JP5508942B2 - 強制給排気式暖房機 - Google Patents

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Description

本発明は、強制給排気式暖房機に関する。
一般に、暖房機では、屋内から取り入れた空気を、燃料ガスを燃焼させた燃焼ガスとの熱交換によって加熱し、加熱された空気を再び屋内へ送り出すことで、屋内の暖房を行う。このうち、強制給排気式暖房機では、給排気ファンによって、燃料ガスの燃焼に必要な空気を屋外から強制的に取り入れ、燃焼後の排気ガスを屋外に強制的に排出する。強制給排気式暖房機では、屋内から取り入れた空気が流れる経路と、燃焼ガスが流れる経路が分離されており、屋内の空気を汚染することなく暖房を行うことができる。
強制給排気式暖房機のうち、屋外からの空気、燃焼ガスおよび排気ガスが流れる一連の経路において、屋内からの空気と燃焼ガスが熱交換する熱交換部よりも下流側に給排気ファンが配置されているものは、負圧型の強制給排気式暖房機と呼ばれる。負圧型の強制給排気式暖房機では、給排気ファンを回転駆動したときに、給排気ファンよりも上流側にある熱交換部が負圧に維持される。負圧型の強制給排気式暖房機では、仮に熱交換部において燃焼ガスが流れる配管が破損した場合であっても、配管内が負圧に維持されているので、燃焼ガスが外部に漏れ出すことがなく、屋内からの空気への燃焼ガスの漏洩を防ぐことができる。
負圧型の強制給排気式暖房機としては、例えば特許文献1−4に記載されたものが知られている。
豪州実用新案第2009100240号明細書 米国特許第4974579号明細書 米国特許第5347980号明細書 実公昭58−5892号公報
負圧型の強制給排気式暖房機では、熱交換部よりも下流側に給排気ファンを配置しているので、屋内からの空気と熱交換して冷却された燃焼ガス(すなわち排気ガス)は、給排気ファンとの接触によってさらに冷却されてから屋外へ排出される。すなわち、給排気ファンが排気ガスから余熱を回収する役割も果たす。従って、負圧型の強制給排気式暖房機は、総合的な熱効率が高く、環境負荷も低い。しかしながら、給排気ファンとの接触によって排気ガスがさらに冷却されるので、給排気ファンを通過した排気ガスからドレインが発生するという問題も生じる。
従来技術の強制給排気式暖房機では、給排気ファンよりも上流側にドレイン排出機構が設けられており、燃焼ガスが熱交換部を通過する際に発生したドレインを排出することはできる。しかしながら、給排気ファンよりも下流側でドレインが発生した場合には、従来技術の強制給排気式暖房機ではドレインを排出することができない。排気ガスを外部に排出する流路の内部にドレインが溜まってしまい、部材の腐食等の問題を引き起こしてしまう。
従来技術の強制給排気式暖房機においても、燃焼させる燃料ガスのインプットを上げて、排気ガスの温度をある程度高くしておけば、給排気ファンよりも下流側でドレインが発生することを防ぐことはできる。しかしながら、この場合には、燃料ガスのインプットを小さくすることができないので、暖房を行う際に、屋内の空気の微妙な温度調整が困難となってしまう。
本発明は上記課題を解決する。本発明では、負圧型の強制給排気式暖房機において、給排気ファンよりも下流側にドレインが溜まってしまう事態を防ぐことが可能な技術を提供する。
本発明は暖房機として具現化される。その暖房機は、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼器からの燃焼ガスを周囲の空気との間で熱交換させる熱交換器と、前記燃焼器に屋外からの空気を供給し、前記熱交換器からの排気ガスを屋外へ排出する給排気流路と、前記給排気流路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた給排気ファンと、屋内の空気を取り入れ、前記熱交換器の周囲を通過させて、屋内へ送り出す対流ファンを備えている。その暖房機では、前記給排気流路の前記給排気ファンよりも下流側であって、前記給排気ファンよりも低い位置に、排気ガスから発生したドレインを排出するドレイン排出機構が設けられている。
上記の暖房機では、熱交換器からの排気ガスが給排気ファンとの接触によって冷却されてドレインが発生した場合でも、ドレイン排出機構によってドレインを排出することができる。給排気ファンよりも下流側にドレインが溜まってしまうことがない。また、上記の暖房機では、給排気ファンよりも下流側でのドレインの発生を許容することができるので、燃料のインプットを小さくすることができる。暖房を行う際に、屋内の空気の微妙な温度調整を行うことができる。
