JP5514674B2 - 導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル - Google Patents

導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネルに関し、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネルに関する。
一般に、静電容量方式のタッチパネルは、人間の指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて指先の位置を検出する位置入力装置であるが、この静電容量方式のタッチパネルとしては、表面型と投影型とがある。表面型は、構造が簡便ではあるが、同時に2点以上の接触(マルチタッチ)を検知することができない。一方、投影型は、例えば液晶表示装置の画素構成のように、多数の電極がマトリクス状に配列して構成され、より具体的には、垂直方向に並ぶ複数の電極が直列に接続された複数の第1電極群が水平方向に配列され、水平方向に並ぶ複数の電極が直列に接続された複数の第2電極群が垂直方向に配列されて構成され、複数の第1電極群及び複数の第2電極群で容量変化を順次検出していくことで、マルチタッチが検出できる構成となっている。この投影型静電容量方式のタッチパネルの先行技術として例えば特許文献1の記載の静電容量型入力装置が挙げられる。
更に投影型静電容量方式のタッチパネルの別の先行技術として例えば特許文献2記載のタッチスイッチが挙げられる。このタッチスイッチは、特許文献2の図7(a)に示すように、基板の一面において、第1電極(14b)同士の間に形成された第1補助線(24b)と、特許文献2の図7(b)に示すように、基板の他面において、第2電極(16b)同士の間に形成された第2補助線(26b)とを備え、第1電極の導体線、第1補助線、第2電極の導体線、第2補助線によって線の間隔が均等な複数の格子形状が形成されるようになっている。
特開2008−310551号公報 国際公開第2010/013679号
しかしながら、特許文献1に記載の静電容量型入力装置は、基体の一主面に第1電極群及び第2電極群を形成するようにしているため、第1電極群と第2電極群との短絡防止を目的とした隙間を形成しなければならず、指先の位置の検知精度が劣るという問題がある。また、第1電極群と第2電極群とが交差する部分(交差部)が短絡しないように、例えば第1電極群を構成する電極の接続部上に絶縁層を介して第2電極群を構成する電極の接続部を形成するようにしており、その結果、各交差部が局部的に厚く形成されてしまい、タッチパネル面を見たときに、各交差部が斑点(黒い斑点)として表示され、視認性が著しく劣化するという問題もある。しかも、絶縁層並びに絶縁層上に接続部を形成するためのマスクパターンが必要になることから、製造工程が複雑になり、製造コストが高価格化するという問題がある。更に、電極は絶縁層を挟む2つの電極膜により構成され、コンタクトホールなどにより短絡用の電極膜を設ける必要があり生産性に問題がある。
そこで、上述した特許文献2のように透明基板の一主面に第1電極群を形成し、透明基板の他主面に第2電極群を形成することが考えられる。
しかし、特許文献2においては、基板の一面に第1電極及び第1補助線を形成し、基板の他面に第2電極及び第2補助線を形成する場合、製造ばらつき(成膜ばらつき)によって、格子形状が均一にならなくなり、わずかなずれがあっても、第1補助線と第2電極の直線部分とが重なったり、第2補助線と第2電極の直線部分と重なったりすることとなる。そうすると、直線部分同士が重なった部分の幅が大きくなり(線太り)、これにより、第1電極や第2電極の位置が目立ってしまい、視認性が劣化するという問題が生じる。
また、電極群の構成材料としては、文献上は導電性インク用いた印刷方法が知られて入るものの、実用的にはITO(酸化インジウムスズの薄膜)が使用されている。小型ディスプレイ(携帯などの5インチ以下のもの)ではITOでも問題ないが、ITOは電気抵抗が高い(数10オーム/□)ために、適用サイズが大きくなるにつれて、電極間の電流の伝達速度が遅くなり、応答速度(指先を接触してからその位置を検出するまでの時間)が遅くなるという問題がある。特に中型以上のディスプレイ(15インチ以上、特に20インチ以上)に使用すると検出感度が不十分であった。そのため、ITOを厚膜化して電気抵抗を低下させることも考えられるが、厚膜化した場合には、黄色味を感じたり、透過率及び視認性が低下したり、製造工程の歩留まりが低下するために製造コストが大きくなったり、する問題がある。
そこで、本発明は、電気抵抗の小さい細線パターンを導線として、それに所定の大きさの静電容量感知部を設けることで、視認性の低下を必要最低限に抑え、中型以上のディスプレイに適用できる透明導電膜を提供することを目的とする。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート及び導電シートの使用方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができるタッチパネルを提供することを目的とする。
<1>
透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その面積が400〜6400μm 2 であり、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は開口していないことを特徴とする導電シート。
<2>
前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする<1>の導電シート。
<3>
前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の導電シート。
<4>
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れかであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電シート。
<5>
前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の導電シート。
<6>
透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その外形の面積が10000〜500000μm 2 であり、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は前記第一及び第二の細線パターンの細線部に、大きさの異なる複数の相似形を入れ子状に形成した形状を有することを特徴とする導電シート。
<7>
前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする<6>に記載の導電シート。
<8>
前記第一及び第二の静電容量感知部は、入れ子の内側の相似形ほど線幅が広く、外側に行くほど線幅が狭いことを特徴とする<6>又は<7>に記載の導電シート。
<9>
前記第一及び第二の細線導電性パターンの厚みは1〜10μmであることを特徴とする<6>〜<8>のいずれか1項に記載の導電シート。
<10>
大きさの異なる複数の相似形の入れ子の形状は、円形、正方形、菱形、楕円形、長方形、多角形の何れかであることを特徴とする<6>〜<9>のいずれか1項に記載の導電シート。
<11>
前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする<6>〜<10>のいずれか1項に記載の導電シート。
<12>
上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成し、第二の透明基板上に第二導電部を形成した後、第一の透明基板の導電部が形成されていない面と第二導電部を張り合わせて形成したことを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1項に記載の導電シート。
<13>
上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成した後に、第一の透明基板の導電部が形成されていない面に第二導電部を形成したことを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1項に記載の導電シート。
<14>
上記導電シートの第一及び第二導電部の透明基板と接していない面の少なくとも1面に保護層が設けられていることを特徴とする<12>又は<13>に記載の導電シート。
<15>
<1>〜<14>のいずれか1項に記載の導電シートを備えた静電容量式タッチパネル。
本発明は、上記<1>〜<15>に関するものであるが、その他の事項(たとえば下記〔1〕〜〔39〕に記載した事項など)についても参考のために記載した。
〔1〕透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は開口していないことを特徴とする導電シート。
〔2〕前記第一及び第二導電部の前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部の線幅aは1〜15μmであることを特徴とする〔1〕に記載の導電シート。
〔3〕前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmであることを特徴とする〔2〕に記載の導電シート。
〔4〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有し、その面積が400〜6400μm2であることを特徴とする〔3〕に記載の導電シート。
〔5〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分としてITO又は導電性繊維を含有し、その面積が400〜18000μm2であることを特徴とする〔3〕に記載の導電シート。
〔6〕前記第一及び第二静電容量感知部の厚みは、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部の厚みと略同じ厚みであることを特徴とする[4]又は〔5〕に記載の導電シート。
〔7〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に200〜1500μmごとに配置されていることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔8〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れかであることであることを特徴とする〔7〕に記載の導電シート。
〔9〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形又は円形であることを特徴とする〔8〕に記載の導電シート。
