JP2012240531A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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誠秀 中村
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Abstract

【課題】先行車に追従するように走行制御を実施する際に、より適切なタイミングで加減速を発生可能とする。
【解決手段】先行車と自車との間の検出した車間相対値と目標車間相対値とに基づき目標車速を算出し、その算出した目標車速から自車の目標加減速度を算出する。そして、その算出した目標加減速度とする制駆動力制御量となるように自車の駆動装置及び制動装置を制御する。このとき、本発明の一形態は、自車の制御状態及び先行車の車両状態の少なくとも一方に応じて、上記制駆動力制御量を補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自車周囲に他車が存在している状態で走行する場面などにおける、先行車に追従する走行制御の技術に関する。
追従走行を行う車両用走行制御装置としては、例えば特許文献1、2に記載の技術がある。この特許文献1、2に記載の技術では、隊列を構成する各車両にそれぞれ通信用IDを搭載していることを前提とし、車両相互で車車間通信を行いながら小隊列を組んで走行する。この隊列走行では、例えば、車車間通信によって先行車から制御操作量、走行状態量、車両諸元などのデータを受信し、受信したデータと自車両の状況に基づいて、先行車に追従するように自車の制御操作量を演算する。また路車間通信を行いながら走行する。
特開2008−46820号公報 特開平9−81899号公報
しかし、車車間通信や路車間通信などの通信遅れや、アクチュエータの応答遅れなどの無駄時間が存在すると、制御による減速タイミングが遅くなってしまうことがある。そして、この遅れが発生すると、運転者に違和感を与える可能性がある。またこのとき、車群を形成する車間距離が短くなることに起因して、先行車の減速に対して後続車の運転者がブレーキ操作を行ってしまうことで、隊列走行が解除されて車群が維持できなくなる可能性がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、先行車に追従するように走行制御を実施する際に、より適切なタイミングで加減速を発生可能とすることを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一形態は、先行車と自車との間の検出した車間相対値と目標車間相対値とに基づき目標車速を算出し、その算出した目標車速から自車の目標加減速度を算出する。そして、その算出した目標加減速度とする制駆動力制御量となるように自車の駆動装置及び制動装置を制御する。このとき、本発明の一形態は、自車の制御状態及び先行車の車両状態の少なくとも一方に応じて、上記制駆動力制御量を補正する。
本発明によれば、先行車と自車との間の車間相対値から求めたフィードバック制御の制御量である制駆動力制御量を、自車の制御状態及び先行車の車両状態の少なくとも一方に応じて求めた、フィードフォワード制御分の補正量で補正する。このようにフィードフォワード制御項となる補正量で補正することで、フィードバック制動に対するアクチュエータの応答遅れによる無駄時間の影響を低減出来る。この結果、より適切なタイミングで加減速を発生可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る車両構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る制御構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る走行制御コントローラの構成を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る動作を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第3実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第3実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第3実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第4実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。 本発明に基づく第4実施形態に係る処理例を説明するフローチャート図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
「第1実施形態」
(構成)
車両は、制動力を発生する制動装置、及び駆動力(駆動トルク)を発生する駆動装置を備える。
制動装置は、図1に示すように、車輪13に設けられるブレーキ装置10と、その各ブレーキ装置10に接続する配管を含む流体圧回路11と、ブレーキコントローラ6Aとを備える。ブレーキコントローラ6Aは、上記流体圧回路15を介して各ブレーキ装置10で発生する制動力を、制動力指令値に応じた値に制御する。ブレーキ装置10は、流体圧で制動力を付与する装置に限定されず、電動ブレーキ装置等であっても良い。
駆動装置は、図1に示すように、駆動源としてのエンジン12と、エンジン12で発生するトルク(駆動力)を制御するエンジンコントローラ6Bとを備える。駆動装置の駆動源は、エンジン12に限定されず、電動モータであっても良いし、エンジン12とモータを組み合わせたハイブリッド構成であっても良い。
