JP5519321B2 - 回転検出装置および直流モータ装置 - Google Patents

回転検出装置および直流モータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、ブラシ付き直流モータの回転角や回転方向、回転速度などの回転状態を検出する回転検出装置および直流モータ装置に関する。
ブラシ付き直流モータ(以下単に「直流モータ」とも言う。)は、例えば車両において、空調装置における温度調整用のエアミックスダンパーおよび吹き出し口切り替え用のモードダンパーの開閉角度位置、ならびにパワーウィンドウの上下位置など、各装置の可動部材の位置を調整するために用いられている。このような用途で用いられる直流モータを制御するにあたっては、直流モータの回転角、回転方向、回転速度などの回転状態を検出し、検出した回転状態に基づいて各可動部材の位置を精度良く調整する必要がある。
直流モータの回転状態を検出する一般的方法として、ロータリエンコーダやポテンショメータ等のセンサを設け、このセンサからの検出信号に基づいて検出する方法がよく知られている。そのため、車両においても、このようなセンサを設けて回転状態を検出する方法が採用されている。
しかし、このようにセンサを設けて回転状態を検出する方法では、センサを設置するスペースが直流モータ毎に必要になると共に、直流モータへの直流電源供給用のハーネスとは別に、センサによる検出信号を車載ECU等の他の装置へ伝送するためのハーネスも直流モータ毎に必要となり、車両の重量増およびコストアップを招く。
そのため、センサやそれに伴うハーネスを削減するために、センサレス方式化の要望が高まっている。ロータリエンコーダ等の大がかりなセンサを用いることなく直流モータの回転状態を検出するセンサレス方式は、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、複数相の相コイルからなる電機子コイルのいずれか一つの相コイルに抵抗器が並列接続されることにより、ブラシ間の電気抵抗がモータの回転に伴って周期的に変化する構成を採用している。そして、ブラシを介して電機子コイルに直流電流が供給されると、モータに流れる電流(モータ電流とも言う。)の電流値も電機子の回転に伴って変化する。特許文献1では、モータ電流の変化を検出パルスとして検出することによりモータの回転状態を検出している。
特開2003−111465号公報
しかしながら、特許文献1では、いずれか一つの相コイルに抵抗器を接続することによってモータ回路に流れる直流電流に変動が生じるようにしているため、モータを駆動する直流電流値が減少すると、モータ電流の変動も小さくなる。
また、モータを停止させるためにモータを駆動する直流電流の供給を遮断すると、誘導起電力によって電流は流れるものの、その大きさはモータの回転速度が低下するにしたがい小さくなる。そして、モータが停止したときには、誘導起電力によって流れる電流もゼロになる。
このように、直流電流値が減少またはセロになると、直流電流の変動に基づいてモータの回転状態を検出することは困難になる。
また、特許文献1では、モータ電流にノイズやサージ等の誤信号が発生するとモータ電流の電流値は変化する。ノイズやサージによるモータ電流値の変化をそのままモータの回転に伴うモータ電流値の変化として検出すると、モータの回転状態を誤検出する恐れがある。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、センサを設けることなくモータ電流の直流成分の大きさに関わらず回転状態を検出できるブラシ付き直流モータの回転状態を、精度良く検出する回転検出装置および直流モータ装置を提供することを目的とする。
請求項1から13に記載の発明によると、少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、を備える直流モータの回転状態を検出する回転検出装置において、直流モータは、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスが周期的に変化する可変機構を備え、回転状態検出装置は、直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を一対のブラシ間に印加する電源部と、一対のブラシ間に流れる電流またはこの電流が流れる通電経路上の電圧を検出する通電検出手段と、通電検出手段が検出する電流または電圧の交流成分の振幅変化に基づいて、回転状態として、少なくとも直流モータの回転角と回転方向と回転速度とのうちいずれか一つを検出する回転状態検出手段と、可変機構により電機子の回転に伴って通電検出手段が検出する交流成分の出力パターンが変化することに基づいて、回転状態検出手段が検出する回転状態を補正する補正手段と、を備える。
このように、直流電圧に交流電圧を重畳してブラシ付き直流モータに印加する構成は従来にはなく、新規なものである。そして、直流電圧に交流電圧を重畳してモータに印加しても、直流モータのトルクは、直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧によってモータに流れるモータ電流のうち直流電流成分により発生し、交流電流成分は直流モータのトルクに影響を与えることはない。
これにより、直流モータの回転状態(加速中、減速中、定速中、停止中など)とは関係なく、そしてモータのトルクに影響を与えることなく、常に一定の交流電圧を直流モータへ印加し、交流電流を流すことができる。
また、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスが周期的に変化する可変機構を直流モータが有しているので、交流成分の振幅も周期的に変化する。したがって、仮に電源部から印加される直流電圧が低下したり、制動時に電源部から印加される直流電圧が0になってモータ電流の直流成分が変動しても、一定の交流電圧を印加し続けることにより、モータ電流の交流成分の振幅の変化に基づいて回転状態を精度良く検出することができる。
そして、モータ電流または経路電圧を通電検出手段が検出し、回転状態検出手段が、その検出されたモータ電流または経路電圧に含まれる交流成分の振幅変化に基づいて、直流モータの回転状態として、少なくとも回転角と回転方向と回転速度とのうちいずれか一つを、エンコーダ等のセンサを設けることなく検出できる。
また、通電検出手段が検出する交流成分の出力パターンは、直流モータの回転状態に応じたパターンになる。したがって、直流モータに対して指令される回転状態とは異なる出力パターンが検出されるのは、検出された交流成分に、直流電圧に重畳した交流電圧以外のノイズやサージ等の誤信号が発生しているか、あるいは直流モータの回転状態が指令された回転状態とは異なるときである。
このように、単に交流成分の振幅変化をそのまま電機子の回転に伴う交流成分の振幅の変化として検出するのではなく、交流成分の振幅変化による出力パターンの変化に着目することにより、回転状態検出手段が検出する直流モータの回転状態を、交流成分の出力パターンに基づいて補正できる。
請求項1、3、6、9および10に記載の発明によると、出力パターンの変化から停止時に電機子が逆回転したか否かを逆回転判定手段が判定し、補正手段は、電機子が逆回転したと逆回転判定手段が判定すると、回転状態検出手段が検出する回転状態を補正する。
一方向に回転している電機子がそのまま停止する場合と、コギングトルクまたは駆動対象から加わる負荷変動等により逆回転して停止する場合とでは、交流成分の出力パターンが異なる。したがって、逆回転検出手段は、出力パターンに基づいて、停止時に電機子が逆回転したか否かを判定できる。そして、補正手段は、電機子が逆回転した場合には、回転状態検出手段が検出する回転状態を補正できる。
これにより、電機子が逆回転して停止したにも関わらず、逆回転せずにそのまま停止したと回転状態を誤検出することを極力低減できる。
請求項1および11に記載の発明によると、逆回転判定手段は、出力パターンとして、交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、振幅が大きくなる期間の長さの変化に基づいて、停止時に電機子が逆回転したか否かを判定する。
交流成分の振幅が大きくなる期間は、電機子が一方向に回転した状態で停止すると、徐々に長くなる。一方、電機子が停止するときに、交流成分の振幅が大きくなる今回の期間が前回の期間以下になると、交流成分の振幅が大きくなる期間の途中で、電機子が逆回転したと判定できる。
請求項2および3に記載の発明によると、逆回転判定手段は、出力パターンとして、交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間が交互に繰り返されるときに、振幅が小さくなる期間の長さの変化に基づいて、停止時に電機子が逆回転したか否かを判定する。
交流成分の振幅が小さくなる期間は、電機子が一方向に回転した状態で停止すると、徐々に長くなる。一方、電機子が停止するときに、交流成分の振幅が小さく今回の期間が前回の期間以下になると、交流成分の振幅が小さくなる期間の途中で、電機子が逆回転したと判定できる。
請求項4および6に記載の発明によると、直流モータはブラシを一対だけ備え、可変機構は、n相の複数の電機子コイルに対応するn個の整流子片のうち一対の整流子片をコンデンサで接続し、コンデンサが接続している一対の整流子片の両方と同時に摺接する位置に一対のブラシを設置することにより、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化するように構成されている。
このモータの構成によれば、電機子が1回転する間に、コンデンサが接続されている一対の整流子片の両方と一対のブラシが同時に摺接するときがある。このとき、一対のブラシ間においてリアクタンスが小さくなる。つまり、交流成分の振幅が大きくなる。
一方、コンデンサが接続されている一対の整流子片の両方と一対のブラシが同時に摺接しないときには、一対の整流子片の両方と一対のブラシが同時に摺接する場合よりも、一対のブラシ間においてリアクタンスが大きくなる。つまり、交流成分の振幅が小さくなる。
したがって、交流成分の振幅が大きくなる期間をTon、小さくなる期間をToffとすると、定常回転時には、Ton:Toff=1:(n−1)になる。そして、一方向に回転している電機子がそのまま停止する場合には、期間をTon、Toffがこの順番で発生するときに、1:(n−1)の比率に相当する期間よりも期間Toffが長くなるので、期間Tonの次に期間Toffが来るとすると、Ton/Toff<1/(n−1)になる。
これに対し、電機子が停止するときに、Ton/Toff≧1/(n−1)になると、一方向に回転している電機子がそのまま停止する場合の出力パターンと異なるので、電機子は停止時に逆回転したと判定できる。
請求項5に記載の発明によると、可変機構は、複数の整流子片のうち二対以上の整流子片の各対の整流子片の間をそれぞれコンデンサで接続することにより、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化するように構成されており、補正手段は、通電検出手段が検出する交流成分の出力パターンが電機子の回転に伴って前記可変機構により変化することに基づいて、回転状態検出手段が検出する回転状態を補正する。
このように、一対の整流子片ではなく二対以上の整流子片の各対の間をコンデンサで接続する構成においても、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化し、交流成分の出力パターンが周期的に変化する。これにより、回転状態検出手段が検出する直流モータの回転状態を、交流成分の出力パターンに基づいて補正できる。
請求項7および8に記載の発明によると、補正手段は、交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とを1周期とする周波数の変化に基づいて、定常回転時に通電検出手段が検出する交流成分以外の誤信号を除去する。
交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とを1周期とする周波数は、電機子が定常回転している場合には一定である。このときに、モータ電流またはモータ電圧にノイズまたはサージ等による誤信号が発生すると、この誤信号を交流成分の振幅が大きい成分として通電検出手段が検出することがある。
