JP5518429B2 - 洗浄用スポンジ - Google Patents

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Description

本発明は、不織布層をスポンジ層の片面に積層した洗浄用スポンジに関する。
従来、食器、調理器具、浴槽、家屋のタイル壁面等の洗浄用具として、不織布層をスポンジ層の片面に積層した洗浄用スポンジが多用されている(特許文献1)。
また、単に着色されただけの洗浄用スポンジでは無味乾燥であって、使用に際して楽しさに欠けるため、表面に文字や図柄を印刷してデザイン性を高め、洗浄用スポンジの使用が楽しくなるようにすることが求められている。
しかし、洗浄用スポンジの表面は、スポンジの使用時に食器等と接触して擦られ、徐々に削られる部分であるため、スポンジの表面に文字または図柄を印刷しても、スポンジの使用によって文字または図柄がかすれたり消えたりする問題を避けることができなかった。
なお、セルローススポンジの表面に文字や図柄を顔料で形成し、文字や図柄の剥落を抑えたものが提案されている(特許文献2,3)。しかし、このセルローススポンジにあっても、文字や図柄が形成された表面は、セルローススポンジの使用時に食器等と接触して擦られ、徐々に削られるため、スポンジ表面の文字または図柄がかすれたり消えたりする問題を解消することはできなかった。
特開2008−284208号公報 特開平9−262185号公報 実開平6−38850号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、不織布層をスポンジ層の片面に積層した洗浄用スポンジにおいて、印刷した文字や図柄が洗浄用スポンジの使用によっても擦られてかすれたり消えたりすることの無い洗浄用スポンジの提供を目的とする。
請求項1の発明は、不織布層をスポンジ層の片面に積層した洗浄用スポンジにおいて、前記不織布層は、該不織布層の両面を貫通して開口した窓部を備え、前記不織布層が積層されたスポンジ層は、セル数が70〜100個/25mmの軟質ポリウレタンフォームを除膜したものからなると共に、前記不織布層の窓部内に位置する前記除膜された軟質ポリウレタンフォームの表面が前記窓部の外方の前記不織布層の表面から窪んだ位置にあり、前記不織布層の窓部内に位置する前記除膜された軟質ポリウレタンフォームの表面に文字または図柄を印刷で設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記除膜された軟質ポリウレタンフォームの表面への文字または図柄の印刷は、インクがセル内まで浸透していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記スポンジ層は、軟質ポリウレタンフォームの二層からなり、前記二層の軟質ポリウレタンフォームは、相対的にセル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォームと、相対的にセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームとからなり、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームは、セル数が70〜100個/25mmの軟質ポリウレタンフォームを除膜したものであり、該セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームに前記不織布層が積層され、前記不織布層の窓部内に位置する前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの表面に、前記文字または図柄を印刷で設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3において、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの厚みを、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームの厚みより薄くしたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、不織布層の窓部内に位置するスポンジ層の表面が窓部の外方の不織布層の表面から窪んだ位置にあり、前記不織布層の窓部内に位置するスポンジ層の表面に文字または図柄を印刷で設けたため、洗浄用スポンジの使用時に窓部内の文字または図柄が食器等と接触して擦られることがなく、かすれたり消えたりするのを防ぐことができる。さらに、不織布層の表面は、繊維間の隙間や凹凸等の存在によって印刷不良を生じ易いが、本発明では、スポンジ層を構成する軟質ポリウレタンフォームの表面に印刷しているため、印刷を良好に行うことが可能である。さらに、洗浄用スポンジの使用時、不織布層の窓部では、スポンジ層に保持されている洗剤が、洗浄用スポンジの圧縮により、不織布層を通ることなく効率よく洗浄用スポンジ外に泡となって滲出するため、効率よく洗浄を行うことができる。
請求項1の発明によれば、軟質ポリウレタンフォームのセル数を70〜100個/25mmとすることにより、文字または図柄の印刷がより良好になると共に泡立ちが良好になる。
請求項1の発明によれば、スポンジ層を構成する軟質ポリウレタンフォームがセル膜の除去されたものからなるため、通気性が高くなって、泡立ち、水切れがより良好になると共に、インクもセルの奥まで入り易く(浸透し易く)なり、印刷がより鮮明なものになる。
請求項2の発明によれば、インクが軟質ポリウレタンフォームのセル内まで浸透しているため、印刷がより鮮明なものになる。
