JP5507745B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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Description

この発明は、障害物から所定距離内の位置で自車両を停止させる運転支援装置に関する。
近年、自動車の分野において、自車両前方の衝突可能性のある障害物との衝突を回避するための運転支援装置の開発が進められている。この種の装置としては、操陀を自動制御して障害物との衝突を回避する装置や、自動ブレーキ制御により障害物の手前で自車両を自動停止させる装置がある。
そして、自動ブレーキにより衝突を回避する運転支援装置として、従来、ミリ波レーダにより障害物までの距離と、自車両と障害物との相対速度とを検出し、これら距離と相対速度とに基づいて衝突予測時間TTCを算出し、この衝突予測時間TTCが自動ブレーキで自車両が停止する時間(制動限界時間)より短くなったタイミングを最適な自動ブレーキ開始タイミングとして、自動ブレーキを開始する衝突防止支援装置が提案されている。(特許文献1参照)。
特開2009−208559号(段落0050〜0051、0054、図1、図3等参照)
ところで、自動ブレーキにより衝突を回避する場合、衝突回避の技術指針によると、障害物との距離が短い状態(当面は1m以下の状態)で自動停止する必要がある。
上記した従来装置において、自動ブレーキによりそのような短い距離を確保して衝突回避を図ろうとすると、位置制御フィードバックを採用し、この位置制御フィードバックで停車位置を高精度に制御する必要がある。この場合、制御応答速度が速く、細やかなブレーキ油圧の制御が可能なブレーキユニット(VSC(スタビリティ・コントロール)ユニット)が必要になり、コストがかかってしまうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、位置制御フィードバックが不要な自動ブレーキにより、安価で高い距離精度で自車両を障害物の手前に停止できる運転支援装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の運転支援装置では、所定の衝突回避条件の成立により、自動ブレーキ制御手段による自動ブレーキの制御を実行して減速し、所定の減速度で自車両前方の障害物から予め定められた所定距離内の位置で自車両を停止させる運転支援装置において、自車両の減速度、自車両の前記障害物に対する相対速度に基づいて制動距離を算出し、算出した前記制動距離に前記所定距離を加えた制御開始距離を導出する導出手段と、前記制御開始距離と自車両と前記障害物との実距離とを比較する比較手段とを備え、前記導出手段は、前記制御開始距離として、予め所定の第1減速度よりも大きく定められた第2減速度で減速して自車両が停止するまでの制動距離に前記所定距離を加えた加圧側制御開始距離、および、予め前記第1減速度よりも小さく定められた第3減速度で減速して自車両が停止するまでの制動距離に前記所定距離を加えた減圧側制御開始距離を導出し、前記自動ブレーキ制御手段は、前記第1減速度での減速過程で、前記比較手段による前記加圧側制御開始距離と前記実距離との比較の結果、前記加圧側制御開始距離の方が大きいときには前記第2減速度での減速に切替、前記第1減速度での減速過程で、前記比較手段による前記減圧側制御開始距離と前記実距離との比較の結果、前記減圧側制御開始距離の方が小さく、かつ、自車両が前記第1減速度で減速して停止するときの自車両と前記障害物との予測距離が予め定められた目標停止距離以上のときには前記第3減速度での減速に切替ることを特徴としている(請求項1)。
請求項1にかかる発明によれば、所定の衝突回避条件の成立により、自動ブレーキ制御手段による自動ブレーキの制御を実行して減速し、所定の減速度で自車両前方の障害物から予め定められた所定距離内の位置で自車両を停止させる場合に、導出手段により、自車両の減速度、自車両の前記障害物に対する相対速度に基づいて制動距離を算出し、算出した前記制動距離に前記所定距離を加えた制御開始距離を導出し、比較手段により、導出された制御開始距離と自車両と障害物との実距離とを比較し、自動ブレーキ制御手段により、比較手段による比較結果に基づいて自動ブレーキによる減速度の補正を行う。
