図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2、図3に示すように、遊技盤4の遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10(始動領域)、開閉式の第2始動口11a(可変始動領域)を有する始動口装置11、1対のゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が通過可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、1対のゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、1対のゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。第2始動口11aは、遊技球が入賞不可能な閉状態(通過し難い第1状態)と入賞可能な開状態(通過し易い第2状態)とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。大入賞口13aは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1 個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16及び可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は、そのセンタ枠体15aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、そのセンタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
画像表示器16は、画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示器16には、主に、大当り抽選等に基づいて選択された遊技演出の演出画像(動画)が表示される。可動役物装置17は、大当り抽選等に基づいて特定の遊技演出が選択された場合に作動して、可動役物17aを画像表示器4の画面前側において遊技盤4の盤面と平行な方向へ移動させる。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。第1,第2特図表示器19a,19bが図柄表示手段に相当する。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、1対のゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板22からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号を受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板22に制御情報を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出ボタンSW6からの信号を受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16、スピーカ27を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の枠ランプ28a、盤ランプ28b、可動役物装置17を制御する。
図4に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の複数手段30〜37,40〜47,50が構成されている。
特図カウンタ手段30は、16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り判定値(大当りカウンタ値)を、設定範囲(0〜65535)内で微小時間(0.1μs)毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である特図判定値(特図カウンタ値)を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。
特図取得手段31は、第1特図保留数が4未満のときに遊技球が第1始動口10に入賞した場合、その遊技球入賞時に特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値と特図判定値を取得し、これら両判定値がペアで第1特図判定用情報となる。また、第2特図保留数が4未満のときに遊技球が第2始動口11aに入賞した場合、その遊技球入賞時に特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値と特図判定値を取得し、これら両判定値がペアで第2特図判定用情報となる。この特図取得手段31により取得された特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶(格納)される。
特図保留消化手段33は、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定用情報を、特図表示器19a,19bでの特別図柄の変動開始毎に1ずつ特図判定手段34による判定に供して特図保留記憶手段32から消化(消去)する。但し、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の両方が記憶されている場合、第2特図判定用情報を第1特図判定用情報よりも優先して消化し、特図保留記憶手段32に複数の第1特図判定用情報又は複数の第2特図判定用情報が記憶されている場合、それら複数の第1特図判定用情報又は複数の第2特図判定用情報を夫々特図保留記憶手段32に記憶された順序で消化する。
特図判定手段34(判定手段)は、第1始動口10又は第2始動口11aを遊技球が通過することにより、特図取得手段31により取得された(特図保留記憶手段32に記憶された)特図判定用情報に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定し、特別遊技を行うと判定した場合には、当該特別遊技実行中に開閉される大入賞口13aの開閉パターン、及び当該特別遊技終了後に設定される遊技状態を判定する。
具体的に、先ず、特図保留消化手段33により消化される特図判定用情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を行うか否か、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を行うか否か判定する。この場合、図5に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定する。
