JP5518456B2 - 操作棒におけるロックナットの係止構造 - Google Patents

操作棒におけるロックナットの係止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5518456B2
JP5518456B2 JP2009283106A JP2009283106A JP5518456B2 JP 5518456 B2 JP5518456 B2 JP 5518456B2 JP 2009283106 A JP2009283106 A JP 2009283106A JP 2009283106 A JP2009283106 A JP 2009283106A JP 5518456 B2 JP5518456 B2 JP 5518456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lock nut
rod
operation rod
common operation
notch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009283106A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011125196A (ja
Inventor
高浩 國本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2009283106A priority Critical patent/JP5518456B2/ja
Publication of JP2011125196A publication Critical patent/JP2011125196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5518456B2 publication Critical patent/JP5518456B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Cable Installation (AREA)

Description

本発明は、離間した箇所に対する作業(例えば、間接活線作業)の際に用いられる各種作業用器具を着脱自在に装着する操作棒において、作業用器具をロックあるいはロック解除するロックナットの係止構造に関する。
通電している電線(架空線)に関する活線作業は、絶縁手袋を着用して直接手作業で行う直接活線作業や、直接、電線の通電部分に触れず、活線近接範囲外から作業を行う間接活線作業がある。従来、間接的に活線の各種作業を行う間接活線作業においては、間接活線作業用器具を用いて、作業がなされている。
間接活線作業用器具は、活線の作業用途に応じて、選択されるもので、例えば接地短絡のための接地短絡器具がある。この種の接地短絡器具は、絶縁性の操作棒に接続して使用される。以下に、接地短絡器具を操作棒に接続して使用する例として、停電した高圧配電線の接地短絡作業について詳説する。
接地短絡作業においては、間接活線作業用器具のうち、接地短絡器具と共用操作棒とが用いられ、共用操作棒に接続した接地短絡器具を操作して所定の作業をすることが一般的である。
図9は、一般的な接地短絡器具であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は接地短絡器具と共に用いられる接地極の正面図である。図9に示すように、接地短絡器具100は、活線の接地をとるための作業用器具であり、電線を保持可能な三つの地絡金具101、101、101と、三つある地絡金具101、101、101のうち、一つの地絡金具101に他の二つの地絡金具101、101を取付可能な仮支持用棒102と、3本の電線であって、一端を各地絡金具101の端子にそれぞれ接続し、他の一端同士を接続する地絡線103、103、103と、接地極104に接続可能な接地金具105と、1本の電線であって、3本の地絡線103、103、103を一端に接続した端子にさらに接続し、他の一端に接地金具105を接続した接地線106とを備えている(例えば、特許文献1)。
また、地絡金具101は、略コの字形を有する固定部110と、共用操作棒の軸方向に進退可能に移動する可動部120と、後述の共用操作棒における先端部の装着部を挿入可能な上面をふさがれた円筒状の接続金具107と、地絡線103を接続する接続端子108とを備えている。前記固定部110は、先端側に鉤爪状の鉤爪部を有する爪部111と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する接続部112とを備えている。一方、前記可動部120は、前記接続部112の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸部121と、前記固定部110と協働して電線を保持(把持)可能な可動体122とを備えている。前記可動体122は、固定部110と対向する面に凹部を有し、前記固定部110の鉤爪部から基端側に延びる直線部分に該凹部が嵌まり込んだ状態でネジ軸部121の先端に取り付けられており、ネジ軸部121に対して回転自在になっている。さらに、接続金具107の周面には、共用操作棒における先端部の装着部の周面に備えた係止用突起と係合可能な係合切れ込み109が形成されており、切れ込みの形状は、鉤爪状もしくはΤ型となっている。
図10は、一般的な共用操作棒の正面図である。図10に示すように、共用操作棒200は、把手ともなる棒状部201と、その一端側に設けられた先端部202と、他端側に設けられた後端部203とからなり、絶縁性の素材で形成される(例えば、特許文献2、特許文献3)。さらに、間接活線作業において、感電事故を防止するために、共用操作棒200のほぼ中間に、安全限界つば204を備えている。これは、作業者が握っても感電しない部分と、それ以外の部分であって、握ると感電する可能性がある部分との境界を明確にするために備えられたものである。さらに、共用操作棒200は、降雨時対策として、共用操作棒200の先端側から安全限界つば204とのほぼ中間に水切りつば205を備えている。
