JP5514479B2 - セメント硬化体の耐久性を総合的に向上させる処理方法及び該方法で処理されたセメント硬化体 - Google Patents

セメント硬化体の耐久性を総合的に向上させる処理方法及び該方法で処理されたセメント硬化体 Download PDF

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Description

本発明は、土木・建築分野に使用されるセメント硬化体の耐久性を総合的に向上させる処理方法及び該方法で処理されたセメント硬化体に関する。
モルタルやコンクリート等のセメント硬化体は、その耐久性を阻害する要因、すなわち、様々な原因によるひび割れ、中性化、塩害、化学的侵食、乾燥収縮、凍害、或いはこれらの複合劣化によって耐久性が低下する。
セメント硬化体の耐久性を向上させるための対策としては、各種混和材料の使用、配合設計及び施工方法の工夫等によって、欠陥の少ない緻密なコンクリートを製造・施工する方法が一般的に採用されている。また、コンクリートを打設した直後からごく初期の養生やそれ以降の表面保護対策がセメント硬化体の耐久性を向上させるために大切であることが広く知られている。
セメント硬化体の初期養生や表面保護対策としては、養生材、塗膜保護材、表面含浸材等でコンクリートの表面を覆うことによって、水分の逸散および物質透過性を抑制し、ひび割れ、中性化、塩害、化学的侵食、乾燥収縮等の耐久性の阻害要因からコンクリートを保護する方法が提案されている(特許文献1〜6)。
養生材は、主にコンクリートを打設した直後からごく初期の養生に用いられ、打設直後の水分の逸散を抑制し、コンクリート表面近傍のマトリックスを緻密にし、初期のひび割れを抑制する目的で使用されるものであり、水分の逸散抑制、組織の緻密化及びひび割れ抑制の効果があり、また、コンクリート本来の自然な風合いを損なうことなく、様々な耐久性の阻害要因からコンクリートを保護する効果を有しており、更には、安価で施工が容易であることから広く用いられている。しかし、トンネル内部や北側に面した箇所に施工されたセメント硬化体、あるいはコンクリート二次製品に養生材を塗布した場合、藻やカビが発生し、構造物の美観を損ねるという問題も抱えていた。また、養生材は、そもそも長期的に物質透過性を抑制する効果は無く、長期的な耐久性を担保するものではない。
また、塗膜保護材は、樹脂を主成分とするものが殆どで防水機能も兼ね備えているため防水材とも呼ばれるものもあり、これによりコンクリートの表面を完全に覆う手法が取られている。この手法は、コンクリートへの各種有害物質の浸入を防ぐためには非常に有効な手段である。しかし、この手法は、コンクリートの自然な風合いを損なうことがある。また、樹脂系の材料は、コンクリートと諸物性が異なるため、施工時に、コンクリート表面の乾燥や清掃、プライマー塗布等の下地処理を要し、施工後も、ふくれ、はがれ等に十分な注意を払う必要がある。更に、コンクリート表面に防水処理を施すことは、コンクリート内部に水分を滞留させてしまうことになり、例えば、潜在的にアルカリ骨材反応の問題を有する構造物では、アルカリ骨材反応の進行をかえって助長させてしまうおそれがある。
さらに、表面含浸材は、シラン、シロキサンやケイ酸アルカリを主成分とするものが広く使用されている。この材は、コンクリート表面から含浸して、コンクリート表層部を改質して、その部分に、はっ水性、吸水防止性或いはアルカリ性を付与する材料であり、主にコンクリート打設から数日ないし数年後のコンクリートが十分に硬化した後に施工し、既設コンクリート構造物の耐久性を向上させる目的で用いられている。
表面含浸材を塗布する際、塗布する前の母材であるコンクリートの表面性状が、含浸のしやすさに著しく影響を与えるため、適切な下地処理に注意を払う必要がある。例えば、シランやシロキサン系の表面含浸材を塗布する場合、その施工面は、高圧洗浄等により油脂、汚れ、塵、垢等を除去し、清浄な面とした上で施工する必要がある。このように、表面含浸材の施工は、一般に作業が煩雑といわれている。また、表面含浸材の施工は、表面の洗浄を前提とするため、、事前に皮膜を形成する養生材を施工したセメント硬化体に対しては、通常適用されない。
すなわち、セメント硬化体の耐久性を総合的に向上させるための簡便で効率のよい技術はいまだ提案されていない。
特開平06−87113号公報 特開2004−244255号公報 特開2007−308353号公報 特開2003−48790号公報 特開平01−3086号公報 特開2006−248868号公報
