JP5508694B2 - 光学系及びそれを用いた内視鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系及びそれを用いた内視鏡に関し、特に、回転対称軸周りの映像を撮像素子に円環状の映像として結像する機能を有する結像光学系又は投影光学系に関するものである。
屈折光学系と、反射光学系と、結像光学系とが配置され、2つの光路を有し、パノラマ画像及び軸方向画像の撮像が可能な撮像光学系として特許文献1がある。また、同様に2つの光路を有する内視鏡として特許文献2がある。さらに、周囲全方位を観察できる内視鏡として特許文献3、周囲全方位を観察できるカプセル内視鏡として特許文献4がある。また、周囲全方位と前方を同時に撮像できる撮像装置として特許文献5がある。さらに、全方位の光学系として特許文献6乃至13がある。
特表2003−042743号公報 米国特許公開2004−0254424号公報 特開昭60−42728号公報 特開2001−174713号公報 特開2002−341409号公報 米国特許第3505465号公報 米国特許第5854713号公報 米国特許第6115193号公報 米国特許第6175454号公報 米国特許第6356296号公報 米国特許第6392687号公報 米国特許第6449103号公報 米国特許第6597520号公報
しかしながら、どの特許文献に記載された光学系も小型で解像力の良い映像を得ることはできなかった。
本発明は、従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で中心軸と略直交する方向の全方位の画像を撮像素子上に撮像することが可能であり、像歪が少なくF−θ特性の良い小型で解像力が高く安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供することである。
本発明の一実施形態にかかる光学系は、
前群と、前記前群より像面側に配置された後群と、前記前群と前記後群の間に配置された開口とを備え、
光路中で中間像を形成せず、
中心軸を囲むように配置された物体の像を形成し、あるいは前記中心軸から放射する方向に物体の像を投影する光学系であって、
前記前群に配置され、中心軸の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体を有し、
前記透明媒体は、
前記中心軸に対して最外周に配置された第1透過面と、
第1透過面より中心軸側に配置された第1反射面と、
前記第1反射面より像面と反対側に配置された第2反射面と、
前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、
を有し、
前記第1反射面および前記第2反射面は、前記開口側に凹面を向けて配置され、
前記第2透過面は、前記開口側に凹面を向けて配置され、
前記透明媒体に入射する光束は、順光線追跡の順に、
前記第1透過面を経て前記透明媒体内に入り、
前記第1反射面で像面と反対側に反射され、
前記第2反射面で像面側に反射され、
前記第2透過面を経て前記透明媒体から像面側に外へ出るZ字状の光路を構成し、
前記Z字状の光路は、前記中心軸に対して片側のみで構成され、
最大及び/又は最小画角を通る光路は、中心軸と交差し、
前記透明媒体のメリジオナル断面の角倍率をβωとするとき、
0.01<βω<0.5 ・・・(1)
なる条件を満足する
ことを特徴とする。
また、前記第2透過面のメリジオナル断面のパワーは負であり、前記第2透過面のパワーをP2、中心主光線のメリジオナル断面の光学系全体のパワーをPmとするとき、
−10<P2/Pm<−1 ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする。
また、前記透明媒体は、屈折率1.5以上の透明媒質で構成されていることを特徴とする。
また、前記第1反射面及び前記第2反射面のうちの少なくとも1つは、全反射作用を有することを特徴とする。
また、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
また、前記透明媒体の有する面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
また、前記光学系は、中心軸の周囲の円環状の物体の像を中心軸と直交する平面内に形成することを特徴とする。
また、前記透明媒体は、開口に対して像面と反対側に配置されることを特徴とする。
また、前記透明媒体の外径をD、像の外径をDrとするとき、
D/Dr<10 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
また、前記透明媒体の外径Dは、
D<20mm ・・・(4)
なる条件を満足することを特徴とする。

さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
以上の本発明の光学系においては、簡単な構成で異なる方向を観察又は異なる方向に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の光学素子及びそれを備えた光学系について説明する。
図3は、後述する実施例1の光学系1の中心軸L(回転対称軸)に沿ってとった断面図である。なお、以下の説明は、結像光学系として説明するが、光路を逆にとって投影光学系として用いることもできる。
実施例1の光学系1は、中心軸Lに対して回転対称で、負のパワーを有する前群Gfと、開口Sと、正のパワーを有する後群Gbとからなり、中間像を光路中に形成することなく像を形成又は投影する光学系1である。像面10近傍の平行平板は撮像素子のカバーガラスCG等である。
また、前群Gfを負,後群Gbを正にすることにより、所謂レトロフォーカスタイプとなり、特に観察画角を広く取りたい場合に有効である。
