JP5167603B2 - プロセスカートリッジの組み立て方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジ、及びその構成部材の組み付け順序を規定したプロセスカートリッジの組み立て方法並びにこのプロセスカートリッジを有する画像形成装置に関する。
画像形成装置の分野において、感光体と、例えば帯電手段、現像手段、クリーニング手段等のプロセス手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在に形成されたプロセスカートリッジが知られている。このようなプロセスカートリッジを採用することによって、各プロセス手段の修理が必要なとき又は各プロセス手段が寿命を迎えたときに、プロセスカートリッジを一単位として交換することによって現状復帰させ、画像形成装置の継続使用が可能となる。また、プロセスカートリッジの交換作業のみで現状復帰できるので、サービスマンがユーザのもとで必要とする作業時間が短縮し、場合によってはサービスマンが出向かなくてもユーザが自ら交換することもできるようになる。
このようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置においては、高品位の画像を形成するためには、プロセスカートリッジを構成する全てのプロセス手段を精度良く組み立てる必要がある。特に、クリーニングブレードが感光体表面に精度良く当接していないと、例えば長手方向に沿った当接圧、当接角度等が変動し、これによって、クリーニング不良が生じ、黒ベタ部又はハーフトーン部に白い斑点やぼそついた粒状性の粗い異常画像が発生する場合がある。
ところで、感光体表面に残留する現像剤のクリーニング性を高めるために、感光体表面に、予め潤滑剤が塗布されることがある。感光体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段又はこの潤滑剤塗布手段を備えたプロセスカートリッジに関連する従来技術として、例えば特許文献1には、感光体の摩擦係数を低くして、画像形成装置による転写率を向上させることを目的として開発された装置であって、潜像を形成する像担持体と、像担持体表面を均一に帯電する帯電装置と、帯電した像担持体表面に画像データに基づいて露光して潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給して可視像化する現像装置と、像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置とを備え、前記像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体に転写したのち記録媒体に転写する転写装置と、記録媒体上のトナー像を定着させる定着装置とを備えた画像形成装置において、前記クリーニング装置と前記帯電装置との間に、塗布ブレードを用いて潤滑剤を像担持体上に塗布する潤滑剤塗布装置を備えた画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2には、 感光体ドラム等に供給される潤滑剤の無駄な消費を防止することを目的として開発された装置であって、表面移動部材の表面に付着した不要なトナーを回収するクリーニング装置と、前記表面移動部材の表面に摩擦係数を低下させるための潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置とを備えた画像形成装置において、上記潤滑剤供給装置は、上記クリーニング装置の外部に設けられ、かつ、上記表面移動部材の表面に対向する側のみ開口したケーシングの開口縁部を前記表面移動部材に接触させ、前記ケーシングの内壁面と前記表面移動部材の表面部分とに囲まれた閉塞空間内に収容された潤滑剤を前記閉塞空間内で供給する画像形成装置が開示されている。
更に、特許文献3には、虫喰い、画像ボケ、ボソツキ等の異常画像をなくすことを目的として開発された中間転写方式の画像形成装置であって、無端移動する表面にトナー像を担持する像担持体と、無端移動する表面を有し、前記像担持体との対向位置で像担持体上のトナー像が一次転写されることによってトナー像を担持する中間転写体を有し、この中間転写体上に担持されたトナー像を転写材に二次転写する画像形成装置において、前記像担持体と前記中間転写体の少なくとも一方の表面のトナー像を担持する前のトナー像未担持領域に対して、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、この潤滑剤が塗布される前の被塗布部材表面をクリーニングするクリーニング手段と、前記潤滑剤塗布手段によって塗布された潤滑剤を均一に均す潤滑剤均し手段とを設けた画像形成装置が開示されている。
特開2005−070276号公報 特開2005−018047号公報 特開2001−305907号公報
ところで、最近の画像形成装置においては、高画質の追求から、帯電装置に交流電圧(AC)+直流電圧(DC)が印加され、トナーとして重合トナーが用いられる場合が多くなっている。
しかしながら、帯電装置にAC+DCを印加した場合には、感光体のフィルミングという問題がある。これに対しては、上述したように、感光体表面に潤滑剤を塗布することによって対応している。潤滑剤としては、例えばZnSt(ステアリン酸亜鉛)が広く用いられている。
一方、重合トナーを用いた場合には、感光体表面に付着したトナーのブレードによるクリーニングが難しくなり、ブレードエッジの僅かな傷が画像に影響を与える。このため、潤滑剤、潤滑剤塗布手段としてのブラシローラ及び潤滑剤を薄層化する手段の欠品は、異常画像の発生、更にはプロセスカートリッジの交換という大きな問題に発展する。また、クリーニングブレードのエッジの傷も同様に、異常画像の原因となり、この場合は、ブレードの交換以外では現状復帰が不可能となる。従って、潤滑剤、ブラシローラ及び潤滑剤薄層化手段並びにクリーニングブレードの損傷及びこれらの損傷に起因する像担持体の損傷を防止することが異常画像を防止する上で重要な要件となる。
画像形成装置における像担持体としての感光体は、動作中に傷つく場合もあるが、むしろ装置の組み立て時、特に、感光体を他のプロセス手段と一体化するプロセスカートリッジの組み立て時に損傷することが意外に多いことが知られている。
しかしながら、上述した従来技術においては、プロセスカートリッジの組み立て時における感光体をはじめとする各種構成部材の損傷を防止することについては、全く考慮されていない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、感光体、感光体表面に塗布される潤滑剤、潤滑剤塗布手段及び潤滑剤薄層化手段を有するプロセスカートリッジにおける各構成部材の筐体への組付け順序を規定することによって各構成部材の欠品、即ち組み忘れを防止すると共に、感光体及びクリーニングブレードエッジの損傷を防止することができるプロセスカートリッジ、その組み立て方法及びこのプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るプロセスカートリッジの組み立て方法は、感光体と、前記感光体に塗布される潤滑剤、前記感光体及び前記潤滑剤の双方に当接する塗布ローラ並びにこの塗布ローラによって前記感光体に塗布された潤滑剤を薄層化する潤滑剤均しブレードとを有し、少なくとも、前記感光体に形成された可視像を転写させた後の前記感光体表面に残存する現像剤を回収するクリーニング装置とが一体に形成されるプロセスカートリッジの組み立て方法において、前記潤滑剤、前記塗布ローラ及び前記潤滑剤均しブレードをプロセスカートリッジの筐体に組み付けた後、上方から前記感光体を前記筐体に組み付け、その後にクリーニングブレードを備えたクリーニング装置を組み付けることを特徴とする。