しかし、誤信号を検出したときの周波数は、定常回転時の周波数と異なる。したがって、補正手段は、定常回転時において、交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とを1周期とする周波数に基づいて、交流成分中に発生する誤信号を除去できる。
請求項12に記載の発明によると、電機子の回転に伴う交流成分の振幅変化に応じてパルス信号を生成するパルス生成手段を備えている。
これにより、交流成分そのものよりも、出力パターンを検出しやすいパルス信号の出力パターンの変化に基づいて、補正手段は回転状態を容易に補正できる。
ここで、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスが周期的に変化する直流モータの可変機構として、例えば相コイルに抵抗を接続することにより、インピーダンスとして抵抗値を周期的に変化させる構成の場合、モータ電流の直流成分の大きさが変動し、モータにトルク変動が生じる。モータのトルク変動は、モータ自身の騒音、あるいはモータにより駆動される駆動対象の騒音の発生原因になる。
そこで、請求項13に記載の発明によると、少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化する可変機構と、を有する直流モータと、請求項1から13のいずれか一項に記載の回転検出装置と、を備えている。
このように、直流モータにおいて、電機子の回転に伴い一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化する可変機構の構成は、インピーダンスとして抵抗値を周期的に変化させる可変機構に比べ、モータ電流の直流成分の変動を極力小さくすることができる。したがって、直流モータのトルク変動を極力低減できる。
第1実施形態による直流モータ装置を示す概略構成図。 モータに印加する電源電圧の特性図。 回転検出装置の回転信号検出部の回路構成を表すブロック図。 (A)はモータが180°回転する間の3種類のモータ回路を表す説明図、(B)は3種類のモータ回路における周波数とインピーダンスとの関係を表す特性図。 モータの回転中に流れるモータ電流波形および検出パルスを示すタイムチャート。 (A)はモータ停止時のモータ電流を示すタイムチャート、(B)はモータ停止時のHPF通過後の交流成分および検出パルスを示すタイムチャート。 モータの回転開始から停止までのモータ電流、HPF後の検出電流、検出パルスを示すタイムチャート。 モータ停止時の回転状態検出ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態によるモータの構成を示す概略回路図。 定常回転時および停止時における交流成分を示すタイムチャート。 第3実施形態によるモータの構成を示す概略回路図。 定常回転時および停止時における交流成分を示すタイムチャート。 (A)は第4実施形態によるモータの構成を示す概略回路図、(B)は定常回転時における交流成分を示すタイムチャート。 第5実施形態によるモータの構成を示す概略回路図。 回転に伴い変化するモータ回路を示す回路図。 定常回転時および停止時における交流成分を示すタイムチャート。 第6実施形態による直流モータ装置を示す概略構成図。 第7実施形態によるモータを示す概略構成図。 第8実施形態によるモータを示す概略構成図。 モータの回転中に流れるモータ電流波形および検出パルスを示すタイムチャート。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態による直流モータ装置2を示す。直流モータ装置2は、モータ10と、モータ10の回転状態を検出する回転検出装置100とから主に構成されている。
(モータ10)
モータ10は、回転方向に180°離れ互いに対向して配置された一対のブラシ12、14と電機子20とを備えている。モータ10は、電機子コイルとして3相の相コイルを有するブラシ付きの3相直流モータであり、ブラシ12、14と接触する3つの整流子片31、32、33からなる整流子30を備えている。そして、電機子コイルを構成する3つ(3相)の各相コイルL1、L2、L3が、それぞれデルタ結線されている。
すなわち、第3整流子片33と第1整流子片31との間に第1相コイルL1が接続され、第1整流子片31と第2整流子片32との間に第2相コイルL2が接続され、第2整流子片32と第3整流子片33との間に第3相コイルL3が接続されている。これら3つの相コイルL1、L2、L3からなる電機子コイルおよび整流子30により、電機子20が構成されている。
なお、各相コイルL1、L2、L3のインダクタンスは同じ値(L1=L2=L3)である。また、各相コイルL1、L2、L3は、互いに電気角で2π/3ずつ離れるように配置されている。
整流子片31、32、33の回転方向の長さは等しく、3つの整流子片31、32、33のうちいずれか2つが、ブラシ12、14にそれぞれ接触している。モータ10の回転による整流子30の回転に伴って、ブラシ12、14と接触する2つの整流子片は切り替わっていく。
本実施形態のモータ10は、図示は省略したものの、ヨークハウジングを有するとともに、ヨークハウジングの内壁側に永久磁石からなる界磁が設けられ、この界磁と対向するように電機子20が配置されている。
さらに、本実施形態では、モータ10において、第1相コイルL1と並列にコンデンサC1が接続されている。つまり、コンデンサC1は、第1整流子片31と第3整流子片33とを接続している。
そのため、後述する交流電源104から出力されてカップリングコンデンサ106により直流電源102からの直流電圧に重畳される交流重畳電圧は、ブラシ12、14およびこれらに接触しているいずれか2つの整流子片を介して、モータ10内部の各相コイルL1、L2、L3およびコンデンサC1からなるモータ回路に印加される。そして、このように直流電圧に交流電圧が印加された電源電圧が印加されることにより、モータ回路には交流電流成分を含む電流が流れる。
コンデンサC1は、周知の通り、直流的には電流がほとんど流れない非常に高い抵抗として機能し、交流的には電流が流れやすい低リアクタンス特性、つまり低インピーダンス特性を有する。そのため、直流電源102からみればこのコンデンサC1は等価的に存在しないものとして扱うことができる。したがって、直流電源102からの直流電流は各相コイルL1、L2、L3にのみ流れることとなる。
一方、交流電源104からみれば、各相コイルL1、L2、L3は高リアクタンス、つまり高インピーダンスであるのに対してコンデンサC1は低インピーダンスとなり、両者の差は大きい。そのため、例えば図1に示す状態から電機子20が時計回りに回転し、ブラシ14に第1整流子片31が接触するようになると、ブラシ12、14間に、第1相コイルL1とコンデンサC1の並列回路が形成される。すなわち、ブラシ12、14間にコンデンサC1のみの通電経路が形成される。この状態では、ブラシ12、14間のモータ回路のインピーダンスは図1に示した状態とは異なり、例えば特定の周波数以上の領域では非常に小さいインピーダンスとなる。
つまり、直流的にみればモータ回路は3つの相コイルL1、L2、L3のみからなる回路とみなせる。それ故、直流電源102からの直流電流によって回転するモータ10の回転速度やトルクにコンデンサC1の存在が影響することはない。
これに対し、交流的にみれば、モータ10の回転角に応じてブラシ12、14と接触する2つの整流子片が切り替わる毎にブラシ12、14間に形成されるモータ回路の構成が変化するので、モータ回路においてリアクタンスとして静電容量値、つまりインピーダンスが変化する。但し、本実施形態では、第1相コイルL1に対してのみコンデンサC1を一つ接続しているため、モータ10の電機子20が180°回転する間に整流子片の切り替わりは3回生じるもののインピーダンスの変化は2段である。これについては後で図4を用いて詳しく説明する。
そして、インピーダンス(リアクタンス)の変化は、モータ10に流れるモータ電流に含まれる交流成分(交流電流成分)の振幅変化、或いはそのモータ電流が流れる通電経路上の電圧(経路電圧)に含まれる交流成分(交流電圧成分)の振幅変化として現れる。
したがって、回転角に応じて変化するモータ電流または経路電圧の交流成分の振幅変化を検出できれば、モータ10の回転角を検出することができる。そこで本実施形態の回転検出装置100では、回転信号検出部110がモータ電流に含まれる交流成分の振幅変化を検出する。これにより、交流成分の変化から、ブラシ間におけるモータ回路のリアクタンスの変化を間接的に検出する。そして、検出した交流電流成分の振幅の変化に基づいて、後述するように検出パルスSpを生成する。
(回転検出装置100)
回転検出装置100は、モータ10の回転角を検出するための装置であり、直流電源102、交流電源104、回転信号検出部110、回転状態検出部140、および補正部150等を備えている。回転検出装置100は、例えば車両の空調装置における各ダンパーを駆動するモータ、あるいはパワーウィンドウを駆動するモータの回転角を検出するために用いられるものである。もちろん、車両の空調装置またはパワーウィンドウへの適用は本発明の実施態様としてのあくまでも一例である。
(電源部)
本実施形態の電源部は、直流電源102と、交流電源104と、カップリングコンデンサ106とを備えている。
直流電源102は、モータ10を回転駆動さるトルクを発生させるための電圧を発生する。交流電源104は、所定の周波数の交流電圧を発生する。カップリングコンデンサ106は、直流電源102から出力される直流電圧に交流電源104から出力される交流電圧を重畳させる。
図2に示すように、モータ10に印加される交流重畳電圧は、直流電圧Vbに、振幅Vsで周波数fの交流電圧が重畳された交直混在(脈流の一種)である。この交流重畳電圧がモータ10に印加されることにより、モータ10に流れるモータ電流も直流電流に交流電流が重畳された電流となる。
このような電源部の構成により、モータ10には、単に直流電源102から出力される直流電圧が印加されるだけではなく、交流電源104から出力される交流電圧が直流電圧に重畳されて印加される。そのため、モータ10には、直流電圧による直流電流に交流電圧による交流電流が重畳された電流が流れる。
なお、直流電源102からの直流電圧の印加を停止し、交流電源104からの交流電圧のみをモータ10に印加することも可能である。
(回転信号検出部110)
回転信号検出部110は、電流検出部112と信号処理部120とを備えており、モータ10に流れるモータ電流に基づいてモータ10の回転角に応じた検出パルスSpを生成し出力する。
電流検出部112は、モータ10の通電経路上(詳しくはグランド電位側のブラシ14からグランド電位に至る通電経路上)に設けられている。信号処理部120は、電流検出部112により検出された通電電流(モータ電流)に基づく各種信号処理を行って検出パルスSpを生成する。
図3に示すように、電流検出部112は、モータ10の通電経路上に挿入された電流検出抵抗R1からなり、この電流検出抵抗R1の両端の電圧が、モータ電流に応じた検出信号として信号処理部120へ取り込まれる。モータ電流については後述する。
尚、電流検出部112において、モータ10の通電経路上に設置した電流検出抵抗R1に代えて、コイルを設置してもよい。
信号処理部120は、ハイパスフィルタ(HPF)122と、増幅部124と、包絡線検波部128と、比較部130とを備えている。
HPF122は、コンデンサC10および抵抗R2からなる周知の構成のものである。信号処理部120に取り込まれた電流検出抵抗R1による検出信号は、このHPF122によって、直流電流成分を含む所定の遮断周波数以下の帯域の信号がカットされ、交流電源104にて生成される交流電圧の周波数を含む、上記遮断周波数より高い周波数成分が抽出されて増幅部124に入力される。そのため、検出されたモータ電流(検出信号)のうち、直流電流成分はこのHPF122によって遮断され、交流電流成分のみが増幅部124へ入力されることとなる。
なお、HPF122に代えて、例えば、交流電流成分の周波数を含む所定の帯域のみを通過させるバンドパスフィルタを用いるようにしてもよい。
