以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る集積装置1を含めた箱詰めシステムの全体の構成を示す正面図、図2はその側面図である。集積装置1は、物品(この実施例ではパウチ)2を供給コンベヤ4および加速コンベヤ6、8によって搬送し、その下流側に配置されたバケットコンベヤ10の各バケット12内に順次供給する。このバケットコンベヤ10のバケット12内に保持されて整列されている複数個(この実施例では10個)の物品2を、バケットコンベヤ10と等速で同方向に前進するとともに、搬送方向と直交する方向に移動可能な押出手段14によって、バケットコンベヤ10の搬送方向の側方(図1の左方)に押し出し、バケットコンベヤ10と平行して配置され、バケットコンベヤ10と等速で同方向に前進可能な支持手段16上に整列した状態で載置する。そして、支持手段16上に載置された複数の物品2を、箱詰めロボット18によって保持してケースコンベヤ20上を搬送されてきたケース21内に箱詰めを行う。
前記供給コンベヤ4は、物品2を一列で連続的に搬送し、次のベルト搬送による加速コンベヤ6、8に順次引き渡す。この実施例では、物品2が柔軟な素材からなる胴部2aと硬質な口部に装着されたキャップ2bとを有するパウチであり、胴部2aを搬送方向前方側に向けて寝かした状態で搬送する。加速コンベヤ6、8によって搬送された物品2は、これら加速コンベヤ6、8の下流側に同方向を向けて配置されているバケットコンベヤ10の各バケット12内に供給される。
次に、本発明を構成するバケットコンベヤ10、押出手段14および支持手段16等について前記図1および図2と、これらの図の要部を拡大して示す図3ないし図8により説明する。なお、図3は図1のIII方向矢視図、図4(a)はその平面図、図4(b)は後に説明する支持手段16の要部平面図、図5は横断面図であり、また、図6は図1のVI方向矢視図、図7はその平面図、図8は横断面図であり、図3および図4と、図6および図7におけるバケットコンベヤ10の搬送方向が逆になっている(各図の搬送方向を示す矢印A参照)。
前記バケットコンベヤ10は、図4に示すように、その搬送方向Aの下流側に配置され、機枠22の両側の側壁22a、22b間に回転自在に支持された駆動軸24に固定されている駆動スプロケット26と、搬送方向Aの上流側に配置され、前記両側壁22a、22b間に回転自在に支持された従動軸28に回転可能に支持されている従動スプロケット30と、これら両スプロケット26、30間に掛け回されたエンドレスチェーン32と、このエンドレスチェーン32に直交する方向を向けて連続して取り付けられた多数の水平プレート34と、これら水平プレート34上に一定の間隔で直立して固定された複数の保持プレート36とを備えている。これら前後2枚の保持プレート36間に形成される空間が前記バケット12である(図2参照)。機枠22の前記両側壁22a、22bの内面には支持レール38(図4および図5参照)が設けられており、エンドレスチェーン32に取り付けられている水平プレート34の両端部が、この支持レール38に支持された状態で走行する。
図6の40はバケットコンベヤ駆動用のサーボモータであり、この駆動用サーボモータ40の駆動軸42に取り付けたプーリー44と、前記駆動スプロケット26が固定されている回転軸24に取り付けられたプーリー46との間に掛け回されたベルト48を介して前記エンドレスチェーン32が駆動される。駆動用サーボモータ40の駆動によりエンドレスチェーン32が走行すると、水平プレート34上に直立して固定された保持プレート36がエンドレスチェーン32とともに走行移動する。保持プレート36が、上流側に配置された従動スプロケット30の周囲を下方から上方へ向けて回転移動し、水平な状態を過ぎてやや上向きの状態になったときに、前記供給コンベヤ4および両加速コンベヤ6、8によって供給されてきた物品2が投入される(図2に符号36Aで示す保持プレート参照)。エンドレスチェーン32が更に走行して、従動スプロケット30の上方で保持プレート36が直立した状態になると、前後一対の保持プレート36、36間(前述のようにこれら2枚の保持プレート36間にバケット12が形成される)に前記物品2が保持され、直立した状態で搬送される。
前記バケットコンベヤ10の側方に、バケットコンベヤ10によって搬送されている物品2を搬送方向と直交する方向に押し出す押出手段14が配置されている。この押出手段14は、各バケット12内に保持されている物品2に係合して押圧し、このバケットコンベヤ10の側部に平行して配置されている支持手段16上に乗り移らせるプッシャー50(図4ないし図6および図8参照)と、このプッシャー50が取り付けられているベースプレート52をバケットコンベヤ10の搬送方向Aに向けて前進後退させる進退動手段54と、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に往復移動させる横方向移動手段56とを備えている(図6および図7参照)。さらに、物品2を押し出した後プッシャー50が後退する際に、バケット12を構成する直立した保持プレート36との干渉を避けるために上方へ揺動させる揺動用エアシリンダ58を備えている。
