JP5513804B2 - 発泡成形用熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いた発泡成形体 - Google Patents
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Description
また、化学発泡に代えて、窒素ガス、二酸化炭素などを発泡剤として用いる物理発泡剤も知られている。更に超臨界状態の物理発泡剤を用いる方法も提案されている。
また、発泡成形を繰り返し行う際には、発泡に伴う揮発成分が金型の成形表面に付着し、金型が汚染されるおそれがある。そして、金型の汚染が悪化したときには、次の発泡成形前に金型の成形表面を清掃する必要があった。
芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b2)を重合してなるスチレン系樹脂(B)0〜85質量%と、
芳香族ポリカーボネート樹脂(C)10〜90質量%と、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、化学発泡剤(D)0.1〜5質量部と、タルク(E)1〜18質量部と、繊維状充填材(F)5〜25質量部とからなり、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量%におけるゴム質重合体(a)の割合が3〜50質量%であり、
キャビティの容積を拡大させるように金型を可動させて成形するコアバック型射出発泡成形に用いることを特徴とする発泡成形用熱可塑性樹脂組成物にある(請求項1)。
第2の発明は、エチレン・プロピレン系のゴム質重合体(a)の存在下に芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b1)を重合してなり、かつ熱シクロヘキサン溶解量が、ゴム質重合体(a)を基準として5〜60質量%であるゴム強化スチレン系樹脂(A)5〜90質量%と、
芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b2)を重合してなるスチレン系樹脂(B)0〜85質量%と、
芳香族ポリカーボネート樹脂(C)10〜90質量%と、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、化学発泡剤(D)0.1〜5質量部と、タルク(E)1〜18質量部と、繊維状充填材(F)5〜25質量部とからなり、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量%におけるゴム質重合体(a)の割合が3〜50質量%であり、
キャビティの容積を拡大させるように金型を可動させて成形するコアバック型射出発泡成形に用いることを特徴とする発泡成形用熱可塑性樹脂組成物にある(請求項2)。
これにより、第1、第2の発明の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物によれば、微細かつ均一な発泡セルを有するだけでなく、機械的性能にも優れた発泡成形体を得ることができる。
すなわち、発泡成形する際には、タルク(E)及び繊維状充填材(F)が発泡起点になり、化学発泡剤(D)による発泡を促進することができる。このとき、タルク(E)による発泡起点と繊維状充填材(F)の両端による発泡起点とが混在することにより、より効果的に微細かつ均一な発泡セルが得られると考えられる。
すなわち、繊維状充填材(F)が含有されていることにより、金型の成形表面に接触する溶融状態の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物の表面が凹凸状に粗くなり、化学発泡剤(D)の発泡に伴って発生する揮発成分が、金型の成形表面と溶融状態の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物の表面との間から外部へ抜け易くなったと考えられる。
そのため、金型の成形表面に汚染が発生し難くなり、その清掃を行う頻度を減少させることができ、生産効率よく表面外観に優れる発泡成形体を成形することができることがわかった。
また、第3の発明に示すように、発泡成形体をコアバック型射出発泡成形を行って成形することにより、上記効果を容易に得ることができる。
1.発泡成形用熱可塑性樹脂組成物
上記発泡成形用熱可塑性樹脂組成物の好ましい組成について説明する。
なお、以下の説明において、「(共)重合」とは、単独重合及び共重合を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方を意味する。また、本発明の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を単に「熱可塑性樹脂組成物」と略記する場合がある。
本発明の(A)成分は、ゴム質重合体(a)の存在下に芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b1)を重合してなり、かつ熱シクロヘキサン溶解量が、ゴム質重合体(a)を基準として1〜99質量%であるゴム強化スチレン系樹脂である。
