図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2、図3に示すように、遊技盤4の遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10(始動領域)、開閉式の第2始動口11a(可変始動領域)を有する始動口装置11、1対のゲート12(普図始動領域)、開閉式の大入賞口13a(特別領域)を有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が通過可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、1対のゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、1対のゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。つまり、第2始動口11aは、遊技球が入賞不可能な閉状態(通過し難い第1状態)と入賞可能な開状態(通過し易い第2状態)とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。つまり、大入賞口13aは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16及び可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着されたセンタ枠体15aを有し、このセンタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
画像表示器16はその画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認できるように配置されている。画像表示器16には、大当り抽選を演出する遊技演出が表示され、その遊技演出では、複数の演出図柄が変動後停止するように表示され、また、複数の演出図柄以外の動画が表示される。また、大当り遊技中には大当り遊技を演出する遊技演出(動画)が表示される。
可動役物装置17は、大当り抽選に関する報知(例えば、大当り抽選での当選、或いは当選期待度が高い旨の報知等)を行うために作動して、役物部材17aが画像表示器4の画面前側領域を遊技盤4の盤面と平行な方向へ移動する。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、1対のゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号と、払出制御基板22からの情報とを受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22と演出制御基板23とに制御情報(遊技情報)を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報と、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号とを受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板22に制御情報(払出情報)を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報と、演出ボタンSW6からの信号とを受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16とスピーカ27とを制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、主に画像制御基板24のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ28aと盤ランプ28bと可動役物装置17とを制御する。
図4に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の複数手段30〜36,40〜46,50が構成されている。
特図カウンタ手段30は、16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り判定値(大当りカウンタ値)を、設定範囲(0〜65535)内で微小時間(0.1μs)毎に順次更新し、また、8ビット構成の所謂ソフト乱数である図柄判定値(図柄カウンタ値)を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。
特図取得手段31は、第1特図保留数が4未満のときに遊技球が第1始動口10に入賞(第1始動領域を通過)することを条件に、その遊技球入賞時に特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値及び図柄判定値を取得し、これら両判定値がペアで第1特図判定用情報となる。また、特図取得手段31は、第2特図保留数が4未満のときに遊技球が第2始動口11aに入賞(第2始動領域を通過)することを条件に、その遊技球入賞時に特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値及び図柄判定値を取得し、これら両判定値がペアで第2特図判定用情報となる。
特図保留記憶手段32は、コンピュータRAMにより構成されている。特図保留記憶手段32の第1記憶手段32aには、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに遊技球が第1始動口10に入賞(第1始動領域を通過)した場合、或いは特別図柄が変動表示されていないときでも遊技球が第1始動口10に入賞した場合には一旦、特図取得手段31により取得された第1特図判定用情報が記憶され、その第1記憶手段32aには、最大で4つの第1特図判定用情報を記憶可能に4つの第1記憶部1〜4(図5〜図8参照)が設けられている。
また、特図保留記憶手段32の第2記憶手段32bには、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに遊技球が第2始動口11aに入賞(第2始動領域を通過)した場合、或いは特別図柄が変動表示されていないときでも遊技球が第2始動口11aに入賞した場合には一旦、特図取得手段31により取得された第2特図判定用情報が記憶され、その第2記憶手段32bには、最大で4つの第2特図判定用情報を記憶可能に4つの第2記憶部1〜4(図5〜図8参照)が設けられている。