上記ブレーキコントローラ6Aとエンジンコントローラ6Bは、それぞれ上位コントローラである走行制御コントローラ5からの制動指令、駆動指令の各指令値(制駆動力制御量)を受け付ける構成とする。ブレーキコントローラ6Aとエンジンコントローラ6Bは、加減速制御装置を構成する。
また車両は、図1及び図2に示すように、制御作動用スイッチ1、車輪速センサ2、外界認識装置3、アクセル操作検出センサ4A、ブレーキ操作検出センサ4Bを備える。また、車両は、走行制御コントローラ5を備える。
制御作動用スイッチ1は、走行制御の作動の開始指示及び終了指示、または走行制御の設定車速の変更指示を行うための操作子である。制御作動用スイッチ1は、先行車に追従するための加減速制御を行うメインスイッチや、追従時の目標車間時間を切り替えるスイッチ、設定車速を変更するためのスイッチを備える。この制動作動用スイッチの状態は、走行制御コントローラ5に出力される。またこの制御作動用スイッチ1は、例えばステアリングホイールに設けられている。
車輪速センサ2は、車輪速を検出し、検出した車輪速情報を走行制御コントローラ5に出力する。車輪速センサ2は、例えば車輪速パルスを計測するロータリエンコーダなどのパルス発生器で構成する。
外界認識装置3は、自車前方に存在する先行車を認識し、その認識した先行車の状態を検出する。検出した先行車の状態に関する情報は、走行制御コントローラ5に出力される。外界認識装置3は、例えばレーザ距離計やカメラによって構成する。
アクセル操作検出センサ4Aは、運転者が操作する加速指示用の操作子であるアクセルペダルの操作量を検出する。検出されたアクセルペダル操作量は走行制御コントローラ5に出力される。
ブレーキ操作検出センサ4Bは、運転者が操作する減速指示用の操作子であるブレーキペダルの操作量を検出する。検出されたブレーキペダル操作量は走行制御コントローラ5に出力される。
ここで、アクセルペダルやブレーキペダルは運転者が操作する運転操作子を構成する。また、アクセル操作検出センサ4A及びブレーキ操作検出センサ4Bは、運転者が操作する運転操作子の作動状態を検出する運転操作子作動状態検出センサ4を構成する。
走行制御コントローラ5は、制御作動用スイッチ1の作動状態と、車輪速センサ2からの信号に基づく自車速と、外界認識装置3が検出した先行車の走行状態に関する情報と、運転操作子作動状態検出センサ4が検出する運転操作子の作動状態に基づき、先行車に対する追従走行その他の走行制御を行う。すなわち、走行制御コントローラ5は、制御作動用スイッチ1がON(制御作動要求)であると判定すると、先行車追従時の目標応答特性から目標車速を算出する。そして、走行制御コントローラ5は、目標車速を基に目標加減速度を算出する。その後、走行制御コントローラ5は、目標加減速度から目標車速指令値を算出し、目標車速指令値を達成させるための加減速制御量(制駆動力制御量)を算出する。そして、走行制御コントローラ5は、算出した加減速制御量を加減速制御装置6へ出力する。その加減速制御装置6を構成するブレーキコントローラ6A及びエンジンコントローラは、受信した加減速制御量(制御指令値)となるように車両の加減速を制御する。
上記走行制御コントローラ5は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路を備えるコントローラである。この走行制御コントローラ5は、本実施形態の走行制御を実現するために、図3に示すような処理ロジックを備える。すなわち、走行制御コントローラ5は、図3に示すように、制御状態設定部5A、先行車検出状態判定部5B、先行車車速・減速度推定部5C、目標応答特性算出部5D、目標車速算出部5E、目標加減速度算出部5F、車速指令値算出部5G、車速サーボ演算部5H、トルク配分制御演算部5I、エンジントルク演算部5L、及びブレーキ液圧演算部5Mを備える。さらに、走行制御コントローラ5は、ドライバオーバーライド判断部5J、及び制御指令値補正量算出部5Kを備える。
制御状態設定部5Aは、制御作動用スイッチ1の作動状態に基づき、制御を作動させるための各種スイッチ操作の有無判断を行う。運転者による制御作動用スイッチ1の操作状態を検出し、検出結果を、先行車検出状態判定部5B及び車速指令値算出部5Gに出力する。ここで、隊列走行を行うと判定した場合には、追従時の目標車間時間は固定とする構成であっても良い。なお、予め設定した車両前方に対し、先行車の存在を検出しない場合には、設定車速を車速指令値とする。
先行車検出状態判定部5Bは、追従制御対象となる先行車の検出状態を判断する。すなわち、先行車検出状態判定部5Bは、外界認識装置3から得られる自車前方を走行する先行車両と自車との間の車間相対値と、制御状態設定部5Aから得られた運転者のスイッチ操作とに基づき、追従制御対象となる先行車の有無を判断する。そして、判断結果を先行車車速・減速度推定部5Cへ出力する。ここで、本実施形態の上記車間相対値は、車間距離及び相対速度である。
先行車車速・減速度推定部5Cは、先行車検出状態判定部5Bが追従制御対象が存在すると判定した場合に、当該追従制御対象となる先行車の車速及び加減速度の推定値を算出する。そして、算出した先行車車速推定値、及び先行車加減速度推定値を目標応答特性算出部5Dへ出力する。
目標応答特性算出部5Dは、先行車の加減速度に対して、どのような応答特性とするかを算出する。目標応答特性算出部5Dは、先行車車速・減速度推定部5Cが算出した先行車速度推定値と先行車加減速度推定値と、制御状態設定部5Aから取得した追従時の目標車間時間設定値を基に、目標応答特性を算出する。ここで、追従時の目標車間時間は運転者のスイッチ操作により選択可能としているが、複数台での隊列走行を行うと判定した場合は、目標車間時間設定値を固定としても良い。
目標車速算出部5Eは、目標応答特性算出部5Dで算出された目標応答特性を満足する目標車速を算出する。目標車速算出部5Eは、算出した目標車速を目標加減速度算出部5Fへ出力する。
目標加減速度算出部5Fは、目標車速算出部5Eが算出した目標車速を基に、目標加減速度を算出し、算出した目標加減速度を車速指令値算出部5Gへ出力する。