請求項3の発明によれば、前記スポンジ層を、相対的にセル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォームと相対的にセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームとの二層構造とし、セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームは、セル数が70〜100個/25mmであり、該セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームに不織布層を積層して不織布層の窓部内に位置する前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの表面に文字または図柄を印刷で設けたため、セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームの表面に文字または図柄を印刷する場合と比べて、文字または図柄を鮮明なものとすることができる。
さらに、不織布層とは反対側の外層をセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームとし、不織布層とセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームの間にセル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォームを中間層として介在させたため、洗浄用スポンジの使用時、外側のセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームによって水切れが良好となって使用感が向上し、かつ中間層のセル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームによって泡立ちが良好となって洗浄効果が良好になる。さらに、洗浄用スポンジの使用時、不織布層の窓部では、セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームに保持されている洗剤が、洗浄用スポンジの圧縮により、不織布層を通ることなく効率よく洗浄用スポンジ外に細かい泡となって滲出し、不織布層表面に乗せられるので、効率よく洗浄を行うことができる。
請求項4の発明によれば、泡立ち及び水切れが良好になる。
本発明における第1実施形態の洗浄用スポンジの斜視図である。 図1の2−2断面図である。 本発明における第2実施形態の洗浄用スポンジの斜視図である。 図3の4−4断面図である。
以下、本発明の洗浄用スポンジの実施形態について説明する。
図1及び図2に示す第1実施形態の洗浄用スポンジ10は、不織布層11をスポンジ層21の片面に積層したものであり、図示の例では平面形状が六角形のブロックからなる。
前記不織布層11は、洗浄対象物の表面を強く擦る際などに使用される部分であり、所定位置に開口した窓部13が不織布層11の両面を貫通して所定の大きさで形成されている。前記不織布層11を構成する不織布は、繊維の種類及に限定はなく、例えば、天然繊維、合成繊維の何れでもよく、天然繊維と合成繊維の混合からなるものでもよい。また、不織布の製法も限定はなく、例えば、湿式不織布、乾式不織布、スパンポンド、メルトブロー、スパンレース、ニードルパンチ、ステッチボンド等の何れでもよい。さらに、前記不織布層11は研磨粒子を樹脂により繊維に付着させて研磨効果を高めたものでもよい。研磨粒子は、立方晶窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ等を挙げることができる。前記不織布層11の厚みは、前記洗浄用スポンジ10の使用時に、前記窓部13内に位置するスポンジ層21の表面25が洗浄対象物の表面と接触し難くするため2〜10mmが好ましい。
前記スポンジ層21は、洗剤や水分の保持及び良好な泡立ちを可能にするものであり、本実施形態では一層の軟質ポリウレタンフォームからなり、適宜の厚みとされている。軟質ポリウレタンフォームは、連続気泡を有するものであり、通気性を有する。前記軟質ポリウレタンフォームとしては、ポリエーテルタイプあるいはポリエステルタイプの何れでもよい。また、前記軟質ポリウレタンフォームは、表面の印刷品質及び洗剤の泡立ちを良好にするため、セル数が50〜120個/25mm(JIS K6400準拠)からなるセルの細かいものが好ましい。さらに、前記軟質ポリウレタンフォームは、洗剤の泡立ちを一層良好とするため、セル膜の除去されたものが好ましい。セル膜の除去された軟質ポリウレタンフォームは、三次元網目状構造となったものであり、セル膜が無いため、通気性が高いものである。セル膜の除去は、公知のセル膜除去処理、例えば、溶剤によってセル膜を溶解する方法や、爆発によってセル膜を破壊する方法等によって行われる。
前記スポンジ層21には、前記不織布層11の窓部13内に位置する表面25に文字または図柄(文字と図柄の両方の場合を含む)26が印刷によって設けられている。印刷方法はシルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、タンポン印刷等を挙げることができる。特にインクジェット印刷は、低粘度でインクをスポンジ層21の軟質ポリウレタンフォーム表面に塗布でき、速乾するため、軟質ポリウレタンフォームに浸透した文字や図柄等の線がにじむ事のない鮮明な文字や図柄を得ることができる。さらに軟質ポリウレタンフォームをセル膜の無いものとすれば、セルを覆うセル膜が無いことによって、インクが軟質ポリウレタンフォームに浸透し易くなり、より鮮明な印刷が得られる。
