JP5517264B2 - 耐アルコール性積層体、ならびにそれに使用する耐アルコール性接着剤層、積層フイルム、および転写箔 - Google Patents

耐アルコール性積層体、ならびにそれに使用する耐アルコール性接着剤層、積層フイルム、および転写箔 Download PDF

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Description

本発明は耐アルコール性が必要とされる用途で使用する積層体、ならびにそれに使用する接着剤層、積層フイルム、および転写箔に関する。
世間一般には、自社製品を他社製品と差別化をする為に、家電製品、通信機器のほか家具、キッチン用品、日用品等の各種製品表面に、印刷や着色等の加飾を行い、意匠性を高めたり、あるいはハードコート性等の機能を付与したりするなどして、他社製品との差別化を図っているものが、多く見受けられる。
差別化する為には、前記各種製品に使用する筐体や部品等(以下、部品等という。)の意匠性を高めたり、あるいは部品等に機能を付与する必要がある。
その方法として、部品等の表面に、直接図柄等を印刷することで印刷層や着色層を部品等の表面に積層したり、あるいはハードコート性がある樹脂等を直接コーティング等行うことでハードコート層等を部品等の表面に積層したりすることで、部品等の意匠性を高めたり、あるいは部品等に機能を付与することができる。
上記方法のほかに、部品等を、基材(部品等)上に、接着剤層、および被着層が順次積層された積層体とする事でも、部品等の意匠性を高めたり、あるいは部品等に機能を付与することができる。
前記積層体は、基材(部品等)上に、接着剤をコーティングして接着剤層を積層し、さらに接着剤層上に、被着層である、プラスチックフイルム上に予め着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層等の機能層が積層された機能フイルム(プラスチックフイルムのみの場合も機能フイルムに含む)を積層して、基材(部品等)と被着層(機能フイルム)とを密着させたり、あるいは接着剤層として、市販の両面テープ等を、基材と被着層との間に設けて、基材(部品等)と被着層(機能フイルム)とを密着させることで、基材上に、接着剤層、および被着層が従事積層された積層体を得ることができる。
その他、前記機能フイルム上に、接着剤層が積層された積層フイルムを使用して、部品等の意匠性を高めたり、あるいは部品等に機能を付与する方法がある。
具体的には、積層フイルムの接着剤層が、基材(部品等)表面に接するようにして、熱圧着加工、インサート成形加工等することにより、基材(部品等)と積層フイルムとを接着させて、基材(部品等)上に、接着剤層、および被着層(機能フイルム)が順次積層された積層体とすることができる。
また、剥離可能なプラスチックフイルム上に、被着層である前記機能層、および接着剤層を順次積層した転写箔を使用して、部品等の意匠性を高めたり、あるいは部品等に機能を付与する方法もある。
具体的には、上記転写箔の接着剤層が、基材(部品等)表面に接するようにして、ホットスタンピング加工、成型同時転写加工(インモールド成型加工)等することにより、基材(部品等)と転写箔とを接着させた後、プラスチックフイルムを剥離して機能層、および接着剤層を、基材表面に転写させて、基材(部品等)上に、接着剤層、および被着層(機能層)が順次積層された積層体とすることができる。
上記積層フイルムや転写箔を使用すれば、基材(部品等)上に、接着剤層、および被着層(機能フイルム、または機能層)が順次積層された積層体を容易に得ることができる。
その結果、容易に、基材(部品等)の意匠性を高めたり、あるいは基材(部品等)に機能を付与することができる為、さらに作業性もよく多様性もある為、積層フイルムや転写箔を使用して、積層体を得る方法が、一般的に多く利用されている。
特に、前記積層体を、耐アルコール性が必要となるトイレタリー製品等に使用する場合には、該積層体は、積層体をアルコールに24時間浸漬する試験(耐アルコール性試験)をした後も、基材(部品等)に被着層(機能フイルム、または機能層)が、剥離・欠落せず密着しつづけている耐アルコール性が必要となる。
また、前記積層体を得る為に使用する、積層フイルムや転写箔に積層されている接着剤層には、積層体に使用され、接着剤層が完全硬化した場合に、前記耐アルコール性が発揮されることが必要となる。
特開2010−36480号公報
特許文献1に記載の転写フイルム(構成:プラスチックフイルム/剥離層/装飾層/接着層)に積層されている接着層は、熱可塑性樹脂のみからなる接着層である為に、該転写フイルムを、ホットスタンピング加工や成型同時転写加工(インモールド成型加工)等で、装飾層(被着層)、および接着層を樹脂成型品(基材)表面に転写して得た積層体は、樹脂成型品と装飾層とは密着しているが、該積層体に耐アルコール性試験を行うと、接着層に使用している熱可塑性樹脂が、アルコールに溶解、膨潤等してしまい樹脂成型品と接着層との密着力が弱くなり、樹脂成型品(基材)から装飾層(被着層)が接着層とともに剥離・欠落してしまい、耐アルコール性を必要とする製品には使用できないという欠点があった。
機能フイルム(被着層)上に、接着剤層が積層された積層フイルムの接着剤層を、仮に特許文献1に記載の転写フイルムに積層されている接着層とした積層フイルムを使用して、該積層フイルムを樹脂成型品(基材)表面に熱圧着加工やインサート成形加工等で、積層フイルムと樹脂成型品とを接着させて積層体とした場合も、該積層体は、前記転写フイルムを使用して得た積層体と同様、樹脂成型品と積層フイルムとは密着しているが、該積層体に耐アルコール性試験を行うと、接着層は熱可塑性樹脂のみからなる接着層である為に、接着層に使用している熱可塑性樹脂がアルコールに溶解、膨潤等してしまい樹脂成型品と接着層との密着力が弱くなり、樹脂成型品(基材)から機能フイルム(被着層)が接着層とともに剥離・欠落してしまい、耐アルコール性を必要とする製品には使用できないという欠点があった。