車速指令値算出部5Gは、目標加減速度算出部5Fが算出した目標加減速度に対し加減速度の変化率リミッタを付加し、そのリミッタ処理をした目標加減速度から車速指令値を算出する。そして、車速指令値算出部5Gは、算出した車速指令値を車速サーボ演算部5Hへ出力する。ここで、本実施形態では先行車に追従しているものとして記述する。自車前方の予め設定した先方距離内に先行車両が存在しないなど、先行車非追従時の場合は、運転者が設定した設定車速が車速指令値となる。
車速サーボ演算部5Hは、車速指令値演算部で演算された車速指令値となるように車両を制駆動制御するもので、車速指令値演算部で選択された車速指令値を達成するための目標加減速度を演算し、演算した車速指令値に対し演算した目標加減速度をトルク分配制御演算部へ出力する。
トルク配分制御演算部5Iは、車速サーボ演算部5Hが演算した目標加減速度に応じたエンジントルク、ブレーキトルクのトルク配分を演算する。そして、分配されたトルクを、それぞれエンジントルク演算部5L及び、ブレーキ液圧演算部5Mへ出力する。
エンジントルク演算部5Lは、トルク配分制御演算部5Iで配分されたトルクを達成するためのエンジントルク指令値を算出する。エンジントルク指令値はスロットル開度等である。エンジントルク演算部5Lは、算出したエンジントルク指令値をエンジンコントローラ6Bに出力する。
ブレーキ液圧演算部5Mは、トルク配分制御演算部5Iで配分されたトルクを達成するためのブレーキ液圧指令値を算出し、算出したブレーキ液圧指令値をブレーキコントローラ6Aに出力する。
ドライバオーバーライド判断部5Jは、運転操作子の作動状態としてアクセル操作及び、ブレーキ操作を検出し、検出した運転操作子の作動状態を制御指令値補正量算出部5Kへ出力する。
制御指令値補正量算出部5Kであり、以下のそれぞれの実施形態に示すように、先行車検出状態判定部5B、先行車車速・減速度推定部5C、目標応答特性算出部5D、目標加減速度算出部5F、ドライバオーバーライド判断部5Jから得られる情報を基に、制御指令値の補正値を算出する。そして、制御指令値補正量算出部5Kは、算出した補正値を、エンジントルク演算部5L及びブレーキ液圧演算部5Mに出力する。
次に、上記走行制御コントローラ5における追従走行の走行制御に関わる処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。この処理は、予め設定した制御時間毎に実施される。
先ずステップS10では、走行制御コントローラ5は、各センサ及び他のコントローラからの各種データを読み込む。具体的には、制御作動用スイッチ1の、各種スイッチ、外界認識装置3から先車両情報として車間距離vDistance、相対速度vVR、各輪の車輪速Vwi(i=1〜4)を読み込む。
次に、ステップS20では、自車速Vを算出する。本実施形態では、通常走行時には、例えば後輪駆動の車両の場合は、下記(1)式により前輪の車輪速Vw1,Vw2の平均値として自車速Vを算出する。Vw1,Vw2は、タイヤ径に基づき求めた車速換算値とする。
V=(Vw1+Vw2)/2 ・・・(1)
なお、ABS制御などの車速を用いた他のシステムが作動している場合には、そのような他のシステムで使用している自車速(推定車速)を用いても良い。
ステップS30では、目標車間距離Ltを算出する。
例えば、車間時間をTgap、先行車車速Vtとすると、目標車間距離Ltは、下記(2)式によって算出できる。
Lt=Vt×Tgap ・・・(2)
ここで、先行車車速Vtは相対速度vVRと自車速Vから算出し、車間時間Tgapは、運転者のスイッチ操作に基づき選択する。ただし、交通効率を向上させるための複数台での隊列走行を行う際には、予め設定した固定値としても良い。また、隊列走行に設定する車間時間は、ACC制御の車間時間よりも短い車間時間とすることで、より交通効率を向上させることが可能となる。
ステップS40では、目標応答特性を算出する。ステップS40では、ステップS30で設定した目標車間距離Ltを実現するための応答特性として、目標車速Vtargetを算出する。先ず、第1目標車速Vrefを、先行車と自車両との間の車間相対値と目標車間相対値との偏差に基づき算出する。本実施形態では、車間相対値として、先行車と自車両との間の車間距離及び相対速度を使用する場合とする。すなわち本実施形態では、下記(3)式のように、目標車間距離と車間距離とのと車間距離偏差、目標相対速度vVTと相対速度の相対速度偏差、及び先行車速のそれぞれに対して、それぞれにゲインK1、K2、K3をかけた値を変数とする関数から、第1目標速度Vref求める。目標相対速度vVTは、例えばゼロとする。
Vref = f( K1×(vVR−vVT)、
K2×(Lt−vDistance)、
K3×vVR)・・・(3)
そして、上記第1目標車速Vrefに対して、下記(4)式に基づき、予め設定した伝達特性を持たせた目標車速Vtargetを算出する。ここで、上記(4)式では、伝達特性として1次遅れ系のフィルタを施す場合を例示している。
Figure 2012240531
次に、ステップS50では、上記目標車速Vtargetに基づき目標加減速度を算出する。ステップS50では、ステップS40で算出した目標応答特性を実現するための目標加減速度Xgtを、下記(5)式に基づき算出する。ここでは、変数が自車速Vと目標車速Vtargetの関数を採用する。
Xgt = f(V、Vtarget)・・・(5)
(5)式の関数は、例えば、自車速と目標車速との車速偏差(V−Vtarget)が予め設定した値より小さい場合は、前回の目標加減速度を小さくし、その車速偏差が予め設定した値より大きい場合は、前回の目標加減速度を大きくするような関数とする。