前記不織布層11と前記スポンジ層21は、接着剤による接着あるいは熱溶着等によって接合されている。接着剤は特に限定されず、ホットメルト接着剤やウレタン系接着剤等を挙げることができる。前記不織布層11と前記スポンジ層21との接合は、前記不織布層11と前記スポンジ層21間の通気性(すなわち液の移動)を確保できるようにするため、接着剤による接着の場合は前記不織布層11と前記スポンジ層21間に接着膜を形成しないようにされる。接着膜を形成しないようにするには、接着剤の量を過剰とならないようにして、前記不織布層11の繊維間及び前記スポンジ層21のセル内に接着剤が溜まらないようにすることで実現できる。
また、前記不織布層11と前記スポンジ層21とは、色を異ならせてデザイン性を高めることもできる。
前記洗浄用スポンジ10は、使用時、前記スポンジ層21側を把持し、洗剤を含浸させて前記不織布層11で食器等の洗浄対象物の表面が擦られる。その際、前記窓部13の位置では、前記スポンジ層21の把持によってスポンジ層21から不織布層11を通ることなく効率よく押し出された泡が洗浄対象物の表面に接触し、不織布層11の表面に乗るので、効率よく洗浄を行なうことができる。また、窓部13の外方の表面14に対して窪んだ位置にある窓部13内のスポンジ層21の表面25に文字または図柄26が印刷されているため、前記窓部13内の文字または図柄26が洗浄対象物と接触して擦られることがなく、かすれたり消えたりするのを防ぐことができる。なお、前記洗浄用スポンジ10は、常に前記不織布層11側で洗浄対象物の表面を擦らなければならないものではなく、洗浄対象物の表面に付いた頑固な汚れを取る際には、前記スポンジ層21側を把持して前記不織布層11で洗浄対象物の表面を擦り、一方、洗浄対象物の表面に付着した汚れが少ない場合には、前記不織布層11側を把持してスポンジ層21で洗浄対象物の表面を擦る等の使い分けをすることができる。
前記洗浄用スポンジ10の製造方法は、特に限定されるものではない。製造方法の一例を次に示す。まず、シート状の不織布に前記窓部13用の開口を所定間隔で形成しておき、次に、予め所定位置に文字や図柄を印刷したシート状の軟質ポリウレタンフォームの片面に、前記印刷部分が前記不織布の窓部13内となるようにして前記シート状の不織布を積層し、前記不織布に予め塗布しておいた接着剤により、あるいは熱溶着により不織布と軟質ポリウレタンフォームを接合して積層体を形成する。その後、前記積層体をトムソン刃等で前記窓部の外側で打ち抜くことにより前記洗浄用スポンジ10を得ることができる。なお文字または図柄の印刷は、前記不織布と軟質ポリウレタンフォームの接合前に行うのが印刷作業性の点で好ましいが、接合後における打ち抜き前あるいは打ち抜き後に行ってもよい。
図3及び図4に示す第2実施形態の洗浄用スポンジ10Aは、不織布層11Aをスポンジ層21Aの片面に積層したものであり、前記スポンジ層21Aを軟質ポリウレタンフォームの二層とした点で、第一実施形態の洗浄用スポンジ10と相違し、他の構成は第一実施形態と同様である。
前記不織布層11Aは、第一実施形態の不織布層11と同様の構成からなり、所定位置に開口した窓部13Aが不織布層11Aの両面を貫通して所定の大きさで形成されている。なお、前記不織布層11Aの詳細は、第一実施形態において説明した不織布層11と同様であり、ここでの説明を省略する。
前記スポンジ層21Aを構成する二層の軟質ポリウレタンフォームは、相対的にセル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォーム23Aと、相対的にセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aとからなり、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの片面に前記不織布層11Aが積層され、前記不織布層11Aの窓部13A内に位置する前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの表面25Aに文字または図柄26が印刷によって設けられている。印刷は、前記第一実施形態で説明したようにシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷、タンポン印刷等、特に限定されないが、インクジェット印刷によるものがより好ましい。
前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォーム23Aは、前記不織布層11Aと前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム25Aの間に中間層として設けられている。前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォーム23Aは、連続気泡を有し、通気性を有するものであり、ポリエーテルタイプあるいはポリエステルタイプの何れでもよい。