特に、樹脂成型品(基材)を、ポリプロピレン系樹脂等の非極性樹脂とした場合には、ポリプロピレン系樹脂等の非極性樹脂は、熱可塑性樹脂のみからなる接着層との密着力がもともと弱い為、上記欠点がより顕著に現れる。
このことから、特許文献1に記載の転写フイルムに積層されている接着層は、熱可塑性樹脂のみからなる接着層である為、耐アルコール性に弱く、耐アルコール性を必要とする積層体には使用できない欠点があり、特に基材をポリプロピレン系樹脂とした場合は、より顕著であった。
また、該接着層が積層された積層フイルム、または転写箔を使用して得た積層体は、前記のとおり耐アルコール性が弱く、したがって上記積層フイルムや転写箔は、耐アルコール性を必要とする積層体を得るために使用することには適さなかった。
[1]本発明は、基材上に、接着剤層、及び被着層が順次積層されている積層体に使用する接着剤層であって、接着剤層が、下記(A)〜(D)の条件をすべて満足することを特徴とする耐アルコール性接着剤層である。
(A)接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂、及びシランカップリング剤からなる層である
(B)熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比が、9:1〜5:5である
(C)シランカップリング剤の添加量が、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%である
(D)完全硬化している
[2]本発明は、被着層である、少なくともプラスチックフイルムを含む機能フイルムの片面に、接着剤層が積層されている積層フイルムであって、接着剤層が下記(A)〜(D)の条件をすべて満足することを特徴とする特徴とする積層フイルムである。
(A)接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂、及びシランカップリング剤からなる層である
(B)熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比が、9:1〜5:5である
(C)シランカップリング剤の添加量が、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%である
(D)完全硬化していない
[3]本発明は、前記機能フイルムが、プラスチックフイルムの片面もしくは両面に、少なくとも機能層が積層されている機能フイルムである、[2]記載の積層フイルムである。
[4]本発明は、機能層が、着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる層であり、かつプラスチックフイルムの全面もしく部分的に積層されている層である、[3]記載の積層フイルムである。
[5]本発明は、剥離可能なプラスチックフイルム上に、被着層である機能層、及び接着剤層が順次積層されている転写箔であって接着剤層が下記(A)〜(D)の条件をすべて満足することを特徴とする特徴とする転写箔である。
(A)接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂、及びシランカップリング剤からなる層である
(B)熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比が、9:1〜5:5である
(C)シランカップリング剤の添加量が、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%である
(D)完全硬化していない
[6]本発明は、機能層が、着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる層であり、かつ剥離可能なプラスチックフイルムの全面もしくは部分的に積層されている層である、[5]記載の転写箔である。
[7]本発明は、基材上に、接着剤層、及び被着層が順次積層されている積層体であって、接着剤層が、請求項1記載の耐アルコール性接着剤層であることを特徴とする耐アルコール性積層体である。
[8]本発明は、基材上に、[2]〜[4]のいずれか1項記載の積層フイルムを、積層フイルムの接着剤層が基材表面と接するようにして接着することにより、基材上に、接着剤層、及び被着層である機能フイルムが順次積層されている積層体であり、かつ接着剤層が、完全硬化していることを特徴とする耐アルコール性積層体である。
[9]本発明は、基材上に、[5]または[6]記載の転写箔を、転写箔の接着剤層が基材表面と接するようにして接着させた後、プラスチックフイルムを剥離することにより、基材上に、接着剤層、及び被着層である機能層が順次積層されている積層体であり、かつ接着剤層が、完全硬化していることを特徴とする耐アルコール性積層体である。
尚、本明細書中で、接着剤層が完全硬化しているとは、厳密に接着剤層の熱可塑性樹脂や紫外線硬化型樹脂が、すべて反応し完全に硬化している状態のことではなく、以下の本発明の効果を発揮することができる範囲で、接着剤層中に未硬化の熱可塑性樹脂や紫外線硬化型樹脂が極僅かに存在していている状態のことも含んでいる。
本発明の耐アルコール性積層体は、紫外線照射によって接着剤層が完全硬化され、接着剤層がアルコールに溶解、膨潤等せず、耐アルコール性を有しており、耐アルコール性試験後も、試験前の基材と被着層との密着力を維持しており、基材から被着層、および接着剤層が、剥離・欠損することがない。
また、基材を、ポリプロピレン系樹脂等の非極性樹脂として、本発明の耐アルコール性積層体とした場合にも、本発明の耐アルコール性接着剤層はアルコールに溶解・膨潤等することなく、耐アルコール性を有しており、耐アルコール性試験後も、基材から被着層(機能フイルム、または機能層)、および接着剤層が、剥離・欠落することがない。