特図保留消化手段33は、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の少なくとも一方が記憶されている場合、その特図判定用情報を特図表示器19a,19bにおける特別図柄の変動開始毎に順次後述の図柄変動時判定手段34aによる判定に供して特図保留記憶手段32から消化する。但し、特図保留消化手段33において、優先消化手段33aが、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の両方が記憶されている場合に、第2特図判定用情報を第1特図判定用情報よりも優先して消化し、つまり、第1又は第2記憶手段32a又は32bに記憶されている特図判定用情報に基づいて特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示される際、第2記憶手段32bに記憶されている第2特図判定用情報に基づく特別図柄の変動表示を優先させる。
例えば、図5に示すように、第1特図判定用情報A1,A2,A3が、A1→A2→A3の順番で取得された場合に第1記憶部1,2,3に夫々記憶され、第2特図判定用情報B1,B2が、B1→B2の順番で取得された場合に第2記憶部1,2に夫々記憶される。図5に示す状態から図6に示すように、第1特図判定用情報A4が取得された場合に第1記憶部4に記憶され、第2特図判定用情報B3が取得された場合に第2記憶部3に記憶される。
図5に示す状態からは、図7に示すように、第2記憶部1の記憶、つまり第2特図判定用情報B1が消化され、それに伴って、第2特図判定用情報B2が第2記憶部1に記憶される。更に、第2特図判定用情報B2が消化された状態からは、図8に示すように、第1記憶部1の記憶、つまり第1特図判定用情報A1が消化され、それに伴って、第1特図判定用情報A2,A3が夫々第1記憶部1,2に記憶される。このように、第2特図判定用情報が第1特図判定用情報よりも優先して消化され、第1,第2特図判定用情報は夫々取得された順番で消化される。
特図判定手段34は、特図取得手段31により取得された(特図保留記憶手段32に記憶された)特図判定用情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技に関する判定を行う。そこで、特図取得手段31により取得された特図判定用情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を実行させるか否か判定し、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を実行させるか否か判定する。更に、大当り遊技を実行させると判定した場合、その大当り判定値とペアの図柄判定値に基づいて、複数種類の大当り図柄(図10に示す7種類の大当り図柄A〜G)の何れか1つを選択する。
図9に示すように、特図判定手段34は、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて、特別遊技を実行させるか否かの判定を行う。低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/320 の割合で大当り特定値(3、247、・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を実行させると判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値(3、7、・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を実行させると判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れを用いる場合でも、大当り判定値が約3/320 の割合で小当り特定値(4、44、・・・)の何れかと一致する場合に、小当り遊技を実行させると判定する。
図10に示すように、特図判定手段34は、大当り遊技を実行させると判定した場合、その大当り判定値が、遊技球の第1始動口10への入賞により取得された第1特図判定用情報に含まれる場合、第1図柄選択テーブルを用いて、また、遊技球の第2始動口11aへの入賞により取得された第2特図判定用情報に含まれる場合、第2図柄選択テーブルを用いて、大当り図柄の選択を行う。大当り図柄A〜Gの選択率は、第1図柄選択テーブルを用いる場合と第2図柄選択テーブルを用いる場合とで異なるように設定されている。
特図判定手段34において、図柄変動時判定手段34aは、特図保留消化手段33により消化される特図判定用情報、つまり、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示される際に当該特別図柄の変動に対応する特図判定用情報に基づいて判定(大当り遊技や小当り遊技を実行させるか否かの判定、大当り遊技を実行させる場合の大当り図柄の選択)を行う。
特図表示器19a,19bには、図柄変動時判定手段34aによる判定結果を示す特別図柄が変動表示後に停止表示される。大当り遊技を実行させると判定された場合には、選択された大当り図柄A〜Gの何れか1つが停止表示され、小当り遊技を実行させると判定された場合には、小当り図柄が停止表示され、特別遊技(大当り遊技及び小当り遊技)を実行させないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。
特別遊技実行手段35は、図柄変動時判定手段34aにより大当り遊技又は小当り遊技を実行させると判定されて、その判定結果を示す特別図柄(大当り図柄又は小当り図柄)が特図表示器19a,19bに停止表示された場合、大入賞口13aを開放する特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を実行する。図11に示すように、大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄C,D,F,Gに対応する開閉パターンと同様に設定されている。