低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/320の割合で大当り特定値(3,247・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を行うと判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値(3,7・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を行うと判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れを用いる場合でも、大当り判定値が約3/320 の割合で小当り特定値(4,44・・・)の何れかと一致する場合に、小当り遊技を行うと判定する。
大当り遊技を行うと判定した場合には、次に、その大当り判定値とペアの特図判定値に基づいて、複数種類の大当り図柄(図6に示す8種類の大当り図柄A〜H)の何れか1つを選択する。ここで、その特図判定値が第1特図判定用情報である場合、図6に示す第1図柄選択テーブルを用いて図柄選択を行い、第2特図判定用情報である場合、図6に示す第2図柄選択テーブルを用いて図柄選択を行う。選択された大当り図柄の種類によって、当該特別遊技実行中に開閉される大入賞口13aの開閉パターン、及び当該大当り遊技終了後に設定される遊技状態の種類が決定される。
特図表示制御手段35(図柄表示制御手段)は、遊技球が始動口10,11aを通過することを契機に、特図判定手段34による判定結果に基づいて、特図表示器19a,19bに、特別図柄(図柄)を変動表示させた後に、前記判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。この特図表示制御手段35において、第1図柄表示制御手段35aが、第1始動口10を遊技球が通過することにより第1特図表示器19aに第1特別図柄を変動表示させ、第2図柄表示制御手段35bが、第2始動口11aを遊技球が通過することにより第2特図表示器19bに第2特別図柄を変動表示させる。
特図判定手段34により大当り遊技を行と判定された場合、特図表示器19a,19bに、選択された大当り図柄A〜Hの何れか1つが停止表示され、小当り遊技を行うと判定された場合、小当り図柄が停止表示され、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定された場合、ハズレ図柄が停止表示される。
特別遊技実行手段36は、特図判定手段34により特別遊技を行と判定された場合、特図表示器19a,19bに判定図柄(大当り図柄、小当り図柄)が停止表示された後に、大入賞口13aを開閉させる遊技者にとって有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行う。図7に示すように、大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パター(有利度合の異なる複数の大当り遊技)は、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄D,E,G,Hに対応する開閉パターンと同様に設定される。
具体的に、16R(ラウンド)長期開放では、大入賞口13aが16Rに亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口13aを閉塞して終了する。8R長期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8R短期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、例えば0.1秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
確率状態制御手段37は、特図判定手段34により特別遊技(大当り遊技)を行うと判定される大当り確率が図5に示す低確テーブルを用いて所定の低確率(約1/320)に設定される低確率遊技状態、又は図5に示す高確テーブルを用いて所定の低確率よりも高確率(約10/320)に設定される高確率遊技状態で遊技を制御する。
一方、普図カウンタ手段40は、8ビット構成のソフト乱数である当り判定値(当りカウンタ値)を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms )毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である普図判定値(普図カウンタ値)を、設定範囲(0〜9)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。
普図取得手段41は、普図保留数が4未満のときに遊技球がゲート12を通過した場合、その遊技球通過時に普図カウンタ手段40により更新された当り判定値と普図判定値を取得し、これら両判定値がペアで普図判定用情報となる。この普図取得手段41により取得された普図判定用情報が普図保留記憶手段42に記憶(格納)される。
普図保留消化手段43は、普図保留記憶手段42に記憶されている普図判定用情報を普図表示器19cでの普通図柄の変動開始毎に1ずつ普図判定手段44による判定に供して普図保留記憶手段42から消化(消去)する。但し、普図保留記憶手段42に複数の普図判定用情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定用情報を普図保留記憶手段42に記憶された順序で消化する。
普図判定手段44は、ゲート12を遊技球が通過することにより、普図取得手段41により取得された(普図保留記憶手段42に記憶された)普図判定用情報に基づいて、補助遊技を行うか否か判定する。
具体的に、普図保留消化手段43により消化される普図判定用情報の当り判定値に基づいて、補助遊技を行うか否か判定する。補助遊技を行うと判定した場合には、次に、その当り判定値とペアの普図判定値に基づいて、複数種類の当り図柄(図9に示す2種類の当り図柄a,b)の何れか1つを選択する。ここで、図9に示す選択率で図柄選択を行う。
普図表示制御手段45は、遊技球がゲート12を通過することを契機に、普図判定手段44による判定結果に基づいて、普図表示器19cに、普通図柄を変動表示させた後に、前記判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。補助遊技を行うと判定された場合には、普図表示器19cに、選択された当り図柄a,bの何れかが停止表示され、補助遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。
補助遊技実行手段46は、普図判定手段44により補助遊技を行と判定された場合、普図表示器19cに判定図柄(当り図柄)が停止表示された後に、第2始動口11aを開閉させる補助遊技を行う。図8、図9に示すように、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンは、当り図柄の種類、及び補助遊技作動モードの種類に応じて図示のように設定される。
