図1は本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図において、本発明の画像形成装置1は、フルカラー画像を形成する画像形成装置であって、読み取り部110、画像形成部120及び給紙部130を含んで主として構成されている。画像形成部120には、4個のプロセスカートリッジ121(Y、C、M、K)と、無端状の中間転写ベルト122と、2次転写ローラ123と、各プロセスカートリッジにトナーを供給する各色に対応したトナーボトル124とが設けられている。中間転写ベルト122は、各像担持体である感光体10の上方に配置され、この中間転写ベルト122の下側の走行辺が各感光体10の周面に当接している。中間転写ベルト122は、各感光体10の表面にそれぞれ形成された互いに異なる色のトナー像が重ねて転写される転写材として機能する。また、中間転写ベルト122を挟んで、各感光体10と対向する位置に、一次転写ローラ125がそれぞれ配置されている。各感光体10上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト122に転写する構成は、トナー像の色が異なるだけで、各プロセスカートリッジ121において実質的に全て同一である。プロセスカートリッジ列の下方には、帯電された像担持面に例えば画像情報に基づいてレーザ光を照射して静電潜像を形成する光書込み装置60が配置されている。また、給紙部130には、記録媒体としての転写紙を収容した給紙カセットが設けられており、この給紙カセットは所定のタイミングで中間転写ベルト122と、これに対向配置された二次転写ローラ123との間のニップ部に転写紙を給送する。
以下、このような構成の画像形成装置の動作について説明する。
先ず、プロセスカートリッジ121の感光体10を、後述する図2における時計方向に回転駆動させ、帯電電圧を印加した帯電装置40の帯電ローラ41によってその表面を所定の極性に帯電する。帯電後の感光体10に対し、図1の光書込み装置60から出射され、光変調された例えばレーザビームを照射し、これによって各感光体10の表面に静電潜像を形成する。各静電潜像に対し、後述する図2の現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各現像剤に対応したトナー像を形成して可視像化する。次いで、図1の一次転写ローラ125に転写電圧を印加して各感光体10上の各トナー像を、回転する中間転写ベルト122上に一次転写させ、合成画像としてのカラー画像を形成する。中間転写ベルト122上に一次転写されたカラー画像を、給紙部130の給紙カセットから所定のタイミングで搬送され、中間転写ベルト122と二次転写ローラ123との間に給送した記録紙に二次転写する。カラー画像が二次転写された記録紙を後流の定着装置126に送り、ここで記録紙上のカラー画像を熱と圧力の作用によって記録紙に定着させる。次いで、カラー画像を定着させた記録紙を、排紙ローラ対によって、画像形成装置本体の上部の排紙部に排出する。
一方、トナー像転写後の感光体10上に付着する転写残トナーを、後述する図2のクリーニング装置30のクリーニングブレード31によって回収、除去する。クリ−ニングした感光体10の表面に潤滑剤塗布装置20によって潤滑剤を塗布する。即ち、図2に示したように、潤滑剤ホルダ内に摺動可能に収容された固形潤滑剤21と感光体10との両方に接触して回転する潤滑剤塗布ブラシローラ23によって、固形潤滑剤21を削り取って粉末状の潤滑剤として感光体10表面に塗布する。
更に、図1の二次転写部で中間転写ベルト122上に残留した転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング部のクリーニングローラ及びクリーニングブレードによって回収、除去される。クリーニングした中間転写ベルト122の表面に図2の潤滑剤塗布装置20によって潤滑剤を塗布する。即ち、図2に示したように、潤滑剤ホルダ内に摺動可能に収容された固形潤滑剤21と中間転写ベルト122との両方に接触して回転する潤滑剤塗布ブラシローラ23によって、固形潤滑剤21を削り取って粉末状の潤滑剤として中間転写ベルト122表面に塗布する。
図2は本発明の画像形成装置におけるプロセスカートリッジの構成を示す断面図である。同図において、本発明の画像形成装置におけるプロセスカートリッジ100は、感光体10と、この感光体10に付設された潤滑剤塗布装置20の外、クリーニング装置30、帯電装置40及び現像装置50とを備えている。クリーニング装置30は、感光体10の表面に当接するクリーニングブレード31を有している。クリーニングブレード31は、感光体10の表面に残留するトナー等を清掃、回収する。潤滑剤塗布装置20は、固形潤滑剤21と、この固形潤滑剤21を支持する潤滑剤保持部材22と、固形潤滑剤21と感光体10との両方に接触して回転する潤滑剤塗布ブラシローラ23と、潤滑剤塗布ブレード24とを含んで構成されている。潤滑剤塗布ブレード24は、感光体10の表面に塗布された潤滑剤を均してその厚さを均一にする。帯電装置40は、感光体10に当接するように配置された帯電ローラ41と、この帯電ローラ41に当接して回転する帯電ローラクリーナ42とを含んで構成されている。帯電ローラ41は、感光体10の表面を一様に帯電させるものであり、帯電ローラクリーナ42は、帯電ローラ41の表面を清掃する。現像装置50は、感光体10の表面に現像剤としてのトナーを供給して静電潜像を可視像化する現像ローラ51と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌する混合ローラ52と、攪拌、混合された現像剤を現像ローラ51に供給する供給ローラ53とを含んで構成されている。
