JP5514674B2 - 導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル - Google Patents
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Description
更に投影型静電容量方式のタッチパネルの別の先行技術として例えば特許文献2記載のタッチスイッチが挙げられる。このタッチスイッチは、特許文献2の図7(a)に示すように、基板の一面において、第1電極(14b)同士の間に形成された第1補助線(24b)と、特許文献2の図7(b)に示すように、基板の他面において、第2電極(16b)同士の間に形成された第2補助線(26b)とを備え、第1電極の導体線、第1補助線、第2電極の導体線、第2補助線によって線の間隔が均等な複数の格子形状が形成されるようになっている。
しかし、特許文献2においては、基板の一面に第1電極及び第1補助線を形成し、基板の他面に第2電極及び第2補助線を形成する場合、製造ばらつき(成膜ばらつき)によって、格子形状が均一にならなくなり、わずかなずれがあっても、第1補助線と第2電極の直線部分とが重なったり、第2補助線と第2電極の直線部分と重なったりすることとなる。そうすると、直線部分同士が重なった部分の幅が大きくなり(線太り)、これにより、第1電極や第2電極の位置が目立ってしまい、視認性が劣化するという問題が生じる。
そこで、本発明は、電気抵抗の小さい細線パターンを導線として、それに所定の大きさの静電容量感知部を設けることで、視認性の低下を必要最低限に抑え、中型以上のディスプレイに適用できる透明導電膜を提供することを目的とする。
透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その面積が400〜6400μm 2 であり、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は開口していないことを特徴とする導電シート。
<2>
前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする<1>の導電シート。
<3>
前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の導電シート。
<4>
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れかであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電シート。
<5>
前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の導電シート。
<6>
透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その外形の面積が10000〜500000μm 2 であり、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は前記第一及び第二の細線パターンの細線部に、大きさの異なる複数の相似形を入れ子状に形成した形状を有することを特徴とする導電シート。
<7>
前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする<6>に記載の導電シート。
<8>
前記第一及び第二の静電容量感知部は、入れ子の内側の相似形ほど線幅が広く、外側に行くほど線幅が狭いことを特徴とする<6>又は<7>に記載の導電シート。
<9>
前記第一及び第二の細線導電性パターンの厚みは1〜10μmであることを特徴とする<6>〜<8>のいずれか1項に記載の導電シート。
<10>
大きさの異なる複数の相似形の入れ子の形状は、円形、正方形、菱形、楕円形、長方形、多角形の何れかであることを特徴とする<6>〜<9>のいずれか1項に記載の導電シート。
<11>
前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする<6>〜<10>のいずれか1項に記載の導電シート。
<12>
上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成し、第二の透明基板上に第二導電部を形成した後、第一の透明基板の導電部が形成されていない面と第二導電部を張り合わせて形成したことを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1項に記載の導電シート。
<13>
上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成した後に、第一の透明基板の導電部が形成されていない面に第二導電部を形成したことを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1項に記載の導電シート。
<14>
上記導電シートの第一及び第二導電部の透明基板と接していない面の少なくとも1面に保護層が設けられていることを特徴とする<12>又は<13>に記載の導電シート。
<15>
<1>〜<14>のいずれか1項に記載の導電シートを備えた静電容量式タッチパネル。
本発明は、上記<1>〜<15>に関するものであるが、その他の事項(たとえば下記〔1〕〜〔39〕に記載した事項など)についても参考のために記載した。
〔1〕透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は開口していないことを特徴とする導電シート。
〔3〕前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmであることを特徴とする〔2〕に記載の導電シート。
〔4〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有し、その面積が400〜6400μm2であることを特徴とする〔3〕に記載の導電シート。
〔5〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分としてITO又は導電性繊維を含有し、その面積が400〜18000μm2であることを特徴とする〔3〕に記載の導電シート。
〔6〕前記第一及び第二静電容量感知部の厚みは、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部の厚みと略同じ厚みであることを特徴とする[4]又は〔5〕に記載の導電シート。
〔7〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に200〜1500μmごとに配置されていることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔8〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れかであることであることを特徴とする〔7〕に記載の導電シート。