このとき、導出手段は、制御開始距離として、第1減速度よりも大きい第2減速度で減速して自車両が停止するまでの制動距離に所定距離を加えた加圧側制御開始距離、および、第1減速度よりも小さい第3減速度で減速して自車両が停止するまでの制動距離に所定距離を加えた減圧側制御開始距離を導出し、自動ブレーキ制御手段は、第1減速度での減速過程で、比較手段による加圧側制御開始距離と実距離との比較の結果、加圧側制御開始距離の方が大きければ第1減速度よりも大きい第2減速度での減速に切替、第1減速度での減速過程で、比較手段による減圧側制御開始距離と実距離との比較の結果、減圧側制御開始距離の方が小さく、かつ、自車両が第1減速度で減速して停止するときの自車両と障害物との予測距離が予め定められた目標停止距離以上のときには、第1減速度よりも小さい第3減速度での減速に切替る。
したがって、自動ブレーキ制御中に、なんらかの要因により障害物から所望の距離(所定距離)だけ手前の距離に自車両を停止させることができない状況が生じた場合であっても、自動ブレーキ制御開始時に設定された第1減速度がその状況に応じた第2減速度または第3減速度での減速に切替えられるため、自車両を障害物から所定距離だけ手前の位置に精度よく停止させることができる。
また、自車両の停止位置を制御するにあたり、従来装置のように位置制御フィードバックでの停止位置の制御を行っていないため、高価なブレーキユニットが必要なく、運転支援装置の低コスト化を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかる運転支援装置のブロック図である。 図1の運転支援装置の動作説明図である。 図1の運転支援装置の動作説明図である。 図1の運転支援装置の動作説明用のフローチャートである。
本発明の一実施形態にかかる運転支援装置について、図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は本発明の一実施形態の運転支援装置のブロック図、図2は減速度の補正開始タイミングの説明図(減速度を大きくする場合)、図3は減速度の補正開始タイミングの説明図(減速度を小さくする場合)、図4は動作説明用のフローチャートである。
本発明にかかる一実施形態の運転支援装置は、自車両1内に設けられた自車両前方の障害物を検出するレーダ2と、自動ブレーキによる自車両1の減速度の補正制御の開始タイミングを算出する演算処理部(PCS ECU)3と、エンジンスロットルの開閉量の制御を行うスロットル制御部(EFI ECU)4と、自動ブレーキ制御を行うブレーキ制御部(VSC ECU)5とを備え、所定の衝突回避条件の成立により、自動ブレーキの制御を実行するとともに、必要に応じて自動ブレーキの制御の補正を実行し、障害物から予め定められた所定距離内の位置で自車両1を停止させる装置である。
レーダ2は、自車両1前方の障害物と自車両1との距離および相対速度を検出するものであり、本実施形態では、レーダ2として、レーザレーダ、ミリ波レーダなどを使用する。
レーダ2は、パルス波の送受信により自車両1から障害物までの距離を逐次検出するとともに、その距離の時系列変化に基づいて相対速度を逐次検出する。そして、検出した障害物と自車両1との距離および相対速度に関する情報を、CANなどの車載ネットワーク3を介して後述する演算処理部4に送る。なお、レーダ2は、自車両1の前部に設置される。
演算処理部4は、マイクロコンピュータを備え、車輪速センサ(図示せず)が検出する車速や、それを時間微分した加速度(または減速度)の情報、自動ブレーキの目標減速度(要求減速度)の設定情報、自車両1と障害物との距離および相対速度に関する情報等から自動ブレーキの制御開始タイミングを決定する。なお、上記した車速、加速度、目標減速度に関する情報は、車内の上位装置等から車載ネットワーク3を介して逐次受信する。
演算処理部4による初期的な自動ブレーキの制御開始タイミングは、概略、以下のような方法により決定する。
