JP5518857B2 - 人工毛髪用繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、かつら、増毛用毛髪又は代用毛髪に用いられる人工毛髪用繊維及びその製造方法に関し、とくに、天然毛髪に近似した光沢、艶感を有し、さらに、繊維素材の物性を向上させた人工毛髪用繊維とその製造方法、さらには、この人工毛髪用繊維を用いたかつらに関するものである。
かつらは、従来、天然毛髪を用いて製造されてきたが、天然毛髪素材の調達上の制約等により、人工毛髪用に加工した合成繊維を用いることが多くなった。人工毛髪用繊維の原料は、アクリロニトリル、塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等のポリマーが知られている。アクリロニトリル、塩化ビニルから形成された人工毛髪用繊維は、耐熱性能が悪いため熱処理によるスタイルセット後の形態保持が難しく、例えば温水に曝したり、ヘアドライヤーでブローしたりするとセットしたカールが崩れる弱点がある。ポリエステルから形成された人工毛髪用繊維は、強度、耐熱性能に優れているが、天然毛髪に比べて吸湿性が極めて低く、また、曲げ剛性値が高すぎるため、例えば高湿度の環境下において天然毛髪と異なる触感、外観、物理特性を示す。したがって、ポリエステルから形成された人工毛髪用繊維をかつらに用いた場合には、人の毛髪に対して著しい違和感を呈する。
ここで、曲げ剛性値とは、繊維の触感や質感などの風合いに関連するもので、川端式測定法により数値化した物理特性値は、繊維織物産業で広く認知されつつある(非特許文献1)。この曲げ剛性値は、人工毛髪に特定の大きさの曲げモ一メントを加えたとき、それによって生じた曲率変化の逆数で定義されている。一般的には人工毛髪の曲げ剛性値が大きいほど、曲げに強く、たわみが小さく、つまり、硬く曲げにくい人工毛髪と言える。逆に、この曲げ剛性値が小さい程曲げ易く、柔らかい人工毛髪であると言える。繊維や毛髪一本から曲げ剛性値を測定できる装置も開発されている(例えば、カトーテック株式会社、KES−SHシングルヘアーベンディングテスター)。
ポリアミドは構成分子中にアミド基があり、天然毛髪と化学的構造が似ていることから、他のポリマーよりも人工毛髪用繊維の原料として好適であるとされている。ポリアミドから作った人工毛髪繊維は他のポリマーから形成された人工毛髪繊維よりも高い吸湿力を発揮し得る。ポリアミドの人工毛髪は、この高吸湿力に起因する天然毛髪のようなしなやかな風合に近づき、また、天然毛髪が濡れた時の挙動に近似し、強度、伸度などの物理的性質と耐久性が優れていることが好適とされる理由である。
しかしながら、ポリアミドで形成された人工毛髪用繊維は、カールセット性、カール保持性において、ポリエステルで形成された人工毛髪用繊維より劣る。また、天然毛髪と近似する物性があるものの、光沢及び艶感については天然毛髪のそれとの差が依然として大きいという問題がある。
天然毛髪はその特有な構造により複雑な光学特性(例えば黒髪の持つ特有な艶感)を持っており、単にポリマーを繊維化しただけでは天然毛髪に近い光学特性が得られない。特に公知の溶融紡糸方法で繊維化をする場合には、ポリマーの種類を問わず繊維表面が平滑になり易く、繊維表面の状態に起因する鏡面光沢を持ってしまう。従って、従来から、鏡面光沢を抑制あるいは軽減して光沢を調整する様々な技術が提案されている。
繊維表面の光沢を抑制する方法として、例えば、繊維の主成分とは異なる素材からなるポリマーなどの有機材料を混入する方法(特許文献1)、無機微粒子及び/又は有機微粒子を含む組成物をポリマーに混入させる方法(特許文献2)、繊維表面を無機酸で溶解浸蝕した後に延伸を行う方法(特許文献3)、無機微粒子を含有するポリエステルポリマーを溶融混合して繊維化した後、アルカリ性水溶液で浸蝕加工する方法(特許文献4)、低屈折のポリマーを繊維表面に被覆する方法(特許文献5)、研削材用砥粒子をノズルから繊維表面に吹きつけて繊維表面を削ることで粗面化するブラスト方法(特許文献6)及び溶融紡出直後に温水で徐冷却し繊維の表面に球晶を成長させて表面を凹凸形状にする方法(特許文献7)などが知られている。
なお、2種以上の樹脂を混合して溶融紡出した場合、配合比の高い樹脂(以下「マトリックス」という)ではなく、配合比の少ない樹脂成分(以下「パーティクル」という)が紡出繊維表面に突出することが知られている。
特開2004−3089号公報 特開2007−332507号公報 特公昭43−22349号公報 特開2007−303014号公報 特開昭48−13695号公報 特開2003−23918号公報 特公平3−10726号公報
川端季雄、繊維機械学会誌(繊維工学)、26、10、pp.721−728、1973
上記何れの方法も、繊維表面から発する過度の鏡面光沢を抑制あるいは軽減できる点で、ある程度の効果を奏する。しかし、天然毛髪の持つ複雑な光学特性を具備させて、外観をより近似させることは難しい状況にある。
例えば、無機材料や有機材料の微粒子を混入することで鏡面光沢に調整する特許文献1,2に記載された方法は、溶融紡出した繊維を延伸する際に、混入した無機材料や有機材料の微粒子を繊維表面近傍に分布させて繊維表面に微細な突起を形成させるため、製造時に糸切れを起こし易い。しかも、無機材料や有機材料の微粒子を大量に添加することが必要となると共に、無機材料や有機材料の微粒子の粒子サイズを所望の大きさにする必要がある。したがって、繊維表面付近では繊維の主原料であるポリマーと異なる素材の割合が多くなり、ポリマーの表面特性や風合いが損なわれてしまう。さらに、これらの方法で作られた人工毛髪は、強度の低下や彩色に悪影響を与えることがある。
特許文献3,4に記載の浸蝕による方法は、繊維表面に浸蝕孔を形成することで鏡面光沢の調整を行う。したがって、天然毛髪のようなキューティクルに由来する光沢とは異なる光学特性となり、その外観も異なってしまい、さらに、繊維の強度等の物性値に悪影響を及ぼしてしまう。
光学的な観点により繊維の表面に低屈折ポリマーを被覆する特許文献5による方法で得られる人工毛髪では、繊維表面に当たった光の反射光の角度が変えられるだけなので、光沢の調整は不十分であり、また低屈折ポリマーを被覆したことで繊維の風合いも変化してしまう。
特許文献6に記載のブラスト方法では、繊維表面に大量の研削材砥粒子の吹き付けを行うため、繊維が損傷しやすく、引張強度などの物性を著しく低下させてしまう。さらに触感も硬くなり、ポリマーの持つ風合いを損なうおそれがある。
繊維表面に球晶を成長させる特許文献7に記載の方法は、繊維表面をキューティクルが積層した天然毛髪表面の凹凸状態に近づけることが可能で、上述の他の方法と比べて良好な外観、触感を得られる。しかし、微妙な製造条件の違いが球晶生成に大きく影響を及ぼすので、適正な製造条件を安定して制御しなければならず、その制御に労力を伴う。特に、繊維製造時に顔料及び/又は染料をポリマーに混練して着色を行う場合には、顔料及び/又は染料の種類及び添加量が球晶生成に大きく影響する。したがって、人工毛髪に要求される豊富な色数と繊細な色調を得るため、使用するポリマーと顔料及び/又は染料の種類やロットに応じて、所定の強度と糸径になるように溶融温度、紡糸吐出圧力、延伸温度と延伸倍率などの各条件を制御することが求められる。このため製造条件が複雑となる。また、球晶の成長を促すために溶融紡出直後に温水中で徐冷却する操作を行うことから、曳糸性の低下により糸切れが生じ易く生産性の点で不利である。
人工毛髪の場合、上述したいずれの光沢の調整方法によっても、光沢が抑制されると同時に艶感も失われてしまうので、天然毛髪とは異なる光学特性となってしまう。天然毛髪は外観上、適度の艶感を保持しながら光沢が抑制される特殊な光学特性を有するため、人工毛髪を天然毛髪に似せて、適度の艶感を保持しながら光沢を調整する有効な手段は未だ開発途上にある。
さらに、ポリアミドで形成された人工毛髪において、人工毛髪の評価特性であるカールセット性及びカール保持性(以下、単にカール特性ということもある。)を向上させる具体的な技術は未だ完成されていない。
本発明の一目的は、適度の艶感を保持しながら光沢を抑制し、素材の物性向上を図った人工毛髪用繊維を提供することにある。本発明の他の目的はこれらの優れた特性を有する人工毛髪用繊維の製造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、上記人工毛髪用繊維を用いて作製したかつらを提供することにある。