〔9〕前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形又は円形であることを特徴とする〔8〕に記載の導電シート。
〔10〕前記第一及び第二導電部の前記第一及び第二細線導電性パターンが波状であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔11〕前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、それぞれの第一細線導電性パターンは、200〜1500μmの距離を隔てて配置され、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、それぞれの第二細線導電性パターンは、200〜1500μmの距離を隔てて配置されていることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔12〕前記導電シートを第一導電部側から透視したときに、前記第一及び第二の細線導電性パターンは、略四角形を形成しその四角形のそれぞれの一辺の中央部に静電容量感知部が形成されていることを特徴とする〔11〕に記載の導電シート。
〔13〕前記第一導電部の隣接する第一細線導電性パターン間の距離と、前記第二導電部の隣接する第二細線導電性パターン間の距離とは、異なっていてもよいことを特徴とする〔11〕又は〔12〕に記載の導電シート。
〔14〕前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする〔11〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の導電シート。
〔15〕前記第一導電部のX電極を形成する複数の第一細線導電性パターンは、第一細線導電性パターンをつなぐ連結線を有し、前記第二導電部のY電極を形成する複数の第二細線導電性パターンは、第二細線導電性パターンをつなぐ連結線を有していることを特徴とする〔14〕に記載の導電シート。
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は、開口部を有することを特徴とする導電シート。
〔17〕項16に記載する前記第一及び第二の細線導電性パターンの細線部の線幅aは1〜15μmであり、かつ前記第一及び第二の細線導電性パターンの厚みは1〜10μmであることを特徴とする導電シート。
〔18〕項16に記載する前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有し、その外形の面積が10000〜500000μm2であることを特徴とする導電シート。
〔19〕項16に記載する前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分としてITO又は導電性繊維を含有し、その外形の面積が10000〜500000μm2であることを特徴とする導電シート。
〔20〕項18又は19に記載の前記第一及び第二静電容量感知部の厚みは、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部の厚みと略同じ厚みであることを特徴とする導電シート。
〔21〕項16〜20のいずれか1項に記載の、前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に300〜1500μmごとに配置されていることを特徴とする導電シート。
〔22〕項16〜21のいずれか1項に記載の、前記第一及び第二の静電容量感知部は、複数の開口を有する形状であることを特徴とする導電シート。
〔23〕項22に記載の前記第一及び第二の静電容量感知部は、前記第一及び第二の細線パターンの細線部に、大きさの異なる複数の相似形を入れ子状に形成したものであることを特徴とする導電シート。
〔24〕項23に記載の、大きさの異なる複数の相似形の入れ子の形状は、円形、正方形、菱形、楕円形、長方形、多角形の何れかであることを特徴とする導電シート。
〔25〕項24に記載の大きさの異なる複数の相似形を入れ子の形状は、菱形又は円形であることを特徴とする導電シート。
〔26〕項24又は25に記載の入れ子状の相似形状は、中心部の相似形ほど線幅が広く、外側の相似形ほど線幅が細いことを特徴とする導電シート。
〔27〕項24又は25に記載の入れ子状の相似形状は、中心部の相似形は開口しておらず、中心部以外の相似形は開口しており、かつ外側の相似形ほど線幅が細いことを特徴とする導電シート。
〔28〕項16〜27のいずれか1項に記載の前記第一及び第二細線導電性パターンが波状であることを特徴とする導電シート。
〔29〕項16〜28のいずれか1項に記載の前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、それぞれの第一細線導電性パターンは、300〜1500μmの距離を隔てて配置され、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、それぞれの第二細線導電性パターンは、300〜1500μmの距離を隔てて配置されていることを特徴とする導電シート。
〔30〕項29に記載の前記導電シートを第一導電部側から透視したときに、前記第一及び第二の細線導電性パターンは、略四角形を形成しその四角形のそれぞれの一辺の中央部に静電容量感知部が形成されていることを特徴とする導電シート。
〔31〕項29又は30に記載の前記第一導電部の隣接する第一細線導電性パターン間の距離と、前記第二導電部の隣接する第二細線導電性パターン間の距離とは、異なっていてもよいことを特徴とする導電シート。
〔32〕項29〜31のいずれか1項に記載の前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする導電シート。
〔33〕項32に記載の前記第一導電部のX電極を形成する複数の第一細線導電性パターンは、第一細線導電性パターンをつなぐ連結線を有し、前記第二導電部のY電極を形成する複数の第二細線導電性パターンは、第二細線導電性パターンをつなぐ連結線を有していることを特徴とする導電シート。
〔34〕透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は微細メッシュの構造であることを特徴とする導電シート。
〔35〕項1〜35のいずれか1項に記載の導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成し、第二の透明基板上に第二導電部を形成した後、第一の透明基板の導電部が形成されていない面と第二導電部を張り合わせて形成したことを特徴とする導電シート。
〔36〕項1〜35のいずれか1項に記載の導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成した後に、第一の透明基板の導電部が形成されていない面に第二導電部を形成したことを特徴とする導電シート。
〔37〕項35又は36に記載の導電シートの第一及び第二導電部の透明基板と接していない面の少なくとも1面に保護層が設けられていることを特徴とする導電シート。
