JP5509536B2 - 音声データ処理装置およびプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る音声データ処理装置100Aのブロック図である。図1に示すように、音声データ処理装置100Aは、制御装置10と記憶装置12と入力装置14と表示装置16と音出力装置18とを具備するコンピュータシステムで実現される。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各形態において第1実施形態と共通する要素については以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
複数の発声者が同じ旋律を合唱する場合、各発声者の音声の音高や発音の時点には多少のバラツキが発生するのが通常である。したがって、編成パートを構成する複数の音声データDの各々に対応した音声の音高や発音の時点が完全に合致すると、合成音が聴感上において不自然な印象となる場合がある。そこで、本形態においては、各音声データDに対応した音声の音高や発音の時点にバラツキ(揺らぎ)を付与する。
以上の各形態においては編成パートを構成する複数の音声データDを利用者が選択する。しかし、自身の嗜好ないし感性に合致した音声データDや合唱音の合成のために音楽的に適切な音声データD(例えば音楽的に調和する音声データD)を利用者が自分で選択することは煩雑かつ困難である。そこで、本形態においては、利用者が指定した音楽的な印象に合致する音声データDが自動的に選択されたうえで編成パートとして使用される。
Ri=√{(X[i,I]−U[I])2+(X[i,II]−U[II])2+(X[i,III]−U[III])2} ……(1)
第4実施形態においては利用者が因子値U(U[I],U[II],U[III])を入力装置14から直接的に指示した。本発明の第5実施形態においては、利用者が選択した音声データDの特徴量Fが指示特徴量FUとして利用される。なお、第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。
第4実施形態では各音声データDの特徴量Fを音声データDの選択に利用した。本発明の第6実施形態においては、各音声データDに対応した音声の発声者の属性が特徴量Fとともに音声データDの選択に使用される。なお、第4実施形態と共通する部分については説明を省略する。
以上の形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
以上の各形態においては、単独パートが割当てられた指定音の指示子Pと編成パートが割当てられた指定音の指示子Pとが利用者からの指示に応じて相異なる態様に変更される場合(すなわち、初期的には各指示子Pが共通の態様で表示される場合)を例示したが、単独パートの指示子Pと編成パートの指示子Pとの表示の態様を表示制御部26が自動的に(すなわち利用者からの指示に依存せずに)相違させる構成も採用される。例えば、利用者が指示子Pに単独パートを割当てると、表示制御部26は、単独パートについて用意された初期的な態様で当該指示子Pを表示し、利用者が指示子Pに編成パートを割当てると、表示制御部26は、単独パートとは別個に編成パートについて用意された初期的な態様で当該指示子Pを表示する。各指示子Pの態様が利用者からの操作に応じて初期的な態様から変更される点は以上の各形態と同様である。
以上の各形態においては利用者が音楽情報画像60を確認しながら音楽情報SDを作成ないし編集する場合を例示したが、既存の音楽情報SDを利用者による確認のために音楽情報画像60として表示する構成も採用される。既存の音楽情報SDは、例えば、可搬型の記録媒体や通信網を介して記憶装置12に格納される。音楽情報SDの作成や編集という処理は本発明において必須ではない。
割当部34が割当てた音声データDの組合せに応じて制御される指示子Pの態様は以上の例示に限定されない。すなわち、指示子Pのサイズや表示色(色相,明度,彩度)や形状など視覚的に知覚できる総ての態様が音声データDの組合せに応じた制御の対象として採用され得る。また、指示子Pの態様を利用者が可変に設定する構成は本発明において必須ではない。例えば、音声データDの組合せに応じて表示制御部26が自動的に(すなわち利用者からの指示に依存せずに)選定した態様で指示子Pが表示される。また、以上の形態においてはパート(音声データDの組合せ)が共通する各指定音の指示子Pを表示制御部26が自動的に共通の態様で表示したが、共通のパートが割当てられた複数の指定音について指示子Pの態様を利用者が個別に設定する構成も採用される。
以上の各形態においては類否指標値Riの算定に数式(1)を利用したが、音声データDの選択の基準となる類否指標値Riを、指定特徴量FUおよび特徴量Fの因子値(X,U)に対して因子毎に別個の加重値Wを付与したうえで算定する構成も好適である。例えば、選択部32は、金属因子に対する加重値W[I]と迫力因子に対する加重値W[II]と美的因子に対する加重値W[III]とを含む以下の数式(2)を数式(1)の代わりに使用して類否指標値Riを算定する。
Ri=√{W[I]・(X[i,I]−U[I])2+W[II]・(X[i,II]−U[II])2+W[III]・(X[i,III]−U[III])2} ……(2)
第4実施形態から第6実施形態における特徴量F(指示特徴量FU)は多変量解析の因子値に限定されない。さらに具体的には、音声データDが表す音声の特性値(例えば周波数特性や音量)を特徴量Fとして使用した構成や、特性値を因子毎の因子値Xとともに使用した構成が好適である。例えば、因子値Xと指示特徴量FUの因子値Uとの類似度が高い順番で上位に位置し、かつ、特性値が利用者からの指示に応じた条件に合致するN個の音声データDが編成パートの要素として選択される。
