JP2008048818A - 疎水性ポリウレタンフォーム清浄具 - Google Patents

疎水性ポリウレタンフォーム清浄具 Download PDF

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将光 高木
Yasuhisa Nishiyama
育央 西山
Hiroshi Yazawa
博 矢澤
Keiko Kenmori
惠子 権守
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Kurabo Industries Ltd
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Abstract

【課題】使用後、水切りが良く、手で振る程度で容易に乾いた状態にでき、また細菌の繁殖を抑えることのできる衛生的な清浄具を提供する。
【解決手段】少なくても原料として疎水性ポリオールあるいは非疎水性ポリオールと実質的に炭化水素である化合物、いずれかの原料から製造してなる疎水性ポリウレタンフォームであって、発泡後ポリウレタンフォームの気泡膜を後処理法により取り除いた膜無し疎水性ポリウレタン清浄具。
【選択図】図1

Description

本発明はポリウレタンフォーム清浄具、詳しくは疎水性ポリウレタンフォームを用いた清浄具に関するものである。
ポリウレタンフォーム清浄具(以後ポリウレタン清浄具と呼ぶ)に関しては多くの提案がなされ、多くの種類が実用化されている。これらのウレタンフォームは主にポリエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合やプロピレンオキサイドの単独重合で合成されたポリエーテルポリオールあるいはアジピン酸とジエチレングリコール等のジカルボン酸とグリコールから合成されたポリエステルとポリイソシアナートから製造されたものであり、本来親水性ポリウレタン清浄具と呼ぶべきものである。ポリウレタンフォームを清浄具として使用する理由はポリウレタンフォームが容易に水を吸収する性質があるためであり、この性質を活かして洗剤水を吸水保持させたものである。
ところが親水性ポリウレタン清浄具は使用後水切りが悪く、乾燥し難くなることから細菌が繁殖しやすく不衛生になる。このため親水性のフォームの気泡膜を取り除いて水の保持を低下させたタワシ等の清浄具も販売されている。
しかしながらこの気泡膜を取り除いても本来親水性のポリウレタンフォームは接触角が90度以下であるため、完全には乾燥しにくく細菌が繁殖しやすい。
また抗菌剤を加えた抗菌性タイプのポリウレタン清浄具も高湿度下で長期に渡り使用すればやはり細菌が繁殖しやすい。
特許文献1には汎用の親水性ポリウレタンフォームに金属微粒子やカテキンサン、あるいは貝殻、エビ、カニの甲殻等の粉粒体を混入してカビ対策を提案している。しかしながら放置期間が5日以上となるとカビで黒ずんでくる欠点がある。
以上のことから織物やステンレスワイヤー塊のような水切りの良い清浄具の開発が望まれている。
特開2001−190470号公報
本発明の課題は水切りの良いポリウレタン清浄具を提供することである。
また他の課題は使用後ウレタン清浄具を手で振る程度で乾燥可能なポリウレタン清浄具を提供することである。
また他の課題は長期に渡り抗菌性を維持できるポリウレタン清浄具を提供することである。
本願の請求項1の発明の要旨は、少なくとも疎水性ポリオールが全ポリオール内の30重量%以上であるポリオールとポリイソシアネート、シリコーン系気泡安定剤、発泡剤、触媒から製造されてなる疎水性ポリウレタンフォームであって、発泡後、フォームの気泡セル膜を後処理法で取り除いたセル数30個/25mm以下(JIS6400−1 付属書(参考))、通気度250ml/cm2/sec以上の疎水性ポリウレタンフォームからなる疎水性ポリウレタンフォーム清浄具であり、請求項2の発明の要旨は、非疎水性ポリオールとポリイソシアネート、シリコーン系気泡安定剤、発泡剤、触媒並びに実質的に炭化水素である化合物から製造されてなる疎水性ポリウレタンフォームであって、発泡後、フォームの気泡セル膜を後処理法で取り除いたセル数30個/25mm以下(JIS6400−1 付属書(参考))、通気度250ml/cm2/sec以上の疎水性ポリウレタンフォームからなる疎水性ポリウレタンフォーム清浄具である。
一般に疎水性ポリウレタンフォームはセル膜の残存量が多く通気性が少ない。この種の疎水性ポリウレタンフォームは通気度が30ml/cm2/sec以下では高度の止水性を有するため、ポリウレタンフォームを圧縮してフォームの中を減圧にしても容易に吸水しない性質があるためこのままでは清浄具等の清掃具として使用することはできない。
本発明の疎水性ポリウレタン清浄具は気泡膜を取ることにより通気度を250ml/cm2/sec以上にすることによって疎水性ポリウレタンフォームでも容易に水を吸水させることができ、しかも容易に水切りができることを見いだし本発明を完成した。
即ち本発明の疎水性ポリウレタン清浄具は従来のポリウレタンフォーム清浄具の水を吸収しなくてはならないという概念を取り除くものであり、疎水性のポリウレタンフォームでも清浄具として使用できることを見出し本発明を完成した。