〔38〕項35〜37のいずれか1項に記載の導電シートを備えた静電容量式タッチパネル。
〔39〕項38に記載の静電容量式タッチパネルを備えた画像表示装置であって、前記第一及び第二導電部の前記第一及び第二の静電容量感知部は画像表示装置の表示部の画素の略中心部に配置することを特徴とする画像表示装置。
特に、本発明に係る銀塩方式の導電膜又は印刷方式の導電膜を用いた場合、静電容量検出部の電気抵抗を小さくすることが可能であるので、ITOを用いた静電容量検出部のダイヤモンドパターンのように大きなパターンを用いる必要がなくなる。
また、検出位置がシャープな波形で検出できるので、複雑なアルゴリズムで位置補正をする必要がなくなる。特に、第2の本発明の導電シートのように、静電容量検出部を相似形の入れ子で構成しかつ中心付近の格子の線幅を大きくすると、中心付近の位置検出能が大きくなるので、複雑なアルゴリズムでの位置補正をなくすことが出来る。
第一の本発明に係る導電シート(以下、導電シート10と記す)は、図1(a)に示すように、透明基体11の一方の主面に設けられた第一導電部12Aと、前記透明基体(基板ともいう)11の他方の主面に設けられた第二導電部12Bとからなる。
上記の、第二の第一導電部12A及び12Bは、図1(b)に示すように、別々の透明基体に設けられた後に積層されていても良い。
図2(a)は、前記第一導電部12Aを説明する図であり、第一導電部は、それぞれ第一の方向(X方向ともいう)に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターン(図2(a)の13Ai)を有し、図2(b)は、前記第二導電部12Bを説明する図であり、第二導電部は、それぞれ第三の方向(Y方向ともいう)に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターン(図2(b)の13Bj)を有している。
前記第一細線導電性パターン13Aは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Aとその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部15Aとを有しており、
前記第二細線導電性パターン13Bは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Bと該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部15Bとを有している。第一の本発明に係る導電シートの感知部15A、15Bは開口のない形状(ベタともいう)である。
更に前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
上記の線幅と厚みがそれぞれの下限値未満であると、細線部の電気抵抗が上昇するため、信号処理に時間を要したり検出不良になる可能性が高くなる。他方、それぞれの上記上限値を超えると、開口率が低下するため画面が暗くなったり、電極が視認されやすくなるためである。
更には、図5に示したように、13Aの細線の隣り合う細線同士が平行関係ではなく、13Bの細線の隣り合う細線同士も平行関係ではなく、形成される格子の形状は正方形からずれた形状であっても良い。更には菱形格子や、長方形格子であっても良い。正方形状からのズレや、傾きの形成により、電極格子と画像表示部の画素形成部の格子による光干渉や、電極格子そのものの干渉によるモアレなどのムラが防止できる。
前記本発明の導電シートをタッチパネルに利用するために第一導電部から引き出された複数の電極(X電極という)及び第二導電部から引き出された複数の電極(Y電極という)を信号処理部に接続できるようにする。
信号処理部に接続されるX電極、Y電極のピッチは、指によるタッチの有無を感知する静電容量型タッチパネルでは、4〜9mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。ピッチが、上記下限値未満であると、検出時の1電極あたりの静電容量が減るため、検出不良となる可能性があり、他方、上記上限値を超えると、タッチされる電極が少なくなるため位置の検出精度が低下する虞がある。
感知部15A、15Bが開口のない形状(ベタともいう)である第一の本発明に係る導電シートでは、細線導電性パターンのピッチはX、Y電極ともに200〜1000μmであることが好ましく、300〜600μmであることが更に好ましい。電極への連結数は、3〜50本が好ましく、5〜35本であることが更に好ましい。電極の引き出し部は、図14でLa、Lbで例示したように両端部に設け、導電シートの製造時に導電性パターンの抵抗値の確認に用いてもよい。
上記X、Y電極の電極間ピッチ、細線導電性パターン(13A、13B)のピッチは、X、Y電極で同じでもよいが、本発明のタッチパネルを備える画像表示装置の画素の縦横比やピッチに対応できるように、X、Y電極のピッチや、交差角度、仮想格子の形状で調整することが好ましい。
更に、細線導電性パターン間の寄生容量により位置検出精度が低下することを防止するため、タッチ感知用の電極には結合しない細線導電性パターンDX、DY(図14)を形成しておいても良い。DX、DYは接地されていても良いし、電極を形成後に抵抗値測定用に用いてもよい。
第一の本発明の静電容量検出部の形状は正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れであっても良く、略正方形、略円形が好ましい。図2では例として正方形の静電容量感知部を記載した。
上記の本発明の静電容量感知部は、前記第一及び第二細線導電性パターンの細線部に所定間隔で形成されている。上記の静電容量感知部は通常は、図3(a)に示したように仮想上の格子の一辺の中央部に配置されるように形成され、感知部間の距離は、200〜1500μmであることが好ましく、300〜600μmであることが更に好ましい。感知する静電容量を増やす場合には、図3(b)に示したように仮想上の格子の一辺の中央部付近に複数個の感知部を配置することができる。
上記の本発明の静電容量感知部を含む細線導電性パターンの構成成分としては、銀を80質量%以上含有する材料、若しくはITO又は導電性繊維を含有する材料を用いて形成することができる。特に銀を80質量%以上含有する材料は導電性が高いため、ITOより小面積で所望の感知部を形成でき、その面積を400〜6400μm2、更に好ましくは625〜3600μm2とすることができる。
第二の本発明に係る導電シート(以下、導電シート10と記す)は、図1(a)に示すように、透明基体11の一方の主面に設けられた第一導電部12Aと、前記透明基体11の他方の主面に設けられた第二導電部12Bとからなる。
上記の、第二の第一導電部12A及び12Bは、図1(b)に示すように、別々の透明基体に設けられた後に積層されていても良い。
