JP5508101B2 - フレーク菓子及びフレーク菓子の製造方法 - Google Patents

フレーク菓子及びフレーク菓子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、穀物フレークに油脂性菓子生地を被覆し、更にその外周に粉末糖、液糖又はこれらの混合物を付着又は被覆させて焼成してなるフレーク菓子及びフレーク菓子の製造方法に関するものである。
従来、穀物フレークのフレーク菓子としては、例えば下記特許文献1,2に記載されたシリアル食品のようにその穀物フレークを主体とした風味や外観、食感の改良に重点がおかれることが多かった。
これに対して、独特の食感や風味を楽しむことができる穀物フレークのフレーク菓子としては、例えば、下記特許文献3には、冷飲料中でサクサクとした食感を保持できるコーンフレークを得ることを目的とした発明が開示され、特定の糖度、油分のシロップをコーンフレークに対しスプレーし、熱風乾燥で水分が3%以下になるまで乾燥してコーンフレークを製造する方法が記載されている。
また、例えば、下記特許文献4には、チョコフレークをクリーム上においたり、クリームに混ぜ込んだりしてパンに挟んでも、クリーム中に含まれている水分がチョコフレーク自体に移行し、チョコフレーク自体が湿気をおびることが無く、クリーム又はクリームとともにパンに入れてもチョコフレークがもつカリカリという独特の食感が損われず、長時間カリカリとした食感を維持することができるチョコフレークを得ることを目的とした発明が開示され、原材料準備工程、油揚げ工程、脱油工程、1次冷却工程、チョコ掛け工程、2次冷却工程、ほぐし工程の各工程を経ることによりチョコフレークを製造する方法が記載されている。
特開昭58−47455号公報 特開昭63−185341号公報 特開平8−196226号公報 特許第3076973号公報
しかしながら、上記特許文献1,2のコーンフレークでは油脂性菓子の風味や口溶け感を楽しむことができなかった。また、上記特許文献3,4のフレーク菓子では、水分を含む食品と混ぜたときの吸湿の防止などを目的にしており、フレーク菓子自体によって、軽くパリパリとした食感や油脂性菓子の口溶け感といった独特の食感や風味を楽しむことができるものではなかった。
したがって、本発明の目的は、食感として心地よいほどにクリスピーなパリパリ感がきわだち、しかも油脂性菓子の口溶け感と油脂性菓子特有の風味も十分に味わうことができ、かつ、油脂性菓子で手を汚すことのないフレーク菓子を提供することにある。
本発明のフレーク菓子の製造方法は、穀物フレークに加熱溶融した油脂性菓子生地を塗布し、該穀物フレークに塗布した油脂性菓子生地が完全に固化していない状態のときに、該油脂性菓子生地表面に粉末糖、液糖又はこれらの混合物を付着又は被覆させた後、熱風にて焼成することを特徴とする。
本発明のフレーク菓子の製造方法によれば、穀物フレークに塗布した油脂性菓子生地が完全に固化していない状態のときに、表面に粉末糖、液糖又はこれらの混合物を付着又は被覆させた後、熱風にて焼成するので、これにより得られるフレーク菓子は、クリスピーなパリパリ感がきわだちそれを食感として楽しむことができ、しかも油脂性菓子の口溶け感と特有の風味も十分に味わうことができる。また、食する際、油脂性菓子が手に付着せず、手を汚すことがない。
本発明のフレーク菓子の製造方法においては、前記油脂性菓子生地は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に5〜25質量%含有するものであることが好ましい。
これによれば、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちシャープな口溶けに寄与し、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちジューシー感に寄与するので、得られるフレーク菓子の口溶け感がより良好となる。
本発明のフレーク菓子の製造方法においては、前記油脂性菓子生地は、その全油脂含量が38〜50質量%であることが好ましい。これによれば、焼成による油脂性菓子生地の口溶けの悪化を抑えることができ、得られるフレーク菓子の口溶け感がより良好となる。
本発明のフレーク菓子の製造方法においては、前記粉末糖、液糖又はこれらの混合物は、ガラス転移温度が50〜140℃である糖又は糖の混合物からなるものであることが好ましい。
また、前記油脂性菓子生地を塗布した穀物フレーク100質量部に対し、前記粉末糖、液糖又はこれらの混合物を、その固形分にして2〜13質量部付着又は被覆させることが好ましい。