前記暖房機においては、前記熱交換器が、その内部を燃焼ガスが通過する複数のパイプから構成されていることが好ましい。
熱交換器が複数のパイプから構成されている場合、燃焼器からの燃焼ガスと周囲の空気との熱交換における伝熱面積を広く確保することができるので、熱交換の効率を高めることができる。
前記暖房機においては、前記給排気ファンを回転させるファンモータが、前記対流ファンによって屋内から取り入れられた空気が流れる流路内に露出していることが好ましい。
給排気ファンを熱交換器よりも下流側に設ける場合、給排気ファンは排気ガスから余熱を回収して高温となり、給排気ファンと機械的に連結しているファンモータも高温となる。ファンモータが過剰に高温となってしまうと、グリス切れによるモータ故障を招くおそれがある。上記の暖房機では、屋内から取り入れられた空気が流れる流路内にファンモータが露出しているので、対流ファンの回転によって屋内から空気を取り入れる際に、その空気との熱交換によって給排気ファンのファンモータが冷却される。ファンモータが過剰に高温となることを防ぐことができる。また、ファンモータとの熱交換によって加熱された空気はその後暖房に利用されるため、暖房機の熱効率を高めることができる。
前記暖房機においては、前記ドレイン排出機構が、ドレイン排出口と、ドレイン排出口からのドレインを内部に溜めるドレイン受け皿を備えており、前記ドレイン受け皿が、内部のドレインの水位を検出する水位検出手段を備えていることが好ましい。
上記の暖房機によれば、ドレイン受け皿に溜まっているドレインの水位に応じて、暖房機の動作の制御を行うことが可能となる。例えば、ドレイン受け皿の内部の水位が所定水位にまで達した場合に、利用者にドレイン受け皿に溜まったドレインの廃棄を促す旨の通知を行うことが可能となる。あるいは、ドレイン受け皿の内部の水位が所定水位にまで達した場合に、利用者がドレイン受け皿に溜まったドレインを廃棄するまで暖房機の運転を禁止する制御を行い、ドレイン受け皿からドレインが溢れ出てしまう事態を防止することができる。
本発明によれば、負圧型の強制給排気式暖房機において、給排気ファンよりも下流側にドレインが溜まってしまう事態を防ぐことができる。
実施例の暖房機10の内部の構成を模式的に示す正面図である。 図1のII−II断面についての縦断面図である。 実施例の暖房機10の熱交換ユニット16の外観を示す斜視図である。 実施例の暖房機10の排気ユニット20の外観を示す斜視図である。 実施例の暖房機10の排気ユニット20の取り付け状態を模式的に示す部分的な縦断面図である。
以下に説明する実施例の主要な特徴を以下に列記する。
(特徴1) 給排気ファンを内部に収容しており、排気ガスが内部を通過する給排気ファンケーシングが、前記対流ファンによって屋内から取り入れられた空気が流れる流路内に露出している。
(特徴2) 給排気流路の給排気ファンよりも上流側に、燃焼ガスから発生したドレインを排出する別のドレイン排出機構が設けられている。
以下、本発明に係る実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施例に係る暖房機10を正面から見た場合の内部の構成を模式的に示しており、図2は暖房機10の縦断面図である。図2に示すように、暖房機10は、家屋の壁面Wに近接して設置される。暖房機10は、内側ケース15と、内側ケース15を上方より覆う外側ケース14を備えている。外側ケース14は内側ケース15の背面と家屋の壁面Wで挟まれる空間の上面と両側面を覆うように配置される。外側ケース14には、屋内の空気が通過可能な複数のスリット22が設けられている。
内側ケース15の上部には送風ユニット12が設けられている。図1に示すように、送風ユニット12は、一対の対流ファン26a、26bと、対流ファン26a、26bを回転駆動する対流ファンモータ28を備えている。対流ファン26a、26bはシロッコファンであり、側方(図1の左右方向)から空気を取り入れ、下方に向けて空気を送り出す。対流ファン26a、26bが回転すると、屋内の空気が図2のスリット22を介して外側ケース14の内部に流れ込み、内側ケース15と壁面Wの間の空間を上方に向けて流れ、図1の対流ファン26a、26bに側方から流れ込む。対流ファン26a、26bに流れ込んだ空気は、対流ファン26a、26bから下方に向けて送り出され、内側ケース15の内部に流れ込む。以下では、対流ファン26a、26bから送り出された空気の流れに直交する面を対流ファン26a、26bの送風面という。対流ファン26a、26bから下方に向けて送り出された空気は、熱交換ユニット16、排気ユニット20との熱交換によって加熱された後、内側ケース15の前面下部に形成された送風口30から屋内に向けて送り出される。対流ファンモータ28の動作は制御ユニット24によって制御される。