ここで使用されるゴム質重合体(a)としては、ガラス転位温度(Tg)が−10℃以下のものであり、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体等の共役ジエン系ゴム、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体等のオレフィン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン系ゴム、シリコーン・アクリル系IPNゴム、天然ゴム、共役ジエン系ブロック共重合体、水素添加共役ジエン系ブロック共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記α−オレフィンである炭素数が3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチルブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上の組み合わせで含まれていてもよい。また、上記α−オレフィンのうち、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
上記エチレン・α−オレフィン系ゴムは、上記エチレン、及びα−オレフィンから構成される二元共重合体であってもよいし、これらと、更に他の化合物とから構成される重合体(三元共重合体、四元共重合体等)であってもよい。他の化合物としては、非共役ジエン化合物が挙げられる。
上記アクリル系ゴムの体積平均粒子径は、50〜1000nmであることが好ましく、さらに好ましくは40〜700nm、特に好ましくは50〜500nmである。
A;芳香族ビニル化合物重合体ブロック、
B;共役ジエン重合体ブロック、
A/B;芳香族ビニル化合物/共役ジエンのランダム共重合体ブロック、
C;共役ジエンと芳香族ビニル化合物の共重合体からなり、かつ芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロック、
とそれぞれ定義すると、次のような構造のものが挙げられる。
A−B−A (2)
A−B−C (3)
A−B1−B2 (4)
(ここで、B1は共役ジエン重合体ブロックまたは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックであり、共役ジエン部分のビニル結合量は好ましくは20%以上、B2は共役ジエン重合体ブロックまたは共役ジエンと芳香族ビニル化合物の共重合体ブロックであり、共役ジエン部分のビニル結合含有量は好ましくは20%未満である。)
A−A/B (5)
A−A/B−C (6)
A−A/B−B (7)
A−A/B−A (8)
B2−B1−B2 (9)
(ここで、B1、B2は上記と同じ。)
C−B (10)
C−B−C (11)
C−A/B−C (12)
C−A−B (13)
さらに、共役ジエンブロック中の共役ジエン部分のビニル結合量は、通常5〜80%の範囲である。
共役ジエン系ブロック共重合体の数平均分子量は、通常10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,000、更に好ましくは20,000〜200,000である。これらのうち、上記構造式のA部の数平均分子量は3,000から150,000、B部の数平均分子量は5,000〜200,000の範囲であることが好ましい。
ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。
ゴム質重合体(a)1gをトルエン100mlに投入し、室温で48時間静置する。その後、100メッシュの金網(質量をW1グラムとする)で濾過したトルエン不溶分と金網を、温度80℃で6時間真空乾燥して秤量(質量W2グラムとする)する。W1及びW2を、下記式(14)に代入して、ゲル含率を得る。なお、エチレン−プロピレン系ゴム質重合体においては、エチレン結晶を有するものがあり、このようなゴム質重合体を用いる場合は、80℃の温度で溶解しゲル含率をもとめる。
ゲル含率=〔〔W2(g)−W1(g)〕/1(g)〕×100 (14)
ここで使用される芳香族ビニル化合物としては、上記ゴム質重合体(a)で記載したものが全て使用できる。特に好ましくはスチレン、α−メチルスチレンであり、これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体としては、ビニルシアン化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、その他の各種官能基含有不飽和化合物などが挙げられる。その他の各種官能基含有不飽和化合物としては、不飽和酸化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物などが挙げられる。これらの他のビニル単量体は1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を使用することが好ましい。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ロジン酸カリウム等のロジン酸塩などを使用することができる。