〔10〕前記第一及び第二導電部の前記第一及び第二細線導電性パターンが波状であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔11〕前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、それぞれの第一細線導電性パターンは、200〜1500μmの距離を隔てて配置され、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、それぞれの第二細線導電性パターンは、200〜1500μmの距離を隔てて配置されていることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔12〕前記導電シートを第一導電部側から透視したときに、前記第一及び第二の細線導電性パターンは、略四角形を形成しその四角形のそれぞれの一辺の中央部に静電容量感知部が形成されていることを特徴とする〔11〕に記載の導電シート。
〔13〕前記第一導電部の隣接する第一細線導電性パターン間の距離と、前記第二導電部の隣接する第二細線導電性パターン間の距離とは、異なっていてもよいことを特徴とする〔11〕又は〔12〕に記載の導電シート。
〔14〕前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする〔11〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔15〕前記第一導電部のX電極を形成する複数の第一細線導電性パターンは、第一細線導電性パターンをつなぐ連結線を有し、前記第二導電部のY電極を形成する複数の第二細線導電性パターンは、第二細線導電性パターンをつなぐ連結線を有していることを特徴とする〔14〕に記載の導電シート。
〔16〕透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は、開口部を有することを特徴とする導電シート。
〔17〕項16に記載する前記第一及び第二の細線導電性パターンの細線部の線幅aは1〜15μmであり、かつ前記第一及び第二の細線導電性パターンの厚みは1〜10μmであることを特徴とする導電シート。
〔18〕項16に記載する前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有し、その外形の面積が10000〜500000μm2であることを特徴とする導電シート。
〔19〕項16に記載する前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分としてITO又は導電性繊維を含有し、その外形の面積が10000〜500000μm2であることを特徴とする導電シート。
〔20〕項18又は19に記載の前記第一及び第二静電容量感知部の厚みは、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部の厚みと略同じ厚みであることを特徴とする導電シート。
〔21〕項16〜20のいずれか1項に記載の、前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に300〜1500μmごとに配置されていることを特徴とする導電シート。
〔22〕項16〜21のいずれか1項に記載の、前記第一及び第二の静電容量感知部は、複数の開口を有する形状であることを特徴とする導電シート。
〔23〕項22に記載の前記第一及び第二の静電容量感知部は、前記第一及び第二の細線パターンの細線部に、大きさの異なる複数の相似形を入れ子状に形成したものであることを特徴とする導電シート。
〔24〕項23に記載の、大きさの異なる複数の相似形の入れ子の形状は、円形、正方形、菱形、楕円形、長方形、多角形の何れかであることを特徴とする導電シート。
〔25〕項24に記載の大きさの異なる複数の相似形を入れ子の形状は、菱形又は円形であることを特徴とする導電シート。
〔26〕項24又は25に記載の入れ子状の相似形状は、中心部の相似形ほど線幅が広く、外側の相似形ほど線幅が細いことを特徴とする導電シート。
〔27〕項24又は25に記載の入れ子状の相似形状は、中心部の相似形は開口しておらず、中心部以外の相似形は開口しており、かつ外側の相似形ほど線幅が細いことを特徴とする導電シート。
〔28〕項16〜27のいずれか1項に記載の前記第一及び第二細線導電性パターンが波状であることを特徴とする導電シート。
〔29〕項16〜28のいずれか1項に記載の前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、それぞれの第一細線導電性パターンは、300〜1500μmの距離を隔てて配置され、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、それぞれの第二細線導電性パターンは、300〜1500μmの距離を隔てて配置されていることを特徴とする導電シート。
〔30〕項29に記載の前記導電シートを第一導電部側から透視したときに、前記第一及び第二の細線導電性パターンは、略四角形を形成しその四角形のそれぞれの一辺の中央部に静電容量感知部が形成されていることを特徴とする導電シート。
〔31〕項29又は30に記載の前記第一導電部の隣接する第一細線導電性パターン間の距離と、前記第二導電部の隣接する第二細線導電性パターン間の距離とは、異なっていてもよいことを特徴とする導電シート。
〔32〕項29〜31のいずれか1項に記載の前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする導電シート。
〔33〕項32に記載の前記第一導電部のX電極を形成する複数の第一細線導電性パターンは、第一細線導電性パターンをつなぐ連結線を有し、前記第二導電部のY電極を形成する複数の第二細線導電性パターンは、第二細線導電性パターンをつなぐ連結線を有していることを特徴とする導電シート。
〔34〕透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は微細メッシュの構造であることを特徴とする導電シート。
〔35〕項1〜35のいずれか1項に記載の導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成し、第二の透明基板上に第二導電部を形成した後、第一の透明基板の導電部が形成されていない面と第二導電部を張り合わせて形成したことを特徴とする導電シート。
〔36〕項1〜35のいずれか1項に記載の導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成した後に、第一の透明基板の導電部が形成されていない面に第二導電部を形成したことを特徴とする導電シート。
〔37〕項35又は36に記載の導電シートの第一及び第二導電部の透明基板と接していない面の少なくとも1面に保護層が設けられていることを特徴とする導電シート。
〔38〕項35〜37のいずれか1項に記載の導電シートを備えた静電容量式タッチパネル。
〔39〕項38に記載の静電容量式タッチパネルを備えた画像表示装置であって、前記第一及び第二導電部の前記第一及び第二の静電容量感知部は画像表示装置の表示部の画素の略中心部に配置することを特徴とする画像表示装置。
以上説明したように、本発明に係る導電シート及び導電シートの使用方法によれば、透明基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適となる。
また、本発明に係るタッチパネルは、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる。
特に、本発明に係る銀塩方式の導電膜又は印刷方式の導電膜を用いた場合、静電容量検出部の電気抵抗を小さくすることが可能であるので、ITOを用いた静電容量検出部のダイヤモンドパターンのように大きなパターンを用いる必要がなくなる。
また、検出位置がシャープな波形で検出できるので、複雑なアルゴリズムで位置補正をする必要がなくなる。特に、第2の本発明の導電シートのように、静電容量検出部を相似形の入れ子で構成しかつ中心付近の格子の線幅を大きくすると、中心付近の位置検出能が大きくなるので、複雑なアルゴリズムでの位置補正をなくすことが出来る。
(a)本発明の導電シートの断面図である。(b)本発明の別の導電シートの断面図である。 本発明の第一導電部の平面図である。 本発明の第二導電部の平面図である。 図1aの導電シートを第一導電部12A側から透視したときの細線パターンを示す平面図である。 (a)図2cの透視図を簡略化した正方格子状のパターンを示す。(b)図2cの透視図を簡略化した長方格子状のパターンを示す。 図3の正方格子状パターンのバリエーションを示す。 図3の正方格子状パターンの別のバリエーションを示す。 X電極パターンの例示。但し、細線パターンの静電容量感知部の表示は省略している。 Y電極パターンの例示。但し、細線パターンの静電容量感知部の表示は省略している。 相似形の入れ子状の静電容量感知部(正方形)の部分透視図。 相似形の入れ子状の静電容量感知部(菱形)の部分透視図。 相似形の入れ子状の静電容量感知部(円形)の部分透視図。 図7の静電容量感知部の正方形の線幅を変更した図の例示。 図8の静電容量感知部の菱形の線幅を変更した図の例示。 図9の静電容量感知部の円の線幅を変更した図の例示。 メッシュ状の静電容量感知部(正方菱形メッシュ)の部分透視図。 図6に対しダミー電極と電極引き出し線接続部を追加した図。 図6に対しダミー電極と電極引き出し線接続部を追加した図。
以下、本発明に係る導電シート、導電シートの使用方法及びタッチパネルの実施の形態例を図1〜図14を参照しながら説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
〔第一の本発明〕
第一の本発明に係る導電シート(以下、導電シート10と記す)は、図1(a)に示すように、透明基体11の一方の主面に設けられた第一導電部12Aと、前記透明基体(基板ともいう)11の他方の主面に設けられた第二導電部12Bとからなる。
上記の、第二の第一導電部12A及び12Bは、図1(b)に示すように、別々の透明基体に設けられた後に積層されていても良い。
図2(a)は、前記第一導電部12Aを説明する図であり、第一導電部は、それぞれ第一の方向(X方向ともいう)に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターン(図2(a)の13Ai)を有し、図2(b)は、前記第二導電部12Bを説明する図であり、第二導電部は、それぞれ第三の方向(Y方向ともいう)に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターン(図2(b)の13Bj)を有している。