本発明の光学素子は、中心軸Lを含む断面内で、約180°の画角を有し、中心軸Lの周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体L1からなり、透明媒体L1は、中心軸Lに対して最外周に配置された第1透過面11と、第1透過面より中心軸L側に配置された第1反射面12と、第1反射面12に対して像面10と反対側に配置された第2反射面13と、第2反射面13より像面10側に配置された第2透過面14と、を有し、透明媒体L1に入射する光束は、順光線追跡の順に、第1透過面11を経て透明媒体L1内に入り、第1反射面12で像面10と反対側に反射され、第2反射面13で像面10側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体L1から像面10側に外へ出る略Z字状の光路Aを構成し、光路Aは、中心軸Lに対して片側のみで構成され、最大及び/又は最小画角を通る光路が中心軸Lと交差する。
この構成により、中心軸Lを含む断面方向に約180°の画角をもちながら、光路Aの第1反射面12及び第2反射面13への入射角度を比較的小さくすることが可能となり、
反射面で発生する偏心収差の発生を少なくすることが可能となる。また、光路Aを中心軸Lの片側のみで構成することにより、光学素子内の光路が中心軸Lを跨ぐことがなくなり、光学素子を薄くすることが可能となる。また、最大画角を通る光路が中心軸Lと交差するので、前方を視認することが可能となる。なお、画角は180°でも良いが、少なくとも180°である180°以上とすることも可能である。180°より多少小さい画角をも選択し得る。
さらに、本発明の光学素子のメリジオナル断面の角倍率をβωとするとき、
0.01<βω<0.5 ・・・(1)
なる条件を満足することが好ましい、この条件はメリジオナル断面での縮小角倍率を表しており、条件式(1)の下限を超えると本発明の光学素子にかかる負担が大きくなってしまい、光学素子が異常に大型化したり、屈折率が異常に高い高価なガラスが必要になったりする。また、条件式(1)の上限を超えると光学素子の画角縮小効果が無くなり、後群に入射する画角が広くなってしまい後群の負担が大きくなる。
さらに好ましくは
0.02<βω<0.2 ・・・(1−1)
なる条件を満足するとよい。
また、第2透過面14の近軸のパワーをP2、中心主光線の光学系全系のメリジオナル断面のパワーをPmとするとき、
−10<P2/Pm<−1 ・・・(2)
なる条件を満足することが好ましい。この条件式(2)は全体のパワーに占める第2透過面14の占める割合を表しており、条件式(2)の下限を超えると第2透過面14の負のパワーが強くなることを意味し、角倍率を小さくすることが可能となるが、小さくしすぎるとこの面で発生するコマ収差や非点収差の発生が大きくなりすぎてしまい、他の面で補正することが不可能となる。また、条件式(2)の上限を超えると第2透過面14の負のパワーが小さくなりすぎ条件式(1)と同様にメリジオナル断面の角倍率を大きく(縮小率を大きく)取れず、後群の負担が大きくなり光学系が大型になってしまう。
また、光学素子を屈折率1.5以上の媒質にして、反射作用を有する面を内部反射面で構成することにより、反射面で構成するより収差の発生が少なくなる。この構成により小型で高解像の光学系を構成することが可能となると同時に、2つの反射面を一体に構成することが可能となり、組み立て調整上好ましい。
さらに好ましくは屈折率1.7以上の媒質で構成することが好ましい。屈折率を上げるとそれだけ内部反射面の曲率を小さく(曲率半径を大きく)でき、特に本発明のように偏心光学系として構成している場合には、偏心収差の発生が小さくでき、解像力が向上する。
さらに好ましくは、屈折率を1.8以上にすることにより、臨界角は33度となり、特に第1反射面を全反射面として構成することが可能となり、反射コーティングをしなくて良くなるため、加工上と光量の損失の点で好ましい。
また、第1反射面12及び第2反射面13のうちの少なくとも1つは、全反射作用を有することにより、反射膜を付ける必要がなくなり、製作が容易になると同時に反射率も100%となり、明るい映像を撮像できる。
また、第1反射面12と第2反射面13のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸Lの周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されてい
ることにより、画角周辺部分の歪みを補正することが可能となる。
また、透明媒体L1の有する面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸Lの周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることにより、画角中心に対して上下非対称な形状を与えることが可能であり、収差補正上好ましい。
この実施例において、反射作用を持つ2つの反射面はいずれも開口Sに凹面を向けている。これにより、反射面のパワー配置が負−正の配置となり、光学素子自身の反射面のパワー配置が所謂レトロフォーカス型となり、広画角を取りやすくなると同時にコマ収差の発生を少なくすることが可能となる。
また、第2透過面は開口側に凹面を向けた強い負のパワーを持つ面とすることが好ましい。この面を通って光学素子から射出する画角を小さくすることにより、後群に入射する画角を小さくし、後群の収差補正上の負担を減らし、全体として小型で構成枚数の少ない光学系を達成することができる。
また、光学素子を開口より物体側に配置することにより、後群とのバランスを取りやすくなり、光学系の小型化と簡素化に良い結果が得られる。開口近傍では、メリジオナル断面の中心光線と画角の大きい光線が接近しているので、開口近傍に光学素子を配置すると、高い角倍率が得られなくなり、他のレンズの負担が増えてしまう。また、開口の像側に光学素子を配置すると、開口より物体側の前群により広い画角を取ることが不可能になる。
さらに好ましくは、光学素子の外径をD、像の外径をDrとするとき、
D/Dr<10 ・・・(3)
なる条件を満足することが好ましい。