補助遊技設定手段47は、図8に示すように、補助遊技作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モードと、第2始動口11aを開状態に作動させ易い高作動モードの何れかを設定する。
具体的に、低作動モードでは、普図判定手段44により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示器19cでの普通図柄の普図変動時間が12秒、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンが0.1 秒×1回又は0.1秒×1回+5.6秒×1回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10 、普図変動時間が0.5秒、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンが1.0秒×6回又は2.0秒×3回に設定される。尚、5.7秒(=0.1 秒×1回+5.6秒×1回)、6.0秒(=1.0秒×6回又は2.0秒×3回)が所定時間に相当する。
遊技状態制御手段50は、複数種類の遊技状態(図10に示す4種類(5種類)の通常遊技状態(通常A/通常B遊技状態)、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)の何れか1つを設定し、その設定された遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。
図10に示すように、通常遊技状態では、大当り確率が低確率(約1/320)に設定され且つ補助遊技作動モードが低作動モードに設定され、時短遊技状態では、大当り確率が低確率に設定され且つ補助遊技作動モードが高作動モードに設定される。また、潜確遊技状態では、大当り確率が高確率(約10/320)に設定され且つ補助遊技作動モードが低作動モードに設定され、確変遊技状態では、大当り確率が高確率に設定され且つ補助遊技作動モードが高作動モードに設定される。
遊技状態制御手段50は、特別遊技実行手段36により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図7に示すように設定変更する。即ち、特図表示器19a,19bに大当り図柄A〜Cの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、16R長期開放又は8R長期開放となる当該大当り遊技終了時から確変遊技状態が設定され、大当り図柄A,Bの停止時には、特図表示器19a,19bでの特別図柄の特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させ、大当り図柄Cの停止時には、先ず、特図変動回数が50回に達すると、潜確遊技状態へ移行させ、更に、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。
特図表示器19a,19bに大当り図柄Dが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から確変遊技状態が設定され、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。特図表示器19a,19bに大当り図柄Eが停止表示されて、所謂「潜確大当り」になった場合、8 R短期開放となる当該大当り遊技終了時から潜確遊技状態(又は確変遊技状態)が設定され、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。
特図表示器19a,19bに大当り図柄Fが停止表示されて、所謂「通常大当り」になった場合、8 R長期開放となる当該大当り遊技終了時から時短遊技状態が設定され、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行させる。特図表示器19a,19bに大当り図柄G,Hの何れかが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、大当り図柄Gの停止時には、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から時短遊技状態が設定され、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行させ、大当り図柄Hの停止時には、8R短期開放となる当該大当り遊技終了時から通常遊技状態が設定される。尚、特図表示器19a,19bに小当り図柄が停止表示されて、所謂「小当り」になった場合には、遊技状態は設定変更されない。
ここで、通常遊技状態と潜確遊技状態が、補助遊技実行手段46により第2始動口11bを所定時間(5.7秒)開状態に作動させる補助遊技を行い難い、つまり補助遊技作動モードとして低作動モードが設定される非特定遊技状態に相当し、時短遊技状態と確変遊技状態が、補助遊技実行手段46により第2始動口11bを所定時間(6.0秒)開状態に作動させる補助遊技を行い易い、つまり補助遊技作動モードとして高作動モードが設定される特定遊技状態に相当し、遊技状態制御手段50は、この非特定遊技状態又は特定遊技状態で遊技を制御可能である。
また、特図表示器19a,19bに大当り図柄Eが停止表示されて「潜確大当り」になった場合に、8 R短期開放にて行われる特別遊技が第1特別遊技に相当し、特図表示器19a,19bに小当り図柄が停止表示されて「小当り」になった場合に、8R短期開放にて行われる特別遊技が第2特別遊技に相当し、特別遊技実行手段36は、この第1特別遊技又は第2特別遊技を行うことが可能である。
そして、遊技状態制御手段50により非特定遊技状態で遊技が制御され且つ大当り確率が低確率の低確率遊技状態で遊技を制御しているときに、つまり通常遊技状態が設定されているときに、確率状態制御手段37において、高確率遊技状態制御手段37aが、「潜確大当り」になって特別遊技実行手段36により第1特別遊技が行われた場合、当該第1特別遊技の終了後に、潜確遊技状態において大当り確率が高確率の高確率遊技状態で遊技を制御し、低確率遊技状態制御手段37bが、「小当り」になって特別遊技実行手段36により第2特別遊技が行われた場合、当該第2特別遊技の終了後に、通常遊技状態において大当り確率が低確率の低確率遊技状態で遊技を制御する。
遊技状態制御手段50においては、非特定遊技状態制御手段50a(第2非特定遊技状態制御手段)が、通常遊技状態において「潜確大当り」又は「小当り」になって、当該第1特別遊技又は第2特別遊技の終了後に、潜確遊技状態又は通常遊技状態において、高確率遊技状態制御手段37a又は低確率遊技状態制御手段37bにより遊技が制御されているときに、非特定遊技状態で遊技を制御する。
さて、第1図柄表示制御手段35aにおいて、図柄変動時間決定手段35a1が、異なる複数の図柄変動時間(図11(1)に示す図柄変動時間1,2,3・・・)から1の図柄変動時間を選択して決定し、図柄変動制御手段35a2が、図柄変動時間決定手段35a1により決定された図柄変動時間、第1特図表示器19aに第1特別図柄を変動表示させた後に判定図柄を停止表示させる。