熱交換ユニット16には、燃焼ユニット18から燃焼ガスが供給される。燃焼ユニット18は、暖房機10の下部の一方の側端近傍(図1では向かって右側の側端近傍)に配置されている。燃焼ユニット18は内部にバーナ(図示せず)を備えている。燃焼ユニット18には、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管(図示せず)と、燃料ガスを燃焼させるための空気を供給する燃焼用空気供給管19(図2参照)が接続されている。燃料ガスとしては、都市ガスや天然ガス等を用いることができる。図2に示すように、燃焼用空気供給管19は、家屋の壁面Wに設けられた屋内側アダプタ70、二重管72、屋外側アダプタ74を介して屋外に連通している。燃焼ユニット18では、燃料ガス供給管を経由して供給される燃料ガスと、燃焼用空気供給管19を経由して供給される空気を混合して、混合ガスを燃焼させる。燃焼ユニット18で生成された燃焼ガスは、プレート38を介して熱交換ユニット16に送られる。燃焼ユニット18の動作は制御ユニット24によって制御される。
図1、図2および図3に示すように、熱交換ユニット16は、大径チューブ32a、32b、32c、32dと、小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hと、合流室36を備えている。大径チューブ32a、32b、32c、32dの一端は、プレート38に設けられている複数の孔に、それぞれカシメ接合されている。大径チューブ32a、32b、32c、32dは、内側ケース15の内部の下部を図1の左右方向に沿って伸び、内側ケース15の側端付近(図1では向かって左側の側端付近)で上方に向けて屈曲する略L字状に形成されている。大径チューブ32a、32b、32c、32dの他方の端部には、それぞれスカート部42a、42b、42c、42dが形成されている。スカート部42a、42b、42c、42dは、それぞれ端面44a、44b、44c、44dに向けて末広がりに形成されている。図3に示すように、端面44a、44b、44c、44dにはそれぞれ2つの孔が形成されている。端面44aに形成された2つの孔には、小径チューブ34a、34bの一端がカシメ接合されている。同様に、端面44bに形成された2つの孔には、小径チューブ34c、34dの一端がカシメ接合されており、端面44cに形成された2つの孔には、小径チューブ34e、34fの一端がカシメ接合されており、端面44dに形成された2つの孔には、小径チューブ34g、34hの一端がカシメ接合されている。図1および図2に示すように、端面44a、44b、44c、44dは何れも、対流ファン26a、26bの送風面に対して平行に向き合うように配置されている。言い換えると、端面44a、44b、44c、44dは何れも、対流ファン26a、26bから送り出される空気の流れに対して直交するように配置されている。この構成によれば、対流ファン26a、26bから送り出された空気が端面44a、44b、44c、44dに略垂直に衝突するので、空気との熱交換が十分に行われて端面44a、44b、44c、44dは十分に冷却される。これによって、端面44a、44b、44c、44dと小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hのカシメ接合部における、熱ひずみによる亀裂の発生や、カシメの緩み等の事態を防ぐことができる。熱交換ユニット16の耐久性を高めることができる。
なお、内側ケース15の内部において内側に配置されている大径チューブ32a、32bと外側に配置されている大径チューブ32c、32dは、圧力損失を同程度にするために、配管長さが略等しくなるように形成されている。この結果、内側の大径チューブ32a、32bのスカート部42a、42bと、外側の大径チューブ32c、32dのスカート部42c、42dでは、内側ケース15の内部で配置される高さが異なる。これにより、内側の大径チューブ32a、32bのスカート部42a、42bと、外側の大径チューブ32c、32dのスカート部42c、42dが物理的に干渉することなく、大径チューブ32a、32b、32c、32dを互いに近接して配置することができる。大径チューブ32a、32b、32c、32dの周囲を流れる空気との熱交換の効率を高めることができる。