図3は本発明の画像形成装置における中間転写体クリーニング装置の構成を示す拡大図である。同図において、中間転写体クリーニング装置122は上流に中間転写ベルトクリーニングローラ71及びクリーニングブレード72が配置され、中間転写ベルト122上に付着した紙粉及び転写残トナーを清掃する。除去された紙粉・トナーは搬送スクリュ73によりここでは図示されない廃トナー貯蔵部へ排出される。更に、下流に配置されている潤滑剤塗布ブラシ74は、固形潤滑剤76を中間転写ベルト122に塗布するために、バネ部材75により所定の当接圧で中間転写ベルト122に常時当接されている。
次に、本発明の画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明すると、600[dpi]以上の微少ドットを再現するために、トナーの重量平均粒径は3〜8[μm]が好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。また、重量平均粒径(D4)が3[μm]未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。また、重量平均粒径(D4)が8[μm]を超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(D4/D1)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA-IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について説明する。
先ず、電解水溶液100〜150[mL]中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5[mL]加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%のNaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの質量、個数を測定して、質量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上〜40.30[μm]未満の粒子を対象とする。トナーの形状係数SF‐1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。
図4、図5は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S‐800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
本発明のトナーは、母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500[nm]で、嵩密度が0.3[g/cm3]以上の微粒子を外添加して得られたトナーである。外添加剤として平均一次粒径が50〜500[nm]で、嵩密度が0.3[mg/cm3]以上の微粒子を用いることにより、クリーニング性が良好であるとともに、特に高画質を達成する小粒径トナーを用いた場合に、現像性及び転写性の低下の改善が図られる。
以下、本発明のトナーを詳細に説明する。
本発明のトナーは、トナーの粒子表面に平均一次粒径が50〜500[nm]で、嵩密度が0.3[mg/cm3]以上の微粒子(以下、単に微粒子という)を付着させたものである。なお、通常の流動性向上剤にシリカ等がよく用いられるが、例えば、このシリカの平均一次粒径は通常10〜30[nm]、嵩密度が0.1〜0.2[mg/cm3]である。
本発明において、トナーの表面に適切な特性の微粒子が存在することで、トナー粒子と対象体との間に適度な空隙が形成される。また、微粒子は、トナー粒子、感光体、帯電付与部材との接触面積が非常に小さく、均等に接触するので付着力低減効果が大きく、現像・転写効率の向上に有効である。更に、コロの役割を果たすため、感光体を摩耗または損傷させることなく、クリーニングブレードと感光体との高荷重、高速度等の高ストレス下でのクリーニングの際も、トナー粒子に埋没し難く、あるいは少々埋没しても離脱、復帰が可能であるので、長期間にわたって安定した特性を得ることができる。
更に、トナーの表面カラー適度に脱離し、クリーニングブレードの先端部に蓄積し、いわゆるダム効果によって、ブレードからトナーが通過する現象を防止する効果がある。これらの特性は、トナー粒子の受けるシェアを低減させる作用を示すので、高速定着(低エネルギー定着)のためトナーに含有されている低レオロジー成分によるトナー自身のフィルミングの低減効果を発揮する。しかも、微粒子として、平均一次粒径が50〜500[μm]の範囲のものを用いると、十分にその優れたクリーニング性能を活かすことができる上、極めて小粒径であるため、トナーの粉体流動性を低下させることがない。更に、詳細は明らかでないが、表面処理された微粒子はトナーに外部添加されても、仮にキャリアを汚染した場合においても現像剤劣化の度合が少ない。微粒子の平均一次粒径(以下、平均粒径という)は、50〜500[nm]のものが用いられ、特に100〜400[nm]のものが好ましい。50[nm]未満であると、微粒子がトナー表面の凹凸の凹部分に埋没してコロの役割を低下する場合が生じる。一方、500[μm]よりも大きいと、微粒子がブレードと感光体表面の間に位置した場合、トナー自身の接触面積と同レベルのオーダーとなり、クリーニングされるべきトナー粒子を通過させる、即ちクリーニング不良を発生させやすくなる。嵩密度が0.3[mg/cm3]未満では、流動性向上への寄与はあるものの、トナー及び微粒子の飛散性及び付着性が高くなるために、トナーとコロとしての効果や、クリーニング部で蓄積して、トナーのクリーニング不良を防止するいわゆるダム効果といった働きが低下してしまう。