この場合において、前記感光体を組み付けた後、前記帯電装置及び現像装置の中から選択された少なくとも一つを前記筐体に組み付けることが好ましい。
た、本発明に係る別のプロセスカートリッジの組み立て方法は、感光体と、前記感光体に塗布される潤滑剤、前記感光体及び前記潤滑剤の双方に当接する塗布ローラ並びにこの塗布ローラによって前記感光体に塗布された潤滑剤を薄層化する潤滑剤均しブレードとを有し、少なくとも、前記感光体に形成された可視像を転写させた後の前記感光体表面に残存する現像剤を回収するクリーニング装置とが一体に形成されるプロセスカートリッジの組み立て方法において、前記潤滑剤均しブレードが予め取り付けられたプロセスカートリッジの筐体に、順次前記潤滑剤及び前記塗布ローラを組み付けた後、上方から前記感光体を組み付け、その後にクリーニングブレードを備えたクリーニング装置を組み付けることを特徴とする。
この場合において、前記感光体を組み付けた後、更に、帯電装置及び現像装置の中から選択された少なくとも一つを前記筐体に組み付けることが好ましい。
本発明のプロセスカートリッジによれば、プロセスカートリッジの構成部材、特に感光体の損傷を防止することができる。
本発明のプロセスカートリッジの組み立て方法によれば、潤滑剤を薄層化する手段、潤滑剤、ブラシローラ等の構成部材の組み込みを視覚的に確認してその組み忘れを防止することができると共に、感光体、クリーニングブレードのエッジ等の損傷を防止することができる。
本発明の画像形成装置によれば、感光体、クリーニングブレードのエッジ等の損傷を防止し、異常画像をなくして高品質の画像を形成することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明はこの発明における最良の形態であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置であって、フルカラー画像を形成する画像形成装置の断面を示す図である。
図1において、この画像形成装置200は、本体内に並列された4個のプロセスカートリッジ100(Y、C、M、K)、無端状の中間転写ベルト72、二次転写ローラ75、プロセスカートリッジにトナーを供給する各色のトナーボトル79などを備えている。
中間転写ベルト72は、各プロセスカートリッジ100の像担持体である感光体10の上方に位置し、中間転写ベルト72の下側の走行辺が各感光体10の周面に当接している。中間転写ベルト72は、各感光体10の表面にそれぞれ形成された互いに異なる色のトナー像が重ねて転写される転写材を構成する。なお、各感光体10上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト72に転写する構成は、トナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一である。
図2は、図1におけるプロセスカートリッジの断面図である。図2において、このプロセスカートリッジ100は、像担持体としての感光体10を備えている。感光体10の周辺には、クリーニング手段であるクリーニングモジュール40、潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布モジュール20、帯電手段である帯電モジュール30、現像手段である現像モジュール50が配置されている。
帯電モジュール30の帯電装置31には、感光体10の表面に対向して配置された帯電ローラ32と、この帯電ローラ32の表面を清掃する帯電ローラクリーナ33が設けられている。
帯電ローラ32は、感光体10上を均一に帯電させる。帯電装置31としては、非接触帯電装置として、ワイヤーによる帯電であるスコロトロン方式、コロトロン方式、接触帯電装置として、中抵抗ゴムローラを用いる接触ローラ方式、非接触ローラ方式がある。図2の帯電装置は非接触帯電ローラ方式のものである。
スコロトロン方式は、以前は感光体を(−)に帯電させる場合には多く用いられていたが、放電の際にオゾンが発生するため、対環境を重視する観点から、現在は限られた機種群でしか使用されていない。一方、コロトロン方式は感光体を(+)に帯電させるものであり、オゾンの発生は少ないが、あまり一般的には使用されていない。
最近では、オゾンの発生を抑えることができる帯電ローラの単価が安くなってきたために、ローラ帯電方式がもっとも一般的な帯電手段となっている。
接触式ローラ帯電方式、非接触ローラ帯電方式ともに、直流に対して交流を重畳する方法と、直流のみを印可する方法がある。直流に交流を重畳する場合には、直流のみに比べて高画質を得ることができるが、感光体のフィルミングという問題に注意が必要となる。
接触式の場合、直流に後流を重畳させて印加する方法は、交流を定電流制御することによって、表面電位に対して環境の変化による帯電ローラの抵抗値変動の影響を受けないという利点がある反面、高圧電源のコストが高くなるし、交流高周波の音が問題となる。一方、直流のみを印加する方法は、表面電位に対して環境の変化による帯電ローラの抵抗値変動の影響をまともに受けるために、環境変化に対して、何らかの印可電圧の補正手段が必要となる。
また、非接触の場合は、交流を定電流制御すると、感光体と帯電ローラのギャップ変動の影響によって画像にむらが出てしまうために、直流のみを印加した場合と同様に、印加電圧を補正する手段が必要となる。但し、非接触であるため、帯電ローラの汚れに対しては、接触式より余裕がある。印加電圧の補正方法としては、帯電ローラ近傍の温度を検知し、印可電圧を切り替える手段と、感光体上の地汚れを定期的に検知し、印可電圧を切り替える手段とがある。これらの方法を採ることによって、感光体表面を約−500V〜−700V程度に帯電させることができる。
帯電ローラ32の駆動方式としては、感光体10に圧接させ、摩擦力によって連れ回りさせる方法と、感光体ギヤ等から駆動力を得る方法がある。低速機では、前者の方法が取られる場合が多いが、高速、高画質を要求される機械では、後者の場合が多い。
また、帯電ローラ表面が汚れた場合には、汚れが付着した部分の帯電能力が落ち、感光体を狙いの電位に帯電させることができなくなり、これによって帯電不良の異常画像が現れる。従って、このような帯電不良による異常画像の発生を防止するために、帯電ローラクリーナ33を当接させている。帯電ローラクリーナ33はメラミンでできているものが主流であり、特に駆動を与えずに帯電ローラ32に連れ廻りさせることで、帯電ローラ32表面の汚れを落としている。
現像モジュールとしての現像装置50は、感光体10に現像剤としてのトナーを供給する現像ローラ52を備えており、トナーが収容される現像容器53にはトナー濃度センサ54が配置されている。トナー濃度センサ54は、トナーとキャリアを循環させている経路底面に配置されており、現像装置内のトナー濃度に関する情報を画像形成装置本体に送っている。このデータを送るために、例えばコネクタにてプロセスカートリッジと装置本体が連結されている。
クリーニングモジュール40のクリーニングブレード41の近傍には廃トナー回収コイル(トナー搬送オーガ)43が設けられており、クリーニングブレード41によって回収された廃トナーは一旦トナー収容部42に収納された後、廃トナー回収コイル43によって回収される。
クリーニングブレード41としては、例えばウレタンゴムを感光体10表面にカウンター方向に当接させ、そのエッジ部で転写後の残トナーを掻き取る方式のものが最も一般的に用いられる。本実施形態においては、クリーニングブレード41によって掻き取られたトナーは、廃トナー回収コイル43によって搬送され、図示省略した廃トナータンクに収容される。なお、収容された廃トナーは本実施形態では再使用されない。また、近来用いられている重合トナーは、形状が真球に近づいており、ブレードでのクリーニングでは余裕がなくなってきている。このため、クリーニングブレード41の当接状態を、高精度に安定させる必要がある。また、近年、トナーの平均粒径は小さくなってきており、ほんの僅かな傷であっても、クリーニング不良となり、画像上に縦筋となって現れる場合がある。