本発明の人工毛髪用繊維は、マトリックスとしての第1の熱可塑性ポリマー(以下、単にマトリックスと略することもある。)と、第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマー(以下、単にパーティクルと略することもある。)とから形成され、表面に凹凸形状を有する繊維であって、繊維の凸部が上記第1の熱可塑性ポリマーで形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明のかつらは、マトリックスとしての第1の熱可塑性ポリマーと第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとを溶融紡糸することで表面に凹凸形状を有していると共に、該凸部が上記第1の熱可塑性ポリマーで形成されている繊維を人工毛髪とし、この人工毛髪を多数本備えていることを特徴とする。
本発明の人工毛髪用繊維の製造方法は、表面に凹凸形状を有する人工毛髪用繊維を製造するに際して、マトリックスとしての第1の熱可塑性ポリマーと、第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとからなる混合ポリマーを第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以上の溶融温度で溶融混合し、溶融混合されたポリマーを上記溶融温度以下の吐出温度で押し出し、繊維状に成形することを特徴としている。
本発明の人工毛髪用繊維は、天然毛髪の艶感を保持しながら光沢を抑制し、マトリックスとしての第1の熱可塑性ポリマーの物性を維持し、さらには向上させることができる。
すなわち、本発明の人工毛髪用繊維はマトリックスの持つ強度等の物性値を損なうことなく、かつ天然毛髪の艶感を保持しながら光沢を抑制することができるので、かつらに求められる自然な風合いや豊かな毛髪の色に対応することができ、かつらの表現バリエーションを広げることが可能となる。さらにマトリックスのカール特性を向上することもできる。このことにより、取り扱いが簡単で、カールセットの時間が短縮され、かつスタイル崩れも少なく、カールの再付与の回数が減り人工毛髪の耐久性改善にもつながる。
本発明の人工毛髪用繊維の製造に使用される一般的な単軸スクリュ押出機を用いた紡糸装置の概略図である。 本発明の人工毛髪用繊維の製造に使用される一般的な二軸スクリュ押出機を用いた紡糸装置の概略図である。 図1及び図2の口金部の概略図である。 本発明の実施形態1において紡糸から繊維の巻き取りまでの工程の概略を示す図である。 図4のA点における人工毛髪の紡糸後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 図4のB点における人工毛髪の紡糸後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 図4のC点における人工毛髪の紡糸後の表面を示す拡大像(1000倍)である。 図4のD点における人工毛髪の紡糸後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 本発明の繊維の巻き取り後の延伸工程の概略を示す図である。 比較例の繊維の巻き取り後の延伸工程の概略を示す図である。 実験例1の人工毛髪の紡糸後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例1の人工毛髪の延伸後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例1の人工毛髪の延伸後の断面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例1で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例1で得られた人工毛髪用繊維の酸処理後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例及び比較例の紡糸方法を表す図である。 実験例2で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例3で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例4で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例5で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例6で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例6で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例7で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例8で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例8で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例9で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例9で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例10で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例10で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例11で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例11で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例12で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例12で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例13で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例13で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例14で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例14で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例15で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例15で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例16で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例17で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例17で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例18で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例19で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例20で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例20で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例21で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例22で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例23で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例23で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例24で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例25で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例26で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例26で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 実験例27で得られた繊維の表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 比較例1で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 比較例1で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 比較例2で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(1000倍)の図である。 