具体的には、基材上に、本発明の耐アルコール性接着剤層、および被着層が順次積層された本発明の耐アルコール性積層体に、耐アルコール性試験を行い、試験前後で基材と被着層との密着力を、JIS K 5600−5−6法(付着性―クロスカット法・100マス)に準拠して測定した場合に、試験前後のいずれも被着層の剥がれがほとんど無く、該試験後においても、試験前と同等の密着力を維持していれば耐アルコール性が有るといえる。
したがって、本発明の耐アルコール性積層体は、耐アルコール性を必要とする用途で使用できる。
また、基材と被着層との密着力は、上記クロスカット法で5マス以上の剥がれがなければ、実用上問題ないレベルである。
本発明の耐アルコール性接着剤層は、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂を含んでいるものであり、かつ完全硬化している為、本発明の耐アルコール性積層体の接着剤層として使用した場合に、本発明の耐アルコール性積層体が、前記と同様の効果を得ることができる。
また、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂からなり、かつ完全硬化していない接着剤層(以下、未硬化接着剤層という。)を積層した、本発明の積層フイルム、または転写箔には、以下の効果がある。
被着層である、少なくともプラスチックフイルムを含む機能フイルム上に、未硬化接着剤層が積層された本発明の積層フイルムや、剥離可能なプラスチックフイルム上に、被着層である機能層、および未硬化接着剤層が順次積層された本発明の転写箔を使用すれば、本発明の耐アルコール性積層体を容易に得ることができる。
したがって、本発明の耐アルコール性積層体を得る為には、本発明の積層フイルム、または本発明の転写箔を使用する方法が最適である。
本発明の積層フイルム、または本発明の転写箔を使用して得た、本発明の耐アルコール性積層体は、耐アルコール性試験後も、基材から被着層(機能フイルム、または機能層)、および接着剤層が、剥離・欠落しない、耐アルコール性を有している。
本発明の耐アルコール性積層体は、基材上に、接着剤層、および被着層が順次積層された積層体であって、接着剤層が、基材と、被着層とを密着させる目的で使用され、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂とからなり、かつ完全硬化している本発明の耐アルコール性接着剤層である。
また、前記被着層を、少なくともプラスチックフイルムを含む機能フイルム、または機能層とした場合に、基材上に、本発明の耐アルコール性接着剤層、および機能フイルムまたは機能層が順次積層された、本発明の耐アルコール性積層体となる。
前記機能フイルム上に、未硬化接着剤層が積層された本発明の積層フイルムや、あるいは剥離可能なプラスチックフイルム上に、機能層、および未硬化接着剤層が順次積層された本発明の転写箔を使用して、該積層フイルムあるいは転写箔の未硬化接着剤層が、基材表面と接するようにして接着させ1次積層体(転写箔を使用した場合は、接着後プラスチックフイルムを剥離する)を得、その後、該1次積層体の未硬化接着剤層を完全硬化させた本発明の耐アルコール性積層体とした場合には、機能フイルム、あるいは転写箔の機能層が、それぞれ被着層となる。
以下、本発明の耐アルコール性積層体に使用する、本発明の耐アルコール性接着剤層、積層フイルム、ならびに転写箔について説明する。
本発明の耐アルコール性接着剤層に使用する接着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂を含んでいるものであり、かつ完全硬化しているものである。
使用する熱可塑性樹脂は、特に制限はなく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等の公知の熱可塑性樹脂を使用する事ができ、基材、被着層に応じて適宜選択すれば良い。
後述するが、基材を樹脂成型品とした場に、樹脂成型品に使用した樹脂と、相溶性の良い樹脂を、本発明の耐アルコール性接着剤層の熱可塑性樹脂として使用すれば基材(樹脂成型品)との相性も良く、強い密着力を得ることができる為好ましい。
使用する紫外線硬化型樹脂は、特に制限なく、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等、公知の紫外線硬化型樹脂を使用する事ができ、所望の目的に応じて適宜選択すれば良い。
本発明の耐アルコール接着剤層の熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比は、9:1〜5:5の範囲であることが好ましい。
紫外線硬化樹脂の重量比が上記範囲よりも小さいと、接着剤層がアルコールに溶解、膨潤等してしまい、所望の耐アルコール性を得ることができないおそれがある為、好ましくない。また、紫外線硬化樹脂の重量比が上記範囲よりも大きいと、基材と被着層との所望の密着力を得ることができないおそれがある為、好ましくない。
さらに、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂からなる本発明の耐アルコール性接着剤層に、シランカップリング剤を添加すれば架橋し、分子量が増大する事によって、アルコールに、より溶解、膨潤等しづらくなり、耐アルコール性がさらに向上するので好ましく、本発明の耐アルコール性接着剤層の熱可塑性樹脂を、水酸基、カルボキシル基等のシランと反応する官能基を有する熱可塑性樹脂とし、シランカップリング剤を、紫外線硬化型樹脂と反応するシランカップリング剤とすれば万全である。
シランカップリング剤の添加量は、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%の範囲であることが好ましい。
