JP5863939B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は遊技機に関し、特に遊技演出に関する技術である。

近年主流のパチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入賞すると始動条件の成立により判定情報が取得され、その判定情報に基づいて「大当り」か否か判定される。すると、特別図柄がその大当り判定の結果に基づいて決められた変動態様（変動時間）で変動表示された後、その大当り判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。「大当り」と判定されると、大当り図柄が停止表示されてから、大入賞口が開放する大当り遊技が行われる。

取得された判定情報は保留記憶部に一旦記憶（保留）され、この保留記憶部に記憶されている判定情報の数（保留数）が一般に４未満の場合に、遊技球が始動口に入賞したときに始動条件が成立し、新たに判定情報が取得され保留記憶部に記憶される。保留記憶部に記憶された判定情報は、特別図柄の変動開始毎に順次取得された順番で「大当り」か否かの判定に供して消去（保留消化）される。

特別図柄が変動表示されているときには、その特別図柄の変動に係る大当り判定の結果を報知する報知演出が画像表示装置での表示を主体に行われる。この報知演出では、変動表示されている特別図柄の変動態様に応じて、「大当り」となる大当り期待度を示唆する演出が行われてから、「大当り」又は「ハズレ」であることが報知され、この報知演出により、遊技性、並びに遊技興趣が高められる。

報知演出では、通常、画像表示装置に複数の演出図柄が変動表示され、その後、複数の演出図柄が大当り判定の結果を示す停止図柄列で停止表示されるが、当り停止図柄列（例えば、「７７７」）を停止表示させて、「大当り」であることが報知され、通常ハズレ停止図柄列（例えば、「７６３」）又はリーチハズレ停止図柄列（例えば、「７６７」）を停止表示させて、「ハズレ」であることが報知される。

例えば、左中右の３組の演出図柄が、変動開始後、左図柄→右図柄→中図柄の順で停止する場合、左図柄と右図柄が異なる図柄で停止すると、その後間もなく、中図柄が停止して、通常ハズレ停止図柄列が停止表示される。一方、左図柄と右図柄が同じ図柄で停止すると、リーチ状態になり、その後、大当り期待度に応じた演出が行われてから、中図柄が左右の図柄と異なる図柄で停止して、リーチハズレ停止図柄列が停止表示され、或いは、中図柄が左右の図柄と同じ図柄で停止して、当り停止図柄列が停止表示される。

近年のパチンコ遊技機には、保留記憶部に記憶されている判定情報、即ち後に消化される保留判定情報に基づいて「大当り」か否かを事前に判定し、その事前判定の結果に基づいて、保留判定情報のうち先読み演出の対象とされた先読み対象判定情報に対して、その先読み対象判定情報の保留消化前から、大当り期待度を示唆する先読み演出が行われ得る機種（特許文献１，２参照）が存在し、この先読み演出により、遊技性、並びに遊技興趣は一層高められる。

本願出願人が実用化している先読み演出技術では、先読み対象判定情報の消化直前までの１回又は連続する複数回の報知演出において、複数の演出図柄を通常ハズレ停止図柄列で停止表示させる際、特定の通常ハズレ停止図柄列として、大当り期待度が異なる複数種類のチャンス目（例えば、２，４，６，８を青色図柄、１，５，９を緑色図柄、３，７を赤色図柄として、同色図柄の組み合わせとなる青色チャンス目「２２４」、緑色チャンス目「１１５」、赤色チャンス目「３３７」）の何れで停止表示させて先読み演出を行う。

特許文献１の先読み演出技術では、連続する複数回の報知演出において、通常とは異なる先読み演出（特殊ゾーン演出）を行い得る。特許文献２の先読み演出技術では、画像表示装置に表示された保留数と相当数の保留図柄のうち、先読み対象判定情報に係る保留図柄を通常とは異なる特殊保留アイコンで表示する。

特開２０１１−２０６３０６号公報 特開２０１１−９８０８４号公報

本願出願人が実用化している前記先読み演出技術では、報知演出において、複数の演出図柄がリーチ状態になるとき、つまりリーチハズレ停止図柄列で停止表示されるときには、複数の演出図柄をチャンス目で停止させる先読み演出を行わない。その理由として複数の演出図柄がリーチ状態になる報知演出において、当該特別図柄の変動に係る大当り判定の結果の報知を重視させること等があるが、そうすると、先読み演出を行う上で制約が大きくなり、先読み演出による演出効果を高めるのに障害になる。

例えば、先読み対象判定情報に対して、複数の演出図柄がチャンス目で停止表示されて先読み演出が開始された後、複数の演出図柄がリーチ状態になると、その報知演出が先読み対象判定情報に係る報知演出であることが確定し、以降、先読み演出が続くことを期待できなくなる。

本発明の目的は前記課題を改善できる遊技機を提供することである。

本発明（遊技機(1)）は、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段(31)と、前記取得手段(31)により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段(34a)と、前記判定手段(34a)により、前記特別遊技を行わないと判定されると通常変動態様と特殊変動態様の何れかの変動態様を、前記特別遊技を行うと判定されると前記特殊変動態様を決定可能な変動態様決定手段(35a)と、前記変動態様決定手段(35a)により決定された変動態様に応じて、複数の演出図柄を所定の変動表示態様で変動表示させてから前記判定手段(34a)による判定結果を示す組み合わせ表示態様で当該複数の演出図柄を停止表示させることで当該判定結果を報知する報知演出を行わせる報知演出制御手段(60)と、前記取得手段(31)により取得された判定情報を所定数まで記憶可能な記憶手段(32)と、前記記憶手段(32)に記憶されている判定情報が前記判定手段(34a)により判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段(34c)とを備え、前記報知演出制御手段(60)は、前記判定手段(34a)により前記特別遊技を行わないと判定されたときの前記通常変動態様に応じて、前記複数の演出図柄を通常変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させることで前記特別遊技が行われないハズレ判定結果であることを報知する通常ハズレ報知演出を行わせる通常ハズレ報知演出制御手段(70)と、前記判定手段(34a)により前記特別遊技を行わないと判定されたときの前記特殊変動態様に応じて、前記複数の演出図柄を前記通常変動表示態様とは異なる特殊変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させることで前記ハズレ判定結果であることを報知する特殊ハズレ報知演出制御手段(71)と、前記判定手段(34a)により前記特別遊技を行うと判定されたときの前記特殊変動態様に応じて、前記複数の演出図柄を前記特殊変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を当り組み合わせ表示態様で停止表示させることで前記特別遊技が行われる当り判定結果であることを報知する当り報知演出制御手段(72)と、前記通常ハズレ報知演出制御手段(70)による前記通常ハズレ報知演出において複数の演出図柄を前記通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させる際に、前記事前判定手段(34c)による判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する特殊画像を表示させることが可能な第１示唆演出制御手段(73)と、前記特殊ハズレ報知演出制御手段(71)により前記特殊ハズレ報知演出において複数の演出図柄を前記特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させる際に、前記事前判定手段(34c)による判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する前記特殊画像を表示させることが可能な第２示唆演出制御手段(74)とを有し、前記第２示唆演出制御手段(74)は、前回の報知演出において前記第１示唆演出制御手段(73)により前記特殊画像が表示されていると、前記特殊画像を表示させることが可能であり、前回の報知演出において前記第１示唆演出制御手段(73)により前記特殊画像が表示されていないと、前記特殊画像を表示させないことを特徴とする

本発明によれば、図柄が特殊変動態様で変動表示されるときの報知演出において、事前判定の結果を示唆する演出を可能にして、演出効果を高めることができる。

本発明の実施例１に係るパチンコ遊技機の斜視図である。 パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。 パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。 パチンコ遊技機の機能ブロック図である。 大当り判定テーブルに関する図表である。 図柄判定テーブルに関する図表である。 大当り図柄の種類別の特別遊技実行時の大入賞口の開閉パターンと特別遊技終了後の遊技状態を示す図表である。 第２始動口作動モードに関する図表である。 当り図柄の種類別の選択率と第２始動口開閉パターンを示す図表である。 複数種類の遊技状態とそれらの設定内容を示す図表である。 第１特図変動時間決定用のテーブルを示す図表である。 第２特図変動時間決定用のテーブルを示す図表である。 報知演出制御手段、演出図柄表示制御手段の機能ブロック図である。 複数種類の報知演出とその分類を示す図表である。 変動態様、報知演出、変動演出の対応関係を示す図表である。 変動演出を示す図である。 複数の演出図柄とその分類を示す図表である。 通常ハズレ組み合わせ表示態様を示す図表である。 特殊ハズレ組み合わせ表示態様を示す図表である。 当り組み合わせ表示態様を示す図表である。 通常ハズレ報知演出（通常ハズレ変動演出）を示す図である。 特殊ハズレ報知演出（特殊ハズレ変動演出）を示す図である。 図２２相当図である。 図２２相当図である。 当り報知演出（当り変動演出）を示す図である。 第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）の可否を示す図である。 先読み実行判定テーブルに関する図表である。 チャンス目変更のシナリオに関する図表である。 第１特図判定情報の保留に関する図である。 チャンス目表示の具体例を示す図である。 タイマ割込処理のフローチャートである。 始動口ＳＷ処理のフローチャートである。 特別図柄処理のフローチャートである。 大当り判定処理のフローチャートである。 タイマ割込処理のフローチャートである。 コマンド受信処理のフローチャートである。 保留数加算時先読み関連処理のフローチャートである。 先読み実行判定のフローチャートである。 報知演出選択処理のフローチャートである。 報知演出終了中処理のフローチャートである。 報知演出終了時先読み関連処理のフローチャートである。 実施例２に係る通常ハズレ報知演出を示す図である。 実施例２に係る特殊ハズレ報知演出を示す図である。 図４３相当図である。 図４３相当図である。 実施例２に係る第２の示唆演出の可否を示す図である。 変更例の示唆演出を示す図である。 変更例の示唆演出を示す図である。 変更例の示唆演出を示す図である。 変更例の示唆演出を示す図である。

以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。

図１、図２に示すように、パチンコ遊技機１には、遊技ホールの島構造に取付けられる外枠（図示略）に開閉枠２（内枠２）が開閉自在に装着され、開閉枠２に開閉扉３が開閉自在に装着されている。開閉扉３に窓３ａが形成され、その窓３ａに透明板３ｂが装着されている。

開閉枠２の左端部に開閉扉３の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉３の右端部には、開閉扉３を開閉枠２に施錠するキーシリンダ３ｃが装着されている。開閉枠２に遊技盤４が装着され、遊技盤４とその前側の透明板３ｂとの間に遊技球が流下可能な遊技領域４ａが形成され、この遊技領域４ａが開閉扉３により開閉される。

開閉扉３には、窓３ａの下側に遊技球を貯留する貯留皿５が設けられ、その貯留皿５に遊技者が操作可能な演出ボタンＳＷ６ａ（「ＳＷ」はスイッチを意味する）を有する演出操作装置６が装着され、貯留皿５の右下側に発射ハンドル７が装着されている。発射ハンドル７が回動操作されると、貯留皿５から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿５に複数の遊技球が貯留されている場合、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール８で案内され遊技領域４ａの上部に導入される。