クリーニングモジュール40と帯電モジュール30との間には、潤滑剤塗布モジュール20が配置されている。潤滑剤塗布モジュール20には、固形潤滑剤22及びこの潤滑剤22を感光体10の表面に塗布するブラシローラ23及び感光体10に塗布された潤滑剤を均一に均す均しブレード21が設けられている。
固形潤滑剤22は、感光体10におけるフィルミングを防止のために塗布されるものであり、感光体表面の摩擦係数を低いレベルで安定させる。
固形潤滑剤22はブラシローラ23に対して圧接されており、ブラシローラ23が回転することによって、徐々に削られ、その削られた粉末状の潤滑剤が感光体10表面に塗布される。感光体10表面に塗布された潤滑剤22は、均しブレード(塗布ブレード)21によって、均一な厚さに調整され、感光体10表面に定着する。均しブレードの感光体への当接方式は、カウンター方式、トレーディング方式のいずれでもよいが、好ましくはトレーディング方式である。ブラシローラ23としては、絶縁PET、導電PET、アクリル繊維製のブラシローラが好適に用いられる。
以下に、このような構成のプロセスカートリッジ100を備えた画像形成装置の動作を説明する。
図1及び2において、感光体10を時計方向に回転駆動させ、帯電電圧が印加された帯電モジュール30の帯電装置31によって感光体10を所定の極性に帯電する。帯電後の感光体10に対し、光書き込み装置70から出射され光変調されたレーザビームLを照射し、これによって感光体10表面に静電潜像を形成する。
感光体10に形成された静電潜像を、現像モジュールとしての現像装置50によって可視像化し、感光体10表面に各色のトナー像を形成する。各感光体10上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト72を挟んで、感光体10と対向するように配置された一次転写ローラ71に転写電圧を印加することによって、順次中間転写ベルト72上に一次転写し、積層して合成トナー(カラー)画像を形成する。
トナー像転写後の感光体10上に付着する転写残トナーをクリーニングモジュール40のクリーニングブレード41によって回収、除去する。転写残トナーが除去された感光体10上に、潤滑剤塗布モジュール20のブラシローラ23によって固形潤滑剤22を塗布し、均しブレード21によって均一に均し、これによって感光体10表面の磨耗を低減し、クリーニング性の向上を図る。
一方、中間転写ベルト72上に一次転写された合成トナー画像を以下のようにして記録媒体に二次転写する。即ち、図1に示すように、画像形成装置本体200内の下部には、例えば転写紙よりなる記録媒体を収容した給紙カセットを有する給紙装置230が配置されており、この給紙装置230によって、所定のタイミングで中間転写ベルト72と、これに対向配置された二次転写ローラ75との間に記録媒体を給送する。このとき、二次転写ローラ75には図示しない電源から所定の転写電圧を印加し、この印加電圧によって、中間転写ベルト72上の合成トナー画像を記録媒体に二次転写する。
合成トナー画像が二次転写された記録媒体を、後流の定着装置90に搬送し、ここで記録媒体上の合成トナー像を熱と圧力の作用によって定着する。合成トナー像が定着された記録媒体を、排紙ローラ対によって、画像形成装置本体200の上部の排紙部に排出する。
本実施形態によれば、クリーニング手段、帯電手段、現像手段などの各プロセス手段をそれぞれモジュール化したので、プロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外した状態において各プロセスモジュールをモジュール単位で交換することができる。従って、まだ使えるプロセス手段をプロセスカートリッジの寿命と共に廃棄することによる資源の無駄を防止することができる。また、本実施形態によれば、ユーザ又はサービスマンは必要に応じて、プロセスカートリッジ単位での交換又はプロセスモジュール単位での交換が可能となるので、使い勝手が非常によくなる。
次に、本発明に係るプロセスカートリッジの組み立て方法について、図3〜16に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの基本的な構成部材の組み立て方法を示す説明図である。図3において、このプロセスカートリッジは、プロセスカートリッジの筐体(以下、単に枠体という。)110と、この枠体110に組みこまれる像担持体としての感光体10及びその回転軸11と、潤滑剤塗布モジュールの構成部材である均しブレード21、固形潤滑剤22及びブラシローラ23とから主として構成される。
プロセスカートリッジを組み立てる際は、例えば、図4に示したように、枠体110に設けられた潤滑剤収容部111に、潤滑剤保持部材24に支持された固形潤滑剤22を嵌めこみ、次いで、図5に示したように、固形潤滑剤22の上方からブラシローラ23を取り付ける。固形潤滑剤22及びブラシローラ23を組み込んだ後、図6に示したように、均しブレード21を組み付け、枠体110への潤滑剤塗布モジュール20の組みつけを完了する。図6は、プロセスカートリッジの枠体110に潤滑剤モジュール20を組み込んだ状態を示す一部切欠斜視図である。
次に、潤滑剤塗布モジュール20の組み付けが完了した枠体110の所定位置に感光体10を組み付ける。具体的には、例えば感光体10の回転軸11(図3参照)の軸受を有してない方の端を枠体110の一方(第1)の側板120の軸受部に挿入し、感光体10内を貫通させて、他方(第2)の側板130に取り付けられた軸受に挿入する。そして、回転軸11に、予め挿入されている軸受を前記一方の軸受部に嵌合させ、これにより、感光体10をプロセスカートリッジの枠体110に回転自在に固定する。
図7は、プロセスカートリッジの枠体110に、潤滑剤塗布モジュール20を組み付けた後、感光体10を組み付けた状態を示す斜視図である。図7において、感光体10と潤滑剤塗布モジュール20とがプロセスカートリッジの枠体110によって一体に組み付けられている。
枠体110に、潤滑剤塗布モジュール20を組み付けた後、感光体10を組み付けることによって、感光体10を取り付ける際、感光体10と当接するブレード部材は、均しブレード21のみとなるので、例えばクリーニングブレードと均しブレードの両方が枠体110に取り付けられた後、感光体10を組み込む場合に比べて、ブレード部材の先端が傷ついたり、変形したりする虞が低減する。即ち、感光体10を取り付ける前に潤滑剤塗布モジュール20を取り付けることにより、感光体10を枠体110に取り付ける際、均しブレード21のみに注意を払って取り付ければよくなるので、クリーニングブレードと均しブレードの両方に注意を払って取り付ける場合に比べて注意力の分散をなくし、ブレード先端又は感光体10の損傷を限りなく低減することができる。
プロセスカートリッジの枠体110には、他のプロセスユニットが組み付けられる。組みつけられるプロセスユニットとして、例えばクリーニングモジュール、帯電モジュール、現像モジュールが挙げられる。
図8〜10は、それぞれクリーニングモジュール40、現像モジュール50及び帯電モジュール30を示す斜視図である。
図8において、クリーニングモジュール40は、感光体表面に残留するトナーを回収するクリーニングブレード41と、回収したトナーを貯留するトナー収容部42と、トナーを搬送する搬送オーガ(廃トナー回収コイル)43、及びプロセスカートリッジの枠体110に組み込む際に使用される保持板44を備えている。
図9において、現像モジュール50は、現像剤を感光体10表面に供給する現像ローラ52と、現像剤を収容する現像剤収納部56と、現像剤収納部56内に配置された攪拌ローラ57及び供給ローラ58(図2参照)とを備えている。
また、図10において、帯電モジュール30は、感光体10の像担持面を一様に帯電させる帯電ローラ32と、この帯電ローラ32表面をクリーニングする帯電クリーニングローラ33とを備えている。