前記第一細線導電性パターン13Aは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Aとその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部15Aとを有しており、
前記第二細線導電性パターン13Bは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Bと該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部15Bとを有している。第一の本発明に係る導電シートの感知部15A、15Bは開口のない形状(ベタともいう)である。
前記第一及び第二の細線導電性パターン13A及び13Bは略線状であり、かつその細線部の線幅は、第一及び第二の細線導電性パターン13A及び13Bが異なる線幅であっても良いが、通常は同じ線幅であり、その細線部の線幅aは、0.1〜25μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜15μmが更に好ましく、1〜10μmが特に好ましいが、20インチ以上の大画面に用いる場合は、3〜15μmが特に好ましい。
更に前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
上記の線幅と厚みがそれぞれの下限値未満であると、細線部の電気抵抗が上昇するため、信号処理に時間を要したり検出不良になる可能性が高くなる。他方、それぞれの上記上限値を超えると、開口率が低下するため画面が暗くなったり、電極が視認されやすくなるためである。
また前記第一及び第二の静電容量感知部の面積は、15Aと15Bで異なっていても良いが通常は同じ大きさである。感知部面積は、感知部を構成する材料によっても異なり、銀を80質量%以上含有する材料の場合は、400〜6400μm2が好ましく、ITOなどの光透過性のある材料の場合は、400〜18000μm2が好ましい。感知部面積が上記の下限値未満であるとタッチしたときの検出感度が低下し、上限値を超えると感知部が視認されやすくなり画面が見にくくなる。なお、透視したときに隣接する第一及び第二の静電容量感知部間に隙間ができることがある。この隙間をできるだけ少なくし、また均一な視認性を確保するために、第一及び第二の静電容量感知部と電気的に離間してダミーパターンを設けても良い。
図2cは、図1(a)の導電シートを第一導電部12A側から透視したときの導電性細線パターンを示す平面図であり、前記第一細線導電性パターン13Aと前記第二細線導電性パターン13Bとは交差して配置されている。図2cでは交差角度がほぼ90度であるが、画像表示装置の画素との対応付けなどの必要により90度以外の角度であっても良い。なお、本発明においては、上記「交差」という用語や、「直交」、「垂直」との用語は、これらの用語の一般的な意味を有するが、交差、直交又は垂直とされる要素は異なる面にあるため実際には交差してはいない。また、用語「交点」も透視した仮想上の交点である。また、図2cのDは、前記第一細線導電性パターン13Aiと前記第二細線導電性パターン13Bjが形成する仮想上の格子をあらわしている。
図2cは、図2aの第一導電部の第一の方向(X方向)と図2bの第二導電部の第三の方向(Y方向)とを直交するように配置したため、仮想的な格子は正方格子となっているが、本発明においては図3(a)に略記したような正方格子である必要はなく、図4に示したように、一方のパターンがジグザグパターンであってもよく、両方のパターンがジグザグパターンであっても良く(図示せず)、波状であっても良い。
更には、図5に示したように、13Aの細線の隣り合う細線同士が平行関係ではなく、13Bの細線の隣り合う細線同士も平行関係ではなく、形成される格子の形状は正方形からずれた形状であっても良い。更には菱形格子や、長方形格子であっても良い。正方形状からのズレや、傾きの形成により、電極格子と画像表示部の画素形成部の格子による光干渉や、電極格子そのものの干渉によるモアレなどのムラが防止できる。
次に前記本発明の導電シートをタッチパネルとして利用するための形態について説明する。
前記本発明の導電シートをタッチパネルに利用するために第一導電部から引き出された複数の電極(X電極という)及び第二導電部から引き出された複数の電極(Y電極という)を信号処理部に接続できるようにする。
信号処理部に接続されるX電極、Y電極のピッチは、指によるタッチの有無を感知する静電容量型タッチパネルでは、4〜9mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。ピッチが、上記下限値未満であると、検出時の1電極あたりの静電容量が減るため、検出不良となる可能性があり、他方、上記上限値を超えると、タッチされる電極が少なくなるため位置の検出精度が低下する虞がある。
図6a及び図6bは、第一及び第二導電部のそれぞれの細線導電性パターンと電極との関係を示し、それぞれのX,Y電極は複数の細線導電性パターンを連結している。図6a、6bでは、それぞれ5本の第一細線導電性パターン13A、13Bを連結しているがこれは単なる例示である。電極に連結する細線導電性パターンの数は、迅速なタッチの検出と精度のために、タッチ面積に占める感知部の面積を増やすという要求と、画面の明るさ、クリアーな視認性の要求とを勘案して決定することが出来る。
感知部15A、15Bが開口のない形状(ベタともいう)である第一の本発明に係る導電シートでは、細線導電性パターンのピッチはX、Y電極ともに200〜1000μmであることが好ましく、300〜600μmであることが更に好ましい。電極への連結数は、3〜50本が好ましく、5〜35本であることが更に好ましい。電極の引き出し部は、図14でLa、Lbで例示したように両端部に設け、導電シートの製造時に導電性パターンの抵抗値の確認に用いてもよい。
上記X、Y電極の電極間ピッチ、細線導電性パターン(13A、13B)のピッチは、X、Y電極で同じでもよいが、本発明のタッチパネルを備える画像表示装置の画素の縦横比やピッチに対応できるように、X、Y電極のピッチや、交差角度、仮想格子の形状で調整することが好ましい。
更に、細線導電性パターンの予期せぬ断線による静電容量感知能力の低下に備えるために、電極内の細線を適宜連結する連結線(図6a、6bで20A、20Bで表示)を形成しても良い。連結線の線幅、厚みは細線と同じでも異なっていてもよい。
更に、細線導電性パターン間の寄生容量により位置検出精度が低下することを防止するため、タッチ感知用の電極には結合しない細線導電性パターンDX、DY(図14)を形成しておいても良い。DX、DYは接地されていても良いし、電極を形成後に抵抗値測定用に用いてもよい。
次に、第一の本発明の導電シートにおける前記第一及び第二の静電容量感知部について説明する。
第一の本発明の静電容量検出部の形状は正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れであっても良く、略正方形、略円形が好ましい。図2では例として正方形の静電容量感知部を記載した。
上記の本発明の静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に所定間隔で形成されている。上記の静電容量感知部は通常は、図3(a)に示したように仮想上の格子の一辺の中央部に配置されるように形成され、感知部間の距離は、200〜1500μmであることが好ましく、300〜600μmであることが更に好ましい。感知する静電容量を増やす場合には、図3(b)に示したように仮想上の格子の一辺の中央部付近に複数個の感知部を配置することができる。
上記の本発明の静電容量感知部は、その面積が400〜18000μm2であることが好ましい。400μm2に満たない場合は、静電容量が減るため検出不能となる可能性があり、18000μm2を超えると視認されるおそれが生ずる。
上記の本発明の静電容量感知部を含む細線導電性パターンの構成成分としては、銀を80質量%以上含有する材料、若しくはITO又は導電性繊維を含有する材料を用いて形成することができる。特に銀を80質量%以上含有する材料は導電性が高いため、ITOより小面積で所望の感知部を形成でき、その面積を400〜6400μm2、更に好ましくは625〜3600μm2とすることができる。
〔第二の本発明〕
第二の本発明に係る導電シート(以下、導電シート10と記す)は、図1(a)に示すように、透明基体11の一方の主面に設けられた第一導電部12Aと、前記透明基体11の他方の主面に設けられた第二導電部12Bとからなる。
上記の、第二の第一導電部12A及び12Bは、図1(b)に示すように、別々の透明基体に設けられた後に積層されていても良い。
図2aは、前記第一導電部12Aを説明する図であり、第一導電部は、それぞれ第一の方向(X方向ともいう)に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターン(図2aの13Ai)を有し、図2bは、前記第二導電部12Bを説明する図であり、第二導電部は、それぞれ第三の方向(Y方向ともいう)に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターン(図2bの13Bj)を有している。
前記第一細線導電性パターン13Aは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Aとその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部15Aとを有しており、
前記第二細線導電性パターン13Bは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Bと該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部15Bとを有している。第二の本発明に係る導電シートの感知部15A、15Bは開口部を有する入れ子の形状(簡単に入れ子ともいう)である。入れ子構造については、以下にて図7〜12を用いて説明する。
前記第一及び第二の細線導電性パターン13A及び13Bは略線状であり、かつその細線部の線幅は、第一及び第二の細線導電性パターン13A及び13Bが異なる線幅であっても良いが、通常は同じ線幅であり、その細線部の線幅aは、0.1〜25μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜15μmが更に好ましく、1〜10μmが特に好ましい。
更に前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
上記の線幅と厚みがそれぞれの下限値未満であると、細線部の電気抵抗が上昇するため検出不良になる可能性が高くなる。他方、それぞれの上記上限値を超えると、開口率が低下するため画面が暗くなったり、電極が視認されやすくなる。
