒伏が規制されるようになっているため、メダルは倒伏せずに転動路面161aに沿って転動していくことになるが、側板部901bの下方は補助転動路面161b側に向けて開放されているため、メダル通路の内側面下部が開放されていることになる。すなわち、転動路面161aに沿って側壁を立設してしまうと、メダルの倒伏は防止できるが、側壁が邪魔になって転動路面161a上に溜まったゴミの除去や清掃がしにくくなるが、側板部901bの下方は補助転動路面161b側に向けて開放されていれば、上板部901cと補助転動路面161bとの間に手指を挿入して転動路面161a上に溜まったゴミの除去や清掃を行うことができる。
このようにメダルシュート160は、流出口142aから起立姿勢で流出して、転動路面161aにおけるメダルの流入路部である上流部175を転動するメダルは、転動路面161aが規制段部169側に向けて下方に傾斜していることにより、該規制段部169側、つまり誘導立面163から離れる方向にスムースに誘導されて転動するため、メダルが誘導立面163に強く接触して摩擦抵抗が大きくなって失速することが防止されるばかりか、メダルの周縁上部が誘導立面163側に傾倒して摺接する傾倒姿勢となった場合には、メダルの周縁下部が規制段部169によりガイドされて横滑りが規制され、これにより傾倒姿勢が維持された状態で規制段部169に沿って転動するため、メダルが安定した姿勢で誘導されるとともに、該傾倒姿勢で維持されることでメダルが倒伏しにくくなるため、メダルを確実に、かつスムースにホッパータンク34aに誘導することができる。
また、規制段部169は、メダルが内側の補助転動路面161b側に向けて倒伏可能な高さであるため、例えば上流部175においてメダルが失速して該メダルの下部が滑って補助転動路面161b側に向けて倒伏してしまった場合でも、ホッパータンク34a側に向けて下方に傾斜する補助転動路面161bにより、メダルは倒伏したまま滑り落ちる(流下する)ことができる。よって、上流部175付近において、メダルが規制段部169に傾倒した状態で滞留してしまうことがないので、メダル詰まりの発生が効果的に防止される。
このように規制段部169は、傾倒したメダルの周縁下部と当接して横滑りを規制して該傾倒姿勢を維持可能であるとともに、メダルが転動路面161aから補助転動路面161bに乗り上がり可能に、かつ、補助転動路面161bから転動路面161aに復帰可能に構成されていることが好ましい。尚、本実施例では、段差は約1mm以下に形成されているが、上述のようにメダルを当接規制及び乗り上がり可能な高さであれば、1mm以上であってもよい。但し、規制段部169は、メダルの周縁下部に当接して横滑りを規制して該傾倒姿勢を維持可能な段差であり、ガイド板164のように、メダルの側面や該メダルの上部を係止可能な高さ以下であることが好ましく、少なくともメダルの半径L2以下の高さであることが好ましい。
また、転動路面161aの内側に、規制段部169の上部から連設される平面視略扇状の補助転動路面161bが連設されているとともに、規制段部169も極めて高さが低いことで、転動路面161aは所定深さを有する細凹溝状(U字状)の通路ではなく、上方に広く開放されているため、転動路面161a及び補助転動路面161b上に付着するゴミ等の清掃を容易に行うことができる。
また、転動路面161aは単一の板材である1枚の底板162にて構成されるとともに、誘導立面163は単一の板材であるガイド板164にて構成されることで、転動路面161aや誘導立面163に、部材同士の継ぎ目等による段差を生じさせることなく、平坦状に形成することができるので、メダルとの摩擦抵抗によるメダルの失速を極力低減できる。
また、メダルシュート160は、使用状態において、誘導立面163が鉛直方向を向くように配設されることで、傾倒姿勢となったメダルとの摺接時における安定性が向上する。
また、転動路面161aの幅寸法L1は、メダルの直径L3及び半径L2よりも小寸(L1<L2,L3)であるため、メダルが傾倒姿勢となった際に、確実にメダルの周縁上部が誘導立面163に接触し、かつ該メダルの周縁下部が規制段部169に当接して横滑りが規制されるため、メダルの倒伏が防止される。特に転動路面161aの幅寸法L1が、メダルの半径L2よりも小寸とすることで、メダルがより起立した姿勢で維持されるため、誘導立面163との摩擦抵抗が効果的に低減される。
また、メダルシュート160は、転動路面161aの内側に、誘導立面163とは別個に立設される補助誘導立面165をさらに備え、誘導立面163と補助誘導立面165との間の幅寸法L5は、メダルの直径L3よりも大寸であるため(L5>L3)、仮にメダルが流下途中で倒伏しても、補助誘導立面165により確実にホッパータンク34aに誘導できる。
また、本実施例では、底板162の上面における転動路面161aの内側に補助転動路面161bが形成されていたが、転動路面161aにおける誘導立面163と反対側の側縁に規制段部169が形成されていれば、補助転動路面161bは必ずしも形成されていなくてもよい。
また、本実施例では、メダルシュート160は投入メダルセレクタ131の左側に配設されていたが、流出口142aが右側面に形成されている場合には、右側に配設されていてもよい。すなわち、投入メダルセレクタ131における流出口142aの形成位置に対応して設けられていればよい。
(メダル通路部材)