添加量が5重量%よりも少ないと、シランカップリング剤を添加しないものと比べても耐アルコール性が向上せず、シランカップリング剤を添加する効果を得ることができないおそれがある為、好ましくない。添加量が20重量%より多いと、シランカップリング剤は本来粘着性を有しており、前記積層フイルムや転写箔をロール状にした場合に、該積層フイルムや転写箔同士が密着してしまう、いわゆるブロッキングが発生するおそれがあるだけでなく、シランカップリング剤を20重量%よりも多く添加したとしても、耐アルコール性の向上が見込めず、またコストアップすることにもなる為、好ましくない。
使用するシランカップリング剤の種類は特に制限無く使用でき、使用する紫外線硬化型樹脂の種類に応じて、適宜選択すれば良い。
本発明の耐アルコール性接着剤層は、前記の通り、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂とからなり、必要によりシランカップリング剤が添加された接着剤が完全硬化した層である。
また、前記接着剤が完全硬化していないものは、未硬化接着剤層である。
そして、本発明の耐アルコール性接着剤層を、基材上に、接着剤層、および被着層が順次積層された積層体の接着剤層として使用することで、基材/本発明の耐アルコール性接着剤層/被着層の構成となり、耐アルコール性試験後も、試験前の基材と被着層との密着力を維持し、基材から、被着層、および接着剤層が、剥離・欠損することのない本発明の耐アルコール性積層体となる。
本発明の耐アルコール性積層体は、基材上に、従来公知のコーティング方法で、予め未硬化接着剤層を積層した後、機能フイルム(被着層)が、未硬化接着剤層と接するようにして積層し1次積層体(構成:基材/未硬化接着剤層/被着層)を得て、その後、未硬化接着剤層を完全硬化させることで、本発明の耐アルコール性積層体を得ることができる。
また、少なくともプラスチックフイルムを含む機能フイルム(被着層)上に、未硬化接着剤層を積層した本発明の積層フイルムや、剥離可能なプラスチックフイルム上に、機能層(被着層)、および未硬化接着剤層を順次積層した本発明の転写箔を使用して、1次積層体(構成:基材/未硬化接着剤層/被着層)を得た後、未硬化接着剤層を完全硬化させることで、本発明の耐アルコール性積層体を得ることができる。(本発明の積層フイルム、および転写箔については後述する。)
前記1次積層体が、本発明の耐アルコール性積層体となる為には、1次積層体に紫外線照射することで、未硬化接着剤層を完全硬化させる必要がある。
1次積層体に照射する紫外線の照射量は、基材や被着層の種類によって、紫外線が基材や被着層に吸収、反射されてしまうことも考えられる為、基材や被着層に応じて適宜、紫外線の照射量を選択する必要がある。
具体的には、基材や被着層に紫外線が吸収、反射されることを考慮して、確実に未硬化接着剤層に紫外線が500mJ/cm以上照射されるように、紫外線の照射量を選択することが必要となる。未硬化接着剤層に500mJ/cm以上照射されないと、未硬化接着剤層が完全硬化せず、未硬化の状態となり、所望の耐アルコール性を得ることができない場合がある為、好ましくない。
このようにして得た本発明の耐アルコール性積層体は、耐アルコール性試験した後も、接着剤層がアルコールに溶解、膨潤等することなく、基材から被着層、および接着剤層が、剥離・欠落することがない強い密着力を維持している。
本発明の耐アルコール性積層体を得る方法は、特に制限なく利用できるが、前記の通り本発明の積層フイルムや転写箔を使用する方法が、作業性が良く、多様性もある為、最適である。
[積層フイルム]
本発明の積層フイルムは、プラスチックフイルムのみからなる機能フイルム上に、またはプラスチックフイルムの片面もしくは両面に機能層が積層された機能フイルム上に、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂からなり、必要によりシランカップリング剤が添加された接着剤層(未硬化接着剤層)が積層されたもので、代表的な本発明の積層フイルムの構成を、下記(1)〜(4)で示す。
(1)プラスチックフイルム/未硬化接着剤層
(2)プラスチックフイルム/機能層/未硬化接着剤層
(3)機能層/プラスチックフイルム/未硬化接着剤層
(4)機能層/プラスチックフイルム/機能層/未硬化接着剤層
上記構成(1)の積層フイルムを使用して、積層フイルムの未硬化接着剤層が基材表面と接するようにして積層させて得た積層体を、該積層体の未硬化接着剤層を完全硬化させた本発明の耐アルコール性積層体とした場合には、プラスチックフイルムのみからなる機能フイルムが、被着層となる。
また、上記構成(2)〜(4)の積層フイルムを使用して、積層フイルムの未硬化接着剤層が基材表面と接するようにして積層して得た積層体を、該積層体の未硬化接着剤層を完全硬化させた本発明の耐アルコール性積層体とした場合には、プラスチックフイルムの片面もしくは両面に、機能層が積層された機能フイルムが、被着層となる。
本発明の積層フイルムに使用するプラスチックフイルムは、特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリカーボネーフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム等、各種従来公知のプラスチックフイルムが使用できる。
プラスチックフイルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸の何れでもよく、また、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤を含んでいてもかまわない。