比較例3で得られた紡糸後の繊維表面を示す拡大像(800倍)の図である。 比較例3で得られた延伸後の繊維表面を示す拡大像(800倍)の図である。 実験例及び比較例の製造条件一覧表である。 反射光の測定方法の概略図である。 繊維表面を軽くブラストして粗面化した人工毛髪(比較例3A)の表面を示す拡大像(800倍)の図である。 比較例3Aブラストの程度を強くした人工毛髪(比較例3B)の表面を示す拡大像(800倍)の図である。 光特性の結果を表わすグラフである。 触感特性の結果を表わすグラフである。 実施例28で得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)の図である。 実験例28で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の表面を示す拡大像(1200倍)の図である。 実験例28で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)の図である。 比較例4で得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)の図である。 比較例4で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の表面を示す拡大像(1200倍)の図である。 比較例4で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)の図である。 比較例5で得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)の図である。 比較例5で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の表面を示す拡大像(1200倍)の図である。 比較例5で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)の図である。 比較例6で得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)の図である。 比較例6で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の表面を示す拡大像(1200倍)の図である。 比較例6で得られた人工毛髪用繊維のアルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)の図である。
以下、本発明を幾つかの実施形態に沿って詳細に説明する。
(本発明の第一実施形態:本発明の人工毛髪用繊維の製造法)
本発明の人工毛髪用繊維は、マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと、第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる、パーティクルとしての第2の熱可塑性ポリマーとからなる混合ポリマーとを、第1の熱可塑性ポリマー及び第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以上の溶融温度で溶融混合し、溶融混合されたポリマーを上記溶融温度以下の吐出温度で押し出し、繊維状に成形することで製造することができる。
本発明の人工毛髪用繊維の製造に使用される単軸スクリュ押出機を用いた一般的な紡糸装置を図1に示す。この装置は、ポリマーを投入するホッパー1、投入したポリマーを加熱するシリンダー2、ポリマーを溶融混練して吐出部へ送り出すスクリュ3、溶融混合した樹脂を口金部5に送るギヤポンプ4、からなる。溶融混合した樹脂は口金部5から糸状に吐出されて紡糸される。なお、スクリュの数は単軸と多軸とがあるが、ポリマーの特性や形成する繊維の太さ等に応じて適宜選択することができる。
本発明の人工毛髪用繊維の製造に用いる紡糸装置は、図1又は図2に示すような単軸又は2軸スクリュ押出機を用いて溶融混合した樹脂を口金部に送出する構成が一般的に用いられる。図1に示す単軸スクリュ押出機で用いているギヤポンプ4は、図2の2軸押出機では使用されていない。しかし、図2のようにギヤポンプを取り外した構成としてもマトリックスとする樹脂の人工毛髪表面の凸状体の形成には影響されない。図2の昇圧機能を除いたシステムは、溶融混合した樹脂を紡糸装置内で樹脂の滞留時間を短くして樹脂の熱劣化を軽減するという理由から好ましく採用され得る。
第2の熱可塑性ポリマーは、第1の熱可塑性ポリマーに対して非溶融性かつ第1の熱可塑性ポリマーと溶融点が異なる熱可塑性ポリマーを用いる必要がある。さらに第2の熱可塑性ポリマーは、人工毛髪繊維の表面に凹凸形状を形成する上で、第1の熱可塑性ポリマーより高い溶融点を持つことが望ましい。このような組み合わせとするために、第1の熱可塑性ポリマー及び第2の熱可塑性ポリマーをポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系の樹脂から適宜選択すればよい。ここで、非溶融性とは、2つのポリマーが溶融して均一のポリマーにならないことをいう。
具体的には、第1の熱可塑性ポリマーとして、ナイロン6のようなポリアミド系樹脂と、第2の熱可塑性ポリマーとして、PET樹脂のようなポリエステル系の樹脂とからなる組み合わせが好適である。
また、第1の熱可塑性ポリマーをマトリックスとするため、バーティクルである第2の熱可塑性ポリマーの配合割合を全重量の半分以下とする必要がある。すなわち、第1の熱可塑性ポリマーの混合割合より多くしてはならない。好ましくは、第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比%で95/5〜70/30の範囲である。
上記の範囲内の所定の重量比率で混合した樹脂を、第1の熱可塑性ポリマー又は第2の熱可塑性ポリマーの溶融点のいずれか高い方の温度以上の所定の温度(この温度を溶融設定温度T1という。)に設定して溶融する。これらを混合するときに顔料及び/又は染料を添加して着色してもよい。さらに安定剤と酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を添加してもよく、これらを直接紡糸装置に投入しても、或いはポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂に予め練り込んだマスターバッチによる投入の何れでもよい。さらに、溶融時に顔料及び/又は染料を添加して混合物を着色してもよい。さらに安定剤と酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を混合物に添加してもよい。顔料、染料、安定剤又は紫外線吸収剤は、直接紡糸装置に投入又はポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂に予め練り込んだマスターバッチに投入してもよい。
ホッパー1から供給された第1の熱可塑性ポリマー及び第2の熱可塑性ポリマーは溶融され、シリンダー2から1軸又は2軸スクリュ3で口金部5に送出される。溶融混合した樹脂の温度は、溶融設定温度T1と同じ温度又は溶融設定温度T1よりも高い温度が好ましいが、溶融した樹脂が固まらない程度の範囲であれば、溶融設定温度T1より低い温度でもよい。
図3に、口金部5の概略図を示す。図中の符号25は樹脂の吐出孔、符号26は吐出孔25から吐出された樹脂、符号27は口金部5の吐出口に挿入してその近傍位置に設けた温度センサーであり、T2は吐出前の溶融状態の樹脂Rを該温度センサーで測定した温度である。また吐出前の溶融した樹脂温度をT2とし、口金部5の樹脂吐出温度、すなわち、口金設定温度をT3とする。
混合樹脂が紡糸装置内でスクリュにより混練されると、一般に発熱して溶融樹脂温度T2が溶融設定温度T1より高くなるが、吐出前の溶融樹脂温度T2が溶融設定温度T1より高くなりすぎると、口金部5より吐出された樹脂表面には、第1の熱可塑性ポリマーの凸部の形成が小さいか、あるいは第1の熱可塑性ポリマーの凸部の形成が起こらなくなるので好ましくない。逆に吐出前の溶融樹脂温度T2が溶融設定温度T1より低過ぎると、混合樹脂の粘度が高くなり流動しなくなるので、吐出が出来なくなる虞があり、好ましくない。