次に、メダル通路部材190について、図34〜図38に基づいて説明する。図34は、(A)はメダル通路部材を示す正面図、(B)は(A)のC−C端面図である。図35は、(A)はメダル通路部材を示す背面図、(B)は(A)のD−D断面図、(C)は(B)のE−E断面図である。図36は、(A)はメダル通路部材を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)はメダル通路部材を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図37は、メダル通路部材が前面扉の背面に取り付けられた状態を示す背面図である。図38は、図37のF−F断面図である。
図34〜図38に示すように、メダル通路部材190は、合成樹脂材により前方に向けて開口する正面視で略Y字形をなす箱状に形成されてなる。メダル通路部材190は、投入メダルセレクタ131の下方位置に躯体1hの背面に複数のネジ190nにより取り付けられることで、メダル通路部材190の右部に、該メダル通路部材190と躯体1hの背面によってメダル返却通路191が構成される。また、このメダル返却通路191の上端部には、メダル通路部材190と躯体1hの背面によって投入メダルセレクタ131の背面下部から流出したメダルが通過可能な上端開口190aが形成されている。
一方、メダル通路部材190の左部には、投入メダルセレクタ131の下方において躯体1hの背面に複数のネジ190nにより取り付けられることで、該メダル通路部材190と躯体1hの背面によってホッパーユニット34から払い出されたメダルをメダル払出口9に誘導するメダル払出通路192が構成される。
また、メダル通路部材190の下部は、メダル返却通路191とメダル払出通路192が合流する構造となっており、該メダル通路部材190の下部には、正面視略Y字形状の金属板である保護板380が前方から取り付けられる。このように、メダル通路部材190の下部は、保護板380が前方から取り付けられることで、メダル返却通路191とメダル払出通路192が合流する合流路195を構成する。このように合流路195を流下するメダルMが躯体1hの背面に衝突することにより躯体1hが破損しないように保護板380により保護されている。
尚、保護板380の下部には、前方に向けて開口する開口部381が貫通形成されている。この開口部381は、メダル通路部材190に保護板380が取り付けられた状態で躯体1hの背面に取り付けられたときにメダル払出口9に連通するようになっている。このため、メダル返却通路191またはメダル払出通路192を流下してくるメダルMは、いずれにおいても合流路195から開口部381を通過してメダル払出口9に誘導されるようになっている。
メダル返却通路191内の上部には、メダル通路部材190に一体形成された第1抑制板部191a及び第2抑制板部191bが配設されている。このうち、第1抑制板部191aは、メダル返却通路191内の上部におけるメダル通路部材190の右内壁から左下方に向けて傾斜している。一方、第2抑制板部191bは、メダル返却通路191内の上部におけるメダル通路部材190の左内壁から右下方に向けて傾斜している。
また、図37に示すように、メダル通路部材190が躯体1hの背面に取り付けられたときに、第1抑制板部191aと第2抑制板部191bとの間に保護板金720が配置されるようになっている。
また、図36(A)(B)に示すように、メダル通路部材190の右上端部には、蓋体382が取り付けられている。この蓋体382は、上端開口190aの平面視の形状と略同一形状に形成されているとともに、前端部には、前方に向けて開口し、揺動板145の左右幅寸法よりも長寸である凹部382aが形成されている。また、蓋体382の左右両端部には、メダル通路部材190の右上端部の左右外周面に形成された被係止突部190bに係止するための係止部382bが下方に向けて突出形成されている。蓋体382は、メダル通路部材190の右上端部に対して上方から配置されることでこれら係止部382bを被係止突部190bに対して係止され、上端開口190aの後半部を被覆するようにメダル通路部材190に取り付けられる。
また、凹部382aは、メダル通路部材190が投入メダルセレクタ131の下方位置に取り付けられたときに、投入メダルセレクタ131の揺動板145の後方位置に配置される。このため、メダル詰まり解除ボタン110により揺動板145が後方に揺動されたときに、該揺動板145がメダル通路部材190に取り付けられた蓋体382の凹部382a内に収容されることで、蓋体382に接触して揺動板145の揺動が規制されることがないとともに、通常時は極力上端開口190aを閉塞できるようになっている。
投入メダルセレクタ131の背面下部から落下したメダルMは、保護板金720、第1抑制板部191a、第2抑制板部191bのうち少なくともいずれかに落下することで流下速度が減衰されてからメダル返却通路191から合流路195を経てメダル払出口9に誘導されるようになっているため、投入メダルセレクタ131から流出したメダルMがメダル通路部材190に衝突することによりメダル通路部材190が破損してしまうことが防止されている。
メダル通路部材190におけるメダル払出通路192の背面からは、後方に向けて接続部196が突出形成されている。この接続部196は、メダル通路部材190が躯体1hの背面に取り付けられた状態で前面扉1bを閉塞したときに、ホッパーユニット34の排出口34dに接続されるようになっている。この接続部196の後端部には、該接続部196の全周に亘って接続部196の内方に向けて屈曲された屈曲片196aが形成されており、該屈曲片196aの内方は、ホッパーユニット34から払い出されるメダルMが通過可能な横長長方形状の連通口196bが形成されている。