プッシャー50およびプッシャー50を上下に揺動させるエアシリンダ58が取り付けられているベースプレート52の下方に、水平なレール支持プレート60が配置されている(図6および図8参照)。このレール支持プレート60上に、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと平行なレール62(以下、進退動用レールと呼ぶ)が配置され、前記ベースプレート52の下面に固定したスライダー64がこの進退動用レール62に嵌合している。さらにこのレール支持プレート60の下方に、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向の2本のレール66(以下、横方向移動用レールと呼ぶ)が平行に配置されている。この横方向移動用レール66は、前記バケットコンベヤ10と直交する方向に配置されたフレーム68の両側壁68a、68bの内面に取り付けられている(図6および図7参照)。一方、前記進退動用レール62が固定されたレール支持プレート60の下面に一対のスライダー70が固定されており、これらスライダー70が前記横方向移動用レール66にそれぞれ嵌合している。従って、前記進退動用レール62が固定されたレール支持プレート60は、この横方向移動用レール66に沿ってバケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に往復移動することができる。また、前記プッシャー50が取り付けられているベースプレート52は、前記進退動用レール62に沿ってバケットコンベヤ10の搬送方向Aに向かって進退動することができる。
プッシャー50が取り付けられているベースプレート52の、バケットコンベヤ10の搬送方向A上流側の端部(図4の左端、図6、図7の右端)に連結部材72が固定されている。この連結部材72には、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向の長孔72aが形成されている。また、バケットコンベヤ10と直交する方向の壁面(図6の右側の壁面68b)の搬送方向上流側の外面に、水平な取付プレート74が固定され、この取付プレート74上に、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと平行なボールねじ76が回転可能に支持されている。このボールねじ76にナット78が螺合しており、このナット78にローラ80が取り付けられて前記連結部材72の長孔72a内に嵌合している。従って、ボールねじ76の回転に伴ってナット78が軸方向(バケットコンベヤ10の搬送方向A)に移動すると、連結部材72の長孔72a内に嵌合しているローラ80を介して、ベースプレート52がナット78と一体的にバケットコンベヤ10の搬送方向Aに進退動する。これらボールねじ76、ナット78および後に説明する追従移動用サーボモータ等によって進退動手段54が構成されている。また、後に説明するようにベースプレート52がバケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に移動する際には、ナット78に取り付けられたローラ80に対して連結部材72の長孔72aが相対的に移動することにより、ベースプレート52が、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に移動することを許容する。
図3に示すように、前記押出手段14と後に説明する支持手段16をバケットコンベヤ10の搬送方向Aに進退動させるためのサーボモータ82(以下、追従移動用サーボモータと呼ぶ)が設けられている。この追従移動用サーボモータ82の出力軸83には、2個のプーリー84、86が固定されている。一方のプーリー84(図3の右側のプーリー)は、追従移動用サーボモータ82の駆動力を支持手段16側に伝達するものであり、この支持手段16側の構成は後に説明する。他方のプーリー86(図3の左側のプーリー)は、押出手段14のボールねじ76に回転力を伝達するプーリーである。前記押出手段14のプッシャー50が取り付けられているベースプレート52をバケットコンベヤ10の搬送方向Aに向かって進退動させるボールねじ76(図6および図7参照)の一端にプーリー88が取り付けられ、前記他方のプーリー86(図3の左側のプーリー)との間にベルト90が掛け回されている。前記追従移動用のサーボモータ82の駆動を、プーリー86、ベルト90およびプーリー88を介してボールねじ76に伝達して、このプッシャー進退動用のボールねじ76を回転させる。