口金設定温度T3は、吐出口近傍位置の溶融樹脂温度T2より低い温度に設定すればよく、溶融設定温度T1よりも20〜30℃程度低く設定するのが好ましい。この範囲より温度が高いと、吐出樹脂表面の凹凸が形成され難く、逆に低くなると樹脂が固まりやすくなるので好ましくない。
より好ましくは、口金設定温度T3を第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以下に設定する。この口金設定温度T3は、第2の熱可塑性ポリマーの溶融点より5℃以上30℃以下の範囲で第2の熱可塑性ポリマーの溶融点より低いのが好ましい。さらに好ましくは、口金設定温度T3を10℃以上30℃以下の範囲で第2の熱可塑性ポリマーの溶融点より低くする。この範囲より温度が高いと、吐出樹脂表面の凹凸が形成され難く、逆にこの範囲より温度が低くなると樹脂が固まりやすくなるので好ましくない。
また、使用する口金は、特別な構造は不要であり、公知の構造の口金で十分に本発明の人工毛髪用繊維を得ることができる。
図4に本発明に従った、紡糸から繊維の巻き取りまでの工程の概略を示す。
上記温度条件で紡糸装置のギヤポンプ4を介して口金部5から吐出された繊維状の吐出樹脂6は、空冷され(図中A、B及びCの範囲)、冷却水槽7で水冷されて巻取機19により巻き取られる。図4では水冷を行う工程を示しているが、空冷のみで吐出樹脂6を冷却し巻き取りしてもよい。また、紡糸装置を図2に示される、ギヤポンプを用いないものとしてもよい。
紡糸装置の吐出孔25より吐出された溶融樹脂は流動性があり、テンションを掛けて引き伸ばすことが出来る。しかし、吐出された樹脂は冷却されることで樹脂の固化が進行し、樹脂の流動性が低下してやがて加熱しない限り引き伸ばすことが出来なくなる。吐出孔25より吐出された樹脂が設定した巻き取り速度で発生するテンションで引き伸ばすことが可能な状態を伸長流動範囲と定義する。伸長流動範囲は一定ではなく、使用する樹脂、口金の設定温度、紡糸装置の設置場所の温度、巻き取り速度によって変動するものである。
従来、樹脂を溶融紡糸する場合、樹脂を吐出させる口金部での樹脂の目詰まりを防止するため、口金設定温度T3を吐出前の溶融樹脂温度T2より低くすることは行われていない。したがって、口金設定温度T3は溶融設定温度T1と同じか少し高い温度に設定されていた。口金設定温度T3が吐出前の溶融樹脂温度T2又は溶融設定温度T1以上の温度である場合、使用する樹脂によっては、パーティクルである樹脂成分が析出して繊維表面に凹凸構造を形成することは知られているが、マトリックスである樹脂成分の凹凸構造が形成されることは知られていない。
しかし、口金設定温度T3を溶融設定温度T1よりも低く設定した場合には、パーティクルが繊維表面に析出することはなく、マトリックスの樹脂成分で覆われているか、マトリックス成分で形成された小さな突起が繊維表面に形成される。特に、口金設定温度T3が第2の熱可塑性ポリマーの溶融点より低いと顕著にマトリックスで覆われた小さな突起が多く形成される。
図5A〜図5Dに、図4のA〜D点でサンプリングした人工毛髪の紡糸後の表面の状態を示す。
図5Aは図4のA点、図5Bは図4のB点、図5Cは図4のC点、図5Dは図4のD点、の各点でサンプリングした人工毛髪繊維の表面の状態を示す拡大像(倍率は1000倍)である。
吐出直後のA点における繊維表面には殆どマトリックス樹脂の凸部が形成されていないが、紡糸された繊維がボビンに巻き取られるまでに凸部が形成され(図5B及び図5C参照)、巻き取り時点(図5D参照)では凸部の大きさは最大化している。すなわち、マトリックスの凸部の形成は巻き取り前の段階で終了するので、その後の過程には関係なく繊維表面には凸部が形成されていることになる。
巻き取った人工毛髪用繊維は、延伸装置の延伸ローラーと乾熱槽を通して、例えば糸径を80μmにするなど所定の糸径になるように延伸を行う。あるいは紡糸装置と延伸装置をつなげて紡糸工程と延伸工程を連続して行ってもよい。本発明の製造方法では、無機微粒子の添加やアルカリ処理を行わずに、繊維表面に凹凸が形成されるので、特別な処理工程を必要としない。
(第2実施形態:人工毛髪用繊維)
第2実施形態の人工毛髪用繊維は、主成分、すなわちマトリックスとなる第1の熱可塑性ポリマーと、第1の熱可塑性ポリマーより少ない量であって、第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なるパーティクルとなる第2の熱可塑性ポリマーとを含有する混合樹脂が融合して形成されて表面に凹凸形状を有する繊維であって、繊維の凸部が第1の熱可塑性ポリマーで形成されている。
第2実施形態の人工毛髪用繊維の構造は、繊維の凸部を除き、第2の熱可塑性ポリマー(パーティクル)が第1の熱可塑性ポリマー(マトリックス)に分散した海島構造となっている。人工毛髪用繊維の主成分である第1の熱可塑性ポリマーは第2の熱可塑性ポリマーより配合比率が多く、第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーの比率は、重量比%で95/5〜70/30の範囲である。
本実施形態において、繊維表面に現れる凸部は第1の熱可塑性ポリマー(マトリックス)から形成されている。すなわち、繊維の表面はマトリックスと同じ成分のポリマーによって、凹凸形状となっている。この凹凸形状により、繊維表面の状態に起因する鏡面光沢が抑制あるいは軽減されることになる。本発明では、従来のように、無機粒子を使用することもなく、また、アルカリ処理やブラスト処理のように繊維表面に損傷を与えることがないので繊維強度の低下を招くことがない。さらに、繊維表面の凸部がマトリックスと同じ第1の熱可塑性ポリマーから形成されていることから、マトリックスの有する手触りのような触感を損なうことなく維持することができる。繊維表面の凹凸形状が異なる熱可塑性ポリマーから形成されていると、それぞれの熱可塑性ポリマーの触感が異なることから、ゴワゴワ感やざらつき感が生じ、マトリックス特有の触感が保てない。
第2実施形態の人工毛髪繊維は、第1実施形態で説明した製造方法によって製造すればよい。
(第3実施形態:人工毛髪用繊維)
第3実施形態の人工毛髪用繊維は、第1の熱可塑性ポリマー(マトリックス)としてポリアミドと、第2の熱可塑性ポリマー(パーティクル)としてポリエステルとを含有する混合樹脂からなる。繊維表面は第2実施形態同様、凹凸形状を有し、繊維の凸部はポリアミドで形成されている。人工毛髪用繊維を構成するポリアミドはポリエステルより配合比率が多く、ポリアミド/ポリエステルの比率は、重量比%で95/5〜70/30の範囲である。
第3実施形態の人工毛髪用繊維の構造は、第2実施形態と同様に、繊維の凸部を除き、ポリエステルがポリアミドに分散した海島構造となっている。一方、繊維の凸部はポリアミドから形成されている。この凹凸形状により、ポリエステル繊維に特有の鏡面光沢が抑制あるいは軽減されることになる。また、繊維表面の凸部がポリアミドで形成されていることから、ポリアミド特有のしなやかさを損なうことなく維持することができる。繊維表面の凸部がポリエステルから形成されていると、ゴワゴワ感やざらつき感が生じ、しなやかさが保てない。
ポリアミドは、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などの直鎖飽和脂肪族ポリアミド、あるいはヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との交互共重合体からなる例えばナイロン6T、アジピン酸とメタキシレンジアミンとをアミド結合した高分子の例えばナイロンMXD6などの半芳香族ポリアミドが挙げられる。
パーティクルは、人工毛髪で向上させたい特性に応じて、ポリアミドと非相溶性のポリマーであればよい。好ましくは、ポリアミドよりもカール特性が優れているポリエステル系樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂を使用する。
ポリアミドは、アルカリへの耐性は強いが酸には弱く溶解する。一方、ポリエステルは、酸への耐性は強いがアルカリに弱く溶解する。
したがって、第3実施形態の人工毛髪用繊維をアルカリ処理しても、繊維の凸部は溶解あるいは表面に大きな開孔が生ずることはない。逆に、酸で処理すると凸部は溶解してしまう。
第3実施形態の人工毛髪用繊維は、第1実施形態で説明した製造方法に沿って製造すればよい。
第1実施形態で説明したように、口金部から吐出した直後の繊維表面には殆どポリアミドの凸部が形成されていないが、ボビンに巻き取られるまでに凸部が形成され、巻き取り時点では凸部の大きさは最大化している。すなわち、ポリアミドの凸部の形成は巻き取り前の段階で終了しているので、その後の過程には関係なく繊維表面には凸部が形成されていることになる。
ポリアミドとポリエステルの配合割合は、重量比%で95/5〜70/30の範囲である。