また、前記焼成における熱風の温度が、185〜290℃であり、かつ、その風速が2〜25m/秒であることが好ましい。
一方、本発明のフレーク菓子は、穀物フレークと、その外周に被覆された油脂性菓子生地層と、更にその外周に粉末糖、液糖又はこれらの混合物を付着又は被覆させて焼成してなる糖層とを有する三層構造をなし、前記油脂性菓子生地層は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、該油脂性菓子生地層の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂を、該油脂性菓子生地層の全油脂中に5〜25質量%含有するものであることを特徴とする。
本発明のフレーク菓子によれば、クリスピーなパリパリ感がきわだちそれを食感として楽しむことができ、しかも油脂性菓子の口溶け感と特有の風味も十分に味わうことができる。また、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちシャープな口溶けに寄与し、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちジューシー感に寄与するので、得られるフレーク菓子の口溶け感がより良好となる。更に、食する際、油脂性菓子が手に付着せず、手を汚すことがない。
本発明のフレーク菓子においては、前記油脂性菓子生地層は、その全油脂含量が38〜50質量%であることが好ましい。これによれば、焼成による油脂性菓子生地の口溶けの悪化を抑えることができ、得られるフレーク菓子の口溶け感がより良好となる。
本発明のフレーク菓子においては、前記粉末糖、液糖又はこれらの混合物は、ガラス転移温度が50〜140℃である糖又は糖の混合物からなるものであることが好ましい。
また、前記穀物フレークと前記油脂性菓子生地層との合計100質量部に対し、前記粉末糖、液糖又はこれらの混合物を、その固形分にして2〜13質量部付着又は被覆させてなることが好ましい。
本発明によれば、食感として心地よいほどにクリスピーなパリパリ感がきわだち、しかも油脂性菓子の口溶け感と油脂性菓子特有の風味も十分に味わうことができ、かつ、油脂性菓子で手を汚すことのないフレーク菓子を提供することができる。
本発明のフレーク菓子の製造方法においては、まず、穀物フレークに加熱溶融した油脂性菓子生地を塗布する。
穀物フレークとしては、例えば、コーン、米、小麦、大麦、ライ麦、大豆、エンドウ豆、ハト麦、えんばくなどを原料とするものを用いることができる。穀物フレークの製造方法は、特に限定されないが、例えば上記穀物を原料とする殻粒又は殻粉を蒸練して成型し、膨化させたものが好ましく使用される。
本発明において油脂性菓子生地としては、チョコレート生地、ホワイトチョコレート生地等のチョコレート類生地(即ちカカオ脂含量の多寡やカカオ成分の有無を問わない)が利用できる。また、ナッツクリーム生地、油脂性ふりかけ生地等のごとく、油脂に糖類を混合した生地が利用できる。例えば、油脂に糖類及び必要に応じ全脂粉乳、脱脂粉乳、澱粉類のほか、ナッツ、抹茶、紅茶、コーヒー、キャラメル、発酵乳(チーズ、ヨーグルトなど)、メープルシロップ、ハチミツ、野菜、果物、カレー等の風味付け原料の液体、ペースト又は粉末、乳化剤、香料、着色料等を1種又は2種以上加えたものが利用できる。
チョコレート生地、ホワイトチョコレート生地等のチョコレート類生地の場合は、カカオマス及び/又はココア、糖類、粉乳、乳化剤、ココアバター及び/又はココアバター代用脂、香料等を主原料として用いて、調製することができる。
油脂性菓子生地の塗布は、エンローブ、パン又はドラムによる被覆掛けなどで行うことができる。
本発明のフレーク菓子の製造方法においては、次に、その穀物フレークに塗布した油脂性菓子生地が完全に固化していない状態のときに、該塗布された油脂性菓子生地の表面に粉末糖、液糖又はこれらの混合物を付着又は被覆させる。ここで完全に固化していない状態とは、油脂性菓子生地の少なくとも一部が溶融している状態を意味し、更に、油脂性菓子生地が一度固化して再度これを加熱溶融させてそれが固化しない状態も含む。
油脂性菓子生地表面への粉末糖、液糖又はこれらの混合物の付着又は被覆は、噴霧、散布、浸漬のいずれの方法で行ってもよく、ハケ・ブラシなどでの塗布や、ふりかけたり、エアーノズルによってスプレーしたりしてもよい。また蒸し器のような加湿環境下におくことにより付着又は被覆することもできる。これらの方法により、油脂性菓子生地表面を微少水滴が均一に覆うようにするのが好ましい。大きな水滴が部分的に覆っているような状態になると、焼成で表面がまだら状になり、得られるフレーク菓子の品質や外観に影響が出るので好ましくない。