前記バケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に配置された押圧手段14のフレーム68の両側壁面68a、68b間に、プッシャー50をバケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に移動させる押し出し用サーボモータ92が設置されている(図6および図7参照)。この押し出し用サーボモータ92の出力軸94に、レバー96の一端が取り付けられ、このレバー96の他端に連結ロッド98が相対回動可能に連結されている(図6ないし図8参照)。この連結ロッド98の他端が、進退動用レール62が固定されているレール支持プレート60の下面に連結されている。この押し出し用サーボモータ92の駆動により、レバー96および連結ロッド98を介してレール支持プレート60をバケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に移動させることにより、前記プッシャー50を搬送方向Aと直交する方向に往復移動させる。これら押し出し用サーボモータ92,レバー96および連結ロッド98等によって横方向移動手段56が構成されている。
前記押圧手段14のベースプレート52上には、ブラケット100を介して、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと平行な水平軸102が回転可能に支持されている(図4、図6ないし図8参照)。また、このベースプレート52上の、水平な回転軸102に対してバケットコンベヤ10と逆側に、バケットコンベヤ10方向を向けた水平なエアシリンダ58(以下、揺動用エアシリンダと呼ぶ)が固定されている。この揺動用エアシリンダ58のピストンロッド58aにリンク104の一端が回転可能に連結され、このリンク104の他端が前記水平な回転軸102に連結されている(図8参照)。さらに、この水平な回転軸102の両端部寄りに固定された一対のアーム106を介して、プッシャー50が固定されている。このプッシャー50は、バケットコンベヤ10を跨ぐことが可能な山形の取付板50aとその先端側に固定された押圧プレート50bとを有している。押圧プレート50bは全体としてフラットなプレート状であり、その先端部(下端部)が櫛歯状になっている。これら各櫛歯50ba(図6参照)が、バケットコンベヤ10の各保持プレート36間に形成されているバケット12内を通過することができるようになっている。揺動用エアシリンダ58の作動によってプッシャー50は下降位置(図8に実線で示す位置)と上昇位置(同図に想像線で示す位置)との間で往復揺動できるようになっている。下降位置では押圧プレート50bがほぼ鉛直な状態で、バケット12内の物品2を押圧できる高さに位置する。また、上昇位置では押圧プレート50bの下端がバケットコンベヤ10の保持プレート36やバケット12内に収容されている物品2に干渉しない高さに位置する。
図1に示すように、バケットコンベヤ10の一方の側部(図1の右側の側部)に押圧手段14が配置され、他方の側部(図1の左側の側部)に支持手段16が配置されている。この支持手段16の構成について図3ないし図5により説明する。支持手段16は全体としてバケットコンベヤ10に平行して配置されており、等間隔で形成された複数(この実施例では10個)の物品載置スペース108(図3参照)を有している。この物品載置スペース108が請求項4に記載した保持部である。
バケットコンベヤ10と平行に配置されたベースプレート110の上方に2枚の水平なスライドプレート(以下、バケットコンベヤ10に近い側を第1スライドプレート112、遠い側を第2スライドプレート114と呼ぶ)が平行に配置され(図4参照)、各スライドプレート112、114上にそれぞれ、前記バケットコンベヤ10の保持プレート36と同じ間隔で直立した仕切り部材116、118が固定されている(図3および図4参照)。これら各仕切り部材116、118は、いずれか一方のスライドプレート112、114に取り付けられているが、それぞれが2枚のスライドプレート112、114の横幅とほぼ同じ幅を有している(図5参照)。また、ベースプレート110の、バケットコンベヤ10と逆の端部側(図5の左側)に、直立した壁状のストッパ120が固定されている(図4および図5参照)。このストッパ120は、バケットコンベヤ10上の物品2が前記押圧手段14によって押し出されてきたときにその物品2の前面側を支持するものであり、前記各仕切り部材116、118とほぼ同じ高さを有している。