ステップS60では、ステップS50で算出した目標加減速度Xgtから目標車速指令値を算出する。具体的には、ステップS50で算出した目標加減速度Xgtに対して、予め設定した範囲に変化量を抑える加減速度リミッタ処理を施して、リミッタ処理後の目標加減速度Xgtargetを求め、そのリミッタ処理後の目標加減速度Xgtargetに基づき、(6)式によって目標車速指令値Vtargetを算出する。加減速度リミッタ処理は、例えば前回値と今回値との差分を取り、その差分が予め設定した差分閾値以上の場合には、前回値に差分閾値を加えた値を今回の目標加減速度Xgtargetとする。
Vtarget=f(Xgtarget)× Stime・・・(6)
ここで、ここで、Stimeは予め設定した時間をあらわす。
ステップS70では、トルク配分制御を算出する。具体的には、ステップS60で算出した目標車速指令値Vtargetを実現するための、エンジントルク指令値と、ブレーキ液圧指令値に配分する。
例えば、加速度もしくは、車速からATギア比などを含めたホイル端トルク指令値を求め、その後、ホイル端トルク指令値からエンジントルク指令値を求める。その後、ホイル端トルクから算出したエンジントルク指令値から、エンジンブレーキ+走行抵抗分を差し引いた分をブレーキ液圧指令値とする。
ステップS80では、エンジン制御作動判断を行う。具体的には、ステップS70で算出されたエンジントルク指令値が予め設定した所定値以下となった場合に、エンジン制御作動フラグfengを「1」に設定して、エンジントルク指令値を出力する。
ステップS90では、ブレーキ制御作動判断を行う。具体的には、ステップS70で算出されたブレーキ液圧指令値が予め設定した所定値以上となった場合に、ブレーキ制御作動フラグfbrを「1」に設定して、ブレーキ液圧指令値vBR_COM_FBを出力する。
ステップS95では、ブレーキ液圧指令値に対する補正値(FF制御項)を算出する。
この補正値は、フィードフォワード制御項となり、上記追従制御作動状態において、自律センサのみで車群安定性と、安全性を両立させるための制御量の補正値である。
本実施形態では、自車の先行車に対する制御状態に基づいて、ブレーキ液圧指令値の補正値を算出する。
すなわち、ステップS50で算出した目標加減速度Xgtが予め設定した閾値を超えたと判定すると、補正をすると判定して次の処理を行う。
すなわち、FF制御項作動フラグを「1」に設定し、下記(7)式に基づき、目標加減速度Xgtに予め設定した値であるゲインKxgtを乗算した値に基づき、ブレーキ液圧指令値補正値vBR_COM_FFとして算出する。ブレーキ液圧指令値補正値vBR_COM_FFは、目標加減速度Xgtに予め設定した値であるゲインKxgtを乗算した値が大きくなるほど大きくなる値である。
vBR_COM_FF = f(Xgt × Kxgt) ・・・(7)
ここで、目標加減速度XgtにゲインKxgtを掛けた値若しくはそれに応じた値をブレーキ液圧指令値補正値vBR_COM_FFとしているが、ブレーキ液圧指令値補正値vBR_COM_FFを、予め設定した固定値としても良い。
そして、FF制御項作動フラグが「1」の場合には、下記(8)式によって、最終的なブレーキ液圧指令値を算出する。
vBR_COM = vBR_COM_FF + vBR_COM_FB
・・・(8)
ここで、上記(8)式では、最終的なブレーキ液圧指令値として、FF制御項+FB制御項で求めているが、これに限定しない。例えば下記式のようにセレクトハイによって求めても良い。
vBR_COM =max(vBR_COM_FF、vBR_COM_FB)
ここで、上記FF制御作動フラグは、例えば下記条件のいずれかを満足すると、「1」から「0」にリセットする。
・「vBR_COM_FF<vBR_COM_FB」を満足した場合
・FF制御作動フラグが「1」になってから、予め設定した解除時間経過したと判定した場合
ステップS100では、上記ステップS80、S9で算出された各制御量を加減速制御装置に出力する。
(動作その他)
先行車速に追従走行する場合には、先行車と自車両との間の車間相対値が目標車間相対となるようにフィードバック制御の制御量として加減速制御量を算出して、自車の加減速度を調整している。
この状態で、先行車に対し自車が加速している場合には、先行車と自車の車間時間が短くなる。このとき、先行車が減速しているときに、予め設定した閾値以上の目標加速度になっている場合には、本実施形態では、フィードフォワード項としての補正項vBR_COM_FFを算出し付加することで、その分、早期に減速を開始する。
すなわち、図5に示すように、自車が加速して車間距離が短くなるときに、先行車が減速すると、想定以上に車間距離が短くなる。これに対し、本実施形態では、上述のように、目標加減速度に予め設定したゲインを掛けたものをFF制御項(フィードフォワード制御項)として付加することで、フィードバック制御によって発生する減速よりも早い段階で減速が可能となる。すなわち、FB制御項(フィードバック制御項)に、自車の運転状態に応じたFF制御項を付加することで、アクチュエータの応答遅れによる無駄時間の影響を低減することができる。
またこのように制御作動タイミングが早くなることで、車間距離が短い状態での隊列走行を実現する際に、運転者のブレーキ操作による隊列走行や追従走行の制御解除が減少する結果、車群の維持が可能となる。
また、従来の制御では、無駄時間や、推定誤差などが要因となり、作動タイミングが遅くなるシーンがあり、先行車は緩減速しているのに対して、急減速となる可能性があった。その結果、隊列走行において、後続車へのショックウェーブを伝播させる傾向となっていたが、本実施形態では、作動タイミングを早めることが出来る。このように、制御量を小さく抑えることが可能となるので、目標値への追従性が向上すると共に、後続車へのショックウェーブの伝播を低減させることが可能となる。
また、本実施形態では、車車間通信を行うことなく、隊列走行を実施することが可能となる。
なお、上記補正の実行は、自車の目標加減速度の代わりに運転操作子の作動状態で判定しても良い。例えば、加速指示操作量が予め設定した閾値以上の場合に上述のような補正を実施する。