図２、図３に示すように、遊技領域４ａには、多数の障害釘（図示略）の他、第１始動口１０、開閉式の第２始動口１１ａを有する始動口装置１１、１対のゲート１２、開閉式の大入賞口１３ａを有する大入賞口装置１３、複数の一般入賞口１４が、夫々遊技球が通過（入賞）可能に図示の配置で設けられている。第１始動口１０、１対のゲート１２、複数の一般入賞口１４には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第１始動口ＳＷ１０ａ、１対のゲートＳＷ１２ａ、複数の一般入賞口ＳＷ１４ａが付設されている。

始動口装置１１は、第２始動口１１ａ、第２始動口１１ａを開閉する開閉部材１１ｂ、第２始動口１１ａに入賞した遊技球を検出する第２始動口ＳＷ１１ｃ、開閉部材１１ｂを開閉駆動する第２始動口ＳＯＬ１１ｄ（「ＳＯＬ」はソレノイドアクチュエータを意味する）を有し、第２始動口１１ａは、通常は遊技球が入賞し難い（入賞不可能な）閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。

大入賞口装置１３は、大入賞口１３ａ、大入賞口１３ａを開閉する開閉部材１３ｂ、大入賞口１３ａに入賞した遊技球を検出する大入賞口ＳＷ１３ｃ、開閉部材１３ｂを開閉駆動する大入賞口ＳＯＬ１３ｄを有し、大入賞口１３ａは、通常は遊技球が入賞し難い（入賞不可能な）閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。

遊技球が入賞口１０，１１ａ，１３ａ，１４に入賞すると、遊技球１個の入賞につき入賞口１０，１１ａ，１３ａ，１４毎に設定された数（数個〜10数個）の遊技球が賞球として貯留皿５に払出される。遊技球が始動口１０，１１ａに入賞すると大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選すると、大入賞口１３ａが開放する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート１２を通過すると当り抽選が行われ、その当り抽選で当選すると、第２始動口１１ａが開放する補助遊技が発生する。

遊技盤４にはセンタ役物１５が取付けられ、このセンタ役物１５に遊技演出用の画像表示装置１６及び可動役物装置１７が装備されている。センタ役物１５は、その枠体１５ａが遊技盤４に比較的大きく形成されたセンタ開口部（図示略）に嵌合装着され、その枠体１５ａの下部には遊技球が転動するステージ１５ｂが形成されている。

画像表示装置１６は、その画面をパチンコ遊技機１の前側からセンタ役物１５の枠体１５ａの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示装置１６には主に遊技演出が表示される。可動役物装置１７は、画像表示装置１６に表示される所定の遊技演出の一環として作動して、可動役物１７ａを画像表示装置１６の画面前側において移動させる。

遊技盤４の右下部に遊技表示盤１９が設けられ、この遊技表示盤１９は、第１特図表示器１９ａ、第２特図表示器１９ｂ、普図表示器１９ｃ、第１特図保留ランプ１９ｄ、第２特図保留ランプ１９ｅ、普図保留ランプ１９ｆを備えている。

第１特図表示器１９ａには第１特別図柄が変動可能に表示され、第１特図保留ランプ１９ｄには第１特図保留数が表示され、その第１特図保留数は４未満の場合に第１始動口１０に遊技球が入賞する毎に１加算される。第２特図表示器１９ｂには第２特別図柄が変動可能に表示され、第２特図保留ランプ１９ｅには第２特図保留数が表示され、その第２特図保留数は４未満の場合に第２始動口１１ａに遊技球が入賞する毎に１加算される。

第１，第２特別図柄が変動停止状態で、第１特図保留数が１以上の場合、第２特図保留数が０の場合には、第１特図保留数が１減算されて第１特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第１，第２特別図柄が変動停止状態で、第２特図保留数が１以上の場合、第１特図保留数に関わらず、第２特図保留数が１減算されて第２特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。

普図表示器１９ｃには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ１９ｆには普図保留数が表示され、その普図保留数は４未満の場合にゲート１２に遊技球が入賞する毎に１加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が１以上の場合、普図保留数が１減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。

次に、パチンコ遊技機１の制御系について説明する。
図３に示すように、制御装置２０は、遊技制御基板２１、払出制御基板２２、演出制御基板２３、画像制御基板２４、ランプ制御基板２５を備え、これら制御基板２１〜２５に夫々ＣＰＵとＲＯＭとＲＡＭを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板２３は更にＲＴＣ（「ＲＴＣ」はリアルタイムクロックを意味する）を備えている。

遊技制御基板２１のコンピュータは、第１，第２始動口ＳＷ１０ａ，１１ｃ、１対のゲートＳＷ１２ａ、大入賞口ＳＷ１３ｃ、複数の一般入賞口ＳＷ１４ａからの信号、払出制御基板２２からの制御情報を受けて、第２始動口ＳＯＬ１１ｄ、大入賞口ＳＯＬ１３ｄ、図柄表示器１９ａ〜１９ｃ、図柄保留ランプ１９ｄ〜１９ｆを制御し、払出制御基板２２、演出制御基板２３に制御情報を出力する。

払出制御基板２２のコンピュータは、遊技制御基板２１からの制御情報、払出球検出ＳＷ２６ｂ、球有り検出ＳＷ２６ｃ、満タン検出ＳＷ２６ｄからの信号を受けて、払出モータ２６ａを制御し、遊技制御基板２１に制御情報を出力する。演出制御基板２３のコンピュータは、遊技制御基板２１、画像制御基板２４、ランプ制御基板２５からの制御情報、演出操作装置６（演出ボタンＳＷ６ａ）からの信号を受けて、画像制御基板２４、ランプ制御基板２５に制御情報を出力する。

画像制御基板２４のコンピュータは、演出制御基板２３からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示装置１６、スピーカ２７を制御し、演出制御基板２３に制御情報を出力する。ランプ制御基板２５のコンピュータは、可動役物装置１７（原点ＳＷ）からの信号、演出制御基板２３からの制御情報を受けて、遊技演出用の枠ランプ２８ａ、盤ランプ２８ｂ、可動役物装置１７（電動モータ等）を制御し、演出制御基板２３に制御情報を出力する。

図４に示すように、遊技制御基板２１の主にコンピュータにより、図示の各手段３０〜３７，４０〜４７，５０が構成されている。

特図カウンタ手段３０は、16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り判定値を、設定範囲（0〜65535）内で微小時間（0.1μs）毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である特図判定値を、設定範囲（0〜199）内で微小時間（4ｍs）毎に順次更新する。更に、ソフト乱数であるリーチ判定値と変動パターン判定値を、夫々設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。

特図取得手段３１は、遊技球が第１始動口１０に入賞したときに第１特図保留数が４未満の場合に特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段３０により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値を、１組の第１特図判定情報として取得する。また、遊技球が第２始動口１１ａに入賞したときに第２特図保留数が４未満の場合に特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段３０により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値を、１組の第２特図判定情報として取得する。この特図取得手段３１により取得された第１，第２特図判定情報が夫々４個まで特図保留記憶手段３２に一旦記憶（保留）される。

特図保留消化手段３３は、特図保留記憶手段３２に記憶されている特図判定情報を、特図表示器１９ａ，１９ｂでの特別図柄の変動開始毎に順次１ずつ特図判定手段３４（大当り判定手段３４ａ）による判定に供して特図保留記憶手段３２から消去（保留消化）する。その際、特図保留記憶手段３２に複数の特図判定情報が記憶されている場合、それら複数の特図判定情報を特図保留記憶手段３２に記憶された順番（即ち、特図取得手段３１により取得された順番）で消化し、但し、第１，第２特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第２特図判定情報を第１特図判定情報よりも優先して消化する。

特図判定手段３４においては、特図取得手段３１により取得された（特図保留記憶手段３２に記憶された）特図判定情報に基づいて、詳しくは、特別図柄が変動表示される際、当該特別図柄の変動表示に係る特図判定情報、つまり特図保留消化手段３３により消化された特図判定情報に基づいて、大当り判定手段３４ａが、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定し、特別遊技を行うと判定すると、図柄判定手段３４ｂが、当該特別遊技中の大入賞口１３ａの開閉パターン、つまり有利度合いの異なる複数種類の特別遊技の何れを行うかを判定すると共に、当該特別遊技終了後の遊技状態を判定する。

具体的に、先ず、大当り判定手段３４ａが、特図判定情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を行うか否かを、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を行うか否かを判定する。この場合、図５に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定する。

低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/320の割合で大当り特定値（3,247 ・・・）の何れかと一致すると、大当り遊技を行うと判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値（3,7 ・・・）の何れかと一致すると、大当り遊技を行うと判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れを用いる場合でも、大当り判定値が約3/320の割合で小当り特定値（4,44・・・）の何れかと一致すると、小当り遊技を行うと判定する。

大当り遊技を行うと判定すると、次に、図柄判定手段３４ｂが、当該特図判定情報の特図判定値に基づいて、複数種類の大当り図柄（図６に示す８種類の大当り図柄Ａ〜Ｈ）の何れか１つを選択する。ここで、その特図判定値が第１特図判定情報である場合は、図６に示す第１図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、第２特図判定情報である場合は、図６に示す第２図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。そして、選択された大当り図柄によって、当該特別遊技中の大入賞口１３ａの開閉パターン、及び当該特別遊技終了後の遊技状態が決定される。

特図表示制御手段３５（図柄表示制御手段３５）は、特図判定手段３４（大当り判定手段３４ａ、図柄判定手段３４ｂ）による判定結果に基づいて、特図保留消化手段３３により第１特図判定情報が消化されたことを契機に、第１特図表示器１９ａに第１特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させ、特図保留消化手段３３により第２特図判定情報が消化されたことを契機に、第２特図表示器１９ｂに第２特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。

大当り判定手段３４ａにより大当り遊技を行うと判定されると、図柄判定手段３４ｂにより選択された大当り図柄Ａ〜Ｈの何れか１つを停止表示させ、小当り遊技を行うと判定されると、小当り図柄を停止表示させ、特別遊技（大当り遊技、小当り遊技）を行わないと判定されると、ハズレ図柄を停止表示させる。

変動態様決定手段３５ａは、大当り判定手段３４ａ、図柄判定手段３４ｂによる判定結果に基づいて選択された図柄（大当り図柄Ａ〜Ｈ、小当り図柄、ハズレ図柄の何れか）、当該特図判定情報のリーチ判定値と変動パターン判定値、及び第１，第２特図保留数等に基づいて、特図変動時間（変動態様）を決定する。そして、特図表示制御手段３５は、変動時間決定手段３５ａにより決定された特図変動時間で特別図柄を変動表示させから判定図柄を停止表示させる。

ところで、特図表示制御手段３５により特別図柄が変動表示されているときに特図始動条件が成立することにより、特図取得手段３１により取得された特図判定情報が特図保留記憶手段３２に記憶される。但し、特図表示制御手段３５により特別図柄が変動表示されていないときに特図始動条件が成立することにより、特図取得手段３１により取得された特図判定情報も、直ちに大当り判定手段３４ａ、図柄判定手段３４ｂによる判定に供する場合でも特図保留記憶手段３２に一時記憶される。

