JP5519375B2 - アンテナ自動同調・整合装置 - Google Patents
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Description
要するに、上述の課題を解決するアンテナ自動同調・整合装置は、前記電圧電流比信号と位相差信号の2つの信号に基づいて前記モータを制御して前記可変インダクターのインダクタンス値もしくは可変キャパシターのキャパシタンス値を調整し、アンテナの同調と整合を自動的に行うものである。
また、本発明により、HF帯のアマチュア無線に利用できる周波数に適用できるアンテナ自動同調・整合装置であって、同調・整合を迅速に行うアンテナ自動同調・整合装置が提供された。
また、本発明により、送信する周波数を変更するたびに手動でアンテナの同調を取り直す面倒な操作が不要になった。
短波無線送受信機1とアンテナ2との間を接続する同軸ケーブル3を流れる高周波信号の電圧を検出する電圧検出部52は、図2に示す如く、コンデンサ52cと52dからなるコンデンサ分圧回路である。コンデンサ52cと52dの直列回路は、外部導体3bをアンテナ自動同調・整合装置の金属ケースにアースした同軸ケーブル3の内部導体3aとアースとの間に接続され、コンデンサ52cと52dの接続点と接地との間の電圧を検出することによって、前記高周波信号の電圧を検出するものである。なお、コンデンサ52cは5pF(1kv耐圧)の如き小さな容量のものを、コンデンサ52dは可変コンデンサで100pF(1kv耐圧)の如き大きな容量のものを選び、VSWRへの影響度合いを実用上問題にならない程度に抑えてある。
短波無線送受信機1とアンテナ2との間を接続する同軸ケーブル3を流れる高周波信号の電流を検出する電流検出部53は、図2に示す如く、リングコア53cに導線53dを5回巻きにしたカレントトランスである。このカレントトランスの一次側はリングコア53cを貫通する同軸ケーブル3であり、二次側は5回巻きの導線53dである。この場合、同軸ケーブル3の外部胴体は片方のみアンテナ自動同調・整合装置の金属ケースにアースし、ファラデーシールド構造にしてある。これにより、電流検出部53は、同軸ケーブル3の内部導体3aを流れる高周波信号の電流を検出する。また、二次側も容量結合などを起こさないように、導線53dにはシールド線を用い、同様にファラデーシールド構造にしてある。電流検出部53であるカレントトランスの二次側に発生した電流は、可変コンデンサ53eによって、同軸ケーブル3の内部導体3aを流れる高周波信号の電流と同位相になるように位相補正される。
整合判定部54は、整流平滑回路54aと整合比較回路54bとで構成されている。整流平滑回路54aは電圧信号用の第1整流平滑回路と電流信号用の第2整流平滑回路で構成されている。これらの整流平滑回路はいずれも、整流用ダイオードと平滑用コンデンサを含む一般的な回路で構成され、整合比較回路54bも抵抗を含む一般的な回路で構成されている。そして、整合比較回路54bは、前記第1整流平滑回路の出力電圧と第2整流平滑回路の出力電圧を比較し、アンテナ整合状態を表す信号を出力する。
同調判定部55は、波形変換回路55aと位相比較回路55bとで構成されている。波形変換回路55aはHF帯の正弦波を方形波に変換する既知の一般的回路であって、電圧信号用の第1波形変換回路と電流信号用の第2波形変換回路で構成されている。位相比較回路55bにはモトローラ社のMC4044P位相比較器を用いて構成したが、アナログ回路によっても構成できる。
前述した通り、アンテナの給電点から見たインピーダンスZは、抵抗分Rとリアクタンス分±jXの和で表される。アンテナを目的の周波数に近道で同調させるには、2次元(ベクトル値)で現在座標の把握が不可欠である。そこで、アンテナの状態をA,B,C,Dの4つの領域に区分すれば、横軸をR、縦軸をjXとする平面上では図5(a)と図5(b)の如くとなる。但し、A領域はR>50且つjXが+、B領域はR>50且つjXが−、C領域はR<50且つjXが−、D領域はR<50且つjXが+であり、中心部の交差点が同調点(R=50,jX=0)である。
,C ,Dのどの領域にあるかを判断し、その状態を表す点から中心部の交差点に移動するためには、モータ51を正回転させるのが近道なのか、それとも逆回転させるのが近道なのかを決める必要がある。そこで、本発明においては、同調判定部55の位相比較回路55bと整合判定部54の整合比較回路54bから得られる2つのデータを使って、アンテナの状態がA,B ,C ,Dのどの領域にあるかをアンテナ状態判定回路が判断する。そして、モータの回転方向は、領域毎にモータ回転方向設定回路の設定スイッチで予め決定してある。例えば、アンテナの状態がA領域、即ちR>50且つjXが+のある点にあるとする。この点から中心部の交差点に向かうには、図4(b)に示す如く、一旦B領域を通過しないと辿りつけない場合がある。このようなケースにおいては、A領域とB領域は同じ回転方向である。D領域やC領域は逆の回転方向である。
アンテナのインピーダンスZの抵抗分R信号は、図3に示す如く、整合状態にあるときには0V、アンテナが整合していなければ0Vを超えプラス2.5V、若しくは0V未満でマイナス2.5Vである。また、アンテナのインピーダンスZのリアクタンス分±jX信号は、図4に示す如く、電圧と電流の位相が合致しているときには1.5V、位相が遅れている場合には1.5V未満で−360°のときに0.75V、位相が進んでいる場合にはは1.5Vを超え+360°のときに2.25Vである。