先端部202は、円柱形をしており、上面がふさがれている装着部206と、装着部206の周面に係止用突起207とを備えている。また、係止用突起207は、一対の円柱状の突起で構成されており、装着部206の周面に互いに反対側の位置の径方向外側に向かって備えられている。さらに、先端部202の上面には、ほぼ中央に孔を設けており、装着部206の内部に形成された空間から凸部を孔から突出させる凸形部材208と、該空間の内側からスプリングなどで凸形部材208を押し上げる弾性体とを備えている。さらに、先端部202は、装着部206及び棒状部201とを接続し、外周に軸方向に沿ったネジ部を有するネジ軸部と、該ネジ軸部に螺合し、装着部に装着した作業用器具をロックする位置とロック解除する位置とに移動自在なロックナット209とを有する。
後端部203は、別の共用操作棒や全長延長用の足し棒と接続するためのもので、装着部を有し、該装着部は、孔部と、孔部の軸方向に沿って延びる部分と径方向に沿って延びる部分からなるT字状のスリット部210とから構成される。孔部には、例えば、別の共用操作棒の先端部における装着部が挿入され、スリット部210の周縁で形成された空間内には、装着部の側面の係止用突起が突出されることによって、別の共用操作棒と装着される。
上記のような構成からなる接地短絡器具100、共用操作棒200の使用方法について説明する。まず、仮支持用棒102の取り付けられた地絡金具101に、他の二つの地絡金具101、101を接続する。そして、他の二つの地絡金具101、101を接続した中央の地絡金具101の接続金具107に、共用操作棒200の装着部206を、係合切れ込み109に沿って係止用突起207を挿入することで装着する。なお、先端部202の凸形部材208は、鉤爪状の係合切れ込み109の端まで係止用突起207が達すると、弾性体により、引き戻す方向に押し戻され、係止用突起207が係合切れ込み109の鉤爪状の端に引っ掛かって固定される。つぎに、地面などに打ち込まれた接地極104に接地金具105を接続する。
そして、共用操作棒200を保持して、地絡金具101を電線に近づけ、固定部110の鉤爪部の先端と可動部120の可動体122との隙間に、電線を通し、鉤爪部に引っ掛ける。なお、これに先立っては、固定部110の鉤爪部と可動体122との開き具合を最大にして固定部110の接続部112と可動体122とを当接させることにより、固定部110をネジ軸部121に対して回転不能なロック状態にしておくことが好ましい。これは、そのようにしておかなければ、地絡金具101が共用操作棒200の軸回りに自由に回転できて不安定な状態であるため、共用操作棒200を操作して固定部110の鉤爪部の先端と可動体122との隙間に電線を通そうとしても、地絡金具101を思い通りの向きに操作することができないからである。この状態で共用操作棒200を回転させると、固定部110は、鉤爪部の先端と鉤爪部の基端部分を接点に電線を捻るように力が加わり、回り止めされる。そして、共用操作棒200をさらに回転させると、固定部110が回り止めされているため、可動体122が回転し、接続部112の貫通口にネジ込められたネジ軸部121に回転力が加わる。しかし、可動体122は、固定部110の鉤爪部から基端側に延びる直線部分に凹部を嵌まり込んでいるため、回り止めされている。よって、共用操作棒200を左回転させると、固定部110が電線により回り止めされ、可動体122が固定部110により回り止めされているが、ネジ軸部121は回転自在であるため、可動体122は、ネジにより、固定部110の鉤爪部に向かって前進し、鉤爪部と可動体122との隙間が狭くなる。すなわち、電線を締め付けることができる。
同様に、仮支持用棒102に取り付けられている他の二つの地絡金具101、101についても、順に共用操作棒200を装着して、仮支持用棒102から取り外して、それぞれの電線に保持することで、各電線の接地をとることができる。なお、これらの一連の作業では、一つの共用操作棒200が使用されるため、三つの地絡金具101、101、101の電線への取付にあたり、一つの地絡金具101を電線に取り付ける作業の度に、共用操作棒200を地絡金具101に装着して、取り外すという作業を伴う。具体的には、三つの地絡金具101、101、101を電線に締め付けるに当たり、一つ目の地絡金具101に共用操作棒200を装着し、一つ目の地絡金具101を電線に締め付けた後、一つ目の地絡金具101に装着していた共用操作棒200を取り外す。次に、二つ目の地絡金具101に共用操作棒200を装着し、二つ目の地絡金具101を電線に締め付けた後、二つ目の地絡金具101に装着していた共用操作棒200を取り外す。最後に、三つ目の地絡金具101に共用操作棒200を装着し、三つ目の地絡金具101を電線に締め付けた後、三つ目の地絡金具101に装着していた共用操作棒200を取り外す。このように、各地絡金具101の作業毎に、共用操作棒200から着脱するという作業を要するため、作業中に共用操作棒200のロックナット209で地絡金具101が締結(ロック)されて、地絡金具101から共用操作棒200が取り外すことが出来なくなることを防止するように、各地絡金具101に共用操作棒200を装着して作業する前には、共用操作棒200のロックナット209を右回転させて、ネジ軸部を介して、装着部206側から棒状部201側に向けて移動(ロック解除)させておく事前準備がなされる。
ここで、ロックナット209による締結(ロック)とは、地絡金具などの作業用器具を共用操作棒の装着部に装着した際に、作業用器具とロックナット209が強く密接するまでロックナット209を左回転させた状態のことであり、この状態下においては、作業用器具の直下にロックナット209が強く密接しており、作業用器具を押し下げることができないため、装着部206に装着した作業用器具を取り外すことはできない。具体的には、装着部206の頂部にある凸形部材208を押し上げる弾性体の弾性力に抗して、作業用器具を介し凸形部材208を押し下げ、係合切れ込み109の鉤爪状の端に引っ掛かって固定されていた係止用突起207を係合切れ込み109に沿って取り外すことはできない。また、ロック解除とは、作業用器具とロックナット209が接することがないように、ロックナット209を右回転させて下方にロックナット209を下げた状態(入念には、ロックナットを右回転させて、最下方まで下げた状態)のことである。この状態下においては、作業用器具を押し下げて、装着部206に装着した作業用器具を取り外すことができる。
特願2008−230840号 特開2007−195317号公報 特開2008−5619号公報