ここで、特図判定手段３４の事前判定手段３４ｃは、特図保留記憶手段３２に記憶されている判定情報（即ち、後に特図保留消化手段３３により消化される特図判定情報）に基づいて、具体的には、特図取得手段３１により特図判定情報が取得され特図保留記憶手段３２に記憶された際に、大当り判定手段３４ａ、図柄判定手段３４ｂ、変動態様決定手段３５ａによる前記判定、決定と同等の判定、決定（即ち、特別遊技を行うか否かの判定、大当り図柄Ａ〜Ｈ、小当り図柄、ハズレ図柄の判定、特図変動時間の決定）を事前に行うことが可能である。

特別遊技実行手段３６は、大当り判定手段３４ａにより特別遊技（大当り遊技、小当り遊技）を行うと判定された場合、特図表示制御手段３５により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段３４ｂにより選択された判定図柄（大当り図柄、小当り図柄）が停止表示された後、その判定図柄に応じた開閉パターンで大入賞口１３ａを開閉させる遊技者に有利な特別遊技（大当り遊技、小当り遊技）を行う。

図７に示すように、大当り遊技中の大入賞口１３ａの開閉パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技中の大入賞口１３ａの開閉パターンは、大当り図柄Ｄ，Ｅ，Ｇ，Ｈに対応する開閉パターンと同様に設定される。

具体的に、16Ｒ（ラウンド）長期開放では、大入賞口１３ａが16Ｒに亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口１３ａを開放して開始後、大入賞口１３ａに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するＲ終了条件が成立すると、大入賞口１３ａを閉塞して終了する。8Ｒ長期開放では、大入賞口１３ａが8Ｒに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16Ｒ長期開放と同様のＲ終了条件が成立すると終了する。8Ｒ短期開放では、大入賞口１３ａが8Ｒに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、大入賞口１３ａに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば0.1 秒経過するＲ終了条件が成立すると終了する。

確率設定手段３７は、特図判定手段３４（大当り判定手段３４ａ）により大当り遊技を行うと判定される大当り確率を、図５に示す低確テーブルを用いて低確率（約1/320）又は図５に示す高確テーブルを用いて高確率（約10/320）に設定する。

一方、普図カウンタ手段４０は、8ビット構成のソフト乱数である当り判定値を、設定範囲（0〜199）内で微小時間（4ｍs）毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である普図判定値を、設定範囲（0〜9）内で微小時間（4ｍs）毎に順次更新する。

普図取得手段４１は、遊技球がゲート１２を通過したときに普図保留数が４未満の場合に普図始動条件が成立して、普図カウンタ手段４０により更新された当り判定値、及び普図判定値を、１組の普図判定情報として取得する。この普図取得手段４１により取得された普図判定情報が４個まで普図保留記憶手段４２に一旦記憶（保留）される。

普図保留消化手段４３は、普図保留記憶手段４２に記憶されている普図判定情報を普図表示器１９ｃでの普通図柄の変動開始毎に順次１ずつ普図判定手段４４による判定に供して普図保留記憶手段４２から消去（保留消化）する。その際、普図保留記憶手段４２に複数の普図判定情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定情報を普図保留記憶手段４２に記憶された順番（即ち、普図取得手段４１により取得された順番）で消化する。

普図判定手段４４は、普図取得手段４１により取得された（普図保留記憶手段４２に記憶された）普図判定情報に基づいて、詳しくは、普通図柄が変動表示される際、当該普通図柄の変動表示に係る普図判定情報、つまり普図保留消化手段４３により消化された普図判定情報に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。

具体的に、先ず、普図判定情報の当り判定値に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。補助遊技を行うと判定した場合には、次に、当該普図判定情報の普図判定値に基づいて、複数種類の当り図柄（図９に示す２種類の当り図柄ａ，ｂ）の何れか１つを選択する。ここで、図９のテーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。

普図表示制御手段４５は、普図判定手段４４による判定結果に基づいて、普図保留消化手段４３により普図判定情報が消化されたことを契機に、普図表示器１９ｃに普通図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。普図判定手段４４により補助遊技を行うと判定された場合には、選択された当り図柄ａ，ｂの何れかを停止表示させ、補助遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。

ところで、普図表示制御手段４５により普通図柄が変動表示されているときに普図始動条件が成立することにより、普図保留記憶手段４２に普図取得手段４１により取得された普図判定情報が記憶される。但し、普図表示制御手段４５により普通図柄が変動表示されていないときに普図始動条件が成立することにより、普図取得手段４１により取得された普図判定情報も、直ちに普図判定手段４４による判定に供する場合でも普図保留記憶手段４２に一時記憶される。

補助遊技実行手段４６は、普図判定手段４４により補助遊技を行うと判定された場合、普図表示制御手段４５により、その判定結果を示す判定図柄（当り図柄）が停止表示された後、第２始動口１１ａを開閉させる補助遊技を行う。図８、図９に示すように、補助遊技中の第２始動口１１ａの開閉パターンは、当り図柄の種類、及び第２始動口作動モードに応じて図示のように設定される。

作動モード設定手段４７は、図８に示すように、第２始動口作動モードとして、第２始動口１１ａを開状態に作動させ難い低作動モード又は開状態に作動させ易い高作動モードを設定する。

具体的に、低作動モードでは、普図判定手段４４により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示器１９ｃでの普通図柄の普図変動時間が12秒、補助遊技中の第２始動口１１ａの始動口開閉パターンが0.1秒×1 回又は0.1秒×1回＋5.6秒×1回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10 、普図変動時間が0.5秒、始動口開閉パターンが1.0秒×6回又は2.0秒×3回に設定される。

遊技状態制御手段５０は、複数種類の遊技状態（図１０に示す４種類の通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態）の何れか１つを択一的に設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂ＲＡＭクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。

図１０に示すように、通常遊技状態、時短遊技状態が設定された場合、確率設定手段３７により低確率が設定され、潜確遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、確率設定手段３７により高確率が設定される。また、通常遊技状態、潜確遊技状態が設定された場合、作動モード設定手段４７により低作動モードが設定され、時短遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、作動モード設定手段４７により高作動モードが設定される。

遊技状態制御手段５０は、特別遊技実行手段３６により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図７に示すように設定変更する。大当り図柄Ａ〜Ｃの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、大当り図柄Ａ，Ｂの停止からは、その後、特図表示器１９ａ，１９ｂでの特別図柄の特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行され、大当り図柄Ｃの停止からは、その後、特図変動回数が50回に達すると、潜確遊技状態へ移行され、更に、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行される。

大当り図柄Ｄが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行される。大当り図柄Ｅが停止表示されて、所謂「潜確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に潜確遊技状態（又は確変遊技状態）が設定され、その後、特図変動回数が10000回に達すると、通常遊技状態へ移行される。

大当り図柄Ｆが停止表示されて、所謂「通常大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に時短遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行される。大当り図柄Ｇ，Ｈの何れかが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、大当り図柄Ｇの停止からは、当該大当り遊技終了後に時短遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行され、大当り図柄Ｈの停止からは、当該大当り遊技終了後に通常遊技状態が設定される。小当り図柄が停止表示されて、所謂「小当り」になった場合、当該小当り遊技終了後に当該小当り遊技開始前の遊技状態が設定される（即ち、遊技状態は設定変更されない）。

ところで、特図表示制御手段３５の変動態様決定手段３５ａは、第１特図変動時間を図１１に示すテーブルに基づいて決定する。図１１（１）に示すように、通常遊技状態又は潜確遊技状態では、大当り遊技を行わないと判定され且つ所謂リーチ状態にしない非当選時(1)に、第１特図保留数に応じて9秒,7秒,5秒,3秒の何れかが決定され、大当り遊技を行わないと判定され且つリーチ状態にする非当選時(2)又は大当り遊技を行うと判定された当選時（リーチ状態にする）に、第１特図保留数に関わらず13秒,15秒・・・,50秒の何れかが決定される。図１１（２）に示すように、時短遊技状態又は確変遊技状態では、非当選時(1)に、第１特図保留数に関わらず12秒が決定され、非当選時(2)又は当選時に、第１特図保留数に関わらず13秒,15秒・・・,50秒の何れかが決定される。

ここで、通常遊技状態又は潜確遊技状態において、第１特図変動時間となり得る9秒,7秒,5秒,3秒が通常変動態様に相当し、13秒,15秒・・・,50秒が特殊変動態様に相当し、また、時短遊技状態又は確変遊技状態において、第１特図変動時間となり得る12秒が通常変動態様に相当し、13秒,15秒・・・,50秒が特殊変動態様に相当する。即ち、変動態様決定手段３５ａは、第１特別図柄の変動態様（第１特図変動時間）について、大当り判定手段３４ａにより、特別遊技を行わないと判定されると通常変動態様と特殊変動態様の何れかの変動態様を、特別遊技を行うと判定されると特殊変動態様を決定可能である。

また、特図表示制御手段３５の変動時間決定手段３５ａは、第２特図変動時間を図１２に示すテーブルに基づいて決定する。図１２（１）に示すように、通常遊技状態又は潜確遊技状態では、非当選時(1) に、第２特図保留数に関わらず3秒が決定され、非当選時(2)又は当選時に、第２特図保留数に関わらず13秒，15秒・・・，50秒の何れかが決定される。図１２（２）に示すように、時短遊技状態又は確変遊技状態では、非当選時(1)に、第２特図保留数に応じて12秒,2.5秒の何れかが決定され、非当選時(2)又は当選時に、第２特図保留数に関わらず13秒,15 秒・・・,50秒の何れかが決定される。

ここで、通常遊技状態又は潜確遊技状態において、第２特図変動時間となり得る3 秒が通常変動態様に相当し、13秒,15秒・・・,50秒が特殊変動態様に相当し、また、時短遊技状態又は確変遊技状態において、第２特図変動時間となり得る12秒,2.5秒が通常変動態様に相当し、13秒,15秒・・・,50秒が特殊変動態様に相当する。即ち、変動態様決定手段３５ａは、第２特別図柄の変動態様（第２特図変動時間）について、大当り判定手段３４ａにより、特別遊技を行わないと判定されると通常変動態様と特殊変動態様の何れかの変動態様を、特別遊技を行うと判定されると特殊変動態様を決定可能である。

図４に示すように、演出制御基板２３、画像制御基板２４、ランプ制御基板２５のコンピュータ等により、図示の各手段６０〜６３が構成されている。

報知演出制御手段６０は、特図表示制御手段３５により特図表示器１９ａ，１９ｂに特別図柄が変動表示されているときに、当該特図変動時間（変動態様決定手段３５ａにより決定された特図変動時間）に応じて、大当り判定手段３４ａ（図柄判定手段３４ｂ）による判定結果を報知する報知演出を演出手段７０（画像表示装置１６、可動役物１７、スピーカ２７、ランプ２８ａ，２８ｂ）に行わせる。

報知演出制御手段６０の演出図柄表示制御手段６１は、報知演出において、特図表示制御手段３５により特図表示器１９ａ，１９ｂに変動表示されている特別図柄の特図変動時間（変動態様決定手段３５ａにより決定された特図変動時間）に応じて、画像表示装置１６に、複数の演出図柄を所定の変動表示態様で変動表示させてから、大当り判定手段３４ａ（図柄判定手段３４ｂ）による判定結果を示す組み合わせ表示態様で複数の演出図柄を停止表示させる変動演出を行わせる。