レーダ2から受信した自車両1と障害物との距離および相対速度に関する情報から衝突予測時間TTC(=当該距離/相対速度)を所定周期(例えば、50ms)で算出する。衝突予測時間TTCの算出周期毎の演算においては、演算開始時またはその直前に車載ネットワーク3から受信した自車両1の最新速度(車速または相対速度)とその時の自車両1と障害物との距離に基づいて算出する。また、その算出周期毎に、自動ブレーキの要求減速度(例えば、A1[−m/s])で自車両1が障害物の直前で停止するための制動回避限界時間と、停止位置の余裕を持たせるための前出し時間とをデータマップを利用した簡単な演算により算出する。
そして、上記した制動回避限界時間に前出し時間を加えた時間(制動限界時間)が衝突予測時間TTCまで短くなったときを自動ブレーキの制御開始タイミングとして決定し、そのタイミングで自動ブレーキの開始要求信号をブレーキ制御部6に送信する。なお、制動回避限界時間については、自動ブレーキ開始要求信号を送信してから実際にブレーキ制御が実行されるまでの応答時間やブレーキ制御が開始されて要求減速度(例えば、第1減速度A1[−m/s])に到達するまでの時間を考慮して算出してもかまわない。
以上のように、演算処理部4が初期的な自動ブレーキ制御の開始タイミングを決定し、自動ブレーキにより自車両1を障害物の所定距離内(例えば、1m以内)の位置に停止させるが、ブレーキユニット(例えば、ブレーキアクチュエータ)の性能ばらつきなどにより、上記した制御だけでは、所定距離内の位置に停止させることができない場合も考えられる。そこで、この実施形態における運転支援装置は、上記した自動ブレーキ制御により所定の減速度(例えば、A1:0.6[G])で自車両1が減速する減速過程で、必要に応じて所定の減速度を補正制御する機能も有する。この補正制御の開始タイミングの決定も演算処理部4にて行う。以下に、演算処理部4による補正制御の開始タイミングの決定方法について説明する。
(減速度を大きくする場合の補正制御開始タイミング)
減速度を大きくする場合(ブレーキ油圧の加圧補正が必要な場合)の補正制御開始タイミングについて、図2を参照して説明する。図2(a)は減速度を補正(加圧補正)制御した場合の減速度の時系列変化を示し、(b)はそのときの自車両1の車速の時系列変化を示す。なお、(b)は、時間T1における車速勾配を直線状に近似して示している。
この場合、演算処理部4は、自動ブレーキの第1減速度である要求減速度(例えば、A1[−m/s])での自動ブレーキ制御の実行により自車両1が減速過程にあるときに、自車両1がブレーキ特性等に基づいて、予め第1減速度A1よりも大きく定められた第2減速度である加圧側実効減速度Amax(例えば、1.0[G])で減速して自車両1が停止するまでの制動距離である加圧側制動距離Dbrk1[m]に所定距離だけ余裕を持たせた距離Dtgt(例えば、0.5m)を加えた距離である加圧側制御開始距離Dctrl1[m]を所定周期(例えば、50ms)毎に導出し、その導出した加圧側制御開始距離Dctrl1[m]と車載ネットワーク3を介して受信した自車両1と障害物との距離である実距離[m]とを比較し、その比較結果に基づいて、補正制御の開始タイミングを決定する。このような演算処理部4による加圧側制御開始距離Dctrl1[m]の導出処理が本発明における導出手段に相当し、加圧側制御開始距離Dctrl1[m]と実距離との比較処理が本発明における比較手段に相当する。
なお、この開始タイミングは、加圧側実効減速度Amax[−m/s]で自車両1を自動停止させた場合に、自車両1を障害物から所定距離内(例えば、1m以内)に停止させることができるタイミングであり、換言すれば、ブレーキ油圧の加圧制御補正を実行しなければ、自車両1が障害物と衝突するおそれがある場合に、障害物から所定距離内の位置に自車両1を停止させることができるタイミングである。以下に、加圧側制御開始距離Dctrl1[m]の算出手順について説明する。