クリーニングモジュール40、現像モジュール50及び帯電モジュール30の組み付け順序は、特に限定されないが、例えばクリーニングモジュール40を組み込んだ後、帯電モジュール30及び現像モジュール50が組み付けられる。
クリーニングモジュール40をプロセスカートリッジの枠体110組みつける際は、後述する図13に示したように、枠体110のクリーニングモジュール用当接面に設けられた位置決め用の突起133を用いてクリーニングモジュール40の保持板44(図8参照)を位置決めし、ネジ134で固定する。このようにすることによって、少ない部品で精度の高い位置決め、取り付けが可能になる。このとき、保持板44はプロセスカートリッジの枠体110の両端側、つまりできるだけ長手方向に間隔をもって固定される。これにより、保持板を中央部付近で固定した場合に比べて安定に保持でき、クリーニングブレード41を感光体10に対して精度良く取り付けることができる。
次に、帯電モジュール30をプロセスカートリッジの枠体110の位置決め板によって位置決めして取り付ける。帯電モジュール30を組み込んだのち、現像モジュール50を組み込む。
現像モジュール50の枠体110への取り付けは、例えば図11に示したような面板60を用いて行う。面板60は、感光体10の回転軸11を支持する側板の軸受の外周に嵌合し、感光体10の回転軸11に対して位置決めされる孔部61を備えている。また、面板60は、現像モジュール50の現像ローラ52のシャフトが挿入される挿入部62、面板60を枠体110の第1側板120に固定するネジ用の固定孔63を備えている。
図12は、クリーニングモジュール40、帯電モジュール30及び現像モジュール50を枠体110に組み込んだプロセスカートリッジの完成状態を第1側板120側から見た一部切欠斜視図であり、図13は、第2側板130側から見た一部切欠斜視図である。
図12において、現像モジュール50の現像スリーブ52のシャフト52aが、第1側板120に設けられたガイド溝に挿入され、感光体10の回転軸11が貫通している軸受の外周に面板60の孔部61を嵌合させることによって位置決めされ、位置決め後、固定孔63によって現像モジュール50のガイドが固定され、これによって現像モジュール50が枠体110に固定されている。なお、帯電モジュール30は、その組み込み位置の関係で、図には表れていない。
また、図13において、第2側板130のガイド溝131によって現像モジュール50の攪拌ローラ57の軸受が支持されており、現像ローラ(スリーブ)52のシャフトの軸受が孔部132に嵌合している。これにより、現像モジュール50の第2側板130側が位置決めされている。
また、感光体10が枠体110内に回転自在に組み込まれた後、感光体10の回転軸11の第2側板130側の端部にカップリング140が取り付けられている。カップリング140は、プロセスカートリッジ100を画像形成装置200に装着する際、画像形成装置本体側に設けられた駆動手段(図示しない)に係合し、感光体10に回転駆動力を伝達する。
本実施形態のプロセスカートリッジの組みたて方法によれば、感光体10を組み付ける前に、均しブレード21、固形潤滑剤22、ブラシローラ23を備えた潤滑剤塗布モジュール20を枠体110に組みつけ、次いで感光体10を組みつけ、その後、損傷しやすいクリーニングブレード41を備えたクリーニングモジュール40を組み付けるようにしたので、各構成部材の組みつけ忘れをなくし、また構成部材、特に感光体10、均しブレード21及びクリーニングブレード41への傷付きを防止することができる。従って、この方法によって組み立てたプロセスカートリッジ、このプロセスカートリッジを備えた画像形成装置によれば、構成部材の損傷を防止し、異常画像をなくして高品質の画像を形成することができる。
本実施形態において、潤滑剤塗布モジュール20の構成部材をプロセスカートリッジの枠体110に取り付ける際の取り付け順序を、固形潤滑剤21、ブラシローラ23及び均しブレード21の順としたが、本発明において、これらの取り付け順序は、特に限定されるものではなく、例えば、枠体110に対して、先ず、感光体10に塗布された固形潤滑剤を薄層化する手段である均しブレード21を取り付け、次に、固形潤滑剤22及びブラシローラ23を順次枠体110に組付けるようにしてもよい。また、固体潤滑剤22、均しブレード21及びブラシローラ23の順にすることもできる。
本実施形態において、感光体10を先に組付けると、上述した潤滑剤塗布モジュール20の各構成部材を組付けることができなくなるが、感光体10を組み付ける前に、これらの構成部材を視認性良く組み付けることによって、感光体10を組付ける際の組付け漏れを防ぐことができる。また、潤滑剤塗布モジュール20を組み付けた後、クリーニングモジュール40等のプロセスモジュールを組み付けることもできるが、感光体10よりも先にクリーニングモジュール40等を組み付けると、感光体10を組付ける際に、ブレードのエッジを傷つける可能性がある。従って、本実施形態においては、感光体10を組み付けた後、クリーニングモジュール40、現像モジュール50、帯電モジュール30等のプロセスモジュールを組み付ける。クリーニングモジュール40、現像モジュール50、帯電モジュール30等のプロセスモジュールの組み付け順序は、特に限定されるものではない。
プロセスカートリッジ100の組み立てにおいて、 感光体10を組み付ける作業は、必須であり重要な作業である。従って、本実施形態においては、上述のような順序で、且つ感光体10よりも前に組み付ける部材を、視認性よく組み付け、配置することによって、組み忘れ(欠品)を防止することができる。また、クリーニングブレード41のように傷つきやすく、その傷によってプロセスカートリッジ又は画像形成装置の機能が大きく損なわれるものはできるだけ最後に、少なくとも感光体10よりも後に組み付けることが好ましい。
本実施形態において、クリーニングモジュール40の保持板44として、強度の高い材料を使用することにより、クリーニングブレード41の感光体10への当接精度を高めることができる。クリーニングブレード41の保持板44は、第1側板120及び第2側板130と、プロセスカートリッジの枠体110が、ねじれたり撓んだりするのを規制する役割を果たす。 従って、剛性の高い保持板44によりクリーニングモジュール40をプロセスカートリッジ100に組み込んだ後、現像モジュール50及び/又は帯電モジュール30を組み込むようにすれば、クリーニングモジュール40の取り付けによりねじれ、撓みの影響が低減されるので、結果的に、現像モジュール50、帯電モジュール30の取り付けを高精度に行うことができる。また、帯電モジュール30と感光体10との隙間の精度を高めることができ、オゾン、放電生成物の発生を抑えることができるだけでなく、感光体10の寿命を延ばすことができる。更にまた、感光体10と現像ローラ52との隙間の精度を高めることができ、高品位の画像を得ることができる。
本実施形態において、プロセスカートリッジ100に、プロセスカートリッジ内の温湿度を検知するための温湿度センサ、感光体10の電位を検知する電位センサ、現像後の感光体10上の現像されたトナー量を検知するトナー濃度センサなどの検知手段を設けても良い。さらに、例えば、転写前除電装置、クリーニング前除電装置を設けることもできる。
本実施形態において、潤滑剤塗布モジュールの固形潤滑剤をプロセスカートリッジの枠体に組み付ける際、予め枠体に潤滑剤のカートリッジケースを取り付けておき、このカートリッジケースに固形潤滑剤を組み込むようにすることもできる。
図14は、プロセスカートリッジの枠体に取り付けられたカートリッジケース165内に、潤滑剤保持部材162Aに支持された固形潤滑剤162を装着し、固形潤滑剤162の上部に当接するようにブラシローラ161を装着した部分断面図である。