また、プラスチックフイルムは、被着層をプラスチックフイルムのみからなる機能フイルムとした場合に、基材を傷等から保護する機能も有している
プラスチックフイルムの種類や厚さは、所望の用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
さらに、プラスチックフイルムには、プラスチックフイルムの表面にヘアライン加工、マット加工、エンボス加工等が施されていてもよい。これら表面に上記各種加工が施されたプラスチックフイルムのみからなる機能フイルムを本発明の耐アルコール性積層体の被着層とした場合には、該プラスチックフイルムは、本発明の耐アルコール性積層体の意匠性を高めることがでる。
また、プラスチックフイルム上に、積層する機能層は意匠性を高めたり、あるいは機能を付与する目的で積層され、少なくとも、着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層のいずれかまたはこれら層の組み合わせからなる層であり、機能層を構成するすべての層が全面もしくは部分的にプラスチックフイルム上に積層されていてもよく、機能層を構成するいずれかの層が、全面もしくは部分的にプラスチックフイルム上に、積層されていてもよい。
前記機能層となる着色層、印刷層、ハードコート層等に使用する樹脂は、特に制限なく、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等、各種公知の樹脂が使用でき、これらの層を積層する方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
着色層、印刷層、ハードコート層等に使用する樹脂の種類、厚さ、これらの層を積層する方法は、所望の目的に応じて、適宜選択すればよい。
前記機能層となる金属薄膜層に使用する金属は、特に制限はなく、アルミニウム、クロム、錫、銀、銅、ニッケル、インジウム、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等、各種公知の金属や、これら金属の化合物、または酸化物が使用でき、金属薄膜層を積層する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等、従来公知の金属薄膜層を積層する方法が使用できる。
金属薄膜層に使用する金属の種類、厚さ、金属薄膜層を積層する方法は、所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
また、機能層と未硬化接着剤層との間に、機能層の機能を確実に発揮させる目的や、後工程の作業性を安定、向上させる目的等で樹脂からなるプライマー層を設けておいても構わない。
本発明の積層フイルムに積層された未硬化接着剤層は、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂からなり、完全硬化していない層である。
また、耐アルコール性の効果をより高める為に、シランカップリング剤を添加したものであっても良い。
熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の種類や重量比、シランカップリング剤の添加量は、前記本発明の耐アルコール性接着剤層と同じである。
後述するが、基材を樹脂成型品とした場合には、樹脂成型品に使用した樹脂と相溶性のよい樹脂を、未硬化接着剤層の熱可塑性樹脂として使用すれば基材(樹脂成型品)との相性も良く、強い密着力を得ることができる為好ましい。
未硬化接着剤層の厚さは0.8〜5μmの範囲であることが好ましい。未硬化接着剤層の厚さが0.8μmよりも薄いと、基材と被着層との所望の密着力を得られなくなるおそれがある為、好ましくなく、5μmよりも厚いと、接着剤層を均一にコーティングすることが困難であり、また接着剤層が凝集破壊しやすくなる為、好ましくない。
また、未硬化接着剤層を積層する方法はグラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
尚、本発明の積層フイルムを積層体に使用し、未硬化接着剤層が完全硬化した場合も、接着剤層の厚さに変化はなく、したがって本発明の耐アルコール性積層体の接着剤層の厚さも上記範囲が好ましい。
[転写箔]
本発明の転写箔は、剥離可能なプラスチックフイルム上に、機能層、および接着剤層が順次積層されたものであって、接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂からなり、必要によりシランカップリング剤が添加された接着剤層(未硬化接着剤層)である。
本発明の転写箔を使用して、転写箔の未硬化接着剤層が、基材表面と接するようにして接着させた後、プラスチックフイルムを剥離して、機能層と未硬化接着剤層を基材表面に転写して得た積層体を、該積層体の未硬化接着剤層を完全硬化させた本発明の耐アルコール性積層体とした場合には、機能層が被着層となる。
尚、機能層は、前記積層フイルムに使用する機能層と同じものを使用できる。
本発明の転写箔に使用するプラスチックフイルムは、前記積層フイルムに使用するプラスチックフイルムと同じものを使用でき、所望の用途、目的に応じて適宜選択すれば良い。
本発明の転写箔で使用する剥離可能なプラスチックフイルムとは、転写箔を使用して積層体を得る場合に、機能層との界面で剥離することができるものであればよく、プラスチックフイルムのみや、シリコン樹脂層、フッ素樹脂層、ワックス層、メラミン樹脂層等の離型性を有する剥離層がプラスチックフイルム上に積層されたものである。
具体的には、プラスチックフイルムのみを、剥離可能なプラスチックフイルムとする場合には、アクリル系樹脂等公知の熱可塑性樹脂からなり、プラスチックフイルムとの界面で剥離する離型性を有する離型層を、機能層の一部としてプラスチックフイルムと接するようにして積層すれば、積層体を得る場合に、プラスチックフイルムと離型層との界面で剥離され、プラスチックフイルムのみが剥離可能なプラスチックフイルムとなる。