しかもこの種の疎水性清浄具でも洗剤を使用するため疎水性の発泡体でも容易に吸水させることができることを見出した。本発明のポリウレタンフォームの通気度はJIS K6400−7 B法に準じて測定され、250ml/cm2/sec以上、好ましくは300〜1000ml/cm2/sec、更に好ましくは400〜800ml/cm2/secが良い。また、本発明に使用する疎水性ポリウレタンフォームのセルサイズはJIS K6400−1 付属書(参考)で測定した気泡の数で30個/25mm以下、更に好ましくは5〜20個/25mmが良い。
本発明による疎水性ポリウレタンフォーム清浄具は疎水性のため水切りが良く乾燥するため細菌が繁殖しづらく、しかも汚れにくく、例え洗濯しても簡単に手で振る程度で乾燥することができる。
本発明について、詳細に説明する。
本発明の請求項1の疎水性ポリウレタンフォームを製造するに当たり、ポリオールとしては疎水性ポリオールであれば良く、具体的にはダイマー酸系ポリオール、ポリジエン系ポリオール、ポリイソプレン系ポリオール等がある。また疎水性を壊さない範囲で他の汎用の非疎水性ポリオールを添加しても良い。この場合疎水性ポリオールとして全ポリオール重量の30重量%以上の範囲が良く、更に好ましくは50%以上が良い。
本発明で使用するポリイソシアネートとしては汎用のイソシアネートで良くトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、クルードMDI、ポリメリックMDI等がある。
本発明に用いられる気泡安定剤がポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合化合物が良く、特にポリオキシアルキレン末端はイソシアナート基と反応する基を有する末端OH基、末端COOH基、末端NH2基、末端CHCH2O基等がある気泡安定剤が良く疎水性を付与する。
発泡剤としては水、気泡剤としてはポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、低沸点炭化水素等の汎用の発泡剤でよく、触媒としては汎用の触媒でよく、トリエチレンジアミン等の3級アミン化合物、スタナスオクトエート等の有機金属化合物で良い。
その他添加剤としては疎水性を損なわない範囲で高分子量炭化水素化合物、炭酸カルシウム等の充填剤、ポリビニルスチレン等の石油樹脂あるいは長鎖脂肪酸エステルを含む合成あるいは天然油脂等を添加することもできる。
本発明の請求項2の疎水性ポリウレタンフォームはポリオールとしては疎水性ポリオールを使用せず、汎用の非疎水性ポリオールを使用して疎水性ポリウレタンフォームを製造するものであり、ポリウレタンフォームを疎水化するために実質的に炭化水素からなる室温で液体乃至半固体の化合物の添加を必須項目とした疎水性ポリウレタンフォームである。即ち少なくとも非疎水性ポリオールとポリイソシアネート、セル安定剤、発泡剤、触媒、実質的に炭化水素からなる室温で液体乃至半固体の化合物からなる疎水性ポリウレタンフォームである。
本発泡に使用する実質的に炭化水素である化合物とは炭化水素結合以外のエステル結合、エーテル結合、あるいは塩素、酸素、イオウ等を含んでいても少量で実質的に炭化水素化合物とみなせる化合物を指し石油樹脂、石油残渣、パラフィンオイル、塩素化パラフィン、天然油脂、ダイマー酸、オレイン酸等の長鎖脂肪酸とグリコールエステル等がある。
汎用の非疎水性ポリオールとしては主にポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールがあり、ポリエーテルポリオールとしてはグリセリンやトリメチロールプロパンにアルキレンオキサイドを付加したポリオール、更にスチレンモノマーをグラフト重合したポリマーポリオール等があるがこれに限定されない。
ポリエステルポリオールとしてはジプロピレングリコール、1.6ヘキサンジオール、1.4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコールとアジビン酸、マレイン酸等のポリカルボン酸とのポリエステルが好ましいがこれに限定されない。
本発明に使用するポリイソシアネート、気泡安定剤、発泡剤、触媒、その他添加剤については請求項1で述べたものを使用すれば良い。
また本発明の発泡方式としては請求項1の発明も請求項2の発明もともにワンショット法でもプレポリマー法でも良く、またブロック方式でもモールド方式でも良い。(請求項1の発明と請求項2の発明とを纏めて単に本発明という。)
本発明の疎水性ポリウレタンの気泡膜を取る方法としては一般の爆発法でよい。
一般の爆発法は部屋の中に疎水性ポリウレタンフォームを入れ、水素ガスと酸素を充満させて点火する方法である。
本発明の疎水性ポリウレタン清浄具は単品で使用しても、あるいは他の親水性ポリウレタンフォームを一体化して使用しても良く、別に繊維製品と一体化使用しても良い。
次に本発明を図をもって具体的に説明する。
図1は本発明の膜無し疎水性ポリウレタン清浄具の説明図である。
1は本発明のタワシ、2はセル膜を爆発法で除去した膜無し疎水性ポリウレタンフォームである。食器等の洗浄に良く、しかも使用後の水切りが良い。