同様に、第2図柄表示制御手段35bにおいて、図柄変動時間決定手段35b1が、異なる複数の図柄変動時間(図11(1)に示す図柄変動時間1,2,3・・・)から1の図柄変動時間を選択して決定し、図柄変動制御手段35b2が、図柄変動時間決定手段35b1により決定された図柄変動時間、第2特図表示器19bに第2特別図柄を変動表示させた後に判定図柄を停止表示させる。
特図表示制御手段35においては、図12に示すように、複数種類の特図制御モード(4種類の通常特図制御モード、時短特図制御モード、確変特図制御モード、特殊特図制御モード)の中の何れか1つが、現在設定されている遊技状態に応じて択一的に選択設定される。特に、特殊特図制御モードは、「小当り」による特別遊技終了後に通常B遊技状態が設定されているときに(特図変動回数が所定回数(50回)に達するまで)、或いは、「潜確大当り」による特別遊技終了後に潜確遊技状態が設定されているときに(特図変動回数が所定回数(50回又は10000回)に達するまで)設定される。
そして、図柄変動時間決定手段35a1,35b1は、設定されている特図制御モード(遊技状態)、特図判定手段34による判定結果、第1,第2特図保留数、等に基づいて、図柄変動時間を決定(設定)する。
図11(2)には、特図判定手段34により特別遊技を行わないと判定され、更に、所謂リーチ演出を行わないと判定される場合、図柄変動時間決定手段35a1,35b1が夫々設定するハズレ変動時間の具体例を示している。
通常特図制御モードが設定されているとき、第1,第2特別図柄の変動時間については、夫々、第1,第2特図保留数が1以下の場合には、通常ハズレ変動時間(10秒、12秒、13秒の何れか)が設定され、第1,第2特図保留数が2以上の場合には、短縮変動時間(4 秒、6秒の何れか)が設定される。
時短特図制御モード、確変特図制御モードが設定されているとき、第1特別図柄の変動時間については、第1特図保留数に関わらず、延長ハズレ変動時間(20秒)が設定され、また、第2特別図柄の変動時間については、第2特図保留数が0 の場合には、延長ハズレ変動時間(20秒)が選択され、第2特図保留数が1 以上の場合には、短縮ハズレ変動時間(4秒、6秒の何れか)が設定される。
特殊特図制御モードが設定されているとき、第1,第2特別図柄の変動時間については、夫々、第1,第2特図保留数に関わらず、特殊ハズレ変動時間(15秒、17秒、19秒の何れか)が設定される。但し、特殊特図制御モードが設定されているとき、第2特別図柄の変動時間が、第1特別図柄の変動時間よりも長くなるように設定されてもよい。
このように、第2特図表示制御手段35bの図柄変動時間決定手段35b1は、潜確遊技状態又は通常遊技状態において、特殊特図制御モードが設定され、非特定遊技状態制御手段50aにより遊技が制御されているときは、所定の図柄変動時間としての通常ハズレ変動時間(10秒、12秒、14秒)よりも長い図柄変動時間としての特殊変動時間(15秒、17 秒、19秒)を選択して決定する。
尚、特図判定手段34により特別遊技を行うと判定される場合、或いは特別遊技を行わないと判定されるが大当り期待度が比較的高い場合には、図柄変動時間決定手段35a1,35b1は、夫々、第1,第2特図保留数に関わらず、比較的長い(通常ハズレ変動時間よりも長い)図柄変動時間を選択して決定する。
図4に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25の主にコンピュータにより、特図判定手段34による判定結果に基づいて、演出機器65を用いて遊技演出を行う演出実行手段60が構成され、この演出実行手段60が図示の複数手段61,62を備えている。尚、演出機器65は、画像表示器16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28bにより構成され、演出実行手段60に含まれる。
演出モード設定手段61は、図12に示すように、複数種類の演出モード(4種類の通常演出モード、時短演出モード、確変演出モード、特殊演出モード)の中の何れか1つを、現在設定されている遊技状態に基づいて、特図表示制御手段35において設定された特図制御モードに応じて選択設定する。つまり、特に、特殊演出モードは、特殊特図制御モードと同様に、「小当り」による特別遊技終了後に通常B遊技状態が設定されているときに(特図変動回数が所定回数(50回)に達するまで)、或いは、「潜確大当り」による特別遊技終了後に潜確遊技状態が設定されているときに(特図変動回数が所定回数(50回又は10000回)に達するまで)設定される。
図柄変動演出実行手段62は、特図表示制御手段35により特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、特図判定手段34による判定結果に基づいた遊技演出として図柄変動演出を行う。この図柄変動演出は、特別図柄の変動毎に行われ、特別図柄の変動開始と共に開始され、特別図柄の変動停止と共に終了される。
図柄変動演出実行手段62において、図柄変動演出選択手段62aは、実行する図柄変動演出として、図13に示す複数種類の変動演出パターンの何れかを、特図判定手段34による判定結果、演出モード設定手段61により設定された演出モード(特図制御モード)、及び、特図表示制御手段35の図柄変動時間決定手段53a1,53b1により決定された図柄変動時間に基づいて選択する。
ここで、図柄変動時間決定手段53a1,53b1により決定された図柄変動時間を演出時間とする変動演出パターンが選択されるが、その際、遊技球が入賞した始動口の種類(第1,第2始動口10,11a)に関わらず、その入賞に基づいて行われる図柄変動演出として、通常演出モードが設定されているときには通常変動演出パターン1,2・・・の何れかが、時短演出モードが設定されているときには時短変動演出パターン1,2・・・の何れかが、確変演出モードが設定されているときには確変変動演出パターン1,2・・・の何れかが、夫々選択される。
但し、特殊演出モードが設定されているときに、第1始動口10への遊技球の入賞に基づいて行われる図柄変動演出としては、第1特殊変動演出パターン1,2・・の何れかが選択され、第2始動口11aへの遊技球の入賞に基づいて行われる図柄変動演出としては、第2特殊変動演出パターン1,2・・の何れかが選択される。
図柄変動演出実行手段62は、基本的に、通常変動演出パターン(所定の演出態様)、時短変動演出パターン、確変変動演出パターン(第3の演出態様)、第1特殊変動演出パターン(第1の演出態様)、第2特殊変動演出パターン(第2の演出態様)を、互いに異なる態様で行う。
図14に示すように、画像表示器16に表示される第1特殊変動演出パターンにおいては、具体的に、画像表示器16の中央部部分に、横方向に並設された比較的大きな3つの図柄表示部16aが設定され、これら図柄表示部16aに、(1)3つの演出図柄(例えば「123」)が停止状態から、(2)3組の演出図柄列が縦スクロールにて変動した後、(3)先ず、左側の演出図柄列が変動停止し、(4)次に、右側の演出図柄列が変動停止し、(5)最後に、中央の演出図柄列が変動停止して、3つの演出図柄「XYZ」が特図判定手段34による判定結果を示す報知図柄として停止する。