また前記第一及び第二の静電容量感知部の面積は、15Aと15Bで異なっていても良いが通常は同じ大きさである。本件の第二発明の静電容量感知部は、開口を有する入れ子状の形状であり、その面積は仮想格子の大きさによるが、外形の面積が10000〜500000μm2の範囲が好ましく、40000〜400000μm2の範囲が更に好ましい。感知部面積が上記の下限値未満であるとタッチしたときの検出感度が低下し、上限値を超えると感知部が視認されやすくなり画面が見にくくなる。
図2cは、図1(a)の導電シートを第一導電部12A側から透視したときの導電性細線パターンを示す平面図であり、前記第一細線導電性パターン13Aと前記第二細線導電性パターン13Bとは交差して配置されている。図2cでは交差角度がほぼ90度であるが、画像表示装置の画素との対応付けなどの必要により90度以外の角度であっても良い。なお、本発明においては、上記「交差」という用語や、「直交」、「垂直」との用語は、これらの用語の一般的な意味を有するが、交差、直交又は垂直とされる要素は異なる面にあるため実際には交差してはいない。また、用語「交点」も透視した仮想上の交点である。また、図2cのDは、前記第一細線導電性パターン13Aiと前記第二細線導電性パターン13Bjが形成する仮想上の格子を表している。
図2cは、図2aの第一導電部の第一の方向(X方向)と図2bの第二導電部の第三の方向(Y方向)とを直交するように配置したため、仮想的な格子は正方格子となっているが、本発明においては図3(a)に略記したような正方格子である必要はなく、図4に示したように、一方のパターンがジグザグパターンであってもよく、両方のパターンがジグザグパターンであっても良く(図示せず)、波状であっても良い。
更には、図5に示したように、13Aの細線の隣り合う細線同士が平行関係ではなく、13Bの細線の隣り合う細線同士も平行関係ではなく、形成される格子の形状は正方形からずれた形状であっても良い。更には菱形格子や、長方形格子であっても良い。正方形状からのズレや、傾きの形成により、電極格子と画像表示部の画素形成部の格子による光干渉や、電極格子そのものの干渉によるモアレなどのムラが防止できる。
次に前記本発明の導電シートをタッチパネルとして利用するための形態について説明する。
前記本発明の導電シートをタッチパネルに利用するために第一導電部から引き出された複数の電極(X電極という)及び第二導電部から引き出された複数の電極(Y電極という)を信号処理部に接続できるようにする。
信号処理部に接続されるX電極、Y電極のピッチは、指によるタッチの有無を感知する静電容量型タッチパネルでは、4〜9mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。ピッチが、上記下限値未満であると、検出時の1電極あたりの静電容量が減るため、検出不良となる可能性があり、他方、上記上限値を超えると、タッチされる電極が少なくなるため位置の検出精度が低下する虞がある。
図6a及び図6bは、第一及び第二導電部のそれぞれの細線導電性パターンと電極との関係を示し、それぞれのX,Y電極は複数の細線導電性パターンを連結している。図6a、6bでは、それぞれ5本の第一細線導電性パターン13A、13Bを連結しているがこれは単なる例示である。電極に連結する細線導電性パターンの数は、迅速なタッチの検出と精度のために、タッチ面積に占める感知部の面積を増やすという要求と、画面の明るさ、クリアーな視認性の要求とを勘案して決定することが出来る。
感知部15A、15Bが開口部を有する入れ子の形状(入れ子ともいう)である第二の本発明に係る導電シートでは、細線導電性パターンのピッチはX、Y電極ともに200〜2000μmであることが好ましく、300〜1500μmであることが更に好ましい。電極への連結数は、3〜30本が好ましく、4〜20本であることが更に好ましい。感知部15A、15Bは開口部を有する入れ子の形状であり、開口率が50%以上であることが好ましい。
上記X、Y電極の電極間ピッチ、細線導電性パターン(13A、13B)のピッチは、X、Y電極で同じでもよいが、本発明のタッチパネルを備える画像表示装置の画素の縦横比やピッチに対応できるように、X、Y電極のピッチや、交差角度、仮想格子の形状で調整することが好ましい。
更に、細線導電性パターンの予期せぬ断線による静電容量感知能力の低下に備えるために、電極内の細線を適宜連結する連結線(図6a、6bで20A、20Bで表示)を形成しても良い。連結線の線幅、厚みは細線と同じでも異なっていてもよい。
更に、細線導電性パターン間の寄生容量により位置検出制度が低下することを防止するため、電極には結合しない細線導電性パターンDX、DY(図14a、図14b)を形成しておいても良い。DX、DYは接地されていても良いし、電極を形成後に抵抗値測定用に用いてもよい。
次に、第二の本発明の導電シートにおける前記第一及び第二の静電容量感知部について詳しく説明する。
第二の本発明の静電容量検出部の形状は正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形が入れ子状となった形態であり、これらの形状の何れであっても良く、略正方形の入れ子、略菱形の入れ子、略円形の入れ子の形状が好ましい。図7、8、9はそれぞれ、正方形の入れ子、菱形の入れ子、円形の入れ子の静電容量感知部を例示した。図7、8、9では、それぞれ大小4個の相似形が入れ子となっている状態を示し、それぞれの相似形は、2点で細線部(導線)と連結している。入れ子を導線とは別の連結線で結んでもよい。
入れ子となる相似形状の個数は2〜10個が好ましく、3〜6個がより好ましい。また、それぞれの相似形状の線幅は、同じでも良く、細線部と同じ線幅であっても良い。更に、入れ子の内側の相似形ほど線幅が広く、外側に行くほど線幅が狭い形態とすることがより好ましい。このような形状とすることで感知部の中心ほど感知能力を高くすることができる。更に、入れ子の最も内側の相似形を開口のない形状とし、その外側は開口した相似形とし外側に行くほど線幅が狭い形態とすることが更に好ましく、このような大小4個の相似形を持つ正方形、菱形、円形の感知部を図10、11及び12に例示した。更に詳細に図10を例に説明すると、図10では4つの正方形が入れ子になっており、最中心の正方形15A1は開口しておらず、15A1の外側に位置する次に大きい正方形15A2の線幅は、細線パターンの細線部の線幅の3倍の線幅であり、次に大きい正方形15A3の線幅は、細線パターンの細線部の線幅の2倍の線幅であり、最も大きい正方形15A4の線幅は、細線パターンの細線部の線幅と同じ線幅である。このような構造とすることにより、静電容量感知部の中心付近の位置感知能が大きくなるので、複雑なアルゴリズムで感知位置の補正をする必要がなくなる。
上記の本発明の静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に所定間隔で形成されている。上記の静電容量感知部は通常は、図3(a)に示したように仮想上の格子の一辺の中央部に配置されるように形成され、感知部間の距離は、200〜2000μmであることが好ましく、300〜1500μmであることが更に好ましい。
上記の本発明の静電容量感知部の面積は、図7〜図12の透視図で、格子の2辺を構成する細線パターン13Aと13Bの静電容量検出部が重なり合わない限り制約はない。但し、相似形状のうちの最も大きい線幅は、線の視認を避けるためには、60μm以下とすることが好ましく、40μm以下とすることがより好ましい。
上記の本発明の静電容量感知部は、その外形の面積が10000〜500000μm2であることが好ましい。10000μm2に満たない場合は、静電容量が減るため検出不能となる可能性があり、500000μm2を超えると視認されるおそれが生ずる。ここで“その外形”とは、本発明の入れ子で最外殻の入れ子の外辺が形成する形の面積である。たとえば、正方形の入れ子で最外殻が内辺長が200μm、外辺長が220μm(即ち導電部の幅が10μm)の入れ子の場合は、48400μm2である。
上記の本発明の静電容量感知部を含む細線導電性パターンの構成成分としては、銀を80質量%以上含有する材料、若しくはITO又は導電性繊維を含有する材料を用いて形成することができる。特に銀を80質量%以上含有する材料は導電性が高いため、ITOより小面積で所望の感知部を形成できる。
〔第三の本発明〕
第三の本発明に係る導電シート(以下、導電シート10と記す)は、図1(a)に示すように、透明基体11の一方の主面に設けられた第一導電部12Aと、前記透明基体11の他方の主面に設けられた第二導電部12Bとからなる。
上記の、第二の第一導電部12A及び12Bは、図1(b)に示すように、別々の透明基体に設けられた後に積層されていても良い。
図2aは、前記第一導電部12Aを説明する図であり、第一導電部は、それぞれ第一の方向(X方向ともいう)に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターン(図2aの13Ai)を有し、図2bは、前記第二導電部12Bを説明する図であり、第二導電部は、それぞれ第三の方向(Y方向ともいう)に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターン(図2bの13Bj)を有している。
前記第一細線導電性パターン13Aは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Aとその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部15Aとを有しており、
前記第二細線導電性パターン13Bは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Bと該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部15Bとを有している。第三の本発明に係る導電シートの感知部15A、15Bは微細メッシュの構造である。
前記第一及び第二の細線導電性パターン13A及び13Bの形状、線幅、厚み、前記第一及び第二のメッシュ状の静電容量感知部の形状は、第二の本発明の菱形の入れ子の記載に準ずることができる。
次に前記本発明の導電シートをタッチパネルとして利用するための形態について説明する。
前記本発明の導電シートをタッチパネルに利用するために第一導電部から引き出された複数の電極(X電極という)及び第二導電部から引き出された複数の電極(Y電極という)を信号処理部に接続できるようにする。
信号処理部に接続されるX電極、Y電極のピッチは、指によるタッチの有無を感知する静電容量型タッチパネルでは、4〜9mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。ピッチが、上記下限値未満であると、検出時の電極の静電容量が減るため、検出不良になる可能性が高くなる。他方、上記上限値を超えると、位置検出精度が低下する虞がある。
