JP5507591B2 - 硬質地盤の掘削撹拌工法 - Google Patents

硬質地盤の掘削撹拌工法 Download PDF

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本発明は、硬質地盤層を有する地盤を固化改良する際、掘削撹拌抵抗を低減することで地盤改良を容易にする硬質地盤の掘削撹拌工法に関するものである。
砂礫地盤や硬質粘性地盤等の掘削攪拌抵抗の低減方法として、例えばセルロースエーテルのような水溶性の高分子の水溶液に空気を混合して得られる気泡を噴出し、撹拌部位の土砂と混合して流動化させながら掘削を行う方法が知られている(特開平8−85940号公報)。この方法は、施工対象となる地盤が砂礫地盤などの掘削土砂の流動性が低下し易い地盤や、硬質粘性土等の掘削土砂が撹拌翼に付着し易い地盤であっても、掘削土砂の流動性を容易にすると共に、掘削土砂の撹拌翼への付着を防止して作業効率の改善を図り、経済的かつ迅速に地中に円柱状の硬化体を造成することを可能とするものである。
特開平8−85940号公報
しかしながら、特開平8−85940号公報に記載の工法は、貫入時の気泡残存により改良体の強度低下や湿潤密度低下を招くという問題がある。この問題を解決する方法として、引き抜き時、セメントスラリーに消泡剤を添加して気泡を消滅させる方法があるが、施工コストを増大させるという問題がある。
従って、本発明の目的は、硬質地盤層を有する地盤を固化改良する際、消泡剤を使用せず、掘削撹拌抵抗を低減することにより施工コストを抑え、かつ迅速に固化杭を造成する掘削撹拌工法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、公知の種々の界面活性剤や流動化剤の中でもポリアクリル酸ソーダ又はポリアクルアミドの水溶液が、硬質地盤層を掘削する際、掘削撹拌抵抗を低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、回転軸の下部に設けた攪拌翼の回転域の地盤中に、回転軸の所定の位置に付設された第1吐出管口から固化材を吐出させ、原位置土と攪拌混合して固化処理杭を造成する方法であって、該対象地盤は硬質地盤層を有し、該撹拌翼が該硬質地盤層に到達すると負荷トルクが定格トルクを超えるオーガモータを備える掘削撹拌装置を使用し、該撹拌翼が該硬質地盤層に到達し、負荷トルクが定格トルクを超える値を検知して、該第1吐出管又は該第1吐出管とは別途の経路の第2吐出管口から掘削撹拌抵抗低減剤であるポリアクリル酸ソーダ又はポリアクルアミドの水溶液を吐出することを特徴とする掘削撹拌工法を提供するものである。
本発明によれば、硬質地盤層を有する地盤を固化改良する際、硬質地盤層の掘削において、特定の掘削撹拌抵抗低減剤を吐出するため、掘削撹拌抵抗を顕著に低減できる。これにより、使用するオーガモータ能力では、これまで施工できなかった硬質地盤の施工が可能となる。また、消泡剤を使用しないため、コストを抑制できる。
本発明の実施の形態における掘削撹拌工法を説明する図である。 本例の掘削撹拌工法で使用する掘削撹拌装置の先端部の概略図である。
本発明の実施の形態における掘削撹拌工法を図1及び図2を参照して説明する。図1中、符号91は硬質地盤層を示し、多数の小ドット「●」は撹拌された現地盤土を意味し、多数の小ドット「▲」は掘削撹拌抵抗低減剤と現地盤土の撹拌混合土を意味し、ハッチングは固化処理杭を意味する。
本例の掘削撹拌工法で使用される機械式掘削攪拌装置は、例えば、図2に示すような従来のものが使用でき、その掘削撹拌工法は、掘削攪拌装置10の回転軸1の下方部に放射状に設けた1以上の攪拌翼2の回転域の地盤中に、回転軸1の所定の位置に付設された第1吐出管3の管口から固化材を吐出させ、原位置土と攪拌混合して固化処理杭を造成する一方、硬質地盤層91において、第1吐出管3の管口又は第1吐出管3とは別途の経路の第2吐出管4の管口から掘削撹拌抵抗低減剤(以下、「低減剤」とも言う。)の水溶液を吐出して、硬質地盤層91を掘削する掘削抵抗を低減するものである。
具体的には、回転軸1は、施工設備の回転駆動機7に昇降自在、且つ回転自在に吊り下げられ、丸パイプ状をなし、パイプ内には固化材が流通する通路及び低減剤が流通するが通路がそれぞれ通されている(不図示)。なお、低減剤流通通路や第2吐出管4の設置を省略して、固化材流通通路及び第1吐出管3を低減剤が流通する流路として兼用してもよい。