したがって、本発明の課題は、前記の問題を解決し、初期のひび割れの抑制効果に優れ、かつ、長期にわたり塩化物イオンや二酸化炭素等の物質透過性を抑制する効果にも優れるセメント硬化体を得るための処理方法を提供し、また、とくにトンネル施工やコンクリート二次製品の製造現場での施工に用いられる養生材として付与される処理剤であって、セメント硬化体における藻やカビの発生を抑える処理剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねる中で、セメント硬化体の表面に養生材を塗布し、表面含浸材を塗布することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、打設直後乃至凝結後におけるセメント硬化体の表面を処理する方法であって、該表面にセメント硬化体中の水分を保持する養生材を塗布して皮膜を形成した後、該皮膜を除去することなく該セメント硬化体に非水性の表面含浸材を塗布することを含む、前記方法に関する。
また、本発明は、養生材が水性のパラフィン又はパラフィンワックス系エマルジョンである前記方法に関する。
さらに、本発明は、養生材が防藻防カビ剤を含む前記方法に関する。
また、本発明は、表面含浸材の主成分がシラン及び/又はシロキサン系である前記方法に関する。
さらに、本発明は、表面含浸材が主成分を60重量%以上含有する前記方法に関する。
また、本発明は、養生材をセメントが接水してから2時間後乃至3日後に塗布する前記方法に関する。
さらに、本発明は、表面含浸材を養生材の塗布後3ヶ月以内に塗布する前記方法に関する。
また、本発明は、セメント組成物打設後乃至型枠の脱型後までの間に、養生材をセメント組成物の打設面或いは脱型したセメント硬化体の表面に塗布し、次いで、養生材を塗布した該セメント硬化体表面の含水率が8%以下となった後、表面含浸材を塗布することを含む前記方法に関する。
さらに、本発明は、前記方法で処理されたセメント硬化体に関する。
また、本発明は、養生材および防藻防カビ剤を含むセメント硬化体用処理剤に関する。
さらに、本発明は、養生材が水性のパラフィン又はパラフィンワックス系エマルジョンである前記処理剤に関する。
また、本発明は、防藻防カビ剤がイミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアゾリン系化合物、ピリジン系化合物、ヨード系化合物、ニトリル系化合物、アルデヒド系化合物および/またはカルボン酸系化合物である前記処理剤に関する。
さらに、本発明は、トンネル構築用のコンクリートまたはコンクリート二次製品に塗布するために用いられる前記処理剤に関する。
本発明のセメント硬化体の処理方法により、セメント硬化体に発生する初期のひび割れを抑制し、かつ、長期にわたり塩化物イオンや二酸化炭素等の物質透過性を抑制する効果にも優れた耐久性が総合的に向上されたセメント硬化体を得ることができる。本発明のセメント硬化体の処理方法は、通常既設のコンクリートに対し下地作業を行ってから適用される表面含浸材をあえて皮膜を形成する養生材を塗布した後に塗布することにより、前記の目的が達成されるものである。したがって本発明の方法は、施工作業期間が短く、また、施工作業に過度な負担を強いることがない。とりわけ、本発明の方法は、トンネル内部や北側に面した箇所といった多湿環境での施工に好適に用いられる。さらにまた、かかる環境での施工やコンクリート二次製品の製造に際しては、防藻防カビ剤を含む養生材を用いることにより、藻やカビの発生を抑制することを可能とする。とくに、養生シートや養生材は、一般に炎天下などにおける水分の急速な散逸を防止することを目的とするものであるから、通常トンネル内部やコンクリート二次製品の製造においては必ずしも必要とされないものであるところ、これらの環境下でより好適な効果を奏することは意外なことである。また、前記のとおり一般に養生シートや養生材は典型的には炎天下などにおいてより意義を有するところ、かかる養生材と防藻防カビ剤とを共存させること自体極めてユニークな発想であり、それに基づく効果もまた意外というべきである。
本発明でいう「セメント硬化体」とは、セメント組成物を打設した直後のものから凝結後のセメントまでの流動体から固体の状態のモルタル、コンクリートを含むセメントの硬化体を総称したものであるが、ほぼ硬化したものは除外される。