図2aは、前記第一導電部12Aを説明する図であり、第一導電部は、それぞれ第一の方向(X方向ともいう)に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターン(図2aの13Ai)を有し、図2bは、前記第二導電部12Bを説明する図であり、第二導電部は、それぞれ第三の方向(Y方向ともいう)に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターン(図2bの13Bj)を有している。
前記第一細線導電性パターン13Aは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Aとその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部15Aとを有しており、
前記第二細線導電性パターン13Bは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Bと該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部15Bとを有している。第二の本発明に係る導電シートの感知部15A、15Bは開口部を有する入れ子の形状(簡単に入れ子ともいう)である。入れ子構造については、以下にて図7〜12を用いて説明する。
更に前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
上記の線幅と厚みがそれぞれの下限値未満であると、細線部の電気抵抗が上昇するため検出不良になる可能性が高くなる。他方、それぞれの上記上限値を超えると、開口率が低下するため画面が暗くなったり、電極が視認されやすくなる。
更には、図5に示したように、13Aの細線の隣り合う細線同士が平行関係ではなく、13Bの細線の隣り合う細線同士も平行関係ではなく、形成される格子の形状は正方形からずれた形状であっても良い。更には菱形格子や、長方形格子であっても良い。正方形状からのズレや、傾きの形成により、電極格子と画像表示部の画素形成部の格子による光干渉や、電極格子そのものの干渉によるモアレなどのムラが防止できる。
前記本発明の導電シートをタッチパネルに利用するために第一導電部から引き出された複数の電極(X電極という)及び第二導電部から引き出された複数の電極(Y電極という)を信号処理部に接続できるようにする。
信号処理部に接続されるX電極、Y電極のピッチは、指によるタッチの有無を感知する静電容量型タッチパネルでは、4〜9mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。ピッチが、上記下限値未満であると、検出時の1電極あたりの静電容量が減るため、検出不良となる可能性があり、他方、上記上限値を超えると、タッチされる電極が少なくなるため位置の検出精度が低下する虞がある。
感知部15A、15Bが開口部を有する入れ子の形状(入れ子ともいう)である第二の本発明に係る導電シートでは、細線導電性パターンのピッチはX、Y電極ともに200〜2000μmであることが好ましく、300〜1500μmであることが更に好ましい。電極への連結数は、3〜30本が好ましく、4〜20本であることが更に好ましい。感知部15A、15Bは開口部を有する入れ子の形状であり、開口率が50%以上であることが好ましい。
上記X、Y電極の電極間ピッチ、細線導電性パターン(13A、13B)のピッチは、X、Y電極で同じでもよいが、本発明のタッチパネルを備える画像表示装置の画素の縦横比やピッチに対応できるように、X、Y電極のピッチや、交差角度、仮想格子の形状で調整することが好ましい。
更に、細線導電性パターン間の寄生容量により位置検出制度が低下することを防止するため、電極には結合しない細線導電性パターンDX、DY(図14a、図14b)を形成しておいても良い。DX、DYは接地されていても良いし、電極を形成後に抵抗値測定用に用いてもよい。
第二の本発明の静電容量検出部の形状は正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形が入れ子状となった形態であり、これらの形状の何れであっても良く、略正方形の入れ子、略菱形の入れ子、略円形の入れ子の形状が好ましい。図7、8、9はそれぞれ、正方形の入れ子、菱形の入れ子、円形の入れ子の静電容量感知部を例示した。図7、8、9では、それぞれ大小4個の相似形が入れ子となっている状態を示し、それぞれの相似形は、2点で細線部(導線)と連結している。入れ子を導線とは別の連結線で結んでもよい。
上記の本発明の静電容量感知部は、その外形の面積が10000〜500000μm2であることが好ましい。10000μm2に満たない場合は、静電容量が減るため検出不能となる可能性があり、500000μm2を超えると視認されるおそれが生ずる。ここで“その外形”とは、本発明の入れ子で最外殻の入れ子の外辺が形成する形の面積である。たとえば、正方形の入れ子で最外殻が内辺長が200μm、外辺長が220μm(即ち導電部の幅が10μm)の入れ子の場合は、48400μm2である。
上記の本発明の静電容量感知部を含む細線導電性パターンの構成成分としては、銀を80質量%以上含有する材料、若しくはITO又は導電性繊維を含有する材料を用いて形成することができる。特に銀を80質量%以上含有する材料は導電性が高いため、ITOより小面積で所望の感知部を形成できる。
第三の本発明に係る導電シート(以下、導電シート10と記す)は、図1(a)に示すように、透明基体11の一方の主面に設けられた第一導電部12Aと、前記透明基体11の他方の主面に設けられた第二導電部12Bとからなる。
上記の、第二の第一導電部12A及び12Bは、図1(b)に示すように、別々の透明基体に設けられた後に積層されていても良い。
図2aは、前記第一導電部12Aを説明する図であり、第一導電部は、それぞれ第一の方向(X方向ともいう)に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターン(図2aの13Ai)を有し、図2bは、前記第二導電部12Bを説明する図であり、第二導電部は、それぞれ第三の方向(Y方向ともいう)に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターン(図2bの13Bj)を有している。
前記第一細線導電性パターン13Aは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Aとその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部15Aとを有しており、
前記第二細線導電性パターン13Bは、導線の役割を果たす導電性の細線部14Bと該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部15Bとを有している。第三の本発明に係る導電シートの感知部15A、15Bは微細メッシュの構造である。
前記本発明の導電シートをタッチパネルに利用するために第一導電部から引き出された複数の電極(X電極という)及び第二導電部から引き出された複数の電極(Y電極という)を信号処理部に接続できるようにする。