ここで、車輪速センサ2は走行状態検出部を構成する。外界認識装置3は先行車検出部及び車間相対値検出部を構成する。ステップS30は目標車間相対値算出部を構成する。車速指令値算出部5G、車速サーボ演算部5H、トルク配分制御演算部5Iは、制駆動力制御量算出部を構成する。ブレーキコントローラ6A、エンジンコントローラ6Bは制駆動力制御部を構成する。制御指令値補正量算出部5Kは制御量補正部を構成する。
制御指令値は、制駆動力制御量を構成する。車間距離及び相対速度は、車間相対値の一例である。後述の実施形態でも同様である。
(実施形態の効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)走行制御コントローラ5は、先行車に対する目標とする車間相対値である目標車間相対値を算出する。走行制御コントローラ5は、算出する目標車間相対値と車間相対値検出部が検出する車間相対値に基づき自車の目標車速を算出する。走行制御コントローラ5は、算出する目標車速から自車の目標加減速度を算出する。走行制御コントローラ5は、算出する目標加減速度とする制駆動力制御量を算出する。走行制御コントローラ5は、算出した制駆動力制御量となるように自車の駆動装置及び制動装置を制御する。走行制御コントローラ5は、自車の制御状態及び先行車の車両状態の少なくとも一方に応じて、上記制駆動力制御量を補正する。
この構成によれば、目標車間相対値と検出された車間相対値とによって求められる制駆動力制御量によるフィードバック制御で制駆動力を制御する際に、制駆動力制御量を、自車の制御状態もしくは先行車の車両状態に応じたフィードフォワード制御量で補正する。この結果、自車の制御状態もしくは先行車の車両状態に対して早期に制駆動力制御量を変更することが可能となる。
(2)走行制御コントローラ5は、車間相対値として、上記先行車との車間距離及び相対速度を使用する。走行制御コントローラ5は、目標車間相対値として、上記先行車との目標車間距離及び目標相対速度を算出する。走行制御コントローラ5は、目標加減速度から目標車速指令値を算出し、算出した目標車速指令値に一致させる制駆動力制御量を算出する。
これによって、より確実に制駆動力制御量を求めることが可能となる。
(3)上記自車の制御状態は、自車の目標加減速度、運転者が運転指示のために操作する運転操作子の状態の少なくとも一つである。
これによって、上記自車の制御状態を検出することが出来る。
(4)上記運転操作子は、加速を指示する加速操作子である。
自車の加速によって先行車との相対車間値が先行車に接近することに変化することに対して、早期に制駆動力制御量を変更することが可能となる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態では、本実施形態では、先行車の走行状態に応じてFF制御項としての補正値を求めて、ブレーキ液圧指令値vBR_COM_FBを補正する。
図6に、本実施形態の走行制御コントローラ5における追従走行の走行制御に関わる処理を示す。
第1実施形態(図4)と同様であるが、ステップS26が追加されていると共に、ステップS95の処理が異なる。その異なる処理について次に説明する。
ステップS26では、先行車減速度推定値算出部が先行車の減速度推定値を算出する。
例えば、(9)式のように、先行車の車速から、予め設定したバンドパスフィルタを通した関数を用いて、先行車の加減速度推定値Xgを算出する。
Xg = f(Vt)・・・(9)
また、ステップS95では、ステップS26にて算出した先行車の加減速度推定値Xgが予め設定した閾値以上となったと判定すると、FF制御作動フラグを「1」に設定すると共に、(10)に基づき、先行車加減速度推定値Xgに予め設定したゲインKxgを掛けたものをブレーキ液圧指令値補正値vBR_COM_FFとして算出する。
vBR_COM_FF = f(Xg × Kxg) ・・・(10)
ここで、ブレーキ液圧指令値補正値vBR_COM_FFを固定値としても良い。
そして、FF制御作動フラグが「1」の場合には、下記(11)式によって、最終的なブレーキ液圧指令値を算出する。
vBR_COM = vBR_COM_FF + vBR_COM_FB
・・・(11)
ここで、第1実施形態と同様に、最終的なブレーキ液圧指令値は、FF制御項とFB制御項のセレクトハイによって算出しても良い。
vBR_COM =max(vBR_COM_FF、vBR_COM_FB)
なお、FF制御作動フラグの初期化処理については、第1実施形態と同様な処理を行う。
ここで、上記ステップS95の処理では、先行車の走行状態として、先行車の加減速度推定値Xgに基づき、補正の有無及びFF制御項としてのブレーキ液圧指令値補正値の算出をする場合を例示している。
これに代えて、先行車の走行状態として、先行車の加加減速度を用いて、補正の有無及び補正値を算出しても良い。若しくは、先行車加減速度推定値Xgの代わりに、先行車の走行状態として、先行車車速Vtを用いても良い。この場合、先行車速度及び先行車加減速度の両方を用いても良い。
(動作その他)
先行車の減速度が大きくなると、自車と先行車との車間距離が想定以上に短くなるおそれがある。これに対して、本実施形態では、図7に示すように、先行車の走行状態である先行車の減速度推定値が予め設定した閾値以上となると、制動指令値に対し、先行車加減速度にあるゲインを掛けたFF制御項として付加する。これによって、早い減速が可能となるため、先行車の減速に対して、運転者のブレーキ操作による制御の解除が減り、車群の維持が可能となる。
また、フィードバック制御による走行制御では、無駄時間や、推定誤差などが要因となって、作動タイミングが遅くなるシーンがあり、この場合、先行車は緩減速しているのに対して、急減速となる可能性があった。その結果、隊列走行において、後続車へのショックウェーブを伝播させる傾向となっていた。これに対し、本実施形態では、作動タイミングを早めることが出来ることで、制動制御量を小さく抑えることが可能となる。この結果、隊列走行の際に、目標値への追従性が向上すると共に、後続車へのショックウェーブの伝播を低減させることが可能となる。