具体的に、16R長期開放では、大入賞口13aが16R(ラウンド)に亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口13aの開放により開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件の成立により、大入賞口13aの閉塞により終了する。8R長期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件の成立により終了する。8R短期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、例えば0.1秒経過する終了条件の成立により終了する。
確率状態制御手段36は、特図判定手段34により特別遊技(大当り遊技)を実行させると判定される確率が図9に示す低確テーブルを用いて所定の低確率(約1/320 )に設定される低確率状態、又は図9に示す高確テーブルを用いて所定の低確率よりも高確率(約10/320)に設定される高確率状態で遊技を制御する。
普図カウンタ手段40は、8ビット構成のソフト乱数である当り判定値(当りカウンタ値)を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。普図取得手段41は、普図保留数が4未満のときに遊技球がゲート12(普図始動領域)を通過したことを条件に、その遊技球通過時に普図カウンタ手段40により更新された当り判定値を取得し、この当り判定値が普図判定用情報となる。
普図保留記憶手段42は、コンピュータRAMにより構成されている。普図保留記憶42には、普図表示器19cに普通図柄が変動表示されているときに遊技球がゲート12を通過した場合、或いは普通図柄が変動表示されていないときでも遊技球がゲート12を通過した場合には一旦、普図取得手段41により取得された普図判定用情報が記憶され、その普図保留記憶42には、最大で4つの普図判定用情報を記憶可能に4つの記憶部1〜4(図12参照)が設けられている。
普図保留消化手段43は、普図保留記憶手段42に普図判定用情報が記憶されている場合、その普図判定用情報を普図表示器19cにおける普通図柄の変動開始毎に順次後述の普図判定手段44による判定に供して普図保留記憶手段42から消化する。
例えば、図12に示すように、普図判定用情報C1,C2が、C1→C2の順番で取得された場合に記憶部1,2に夫々記憶される。図12に示す状態から、図示していないが、普図判定用情報C3が取得された場合に記憶部3に記憶され、また、図12に示す状態からは、図示していないが、記憶部1の記憶、つまり普図判定用情報C1が消化され、それに伴って、普図判定用情報C2が記憶部1に記憶される。このように、普図判定用情報は取得された順番で消化される。
普図判定手段44は、普図取得手段41により取得され普図保留記憶手段42に一旦記憶されて、普図保留消化手段43により消化される普図判定用情報、つまり、普図表示器19cに普通図柄が変動表示される際に当該普通図柄の変動に対応する普図判定用情報に基づいて、補助遊技を実行させるか否か判定する。
補助遊技実行手段45は、普図判定手段44により補助遊技を実行させると判定されて、その判定結果を示す普通図柄(当り図柄)が普図表示器19cに停止表示された場合、第2始動口11aを開放する補助遊技を実行する。
補助遊技設定手段46は、図13に示すように、補助遊技作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モードと、第2始動口11aを開状態に作動させ易い高作動モードの何れかを設定する。
低作動モードでは、普図判定手段44により補助遊技を実行させると判定される当り当選確率が1/10、普図表示器19cにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)が12秒、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンが0.1秒×1回に設定され、高作動モードでは、当り当選確率が10/10 、普図変動時間が0.5秒、補助遊技実行中の第2始動口11aの開閉パターンが1秒×3回に設定される。このように、低作動モードよりも高作動モードの方が、当り当選確率が高くなり、普図変動時間が短くなり、補助遊技実行中の第2始動口11aの開放時間が長くなり、故に、第2始動口11aを開状態に作動させ易くなり、遊技球が第2始動口11aに入賞し易くなる。
遊技状態制御手段50は、複数種類の遊技状態(図14に示す4種類の通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)の何れか1つを設定し、その設定された遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。
図14に示すように、通常遊技状態では、大当り当選確率が低確率(約1/320 )に設定され且つ補助遊技作動モードが低作動モードに設定され、時短遊技状態では、大当り当選確率が低確率に設定され且つ補助遊技作動モードが高作動モードに設定される。また、潜確遊技状態では、大当り当選確率が高確率(約10/320)に設定され且つ補助遊技作動モードが低作動モードに設定され、確変遊技状態では、大当り当選確率が高確率に設定され且つ補助遊技作動モードが高作動モードに設定される。
図11に示すように、遊技状態制御手段50は、大当り図柄A,B,Cの何れかが特図表示器19a,19bに停止表示された場合、大当り遊技実行後、その大当り遊技終了時から特図表示器19a,19bにおける特別図柄の変動回数(特図変動回数)が第1設定回数(10000 回)に達する迄の間、確変遊技状態を設定し、第1設定回数に達すると、通常遊技状態へ移行させる。大当り図柄Dが特図表示器19a,19bに停止表示された場合には、大当り遊技実行後、その大当り遊技終了時から特図変動回数が第1設定回数に達する迄の間、潜確遊技状態(或いは確変遊技状態)を設定し、第1設定回数に達すると、通常遊技状態へ移行させる。
また、遊技状態制御手段50は、大当り図柄E,Fの何れかが特図表示器19a,19bに停止表示された場合、大当り遊技実行後、その大当り遊技終了時から特図変動回数が第2設定回数(100回) に達する迄の間、時短遊技状態を設定し、第2設定回数に達すると、通常遊技状態へ移行させる。大当り図柄Gが特図表示器19a,19bに停止表示された場合、大当り遊技実行後、その大当り遊技終了時から通常遊技状態を設定する。小当り図柄が特図表示器19a,19bに停止表示された場合、小当り遊技実行後、その小当り遊技終了時から、小当り遊技実行前に設定されていた遊技状態を再設定する。