本発明の微粒子において、無機化合物としては、SiO2、TiO2、Al2O3、MgO、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4、SrTiO3等を例示することができ、好ましくは、SiO2、TiO2、Al2O3があげられる。特にこれら無機化合物は各種のカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン等で疎水化処理が施されていてもよい。
また,有機化合物の微粒子としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げ られる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂の具体的な例としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
なお、微粒子の嵩密度は下記の方法により測定した。
100mLのメスシリンダーを用いて、微粒子を徐々に加え100mLにした。その際、振動は与えなかった。このメスシリンダーの微粒子を入れる前後の質量差により嵩密度を測定した。嵩密度[g/cm3]=微粒子量[g/100mL]÷100
本発明の微粒子を、トナー表面に外添加し付着させる方法としては、トナー母体粒子と微粒子を各種の公知の混合装置を用いて、機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子と微粒子を界面活性剤などで均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法などがある。トナー定着性に関連するトナーの特性は多く知られ、特に1/2流出温度(軟化点)が関連することが知られているが、本発明の定着装置に対しては、1/2流出温度(軟化点)定着性は関連が見られず、ガラス転移温度が45〜65[℃]で、流出開始温度が90〜115[℃]である両特性を満足するトナーを用いることで、良好な定着性が得られる。ガラス転移温度が45[℃]よりも低い場合は、定着時にオフセットが発生する場合があり、逆に65[℃]よりも高い場合は、十分な定着性が得られず、画像が転写紙から剥がれやすくなる場合がある。流出開始温度が90[℃]よりも低い場合は、定着時にオフセットが発生する場合があり、逆に115[℃]よりも高い場合は、十分な定着性が得られず、画像が転写紙から剥がれやすくなる場合がある。
次に、Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。先ず試料約10[mg]をアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。
先ず、室温から昇温速度10[℃/min]で150[℃]まで加熱した後、150[℃]で10[min]間放置、室温まで試料を冷却して10[min]放置、窒素雰囲気下で再度150[℃]まで昇温速度10[℃/min]で加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。トナーの流出開始温度は、フローテスターを用いて測定することができる。フローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500D型がある。
このフローテスターのフローカーブは図6の(a)及び(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図中、Tfbは流出開始温度であり、1/2法における溶融温度とあるのはT1/2温度のことである。測定条件は荷重を5[kg/cm2]、昇温速度を3.0[℃/min]、ダイ口径を1.00[mm]、ダイ長さは10.0[mm]とした。
また、本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、本発明のトナーの特性を満足するものであれば、以下の組成のものを使用することができる。
例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
また、下記の樹脂を混合して使用することもできる。
ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキ シ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。この中で特に、ポリエステル樹脂が十分な定着性を得るために、好ましい。
ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1.3.5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。また、3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ペンゼントリカルボン酸、1,2,5−ペンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボ−ル3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