演算処理部4は、所定の算出周期毎に、加圧側制御開始距離Dctrl1を演算開始時の減速度およびその時の車速から算出する。例えば、図2に示すように、算出タイミングが時刻t1である場合、まず、演算処理部4はこのタイミングt1(車速V1)でブレーキ油圧の加圧補正の要求信号をブレーキ制御部6に送信した場合に、加圧側実効減速度Amaxに到達するまでの時間T1[s]を算出する。時間T1は、自車両1のブレーキ特性等に基づいて予め設定されたジャークをJ(減速度[m/s]の時間微分値[m/s])として、T1=(Amax−A1)/Jの簡単な計算式から求められる。なお、A1<0、Amax<0、J<0である。
次に、演算処理部4は、時間T1間の自車両1の車速の減少量であるΔV3[m/s]を算出する。減少量ΔV3は、次の数1の(1)式で示される。なお、ΔV3<0である。
Figure 0005507745
次に、演算処理部4は、自動ブレーキにより自車両1の減速度A1が加圧側実効減速度Amaxに到達してから自車両1の車速が0になるまでの時間T2[s]を算出する。時間T2は、T2=(V1+ΔV3)/(−Amax)の簡単な計算式から求められる。
そして、演算処理部4は、車載ネットワーク3を介して受信した演算開始時における自車両1の減速度A1およびその時の車速V1と、算出したT1、T2、ΔV3に基づき、時間T1の間における自車両1の移動距離D1[m]を、次の数2の(2)式により算出し、時間T2の間における自車両1の移動距離D2[m]を次の数3の(3)式により算出する。
Figure 0005507745
Figure 0005507745
さらに、演算処理部4は、算出したT1間の自車両1の移動距離D1とT2間の移動距離D2とに基づき、加圧側制動距離Dbrk1を算出する。この制動距離Dbrk1は、Dbrk1=D1+D2の簡単な計算式により求められる。
また、演算処理部4は、この制動距離Dbrk1に余裕を持たせた距離Dtgt(例えば、0.5m)を加えた、補正制御の開始タイミングの基準となる加圧側制御開始距離Dctrl1を算出する(Dctrl1=Dbrk1+Dtgt)。
そして、演算処理部4は、車載ネットワーク3を介して受信した、算出タイミングにおける自車両1と障害物との距離である実距離が、算出した加圧側制御開始距離Dctrl1まで短くなったときを補正制御の開始タイミングに決定し、この開始タイミングに、演算処理部4からブレーキ制御部6に加圧側実効減速度Amaxで自車両1を減速させる旨の信号を車載ネットワーク3を介してブレーキ制御部6に送信し、これを受信したブレーキ制御部6がブレーキユニットの油圧の制御を行う。
(減速度を小さくする場合の補正制御開始タイミング)
減速度を小さくする場合(ブレーキ油圧の減圧補正が必要な場合)の補正制御開始タイミングについて、図3を参照して説明する。図3(a)は減速度を補正制御(減圧補正)した場合の減速度の時系列変化を示し、(b)はそのときの自車両1の車速の時系列変化を示す。なお、(b)は、時間T3における車速勾配を直線状に近似して示している。
この場合、演算処理部4は、まず、自動ブレーキ制御の実行により自車両1が減速過程にあるときに、自車両1が補正前の第1減速度A1で減速・停止した場合の障害物と自車両1との距離である予測距離Destを所定の周期(例えば、50ms)毎に算出する。この予測距離Destは、例えば、算出タイミングt1を例に挙げると、車載ネットワーク3を介して受信した算出タイミングt1における、自車両1と障害物との距離である実距離D、自車両1の車速V2、第1減速度A1に基づいて、次の数4の(4)式により算出される。なお、この予測距離Destは、後述する補正制御の開始タイミングを決定する際に用いられる。
Figure 0005507745