条件式(3)の上限を超えると撮像素子に対して光学系の外径が大きくなってしまう。撮像素子はその値段と撮像素子のノイズ等によりある程度好ましい大きさが決まってしまう。たとえば1/3インチや1/4インチ等の比較的安価で入手しやすい高解像の撮像素子を使用した場合、条件式(3)の上限を超えると光学系全体をコンパクトに構成することが不可能になる。
さらに好ましくは
D/Dr<5 ・・・(3−1)
なる条件を満足することが好ましい。
さらに好ましくは、光学素子の外径Dは、
D<20mm ・・・(4)
なる条件を満足することが好ましい。
特に、内視鏡の撮像系として使用する場合は条件式(4)を満足することが被験者への負担を減らす意味で好ましい。
さらに好ましくは
D<10mm ・・・(4−1)
なる条件を満足することが好ましい。
以下に、本発明の光学系の実施例1〜3を説明する。これら光学系の構成パラメータは
後記する。
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、物体面3から第1面に向かう中心主光線の延長が中心軸Lと交差する点を偏心光学面の原点Oとし、物体面3とは中心軸Lに対して反対側の中心軸Lに直交する方向をY軸正方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の像面10側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系1の原点Oからの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系1の原点Oに定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸Lのα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 1 /2
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・・
・・・(a)
ただし、Zを軸とし、Yを軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
まず、図2に示すように、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 1 /2
+C2 Y+C3 2 +C4 3 +C5 4 +C6 5 +C7 6
+・・・・+C2120+・・・・+Cn+1 n +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
その曲線F(Y)をY正方向に距離R(負のときはY負方向)だけ平行移動し、その後にZ軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Y面内で半径|R|の円になる。
この定義からZ軸が拡張回転自由曲面の軸(回転対称軸)となる。
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
なお、Z軸を中心軸Lに持つ円錐面は拡張回転自由曲面の1つとして与えられ、RY=∞,C1 ,C2 ,C3 ,C4 ,C5 ,…=0とし、θ=(円錐面の傾き角)、R=(X−Z面内での底面の半径)として与えられる。
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
実施例1の光学系1の中心軸Lに沿ってとった断面図を図3に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図4及び図5、画角に対する像高を表す図を図6に示す。この横収差図において、中央に示された角度は、(水平方向画角、垂直方向の画角)を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。なお、マイナスの画角は、水平方向画角については、Y軸正方向を向いて右回りの角度、垂直方向画角については、X軸正方向を向いて右回りの角度を意味する。
第1実施例は、光学系1の中心軸Lに同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
光学系1は、中心軸Lの周りで回転対称な前群Gfと、中心軸Lの周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に中心軸Lに同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、第1群G1、第2群G2、第3群G3、第4群G4及び第5群G5からなる。
前群は、中心軸Lの周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体L1からなる。透明媒体L1は、物体面に対向し、透明媒体L1の最も外側に配置されたトーリック面からなる第1透過面11と、透明媒体L1の内部に形成され、第1透過面11に対して中心軸L側に配置され、拡張回転自由曲面(ERFS)からなり、負のパワーをもつ第1反射面12と、透明媒体L1の内部に形成され、第1反射面12に対して像面10と反対側に配置され、拡張回転自由曲面(ERFS)からなり、正のパワーをもつ第2反射面13と、第2反射面13より像面10側に配置され、球面からなり、負のパワーをもつ第2透過面14をもつ。
第1群は、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3の接合レンズからなり、第3透過面21と、第3透過面21より像面10側に配置される接合面23と、接合面23より像面10側に配置される第4透過面31をもつ。
第2群は、1枚の両凸正レンズL4からなる。第5透過面41と、第5透過面41より像面10側に配置される第6透過面42をもつ。
第3群は、両凸正レンズL5と両凹負レンズL6の接合レンズとからなり、第5透過面
51と、第5透過面51より像面10側に配置される接合面56と、接合面56より像面10側に配置される第6透過面61をもつ。
第4群は、両凸正レンズL7と像面10側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8の接合レンズからなり、第7透過面71と、第7透過面71より像面10側に配置される接合面78と、接合面78より像面10側に配置される第8透過面81をもつ。