また、接続部196における連通口196bの後端部における周端縁は、全周に亘って連通口196bに向けて前方に傾斜をなすテーパー部196cが形成されている。このため、ホッパーユニット34の排出口34dから払い出されるメダルMは、該テーパー部196cにガイドされて連通口196bを通過することで、メダル払出通路192及び合流路195を流下し、メダル払出口9に誘導されるようになっている。また、この連通口196bの前面側には保護板380が配置されているので、排出口34dから払い出されるメダルMは保護板380に衝突されるようになっている。
また、図35(B)及び図35(C)に示すように、接続部196内における屈曲片196aの上部と接続部196の上内面との間、及び屈曲片196aの下部と接続部196の下内面との間には、一対のリブ196d,196dが形成されている。このため、接続部196内における連通口196bの上方及び下方には、リブ196d、屈曲片196a、接続部196の内面とで囲まれた複数の間隙196eが形成されている。尚、間隙196eの横幅は、メダルMの直径よりも小寸に形成されている。
また、リブ196d,196dの前端部は、屈曲片196aの前端部よりも前方に形成されている。更に、リブ196d,196dは、双方とも前端部から後方にかけて連通口196bに向けて傾斜をなすテーパー状に形成されている。このため、受皿123内のメダルMが満杯の状態で排出口34dからメダルMが払い出され、合流路195から上方のメダル払出通路192にかけてメダルMが詰まった状態が発生したとしても、メダルMはテーパー状に形成されたリブ196d,196dによりガイドされて連通口196bに向けて誘導され、接続部196内においてメダルが間隙196e内に入り込んでしまうことがない。
そして、接続部196内において、連通口196bの周囲に間隙196eが複数形成されることで、例えば、スロットマシン1の前面側からメダル払出口9に針金等の不正器具を差し込み、メダル払出通路192から連通口196b内に進入させてホッパーユニット34に設けられた払出センサ34cなどの筐体1a内部の電子部品等にアクセスして不正行為を試みようとしても、該不正器具が複数の間隙196eのいずれかに差し込まれると、該不正器具をそのままスライドさせて連通口196bに進入させることはできず、連通口196bに進入させるには一旦引き戻さなければならないため、不正器具を連通口196bに進入させ難くなる。よって、メダル払出口9に針金等の不正器具を差し込み、メダル払出通路192から連通口196b内に進入させることによる筐体1a内部の電子部品等に対する不正行為を抑止できる。
(メダルシュートとその周辺部材との配置位置関係)
次に、投入メダルセレクタ131、メダルシュート160、メダル通路部材190、ホッパータンク34aの配置位置関係について、図32、図37、図38にもとづいて説明する。図37は、メダル通路部材が前面扉の背面に取り付けられた状態を示す一部断面図である。図38は、図37のF−F断面図である。
図38に示すように、投入メダルセレクタ131は、流出口142aがホッパータンク34aよりも上方に位置するようにホッパータンク34aよりも上方位置に配設されている。
メダルシュート160は、転動路面161a及び補助転動路面161bの下流側端部がホッパータンク34aよりも上方に位置するようにホッパータンク34aよりも上方位置に配設されている。また、図32に示すように、投入メダルセレクタ131の右側面に形成される流出口142a側に配置され、転動路面161a及び補助転動路面161bは筐体1aに配置されるホッパータンク34aに向けて下方に傾斜するように延設されている。
メダル通路部材190は、投入メダルセレクタ131の下部から下方のメダル払出口9に向けて下方に延設されている。より詳しくは、メダル通路部材190の上端開口190a、つまり、投入メダルセレクタ131の背面下部側に設けられる流出部142bから流出する不適正メダルを受け入れる受入口は、投入メダルセレクタ131の下部を背面側から覆うように収容可能な大きさに形成されるとともに、前述したように投入メダルセレクタ131をメダルセレクタ取付部材150に対して着脱するときに、投入メダルセレクタ131を手前側に傾倒させることができるように手前側に大きく開放されている。したがって、投入メダルセレクタ131の下部背面側には、上端開口190aが上方に開放するように設けられるため、メダル通路部材190と投入メダルセレクタ131の本体との間に形成される上端開口190aからメダルMを流入させることができるようになっている。
但し、このメダル通路部材190の上端開口190aは、流出口142a及び転動路面161a及び補助転動路面161bの下流側端部の配置位置よりも上方に配置されているため、流出口142aから流出した適正メダルMをそのまま自然流下させて上端開口190aに流入させたり、あるいは転動路面161a及び補助転動路面161bの下流側端部から流出した適正メダルMをそのまま自然流下させて上端開口190aに流入させて、適正メダルMをメダル払出口9に返却させるという不正行為を行うことが困難とされている。
また、近年においては、流出口142aから流出して転動路面161a及び補助転動路面161b上を転動しているメダルMを、何らかのメダルリフト機構を備える不正装置にて取り込んだ後、上方にリフトしてその上方にある上端開口190aに排出して適正メダルMをメダル払出口9から返却して使いまわすという不正行為が行われることがある。