図6a及び図6bは、第一及び第二導電部のそれぞれの細線導電性パターンと電極との関係を示し、それぞれのX,Y電極は複数の細線導電性パターンを連結している。図6a、6bでは、それぞれ5本の第一細線導電性パターン13A、13Bを連結しているがこれは単なる例示である。連結する細線導電性パターンの数は、迅速なタッチの検出と精度のために、タッチ面積に占める感知部の面積を増やすとの要求と、画面の明るさ、クリアーな視認性の要求とから決定することが出来る。
感知部15A、15Bが開口部を有するメッシュ状である第三の本発明に係る導電シートでは、細線導電性パターンのピッチはX、Y電極ともに200〜2000μmであることが好ましく、300〜1500μmであることが更に好ましい。電極への連結数は、3〜30本が好ましく、4〜20本であることが更に好ましい。感知部15A、15Bは開口率が50%以上であるメッシュ状であることが好ましい。
上記X、Y電極の電極間ピッチ、細線導電性パターン(13A、13B)のピッチは、X、Y電極で同じでもよいが、本発明のタッチパネルを備える画像表示装置の画素の縦横比やピッチに対応できるように、X、Y電極で調整することが好ましい。
更に、細線導電性パターンの予期せぬ断線による静電容量感知能力の低下に備えるために、電極内の細線を適宜連結する連結線(図6a、6bで20A、20Bで表示)を形成しても良い。連結線の線幅、厚みは細線と同じであることが好ましい。
更に、細線導電性パターン間の寄生容量により位置検出制度が低下することを防止するため、電極には結合しない細線導電性パターン(図示せず)を形成しておいても良い。
次に、第三の本発明の導電シートにおける前記第一及び第二の静電容量感知部について説明する。
第三の本発明の静電容量感知部の外形は正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形であり、これらの外形の内部が開口したメッシュ状となっている構造である。これらの外形は前記外形の何れであっても良く、略正方形、略菱形、略円形の外形が好ましい。図13には正方菱形の外形を有し内部が小さな正方菱形のメッシュである静電容量感知部を例示した。メッシュの外形を形作る細線の対向する2つの頂点が導線である細線導電性パターンの細線部と結合している。
メッシュを形成する細線は、導線である細線導電性パターンの細線部の幅と同程度の幅を有することが好ましく、50μmを超えない範囲で、中心部から外形が細くなる態様であることが更に好ましい。
上記の本発明の静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に所定間隔で形成されている。上記の静電容量感知部は通常は、図13に示したように仮想上の格子の一辺の中央部に配置されるように形成され、感知部間の距離は、200〜2000μmであることが好ましく、300〜1500μmであることが更に好ましい。
メッシュを形成する細線は、導線である細線導電性パターンの細線部の幅と同程度の幅とすることができる。
メッシュを形成する細線は均等な線幅で形成する必要はなく、メッシュの中心部ほど広幅で、外形部ほど細くなる形態であるとより好ましい。このような構造とすることにより、静電容量感知部の中心付近の位置感知能が大きくなるので、複雑なアルゴリズムで感知位置の補正をする必要がなくなる。具体的には、メッシュの中心部の線幅は50μmを超えない範囲とし、外形部は導線である細線導電性パターンの細線部の幅と同程度の幅とすることができる。
上記の本発明の静電容量感知部の外形が占める面積は、図13の透視図で、格子の2辺を構成する細線導電性パターン13Aと13Bの静電容量検出部が重なり合わない限り制約はない。
上記の本発明の静電容量感知部は、その外形面積が10000〜500000μm2であることが好ましい。10000μm2に満たない場合は、静電容量が減るため検出不能となる可能性があり、500000μm2を超えると視認されるおそれが生ずる。
上記メッシュ状の静電容量感知部のメッシュは、図13では5の2乗個のメッシュを例示したが、上記で示した外形面積、開口率、細線の幅の制約を満たす限り、4〜900個の範囲で外形の形状に適合する任意の個数で形成することができる。
上記の本発明の静電容量感知部を含む細線導電性パターンの構成成分としては、銀を80質量%以上含有する材料、若しくはITO又は導電性繊維を含有する材料を用いて形成することができる。特に銀を80質量%以上含有する材料は導電性が高いため、ITOより小面積で所望の感知部を形成できる。
〔タッチパネル、画像表示装置〕
次に、第一の本発明から第三の本発明に記載の導電シートを用いた静電容量式タッチパネルについて説明する。
本発明に係る静電容量式タッチパネルは、上述した第一から第三の本発明に係る導電シートのいずれかの導電シートを有し、これらの導電シートは、前記透明基体の一方の主面に形成されている多数の前記第一の細線パターンの隣接する数本が連結されて信号処理部に通じるX電極端子を形成し、前記透明基体の他方の主面に形成されている多数の前記第二の細線パターンの隣接する数本が連結されて信号処理部に通じるY電極端子を形成している。
上記本発明の導電シートは、図1(a)に例示されているように、透明基板11の2つの面上に、第一導電部12Aと第二導電部12Bとが形成された導電シートであってもよいし、図1bに例示されているように、第一の透明基板11A上に第一導電部12Aが形成、第二の透明基板11B上に第二導電部12Bが形成され、図1(b)のように2つの部材を張り合わせた導電シートであってもよい。
上記導電シートは、図1(a)及び図1(b)の第一導電部12A、図1(b)の第二導電部12B隣接して保護膜を有することが好ましい。更に、タッチ面には、操作者が画面を認識しやすくするために反射防止層を設けたり、タッチ面の傷や汚れを防ぐためのハードコート層や防汚層を設けると更にこのましい。このようにして形成された本発明の導電シート10はタッチパネルのパネル部として利用され、タッチパネルは携帯電話、パソコン、テレビなどの各種の画像表示装置に用いられる。
タッチパネルを上記の画像表示装置に重ねた場合に、画面にモアレが発生し、画像の視認性を阻害する場合がある。特に画像表示装置の画素とタッチパネルの細線パターンとが平行であると起きやすい。そのため、本発明の導電シートの細線パターンの延在方向と表示装置の画素の整列方向とは傾きを持たせ平行関係としないように配置されることが好ましい。たとえば、図6a及び図6bのX電極、Y電極の延在方向を、表示装置の画素パターンの方向に対し45度とすることができる。
モアレは、導電シート自体でも発生することがあり、この防止のためには、図4又は図5のように細線パターンを平行としないことにより防止できる。
本発明に係る静電容量式タッチパネルを備えた画像表示装置では、上述した本発明に係る導電シート前記第一及び第二の静電容量感知部は画像表示装置の表示部の画素の略中心部に配置することが好ましい。画像表示装置の表示部の画素の縦横方向のピッチは縦方向と横方向で異なっている場合が多く、静電容量感知部を画素の略中心部に配置するためには、上記X電極とY電極の静電容量感知部のピッチを画素パターンにあわせてX電極とY電極とで異なるピッチとする、あるいはX電極とY電極の延在方向の交差角度を適宜調整する、などの方法を用いることができる。
次に、導電シート10を製造する方法について説明する。
導電シート10を製造する方法としては、例えば、第1透明基体11A及び第2透明基体11B上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層をそれぞれ設けた感光材料をパターン露光し、現像処理を施すことによって、露光部及び未露光部にそれぞれ金属銀部及び光透過性部を形成して図6aのX電極パターン及び図6bのY電極パターンを形成するようにしてもよい。なお、更に金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって金属銀部に導電性金属を担持させるようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体11A及び第2透明基体11B上に銅箔層、フォトレジスト膜をこの順にそれぞれ形成し、形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、図6のX、Y電極パターンを形成するようにしてもよい。銅箔の代わりに、金などの金属の箔、あるいはITOなどの透明酸化物の膜を用いてもよい。
あるいは、第1透明基体11A及び第2透明基体11B上にそれぞれ金属微粒子や、導電性繊維を含むペーストを図6のパターン印刷し、X、Y電極パターンを形成するようにしてもよい。更に、このX、Y電極パターンに金属めっきを行ってもよい。印刷には、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法が用いられる。
前記導電性繊維の構造としては、中実構造及び中空構造のいずれでもよい。ここで、中実構造の繊維をワイヤーと呼ぶことがあり、中空構造の繊維をチューブと呼ぶことがある。平均短軸長さが5nm〜1,000nmであって、平均長軸長さが1μm〜100μmの導電性繊維を「ナノワイヤー」と呼ぶことがある。また、平均短軸長さが1nm〜1,000nm、平均長軸長さが0.1μm〜1,000μmであって、中空構造を持つ導電性繊維を「ナノチューブ」と呼ぶことがある。
前記導電性繊維の材料としては、導電性を有していれば、特に制限はなく、金属及びカーボンの少なくともいずれかであることが好ましく、これらの中でも、前記導電性繊維は、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、及びカーボンナノチューブの少なくともいずれかであることが好ましい。
<<金属ナノワイヤー>>
−材料−
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
−金属−
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀、及び銀との合金が好ましい。
−平均短軸長さ径及び平均長軸長さ−
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、100nm以下が好ましく、1nm〜50nmがより好ましく、10nm〜40nmが更に好ましく、15nm〜35nmが特に好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、2μm以上であることが好ましく、2μm〜40μmであることがより好ましく、3μm〜35μmが更に好ましく、5μm〜30μmが特に好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸長さとした。