本発明に使用される養生材は、セメント硬化体の初期材令における養生を目的とした材料であり、モルタルやコンクリートなどのセメント組成物が硬化する前後に、その表面に塗布することにより、セメント硬化体の表面に皮膜を形成して水分の逸散を抑制するものである。通常、パラフィン系或いはパラフィンワックス系として市販されている水性のものが好ましい。具体例としては、BASFポゾリス社製パラフィンワックス系の「マスターキュアー106(商品名)」を挙げることができる。
また、養生材には、少量の乳化剤、安定化剤、防バイ剤及び/又は防藻防カビ剤などの界面活性剤を含むこともできる。
防藻防カビ剤は、トンネル内部や北側に面した箇所に施工されたセメント硬化体、およびコンクリート二次製品に養生材を塗布した後の藻やカビの発生を抑制するために特に有用である。防藻防カビ剤としては、市販のものが使用でき、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアゾリン系化合物、ピリジン系化合物、ヨード系化合物、ニトリル系化合物、アルデヒド系化合物、カルボン酸系化合物、より具体的には、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、カルバミン酸メチル、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−nオクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ビス(ピリジン−2−チオール−1−オキシド)亜鉛、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメートおよび2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルが例示できる。更に、防藻防カビ剤の添加量は、養生材に対して0.01〜5.0%が好ましく、0.1〜2.0%がより好ましい。
また、養生材を塗布する方法は、均一に養生皮膜が形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、撒布、塗布、噴霧、吹付けなどで行うことが可能である。なお、本発明では、これらを含んで単に「塗布」と表記する。また、養生材を塗布する時期は、打設したセメント組成物が硬化する前後に行うことが好ましく、セメント組成物を打設した直後から型枠を脱型した直後を目安として行うのが好ましい。更には、セメント組成物が凝結する前後の時期(環境や材料などによるが、セメントが接水してから2〜6時間程度)から、セメントが接水してから1〜3日程度までで、施工箇所や塗布面によって塗布時期が選択されることが好ましい。
養生材の使用量は、特に限定されるものではないが、1m当たり70〜300gの範囲で使用することが好ましく、100〜300gがより好ましい。70g未満では水分の逸散によるひび割れに対する抵抗性の向上効果が期待できず、300gを超えると垂直面や水平面においては、ダレが生じ、数回に分けて塗布する必要が生じるばかりでなく、さらなる効果の向上が期待できず、不経済となる。
本発明に使用される表面含浸材は、長期にわたり塩化物イオンや二酸化炭素等の物質透過性を抑制して、セメント硬化体の中性化、塩害、化学的侵食、乾燥収縮、凍害、アルカリ骨材反応などに対する耐久性を向上させる目的で使用する。通常、非水性のシラン系表面含浸材、シロキサン系表面含浸材或いはシラン・シロキサン系表面含浸材として市販されているもの、例えば、アルコキシシラン、シランオリゴマー、アルキルアルコキシシラン、アミノ基を含むアルキルアルコキシシランまたはポリシロキサンを主成分とするものを用いることができる。また、これらの主成分をアルコール系媒体中に60重量%以上、好ましくは75重量%以上含有するものも使用可能である。具体例としては、BASFポゾリス社製「プロテクトシル(商品名)」、カジマ・リノベイト社製「マジカルリペラー(商品名)」、大同塗料社「アクアシール(商品名)」などを挙げることができる。これらの形態は液状或いはペースト状など、いずれの形態でも使用することができる。垂直面や天井面ではペースト状の形態を使用することが好ましい。なお、本発明では水を溶媒とするものを水性といい、水を溶媒としないものを非水性という。
表面含浸材は、養生材を塗布した後、養生皮膜が形成された後に塗布することが好ましい。更には、養生材を塗布してから3ヶ月以内、好ましくは10日間以内を目安とし、且つ、該セメント硬化体表面の含水率が8%以下となった後に、表面含浸材を塗布することが好ましい。