第5群は、1枚のカバーガラスCGからなり、第9透過面91と、第9透過面91より像面10側に配置される第10透過面92をもつ。
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面から入射する光束は、前群Gfと後群Gbを順に経て中心軸Lに垂直な像面10の中心軸Lから外れた外側に円環状に映像を形成する。
光路Aとして光学系1に入射する光束は、前群Gfの透明媒体L1内に第1透過面11を経て入り、第1反射面12で像面10と反対側に反射され、第2反射面13で像面10側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体L1から外に出る略Z字状の光路を有する。
その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸Lに同軸に配置され絞りを構成する開口Sを経て、後群Gbの第1群の両凹負レンズL2と両凸正レンズL3の接合レンズ内に第3透過面21を経て入り、接合面23を経て、第4透過面31から外に出る。続いて、第2群の両凸正レンズL4内に第5透過面41を経て入り、第6透過面42から外に出る。次に、第3群の両凸正レンズL5と両凹負レンズL6の接合レンズ内に第7透過面51を経て入り、接合面56を経て、第8透過面61から外に出る。続いて、第4群の両凸正レンズL7と負メニスカスレンズL8の接合レンズ内に第9透過面71を経て入り、接合面78を経て、第10透過面81から外に出る。次に、第5群のカバーガラスCG内に第11透過面91を経て入り、第12透過面92から外に出て、像面10の中心軸Lから外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例1の仕様は、
画角 −100°〜80°
像の大きさ φ2.015〜φ3.502
Fナンバー 4.746
である。
実施例2の光学系1の中心軸Lに沿ってとった断面図を図7に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図8及び図9、画角に対する像高を表す図を図10に示す。この横収差図において、中央に示された角度は、(水平方向画角、垂直方向の画角)を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。なお、マイナスの画角は、水平方向画角については、Y軸正方向を向いて右回りの角度、垂直方向画角については、X軸正方向を向いて右回りの角度を意味する。
第2実施例は、光学系1の中心軸Lに同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
光学系1は、中心軸Lの周りで回転対称な前群Gfと、中心軸Lの周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に中心軸Lに同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、第1群G1、第2群G2、第3群G3、第4群G4及び第5群G5からなる。
前群は、中心軸Lの周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体L1からなる。透明媒体L1は、物体面に対向し、透明媒体L1の最も外側に配置されたトーリック面からなる第1透過面11と、透明媒体L1の内部に形成され、第1透過面11に対して中心軸L側に配置され、拡張回転自由曲面(ERFS)からなり、負のパワーをもつ第1反射面12と、透明媒体L1の内部に形成され、第1反射面12に対して像面10と反対側に配置され、拡張回転自由曲面(ERFS)からなり、正のパワーをもつ第2反射面13と、第2反射面13より像面10側に配置され、球面からなり、負のパワーをもつ第2透過面14をもつ。
第1群は、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3の接合レンズからなり、第3透過面21と、第3透過面21より像面10側に配置される接合面23と、接合面23より像面10側に配置される第4透過面31をもつ。
第2群は、1枚の両凸正レンズL4からなる。第5透過面41と、第5透過面41より像面10側に配置される第6透過面42をもつ。
第3群は、両凸正レンズL5と両凹負レンズL6の接合レンズとからなり、第5透過面51と、第5透過面51より像面10側に配置される接合面56と、接合面56より像面10側に配置される第6透過面61をもつ。
第4群は、両凸正レンズL7と像面10側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8の接合レンズからなり、第7透過面71と、第7透過面71より像面10側に配置される接合面78と、接合面78より像面10側に配置される第8透過面81をもつ。
第5群は、1枚のカバーガラスCGからなり、第9透過面91と、第9透過面91より像面10側に配置される第10透過面92をもつ。
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面から入射する光束は、前群Gfと後群Gbを順に経て中心軸Lに垂直な像面10の中心軸Lから外れた外側に円環状に映像を形成する。
光路Aとして光学系1に入射する光束は、前群Gfの透明媒体L1内に第1透過面11を経て入り、第1反射面12で像面10と反対側に反射され、第2反射面13で像面10側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体L1から外に出る略Z字状の光路を有する。