特別遊技演出制御手段６２は、特別遊技実行手段３６により特別遊技（大当り遊技、小当り遊技）が行われているときに、特別遊技演出を演出手段７０に行わせる。

保留表示制御手段６３は、特図保留記憶手段３２に第１特図判定情報が記憶されている場合、その第１特図保留数と相当数の第１保留図柄１６ｂを画像表示装置１６に表示させ、特図保留記憶手段３２に第２特図判定情報が記憶されている場合、その第２特図保留数と相当数の第２保留図柄１６ｃを画像表示装置１６に表示させる（図２参照）。尚、図２では、第１特図保留数が２、第２特図保留数が１の場合を示している。

報知演出制御手段６０、演出図柄表示制御手段６１について詳しく説明する。
図１３（１）に示すように、報知演出制御手段６０（演出図柄表示制御手段６１）は、通常ハズレ報知演出制御手段７０、特殊ハズレ報知演出制御手段７１、当り報知演出制御手段７２、第１示唆演出制御手段７３、第２示唆演出制御手段７４を有する。

先ず、図１４に示すように、報知演出制御手段６０は、変動態様決定手段３５ａにより決定された特図変動時間に応じて、複数種類の報知演出（報知演出１，２，３・・・ｎ）の何れかを選択して行わせる。この複数種類の報知演出の各々は、通常ハズレ報知演出、特殊ハズレ報知演出、当り報知演出の何れかに分類される。

通常ハズレ報知演出制御手段７０は、大当り判定手段３４ａにより特別遊技を行わないと判定されたときの通常変動態様（図１１に示す9 秒,7秒,5秒,3秒/12秒の第１特図変動時間、図１２に示す3 秒/12秒,2.5秒の第２特図変動時間）に応じて、第１の遊技演出を行わせた後に特別遊技が行われないハズレ判定結果であることを報知する通常ハズレ報知演出を行わせる（図１５の〈ａ〉）。

特殊ハズレ報知演出制御手段７１は、大当り判定手段３４ａにより特別遊技を行わないと判定されたときの特殊変動態様（図１１に示す13秒,15秒・・・,50秒の第１特図変動時間、図１２に示す13秒,15秒・・・,50秒の第２特図変動時間）に応じて、第１の遊技演出とは異なる第２の遊技演出を行わせた後にハズレ判定結果であることを報知する特殊ハズレ報知演出を行わせる（図１５の〈ｂ〉）。

当り報知演出制御手段７２は、大当り判定手段４３ａにより特別遊技を行うと判定されたときの特殊変動態様（図１１に示す13秒,15秒・・・,50秒の第１特図変動時間、図１２に示す13秒,15秒・・・,50秒の第２特図変動時間）に応じて、第２の遊技演出を行わせた後に特別遊技が行われる当り判定結果であることを報知する当り報知演出を行わせる（図１５の〈ｃ〉）。

第１示唆演出制御手段７３は、遊技状態制御手段５０により通常遊技状態又は潜確遊技状態（或いは、時短遊技状態又は確変遊技状態）が設定されているときに、通常ハズレ報知演出制御手段７０による通常ハズレ報知演出においてハズレ判定結果であることが報知される際に、事前判定手段３４ｃによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する第１の示唆演出を行わせることが可能である。

第２示唆演出制御手段７４は、遊技状態制御手段５０により通常遊技状態又は潜確遊技状態（或いは、時短遊技状態又は確変遊技状態）が設定されているときに、特殊ハズレ報知演出制御手段７１による特殊ハズレ報知演出においてハズレ判定結果であることが報知される際に、事前判定手段３４ｃによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する第２の示唆演出を行わせることが可能である。

第２示唆演出制御手段７４は、前回の報知演出において第１示唆演出制御手段７３により第１の示唆演出が行われていると、今回の報知演出において第２の示唆演出を行わせることが可能であり、前回の報知演出において第１示唆演出制御手段７３により第１の示唆演出が行われていないと、今回の報知演出において第２の示唆演出を行わせない、即ち通常の特殊ハズレ報知演出を行わせる。

尚、第２示唆演出制御手段７４は、前回の報知演出において第２の示唆演出を行わせていても、今回の報知演出において第２の示唆演出を行わせることを可能にしてもよい。尚、第１示唆演出制御手段７３は、前回の報知演出において通常ハズレ報知演出、特殊ハズレ報知演出、当り報知演出、第１の示唆演出、第２の示唆演出の何れが行われていても、今回の報知演出において第１の示唆演出を行わせることが可能である。

図１３（２）に示すように、演出図柄表示制御手段６１は、通常ハズレ変動演出制御手段８０、特殊ハズレ変動演出制御手段８１、当り変動演出制御手段８２、第１特定演出制御手段８３、第２特定演出制御手段８４を有し、これらの手段８０〜８４は、夫々、通常ハズレ報知演出制御手段７０、特殊ハズレ報知演出制御手段７１、当り報知演出制御手段７２、第１示唆演出制御手段７３、第２示唆演出制御手段７４に含まれる。

通常ハズレ変動演出制御手段８０は、通常ハズレ報知演出において、大当り判定手段３４ａにより特別遊技を行わないと判定されたときの通常変動態様（図１１に示す9 秒,7秒,5秒,3秒/12秒の第１特図変動時間、図１２に示す3秒/12 秒,2.5秒の第２特図変動時間）での特別図柄の変動表示に応じて、複数の演出図柄を通常変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させる通常ハズレ変動演出を行わせる（図１５の〈ａ〉）。

特殊ハズレ変動演出制御手段８１は、特殊ハズレ報知演出において、大当り判定手段３４ａにより特別遊技を行わないと判定されたときの特殊変動態様（図１１に示す13秒,15 秒・・・,50 秒の第１特図変動時間、図１２に示す13秒,15秒・・・,50秒の第２特図変動時間）での特別図柄の変動表示に応じて、複数の演出図柄を通常変動表示態様とは異なる特殊変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させる特殊ハズレ変動演出を行わせる（図１５の〈ｂ〉）。

当り変動演出制御手段８２は、当り報知演出において、大当り判定手段３４ａにより特別遊技を行うと判定されたときの特殊変動態様（図１１に示す13秒,15 秒・・・,50 秒の第１特図変動時間、図１２に示す13秒,15秒・・・,50秒の第２特図変動時間）での特別図柄の変動表示に応じて、複数の演出図柄を特殊変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を当り組み合わせ表示態様で停止表示させる当り変動演出を行わせる（図１５の〈ｃ〉）。

第１特定演出制御手段８３は、遊技状態制御手段５０により通常遊技状態又は潜確遊技状態（或いは、時短遊技状態又は確変遊技状態）が設定されているときに、第１の示唆演出において、通常ハズレ変動演出制御手段８０による通常ハズレ変動演出において複数の演出図柄を停止表示させる際に、事前判定手段３４ｃによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する第１の特定組み合わせ表示態様で複数の演出図柄を停止表示させる特定の通常ハズレ変動演出を行わせることが可能である。

第２特定演出制御手段８４は、遊技状態制御手段５０により通常遊技状態又は潜確遊技状態（或いは、時短遊技状態又は確変遊技状態）が設定されているときに、第２の示唆演出において、特殊ハズレ変動演出制御手段８１による特殊ハズレ変動演出において複数の演出図柄を停止表示させる際に、事前判定手段３４ｃによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する第２の特定組み合わせ表示態様で複数の演出図柄を停止表示させる特定の特殊ハズレ変動演出を行わせることが可能である。

第２特定演出制御手段８４は、前回の変動演出において第１特定演出制御手段８３により特定の通常ハズレ変動演出が行われていると、今回の変動演出において特定の特殊ハズレ変動演出を行わせることが可能であり、前回の変動演出において第１特定演出制御手段８３により特定の通常ハズレ変動演出が行われていないと、今回の変動演出において特定の特殊ハズレ変動演出を行わせない、即ち第２の特定組み合わせ表示態様とは異なる特殊ハズレ組み合わせ表示態様で複数の演出図柄を停止表示させる通常の特殊ハズレ変動演出を行わせる。

尚、第２特定演出制御手段８４は、前回の変動演出において特定の特殊ハズレ変動演出を行わせていても、今回の変動演出において特定の特殊ハズレ変動演出を行わせることを可能にしてもよい。尚、第１特定演出制御手段８３は、前回の変動演出において通常ハズレ変動演出、特殊ハズレ変動演出、当り変動演出、特定の通常ハズレ変動演出、特定の特殊ハズレ変動演出の何れが行われていても、今回の変動演出において特定の通常ハズレ変動演出を行わせることが可能である。

報知演出制御手段６０（７０〜７４）による報知演出、演出図柄表示制御手段６１（８０〜８４）による変動演出について具体的に説明する。

先ず、図１６に示すように、変動演出においては、基本的に、画像表示装置１６の３つの図柄表示部１６ａに、（１）３組の演出図柄列が変動表示された後、先ず、（２）左側の演出図柄「Ｘ」が停止表示され、次に、（３）右側の演出図柄「Ｙ」が停止表示され、最後に、（４）中央の演出図柄「Ｚ」が停止表示され、これら３つの停止図柄列「ＸＺＹ」が、大当り判定手段３４ａによる判定結果を示す組み合わせ表示態様になる。

図１７（１）に示すように、３組の演出図柄列の各々は、「１」〜「９」「Ａ」〜「Ｃ」「Ｓ」の１３個の演出図柄で構成され、図１７（２）に示すように、これら１３個の演出図柄は、「２」「４」「６」「８」「Ａ」の青色図柄、「１」「５」「９」「Ｂ」の緑色図柄、「３」「７」「Ｃ」の赤色図柄、「Ｓ」のＳ図柄に分類される。

図１８に示すように、停止図柄列「ＸＺＹ」が同一図柄揃いにならず、且つ「Ｘ」「Ｙ」が同一図柄にならない組み合わせ表示態様が、通常ハズレ組み合わせ表示態様であり、そのうち、停止図柄列「ＸＺＹ」が同色図柄揃いになる組み合わせ表示態様が、第１の特定組み合わせ表示態様である。この第１の特定組み合わせ表示態様には、青色図柄揃いになる第１の青色チャンス目（「２２４」等）、緑色図柄揃いになる第１の緑色チャンス目（「１１５」等）、赤色図柄揃いになる第１の赤色チャンス目（「３３７」等）、図柄「Ｚ」が「Ｓ」になる第１のＳチャンス目（「１Ｓ２」等）がある。

図１９に示すように、停止図柄列「ＸＺＹ」が同一図柄揃いにならず、且つ「Ｘ」「Ｙ」が同一図柄になる組み合わせ表示態様が、特殊ハズレ組み合わせ表示態様であり、そのうち、停止図柄列「ＸＺＹ」が同色図柄揃いになる組み合わせ表示態様が、第２の特定組み合わせ表示態様である。この第２の特定組み合わせ表示態様には、青色図柄揃いになる第２の青色チャンス目（「２４２」等）、緑色図柄揃いになる第２の緑色チャンス目（「１５１」等）、赤色図柄揃いになる第２の赤色チャンス目（「３７３」等）、図柄「Ｚ」が「Ｓ」になる第２のＳチャンス目（「１Ｓ１」等）がある。尚、青色チャンス目＜緑色チャンス目＜赤色チャンス目＜Ｓチャンス目の順で大当り期待度は高くなる。尚、大当り期待度とは、大当り判定手段３４ａにより特別遊技を行うと判定される期待度である。