しかしながら、上記共用操作棒のロックナットにおける事前準備にも関わらず、各地絡金具の取付作業中に、別の工具(例えば、他の地絡金具)あるいは電線などの接触や、地絡金具を電線に締め付ける際における共用操作棒の回転(左回転)使用によって、共用操作棒のロックナットも左回転し、その結果、作業者の意図に反し、地絡金具が共用操作棒に締結(ロック)されてしまうといった事態が多々生じていた。仮に、二つ目までの地絡金具がすでに電線に取付られ、三つ目の地絡金具の取付作業中に、上記事態が発生したとする。三つ目の地絡金具に共用操作棒が締結(ロック)されてしまっているため、共用操作棒を使用した次の作業工程に移ることができず、作業が中断してしまう。このような場合には、三つ目の地絡金具に締結(ロック)された共用操作棒のロック解除(ロックナットを右回転させる作業)が必要となるが、そのために、安全作業という観点から、接地短絡器具(あるいは、当該器具に装着した共用操作棒の安全限界つばよりも上方部)に作業者が接触するに当たっては、接地短絡器具が電線に全く接触していない状態を確保しておくことが要請されている。つまり、作業中の三つ目の地絡金具だけでなく、すでに電線への取付が終了している二つの地絡金具をも臨時の共用操作棒を用いるなどして電線から取り外して、接地短絡器具が電線に全く接触していない状態を確保した上で、作業者は、初めて三つ目の地絡金具に装着した共用操作棒のロックナットを右回転させて、ロックを解除することができる。
なお、作業者が直接、手でロックナットを右回転させて、三つ目の地絡金具とのロックを解除する他にも、三つ目の地絡金具が電線に吊り下げられている状態で、例えば、絶縁ヤットコを用いて共用操作棒のロックナットを右回転させてロックを解除することも可能である。しかし、絶縁ヤットコを用いた遠隔作業は、容易ではなく、多くの時間を費やすことになるため、時間対比的に、作業項目は多いが上記手作業が選択されることが主である。
このように、一旦、地絡金具が共用操作棒に締結されてしまうと、その地絡金具から共用操作棒を取り外すことができなくなり、共用操作棒を用いた次の作業に移行することができなくなるため、各地絡金具の作業前には入念にロックナットを最大限下方に下げてロックがなされないようにしておく必要がある。また、作業者の意図に反して、地絡金具が共用操作棒にロックされてしまった場合には、本来の接地短絡作業とは別に、ロックナットのロックを解除するという作業をする必要があり、これらは作業効率の低下要因となっていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ロックナットの回転を規制することによって、作業効率の低下を抑制できる操作棒におけるロックナットの係止構造を提供することを課題とする。
本発明に係る操作棒におけるロックナットの係止構造は、上記課題を解決するためになされたもので、棒状部と、該棒状部の一端に設けられ、作業用器具を装着可能な先端部とを備え、前記先端部は、作業用器具を着脱自在に装着する装着部と、該装着部及び棒状部とを接続し、外周に軸方向に沿ったネジ部を有するネジ軸部と、該ネジ軸部に螺合し、装着部に装着した作業用器具をロックする位置とロック解除をする位置とに移動自在なロックナットとを有する操作棒におけるロックナットの係止構造であって、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置に前記ロックナットがあるとき、ロックナットに係止してロックナットの回転を規制する係止機構を備え、前記係止機構は、ロックナットに設けた切欠部と、操作棒の棒状部又は先端部に設けられ、切欠部に嵌脱自在に嵌入する嵌入部とからなることを特徴とする。
かかる構成からなる操作棒におけるロックナットの係止構造によれば、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置にロックナットがあるとき、ロックナットに係止して、ロックナットの回転を規制することで、作業用器具をいつでも取り外すことができる。一方で、係止機構による規制を解除した状態で、ロックナットを作業用器具側に回転させて、ロックナットを装着部に装着した作業用器具に当接させ、作業用器具をロック(締結)する位置にロックナットがあるとき、作業用器具はロックされ、取り外すことができない。
また、かかる構成からなる操作棒におけるロックナットの係止構造によれば、嵌入部がロックナットの切欠部に嵌入し、ロックナットの回転を規制する。換言すれば、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置にロックナットがあるとき、嵌入部がロックナットの切欠部に嵌入し、ロックナットの回転を規制する。
また、本発明に係る操作棒におけるロックナットの係止構造は、前記係止機構が、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置に前記ロックナットがあるとき、ロックナットの下端から軸方向に沿って設けた切欠部に、嵌入部が軸方向に嵌入するように構成することができる。
かかる構成からなる操作棒におけるロックナットの係止構造によれば、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置にロックナットがあるとき、嵌入部がロックナットの切欠部に軸方向に嵌入し、ロックナットの回転を規制する。
以上のように、本発明に係る操作棒におけるロックナットの係止構造によれば、係止機構を備えるため、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置にロックナットがあるとき、ロックナットの回転を規制することによって、作業中に、操作棒の先端に取り付けた作業用器具がロックナットによりロックされることを確実に防止し、作業効率の低下を抑制できる。