また、先行車の加減速度推定値を用いているので、先行車とほぼ同等の加減速が行えるようになるため、さらにショックウェーブの伝播を低減させることが可能となる。
(実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態と同様な効果に加えて次の効果を奏する。
(1)上記先行車の車両状態として、先行車の走行状態を検出する。
これによって先行車の車両状態を検出可能となる。
(2)上記先行車の走行状態は、先行車の車速、先行車の加減速度、先行車の加加速度の少なくとも一つの状態である。
これによって、先行車の走行状態を検出可能となる。
「第3実施形態」
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様である。
但し、本実施形態では、本実施形態では、先行車の検出状態に応じてFF制御項としての補正値を求めて、ブレーキ液圧指令値vBR_COM_FBを補正する。
図8に、本実施形態の走行制御コントローラ5における追従走行の走行制御に関わる処理を示す。
第1及び第2実施形態(図4、図6)と同様であるが、ステップS24が追加されていると共に、ステップS95の処理が異なる。その異なる処理について次に説明する。
本実施形態では、ステップS24にて、先行車検出状態算出部が先行車の検出を行う。
そして、ステップS95にて、ステップS24にて先行車を検出したと判定すると、
目標車間距離よりも実車間距離が小さく、且つ目標車間距離と実車間距離との車間距離偏差が予め設定した偏差閾値以上の場合には、FF制御作動フラグを「1」に設定すると共に、vBR_COM_FFに予め設定した値を設定する。
そして、下記式によって、最終的なブレーキ液圧指令値を算出する。
vBR_COM = vBR_COM_FF + vBR_COM_FB
なお、FF制御作動フラグのリセット処理は、第1実施形態と同様である。
(動作その他)
本実施形態では、例えば先行車の検出状態として、自車の前に他車が割り込んできたとき、先行車に自車が追いつくとき、又は目標車間よりも接近した状態で制御の開始を検出したときに補正を行う。
すなわち、「目標車間距離よりも実車間距離が小さく、且つ目標車間距離と実車間距離との車間距離偏差が予め設定した偏差閾値以上の場合」という条件を満足すると、ステップS95でFF制御項で補正を行う。このように先行車の検出状態に応じて、制御量を補正することで、より早い減速が必要なシーンにおいて従来よりも早いタイミングで減速制御を作動させることが可能となる。そして、上記第1及び第2実施形態と同様な作用を奏する。
(変形例)
ここで、先行車の検出状態として、自車の前に他車が割り込んできたとき、先行車に自車が追いつくとき、目標車間よりも接近した状態で制御の開始のいずれかを検出したときに、補正すると判定しても良い。その各々について次に説明する。
「自車の前に他車が割り込んできたシーン」
ステップS95にて、自車の目の前に先行車を検出した時の先行車と自車の接近度合いを算出する。そして、図9に示すように接近度合いが予め設定した接近値以上の場合に、先行車割り込みフラグを「1」に設定する。また、先行車割り込みフラグが「1」に設定された場合に、FF制御項作動フラグを「1」に設定し、FF制御項としてのブレーキ液圧補正量を付加する。このとき、先行車との接近度合いに応じて、ブレーキ液圧指令値補正量を大きくする。具体的には、接近度合いが大きいほど、補正量は大きくなるように設定する。
ここでいう接近度合いとは、先行車検出時の実車間距離と目標車間距離との差や、検出時の相対速度のことを言う。目標車間時間と車間時間の差を用いてもよい。
「先行車に追いつくシーン」
ステップS95にて、先行車との車間距離が長い状態から、自車が追いつくと推定される状態を検出すると、上記FF制御項を付加する処理を行う。例えば、「先行車車速<自車速」で、且つ先行車を検出した時の車間距離が予め設定した値以上の場合に、追いつきフラグを「1」に設定する。そして、追いつきフラグが「1」に設定されている場合には、FF制御項作動フラグを「1」に設定する。また車速差に応じて、補正する制御量を変更する。ここでは車速差を用いたが、車間距離偏差を用いても良い。
「目標車間距離若しくは目標車間時間よりも自車が先行車に接近した状態で制御開始指示を検出したシーン」
ステップS95にて、先行車を既に検出しているが、運転者が加減速制御を作動させていない場合に、図10に示すように、目標車間距離よりも実車間距離が小さい状態で制御開始指示を検出すると、近距離検出フラグを「1」に設定する。そして、近距離検出フラグを「1」の場合には、FF制御項作動フラグを「1」に設定し、予め設定した値のブレーキ液圧指令値補正量を付加する補正を行う。
(実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態と同様な効果に加えて次の効果を奏する。
(1)上記先行車の検出状態は、自車の前に先行車となる他車が割り込んできたか否かの検出状態である。
これによって、自車に対する先行車の状態を検出できる。また他車が割り込んでくる状態は、早期に制駆動力制御量を変更することが要求されるシーンであるが、そのようなシーンを検出可能となる。
(2)上記先行車の検出状態は、自車が先行車に追いつくか否かの検出状態である。
これによって、自車に対する先行車の状態を検出できる。また自車が先行車に追いつく状態は、早期に制駆動力制御量を変更することが要求されるシーンであるが、そのようなシーンを検出可能となる。
(3)上記制駆動力制御量による制御の開始を指示する制御作動用スイッチ1を備える。上記先行車の検出状態は、制御作動用スイッチ1の状態が制御開始になったことを検出したときの先行車との車間相対値が目標車間距離よりも先行車に接近した状態を示しているか否かの検出状態である。