ここで、通常遊技状態と潜確遊技状態が、第2始動口11bを開状態に作動させ難い(つまり、補助遊技作動モードとして低作動モードが設定される)非特定遊技状態に相当し、時短遊技状態と確変遊技状態が、第2始動口11bを開状態に作動させ易い(つまり、補助遊技作動モードとして高作動モードが設定される)特定遊技状態に相当し、遊技状態制御手段50は、非特定遊技状態又は特定遊技状態で遊技を制御する。
また、確率状態制御手段36において、高確率状態制御手段36aが、図柄変動時判定手段34aにより大当り遊技を実行させると判定され且つ大当り図柄A,B,Cの何れかが選択されることで第1の結果と判定された場合、特別遊技実行手段35により大当り遊技が実行された後に高確率状態で遊技を制御し、低確率状態制御手段36bが、図柄変動時判定手段34aにより大当り遊技を実行させると判定され且つ大当り図柄E,F,Gの何れかが選択されることで第2の結果と判定された場合、特別遊技実行手段35により大当り遊技が実行された後に低確率状態で遊技を制御する。
そして、遊技状態制御手段50は、大当り図柄A,B,Cの何れかが選択され、高確率状態制御手段36aにより高確率状態で遊技が制御される場合、補助遊技設定手段46により高作動モードが設定されて、特定遊技状態(確変遊技状態)で遊技を制御可能に構成されている。
特図判定手段34において、事前判定手段34bは、特図保留記憶手段32(第1,第2記憶手段32a,32b)に記憶されている特図判定用情報(第1,第2特図判定用情報)に基づいて判定(大当り遊技を実行させるか否かの判定、大当り遊技を実行させる場合の大当り図柄の選択等)を事前に行う。この場合、図15に示すように、特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶された際に、その新たな特図判定用情報に対して記憶直後に判定を行い、その判定結果に関する情報が演出制御基板23に送信される。
詳細に、事前判定手段34bは、通常遊技状態又は潜確遊技状態(非特定遊技状態)において、第1特図判定用情報に基づいて判定を行い、その際、通常遊技状態のときには、図9に示す低確テーブルを用いて、つまり大当り遊技を実行させると判定される確率が低確率に設定された状態と、図9に示す高確テーブルを用いて、つまり大当り遊技を実行させると判定される確率が高確率に設定された状態との両方で判定を行い、潜確遊技状態のときには、図9に示す高確テーブルを用いて判定を行う。また、事前判定手段34bは、基本的に全遊技状態において、第2特図判定用情報に基づいて判定を行い、その際、時短,通常遊技状態のときには、図9に示す低確テーブルを用いて判定を行い、確変,潜確遊技状態のときには、図9に示す高確テーブルを用いて判定を行う。
次に、図4に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25のコンピュータにより、演出機器65を用いて遊技演出を実行する演出実行手段60が構成されている。尚、演出機器65は、画像表示器16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28bにより構成されている。
この演出実行手段60が、特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに遊技演出を実行するが、通常遊技状態又は潜確遊技状態において、図柄変動時判定手段34aにより大当り遊技を実行させると判定され且つ大当り図柄A,B,Cの何れかが選択された場合、大当り遊技が開始される迄の間に、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報がなければ通常演出を実行し、図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報があれば通常演出と異なる特別演出を実行する。
具体的に、図16(1)に示すように、通常演出では、画像表示器16に複数の演出図柄が縦スクロールにより変動表示され、図16(2)に示すように、特別演出では、画像表示器16に複数の演出図柄が横スクロールにより変動表示される。尚、上記以外に、通常演出と特別演出とで、画像表示器16に表示される背景画面を異ならせたり、演出図柄の種類(表示態様)を異ならせたり、演出図柄以外の演出動画を異ならせたりしてもよい。例えば、特別演出では、通常演出で表示されない演出図柄(「チャンス」図柄等)を加えて表示させてもよい。
ここで、演出実行手段60において、遊技制御基板21から受信した事前判定手段34bによる判定結果に関する情報が、特図保留記憶手段32の記憶情報と対応付けて記憶される。そして、その記憶情報(事前判定手段34bによる判定結果に関する情報)を参照することで、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報があるか否か判定される。
尚、演出実行手段60において、保留表示制御手段61が、図2に示すように、画像表示器16に、特図保留記憶手段32に記憶されている第1特図判定用情報の数(図2では3個)、つまり第1特図保留数を相当数の第1特図保留アイコン66により表示させ、特図保留記憶手段32に記憶されている第2特図判定用情報の数(図2では2個)、つまり第2特図保留数を相当数の第2特図保留アイコン67により表示させる。ここで、保留表示制御手段61は、記憶された事前判定手段34bによる判定結果に関する情報に基づいて、一般的な先読み演出として、保留アイコンの表示形態(表示色)を変更し、その保留アイコンに係る大当り期待度を表示形態により報知可能に構成されている。
次に、図4に示す各手段30〜36,40〜46,50,60,61の機能を達成するために、制御装置20(遊技制御基板21、演出制御基板23の各コンピュータ)が実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図17に示すように、遊技制御基板21のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、スイッチ処理(S2)、図柄処理(S3)、電動役物処理(S4)、賞球処理(S5)、出力処理(S6)が順次実行される。
図18に示すように、S2の始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes )、第1特図保留数U1が4未満の場合に(S12;Yes )、第1特図保留数U1がU1+1に加算され(S13)、大当り判定値と図柄判定値(第1特図判定用情報)が取得・格納され(S14)、次に、第1事前判定処理(S15)が実行され、その判定結果に関する情報を含む第1特図保留数増加コマンドがセットされる(S16)。