基本的に、特図表示器19a,19bに大当り図柄が停止表示されると、(5)3つの演出図柄「XYZ」が同一図柄で停止する。ここで、第1特殊変動演出パターンにおいて、画像表示器16に、演出図柄、演出図柄列の背景画面として、第1特殊変動演出パターンに特有の背景画像が表示される。また、(4)演出図柄「XZ」が同一図柄で停止して所謂リーチになった場合には、その後、(5)3つの演出図柄「XYZ」が停止する迄の間、第1特殊変動演出パターンの種類によって、画像表示器16に、大当り期待度を示唆する発展演出が表示される。
一方、図15に示すように、画像表示器16に表示される第2特殊変動演出パターンにおいては、具体的に、図柄表示部16aに、(1)第1特殊変動演出パターンの終了により3つの演出図柄(例えば「123」)が停止状態からは、(2)3組の演出図柄列が縦スクロールにて変動し、画像表示器16に、(3)その直後、シャッター(襖)が閉じるように表示される。
(4)次に、シャッター(襖)が開くように表示されて、画像表示器16の右端側部分に、縦方向に並設された比較的小さな3つの図柄表示部16bが設定され、これら図柄表示部16bに、3組の演出図柄列が横スクロールにて変動する。その後、(5)先ず、上側の演出図柄列が変動停止し、(6)次に、下側の演出図柄列が変動停止し、(7)最後に、中央の演出図柄列が変動停止して、3つの演出図柄「XYZ」が特図判定手段34による判定結果を示す報知図柄として停止する。
(4)3組の演出図柄列が横スクロールにて変動して、(7)3つの演出図柄「XYZ」が停止する迄の間、演出図柄、演出図柄列の表示も含めて、画像表示器16には、第1特殊変動演出では行われない態様の、大当り期待度を示唆する演出(例えば、バトル演出)が表示される。尚、(6)演出図柄「XZ」が同一図柄で停止して所謂リーチになった場合には、その後、(7)3つの演出図柄「XYZ」が停止する迄の間、第2特殊変動演出パターンの種類によって、画像表示器16に、第2特殊変動演出パターンに特有の大当り期待度を示唆する発展演出が表示される。
このように、遊技演出実行手段60(図柄変動演出実行手段62)は、潜確遊技状態又は通常遊技状態において、特殊演出モード(特殊特図制御モード)が設定され、非特定遊技状態制御手段50aにより遊技が制御されているときに、第1図柄表示制御手段35aにより第1特別図柄が変動表示されるときと第2図柄表示制御手段35bにより第2特別図柄が変動表示されるときとで、異なる態様で遊技演出(図柄変動演出)を行う。
第2特殊変動演出パターンの終了後、続けて第2特殊変動演出パターンを行う場合には、(7)第2特殊変動演出パターンの終了により3つの演出図柄「XYZ」が停止状態から、再度、図柄表示部16bに、(8)演出図柄列が横スクロールにて変動する。その後、同様に、(9)上側の演出図柄列が変動停止し、図示省略するが、下側の演出図柄列、中央の演出図柄が順次変動停止して、(10)3つの演出図柄「XYZ」が停止する。
第2特殊変動演出パターンの終了後、第1特殊変動演出パターンを行う場合には、(10)第2特殊変動演出パターンの終了により3つの演出図柄「XYZ」が停止状態から、画像表示器16に、(11)シャッター(襖)が閉じるように表示される。(12)その後、シャッター(襖)が開くように表示されて、画像表示器16の中央部部分に3つの図柄表示部16aが設定され、これら図柄表示部16bに、3組の演出図柄列が縦スクロールにて変動する。その後、(13)先ず、上側の演出図柄列が変動停止し、以降、前記同様の図14に示す表示が行われる。
次に、図4に示す各手段30〜37,40〜47,50,60〜62の機能を達成するために、制御装置20(遊技制御基板21、演出制御基板23、画像制御基板24の各コンピュータ)が実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図16に示すように、遊技制御基板21のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、スイッチ処理(S2)、図柄処理(S3)、電動役物処理(S4)、賞球処理(S5)、出力処理(S6)が順次実行される。
図17に示すように、S2の始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes)、第1特図保留数U1が4未満の場合に(S12;Yes)、第1特図保留数U1がU1+1に加算され(S13)、大当り判定値と図柄判定値(第1特図判定用情報)が取得・格納され(S14)、次に、事前判定処理(S15)が実行され、その判定結果に関する情報を含む第1特図保留数増加コマンドがセットされる(S16)。
第2始動口SW11cがオンの場合(S17;Yes)、第2特図保留数U2が4未満の場合に(S18;Yes)、第2特図保留数U2がU2+1に加算され(S19)、大当り判定値と図柄判定値(第2特図判定用情報)が取得・格納され(S20)、次に、事前判定処理(S21)が実行され、その判定結果に関する情報を含む第2特図保留数増加コマンドがセットされる(S22)。尚、S16、S22でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図16のS6の出力処理により演出制御基板23に送信される。
図18に示すように、S3の特別図柄処理では、当り遊技フラグ(大当り遊技フラグや小当り遊技フラグ)がON(つまり、特別遊技である大当り遊技や小当り遊技が実行中)でない場合(S31;No)、特別図柄が変動中でない場合に(S32;No)、第2特図保留数U2が1以上か否か判定される(S33)。S32の判定がYes の場合、つまり、特別図柄が変動中である場合には、S42へ移行する。
S33の判定がYes の場合、第2特図保留数U2がU2−1に減算され(S34)、S33の判定がNoの場合、第1特図保留数U1が1以上か否か判定される(S35)。S35の判定がYesの場合、第1特図保留数U1がU1−1に減算され(S36)、S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理(S46)が実行される。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理(S38)が実行され、続いて、変動パターン選択処理(S39)が実行される。
図19に示すように、S38の大当り判定処理では、先ず、大当り判定値処理(S51)が実行され、ここで、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定用情報のうち消化優先順位が最も高い、そして図18のS34又はS36で減算された特図保留数に対応する特図判定用情報の大当り判定値が、図5等を用いて説明したように、大当り特定値か否か判定されることで、大当りか否か判定される(S52) 。