なお、この付着又は被覆の工程の作業性の観点からは、上記油脂性菓子生地は100ポイズ以下の粘度で、かつ、40〜60℃の品温で加熱溶融するものを用いることが好ましい。また、得られるフレーク菓子の食感や口どけの観点からは、その全油脂含量が38〜50質量%であることが好ましく、40〜48質量%であることが更に好ましい。油脂含量は、ジエチルエーテルによる迅速測定ソックスレー抽出法などの方法で算出(測定)することができる。
粉末糖、液糖又はこれらの混合物の糖又は糖の混合物としては、クリスピーなパリパリ感を得るために、示差走査熱量計によるサーモグラムから求めたガラス転移温度が50〜140℃であるものを用いるのが好ましく、90〜140℃であるものを用いることがより好ましい。ここで、本発明におけるガラス転移温度(Tg)は以下のようにして求められる。
すなわち、無水のガラス状態にした糖又は糖の混合物について、これらの試料を、示差走査熱量計により温度変化(上昇)させながら、DSC曲線(サーモグラム)をプロットし、試料が第1の物質的状態(剛性の大きいかたい状態)から、DSC曲線が急激に変化する変曲点を通って、第2の物質的状態(剛性の小さいやわらかい状態)になるようにする。ここで、第1の物質的状態部分のDSC曲線(ベースライン1)を第2の物質的状態側に外挿した直線A、変曲点にてこのDSC曲線に接する接線B、および、第2の物質的状態部分のDSC曲線(ベースライン2)を第1の物質的状態側に外挿した直線Cを求める。次に、直線Aと接線Bが交差する温度を補外ガラス転移開始温度(Tig)、接線Bと直線Cが交差する温度を補外ガラス転移終了温度(Teg)とすると、ガラス転移温度(Tg)は、以下の式(1)から算出することができる。
Figure 0005508101
粉末糖、液糖又はこれらの混合物の量としては、油脂性菓子生地を塗布した穀物フレーク100質量部に対し、粉末糖、液糖又はこれらの混合物を、その固形分にして2〜13質量部付着又は被覆させることが好ましい。2質量部未満ではパリパリ感が得られず、13質量部以上では、焼成、乾燥時間によるが水分が飛びきらずにやわらかい食感となったり、ガリガリとした重い食感になったりして、パリパリとした心地よい食感が得られない。フレーク菓子の水分活性値(Aw)としては0.38以下にすることが好ましい。
上記油脂性菓子生地は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、その油脂性菓子生地の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂を、その油脂性菓子生地の全油脂中に5〜25質量%含有するものであることが好ましい。また、上記油脂性菓子生地は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が15%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に5〜25質量%含有するものであることがより好ましい。これによれば、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちシャープな口溶けに寄与し、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下、より好ましくは15%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちジューシー感に寄与するので、得られるフレーク菓子の口溶け感がより良好となる。
ここで、一般のチョコレート類の構成油脂成分であるカカオ脂は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂の1つである。
また、食品に用いられる油脂としては、代表的な天然油脂としてカカオ脂があるが、そのほか、例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、落花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂、並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂、上記油脂類の単独もしくは混合油、又はそれらの硬化、分別蒸留して、エステル交換等を施した加工油脂などが例示できるが、各油脂には、それぞれ固有のSFC(固体脂含量)の値が定まる。
なお、本発明におけるSFC(固体脂含量)は、次に示す基準油脂分析試験法によって求めることができる。
(基準油脂分析試験法)