その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸Lに同軸に配置され絞りを構成する開口Sを経て、後群Gbの第1群の両凹負レンズL2と両凸正レンズL3の接合レンズ内に第3透過面21を経て入り、接合面23を経て、第4透過面31から外に出る。続いて、第2群の両凸正レンズL4内に第5透過面41を経て入り、第6透過面42から外に出る。次に、第3群の両凸正レンズL5と両凹負レンズL6の接合レンズ内に第7透過面51を経て入り、接合面56を経て、第8透過面61から外に出る。続いて、第4群の両凸正レンズL7と負メニスカスレンズL8の接合レンズ内に第9透過面71を経て入り、接合面78を経て、第10透過面81から外に出る。次に、第5群のカバーガラスCG内に第11透過面91を経て入り、第12透過面92から外に出て、像面10の中心軸Lから外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例2の仕様は、
画角 −100°〜80°
像の大きさ φ1.796〜φ3.536
Fナンバー 5.261
実施例3の光学系1の中心軸Lに沿ってとった断面図を図11に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図12及び図13、画角に対する像高を表す図を図14に示す。この横収差図において、中央に示された角度は、(水平方向画角、垂直方向の画角)を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。なお、マイナスの画角は、水平方向画角については、Y軸正方向を向いて右回りの角度、垂直方向画角については、X軸正方向を向いて右回りの角度を意味する。
第3実施例は、光学系1の中心軸Lに同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
光学系1は、中心軸Lの周りで回転対称な前群Gfと、中心軸Lの周りで回転対称な後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間に中心軸Lに同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、第1群G1、第2群G2、第3群G3、第4群G4及び第5群G5からなる。
前群は、中心軸Lの周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体L1からなる。透明媒体L1は、物体面に対向し、透明媒体L1の最も外側に配置されたトーリック面からなる第1透過面11と、透明媒体L1の内部に形成され、第1透過面11に対して中心軸L側に配置され、拡張回転自由曲面(ERFS)からなり、負のパワーをもつ第1反射面12と、透明媒体L1の内部に形成され、第1反射面12に対して像面10と反対側に配置され、拡張回転自由曲面(ERFS)からなり、正のパワーをもつ第2反射面13と、第2反射面13より像面10側に配置され、球面からなり、負のパワーをもつ第2透過面14をもつ。
第1群は、両凹負レンズL2と両凸正レンズL3の接合レンズからなり、第3透過面21と、第3透過面21より像面10側に配置される接合面23と、接合面23より像面10側に配置される第4透過面31をもつ。
第2群は、1枚の両凸正レンズL4からなる。第5透過面41と、第5透過面41より像面10側に配置される第6透過面42をもつ。
第3群は、両凸正レンズL5と両凹負レンズL6の接合レンズとからなり、第5透過面51と、第5透過面51より像面10側に配置される接合面56と、接合面56より像面10側に配置される第6透過面61をもつ。
第4群は、両凸正レンズL7と像面10側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8の接合レンズからなり、第7透過面71と、第7透過面71より像面10側に配置される接合面78と、接合面78より像面10側に配置される第8透過面81をもつ。
第5群は、1枚のカバーガラスCGからなり、第9透過面91と、第9透過面91より像面10側に配置される第10透過面92をもつ。
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面から入射する光束は、前群Gfと後群Gbを順に経て中心軸Lに垂直な像面10の中心軸Lから外れた外側に円環状に映像を形成する。
光路Aとして光学系1に入射する光束は、前群Gfの透明媒体L1内に第1透過面11を経て入り、第1反射面12で像面10と反対側に反射され、第2反射面13で像面10側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体L1から外に出る略Z字状の光路を有する。
その後、前群Gfと後群Gbの間に中心軸Lに同軸に配置され絞りを構成する開口Sを経て、後群Gbの第1群の両凹負レンズL2と両凸正レンズL3の接合レンズ内に第3透過面21を経て入り、接合面23を経て、第4透過面31から外に出る。続いて、第2群の両凸正レンズL4内に第5透過面41を経て入り、第6透過面42から外に出る。次に、第3群の両凸正レンズL5と両凹負レンズL6の接合レンズ内に第7透過面51を経て入り、接合面56を経て、第8透過面61から外に出る。続いて、第4群の両凸正レンズL7と負メニスカスレンズL8の接合レンズ内に第9透過面71を経て入り、接合面78を経て、第10透過面81から外に出る。次に、第5群のカバーガラスCG内に第11透過面91を経て入り、第12透過面92から外に出て、像面10の中心軸Lから外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例3の仕様は、
画角 −115°〜65°
像の大きさ φ1.671〜φ3.3823
Fナンバー 4.984
また、光学素子のメリジオナル断面の角倍率をβωとし、第2の透過作用を有する面のメリジオナル断面のパワーをP2、中心主光線のメリジオナル断面の光学系全体のパワーをPm、光学素子の外径をD、像の外径をDrとするとき、
実施例1 実施例2 実施例3
βω 0.095 0.102 0.107
P2/Pm -5.211 -4.203 -4.338
D 16.800 18.800 19.200
Dr 3.502 3.536 3.383
D/Dr 4.798 5.316 5.676
である。