図1に示すように、小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hは端面44a、44b、44c、44dから上方に向けて伸び、対流ファン26a、26bの直下で屈曲した後、さらに大径チューブ32a、32b、32c、32dの上部の空間を略Z字状に蛇行する形状に形成されている。このような形状とすることで、内側に配置されている小径チューブ34a、34b、34c、34dと、外側に配置されている小径チューブ34e、34f、34g、34hを、互いに干渉することなく近接して配置することができる。小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hの周囲を流れる空気との熱交換の効率を高めることができる。小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hの他方の端部は、合流室36の接続面に形成された複数の孔にそれぞれカシメ接合されている。なお、内側に配置されている小径チューブ34a、34b、34c、34dと、外側に配置されている小径チューブ34e、34f、34g、34hは、圧力損失を同程度にするために、配管長さが略等しくなるように形成されている。
燃焼ユニット18から熱交換ユニット16に供給された燃焼ガスは、大径チューブ32a、32b、32c、32dおよび小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hを通過する際に、周囲を流れる空気との熱交換によって冷却される。熱交換ユニット16において燃焼ガスが冷却されたことで発生するドレインは、合流室36に設けられた第1ドレイン排出口50(図1参照)からドレイン受け皿52に滴下する。合流室36に流れ込んだ燃焼ガスは、排気ガスとして、蛇腹管46を介して排気ユニット20へ送られる。なお、合流室36は保持金具48によってプレート38に固定されているので、大径チューブ32a、32b、32c、32dおよび小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hにおける曲げ振動の発生を抑制することができる。
図4および図5に示すように、排気ユニット20は、排気ファン54(図5参照)と、排気ファン54を収容する排気ファンケーシング56と、排気ファンケーシング56の外部に配置された排気ファンモータ58と、排気ファンケーシング56と連通する排気ダクト60を備えている。排気ファンモータ58が排気ファン54を回転駆動することによって、蛇腹管46を経由して熱交換ユニット16から排気ガスが吸引されて、排気ファンケーシング56内に流入する。排気ファンケーシング56に流れ込んだ排気ガスは、排気ファンケーシング56から排気ダクト60へ流れ、排気ダクト60を経由して排気ガス排出管62へ送り出される。図2に示すように、排気ガス排出管62は、家屋の壁面Wに設けられた屋内側アダプタ70、二重管72、屋外側アダプタ74を介して屋外に連通している。排気ファンモータ58の動作は、制御ユニット24によって制御される。
本実施例の暖房機10では、排気ファンモータ58が排気ファン54を回転駆動すると、屋外の空気が図2の屋外側アダプタ74から取り込まれ、二重管72、屋内側アダプタ70、燃焼用空気供給管19を順に経由して、図1の燃焼ユニット18に供給される。燃焼ユニット18で生成した燃焼ガスは、大径チューブ32a、32b、32c、32dおよび小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34h、合流室36、蛇腹管46を順に経由して、排気ガスとして排気ユニット20に流れ込む。排気ユニット20に流れ込んだ排気ガスは、図2の排気ガス排出管62、屋内側アダプタ70、二重管72を順に経由して、屋外側アダプタ74から屋外に排出される。すなわち、暖房機10は上記した一連の給排気流路を通して燃焼ユニット18に屋外からの空気を供給し、熱交換ユニット16からの排気ガスを屋外へ排出する、強制給排気式暖房機である。また、本実施例の暖房機10では、排気ファン54が熱交換ユニット16よりも下流側に配置されており、排気ファン54を回転駆動したときに、排気ファン54よりも上流側にある蛇腹管46、合流室36、小径チューブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34h、大径チューブ32a、32b、32c、32dの内部は負圧に維持される。すなわち、暖房機10は負圧型の強制給排気式暖房機である。