第2始動口SW11cがオンの場合(S17;Yes )、第2特図保留数U2が4未満の場合に(S18;Yes )、第2特図保留数U2がU2+1に加算され(S19)、大当り判定値と図柄判定値(第2特図判定用情報)が取得・格納され(S20)、次に、第2事前判定処理(S21)が実行され、その判定結果に関する情報を含む第2特図保留数増加コマンドがセットされる(S22)。尚、S16、S22でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図17のS6の出力処理により演出制御基板23に送信される。
図19に示すように、S3の特別図柄処理では、当り遊技フラグ(大当り遊技フラグや小当り遊技フラグ)がON(つまり、大当り遊技や小当り遊技が実行中)でない場合(S31;No)、特別図柄が変動中でない場合に(S32;No)、第2特図保留数U2が1以上か否か判定される(S33)。S32の判定がYes の場合、つまり、特別図柄が変動中である場合には、S42へ移行する。
S33の判定がYes の場合、第2特図保留数U2がU2−1に減算され(S34)、S33の判定がNoの場合、第1特図保留数U1が1以上か否か判定される(S35)。S35の判定がYes の場合、第1特図保留数U1がU1−1に減算され(S36)、S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理(S46)が実行される。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理(S38)が実行され、続いて、変動パターン選択処理(S39)が実行される。
図20に示すように、S38の大当り判定処理では、先ず、大当り判定値処理(S51)が実行され、ここで、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定用情報のうち消化優先順位が最も高い、そして図19のS34又はS36で減算された特図保留数に対応する特図判定用情報の大当り判定値が、図9等を用いて説明したように、大当り特定値か否か判定されることで、大当りか否か判定される(S52) 。
S52の判定がYes の場合、図柄判定値処理(S53)が実行され、ここで、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定用情報のうち消化優先順位が最も高い特図判定用情報の図柄判定値に基づいて、図10等を用いて説明したように、大当り図柄が複数種類の大当り図柄の中から選択設定される(S54)。S52の判定がNoの場合、大当り判定値が小当り特定値か否か判定されることで、小当りか否か判定される(S55)。S55の判定がYes の場合、小当り図柄が設定され(S56)、S55の判定がNoの場合、ハズレ図柄が設定される(S57)。尚、この大当り判定処理に供された特図判定用情報は、特図保留記憶手段42から消去(消化)される。
図19に示すように、S38の大当り判定処理の実行後、S39の変動パターン選択処理では、S38(図20のS54又はS56又はS57)で設定された図柄の種類等から、遊技演出用に変動パターン(変動時間)が選択設定される。その後、第1又は第2特別図柄が変動開始され(S40)、S38で設定された特別図柄の種類とS39で設定された変動パターン(変動時間)の情報を含む変動開始コマンドがセットされる(S41)。
次に、S39で設定された変動時間が経過した場合(S42;Yes )、第1又は第2特別図柄が変動停止され(S43)、ここで、S38で設定された図柄が第1又は第2特図表示器19a又は19bに表示される。続いて、変動停止コマンドがセットされ(S44)、停止中処理(S45)が実行される。
図21に示すように、S45の停止中処理では、時短遊技フラグがONの場合(S61;Yes )、時短回数JがJ−1に減算され(S62)、J=0の場合には(S63;Yes )、時短遊技フラグがOFFにリセットされる(S64)。また、確変/潜確遊技フラグがONの場合(S65;Yes )、確変回数XがX−1に減算され(S66)、X=0の場合には(S67;Yes )、確変/潜確遊技フラグがOFFにリセットされる(S68)。ここで、時短遊技フラグがONの場合に時短遊技状態となり、確変遊技フラグがONの場合に確変遊技状態となり、潜確遊技フラグがONの場合に潜確遊技状態となる。時短/確変/潜確遊技フラグが全てOFFの場合に通常遊技状態になる。
次に、大当りの場合(S69;Yes )、大当り遊技フラグがONにセットされ(S70)、時短/確変回数J/Xに0がセットされ(S71)、時短/確変/潜確遊技フラグがOFFにリセットされ(S72)、一方、小当りの場合(S69;No、S73;Yes )の場合、小当り遊技フラグがONにセットされる(S74)。S72とS74の実行後、オープニングが開始され(S75)、オープニングコマンドがセットされる(S76)。
その後、S4の大入賞口処理において、当りフラグがONの場合、図11を用いて説明したように、大当りの場合には、大当り図柄の種類に応じて、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかの開閉パターンにて大入賞口13aを開放する大当り遊技が実行され、小当りの場合には、8R短期開放の開閉パターンにて大入賞口13aを開放する小当り遊技が実行される。そして、この大当り遊技、小当り遊技の実行後に、遊技状態設定処理が実行される。尚、その後、当り遊技フラグがOFFにリセットされる。
図22に示すように、遊技状態設定処理では、小当りの場合(S81;Yes )、リターンし、通常大当りの場合(S81;No、S82;Yes )、時短遊技フラグがONにセットされ(S83)、時短回数Jに100 がセットされる(S84)。確変大当りの場合(S82;No、S85;Yes )、確変遊技フラグがONにセットされ(S86)、潜確大当りの場合(S85;No)、潜確遊技フラグがONにセットされ(S87)、S86とS87の実行後、確変回数Xに10000 がセットされる(S88)。
図23に示すように、S2のゲートSW処理では、ゲートSW12aがオンの場合(S91;Yes )、普図保留数Gが4未満の場合に(S92;Yes )、普図保留数GがG+1に加算され(S93)、当り判定値(普図判定用情報)が取得・格納される(S94)。