S52の判定がYes の場合、図柄判定値処理(S53)が実行され、ここで、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定用情報のうち消化優先順位が最も高い特図判定用情報の図柄判定値に基づいて、図6等を用いて説明したように、大当り図柄が複数種類の大当り図柄の中から選択設定される(S54)。S52の判定がNoの場合、大当り判定値が小当り特定値か否か判定されることで、小当りか否か判定される(S55)。S55の判定がYes の場合、小当り図柄が設定され(S56)、S55の判定がNoの場合、ハズレ図柄が設定される(S57)。尚、この大当り判定処理に供された特図判定用情報は、特図保留記憶手段42から消去(消化)される。
図20に示すように、S39の変動パターン選択処理では、大当りの場合(S61;Yes)、大当り用テーブルがセットされ(S62)、ハズレの場合(61;No)、今回のS61の判定に供された大当り判定値、或いは別途取得された判定値をリーチ判定値とし、そのリーチ判定値を用いてリーチとするか否かのリーチ判定値処理(63)が実行される。その結果、リーチとする場合(64;Yes)、リーチ用テーブルがセットされ(S65)、リーチとしない場合(S64;No)、遊技状態(通常A、通常B、時短、確変、潜確の何れかの遊技状態)に応じたハズレ用テーブルがセットされる(S66)。
S62又はS65又はS66の実行後、変動パターン判定値が別途取得・格納され(S67)、この変動パターン判定値と、S62又はS65又はS66でセットされたテーブルとを用いて変動パターン判定値処理(S68)が実行され、そこで、図11等を用いて説明したように、更に、特図制御モード(図12参照)、第1,第2特図保留数U1,U2を加味して、変動パターンに相当する図柄変動時間が設定される(S69)。ここで、S66では、図21に示す複数種類(4種類)のハズレ用テーブルの何れかが遊技状態(特図制御モード)に応じてセットされ、S69では、S66でセットされたハズレ用テーブルと特図保留数とに基づいて図柄変動時間が決定(設定)される。
図18に示すように、S38の大当り判定処理とS39の変動パターン選択処理の実行後、第1又は第2特別図柄が変動開始され(S40)、S38で設定された判定図柄とS39で設定された変動パターン(図柄変動時間)の情報を含む特図変動開始コマンドがセットされる(S41)。次に、S39で設定された図柄変動時間が経過した場合(S42;Yes)、第1又は第2特別図柄が変動停止され(S43)、ここで、S38で設定された判定図柄が第1又は第2特図表示器19a又は19bに表示される。続いて、特図変動停止コマンドがセットされ(S44)、停止中処理(S45)が実行される。
図22に示すように、S45の停止中処理では、時短遊技フラグがONの場合(S71;Yes)、時短回数JがJ−1に減算され(S72)、J=0の場合には(S73;Yes)、時短遊技フラグがOFFにリセットされる(S74)。次に、図柄FフラグFF=1か否か判定され(S75)、S75の判定がYesの場合、そのFFに0がセットされ(S76)、通常B遊技フラグがONにセットされ(S77)、通常B回数NBに50がセットされる(S78)。
また、確変/潜確遊技フラグがONの場合(S79;Yes)、確変回数XがX−1に減算され(S80)、先ず、X=9950か否か判定される(S81)。S81の判定がYes の場合、図柄CフラグCF=1か否か判定され(S82)、S82の判定がYesの場合、そのCFに0がセットされ(S83)、確変遊技フラグがOFFにリセットされ(S84)、潜確遊技フラグがONにセットされる(S85)。X=0の場合には(S86;Yes)、確変/潜確遊技フラグがOFFにリセットされる(S87)。
図23に示すように、次に、通常B遊技フラグがONの場合(S91)、通常B回数NBがNB−1に減算され(S92)、NB=0の場合に(S93;Yes)、通常B遊技フラグがOFFにリセットされる(S94)。ここで、時短遊技フラグがONの場合に時短遊技状態となり、確変遊技フラグがONの場合に確変遊技状態となり、潜確遊技フラグがONの場合に潜確遊技状態となり、通常B遊技フラグがONの場合に通常B遊技状態となる。時短/確変/潜確/通常B遊技フラグが全てOFFの場合に通常A遊技状態になる。尚、通常A遊技状態で遊技を制御するコンピュータが第1非特定遊技状態制御手段に相当し、確変遊技状態で遊技を制御するコンピュータが特定遊技状態制御手段に相当する。
次に、大当りの場合(S95;Yes)、大当り遊技フラグがONにセットされ(S96)、通常A遊技状態以外の遊技状態の場合、時短/確変/通常B回数J/X/NBに0がセットされ(S97)、時短/確変/潜確/通常B遊技フラグがOFFにリセットされる(S98)。一方、小当りの場合(S99;Yes)、小当り遊技フラグがONにセットされ(S100)、通常B遊技状態の場合、通常B回数NBに0がセットされ(S101)、通常B遊技フラグがOFFにリセットされる(S102)。S98又はS102の実行後、オープニングが開始され(S103)、オープニングコマンドがセットされる(S104)。
その後、S4の大入賞口処理において、当りフラグがONの場合、図7を用いて説明したように、大当りの場合には、大当り図柄の種類に応じて、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかの開閉パターンにて大入賞口13aを開放する大当り遊技が実行され、小当りの場合には、8R短期開放の開閉パターンにて大入賞口13aを開放する小当り遊技が実行される。そして、この大当り遊技、小当り遊技の実行後に、遊技状態設定処理が実行される。尚、その後、当り遊技フラグがOFFにリセットされる。
図24に示すように、遊技状態設定処理では、大当り図柄A,Bの何れかにより確変大当りとなった、或いは大当り図柄Dにより突確大当りとなった場合(S111;Yes)、確変遊技フラグがONにセットされ(S112)、確変回数Xに10000 がセットされる(S113)。大当り図柄Cにより確変大当りとなった場合(S114;Yes)、図柄CフラグCFに1がセットされ(S115)、大当り図柄Eにより潜確大当りとなった場合(S116;Yes)、その潜確大当り前が潜確遊技状態か否か判定される(S117)。S115の実行後、又はS117の判定がYesの場合、確変遊技フラグがONにセットされ(S112)、Xに10000 がセットされ(S113)、S117の判定がNoの場合、潜確遊技フラグがONにセットされ(S118)、Xに10000 がセットされる(S113)。
図25に示すように、大当り図柄Fにより通常大当りとなった場合(S121;Yes)、図柄FフラグFFに1がセットされ(S122)、S122の実行後、或いは大当り図柄Gにより突通大当りとなった場合(S125;Yes)、時短遊技フラグがONにセットされ(S123)、時短回数Jに50がセットされる(S124)。小当りとなった、或いは大当り図柄Hにより突通大当りとなった場合(S126;Yes)、その小当り或いは突通大当り前が通常遊技状態か否か判定され(S127)、S127の判定がYesの場合、通常B遊技フラグがONにセットされ(S128)、通常B回数BNに50がセットされ(S129)。