以下に、上記実施例1〜3の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の “ERFS”は拡張回転自由曲面、“RE”は反射面を示す。
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞ 偏心(1)
1 ERFS[1] 0.000 偏心(2) 1.5163 64.1
2 ERFS[2](RE) 0.000 偏心(3) 1.5163 64.1
3 ERFS[3](RE) 0.000 偏心(4) 1.5163 64.1
4 0.999 0.000 偏心(5)
5 ∞(絞り) 0.200
6 -2.198 0.600 1.8467 23.8
7 32.743 1.800 1.7400 28.3
8 -2.393 0.100
9 13.662 1.800 1.7200 46.0
10 -6.109 0.100
11 10.954 2.000 1.5638 60.6
12 -3.010 0.800 1.8467 23.8
13 10.664 0.674
14 3.426 2.400 1.5400 59.4
15 -5.066 0.800 1.8348 42.7
16 -20.781 2.000
17 ∞ 0.400 1.5163 64.1
18 ∞ 0.100
像 面 ∞

ERFS[1]
RY 16.328
θ 90.000
R -8.416
ERFS[2]
RY 4.957
θ 26.631
R -6.722
C3 2.9319E-002
ERFS[3]
RY -5.454
θ 4.248
R -3.729
C3 1.3702E-001

偏心[1]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 90.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[2]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 90.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[3]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[4]
X 0.000 Y 0.000 Z -5.200
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[5]
X 0.000 Y 0.000 Z -2.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞ 偏心(1)
1 ERFS[1] 0.000 偏心(2) 1.5163 64.1
2 ERFS[2](RE) 0.000 偏心(3) 1.5163 64.1
3 ERFS[3](RE) 0.000 偏心(4) 1.5163 64.1
4 1.119 0.000 偏心(5)
5 ∞(絞り) 0.200
6 -2.611 0.600 1.8467 23.8
7 2.113 1.800 1.7400 28.3
8 -2.198 0.100
9 29.360 1.800 1.7200 46.0
10 -4.890 0.100
11 14.935 2.000 1.5638 60.6
12 -3.763 0.800 1.8467 23.8
13 5.377 0.075
14 3.515 2.400 1.5400 59.4
15 -3.337 0.800 1.8348 42.7
16 -5.526 2.000
17 ∞ 0.400 1.5163 64.1
18 ∞ 0.100
像 面 ∞

ERFS[1]
RY 20.000
θ 73.427
R -9.111
ERFS[2]
RY 6.865
θ 16.487
R -7.441
C3 3.9112E-002
ERFS[3]
RY -5.523
θ -0.941
R -3.450
C3 1.2855E-001

偏心[1]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 90.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[2]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[3]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[4]
X 0.000 Y 0.000 Z -5.200
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[5]
X 0.00 Y 0.00 Z -2.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞ 偏心(1)
1 ERFS[1] 0.000 偏心(2) 1.5163 64.1
2 ERFS[2](RE) 0.000 偏心(3) 1.5163 64.1
3 ERFS[3](RE) 0.000 偏心(4) 1.5163 64.1
4 1.097 0.000 偏心(5)
5 ∞(絞り) 0.200
6 -2.683 0.600 1.8467 23.8
7 2.160 1.800 1.7400 28.3
8 -2.150 0.100
9 -25.379 1.800 1.7200 46.0
10 -4.597 0.100
11 8.220 2.000 1.5638 60.6
12 -3.769 0.800 1.8467 23.8
13 5.755 0.100
14 3.398 2.400 1.5400 59.4
15 -3.248 0.800 1.8348 42.7
16 -6.011 2.000
17 ∞ 0.400 1.5163 64.1
18 ∞ 0.100
像 面 ∞

ERFS[1]
RY 20.000
θ 69.614
R -9.111
ERFS[2]
RY 8.032
θ 14.155
R -7.401
C3 4.7903E-002
ERFS[3]
RY -5.321