また、剥離層が積層されたプラスチックフイルムを、剥離可能なプラスチックフイルムとした場合には、剥離層と機能層との界面で剥離され、剥離層が積層されたプラスチックフイルムが剥離可能なプラスチックフイルムとなる。
さらに、剥離層が積層されたプラスチックフイルムに、転写箔の離型性を安定させる等の目的で、剥離層上に前記離型層を積層してもよい。この場合、剥離層と離型層の界面で剥離する。
剥離層や離型層に使用する樹脂の種類、剥離層や離型層の厚さ、剥離層や離型層を積層する方法は、それぞれ所望の目的、用途に応じて適宜選択すれば良い。
尚、前記離型層は機能層に含まれ、離型層が積層された本発明の転写箔を使用して、本発明の耐アルコール性積層体を得た場合には、離型層は本発明の耐アルコール性積層体の最表面に積層されることとなり、該積層体を傷等から保護する機能も有している。
また、機能層と未硬化接着剤層との間に、機能層の機能を確実に発揮させる目的や、後工程の作業性を安定、向上させる目的等で樹脂からなるプライマー層を設けておいても構わない。
本発明の転写箔に積層された未硬化接着剤層は、前記積層フイルムと同じものを使用でき、未硬化接着剤層の厚さ、積層方法も同様である。
本発明の積層フイルム、または転写箔を使用すれば、本発明の耐アルコール性積層体を容易に得ることができる。
次に、本発明の耐アルコール性積層体について説明する。
[積層体]
本発明の耐アルコール性積層体は、基材上に、本発明の耐アルコール性接着剤層、および被着層が順次積層された積層体である。
基材は、特に制限なく使用できるが、本発明の積層フイルム、あるいは転写箔を使用して、基材表面に接着させて本発明の耐アルコール性積層体を得る為には、樹脂からなる成型加工された樹脂成型品が最適である。
樹脂成型品は、形状は特に制限は無く、板状やシート状等であっても良く、所望の目的、用途に応じて適宜選択すれば良いが、成型金型で所望の形状に射出成型された樹脂成型品が、形状に多様性がある為好ましい。
樹脂成型品に、使用する樹脂は、特に制限無く、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等、各種公知の樹脂が使用でき、所望の目的、用途に応じて適宜選択すればよい。
また、使用する樹脂に、予め染料や顔料等で着色した樹脂としておけば、着色された樹脂成型品を得ることができ、より意匠性を高めることができる。
本発明の耐アルコール性積層体を得る方法は、特に制限なく利用できるが、本発明の積層フイルム、または転写箔を基材に接着させる方法は、作業性が良く、多様性もある為、最適である。
また、本発明の積層フイルムを、基材に接着させて本発明の耐アルコール性積層体を得た場合は、機能フイルムが被着層となり、本発明の転写箔を、基材に接着させて本発明の耐アルコール性積層体を得た場合には、機能層が被着層となる。
以下、本発明の積層フイルム、転写箔を使用して、本発明の耐アルコール性積層体を得る方法について説明する。
基材上に、本発明の積層フイルム、または本発明の転写箔の未硬化接着剤層が、基材表面と接するようにして、熱圧着等する事で接着させて、1次積層体(構成:基材/未硬化接着剤層/被着層)を得た後、1次積層体に紫外線照射し、未硬化接着剤層を完全硬化させることで、本発明の耐アルコール性積層体を得ることができる。
具体的には、樹脂成型品を基材とし、本発明の積層フイルムを使用する場合は、以下の(A加工)熱圧着加工、または(B加工)インサート成形加工いずれかの工程を行い1次積層体を得た後、1次積層体に、基材や被着層に紫外線が吸収、反射されることを考慮して、確実に未硬化接着剤層に紫外線が500mJ/cm以上照射されるように、紫外線を照射することで、未硬化接着剤層が完全硬化され、本発明の耐アルコール性積層体を得ることができる。
(A加工)本発明の積層フイルムを、積層フイルムの未硬化接着剤層が、樹脂成型品表面と接するようにして配置し、積層フイルムと樹脂成型品とを熱圧着する加工。
(B加工)樹脂成型品を成型する金型のキャビティー内に、積層フイルムを、積層フイルムの未硬化接着剤層が、溶融樹脂の射出孔に面するように配置した状態で、金型内に挟み込み、当該金型内に溶融樹脂を射出し、樹脂成型品の成型と同時に積層フイルムを接着させるインサート成形加工。
また、樹脂成型品を基材とし、本発明の転写箔を使用する場合は、以下の(C加工)ホットスタンピング加工、または(D加工)インモールド成型加工のいずれかの工程を行い1次積層体を得た後、1次積層体に、基材や被着層に紫外線が吸収、反射されることを考慮して、確実に未硬化接着剤層に紫外線が500mJ/cm以上照射されるように、紫外線を照射することで、未硬化接着剤層が完全硬化され、本発明の耐アルコール性積層体を得ることができる。
(C加工)本発明の転写箔を、転写箔の未硬化接着剤層が、樹脂成型品表面と接するようにして配置し、転写箔と樹脂成型品とを熱圧着した後、剥離可能なプラスチックフイルムを剥離するホットスタンピング加工
(D加工)樹脂成型品を成型する金型のキャビティー内に、転写箔を、転写箔の未硬化接着剤層が、溶融樹脂の射出孔に面するように配置した状態で、金型内に挟み込み、当該金型内に溶融樹脂を射出し樹脂成型品の成型と同時に転写箔を密着させた後、剥離可能なプラスチックフイルムを剥離するインモールド成型加工
前記(A工程)、(B工程)、(C工程)、(D工程)の各工程によって得られた1次積層体に、照射する紫外線の照射量は、基材や被着層の種類により、紫外線が基材や被着層に吸収、反射されてしまう為に変化する為、基材や被着層に紫外線が吸収、反射されることを考慮して、確実に未硬化接着剤層に紫外線が500mJ/cm以上照射されるように、紫外線を照射する必要がある。
紫外線の照射量が500mJ/cmよりも少ないと未硬化接着剤層が完全硬化せず、未硬化の状態となり、所望の耐アルコール性を得ることができない場合がある為、好ましくない。