図14において、カートリッジケース165の内部には、バネ163C及び一対の可動部材163A(一方は、図示省略)が取り付けられた潤滑剤保持部材162Aに保持された状態の固形潤滑剤162が収容されている。
カートリッジケース165は、可動部材163Aに加わる当接方向(図中上方向)とは反対方向(図中下方向)への反力を受ける受け面165Aと、潤滑剤保持部材162Aに当接することにより、その当接方向に対して直交する方向(図中左右方向及び図中前後方向)へ潤滑剤保持部材162Aが変位するのを規制する面165Bとを内壁面に持ち、かつ、その受け面165Aとの対向部分に潤滑剤保持部材162Aに保持された固形潤滑剤162が通過可能な開口部165Cを有している。
固形潤滑剤162を、プロセスカートリッジの枠体110に取り付けられたカートリッジケース165に組みこむ際は、まず、潤滑剤保持部材162Aに固形潤滑剤162を保持させ、潤滑剤保持部材162Aにバネ163C及び一対の可動部材163Aを取り付ける。そして、これを、図15に示すように、カートリッジケース165内に、図15中、上方から押し込むようにして装着する。このようにして固形潤滑剤162をカートリッジケース165に装着した後、固形潤滑剤162の上方にブラシローラ161を組み付ける。
ブラシローラ161を組み付ける際に、カートリッジケース165に取り付けた固形潤滑剤162が押圧機構のバネ163Cによる付勢力によってカートリッジケース165から飛び出すような力が加わるが、図15においては、カートリッジケース165の開口部165Cの縁部、具体的には長尺方向における開口部165Cの縁部に、潤滑剤保持部材162Aが当接する突起部166が設けられているので、潤滑剤保持部材162Aは、この突起部166によって係止される。これによって、潤滑剤保持部材162Aが、所定の規制位置(例えば、図15に示す潤滑剤保持部材162Aの位置)を越えて図15中上方向へ変位する移動が規制される。また、固形潤滑剤162を組み付けた状態で、手を離しても固形潤滑剤162が飛び出すことがなく、仮止め状態が維持される。
突起部166に当接する潤滑剤保持部材162Aの当接部162Bが、固形潤滑剤162の摺擦される面とは反対側の面、すなわち、潤滑剤保持部材162Aの潤滑剤保持面162Cに接触する固形潤滑剤162の面と同じ高さに位置する場合、その突起部166の肉厚分だけ、固形潤滑剤162を使い切ることができず、無駄が発生する。
そこで、図15に示したように、突起部166により当接方向(図中上方向)への変位が規制されるときの潤滑剤保持部材162Aの位置(所定の規制位置)が、固形潤滑剤162を使い切ったときに潤滑剤保持部材162Aが位置する位置又はこの位置よりも当接方向(図中上方向)すなわちブラシローラ161側へずれる位置になるように構成されている。具体的には、潤滑剤保持部材162Aの当接部162Bが、固形潤滑剤162の摺擦される面とは反対側の面よりも、収容ケース165の開口部165Cの縁部の肉厚以上の距離だけ当接方向とは反対方向(図中下方向)へずれた位置に設けられている。これにより、固形潤滑剤162がブラシローラ161に摺擦されて徐々に減っていき、潤滑剤保持部材162Aとともに固形潤滑剤162が当接方向へ変位していったとき、その固形潤滑剤162の全てがブラシローラ161により摺擦されるまで、潤滑剤保持部材162の当接部162Bが突起部166に当接することがなくなる。従って、固形潤滑剤162を最後まで使い切ることができ、固形潤滑剤162の小容量化が図れる。
本実施形態において、感光体として、感光体10と回転軸11とが分離された形式のものを適用した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、回転軸と感光体とが一体となった感光体を適用することもできる。
図16は、回転軸と一体となった感光体310を適用したプロセスカートリッジの組み立て図である。この場合には、プロセスカートリッジの枠体410として回転軸付き感光体用の側板を有する二分割タイプのものを使用する必要があり、組み付け工程がそれに応じて若干異なる他、基本的な構成及び作用効果は、上述した実施形態とほぼ同様である。
本発明に係るプロセスカートリッジの組み立て方法は、新製品の組み立て時のみならず、リサイクル時においても適用することができる。以下に、プロセスカートリッジのリサイクル時の組み立て方法の一実施形態ついて説明する。
画像形成装置のプロセスカートリッジがリサイクルされる際は、通常、感光体、クリーニングモジュールのクリーニングブレード、潤滑剤塗布モジュールの固形潤滑剤及び均しブレード等が新品と交換されるが、均しブレードに関しては、交換の必要がなければ、そのまま再利用される場合がある。
例えば、図2のプロセスカートリッジ100がリサイクルされる際、クリーニングモジュール40のクリーニングブレード41、潤滑剤塗布ブレード20の固形潤滑剤22及びブラシローラ23を新品に交換し、それ以外の部材を再利用してプロセスカートリッジが組み付けられる。この場合、図示省略した枠体110(図3、図12参照)から、クリーニングモジュール40、帯電モジュール30及び現像モジュール50を取り外し、その後、感光体10を取り外し、次いで、潤滑剤塗布モジュール20のブラシローラ23及び固形潤滑剤(保持部材のみ)22を取り外し、均しブレード21のみが取り付けられた状態の枠体100に、新品の消耗部品を含む各構成部材が組み付けられる。
即ち、プロセスカートリッジ100のリサイクル時の組み立ては、以下のように行われる。先ず、潤滑剤薄層化手段である均しブレード21のみが予め取り付けられたプロセスカートリッジの枠体110に、順次固形潤滑剤22及びブラシローラ23を組み付け、その後、感光体10を組み付ける。このようにして、潤滑剤塗布モジュール20と感光体10とを枠体110に組み込んだ後、更に、クリーニングブレードを新品に交換したクリーニングモジュール40、帯電モジュール30及び現像装置としての現像モジュール50のうちの一つ又はそれ以上のプロセスモジュールを組み付ける。
本実施形態によれば、リサイクル時においても、各構成部材の組み込みを視覚的に確認してその組み込み忘れを防止できる上、感光体10、クリーニングブレード41等の損傷を防止することができる。
次に、本発明の画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するためには、トナーの重量平均粒径(D4)は3〜8μmが好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。重量平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下が発生し易い。一方、重量平均粒径(D4)が8μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなる。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は1.00〜1.40の範囲であることが好ましい。(D4/D1)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布測定装置としては、例えばコールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に、その測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加える。電解液としては、例えば1級塩化ナトリウムを用いて調整した約1%NaCl水溶液、例えばISOTON−II(コールター社製)を使用する。界面活性剤を添加した電界水溶液に、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液に対して、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記粒径分布測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定し、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求める。