これによって、早期に制駆動力制御量を変更することが要求される先行車の状態を検出可能となる。ここで、制御作動用スイッチ1の状態が制御開始になったことを検出したときの先行車との車間相対値が目標車間距離よりも先行車に接近した状態は、早期に制動を掛けることが要求される。
そして、先行車の検出状態に応じて、制御量を補正することで、より早い減速が必要なシーンにおいて早いタイミングで減速制御を作動させることが可能となる。
「第4実施形態」
次に、第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様である。
本実施形態では、自車の走行状態に応じてFF制御項による補正する場合の例である。
図11に、本実施形態の走行制御コントローラ5における追従走行の走行制御に関わる処理を示す。
上記各実施形態(図4、図6、図8)と同様であるが、ステップS22が追加されていると共に、ステップS95の処理が異なる。その異なる処理について次に説明する。
ステップS22では、運転操作子の作動状態を検出する。具体的には、ステップS22では、アクセルペダルの操作を検出する。
そして、ステップS95では、制御作動用スイッチ1の作動状態に基づき追従制御中に運転者がアクセル操作を行ったか否かを判定する。この条件を満足すると、FF制御作動フラグを「1」に設定する。
またステップS95では、FF制御作動フラグが「1」の場合には、運転者が減速度を感じない程度のブレーキ液圧指令値を算出して、そのブレーキ液圧指令値をvBR_COM_FFとして付加する補正を行う。運転者が減速度を感じない程度のブレーキ液圧指令値補正値は、固定値でも良い。運転者が減速度を感じない程度のブレーキ液圧指令値は、自車速に応じて変更しても良い。
(動作その他)
運転者がアクセル操作を行ったと判定した場合には、ある所定のブレーキ液圧指令値補正値を付加する。
これによって、運転者のアクセルオーバーライド中に、予め設定した小さな液圧指令値を出力させることで、先行車が減速した時に、自車の減速が必要だと判断したときのブレーキ液圧指令値の立ち上がりを早めることが可能となる。
(実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1及び第2実施形態と同様な効果に加えて次の効果を奏する。
(1)上記先行車の車両状態として、先行車の走行状態、先行車の検出状態の少なくとも一つの状態を検出する。
これによって先行車の車両状態を検出可能となる。
「第5実施形態」
次に、第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様である。
ここで、上記第1〜第4実施形態では、先行車の走行状態、検出状態、及び、自車の制御状態に応じてFF制御項としての制御指令値を補正する場合を例示した。
本実施形態では、制御指令値(制駆動力制御量)を直接に補正することに代えて若しくは併用して、先行車の加減速度に応じて、目標車速を求める際の応答特性を変更することで制駆動力制御量を補正する場合の例である。
図12に、本実施形態の走行制御コントローラ5における追従走行の走行制御に関わる処理を示す。
上記各実施形態(図4、図6、図8)と同様であるが、ステップS40の処理が異なると共に、ステップS95の処理が無い。その異なる処理について次に説明する。
ステップS40では、目標応答特性を算出する。ステップS40では、ステップS30で設定した目標車間距離Ltを実現するための応答特性として、目標車速Vtargetを算出する。先ず、第1目標車速Vrefを、先行車と自車両との間の車間相対値と目標車間相対値との偏差に基づき算出する。本実施形態では、車間相対値として、先行車と自車両との間の車間距離及び相対速度を使用する場合とする。すなわち本実施形態では、下記(3)式のように、目標車間距離と車間距離とのと車間距離偏差、目標相対速度vVTと相対速度の相対速度偏差、及び先行車速のそれぞれに対して、それぞれにゲインK1、K2、K3をかけた値を変数とする関数から、第1目標速度Vref求める。目標相対速度vVTは、例えばゼロとする。
Vref = f( K1×(vVR−vVT)、
K2×(Lt−vDistance)、
K3×vVR)・・・(3)
そして、上記第1目標車速Vrefに対して、下記(4)式に基づき、予め設定した伝達特性を持たせた目標車速Vtargetを算出する。ここで、上記(4)式では、伝達特性として1次遅れ系のフィルタを施す場合を例示している。
Figure 2012240531
このとき、目標応答特性算出部5Dが、上記(4)式で表される、応答特性を決定する伝達特性(1次遅れ系のフィルタ)のω1の値を、先行車の加減速度推定値に応じて変更する。
例えば、先行車の加減速度が大きいときは、先行車の加減速度が小さい場合に比べて、
目標値に早く収束させるようにw1の値を変更する。
ここで、目標車速に対する伝達特性を1次遅れ系のフィルタを例示したが、2次以上のフィルタによって応答特性を設定しても良い。
先行車の走行状態である加加速度に応じてω1の値を変更しても良い。
(動作その他)
先行車の加減速度に応じて、目標応答特性を変更する。これによって、先行車の加減速度が大きい場合に、より早く目標値に収束させることができる。
ここで、上記第1〜第5実施形態を適宜組み合わせて制駆動制御量を補正するようにしても良い。
また上記第1〜第4実施形態において、制動力制御量のうちの制動制御量を補正する場合を説明してきたが、駆動力制御量を補正するようにしても良い。
(実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態と同様な効果に加えて次の効果を奏する。
(1)走行制御コントローラ5は、目標車速の目標応答を変更することで上記制駆動力制御量を補正する。