θ -1.059
R -3.399
C3 1.3200E-001

偏心[1]
X 0.000 Y ∞ Z 0.000
α 90.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[2]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[3]
X 0.000 Y 0.000 Z 0.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[4]
X 0.000 Y 0.000 Z -5.200
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
偏心[5]
X 0.000 Y 0.000 Z -2.000
α 0.000 β 0.000 γ 0.000
以上の実施例では、光学系1の中心軸Lに同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、拡張回転自由曲面で設計されている例であるが、拡張回転自由曲面が回転対称面と直交し、高次項を使用していない場合、球面と等価な構成となる。
また、前群Gfの反射面、屈折面をそれぞれ任意形状の線分を中心軸Lの周りで回転す
ることにより形成され中心軸L上に面頂を有さない拡張回転自由曲面で設計しているが、それぞれ任意の曲面に置き換えてもよい。
また、本発明の光学系は、回転対称面を形成する任意形状の線分を定義する式に奇数次項を含むものを用いることにより、偏心により発生する像面10の傾きや、絞りの逆投影時の瞳収差を補正している。
また、本発明の前群Gfを構成する中心軸Lの周りで回転対称な透明媒体はそのまま用いることにより、360°全方位の画角を有する画像を撮影したり投影できるが、その透明媒体を中心軸Lを含む断面で切断して2分の1、3分の1、3分の2等にすることにより、中心軸Lの周りの画角が180°、120°、240°等の画像を撮影したり投影するようにしてもよい。
また、本発明の光学系は、中心軸L(回転対称軸)を垂直方向に向けて天頂を含む360°全方位(全周)の画角の画像を得る撮像あるいは観察光学系としてもよい。さらに、本発明は、撮影光学系、観察光学系に限定されず、光路を逆にとって天頂を含む360°全方位(全周)の画角に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。また、内視鏡は管内観察装置の全周観察光学系として用いることもできる。
図15は、本実施例の画像と撮像素子の配置例を示す。図15(a)は、画面比が16:9の撮像素子を使用した例である。上下方向の画像は使用しない場合、画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると好ましい。図15(b)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、画像A1に撮像素子50の大きさを合致させた例である。このように、配置をすると、画像A1をすべて撮像することができる。
以下に、本発明の光学系1の適用例として、撮影光学系101又は投影光学系102の使用例を説明する。図16は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明による撮影光学系101を用いた例を示すための図であり、図16(a)は、硬性内視鏡110の先端に本発明による撮影光学系を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。図16(b)にその先端の概略の構成を示す。本発明によるパノラマ撮影光学系101の前群Gfの入射面11の周囲には円周方向にスリット状に伸びる開口106を有するケーシング等からなるフレア絞り107が配置され、フレア光が入射するのを防止している。また、図16(c)は、軟性電子内視鏡113の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系101を同様に取り付けて、表示装置114に撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
図17は、カプセル内視鏡120に本発明による撮影光学系101を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。本発明による撮影光学系101の前群Gfの第1透過面11の周囲には円周方向に伸びる開口106、及び、第1透過面11の前方に円形状の開口106、を有するケーシング等に、フレア絞り107が形成され、フレア光が入射するのを防止している。
図16及び図17に示すように、内視鏡に撮影光学系101を用いることにより、撮影光学系101の後方の画像を撮像観察することができ、従来と異なる角度から様々な部位を撮像観察することができる。
図18(a)は、自動車130の前方に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図であり、図18(b)は、自動車130の各コーナやヘッド部のポールの頂部に撮影光学系として本発明による撮
影光学系101を複数取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図である。この場合、図18(a)に示したように、画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると、左右の画像が広く撮像でき、好ましい。
また、図19は、投影装置140の投影光学系として本発明による投影光学系102を用い、その像面10に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、投影光学系102を通して360°全方位に配置したスクリーン141に360°全方位画像を投影表示する例である。