また、本発明のトナーには、定着時の定着ベルト表面でのトナーの離型性を向上する目的で、離型剤を含有させることができる。離型剤として、公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックス、エステルワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1[μm]以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不十分となる。逆に酸価が各々の範囲を超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不十分となる。ワックスの添加量としてはバインダー樹脂100質量部に対して1〜15質量部、好ましくは3〜10質量部の範囲で用いられる。1質量部未満では、その離型効果が薄く所望の効果が得られにくい。また、15質量部を超えた場合はキャリアへのスペントが顕著になる等の問題が生じた。
また、トナーに帯電を付与する目的で、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤としては、従来公知のものが全て使用できる。正帯電制御剤としては、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ顔料、四級アンモニウム塩化合物他等が挙げられ、負帯電制御剤としては、モノアゾ染料の金属塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体他等が挙げられる。本極性制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100質量部に対して0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜2質量部の範囲で用いられる。0.01質量部未満では、環境変動時における帯電量Q/Mの変動に対しその効果が小さく、8質量部を超えると低温定着性が劣る結果となる。また、使用される含金属モノアゾ染料としては、含クロムモノアゾ染料、含コバルトモノアゾ染料、含鉄モノアゾ染料を単独もしくは組み合わせて使用することができる。これらを添加することにより、現像剤中における帯電量Q/Mの立ち上がり(飽和までの時間)がより優れたものとなる。使用量としては、前記極性制御剤同様にバインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは1〜7質量部の範囲で用いられる。0.1質量部未満では、その効果が薄く、10質量部を超えると帯電量の飽和レベルが低下する等の欠点が生じる。
また、カラートナーには、サリチル酸誘導体の金属塩を用いることが特に好ましいが、必要に応じてカラートナーの色調を損なうことのない透明もしくは白色の物質を添加して、トナーの帯電性を安定的に付与することができる。具体的には、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられるが、これらに限られるものではない。
更に、本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。本発明の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物などが挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2[μm]程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し約20〜200質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対し40〜150質量部である。
着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
本発明のトナーに用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染料及び顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。
また、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、疎水性のシリカ、酸化チタン、アルミナ、など、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。更に本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合に、使用し得るキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理した物などが挙げられる。
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30質量%未満だと現像特性が低く、90質量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるカラーである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
本発明においてシリコーン樹脂で被覆するキャリア核体粒子としては、従来より公知のものでよく例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトナーどの合金や化合物;ガラスビーズ等が挙げられる。これら核体粒子の平均粒径は通常10〜1000[μm]、好ましくは30〜500[μm]である。なお、シリコーン樹脂の使用量としては、通常キャリア核体粒子に対して1〜10質量%である。また、本発明で用いられるシリコーン樹脂としては従来より知られるいずれのシリコーン樹脂であってもよく、例えば市販品として入手できる信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA−4、ES1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。シリコーン樹脂層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段でシリコーン樹脂を塗布すればよい。