本実施形態に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、(a)は操作棒を含んだ全体図、(b)は(a)のA矢視図を示す。 同実施形態に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、(a)は係止構造がロックナットの回転を規制した概況図、(b)は(a)のB矢視図を示す。 同実施形態に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、操作棒が図9の接地短絡器具の地絡金具に装着された概況図を示す。 他実施形態1に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、軸方向でロックナットの回転を規制する半自動の係止構造の概況図を示す。 他実施形態2に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、軸方向でロックナットの回転を規制する自動の係止構造の概況図を示す。 他実施形態3に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、(a)は径方向でロックナットの回転を間接的に規制する手動の係止構造の概況図、(b)は(a)のC-C線断面図を示す。 他実施形態4に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、(a)は径方向でロックナットの回転を間接的に規制する半自動の係止構造の概況図、(b)は(a)のD-D線断面図を示す。 他実施形態5に係る操作棒におけるロックナットの係止構造であって、(a)は径方向でロックナットの回転を間接的に規制する自動の係止構造の概況図、(b)は(a)のE-E線断面図を示す。 従来の接地短絡器具であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は接地短絡器具と共に用いられる接地極の正面図を示す。 従来の共用操作棒の正面図を示す。
以下、本発明に係る共用操作棒におけるロックナットの係止構造の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
図1は、共用操作棒におけるロックナットの係止構造であって、(a)は共用操作棒を含んだ全体図、(b)は矢印A方向からの側面図である。本実施形態に係る共用操作棒1は、図1に示すように、棒状部2と、棒状部2の一端に作業用器具を装着可能な先端部3と、棒状部2の他端に別の工具(例えば、別の共用操作棒や全長延長用の足し棒)と装着可能な後端部4と、係止機構5とから構成される。
図1(a)に示すように、棒状部2は、軸方向に伸びた棒状の形状をなし、作業者が把持できるように構成される。具体的には、棒状部2は、軸方向に伸びる円柱状をなし、絶縁性の素材からなり、棒状部2の軸方向に沿って、傘状の二つのつばが設けられる。一つ目のつばとして、感電事故を防止するために、安全限界つば6が、棒状部2の軸方向(長手方向)の略中間に位置するように設けられている。これは、作業者が握っても感電しない部分と、それ以外の部分であって、握ると感電する可能性がある部分との境界を明確にするために備えられたものである。換言すれば、棒状部2の略中間に設けられる安全限界つば6よりも下方側(後述の後端側)を作業者は、把持して作業することが要請される。また、二つ目のつばとして、降雨時の対策のために、水切りつば7が、棒状部2の略中間に設けられた上記の安全限界つば6よりも、軸方向上方側(後述の先端部3側)で、安全限界つば6と先端部3の略中間の位置に備えられる。さらに、棒状部2は、その一端側に先端部3と、他端側に後端部4とを備える。
先端部3は、作業用器具(例えば、接地短絡器具100)と装着するためのもので、全体として、円筒形をしており、上面がふさがれている装着部8と、装着部8の周面に係止用突起9とを備えている。また、係止用突起9は、一対の円柱状の突起で構成されており、装着部8の周面に互いに反対側の位置の径方向外側に向かって備えられている。さらに、先端部3の上面には、ほぼ中央に孔を設けており、装着部8の内部に形成された空間から凸部を孔から突出させる凸形部材10と、該空間の内側からスプリングなどで凸形部材10を押し上げる弾性体とを備えている。さらに、先端部3は、内周面にネジ溝を切った貫通口を有するロックナット11と、装着部8の下端から棒状部2の上端にかけて、ロックナット11の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸部12とを有する。
ネジ軸部12は、装着部8と棒状部2を繋ぐ部分であり、ネジ山を切った棒状の形状をなし、後述のロックナット11と螺合するように構成される。また、ネジ軸部12の径は、装着部8の径よりも大きく構成され、このネジ軸部12を介して、ロックナット11は、回転自在となる。
ロックナット11は、中空の円柱状の形状をなし、ネジ軸部12を介して、回転自在に構成される。具体的には、ロックナット11は、装着部8と棒状部2の間でネジ軸部12と螺合して、軸回りに回転して、装着部8と棒状部2の間を上下に移動する。例えば、ロックナット11を、左回転させれば、上方(装着部8の凸形部材10の位置する方向)に移動し、右回転させれば、下方(後端部4の位置する方向)に移動する。また、ロックナット11の径は、ネジ軸部12の径よりも大きく構成され、さらに、ロックナット11の下方端縁の一部には、後述の係止機構5の一部として、切欠部13が設けられる。
係止機構5は、共用操作棒1の先端部3に装着した作業用器具がロックナット11によって締結(ロック)されることを防止するように構成され、ロックナット11に設けた切欠部13と、切欠部13に嵌入する嵌入部14とからなる。嵌入部14は、円柱状の形状をなし、側面に取っ手用突起15を有する。具体的には、ロックナット11の回転を規制できるように、嵌入部14は、先端部3の下方、かつ、棒状部2の側面であって、水切りつば7よりも上方に備えられ、棒状部2の軸方向(長手方向)に沿って、往復運動が可能であり、かつ、ロックナット11に設けた切欠部13に嵌入するように構成される。また、本実施形態において、嵌入部14は、棒状部2の側面に位置する保持部16を介して、支持される。保持部16は、中空の筒状の体をなし、内部に嵌入部14を保持し、また、保持部16の側面には、嵌入部14の取っ手用突起15が係合して突出する、切れ込み17が設けられている。図2(a)は、嵌入部14の取っ手用突起15が切れ込み17の上方の鉤爪状の端に位置する概況図であり、図2(b)は、図2(a)の矢印B方向からの側面図である。より具体的に、切れ込み17は、棒状部2に沿う直線部と、直線部の長手方向の上端と下端における鉤爪状の鉤爪状部とからなり、切れ込み17の下方の鉤爪状部の端に嵌入部14の取っ手用突起15が達すると、図1(a)、(b)に示すように、保持部16内に嵌入部14が完全に収納され、切れ込み17の上方の鉤爪状部の端に嵌入部14の取っ手用突起15が達すると、図2(a)、(b)に示すように、保持部16の上端から嵌入部14が突出した状態を保持するように構成される。また、保持部16は、棒状部2の側面に取り付けられた連結部材18を介して、先端部3の下方の所定位置(ロックナット11を下方に最大限移動させた際に、ロックナット11と保持部16が接触しない程度の位置)に固定される。なお、連結部材18は、保持部16と一体型、別体型のいずれでも良い。