1.試料を70℃の恒温槽で加熱し、均一にして試験管に入れ、ゴム栓をする。
2.試験管に詰めた試料を60.0±0.2℃に30分間保持する。
3.この試料を0±2℃に移し30分間保持し、更に26.0±0.2℃に移し30分間保持する。
4.再び0±2℃に移し30分間保持した後、測定温度(T±0.2℃)に30分間保持して、固形脂含量を測定する。
5.測定温度が多い場合は、最も低い温度で測定後、測定試料を次の測定温度に移し、30分間保持した後、固形脂含量を測定する。以下同様の操作を繰り返す。
上記において、固形脂含量の測定は核磁気共鳴(NMR)を用いて行うことができる。
本発明のフレーク菓子の製造方法においては、次に、その粉末糖、液糖又はこれらの混合物を付着又は被覆させたフレーク菓子を熱風にて焼成する。
焼成は、温度が185〜290℃であり、かつ、その風速が2〜25m/秒である熱風により加熱を行うことが好ましい。焼成時間は風味の点から適宜決定することができる。熱風の風速が弱いと、パリパリした食感が得られない傾向にあり、風速が強いと、風味が低下し焦げ臭が生じる。また、焼成温度が低いと油脂性菓子生地表面に糖の被覆を形成するまでに時間がかかり、菓子内部にまで伝熱するため、パリパリとした心地よい食感が得られない。また、内部の糖やたんぱく質の熱変性により、ざくざくした硬い食感になったり、焦げが生じたりする。焼成は、特定の装置に限定されるものではなく、例えば、バンドオーブン、乾燥設備、熱風乾燥設備などを用いることができる。
一方、本発明のフレーク菓子は、穀物フレークと、その外周に被覆された油脂性菓子生地層と、更にその外周に被覆された糖層とを有する三層構造をなす。
穀物フレークとしては、前述したように、コーン、米、小麦、大麦、ライ麦、大豆、エンドウ豆、ハト麦、えんばくなどを原料とするものを用いることができる。
本発明のフレーク菓子においては、穀物フレークの外周に油脂性菓子生地が被覆されて油脂性菓子生地層となっている。その油脂性菓子生地としては、前述したように、チョコレート生地、ホワイトチョコレート生地等のチョコレート類生地(即ちカカオ脂含量の多寡やカカオ成分の有無を問わない)が利用できる。また、ナッツクリーム生地、油脂性ふりかけ生地等のごとく、油脂に糖類を混合した生地が利用できる。例えば、油脂に糖類及び必要に応じ全脂粉乳、脱脂粉乳、澱粉類のほか、ナッツ、抹茶、紅茶、コーヒー、キャラメル、発酵乳(チーズ、ヨーグルトなど)、メープルシロップ、ハチミツ、野菜、果物、カレー等の風味付け原料の液体、ペースト又は粉末、乳化剤、香料、着色料等を1種又は2種以上加えたものが利用できる。
上記油脂性菓子生地層の油脂性菓子生地は、前述したように、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、その油脂性菓子生地の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂を、その油脂性菓子生地の全油脂中に5〜25質量%含有するものであることが好ましい。また、上記油脂性菓子生地層の油脂性菓子生地は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が15%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に5〜25質量%含有するものであることがより好ましい。これによれば、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちシャープな口溶けに寄与し、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下、より好ましくは15%以下である油脂が油脂性菓子の口溶け感のうちジューシー感に寄与するので、得られるフレーク菓子の口溶け感がより良好となる。
また、前述したように、得られるフレーク菓子の食感や口どけの観点からは、上記油脂性菓子生地層は、その全油脂含量が38〜50質量%であることが好ましい。
本発明のフレーク菓子において、その糖層は、上記油脂性菓子生地層が完全に固化しない状態で、その表面に糖粉又は糖液を付着させて焼成して形成されたものである。
粉末糖、液糖又はこれらの混合物の糖又は糖の混合物としては、前述したように、ガラス転移温度が50〜140℃であるものを用いることが好ましく、90〜140℃であるものを用いることがより好ましい。例えばトレハロース、マルトシルトレハロースシラップ、マルトース、又はこれらの混合物などが好適である。
糖層を形成するために付着又は被覆させる粉末糖、液糖又はこれらの混合物の量は、前述したように、穀物フレークと油脂性菓子生地層との合計100質量部に対し、粉末糖、液糖又はこれらの混合物の固形分にして2〜13質量部であることが好ましい。