電流検出抵抗R1により検出され、HPF122によって抽出された検出信号(交流電流成分)は、増幅部124にて増幅される。
増幅部124は、オペアンプ126と、オペアンプ126の出力端子と反転入力端子との間に接続された抵抗R3と、オペアンプ126の反転入力端子とグランド電位との間に接続された抵抗R4とを備え、HPF122から非反転入力端子に入力される検出信号が所定の増幅率にて増幅される。
増幅部124にて増幅された検出信号は、包絡線検波部128にて包絡線検波される。包絡線検波部128は、整流用のダイオードD1と、一端がこのダイオードD1のカソードに接続されて他端がグランド電位に接続された抵抗R5と、一端がダイオードD1のカソードに接続されて他端がグランド電位に接続されたコンデンサC11とを備えてなる。ダイオードD1のアノードには、増幅部124にて増幅された検出信号が入力される。
包絡線検波部128により、増幅部124から入力された交流の検出信号が包絡線検波され、交流電流成分の振幅に応じた一定の信号(以下「検波信号」という)が生成される。尚、包絡線検波部128から出力される検波信号の立ち下がりのなまりは、抵抗R5およびコンデンサC11の時定数に応じて変化する。
比較部130は、コンパレータ132と、一端がコンパレータ132の非反転入力端子に接続されて他端が包絡線検波部128に接続された抵抗R6と、コンパレータ132の出力端子と反転入力端子との間に接続された抵抗R7と、一端がコンパレータ132の反転入力端子に接続されて他端が抵抗R9に接続された抵抗R8とを備えている。
包絡線検波部128から出力された検波信号は、比較部130に入力され、この比較部130において抵抗R6を介してコンパレータ132の非反転入力端子に入力される。一方、コンパレータ132の反転入力端子には、抵抗R9、抵抗R8を介して設定される閾値が入力される。これにより、コンパレータ132では、検波信号と閾値との比較が行われ、その比較結果が出力される。
比較部130に入力される閾値は、本実施形態では、図5に示したモータ電流波形のうち振幅が小さい期間での検波信号よりも大きく、且つ、振幅が大きい期間での検波信号よりも小さい所定の値が設定されている。
そのため、振幅の小さい期間では、包絡線検波部128から比較部130へ入力される検波信号はコンパレータ132の反転入力端子に入力される閾値よりも小さいため、コンパレータ132からはローレベルの信号が出力される。一方、振幅の大きい期間では、包絡線検波部128から比較部130へ入力される検波信号はコンパレータ132の反転入力端子に入力される閾値よりも大きくなるため、コンパレータ132からはハイレベルの信号が出力される。
そして、コンパレータ132から出力されたローレベル、ハイレベルのパルス信号は、検出パルスSpとして、回転状態検出部140に入力される。
このように、信号処理部120では、電流検出抵抗R1にて検出されたモータ電流(検出信号)に対して低周波領域のカット、交流電流成分の増幅、包絡線検波といった各種信号処理を行った上で検出パルスSpが生成されるため、外乱やノイズが低減された正確な検出パルスSpが生成される。
(回転状態検出部140)
回転状態検出部140は、パルスカウント部142と回転角検出部144とを備えており、回転信号検出部110から出力される検出パルスSpに基づいてモータ10の回転角を検出する。
パルスカウント部142は、コンパレータ132からパルス信号が出力される毎にカウントアップする。尚、コンパレータ132から出力されるパルス信号をパルスカウント部142に入力する前に、適宜波形整形およびレベル調整してもよい。
回転角検出部144は、パルスカウント部142から入力されたパルス数に基づき、モータ10の回転角を検出する。そして、その検出された回転角は、モータ10を駆動制御する図示しない駆動制御部においてフィードバック信号として用いられる。
(補正部150)
補正部150は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータ(以下、マイコンとも言う。)から主に構成されている。補正部150は、コンパレータ132から出力される検出パルスSpからモータ電流の交流成分の出力パターンを検出し、パルスカウント部142がカウントするパルス数を出力パターンに基づいて補正する。
(モータ回路の変化)
次に、モータ10が180°回転する間における、モータ10内部の結線状態の変化、すなわちブラシ12、14間に形成されるモータ回路の変化を、図4の(A)に示す。図4の(A)に示すように、本実施形態のモータ10のモータ回路は、モータ10が180°回転する間に、状態A、状態B、および状態Cの3種類に変化する。
状態Aは、直流電源102の正極側(以下「Vb側」とも言う。)のブラシ12に第1整流子片31が接触し、グランド電位側(以下「GND側」とも言う。)のブラシ14に第2整流子片32が接触した状態である。この状態Aでのモータ10の等価回路、すなわちブラシ12、14間に形成されるモータ回路は、図中右側に示す回路となる。なお、Vbとは、図2で説明したように、直流電源102から出力される直流電圧を示すものである。
この状態Aでは、コンデンサC1と第3相コイルL3とが直列に接続された状態となっているため、ブラシ12、14間には、コンデンサC1のみの通電経路は存在せず、一方のブラシ12から他方のブラシ14に至るまでの経路上には必ずいずれかの相コイルが存在することになる。そのため、この状態Aでは、回路全体のインピーダンスが高くなるので、モータ電流に含まれる交流電流成分の振幅は小さい。
状態Bは、状態Aから時計回りに約50°回転した状態であり、Vb側のブラシ12に接触する整流子片が、状態Aのときの第1整流子片31から第3整流子片33へと切り替わっている。GND側のブラシ14には第2整流子片32が接触している。
この状態Bでも、コンデンサC1と第2相コイルL2とが直列に接続された状態となっているため、ブラシ12、14間には、コンデンサC1のみの通電経路は存在せず、一方のブラシ12から他方のブラシ14に至るまでの経路上には必ずいずれかのコイルが存在することになる。そのため、この状態Bでも回路全体のインピーダンスは高く、故に、モータ電流に含まれる交流電流成分の振幅は小さい。なお、この状態Bと状態Aは、図の等価回路を比較して明らかなように、回路全体のインピーダンスは同じである。そのため、交流電流成分の振幅も同じ大きさである。
状態Cは、状態Bからさらに時計回りに約50°回転した状態であり、GND側のブラシ14に接触する整流子片が、状態A、Bのときの第2整流子片32から第1整流子片31へと切り替わっている。Vb側のブラシ12には第3整流子片33が接触している。つまり、状態Cでは、コンデンサC1が接続している一対の第1整流子片31と第3整流子片33の両方に一対のブラシ12、14が同時に接触している。
この状態Cでは、第2相コイルL2および第3相コイルL3の直列回路と、第1相コイルL1と、コンデンサC1とが、それぞれ並列接続された状態となる。そのため、ブラシ12、14間には、コンデンサC1のみの通電経路が存在する。これにより、回路全体のインピーダンスが低くなるので、モータ電流に含まれる交流電流成分の振幅は大きくなる。
このように、モータ10が180°回転する間には、ブラシ12、14と接触する整流子片の切り替わりが3回生じ、これに伴ってブラシ12、14間のモータ回路は状態A、B、Cの3種類に切り替わる。しかし前述したように、状態Aと状態Bは回路全体のインピーダンスが等しいため、180°回転の間に生じるインピーダンスの変化は2段である。
なお、モータ10の回転の過程では、隣接する2つの整流子片に一つのブラシが同時に接触する切り替わり期間が存在し、この切り替わり期間においてもブラシ間のインピーダンスは変化するが、この切り替わり期間はモータ10が一回転する間において瞬間的に生じるのみであり、これに伴うインピーダンスの変化も瞬間的なものである。そのため、本実施形態ではこの切り替わり期間については考慮しないものとする。
状態Cから更に回転が進むと、Vb側のブラシ12に接触する整流子片が、状態Cのときの第3整流子片33から第2整流子片32へと切り替わる。GND側のブラシ14には第1整流子片31が接触している。この状態は、上述した状態Aにおいて、Vb側のブラシ12とGND側のブラシ14とが入れ替わった状態であり、回路全体のインピーダンスは状態Aと同じである。そのため、以下の説明ではこの状態を状態A’という。
この状態A’から更に回転が進むと、GND側のブラシ14に接触する整流子片が、状態A’のときの第1整流子片31から第3整流子片33へと切り替わる。Vb側のブラシ12には第2整流子片32が接触している。この状態は、上述した状態Bにおいて、Vb側のブラシ12とGND側のブラシ14とが入れ替わった状態であり、回路全体のインピーダンスは状態Bと同じである。そのため、以下の説明ではこの状態を状態B’という。
この状態B’から更に回転が進むと、Vb側のブラシ12に接触する整流子片が、状態B’のときの第2整流子片32から第1整流子片31へと切り替わる。GND側のブラシ14には第3整流子片33が接触している。この状態は、上述した状態Cにおいて、Vb側のブラシ12とGND側のブラシ14とが入れ替わった状態であり、回路全体のインピーダンスは状態Cと同じである。そのため、以下の説明ではこの状態を状態C’という。
そして、この状態C’から更に回転が進むと、再び状態Aに切り替わり、以下、回転が進むにつれて状態B→状態C→状態A’→状態B’→状態C’→状態A→・・・と切り替わる。
つまり、モータ10は、一回転する間にその回転角に応じてモータ回路が状態A、B、C、A’、B’、C’の六種類に順次切り替わるのであり、60°回転毎に状態が切り替わるということになる。このうち、状態A、B、A’、B’は、いずれも同じインピーダンス(高インピーダンス)である。また、状態C、C’も同じインピーダンスであり、その値は状態A等のインピーダンスよりも非常に低い。
そのため、モータ電流は、図5に示すように、状態A、B、A’、B’のときは交流電流成分の振幅が小さく、状態C、C’のときは交流電流成分の振幅が大きくなる。
しかも、本実施形態では、モータ10の回転角によって変化するインピーダンスの差が大きくなるよう構成されている。すなわち、図4の(A)で説明したように、状態A、B、A’、B’のインピーダンスは、ブラシ12、14間にコンデンサC1のみの経路が生じないために高いインピーダンスとなるのに対し、状態C、C’のインピーダンスは、ブラシ12、14間にコンデンサC1のみの経路が生じて非常に低いインピーダンスとなる。
このように、状態A、B、A’、B’のときのインピーダンスと状態C、C’のときのインピーダンスに大きな差があるため、モータ電流中の交流電流成分の振幅も、状態A、B、A’、B’のときと状態C、C’のときとで、図5に示すように大きな差が生じる。なお、図5は、状態A、B、A’、B’のときのインピーダンスが状態C、C’のときのインピーダンスの約4倍の場合の波形を例示している。
そのため、信号処理部120において比較部130のコンパレータ132の反転入力端子に入力すべき閾値を、より高い自由度・範囲内で設定することができる。そして、例えば、閾値を、状態Aのときの検波信号と状態Cのときの検波信号の中間値付近の値に設定すれば、比較部130による比較がより正確に行われ、図5に示すように、回転角に応じた正確な検出パルスSpを確実に生成することができる。
ここで、前述したように、電機子20が180°回転する間に、モータ回路は状態A、状態B、および状態Cの3種類に変化し、状態Cのインピーダンスが状態A、状態Bよりも小さくなる。すなわち、電機子20が180°回転する間の120°の期間は交流成分の振幅が小さくなり、60°の期間は振幅が大きくなる。したがって、振幅が大きい期間をTon、振幅が小さい期間をToffとすると、定常回転時においては、Ton:Toff=1:2なる。
ところで、交流電源104から出力される交流電圧の周波数は、本実施形態では、状態A、B、A’、B’のモータ回路における共振周波数をf1、状態C、C’のモータ回路における共振周波数をf2としたとき、これら各共振周波数とはいずれも異なる周波数に設定されている。より具体的には、これら各周波数f1、f2のいずれよりも大きい所定の周波数の交流電流が交流電源104から供給されるように構成されている。