第3実施形態の人工毛髪用繊維は、毛髪表面の凸部が主成分(マトリックス)であるポリアミド樹脂のみで形成されている。これにより、従来の凸部形成方法である異質材料の混入方式やブラスト方式による表面の粗面化とは異なり、ポリアミド特有のしなやかな風合いを損なうことなく天然毛髪の艶感や光沢に近似し、より自然な外観と触感が得られる。すなわち、従来のポリアミド系人工毛髪の強度などの物理的特性及び柔らかさやしなやかさなどの風合いを維持しつつ、カール特性を向上させることができる。さらに、この第3実施形態の人工毛髪用繊維では、繊維表面に突出するポリアミド樹脂による不定形の凸部の形成による凹凸で外観(光学特性)が天然毛髪のそれに近似している。
そして、パーティクルとして、カール特性の一つである熱セット性のよいポリエステルを混合することにより、カール特性の性能が向上している。人工毛髪に要求されるカールサイズ付与が低温度で行われることができ、しかも保持性も向上している。また、低温度でのカール付与が可能となったことから、熱劣化が軽減されて耐久性が向上する。
さらに、本発明者等は、上記マトリックス及びパーティクルとなる繊維原料を溶融紡糸する際に、顔料を混練して原着することでかつら用人工毛髪を製造し、これをかつらベースに多数植設してかつらを作製した。このようにして製造した人工毛髪に対して艶感や光沢などの光学特性や、カール性能などを調べた。その結果、天然毛髪の特性に極めて近似した特性を有しており、より自然な外観と触感が得られた。すなわち、従来のポリアミド系人工毛髪の強度などの物理的特性及び柔らかさやしなやかさなどの風合いを維持しつつ、カール特性を向上させることが分かった。
本発明によれば、熱セット性が向上することにより、所望のカールサイズが精度良く形成できるため、かつらに使用した時に表現可能なスタイルの幅が広がる。さらにカールの保持性が向上することによってスタイルが崩れ難くスタイルセットの時間が短縮され、カールの再付与の回数が減りかつらの耐久性が向上する。
(実験例1)
マトリックスのポリアミド樹脂(以下、PAと称する。)として、三菱エンジニアリング社製のNOVAMID1020(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン6(ナイロンは登録商標)、溶融点225℃)、パーティクルのポリエステル樹脂(以下、PETと称する。)として東洋紡社製のRE530A(溶融点255℃)を使用して、図4に示す紡糸装置と、図6に示す延伸装置にて人工毛髪を製造した。なお、T1は溶融設定温度、T2は口金近傍の溶融樹脂温度、T3は口金設定温度である。
製造条件は次の通りである。
PA/PET混合比(重量比) 80/20
顔料配合比(投入樹脂重量比%) 黒色 0.15%
黄色 0.30%
赤色 0.04%
T1/T2/T3(℃) 260/260/235
紡糸吐出量 1.0kg/h
冷却水温度 20℃
紡糸引取速度 270m/min
実験場所の室温 22℃
延伸倍率 3倍
延伸温度(空気) 150℃
得られた人工毛髪用繊維の表面の状態を図8A、図8B及び図9に示す。図8Aは本発明の人工毛髪の紡糸後の表面を示す拡大像である。図8Bは延伸後の表面を示す拡大像(1000倍)である。図9は本発明の人工毛髪の延伸後の断面を示す拡大像(1000倍)である。
図9より、本発明の人工毛髪のモルホロジーは2種類の熱可塑性樹脂が海島構造を呈しており、島部分がほぼ均一に分散した状態で、表面には凸状体が不定形に突出して凹凸を形成していることが分かる。なお、図9では人工毛髪の断面形状は円状であるが、楕円、まゆ型などの円以外の異形形状でもよい。
図10は、得られた人工毛髪用繊維にアルカリ処理(水500gに対して苛性ソーダを150gの割合で溶解した水溶液に人工毛髪繊維束を投入し、加熱して沸騰状態で20分間放置)を行い、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の混合ポリマーのうち、ポリエステル樹脂を溶解させた後の表面を示した拡大像(1000倍)である。凸状体部分ではポリエステルが溶解して出来る開孔は見られない。これにより、得られた人工毛髪繊維の表面はポリアミド樹脂のマトリックスでなっていることが理解される。
図11は、人工毛髪用繊維に酸処理(常温のギ酸に1〜3秒間浸漬する)を行い、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の混合ポリマーのうち、ポリアミド樹脂を溶解させた後の表面を示す拡大像(1000倍)である。凸状体部分は溶解して凹凸がなくなり、粒状の樹脂が分散している。図10及び図11から、人工毛髪繊維表面の凸状体部分はポリアミド樹脂で形成されていることが判る。露出した粒状の樹脂はパーティクルとしてのポリエステル樹脂である。
(実験例2)
口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図13に示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例3)
溶融樹脂温度T2を270℃、口金設定温度T3を250℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸工程後、巻き取り前の表面の像(1000倍)を図14に示す。
(実験例4)
溶融樹脂温度T2を275℃、口金設定温度T3を255℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図15に示す。繊維表面に凸状体が形成されているが、実験例1及び2よりも凸状体の高さは低い。
(実験例5)
図12に示す紡糸装置で、ギヤポンプ4を組み込んだ構成と、溶融樹脂温度T2を252℃、口金設定温度T3を/225℃、紡糸吐出量を0.35kg/h、紡糸引取速度を1000m/min、空冷のみで巻き取った以外は実施例1と同様にした。
紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図16に示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例6)
図12に示す紡糸装置で、ギヤポンプ4を組み込んだ構成と、溶融樹脂温度T2を252℃、口金設定温度T3を225℃、紡糸吐出量を0.35kg/h、紡糸引取速度を2000m/min、空冷のみで巻き取った以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図17Aに示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
図17Bは、アルカリ処理(水500gに対して苛性ソーダを150gの割合で溶解した水溶液に人工毛髪繊維束を投入し、加熱して沸騰状態で20分間放置した。)を行い、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の混合ポリマーのうち、ポリエステル樹脂を溶解させた後の表面を示した拡大像(1000倍)である。表面ではポリエステルが溶解して出来る開孔は見られない。
(実験例7)
図12に示す紡糸装置で、ギヤポンプ4を組み込んだ構成と、溶融樹脂温度T2を252℃、口金設定温度T3を252℃/225℃、紡糸吐出量を0.35kg/h、紡糸引取速度を3000m/min、空冷のみで巻き取った以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図18に示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例8)
PA/PET混合比(重量比)を99/1、溶融樹脂温度T2を255℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図19A、延伸後の表面の像(1000倍)を図19Bに示す。
(実験例9)
PA/PET混合比(重量比)を95/5、溶融樹脂温度T2を255℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図20A、延伸後の表面の像(1000倍)を図20Bに示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例10)
PA/PET混合比(重量比)を90/10、溶融樹脂温度T2/口金設定温度T3を255℃/225℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図21A、延伸後の表面の像(1000倍)を図21Bに示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例11)