B領域に対応するAND回路の一方の入力端子には抵抗分R信号が直接入力され、且つ他方の入力端子にはリアクタンス分±jX信号がNOT回路56fを介して入力され、
C領域に対応するAND回路の一方の入力端子には抵抗分R信号がNOT回路56eを介して入力され、且つ他方の入力端子にはリアクタンス分±jX信号がNOT回路56fを介して入力され、更に、
D領域に対応する第4のAND回路の一方の入力端子には抵抗分R信号が直接入力され、且つ他方の入力端子にはリアクタンス分±jX信号がNOT回路56fを介して入力される。
同調判定部55の位相比較回路55bから得られる電圧が1.5Vのときは、電圧と電流の位相差がなくアンテナは同調している状態である。そして、整合比較回路54bから得られる電圧が0Vのときは、アンテナインピーダンスは50Ωで整合している状態である。本発明の実施例1において、モータ停止回路57は、位相比較回路55bからの電圧が1.5V近辺、例えば1.49V〜1.51Vで、且つ整合判定部54の整合比較回路54bからの電圧が0V近辺、−0.1V〜+0.1Vの状態などのとき、DCモータ51を停止させるものである。
2 アンテナ
3 同軸ケーブル
4 同調・整合装置
5 制御装置
51 DCモータ
52 電圧検出部
53 電流検出部
54 整合判定部
54a 整流平滑回路
54b 整合比較回路
55 同調判定部
55a 波形変換回路
55b 位相比較回路
56 モータ回転方向制御回路
57 モータ停止回路
58 モータ駆動回路
Claims (8)
- HF帯のアマチュア無線に利用できる周波数に適用できるアンテナ同調・整合装置であって可動部材を駆動してインダクタンス値若しくはキャパシタンス値を変化させるアンテナ同調・整合装置と制御装置とで構成されたアンテナ自動同調・整合装置において、
前記制御装置は、前記可動部材を駆動するモータ、
短波無線送受信機とアンテナとの間を接続する同軸ケーブルを流れる高周波信号の電圧信号を検出する電圧検出部とその電流信号を検出する電流検出部、
前記電圧信号と電流信号を比較し、整合状態を表す電圧電流比信号を出力する整合判定部、
前記電圧信号と電流信号の位相を比較し、同調状態を表す位相差信号を出力する同調判定部、及び、
前記電圧電流比信号と位相差信号の2つの信号に基づいてモータを駆動するモータ制御器で構成されていることを特徴とするアンテナ自動同調・整合装置。 - 前記電圧電流検出部は、
前記同軸ケーブルに配置された変流器で電流信号を検出し、
前記同軸ケーブルの内部導体と接地間に接続されたコンデンサ分圧回路で電圧信号を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ自動同調・整合装置。 - 前記整合判定部は、
前記電流信号を整流する電流信号整流平滑回路、
前記電圧信号を整流する電圧信号整流平滑回路、及び、
前記電流信号整流平滑回路の出力電圧と前記電圧信号整流平滑回路の出力電圧を比較し、整合状態にあることを表す電圧電流比信号、インピーダンスが高い状態にあることを表す電圧電流比信号及びインピーダンスが低い状態にあることを表す電圧電流比信号をそれぞれ出力する整合比較回路を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ自動同調・整合装置。 - 前記同調判定部は、
前記電流信号と電圧信号の位相を比較し、位相差がないことを表す位相差信号、前記電圧信号が前記電流信号よりも位相が進んでいる状態にあることを表す位相差信号及び前記電圧信号が前記電流信号よりも位相が遅れている状態にあることを表す位相差信号をそれぞれ出力する位相比較回路を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ自動同調・整合装置。 - 前記モータ制御器は、モータ回転方向制御回路、及び、モータ停止回路とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ自動同調・整合装置。
- 前記モータ回転方向制御回路は、アンテナの同調・整合状態がA状態、B状態、C状態、D状態のいずれにあるかを判定し、判定結果に基づいて正回転若しくは逆回転させるものであることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ自動同調・整合装置。
但し、前記A状態はインピーダンスが高く、且つ、前記電圧信号が前記電流信号よりも位相が進んでいる状態、
前記B状態はインピーダンスが高く、且つ、前記電圧信号が前記電流信号よりも位相が遅れている状態、
前記C状態はインピーダンスが低く、且つ、前記電圧信号が前記電流信号よりも位相が遅れている状態、
前記D状態はインピーダンスが低く、且つ、前記電圧信号が前記電流信号よりも位相が進んでいる状態を表す。 - 前記回転方向制御回路は、リレー出力回路、第1AND回路、第2AND回路、第3AND回路、第4AND回路、前記リレー出力回路の入力端子と前記第1AND回路、第2AND回路、第3AND回路及び第4AND回路のそれぞれの出力端子との間に接続された第1ディップスイッチ、第2ディップスイッチ、第3ディップスイッチ及び第4ディップスイッチを含むものであることを特徴とする請求項6に記載のアンテナ自動同調・整合装置。
- 前記モータ停止回路は、前記整合検出回路が整合信号を発生し、且つ前記同調検出回路が同調信号を発生したときにモータ停止信号を発生するものであることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ自動同調・整合装置。
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