回転軸1の下部には複数の攪拌翼2が設けられ、それらのひとつの攪拌翼2bにおける回転方向の裏側の付け根部分の回転軸1の外周に第1吐出管3と第2吐出管4がそれぞれ設けられている。この第1吐出管3は一端が固化材吐出管口で、他端は回転軸1の中を通る通路に接続し、この通路は地上の固化材供給設備に接続しており、第2吐出管4は一端が低減剤吐出管口で、他端は回転軸1の中を通る通路に接続し、この通路は地上の低減剤供給設備に接続している(不図示)。また、掘削攪拌装置10は、回転軸を駆動するオーガモータの負荷トルクを検出するトルク検知器を備える。
第2吐出管4の設置位置は、上記位置に限定されず、複数の攪拌翼2間における回転軸1のいずれの位置であってもよい。また、回転軸1は丸パイプ以外に、例えば、角パイプ状であってもよい。掘削攪拌装置10は回転駆動機7に接続される回転軸が1本の単軸型であっても、図1に示すような回転軸が2本の2軸型であってもよいし、3本以上の多軸型であってもよい。
本発明において、地盤とは、硬質地盤層を有する地盤を言う。このような地盤としては、施工域全体が硬質の地盤、深さ方向の途中に層状の硬質層が存在する地盤及び深度深くにあり固化処理杭が根切りされる着底硬質層を有する地盤が挙げられる。なお、地盤中の硬質地盤層の有無、位置及び土質等については、事前のボーリングや土質調査により知ることができる。また、掘削攪拌装置10の側からも硬質地盤を定義できる。すなわち、回転軸を駆動するオーガモータの負荷トルクが定格トルクを超える値を示す地盤を硬質地盤としてもよい。ここに負荷トルクとは、回転軸を動かすのに必要なトルクを言い、負荷トルクは一定とは限らず、掘削攪拌抵抗により変動する。また、定格トルクとは、モータが定格電圧及び定格周波数で、定格出力を連続的に出すときのトルクを言い、通常、施工機械の仕様プレートに表示されるものである。
施工域全体が硬質地盤の場合、貫入当初から低減剤が吐出される。また、硬質層が深さ方向の途中に層状で存在する地盤や着底硬質地盤の場合、当該硬質部分に撹拌翼が到達した際に低減剤が吐出される。なお、硬質地盤層以外の地盤に撹拌翼が位置する場合には、低減剤の吐出を停止することが、コスト節減の観点から好ましい。また、硬質地盤層の存在の判断は、掘削攪拌装置10に設置されたトルク検知器により判断してもよい。すなわち、回転軸を駆動するオーガモータの負荷トルクが、定格トルクを超えた場合、硬質地盤層と判断してもよい。
硬質地盤は、粘性土地盤と砂礫質土地盤に区別できる。土の分類は粒度試験の結果から得られた試料土の礫分、砂分、細粒分の含有割合から分類でき、0.075mm未満が粘土、シルトからなる細粒分(粘性土)であり、0.075〜2mmが砂分であり、2〜75mmが礫分である(例えば地盤工学会)。従って、粘性土地盤の一例としては、粒径0.075mm未満であって、標準貫入試験N値が10を超えるものであり、又は粘着力Cが100kN/m以上が挙げられる。また、砂礫質土地盤の一例としては、粒径0.075mm以上であって、標準貫入試験N値が35を超えるものが挙げられる。
固化材としては、特に制限されず、粉粒状の地盤改良材やセメントミルクが挙げられる。粉粒状の地盤改良材は、空気と共に吐出される。低減剤は、ポリアクリル酸ソーダ又はポリアクルアミドであり、共に水溶液として使用する。ポリアクリル酸ソーダの分子量は5,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜50,000である。ポリアクリル酸ソーダは、硬質地盤層91が粘性土の場合、掘削撹拌抵抗低減効果がより顕著に表われる。ポリアクリル酸ソーダの使用量は、セメント比で0.1〜10%、原地盤土1mに対して0.15〜15kgであり、好ましくはセメント比で0.1〜5%、原地盤土1mに対して0.15〜7.5kgである。ポリアクルアミドの分子量は、100万以上、好ましくは200万〜1000万である。ポリアクリルアミドは、硬質地盤層91が砂礫質土の場合、掘削撹拌抵抗低減効果がより顕著に表われる。ポリアクリルアミドの使用量は、セメント比で0.1〜10%、原地盤土1mに対して0.15〜15kgであり、好ましくはセメント比で0.1〜1%、原地盤土1mに対して0.15〜1.5kgである。ポリアクリル酸ソーダ又はポリアクルアミドは、これを併用してもよい。