PA/PET混合比(重量比)を80/20、溶融樹脂温度T2を255℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図22A、延伸後の表面の像(1000倍)を図22Bに示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例12)
PA/PET混合比(重量比)を70/30、溶融樹脂温度T2を258℃、口金設定温度T3を230℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面状態を図23A、延伸後の表面状態を図23Bに示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例13)
PA/PET混合比(重量比)を60/40、溶融樹脂温度T2を263℃、口金設定温度T3を235℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図24A、延伸後の表面の像(1000倍)を図24Bに示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。PETの配合割合がPAより多くなると、人工毛髪の表面に凸状体が形成され難くなることがわかる。
(実験例14)
PA/PET混合比(重量比)を10/90、溶融樹脂温度T2を269℃、口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図25A、延伸後の表面の像(1000倍)を図25Bに示す。PETの配合割合がPAより多くなると、人工毛髪の表面に凸状体が形成されていないことがわかる。
(実験例15)
PA/PET混合比(重量比)を20/80、溶融樹脂温度T2を267℃、口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図26Aに示す。また、延伸後の表面の像(1000倍)を図26Bに示す。PETの配合割合がPAより多くなると、人工毛髪の表面に凸状体が形成されていないことがわかる。
(実験例16)
マトリックスのポリアド樹脂として、三菱ガス化学社製のMXナイロン(半芳香族ポリアミド、溶融点243℃)、溶融設定温度T1を280℃、溶融樹脂温度T2を258℃、口金設定温度T3を/230℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図27に示す。
(実施例17)
マトリックスのポリアド樹脂として、三菱ガス化学社製のMXナイロン(半芳香族ポリアミド、溶融点243℃)、口金設定温度T3を230℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図28Aに示す。また、延伸後の表面の像(1000倍)を図28Bに示す。
(実験例18)
マトリックスのポリアド樹脂として、三菱ガス化学社製のMXナイロン(半芳香族ポリアミド、溶融点243℃)、溶融樹脂温度T2を268℃、口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図29に示す。
(実験例19)
マトリックスのポリアド樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチック社製のNOVAMIDX21−F07(半芳香族ポリアミド、明確な溶融点なし)、溶融樹脂温度T2を255℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図30に示す。
(実験例20)
マトリックスのポリアド樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチック社製のNOVAMID X21−F07(半芳香族ポリアミド、明確な溶融点なし)、溶融樹脂温度T2を258℃、口金設定温度T3を230℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図31Aに示す。また、延伸後の表面の像(1000倍)を図31Bに示す。
(実験例21)
マトリックスのポリアド樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチック社製のNOVAMID X21−F07(半芳香族ポリアミド、明確な溶融点なし)、溶融樹脂温度T2を262℃、口金設定温度T3を235℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図32に示す。
(実験例22)
マトリックスのポリアド樹脂として、デュポン社製のZytel 158(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン6・12、溶融点218℃)、溶融樹脂温度T2を246℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様にした。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図33に示す。
(実験例23)
マトリックスのポリアド樹脂として、デュポン社製のZytel 158(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン6・12、溶融点218℃)、溶融樹脂温度T2を254℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸工程での冷却水通過後の人工毛髪の表面の像(1000倍)を図34Aに示す。また、延伸後の表面の像(1000倍)を図34Bに示す。
(実験例24)
マトリックスのポリアド樹脂として、デュポン社製のZytel 158(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン6・12、溶融点218℃)、溶融樹脂温度T2を262℃、口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸工程での冷却水通過後に巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図35に示す。繊維表面に凸状体が形成されていることがわかる。
(実験例25)
マトリックスのポリアド樹脂として、宇部興産社製のUBESTAポリアミド3014U8(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン12、溶融点176℃)、溶融樹脂温度T2を245℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図36に示す。
(実験例26)
マトリックスのポリアド樹脂として、宇部興産社製のUBESTAポリアミド3014U8(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン12、溶融点176℃)、溶融樹脂温度T2を254℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図37Aに示す。また、延伸後の表面の像(1000倍)を図37Bに示す。
(実験例27)
マトリックスのポリアド樹脂として、宇部興産社製のUBESTAポリアミド3014U8(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン12、溶融点176℃)、溶融樹脂温度T2を260℃、口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様にした。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図38に示す。
(比較例1)
使用する樹脂は三菱エンジニアリング社製のNOVAMID1020(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン6、溶融点225℃)のみで、溶融樹脂温度T2を255℃、口金設定温度T3を225℃にした以外は実施例1と同様に行った。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図39Aに、延伸工程後の表面の像(1000倍)を図39Bに示す。
(比較例2)
使用する樹脂は東洋紡社製のポリエステル樹脂としてのRE530Aのみで、溶融樹脂温度T2を269℃、口金設定温度T3を245℃にした以外は実施例1と同様に行った。紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(1000倍)を図40に示す。
(比較例3)
従来のポリアミド系人工毛髪として、図12に示す紡糸装置を使用して紡糸を行った。紡糸の条件は以下の通りである。