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。
以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコ−ル(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上の多価アルコ−ル(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、及び(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。
2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマ−ル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、更に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となやすく、更には記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応さ せ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。多価イソシアネ−ト化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、更に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネ−ト基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40[wt%]、好ましくは1〜30[wt%]、更に好ましくは2〜20[wt%]である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネ−ト基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、更に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、更に好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。
次に、40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。更に、この(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、更に好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、更に好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性及びフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。
なお、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの質量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、更に好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの質量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッ ド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブ リリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、 ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。
このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステア リルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2[μm]であることが好ましく、特に5×10−3〜0.5[μm]であることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500[m2/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5[wt%]であることが好ましく、特に0.01〜2.0[wt%]であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化 ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に、両微粒子の平均粒径が5×10−2[μm]以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーカラー流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、更に転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかしながら、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5[wt%]の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。
ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100質量部に対し、通常0〜300質量部、好ましくは0〜100質量部、更に好ましくは25〜70質量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000質量部を超えると経済的でない。また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するア ニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボ ン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸 エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社 製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1[μm]、及び3[μm]、ポリスチレン微粒子0.5[μm]及び2[μm]、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)微粒子1[μm]、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコ−ルとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなのセルロ−ス類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20[μm]にするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜20000[rpm]である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、次いでシリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。更に、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、更に、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
次に、モノクロモードとフルカラーモードの動作の違いを説明する。
図7の(a)はフルカラーモード時の感光体と中間転写ベルトの位置関係を示す概略図である。同図に示すように、フルカラーモード時は各色の感光体10K、10M、10C、10Yはそれぞれ対向する一次転写ローラ125K、125M、125C、125Yと挟み込み転写ニップを形成する状態で中間転写ベルト122と接触している。動作時は全色の感光体10と一次転写ローラ125が動作することで画像形成を行う。
これに対し、図7の(b)は通常のモノクロモード時の感光体と中間転写ベルトの位置関係を示す概略図である。モノクロモード時には画像形成はブラックのプロセスカートリッジのみでしか行われないのでMCYのプロセスカートリッジは動作する必要が無い。このため、図7の(b)に示すように、モノクロモード時はMCYの一次転写ローラ125M、125C、125Yは図示していない接離機構により上昇するとともに、テンションローラ77はバネ圧により図中の左側にスライドすることで中間転写ベルト122はMCYのニップ部において上昇し、感光体10M、10C、10Yから離間する。動作時はブラックのプロセスカートリッジのみ動作し、MCYのプロセスカ−トリッジは動作しない。
本発明においては以下に述べる一定の条件下においてはモノクロモード時にも上述のフルカラーモード時と同様の位置関係を保ち、MCYのプロセスカートリッジも動作し、画像形成を行うものとする。
通常、ブラック画像はブラック単色で作像するが、本発明においてはトナー劣化防止のための強制消費を行う目的で、MCYまたはMCYとブラックの色重ねでブラック画像を作像する。
図8は本発明の画像形成装置における制御部の構成を示すブロック図である。同図に示す制御部131は画素カウントを行いモノクロモードでの作像手段をブラック単色で行うか色重ねで行うかの制御を行うための主要部をなす制御部である。制御部131は、例えばマイクロコンピュータである演算処理部132により主要部が構成されている。この演算処理部132は、画素カウンタ133と、枚数カウンタ134と、像担持体である感光体や現像担持体である現像ローラの走行距離カウンタ135と、各カウント値を記憶する記憶手段136と、印字枚数に応じた料金をカウントする課金カウンタ137と、後述する書込駆動部139や作像装置140を制御して画像形成出力を制御する出力制御部138とに接続されている。また、出力制御部138には、図示しないI/Oインターフェースを介して入力側に、本実施の形態と関連する部材として、書き込みデータとしての各色毎の画素量を検出する手段である書込駆動部139が、出力側には作像部での画像形成処理手段、つまり帯電行程から転写行程までの工程を実行する各装置である作像装置140がそれぞれ接続されている。
そして、作像手段の切替えを行うための判断手段をなす制御部131における出力制御部138は、規定の枚数または規定の感光体走行距離、または現像ローラ走行距離に必要なトナー消費量に応じた感光体ドラムに形成される画像に対応する画素量を登録しておき、規定の期間(枚数または走行距離に相当する期間)に画素量が規定量に達していない場合、つまり規定画素量以下の場合には、規定画素量と現段階で形成される画像に対応する画素量との差分より、規定の期間に必要な消費量のトナーが消費されるまでモノクロモードでの作像をMCYまたはMCYとブラックの色重ねでブラック画像を作像するように切替える判断を行う。