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
<試験例1>(糖の添加の仕方)
油脂性菓子生地で被覆したフレーク菓子を焼成する際に適した糖の添加の仕方を検討した。
そのために、チョコレート生地を加熱溶融し、コーンフレークに対し、チョコレート:コーンフレーク=55g:45gの比率のチョコフレークが得られる条件で塗布した。このとき、液糖を添加するタイミングを下記(1)「タイミング1」、(2)「タイミング2」、又は(3)「タイミング3」のようにかえた。
なお、チョコレート生地としては、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂であるカカオ脂を、チョコレート生地の全油脂中に70質量%含有するように調製したものを用いた。また、液糖としては、チョコフレーク100gに対して、マルトシルトレハロースシラップ(商品名「ハローデックス」株式会社林原商事製、糖固形分72%)の10gを添加した。そして、焼成は熱風乾燥設備で、焼成温度200℃、風速約3m/秒、焼成時間30秒の条件で加熱した。
(1)タイミング1:コーンフレークに加熱溶融したチョコレート生地を塗布しそのチョコレートが溶融した状態のときに液糖をまぶして焼成した。
(2)タイミング2:コーンフレークに加熱溶融したチョコレート生地を塗布しそのチョコレートが固化した後に液糖をまぶして焼成した。
(3)タイミング3:液糖をチョコレート生地中に混ぜ込み、液糖10gが含まれているチョコレート生地65gをコーンフレーク45gにかけ、チョコフレークを作り、これを焼成した。
チョコフレーク作成の作業性、得られたチョコフレークの食感、手への付着のしやすさの点から評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005508101
その結果、未固化チョコフレークの表面に液糖を均一にまぶし、コーンフレーク、チョコレート、液糖の層がそれぞれ存在する三層構造のお菓子を加熱したものについてのみ、クリスピーなパリパリ食感が得られた。また、液糖をチョコレート生地中に混ぜ込んで作成したときは、チョコレートが手に付着する場合があった。
<試験例2>(糖の種類)
油脂性菓子生地で被覆したフレーク菓子を焼成する際に適した糖の種類を検討した。
そのために、下記表2に示す糖を用いた以外は試験例1の「タイミング1」でチョコフレークを作り、食感の評価を行った。
Figure 0005508101
その結果、パリパリ感を出すための糖として、ガラス転移温度が107℃のトレハロース、120〜130℃のマルトシルトレハロースシラップ(商品名「ハローデックス」株式会社林原商事製)、92℃のマルトース、67℃の砂糖や、これら粉末糖又は液糖の混合物であり、ガラス転移温度が100℃のトレハロース・マルトース(53:47)や、60℃のブドウ糖・砂糖(22:78)が好ましいことが明らかとなった。
<試験例3>(糖の量)
油脂性菓子生地で被覆したフレーク菓子を焼成する際に適した糖の量を検討した。
そのために、チョコフレークにまぶす液糖の糖固形分量を下記表3に示す比率とした以外は試験例1の「タイミング1」でチョコフレークを作り、その食感を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0005508101
その結果、チョコフレーク100gに対し、糖固形分として約7.8g又は約11.7gの糖をまぶすとパリパリした食感が得られた。約0.8gではパリパリ感が感じられず、約15.6gでは水分が飛びきらずにやわらかい食感となった。
なお、この試験例3で検討した糖の量による効果は、糖としてマルトーストレハロースシラップの替わりに、トレハロースやマルトースを使用した場合においても、同様の結果であった。
<試験例4>(焼成条件)
フレーク菓子を焼成するのに適した焼成条件を検討した。
そのために、下記表4に示す各焼成条件でチョコフレークを作るときの焼成を行った。具体的には、熱風乾燥設備を用いて、試験例1の「タイミング1」と同じ方法でチョコフレークを作成し、その際、焼成温度及びオーブン内の風速を記録し、得られたチョコフレークの品質との関係を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0005508101