図4の(B)に、図4の(A)に示した各状態におけるインピーダンスの周波数特性を示す。上述の通り、状態A、B、A’、B’のモータ回路のインピーダンスは同じである。この状態A、B、A’、B’の場合、コンデンサC1の影響はほとんどなく、共振周波数f1で小さなピーク値が生じるものの、全体としてみれば周波数が高くなるほどインピーダンスが増加する特性となる。
これに対し、状態C、C’の場合、各相コイルL1、L2、L3とコンデンサC1との共振によってインピーダンス特性は大きく変化し、共振周波数f2を中心(最大値)としてインピーダンスは小さくなる。そのため、状態A、B、A’、B’と状態C、C’とでは、インピーダンスが一致(特性が交差)する周波数f3を除き、インピーダンスが異なる。特に、共振周波数f1を中心とする所定帯域や、周波数f3よりもある程度高い周波数以上の帯域では、インピーダンスの比が大きくなる。そのうち特に、周波数f3よりもある程度高い周波数以上の領域では、例えば周囲温度の変化によってコンデンサC1の静電容量値が変化して共振周波数f1、f2が変化しても、インピーダンス比の変化が少ないため、回路設計上の観点からも、交流電源104の交流電圧の周波数として使用しやすい領域である。
そのため、本実施形態では、交流電源104の交流電圧の周波数を、周波数f3よりも高い所定の周波数としている。
(モータ10停止時のモータ電流)
続いて、回転中のモータ10が停止する際のモータ電流を図6の(A)に示す。なお、図6の(A)では、インピーダンスが大きくて交流電流成分の振幅の小さい期間(状態A、B、A’B’となる期間)については交流電流成分の波形が非常に小さいため図示を省略している。後述する図6の(B)においても同様である。
図6の(A)に示す例では、回転中のモータ10に制動をかけて停止させる停止制御(制動制御)の際、モータ10への直流電源102からの直流電圧の印加(直流電流の電源供給)を停止させる。一方、交流電源104からの交流電圧(交流電流)については、モータ10の駆動に関与するものではなく、あくまでもモータ10の回転角を検出する目的で供給されるものであるため、回転中か停止制御時かにかかわらず、モータ10の回転が制御されている間は常時モータ10へ供給される。
そのため、停止制御開始後(直流電源102からの直流電圧印加停止後)のモータ電流は、図示の如く、誘導起電力によって生じる電流に交流電源104からの交流電流が重畳したものとなる。このうち、誘導起電力による電流の大きさは、モータ10の回転速度が低くなるほど小さくなるため、この誘導起電力による電流は徐々に小さくなり、モータ10が停止したときにはこの電流もゼロになる。
一方、交流電流は、上記のように回転角検出のために常に交流電源104から供給されるものであるため、図6の(A)に示すように、モータ10の回転速度に関係なく、回転角に応じた(モータ回路のインピーダンスの変化に応じた)振幅の交流電流が流れる。そのため、モータ10の回転速度に関係なく、モータ10の回転角を検出することができるのである。
図6の(A)に示した停止制御時における、信号処理部120にて生成される検出パルスSpの例を、図6の(B)に示す。図6の(B)の上側の波形は、HPF122から出力され増幅部124にて増幅された後の検出信号であり、下側の波形が、比較部130から出力される検出パルスSpである。本例では、交流電流成分の振幅が小振幅から大振幅に変化するタイミング毎に、所定時間幅の検出パルスSpが生成される。
モータ10が停止するときには、電機子20の回転速度が遅くなるので、図6の(B)に示すように、インピーダンスの変化に伴う検出パルスの発生間隔およびパルス幅も長くなる。
そして、本実施形態では、検出パルスSpはモータ10が180°回転する毎に生成される。そのため、この検出パルスSpが生成される毎にモータ10が180°回転したものとして、モータ10の回転角を検出することができる。
(停止時の逆回転検出)
図7にモータ10が回転を開始してから停止するまでの、モータ電流とHPF122から出力される検出電流と比較部130から出力される検出パルスとの関係を示す。
直流電源102からモータ10に直流電圧を印加すると、モータ10の電機子20は一方向に回転を開始する。モータ電流は直流電圧の印加開始時に一旦上昇するが、その後、定常回転時には一定値になる。
交流電圧は直流電圧とともにモータ10に印加されるので、電機子20の回転に伴いブラシ間のインピーダンスが変化すると、交流成分の振幅の大きい期間Tonと振幅の小さい期間Toffとが、180°間隔で交互に繰り返す。そして、前述したように、一定速度で回転する定常回転時においては、Ton:Toff=1:2である。
尚、本実施形態では、ブラシ12、14と各整流子片とが点で接触するものとして、Ton:Toffを1:2として説明する。これに対し、ブラシ12、14と各整流子片とが面接触する場合には、回転方向の接触長さ分、Tonの期間は長くなる。この場合には、回転方向の接触長さ分を考慮して、Ton:Toffの値を設定する。そして、回転方向の接触長さ分を考慮して設定されたTon:Toffの値に基づいて、停止時の逆回転を検出することが望ましい。
また、本実施形態では、3つの整流子片31、32、33の回転方向の長さが等しいものとして以下説明するが、3つの整流子片31、32、33の回転方向の長さが異なる場合には、長さの違いを考慮してTon:Toffの値を設定する。そして、整流子片31、32、33の回転方向の長さが異なることを考慮して設定されたTon:Toffの値に基づいて、停止時の逆回転を検出することが望ましい。
次に、直流電源102からの電圧印加を停止し、モータ10の制動を開始すると、モータ電流の直流成分は低下する。実際には、誘導起電力により図6に示すようにモータ電流の直流成分は変化するが、停止時のモータ10の逆回転判定には関係ないので、図7では徐々に低下するように図示している。
一方、直流電源102からの電圧印加を停止しても、交流電源104からモータ10に交流電圧は印加され続ける。そして、直流電圧の印加が停止され、モータ10の回転速度が徐々に低下すると、期間Ton、Toffは徐々に長くなる。
ここで、一方向に回転している電機子20が同じ回転方向で停止する場合には、前回のTon、ToffをTon(n)、Toff(n)、今回のTon、ToffをTon(n+1)、Toff(n+1)とすると、次式(1)、(2)に示す関係が成立する。
Ton(n)<Ton(n+1) ・・・(1)
Toff(n)<Toff(n+1) ・・・(2)
また、期間Ton、Toffをこの順番で検出する場合、期間Toffの方が期間Tonよりも前回の該当期間に対して長くなる程度が大きいので、一方向に回転している電機子20が同じ回転方向で停止する場合には、次式(3)に示す関係になる。
Ton/Toff<1/2 ・・・(3)
しかし、モータ10のコギングトルク、あるいはモータ10が駆動している対象物からモータ10に加わる負荷変動等により、一方向に回転している電機子20が停止するときに逆回転することがある。
この場合には、式(1)〜(3)の関係は成立せず、次式(4)〜(6)に示す関係になることがある。
Ton(n)≧Ton(n+1) ・・・(4)
Toff(n)≧Toff(n+1) ・・・(5)
Ton/Toff≧1/2 ・・・(6)
したがって、式(1)〜(6)に基づいて、モータ10が停止時に逆回転したか否かを判定できる。図7では、t16のToff(t16)とt18のToff(t18)の関係が、Toff(t16)>Toff(t18)になり式(5)を満たしているので、t18の途中でモータ10が逆回転したと判定できる。
(逆回転判定ルーチン)
次に、モータ10の逆回転判定ルーチンを図8に示す。図8において「S」はステップを表している。
モータ10を起動するために回転検出装置100および駆動制御部に電力が供給されると、まずS300において、図示しない駆動制御部は、直流電源102からモータ10への直流電圧の印加はオフにし、交流電源104からモータ10への交流電圧の印加はオンにする。そして、信号処理部120は、電流検出部112により検出されたモータ電流に基づく各種信号処理を行って検出パルスSpを生成する。
これにより、補正部150は、検出パルスがオン期間Tonであるか、オフ期間Toffであるかを検出できるので、モータ10が回転を開始する前の現在のモータ10の停止角度をRAM等に記憶する。
モータ10が起動されると(S302)、補正部150は、検出パルスの幅(Ton)および間隔(Toff)をパルス発生毎に記憶する(S304)。そして、補正部150は、モータ10に対する制動が開始されるまで(S306:Yes)、S304を実行する。
モータ10に対する制動が開始されると(S306:Yes)、補正部150は、制動開始後の最初のオン期間TonをTon(1)とし、Ton(1)の直後のオフ期間ToffをToff(1)とする。そして、順次、Ton(2)、Ton(2)・・・、Toff(2)、Toff(3)・・・とする。また、Tonになるnの最大値とToffになるnの最大値とのうち、小さい方の値をnLASTとする。つまり、最後の検出パルスがTonでモータ10が停止する場合には、Tonでモータ10が停止する前のToffになるnの最大値がnLASTになる。最後の検出パルスがToffでモータ10が停止する場合には、Tonになるnの最大値とToffになるnの最大値とは同じ値になるので、Tonになるnの最大値とToffになるnの最大値のどちらをnLASTに設定してもよい。
そして、S308において、補正部150は、n、Ton(0)、Toff(0)に初期値を次のように設定する。n=0、Ton(0)=0、Toff(0)=0。
S310において補正部150は、Ton(n)<Ton(n+1)であるか否かを判定する。Ton(n)<Ton(n+1)でなければ(S310:No)、補正部150は、モータ10は同一方向に回転して停止するときに期間Ton(n+1)で逆回転したと判断する(S312)。そして、S328に処理を移行する。
Ton(n)<Ton(n+1)であれば(S310:Yes)、S314において補正部150は、Toff(n)<Toff(n+1)であるか否かを判定する。Toff(n)<Toff(n+1)でなければ(S314:No)、補正部150は、モータ10は同一方向に回転して停止するときに期間Toff(n+1)で逆回転したと判断する(S316)。そして、S328に処理を移行する。
Toff(n)<Toff(n+1)であれば(S314:Yes)、S318において補正部150は、Ton(n+1)/Toff(n+1)<1/2であるか否かを判定する。Ton(n+1)/Toff(n+1)<1/2でなければ(S318:No)、補正部150は、モータ10は同一方向に回転して停止するときに期間Toff(n+1)で逆回転したと判断する(S316)。そして、S328に処理を移行する。
Ton(n+1)/Toff(n+1)<1/2であれば(S318:Yes)、モータ10は同一方向に回転して停止中に逆回転していないと判断し、S320において補正部150は、nを+1する。そして、S322において補正部150は、n=nLASTか否かを判定する。n=nLASTでなければ(S322:No)、補正部150はS310に処理を移行する。
n=nLASTであれば(S322:Yes)、補正部150は、モータ10は逆回転せずに停止したと判断し(S324)、パルスカウント部142のカウント数を補正しない。そして、S326において回転角検出部144は、パルスカウント部142のカウント数に基づいてモータ10の回転角度を算出し、本ルーチンを終了する。
一方、S328において補正部150は、S312、S316の判断に基づいて、逆回転を考慮し、パルスカウント部142でカウントしたカウント数を−1するなどして補正する。そして、回転角検出部144は、補正部150により補正されたパルスカウント部142のカウント数に基づいてモータ10の回転角度を算出し、本ルーチンを終了する。
以上説明した第1実施形態では、モータ10に印加される交流電圧の交流成分の出力パターンとして、検出パルスがオンになるオン期間Tonと、オフになるオフ期間Toffの長さの変化、ならびにオン期間Tonとオフ期間Toffとの比率の変化に着目した。
これにより、単に交流成分の振幅変化だけを検出する場合に比べ、停止時にモータ10が逆回転したか否かを高精度に検出できる。