図9は本発明のモード切替え判断の処理を示すフローチャートである。同図において、先ず、画像形成装置に対し図示されない操作パネルまたは接続されたコンピュータよりプリント指令が実行されると(ステップS101)、要求された画像がモノクロ画像かカラー画像かの判定が行われる(ステップS102)。印刷要求がフルカラー画像の場合(ステップS102;NO)はフルカラーモードで出力され(ステップS103)、図8の枚数カウンタ134によって出力枚数Nのカウントアップされ(ステップS108)、更に図8の画素カウンタ133によって各色の画素カウントPxのカウントアップが行われる(ステップS109)。一方、要求画像がモノクロ画像の場合(ステップS102;YES)は、トナー劣化の懸念が生じるまではある程度の枚数の出力後であるので最小枚数N0を設定し、累積の出力枚数NがN0枚以上である場合に(ステップS104;YES)、画素カウンタ133の各色の累積画素カウントデータPm(マゼンタ),Pc(シアン),Py(イエロー)と、枚数カウンタ134の累積の出力枚数Nとの比率Fx(=Px/N(xはm,c,yの全てで算出する。))が算出され、これが予め設定された規定値Fmin以下かどうかが判定される(ステップS105)。そして、M,C,Yの全ての色について比率Fxが規定値Fminより未満である場合には(ステップS105;NO)、通常のブラック単色のモノクロモードで出力が行われ(ステップS107)、図8の枚数カウンタ134によって出力枚数Nのカウントアップされ(ステップS108)、更に図8の画素カウンタ133によって各色の画素カウントPxのカウントアップが行われる(ステップS109)。一方、M,C,Yの内一色でも比率FxがFmin以下である場合には(ステップS105;YES)色重ねによりブラック画像が形成され、出力される(ステップS106)。そして、図8の枚数カウンタ134によって出力枚数Nのカウントアップされ(ステップS108)、更に図8の画素カウンタ133によって各色の画素カウントPxのカウントアップが行われる(ステップS109)。
なお、図9のステップS104ではトナー劣化の懸念が生じるまではある程度の枚数の出力後であるので最小枚数N0を設定して図8の枚数カウンタ134のカウント値と比較していたが、感光体や現像ローラの最小距離D0を設定して図8の走行距離カウンタ135のカウント値と比較してもよい。また、図9のステップS105では、累積の出力枚数Nとの比率を算出して規定値Fminと比較していたが、感光体や現像ローラの走行距離Dxとの比率Gxを算出して規定値Gminと比較してもよい。更に、色重ねのブラック画像は、M,C,Yのカラーのみで形成される方法と色調をより黒く近づけるために、ブラックも含めた4色で形成する方法とを装置の特性により選択してよい。例えばテキスト原稿とグラフィック原稿でブラックトナーの比率を変更して最適な色味より出力する設定とする。
次に、本実施の形態の処理内容について説明する。
累積出力枚数Nと累積画素カウントPxの比率Fx(=Px/N)または感光体または現像ローラの走行距離Dと累積画素カウントPxの比率Gx(=Px/Dx)が少なくとも一つの色で規定値FminまたはGmin以下の場合は色重ねによるモノクロ画像を出力するとしたが、当然のことながら色により累積画素カウントの値はバラツクことになる。従って、色重ね画像を作成する場合、各色同一の混合比率で行うと必要な消費量に達成するのに有利な色と不利な色の差が発生することがある。この不具合を解消するための手段として各色の累積画素カウントの比率により色重ねの混合比率を決定する。
混合比率の算出例としては、M,C,Yの累積画素カウントをそれぞれPm,Pc,Pyとするとそれぞれの混合比率Tx(xはm,c,yの全てで算出する。)はTm=(Pc+Py)/2(Pm+Pc+Py),Tc=(Pm+Py)/2(Pm+Pc+Py),Ty=(Pm+Pc)/2(Pm+Pc+Py)というように累積画素カウントの少ない色ほど混合比率が増えるように調整する。この際色調が黒と著しく異ならないようTxの最小値Tminを設定し、Tx≧Tminとなるようリミッタを設けることが望ましい。
本発明においては主にカラートナーの劣化防止のために、従来広く行われている作像するが印字を行わずクリーニング部で回収するトナーの強制消費の代わりに規定期間内に規定量のトナーを画像作成で消費することで対応しているが、トナー消費のために作成する出力画像自体が、低印字率画像が続いた場合、必要な量のトナーを消費できない事態が起こりうる。このような事態を避けるため、一定期間の間に規定量のトナー消費がなかった場合、本発明のように強制的にトナー使用モードを行い、トナー劣化を防止する。
図10は本発明のモード切替え判断の別の処理を示すフローチャートである。同図において、先ず、画像形成装置に対し図示されない操作パネルまたは接続されたコンピュータよりプリント指令が実行されると(ステップS201)、最大規定枚数Mmaxを規定し、図9の規定値FminまたはGminの状態が何枚続いたかMxをカウントする。Mx≧Mmaxの判定を行い(ステップS202)、Mx≧Mmaxとなった場合は(ステップS202;YES)、色重ねモードでの出力後(ステップS203)、印字を行わない一定量の強制トナー消費を行う(ステップS204)。一方、Mx≧Mmaxとなっていない場合は(ステップS202;NO)、フルカラーモードでの出力を行う(ステップS205)。そして、この強制トナー消費による枚数カウントNと累積画素カウントPxに加算してカウントアップされる(ステップS206,S207)。累積画素カウントPxより算出されるFxとの差分、Fmin−Fxを算出し、差分が0より大きければ(ステップS208;YES)、Mxはカウントアップされ(ステップS209)、差分が0以下となるまでプリント指示が行われるごとに、特定のトナーを強制的に消費することが実施される。Fmin−Fx=0となった時点(ステップS208;NO)で強制消費が終了し、カウンタMxはリセットされる(ステップS210)。この場合Mxのカウントは各色毎に行い(x=m,c,y)、トナー強制消費モ−ドの実施判断は各色毎に行うことが望ましい。なお、ステップS207では累積画素カウントPxより算出されるGxとの差分Gmin−Gxを算出し、これが0より大きいか否かの判断を行ってもよい。