チャンネルとしては、例えば2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
トナーの形状係数SF−1は、100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図17(a)、(b)は、それぞれ形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所社製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算する。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又はトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり、流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
本発明で適用するトナーは、母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm以上の微粒子を外添加して得られたトナーである。
外添加剤として平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3mg/cm以上の微粒子を用いることにより、クリーニング性が良好であるとともに、特に高画質を達成する小粒径トナーを用いた場合に、現像性及び転写性の低下の改善が図られる。
以下、本発明で適用するトナーを詳細に説明する。本発明で適用するトナーは、トナーの粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3mg/cm以上の微粒子(以下、単に微粒子という)を付着させたものである。なお、通常の流動性向上剤にシリカ等がよく用いられるが、例えば、このシリカの平均一次粒径は通常10〜30nm、嵩密度が0.1〜0.2mg/cmである。
トナーの表面に適切な特性の微粒子が存在することで、トナー粒子と対象体との間に適度な空隙が形成される。また、微粒子は、トナー粒子、感光体、帯電付与部材との接触面積が非常に小さく、均等に接触するので付着力低減効果が大きく、現像・転写効率の向上に有効である。さらに、コロの役割を果たすため、感光体を摩耗又は損傷させることなく、クリーニングブレードと感光体との高ストレス(高荷重、高速度等)下でのクリーニングの際も、トナー粒子に埋没し難く、又は少々埋没しても離脱、復帰が可能であるので、長期間にわたって安定した特性を得ることができる。更に、トナーの表面から適度に脱離し、クリーニングブレードの先端部に蓄積し、いわゆるダム効果によって、ブレードからトナーが通過する現象を防止する効果がある。これらの特性は、トナー粒子の受けるシェアを低減させる作用を示すので、高速定着(低エネルギー定着)のためトナーに含有されている低レオロジー成分によるトナー自身のフィルミングの低減効果を発揮する。しかも、微粒子として、平均一次粒径が50〜500μmの範囲のものを用いると、十分にその優れたクリーニング性能を活かすことができる上、極めて小粒径であるため、トナーの粉体流動性を低下させることがない。さらに、詳細は明らかでないが、表面処理された微粒子はトナーに外部添加されても、仮にキャリアを汚染した場合においても現像剤劣化の度合が少ない。
微粒子の平均一次粒径(以下、平均粒径という)は、50〜500nmであり、特に100〜400nmであることが好ましい。50nm未満であると、微粒子がトナー表面の凹凸の凹部分に埋没してコロの役割を低下させる場合が生じる。一方、500μmよりも大きいと、微粒子がブレードと感光体表面の間に位置した場合、トナー自身の接触面積と同レベルのオーダーとなり、クリーニングされるべきトナー粒子を通過させる、即ちクリーニング不良を発生させやすくなる。
嵩密度が0.3mg/cm未満では、流動性向上への寄与はあるものの、トナー及び微粒子の飛散性及び付着性が高くなるために、トナーとコロとしての効果や、クリーニング部で蓄積して、トナーのクリーニング不良を防止するいわゆるダム効果といった働きが低下する。
無機化合物微粒子としては、Si TiO、Al MgO、CuO、ZnO、Sn Ce BaO、CaO、K 、Na 、Zr CaO・Si (TiO、Al ・2Si CaC MgC BaS MgS SrTiO等を例示することができ、好ましくは、Si Ti Al が挙げられる。特にこれら無機化合物は各種のカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン等で疎水化処理が施されていてもよい。
また、有機化合物微粒子としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用である。ビニル系樹脂の具体的な例としては、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーで、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
なお、微粒子の嵩密度は下記の方法により測定した。100mlのメスシリンダーを用いて、微粒子を徐々に加え100mlにした。その際、振動は与えなかった。このメスシリンダーの微粒子を入れる前後の重量差により嵩密度を測定した。
嵩密度(g/cm)=微粒子量(g/100ml)÷100
上述した微粒子を、トナー表面に外添加し、付着させる方法としては、トナー母体粒子と微粒子を各種の公知の混合装置を用いて機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子と微粒子を界面活性剤などで均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法などがある。
トナー定着性に関連するトナーの特性は多く知られ、特に1/2流出温度(軟化点)が関連することが知られているが、本発明の定着装置に対しては、1/2流出温度(軟化点)定着性は関連が見られず、ガラス転移温度が45〜65℃で、流出開始温度が90〜115℃である両特性を満足するトナーを用いることで、良好な定着性が得られることが明かになった。ガラス転移温度が45℃よりも低い場合は、定着時にオフセットが発生する場合があり、逆に65℃よりも高い場合は、十分な定着性が得られず、画像が転写紙から剥がれやすくなる場合がある。また、流出開始温度が90℃よりも低い場合は、定着時にオフセットが発生する場合があり、逆に115℃よりも高い場合は、十分な定着性が得られず、画像が転写紙から剥がれやすくなる場合がある。
ここで、ガラス転移点(Tg)の測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、例えば理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用する。具体的には、まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。次に、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出する。
トナーの流出開始温度は、フローテスターを用いて測定することができる。フローテスターとしては、例えば島津製作所社製の高架式フローテスターCFT500D型が挙げられる。このフローテスターのフローカーブは図18(a)、(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図中、Tfbは流出開始温度であり、1/2法における溶融温度とあるのはT1/2温度のことである。なお、測定条件は、例えば、荷重:5kg/cm、昇温速度:3.0℃/min、ダイ口径:1.00mm、ダイ長さ:10.0mmである。