導電性繊維を用いて導電層を形成する場合には、例えば、特開2009-215594、特開2009-242880、特開2009-299162、特開2010-84173、特開2010-87105、特開2010-86714に開示の技術を組み合わせて形成することができる。
次に、本実施の形態に係る導電シート10の製造方法について、特に好ましい態様であるハロゲン化銀写真感光材料を用いる導電パターンの製造方法を中心にして述べる。
本実施の形態に係る導電シート10の製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
ここで、本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの各層の構成について、以下に詳細に説明する。
[第1透明基体11A、第2透明基体11B]
第1透明基体11A及び第2透明基体11Bとしては、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
第1透明基体11A及び第2透明基体11Bとしては、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。第1タッチパネル用導電シート10Aや第2タッチパネル用導電シート
10Bに使用される第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのような透明導電性フィルムは透明性が要求されるため、第1透明基体11A及び第2透明基体11Bの透明度は高いことが好ましい。
[銀塩乳剤層]
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電層となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1〜30g/m2が好ましく、1〜25g/m2がより好ましく、5〜20g/m2が更に好ましい。塗布銀量を上記範囲とすることで、露光、現像処理後の導電シートが所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態に用いられるバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本実施の形態の銀塩乳剤の塗布層に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩乳剤層16中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比で1/4以上が好ましく、1/2以上がより好ましい。銀/バインダー体積比は、100/1以下が好ましく、50/1以下がより好ましい。また、銀/バインダー体積比は1/1〜4/1であることが更に好ましい。1/1〜3/1であることが最も好ましい。銀塩乳剤層中の銀/バインダー体積比をこの範囲にすることで、塗布銀量を調整した場合でも抵抗値のばらつきを抑制し、均一な表面抵抗を有する第1タッチパネル用導電シート10Aや第2タッチパネル用導電シート10Bを得ることができる。なお、銀/バインダー体積比は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、更に、銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
<溶媒>
銀塩乳剤の塗布層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤の塗布層に用いられる溶媒の含有量は、銀塩乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
<その他の添加剤>
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
[その他の層構成]
銀塩乳剤の塗布層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤の塗布層よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
次に、本発明の導電シート10の作製方法の各工程について説明する。
[露光]
本実施の形態では、図2aの第一導電部12Aのパターン及び図2bの第二導電部12Bのパターンを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第一導電部12Aのパターン及び第二導電部12Bのパターンを露光と現像等によって形成する。すなわち、第一透明基体11A及び第二透明基体11B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料へのパターン露光を行う。パターン露光には、2a,2bあるいは電極接続部を設けた図6a,6bのようなパターンのマスクを通した露光方式や、前記パターンを走査露光による方式で行うことができる。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。更に露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
[現像処理]
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、更に現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、更に好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、更に好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下が更に好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
以上の工程を経て導電シートは得られるが、得られた導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.(□)の範囲にあることが好ましく、1〜10オーム/sq.(□)の範囲にあることがより好ましい。また、現像処理後の導電シートに対しては、更にカレンダー処理を行ってもよく、カレンダー処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
[物理現像及びめっき処理]
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属性銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
[酸化処理]
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
[導電性金属部]
本実施の形態の導電性金属部(導線ともいう)の線幅は、0.1μm以上25μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましく、更に好ましくは1μm以上15μm以下、最も好ましくは1μm以上、10μm以下である。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルに使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネルに使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。
線間隔(ここでは図2a及び2bの細線パターン間のピッチ)はこれまでに記載した通りである。導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
静電容量感知部は、第一の本発明においては開口のない形状(ベタともいう)であり、第二の本発明においては大小の相似形が形成された入れ子状の形状であり、第三の本発明においてはメッシュ状の形状である。入れ子とメッシュは開口部をその外形内に有している。開口部を有する場合、導電部の線幅は、上記導線の線幅と同じであっても良いし、静電容量感知を妨げない範囲で調整することもできる。
本実施の形態における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率(透過率)は85%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、導電部を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形の格子状の開口率は、90%である。
[光透過性部]
本実施の形態における「光透過性部」とは、本発明の導電シートのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分(開口部分とも表現)を意味する。光透過性部における透過率は、透明基体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上であり、更により好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
[本発明の導電シート10(10A、10B)]
本実施の形態に係る導電シート10(10A、10B)における透明基体11(11A、11B)の厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることが更に好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、かつ、取り扱いも容易である。
透明基体11(11A、11B)上に設けられる導線である細線部や感知部を構成する部分(現像された金属銀部であり、導電性金属部ともいう)の厚さは、透明基体11(11A、11B)上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、0.01μm〜0.2mmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることが更に好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。
金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、かつ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。具体的に図1aで説明する。感光材料を利用すると、たとえば12Aの銀塩含有塗料層を緑感光性とすると、緑色光には感光するが赤色光には感光しない層とすることができ、12Bの銀塩含有塗料層を赤感光性とすると、赤色光には感光するが緑色光には感光しない層とすることができる。この原理を利用すると、緑色光で導電しーとに図2aのパターン露光をし、次に赤色光で図2bのパターン露光を施し、その後現像処理を施すと、図2cの透視図の導電パターンを得ることができる。