図2は本発明の別の膜無し疎水性ポリウレタン清浄具の説明図である。
1'は本発明のタワシ、2はセル膜を爆発法で除去した膜無し疎水性ポリウレタンフォーム、3はナイロンポリエステル不織布である。食器等の洗浄に良く、しかも使用後の水切りが良い。
図3は従来からある汎用ポリウレタンタワシ清浄具の説明図である。
4は従来の汎用ポリウレタンタワシ、5は汎用のポリエーテルウレタンフォームである。
実施例1
ダイマー酸、ジエチレングリコール及びグリセリンとから合成されたOH価67のダイマー酸ポリオール100部、末端OH基を有するポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合(信越化学工業社製 商品名F303)2.0部、H2O 3.0部、トリエチレンジアミン 0.2部、スタナスオクトエート 0.27部、トリレンジイソシアナート(T−65)41.2部の割合で発泡機を用いて連続的に撹拌混合発泡した。
本発泡にあたってミキシングチャンバーノズル出口を絞り、ミキシングチャンバー圧力をかけセルサイズを少々大きく設定し、密度37kg/m3、セル数28個/25mm、通気度9.6ml/cm2/secの疎水性ポリウレタンフォームを得た。
本疎水性ポリウレタンフォームブロックを密閉した室内に入れて水素ガスと酸素ガスを充満させた後、爆発させて通気度278ml/cm2/secの膜無し疎水性ポリウレタンフォームを得た。
本疎水性ポリウレタンフォームを厚さ40mm、幅70mm、長さ130mmに裁断し市販の親水性のタワシと比較しながら食器洗浄テストを行ったところ、洗浄力には差は認められなかったが、使用後3回水洗浄した後3.5時間後にはほぼ乾燥していたのに対して非疎水性ポリオールから製造されたタワシは12時間後でも全く乾燥していなかった。
実施例2
スタナスオクトエート量を0.023部に変更し、またミキシングチャンバーを実施例1よりも更に絞った以外は実施例1と同一条件にて発泡した。
得られたポリウレタンフォームは密度36kg/m3、セル数20個/25mm、通気度7.4ml/cm2/secの疎水性ポリウレタンフォームを得た。本疎水性ポリウレタンフォームブロックを実施例1と同様の爆発法を3回繰返して通気度460ml/cm2/secの膜無し疎水性ポリウレタンフォームを得た。
本疎水性ポリウレタンフォームを厚さ40mm、幅70mm、長さ130mmに裁断し、実施例1と同様の食器洗浄テストを行ったところ、洗浄性には大差は認められなかったが、食器洗浄後、3回水洗浄した後1.4時間後にはほぼ乾燥していた。
実施例3
実施例2と同一配合とし、ダイマー酸ポリオールタンクについては、36回転/分の割合で羽根を回転させながら、4kpa(約30mmHg)まで減圧し30分間本圧力に保持した。30分間後常圧に戻した後、ミキシングチャンバーノズルを絞って実施例2と同一条件で発泡した。
本フォームの密度は34kg/m3、セル数16個/25mm、通気度3.3ml/cm2/secの疎水性ポリウレタンフォームを得た。本疎水性ポリウレタンフォームブロックを実施例1と同様の爆発法を3回繰返して通気度550ml/cm2/secの膜無し疎水性ポリウレタンフォームを得た。
本ポリウレタンフォームを厚さ40mm、幅70mm、長さ130mmに裁断し実施例1と同様の食器洗浄テストを行った。3回水洗浄した後放置したところ約37分後にほぼ乾燥状態となった。
実施例4
実施例3で製造した膜無し疎水性ポリウレタンフォームを厚さ30mmにスライスし、また別に厚さ10mmのナイロンポリエステル不織布を用意して図2に示した形状の厚さ40mm同サイズのタワシを作成した。
本タワシで食器の洗浄テストを行ったところ実施例3と同様の洗浄力並びに乾燥性を示した。
実施例5
グリセリンにプロピレンオキサイドを付加重合した分子量4500のポリオール100部、末端OH基を有するポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体1.5部、H2O 3.6部、トリレンジイソシアネート(T−75)43.0部、トリエチレンジアミン 0.22部、スタナスオクトエート 0.38部、流動パラフィン 15部、石油系樹脂FTR 6100(三井石油化学社製)17部の割合でポリウレタン発泡機を用いてブロックフォームを発泡した。得られたフォームは密度33kg/m3、セル数29個/25mm、通気度16.5ml/cm2/secの疎水性ポリウレタンフォームを得た。本フォームを爆発法を用いて通気度314ml/cm2/secの膜無し疎水性ポリウレタンフォームを得た。本疎水性ポリウレタンフォームを厚さ40mm、幅70mm、長さ130mmにカットし、食器洗浄テストを行った後放置したところ5.0時間後にはフォームは乾燥した。
本発明の膜無し疎水性ポリウレタン清浄具の説明図である。 本発明の別の膜無し疎水性ポリウレタン清浄具の説明図である。 汎用のポリエーテルウレタンフォームからなる汎用の清浄具の説明図である。
符号の説明
1 本発明の清浄具 1' 本発明の別の清浄具
2 疎水性ポリウレタンフォーム 3 ナイロンポリエステル不織布
4 汎用のポリウレタンフォーム洗浄具
5 汎用のポリエーテルウレタンフォーム