図4の排気ユニット20を排気ガスが通過する際には、排気ガスは排気ファン54、排気ファンケーシング56、排気ダクト60との熱交換によって冷却されてから排気ガス排出管62に送り出される。逆に、排気ファン54、排気ファンケーシング56、排気ダクト60、および排気ファン54と機械的に連結している排気ファンモータ58は、排気ガスから余熱を回収して高温となる。排気ファン54が過剰に高温となってしまう場合、それだけ耐熱性の高い材料で排気ファン54を製造しておかなければならなくなり、暖房機10の製造コストが上がってしまう。また、排気ファンモータ58が過剰に高温となってしまうと、グリス切れによるモータ故障を招くおそれがある。そこで、図5に示すように、本実施例の暖房機10では、内側ケース15の後ろ側(家屋の壁面Wと対向する側)の板面を貫通するように排気ユニット20を配置し、屋内から取り込んだ空気との熱交換によって排気ユニット20を冷却する。
図5に示すように、本実施例の暖房機10では、排気ダクト60は内側ケース15の内側に露出して配置されており、排気ファンモータ58は内側ケース15と家屋の壁面Wの間の空間に露出して配置されており、排気ファンケーシング56は前面(排気ダクト60と接続する側の面)が内側ケース15の内側に露出し、後面(排気ファンモータ58が設けられている側の面)が内側ケース15の外側に露出するように配置されている。このような構成とすると、対流ファン26a、26bを回転駆動したときに、排気ファンモータ58と、排気ファンケーシング56の後面は、内側ケース15と壁面Wの間を上向きに流れる空気との熱交換によって冷却される。また、排気ダクト60と、排気ファンケーシング56の前面は、内側ケース15の内部を下向きに流れる空気との熱交換によって冷却される。このような構成とすることによって、排気ガスから余熱を回収した排気ファン54、排気ファンケーシング56、排気ダクト60および排気ファンモータ58が過剰に高温となることを防ぐことができる。また、排気ユニット20との熱交換によって加熱された空気はその後暖房に利用されるため、暖房機10の熱効率を高めることができる。
図1および図4に示すように、排気ダクト60の下部には第2ドレイン排出口64が設けられている。図4に示すように、排気ファンケーシング56は排気ファンケーシング56の内部で発生したドレインを排気ダクト60に案内する形状に形成されている。また、第2ドレイン排出口64は、排気ファンケーシング56との接続部の直下に配置されている。従って、排気ファンケーシング56を通過する際に排気ファン54や排気ファンケーシング56との熱交換によって冷却された排気ガスから発生するドレインは、第2ドレイン排出口64からドレイン受け皿52に滴下する。また、排気ダクト60の下部は第2ドレイン排出口64に向けて下がり勾配を持つように形成されており、排気ダクト60を通過する際に排気ダクト60との熱交換によって冷却された排気ガスから発生するドレインも、この第2ドレイン排出口64からドレイン受け皿52に滴下する。
図1、図2に示すように、ドレイン受け皿52は内側ケース15の内部の最下部に設けられている。ドレイン受け皿52は、第1ドレイン排出口50および第2ドレイン排出口64から滴下するドレインを溜める。ドレイン受け皿52に溜められたドレインは、利用者が廃棄するまで、ドレイン受け皿52にそのまま溜められている。ドレイン受け皿52は、屋内の空気が乾燥している際には、溜まっているドレインから水分が蒸発して、乾燥した空気を加湿する役割も果たす。
ドレイン受け皿52には、ドレイン受け皿52の水位が第1所定水位に達したか否かを検出する第1水位センサ66と、第1所定水位よりも高い第2所定水位に達したか否かを検出する第2水位センサ68が設けられている。第1水位センサ66によって、ドレイン受け皿52の水位が第1所定水位に達したことが検出されると、制御ユニット24は、ドレイン受け皿52に溜まったドレインの廃棄を促す旨の通知を利用者に対して行う。この状態では、暖房機10は継続して使用可能である。ドレイン受け皿52の水位がさらに上昇して、第2水位センサ68によって、ドレイン受け皿52の水位が第2所定水位に達したことが検出されると、制御ユニット24は暖房機10の運転を停止する。一旦この状態になると、ドレイン受け皿52に溜まったドレインが利用者によって廃棄されて、第1水位センサ66によってドレイン受け皿52の水位が第1所定水位を下回ることが検出されるまで、制御ユニット24は暖房機10の運転を禁止する。このような構成とすることによって、ドレイン受け皿52の水位が過剰に上昇して、内側ケース15の底部に水が溢れ出てしまう事態を確実に防止することができる。