信号処理部に接続されるX電極、Y電極のピッチは、指によるタッチの有無を感知する静電容量型タッチパネルでは、4〜9mmであることが好ましく、5〜7mmであることがより好ましい。ピッチが、上記下限値未満であると、検出時の電極の静電容量が減るため、検出不良になる可能性が高くなる。他方、上記上限値を超えると、位置検出精度が低下する虞がある。
感知部15A、15Bが開口部を有するメッシュ状である第三の本発明に係る導電シートでは、細線導電性パターンのピッチはX、Y電極ともに200〜2000μmであることが好ましく、300〜1500μmであることが更に好ましい。電極への連結数は、3〜30本が好ましく、4〜20本であることが更に好ましい。感知部15A、15Bは開口率が50%以上であるメッシュ状であることが好ましい。
上記X、Y電極の電極間ピッチ、細線導電性パターン(13A、13B)のピッチは、X、Y電極で同じでもよいが、本発明のタッチパネルを備える画像表示装置の画素の縦横比やピッチに対応できるように、X、Y電極で調整することが好ましい。
更に、細線導電性パターン間の寄生容量により位置検出制度が低下することを防止するため、電極には結合しない細線導電性パターン(図示せず)を形成しておいても良い。
第三の本発明の静電容量感知部の外形は正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形であり、これらの外形の内部が開口したメッシュ状となっている構造である。これらの外形は前記外形の何れであっても良く、略正方形、略菱形、略円形の外形が好ましい。図13には正方菱形の外形を有し内部が小さな正方菱形のメッシュである静電容量感知部を例示した。メッシュの外形を形作る細線の対向する2つの頂点が導線である細線導電性パターンの細線部と結合している。
メッシュを形成する細線は、導線である細線導電性パターンの細線部の幅と同程度の幅を有することが好ましく、50μmを超えない範囲で、中心部から外形が細くなる態様であることが更に好ましい。
メッシュを形成する細線は均等な線幅で形成する必要はなく、メッシュの中心部ほど広幅で、外形部ほど細くなる形態であるとより好ましい。このような構造とすることにより、静電容量感知部の中心付近の位置感知能が大きくなるので、複雑なアルゴリズムで感知位置の補正をする必要がなくなる。具体的には、メッシュの中心部の線幅は50μmを超えない範囲とし、外形部は導線である細線導電性パターンの細線部の幅と同程度の幅とすることができる。
上記の本発明の静電容量感知部は、その外形面積が10000〜500000μm2であることが好ましい。10000μm2に満たない場合は、静電容量が減るため検出不能となる可能性があり、500000μm2を超えると視認されるおそれが生ずる。
次に、第一の本発明から第三の本発明に記載の導電シートを用いた静電容量式タッチパネルについて説明する。
本発明に係る静電容量式タッチパネルは、上述した第一から第三の本発明に係る導電シートのいずれかの導電シートを有し、これらの導電シートは、前記透明基体の一方の主面に形成されている多数の前記第一の細線パターンの隣接する数本が連結されて信号処理部に通じるX電極端子を形成し、前記透明基体の他方の主面に形成されている多数の前記第二の細線パターンの隣接する数本が連結されて信号処理部に通じるY電極端子を形成している。
導電シート10を製造する方法としては、例えば、第1透明基体11A及び第2透明基体11B上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層をそれぞれ設けた感光材料をパターン露光し、現像処理を施すことによって、露光部及び未露光部にそれぞれ金属銀部及び光透過性部を形成して図6aのX電極パターン及び図6bのY電極パターンを形成するようにしてもよい。なお、更に金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって金属銀部に導電性金属を担持させるようにしてもよい。
前記導電性繊維の材料としては、導電性を有していれば、特に制限はなく、金属及びカーボンの少なくともいずれかであることが好ましく、これらの中でも、前記導電性繊維は、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、及びカーボンナノチューブの少なくともいずれかであることが好ましい。
−材料−
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀、及び銀との合金が好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、100nm以下が好ましく、1nm〜50nmがより好ましく、10nm〜40nmが更に好ましく、15nm〜35nmが特に好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、2μm以上であることが好ましく、2μm〜40μmであることがより好ましく、3μm〜35μmが更に好ましく、5μm〜30μmが特に好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸長さとした。
導電性繊維を用いて導電層を形成する場合には、例えば、特開2009-215594、特開2009-242880、特開2009-299162、特開2010-84173、特開2010-87105、特開2010-86714に開示の技術を組み合わせて形成することができる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
第1透明基体11A及び第2透明基体11Bとしては、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
10Bに使用される第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのような透明導電性フィルムは透明性が要求されるため、第1透明基体11A及び第2透明基体11Bの透明度は高いことが好ましい。
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電層となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
銀塩乳剤の塗布層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
銀塩乳剤の塗布層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤の塗布層よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