導電性金属部の厚さは、タッチパネルの用途としては、薄いほど表示パネルの視野角が広がるため好ましく、視認性の向上の点でも薄膜化が要求される。このような観点から、導電部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、上記よりも薄くすることが望ましく、銀塩含有層を利用することにより、下記の範囲を設定することが可能である。9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることが更に好ましい。
本実施の形態では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、更に物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する導電シート10であっても容易に形成することができる。
なお、本実施の形態に係る導電シート10の製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る導電シート10の製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
(現像処理後の硬膜処理)
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
なお、本発明は、下記表1及び表2に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
Figure 0005514674
Figure 0005514674
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中には、K〔RhBr〕及びK〔IrCl〕を、濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNaPdClを添加し、更に塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤を加えて塗布液とした。この塗布液を用いて、銀の塗布量が10g/m2となるように第1透明基体11A及び第2透明基体11B(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布し、図1bの12A、12Bの導電部を形成するための層を設けた。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
上記の塗布に際しては、幅30cmのロールから引き出したPETフィルムの中央部に25cmの塗布幅で20mの長さの塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料(図1bの10A、10Bの導電シートを形成するための感光材料。露光、現像処理を経ていないため導電シートにはなっていないので、導電シートと区別して感光材料10a、10bという)を得た。この感光材料に、以下で述べる方法により導電性パターンを付与し、導電シートを形成する。
(露光)
パターン露光に際して、第1導電シート10Aを作るために第一の本発明の導電パターンを示した図6a(静電容量感知部は省略されている)のパターンのフォトマスクを用い、第2導電シート10Bを作るためには図6bに示すパターンのフォトマスクを用いた。フォトマスクの大きさはA4サイズ(210mm×297mm、297mm×210mm)であり、このフォトマスクを上記で作成した感光材料それぞれに密着させ、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて面露光した。なお、用いたフォトマスクのパターンの詳細は、以下の実施例にて詳述する。
(現像処理)
上記で得られた、図6a、図6bのパターン状に潜像が形成された感光材料10a、10bに、以下の現像処理を施し、導電パターンが形成された導電シート10A及び10Bを作成した。
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いた富士フイルム社製自動現像機(FG−710PTS)を用いて、上記露光済み感材10a及び10bの現像処理を次の処理条件で行った。処理条件は、現像が35℃ 30秒、定着が34℃ 23秒、水洗が流水(5L/分)の20秒処理であった。
上記の処理後、導電パターンが形成された導電シート10A及び10Bを乾燥したのち、図1bに示すように導電シート10AのPET面11Aと、導電シート10Bの導電層12Bとが接するように重ね合わせた。重ね合わせは、導電シート10Aの導電パターンと、導電シート10Bの導電パターンとが上部から透視したときに直交するように設定した。積層した導電シートの仮想的な格子が形成されていない周辺部分を光が透過しない材料で覆い、画像表示装置と重ねられるようにした。なお、電極の端部からは、タッチパネルとしての駆動が可能となるようにリード線が引き出せるようにした。
(実施例1)
実施例1では、第一の本発明の導電パターンである静電容量感知部が開口部を有さない場合(ベタとも称する)について説明する。
(導電シート1−1)
導電シート1−1の積層された導電シート10を作成するために用いたフォトマスクは、導電シート10を上部から透視したときの仮想的な格子の形状が300μm×300μmの正方格子であり、その正方格子の各辺の中央部に正方形で面積が2025μm2(45μm×45μm)の静電容量感知部が設置され、静電容量感知部を除く辺の細線部(導線部とも言う)の線幅は10μmであり、電極のピッチは6mmとなるように設計されている。
(導電シート1−2〜1−27)
上記導電シート1−1に対し、導電シート1−2〜1−7は細線部(導線部とも言う)の線幅を表3のように変更し、導電シート1−8〜1−13は静電容量感知部面積を表3のように変更し、導電シート1−14〜1−17は仮想的格子の辺長を表3のように変更し、導電シート1−18、19は導電シート1−5,6に対し静電容量感知部面積を表3のように変更し、導電シート1−20〜1−23は導電シート1−17に対し静電容量感知部面積を表3のように変更し、導電シート1−24、25は導電シート1−1に対し電極のピッチを表3のように変更し、導電シート1−26、27は静電容量感知部の形状を円形と菱形に変更したものである。
導電シート1−1〜1−27について下記の項目について評価し、その結果を表3に記載した。なお、タッチ感知の評価は、パネルサイズが8〜10型用の市販のタッチパネル用センサーICで、X電極、Y電極本数が20本以上のもの(Synaptics社 電極ライン数26×22)を利用し、上記導電シートを接続して簡易実験装置を作成して評価した。
(タッチ感知の再現性)
導電シートの同一位置に50回連続タッチし、タッチ感知が再現良く検知されるかどうかを評価した。この評価を場所をかえて10ヶ所で実施した
×評価 複数の場所で一回以上検知しないことがある。
△評価 測定を10ヶ所以上としたときに検知しないことがある。
○評価 安定して検出する。
◎評価 回数を100回以上としても安定
(タッチ感知の位置検出精度)
上記の連続タッチの際に、表示される位置にばらつきがあるかどうかで評価した。
×評価 ばらつきが認められる。
○評価 安定して検知されている。
(明るさの評価)
導電シートの透過率を分光光度計で測定した。透過率は550nmでの値で評価した。
×評価 透過率が85%未満で画面が暗く見える。
△評価 透過率が85%以上、90%未満で気にならない明るさ。
○評価 透過率が90%以上で明るい。
◎評価 透過率が94%以上で十分に明るい。
(視認性)
画面の見易さで評価。パターンの一部が感知される極端な場合から、形状の認識はされないが画面にザラツキを感じる場合までを含む。
×評価 画像以外の形状が認識される。又は画面にザラツキ感又は線太り感がある。
△評価 見る方向によりザラツキ又は線太り感を感じることがある。
○評価 画面が均一に見える。
Figure 0005514674
上記表3の導電シート1−12、1−22、及び1−23は「参考例」である。
上記表3の結果から、本件の第一の発明においては、以下の点がわかった。
導電シート1−5及6の細線導電性パターンの細線部(導線)の線幅は、20μmを超えると画面が暗いことが問題であることがわかった。更に細線部(導線)の線幅が1μm未満である導電シート1−7では、タッチ感知の再現性に問題が発生する可能性のあることがわかった。
導電シート1−8〜13の結果から、静電容量感知部の面積は、625μm未満となるとタッチ感知の精度に乏しくなり、3600μmを超えると画面が暗い問題を発生することがわかった。
更に、導電シート1−9〜12、22、23の結果から、正方形の静電容量感知部の辺長が70μmを超えると画面にざらつきを感じることがあり、100μmを超えると確実にザラツキを感じることがわかった。
また、電極のピッチを12mmとした導電シート1−25では、タッチ位置の特定が不安定となることもわかった。
導電シート1−22は画面にざらつき感があり、導電シート1−14、18及び19はタッチ検出しないことがあり、導電シート1−25では同一位置のタッチを繰り返すと2点以上の位置を検出することが時にみられた。
導電シート1−1、26、27の結果の比較から、静電容量感知部の面積が同一面積であればその形状が正方形でも、円形でも菱形でも性能上の大きな差の無いこともわかった。
更に、静電容量感知部を開口のないベタの導電部とする第一の発明では、導電シート1−17〜23の結果から、上記のように静電容量感知部の辺長には制約があり、そのため仮想格子の辺長を大きくするとタッチ検知精度が劣ることもわかった。
(実施例2)
実施例2では、第二の本発明の導電パターンである静電容量感知部が開口部を有し、入れ子である場合とメッシュである場合とについて説明する。
(導電シート2−1)
導電シート2−1の積層された導電シート10を作成するために用いたフォトマスクは、導電シート10を上部から透視したときの仮想的な格子の形状が1000μm×1000μmの正方格子であり、その正方格子の各辺の中央部に、4つの正方形が入れ子状(最内部に外形が40μm×40μm、その外側に外形が100μm×100μm、その外側に160μm×160μm、最外側に220μm×220μmの正方形で、それぞれの辺の幅が10μmの入れ子)の静電容量感知部が設置され、静電容量感知部を除く辺の細線部(導線部とも言う)の線幅は10μmであり、電極のピッチは6mmとなるように設計されている。
(導電シート2−2〜2−13)
上記導電シート2−1に対し、導電シート2−2は入れ子を5個に変更した場合を、導電シート2−3、2−4は2−2に対し入れ子の大きさを変更した場合を、導電シート2−5は2−3の最も内側の入れ子をベタとすると共に、各入れ子の幅を外側ほど狭くした場合である。
導電シート2−6〜2−8は、導電シート2−3〜2−5の正方形の入れ子を45°回転し菱形とした場合である。