後端部4は、別の工具(例えば、別の共用操作棒や全長延長用の足し棒)と装着できるように構成される。具体的には、後端部4は、装着部からなり、該装着部は、孔部と、孔部の軸方向に沿って延びる部分と径方向に沿って延びる部分からなるT字状のスリット部19とから構成される。孔部には、例えば、別の共用操作棒の先端部における装着部が挿入され、スリット部19の周縁で形成された空間内には、装着部の側面の係止用突起が突出されることによって、別の共用操作棒と装着される。
上記の構成からなる共用操作棒1の操作説明に際し、接地短絡作業で用いられる接地短絡器具100に共用操作棒1を装着して使用する状況を用いて説明する。
接地短絡器具100は、図9(a)、(b)、(c)に示す従来のものであって、活線の接地をとるための作業用器具であり、電線を保持可能な三つの地絡金具101、101、101と、三つある地絡金具101、101、101のうち、一つの地絡金具101に他の二つの地絡金具101、101を取付可能な仮支持用棒102と、3本の電線であって、一端を各地絡金具101の端子にそれぞれ接続し、他の一端同士を接続する地絡線103、103、103と、接地極104に接続可能な接地金具105と、1本の電線であって、3本の地絡線103、103、103を一端に接続した端子にさらに接続し、他の一端に接地金具105を接続した接地線106とを備えている。
また、地絡金具101は、略コの字形を有する固定部110と、共用操作棒1の軸方向に進退可能に移動する可動部120と、先端部3の装着部8を挿入可能な上面をふさがれた円筒状の接続金具107と、地絡線103を接続する接続端子108とを備えている。前記固定部110は、先端側に鉤爪状の鉤爪部を有する爪部111と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する接続部112とを備えている。一方、前記可動部120は、前記接続部112の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸部121と、前記固定部110と協働して電線を保持(把持)可能な可動体122とを備えている。前記可動体122は、固定部110と対向する面に凹部を有し、前記固定部110の鉤爪部から基端側に延びる直線部分に該凹部が嵌まり込んだ状態でネジ軸部121の先端に取り付けられており、ネジ軸部121に対して回転自在になっている。さらに、接続金具107の周面には、装着部8の周面に備えた係止用突起9と係合可能な係合切れ込み109が形成されており、切れ込みの形状は、鉤爪状もしくはΤ型となっている。
接地短絡作業にあっては、まず、上記の構成からなる接地短絡器具100と共用操作棒1の装着がなされる。図3は、接地短絡器具100と共用操作棒1が装着された概況図である。図3に示すように、接地短絡器具100の地絡金具101における接続金具107に、共用操作棒1の装着部8が挿入されることによって、一の地絡金具101と共用操作棒1は装着される。具体的には、図9(a)に示す中央の地絡金具101の接続金具107に、共用操作棒1の装着部8を、係合切れ込み109に沿って係止用突起9を挿入することで装着する。なお、先端部3の凸形部材10は、鉤爪状の係合切れ込み109の端まで係止用突起9が達すると、弾性体により、引き戻す方向に押し戻され、係止用突起9が係合切れ込み109の鉤爪状の端に引っ掛かって固定される。
次に、電線の締め付け作業に先立ち、該作業中に、共用操作棒1のロックナット11を介して、共用操作棒1と地絡金具101が締結(ロック)されないように、ロックナット11を係止機構5によって係止させる。具体的には、ロックナット11を右回転させて、ネジ軸部12の下方であって、ロックナット11の切欠部13の位置が嵌入部14と対向する位置まで移動させる。そして、係止機構5の嵌入部14の取っ手用突起15を指で摘んで、保持部16の切れ込み17の上方の鉤爪状部の端に移動させることによって、嵌入部14が保持部16から突出してロックナット11の切欠部13に嵌入した状態を保持する。従って、ロックナット11の切欠部13と係止機構5の嵌入部14とが互いに係合して、ロックナット11は係止されて回転が規制される。その結果、作業者の意図に反して、共用操作棒1の左回転操作などの作業中の行為に起因してロックナット11が左回転されて、ロックナット11が地絡金具101を締結(ロック)することはない。
その後、地絡金具101に装着した共用操作棒1を用いて、電線に地絡金具101を締め付ける作業がなされる。地絡金具101を電線に締め付ける作業は、まず、地絡金具101を電線に近づけ、固定部110の鉤爪部の先端と可動部120の可動体122との隙間に、電線を通し、鉤爪部に引っ掛ける。この状態で共用操作棒1を左回転させることによって、固定部110の鉤爪部と可動体122とで電線を挟んで締め付ける。
一つ目の地絡金具101を電線に締め付ける作業が終了した後、共用操作棒1を一つ目の地絡金具101から取り外し、残りの二つの地絡金具101、101に対して、一つ目の地絡金具101における上記作業と同様な作業を実施する。以上が、接地短絡作業である。
ここで、接地短絡作業を終えた後、仮に、他の作業用器具、例えば、事故点を調べるための作業用器具である事故点探査用アタッチメントを用いた作業の必要があるとすると、共用操作棒1に事故点探査用アタッチメントを装着して事故点の点検作業がなされる。この場合には、当該作業中に、共用操作棒1の複数回の脱着を要しないため、共用操作棒1に装着した事故点探査用アタッチメントを、共用操作棒1に固定して用いる。具体的には、まず、事故点探査用アタッチメントの接続金具(上記の地絡金具101の接続金具107と同様な構成)に、共用操作棒1の装着部8を挿入して、共用操作棒1と事故点探査用アタッチメントを装着する。続いて、係止機構5の嵌入部14の取っ手用突起15を指で摘んで、図1(a)のように、保持部16の切れ込み17の下方の鉤爪状部の端に移動させることによって、嵌入部14を保持部16内に保持させる。そして、ロックナット11を左回転させて、ネジ軸部12の上方に位置する事故点探査用アタッチメントの下端と密着するまで、ロックナット11を移動させ、事故点探査用アタッチメントを共用操作棒1に締結(ロック)する。その上で、この共用操作棒1に装着固定した事故点探査用アタッチメントを用いて、事故点の点検作業がなされることになる。