硬質地盤の掘削に際し、ポリアクリル酸ソーダ及びポリアクルアミドの水溶液の添加が、掘削撹拌抵抗を低減する作用については、次のように推察される。ポリアクリル酸ソーダは、親水基と疎水基を持っており、親水基が陰イオンの性質を持っている。一方、粘土粒子は負の電荷を持っている。このため、粘性粒子にポリアクリル酸ソーダの水溶液が添加されると、疎水基が土粒子にくっつく。このため、陰イオンを持った親水基が外側に配向して水を吸着し、土粒子の周りに負の電気的性質が現われる。負の電気的性質を持った土粒子が近づくと、電気的反発が起こるため、流動性が増し、掘削撹拌抵抗を低減するものと思われる。一方、ポリアクルアミドは、水を含むと糊的作用が発現する。このため、砂礫土においては、このべたつきが粒子間に作用し、掘削撹拌抵抗を低減するものと思われる。
固化材と低減剤は、第1吐出管を併用してもよく、第1吐出管と第2吐出管を使用し、それぞれ別経路で供給してもよい。第1吐出管を併用する場合、供給する時期を違えて固化材は固化材の単独供給とし、低減剤は低減剤の単独供給としてもよい。また、固化材と低減剤を混合して第1吐出管から供給してもよい。
本例の掘削撹拌工法において、貫入工程において低減剤を吐出し、引き抜き工程において固化材を吐出する方法又は貫入工程において固化材及び低減剤を吐出する方法が挙げられる。貫入工程において低減剤を吐出した際、引き抜き工程においては、粉粒状(粉体)の固化材を使用すると、固化処理杭造成において、低減剤由来の水を利用することができ、排泥を少なくすることができる。また、引き抜き工程において、攪拌抵抗が大きい場合等、低減剤を吐出してもよい。
次に、固化処理杭を造成する掘削撹拌工法の一例について説明する。先ず、回転駆動機により回転軸1を正転方向に回転させながら地盤9をほぐしつつ貫入させる(貫入工程)。この時の負荷トルクは定格トルクを下回っており、硬質地盤91の手前の地盤92の掘削においては、固化材も低減剤も吐出しない(図1(A))。撹拌翼2が硬質地盤層91に到達すると、負荷トルクが定格トルクを超えるため、第2吐出管4から低減剤を吐出する。これにより、負荷トルクは、定格トルクを下回り、硬質地盤層91における掘削撹拌抵抗が低減し、掘削が容易となる。硬質地盤層91の掘削の開始から終了まで、第2吐出管4から低減剤は吐出される。これにより、そして、当該硬質地盤層91における掘削領域は、原位置土と低減剤との混合物となる(図1(B))。硬質地盤層91の掘削が終了すると、負荷トルクが定格トルクを下回るため、低減剤の吐出は停止させる。なお、低減剤の吐出は停止させても、回転軸1を回転させながらの貫入は継続する。撹拌翼2が所定深度に到達して、貫入工程は終了する。これにより、固化処理杭が造成される領域の地盤はほぐされる。貫入工程終了後、回転軸1を正転方向又は逆転方向に回転させながら地盤中を引き抜く(引き抜き工程)。その際、第1吐出管3から固化材を吐出することで、固化材と原位置土を撹拌混合させる(図1(C))。回転軸1を引き抜く際、硬質地盤層91において、攪拌抵抗が大きい場合、第1吐出管4から低減剤を吐出させてもよい。そして、引き続き、回転軸1を正転方向又は逆転方向に回転させながら地盤中を引き抜いて、固化処理杭の造成を終了する(図1(D))。
(実験例)
次に、実験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。図2に示すように、掘削撹拌装置10は、符号Xで示される領域において撹拌抵抗が生じ、符号Yで示される領域において先端抵抗が生じる。そこで、「撹拌抵抗」と「先端抵抗」とに分けて実験した。また、硬質地盤についても、粘性土地盤と砂礫質土地盤とに分けて試験土を作製し、各試験土について、低減剤を添加し、下記の撹拌抵抗試験及び先端抵抗試験を行った。撹拌抵抗試験における粘性土(陶土)に係る結果を表1及び表2に、砂礫質土(珪砂)に係る結果を表3及び表4に示し、先端抵抗試験における粘性土(陶土)に係る結果を表5及び6に、砂礫質土(珪砂)に係る結果を表7及び8に示す。
<撹拌抵抗>
A ベーンせん断試験
規格BS1377(室内式)のベーンせん断試験方法に準拠したものである。回転速度10度/分において回転トルクの計測を行った。その後、回転トルク値をベーンせん断応力(Pa)に変換した。変換方法は、「地盤調査の方法と解説」(2004年発行、第312頁、第26行;地盤工学会)により求めた。
B テクスチャー試験