次に、演算処理部4は、自動ブレーキの第1減速度である要求減速度(例えば、A1[−m/s])での自動ブレーキ制御の実行により自車両1が減速過程にあるときに、自車両1がブレーキ特性等に基づいて、予め第1減速度A1よりも小さく定められた第3減速度である減圧側実効減速度Amin(例えば、0.3[G])で減速して自車両1が停止するまでの制動距離である減圧側制動距離Dbrk2に所定距離だけ余裕を持たせた距離Dtgt(例えば、0.5m)を加えた距離である減圧側制御開始距離Dctrl2を所定周期(例えば、50ms)毎に導出し、その導出した減圧側制御開始距離Dctrl2と車載ネットワーク3を介して受信した自車両1と障害物との距離である実距離とを比較し、その比較結果に基づいて、補正制御の開始タイミングを決定する。このような演算処理部4による加圧側制御開始距離Dctrl1[m]の導出処理が本発明における導出手段に相当し、加圧側制御開始距離Dctrl1[m]と実距離との比較処理が本発明における比較手段に相当する。
なお、この開始タイミングは、減圧側実効減速度Aminで自車両1を自動停止させた場合に、自車両1を障害物から所定距離(例えば、1m以内)に停止させることができるタイミングであり、換言すれば、ブレーキ油圧の減圧制御補正を実行しなければ、自車両1が、障害物から1m以上手前の位置に停止するおそれがある場合に、障害物から所定距離内の位置に自車両1を停止させることができるタイミングである。以下に、減圧側制動距離Dbrk2の算出手順について説明する。
演算処理部4は、算出周期毎に、制動距離Dbrk2を演算開始時の減速度およびその時の車速から算出する。例えば、図3に示すように、算出タイミングが時刻t1である場合、まず、演算処理部4はこのタイミングt1(車速V2)でブレーキ油圧の減圧補正の要求信号をブレーキ制御部6に送信した場合に、減圧側実効減速度Aminに到達するまでの時間T3[s]を算出する。時間T3は、自車両1のブレーキ特性等に基づいて予め設定されたジャークをJ(減速度[m/s]の時間微分値[m/s])として、T3=(Amin−A1)/Jの簡単な計算式から求められる。なお、A1<0、Amin<0、J>0である。
次に、演算処理部4は、時間T3間の自車両1の車速の減少量であるΔV4[m/s]を算出する。減少量ΔV4は、次の数5の(5)式で示される。なお、ΔV4<0である。
Figure 0005507745
また、演算処理部4は、自動ブレーキにより自車両1の減速度A1が減圧側実効減速度Aminに到達してから自車両1の車速が0になるまでの時間T4[s]を算出する。時間T4は、T4=(V2+ΔV4)/(−Amin)の簡単な計算式から求められる。
次に、演算処理部4は、車載ネットワーク3を介して受信した演算開始時における自車両1の減速度A1およびその時の車速V2と、算出したT3、T4、ΔV4に基づき、時間T3の間における自車両1の移動距離D3を、次の数6の(6)式により算出し、時間T4の間における自車両1の移動距離D4を次の数7の(7)式により算出する。
Figure 0005507745
Figure 0005507745
そして、演算処理部4は、算出したT3間の自車両1の移動距離D3とT4間の移動距離D4とに基づき、減圧側制動距離Dbrk2を算出する。この制動距離Dbrk2は、Dbrk2=D3+D4の簡単な計算式により求められる。
また、演算処理部4は、算出したこの減圧側制動距離Dbrk2に余裕を持たせた距離Dtgt(例えば、0.5m)を加えた、補正制御の開始タイミングの基準となる減圧側制御開始距離Dctrl2を算出する(Dctrl2=Dbrk2+Dtgt)。
そして、演算処理部4は、車載ネットワーク3を介して受信した実距離が、算出した減圧側制御開始距離Dctrl2まで長くなったときを補正(減圧補正)制御の開始タイミングに決定し、この開始タイミングに、演算処理部4からブレーキ制御部6に減圧側実効減速度Aminで自車両1を減速させる旨の信号を車載ネットワーク3を介してブレーキ制御部6に送信し、これを受信したブレーキ制御部6がブレーキユニットの油圧の制御を行う。
ところで、自動ブレーキにより衝突を回避する場合、衝突回避の技術指針によると、自車両1と障害物との距離が1m以内の距離で自動停止する必要がある。上記した演算処理部4が算出した予測距離Destは、初期的な自動ブレーキ(補正前の減速度:A1)により自車両1が自動停止したときの自車両1と障害物との距離の予測値であり、この値が1mを超えていると技術指針を遵守できない(1mよりもさらに手前で自車両1が停止する)おそれがあることを示している。したがって、演算処理部4が補正制御の開始タイミングを決定する際、Destが1m以上であることを条件に加える。すなわち、演算処理部4は、Destが1m以上であって、車載ネットワーク3を介して受信した実距離が、算出した減圧側制御開始距離Dctrl2まで長くなったときを補正制御の開始タイミングに決定する。