これによって、制駆動力制御量を直接変更することなく制駆動力制御量を変更可能となる。
1 制御作動用スイッチ
2 車輪速センサ
3 外界認識装置
4A アクセル操作検出センサ
4B ブレーキ操作検出センサ
5 走行制御コントローラ
5A 制御状態設定部
5B 先行車検出状態判定部
5C 先行車車速・減速度推定部
5D 目標応答特性算出部
5E 目標車速算出部
5F 目標加減速度算出部
5G 車速指令値算出部
5H 車速サーボ演算部
5I トルク配分制御演算部
5J ドライバオーバーライド判断部
5K 制御指令値補正量算出部
5L エンジントルク演算部
5M ブレーキ液圧演算部
6 加減速制御装置
6A ブレーキコントローラ
6B エンジンコントローラ
10 ブレーキ装置
12 エンジン

Claims (11)

  1. 自車の走行状態を検出する走行状態検出部と、
    自車前方を走行する先行車を検出する先行車検出部と、
    上記先行車検出部が検出した先行車と自車との間の相対値である車間相対値を検出する車間相対値検出部と、
    先行車に対する目標とする車間相対値である目標車間相対値を算出する目標車間相対値算出部と、
    上記目標車間相対値算出部が算出する目標車間相対値と車間相対値検出部が検出する車間相対値に基づき自車の目標車速を算出する目標車速算出部と、
    目標車速算出部が算出する目標車速から自車の目標加減速度を算出する目標加減速度算出部と、
    目標加減速度算出部が算出する目標加減速度とする制駆動力制御量を算出する制駆動力制御量算出部と、
    上記制駆動力制御量算出部が算出した制駆動力制御量となるように自車の駆動装置及び制動装置を制御する制駆動力制御部と、
    自車の制御状態及び先行車の車両状態の少なくとも一方の状態に応じて、上記制駆動力制御量を補正する制御量補正部と、を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 上記車間相対値検出部は、車間相対値として、上記先行車との車間距離及び相対速度を検出し、上記目標車間相対値算出部は、目標車間相対値として、上記先行車との目標車間距離及び目標相対速度を算出し、
    上記制駆動力制御量算出部は、目標加減速度算出部が算出する目標加減速度から目標車速指令値を算出する車速指令値算出部、及び上記自車両の車速を車速指令値算出部が算出した目標車速指令値に一致させる制駆動力制御量を算出する制御量算出部を備えることを特徴とする請求項1に記載した車両用走行制御装置。
  3. 上記自車の制御状態は、自車の目標加減速度、運転者が運転指示のために操作する運転操作子の状態の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用走行制御装置。
  4. 上記運転操作子は、加速を指示する加速操作子であることを特徴とする請求項3に記載した車両用走行制御装置。
  5. 上記先行車の車両状態は、先行車の走行状態、先行車の検出状態の少なくとも一つの状態であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用走行制御装置。
  6. 上記先行車の走行状態は、先行車の車速、先行車の加減速度、先行車の加加速度の少なくとも一つの状態であることを特徴とする請求項5に記載した車両用走行制御装置。
  7. 上記先行車の検出状態は、自車の前に先行車となる他車が割り込んできたか否かの検出状態であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載した車両用走行制御装置。
  8. 上記先行車の検出状態は、自車が先行車に追いつくか否かの検出状態であることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載した車両用走行制御装置。
  9. 上記制駆動力制御量による制御の開始を指示する制御作動用スイッチを備え、
    上記先行車の検出状態は、制御作動用スイッチの状態が制御開始になったことを検出したときの先行車との車間相対値が目標車間距離よりも先行車に接近した状態を示しているか否かの検出状態であることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載した車両用走行制御装置。
  10. 上記制御量算出部は、目標車速の目標応答を変更することで上記制駆動力制御量を補正することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載した車両用走行制御装置。
  11. 自車前方を走行する先行車と自車との間の車間相対値と目標車間相対値との偏差に基づき自車の目標加減速度を算出し、その算出した目標加減速度に基づき求めた制駆動力制御量となるように自車の駆動装置及び制動装置を制御する際に、
    自車の制御状態もしくは先行車の車両状態に応じて求めた補正値に基づき、上記制駆動力制御量を補正することを特徴とする車両用走行制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015022423A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 日産自動車株式会社 車両用走行制御装置
JP2015067204A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 マツダ株式会社 追従走行制御装置
JP2017001671A (ja) * 2016-09-20 2017-01-05 トヨタ自動車株式会社 車両走行制御装置
JP2018103833A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 トヨタ自動車株式会社 車両走行制御装置

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