また、表面含浸材の使用量は、1m当たり200〜1000gの範囲で使用することが好ましい。200g未満では、はっ水性、吸水防止性などの表面含浸材の効果が十分に得られず、1000gを超えるとセメント硬化体への浸透が容易でなくなる。
本発明で使用するセメント硬化体は、セメント、モルタル、コンクリートなどのセメントを主要因として硬化するものであり、特に限定されるものではない。モルタルは、セメントと細骨材と水を含み、必要に応じて、混和剤や混和材等が添加される。コンクリートは、さらに、粗骨材を含むものである。
1.モルタル試験
セメント100部に対して、水60部、細骨材200部を配合してモルタルを調製した。このモルタルを用いて、厚さ200mmで面積5mの土間を打設し、ひび割れ抵抗性試験に供した。また、浸透深さ試験、中性化試験、塩化物イオンの浸透抵抗性試験及び防藻防カビ性試験については、前記のモルタル配合により100mm×100mm×100mmのモルタル試験体を当該試験ごとに作製し、各試験に供した。なお、養生材及び表面含浸材は、表1に示す塗布量とした。
<使用材料>
セメント:住友大阪セメント社製普通ポルトランドセメント
細骨材:静岡県産陸砂、密度2.65g/cm
養生材及び表面含浸材
Figure 0005514479
<試験方法>
(1)浸透深さ試験[1]
試験体を20℃、相対湿度60%の気中で暴露し、材齢1、7、28日にモルタル表面の含水率を測定した後、該モルタル表面に表面含浸材A、Bを塗布した。塗布した時点より、7日間同条件で養生し、その後、該試験体を割裂し直ちに水中に1分間浸漬させ、表面から濡れ色が着いていない部分を表面含浸材が浸透している深さとし、ノギスで測定した。試験結果を表2に示す。
(2) ひび割れ抵抗性試験
上面仕上げ終了後、養生材をモルタル打設面に塗布した後、7日間自然放置し、株式会社ケット科学研究所社製 コンクリート・モルタル水分計「HI-500」で表面の含水率が7.5%以下であることを確認した。次いで、表面含浸材をモルタル表面に塗布し、材齢91日後にひび割れの発生状況を観察した。評価は、モルタル表面1m当たり、2本を超えてひび割れが発生した場合を×、ひび割れが1〜2本発生した場合を△、ひび割れの発生がない場合を○とした。試験結果を表3に示す。
(3) 浸透深さ試験[2]
上面仕上げ終了後、養生材を塗布し、7日間20℃、相対湿度60%の気中で養生し、前記水分計で表面の含水率が7.5%以下であることを確認した。次いで、表面含浸材を塗布し、材齢28日まで同条件で養生した。その後、該試験体を割裂し直ちに水中に1分間浸漬させ、表面から濡れ色が着いていない部分を表面含浸材が浸透している深さとし、ノギスで測定した。試験結果を表4に示す。
(4) 中性化深さ試験
養生材及び表面含浸材を試験体に塗布する条件並びに材齢28日までの試験体を養生する条件は浸透深さ試験と同様とした。その後、相対湿度60%、CO濃度5%の環境で28日暴露した。硬化体を割裂し、JIS A 1171ポリマーセメントモルタルの試験方法、中性化深さ試験方法に準じ、断面にフェノールフタレインの1%アルコール溶液を噴霧して赤変しなかった部分を中性化部分と見なして中性化深さを測定した。結果を表5に示す。
(5) 塩化物イオンの浸透深さ試験
養生材及び表面含浸材を試験体に塗布する条件並びに材齢28日までの試験体を養生する条件は浸透深さ試験と同様とした。その後、該試験体を擬似海水に28日浸漬させた後、該試験体を割裂し、JIS A 1171ポリマーセメントモルタルの試験方法、塩化物イオン浸透深さ試験に準じ、断面に0.1%フルオレセインナトリウム水溶液及び0.1Nの硝酸銀溶液を噴霧し、蛍光を発する部分を塩化物イオン浸透域とし、塩化物イオンの浸透深さを測定した。結果を表6に示す。
(6)防カビ性試験
上面仕上げ終了後、養生材を塗布し、JIS Z 2911 カビの抵抗性試験方法、塗料の試験に準じ、温度28℃、相対湿度80%の条件で7日間暴露し、各種防藻防カビ剤を養生材に対して0.5%添加した養生材の防カビ性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0005514479
Figure 0005514479
Figure 0005514479
Figure 0005514479
Figure 0005514479
Figure 0005514479
2.コンクリート試験