その結果、焼成条件5(焼成温度230℃、風速約3m/秒、焼成時間45秒)、焼成条件6(焼成温度200℃、風速約3m/秒、焼成時間45秒)、焼成条件7(焼成温度200℃、風速約10m/秒、焼成時間20秒)の場合に、パリパリした食感が得られ、チョコ感も良好であり、焦げ臭が生じることもなかった。一方、焼成条件1(焼成温度230℃、風速約30m/秒、焼成時間40秒)の場合、風速が強すぎるため、焦げ臭が生じ、チョコ感が減少した。焼成条件3(焼成温度300℃、風速約3m/秒、焼成時間20秒)の場合、焼成温度が高すぎるため、焦げ臭が生じ、チョコ感が減少した。焼成条件2(焼成温度150℃、風速約3m/秒、焼成時間100秒)や焼成条件4(焼成温度200℃、風速約0.5m/秒、焼成時間100秒)の場合、菓子内部にまで熱が伝わるため、ざくざくした食感となった。またチョコ感も減少した。
なお、この試験例4で検討した焼成条件による効果は、ホワイトチョコレートを使用した場合にも、そのパリパリ感やミルク感について、同様の結果であった。
<試験例5>(油脂の量)
油脂性菓子生地中の油脂の量による口どけの違いを調べた。
そのために、下記表5に示す各油脂量のチョコレート生地を調製し、このチョコレートを用いて焼成時間を60秒とした以外は試験例1の「タイミング1」と同じ方法でチョコフレークを作成し、得られたチョコフレークの口どけを比較した。その結果を表5に示す。
Figure 0005508101
その結果、フレークに組み合わせるチョコレート中の油脂量が36質量%のときには、口どけが悪く、また、焼成に由来する粉っぽさが感じられた。フレークに組み合わせるチョコレート中の油脂量が52質量%のときには、チョコ感が薄く感じられた。これに対し、フレークに組み合わせるチョコレート中の油脂量が38又は46質量%のときには、評価はおおむね良好であった。
<試験例6>(油脂の種類)
油脂性菓子生地に配合する油脂の種類による口どけの違いを調べた。
そのために、試験例1で用いたチョコレート生地の油脂の一部を、下記表6に示す各SFC値(25℃)の油脂(25℃のSFC値が20%以下である油脂)で置き換えてチョコレート生地を調製し、このチョコレートを用いて試験例1の「タイミング1」と同じ方法でチョコフレークを作成し、得られたチョコフレークの口どけを比較した。その結果を表6に示す。
Figure 0005508101
その結果、25℃のSFC値が20%以下である油脂を、全油脂中に5%〜25%配合することにより、ジューシー感があり、良好な口どけが得られた。

Claims (7)

  1. 穀物フレークに加熱溶融した油脂性菓子生地を塗布し、該穀物フレークに塗布した油脂性菓子生地が完全に固化していない状態のときに、該油脂性菓子生地表面に、ガラス転移温度が90〜140℃である糖又は糖の混合物からなるものである粉末糖、液糖又はこれらの混合物を、前記油脂性菓子生地を塗布した穀物フレーク100質量部に対し、前記粉末糖、液糖又はこれらの混合物の固形分にして2〜13質量部付着又は被覆させた後、熱風にて焼成することを特徴とするフレーク菓子の製造方法。
  2. 前記油脂性菓子生地は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂を、該油脂性菓子生地の全油脂中に5〜25質量%含有するものである請求項1記載のフレーク菓子の製造方法。
  3. 前記油脂性菓子生地は、その全油脂含量が38〜50質量%である請求項1又は2記載のフレーク菓子の製造方法。
  4. 前記焼成における熱風の温度が、185〜290℃であり、かつ、その風速が2〜25m/秒である請求項1〜のいずれか1つに記載のフレーク菓子の製造方法。
  5. 穀物フレークと、その外周に被覆された油脂性菓子生地層と、更にその外周に、ガラス転移温度が90〜140℃である糖又は糖の混合物からなるものである粉末糖、液糖又はこれらの混合物を、前記穀物フレークと前記油脂性菓子生地層との合計100質量部に対し、前記粉末糖、液糖又はこれらの混合物の固形分にして2〜13質量部付着又は被覆させて熱風にて焼成してなる糖層とを有する三層構造をなものであることを特徴とするフレーク菓子。
  6. 前記油脂性菓子生地層は、20℃におけるSFC(固体脂含量)の値が60%以上であり35℃におけるSFC(固体脂含量)の値が10%以下である油脂を、該油脂性菓子生地層の全油脂中に少なくとも50質量%含有し、かつ、25℃におけるSFC(固体脂含量)の値が20%以下である油脂を、該油脂性菓子生地層の全油脂中に5〜25質量%含有するものである請求項5記載のフレーク菓子。
  7. 前記油脂性菓子生地層は、その全油脂含量が38〜50質量%である請求項5又は6記載のフレーク菓子。

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