本実施の形態では、図2aの第一導電部12Aのパターン及び図2bの第二導電部12Bのパターンを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第一導電部12Aのパターン及び第二導電部12Bのパターンを露光と現像等によって形成する。すなわち、第一透明基体11A及び第二透明基体11B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料へのパターン露光を行う。パターン露光には、2a,2bあるいは電極接続部を設けた図6a,6bのようなパターンのマスクを通した露光方式や、前記パターンを走査露光による方式で行うことができる。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。更に露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、更に現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属性銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
本実施の形態の導電性金属部(導線ともいう)の線幅は、0.1μm以上25μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましく、更に好ましくは1μm以上15μm以下、最も好ましくは1μm以上、10μm以下である。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルに使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネルに使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。
線間隔(ここでは図2a及び2bの細線パターン間のピッチ)はこれまでに記載した通りである。導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
静電容量感知部は、第一の本発明においては開口のない形状(ベタともいう)であり、第二の本発明においては大小の相似形が形成された入れ子状の形状であり、第三の本発明においてはメッシュ状の形状である。入れ子とメッシュは開口部をその外形内に有している。開口部を有する場合、導電部の線幅は、上記導線の線幅と同じであっても良いし、静電容量感知を妨げない範囲で調整することもできる。
本実施の形態における「光透過性部」とは、本発明の導電シートのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分(開口部分とも表現)を意味する。光透過性部における透過率は、透明基体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上であり、更により好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
本実施の形態に係る導電シート10(10A、10B)における透明基体11(11A、11B)の厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることが更に好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、かつ、取り扱いも容易である。
金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、かつ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。具体的に図1aで説明する。感光材料を利用すると、たとえば12Aの銀塩含有塗料層を緑感光性とすると、緑色光には感光するが赤色光には感光しない層とすることができ、12Bの銀塩含有塗料層を赤感光性とすると、赤色光には感光するが緑色光には感光しない層とすることができる。この原理を利用すると、緑色光で導電しーとに図2aのパターン露光をし、次に赤色光で図2bのパターン露光を施し、その後現像処理を施すと、図2cの透視図の導電パターンを得ることができる。
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
パターン露光に際して、第1導電シート10Aを作るために第一の本発明の導電パターンを示した図6a(静電容量感知部は省略されている)のパターンのフォトマスクを用い、第2導電シート10Bを作るためには図6bに示すパターンのフォトマスクを用いた。フォトマスクの大きさはA4サイズ(210mm×297mm、297mm×210mm)であり、このフォトマスクを上記で作成した感光材料それぞれに密着させ、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて面露光した。なお、用いたフォトマスクのパターンの詳細は、以下の実施例にて詳述する。
上記で得られた、図6a、図6bのパターン状に潜像が形成された感光材料10a、10bに、以下の現像処理を施し、導電パターンが形成された導電シート10A及び10Bを作成した。
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記の処理後、導電パターンが形成された導電シート10A及び10Bを乾燥したのち、図1bに示すように導電シート10AのPET面11Aと、導電シート10Bの導電層12Bとが接するように重ね合わせた。重ね合わせは、導電シート10Aの導電パターンと、導電シート10Bの導電パターンとが上部から透視したときに直交するように設定した。積層した導電シートの仮想的な格子が形成されていない周辺部分を光が透過しない材料で覆い、画像表示装置と重ねられるようにした。なお、電極の端部からは、タッチパネルとしての駆動が可能となるようにリード線が引き出せるようにした。
実施例1では、第一の本発明の導電パターンである静電容量感知部が開口部を有さない場合(ベタとも称する)について説明する。
(導電シート1−1)
導電シート1−1の積層された導電シート10を作成するために用いたフォトマスクは、導電シート10を上部から透視したときの仮想的な格子の形状が300μm×300μmの正方格子であり、その正方格子の各辺の中央部に正方形で面積が2025μm2(45μm×45μm)の静電容量感知部が設置され、静電容量感知部を除く辺の細線部(導線部とも言う)の線幅は10μmであり、電極のピッチは6mmとなるように設計されている。
上記導電シート1−1に対し、導電シート1−2〜1−7は細線部(導線部とも言う)の線幅を表3のように変更し、導電シート1−8〜1−13は静電容量感知部面積を表3のように変更し、導電シート1−14〜1−17は仮想的格子の辺長を表3のように変更し、導電シート1−18、19は導電シート1−5,6に対し静電容量感知部面積を表3のように変更し、導電シート1−20〜1−23は導電シート1−17に対し静電容量感知部面積を表3のように変更し、導電シート1−24、25は導電シート1−1に対し電極のピッチを表3のように変更し、導電シート1−26、27は静電容量感知部の形状を円形と菱形に変更したものである。
導電シートの同一位置に50回連続タッチし、タッチ感知が再現良く検知されるかどうかを評価した。この評価を場所をかえて10ヶ所で実施した
×評価 複数の場所で一回以上検知しないことがある。
△評価 測定を10ヶ所以上としたときに検知しないことがある。