重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物などが好適に使用される。また、連鎖移動剤を使用する場合、例えば、メルカプタン類、ターピンーレン類、α−メチルスチレンダイマー等を使用することができる。
なお、グラフト率は以下の式(15)により求めることができる。
グラフト率(質量%)={(T−S)/S}×100 (15)
なお、ビニル単量体として芳香族ビニル化合物のみを用いた場合は、アセトンの代わりにメチルエチルケトンを用いて測定する。
また、特にゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムの場合、熱シクロヘキサン溶解量は、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは2〜30質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。ゴム質重合体(a)がオレフィン系ゴムの場合、好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。
本発明の(B)成分は、芳香族ビニル化合物、又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b2)を重合してなるスチレン系樹脂である。すなわち、(b2)成分は、芳香族ビニル化合物単独でもよいし、芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体との混合物でもよい。ここで使用される芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体としては、上記(A)成分で記載したものが全て使用できる。また、ビニル単量体(b2)は、上記ビニル単量体(b1)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(C)は、ジヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの界面重縮合法、ジヒドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換反応(溶融重縮合)によって得られるもの等、公知の重合法によって得られるものが全て使用できる。
ここで、〔η〕=〔(ηsp×1.12+1)1/2−1〕/0.56Cである。なお、Cは濃度を示す。
本発明のゴム強化スチレン系樹脂(A)の配合量は、(A)〜(C)成分の合計を100質量%としたとき、5〜90質量%、好ましくは6〜60質量%、更に好ましくは7〜40質量%である。ゴム強化スチレン系樹脂(A)が5質量%未満及び90質量%超過では発泡性が劣る。
使用する化学発泡剤(D)として、特に限定はないが好ましいものとしては、例えば分解されて炭酸ガスを発生する熱分解型無機発泡剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなど)、分解されて窒素ガスを発生する熱分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、アゾビスイソブチロニトリル、p−トルエンスルホニルヒドラジド、5−フェニルテトラゾールなど公知の熱分解型発泡性化合物が挙げられる。
本発明で用いられるタルク(E)は特に制限はないが、一般的には含水珪酸マグネシウム塩の粘土鉱物の一種で、その組成は(MgO)x(SiO2)y・zH2Oである(x、y、zは正値)。また、タルク中のMgの一部がCa2+等の2価の金属イオンに置換されてもよい。タルクの粒径は、特に制限されないが、レーザー散乱法による平均粒子径として、通常0.1〜50μm、好ましくは0.3〜25μm、更に好ましくは0.5〜20μmである。タルクの平均粒子径が0.1μm未満では、熱可塑性樹脂組成物中でのタルクの分散性が不十分となり、発泡性が劣り、優れた外観を有する発泡成形体を得ることが困難となる。一方、タルクの平均粒径が50μmを超えると、発泡性が劣り、優れた外観を有する発泡成形体を得ることが困難となる。
本発明における繊維状充填材(F)は、繊維状であれば特に限定はないが、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、セラミック系ウィスカー等の無機繊維、金属繊維等が挙げられる。このうち、発泡成形体の剛性向上の観点から、ガラス繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維の長さ(μm)/直径(μm)は、通常5〜1000、好ましくは8〜500である。ガラス繊維の長さ/直径が5未満では、ガラス繊維の両端が発泡起点とならず、発泡性が不十分となるおそれがある。一方、ガラス繊維の長さ/直径が1000を超えると、ガラス繊維の数の減少により、発泡起点の数が減少し、発泡性が不十分となるおそれがある。