また、トナーに用いる結着樹脂としては、本発明のトナーの特性を満足するものであれば、以下の組成のものを使用することができる。即ち、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、 スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。また、下記の樹脂を混合して使用することもできる。混合可能樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
この中で特に、ポリエステル樹脂が十分な定着性を得るために、特に好ましい。ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとしてはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和又は不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
また、3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ペンゼントリカルボン酸、1,2,5−ペンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
また、トナーには、定着時の定着ベルト表面でのトナーの離型性を向上させる目的で、離型剤を含有させることができる。離型剤としては、公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックス、エステルワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不十分となる。逆に酸価が各々の範囲を超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不十分となる。ワックスの添加量としてはバインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲で用いられる。1重量部未満では、その離型効果が薄く所望の効果が得られにくい。また、15重量部を超えた場合はキャリアへのスペントが顕著になる等の問題が生じる。
また、トナーに帯電を付与する目的で、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤としては、従来公知のものが全て使用できる。正帯電制御剤としては、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ顔料、四級アンモニウム塩化合物他等が挙げられ、負帯電制御剤としては、モノアゾ染料の金属塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体他等が挙げられる。本極性制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲で用いられる。0.01重量部未満では、環境変動時における帯電量Q/Mの変動に対しその効果が小さく、8重量部を超えると低温定着性が劣る結果となる。
また、使用される含金属モノアゾ染料としては、含クロムモノアゾ染料、含コバルトモノアゾ染料、含鉄モノアゾ染料を単独又は組み合わせて使用することができる。これらを添加することにより、現像剤中における帯電量Q/Mの立ち上がり(飽和までの時間)がより優れたものとなる。使用量としては、前記極性制御剤同様にバインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未満では、その効果が薄く、10重量部を超えると帯電量の飽和レベルが低下する等の欠点が生じる。
また、カラートナーには、サリチル酸誘導体の金属塩を用いることが特に好ましいが、必要に応じてカラートナーの色調を損なうことのない透明又は白色の物質を添加して、トナーの帯電性を安定的に付与することができる。具体的には、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられるが、これらに限られるものではない。
更に、トナーに磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用することもできる。磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属又はこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し、約20〜200 重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150 重量部である。
着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染料及び顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独又は混合して使用できる。
また、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、疎水性のシリカ、酸化チタン、アルミナなど、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。
更に、トナーを2成分現像剤として用いる場合に、使用し得るキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。
キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合、スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなる。
また、キャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
本発明において、シリコーン樹脂で被覆するキャリア核体粒子としては、従来より公知のものでよく、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物;ガラスビーズ等が挙げられる。これら核体粒子の平均粒径は通常10〜1000μm、好ましくは30〜500μmである。なお、シリコーン樹脂の使用量としては、通常キャリア核体粒子に対して1〜10重量%である。
また、本発明で用いられるシリコーン樹脂としては従来より知られるいずれのシリコーン樹脂であってもよく、例えば市販品として入手できる信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA−4、ES1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。シリコーン樹脂層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段でシリコーン樹脂を塗布すればよい。
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤及び離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、DIO単独またはDIOと少量のTOとの混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、DIC単独、およびDICと少量のTCとの混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、更に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量は1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは2〜20重量%である。PIC構成成分の含有量が0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、PIC構成成分の含有量が40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