○評価 安定して検出する。
◎評価 回数を100回以上としても安定
上記の連続タッチの際に、表示される位置にばらつきがあるかどうかで評価した。
×評価 ばらつきが認められる。
○評価 安定して検知されている。
導電シートの透過率を分光光度計で測定した。透過率は550nmでの値で評価した。
×評価 透過率が85%未満で画面が暗く見える。
△評価 透過率が85%以上、90%未満で気にならない明るさ。
○評価 透過率が90%以上で明るい。
◎評価 透過率が94%以上で十分に明るい。
画面の見易さで評価。パターンの一部が感知される極端な場合から、形状の認識はされないが画面にザラツキを感じる場合までを含む。
×評価 画像以外の形状が認識される。又は画面にザラツキ感又は線太り感がある。
△評価 見る方向によりザラツキ又は線太り感を感じることがある。
○評価 画面が均一に見える。
上記表3の結果から、本件の第一の発明においては、以下の点がわかった。
導電シート1−5及6の細線導電性パターンの細線部(導線)の線幅は、20μmを超えると画面が暗いことが問題であることがわかった。更に細線部(導線)の線幅が1μm未満である導電シート1−7では、タッチ感知の再現性に問題が発生する可能性のあることがわかった。
導電シート1−8〜13の結果から、静電容量感知部の面積は、625μm2未満となるとタッチ感知の精度に乏しくなり、3600μm2を超えると画面が暗い問題を発生することがわかった。
更に、導電シート1−9〜12、22、23の結果から、正方形の静電容量感知部の辺長が70μmを超えると画面にざらつきを感じることがあり、100μmを超えると確実にザラツキを感じることがわかった。
また、電極のピッチを12mmとした導電シート1−25では、タッチ位置の特定が不安定となることもわかった。
導電シート1−22は画面にざらつき感があり、導電シート1−14、18及び19はタッチ検出しないことがあり、導電シート1−25では同一位置のタッチを繰り返すと2点以上の位置を検出することが時にみられた。
導電シート1−1、26、27の結果の比較から、静電容量感知部の面積が同一面積であればその形状が正方形でも、円形でも菱形でも性能上の大きな差の無いこともわかった。
更に、静電容量感知部を開口のないベタの導電部とする第一の発明では、導電シート1−17〜23の結果から、上記のように静電容量感知部の辺長には制約があり、そのため仮想格子の辺長を大きくするとタッチ検知精度が劣ることもわかった。
実施例2では、第二の本発明の導電パターンである静電容量感知部が開口部を有し、入れ子である場合とメッシュである場合とについて説明する。
(導電シート2−1)
導電シート2−1の積層された導電シート10を作成するために用いたフォトマスクは、導電シート10を上部から透視したときの仮想的な格子の形状が1000μm×1000μmの正方格子であり、その正方格子の各辺の中央部に、4つの正方形が入れ子状(最内部に外形が40μm×40μm、その外側に外形が100μm×100μm、その外側に160μm×160μm、最外側に220μm×220μmの正方形で、それぞれの辺の幅が10μmの入れ子)の静電容量感知部が設置され、静電容量感知部を除く辺の細線部(導線部とも言う)の線幅は10μmであり、電極のピッチは6mmとなるように設計されている。
上記導電シート2−1に対し、導電シート2−2は入れ子を5個に変更した場合を、導電シート2−3、2−4は2−2に対し入れ子の大きさを変更した場合を、導電シート2−5は2−3の最も内側の入れ子をベタとすると共に、各入れ子の幅を外側ほど狭くした場合である。
導電シート2−6〜2−8は、導電シート2−3〜2−5の正方形の入れ子を45°回転し菱形とした場合である。
導電シート2−9〜2−11は、導電シート2−3〜2−5の正方形の入れ子を円形の入れ子に変更した場合である。
導電シート2−12は静電容量感知部が410μm×410μmの外形であり、線幅10μmで16枡に区切られているメッシュ状のばあいである。
導電シート2−13は、導電シート2−12のメッシュ状の静電容量感知部を45°回転させて菱形の静電容量感知部とした場合である。
表4では第一の本発明の導電シート1−1を記載したが、第二の本発明の態様は静電容量感知部が開口部を有するため、シートの明るさとタッチ感知の精度向上を図ることができる。但し、静電容量感知部の大きさについては、仮想的格子を1000μm×1000μmの正方格子としたとき、導電シート2−4、2−7、2−10で比較した場合、2−4の正方形の入れ子はXY軸での重なりを生じるため、好ましくなく、菱形、円形の入れ子が好ましい。
また、入れ子構造の静電容量感知部は、内側の入れ子ほど線幅を広くし、外側を薄くすることにより画面の明るさを確保することができる利点のあることも確認された。
また、メッシュ状の静電容量感知部を設けることにより、タッチ感知の精度を向上させることが知られているが、構造的にはより単純な菱形の入れ子により同等の感知精度と明るさを達成できることもわかった。
液晶表示装置などの画像表示装置に用いるタッチパネルに求められる性能として、画面の明るさを保持するためにタッチパネルの透過率は85%以上が必要とされている。また、電極の抵抗値は画面が大きくなるに従いタッチ位置検出のための駆動負荷も大きくなるため、画面のサイズに大きく依存する。即ち、8インチ型以下のパネルに用いる場合には、現在常用されているITO膜などの100Ω/□程度のシート抵抗値で問題ないが、32インチ型では10Ω/□程度が必要であり、42インチ型では5Ω/□以下が必要とされている。
実施例3では、本件で用いた材料とITOを用いて、大画面化する場合の適性について検討した。
本発明のハロゲン化銀感光材料を用いた導電シートのシート抵抗値(表面抵抗)は、種々変更が可能であるため、導電材料が一様なメッシュ状の導電シートをモデルとして作成し、そのシート抵抗値(表面抵抗)を測定した。
実施例3でパターン形成に用いたフォトマスクは、メッシュピッチが300μm、線幅が10μmである。
シート抵抗値(表面抵抗)は、ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所を測定し、その平均値を求めた。
モデル導電シートの透明性の良否を確認するために、その透過率(波長550nm)を分光光度計を用いて測定した。
実施例1のロール状のハロゲン化銀感光材料10a、10bから、10cm×10cmにサンプルを切り出し、上記のモデル導電シート作成用のフォトマスクを介して露光した。この露光済みのサンプルを実施例1と同様に現像処理し、実施例3−1a、bの試料を作成した。この試料のシート抵抗値は2つの試料とも15Ω/□、透過率は93%であった。
(実施例3−2)
実施例3−1の感光材料の銀の塗布量を増加させるとともに、現像液の溶解物理現像性を高めるように添加剤を調整すること意外は実施例3−1と同様にして試料を作成した。更にこの試料にカレンダー処理、ボロハイドレイト(NaBH4)液への浸漬処理を加えてシート抵抗値が1.2Ω/□、透過率が93%の実施例3−2の試料を得た。
(実施例3−3)