以上のように、共用操作棒1のロックナット11の係止構造によれば、係止機構5として、嵌入部14とロックナット11の切欠部13を有するため、嵌入部14をロックナット11の切欠部13に嵌入することによって、ロックナット11の回転を規制し、作業者の意図しない、間接活線作業中の作業行為に起因するロックナット11の回転(左回転)による、共用操作棒1とそれに装着した作業用器具の締結(ロック)を防止することができる。従って、作業者の意図に反して、地絡金具101が共用操作棒1にロックされると、ロックナット11のロック解除という作業をする必要があったが、作業者の意図に反して、地絡金具101が共用操作棒1にロックされることを防止するため、作業効率の低下を抑制できる。
また、本実施形態に係る共用操作棒1のロックナット11の係止構造は、嵌入部14の側面に取っ手用突起15、及び、取っ手用突起15が係合可能な、直線部と鉤爪状部とからなる切れ込み17のある保持部16を有しているため、取っ手用突起15を指で摘んで、取っ手用突起15を保持部16の切れ込み17に沿って、切れ込み17の二つの鉤爪状部の端から端まで容易に移動させることができ、嵌入部14の移動を迅速かつ確実に行える。従って、ロックナット11の回転規制を迅速かつ確実に行うことができ、作業効率の低下抑制に資する。
尚、本発明に係る共用操作棒1のロックナット11の係止構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、係止構造は、完全な手動によって操作されるが、この他に、自動化の度合いを高めた係止機構も可能である。
例えば、半自動の係止構造が可能である。図4は、共用操作棒におけるロックナットの係止構造であって、半自動の係止構造がロックナットの回転を規制した概況図である。図4に示す係止機構5aは、円柱状の嵌入部14aがロックナット11aの切欠部13aに嵌入して作用する構成であり、嵌入部14aは、筒状の保持部16aの下端に設けた孔を貫通するピストンロッド20aに連接され、ピストンロッド20aの他端には取っ手21aが設けられる。また、嵌入部14aには、保持部16aの下端に設けられたバネ22aが取り付けられ、バネ22aの張力によって、嵌入部14aは保持部16aの上端の孔(嵌入部14aの径とほぼ同径)から突出して、所定の位置(ロックナット11aを最も下げた際に、ロックナット11aの切欠部13aに嵌入部14aが十分に嵌入できる位置)に位置するように、保持部16aは、棒状部2に取り付けられた連結部材18aを介して固定される。通常(ロックナット11aを下方に下げている場合)は、図4に示すように、バネ22aの張力によって、ロックナット11aの切欠部13aに嵌入部14aが嵌入した状態を保持するようにし、ロックナット11aを作業用器具に締結する際には、嵌入部14aにピストンロッド20aを介して連接する取っ手21aを下方に引いておくことで、嵌入部14aは、保持部16a内に収納され、この間にロックナット11aを嵌入部14aと接触しない位置まで回転移動させた上で、取っ手21aから手を離す。そして、ロックナット11aが作業用器具に密着するまで、回転移動させて、作業用器具を締結(ロック)する。また、ロックナット11aの締結(ロック)を解除する際には、ロックナット11aを右回転させて、下方に下ろす間、取っ手21aを引いて嵌入部14aを保持部16a内に収納し、嵌入部14aがロックナット11aに十分に接触する位置であって、嵌入部14aにロックナット11aの切欠部13aが対向する位置までロックナット11aを下げたところで、取っ手21aを放し、バネ22aの張力によって、嵌入部14aをロックナット11aの切欠部13aに嵌入させる。
また、他にも例えば、完全自動な係止構造が可能である。図5は、共用操作棒におけるロックナットの係止構造であって、自動の係止構造がロックナットの回転を規制した概況図である。図5に示す係止機構5bは、円柱状で、その先端がR形状である嵌入部14bがロックナット11bの切欠部13bに嵌入して作用する構成であり、嵌入部14bは、筒状の保持部16bの下端に設けたバネ22bと連接され、該バネ22bの張力によって、嵌入部14bは保持部16bの上端の孔(嵌入部14bの径とほぼ同径)から突出して、所定の位置(ロックナット11bを最も下げた際に、ロックナット11bの切欠部13bに嵌入部14bが十分に嵌入できる位置)に位置するように、保持部16bは、棒状部2に取り付けられた連結部材18bを介して固定される。通常(ロックナット11bを下方に下げている場合)は、図5に示すように、バネ22bの張力によって、ロックナット11bの台形状の切欠部13bの上端に嵌入部14bが嵌入した状態を保持するようにし、ロックナット11bを作業用器具に締結する際には、ロックナット11bを左回転させる。このとき、嵌入部14bのR形状の先端は摩擦力が小さいため、嵌入部14bは、切欠部13bとの接触面を横滑りするように移動して、切欠部13bから自動的に外れ、さらにロックナット11bを左回転させて上方に移動させると、作業用器具に密着して作業用器具を締結(ロック)する。また、ロックナット11bの締結(ロック)を解除する際には、ロックナット11bを右回転させて、下方に下ろせば、嵌入部14bが自動的にロックナット11bの切欠部13bに嵌入する。
さらに、上記全実施形態における係止構造では、ロックナット11、11a、11bに対して嵌入部13、13a、13bを軸方向に嵌入して、ロックナット11、11a、11bの回転を規制する構成であるが、この他に、ロックナットに対して嵌入部を径方向に嵌入して、ロックナットの回転を規制する構成も可能である。
図6乃至7は、ロックナットに対して嵌入部を径方向に嵌入して、ロックナットの回転を規制する構成を有する、共用操作棒におけるロックナットの係止構造であって、図6は、(a)はロックナットを径方向から手動で間接的に係止する概況図、(b)はC-C線断面図であり、図7は、(a)はロックナットを径方向から半自動で間接的に係止する概況図、(b)はD-D線断面図であり、図8は、(a)はロックナットを径方向から自動で間接的に係止する概況図、(b)はE-E線断面図である。