バケットコンベヤ10の機枠22の一方の側壁22aに、ブラケット122を介してバケットコンベヤ10の搬送方向Aと平行なレール124(以下、進退動用レールと呼ぶ)が配置されている(図3および図5参照)。この進退動用レール124の上方に、前記ベースプレート110が配置されており、このベースプレート110の下面に取り付けられたスライダー126が前記進退動用レール124に嵌合している。ベースプレート110の上方に支持されている両スライドプレート112、114およびこれらスライドプレート112、114に固定されている直立した仕切り部材116、118や、ベースプレート110上に固定されたストッパ120が、前記進退動用レール124に案内されて一体的にバケットコンベヤ10の搬送方向Aに進退動する。
支持手段16のベースプレート110上には、2枚のスライドプレート112、114に対応して、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと平行なレール127、128(以下、相対移動用レールと呼ぶ)が固定されている。一方、2枚のスライドプレート112、114の下面には、それぞれスライダー130、132が固定されて、前記相対移動用レール127、128に嵌合しており、これら2枚のスライドプレート112、114がバケットコンベヤ10の搬送方向Aに独立して進退動できるようになっている。
ベースプレート110の上面中央部に直立した支点ピン134が固定され、この支点ピン134に水平なレバー136の中央部が回転可能に支持されている。水平なレバー136の両端に、それぞれ連結ロッド138、140の一端部が連結され、さらに、これら連結ロッド138、140の他端部に、2枚のスライドプレート112、114がそれぞれ連結されている(図3および図4(b)参照)。ベースプレート110上の、バケットコンベヤ10の下流側端部にエアシリンダ142(仕切り部材の拡縮用エアシリンダ)が固定されている。この拡縮用エアシリンダ142のピストンロッド142aに、第2スライドプレート114の端部が連結されている。拡縮用エアシリンダ142の作動によって第2スライドプレート114を、バケットコンベヤ10の搬送方向Aに沿って進退動させると、前記レバー136および両連結ロッド138、140を介して連結されている第1スライドプレート112が、第2スライドプレート114と逆方向に同じ距離だけ進退動する。第1スライドプレート112と第2スライドプレート114が相対的に移動すると、各スライドプレート112、114上にそれぞれ取り付けられている仕切り部材116、118が接近または離隔する。この仕切り部材116、118の間隔を拡縮する機構は、バケットコンベヤ10から押し出されてきた物品2が、この実施例のパウチのように姿勢が不安定な場合に、両仕切り部材116、118を接近させて、物品載置スペース108を狭くすることにより物品2を挟みつけて位置決めするために使用される。つまり、両スライドプレート112、114の仕切り部材116、118を接近離隔させる機構が、物品2を位置決めする位置決め装置として機能する。
バケットコンベヤ10の機枠22の一方の側壁22aの、ベースプレート110よりも下方側に取付台144が固定され(図3および図5参照)、この取付台144上に、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと平行なボールねじ146が回転自在に支持されている。このボールねじ146に螺合されたナット148に、支持手段16のベースプレート110が連結されている(図3参照)。ボールねじ146の端部にプーリー150が固定され、このプーリー150と前記追従移動用サーボモータ82によって回転される出力軸83に固定されたプーリー84との間にベルト152が掛け回されている。この追従移動用のサーボモータ82の出力軸83には、前述のように押圧手段14をバケットコンベヤ10の搬送方向Aに進退動させるためのプーリー86が固定されており、このサーボモータ82の駆動により押圧手段14と支持手段16が同期してバケットコンベヤ10の搬送方向Aに向かって進退動する。
前記バケットコンベヤ10、押圧手段14および支持手段16を備えた集積装置1に隣接して箱詰めロボット18が配置されている。この箱詰めロボット18は、図1および図2に示すように、ロボットハンド154に取り付けられた複数のグリップ部材156を備えている。この実施例では10個のグリップ部材156が一列に配置されている。これらグリップ部材156は拡縮機構158によってその間隔を拡縮することができるようになっており、間隔を広げた時には、各グリップ部材156の間隔がバケットコンベヤ10のバケット12の間隔および支持手段16の仕切り部材116、118間の物品載置スペース108の間隔に一致し(図2の右半分に示す状態)、間隔を縮小した時には、各グリップ部材156の保持している物品2を接近させまたは密着させて箱詰めが可能な状態にする(図2の左半分の状態参照)。