ところで、モータ10が一定回転速度で定常回転している場合には、検出パルスがオンになるオン期間Tonと、オフになるオフ期間Toffとを1周期とする周波数は、図7に示すように一定になる。そして、定常回転時において、例えば図7のt6の期間中にノイズまたはサージが発生し、HPF122の出力信号に、交流電源104から印加される交流成分以外の誤信号が混入すると、検出パルスの周波数は定常回転時とは異なった周波数になる。
そこで、定常回転時において、定常回転時の周波数と異なる周波数を補正部150で検出すると、補正部150は、異なる周波数を発生させた原因となる該当パルスのカウントを除去するために、パルスカウント部142のカウント数を−1させる。
尚、検出パルスではなく、交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とを1周期とする周波数に基づいて、定常回転時に交流成分に発生する誤信号を除去してもよい。
また、本発明では、検出パルスではなく、HPF122から出力される交流成分のまま、交流成分の振幅が大きくなる期間の長さの変化、ならびに振幅が小さくなる期間の長さの変化、ならびに振幅が大きくなる期間と振幅が小さくなる期間との比率の変化に基づいて、停止時にモータ10が逆回転したか否かを高精度に検出してもよい。
また、本実施形態の回転検出装置100は、検出パルスの回転数に基づいてモータ10の回転角を検出したが、単位時間当たりの検出パルス数を算出し、モータ10の回転速度を検出してもよい。
尚、本実施形態において、相コイルL1に並列にコンデンサC1を接続し、電機子20の回転に伴いブラシ12、14間でリアクタンスが周期的に変化する構成が、本発明の可変機構に相当し、直流電源102、交流電源104およびカップリングコンデンサ106が本発明の電源部に相当し、電流検出部112および信号処理部120を備える回転信号検出部110が本発明の通電検出手段に相当する。また、回転状態検出部140が本発明の回転状態検出手段に相当し、補正部150が本発明の補正手段に相当し、信号処理部120の包絡線検波部128および比較部130が本発明のパルス生成手段に相当する。
また、図8のS300、S304の処理は本発明の通電検出手段、回転状態検出手段および補正手段により実行される機能に相当し、S310〜S318の処理は、本発明の逆回転判定手段により実行される機能に相当し、S328の処理は、本発明の補正手段により実行される機能に相当する。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図9および図10に示す。第2実施形態の回転検出装置は、モータ160の構成が第1実施形態のモータ10と異なり、補正部150による逆回転の検出の仕方がモータ160の構成に合わせて異なる以外は、実質的に第1実施形態の回転検出装置100と同一である。後述する第3実施形態〜第5実施形態の回転検出装置も、モータの構成が第1実施形態のモータ10と異なり、補正部150による逆回転の検出の仕方がモータの構成に合わせて異なる以外は、実質的に第1実施形態の回転検出装置100と同一である。
図9に示すモータ160は、一対のブラシ12、14と、電機子162とを備えている。モータ160は、電機子162の電機子コイルとして10相の相コイルL1〜L10を有するブラシ付きの10相直流モータである。
ブラシ12、14は、第1実施形態のモータ10と同様に、互いに対向して配置されている。
電機子162の整流子164は、ブラシ12、14と接触する10個の整流子片164A、164B、164C、164D、164E、164F、164G、164H、164I、164Jを備えている。そして、電機子コイルを構成する10個の(10相)の相コイルL1〜L10がそれぞれデルタ結線されている。尚、図9では、整流子片を表す数字(164)は省略している。
コンデンサC1は整流子片164Aと整流子片164Fとを接続し、コンデンサC2は整流子片164Dと整流子片164Iとをそれぞれ接続している。つまり、コンデンサC1、C2は、二対の整流子片の各対をそれぞれ接続している。そして、整流子片164Aと整流子片164F、ならびに整流子片164Dと整流子片164Iは、電機子162が回転するときに、ブラシ12、14が同時に摺接する整流子片の組み合わせである。
これにより、ブラシ12、14が整流子片164A、164F、または整流子片164D、164Iに接触しているときにブラシ12、14間のインピーダンスは小さくなる。一方、ブラシ12、14が整流子片164B、164Gまたは整流子片164C、164Hまたは整流子片164E、164Jに接触しているときにブラシ12、14間のインピーダンスは大きくなる。
したがって、図10の(A)、(B)に示すように、ブラシ12、14が整流子片164A、164Fまたは整流子片164D、164Iに接触しているときにHPF122から出力される交流成分の振幅は大きくなる。このときの交流成分の振幅が大きくなる期間を、それぞれ(A−F)on、(D−I)onと表す。
一方、ブラシ12、14が整流子片164B、164Gまたは整流子片164C、164Hまたは整流子片164E、164Jに接触しているときにHPF122から出力される交流成分の振幅は小さくなる。ことのきの交流成分の振幅が小さくなる期間を、それぞれ(B−G)off、(C−H)off、(E−J)offと表す。
尚、図の簡略化のため、交流成分の振幅が大きくなる期間、小さくなる期間を表すon、offは図10では省略している。
(定常回転時)
図10の(A)に示す定常回転時においては、(A−F)on、(D−I)on、(E−J)offのそれぞれの期間の長さは等しく、(C−H)off、(B−G)offと続く期間の長さはその2倍になる。定常回転時にこの間隔の違いを検出すれば、振幅の大きい期間でブラシ12、14がどの整流子片と接触しているか、つまり電機子162の回転角を検出できる。
また、10個の整流子片の回転方向の長さが等しい場合、定常回転時においては、(A−F)on:(E−J)off:(D−I)on:(C−H)off+(B−G)offと続く期間の比率は1:1:1:2となり、この比率を1セットとして交流成分の振幅が変化する。
(停止時)
直流電源102からモータ160への通電が遮断されると、図10の(B)に示すように、(A−F)on、(D−I)on、(B−G)off、(C−H)off、(E−J)offの各期間の長さは時間経過とともに長くなる。
ここで、振幅の大きい期間でブラシ12、14がどの整流子片と接触しているかを定常回転時に検出していれば、電機子162が停止中のときも、振幅の大きい期間でブラシ12、14がどの整流子片と接触しているかを検出できる。
そして、図10の(B)に示すように、モータ160に対する制動が開始されてから(D−I)onの次にオフ期間を検出し、次のオン期間で交流成分の出力が一定になってモータ160が停止する場合、一定方向に回転していた電機子162が同じ方向で停止すれば、(D−I)onの次のオフ期間は、(C−H)off、(B−G)offと続くオフ期間であり、このオフ期間の長さは(D−I)onの長さの2倍よりも大きくなる。
一方、(D−I)onの次のオフ期間の長さが(D−I)onの長さの2倍以下の場合には、(D−I)onの次のオフ期間で電機子162が逆回転したと判定できる。
このように、4相以上のモータ160で2個のコンデンサC1、C2によりブラシ12、14間のリアクタンスを周期的に変化させる構成においても、交流成分の出力パターンとして、交流成分のオン期間、オフ期間の長さの変化に基づいて、電機子が停止時に逆回転したか否かを判定できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図11および図12に示す。
図11に示すモータ170は、二対のブラシ12、14とブラシ16、18と、電機子172とを備えている。
モータ170は10相の相コイルL1〜L10を有するブラシ付きの10相直流モータである。電機子172の整流子164の構成は第2実施形態と実質的に同一である。
また、コンデンサC1は、整流子片164Aと164Fとを接続している。整流子片164Aと整流子片164Fとは、電機子172が回転するときに、ブラシ12、14またはブラシ16、18が同時に摺接する一対の整流子片である。これにより、ブラシ12、14またはブラシ16、18が整流子片164A、164Fに接触しているときにブラシ12、14間またはブラシ16、18間のインピーダンスは小さくなる。
一方、ブラシ12、14またはブラシ16、18が整流子片164B、164Gまたは整流子片164C、164Hまたは整流子片164D、164Iまたは整流子片164E、164Jと接触しているときにブラシ12、14間、あるいはブラシ16、18間のインピーダンスは大きくなる。
したがって、図12の(A)、(B)に示すように、ブラシ12、14またはブラシ16、18が整流子片164A、整流子片164Fに接触しているときにHPF122から出力される交流成分の振幅は大きくなる。このときの期間を、それぞれ(12−14)on、(16−18)onと表す。
尚、図の簡略化のため、交流成分の振幅が大きくなる期間を表すonは図12では省略している。
一方、ブラシ12、14およびブラシ16、18が整流子片164A、164Fに接触していないときにHPF122から出力される交流成分の振幅は小さくなる。このときの期間を、Toff1、Toff2と表す。
Toff1は、ブラシ12、14が整流子片164B、164Gと接触し、ブラシ16、18が整流子片164E、164Jと接触している期間を表している。Toff2は、ブラシ12、14が整流子片164E、164J、整流子片164D、164Iと順次接触し、ブラシ16、18が整流子片164C、164H、整流子片164B、164Gと順次接触する期間を表している。
(定常回転時)
図12の(A)に示す定常回転時においては、(12−14)on、(16−18)on、Toff1のそれぞれの期間の長さは等しく、Toff2の間の長さはその2倍になる。定常回転時においてこの間隔の違いを検出すれば、ブラシ12、14およびブラシ16、18がどの整流子片と接触しているか、つまり電機子の回転角を検出できる。
また、定常回転時においては、(12−14)on:Toff1:(16−18)on:Toff2と続く期間の比率は1:1:1:2となり、この比率を1セットとして交流成分の振幅が変化する。
(停止時)
直流電源102からモータ170への通電が遮断されると、図12の(B)に示すように、(12−14)on、(16−18)on、Toff1、Toff2の各期間の長さは時間経過とともに長くなる。
ここで、定常回転時においてブラシ12、14およびブラシ16、18がどの整流子片と接触しているかを検出していれば、モータ170に対する制動が開始され電機子172が停止中のときも、ブラシ12、14およびブラシ16、18がどの整流子片と接触しているかを検出できる。
そして、図12の(B)に示すように、(16−18)onの次にオフ期間を検出し、次のオン期間で交流成分の出力が一定になってモータ170が停止する場合、一定方向に回転していた電機子172が同じ方向で停止すれば、(16−18)onの次のオフ期間はToff2であり、このToff2のオフ期間の長さは(16−18)onのオン期間の長さの2倍よりも大きくなる。
一方、(16−18)onの次のオフ期間の長さが(16−18)onの長さの2倍以下の場合には、(16−18)onの次のToff2で電機子172が逆回転したと判定できる。
このように、直流モータに設置されるブラシの対数は一対に限るものではなく、複数対のブラシが設置されてもよい。この場合にも、電機子の回転に伴って複数対のブラシ間でインピーダンスが変化することにより、交流成分の出力パターンが異なる。そして、この交流成分の出力パターンの変化を検出することにより、モータの回転角を検出できる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態を図13に示す。
図13の(A)に示すモータ180は、一対のブラシ12、14と、電機子182とを備えている。ブラシ12、14は回転方向に90°離れて設置されている。