食品業界において、貫入抵抗や付着性を求める目的で使用されているテクスチャー試験装置を使用した。試験方法としては、直径φ80mm、高さ30mmの容器に試料を充填し、テクスチャー装置にセットする。その後、テクスチャー試験器を作動させ測定用ロッドを貫入速度2.5mm/minにて試料に15mm貫入し、その後引き抜きを行う。その動作を5回繰り返し行い、流動性の指標である貫入応力値(Pa)を求めた。なお、貫入応力値(Pa)はテクスチャー試験における最大荷重(ha)と同義である。
<試験土の作製(1)>
粘性土の模擬土として下記陶土を使用し、該陶土に対して、下記の低減剤A〜Dを添加割合0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%、5.0重量%及び10.0重量%(内割)で配合し、撹拌混合して試験土を作製した。なお、水は、模擬土の1.5重量倍配合した。なお、試験土1Aは低減剤Aを添加したもの、試験土1Bは低減剤Bを添加したもの、試験土1Cは低減剤Cを添加したもの、試験土1Dは低減剤Dを添加したものである。
陶土(C50);粘土とシルトの混合物、粒径0.001〜0.075mm、通過質量50%における粒径0.003mm、平均湿潤密度1.937g/cm、平均含水比26.8%、平均一軸圧縮試験強度341.2N/m、推定N値27。なお、推定N値とは、Terzaghi and Peckの関係式によるものである。
<試験土の作製(2)>
砂礫土の模擬土として下記珪砂を使用し、該珪砂に対して、下記の低減剤A〜Cを添加割合0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%、5.0重量%及び10.0重量%(内割)で配合し、撹拌混合して試験土を作製した。なお、水は、模擬土の1.5重量倍配合した。また、試験土2Eは低減剤Eを添加したもの、試験土2Fは低減剤Fを添加したもの、試験土2Gは低減剤Gを添加したもの、試験土2Hは低減剤Hを添加したものである。
珪砂;珪砂1号、3号及び5号の等量ブレンド品を、粒径0.2mm〜5mm、通過質量50%における粒径2mm、推定N値40以上となるように、試料をモールドに3層に分けて充填した。なお、模擬土の推定N値とは、モールドに詰めた砂礫土の相対密度より推定した。
低減剤A;ポリアクリル酸ソーダ(「シントールB」、ハイモ社製)
低減剤B;非イオン系界面活性剤(「シントールA」、ハイモ社製)
低減剤C;アニオン系界面活性剤(「スミシールドA」、(住友大阪セメント社製)
低減剤D;オキシカルボン酸塩(「ポゾリスNo.89」、BASFポゾリス社製)
低減剤E; ポリアクリルアミド(「L1」、ハイモ社製)
低減剤F;天然繊維(セルロース)
低減剤G;石炭焼却灰(フライアッシュ)
低減剤H;モンモリナイト系鉱物(ベントナイト)
Figure 0005507591
Figure 0005507591
Figure 0005507591
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<先端抵抗>
D 模擬実機試験(1)
掘削撹拌装置を模擬した試験装置を使用し、表5に示す試験仕様下、撹拌翼からセメントスラリー及び低減剤A〜C(水溶液)を吐出しながら、上記模擬硬質地盤(陶土)に対して掘削撹拌し、このときのモータの電流値(負荷)を測定した。その結果を表6に示す。表中、電流値(A)は、無負荷電流値を差し引いたものであり、低減剤A〜Cの添加量はセメント量150kg/mに対して、添加割合0.25重量%、0.5重量%、1.0重量%、5.0重量%(内割)であり、無添加は低減剤が無添加であることを意味する。なお、低減剤A〜Cはそれぞれベントナイトをセメント比率で0.5重量%添加した。ベントナイトを添加した理由は、ベントナイトがないと、下記の条件では、昇降速度が遅く、スラリー吐出量が微量となり、セメント粒子と低減剤が分離沈降して正常に吐出できなかったため、分離沈降対策として、ベントナイトを添加したものである。
Figure 0005507591
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E 模擬実機試験(2)
掘削撹拌装置を模擬した試験装置を使用し、表7に示す試験仕様下、撹拌翼からセメントスラリー及び低減剤B、C、E、F及びH(水溶液)を吐出しながら、上記模擬硬質地盤(珪砂)に対して掘削撹拌し、このときのモーターの電流値(負荷)を測定した。その結果を表8に示す。表中、電流値(A)は、無負荷電流値を差し引いたものであり、低減剤B、C、E、F及びHの添加量はセメント量150kg/mに対して、添加割合0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%、3.0重量%(内割)であり、無添加は低減剤が無添加であることを意味する。