図24に示すように、S3の普通図柄処理では、補助遊技フラグがON(つまり、補助遊技が実行中)でない場合(S101;No)、普通図柄が変動中か否か判定され(S102)、S102の判定がYes の場合、S109へ移行する。S102の判定がNoの場合、普図保留数Gが1以上の場合には(S103;Yes )、GがG−1に減算され(S104)、当り判定処理(S105)、停止図柄設定処理(S106)、変動時間設定処理(S107)が順次実行され、普通図柄が変動開始され(S108)、S109へ移行する。
ここで、補助遊技作動モードとして、通常遊技状態、潜確遊技状態のときには、図13に示す低作動モードが設定され、S105の当り判定処理では、当り当選確率が1/10に設定され、S107の変動時間設定処理では、普図変動時間が12秒に設定される。また、補助遊技作動モードとして、確変遊技状態、時短遊技状態のときには、図13に示す高作動モードが設定され、S105の当り判定処理では、当り当選確率が10/10 に設定され、S107の変動時間設定処理では、普図変動時間が0.5秒に設定される。
S109では、S107で設定された変動時間が経過したか否か判定され、S109の判定がYes の場合、普通図柄がS106で設定された停止図柄で変動停止され(S110)、当りとなった場合(S111;Yes )、補助遊技フラグがONにセットされる(S112)。その後、S4の電チュー処理において、補助遊技フラグがONの場合、第2始動口11aを開放する補助遊技が実行される。ここで、低作動モード(通常遊技状態、潜確遊技状態)では、第2始動口11aの開閉パターンが0.1秒×1回に設定され、高作動モード(確変遊技状態、時短遊技状態)では、第2始動口11aの開閉パターンが1秒×3回に設定される。尚、その後、補助遊技フラグがOFFにリセットされる。
図25に示すように、S2の始動口SW処理におけるS15の第1事前判定処理では、現在の遊技状態が通常遊技状態か否か判定され(S121)、S121の判定がYes の場合、図9に示す低確テーブルを用いて、大当り判定値処理(S122)が実行され、続いて図柄判定値処理(S123)が実行される。S121の判定がNoの場合、現在の遊技状態が潜確遊技状態か否か判定され(S124)、S124の判定がNoの場合、リターンする。S123の実行後、或いはS124の判定がYes の場合、図9に示す高確テーブルを用いて、大当り判定値処理(S125)が実行され、続いて図柄判定値処理(S126)が実行され、リターンする。尚、S122とS125の大当り判定値処理、S123とS126の図柄判定値処理は、基本的にS38と同じ処理である。
図26に示すように、S2の始動口SW処理におけるS21の第2事前判定処理では、現在の遊技状態が時短,通常遊技状態か否か判定され(S131)、S131の判定がYes の場合、図9に示す低確テーブルを用いて、大当り判定値処理(S132)が実行され、続いて図柄判定値処理(S133)が実行される。S131の判定がNoの場合、つまり、現在の遊技状態が確変,潜確遊技状態の場合、図9に示す高確テーブルを用いて、大当り判定値処理(S134)が実行され、続いて図柄判定値処理(S135)が実行される。尚、S132とS134の大当り判定値処理、S133とS135の図柄判定値処理は、基本的にS38と同じ処理である。
図27に示すように、演出制御基板23のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理(S201)、演出ボタン処理(S202)、コマンド送信処理(S203)が順次実行される。
図28に示すように、S201のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され(S211)、S211の判定がYes の場合、保留数加算処理(S212)が実行され、保留アイコン処理(S213)が実行され、保留数増加コマンドがセットされる(S214)。演出制御基板23のコンピュータでは、第1,第2特図保留数が管理されており、S211で受信した保留数増加コマンドの種類に応じて、S212では第1又は第2特図保留数が1加算される。
S213では、受信した保留数増加コマンドから得られる事前判定手段34bによる判定結果に関する情報に基づいて、一般的な先読み演出として、保留アイコンの表示形態(表示色)を変更するか否か、また、変更する場合の表示形態を判定し、S214では、S213の判定結果を含む保留数増加コマンドがセットされる。尚、S214でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図27のS203のコマンド送信処理により画像制御基板24、ランプ制御基板25に送信される。
次に、変動開始コマンドを受信か否か判定され(S215)、S215の判定がYes の場合、演出選択処理(S216)が実行される。図29に示すように、S216の演出選択処理では、受信した変動開始コマンドが解析され(S231)、モードフラグが参照され(S232)、保留数減算処理(S233)が実行される。S233では、当該図柄変動に係る第1又は第2特図保留数が1減算される。
次に、S231の解析の結果、設定された特別図柄(停止図柄)が大当り図柄A,B,Cの何れかであるか否か(設定された変動パターンが確変大当り変動パターンか否か)判定され(S234)、S234の判定がYes の場合、事前判定結果、つまり記憶されている事前判定手段34bによる判定結果に関する情報が参照される(S235)。そして、S234の判定がNoの場合、又はS235の実行後、変動演出パターン選択処理(S236)が実行され、その後、S236で選択された遊技演出パターンの情報を含む変動演出開始コマンドがセットされる(S237)。
S236の変動演出パターン選択処理では、S234の判定がNoの場合と、S234の判定がYes となり、S235により、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報がないことが判明された場合、S231の解析の結果に基づいて、図30に示す複数種類の通常遊技演出パターンA-1,A-2・・・の何れか1つが選択される。
一方、S234の判定がYes となり、S235により、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報があることが判明された場合、S231の解析の結果に基づいて、図30に示す複数種類の特別遊技演出パターンB-1,B-2・・・の何れか1つが選択される。