一方、図26に示すように、演出制御基板23のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理(S201)、演出ボタン処理(S202)、コマンド送信処理(S203)が順次実行される。
図27に示すように、S201のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され(S211)、S211の判定がYes の場合、保留数加算処理(S212)が実行され、保留アイコン処理(S213)が実行され、保留数増加コマンドがセットされる(S214)。演出制御基板23のコンピュータでは、第1,第2特図保留数が管理されており、受信した保留数増加コマンドの種類に応じて、S212では第1又は第2特図保留数が1加算される。
S213では、受信した保留数増加コマンドから得られるS15又はS21による事前判定の結果に関する情報に基づいて、一般的な先読み演出として、保留アイコンの表示形態(表示色)を変更するか否か、また、変更する場合の表示形態を判定し、S214では、S213の判定結果を含む保留数増加コマンドがセットされる。尚、S214でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、S203のコマンド送信処理により画像制御基板24、ランプ制御基板25に送信される。
次に、特図変動開始コマンドを受信か否か判定され(S215)、S215の判定がYes の場合、図柄変動演出選択処理(S216)が実行される。図28に示すように、S216の図柄変動演出選択処理では、受信した特図変動開始コマンドが解析され(S231)、図12に示すように、特図制御モード(遊技状態)に応じて設定されている演出モード(通常演出モード、時短演出モード、確変演出モード、特殊演出モードの何れか)が参照され(S232)、特図保留数の保留数減算処理が実行される(S233)。
次に、S231で解析された特図変動開始コマンドの情報、つまり、S38で設定された判定図柄とS39で設定された図柄変動時間の情報と、S232で参照された演出モード等に基づいて、図13等を用いて説明したように、図柄変動演出として、複数種類の変動演出パターンの何れか1つが選択され(S234)、その選択された変動演出パターンの情報を含む変動演出開始コマンドがセットされる(S235)。
図27に示すように、次に、特図変動停止コマンドを受信した場合(S217;Yes )、図柄変動演出終了中処理(S218)が実行され、オープニングコマンドを受信した場合(S219)、当り演出選択処理(S220)が実行され、エンディングコマンドを受信した場合(S221)、エンディング演出選択処理(S222)が実行される。その後、客待ちコマンド処理(S223)が実行される。
画像制御基板24のコンピュータでは、変動演出開始コマンドを受信した場合、そのコマンド受信時から次に変動演出終了コマンドを受信する迄の間、変動演出開始コマンドにより指示された変動演出パターンが画像表示器16に表示される。そこで、第1特殊変動演出パターンでは、例えば図14を用いて説明した表示が行われ、第2特殊変動演出パターンでは、例えば図15を用いて説明した表示が行われる。
以上説明したパチンコ遊技機1によれば次の作用・効果を奏する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合、遊技者は、遊技球を第1始動口10に入賞させるために、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちを行う。つまり、左打ちにより第1始動口10を狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると、第1特図判定用情報が取得され特図保留記憶手段32に記憶される。
また、左打ちにより左側のゲート12を狙うこともでき、普図保留数が4未満のときに、遊技球が左側のゲート12を通過すると、普図判定用情報が取得され普図保留記憶手段42に記憶される。ここで先ず、普図保留記憶手段42に普図判定用情報が記憶されている場合、その普図判定用情報が普通図柄の変動開始毎に順次消化されて当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普図表示器19cに当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合、補助遊技作動モードとして図8、図9に示す低作動モードが設定され、遊技球が第2始動口11aに殆ど入賞しないため、遊技者が所有の遊技球の数を減らして遊技を行うことになる。即ち、低作動モードが設定されると、普通図柄が変動開始されてから12秒後に変動停止され、1/10の確率で当り抽選で当選し、当り抽選で当選した場合、1/10(トータルで1/100)の割合で当り図柄bが選択された場合にだけ、第2始動口11aが長期開放するからである。
一方、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合、遊技者は、遊技球を第2始動口11aに入賞させるために、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちを行う。右打ちにより右側のゲート12を狙うこともでき、前記同様、普図保留数が4未満のときに、遊技球が右側のゲート12を通過すると、普図判定用情報が取得され普図保留記憶手段42に記憶される。
時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合、補助遊技作動モードとして図8、図9に示す高作動モードが設定され、遊技球が第2始動口11aに比較的多く入賞するため、遊技者が所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。即ち、高作動モードが設定されると、普通図柄が変動開始されてから0.5秒後に変動停止され、10/10の確率で当り抽選で当選し、当り抽選で当選した場合は全て、第2始動口11aが長期開放するからである。そして、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定用情報が取得され特図保留記憶手段32に記憶される。
特図保留記憶手段32に特図判定用情報が記憶されている場合、その特図判定用情報が特別図柄の変動開始毎に順次消化されて大当り抽選が行われ、その際、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の両方が記憶されている場合、第2特図判定用情報が第1特図判定用情報よりも優先して消化され、また、第1,第2特図判定用情報は、夫々取得された順番で消化される。