単位セメント量300kg/m、単位水量185kg/m、s/a=38%、空気量4.5±1.5%のコンクリート試験体を作製したこと以外はモルタル試験と同様に養生材と表面含浸材を塗布し、各種試験を行った。総合評価は、ひび割れ抵抗性試験が×であり、かつ、中性化深さ及び塩化物イオンの浸透深さ改善されていない場合を×、ひび割れ抵抗性試験が○であり、かつ、中性化深さ及び塩化物イオンの浸透深さが十分に改善されていない場合を△、ひび割れ抵抗性試験が○であり、かつ、中性化深さ及び塩化物イオンの浸透深さが十分に改善されている場合を○とした。結果を表8及び表9に併記する。
<使用材料>
粗骨材:市販の粗骨材、Gmax 20mm
Figure 0005514479
Figure 0005514479
表1〜表9から、養生材aと表面含浸材A、B、C、Dの組み合わせにおいて、モルタル及びコンクリートの初期のひび割れを抑制し、且つ、養生材aの養生効果と表面含浸材A、B、C、Dが有効にセメント硬化体に浸透する効果により、モルタル及びコンクリートの中性化深さや塩化物の浸透深さを顕著に抑制していることが分かる。
以上より、本発明の処理方法により、モルタル及びコンクリートの初期のひび割れを防止し、且つ、煩雑な下地処理無しで長期にわたり中性化や塩化物イオンの浸透を抑制することが分かる。
また、表7から、養生材に防藻防カビ剤を添加することによって、トンネル内部や北側に面した箇所などの多湿環境においても、養生材を塗布した後のセメント硬化体の藻やカビの発生を抑制することが分かる。
本発明のセメント硬化体の処理方法は、初期のひび割れの抑制効果に優れ、且つ、長期にわたり塩化物イオンや二酸化炭素等の物質透過性を抑制する効果にも優れるため、土木、建築分野などで広範に利用することができる。また、本発明のセメント硬化体の処理方法により、皮膜を形成する養生材を塗布した後に、これを除去する下地作業を行うことなく表面含浸材を塗布することができるため、施工作業期間を短縮することができる。さらに、本発明のセメント硬化体用処理剤は、藻やカビの発生を抑制するため、トンネル内部や北側に面した箇所といった多湿環境に施工されたセメント硬化体、またはコンクリート二次製品への利用に適している。

Claims (11)

  1. 打設直後乃至凝結後におけるセメント硬化体の表面を処理する方法であって、該表面にセメント硬化体中の水分を保持する水性のパラフィン又はパラフィンワックス系エマルジョンである養生材を塗布して皮膜を形成した後、該皮膜を除去することなく該セメント硬化体に非水性の表面含浸材を塗布することを含む、前記方法。
  2. 養生材が、防藻防カビ剤を含む、請求項に記載の方法。
  3. 表面含浸材の主成分が、シラン及び/又はシロキサン系である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 表面含浸材が、主成分を60重量%以上含有する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 養生材を、セメントが接水してから2時間後乃至3日後に塗布する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 表面含浸材を、養生材の塗布後3ヶ月以内に塗布する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. セメント組成物打設後乃至型枠の脱型後までの間に、養生材をセメント組成物の打設面或いは脱型したセメント硬化体の表面に塗布し、次いで、養生材を塗布した該セメント硬化体表面の含水率が8%以下となった後、表面含浸材を塗布することを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で処理されたセメント硬化体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法に用いられる、防藻防カビ剤を含む、水性のパラフィン又はパラフィンワックス系エマルジョンである養生材
  10. 防藻防カビ剤が、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアゾリン系化合物、ピリジン系化合物、ヨード系化合物、ニトリル系化合物、アルデヒド系化合物および/またはカルボン酸系化合物である、請求項9に記載の養生材。
  11. トンネル構築用のコンクリートまたはコンクリート二次製品に塗布するために用いられる、請求項9又は10に記載の養生材。
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