前記集積装置1を挟んで、箱詰めロボット18の向かい側にケースコンベヤ20が配置されている。前記箱詰めロボット18のグリップ部材156が支持手段16上に支持されている物品2を把持し、このケースコンベヤ20によって搬送されてきたケース21内に挿入する。この実施例では、ケース21内に30個の物品2を収容するようになっており、10個のグリップ部材156が3回に分けて物品2をケース21内に挿入する。なお、箱詰めロボット18のグリップ部材156の数や一つのケース21内に収容する物品2の数はこの実施例に限定されるものではない。
以上の構成に係る集積装置1の作動について説明する。この集積装置1で集積されて箱詰めされる物品2(この実施例では容易に変形する柔軟な素材からなるパウチ)は、供給コンベヤ4によって、胴部2aを前方に向けキャップ2b側を後方に向けて寝かした状態にして一列で搬送される。これらの物品2は、供給コンベヤ4からベルト搬送による加速コンベヤ6、8に順次受け渡されて搬送され、バケットコンベヤ10に供給される。
バケットコンベヤ10は、エンドレスチェーン32に等間隔で多数の保持プレート36が取り付けられており、これら各保持プレート36が上流側の従動スプロケット30の周囲を回転して、水平な状態を通過してやや上方へ向いた位置(図2に符号36Aで示す保持プレート参照)で、前記加速コンベヤ8から物品2が1個ずつ投入される。なお、バケットコンベヤ10は物品投入の際は減速し、投入後加速するようにバケットコンベヤ駆動用サーボモータ40の駆動が制御される。エンドレスチェーン32の走行により各保持プレート36が従動スプロケット30の上方へ出ると、直立した状態になり、前後の保持プレート36間に前記物品2を直立した状態で保持する。前後一対の保持プレート36間がバケット12を構成しており、これらバケット12内に物品2が等間隔で、かつ所定の姿勢で保持される。
バケットコンベヤ10の一方の側部側(図4の上方側、図7の下方側)に押圧手段14が配置され、他方の側部側に支持手段16が配置されている。これら押圧手段14および支持手段16は、バケットコンベヤ10の搬送方向に沿って進退動できるようになっており、図4に実線で示す上流端の位置から、想像線で示す位置(押圧手段14と支持手段16のスライドプレート52、110の先端位置だけを示している)までの間で往復進退動する。
これら押圧手段14と支持手段16が上流端に停止している時に、バケットコンベヤ10のバケット12内に収容されて搬送されている先頭の物品2が、支持手段16の先頭(図4の右端)の物品載置スペース108(仕切り部材116、118の間)の位置、および押圧手段14のプッシャー50の先頭の櫛歯50baの位置に到達すると、追従移動用サーボモータ82の駆動により、押圧手段14および支持手段16がバケットコンベヤ10の搬送方向Aへ前進される。追従移動用サーボモータ82が出力軸83を回転させると、図3に示す押出手段14側のプーリー86と支持手段16側のプーリー84が回転し、それぞれに掛け回されているベルト90、152を走行させる。押圧手段14側のベルト90を介してプーリー88が回転し、ボールねじ76を回転させる(図6ないし図8参照)。押出手段14のボールねじ76が回転すると、このボールねじ76に螺合しているナット78がバケットコンベヤ10の搬送方向Aへ前進し、連結部材72を介してベースプレート52を前進させる。一方、支持手段16側は、前記プーリー84の回転がベルト152を介してボールねじ146のプーリー150に伝達されてボールねじ146を回転させる(図3および図5参照)。ボールねじ146が回転すると、このボールねじ146に螺合しているナット148がバケットコンベヤ10の搬送方向Aへ前進し、支持手段16のベースプレート110を前進させる。このようにして押圧手段16のプッシャー50を支持しているベースプレート52および支持手段16の両スライドプレート112、114を支持しているベースプレート110が、速度を増減しながら駆動するバケットコンベヤ10の搬送速度と同じ速度で同じ方向に前進する。つまり、バケットコンベヤ10の各バケット12と、押圧手段14のプッシャー50の各櫛歯50baと、支持手段16の前後の仕切り部材116、118間の各物品載置スペース108の進行方向の位置が一致したままで前進する。