導電シート2−9〜2−11は、導電シート2−3〜2−5の正方形の入れ子を円形の入れ子に変更した場合である。
導電シート2−12は静電容量感知部が410μm×410μmの外形であり、線幅10μmで16枡に区切られているメッシュ状のばあいである。
導電シート2−13は、導電シート2−12のメッシュ状の静電容量感知部を45°回転させて菱形の静電容量感知部とした場合である。
Figure 0005514674
上記表4の導電シート2−12、及び2−13は「参考例」である。
表4では第一の本発明の導電シート1−1を記載したが、第二の本発明の態様は静電容量感知部が開口部を有するため、シートの明るさとタッチ感知の精度向上を図ることができる。但し、静電容量感知部の大きさについては、仮想的格子を1000μm×1000μmの正方格子としたとき、導電シート2−4、2−7、2−10で比較した場合、2−4の正方形の入れ子はXY軸での重なりを生じるため、好ましくなく、菱形、円形の入れ子が好ましい。
また、入れ子構造の静電容量感知部は、内側の入れ子ほど線幅を広くし、外側を薄くすることにより画面の明るさを確保することができる利点のあることも確認された。
また、メッシュ状の静電容量感知部を設けることにより、タッチ感知の精度を向上させることが知られているが、構造的にはより単純な菱形の入れ子により同等の感知精度と明るさを達成できることもわかった。
(実施例3)
液晶表示装置などの画像表示装置に用いるタッチパネルに求められる性能として、画面の明るさを保持するためにタッチパネルの透過率は85%以上が必要とされている。また、電極の抵抗値は画面が大きくなるに従いタッチ位置検出のための駆動負荷も大きくなるため、画面のサイズに大きく依存する。即ち、8インチ型以下のパネルに用いる場合には、現在常用されているITO膜などの100Ω/□程度のシート抵抗値で問題ないが、32インチ型では10Ω/□程度が必要であり、42インチ型では5Ω/□以下が必要とされている。
実施例3では、本件で用いた材料とITOを用いて、大画面化する場合の適性について検討した。
本発明のハロゲン化銀感光材料を用いた導電シートのシート抵抗値(表面抵抗)は、種々変更が可能であるため、導電材料が一様なメッシュ状の導電シートをモデルとして作成し、そのシート抵抗値(表面抵抗)を測定した。
実施例3でパターン形成に用いたフォトマスクは、メッシュピッチが300μm、線幅が10μmである。
シート抵抗値(表面抵抗)は、ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所を測定し、その平均値を求めた。
モデル導電シートの透明性の良否を確認するために、その透過率(波長550nm)を分光光度計を用いて測定した。
(実施例3−1)
実施例1のロール状のハロゲン化銀感光材料10a、10bから、10cm×10cmにサンプルを切り出し、上記のモデル導電シート作成用のフォトマスクを介して露光した。この露光済みのサンプルを実施例1と同様に現像処理し、実施例3−1a、bの試料を作成した。この試料のシート抵抗値は2つの試料とも15Ω/□、透過率は93%であった。
(実施例3−2)
実施例3−1の感光材料の銀の塗布量を増加させるとともに、現像液の溶解物理現像性を高めるように添加剤を調整すること意外は実施例3−1と同様にして試料を作成した。更にこの試料にカレンダー処理、ボロハイドレイト(NaBH4)液への浸漬処理を加えてシート抵抗値が1.2Ω/□、透過率が93%の実施例3−2の試料を得た。
(実施例3−3)
実施例3−2でパターン形成用に用いたフォトマスクの線幅を20μmに変更する以外は実施例3−2と同様な処理を施して、実施例3−3の試料を作成した。この試料のシート抵抗値は0.7Ω/□、透過率は88%であった。
(比較例3−1及び2)
実施例1で用いたPETフィルムに、スパッタ法を用いてITO膜を形成した。ITO膜の厚みは、比較例3−1はシート抵抗が100Ω/□となるように調節し、比較例3−2はシート抵抗が20Ω/□となるように調節した。このようにして作成したITO試料の比較例3−1の透過率は88%でほぼ無色、比較例3−2の透過率は78%でやや黄色味を帯びていた。
以上から、実施例3−2、3−3は、32インチ型、42インチ型への適用可能性があるが、比較例の3−2はシート抵抗値が不足、透過率が不足、着色が気になるなどの問題のあることがわかった。
(実施例4)
実施例1で用いたロール状のハロゲン化銀感光材料に、図14a及び図14bのパターンのフォトマスクを用いてパターン露光し、実施例1と同様な現像処理を施し、導電シートa及びbを作成した。このパターンは図6a及びbのパターンのフォトマスクを用いてパターン露光し、実施例1と同様な現像処理を施して作成した導電シートa‘及びb’と比較すると、信号処理部に接続する電極間に電極とは結合していないダミー電極が形成されている点で異なる。導電シートa及びbのダミー電極を接地することにより、各信号処理部に接続する電極に生じる浮遊容量(寄生容量)を減らすことができ、これによりパネルとしたときのRC時定数を減らし、大画面のタッチパネルを形成することが可能となる。
10 導電シート
11 透明基体
12A 第一導電部
12B 第二導電部
13A 第一細線パターン
13B 第二細線パターン
14A 第一細線パターンの細線部
14B 第一細線パターンの細線部
15A 第一細線パターンの第一静電容量感知部
15B 第二細線パターンの第二静電容量感知部
a 第一細線パターン及び第二細線パターンの細線の幅
b 第一細線パターン及び第二細線パターンの静電容量感知部の幅
D 仮想上の単位格子(図2c)
Xi、Yj XY電極をあらわす
DX、DY ダミー電極
La、Lb 電極引き出し線接続部

Claims (15)

  1. 透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
    前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
    前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
    前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
    前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
    前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その面積が400〜6400μm 2 であり、
    前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は開口していないことを特徴とする導電シート。
  2. 前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする請求項1の導電シート。
  3. 前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電シート。
  4. 前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れかであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の導電シート。
  5. 前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電シート。
  6. 透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
    前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
    前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
    前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
    前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
    前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その外形の面積が10000〜500000μm 2 であり、
    前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は前記第一及び第二の細線パターンの細線部に、大きさの異なる複数の相似形を入れ子状に形成した形状を有することを特徴とする導電シート。
  7. 前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする請求項6に記載の導電シート。
  8. 前記第一及び第二の静電容量感知部は、入れ子の内側の相似形ほど線幅が広く、外側に行くほど線幅が狭いことを特徴とする請求項6又は7に記載の導電シート。
  9. 前記第一及び第二の細線導電性パターンの厚みは1〜10μmであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の導電シート。
  10. 大きさの異なる複数の相似形の入れ子の形状は、円形、正方形、菱形、楕円形、長方形、多角形の何れかであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の導電シート。
  11. 前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の導電シート。
  12. 上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成し、第二の透明基板上に第二導電部を形成した後、第一の透明基板の導電部が形成されていない面と第二導電部を張り合わせて形成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電シート。
  13. 上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成した後に、第一の透明基板の導電部が形成されていない面に第二導電部を形成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電シート。
  14. 上記導電シートの第一及び第二導電部の透明基板と接していない面の少なくとも1面に保護層が設けられていることを特徴とする請求項12又は13に記載の導電シート。
  15. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の導電シートを備えた静電容量式タッチパネル。
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