使用樹脂:三菱エンジニアリング社製のNOVAMID1020(飽和脂肪族ポリアミド、ナイロン6、溶融点225℃)
顔料配合比(投入樹脂重量比%): 黒色 0.15%
黄色 0.30%
赤色 0.04%
溶融点及び口金部温度: 260℃
冷却水温度: 30℃
吐出樹脂引取速度: 60m/min
さらに上記条件で紡糸した糸を、図7に示す延伸装置で延伸及びブラスト加工を行った。延伸及びブラスト加工条件は以下の通りである。
乾熱槽温度: 180℃
延伸倍率: 4.5倍
ブラスト条件
a)ブラスト機形式:吸引式のエア加速式ブラスト機
b)ブラスト材の種類: 人造エメリー研削材
c)ブラスト材の粒度: #600
d)噴射ノズル径: 7mm
e)噴射ノズルの数: 3
f)噴射空気圧力: 3kg/cm
g)噴射ノズル及び繊維材間の距離: 10cm
h)繊維材給送速度: 270m/min
紡糸され巻き取られた人工毛髪の表面の像(800倍)を図41Aに、延伸工程後の表面の像(800倍)を図41Bに示す。
(実験例28)
ナイロン6:PEN(ポリエチレンナフタレート)=80:20(重量比)を以下の条件で紡糸した。
吐出量:1.0Kg/h 口金孔径:0.7mm
口金孔数:3 引取速度:270m/min
冷却水温度:20℃ 溶融温度T1:280℃
口金設定温度T3:260℃
図48は、繊維の表面を示す拡大像(500倍)である。
図49Aは、アルカリ処理(水500gに対して苛性ソーダを150gの割合で溶解した水溶液に人工毛髪繊維束を投入し、加熱して沸騰状態で20分間放置)を行い、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の混合ポリマーのうち、ポリエステル樹脂を溶解させた後の表面を示す拡大像(1200倍)である。アルカリ処理による開孔は見られず、表面の突起がポリアミド樹脂(ナイロン6)であることがわかる。図49Bは、アルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)である。繊維芯内のポリエステルの部分が溶けて開孔を形成していることがわかる。
(比較例4)
実験例30の口金の温度T3を270℃に設定した以外は、実験例30と同じ条件で紡糸した。
図50は得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)である。
図51Aは、得られた繊維を実験例30と同じ条件でアルカリ処理した後の表面を示す拡大像(1200倍)である。表面にアルカリ処理による開孔が見られ、表面の突起がポリエステル樹脂であることがわかる。図51Bは、アルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)である。繊維芯内部のポリエステルの部分が溶けて開孔を形成していることがわかる。
(比較例5)
実験例30の口金の温度T3を275℃に設定した以外は、実験例30と同じ条件で紡糸した。
図52は得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)である。
図53Aは、得られた繊維を実験例30と同じ条件でアルカリ処理した後の表面を示す拡大像(1200倍)である。表面にアルカリ処理による開孔が見られ、表面の突起がポリエステル樹脂であることがわかる。図53Bは、アルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)である。繊維芯内のポリエステルの部分が溶けて開孔を形成していることがわかる。
(比較例6)
実験例30の口金の温度T3を285℃に設定した以外は、実験例30と同じ条件で紡糸した。
図54は得られた繊維の表面を示す拡大像(500倍)である。
図55Aは、得られた繊維を実験例30と同じ条件でアルカリ処理した後の表面を示す拡大像(1200倍)である。表面にアルカリ処理による開孔が見られ、表面の突起がポリエステル樹脂であることがわかる。図55Bは、アルカリ処理後の断面を示す拡大像(500倍)である。繊維芯内部のポリエステルの部分が溶けて開孔を形成していることがわかる。
なお、上記実験例及び比較例の製造条件一覧を図42に示した。
上記実験例及び比較例について、以下に示す方法によって人工毛髪繊維の強度特性、触感、カール特性を調べた。
評価方法
(強度特性)
引張強度を以下の条件で測定した。
使用機種 島津製作所 小型卓上試験機EZ Test
測定条件 標点間距離 50mm、引張速度 100mm/min
(光学特性)
毛髪に特定の入射角度で光を照射した時の反射光の角度とその強度を以下の条件の下で測定した。
使用機種: 村上色彩技術研究所 自動変角光度計GP-200
測定条件: 図43に示すように、毛髪表面と直交する仮想軸22を0度として30度傾けた光を毛髪に照射(入射角度30度)した時に、光の反射光のうち、上記仮想軸22を0度として0〜90度の範囲で拡散した強度を測定する。
上記測定で得られたデータより、横軸に反射光の散乱角度とし、縦軸にその各々の散乱角度における強度として分布グラフを作成した場合に、グラフの波形の幅が狭く高いものは光沢も艶感も強いと判断し、逆に波形の幅が広くて低いものは光沢も艶感も無くなっていると判断する。
比較として20代男性の毛髪として天然毛髪I、30代男性の毛髪として天然毛髪II、40代男性の毛髪として天然毛髪III、比較例3の製造方法においてブラストの条件の内、比較例3Aは噴射空気圧力を2kg/cmに低下させて表面の粗面化の程度を弱くした繊維(図44、倍率800倍)、比較例3の製造方法においてブラストの条件の内、比較例3Bは噴射ノズルの数を6穴に増やしてして表面の粗面化の程度を強くした繊維(図45、倍率800倍)も併せて測定した。
(触感)
以下に示す条件で平均摩擦係数と平均摩擦係数変動値を測定した。
使用機種: カトーテック 摩擦感テスター KES−SE
測定条件: スライドグラスの長さ方向に沿って毛髪を1mm間隔で10本並べて両端を固定した試料に、25gの負荷を掛けた摩擦子(センサー)を10mm/secの速度で試料上を往復させる。
平均摩擦係数(以下、MIUと称する。)は測定試料表面の平滑性と相関があり、数値が大きくなるほど滑り難くなり触感が硬く感じられる。平均摩擦係数変動値(以下、MMDと称する。)はMIUの変動度合いを示し、数値が大きい程、ザラつき、きしみ、さらっと感を感じ、小さい程、油性感、べたつきを感じると判断する。また比較として、上記光学特性の比較で使用した天然毛髪IIの測定も併せて行った。
(カール特性)
1ピッチに20〜25本の毛髪が入るようにミシンで長さ10cmのミノ毛を作製した物を、アルミパイプに巻き付けて加熱処理でカールを付与し、そのカールの大きさ及びシャンプーによるカールの保持性を測定した。
カール付与条件: 直径20,30,40mmのアルミパイプに上記ミノ毛を巻き付けて、その上から不織布を巻き付けて、160℃で60分間熱処理した。
カール付与後のカールの熱セット性及び保持性は、毛髪のカール径を、カールを付与したパイプ径で割った数値で表して比較した。すなわち、数値が低いほど熱セット性及び保持性が良いことになる。
(結果と考察)
マトリックスであるポリアミド樹脂に関しては、実験例から飽和脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミドの何れでも表面にポリアミド樹脂が突出して凹凸が形成されているので、何れのポリアミド樹脂でも適用可能であることが分かった。
また、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の混合比は、ポリアミド樹脂/ポリエステル樹脂が95/5の範囲で表面に凹凸が形成されることが分かった。さらに、実験例14、15、及び比較例1、2の結果は、ポリエステル樹脂の混合割合をポリアミド樹脂よりも多くした場合やポリアミド樹脂あるいはポリエステル樹脂を単独で用いた場合、繊維表面に凹凸が形成されないことも分かった。
しかし、比較例6から、口金設定温度T3が溶融設定温度T1より高いと繊維表面に凸部が形成されていない。したがって、繊維表面に凸部を形成するためには、口金設定温度T3を溶融設定温度T1より低い温度にする必要があることがわかる。
紡糸後の繊維表面の凸部の形成に関し、口金設定温度T3の温度が高くなり、溶融設定温度T1との温度差が小さくなるにつれ、形成される凸部の数が少なくなり、実験例4の口金設定温度T3では殆ど凹凸は見られないことから、口金設定温度T3は溶融設定温度T1よりも20〜30℃程度低い条件が好ましいことがわかる。
特に、口金設定温度T3が第2の熱可塑性ポリマーの溶融点より低い場合には、繊維表面の凸部がアルカリによっても溶融せず、凸部がポリアミドで覆われているか、ポリアミドで形成されていることがわかる。口金設定温度T3と第2の熱可塑性ポリマーの溶融点との温度差は5℃以上30℃以下の範囲、さらに好ましくは、10℃以上30℃以下の範囲である。