第4実施形態から第6実施形態においては編成パートを構成する音声データDの個数Nを利用者が指定したが、個数Nを所定値に固定した構成も採用される。また、第4実施形態から第6実施形態において、選択部32がひとつの音声データDを単独パートとして選択する構成も好適である。すなわち、選択部32は、記憶装置12に格納されたn個の音声データDのうち指示特徴量FUに最も類似する特徴量Fに対応するひとつの音声データDを単独パートとして選択する。
以上の各形態においては各音声データDが別個の発声者の音声から生成された場合を便宜的に例示したが、同じ発声者が発声した相異なる音声から複数の音声データDを生成してもよい。また、以上の各形態においては人間の発声音の合成を便宜的に想定したが、各種の楽器の演奏音を合成する構成(すなわち各音声データDが楽器の演奏音から生成された構成)も採用される。以上のように本発明における「音声」は、人間による発声音(発話音や歌唱音)および楽器の演奏音の双方を包含する概念である。
ひとつの音声データDが表す音声の総数は適宜に変更される。例えば、以上の各形態においてはひとつの音声データDをひとりの発声者の音声(あるいはひとつの楽器の演奏音)から生成した場合を便宜的に例示したが、並列に発生した複数の音声の混合音(例えば複数の発声者による発声音(合唱音)や複数の楽器による演奏音(合奏音))からひとつの音声データDを生成した構成も採用される。以上の態様において、複数の音声の混合音に対応するひとつの音声データDを割当部34が割当てたひとつの指定音の指示子Pを、表示制御部26が表示装置16(音楽情報画像60の作業領域62)に表示させる。音声データDが表す音声の混合数(すなわち合唱時の歌唱者の人数や合奏に使用された楽器の総数)Mは当該音声データDの属性Aとして記憶装置12に格納される。表示制御部26は、属性Aが指定する混合数Mに応じて指示子Pの態様を可変に制御する。混合数Mに応じて指示子Pの態様を制御する方法は任意であるが、例えば図7に例示した態様(第2実施形態における音声データDの個数Nを混合数Mに置換した構成)が好適である。以上の構成においても、複数の音声の混合音が割当てられた指定音の指示子Pを利用者が容易に確認できるという利点がある。
複数の音声データDが割当てられた指示音をひとつの指示子Pで表示する構成(第1実施形態から第3実施形態)と、利用者からの指示に応じた指示特徴量FUに特徴量Fが類似する音声データDを合成の対象として選択する構成(第4実施形態から第6実施形態)とは各々が独立して成立し得る。例えば、第4実施形態から第6実施形態においては、複数の音声データDが割当てられた指示音をひとつの指示子Pで表示する構成や指示子Pの態様が可変である構成は適宜に省略される。
音声信号SOUTの出力先は音出力装置18に限定されない。例えば、音声信号SOUTを記憶装置12(または他の記録媒体)に格納する構成や、音声信号SOUTを通信網に送信する構成も採用される。
Claims (5)
- 相異なる音声の合成に使用される2以上の音声データをひとつの指定音に割当てる割当手段と、
前記割当手段がひとつの指定音に割当てた2以上の音声データの各々に対応した音声の音高の分布範囲を可変に設定する第1設定手段と、
各指定音に対応する指示子を音高軸と時間軸とが設定された作業領域に配置した音楽情報画像を表示装置に表示させる手段であって、前記第1設定手段が指定音に設定した分布範囲の広狭に応じて当該指定音の指示子の態様を変化させる表示制御手段と
を具備する音声データ処理装置。 - 相異なる音声の合成に使用される2以上の音声データをひとつの指定音に割当てる割当手段と、
前記割当手段がひとつの指定音に割当てた2以上の音声データの各々に対応した音声が開始する時点の分布範囲を可変に設定する第2設定手段と、
各指定音に対応する指示子を音高軸と時間軸とが設定された作業領域に配置した音楽情報画像を表示装置に表示させる手段であって、前記第2設定手段が指定音に設定した分布範囲の広狭に応じて当該指定音の指示子の態様を変化させる表示制御手段と
を具備する音声データ処理装置。 - 利用者が第1操作子を操作した場合、前記表示制御手段は、複数の音声データの識別子を選択候補として前記表示装置に表示させ、前記割当手段は、利用者が選択した識別子の音声データを単独で指定音に割当てる一方、
利用者が第2操作子を操作した場合、前記表示制御手段は、2以上の音声データを各々が含む複数の編成パートの識別子を選択候補として前記表示装置に表示させ、前記割当手段は、利用者が選択した識別子の音声データに含まれる2以上の音声データを指定音に割当てる
請求項1または請求項2の音声データ処理装置。 - 相異なる音声の合成に使用される2以上の音声データをひとつの指定音に割当てる割当処理と、
前記割当処理でひとつの指定音に割当てた2以上の音声データの各々に対応した音声の音高の分布範囲を可変に設定する第1設定処理と、
各指定音に対応する指示子を音高軸と時間軸とが設定された作業領域に配置した音楽情報画像を表示装置に表示させる処理であって、前記第1設定処理で指定音に設定した分布範囲の広狭に応じて当該指定音の指示子の態様を変化させる表示制御処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。 - 相異なる音声の合成に使用される2以上の音声データをひとつの指定音に割当てる割当処理と、
前記割当処理でひとつの指定音に割当てた2以上の音声データの各々に対応した音声が開始する時点の分布範囲を可変に設定する第2設定処理と、
各指定音に対応する指示子を音高軸と時間軸とが設定された作業領域に配置した音楽情報画像を表示装置に表示させる処理であって、前記第2設定処理で指定音に設定した分布範囲の広狭に応じて当該指定音の指示子の態様を変化させる表示制御処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
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