実施例3−2でパターン形成用に用いたフォトマスクの線幅を20μmに変更する以外は実施例3−2と同様な処理を施して、実施例3−3の試料を作成した。この試料のシート抵抗値は0.7Ω/□、透過率は88%であった。
実施例1で用いたPETフィルムに、スパッタ法を用いてITO膜を形成した。ITO膜の厚みは、比較例3−1はシート抵抗が100Ω/□となるように調節し、比較例3−2はシート抵抗が20Ω/□となるように調節した。このようにして作成したITO試料の比較例3−1の透過率は88%でほぼ無色、比較例3−2の透過率は78%でやや黄色味を帯びていた。
以上から、実施例3−2、3−3は、32インチ型、42インチ型への適用可能性があるが、比較例の3−2はシート抵抗値が不足、透過率が不足、着色が気になるなどの問題のあることがわかった。
実施例1で用いたロール状のハロゲン化銀感光材料に、図14a及び図14bのパターンのフォトマスクを用いてパターン露光し、実施例1と同様な現像処理を施し、導電シートa及びbを作成した。このパターンは図6a及びbのパターンのフォトマスクを用いてパターン露光し、実施例1と同様な現像処理を施して作成した導電シートa‘及びb’と比較すると、信号処理部に接続する電極間に電極とは結合していないダミー電極が形成されている点で異なる。導電シートa及びbのダミー電極を接地することにより、各信号処理部に接続する電極に生じる浮遊容量(寄生容量)を減らすことができ、これによりパネルとしたときのRC時定数を減らし、大画面のタッチパネルを形成することが可能となる。
11 透明基体
12A 第一導電部
12B 第二導電部
13A 第一細線パターン
13B 第二細線パターン
14A 第一細線パターンの細線部
14B 第一細線パターンの細線部
15A 第一細線パターンの第一静電容量感知部
15B 第二細線パターンの第二静電容量感知部
a 第一細線パターン及び第二細線パターンの細線の幅
b 第一細線パターン及び第二細線パターンの静電容量感知部の幅
D 仮想上の単位格子(図2c)
Xi、Yj XY電極をあらわす
DX、DY ダミー電極
La、Lb 電極引き出し線接続部
Claims (15)
- 透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その面積が400〜6400μm 2 であり、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は開口していないことを特徴とする導電シート。 - 前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする請求項1の導電シート。
- 前記第一及び第二細線導電性パターンの厚みは、1〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電シート。
- 前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部の形状は、正方形、長方形、菱形、多角形、円形、楕円形の何れかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電シート。
- 前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電シート。
- 透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、
前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、
前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に200〜1500μmの距離を隔てて配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、
前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、
前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に200〜1500μmの間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、
前記第一及び第二細線導電性パターンの前記第一及び第二静電容量感知部は、その外形の面積が10000〜500000μm 2 であり、
前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は前記第一及び第二の細線パターンの細線部に、大きさの異なる複数の相似形を入れ子状に形成した形状を有することを特徴とする導電シート。 - 前記第一及び第二静電容量感知部は、構成成分として銀を80質量%以上含有することを特徴とする請求項6に記載の導電シート。
- 前記第一及び第二の静電容量感知部は、入れ子の内側の相似形ほど線幅が広く、外側に行くほど線幅が狭いことを特徴とする請求項6又は7に記載の導電シート。
- 前記第一及び第二の細線導電性パターンの厚みは1〜10μmであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の導電シート。
- 大きさの異なる複数の相似形の入れ子の形状は、円形、正方形、菱形、楕円形、長方形、多角形の何れかであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の導電シート。
- 前記第一導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のX電極を有し、前記X電極は複数の第一細線導電性パターンを結合してなり、前記第二導電部は、4〜9mm間隔で配置された複数のY電極を有し、前記Y電極は複数の第二細線導電性パターンを結合してなることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の導電シート。
- 上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成し、第二の透明基板上に第二導電部を形成した後、第一の透明基板の導電部が形成されていない面と第二導電部を張り合わせて形成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電シート。
- 上記導電シートは、第一の透明基板上に第一導電部を形成した後に、第一の透明基板の導電部が形成されていない面に第二導電部を形成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電シート。
- 上記導電シートの第一及び第二導電部の透明基板と接していない面の少なくとも1面に保護層が設けられていることを特徴とする請求項12又は13に記載の導電シート。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の導電シートを備えた静電容量式タッチパネル。
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