なお、複写機・プリンタにおいては、図8に示すように課金カウンタ137を設け、印字枚数に応じた料金を徴収する契約が広く行われている。カラー複写機・カラープリンタにおいてはモノクロモードとフルカラーモードで料金差を設け、各々別途の課金用の枚数カウンタを有し、フルカラーモードの料金が高額となっている。通常、本体動作で上述したブラックのプロセスカートリッジのみが動作して印字を行う場合はモノクロ課金カウンタがカウントアップし、全色のプロセスカートリッジが動作して作像を行う場合はフルカラー課金カウンタがカウントアップする。本発明においてはトナー劣化防止のためカラートナー消費を目的として、モノクロの出力指示があった場合でもカラーのプロセスカートリッジも動作して印字を行うが、このような場合においては上記のモノクロ課金カウンタがカウントアップし、使用者に不利な料金負担が発生しないように設定する。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置は、ブラック用の像担持体とブラック用の現像装置を用いてブラック単色画像を出力するモノクロモードと、ブラック以外の色の像担持体とブラック以外の色の現像装置を用いてカラー画像を出力するフルカラーモードとを有している。また、本実施の形態の画像形成装置は、演算処理部132と出力制御部138と画素計数手段133とを具備している。そして、演算処理部132はブラック画像及びカラー画像の印字に対するカラー画像の印字の比であるカラー画像の印字率を算出するものである。そして、出力制御部138では、先ず演算処理部により算出されたカラー画像の印字率と予め設定された閾値を比較する。画素計数手段133では、各色毎の画素数を計数する。そして、カラー画像の印字率が閾値以下となるときの出力が所定量に達した後のモノクロモード出力を少なくともカラートナーの色重ねにより形成されたブラック画像で出力する。ブラックトナー単独によるブラック出力ではなく、カラートナーを用いた色重ねでブラック出力を行って、印字率が低下したカラートナーを強制的に使用するものである。色重ねの各色の混合比率は、画素計数手段によって計数された各色毎の累積画素数値の全色累積画素数値に対する各色毎の比率で設定される。よって、トナー劣化となる時期にカラートナーを強制的に使用した色重ねによるブラック出力を行い、特定のトナーを強制的に消費することができ、トナー劣化による異常画像の発生を未然に防止することができる。
また、カラー画像の印字率が閾値以下の出力が所定量に達した後のモノクロモード出力時は、カラートナーとブラックトナーの色重ねにより形成されたブラック画像で出力する。このように、上述のカラートナーのみの色重ねによる作像に、ブラックトナーを加えることで色調をより黒に近づけることができ、原稿種類によっては最適な色味での出力とすることができる。
更に、出力枚数を計数する枚数計数手段134を設けている。そして、閥値は画素計数手段133によって計数された各色毎の累積画素数値と、枚数計数手段134によって計数された出力枚数との比率で設定される。よって、トナー劣化となる時期にカラートナーを強制的に使用した色重ねによるブラック出力を行い、特定のトナーを強制的に消費することができ、トナー劣化による異常画像の発生を未然に防止することができる。
また、像担持体、又は像担持体上の潜像を可視化する現像剤担持体の走行距離を計数する走行距離計数手段135を設けている。そして、閥値は、画素計数手段133によって計数された各色毎の累積画素数値と、走行距離計数手段135によって計数された像担持体又は現像剤担持体の走行距離の比率で設定される。よって、トナー劣化となる時期にカラートナーを強制的に使用した色重ねによるブラック出力を行い、特定のトナーを強制的に消費することができ、トナー劣化による異常画像の発生を未然に防止することができる。
また、出力制御部138は、モノクロ出力モードで行われる色重ねでの出力が行われた後もカラー画像の印字率が閾値以下の出力が所定量に達する場合は画像形成を行わず強制的にトナーを消費するトナー強制消費モードを併用する。よって、強制トナー消費のための印字画像が低印字率の画像として連続し、画像劣化防止のためのトナー消費量に達しなかった場合でもトナー劣化による異常画像の発生を防止できる。また、作像動作を実施しても規定の枚数または規定の走行距離に一定量トナー消費ができなかった場合はバックアップとして印字をしないで、特定のトナーを強制的に消費することを実施できる。
更に、モノクロモードとフルカラーモードの各モード別の課金を計数する課金計数手段137を有している。そして、モノクロ出力モードで行われる色重ねでの出力が行われる場合は、課金計数手段はモノクロモードによる出力に対して計数する。よって、強制カラートナー消費を行うためにカラー出力に対する課金を行うと使用者に不利な料金負担が発生する。そこで、上記のようにカラートナーによる色重ねでのブラック出力を行う強制トナー消費を行った場合は、モノクロモードとして課金することで使用者に不利な料金を負担させないようにする。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換、応用が可能である。