例えば、手動型の係止構造は、図6(a)に示すように、嵌入部14cをロックナット11cの径方向に手動で嵌入するように構成される。具体的には、係止機構5cは、円柱状の嵌入部14cがロックナット11cの側面に設けた切欠部(嵌入部14cと同径の孔)とネジ軸部12cの側面に設けた切欠部13c(嵌入部14cと同径の孔)に径方向から嵌入して作用する構成であり、嵌入部14cは、側面に取っ手用突起15cを有し、ロックナット11cの切欠部を囲うようにロックナット11cに取り付けられる筒状の保持部16c(ロックナット11cと一体型、別体型のどちらでも可能)によって、保持される。保持部16cは、取っ手用突起15cに係合する切れ込みを側面に有し、該切れ込みは、ロックナット11cの径方向に沿う直線部とその両端に鉤爪状の鉤爪状部を有する。また、ロックナット11cの切欠部とネジ軸部12cの切欠部13cは、ロックナット11cを最も下まで下げたときに、互いに対向し、ネジ軸部12cの切欠部13cは、装着部8の側面に対称な位置に設けられる係止用突起9に対して略中間の軸線上となる位置にある。ロックナット11cの回転を規制する場合は、ロックナット11cを最も下まで下げて、ロックナット11cの切欠部とネジ軸部12cの切欠部13cを一致させた上で、保持部16cの切れ込みに沿って、嵌入部14cの取っ手用突起15cを手で摘んで、径方向の共用操作棒1c側の鉤爪状部の端まで移動させる。その結果、図6(b)に示すように、嵌入部14cは、径方向の共用操作棒1cのある方向に保持部16cから突出し、ロックナット11cに設けた切欠部とネジ軸部12に設けた切欠部13cに嵌入することで、ロックナット11cの回転は間接的に規制される。また、ロックナット11cを回転自在にする場合(ロックナット11cを作業用器具に締結(ロック)する場合)は、保持部16cの切れ込みに沿って、嵌入部14cの取っ手用突起15cを手で摘んで、径方向の共用操作棒1cから離れる側の鉤爪状部の端まで移動させる。嵌入部14cを径方向の共用操作棒1cから離れる方向に保持部16cから突出し、嵌入部14cがネジ軸部12cの切欠部13cに嵌入しないため、ロックナット11cは回転自在になる。
半自動型の係止構造は、図7(a)に示すように、嵌入部14dをロックナット11dの径方向に半手動で嵌入するように構成される。具体的には、係止機構5dは、円柱状の嵌入部14dがロックナット11dの切欠部(嵌入部14dと同径の孔)とネジ軸部12dの側面に設けた切欠部13d(嵌入部14dと同径の孔)に径方向から嵌入して作用する構成であり、嵌入部14dは、筒状の保持部16dの一端(ロックナット11dの径方向の共用操作棒1dから離れる方向の端)に設けた孔を貫通するピストンロッド20dに連接され、ピストンロッド20dの他端には取っ手21dが設けられる。また、嵌入部14dには、保持部16dの一端に設けられたバネ22dが取り付けられ、バネ22dの張力によって、嵌入部14dは保持部16dの他端(ロックナット11dの切欠部周囲と接する端)の孔(嵌入部14dの径とほぼ同径)から突出して、所定の位置(ネジ軸部12dの切欠部13dに嵌入部14dが十分に嵌入できる位置)に位置できる。なお、ロックナット11dの切欠部とネジ軸部12dの切欠部13dは、ロックナット11dを最も下まで下げたときに、互いに対向し、ネジ軸部12dの切欠部13dは、装着部8の側面に対称な位置に設けられる係止用突起9に対して略中間の軸線上となる位置にある。通常(ロックナット11dを下方に最も下げている場合)は、図7(b)に示すように、バネ22dの張力によって、ロックナット11dの切欠部とネジ軸部12dの切欠部13dに嵌入部14dが嵌入した状態を保持するようにし、ロックナット11dを作業用器具に締結する際には、嵌入部14dにピストンロッド20dを介して連接する取っ手21dを径方向の共用操作棒1dから離れる方向に手で引いておくことで、嵌入部14dは、保持部16d内に収納され、この間にロックナット11dの切欠部とネジ軸部12dの切欠部13dが対向しなくなる位置まで、ロックナット11dを回転移動させた上で、取っ手21dから手を離す。そして、ロックナット11dが作業用器具に密着するまで、回転移動させて、作業用器具を締結(ロック)する。また、ロックナット11dの締結(ロック)を解除する際には、ロックナット11dを右回転させて、ロックナット11dの切欠部とネジ軸部12dの切欠部13dが対向する位置まで下方に下ろせば、バネ22dの張力によって、自動的に嵌入部14dはネジ軸部12dの切欠部13dに嵌入される。
完全な自動型の係止構造は、図8(a)に示すように、嵌入部14eをロックナット11eの径方向に自動で嵌入するように構成される。具体的には、係止機構5eは、円柱状で、その先端がR形状である嵌入部14eがロックナット11eの切欠部(嵌入部14eと同径の孔)とネジ軸部12eの側面に設けた切欠部13e(台形状の四角柱の孔)に径方向から嵌入して作用する構成であり、嵌入部14eは、筒状の保持部16eの一端(ロックナット11eの径方向の共用操作棒1eから離れる方向の端)に設けたバネ22eと連接され、該バネ22eの張力によって、嵌入部14eは保持部16eの他端(ロックナット11eの切欠部周囲と接する端)の孔(嵌入部14eの径とほぼ同径)から突出して、所定の位置(ネジ軸部12eの切欠部13eに嵌入部14eが十分に嵌入できる位置)に位置できる。なお、ロックナット11eの切欠部とネジ軸部12eの切欠部13eは、ロックナット11eを最も下まで下げたときに、互いに対向し、ネジ軸部12eの切欠部13eは、装着部8の側面に対称な位置に設けられる係止用突起9に対して略中間の軸線上となる位置にある。通常(ロックナット11eを下方に最も下げている場合)は、図8(b)に示すように、バネ22eの張力によって、ロックナット11eの切欠部とネジ軸部12eの切欠部13eに嵌入部14eが嵌入した状態を保持するようにし、ロックナット11eを作業用器具に締結する際には、ロックナット11eを左回転させる。このとき、嵌入部14eのR形状の先端は摩擦力が小さいため、嵌入部14eは、ネジ軸部12eの切欠部13eとの接触面を横滑りするように移動して、ネジ軸部12eの切欠部13eから自動的に外れ、さらにロックナット11eを左回転させて上方に移動させると、作業用器具に密着して締結(ロック)する。また、ロックナット11eの締結(ロック)を解除する際には、ロックナット11eを右回転させて、ロックナット11eの切欠部とネジ軸部12eの切欠部13eが対向する位置まで下方に下ろせば、バネ22eの張力によって、自動的に嵌入部14eはネジ軸部12eの切欠部13eに嵌入される。