電機子182の整流子184は、ブラシ12、14と接触する8個の整流子片184A、184B、184C、184D、184E、184F、184G、184Hを備えている。そして、電機子コイルを構成する8個の(8相)の相コイルL1〜L8がそれぞれデルタ結線されている。尚、図13の(A)では、整流片を表す数字(184)は省略している。
コンデンサC1は、整流子片184Bと184Hとを接続している。整流子片184Bと整流子片184Hとは、電機子182が回転するときに、ブラシ12、14が同時に摺接する一対の整流子片である。これにより、ブラシ12、14が整流子片184B、184Hに同時に接触しているときにブラシ12、14間のインピーダンスは小さくなる。この場合、図13の(B)に示すように、交流成分の振幅は大きくなる。
一方、ブラシ12、14が整流子片184B、184Hの組み合わせ以外の整流子片と接触しているときにブラシ12、14間のインピーダンスは大きくなる。この場合、図13の(B)に示すように、交流成分の振幅は小さくなる。
そして、整流子184は、8個の整流子片で構成されているので、8個の整流子片の回転方向の長さが等しい場合、交流成分の振幅が大きくなる期間Tonは45°になり、交流成分の振幅が小さくなる期間Toffは315°になる。
これにより、定常回転時のTon:Toffは1:7になる。この値に基づいて、停止時の逆回転を検出できる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態を図14〜図16に示す。
図14に示すモータ190は、一対のブラシ12、14と、電機子192とを備えている。モータ190は8相の相コイルL1〜L8を有するブラシ付きの8相直流モータである。
ブラシ12、14は、第1実施形態のモータ10と同様に、互いに対向して配置されている。
コンデンサC1は整流子片184Eと整流子片184Fとを接続し、コンデンサC2は整流子片164Aと整流子片184Eとをそれぞれ接続している。
(ブラシ12、14間のインピーダンスの変化)
次に、電機子192の回転に伴い、ブラシ12、14間で変化するインピーダンスについて説明する。図15には、電機子192の回転に伴い、ブラシ12、14が整流子片184A、184E、整流子片184D、184H、整流子片184C、184G、整流子片184B、184Fと順次接触するときのブラシ12、14間のモータ回路を示している。これ以降は、図15において電源の接続方向を逆にした回路状態になるので、ブラシ12、14間のインピーダンスの変化の仕方は同じである。
詳細な計算は省略するが、ブラシ12、14間のインピーダンスの大小関係は、ブラシ12、14が接触する整流子片の各組について、(整流子片184A、184E)<(整流子片184B、184F)<(整流子片184D、184H)<(整流子片184C、184G)になる。したがって、電機子192の回転に伴いHPF122から出力される交流成分の振幅の大小関係は、(整流子片184A、184E)>(整流子片184B、184F)>(整流子片184D、184H)>(整流子片184C、184G)になる。
(定常回転時)
まず、ブラシ12、14が整流子片184A、184E、整流子片184B、184F、整流子片184D、184H、整流子片184C、184Gと接触しているときの期間を(A−E)、(B−F)、(D−H)、(C−G)と表す。
図16の(A)に示すように、定常回転時には、(A−E)、(B−F)、(D−H)、(C−G)の期間の長さは等しい。ただし、(A−E)、(B−F)、(D−H)、(C−G)における振幅の大きさは、前述したようにそれぞれ異なっている。
したがって、定常回転時において、振幅の大きさの違いを検出すれば、ブラシ12、14がどの整流子片と接触しているか、つまり電機子192の回転角を検出できる。
(停止時)
直流電源102からモータ190への通電が遮断されると、図16の(B)に示すように、(A−E)、(B−F)、(D−H)、(C−G)の各期間の長さは時間経過とともに長くなる。
ここで、定常回転時においてブラシ12、14がどの整流子片と接触しているかを検出していれば、モータ190に対する制動が開始され電機子192が停止中のときも、ブラシ12、14がどの整流子片と接触しているかを検出できる。
そして、図16の(B)に示すように、モータ190に対する制動が開始されてから、(A−E)の次に(D−H)を検出し、その次に(C−G)ではなく(A−E)を検出すると、(D−H)の途中で電機子192が逆回転したと判定できる。
また、図16の(B)では、電機子192が停止するときに、(A−E)の次の(D−H)の長さは(A−E)よりも長くなっている。したがって、第1実施形態のように振幅の大きさが2通りに変化するインピーダンスの構成では、電機子192が停止時に逆回転したことを検出できない。
これに対し、第5実施形態では、電機子192の回転に伴いブラシ12、14の間でインピーダンスが4段に変化するので、各期間の長さを考慮せずに振幅の大きさに基づいて、電機子192が停止時に逆回転したか否かを判定できる。
また、第5実施形態では、定常回転時において振幅の大小の順序を検出することにより、電機子192の回転方向を検出できる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態を図17に示す。第6実施形態による直流モータ装置4の回転検出装置200は、上記第1実施形態から第5実施形態と比較して、主として、直流電源102、交流電源104からモータ10への電源供給がモータドライバ210を介して行われることが異なっており、その他の構成については実質的に第1実施形態の回転検出装置100と同じである。そのため、第1実施形態の回転検出装置100と同じ構成要素には第1実施形態と同じ符号を付し、その詳細説明を省略する。
モータドライバ210は、4つのスイッチからなる周知のHブリッジ回路(いわゆるフルブリッジ)にて構成されたものである。
即ち、モータドライバ210は、例えばMOSFETからなるスイッチMOS1、MOS2、MOS3、MOS4を備えている。ハイサイド側のスイッチMOS1とローサイド側のスイッチMOS3との接続点(即ちHブリッジ回路の一方の中点J)はモータ10における一方のブラシ12に接続されている。同様に、ハイサイド側における他方のスイッチMOS2とローサイド側のスイッチMOS4との接続点(ブリッジ回路の他方の中点K)はモータ10における他方のブラシ14に接続されている。
制御部220は、回転状態検出部140が検出するモータ10の回転角に基づいて、スイッチMOS1、MOS2、MOS3、MOS4、直流電源スイッチ103のオン、オフを制御する。
モータドライバ210は、正転制御の際は、スイッチMOS1およびスイッチMOS4をONさせて、他の2つのスイッチMOS2、MOS3をOFFさせる。一方、モータドライバ210は、逆回転制御の際は、4つのスイッチMOS1〜MOS4のうち、スイッチMOS2、MOS3をONさせて、他の2つのスイッチMOS1、MOS4をOFFさせる。
また、モータ10を制動するときには、直流電源スイッチ103をオフするとともに、モータドライバ210を構成する4つのスイッチMOS1〜MOS4のうちローサイド側の2つのスイッチMOS3、MOS4をONさせることで、モータ10の端子間(ブラシ12、14間)を、これら各スイッチMOS3、MOS4を介して短絡させることによりモータ10を制動させる。
回転中のモータ10のブラシ12、14間をスイッチMOS3、MOS4を介して短絡させると、その短絡時に発生するモータ10の逆起電力によるエネルギーが、ローサイド側のスイッチMOS3、MOS4、およびモータ10によって消費され、これによりモータ10が制動されてやがて停止することになる。
また、第6実施形態では、直流電源102からモータ10への通電経路のうち、起動から定常回転時および短絡制動時の各制御においてモータ電流が流れる共通電流経路に、交流電源104および電流検出部112が接続されている。
これにより、起動から定常回転時および短絡制動時の各制御において、交流電源104からモータ10に交流電圧を印加し、モータ10の回転状態を検出できる。
ここで、モータ10を短絡制動させる場合に、モータ10が逆回転したか否かの判定は、第1実施形態と同様に、モータ10に印加される交流電圧の交流成分の出力パターンとして、検出パルスがオンになるオン期間Tonと、オフになるオフ期間Toffとの長さの変化、ならびにオン期間Tonとオフ期間Toffとの比率の変化に着目して検出できる。詳細については、第1実施形態で既に説明したので省略する。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態を図18に示す。上記第1実施形態から第5実施形態では、複数の相コイルをデルタ結線した例について述べたが、第7実施形態のモータ230では、3つの相コイルL11、L12、L13をスター結線している。
そして、コイルL11、L12にそれぞれコンデンサC1、C2が並列接続されている。これにより、電機子232の回転に伴い、ブラシ12、14間のリアクタンスが変化し、HPF122から出力される交流成分の振幅の大きさが変化する。したがって、この交流成分の出力パターンの変化を検出することにより、電機子232が停止時に逆回転したか否かを判定できる。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態を図19および図20に示す。
図19に示すように、モータ240は、ブラシ12、14、整流子30、ハウジング242と、このハウジング内に収容された電機子260と、回転軸270とを備えている。電機子260は、ハウジング242の軸心に配置されている回転軸270に固定され、この回転軸270とともに回転する。
第8実施形態のモータ240は、コンデンサC1を相コイルL1に並列に接続していない点と、ハウジング242の内周面に凸部244を設けている点とが第1実施形態のモータ10と異なっている。一方、それ以外の構成、つまり、ブラシ12、14、整流子30、相コイルL1、L2、L3の構成、ならびに第1実施形態の図1には図示していないが、ハウジング242、永久磁石250、252、ロータコア262、回転軸270の構成は、第1実施形態のモータ10と実質的に同一である。
ハウジング242は、略円筒形の形状をなし、その内周面には、界磁発生用の2つの永久磁石250、252が径方向に互いに対向するように固定されている。周方向で見れば、2つの永久磁石が所定間隔を隔てて固定されている。電機子260のロータコア262と対向する面側の永久磁石250、252の極性は、一方がN極で他方がS極である。つまり、本実施形態のモータ240は界磁が2極の直流モータとして構成されている。
また、ハウジング242は軟磁性体である継鉄(ヨーク)にて形成されたものであり、内周面に固定された2つの永久磁石250、252とともにモータ240の磁気回路を構成している。
電機子260は、ロータコア262と電機子コイル268とから主に構成されている。ロータコア262は、軟磁性体にて形成されたものであり、3つのティース(突極)264、265、266を有し、電機子コイル268が巻回されている。具体的には、第1ティース264に第1相コイルL1が巻回され、第2ティース265に第2相コイルL2が巻回され、第3ティース266に第3相コイルL3が巻回されている。これら3つの相コイルL1、L2、L3はデルタ結線されており、電機子コイル268を構成している。
また、回転軸270には、整流子30が固定されており、この整流子30には、互いに対向して(即ち回転方向に180°離れて)配置された一対のブラシ12、14が摺接している。
ハウジング242の内周面において、2つの永久磁石250、252の間に、凸部244が設けられている。ハウジング242の内周面には、2つの永久磁石250、252が周方向において所定の間隔を隔てて固定されているため、周方向において永久磁石250、252の存在しない領域(磁石間領域)が2箇所存在している。本実施形態では、図19に示す通り、このうち1箇所の磁石間領域に、ハウジング242の内周面から径方向内側へ突出するように凸部244が設けられている。また、この凸部244は、2つの永久磁石250、252のいずれとも接触しないよう、周方向において各永久磁石250、252の双方からそれぞれ所定間隔を隔てて設けられている。