本実施例の暖房機10では、排気ファン54が熱交換ユニット16よりも下流側に設けられている。従って、排気ファン54を回転駆動すると、上流側にある熱交換ユニット16の内部は負圧になる。これによって、例えば熱交換ユニット16の一部が破損した場合であっても、燃焼ガスが外部に漏れ出てしまうことがない。
本実施例の暖房機10では、熱交換ユニット16からの排気ガスは、排気ユニット20において、排気ファン54、排気ファンケーシング56、排気ダクト60との接触によって冷却される。もしも排気ファン54よりも下流側に第2ドレイン排出口64を設けない場合、排気ユニット20においてドレインが発生してしまうと、排気ファンケーシング56や排気ダクト60の内部にドレインが溜まってしまい、部材の腐食等の事態を招いてしまう。このような事態を避けるために、燃焼ユニット18での燃料ガスのインプットを上げて、排気ガスの温度を高くしておけば、排気ユニット20でのドレインの発生を防ぐことはできる。しかしながら、この場合には、燃料ガスのインプットを小さくすることができず、屋内の空気の微妙な温度調整が困難となってしまう。上記の問題に対して、本実施例の暖房機10では、排気ファン54よりも下流側に第2ドレイン排出口64が設けられている。これにより、排気ファン54との接触によって冷却された排気ガスからドレインが発生する場合であっても、第2ドレイン排出口64からドレイン受け皿52に滴下させることで、排気ユニット20内部でのドレインに起因する不具合を回避することができる。また、排気ユニット20でのドレインの発生を気にすることなく、燃料ガスのインプットを下げることができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 暖房機
12 送風ユニット
14 外側ケース
15 内側ケース
16 熱交換ユニット
18 燃焼ユニット
19 燃焼用空気供給管
20 排気ユニット
22 スリット
24 制御ユニット
26a、26b 対流ファン
28 対流ファンモータ
30 送風口
32a、32b、32c、32d 大径チューブ
34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34h 小径チューブ
36 合流室
38 プレート
42a、42b、42c、42d スカート部
44a、44b、44c、44d 端面
46 蛇腹管
48 保持金具
50 第1ドレイン排出口
52 ドレイン受け皿
54 排気ファン
56 排気ファンケーシング
58 排気ファンモータ
60 排気ダクト
62 排気ガス排出管
64 第2ドレイン排出口
66 第1水位センサ
68 第2水位センサ
70 屋内側アダプタ
72 二重管
74 屋外側アダプタ

Claims (4)

  1. 燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    燃焼器からの燃焼ガスを周囲の空気との間で熱交換させる熱交換器と、
    前記燃焼器に屋外からの空気を供給し、前記熱交換器からの排気ガスを屋外へ排出する給排気流路と、
    前記給排気流路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた給排気ファンと、
    屋内の空気を取り入れ、前記熱交換器の周囲を通過させて、屋内へ送り出す対流ファンを備える暖房機であって、
    前記給排気流路の前記給排気ファンよりも下流側であって、前記給排気ファンよりも低い位置に、排気ガスから発生したドレインを排出するドレイン排出機構が設けられていることを特徴とする暖房機。
  2. 前記熱交換器が、その内部を燃焼ガスが通過する複数のパイプから構成されていることを特徴とする請求項1の暖房機。
  3. 前記給排気ファンを回転させるファンモータが、前記対流ファンによって屋内から取り入れられた空気が流れる流路内に露出していることを特徴とする請求項1または2の暖房機。
  4. 前記ドレイン排出機構が、ドレイン排出口と、ドレイン排出口からのドレインを内部に溜めるドレイン受け皿を備えており、
    前記ドレイン受け皿が、内部のドレインの水位を検出する水位検出手段を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項の暖房機。
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