図２０に示すように、停止図柄列「ＸＺＹ」が同一図柄揃いになる組み合わせ表示態様が、当り組み合わせ表示態様である。この当り組み合わせ表示態様には、青色図柄揃いになる青色当り目（「２２２」等）、緑色図柄揃いになる緑色当り目（「１１１」等）、赤色図柄揃いになる赤色当り目（「３３３」等）、Ｓ図柄揃いになるＳ当り目（「ＳＳＳ」）がある。尚、青色当り目＜緑色当り目＜赤色当り目＜Ｓ当り目の順で、大当り遊技中の大入賞口１３ａの開閉パターンや、大当り遊技終了後の遊技状態がより有利になる期待度が高くなる。

図２１に示すように、特別図柄が通常変動態様で変動表示されている際の通常ハズレ報知演出（通常ハズレ変動演出）では、例えば、（１）３組の演出図柄列が変動した後、（２）左側の演出図柄「７」が変動停止し、（３）右側の演出図柄「３」が変動停止し、これら演出図柄「７」「３」が揃わない非リーチ状態になった後、発展演出が行われることなく、（４）中央の演出図柄「６」が変動停止する。ここで、（１）〜（３）が第１の遊技演出（通常変動表示態様）であり、（４）停止表示された「７６３」が、ハズレ判定結果を示す通常ハズレ組み合わせ表示態様になる。

但し、（５）中央の演出図柄「３」が変動停止すると、停止表示された「７３３」が、ハズレ判定結果を示す同色図柄揃いの第１のチャンス目、即ち第１の特定組み合わせ表示態様になって、第１の示唆演出（特定の通常ハズレ変動演出）が行われる。

図２２に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の特殊ハズレ報知演出（特殊ハズレ変動演出）では、例えば、（１）３組の演出図柄列が変動した後、（２）左側の演出図柄「７」が変動停止し、（３）右側の演出図柄「７」が変動停止し、これら演出図柄「７」「７」が揃うリーチ状態になった後、発展演出へ移行しないノーマルリーチ演出が行われ、（４）中央の演出図柄「６」が変動停止する。ここで、（１）〜（３）が第２の遊技演出（特殊変動表示態様）であり、（４）停止表示された「７６７」が、ハズレ判定結果を示す特殊ハズレ組み合わせ表示態様になる。

但し、（５）中央の演出図柄「３」が変動停止すると、停止表示された「７３７」が、ハズレ判定結果を示す同色図柄揃いの第２のチャンス目、即ち第２の特定組み合わせ表示態様になって、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われる。

或いは、図２３に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の特殊ハズレ報知演出（特殊ハズレ変動演出）では、例えば、（１）３組の演出図柄列が変動した後、（２）左側の演出図柄「７」が変動停止し、（３）右側の演出図柄「７」が変動停止し、リーチ状態になった後、（４）演出図柄「７」「７」が画面隅側へ移動して縮小表示され、（５）発展演出であるＳＰリーチ演出が行われる。尚、ＳＰリーチ演出は、基本的に、発展演出に移行しないノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高い演出である。

そこで、ＳＰリーチ演出に特有の大当り期待度が異なる複数種類の演出動画の何れかが表示され、その後、ＳＰリーチ演出の終了を以て、（６）中央の演出図柄「６」が変動停止する。ここで、（１）〜（５）が第２の遊技演出（特殊変動表示態様）であり、（６）停止表示された「７６７」が、ハズレ判定結果を示す特殊ハズレ組み合わせ表示態様になる。

但し、（７）中央の演出図柄「３」が変動停止すると、停止表示された「７３７」が、ハズレ判定結果を示す同色図柄揃いの第２のチャンス目、即ち第２の特定組み合わせ表示態様になって、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われる。

或いは、図２４に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の特殊ハズレ報知演出（特殊ハズレ変動演出）では、例えば、（１）３組の演出図柄列が変動した後、（２）左側の演出図柄「７」が変動停止し、（３）右側の演出図柄「７」が変動停止し、リーチ状態になった後、（７）演出図柄「７」「７」が画面隅側へ移動して縮小表示され、（８）発展演出であるＳＰ・ＳＰリーチ演出が行われる。尚、ＳＰ・ＳＰリーチ演出は、基本的に、ＳＰリーチ演出よりも大当り期待度が高い演出である。

或いは、（３）右側の演出図柄「７」が変動停止し、リーチ状態になった後、（４）演出図柄「７」「７」が画面隅側へ移動して縮小表示され、先ず、（５）発展演出であるＳＰリーチ演出が行われる。そして、ＳＰリーチ演出の終了を以て、（６）中央の演出図柄「６」が変動停止した後、再始動し、（７）演出図柄「７」「７」が画面隅側へ移動して縮小表示され、（８）ＳＰ・ＳＰリーチ演出が行われる。

そこで、ＳＰ・ＳＰリーチ演出に特有の大当り期待度が異なる複数種類の演出動画の何れかが表示され、その後、ＳＰ・ＳＰリーチ演出の終了を以て、（９）中央の演出図柄「６」が変動停止する。ここで、（１）〜（３）（７）（８）、又は、（１）〜（８）が第２の遊技演出（特殊変動表示態様）であり、（９）停止表示された「７６７」が、ハズレ判定結果を示す特殊ハズレ組み合わせ表示態様になる。

但し、（１０）中央の演出図柄「３」が変動停止すると、停止表示された「７３７」が、ハズレ判定結果を示す同色図柄揃いの第２のチャンス目、即ち第２の特定組み合わせ表示態様になって、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われる。

図２５に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の当り報知演出（当り変動演出）では、例えば、（１）３組の演出図柄列が変動した後、（２）左側の演出図柄「７」が変動停止し、（３）右側の演出図柄「７」が変動停止し、リーチ状態になった後、発展演出に移行しないノーマルリーチ演出、或いは、発展演出として、前記と同じ（４）ＳＰリーチ演出又は( ５）ＳＰ・ＳＰリーチ演出が行われた後、（６）中央の演出図柄「７」が変動停止する。ここで、（１）〜（３）、又は、（１）〜（４）、又は、（１）〜（３）（５）が第２の遊技演出（特殊変動表示態様）であり、（６）停止表示された「７７７」が、当り判定結果を示す当り組み合わせ表示態様になる。

図２６（１）に示すように、例えば、前回の報知演出（変動演出）において、第１の特定組み合わせ表示態様「７３３」が停止表示されて、第１の示唆演出（特定の通常ハズレ変動演出）が行われていると、今回の報知演出（変動演出）において、第２の特定組み合わせ表示態様「７３７」が停止表示されて、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われ得る。

一方、図２６（２）に示すように、例えば、前回の報知演出（変動演出）において、第１の特定組み合わせ表示態様「７３３」が停止表示されていない、つまり、通常ハズレ組み合わせ表示態様「７６３」又は特殊ハズレ組み合わせ態様「７６７」又は当り組み合わせ表示態様「７７７」（又は第２の特定組み合わせ表示態様「７３７」）が停止表示されて、第１の示唆演出（特定の通常ハズレ変動演出）が行われていないと、今回の報知演出（変動演出）において、第２の特定組み合わせ表示態様「７３７」が停止表示されない、つまり、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われ得ない。

ここで、今回の特別図柄の変動態様が特殊変動態様であり、特別図柄の変動後の判定図柄がハズレ図柄になる場合には、第２の特定組み合わせ表示態様（「７３７」等）以外の特殊ハズレ組み合わせ表示態様（「７６７」等）が停止表示されて、通常の特殊ハズレ報知演出（通常の特殊ハズレ変動演出）が行われる。尚、前回の報知演出（変動演出）において、第２の特定組み合わせ表示態様（「７３７」等）が停止表示されて、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われていると、今回の報知演出（変動演出）において、第２の特定組み合わせ表示態様（「７３７」等）が停止表示されて、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）が行われ得るようにしてもよい。

ところで、遊技状態制御手段５０により通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されているときには、特図保留記憶手段３２に記憶されている第１特図判定情報のうちの先読み演出の対象とされた第１特図判定情報（先読み対象判定情報）に対して、その先読み対象判定情報の消化直前までの１回又は連続する複数回の報知演出（変動演出）において、第１の示唆演出（特定の通常ハズレ変動演出）と第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）を行わせることを可能にしている。

そのために、特図保留記憶手段３２に第１特図判定情報が記憶されたとき、事前判定手段３４ａによる判定結果に基づいて、特図保留記憶手段３２に記憶されたその最新の第１特図判定情報を先読み演出の対象（先読み対象判定情報）とするか否かを判定すると共に、先読み演出の対象とする際には、その先読み対象判定情報に対して行う先読み演出として、最終的に青色チャンス目、緑色チャンス目、赤色チャンス目、Ｓチャンス目の何れを停止表示させるかを決定する、先読み実行判定が行われる。

但し、特図保留記憶手段３２に第１特図判定情報が記憶されたときに、特図保留記憶手段３２に記憶されている第１特図判定情報の中に既に先読み演出の対象とされた先読み対象判定情報が存在する、又は、第１特図保留数が１個である、又は、特図保留記憶手段３２に記憶されている最新の第１特図判定情報以外の第１特図判定情報に係る特図変動時間が全て特殊変動態様であるときには、最新の第１特図判定情報は先読み演出の対象とされない。

図２７に示すように、具体的に、先読み実行判定を行う場合、最新の第１特図判定情報の事前判定結果に基づいて、非当選時(1) には第１テーブルに示す選択率により、非当選時(2)には第２テーブルに示す選択率により、当選時には第３テーブルに示す選択率により、各チャンス目を最終的に停止表示させるか否かを判定する。但し、非当選時(2)には、最新の第１特図判定情報に係る図柄変動時間が特殊変動態様になるが、その特殊変動態様に応じて、ノーマルリーチ演出、ＳＰリーチ演出、ＳＰ・ＳＰリーチ演出の何れが行われるかで異なる図示の選択率により判定する。

最終的に停止表示させるチャンス目が決定されると、チャンス目を１回だけ表示させる場合には、最初から最終的に停止表示させるチャンス目を表示させるシナリオを、また、連続する複数回の変動演出において、チャンス目を複数回（２回、又は３回）に亙って表示させる場合には、最初から最終的に停止表示させるチャンス目を表示させたり、或いは、最初は最終的に停止表示させるチャンス目よりも大当り期待度が低いチャンス目を表示させて、段階的に大当り期待度が高いチャンス目に変更させたりするシナリオを決定し、そのシナリオに従ってチャンス目を複数回に亙って表示させる。図２８には複数種類のシナリオの一部を図示している。