しかしながら、本実施例のメダルシュート160にあっては、転動路面161a及び補助転動路面161bの上方位置に、シュートカバー900が取り付けられていることにより、転動路面161aを流下するメダルMを不正装置にて取り込んだとしても、転動路面161aの上方位置に上板部901aが配置されていることで、上方へリフトして取り出すことが困難となるとともに、この上板部901aを回避して取り出そうとした場合には、取り出したメダルの上端開口190aまでの移送距離が長くなるため、流出口124aから流出したメダルMをホッパータンク34aに貯留させることなくメダル払出口9から返却させて使い回すといった不正行為を抑制することができる。
また、本実施例の投入メダルセレクタ131は、メダルセレクタ取付部材150に対して下端を軸にして上部を手前側に傾倒させることにより着脱するものであり、かつ、躯体1hに取り付けられた状態において、揺動板145が背面側に揺動する構造であるから、メダル通路部材190の受入口である上端開口190aを完全に閉鎖できないとともに、メダルシュート160は、メダルMを転動路面161aにより転動にて流下させるため、滑落により流下されるものに比べてメダルを取り出しやすく、また、受入口に不正に戻しやすい。よって、上端開口190aを完全に閉鎖することにより不正にメダルを戻されることを防止するのではなく、シュートカバー900により流下するメダルMの上方への取り出しを規制することで、上端開口190aを閉鎖しなくても不正行為を抑制することができる。
また、転動路面161aを流下するメダルMを不正装置にて取り込んだとしても、転動路面161a及び補助転動路面161bの側方位置、つまり上端開口190a側に側板部902aが配置されていることで、取り込んだメダルMを側方に取り出すことが困難となるとともに、この側板部902aを回避して取り出そうとした場合には、取り出したメダルの上端開口190aまでの移送距離が長くなる。
また、メダルシュート160における上端開口190aと反対側の側面に開口部910が形成されていることで、転動路面161a及び補助転動路面161bの側方から開口部910を介してメダルMにアクセスすることができるため、転動路面161aまたは補助転動路面161b上でメダル詰まりが発生したときに、シュートカバー900を取り外さなくても簡単に対処することができるばかりか、開口部910からメダルを不正に取り出しても、上端開口190aまでの移送距離を極力長くすることができる。また、シュートカバー900は透光性を有しているため、メダル詰まりが発生していることをシュートカバー900を取り外さなくても確認できるようになっている。
また、取付板部902b,903bはともにガイド板164,166の外側に配置されることで、取付板部902b,903bの下端面は下向きに配置されるため、該取付板部902b,903bの下端面により形成される段部を利用して不正装置を取り付けること等を防止できる。
また、本実施例では、シュートカバー900は透明な合成樹脂材にて構成されていたが、転動路面161a及び補助転動路面161bへの上方からのアプローチを規制しうるものであれば、例えば、金属板や金属製のネット等にて構成してもとしてもよい。
また、本実施例では、シュートカバー900は取付板部902b,903bを介してガイド板164,166の上端に取り付けられていたが、上板部901を直接取り付けてもよい。
また、本実施例では、メダルシュート160を構成する底板162,ガイド板164,166と別個に成型されたシュートカバー900とを一体に組み付けることで構成されていたが、予め一体成型されていてもよい。
また、本実施例では、適正メダルが流出する流出口142aから流出したメダルは、メダルシュート160を介して回収部の一例であるホッパータンク34aに貯留されることにより回収されるようになっていたが、メダルシュート160は、遊技者から不正にメダルを取り出せない回収部にメダルを誘導するものであれば、例えばスロットマシンの外部(例えばスロットマシンを設置する遊技機設置島等)に設けられる回収部やメダルを自動回収する回収装置等にメダルを誘導するものであってもよい。
(下部パネルユニット)
次に、下部パネルユニット550について、図39及び図40に基づいて説明する。図39は、(A)は下部パネルユニットを斜め前下から見上げた状態を示す分解斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図40は、下部パネルユニットが躯体に組付けられた状態を示す断面図である。
図38に示すように、下部パネルユニット550は、透明な合成樹脂材にて形成された下部パネル120と、下部パネル120の背面に配置され、スロットマシン1の機種名やタイトルや演出に登場するキャラクタ等が印刷された透光性を有する装飾シート561と、装飾シート561の背面側を被覆する透明な合成樹脂材にて形成された保護パネル562と、前面に複数の発光ダイオード(LED)が配設された下パネルLED基板563a,563bと、下面に複数の発光ダイオード(LED)が配設された下パネルLED基板564と、背面側に配置される取付パネル560と、から主に構成され、パネル取付凹部510に前面側から取り付けられる(図6、図8参照)。
取付パネル560の背面には、パネル取付凹部510に形成された係止孔565a〜565d(図8参照)に挿入して弾性係止可能な係止爪566a〜566dが突設されている。上方の係止孔565a,565bは縦向き、下方の係止孔565c,565dは横向きに形成されている。また、配線孔193に対応する箇所には配線孔566が形成されており、下パネルLED基板563a,563b、564からの配線を躯体1hの背面側に挿通できるようになっている。