以上のように、自動ブレーキによる第1減速度A1で自車両1を障害物から所定距離内(例えば、1m以内)の位置で停止できない場合に、加圧側および減圧側制御開始距離と実距離との比較の結果に応じて、ブレーキ油圧の加圧または減圧の切替えを行う演算処理部4の機能が本発明における自動ブレーキ制御手段に相当する。
スロットル制御部4は、マイクロコンピュータから構成され、演算処理部4からの自動ブレーキの開始指令信号を車載ネットワーク3を介して受信したときに、エンジンの出力などを抑制するために、エンジンスロットルの開閉量の制御を行う。
ブレーキ制御部6は、マイクロコンピュータから構成され、演算処理部4からの自動ブレーキの開始指令信号を車載ネットワーク3を介して受信し、ブレーキユニットの油圧量を制御して、自車両1を自動停止させる。
次に、本実施形態にかかる運転支援装置の自動ブレーキの補正制御処理の手順(演算処理部4の算出周期毎)について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、演算処理部4は、車載ネットワーク3を介して受信した自車両1の減速度が所定値以上であるか否か、すなわち、自動ブレーキ制御が実行されているか否かを判定する(ステップS1)。自動ブレーキ制御が実行されている場合はステップS2において、加圧側制御開始距離Dctrl1を演算処理部4が算出する。また、自動ブレーキ制御が実行されていない場合は、ステップS1をNOで通過し、補正制御処理を終了する。
次に、演算処理部4は、ステップS2において算出した加圧側制御開始距離Dctrl1が、車載ネットワーク3を介して受信した自車両1と障害物との距離である実距離よりも長いか否かを判定する(ステップS3)。そして、加圧側制御開始距離Dctrl1が実距離よりも長い場合、すなわち、補正制御を行わずに自車両1を自動停止させると障害物と衝突のおそれがある場合は、ステップS3をYESで通過し、演算処理部4が自動ブレーキ制御中の第1減速度A1を第2減速度である加圧側実効減速度Amaxに補正する旨の信号を車載ネットワーク3を介してブレーキ制御部6に送信し(ステップS7)、ブレーキ制御部6がブレーキ油圧の加圧制御を行って、自車両1を自動停止させる。
ステップS3において、加圧側制御開始距離Dctrl1が実距離よりも短い場合は、ステップS3をNOで通過して、演算処理部4は自車両1が補正前の減速度A1でそのまま停止したときの自車両1と障害物との距離である予測距離Destを算出する(ステップS4)。
次に、演算処理部4は、減圧側制御開始距離Dctrl2を算出し(ステップS5)、ステップS6において、算出した減圧側制御開始距離Dctrl2が実距離よりも短く、かつ、ステップS4において算出した予測距離Destが目標停止距離(この実施形態では、衝突回避の技術指針に基づき、障害物から1m手前の距離)よりも長いか否かを演算処理部4が判定する(ステップS6)。
そして、予測距離Destが目標停止距離(1m)以上であって、減圧側制御開始距離Dctrl2が実距離以下である場合、すなわち、補正制御を行わず自車両1を自動停止させると目標停止距離よりも手前に自車両1が停止するおそれがある場合は、演算処理部4が自動ブレーキ制御中の自車両1の第1減速度A1を第3減速度である減圧側実効減速度Aminに補正する旨の信号を、ブレーキ制御部6に送信し(ステップS8)、ブレーキ制御部6がブレーキ油圧の減圧制御を行って、自車両1を自動停止させる。
また、ステップS6において、予測距離Destが目標停止距離以上、かつ、減圧側制御開始距離Dctrl2が実距離以下の両条件を同時に満たさない場合は、減速度A1の補正を行わず、処理を終了する。