さらに、図20は、建物150の外部に本発明による撮影光学系101を用いた撮影装置151を取り付け、屋内に本発明による撮影光学系101を用いた投影装置151を配置し、撮影装置151で撮像された映像を電線152を介して投影装置140に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Pを、撮影光学系101を経て撮影装置151で撮影し、その映像信号を電線152を介して投影装置140に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、投影光学系102を通して屋内の壁面等に被写体Pの映像P'を投影表示するようにしている例である。
本発明の光学系の座標系を説明するための図である。 拡張回転自由曲面の原理を示す図である。 本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 実施例1の光学系全体の横収差図を示す図である。 実施例1の光学系全体の横収差図を示す図である。 実施例1の光学系全体のF−θ線図を示す図である。 本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 実施例2の光学系全体の横収差図を示す図である。 実施例2の光学系全体の横収差図を示す図である。 実施例2の光学系全体のF−θ線図を示す図である。 本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 実施例3の光学系全体の横収差図を示す図である。 実施例3の光学系全体の横収差図を示す図である。 実施例3の光学系全体のF−θ線図を示す図である。 本発明の光学系の画像と撮像素子の配置例を示す図である。 本発明の光学系を内視鏡先端の撮影光学系として用いた例を示す図である。 本発明の光学系をカプセル内視鏡の撮影光学系として用いた例を示す図である。 本発明の光学系を自動車の撮影光学系として用いた例を示す図である。 本発明の光学系を投影装置の投影光学系として用いた例を示す図である。 本発明の光学系を屋外の被写体を撮影する撮影光学系として用いた例を示す図である。
符号の説明
1…光学系
10…像面
L…中心軸

Claims (11)

  1. 前群と、前記前群より像面側に配置された後群と、前記前群と前記後群の間に配置された開口とを備え、
    中心軸を含む断面内で、少なくとも180°の画角を有し、
    最大及び/又は最小画角を通る光路は、前記中心軸と交差し、
    前記光路中で中間像を形成せず、
    前記中心軸を囲むように配置された物体の像を形成し、あるいは前記中心軸から放射する方向に物体の像を投影し、
    前記前群は、中心軸の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体を有し、
    前記透明媒体は、
    前記中心軸に対して最外周に配置された第1透過面と、
    第1透過面より中心軸側に配置された第1反射面と、
    前記第1反射面より像面と反対側に配置された第2反射面と、
    前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、
    を有し、
    前記第1反射面および前記第2反射面は、前記開口側に凹面を向けて配置され、
    前記第2透過面は、前記開口側に凹面を向けて配置され、
    前記透明媒体に入射する光束は、順光線追跡の順に、
    前記第1透過面を経て前記透明媒体内に入り、
    前記第1反射面で像面と反対側に反射され、
    前記第2反射面で像面側に反射され、
    前記第2透過面を経て前記透明媒体から像面側に外へ出るZ字状の光路を構成し、
    前記Z字状の光路は、前記中心軸に対して片側のみで構成され、
    前記透明媒体のメリジオナル断面の角倍率をβωとするとき、
    0.01<βω<0.5 ・・・(1)
    なる条件を満足する
    ことを特徴とする光学系。
  2. 前記第2透過面のメリジオナル断面のパワーは負であり、
    前記第2透過面のパワーをP2、中心主光線のメリジオナル断面の光学系全体のパワーをPmとするとき、
    −10<P2/Pm<−1 ・・・(2)
    なる条件を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記透明媒体は、屈折率1.5以上の透明媒質で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記第1反射面及び前記第2反射面のうちの少なくとも1つは、全反射作用を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光学系。
  5. 前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光学系。
  6. 前記透明媒体の有する面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の光学系。
  7. 前記中心軸の周囲の円環状の物体の像を中心軸と直交する平面内に形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の光学系。
  8. 前記透明媒体は、開口に対して像面と反対側に配置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の光学系。
  9. 前記透明媒体の外径をD、像の外径をDrとするとき、
    D/Dr<10 ・・・(3)
    なる条件を満足する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の光学系。
  10. 前記透明媒体の外径Dは、
    D<20mm ・・・(4)
    なる条件を満足する
    ことを特徴とする請求項に記載の光学系。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1つに記載の光学系を用いた内視鏡。
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