また、取付パネル560の背面には、複数のネジ孔567a〜567dが形成されており、パネル取付凹部510に形成された取付孔568a〜568d(図8参照)に躯体1hの背面側から取り付けられるネジ550n(図6参照)により、パネル取付凹部510に取り付けられる。また、取付パネル560の背面上部右側には、セレクタ取付凹部705を許容する凹部569が、前方に膨出するように形成されている。
図40に示すように、下部パネルユニット550は、パネル取付凹部510に取り付けられた状態において突出部5の下方に配置される。内部は中空状に形成され、取付パネル560の前面に取り付けられた下パネルLED基板563a,563bに配設された複数のLED(図示略)は前方に向けて光を照射可能とされ、保護パネル562、装飾シート561、下部パネル120を透過して下部パネル120全域が発光するようになっている。また、取付パネル560における凹部569の前面に取り付けられた下パネルLED基板564に配設された複数のLED(図示略)は下方に向けて光を照射可能とされているので、下パネルLED基板563a,563bに配設された複数のLED(図示略)からの光が到達しにくい凹部569の前面を照らすようになっている。
また、下部パネル120は、突出部5の下面前端よりもやや後方位置から下方に向けて前側に傾倒するとともに、後側に緩やかに膨出するように湾曲状に形成されている。よって、スロットマシン1において遊技を行う遊技者が下部パネル120を上方の目線位置から見下ろすときでも、装飾シート561の装飾を視認しやすくなる。
また、下部パネル120の下辺部は、所定の隙間を隔てて下方位置に配置される受皿123の前端よりもやや後方に位置しているが、湾曲している下部パネル120の前面下辺部における接線Pは、受皿123の前端よりも若干前側に位置している。よって、遊技者が受皿123のメダルに触れるときに下部パネル120の下辺部が接触しにくく、かつ、下部パネル120の前面に沿って滑り落ちてくる塵やゴミ等は受皿123の前端よりも前側に落下しやすくなるので、受皿123内に塵やゴミ等が入り込みにくくなる。また、例えば遊技者がメダル投入部4に投入する際に落としたメダルが受皿123の先端に落下して受皿123が破損すること等が防止される。
(サイドレンズユニット)
次に、上サイドレンズユニット450L,450R、下サイドレンズユニット451L,451Rについて、図41〜図49に基づいて説明する。図41は、上サイドレンズユニット及び下サイドレンズユニットを示す六面図及び斜視図である。図42は、(A)は上サイドレンズユニット及び下サイドレンズユニットの内部構造を斜め前下から見た状態を示す分解斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図43は、上サイドレンズユニットの躯体への取り付け態様を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図44は、上サイドレンズユニットの躯体への取り付け態様を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図45は、上サイドレンズユニットが躯体へ取り付けられたときの態様を示す縦断面図である。図46は、上サイドレンズユニットが躯体へ取り付けられたときの態様を示す横断面図である。図47は、下サイドレンズユニットの躯体への取り付け態様を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図48は、下サイドレンズユニットの躯体への取り付け態様を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図49は、下サイドレンズユニットが躯体へ取り付けられたときの態様を示す横断面図である。尚、上サイドレンズユニット450L,450R、下サイドレンズユニット451L,451Rは、正面視形状が左右対称であるだけで構造は同様であるため、以下においては右側の上サイドレンズユニット450R、下サイドレンズユニット451Rについてのみ説明し、左側の上サイドレンズユニット450L、下サイドレンズユニット451Lについての説明は省略することとする。
図41に示すように、上サイドレンズユニット450R、下サイドレンズユニット451Rは、躯体1hの前面に取り付けられたときに上サイドレンズユニット450Rの下端に下サイドレンズユニット451Rが当接され、これら上サイドレンズユニット450R、下サイドレンズユニット451Rにより1つの細長柱状のレンズユニットをなすように形成されることで、躯体1hの上部から下部にかけて連続する帯状のサイド発光表示部460Rを構成する。また、上サイドレンズユニット450R、下サイドレンズユニット451Rは、正面視で右側に膨出するように湾曲するとともに、側面視で背面側に膨出するように湾曲形成されている。
図42〜図44に示すように、上サイドレンズユニット450Rは、躯体1hの前面における表示用開口500の左右辺部に形成された上レンズ取付部810L,810Rの右側の上レンズ取付部810R(図8、図43参照)に取り付けられる透明な合成樹脂材からなる取付ベース811と、取付ベース811の前側に組付けられ表面にメッキ処理が施された反射部材812と、反射部材812の前側に組付けられ透明な合成樹脂材からなる導光部材813と、導光部材813の前側に組付けられ取付ベース811の前面を被覆する合成樹脂材からなるカバー部材814と、から構成されている。