通常遊技演出パターンA-1,A-2・・・では、例えば、図16(1)のように、画像表示器16に複数の演出図柄が縦スクロールにより変動表示され、特別遊技演出パターンB-1,B-2・・・では、例えば、図16(2)のように、画像表示器16に複数の演出図柄が横スクロールにより変動表示される。
次に、図28に示すように、変動停止コマンドを受信した場合には(S217;Yes )、遊技演出終了中処理(S218)が実行され、オープニングコマンドを受信した場合には(S219)、当り演出選択処理(S220)が実行され、エンディングコマンドを受信した場合には(S221)、エンディング演出選択処理(S222)が実行される。最後に、客待ちコマンド処理(S223)が実行される。
画像制御基板24のコンピュータでは、演出制御基板23のS216により選択された遊技演出パターンA-1,A-2・・・,B-1,B-2・・・の何れか1つが、特別図柄の変動表示中に画像表示器16に表示される。
以上説明したパチンコ遊技機1によれば次の作用・効果を奏する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されているとき、遊技者は、遊技球を第1始動口10に入賞させるために、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちを行う。つまり、左打ちにより第1始動口10を狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると、第1特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶される。左打ちにより左側のゲート12を狙うこともでき、普図保留数が4未満のときに、遊技球が左側のゲート12を通過すると、普図判定用情報が普図保留記憶手段42に記憶される。
ここで先ず、普図保留記憶手段42に普図判定用情報が記憶されている場合、その普図判定用情報が普通図柄の変動開始毎に順次消化されて当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普通図柄としての当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。遊技者は、左打ちにより開放する第2始動口11aを狙うことができ、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定用情報が特図保留記憶手段32に記憶される。但し、通常遊技状態、潜確遊技状態のときには、補助遊技作動モードとして低作動モードが設定されるため、第2始動口11aへの遊技球の入賞を殆ど期待することができない。
次に、特図保留記憶手段32に特図判定用情報が記憶されている場合、その特図判定用情報が特別図柄の変動開始毎に順次消化されて大当り抽選が行われ、その際、特図保留記憶手段32に第1,第2特図判定用情報の両方が記憶されている場合、第2特図判定用情報が第1特図判定用情報よりも優先して消化され、また、第1,第2特図判定用情報は、夫々取得された順番で消化される。その大当り抽選で当選した場合、特別図柄としての大当り図柄の変動停止後、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。遊技者は、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちを行って、開放する大入賞口13aを狙うことができる。
大当り抽選で当選した場合には、更に、複数種類の大当り図柄の何れかが選択され、そこで選択された大当り図柄が停止表示されて、大当り遊技が発生する。ここで、大当り図柄の種類によって、大当り遊技実行中の大入賞口13aの開閉パターンとして、16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかが選択実行される。遊技者が右打ちを行うことにより、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得することができ、8R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得することができる。但し、8R短期開放では、遊技者が右打ちを行なっても、遊技球を殆ど獲得することができない。
大当り遊技終了後、通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されると、前記のように、遊技者は遊技球を第1始動口10に入賞させるために左打ちを行うが、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されると、遊技者は遊技球を第2始動口11aに入賞させるために右打ちを行う。第2始動口11aを狙う右打ちにより右側のゲート12を狙うこともでき、普図保留数が4未満のときに、遊技球が右側のゲート12を通過すると、普図判定用情報が普図保留記憶手段42に記憶される。
ここで、補助遊技作動モードとして高作動モードが設定されるため、右打ちを行うことにより、遊技者が所有の遊技球を維持する程度に、次々と遊技球が第2始動口11aに入賞して特図保留記憶部32に第2特図判定用情報が記憶され、第2特図判定用情報の優先消化が連続的に行われるため、第1特図判定用情報の消化は抑制される。
さて、事前判定手段34bでは、特図保留記憶手段32(第1,第2記憶手段32a,32b)に記憶されている特図判定用情報(第1,第2特図判定用情報)に基づいて判定(大当り遊技を実行させるか否かの判定、大当り遊技を実行させる場合の大当り図柄の選択等)が事前に行われ、その判定結果に関する情報が記憶されている。
そして、通常遊技状態、潜確遊技状態において、図柄変動時判定手段34aにより、大当り遊技を実行させ且つ第1の結果か否か、つまり、特別図柄の変動後に大当り図柄A,B,Cの何れかが停止表示されて、確変大当り遊技が実行され、その大当り遊技実行後に確変遊技状態が設定されると判定された場合に次の処理が行われる。
即ち、記憶されている事前判定手段34bによる判定結果に関する情報に基づいて、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ第2の結果と判定された判定用情報、つまり、図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報があるか否か判定される。