凸部244は、軟磁性体の材料で形成されたものであり、周方向に所定の長さを有し、かつ、径方向に所定の厚みを有している。そして、この凸部244が設けられていることにより、ロータコア262とハウジング242により構成される磁気回路の磁気抵抗は、ロータコア262の回転に伴って変化する。なお、以下の説明で「磁気抵抗」とは、特に断りのない限り、ロータコア262とハウジング242により構成される磁気回路の磁気抵抗を意味するものとする。
ここで、モータ240における、ロータコア262とハウジング242とのギャップ、および磁気抵抗について、具体的に説明する。
上述の通り、ロータコア262およびハウジング242はいずれも軟磁性体にて形成されており、その透磁率は空気の透磁率よりも非常に大きい。そのため、モータ240の磁気抵抗は、ロータコア262(詳しくは各ティース264、265、266の外周面)とハウジング242の内周面または永久磁石250、252との間のエアギャップ、および各永久磁石250、252の厚みの和に大きく依存する。つまり、エアギャップが大きいほど磁気抵抗は大きくなり、逆にエアギャップが小さいほど、磁気抵抗は小さくなる。
但し、各永久磁石250、252については、その透磁率は空気の透磁率とほぼ同じである。そのため、各永久磁石250、252は、磁気的にみれば空気が存在していることと等価となる。つまり、モータ240の磁気抵抗を考慮する上では、空気と同じ透磁率である各永久磁石250、252の存在は無視することができ、各永久磁石250、252はいずれもエアギャップとして扱うことができる。そのため、仮に凸部244がないならば、ロータコア262とハウジング242の内周面とのエアギャップはロータコア262が回転しても一定であり、故に、回転に伴って磁気抵抗が変化することはない。
しかし、本実施形態では、ハウジング242の内周面に、ハウジング242とほぼ同じ透磁率を有する軟磁性の凸部244が設けられている。そのため、電機子260の回転角によって、すなわちロータコア262の各ティース264、265、266の外周面がこの凸部244と対向しているか否かによって、モータ240の磁気抵抗は異なった値となる。つまり、電機子260の回転に伴ってその磁気抵抗が変化する。そして、磁気抵抗が変化すると、モータ回路のインダクタンス、つまりリアクタンスも変化するため、モータ回路に流れる電流のうち、交流成分については、その振幅が変化する。
図19の(A)に示すように、凸部244がロータコア262と対向している状態Aでは、ロータコア262と凸部244との間のエアギャップが小さくなるため、モータ240の磁気抵抗は全体として小さくなる。一般的にインダクタンスは磁気抵抗の逆数に比例するため、磁気抵抗が変化すればそれに伴ってモータ回路のインダクタンスも変化する。そのため、状態Aのように磁気抵抗が小さくなると、モータ回路のインダクタンスは大きくなる。
一方、図19の(B)に示すように、ロータコア262が凸部244と対向していない状態Bでは、図19の(A)に比べてエアギャップが大きくなり、モータ240の磁気抵抗は全体として大きくなる。そのため、モータ回路のインダクタンスは小さくなる。
このように、モータ回路のインダクタンスは、電機子260の回転に伴って周期的に変化する。
本実施形態ではロータコア262が3つのティース264、265、266を有していることにより、回転に伴う周期的なインダクタンスの変化は、電機子260が120°回転する毎に生じる。そのため、上述した交流成分の振幅変化も、電機子260が120°回転する度に周期的に生じる。
図20に、モータ電流波形と、比較部130から出力される検出パルスの一例を示す。本実施形態では、モータ240が120°回転する度に回転パルスが生成されることとなる。
そこで本実施形態では、電機子260の回転に伴ってインダクタンスが変化し、このインダクタンスの変化によって生じる交流成分の振幅の変化を検出する。そして、その検出した交流成分の振幅の変化に基づいて、モータ240が停止するときに逆回転したか否かを判定できる。
本実施形態では、凸部244が本発明の可変機構に相当し、電機子260の回転に伴い、ブラシ12、14間のインダクタンスが変化する。
尚、ハウジング242とは別部材の凸部244を可変機構として設置する代わりに、凸部244に該当する位置のハウジング自体を内周側に突出させて、電機子260の回転に伴い、ブラシ12、14間のインダクタンスを変化させてもよい。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、直流モータとして、3つの相コイルL1、L2、L3のうち1つの相コイルにのみコンデンサC1を接続した例(第1実施形態)を示したが、例えば、3つの相コイルの各々に、容量の異なるコンデンサを接続するようにしてもよい。このようにしても、分解能の高い回転角の検出および回転方向の検出が可能である。
なお、3つの相コイルの各々にコンデンサを接続する場合、いずれか2つのコンデンサは同じ静電容量値のものとすることもできる。但しその場合、回転角や回転速度の検出は可能であるものの、回転方向の検出はできなくなる。
また、複数の整流子片のうち少なくとも一対の整流子片をコンデンサで接続する構成、ならびにモータハウジングの内周面に磁性を有する凸部を設ける構成に限らず、モータの回転に伴ってブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが変化するのであれば、どのような構成で可変機構を実現してもよい。
例えば、複数の整流子片のうち少なくとも一対の整流子片をコンデンサで接続する構成と、モータハウジングの内周面に磁性を有する凸部を設ける構成とを併用してもよいし、各相コイルにインダクタンスの異なるコイルを設置してもよい。また、1個に限らず複数のコンデンサで一対の整流子片を接続してもよい。
ここで、例えば上記第4実施形態では、複数の整流子片のうち一対の整流子片184B、184HをコンデンサC1で接続し、整流子片184B、184Hの両方と同時に摺接する位置にブラシ12、14を設置した。
これに対し、コンデンサC1が接続する一対の整流子片を変更するか、あるいはブラシ12、14の設置位置を変更することにより、コンデンサC1が接続している一対の整流子片の両方と同時にブラシ12、14が摺接しないように可変機構を構成してもよい。
この可変機構の構成においても、電機子の回転に伴い、一対のブラシ12、14間のリアクタンスが変化することにより、交流成分の振幅変化による出力パターンが変化する。したがって、直流モータの回転状態を、交流成分の出力パターンに基づいて補正できる。
また、上記実施形態の構成を採用せず、インダクタンスの等しい相コイルで電機子コイルを構成している通常の直流モータであっても、ブラシに接触する整流子片の切り替わり時に2個の整流子片が同時に1個のブラシに接触するときに、モータ回路の構成が変化しリアクタンスが変化する。したがって、通常の直流モータであっても、直流電圧に交流電圧を重畳し、電機子の回転に伴って変化する交流成分の出力パターンに基づいて、モータの回転状態を検出できる。
上記実施形態では、モータの可変機構のインピーダンスとして、電機子の回転に伴い一対のブラシ間におけるリアクタンスを変化させた。これに対し、可変機構のインピーダンスとして、例えば3つの相コイルL1、L2、L3のうち1つの相コイルに抵抗を並列に接続し、電機子の回転に伴い一対のブラシ間における抵抗値を変化させてもよい。
この構成においては、抵抗値の変化によりモータ電流の交流成分の振幅とともに、モータ電流の直流成分が変動する。この場合にも、交流成分抽出手段としてHPFを通すことにより、モータ電流から直流成分を除去し交流成分を抽出できる。そして、電機子の回転に伴って変化する交流成分の出力パターンに基づいて、モータ電流の直流成分の大きさに関わらず、例えば制動中であってもモータの回転状態を検出できる。
また、可変機構として抵抗値を周期的に変化させる構成においても、交流成分中にノイズまたはサージが混入しても、周波数等の交流成分の出力パターンに基づいて除去できる。
また、上記実施形態では、モータへ直流電圧および交流電圧を印加(すなわち直流電流および交流電流を供給)する電源部として、直流電源102と交流電源104とを別々に設け、各電源102、104からの電圧(電流)をカップリングコンデンサ106を介して重畳させてモータへ印加(供給)するようにしたが、このような電源部の構成はあくまでも一例であり、例えば、直流電流と交流電流とが重畳された交直混在の電流(脈流)を生成して供給する1つの電源部を用いてもよく、結果として交流電流および直流電流をモータへ供給できる限り、電源の具体的構成は特に限定されない。
また、上記第5実施形態では、モータドライバとして、4つのスイッチング素子からなるHブリッジ回路(フルブリッジ)を示したが、Hブリッジ回路以外の回路にてモータドライバを構成してもよい。
2、4:直流モータ装置、10、160、170、180、190、230、240:モータ、12、14、16、18:ブラシ、20、162、172、182、192、232、260:電機子、30、164、184:整流子、31、32、33、164A、164B、164C、164D、164E、164F、164G、164H、164I、164J、184A、184B、184C、184D、184E、184F、184G、184H:整流子片、100、200:回転検出装置、102:直流電源(電源部)、104:交流電源(電源部)、106:カップリングコンデンサ、(電源部)110:回転信号検出部、112:電流検出部(通電検出手段)、120:信号処理部(通電検出手段)、122:HPF、124:増幅部、128:包絡線検波部、130:比較部、140:回転状態検出部(回転状態検出手段)、142:パルスカウント部、144:回転角検出部、150:補正部(補正手段)、244:凸部(可変機構)、268:電機子コイル、C1、C2:コンデンサ(可変機構)、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、L11、L12、L13:相コイル、R1:電流検出抵抗

Claims (13)

  1. 直流モータの回転状態を検出する回転検出装置において、
    前記直流モータは、
    少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、
    前記電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、
    前記整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、
    前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスが周期的に変化する可変機構と、
    を備えており、
    前記回転検出装置は、
    直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を前記一対のブラシ間に印加する電源部と、
    前記一対のブラシ間に流れる電流または前記電流が流れる通電経路上の電圧の交流成分を検出する通電検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の振幅変化に基づいて、前記回転状態として、少なくとも前記直流モータの回転角と回転方向と回転速度とのうちいずれか一つを検出する回転状態検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の出力パターンが前記電機子の回転に伴って前記可変機構により変化することに基づいて、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する補正手段と、
    前記出力パターンとして、前記交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、前記振幅が大きくなる期間の長さの変化に基づいて、停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定する逆回転判定手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、前記電機子が逆回転したと前記逆回転判定手段が判定すると、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする回転検出装置。