前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォーム23Aは、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aよりもセル数が多く、かつ前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aよりもセルが細かい(小さい)ものからなる。具体的には前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aは、セル数50〜120個/25mm(JIS K6400準拠)が好ましく、より好ましくは、セル数70〜100個/25mm(JIS K6400準拠)である。前記セル数の範囲とすることにより、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの表面25Aに文字または図柄26を鮮明に印刷することができ、かつ、洗剤の泡立ちを良好にすることができる。さらに、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aは、洗剤の泡立ちを一層良好とするため、及び印刷による文字や図柄を鮮明にするため、セル膜の除去された三次元網目状構造のものが好ましい。セル膜の除去については、第一実施形態におけるスポンジ層21の欄で説明したとおりである。
前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、前記洗浄用スポンジ10Aにおいて、前記不織布層11Aとは反対側の外層として存在する。前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリレタンフォーム23Aは、連続気泡を有し、通気性を有するものであり、ポリエーテルタイプあるいはポリエステルタイプの何れでもよい。
前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aよりもセル数が少なく、かつ前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aよりもセルが粗い(大きい)ものからなる。具体的には前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、セル数4〜30個/25mm(JIS K6400準拠)が好ましく、より好ましくは、セル数8〜25個/25mm(JIS K6400準拠)である。前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aを前記セル数の範囲とすることにより、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aにおいて水切れが良好となり、洗浄用スポンジ10Aの使用感が向上する。さらに、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、水切れを一層良好とするため、セル膜の除去された三次元網目状構造のものが好ましい。なお、セル膜の除去については、第一実施形態におけるスポンジ層21の欄で説明したとおりである。
また、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aと前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aの厚みは、限定されないが、図示の例のように、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの厚みを、セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aの厚みよりも薄くするのが、泡立ち及び水切れの両方の点から好ましい。なお、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの厚みの例として2〜10mm、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aの厚みの例として10〜40mmを挙げる。
前記不織布層11Aと前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23A及び前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、接着剤による接着あるいは熱溶着等によって接合されている。接着剤は特に限定されず、ホットメルト接着剤やウレタン系接着剤等を挙げることができる。前記不織布層11Aと前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの接合、及び前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aと前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aの接合は、各層間の通気性(すなわち液の移動)を確保できるように、接着剤による接着の場合は層間に接着膜を形成しないようにされる。接着膜を形成しないようにするには、接着剤の量を過剰とならないようにして、前記不織布層11Aの繊維間や前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23A及び前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aのセル内に接着剤が溜まらないようにすることで実現できる。
前記不織布層11Aと前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23A及び前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、互いに色を異ならせることにより、前記洗浄用スポンジ10Aのデザイン性を高めることができる。