その大当り抽選で当選した場合には、更に、複数種類の大当り図柄の何れかが選択され、そこで選択された大当り図柄が特図表示器19a,19bに変動停止後、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンとして、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかが選択実行される。遊技者が右打ちを行うことにより、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得できる。但し、8R短期開放では、遊技者が右打ちを行なっても、遊技球を実質獲得できない。
また、選択された大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技実行後の遊技状態として、通常遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態の何れかが選択設定される。ここで、確変遊技状態、時短遊技状態が設定されている場合、遊技者が右打ちを行うことにより、第1特図判定用情報の消化は殆ど行われず、第2特図判定用情報の消化が連続的に行われる。そして、第2特図判定用情報の消化により大当り抽選で当選した場合の大当り図柄の選択対象は、図6の第2図柄選択テーブルの選択率に示すように、大当り図柄A,B,D,Fのみとなる。
つまり、大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターン(即ち、遊技球の獲得数)と、大当り遊技終了後の遊技状態について、第2始動口11aへの遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合、第1始動口10への遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合よりも、遊技者に有利になる可能性が高くなる。
さて、潜確遊技状態が設定されているとき、補助遊技作動モードが低作動モードに設定されるため、遊技球を第2始動口11aに入賞させることは難しいが、大当り確率が高確率(例えば、約10/320)に設定されるため、そして、大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンと、大当り遊技終了後の遊技状態について、前記のように、第2始動口11aへの遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合、第1始動口10への遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合よりも、遊技者に有利になる可能性が高くなるため、遊技球を第2始動口11aに入賞させることにより「大当り」か否かの判定を受ける価値は非常に高くなる。
ところが、従来機種では、潜確遊技状態が設定されている場合でも、或いは設定されている可能性がある場合でも、特別図柄が変動表示されているときに、第1始動口10への遊技球の入賞を契機に行われる図柄変動演出の態様と、第2始動口11aへの遊技球の入賞を契機に行われる図柄変動演出の態様は基本的に同じである。つまり、第2始動口11aへの遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合、第1始動口10への遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合よりも、遊技者に有利になる可能性が高くなるにも関わらず、そのことを反映して、図柄変動演出を行うようになっていないため、図柄変動演出の演出効果を高めることができない。
そこで、本発明では、演出実行手段60(図柄変動演出実行手段61)が、「潜確大当り」又は「小当り」による特別遊技の終了直後から、非特定遊技状態態制御手段50aにより遊技が制御されているときに、つまり潜確遊技状態又は通常遊技状態において特殊演出モード(特殊特図制御モード)が設定されているときに、第1図柄表示制御手段35aにより特別図柄が変動表示されるときと第2図柄表示制御手段35bにより特別図柄が変動表示されるときとで、異なる態様で遊技演出(図柄変動演出)を行うようにしている。
ここで、「潜確大当り」と判定された場合も「小当り」と判定された場合も、大入賞口13aを同開閉パターン(例えば、8R短期開放)にて開閉する特別遊技が行われるため、そして、当該特別遊技終了後に、潜確遊技状態の可能性を示唆する特殊モードが設定されて、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、遊技演出が通常の遊技演出と異なる特殊態様で行われるため、この特殊態様で行われた遊技演出により、遊技者に対して潜確遊技状態と通常遊技状態の何れが設定されているのか一見判り難いようにして、遊技者は、通常遊技状態かもしれないが潜確遊技状態が設定されていること、即ち比較的早く「大当り」と判定されること、等の期待を高めることができる。これにより、遊技性、並びに遊技興趣を高めることができるが、更に、本発明の技術により次の顕著な効果が得られる。
つまり、第1始動口10を遊技球が通過することに基づいて行われる遊技演出の態様と、第2始動口11aを遊技球が通過することに基づいて行われる遊技演出の態様とを異ならせて、これら両遊技演出の差別化を図り、潜確遊技状態が設定されている場合には、第2始動口11aへの遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合、第1始動口10への遊技球の入賞を契機に「大当り」と判定された場合よりも、遊技者に有利になる可能性が高くなるということを反映した遊技演出を行うことができるので、遊技演出の演出効果を高めることができ、依って、遊技性、並びに遊技興趣性が一層向上する。
しかも、第2図柄表示制御手段35bにおいて、図柄変動時間決定手段35b1が、第2特別図柄を変動表示させる図柄変動時間として、非特定遊技状態制御手段50aにより遊技が制御されているとき(特殊特図制御モードが設定されているとき) は、所定の図柄変動時間(第1図柄表示制御手段35aの図柄変動時間決定手段35a1が決定する通常ハズレ変動時間(10秒、12秒、14秒等)よりも長い図柄変動時間(15秒、17秒、19秒・・・等)を選択して決定する。
つまり、特殊特図制御モード(特殊演出モード)が設定されているときには、通常特図制御モード(通常演出モード)が設定されているときと比べて、全体的に比較的長い図柄変動演出を行わせて、差別化を図り、その比較的長い図柄変動演出において様々な特有の演出を行い得るので、遊技演出の演出効果を確実に高めることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能である。例えば、図5、図6、図8、図9に示す各確率や、図11、図21に示す各時間については適宜変更可能である。尚、本発明については、その他の種々のパチンコ遊技機等の遊技機に適用可能である。