本発明の人工毛髪用繊維は、マトリックス樹脂と、このマトリックス樹脂と非相溶性で溶融点が異なる樹脂を混合した物を特定の条件下で溶融紡糸することで、繊維表面にマトリックス樹脂による凸部が形成される構造である。このように非相溶性の樹脂を混合させることで、(1)繊維形成後の引張による樹脂同士の剥離と、(2)繊維表面と凸部との境界付近、すなわち凸部の根元部分に亀裂が生じ易くなることによる強度低下が予想される。しかし、表1に示すように、いずれの実験例においてもかつらや増毛用毛髪として要求される強度を有していることが分かった。なお、かつらベース又は増毛部材への植設時、かつらベース又は増毛部材への植設後の洗髪やブラッシングによって毛材が切断する強度の目安が1.2CN/dtexとされている。
Figure 0005518857
比較例3と比べて実験例14及び15の強度が高く、実験例20及び23の強度と伸度が低くなっているが、これはマトリックスとして用いた樹脂の性質に起因しており、上述の通り強度自体には問題はない。
表1中の弾性率は、繊維のハリやコシの程度を表す数値であり、触感や外観の良し悪しの目安となるものであることから、実験例14及び15以外の実験例は比較例3と大差ないので、本発明の構造でもポリアミド樹脂単体の繊維と同様の触感や外観を保持していることが分かった。
反射光の散乱の結果を図46に示す。実験例12及び13の波形はピークがなだらかであり、光沢と共に艶感も無くなっている状態であった。また実験例8、比較例1では波形のピークが鋭角であり光沢が消えていない状態であった(図46参照)。このことから第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比%で95/5〜70/30の範囲にあることが好ましいことがわかる。
触感の結果を図47に示す。実験例12及び28は平均摩擦係数の変動値(MMD)が高く、きしみ、さらっと感が天然毛髪よりも大きく、天然毛髪と比べると滑り難く硬く感じられる。実験例8では、MMD値は天然毛髪と同程度であるが、平均摩擦係数(MIU)が高く滑り難く触感が硬い(図47参照)。このことから第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比%で95/5〜70/30の範囲にあることが好ましいことがわかる。
カール特性のカールセット性及び保持性の結果を表2に示す。なお、表中の比較対象は、ナイロン6のみの繊維を実験例1と同じ条件で製造した。
Figure 0005518857
表2に示す通り20〜40mmの何れのパイプ径でも従来のポリアミド系人工毛髪である比較対象と比べて数値が小さく、大幅に向上していることが分かる。
上記評価の結果より、ポリアミド樹脂/ポリエステル樹脂の混合割合が重量比で95/5〜70/30が好ましく、さらに製造条件として、口金設定温度T3は10℃以上30℃以内で溶融設定温度T1よりも低く設定して製造された人工毛髪が好ましいと判断された。
1:ホッパー
2:シリンダー
3:スクリュ
4:ギヤポンプ
5:口金
6:吐出樹脂
7:冷却水槽
8:ガイドロール
9:巻き取り機
10:第1延伸ロール
11:第2延伸ロール
12:第3延伸ロール
13:第4延伸ロール
14:第1乾熱槽
15:第2乾熱槽
16:第3乾熱槽
17:オイリング装置
18:ブラスト装置
19:巻き取り機
20:吐出口近傍
21:毛髪
22:仮想軸
23A:入射光
23B:反射光
24:反射光散乱角度
25:樹脂吐出孔
26:吐出後樹脂
27:温度センサー

Claims (12)

  1. マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと該第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとから形成され、表面に凹凸形状を有する繊維であって、該繊維の凸部が上記第1の熱可塑性ポリマーで形成され
    第2の熱可塑性ポリマーは第1の熱可塑性ポリマーより高い溶融点を有し、
    第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比%で70/30〜95/5の範囲であり、
    第1の熱可塑性ポリマーと第2の熱可塑性ポリマーとからなる混合ポリマーを上記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以上の溶融温度で溶融混合し、
    上記溶融混合された混合ポリマーを上記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以下の吐出温度で押し出し、繊維状に成形することにより製造されたものである、人工毛髪用繊維
  2. 前記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点と前記吐出温度の差が10℃以上30℃以内である、請求項1に記載の人工毛髪繊維。
  3. 前記第1の熱可塑性ポリマーがポリアミド樹脂であり、前記第2の熱可塑性ポリマーがポリエステル樹脂である、請求項1又は2に記載の人工毛髪用繊維。
  4. 第1の熱可塑性ポリマーが、直鎖飽和脂肪族ポリアミド、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との交互共重合体及び、メタキシレンジアミンとアジピン酸との交互共重合体とからなる群から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性ポリマーであり、前記第2の熱可塑性ポリマーが、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂のいずれかの熱可塑性ポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工毛髪用繊維。
  5. 前記第1の熱可塑性ポリマーと前記第2の熱可塑性ポリマーとが、顔料及び/又は染料を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工毛髪用繊維。
  6. 前記第1の熱可塑性ポリマーと前記第2の熱可塑性ポリマーとが、安定剤と酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の人工毛髪用繊維。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の人工毛髪を多数本備えて成る、かつら。
  8. マトリックスである第1の熱可塑性ポリマーと該第1の熱可塑性ポリマーと非相溶性かつ溶融点が異なる第2の熱可塑性ポリマーとから形成され、表面に凹凸形状を有する繊維であって、該繊維の凸部が上記第1の熱可塑性ポリマーで形成され、
    第2の熱可塑性ポリマーは第1の熱可塑性ポリマーより高い溶融点を有し、
    第1の熱可塑性ポリマー/第2の熱可塑性ポリマーが重量比%で70/30〜95/5の範囲である人工毛髪用繊維の製造方法であって、
    第1の熱可塑性ポリマーと第2の熱可塑性ポリマーとからなる混合ポリマーを上記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以上の溶融温度で溶融混合し、
    上記溶融混合された混合ポリマーを上記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点以下の吐出温度で押し出し、繊維状に成形する、人工毛髪用繊維の製造方法。
  9. 前記第2の熱可塑性ポリマーの溶融点と前記吐出温度の差が10℃以上30℃以内である、請求項8に記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
  10. 前記第1の熱可塑性ポリマーがポリアミド樹脂、前記第2の熱可塑性ポリマーがポリエステル樹脂である、請求項8又は9に記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
  11. 前記繊維状に成形された混合ポリマーが、伸長流動範囲を空冷しながら巻き取られる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
  12. 前記繊維状に成形された混合ポリマーが、伸長流動範囲を空冷した後に水冷しながら巻き取られる、請求項8〜11のいずれか一項に記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
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