このようにして得た本発明の耐アルコール性積層体は、耐アルコール性試験後も、接着剤層がアルコールに溶解、膨潤等することなく、樹脂成型品(基材)から機能フイルム、または機能層(被着層)、および本発明の耐アルコール性接着剤層が、剥離・欠落することがない強い密着力を維持しており、耐アルコール性を必要とする用途で使用可能となる。
以上の通り、基材上に、接着剤層、および被着層が順次積層されている積層体の、接着剤層を、少なくとも熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂とからなり、かつ完全硬化している本発明の耐アルコール性接着剤層とすれば、基材上に、本発明の耐アルコール性接着剤層、および被着層が順次積層された、本発明の耐アルコール性積層体となり、耐アルコール性試験後も、該接着剤層がアルコールに溶解、膨潤等することなく、該試験前後で、基材と被着層との密着力が低下することがなく、耐アルコール性を必要とする用途で使用可能なものとなる。
さらに前記耐アルコール性接着剤層にシランカップリング剤を添加すればなお好ましく、熱可塑性樹脂に、水酸基、カルボキシル基等のシランと反応する官能基を有する熱可塑性樹脂を使用し、さらに添加するシランカップリング剤を、紫外線硬化型樹脂と反応するシランカップリング剤とすれば万全である。
<接着剤の作成>
比較例1
熱可塑性樹脂として水酸基を有するポリプロピレン系樹脂(三井化学株式会社製:ユニストールP−801)16重量部と、アクリル系紫外線硬化型樹脂として、(大日精化工業社製:セイカビーム EXF−TR100)4.44重量部を混合した接着剤を作成した。(ポリプロピレン系樹脂とアクリル系紫外線硬化型樹脂の重量比は7.8:2.2)
実施例1
比較例1で得た接着剤に、シランカップリング剤として、紫外線硬化型樹脂と反応するシランカップリング剤である、ビニルトリメトキシラン(東レ・ダウコーニング社製 SZ−6300)3.33重量部(ポリプロピレン系樹脂とアクリル系紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して16.3%)を混合した接着剤を作成した。
比較例2
熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂(三井化学株式会社製:ユニストールP−801)のみからなる接着剤を作成した。
<転写箔の作成>
比較例3
メラミン系樹脂をグラビアコート法でコーティングし厚さ0.8μmのメラミン樹脂層を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に積層した剥離可能なプラスチックフイルムを得た。
次に、該剥離可能なプラスチックフイルムのメラミン樹脂層上に、アクリル系紫外硬化型樹脂をリバースコート法でコーティングし厚さ5μmのハードコート層、ハードコート性の低下を防ぐ目的でウレタン系樹脂をグラビアコート法でコーティングし厚さ2μmのプライマー層、および比較例1で得た接着剤をリバースコート法でコーティングし厚さ1.5μmの未硬化接着剤層を順次積層して比較例3の転写箔を得た。
実施例2
比較例3で使用した比較例1で得た接着剤にかえて、実施例1で得た接着剤を使用したこと以外は比較例3と同様にして、実施例2の本発明の転写箔を作成した。
比較例4
比較例3で使用した比較例1で得た接着剤にかえて、比較例2で得た接着剤を使用したこと以外は比較例3と同様にして、比較例4の転写箔を作成した。
<積層フイルムの作成>
比較例5
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、アクリル系紫外硬化型樹脂をリバースコート法でコーティングし厚さ5μmのハードコート層を積層し、もう一方の面に、比較例1で得た接着剤をリバースコート法でコーティングし厚さ1.5μmの未硬化接着剤層を積層し、比較例5の積層フイルムを作成した。
実施例3
比較例5で使用した比較例1で得た接着剤にかえて、実施例1で得た接着剤を使用したこと以外は比較例5と同様にして、実施例3の本発明の積層フイルムを作成した。
比較例6
比較例5で使用した比較例1で得た接着剤にかえて、比較例2で得た接着剤を使用したこと以外は比較例5と同様にして、比較例6の積層フイルムを作成した。
<積層体の作成>
比較例7
比較例3で得た転写箔を使用して、以下(1)および(2)の工程を順に行い、比較例7の積層体を得た。
(1)比較例3で得た転写箔を転写箔の未硬化接着剤層が、溶融樹脂の射出孔に面するように成型機の成型金型内に配置し、前記金型を締めて金型内に挟み込んだ後、射出孔から溶融状態のポリプロピレン系樹脂を射出して、ポリプロピレン系樹脂と転写箔とが融着した成型品を得た。
(2)前記成型品を冷却後、転写箔の剥離可能なプラスチックフイルムを剥離して、ポリプロピレン樹脂上に未硬化接着剤層、プライマー層、およびハードコート層が順次積層された1次積層体を作成し、1次積層体に1000mJ/cmの紫外線を照射して、未硬化接着剤層を完全硬化させた。
[実施例4]
比較例7の(1)工程で使用した比較例3で得た転写箔にかえて、実施例2で得た本発明の転写箔を使用したこと以外は比較例7と同様にして、実施例4の本発明の耐アルコール性積層体を得た。
比較例8
比較例5で得た積層フイルムを使用して、以下(1)および(2)の工程を順に行い、比較例8の積層体を得た。
(1)比較例5得た積層フイルムを、積層フイルムの未硬化接着剤層が、溶融樹脂の射出孔に面するように成型機の成型金型内に配置し、前記金型を締めて金型内に挟み込んだ後、射出孔から溶融状態のポリプロピレン系樹脂を射出して、ポリプロピレン系樹脂と本発明の積層フイルムとが融着した成型体を得た。
(2)前記成型体を冷却後、積層体に1000mJ/cmの紫外線を照射して、未硬化接着剤層を完全硬化させた。