ここで、図２９は、特図保留記憶手段３２に記憶されている第１特図保留数と、先読み演出の対象とされた先読み対象判定情報が消化される消化順番を示している。（１）は第１特図保留数が２個で先読み対象判定情報の消化順番が２番目、（２）は第１特図保留数が３個で先読み対象判定情報の消化順番が３番目、（２）は第１特図保留数が４個で先読み対象判定情報の消化順番が４番目、であることを夫々示す。

ここで、図２９では、第１特図保留数が２個以上であり、また、最新の第１特図判定情報以外の少なくとも１つの第１特図判定情報に係る第１特図変動時間が通常変動態様であるため、最新の第１特図判定情報が先読み対象判定情報となった状態を示している。図２９（１）では、消化順番が１番目の第１特図判定情報に係る第１特図変動時間が通常変動態様となり、１番目の第１特図判定情報に係る変動演出において、チャンス目を１回だけ表示させるシナリオとなる。

図２９（２）では、消化順番が１番目と２番目のうちの少なくとも１つの第１特図判定情報に係る第１特図変動時間が通常変動態様となる。１番目と２番目の両方が通常変動態様の場合、１回目と２回目の（第１特図判定情報に係る）変動演出において、チャンス目を２回表示させるシナリオ、若しくは、２回目の変動演出において、チャンス目を１回だけ表示させるシナリオとなる。１番目と２番目のうちの１つが特殊変動態様の場合、その特殊変動態様に係る変動表示のときからチャンス目表示が開始されないようにシナリオが決定される。つまり、１番目が特殊変動態様の場合、２回目の変動演出において、チャンス目を１回だけ表示させるシナリオとなり、２番目が特殊変動態様の場合、１回目と２回目の変動演出において、チャンス目を２回表示させるシナリオとなる。

図２９（３）では、消化順番が１番目と２番目と３番目のうちの少なくとも１つの第１特図判定情報に係る第１特図変動時間が通常変動態様となる。１番目と２番目と３番目の全てが通常変動態様の場合、１回目と２回目と３回目の（第１特図判定情報に係る）変動演出において、チャンス目を３回表示させるシナリオ、又は、２回目と３回目の変動演出において、チャンス目を２回表示させるシナリオ、又は、３回目の変動演出において、チャンス目を１回だけ表示させるシナリオとなる。１番目と２番目と３番目のうちの１つ又は２つが特殊変動態様の場合、その特殊変動態様に係る変動表示のときからチャンス目表示が開始されないようにシナリオが決定される。その詳細な説明については省略する。

ここで、特殊変動態様に係る変動表示の際にチャンス目を停止表示させる場合、前回の報知演出（変動演出）において停止表示されたチャンス目よりも大当り期待度が高いチャンス目が表示され易いようにシナリオが決定される。

さて、例えば、シナリオとして、青色→緑色→赤色が決定されると、図３０に示すように、先読み演出が開始される１回目の変動演出では、第１の青色チャンス目「２４６」を停止させ、次の２回目の変動演出では、第１の緑色チャンス目「１５９」を停止させ、次の３回目の変動演出では、第１の赤色チャンス目「３３７」を停止させる。

この３回全ての変動演出は、特別図柄が通常変動態様で変動表示されていときのものであるが、例えば、２回目の変動演出において、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されていときには、第２の緑色チャンス目「１５１」を停止させる。また、例えば、３回目の変動演出において、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されていときには、第２の赤色チャンス目「７３７」を停止させる。尚、２回目の変動演出において、第２のチャンス目「１５１」を停止させてから、３回目の変動演出において、第２のチャンス目「７３７」を停止させ得るようにしてもよい。

次に、図４、図１３に示す各手段３０〜３７，４０〜４７，５０，６０〜６３，７０〜７４，８０〜８４の機能を達成するために、制御装置２０（遊技制御基板２１、演出制御基板２３）が実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。

図３１に示すように、遊技制御基板２１のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間（4 ｍs ）毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理（Ｓ１）、スイッチ処理（Ｓ２）、図柄処理（Ｓ３）、電動役物処理（Ｓ４）、賞球処理（Ｓ５）、出力処理（Ｓ６）が順次実行される。

図３２に示すように、Ｓ２の始動口ＳＷ処理では、第１始動口ＳＷ１０ａがオンの場合（Ｓ１１；Yes）、第１特図保留数Ｕ１が４未満の場合に（Ｓ１２；Yes）、第１特図保留数Ｕ１がＵ１＋１に加算され（Ｓ１３）、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値（第１特図判定情報）が取得・格納され（Ｓ１４）、次に、事前判定処理（Ｓ１５）が実行され、第１特図保留数増加コマンドがセットされる（Ｓ１６）。

第２始動口ＳＷ１１ｃがオンの場合（Ｓ１７；Yes）、第２特図保留数Ｕ２が４未満の場合に（Ｓ１８；Yes）、第２特図保留数Ｕ２がＵ２＋１に加算され（Ｓ１９）、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値（第２特図判定情報）が取得・格納され（Ｓ２０）、次に、事前判定処理（Ｓ２１）が実行され、第２特図保留数増加コマンドがセットされる（Ｓ２２）。

Ｓ１５、Ｓ２１の事前判定処理では、基本的に、次に説明するＳ３の特別図柄処理のＳ３８とＳ３９と同等の処理が行われ、Ｓ１６、Ｓ２２では、Ｓ１５、Ｓ２１の事前判定処理の判定結果に関する事前判定情報を含む特図保留数増加コマンドがセットされる。Ｓ１６、Ｓ２２でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、Ｓ６の出力処理により演出制御基板２３に送信される。

図３３に示すように、Ｓ３の特別図柄処理では、特別遊技フラグ（大当り遊技フラグや小当り遊技フラグ）がＯＮ（つまり、大当り遊技や小当り遊技が実行中）でない場合（Ｓ３１；No）、特別図柄が変動中でない場合に（Ｓ３２；No）、第２特図保留数Ｕ２が１以上か否か判定される（Ｓ３３）。Ｓ３２の判定がYes の場合、つまり、特別図柄が変動中である場合には、Ｓ４２へ移行する。

Ｓ３３の判定がYesの場合、第２特図保留数Ｕ２がＵ２−１に減算され（Ｓ３４）、Ｓ３３の判定がNoの場合、第１特図保留数Ｕ１が１以上か否か判定される（Ｓ３５）。Ｓ３５の判定がYesの場合、第１特図保留数Ｕ１がＵ１−１に減算され（Ｓ３６）、Ｓ３５の判定がNoの場合、客待ち設定処理（Ｓ４６）が実行される。Ｓ３４又はＳ３６の実行後、客待ちフラグがＯＦＦにされ（Ｓ３７）、大当り判定処理（Ｓ３８）が実行され、続いて、変動態様選択処理（Ｓ３９）が実行される。

図３４に示すように、Ｓ３８の大当り判定処理では、先ず、大当り判定値処理（Ｓ５１）が実行され、ここで、特図保留記憶手段３２に記憶されている特図判定情報のうち消化優先順位が最も高い特図判定情報の大当り判定値が、図５を用いて説明したように、大当り特定値か否か判定されることで、大当りか否か判定される（Ｓ５２) 。Ｓ５２の判定がYesの場合、図柄判定値処理（Ｓ５３）が実行され、ここで、前記大当り判定値と組の図柄判定値に基づいて、図６を用いて説明したように、大当り図柄が複数種類の大当り図柄の中から選択設定される（Ｓ５４）。

Ｓ５２の判定がNoの場合、前記大当り判定値が、図５を用いて説明したように、小当り特定値か否か判定されることで、小当りか否か判定される（Ｓ５５）。Ｓ５５の判定がYesの場合、小当り図柄が設定され（Ｓ５６）、Ｓ５５の判定がNoの場合、ハズレ図柄が設定される（Ｓ５７）。尚、この大当り判定処理に供された特図判定情報は、特図保留記憶手段４２から消去（消化）される。

図３３に示すように、Ｓ３８の大当り判定処理の実行後、Ｓ３９の変動態様選択処理では、Ｓ３８（Ｓ５４又はＳ５６又はＳ５７）で設定された図柄、及び、Ｓ５２において大当りか否かの判定に供された大当り判定値と組のリーチ判定値、変動パターン判定値等に基づいて、図１１、図１２を用いて説明したように、変動態様（特図変動時間）が選択設定される。その後、第１又は第２特別図柄が変動開始され（Ｓ４０）、Ｓ３８で設定された図柄（大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄の何れか）とＳ３９で設定された変動態様の情報を含む特図変動開始コマンドがセットされる（Ｓ４１）。

次に、Ｓ３９で設定された特図変動時間が経過した場合（Ｓ４２；Yes）、第１又は第２特別図柄が変動停止され（Ｓ４３）、ここで、Ｓ３８で設定された図柄が第１又は第２特図表示器１９ａ又は１９ｂに表示される。続いて、特図変動停止コマンドがセットされ（Ｓ４４）、停止中処理（Ｓ４５）が実行される。尚、Ｓ４５の停止中処理において、遊技状態に関する処理が実行される。

その後、Ｓ４の大入賞口処理において、当りフラグがＯＮの場合、図７を用いて説明したように、大当りの場合には、大当り図柄の種類に応じて、16Ｒ長期開放、8Ｒ長期開放、8Ｒ短期開放の何れかの開閉パターンにて大入賞口１３ａを開放する大当り遊技が実行され、小当りの場合には、8Ｒ短期開放の開閉パターンにて大入賞口１３ａを開放する小当り遊技が実行される。尚、大当り遊技終了後に、大当り図柄の種類に応じた遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。

図３５に示すように、演出制御基板２３のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間（4ｍs）毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理（Ｓ１０１）、演出ボタン処理（Ｓ１０２）、コマンド送信処理（Ｓ１０３）が順次実行される。

図３６に示すように、Ｓ１０１のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され（Ｓ１１１）、Ｓ１１１の判定がYesの場合、保留数加算処理（Ｓ１１２）が実行され、続いて、保留数増加コマンドがセットされ（Ｓ１１３）、その後、保留数加算時先読み関連処理（Ｓ１１４）が実行される。Ｓ１１３でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、Ｓ１０３のコマンド送信処理により画像制御基板２４、ランプ制御基板２５に送信される。

図３７に示すように、Ｓ１１４の保留数加算時先読み関連処理では、先ず、受信した保留数増加コマンドが解析され（Ｓ１３１）、解析された事前判定情報が記憶される（Ｓ１３２）。次に、通常遊技状態又は潜確遊技状態か否か判定され（Ｓ１３３）、Ｓ１３３の判定がYesの場合、先読み演出実行フラグＦ１＝０か否か判定され（Ｓ１３４）、Ｓ１３４の判定がYesの場合、先読み実行判定（Ｓ１３５）が行われる。

図３８に示すように、Ｓ１３５の先読み実行判定では、記憶されている第１特図判定情報に対応する事前判定情報が読込まれ（Ｓ１４１）、次に、その事前判定情報の数が２以上か否か判定される（Ｓ１４２）。Ｓ１４２の判定がYesの場合、読込まれた最新の事前判定情報以外の事前判定情報に通常変動態様の情報を含むものが存在するか否か判定される（Ｓ１４３）。Ｓ１４３の判定がYes の場合、図２７を用いて説明したように、最新の事前判定情報を先読み対象とするか否か判定されると共に（Ｓ１４４）、先読み対象とする場合（Ｓ１４４；Yes）、最終的に停止させるチャンス目が決定される（Ｓ１４５）。