また、成形した発泡成形体中に分散しているガラス繊維の残存平均繊維長さは、0.01〜1mmが好ましく、0.02〜0.8mmがより好ましく、0.03〜0.7mmが更に好ましい。ガラス繊維の残存平均繊維長さが上記範囲にあると、発泡性、発泡成形体の外観、機械的特性が十分になる。
本発明に用いられる炭素繊維の直径は特に指定はないが、0.5μm〜200μmが好ましく、1μm〜50μmがより好ましく、5μm〜50μmがさらに好ましい。繊維の長さは特に指定はないが、発泡成形体中で20μm以上であることが好ましい。
硫黄系としては、3,3’−チオビスプロピオン酸ジドデシルエステル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステル、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルプロピオネート)、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
これにより、ゴム質重合体が適切であり、微細で均一な発泡セルを有する発泡成形体を安定して得ることができる。
この場合には、ゴム質重合体が適切であり、微細で均一な発泡セルを有する発泡成形体を安定して得ることができる。
これにより、微細で均一な発泡セルを有する発泡成形体を安定して得ることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロールなどを用いて混練することができる。例えば、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)成分、並びに必要に応じてその他の添加剤を混練することにより熱可塑性樹脂組成物のペレットを得ることができる。具体的には、2軸押出機によって(A)〜(F)成分を溶融させる方法などが挙げられる。混練温度は、熱可塑性樹脂組成物の配合によって適宜選択されるが、本発明においては、通常220〜260℃である。
本発明の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を用いて発泡成形体を成型する方法としては、射出発泡成形、押出発泡成形等公知の方法を用いることができる。
射出発泡成形方法では、上記射出発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機の金型内に形成されたキャビティ空間に射出し、直ちに、あるいは所定時間が経過した後、可動型、あるいは可動型に内設された可動コアを所定の速度で所定位置まで後退させ、キャビティ空間を拡大することにより発泡させる、所謂、コアバック方式の射出成形法によって発泡成形体を得ることができる。金型の温度は、通常、射出される際の熱可塑性樹脂組成物の温度より相当に低いため、キャビティの表面に接して形成される発泡成形体の表面には、ほとんど発泡していない緻密なスキン層が形成される。
更に、射出される熱可塑性樹脂組成物の温度は、好ましくは200〜280℃、特に好ましくは220〜270℃である。この温度が200℃未満であると、熱可塑性樹脂組成物の流動性が不十分となり、特に、末端部では充填不良が発生することがある。一方、280℃を越えると、熱可塑性樹脂組成物の組成によっては熱劣化等が懸念される。
本発明の発泡成形体の成形方法において、射出充填時に、金型内にファブリックやフィルムをインサートしてもよい。
本発明の成形方法により得られた発泡成形体は、微細な発泡セル構造を発現し、発泡成形体の部位によらず発泡セルの大きさが均一であり機械的性能に優れる発泡成形体である。具体的には、発泡セル径の平均径が好ましくは50〜500μm、より好ましくは70〜450μm、さらに好ましくは100〜400μmであり、発泡セル径が均一であり、粒径分布の狭いことが好ましい。特に発泡成形体発泡セルの大半のセル径が400μm以下の均一発泡成形体であることが好ましい。
本発明の成形方法により得られた発泡成形体は、さらに発泡倍率が1.01〜3.0倍、好ましくは1.1〜2.7倍、より好ましくは1.5〜2.5倍の所望の倍率にすることができる。
本発明の発泡成形体は、表示板、コンクリートパネル、屋上断熱材、畳芯材、襖、システムキッチンの木材代替材、風呂蓋、テーブル板などの土木・建築関連資材、サイドモール、吸音材、バンパー、ドアハンドル、コンソールボックス、天井材、ピラー、センターロークラスタフィニッシュパネル、カウルサイドトリム、センターアウトレット、ドアライニング、アッシュトレイ、フットレスト、ステアリングコラムカバー、ロアインサート、ロアハンドルパネル、ホイルキャップ、スポイラーなどの車両用内外装関連資材、容器、トレー、通い箱等の日用雑貨用品、テレビ、ビデオ、エアコンのハウジング、パラボナアンテナ、エアコン室外機等の電気・電子部品、ビート板、プロテクターなどのスポーツ用品、壁、床、機枠、家具、化粧シート、間仕切り、ラティス、フェンス、雨樋、サイジングボード、カーポート等の住宅・事務所用内外装材、玩具・遊技機等の機枠、緩衝材、補強材、断熱材、芯材、代替合板等として用いることができる。
さらに、本発明の発泡成形体は、用途によっては、他の成形品、部材等と一体化させ、複合化させてなる物品として用いることができる。
本例の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)5〜90質量%、スチレン系樹脂(B)0〜85質量%、及び芳香族ポリカーボネート樹脂(C)10〜90質量%を含有し、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、化学発泡剤(D)を0.1〜5質量部、タルク(E)を0.5〜18質量部、及び繊維状充填材(F)を0.5〜25質量部配合してなる。
スチレン系樹脂(B)は、芳香族ビニル化合物、又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b2)を重合してなる。
本例においては、上記組成の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を用いることによって、射出発泡成形を行う際に、微細な発泡セル構造を発現し、発泡成形体6の部位によらず発泡セルの大きさが均一であり、機械的性能にも優れ、かつ表面外観にも優れた発泡成形体6を生産効率よく成形することができる。
製造装置1は、図1〜図4に示すごとく、金型として、第1型部2と、第1型部2に対して相対的に可動する第2型部3とを備えている。そして、製造装置1は、第2型部3と第1型部2との間に形成したキャビティ41A内に、熱可塑性樹脂組成物を溶融させた溶融樹脂60を充填し、第1型部2と第2型部3とをキャビティ41Aの容積が拡大する離隔方向Rに相対的に可動させるよう構成してある。
本例の製造装置1は、溶融樹脂60をキャビティ41A内に充填すると共に充填用隙間42に充填した後、第1型部2と第2型部3とを離隔方向Rに相対的に可動させるよう構成してある。
また、本例の第2型部3は、第1型部2との間に形成するキャビティ41の容積を1.1〜2.0倍に拡大させるように、第1型部2に対して離隔方向Rへ後退するよう構成してある。そして、本例において発泡成形する発泡成形体6の発泡倍率は、1.1〜2.0倍である。
図2、図3に示すごとく、本例の製造装置1は、第1型部2に設けた樹脂注入口22に接続して、上記キャビティ41A内に溶融樹脂60を注入するための注入ノズル25を有している。本例の第2型部3は、油圧、空気圧、電力等によって動作する駆動源によって、第1型部2に対して進退する(可動方向Dに移動する)よう構成してある。
図4に示すごとく、本例の第2型部3は、キャビティ形成凸部31の先端面312が充填用隙間42の可動方向Dの端部まで移動するまで第1型部2に対して離隔方向Rに可動するよう構成してある。
第2型部3が第1型部2に対する原位置301にあるときには、キャビティ41に連通して、溶融樹脂60を充填するための充填用隙間42が形成される。この充填用隙間42は、溶融樹脂60を充填した際に、充填用隙間42の全体にスキン層61を形成することができる幅(隙間)に形成する。そして、図1、図2に示すごとく、第2型部3が離隔方向Rに可動する前の原位置301にあるときには、第2型部3と第1型部2との間には、容積が縮小したキャビティ41A及び充填用隙間42が形成されると共に、図4に示すごとく、第2型部3が離隔方向Rに可動した可動位置302にあるときには、第2型部3と第1型部2との間には、容積が拡大したキャビティ41Bが形成される。
第1型部2のキャビティ形成凹部21における内側面211、及び第2型部3のキャビティ形成凸部31における外側面311は、可動方向Dに平行に形成してある。
そして、製造装置1は、第1型部2に対して第2型部3を離隔方向Rに可動させるときには、第2型部3における外側面311が閉塞型部5における内周面51と摺動することにより、充填用隙間42を形成した状態を維持して、キャビティ41Aの容積を拡大させるよう構成してある。
また、本例の充填用隙間42の幅(隙間)は適宜変更することができ、充填用隙間42に形成するスキン層61の厚みを適宜変更することができる。
本例の成形方法においては、充填工程として、図2、図3に示すごとく、第2型部3と第1型部2との間に形成したキャビティ41A内に、溶融樹脂60を充填してキャビティ41Aの表面に接触する溶融樹脂60の部分にスキン層61を形成し、可動工程として、図4に示すごとく、第1型部2と第2型部3とをキャビティ41Aの容積が拡大する離隔方向Rに相対的に可動させて、スキン層61に対する内側部分に溶融樹脂60を発泡させた発泡層62を形成する。
本例の発泡成形体6の成形方法は、溶融樹脂60を充填したキャビティ41Aの容積を拡大させて、溶融樹脂60を発泡させる方法であり、発泡成形する発泡成形体6の全周の表面に、溶融樹脂60がほとんど発泡せずに硬化したスキン層61を効果的に形成することができるものである。
こうして、発泡成形体6の内部に溶融樹脂60が発泡した発泡層62を形成すると共に、発泡成形体6の全周の表面にスキン層61を形成することができる。そのため、全周の表面に安定してスキン層61を形成することができ、発泡成形した発泡成形体6の機械的強度を効果的に向上させることができる。
すなわち、発泡成形する際には、タルク(E)及び繊維状充填材(F)が発泡起点になり、化学発泡剤(D)による発泡を促進することができる。このとき、タルク(E)による発泡起点と繊維状充填材(F)の両端による発泡起点とが混在することにより、より効果的に微細かつ均一な発泡セルが得られると考えられる。
すなわち、繊維状充填材(F)が含有されていることにより、金型の成形表面に接触する溶融状態の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物の表面が凹凸状に粗くなり、化学発泡剤(D)の発泡に伴って発生する揮発成分が、金型の成形表面と溶融状態の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物の表面との間から外部へ抜け易くなったためであると考えられる。
そのため、金型の成形表面に汚染が発生し難くなり、その清掃を行う頻度を減少させることができ、生産効率よく発泡成形体6を成形することができる。
本確認試験においては、上記発泡成形用熱可塑性樹脂組成物(発明品3〜11)、発泡成形用熱可塑性樹脂組成物(参考品1、2、12、13)及び比較のための熱可塑性樹脂組成物(比較品1〜9)を用いて発泡成形体を成形し、この発泡成形体の外観及び内部の観察と、機械的性能としての曲げモジュラスの測定と、金型の汚染の観察とを行った。
以下に具体的な組成の熱可塑性樹脂組成物を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<(A)成分;ゴム強化スチレン系樹脂>
(重合体A1;アクリル系ゴム/スチレン/アクリロニトリル共重合体)
攪拌機を備えたガラス製フラスコに、窒素気流中で、イオン交換水160部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、クメンハイドロパーオキサイド0.002部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩0.004部、硫酸第1鉄7水和物0.001部とn−ブチルアクリレート10部、アリルメタクリレート0.02部を投入し、撹拌しながら昇温した。60℃に達したところで、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.75部(20%水溶液)を添加した。内温を60℃に保持し80分経過後、n−ブチルアクリレート40部、アリルメタクリレート0.65部、及びクメンハイドロパーオキサイド0.01部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部、イオン交換水7部、を180分間かけて連続に添加し、添加終了後更に60分重合を継続した。60分経過後、アクリル系ゴムラテックスの一部をサンプリングし評価したところ、体積平均粒子径0.1μm、ゲル含率6%であった。
この重合体A1のグラフト率は65%、アセトン可溶分の極限粘度は〔η〕は0.38dl/gであった。また、熱シクロヘキサン溶解量は5%であった。
リボン型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに窒素気流中で、エチレン・プロピレン系ゴム質重合体〔エチレン含量63%、非共役ジエン成分はジシクロペンタジエン、ヨウ素価10、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)33、ゲル含率0%〕を30部、スチレン45部、アクリロニトリル25部、トルエン140部を仕込み、内温を75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間撹拌して均一溶液とした。その後、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温し、100℃に達した後、この温度を保持しながら、撹拌回転数100rpmとして重合反応を行った。
この重合体A2のグラフト率は60%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.45dl/gであり、熱シクロヘキサン溶解量は35%であった。
重合体A2を得るために用いたエチレン・プロピレン系ゴム質重合体の代わりに、ポリブタジエン〔JSR社製、「BR51」、ハイシスタイプ、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)33、ゲル含率0%〕15部、スチレン64部、アクリロニトリル21部に変えた以外は、重合体A2の場合と同様の方法で製造し、重合体A3を得た。
この重合体A3の重合転化率91%であり、グラフト率68%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.39dl/gであり、熱シクロヘキサン溶解量は2%であった。
リボン型撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに窒素気流中で、水素添加ブタジエン系ブロック共重合体〔JSR社製ダイナロン4600P(商品名)ゲル含率0%〕30部、メタクリル酸メチル50部、スチレン10部、アクリロニトリル10部、トルエン100部仕込み、内温を75℃に昇温させながら、撹拌により溶解させ均一溶液を得た後、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部を添加し、内温を更に昇温し、100℃に達した後は温度一定に制御しながら、撹拌回転数100rpmにて6時間重合反応を行った。その後、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出した。なお、重合転化率は91%であった。水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、40mmφの真空ベント付き押出機(220℃、760mmHg真空)にて、実質的に揮発分を脱揮させ、重合体A4のペレットを得た。
この重合体A4のグラフト率は35%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は0.30であり、熱シクロヘキサン溶解量は65%であった。
重合体A1を得るために用いたアクリル系ゴムラテックスの代わりに、ポリブタジエンラテックス(平均ゴム粒径0.3μm、ゲル含率85%)を用いた以外は、重合体A1の場合と同様の方法で製造し、重合体A5を得た。
この重合体A5の重合転化率は99%、得られた重合体D1のグラフト率は78%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.38dl/gであった。また熱シクロヘキサン溶解量は0%であった。
(重合体B1;スチレン/アクリロニトリル共重合体)
リボン翼を備えたステンレス製オートクレーブを2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤としてtert−ドデシルメルカプタン0.14部及びトルエン5部の溶液、及び重合開始剤として、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部、及びトルエン5部の溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、及び重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は、130℃で行い、重合転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合溶液は、2軸3段ベント付き押出機を使用して、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度〔η〕0.45dl/gの重合体B1を得た。
芳香族ポリカーボネート樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス 7022PJ」を用いた。
化学発泡剤としては、永和化成工業社製「ポリスレンEB106」、マスターバッチ(ADCA(発泡剤)/ABS(樹脂)=10/90(質量比))を用いた。化学発泡剤の配合量は、樹脂成分((A)〜(C)成分)の合計100質量部に対し、0.35質量部とした。
日本タルク社製の微粉タルク「MICRO ACE SG−200」(商品名)を用いた。レーザー回折法によるD50(重量平均)は1μmである。
ガラス繊維として、エヌエスジー・ヴェトロテックス社製のマイクログラス・チョップドストランド「RES 03−TP89Z」(商品名)を用いた。ガラス繊維の直径は13μm、長さは、3mmである。
酸化防止剤としては、ADEKA社製アデカスタブAO−412S(AO1)と、ADEKA社製アデカスタブ2112(AO2)と、住友化学工業社製スミライザーGS(AO3)とを用いた。酸化防止剤の配合量は、樹脂成分((A)〜(C)成分)の合計100質量部に対し、それぞれ0.1質量部とした。
ポッターズ・バロティーニ社製のフィラー用ガラスビーズ「GB731」(商品名)を用いた。材質はソーダ石灰ガラスであり、重量平均粒子径は32μmであった。
表1に記載した配合割合で、(A)〜(C)、(E)、(F)、(G)、その他の成分をヘンシエルミキサーにてブレンドした後、日本製鋼所製の二軸押出機TEX44を用いて、250℃にて押し出し、発泡成形前の熱可塑性樹脂ペレットを得た。
発泡成形機としては、日本製鋼所製110(t)電動成形機(J110AD)を用いた。得られた熱可塑性樹脂ペレットと発泡剤マスターバッチ((D)成分)をドライブレンドして発泡成形機に供給して射出発泡成形を行い、評価用試験片としての発泡成形体を得た。
また、射出発泡成形における充填時間は1秒、型開速度は0.5mm/秒とした。
なお、ゴム質重合体(a)のゲル含率、ゴム強化スチレン系樹脂(A)のグラフト率、ゴム強化スチレン系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕についても、上述した測定方法によって測定した。
最高発泡倍率は、発泡倍率を1.1倍から0.1倍ずつ上げていき、外観観察の結果が○から△に変わる倍率(成形外観が悪化する倍率)として求めた。また、発泡倍率は、容積拡張前のキャビティの隙間を3mmとし、キャビティの隙間を拡張する量を0.3mmずつ拡大して求めた。
を○、一部に波打ちしている面があった場合を△、歪んで波打ちしている場合を×として
評価した。
発泡成形体の内部観察は、発泡倍率を1.5倍として得られた発泡成形体の断面を目視観察し、均一で微細な発泡セルが形成されていた場合を○、発泡セルの外径に大小の分布があった場合を△、発泡セルのほとんどが大きな外径になっていた場合を×として評価した。
なお、発泡成形体の内部観察及び曲げモジュラスは、発泡成形体が波打っていたり、歪んでいた場合には、測定を実施しなかった。この場合は、表中に「−」と記載した。
金型の汚染は、発泡倍率を1.5倍として発泡成形体を成形し、発泡成形後に金型の成形表面に汚染が見られなかった場合を○、金型の成形表面の一部に汚染が見られた場合を△、金型の成形表面の全体に渡って汚染が見られた場合を×として評価した。
なお、最高発泡倍率が1.5倍以上に達しないものは、金型の汚染の評価を行わなかった。
なお、比較品1〜8については、内部観察結果に劣ったため、曲げモジュラスは評価しなかった。
2 第1型部
21 キャビティ形成凹部
22 樹脂注入口
3 第2型部
31 キャビティ形成凸部
41A、B キャビティ
42 充填用隙間
6 発泡成形体
60 溶融樹脂(熱可塑性樹脂組成物)
Claims (4)
- アクリル系のゴム質重合体(a)の存在下に芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b1)を重合してなり、かつ熱シクロヘキサン溶解量が、ゴム質重合体(a)を基準として1〜40質量%であるゴム強化スチレン系樹脂(A)5〜90質量%と、
芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b2)を重合してなるスチレン系樹脂(B)0〜85質量%と、
芳香族ポリカーボネート樹脂(C)10〜90質量%と、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、化学発泡剤(D)0.1〜5質量部と、タルク(E)1〜18質量部と、繊維状充填材(F)5〜25質量部とからなり、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量%におけるゴム質重合体(a)の割合が3〜50質量%であり、
キャビティの容積を拡大させるように金型を可動させて成形するコアバック型射出発泡成形に用いることを特徴とする発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。 - エチレン・プロピレン系のゴム質重合体(a)の存在下に芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b1)を重合してなり、かつ熱シクロヘキサン溶解量が、ゴム質重合体(a)を基準として5〜60質量%であるゴム強化スチレン系樹脂(A)5〜90質量%と、
芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体(b2)を重合してなるスチレン系樹脂(B)0〜85質量%と、
芳香族ポリカーボネート樹脂(C)10〜90質量%と、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量部に対し、化学発泡剤(D)0.1〜5質量部と、タルク(E)1〜18質量部と、繊維状充填材(F)5〜25質量部とからなり、
上記成分(A)〜(C)の合計100質量%におけるゴム質重合体(a)の割合が3〜50質量%であり、
キャビティの容積を拡大させるように金型を可動させて成形するコアバック型射出発泡成形に用いることを特徴とする発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。 - 請求項1において、上記アクリル系のゴム質重合体(a)は、ゲル含率が70質量%以下であり、体積平均粒子径が50〜300nmであることを特徴とする発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を用い、コアバック型射出発泡成形を行って成形したことを特徴とする発泡成形体。
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