そして、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより大当り遊技を実行させると判定され且つ第2の結果と判定された第1特図判定用情報がなければ、特別図柄の変動表示中に演出実行手段60により通常演出が実行され、本実施例では、基本的に、図16(1)に示すように、複数の演出図柄が縦スクロールにより変動表示される。但し、図16(2)に示すように、抽選により複数の演出図柄が横スクロールにより変動表示される場合もある。
一方、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより大当り遊技を実行させると判定され且つ第2の結果と判定された第1特図判定用情報があれば、特別図柄の変動表示中に演出実行手段60により特別演出が実行され、本実施例では、図16(2)に示すように、複数の演出図柄が横スクロールにより変動表示される。
遊技者は、通常は、演出図柄が縦スクロールで変動表示されるところ、横スクロールで変動表示されているのを見て、先ず、当該特別図柄の変動後に確変大当り遊技が発生することを期待することができる。そして、確変大当り遊技が発生した場合には、その確変大当り遊技の発生に至る迄の遊技演出において、演出図柄の横スクロールが行われていたことにより、遊技者は、特図保留記憶手段32に記憶されている第1特図判定用情報の消化によって、通常大当り遊技が発生し、その通常大当り遊技実行後に確変遊技状態ではなく時短遊技状態が設定される、ということを知ることができる。
従来、遊技者は、そうなることを知る余地がなく、依って、大当り遊技実行後、所用により遊技球の発射を中断したがために、遊技者が望まない通常大当り遊技が発生する不利な判定を早々受ける結果に至ってしまう虞がある。
本発明では、上記課題を改善することができ、つまり、比較的有利な確変大当り遊技を実行させると判定された場合に、その確変大当り遊技実行後に比較的不利な通常大当り遊技を実行させると判定される第1特図判定用情報が、遊技球が第1始動口10に入賞したことを条件に取得記憶されていると事前に判定された場合には、その旨を報知することにより、その第1特図判定用情報の消化により通常大当り遊技が発生することを、遊技球を第2始動口11aを狙って発射し続けることにより、延長回避させ得るよう遊技者に促すことができる。これにより遊技性を大きく高めることができる。
尚、前記実施例を部分的に次のように変更(追加)してもよい。
保留表示制御手段61が、前記通常演出として、図2に示すように、第1特図保留数を丸形の第1特図保留アイコン66により表示させ、第2特図保留数を星形の第2特図保留アイコン67により表示させ、前記特別演出として、図31に示すように、事前判定手段34bにより大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される第1特図判定用情報に対応する三角形の第1特図保留アイコン66Aを、丸形の第1特図保留アイコン66から切換えて表示させる。その後、大当り遊技が開始されると、図2に示すように、再度、丸形の第1特図保留アイコン66を、三角形の第1特図保留アイコン66Aから切換えて表示させる。
図32に示すように、画像制御基板24のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、画像表示制御(S301)、スピーカ(音声出力)制御(S302)が順次実行される。
図33に示すように、S301の保留表示制御では、保留数増加コマンドを受信した場合(S311;Yes )、保留数加算表示処理(S312)が実行される。S312の保留数加算表示処理では、S311で受信した保留数増加コマンドが解析され、第1又は第2特図保留数が1加算されて、図2に示すように、第1特図保留数と相当数の第1特図保留アイコン66、第2特図保留数と相当数の第2特図保留アイコン67が画像表示器16に表示される。また、受信した保留数増加コマンドに、保留アイコンの表示形態(表示色)の変更を指令する情報が含まれている場合、対応する保留アイコンの表示形態(表示色)が変更されて、その保留アイコンに係る大当り期待度が報知される。尚、S311とS312についてはメイン実施例においても適用される。
次に、特別演出コマンドを受信したか否か判定される(S313)。ここで、通常遊技状態、潜確遊技状態において、図柄変動時判定手段34aにより大当り遊技を実行させ且つ大当り遊技実行後に確変遊技状態が設定されると判定された場合、第1記憶手段32aに記憶されている第1特図判定用情報の中に、事前判定手段34bにより図9に示す高確テーブルを用いて大当り遊技を実行させると判定され且つ図柄E,F,Gの何れかが選択される判定用情報がある場合に、演出制御基板23のコンピュータにより、特別演出コマンドが画像制御基板24に送信される。尚、特別演出コマンドには、大当り遊技を発生させる第1特図判定用情報が何番目の記憶であるか識別できる情報が含まれている。
そして、S313の判定がYes の場合、その特別演出コマンドが解析され、図31に示すように、大当り図柄E,F,Gに対応する大当り遊技を発生させると事前判定された第1特図判定用情報に対応する三角形の第1特図保留アイコン66Aが丸形の第1特図保留アイコン66から変更表示される(S315)。一方、S313の判定がNoの場合、三角形の第1特図保留アイコン66Aが変更表示中の場合(S316;Yes )、大当り遊技が開始か否か判定され(S317)、S317の判定がYes の場合、三角形の第1特図保留アイコン66Aの表示が中止され、その後、第1特図保留アイコンが元の丸形の第1特図保留アイコン66に戻され表示される(S318)。
遊技者は、三角形の第1特図保留アイコン66Aの表示を見て、当該特別図柄の変動後に確変大当り遊技が発生することを知ることができる。ここで、この三角形の第1特図保留アイコン66Aは、丸形の第1特図保留アイコン66から変更される場合と、丸形の第1特図保留アイコン66から一般的な先読み演出により既に1回変更された状態から、更に変更される場合がある。後者の場合、保留アイコンのステップアップする2段階の表示変化を実行させるので、保留アイコン表示による演出効果を大きく高めることができる。その他はメイン実施例と基本的に同様の作用効果を奏する。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能であり、また、本発明については種々のパチンコ遊技機等の遊技機に適用可能である。