前記洗浄用スポンジ10Aは、洗浄時、前記スポンジ層21A側を把持し、洗剤を含浸させて前記不織布層11A側で食器等の洗浄対象物の表面が擦られる。その際、前記窓部13Aの位置では、前記スポンジ層21Aの把持によって前記不織布層11Aを通ることなく効率よくスポンジ層21Aから押し出された泡が、洗浄対象物の表面に接触し、不織布層11Aの表面に乗るので、効率よく洗浄を行うことができる。さらに、前記スポンジ層21Aにおいて主として把持されるセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム27Aは、前記のように水切れが良好なため使用感が良好である。また、前記窓部13Aの外方の表面14Aに対して窪んだ位置にある窓部13A内のスポンジ層21Aの表面(すなわち、セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの表面)25Aに文字または図柄が印刷されているため、前記窓部13内の文字または図柄が洗浄対象物と接触して擦られることがなく、かすれたり消えたりするのを防ぐことができる。なお、前記洗浄用スポンジ10Aは、常に前記不織布層11A側で洗浄対象物の表面を擦らなければならないものではなく、洗浄対象物の表面に付いた頑固な汚れを取る際には、前記スポンジ層21A側を把持して前記不織布層11Aで洗浄対象物の表面を擦り、一方、洗浄対象物の表面に付着した汚れが少ない場合には、前記不織布層11A側を把持してスポンジ層21Aで洗浄対象物の表面を擦る等の使い分けをすることができる。
前記洗浄用スポンジ10Aの製造方法は、特に限定されるものではない。製造方法の一例を次に示す。まず、シート状の不織布に前記窓部13A用の開口を所定間隔で形成する。一方、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームからなるシートには、片面の所定位置に文字や図柄を印刷する。前記印刷済みのセル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの片面に、印刷部分が前記不織布の窓部内となるようにして前記不織布を積層し、また、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの他面(不織布とは反対側の面)に、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームからなるシートを積層し、前記不織布及び前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームあるいは前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームに予め塗布しておいた接着剤により、あるいは熱溶着により、前記不織布と前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム及び前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームを接合一体化して積層体を形成し、その後、前記積層体をトムソン刃等で前記窓部の外側で打ち抜くことにより、前記洗浄用スポンジ10Aを得ることができる。なお、文字または図柄の印刷は、前記不織布層11Aと前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム23Aの接合前に行うのが印刷作業性の点で好ましいが、接合後の打ち抜き前あるいは打ち抜き後に行ってもよい。
・実施例1
ポリエステル繊維に研磨粒子が樹脂で付着した不織布(品番:PET600G、三光毛糸紡績(株)、目付:600g/m(繊維300g/m、樹脂300g/m)、繊維:ポリエステル繊維100%、不織布の色:橙色、不織布の厚み:4mm、樹脂:アクリル系エマルジョン、砥材#600)に径40mmの開口した窓部を形成した。一方、セル膜を除去した軟質ポリウレタンフォーム(品番:MF−80A、(株)イノアックコーポレーション、ポリエステル系、密度75kg/m、セル数80個/25mm、黄色)からなる厚み31mmのシートの片面に、スクリーン印刷により動物の図柄を直径35mmの円内に印刷した。前記不織布の片面にウレタン系接着剤(BASFイノアックポリウレタン(株)製イソシアネートプレポリマー)を50g/mの割合で塗布した後、不織布の窓部内に前記軟質ポリウレタンフォームシートの印刷部分が位置するようにして不織布の接着剤塗布面を軟質ポリウレタンフォームシートに重ね、不織布と軟質ポリウレタンフォームシートを積層した。その状態において、120℃の熱板で5分間圧縮し、不織布と軟質ポリウレタンフォームシートを接着剤で接合して積層体を形成した。その後、積層体における不織布の窓部の外側位置を外径80mmのトムソン刃で打ち抜くことにより、図1及び図2に示した、前記不織布層11と一層の軟質ポリウレタンフォームのスポンジ層21とからなる実施例1の洗浄用スポンジを形成した。
実施例1の洗浄用スポンジに食器用洗剤を付着させ、不織布層側で陶器製食器の表面を5分間擦った後、洗浄用スポンジを水洗いして、洗浄用スポンジの窓部内の印刷部分を確認する摩擦試験を行ったところ、印刷がかすれたり消えたりする不具合を生じていなかった。前記摩擦試験を10回繰り返した後においても、窓部内の印刷がかすれたり消えたりする現象を生じなかった。また、前記摩擦試験時における泡立ちは良好であった。
・実施例2