Claims (4)

  1. 少なくとも疎水性ポリオールが全ポリオール内の30重量%以上であるポリオールとポリイソシアネート、シリコーン系気泡安定剤、発泡剤、触媒から製造されてなる疎水性ポリウレタンフォームであって、発泡後、フォームの気泡セル膜を後処理法で取り除いたセル数30個/25mm以下(JIS6400−1 付属書(参考))、通気度250ml/cm2/sec以上の疎水性ポリウレタンフォームからなる疎水性ポリウレタンフォーム清浄具。
  2. 非疎水性ポリオールとポリイソシアネート、シリコーン系気泡安定剤、発泡剤、触媒並びに実質的に炭化水素である化合物から製造されてなる疎水性ポリウレタンフォームであって、発泡後、フォームの気泡セル膜を後処理法で取り除いたセル数30個/25mm以下(JIS6400−1 付属書(参考))、通気度250ml/cm2/sec以上の疎水性ポリウレタンフォームからなる疎水性ポリウレタンフォーム清浄具。
  3. シリコーン系気泡安定剤が末端活性水素基を有するポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体である請求項1または2に記載の疎水性ポリウレタンフォームからなる疎水性ポリウレタンフォーム清浄具。
  4. 請求項1または2または3のいずれかの項に記載の疎水性ポリウレタンフォームと汎用のポリウレタンフォームあるいは繊維材料とを一体化してなる疎水性ポリウレタンフォーム清浄具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011092370A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Inoac Corp 洗浄用スポンジ

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