カバー部材814は、ネジ814nにより前面側から取付ベース811に取り付けられ、取付ベース811は、ネジ450nにより背面側から躯体1hに取り付けられる。また、取付ベース811の上部には、取付用ボス414b(図19参照)が挿通される連結孔815が形成されており、天レンズユニット400を躯体1hに取り付けたときに該天レンズユニット400に連結されるようになっている。
反射部材812は、上下方向に延びる帯板状に形成され、その表面は、前方を向く前反射部816aと右側方を向く右反射部816bとから構成され、光を前方及び右側方に反射させるようになっている。また、反射部材812には、横長のスリット817が上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成されている。
導光部材813は、反射部材812に沿って上下方向に延設されるベース板820と、ベース板820の前面に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成される前水平片821F及びベース板820の背面に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成される後水平片821Bとが一体に形成されてなる。各前水平片821Fと後水平片821Bとはそれぞれ上下方向の同位置に形成されており、側面視で前後方向に直線状に延びる導光部を構成する(図45参照)。
前水平片821Fは、上方から下方に向けて漸次前後幅が短寸となっている。また、前水平片821Fの前端面及び左右側端面にはローレット加工が施されて凹凸状に形成されており、これにより導光部材813の内部の光が前水平片821Fの前端面及び左右側端面から外方に出射する際に光が拡散するようになっている(図46参照)。
後水平片821Bは、反射部材812に形成された複数のスリット817を挿通し、さらに取付ベース811の背板に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成された横長のスリット823を挿通して、後端面が取付ベース811の背面側に露呈するようになっている。
躯体1hの背面における上レンズ取付部810Rに対応する箇所には、上サイドレンズ基板ユニット703Rが取り付けられる。上サイドレンズ基板ユニット703Rは、上サイドLED830a,830bが上下方向に複数配設された上サイドレンズ基板831と、透明な合成樹脂材にて形成される導光部材832と、上サイドレンズ基板831の背面を被覆する背面カバー833と、から構成される。導光部材832は、ネジ703nにより背面側から躯体1hに取り付けられ、背面カバー833は、ネジ833nにより導光部材832に取り付けられる。
導光部材832は、正面視縦長長方形状のベース板835と、前面左側に上下方向に向けて複数突設される柱状部836と、前面右側に上下方向に複数突設される板状部837と、から構成される。柱状部836は、上部から下方に向けて漸次前後幅が短寸となっている。板状部837は、上方から下方に向けて漸次前後幅が短寸となるように傾斜している。
柱状部836は上サイドLED830aに対応して配置され、板状部837は上サイドLED830bに対応して配置されており、柱状部836及び板状部837の後端面は、ベース板835の背面に突出して上サイドLED830a,830bに対向して配置される。つまり、柱状部836及び板状部837の後端面は、上サイドLED830a,830bの光の入射面とされている。
図45及び図46に示すように、各柱状部836は、躯体1hに取り付けられたときに、上レンズ取付部810Rに複数形成された略円形の導光孔838にそれぞれ挿入され、前側に配置された各後水平片821Bの後端面に当接または近接するようになっている。これにより、柱状部836及び後水平片821Bにより前後に延びる導光部が形成される。つまり、上サイドLED830aが発光すると、その光が柱状部836の後端面に入射され、柱状部836から後水平片821B、前水平片821F内を導光されて前端面及び側端面から出射される。
また、各板状部837は、躯体1hに取り付けられたときに、上レンズ取付部810Rに複数形成された長溝839にそれぞれ挿入されて前端面が前面側に臨むようになっている。これにより、板状部837の前端面により前後方向に延びるサイド発光表示部460Rの一部が形成される。つまり、上サイドLED830bが発光すると、その光が板状部837の後端面に入射され、該板状部837内を導光されてその前端面から出射される。
このように、上サイドレンズユニット450Rにあっては、上サイドLED830aからの光が導光部材813、832を導光して導光部材813の前端面及び左右側端面が発光するようになっているので、図45に示すように、カバー部材814の前面形状や上レンズ取付部810Rが背面側に膨出するように上下方向に湾曲する形状であっても、上サイドLED830aは上下方向に直線状に配置することができることで、上サイドLED830aが複数配設されている上サイドレンズ基板831をカバー部材814の前面形状に合わせて上下方向に湾曲させて配置する必要がないので、構造が複雑化することを防止できる。