したがって、上記した実施形態によれば、自動ブレーキによる自車両1の減速過程で、レーダ2により検出した自車両1と障害物との距離(実距離)が、演算処理部4で算出した加圧側制動開始距離まで短くなった場合には、演算処理部4により、自動ブレーキ開始当初の第1減速度A1を、この第1減速度A1よりも大きな第2減速度である加圧側実効減速度Amaxに補正し、実距離が減圧制動開始距離まで長くなった場合には、第1減速度A1を、この第1減速度A1よりも小さな第3減速度である減圧側実効減速度Aminに補正するため、自動ブレーキによる自車両1の減速過程で、何らかの要因により自車両1と障害物から所定距離内で停止できない状況が生じても、その後の補正により、障害物から所定距離内に精度よく自車両1を停止させることができる。
また、減速度の補正にあたり、従来装置のように、逐次位置補正を行う位置制御フィードバックが不要であるため、高価なブレーキユニットが必要なく、運転支援装置の低コスト化を図ることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、演算処理部4による補正制御の開始タイミングの決定に際し、ブレーキの応答遅れ時間を考慮して、その時間に相当する距離を加圧側および減圧側制御開始距離に加えて開始タイミングを決定してもかまわない。この場合、予め、その情報を車載装置内に記憶しておき、演算処理部4がそこから当該情報を取得するようにすればよい。
また、演算処理部4により算出する距離の演算に簡略化した式を用いてもよい。例えば、数2の(2)式および数6の(6)式それぞれにおいて、値の小さなJ/6・T1、J/6・T3の部分を省略して簡略化してもよい。このようにすることで、演算処理部4の演算負荷を軽減することができる。
また、上記した演算処理部4による補正制御の開始タイミングの決定に、衝突予測時間TTCを用いてもよい。自動ブレーキ制御中は自車両1の減速によりTTC値が増加することが考えられるため、例えば、ブレーキ油圧を減圧する補正制御の開始タイミングを決定する際に、TTC値が所定値以上であることを条件に加えてもよい。
また、上記した実施形態では、レーダ2と演算処理部4を個別に設けたが、レーダ2に演算処理機能を持たせる構成であってもかまわない。このような構成にすることにより、部品点数の削減を図ることができるため、さらに安価な運転支援装置を提供することができる。
2… レーダ
4… 演算処理部(導出手段、比較手段、自動ブレーキ制御手段
5… スロットル制御部
6… ブレーキ制御部

Claims (1)

  1. 所定の衝突回避条件の成立により、自動ブレーキ制御手段による自動ブレーキの制御を実行して減速し、所定の減速度で自車両前方の障害物から予め定められた所定距離内の位置で自車両を停止させる運転支援装置において、
    自車両の減速度、自車両の前記障害物に対する相対速度に基づいて制動距離を算出し、算出した前記制動距離に前記所定距離を加えた制御開始距離を導出する導出手段と、
    前記制御開始距離と自車両と前記障害物との実距離とを比較する比較手段とを備え、
    前記導出手段は、
    前記制御開始距離として、予め所定の第1減速度よりも大きく定められた第2減速度で減速して自車両が停止するまでの制動距離に前記所定距離を加えた加圧側制御開始距離、および、予め前記第1減速度よりも小さく定められた第3減速度で減速して自車両が停止するまでの制動距離に前記所定距離を加えた減圧側制御開始距離を導出し、
    前記自動ブレーキ制御手段は、
    前記第1減速度での減速過程で、前記比較手段による前記加圧側制御開始距離と前記実距離との比較の結果、前記加圧側制御開始距離の方が大きいときには前記第2減速度での減速に切替
    前記第1減速度での減速過程で、前記比較手段による前記減圧側制御開始距離と前記実距離との比較の結果、前記減圧側制御開始距離の方が小さく、かつ、自車両が前記第1減速度で減速して停止するときの自車両と前記障害物との予測距離が予め定められた目標停止距離以上のときには前記第3減速度での減速に切替ることを特徴とする運転支援装置。
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