このようにバケットコンベヤ10と押圧手段14と支持手段16とが同じ速度で前進しながら、押し出し用サーボモータ92を駆動して、押圧手段14のプッシャー50をバケットコンベヤ10の搬送方向Aと直交する方向に移動させる。このときには、押し出し用サーボモータ92の駆動により、図7の下方を向いていたレバー96をこの図の上方側へほぼ180度回転させる(支点軸94の上下に想像線で示すレバー96参照)。レバー96が回転すると、その回転端に連結されているロッド98がバケットコンベヤ10の方向へ移動し、その先端に連結されている支持プレート60(図6および図8参照)がバケットコンベヤ10の方向へ移動する。支持プレート60上には、バケットコンベヤ10の搬送方向Aを向いた進退動用レール62が固定されており、この進退動用レール62にスライダー64が係合しているベースプレート52がバケットコンベヤ10の方向へ移動する。ベースプレート52は前述のようにバケットコンベヤ10の搬送方向にバケットコンベヤ10と同じ速度で前進しており、押圧手段14のプッシャー50は、バケットコンベヤ10の搬送方向へ前進しつつ、各櫛歯50ba(図6参照)がバケットコンベヤ10の各バケット12内を通過する。このプッシャー50の移動により、バケット12内に保持されている各物品2が、支持手段16の各仕切り部材116、118間の物品載置スペース108内に押し込まれる。
押圧手段14のプッシャー50によってバケットコンベヤ10のバケット12内に保持されていた物品2が支持手段16に移された後、押圧手段14および支持手段16は下流側への移動端で停止する(図4の想像線で示す位置)。押圧手段14のプッシャー50は、取付板50aが山形をしており、支持手段16側への移動端では、バケットコンベヤ10の保持プレート36に干渉しないようになっているので(図8参照)、バケットコンベヤ10はそのまま前進する。また、押圧手段14は、ベースプレート52上のエアシリンダ58を作動させて、プッシャー50を上方へ揺動させる(図8に想像線で示すプッシャー50参照)。上方へ揺動されるとプッシャー50の下端がバケットコンベヤ10の保持プレート36よりも上方に位置する。続いて、押し出し用サーボモータ92を駆動してプッシャー50およびエアシリンダ58が取り付けられているベースプレート52をバケットコンベヤ10から離れる方向へ移動させる。
一旦、下流側への移動端で停止した押圧手段14および支持手段16は、追従移動用サーボモータ82の駆動により、バケットコンベヤ10の搬送方向Aと逆の方向に後退されて元の位置に戻る。この戻り過程において、拡縮用のエアシリンダ142を作動させて第2スライドプレート114を所定の距離だけバケットコンベヤ10の下流側に向けてスライドさせる。第1スライドプレート112は、図4(b)に示すように、支点軸134に回転自在に支持されたレバー136および連結ロッド138、140を介して第2スライドプレート114に連結されており、第2スライドプレート114のスライド量と同じ距離だけ逆方向にスライドする。その結果、第1スライドプレート112と第2スライドプレート114にそれぞれ取り付けられている仕切り部材116、118の間隔が狭くなり、これら仕切り部材116、118の間の物品載置スペース108に挿入された物品2が両仕切り部材116、118に挟みつけられてキャップ2bの位置が位置決めされる。つまり、柔軟な材質からなるパウチのような物品2が直立した状態で保持される。
一方、上流側へ戻って停止している支持手段16に位置決めされて起立した状態で保持されている物品2は、箱詰めロボット18のグリップ部材156によって把持される。箱詰めロボット18のグリップ部材156は、支持手段16から物品2を取り出す際は、拡縮機構158によってその間隔が開いた状態になっており(図2の右側に示す状態)、支持手段18上の物品2の間隔に一致しているので、各グリップ部材156が物品2の上方へ移動して、グリップ部材156の下端に設けられている開閉式のグリッパを閉じて物品(パウチ)2のキャップ2bを保持する。その後、前記エアシリンダ142を逆に作動して、第2スライドプレート114をバケットコンベヤ10の上流側に移動させる。第2スライドプレート144と逆方向に第1スライドプレート112が移動し、それぞれの仕切り部材116、118の間隔が開いて図4に示す状態に戻る。その後、グリップ部材156が上昇して、物品2を支持手段16の仕切り部材116、118間から取り出す。続いて、物品2を保持しているグリップ部材156は、拡縮機構158によって間隔を詰められて(図2の左側に示す状態)、ケースコンベヤ20上のケース21上に移動して箱詰めを行う。
前記のように元の位置に戻った押圧手段14と支持手段16は、次の物品2の押し出しを行うために待機する。このようにバケットコンベヤ10に追従して押圧手段14を前進させるだけでなく、押圧手段14によって押し出された物品2を受け取る支持手段16も、バケットコンベヤ10に追従して前進させるようにしているので、高速な処理が可能であるとともに、バケットコンベヤ10のバケット12から押し出された物品2を支持手段16によって安定して支持することができる。