Figure 0005507591
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<一軸圧縮強さ>
上記各試験において、総合的に優れた結果を示した低減剤A及びEについて、該低減剤の添加による固化処理杭の強度変化を確認するため、一軸圧縮試験を行った。すなわち、上記模擬硬質地盤(陶土)に低減剤Aを0.5重量%、1.0重量%及び5.0重量%添加し、1、2、3、5、7及び28日材令における一軸圧縮強さを求めた。その結果を表9に示した。また、上記模擬硬質地盤(珪砂)に低減剤Eを0.5重量%、1.0重量%及び3.0重量%添加し、7及び28日材令における一軸圧縮強さを求めた。その結果を表10に示した。
Figure 0005507591
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陶土(粘性土)に対する撹拌抵抗に関して、ポリアクリル酸ソーダ(シントールB)が、ベーンせん断応力値及び貫入応力値において、顕著に優れた結果を示した。陶土(粘性土)に対する先端抵抗に関して、同様に、ポリアクリル酸ソーダが、低電流値(低負荷)であり、顕著に優れた結果を示した。また、当該陶土にポリアクリル酸ソーダを添加しても、一軸圧縮強さは無添加の場合とほぼ同様であり、悪影響はなかった。
珪砂(砂礫質土)に対する撹拌抵抗に関して、ポリアクリルアミド(L1)が、ベーンせん断応力値、フロー値及び貫入応力値において、顕著に優れた結果を示した。また、当該珪砂にポリアクリルアミドを添加しても、一軸圧縮強さは無添加の場合とほぼ同様であり、悪影響はなかった。
本発明によれば、硬質地盤層を有する地盤を固化改良する際、掘削撹拌抵抗を顕著に低減できる。これにより、同じ地盤であれば、従来の機械設備よりも、掘削能力の小さな機械設備での施工が可能となり、コストダウンが図れる。例えば硬い粘土のような撹拌の難しい地盤においても、流動性が向上し撹拌効率が向上するため、強度のバラツキが少ない固化処理杭を造成することができる。掘削撹拌抵抗低減剤の添加による固化処理杭の強度発現への影響が少なく、高品質な固化処理杭を造成することができる。
1 回転軸
2、2a、2b 撹拌翼
3 第1吐出口
4 第2吐出口
5 振れ止め防止板
7 回転駆動機
9 地盤
91 硬質地盤層
92、93 硬質地盤層以外の地盤
10 掘削撹拌装置
11 掘削地盤
12 固化処理杭
21 掘削刃

Claims (6)

  1. 回転軸の下部に設けた攪拌翼の回転域の地盤中に、回転軸の所定の位置に付設された第1吐出管口から固化材を吐出させ、原位置土と攪拌混合して固化処理杭を造成する方法であって、該対象地盤は硬質地盤層を有し、該撹拌翼が該硬質地盤層に到達すると負荷トルクが定格トルクを超えるオーガモータを備える掘削撹拌装置を使用し、該撹拌翼が該硬質地盤層に到達し、負荷トルクが定格トルクを超える値を検知して、該第1吐出管又は該第1吐出管とは別途の経路の第2吐出管口から掘削撹拌抵抗低減剤であるポリアクリル酸ソーダ又はポリアクルアミドの水溶液を吐出することを特徴とする掘削撹拌工法。
  2. 該硬質地盤層が粘性土硬質地盤層であり、該掘削撹拌抵抗低減剤がポリアクリル酸ソーダの水溶液であることを特徴とする請求項1記載の掘削撹拌工法。
  3. 該硬質地盤層が砂礫質土硬質地盤層であり、該掘削撹拌抵抗低減剤がポリアクルアミドの水溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の掘削撹拌工法。
  4. 貫入工程において掘削撹拌抵抗低減剤を吐出し、引き抜き工程において固化材を吐出することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の掘削撹拌工法。
  5. 貫入工程において、固化材及び掘削撹拌抵抗低減剤を吐出することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の掘削撹拌工法。
  6. 粉体状の固化材を吐出することを特徴とする請求項記載の掘削撹拌工法。
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