ポリエステル繊維に研磨粒子が樹脂で付着した不織布(品番:PET600G、三光毛糸紡績(株)、目付:600g/m(繊維300g/m、樹脂300g/m)、繊維:ポリエステル繊維100%、不織布の色:橙色、不織布の厚み:4mm、樹脂:アクリル系エマルジョン、砥材#600)に径40mmの開口した窓部を形成した。一方、セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームとして、セル膜の除去した軟質ポリウレタンフォーム(品番:MF−80A、(株)イノアックコーポレーション、ポリエステル系、密度75kg/m、セル数80個/25mm、クリーム色)からなる厚み6mmのシートの片面に、スクリーン印刷により動物の図柄を直径35mmの円内に印刷した。前記不織布の片面にウレタン系接着剤(BASFイノアックポリウレタン(株)製イソシアネートプレポリマー)を50g/mの割合で塗布した後、不織布の窓部内に前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームシートの印刷部分が位置するようにして不織布の接着剤塗布面を前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームシートに重ね、また、セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームとして、セル膜の除去した軟質ポリウレタンフォーム(品番:MF−13、(株)イノアックコーポレーション、ポリエステル系、密度30kg/m、セル数13個/25mm、ピンク色)からなる厚み25mmのシートの片面にウレタン系接着剤(BASFイノアックポリウレタン(株)製イソシアネートプレポリマー)を50g/mの割合で塗布し、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームシートの接着剤塗布面に、前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームを重ね、その状態において、120℃の熱板で5分間圧縮し、前記不織布とセル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームシートと前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームシートを接合して積層体を形成し、その後、前記積層体をトムソン刃により前記窓部の外側で打ち抜くことにより、図3及び図4に示した、前記不織布層11Aと二層の軟質ポリウレタンフォームのスポンジ層21Aとからなる実施例2の洗浄用スポンジを得た。
実施例2の洗浄用スポンジに食器用洗剤を付着させ、不織布層側で陶器製食器の表面を5分間擦った後、洗浄用スポンジを水洗いして、洗浄用スポンジの窓部内の印刷部分を確認する摩擦試験を行ったところ、印刷がかすれたり消えたりする不具合を生じていなかった。前記摩擦試験を10回繰り返した後においても、窓部内の印刷がかすれたり消えたりする現象を生じなかった。また、前記摩擦試験時における泡立ちは良好であり、水きれも良好で使用感が良好であった。
10,10A 洗浄用スポンジ
11,11A 不織布層
13,13A 窓部
14,14A 窓部外方の不織布層の表面
21,21A スポンジ層
23A セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォーム
25 窓部内に位置するスポンジ層の表面
25A 窓部内に位置するセル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの表面
26,26A 文字または図柄
27A セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォーム

Claims (4)

  1. 不織布層をスポンジ層の片面に積層した洗浄用スポンジにおいて、
    前記不織布層は、該不織布層の両面を貫通して開口した窓部を備え、
    前記不織布層が積層されたスポンジ層は、セル数が70〜100個/25mmの軟質ポリウレタンフォームを除膜したものからなると共に、前記不織布層の窓部内に位置する前記除膜された軟質ポリウレタンフォームの表面が前記窓部の外方の前記不織布層の表面から窪んだ位置にあり、
    前記不織布層の窓部内に位置する前記除膜された軟質ポリウレタンフォームの表面に文字または図柄を印刷で設けたことを特徴とする洗浄用スポンジ。
  2. 前記除膜された軟質ポリウレタンフォームの表面への文字または図柄の印刷は、インクがセル内まで浸透していることを特徴とする請求項1に記載の洗浄用スポンジ。
  3. 前記スポンジ層は、軟質ポリウレタンフォームの二層からなり、
    前記二層の軟質ポリウレタンフォームは、相対的にセル数が多くセルの細かい軟質ポリレタンフォームと、相対的にセル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームとからなり、
    前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームは、セル数が70〜100個/25mmの軟質ポリウレタンフォームを除膜したものであり、該セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームに前記不織布層が積層され、前記不織布層の窓部内に位置する前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの表面に、前記文字または図柄を印刷で設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄用スポンジ。
  4. 前記セル数が多くセルの細かい軟質ポリウレタンフォームの厚みを、前記セル数が少なくセルの粗い軟質ポリウレタンフォームの厚みより薄くしたことを特徴とする請求項3に記載の洗浄用スポンジ。
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