PICを反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性及びフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、又はこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独又は混合して使用できる。
荷電制御剤としては、公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等を使用することができる。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは、0.2〜5重量部である。電荷制御剤の使用量が10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂であるポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体又は共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5重量%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(1)先ず、着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させてトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独又は2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、更に好ましくは25〜70重量部である。
(2)次に、トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、例えばサーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロ
キシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、又は水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものを用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。更に、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、更にまた、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの断面図である。 図2のプロセスカートリッジの組み立て順序を示す図である。 プロセスカートリッジの組み立て方法を示す説明図である。 プロセスカートリッジの組み立て方法を示す説明図である。 プロセスカートリッジの枠体に潤滑剤塗布モジュールを組み込んだ状態を示す説明図である。 プロセスカートリッジの枠体に潤滑剤塗布モジュール及び感光体を組み込んだ状態を示す説明図である。 クリーニングモジュールを示す斜視図である。 現像モジュールを示す斜視図である。 帯電モジュールを示す斜視図である。 現像モジュールをプロセスカートリッジに位置決め固定する面板の斜視図である。 第1側板側から見たプロセスカートリッジの一部切欠斜視図である。 第2側板側から見たプロセスカートリッジの一部切欠斜視図である。 プロセスカートリッジの枠体に固形潤滑剤を組み付ける際に適用されるカートリッジケースの断面図である。 カートリッジケースの構成を示す部分斜視図である。 プロセスカートリッジ組み立て方法の変形例を示す説明図である。 本発明装置に適用されるトナーの形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するための模式図である。 フローテスターのフローカーブを示す図である。
符号の説明
10 感光体
11 回転軸
20 潤滑剤塗布モジュール
21 均しブレード(塗布ブレード)
22 固形潤滑剤
23 ブラシローラ
24 潤滑剤保持部材
30 帯電モジュール
31 帯電装置
32 帯電ローラ
33 帯電ローラクリーナ
40 クリーニングモジュール
41 クリーニングブレード
42 トナー収容部
43 廃トナー回収コイル(搬送オーガ)
44 保持板
50 現像モジュール
52 現像ローラ
52a シャフト
53 現像容器
54 トナー濃度センサ
56 現像剤収納部
57 攪拌ローラ
58 供給ローラ
60 面板
61 孔部
62 挿入部
63 固定孔
70 光書きこみ装置
71 一次転写ローラ
72 中間転写ベルト
75 二次転写ローラ
79 トナーボトル
90 定着装置
100 プロセスカートリッジ
110 プロセスカートリッジの筐体(枠体)
111 潤滑剤収容部
120 第1側板
130 第2側板
131 ガイド溝
132 孔部
133 位置決め用突起
134 ネジ
140 カップリング
161 ブラシローラ
162 固形潤滑剤
162A 潤滑剤保持部材
163A 可動部材
165 カートリッジケース
166 突起部
200 画像形成装置
230 給紙装置
310 感光体
410 プロセスカートリッジの筐体(枠体)
420 第1側板
430 第2側板

Claims (4)

  1. 感光体と、
    前記感光体に塗布される潤滑剤、前記感光体及び前記潤滑剤の双方に当接する塗布ローラ並びにこの塗布ローラによって前記感光体に塗布された潤滑剤を薄層化する潤滑剤均しブレードとを有し、
    少なくとも、前記感光体に形成された可視像を転写させた後の前記感光体表面に残存する現像剤を回収するクリーニング装置とが一体に形成されるプロセスカートリッジの組み立て方法において、
    前記潤滑剤、前記塗布ローラ及び前記潤滑剤均しブレードをプロセスカートリッジの筐体に組み付けた後、上方から前記感光体を前記筐体に組み付け、その後にクリーニングブレードを備えたクリーニング装置を組み付ける
    ことを特徴とするプロセスカートリッジの組み立て方法。
  2. 前記感光体を組み付けた後、更に、帯電装置及び現像装置の中から選択された少なくとも一つを前記筐体に組み付ける
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジの組み立て方法。
  3. 感光体と、
    前記感光体に塗布される潤滑剤、前記感光体及び前記潤滑剤の双方に当接する塗布ローラ並びにこの塗布ローラによって前記感光体に塗布された潤滑剤を薄層化する潤滑剤均しブレードとを有し、
    少なくとも、前記感光体に形成された可視像を転写させた後の前記感光体表面に残存する現像剤を回収するクリーニング装置とが一体に形成されるプロセスカートリッジの組み立て方法において、
    前記潤滑剤均しブレードが予め取り付けられたプロセスカートリッジの筐体に、順次前記潤滑剤及び前記塗布ローラを組み付けた後、上方から前記感光体を組み付け、その後にクリーニングブレードを備えたクリーニング装置を組み付ける
    ことを特徴とするプロセスカートリッジの組み立て方法。
  4. 前記感光体を組み付けた後、更に、帯電装置及び現像装置の中から選択された少なくとも一つを前記筐体に組み付ける
    ことを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジの組み立て方法。
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