  2. 前記逆回転判定手段は、前記出力パターンとして、前記交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、前記振幅が小さくなる期間の長さの変化に基づいて、停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置。
  3. 直流モータの回転状態を検出する回転検出装置において、
    前記直流モータは、
    少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、
    前記電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、
    前記整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、
    前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスが周期的に変化する可変機構と、
    を備えており、
    前記回転検出装置は、
    直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を前記一対のブラシ間に印加する電源部と、
    前記一対のブラシ間に流れる電流または前記電流が流れる通電経路上の電圧の交流成分を検出する通電検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の振幅変化に基づいて、前記回転状態として、少なくとも前記直流モータの回転角と回転方向と回転速度とのうちいずれか一つを検出する回転状態検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の出力パターンが前記電機子の回転に伴って前記可変機構により変化することに基づいて、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する補正手段と、
    前記出力パターンとして、前記交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、前記振幅が小さくなる期間の長さの変化に基づいて、停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定する逆回転判定手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、前記電機子が逆回転したと前記逆回転判定手段が判定すると、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする回転検出装置。
  4. 前記直流モータは前記ブラシを一対だけ備え、
    前記可変機構は、n相の複数の前記電機子コイルに対応するn個の整流子片のうち一対の前記整流子片をコンデンサで接続し、前記コンデンサが接続している前記一対の整流子片の両方と同時に摺接する位置に前記一対のブラシを設置することにより、前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化するように構成されており、
    定常回転時において、前記交流成分の振幅が大きい期間Tonと、前記交流成分の振幅が小さい期間Toffとの比率は1:(n−1)であり、
    前記逆回転判定手段は、停止時において、期間Tonの次に期間Toffが来るときに、Ton/Toff≧1/(n−1)の場合、前記電機子が逆回転したと判定する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転検出装置。
  5. 前記可変機構は、前記複数の整流子片のうち二対以上の前記整流子片の各対の前記整流子片をそれぞれコンデンサで接続することにより、前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化するように構成されており、
    前記補正手段は、前記通電検出手段が検出する前記交流成分の出力パターンが前記電機子の回転に伴って前記可変機構により変化することに基づいて、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転検出装置。
  6. 直流モータの回転状態を検出する回転検出装置において、
    前記直流モータは、
    少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、
    前記電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、
    前記整流子に摺接する一対のブラシと、
    n相の複数の前記電機子コイルに対応するn個の整流子片のうち一対の前記整流子片をコンデンサで接続し、前記コンデンサが接続している前記一対の整流子片の両方と同時に摺接する位置に前記一対のブラシを設置することにより、前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化する可変機構と、
    を備えており、
    前記回転検出装置は、
    直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を前記一対のブラシ間に印加する電源部と、
    前記一対のブラシ間に流れる電流または前記電流が流れる通電経路上の電圧の交流成分を検出する通電検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の振幅変化に基づいて、前記回転状態として、少なくとも前記直流モータの回転角と回転方向と回転速度とのうちいずれか一つを検出する回転状態検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の出力パターンが前記電機子の回転に伴って前記可変機構により変化することに基づいて、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する補正手段と、
    前記出力パターンの変化から停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定する逆回転判定手段と、
    を備え、
    定常回転時において、前記交流成分の振幅が大きい期間Tonと、前記交流成分の振幅が小さい期間Toffとの比率は1:(n−1)であり、
    前記逆回転判定手段は、停止時において、期間Tonの次に期間Toffが来るときに、Ton/Toff≧1/(n−1)の場合、前記電機子が逆回転したと判定し、
    前記補正手段は、前記電機子が逆回転したと前記逆回転判定手段が判定すると、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする回転検出装置。
  7. 前記補正手段は、前記交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、前記振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とを1周期とする周波数の変化に基づいて、定常回転時に前記通電検出手段が検出する前記交流成分以外の誤信号を除去することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の回転検出装置。
  8. 直流モータの回転状態を検出する回転検出装置において、
    前記直流モータは、
    少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、
    前記電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、
    前記整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、
    前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスが周期的に変化する可変機構と、
    を備えており、
    前記回転検出装置は、
    直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を前記一対のブラシ間に印加する電源部と、
    前記一対のブラシ間に流れる電流または前記電流が流れる通電経路上の電圧の交流成分を検出する通電検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の振幅変化に基づいて、前記回転状態として、少なくとも前記直流モータの回転角と回転方向と回転速度とのうちいずれか一つを検出する回転状態検出手段と、
    前記通電検出手段が検出する前記交流成分の出力パターンが前記電機子の回転に伴って前記可変機構により変化することに基づいて、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正し、前記交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、前記振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とを1周期とする周波数の変化に基づいて、定常回転時に前記通電検出手段が検出する前記交流成分以外の誤信号を除去する補正手段と、
    を備えることを特徴とする。
  9. 前記可変機構は前記交流成分の振幅を3段以上に変化させる構成であり、
    前記交流成分の振幅が3段以上に変化する前記出力パターンの変化に基づいて、停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定する逆回転判定手段を備え、
    前記補正手段は、前記電機子が逆回転したと前記逆回転判定手段が判定すると、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の回転検出装置。
  10. 前記出力パターンの変化から停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定する逆回転判定手段を備え、
    前記補正手段は、前記電機子が逆回転したと前記逆回転判定手段が判定すると、前記回転状態検出手段が検出する前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の回転検出装置。
  11. 前記逆回転判定手段は、前記出力パターンとして、前記交流成分の振幅が大きくなる期間と小さくなる期間とが交互に繰り返されるときに、前記振幅が大きくなる期間の長さの変化に基づいて、停止時に前記電機子が逆回転したか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の回転検出装置。
  12. 前記通電検出手段は、前記電機子の回転に伴う前記交流成分の振幅変化に応じてパルス信号を生成するパルス生成手段を有し、
    前記補正手段は、前記交流成分の出力パターンとして、前記パルス生成手段が生成する前記パルス信号の出力パターンに基づいて前記回転状態を補正する、
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の回転検出装置。
  13. 少なくとも3相の相コイルからなる電機子コイルを有する電機子と、
    前記電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、
    前記整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、
    前記電機子の回転に伴い前記一対のブラシ間においてインピーダンスのリアクタンスが周期的に変化する可変機構と、
    を有する直流モータと、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の回転検出装置と、
    を備えることを特徴とする直流モータ装置。
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