また、カバー部材814や導光部材813のみを躯体1hの前面側に配設し、導光部材832と上サイドレンズ基板831を躯体1hの背面側に配設していることで、上サイドレンズユニット450R内に上サイドレンズ基板831を配設する必要がないので、上サイドレンズ基板831に制限されることなく、上サイドレンズユニット450Rの形状を任意に設計できるため、設計自由度が向上するとともに、カバー部材814を透して上サイドレンズ基板831が視認されにくくなり、導光部材813のみが見えるようになるので、外観体裁が向上する。
図42及び図47〜図49に示すように、下サイドレンズユニット451Rは、躯体1hの前面におけるパネル取付凹部510の左右辺部に形成された下レンズ取付部850L,850Rの右側の下レンズ取付部850R(図8、図47参照)に取り付けられる透明な合成樹脂材からなる取付ベース851と、取付ベース851の前側に組付けられ表面にメッキ処理が施された反射部材852と、反射部材852の前側に組付けられ透明な合成樹脂材からなる導光部材853と、導光部材853の前側に組付けられ取付ベース851の前面を被覆する合成樹脂材からなるカバー部材854と、から構成されている。
カバー部材854は、ネジ854nにより前面側から取付ベース851に取り付けられ、取付ベース851は、ネジ451nにより背面側から躯体1hに取り付けられる。
反射部材852は、上下方向に延びる帯板状に形成され、その表面は、前方を向く前反射部856aと右側方を向く右反射部856bとから構成され、光を前方及び右側方に反射させるようになっている。また、反射部材852には、横長のスリット857が上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成されている。
導光部材853は、反射部材852に沿って上下方向に延設されるベース板860と、ベース板860の前面に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成される前水平片861F及びベース板860の背面に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成される後水平片861Bとが一体に形成されてなる。各前水平片861Fと後水平片861Bとはそれぞれ上下方向の同位置に形成されており、側面視で前後方向に延びる直線状の導光部を構成する。
前水平片861Fは、上方から下方に向けて漸次前後幅が長寸となっている。また、前水平片861Fの前端面及び左右側端面にはローレット加工が施されて凹凸状に形成されており、これにより導光部材853の内部の光が前水平片861Fの前端面及び左右側端面から外方に出射する際に光が拡散するようになっている(図49参照)。
後水平片861Bは、反射部材852に形成された複数のスリット857を挿通し、さらに取付ベース851の背板に上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成された横長のスリット863を挿通して、後端面が取付ベース851の背面側に露呈するようになっている。
躯体1hの背面における下レンズ取付部850Rに対応する箇所には、下サイドレンズ基板ユニット704Rが取り付けられる。下サイドレンズ基板ユニット704Rは、下サイドLED870が上下方向に複数配設された下サイドレンズ基板871と、下サイドレンズ基板871の背面を被覆する基板カバー873と、から構成される。背面カバー833は、ネジ703nにより背面側から躯体1hに取り付けられ、下サイドレンズ基板871はネジ871nにより背面カバー833に取り付けられる。
図49に示すように、各下サイドLED870は、躯体1hに取り付けられたときに、下レンズ取付部850Rに複数形成された横長の長溝878にそれぞれ臨み、前側に配置された各後水平片861Bの後端面に当接または近接するようになっている。つまり、上サイドLED870が発光すると、その光が後水平片861Bの後端面に入射され、前水平片861F内を導通して前端面及び側端面から出射される。
このように、下サイドレンズユニット451Rにあっては、下サイドLED870からの光が導光部材853を導光して導光部材853の前端面及び左右側端面が発光するようになっているので、カバー部材854の前面形状や下レンズ取付部850L,850Rが背面側に膨出するように上下方向に湾曲する形状であっても、下サイドLED870は上下方向に直線状に配置することができることで、下サイドLED870をカバー部材854の前面形状に合わせて上下方向に湾曲させて配置する必要がないので、構造が複雑化することを防止できる。
また、カバー部材854や導光部材853のみを躯体1hの前面側に配設し、下サイドレンズ基板871を躯体1hの背面側に配設していることで、下サイドレンズユニット451R内に下サイドレンズ基板871を配設する必要がないので、下サイドレンズ基板871に制限されることなく、下サイドレンズユニット451Rの形状を任意に設計できるため、設計自由度が向上するとともに、カバー部材854を透して下サイドレンズ基板871が視認されにくくなり、導光部材853のみが見えるようになるので、外観体裁が向上する。
また、上サイドレンズユニット450Rにあっては、導光部材813における前水平片821Fの背面側に後水平片821Bが延設され、下サイドレンズユニット451Rにあっては、導光部材853における前水平片861F背面側に後水平片861Bが延設されていることで、発光部となる前水平片821F,861Fに対し上サイドLED830aや下サイドLED870の左右または上下方向の配置位置が制限されることがないので、照明装置である上サイドLED830aや下サイドLED870に制限されることなく、発光部である前水平片821F,861Fを任意に配置することが可能となるため、設計自由度が向上する。