尚、上記実施形態において、自動化の度合いが高い係止構造ほど、例えば、嵌入部をロックナットあるいはネジ軸部の切欠部に嵌入することなどを失念することがなく、作業効率の低下を抑制できる。
1…共用操作棒、2…棒状部、3…先端部、4…後端部、5…係止機構、8…装着部、11…ロックナット、12…ネジ軸部、13…切欠部、14…嵌入部、15…取っ手用突起、16…保持部、17…切れ込み、18…連結部材

Claims (2)

  1. 棒状部と、該棒状部の一端に設けられ、作業用器具を装着可能な先端部とを備え、前記先端部は、作業用器具を着脱自在に装着する装着部と、該装着部及び棒状部とを接続し、外周に軸方向に沿ったネジ部を有するネジ軸部と、該ネジ軸部に螺合し、装着部に装着した作業用器具をロックする位置とロック解除をする位置とに移動自在なロックナットとを有する操作棒におけるロックナットの係止構造であって、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置に前記ロックナットがあるとき、ロックナットに係止してロックナットの回転を規制する係止機構を備え
    前記係止機構は、ロックナットに設けた切欠部と、操作棒の棒状部又は先端部に設けられ、切欠部に嵌脱自在に嵌入する嵌入部とからなることを特徴とする操作棒におけるロックナットの係止構造。
  2. 前記係止機構は、装着部に装着した作業用器具をロック解除する位置に前記ロックナットがあるとき、ロックナットの下端から軸方向に沿って設けた切欠部に、嵌入部が軸方向に嵌入するよう構成されてなることを特徴とする請求項に記載の操作棒におけるロックナットの係止構造。
JP2009283106A 2009-12-14 2009-12-14 操作棒におけるロックナットの係止構造 Expired - Fee Related JP5518456B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009283106A JP5518456B2 (ja) 2009-12-14 2009-12-14 操作棒におけるロックナットの係止構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009283106A JP5518456B2 (ja) 2009-12-14 2009-12-14 操作棒におけるロックナットの係止構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011125196A JP2011125196A (ja) 2011-06-23
JP5518456B2 true JP5518456B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=44288508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009283106A Expired - Fee Related JP5518456B2 (ja) 2009-12-14 2009-12-14 操作棒におけるロックナットの係止構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5518456B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5415489B2 (ja) * 2011-07-22 2014-02-12 中国電力株式会社 アースフック
CN103647228B (zh) * 2013-12-24 2016-03-16 何苍贵 一种绝缘操作杆连接装置
CN108767740A (zh) * 2018-06-20 2018-11-06 国网河南省电力公司濮阳供电公司 一种异物处理操作工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011125196A (ja) 2011-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5518456B2 (ja) 操作棒におけるロックナットの係止構造
JP2009039055A (ja) 鳥害防止具
JP2009005427A (ja) 間接活線工具
JP5295209B2 (ja) 作業用器具
JP2015165749A (ja) 接地短絡器具用挟持体
JP2015019497A (ja) 接地短絡器具
JP2013073767A (ja) 接地短絡器具及び接地短絡器具統合体
JP6660011B2 (ja) 接地短絡器具
JP5797592B2 (ja) 間接活線用先端工具
CN110832721B (zh) 电线操作工具、电线操作工具用的零件、电线切割方法、及电线连接方法
JP5889940B2 (ja) 間接活線作業用工具
JP2014032746A (ja) 高圧引下線用コネクタ
JP2008193822A (ja) 過渡電流接地用具の補助金具
US6899552B1 (en) Gripping and locking electrical grounding device for single and multiphase electrical equipment
JP5960233B2 (ja) 間接活線工事用コッター及び間接活線工事用アダプタ
JP2020043795A (ja) 鳥害防止具
CN111886764B (zh) 套筒装设工具及套筒装设方法
JP6601133B2 (ja) 間接活線工事用コッター
JP6488324B2 (ja) 接地用具
JP6026184B2 (ja) 配線工事における架空配電線等の支持装置、及びそれを用いた配線工事の作業方法
WO2018099696A1 (de) Abdeckvorrichtung für eine mantelklemme
JP2013102629A (ja) 間接活線作業の共用操作棒
EP1497898B1 (en) Cable installation
JP5562718B2 (ja) 補助グリップ、及び当該補助グリップを装着した共用操作棒
TW202228351A (zh) 活線配線工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121211

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5518456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees