JP5512436B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール型圧縮機に関し、一層詳細には、固定スクロールに対して可動スクロールを旋回させることにより圧縮機内部にて流体を圧縮するスクロール型圧縮機に関する。
従来から、固定板と該固定板に直立した渦巻状の固定壁を有する固定スクロールと、可動板と該可動板に直立した渦巻状の可動壁を前記固定ラップに噛み合わせるように配置した可動スクロールとをハウジングの内部に備え、偏心する駆動ピンを介して前記可動スクロールを旋回させることにより、固定スクロールの固定壁及び可動スクロールの可動壁と固定板及び可動板との間で形成される圧縮室を外周部位から徐々に中央部位へと移動させて流体(例えば、冷媒)を圧縮させるスクロール型圧縮機が知られている。
このようなスクロール型圧縮機では、可動スクロールの重心位置を中心へと近づけるために様々な構成が用いられている。例えば、特許文献1に開示されたスクロール型圧縮機では、揺動側スクロールの端部に、外周面に沿うようにバランサーを設けることにより、該揺動側スクロールの重心を回転軸の中心とを一致させている。また、特許文献2のスクロール型圧縮機では、旋回スクロールの重心が、該旋回スクロールの回転中心と一致するように、その端面に平衡用凹部を所定の大きさ及び数量で設ける構成としている。
特開昭55−46081号公報 特開昭60−19979号公報
しかしながら、上述した特許文献1に係る従来技術では、バランサーが、揺動側スクロールにおいて揺動スクロール歯の外周側に設けているため、前記揺動スクロール歯の外周側にスペースを設ける必要が生じ、該揺動側スクロールの大型化を招くと共に、前記バランサーの追加によって重心位置を調整する場合には、該バランスの数量が増大してしまい、それに伴って、前記揺動側スクロールの重量が増加してしまうこととなる。
一方、特許文献2に係る従来技術のように、平衡用凹部を設けることによって旋回スクロールの重心位置を調整する場合、前記旋回スクロールの端面に対して多くの肉抜きを行う必要があり、例えば、前記平衡用凹部の形状を広く又は深く形成するか、その数量を増加させる必要がある。その結果、旋回スクロールの製造コストが増加してしまうと共に、前記平衡用凹部の設けられる端面が大型化し、重量が増加してしまうこととなる。
また、平衡用凹部を深く形成しようとした場合、旋回スクロールの端面を予め厚く形成しておく必要があり、それに伴って、旋回スクロールの重量増を招くこととなる。
さらに、旋回スクロールの端面には、圧縮室で圧縮された圧縮流体によるスラスト荷重が作用するため、前記端面には、前記スラスト荷重を受けるための荷重受け部を設ける必要があるが、上述したように平衡用凹部を広範囲で形成した場合には、前記荷重受け部として利用できる範囲が制限されてしまうこととなる。その結果、旋回スクロールの端面を予め大きめに形成して対応することが考えられるが、この場合にも旋回スクロールの重量増を招くこととなる。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、可動スクロールを大型化させることなく、その重心位置を補正して前記可動スクロールの中心へとより一層接近させることが可能なスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願の請求項1で特定される発明は、ハウジング内に設けられ可動側渦巻壁を有した可動スクロールと、前記ハウジングに対する前記可動スクロールの自転を規制して旋回運動のみを許容する自転防止機構とを備えるスクロール型圧縮機において、
前記自転防止機構は、一対のガイドピンと、該ガイドピンの挿入される一対の凹部とを備え、第1の凹部が、前記ハウジングに臨む前記可動スクロールの端部に設けられ、第1のガイドピンが、前記可動スクロールに臨む前記ハウジングの端部に設けられて前記第1の凹部に挿入されると共に、第2の凹部が、前記ハウジングの端部に設けられ、第2のガイドピンが、前記可動スクロールの端部に設けられて前記第2の凹部に挿入されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、可動スクロールの自転を規制し、且つ、旋回運動のみを許容する自転防止機構を備え、前記自転防止機構が、ハウジングに臨む可動スクロールの端部に設けられる第1の凹部及び第2のガイドピンと、前記可動スクロールに臨む前記ハウジングの端部に設けられる第1のガイドピン及び第2の凹部とからなり、前記第1のガイドピンが前記第1の凹部に挿入され、第2のガイドピンが前記第2の凹部に挿入される。そして、可動スクロールが作動する際、第1及び第2のガイドピンと第1及び第2の凹部とによって自転することなく旋回することとなる。
従って、自転防止機構を構成する凹部及びガイドピンを可動スクロールの端部に設けることにより、該自転防止機構を利用して前記可動スクロールの重心位置を調整することが可能となる。その結果、重心位置を調整するための重心調整手段を別個に設けていた従来のスクロール型圧縮機と比較し、前記重心位置の調整に伴った可動スクロールの大型化及び重量の増加を抑制することができると共に、スクロール型圧縮機における製造コストの増加も抑制することができる。
また、請求項1の発明によれば、従来のスクロール型圧縮機と比較し、可動スクロールの端部において、重心位置を調整するための肉抜部を減少又は不要とすることができるため、圧縮室から付与されるスラスト荷重を負担するための受圧面積を前記端部において容易に確保することが可能となる。
さらに、請求項1の発明によれば、第2のガイドピンは、可動スクロールにおいて重心位置を調整するためのバランスウェイトとして利用することができるため、第1の凹部を設けることによる肉抜きと、前記第2のガイドピンを設けることによるバランスウェイトの追加とを同時に行うことができ、前記可動スクロールの重心位置をより一層効率的に行うことができる。
さらにまた、本願の請求項2で特定される発明では、可動スクロールにおいて、端部の中心と第2のガイドピンとの離間距離を、前記端部の中心と第1の凹部との離間距離に対して大きく設定することにより、バランスウェイトとして機能する第2のガイドピンを、肉抜きとして機能する第1の凹部に対してより外周側に設けることができるため、前記可動スクロールにおける重心位置の調整代を増加させることができる。その結果、可動スクロールにおける重心位置の調整を、容易且つ効率的に行うことができる。
またさらに、本願の請求項3で特定される発明では、可動スクロールにおいて、第1の凹部は、端部の中心と第2のガイドピンとを結ぶ仮想線の延長線上に設けることにより、前記第1の凹部及び第2のガイドピンが前記中心に対して互いに反対となる位置に配置されるため、前記可動スクロールにおける重心位置の調整を、より一層容易且つ効率的に行うことが可能となる。
また、本願の請求項4で特定される発明では、可動スクロールとハウジングとの間に耐摩耗板を設け、前記耐摩耗板に、ガイドピン及び凹部に臨む位置にそれぞれ第1及び第2貫通孔を設け、第2のガイドピンが挿通される第1貫通孔が、前記可動スクロールの旋回動作時に前記第2のガイドピンと非接触となる直径で形成するとよい。これにより、第2のガイドピンと耐摩耗板との接触を確実に回避できるため、前記第2のガイドピンの耐久性を向上させることができると共に、接触した場合に懸念される振動等の発生を回避することができる。
さらに、本願の請求項5で特定される発明では、第1のガイドピンが挿通される第2貫通孔を、第1貫通孔に対して小径で形成することにより、耐摩耗板における摺動面積をより大きく確保することができる。
さらにまた、本願の請求項6で特定される発明では、第2貫通孔は、第1のガイドピンと接触する直径で形成され、前記第2貫通孔と前記第1のガイドピンとを接触させることにより、前記耐摩耗板の位置決めがなされるため、前記耐摩耗板の位置決め手段を別個に設ける必要がなく、部品点数の削減及び組付工数の削減を図ることができると共に、前記耐摩耗板と可動スクロールとの摺動面積をより一層大きく確保できる。
またさらに、本願の請求項7で特定される発明では、凹部とガイドピンとの間に、それぞれリング体を設けることにより、可動スクロールの旋回時においてガイドピンが、それぞれリング体に沿って移動することとなるため、前記凹部に対して直接接触する場合と比較し、該ガイドピンの摩耗を抑制して耐久性の向上を図ることができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、自転防止機構を構成する凹部及びガイドピンを可動スクロールの端部に設けることにより、該自転防止機構を利用して前記可動スクロールの重心位置を調整することができるため、重心位置を調整するための重心調整手段を別個に設けていた従来のスクロール型圧縮機と比較し、前記重心位置の調整に伴った可動スクロールの大型化及び重量の増加を抑制することができると共に、スクロール型圧縮機における製造コストの増加を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機の一部省略縦断面図である。 図1に示すスクロール型圧縮機のフロントハウジングの平面図である。 図1に示すスクロール型圧縮機の可動スクロールをフロントハウジング側から見た平面図である。 図1に示す耐摩耗板の正面図である。 スクロール型圧縮機におけるフロントハウジング及び可動スクロールの分解斜視図である。
本発明に係るスクロール型圧縮機について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機を示す。
このスクロール型圧縮機10は、図1に示されるように、カップ状に形成されたフロントハウジング(ハウジング)12と、冠状に形成されたリアハウジング14とを含む。フロントハウジング12の上部には、例えば、冷媒ガス等からなるガス(流体)をその内部へと導入する吸入口(図示せず)が形成されている。一方、リアハウジング14の上部には、スクロール型圧縮機10により前記ガスが圧縮された圧縮ガスを、例えば、冷媒循環系へと吐出する吐出口(図示せず)が形成されている。
フロントハウジング12の支持面(端部)12aには、図2に示されるように、後述する回転シャフト60が挿通される貫通孔16が略中央部に形成されると共に、該貫通孔16に対して半径外方向には、一対の第1ガイド凹部(凹部)18a、18bと、第1ガイドピン(ガイドピン)20の圧入される一対の第1ピン孔22a、22bが形成される。
第1ガイド凹部18a、18bは、断面円形状に形成され、支持面12aに対して所定深さで窪み、且つ、前記貫通孔16を中心とした同一径上に設けられる。また、第1ガイド凹部18a、18bは、貫通孔16を中心として互いに90°離間した位置に配置される。
一方、第1ピン孔22a、22bは、第1ガイド凹部18a、18bより小径で形成され、前記貫通孔16を中心とした同一径上に設けられると共に、前記貫通孔16を中心として互いに90°離間し、且つ、前記貫通孔16を挟んで第1ガイド凹部18a、18bと反対側となる位置に配置される。
すなわち、第1ガイド凹部18a、18b及び第1ピン孔22a、22bは、フロントハウジング12における支持面12aの中心C1を通る仮想線L1、L2上となるように一直線上に配置される。詳細には、一方の第1ガイド凹部18aと一方の第1ピン孔22aとが、支持面12aの中心C1を通る仮想線L1上に配置され、他方の第1ガイド凹部18bと第1ピン孔22bとが、前記中心C1を通る別の仮想線L2上に配置される。この仮想線L1と他の仮想線L2とは、互いに直交するように交差している。
そして、第1ピン孔22a、22bには、軸状の第1ガイドピン20が圧入され、フロントハウジング12の端面に対して所定高さだけ突出している。この第1ガイドピン20及び第1ガイド凹部18a、18bは、可動スクロール30の自転を防止する自転防止機構24の一部として機能する。
また、フロントハウジング12の外周側にはフランジ部26が設けられ、リアハウジング14に対してボルト(図示せず)を介して連結される。
一方、リアハウジング14の内部には、図1に示されるように、固定スクロール28と、該固定スクロール28に対して旋回する可動スクロール30とが配設される。
固定スクロール28は、リアハウジング14に連結される外周縁部を含む固定側基板部32と、この固定側基板部32から可動スクロール30側へと渦巻状に立設される固定側渦巻壁34とを有する。
固定スクロール28の背面とリアハウジング14との間には、前記吐出口に連通するガス吐出室36が形成される。また、固定側基板部32の略中心部には、後述するガス圧縮室38からガス吐出室36へと連通する圧縮ガス導出孔40が形成されると共に、前記固定側基板部32は、複数の締結ボルト42によってリアハウジング14と互いに連結される。
また、固定側基板部32の背面には、圧縮ガス導出孔40を閉塞する一方、ガス圧縮室38において圧縮された圧縮ガスが所定圧となった際に、開動作してガス吐出室36へ該圧縮ガスを導出する吐出弁(図示せず)が備えられている。
可動スクロール30は、図1に示されるように、可動側基板部(端部)44と、該可動側基板部44から固定スクロール28側へと渦巻状に立設され、前記固定側渦巻壁34に噛み合う可動側渦巻壁46とを有する。
そして、リアハウジング14内において、可動側渦巻壁46が固定スクロール28側となるように配置され、前記固定スクロール28を構成する固定側基板部32及び固定側渦巻壁34と、可動スクロール30を構成する可動側基板部44及び可動側渦巻壁46とによってガス圧縮室38が形成される。このガス圧縮室38を封止するために、固定側渦巻壁34及び可動側渦巻壁46の各端部には、それぞれ可動側基板部44及び固定側基板部32に摺接するようにシール部材48が装着されている。
また、可動側基板部44には、図3に示されるように、その前面側に開口した円形凹部50が中央部に形成されると共に、前記円形凹部50に対して半径外方向には、一対の第2ガイド凹部(凹部)52a、52bと、第2ガイドピン(ガイドピン)54の圧入される一対の第2ピン孔56a、56bが形成される。
第2ガイド凹部52a、52bは、断面円形状に形成され、端面に対して所定深さで窪み、且つ、前記貫通孔16を中心とした同一径上に設けられる。また、第1ガイド凹部18a、18bは、貫通孔16を中心として互いに90°離間した位置に配置される。
一方、第2ピン孔56a、56bは、第2ガイド凹部52a、52bより小径で形成され、前記貫通孔16を中心とした同一径上に設けられると共に、前記貫通孔16を中心として互いに90°離間し、且つ、前記貫通孔16を挟んで第2ガイド凹部52a、52bと反対側となる位置に配置される。そして、第2ピン孔56a、56bには、軸状の第2ガイドピン54が圧入され、可動側基板部44の端面に対して所定高さだけ突出している。この第2ガイドピン54及び第2ガイド凹部52a、52bは、可動スクロール30の自転を防止する自転防止機構24の一部として機能する。
すなわち、第2ガイド凹部52a、52b及び第2ピン孔56a、56bは、可動スクロール30における可動側基板部44の中心C2を通る仮想線L3、L4上となるように一直線上に配置される。詳細には、一方の第2ガイド凹部52aと一方の第2ピン孔56aとが、可動側基板部44の中心C2を通る仮想線L3上に配置され、他方の第2ガイド凹部52bと第2ピン孔56bとが、可動側基板部44の中心C2を通る別の仮想線L4上に配置される。この仮想線L3と他の仮想線L4とは、互いに直交するように交差している。
また、可動側基板部44において、その中心C2から第2ガイド凹部52aの中心までの距離E1が、前記中心C2から第2ピン孔56aの中心までの距離E2に対して小さく設定される(E1<E2)。すなわち、可動側基板部44の中心C2に対して第2ピン孔56aの方が第2ガイド凹部52aに対して半径外方向に配置される。
さらに、可動側基板部44の端面には、一方の第2ガイド凹部52aと他方の第2ガイド凹部52bとの間に所定深さで窪んだ断面略矩形状の肉抜部58が設けられる。
そして、図1に示されるように、フロントハウジング12と可動スクロール30とを組み付ける際、第2ガイド凹部52a、52bには、前記フロントハウジング12に設けられた第1ガイドピン20がそれぞれ挿入され、一方、第2ガイドピン54が、前記フロントハウジング12の端面に形成された第1ガイド凹部18a、18bにそれぞれ挿入される。
回転シャフト60は、その一端である軸部62がフロントハウジング12の端部に設けられた開口に挿入され、第1軸受64を介して回転自在に支持される。また、軸部62の外周側には、フロントハウジング12との間にガス吸入室66を封止するための封止部材68が嵌挿される。
一方、回転シャフト60の他端には、軸部62に対して拡径した支持体70が設けられ、前記支持体70は、貫通孔16に設けられた第2軸受72に挿通されることによって回転自在に支持される。なお、第2軸受72はフロントハウジング12の内部に保持される。支持体70には、その軸心に対して偏心した駆動ピン74が設けられている。
ブッシュ76は、可動スクロール30の円形凹部50に旋回軸受78を介して回転可能に嵌挿される。ブッシュ76は、その軸心に偏心して形成された孔部80に前記駆動ピン74が挿入されることで回転シャフト60によってスイング運動可能に旋回され、これにより、可動スクロール30を旋回半径可変に旋回させる。
また、ブッシュ76は、係止リング82により駆動ピン74の軸方向への抜け止めがなされた状態で、該駆動ピン74を中心として回転可能に構成されている。なお、駆動ピン74の根元近傍には、ブッシュ76を介してバランスウェイト84が装着される。
可動スクロール30における可動側基板部44とフロントハウジング12の内部に形成された支持面との間には、該可動スクロール30を回転シャフト60の軸方向に対して直交方向に摺動可能に支持する耐摩耗板86が設けられる。この耐摩耗板86は、図4に示されるように、例えば、一定厚さのプレートから形成され、第1ガイドピン20の挿通される一対の第1挿通孔(第2貫通孔)88と、第1ガイド凹部18a、18bと同軸上に形成され、第2ガイドピン54の挿入される一対の第2挿通孔(第1貫通孔)90とを有する。第1挿通孔88の直径D1は、第2挿通孔90の直径D2より小さく設定される(D1<D2)。
一方、フロントハウジング12の開口の外周部には、第3軸受92を介してプーリ94が装着されている。このプーリ94に図示しないエンジン等の回転駆動源からベルト等を介して回転力が伝達され、電磁クラッチ96のオン/オフ動作によって前記回転シャフト60への前記回転力の伝達あるいは切り離しが行われる。
本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、電磁クラッチ96の動作作用下に、回転シャフト60に回転力が伝達されると、支持体70が第2軸受72を介して回転し、これによって前記支持体70に固着された駆動ピン74が回転シャフト60の軸心に対して偏心した状態で旋回する。これにより、ブッシュ76が回転して、耐摩耗板86に摺動可能に支持された可動スクロール30が自転防止機構24によって自転を拘束されながら固定スクロール28に対して旋回する。
詳細には、可動スクロール30は、その第2ガイドピン54がフロントハウジング12の第1ガイド凹部18a、18bに挿入され、第2ガイド凹部52a、52bには、前記フロントハウジング12の第1ガイドピン20が挿入されているため、フロントハウジング12に対して前記可動スクロール30の自転が規制されている。
なお、この際、バランスウェイト84は、可動スクロール30の旋回による遠心力に平衡する遠心力を発生させて旋回している。
その結果、固定スクロール28における固定側渦巻壁34と可動スクロール30における可動側渦巻壁46との間で形成されるガス圧縮室38が外周部位から徐々に中央部位へと進行し、シール部材48の封止作用下にガス吸入室66に導入されたガスが圧縮される。そして、圧縮された圧縮ガスが、圧縮ガス導出孔40からガス吐出室36へと導出され、図示しない吐出口を介して図示しない冷媒循環系へと吐出される。
以上のように、本実施の形態では、可動スクロール30の自転を規制する自転防止機構24を備え、前記自転防止機構24を、フロントハウジング12の端面に形成された第1ガイド凹部18a、18bと、前記可動スクロール30の可動側基板部44に形成された第2ガイド凹部52a、52bと、前記第1及び第2ガイド凹部18a、18b、52a、52bに挿入される第1及び第2ガイドピン20、54とから構成している。
この自転防止機構24における第2ガイド凹部52a、52b及び第2ガイドピン54を利用し、可動スクロール30の重心位置を調整することが可能となる。その結果、重心位置を調整するための重心調整手段を別個に設けていた従来のスクロール型圧縮機と比較し、前記重心位置の調整に伴った可動スクロール30の大型化及び重量の増加を抑制することができると共に、スクロール型圧縮機10における製造コストの増加も抑制することが可能となる。
また、従来のスクロール型圧縮機と比較し、可動スクロール30の可動側基板部44において、重心位置を調整するための肉抜部を減少又は不要とすることができるため、前記可動側基板部44において、耐摩耗板86の適切な配置や、スラスト荷重を負担するための受圧面積を容易に確保することが可能となる。
さらに、第2ガイドピン54は、可動スクロール30において重心位置を調整するためのバランスウェイトとして機能させることが可能であるため、第2ガイド凹部52a、52bを設けることによる肉抜きと、前記第2ガイドピン54の装着によるバランスウェイトの追加とを同時に行うことができ、前記可動スクロール30の重心位置をより一層効率的に行うことができる。
さらにまた、可動スクロール30において、可動側基板部44の中心C2に対する第2ガイドピン54の距離E2を、前記中心C2から第1ガイド凹部52a、52bまでの距離E1に対して大きく設定することにより,バランスウェイトとして機能する第2ガイドピン54を、可動側基板部44の肉抜きとして機能とする第2ガイド凹部52a、52bに対してより外周側に設けることによって前記可動スクロール30における重心位置の調整代を増加させることができる。その結果、可動スクロール30における重心位置の調整を、容易且つ効率的に行うことができる。
またさらに、可動スクロール30において、第2ガイド凹部52a、52bと第2ガイドピン54とを、該可動側基板部44の中心を通る仮想線L3、L4上となるようにそれぞれ一直線上に配置することにより、前記第2ガイド凹部52a、52b及び第2ガイドピン54が前記中心に対して互いに反対となる位置に配置されるため、前記可動スクロール30における重心位置の調整を、より一層容易且つ効率的に行うことが可能となる。
またさらに、可動スクロール30の可動側基板部44とフロントハウジング12との間に耐摩耗板86を設け、該耐摩耗板86に形成され、前記可動スクロール30に装着された第2ガイドピン54の挿通される第2挿通孔90を、該可動スクロール30の旋回駆動時に前記第2ガイドピン54と接触しない直径で形成しているため、前記第2ガイドピン54と前記耐摩耗板86との接触を確実に回避でき、それに伴って、前記第2ガイドピン54の耐久性を向上させることができると共に、接触した場合に懸念される振動の発生を回避することが可能である。
また、耐摩耗板86において、フロントハウジング12に装着された第1ガイドピン20の挿通される第1挿通孔88を形成し、前記第1ガイドピン20は、旋回駆動することのないフロントハウジング12に設けられているため、該第1挿通孔88を、第2ガイドピン54の挿通される第2挿通孔90に対して小さく形成することが可能となる。その結果、耐摩耗板86の摺動面積をより大きく確保することができる。
さらに、第1挿通孔88の直径を、該第1挿通孔88に挿通される第1ガイドピン20の直径と略同等に設定することにより、耐摩耗板86と可動スクロール30との摺動面積をより一層大きく確保できると共に、前記第1ガイドピン20を介して前記耐摩耗板86の可動スクロール30に対する位置決めを行うことができる。その結果、耐摩耗板86の位置決め手段を別個に設ける必要がなく、部品点数の削減及び組付工数の削減を図ることができる。
一方、図5に示されるように、フロントハウジング12における第1ガイド凹部18a、18b、可動スクロール30における第2ガイド凹部52a、52bに対してそれぞれ第1及び第2リング体100a、100bを挿入するようにしてもよい。この第1及び第2リング体100a、100bは、例えば、耐摩耗性に優れた金属製材料から形成されたリング体や転がり軸受からなる。そして、第1及び第2リング体100a、100bは、第1及び第2ガイド凹部52a、52bに対して挿入又は圧入される。
すなわち、第1及び第2ガイド凹部18a、18b、52a、52bと第1及び第2ガイドピン20、54との間に、それぞれ第1及び第2リング体100a、100bを設けることにより、可動スクロール30の旋回時において第1及び第2ガイドピン20、54が、それぞれ第1及び第2リング体100a、100bの内周面に沿って移動することとなるため、該第1及び第2ガイドピン20、54の摩耗を抑制し、その耐久性を向上させることができる。
また、上述したスクロール型圧縮機10では、第1及び第2ガイドピン20、54をそれぞれ2本ずつ備えた4本のガイド手段を備える構成について説明したが、例えば、前記ガイド手段であるガイドピンの本数は、3本、5本、6本でも良い。
さらに、上述したスクロール型圧縮機10においては、可動スクロール30における可動側基板部44とフロントハウジング12との間に耐摩耗板86を設ける構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、前記可動側基板部44及びフロントハウジング12の支持面12aを耐摩耗性に優れた材質で形成したり、その表面に表面処理を施すことにより、前記耐摩耗板86を設けることなく前記可動スクロール30とフロントハウジング12の支持面12aとを直接的に当接させる構成としてもよい。
さらに、上述したスクロール型圧縮機10は、プーリ94を介してエンジンから伝達される回転駆動力に基づいて駆動する構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、モータ等によって駆動する電動コンプレッサ等に上述した構造を適用するようにしてもよい。
なお、本発明に係るスクロール型圧縮機は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…スクロール型圧縮機 12…フロントハウジング
14…リアハウジング 18a、18b…第1ガイド凹部
20…第1ガイドピン 22a、22b…第1ピン孔
24…自転防止機構 28…固定スクロール
30…可動スクロール 32…固定側基板部
34…固定側渦巻壁 44…可動側基板部
46…可動側渦巻壁 50…円形凹部
52a、52b…第2ガイド凹部 54…第2ガイドピン
56a、56b…第2ピン孔 58…肉抜部
60…回転シャフト 70…支持体
74…駆動ピン 86…耐摩耗板
88…第1挿通孔 90…第2挿通孔
100a…第1リング体 100b…第2リング体

Claims (7)

  1. ハウジング内に設けられ可動側渦巻壁を有した可動スクロールと、前記ハウジングに対する前記可動スクロールの自転を規制して旋回運動のみを許容する自転防止機構とを備えるスクロール型圧縮機において、
    前記自転防止機構は、一対のガイドピンと、該ガイドピンの挿入される一対の凹部とを備え、第1の凹部が、前記ハウジングに臨む前記可動スクロールの端部に設けられ、第1のガイドピンが、前記可動スクロールに臨む前記ハウジングの端部に設けられて前記第1の凹部に挿入されると共に、第2の凹部が、前記ハウジングの端部に設けられ、第2のガイドピンが、前記可動スクロールの端部に設けられて前記第2の凹部に挿入されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 請求項1記載のスクロール型圧縮機において、
    前記可動スクロールにおいて、前記端部の中心と前記第2のガイドピンとの離間距離が、前記端部の中心と前記第1の凹部との離間距離に対して大きく設定されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 請求項1又は2記載のスクロール型圧縮機において、
    前記可動スクロールにおいて、前記第1の凹部は、前記端部の中心と前記第2のガイドピンとを結ぶ仮想線の延長線上に設けられることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機において、
    前記可動スクロールと前記ハウジングとの間には耐摩耗板が設けられ、前記耐摩耗板には、前記ガイドピン及び凹部に臨む位置にそれぞれ第1及び第2貫通孔が設けられ、前記第2のガイドピンが挿通される第1貫通孔は、前記可動スクロールの旋回動作時に前記第2のガイドピンと非接触となる直径で形成されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  5. 請求項4記載のスクロール型圧縮機において、
    前記第1のガイドピンが挿通される第2貫通孔は、前記第1貫通孔に対して小径で形成されることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  6. 請求項5記載のスクロール型圧縮機において、
    前記第2貫通孔は、前記第1のガイドピンと接触する直径で形成され、前記第2貫通孔と前記第1のガイドピンとを接触させることにより、前記耐摩耗板の位置決めがなされることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機において、
    前記凹部と前記ガイドピンとの間には、それぞれリング体が設けられることを特徴とするスクロール型圧縮機。
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