よって、例えば、図49に示すように、下サイドレンズユニット451Rの背面板となる取付ベース851に対し下サイドLED870を例えば左側に寄せて配置し、取付ベース851の背面右側を背面側に開放することができる。これにより、躯体1hの前面と取付ベース851の背面との間に段部が形成され、下サイドレンズユニット451Rが躯体1hから突出して配設されているように見せることができるため、遊技者に立体感を与えることができる。
(サイド装飾部材)
次に、サイド装飾部材530L,530Rについて、図50及び図51に基づいて説明する。図50は、サイド装飾部材の躯体への取り付け態様を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図51は、サイド装飾部材の躯体への取り付け態様を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図50及び図51に示すように、サイド装飾部材530L,530Rは、躯体1hの前面における右下角部に形成された右側のサイド装飾部材取付部880R(図8、図50参照)に取り付けられる装飾部材885と、導光部材884と、から主に構成される。
導光部材884は、非透光性の合成樹脂材からなるベース部材886と、ベース部材886における装飾LED882に対応する位置に配置され、ベース部材886から前方に突出するように設けられた透明な合成樹脂材からなる複数の板状の導光レンズ887と、から構成され、導光レンズ887の後端面は、サイド装飾部材取付部880Rに上下方向に複数形成されたスリット891を介して背面側に臨むようになっている。また、導光部材884はネジ885nにより装飾部材885に取り付けられ、装飾部材885はネジ530n(図8参照)により背面側から躯体1hに取り付けられる。
導光レンズ887の前端面は、装飾部材885に上下方向に形成された長溝888を介して前方に臨むように設けられる。長溝888の前面には帯状のレンズカバー889が取り付けられ、筋状のサイド発光表示部460Rの下部を構成する。また、レンズカバー889の左側には、正面視円形の凹部が複数形成された装飾パネル890が取り付けられる。
躯体1hの背面におけるサイド装飾部材取付部880Rに対応する箇所には、装飾基板ユニット707Rが取り付けられる。装飾基板ユニット707Rは、躯体1hの背面における右下角部に取り付けられる透明な合成樹脂材からなる基板カバー881と、前面に装飾LED882が上下方向に複数配設された装飾LED基板883と、から構成される。また、装飾LED基板883は、ネジ883nにより基板カバー881に取り付けられ、基板カバー881は、ネジ707nにより躯体1hの背面に取り付けられる。
このように構成されるサイド装飾部材530L,530Rは、導光レンズ887の後端面がスリット891を介して装飾LED882に対向して配置される(図49参照)。つまり、導光レンズ887の後端面は装飾LED882の光の入射面を構成する。そして、装飾LED882の光が導光レンズ887内を導光されて該導光レンズ887の前端面から出射されることで、サイド発光表示部460Rの下部が正面視で上下方向に延びる筋状に発光する。
(上装飾レンズ基板ユニット)
次に、上装飾レンズ基板ユニット702L,702Rについて、図52に基づいて説明する。図52は、(A)は上装飾レンズ基板ユニットの内部構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図52に示すように、上装飾レンズ基板ユニット702L,702Rは、躯体1hの背面における右上角部に取り付けられる基板カバー893と、前面に上装飾LED898が上複数配設されたL字形状の上装飾LED基板894と、上装飾LED基板894の前側に配置される導光部材895と、から主に構成される。基板カバー893はネジ702n(図8参照)により背面側から躯体1hに取り付けられる。
導光部材895は、非透光性の合成樹脂材からなるベース部材896と、ベース部材896における上装飾LED898に対応する位置に配置され、ベース部材896から前方に突出するように設けられた透明な合成樹脂材からなる板状の導光レンズ897と、から構成され、導光レンズ897の後端面はベース部材896の背面に露呈され、上装飾LED898に対向して配置される。つまり、導光レンズ897の後端面は上装飾LED898の光の入射面を構成する。
導光レンズ897の前端面は、躯体1hの右上角部に縁辺に沿うようにL字形に形成された長溝899を介して前方に臨むように設けられる。このように構成される上装飾レンズ基板ユニット702Rは、上装飾LED898の光が導光レンズ887内を導光されて該導光レンズ897の前端面から出射されることで、正面視でL字形をなす筋状に発光する。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明の遊技機の一例としてスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機等にも適用可能である。
このようなパチンコ遊技機において、開口を有する枠状に形成された本体部としての外枠と、該外枠の開口を開閉可能とするとともに遊技盤が設けられる開閉部としての遊技枠と、からなる場合、前記遊技枠の前面側に演出ユニットが配設され、背面側に表示ユニットが配設される構造とされていればよい。