[実施例5]
比較例8の(1)工程で使用した比較例5で得た積層フイルムにかえて、実施例3で得た本発明の積層フイルムを使用したこと以外は比較例8と同様にして、実施例5の本発明の耐アルコール性積層体を得た。
比較例9
比較例7の(1)工程で使用した比較例3で得た転写箔にかえて、比較例4で得た転写箔を使用したこと以外は比較例7と同様にして、比較例9の積層体を作成した。
比較例10
比較例8の(1)工程で使用した比較例5で得た積層フイルムにかえて、比較例6で得た積層フイルムを使用したこと以外は比較例8と同様にして、比較例10の積層体を作成した。
<耐アルコール性試験>
(試験方法)
実施例4、および実施例5で得た本発明の耐アルコール性積層体、および比較例7〜10で得た積層体をそれぞれアルコールに24時間浸漬させた前後で基材と被着層との密着力をJIS K 5600−5−6法(付着性―クロスカット法・100マス)に準拠して測定した。
(密着力評価)
前記試験実施後、被着層が全く剥がれていないものを◎、被着層が1〜4マス剥がれているものを○、被着層が5マス以上剥がれているものを×とした。
(外観評価)
それぞれの積層体の外観を、アルコールに24時間浸漬前後で目視にて観察し、アルコール浸漬前後で積層体の外観に全く変化の無いものを◎、アルコール浸漬後の外観が、アルコール浸漬前の外観と比較して、極僅かに変化が見受けられるものを○、アルコール浸漬後の外観が、アルコール浸漬前の外観と比較して、大きく変化が見受けられるものを×とした。
(試験結果)
表1に示す。
Figure 0005517264

Claims (9)

  1. 基材上に、接着剤層、及び被着層が順次積層されている積層体に使用する接着剤層であって、接着剤層が、下記(A)〜(D)の条件をすべて満足することを特徴とする耐アルコール性接着剤層。
    (A)接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂、及びシランカップリング剤からなる層である
    (B)熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比が、9:1〜5:5である
    (C)シランカップリング剤の添加量が、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%である
    (D)完全硬化している
  2. 被着層である、少なくともプラスチックフイルムを含む機能フイルムの片面に、接着剤層が積層されている積層フイルムであって、接着剤層が下記(A)〜(D)の条件をすべて満足することを特徴とする特徴とする積層フイルム。
    (A)接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂、及びシランカップリング剤からなる層である
    (B)熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比が、9:1〜5:5である
    (C)シランカップリング剤の添加量が、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%である
    (D)完全硬化していない
  3. 前記機能フイルムが、プラスチックフイルムの片面もしくは両面に、少なくとも機能層が積層されている機能フイルムである、請求項2記載の積層フイルム。
  4. 機能層が、着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる層であり、かつプラスチックフイルムの全面もしく部分的に積層されている層である、請求項3記載の積層フイルム。
  5. 剥離可能なプラスチックフイルム上に、被着層である機能層、及び接着剤層が順次積層されている転写箔であって接着剤層が下記(A)〜(D)の条件をすべて満足することを特徴とする特徴とする転写箔。
    (A)接着剤層が、少なくとも熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂、及びシランカップリング剤からなる層である
    (B)熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の重量比が、9:1〜5:5である
    (C)シランカップリング剤の添加量が、熱可塑性樹脂と紫外線硬化型樹脂の合計重量に対して、5〜20重量%である
    (D)完全硬化していない
  6. 機能層が、着色層、印刷層、金属薄膜層、ハードコート層のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる層であり、かつ剥離可能なプラスチックフイルムの全面もしくは部分的に積層されている層である、請求項5記載の転写箔。
  7. 基材上に、接着剤層、及び被着層が順次積層されている積層体であって、接着剤層が、請求項1記載の耐アルコール性接着剤層であることを特徴とする耐アルコール性積層体。
  8. 基材上に、請求項2〜4のいずれか1項記載の積層フイルムを、積層フイルムの接着剤層が基材表面と接するようにして接着することにより、基材上に、接着剤層、及び被着層である機能フイルムが順次積層されている積層体であり、かつ接着剤層が、完全硬化していることを特徴とする耐アルコール性積層体。
  9. 基材上に、請求項5または請求項6記載の転写箔を、転写箔の接着剤層が基材表面と接するようにして接着させた後、プラスチックフイルムを剥離することにより、基材上に、接着剤層、及び被着層である機能層が順次積層されている積層体であり、かつ接着剤層が、完全硬化していることを特徴とする耐アルコール性積層体。
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