図３７に示すように、Ｓ１３５の実行後、先読み演出を行う場合（Ｓ１３６；Yes）、つまりＳ１４４の判定がYesの場合、先読み演出実行フラグＦ１に１がセットされ（Ｓ１３７）、次に、図２８等を用いて説明したように、チャンス目変更のシナリオが決定され（Ｓ１３８）、そのシナリオ情報を含むシナリオコマンドがセットされる（Ｓ１３９）。

図３６に示すように、Ｓ１１１の判定がNoの場合、或いはＳ１１４の実行後、特図変動開始コマンドを受信か否か判定され（Ｓ１１５）、Ｓ１１５の判定がYesの場合、報知演出選択処理（Ｓ１１６）が実行される。図３９に示すように、Ｓ１１６の報知演出選択処理では、受信した特図変動開始コマンドが解析され（Ｓ１６１）、設定されている演出モード（通常演出モード、時短演出モード、確変演出モード、潜確示唆演出モードの何れか）が参照され（Ｓ１６２）、保留数減算処理が実行される（Ｓ１６３）。

次に、受信した特図変動開始コマンドに対応する事前判定情報が消去され（Ｓ１６４）、受信した特図変動開始コマンドの解析された情報に基づいて、図１４を用いて説明したように、複数種類の報知演出の何れか１つが選択され（Ｓ１６５）、そこで選択された報知演出の情報を含む報知演出開始コマンドがセットされる（Ｓ１６６）。尚、Ｓ１６５では、設定されている演出モードに応じた報知演出が選択される。

図３６に示すように、Ｓ１１５の判定がNoの場合、或いはＳ１１６の実行後、特図変動停止コマンドを受信か否か判定され（Ｓ１１７）、Ｓ１１７の判定がYesの場合、報知演出終了中処理（Ｓ１１８）が実行される。図４０に示すように、Ｓ１１８の報知演出終了中処理では、受信した特図変動停止コマンドが解析され（Ｓ１９１）、設定されている演出モードが参照される（Ｓ１９２）。次に、当り（大当り／小当り）か否か判定され（Ｓ１９３）、Ｓ１９３の判定がYesの場合、演出モード処理（Ｓ１９４）が実行される。

Ｓ１９４の演出モード処理では、大当り図柄Ａ〜Ｄ（Ｅ）の何れかにより「確変大当り」「突確大当り」となった場合、確変演出モードが設定され、大当り図柄Ｆにより「通常大当り」となった場合、又は大当り図柄Ｇにより「突通大当り」となった場合、時短演出モードが設定され、大当り図柄Ｈにより「突通大当り」となった場合、通常演出モードが設定される。大当り図柄Ｅにより「潜確大当り」となった場合、及び「小当り」となった場合、潜確示唆演出モードが設定される。

更に、通常演出モード以外の演出モードが設定された場合には、モード継続回数Ｍが設定される。具体的に、確変演出モードが設定された場合、モード継続回数Ｍに10000がセットされ、時短演出モードが設定された場合、モード継続回数Ｍに50がセットされ、潜確示唆演出モードが設定された場合、モード継続回数Ｍに10000又は50がセットされる。

Ｓ１９３の判定がNoの場合、通常演出モードか否か判定され（Ｓ１９５）、Ｓ１９５の判定がNoの場合、モード継続回数Ｍが１減算される（Ｓ１９６）。次に、モード継続回数Ｍ＝０か否か判定され（Ｓ１９７）、Ｓ１９７の判定がYesの場合、通常演出モードが設定される（Ｓ１９８）。Ｓ１９４又はＳ１９８の実行後、或いはＳ１９５の判定がYes又はＳ１９７の判定がNoの場合、報知演出終了時先読み関連処理（Ｓ１９９）が実行され、その後、変動演出終了コマンドがセットされ（Ｓ２００）、リターンする。

図４１に示すように、Ｓ１９９の報知演出終了時先読み関連処理では、先読み演出対象の特図判定情報に係る報知演出の終了か否か判定され（Ｓ２０１）、Ｓ２０１の判定がYesの場合、先読み演出実行フラグＦ１に０がセットされる（Ｓ２０２）。

図３６に示すように、その後、オープニングコマンドを受信した場合（Ｓ１１９；Yes）、当り演出選択処理（Ｓ１２０）が実行され、エンディングコマンドを受信した場合（Ｓ１２１；Yes ）、エンディング演出選択処理（Ｓ１２２）が実行され、最後に、客待ちコマンド処理（Ｓ１２３）が実行される。

画像制御基板２４のコンピュータが実行する処理では、報知演出開始コマンドを受信した場合、そのコマンドに基づく報知演出の画像を画像表示装置１６に表示させると共に、これに同期させて、報知演出の音声をスピーカ２７から出力させ、この報知演出において、複数の演出図柄を画像表示装置１６に変動表示させてから停止表示させる。その結果、図２１に示す通常ハズレ報知演出（通常ハズレ変動演出）、図２２〜図２４に示す特殊ハズレ報知演出（特殊ハズレ変動演出）、図２５に示す当り報知演出（当り変動演出）の何れかが行われる。

また、シナリオコマンドを受信した場合、そのシナリオに従って、先読み演出を行う報知演出（変動演出）において、複数の演出図柄をチャンス目で停止表示させる。その結果、図２１に示す第１の示唆演出（特定の通常ハズレ変動演出）、図２２〜図２４に示す第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）の何れかが行われる。

以上説明したパチンコ遊技機１の作用・効果について説明する。
遊技者は、通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されているときには、発射ハンドル７を操作して遊技球がセンタ役物１５の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちにより遊技を行い、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されているとき、或いは大当り遊技が行われているときには、発射ハンドル７を操作して遊技球がセンタ役物１５の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちにより遊技を行う。

左打ちにより第１始動口１０を狙うことができ、第１特図保留数が４未満のときに、遊技球が第１始動口１０に入賞すると、第１特図判定情報が取得され特図保留記憶手段３２に記憶され、特図保留記憶手段３２に記憶された第１特図判定情報は第１特別図柄の変動開始毎に順次消化（消去）される。

右打ちにより開放した第２始動口１１ａを狙うことができ、第２特図保留数が４未満のときに、遊技球が第２始動口１１ａに入賞すると、第２特図判定情報が取得され特図保留記憶手段３２に記憶され、特図保留記憶手段３２に記憶された第２特図判定情報は第２特別図柄の変動開始毎に順次消化（消去）される。

左打ちにより左側のゲート１２を、また、右打ちにより右側のゲート１２を狙うことができ、普図保留数が４未満のときに、遊技球が左側又は右側のゲート１２を通過すると、普図判定情報が取得され普図保留記憶手段４２に記憶され、普図保留記憶手段４２に記憶された普図判定情報は、普通図柄の変動開始毎に順次消化（消去）される。ここで先ず、普図判定情報の消化により当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普図表示器１９ｃに当り図柄が変動停止後、第２始動口１１ａが開放する補助遊技が発生する。

通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合には、右打ちを行っても第１始動口１０への遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、第２始動口作動モードとして低作動モードが設定され、第２始動口１１ａへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、左打ちにより所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行うことになる。時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合には、第２始動口作動モードとして高作動モードが設定され、右打ちを行って第２始動口１１ａへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、右打ちにより所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。

特図保留記憶手段３２に記憶された特図判定情報は特別図柄の変動開始毎に順次消化（消去）されるが、その際、特図保留記憶手段３２に複数の特図判定情報が記憶されている場合には、それら複数の特図判定情報は取得された順番で消化され、但し、第１，第２特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第２特図判定情報が第１特図判定情報よりも優先消化される。そして、この特図判定情報の消化により大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、特図表示器１９ａ，１９ｂｃに大当り図柄が変動停止後、大入賞口１３ａが開放する大当り遊技が発生する。

大当り遊技が発生すると、変動停止した大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技中の大入賞口１３ａの開閉パターンとして、16Ｒ長期開放、8Ｒ長期開放、8Ｒ短期開放の何れかが選択実行される。右打ちを行うことにより、16Ｒ長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8Ｒ長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得できる。但し、8Ｒ短期開放では、右打ちを行っても、遊技球を実質獲得できない。

ところで、特図判定手段３４（大当り判定手段３４ａ、図柄判定手段３４ｂ）による判定結果に基づいて、特図表示器１９ａ，１９ｂに特別図柄が変動表示された後に当該判定結果を示す判定図柄が停止表示されるが、特別図柄が変動表示されているとき、その特別図柄の変動に係る大当り抽選の結果を報知する報知演出が行われ、この報知演出において、複数の演出図柄を変動表示させてから停止表示させる変動演出が行われ、この報知演出、変動演出では、大当り期待度を示唆する演出が行われるので、この報知演出、変動演出により、遊技性、並びに遊技興趣が高められる。

更に、事前判定手段３４ｃによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する先読み演出が、報知演出において、当該特別図柄の変動に係る大当り抽選の結果、ハズレ判定結果であることを報知する際に行われ得るため、具体的には、変動演出において、複数の演出図柄を停止表示させる際にチャンス目で停止表示させて行われ得るため、この先読み演出により、遊技性、並びに遊技興趣が一層高められる。

具体的には、先読み演出の対象となった先読み対象判定情報の消化直前までの１回又は連続する複数回の報知演出において、複数の演出図柄を大当り期待度が異なる複数種類のチャンス目（青色チャンス目、緑色チャンス目、赤色チャンス目、Ｓチャンス目）の何れで停止表示させることができる。

遊技者は、複数の演出図柄がチャンス目で停止表示されることで、先読み演出が行われていることを知り、先読み対象判定情報に対して、その先読み対象判定情報の消化前から大当りになることを期待することができる。この場合、大当り期待度が低いチャンス目（青色チャンス目等）で停止表示されても、次の変動演出において、大当り期待度が高いチャンス目（赤色チャンス目等）に変更されて停止表示されることも期待でき、そして、大当り期待度が高いチャンス目で停止表示されるほど、先読み対象判定情報に対して大当りになる期待を高めることができる。

ところで、本願出願人が実用化しているこの種の従来の先読み演出技術では、複数の演出図柄がリーチ状態になるときには、複数の演出図柄をチャンス目で停止させる先読み演出を行わないため、この先読み演出を行う上で制約が大きくなり、先読み演出による演出効果を高めるのに障害になっていた。

例えば、先読み演出の対象とされた先読み対象判定情報に対して、複数の演出図柄がチャンス目で停止表示されて先読み演出が開始された後、複数の演出図柄がリーチ状態になると、その報知演出が先読み対象判定情報に係る報知演出であることが確定し、以降、先読み演出が続くことを期待できなくなる。その結果、特に、先読み演出として大当り期待度が低いチャンス目でしか停止表示されていない場合、また、先読み対象判定情報に係る報知演出の大当り期待が低い場合、先読み演出により大当りを期待していた遊技者を落胆させることになる。

そこで、本発明では、上記課題を改善するように、特に、特殊ハズレ報知演出制御手段７１による特殊ハズレ報知演出においてハズレ判定結果であることが報知される際に、事前判定手段３４ａによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する第２の示唆演出を行わせることが可能な第２示唆演出制御手段７４、つまり、特殊ハズレ変動演出制御手段８１による特殊ハズレ変動演出において複数の演出図柄を停止表示させる際に、事前判定手段３４ｃによる判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する第２の特定組み合わせ表示態様で複数の演出図柄を停止表示させる特定の特殊ハズレ変動演出を行わせることが可能な第２特定演出制御手段８４を設けた。

従って、複数の演出図柄がチャンス目で停止表示されて先読み演出が開始された後、複数の演出図柄がリーチ状態になっても、その報知演出において、複数の演出図柄をチャンス目で停止表示させることができるので、先読み演出が続くことを期待できるようになる。つまり、先読み演出を行う上で制約が軽減され自由度が高くなり、例えば、特に先読み演出として大当り期待度が低いチャンス目でしか停止表示されていない場合でも、また、先読み対象判定情報に係る報知演出の大当り期待が低い場合でも、先読み演出が続くことを期待できるので、先読み演出による演出効果を大幅に高めることが可能になる。

また、第２示唆演出制御手段７４は、前回の報知演出において第１示唆演出制御手段７３により第１の示唆演出が行われていると、第２の示唆演出を行わせることが可能であるが、前回の報知演出において第１示唆演出制御手段７３により第１の示唆演出が行われていないと、第２の示唆演出を行わせない、つまり、第２特定演出制御手段８４は、前回の変動演出において第１特定演出制御手段８３により特定の通常ハズレ変動演出が行われていると、特定の特殊ハズレ変動演出を行わせることが可能であり、前回の変動演出において第１特定演出制御手段８３により特定の通常ハズレ変動演出が行われていないと、第２の特定組み合わせ表示態様とは異なる特殊ハズレ組み合わせ表示態様で複数の演出図柄を停止表示させる通常の特殊ハズレ変動演出を行わせる。

従って、先読み演出を行う上で一定の節度を保ち、つまり、先読み演出は、複数の演出図柄を第１の特定組み合わせ表示態様で停止表示されるときからは開始し得るが、第２の特定組み合わせ表示態様で停止表示されるときからは開始し得ないようにして、先読み演出を有効に行い得るようになる。

次に、前記実施例１を部分に変更した別の実施例について説明する。

実施例２では、先ず、実施例１の第１，第２特定演出制御手段８３，８４が省略されている。つまり、通常ハズレ報知演出では、第１の示唆演出を行うか否かに関わらず、複数の演出図柄が通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示され、特殊ハズレ報知演出では、第２の示唆演出を行うか否かに関わらず、複数の演出図柄が特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示される。尚、１３個の演出図柄を色別に分類する必要も特にない。

図４２に示すように、特別図柄が通常変動態様で変動表示されている際の通常ハズレ報知演出では、例えば、実施例１の図２１と同様の（１）〜（３）の後、（４）中央の演出図柄「６」が変動停止し、このとき、背景画面に特に変化がない。一方、（５）中央の演出図柄「６」が変動停止したとき、背景画面が特殊背景に切換わって、第１の示唆演出が行われる。

図４３に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の特殊ハズレ報知演出では、例えば、実施例１の図２２と同様の（１）〜（３）の後、（４）中央の演出図柄「６」が変動停止し、このとき、背景画面に特に変化がない。一方、（５）中央の演出図柄「６」が変動停止したとき、背景画面が特殊背景に切換わって、第２の示唆演出が行われる。

或いは、図４４に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の特殊ハズレ報知演出では、例えば、実施例１の図２３と同様の（１）〜（５）の後、（６）中央の演出図柄「６」が変動停止し、このとき、背景画面に特に変化がない。一方、（７）中央の演出図柄「６」が変動停止したとき、背景画面が特殊背景に切換わって、第２の示唆演出が行われる。

或いは、図４５に示すように、特別図柄が特殊変動態様で変動表示されている際の特殊ハズレ報知演出では、例えば、実施例１の図２４と同様の（１）〜（８）の後、（９）中央の演出図柄「６」が変動停止し、このとき、背景画面に特に変化がない。一方、（１０）中央の演出図柄「６」が変動停止したとき、背景画面が特殊背景に切換わって、第２の示唆演出が行われる。

図４６（１）に示すように、例えば、前回の報知演出において、複数の演出図柄が停止表示されるときに背景画面が特殊背景に切換わって、第１の示唆演出が行われていると、今回の報知演出において、複数の演出図柄が停止表示されるときに背景画面が特殊背景に切換わって、第２の示唆演出が行われ得る。

一方、図４６（２）に示すように、例えば、前回の報知演出において、複数の演出図柄が停止表示されるときに背景画面に変化がないと、つまり第１の示唆演出が行われていないと、今回の報知演出において、複数の演出図柄が停止表示されるときに背景画面が特殊背景に切換わる第２の示唆演出が行われ得ない。つまり、今回の特別図柄の変動態様が特殊変動態様であり、特別図柄の変動後の判定図柄がハズレ図柄になる場合には、背景画面に変化がない通常の特殊ハズレ報知演出が行われる。

尚、実施例１の第１，第２特定演出制御手段８３，８４を省略せずに、第１の示唆演出においては、複数の演出図柄が特定の通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示されると共に、そのとき、背景画面が特殊背景に切り換わり、また、第２の示唆演出においては、複数の演出図柄が特定の特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示されると共に、そのとき、背景画面が特殊背景に切り換わるようにしてもよい。

尚、第１の示唆演出（特殊背景）と第２の示唆演出（特殊背景）とを同じにしている。但し、図４７（１）（２）に示すように、第１の示唆演出（特殊背景）と第２の示唆演出（特殊背景）とを異ならせてもよい。また、実施例１のように、大当り期待度に応じて、青色、緑色、赤色、Ｓのチャンス目の何れかで複数の演出図柄を停止表示させるのと同じように、背景画面が複数種類の特殊背景の何れかに切り換わるようにしてもよい。

次に、示唆演出（第１，第２の示唆演出）の変更例について説明する。
（１）図４８に示すように、この示唆演出は、複数の演出図柄が停止表示されるとき、背景画面に特殊画像（多数の泡）を別途表示させたものである。
（２）図４９に示すように、この示唆演出は、複数の演出図柄が停止表示されるとき、背景画面に特殊文字（「先読み中」）を別途表示させたものである。

（３）図５０（１）に示すように、１３個の演出図柄とは別に、先読み演出専用の演出図柄を設けて、複数の演出図柄をその先読み演出専用の組み合わせ表示態様（「チャンス」）で停止表示させることにより示唆演出を行ってもよい。
（４）この場合、図５０（２）に示すように、複数の演出図柄については、先読み演出専用の組み合わせ表示態様（「チャンス」）とは別に、実施例１、２のように複数の演出図柄を停止表示させる（但し、画面隅部分に小さく表示させる）ようにしてもよい。

（５）時短遊技状態又は確変遊技状態において、先読み演出の対象とされた第２特図判定情報に対して、第１の示唆演出（特定の通常ハズレ変動演出）、第２の示唆演出（特定の特殊ハズレ変動演出）を行わせることを可能にしてもよい。
（６）特別図柄が変動表示されているときに、第１特図判定情報が取得記憶されて、第１特図保留数が１つになった場合でも、先読み実行判定を行って、その１つの第１特図判定情報を先読み対象判定情報として、現在変動表示されている特別図柄が停止される際に、チャンス目を表示させ得るようにしてもよい。

（７）遊技制御基板２１のコンピュータは、特図判定情報を取得記憶したときに、その特図判定情報自体をコマンドにより演出制御基板２３に送信し、演出制御基板２３のコンピュータにおいて、受信した特図判定情報を記憶するとともに、その自身に記憶された特図判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否か等を事前に判定するようにしてもよい。つまり、遊技制御基板２１のコンピュータにおいて、事前判定手段３４ａを省略可能である。
（８）前記実施例では、特図判定情報が取得記憶されたときに事前判定を行っているが、特別図柄の変動開始時や、特別図柄の変動停止時に事前判定を行ってもよい。

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。また、本発明については、その他の種々のパチンコ遊技機等の遊技機に適用可能である。

１ パチンコ遊技機
３１ 特図取得手段
３２ 特図保留記憶手段
３４ａ 大当り判定手段
３４ｃ 事前判定手段
３５ａ 変動態様決定手段
６０ 報知演出制御手段
７０ 通常ハズレ報知演出制御手段
７１ 特殊ハズレ報知演出制御手段
７２ 当り報知演出制御手段
７３ 第１示唆演出制御手段
７４ 第２示唆演出制御手段

Claims (1)

1. 始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、
   前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、
   前記判定手段により、前記特別遊技を行わないと判定されると通常変動態様と特殊変動態様の何れかの変動態様を、前記特別遊技を行うと判定されると前記特殊変動態様を決定可能な変動態様決定手段と、
   前記変動態様決定手段により決定された変動態様に応じて、複数の演出図柄を所定の変動表示態様で変動表示させてから前記判定手段による判定結果を示す組み合わせ表示態様で当該複数の演出図柄を停止表示させることで当該判定結果を報知する報知演出を行わせる報知演出制御手段と、
   前記取得手段により取得された判定情報を所定数まで記憶可能な記憶手段と、
   前記記憶手段に記憶されている判定情報が前記判定手段により判定される前に、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段とを備え、
   前記報知演出制御手段は、
   前記判定手段により前記特別遊技を行わないと判定されたときの前記通常変動態様に応じて、前記複数の演出図柄を通常変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させることで前記特別遊技が行われないハズレ判定結果であることを報知する通常ハズレ報知演出を行わせる通常ハズレ報知演出制御手段と、
   前記判定手段により前記特別遊技を行わないと判定されたときの前記特殊変動態様に応じて、前記複数の演出図柄を前記通常変動表示態様とは異なる特殊変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させることで前記ハズレ判定結果であることを報知する特殊ハズレ報知演出制御手段と、
   前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定されたときの前記特殊変動態様に応じて、前記複数の演出図柄を前記特殊変動表示態様で変動表示させてから当該複数の演出図柄を当り組み合わせ表示態様で停止表示させることで前記特別遊技が行われる当り判定結果であることを報知する当り報知演出制御手段と、
   前記通常ハズレ報知演出制御手段による前記通常ハズレ報知演出において複数の演出図柄を前記通常ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させる際に、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する特殊画像を表示させることが可能な第１示唆演出制御手段と、
   前記特殊ハズレ報知演出制御手段により前記特殊ハズレ報知演出において複数の演出図柄を前記特殊ハズレ組み合わせ表示態様で停止表示させる際に、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を示唆する前記特殊画像を表示させることが可能な第２示唆演出制御手段とを有し、
   前記第２示唆演出制御手段は、
   前回の報知演出において前記第１示唆演出制御手段により前記特殊画像が表示されていると、前記特殊画像を表示させることが可能であり、前回の報知演出において前記第１示唆演出制御手段により前記特殊画像が表示されていないと、前記特殊画像を表示させない、
   ことを特徴とする遊技機。