JP5505656B2 - 顔料分散組成物、インクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、近年のハイビジョンテレビなどの普及によって、カラー液晶表示素子に高い色濃度を持たせるような要求が非常に高くなっている。また、コストダウンを目的に生産性の向上が要求されており、このためにインクジェット方式のカラーフィルタ製造方法ではインクを吐出する時間を少なくすることが要求されている。これらの要求を満たすためには、インクの高顔料濃度化および高固形分濃度化が必要となってきている。それに伴い、高顔料濃度化の際には、インク中の顔料の含有量が多くなるため、インクに含有している高沸点溶媒が顔料分散系を破壊して発生させる沈降物などの異物が多くなり、インク吐出不良を発生させるという問題点があった。高固形分濃度化の際には、インクに含有される高沸点溶媒の量が少なくなるため、インクが乾燥し易くなり、インク吐出の際に乾燥物がノズル周辺に付着しインク吐出不良を発生させるという問題点があった。また、高顔料濃度化および高固形分濃度化共にも要求されるインクの場合には、異物が多くなり乾燥もし易くなるという両方の問題点が同時に生じた。
そのため、分散安定性が良く、乾燥しにくいインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物の開発が強く求められている。
本発明の他の課題は、本発明の上記組成物から形成されるカラーフィルタを提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題および利点などは、以下の説明から明らかになろう。
また、本発明は、(A)顔料、(B)ウレタン系分散剤および(メタ)アクリル系分散剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む分散剤、(C)アセテート構造を2つ持っている溶媒、(D)多官能性単量体、および(E)バインダー樹脂を含有することを特徴とするインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物である。
また、本発明は、前記インクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物を用いて、インクジェット方式により形成された画素パターンを有することを特徴とするカラーフィルタである。
また、本発明は、前記カラーフィルタを具備する液晶表示装置である。
顔料分散組成物〔インクジェット方式カラーフィルタ用(感放射線性)樹脂組成物〕
−(A)顔料−
本発明における顔料としては、特に限定されるものではなく、有機顔料、無機顔料のいずれでもよい。このうち、カラーフィルタには高純度で高透過性の発色と耐熱性が求められることから、特に有機顔料が好ましい。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254;
C.I.ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット29;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン136、C.I.ピグメントグリーン210;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25。
これらの有機顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの無機顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、顔料は、所望により、その粒子表面をポリマーで改質して使用することができる。顔料の粒子表面を改質するポリマーとしては、例えば特開平8−259876号公報に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用のポリマーまたはオリゴマーなどを挙げることができる。
本発明における分散剤は、ウレタン結合を有する化合物(以下、「ウレタン系分散剤」という。)および(メタ)アクリル系モノマーの(共)重合体からなる(メタ)アクリル系分散剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
上記ウレタン結合は、一般に、式R−NH−COO−R'(ただし、RおよびR’は脂肪族、脂環族または芳香族の1価または多価の有機基であり、該多価の有機基はさらに別のウレタン結合を有する基あるいは他の基に結合している。)で表され、ウレタン系分散剤中の親油性基および/または親水性基に存在することができ、またウレタン系分散剤の主鎖および/または側鎖に存在することができ、さらにウレタン系分散剤中に1個以上存在することができる。ウレタン結合がウレタン系分散剤中に2個以上存在するとき、各ウレタン結合は同一でも異なってもよい。
上記ジイソシアナート類としては、例えば、ベンゼン−1,3−ジイソシアナート、ベンゼン−1,4−ジイソシアナートなどのベンゼンジイソシアナート類;トルエン−2,4−ジイソシアナート、トルエン−2,5−ジイソシアナート、トルエン−2,6−ジイソシアナート、トルエン−3,5−ジイソシアナートなどのトルエンジイソシアナート類;1,2−キシレン−3,5−ジイソシアナート、1,2−キシレン−3,6−ジイソシアナート、1,3−キシレン−2,4−ジイソシアナート、1,3−キシレン−2,5−ジイソシアナート、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアナート、1,4−キシレン−2,5−ジイソシアナート、1,4−キシレン−2,6−ジイソシアナートなどのキシレンジイソシアナート類などの他の芳香族ジイソシアナート類などを挙げることができる。
これらのジイソシアナート類およびトリイソシアナート類は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの片末端に水酸基を有するポリエステル類および両末端に水酸基を有するポリエステル類は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
このようなウレタン系分散剤の具体例としては、商品名で、例えば、Disperbyk161、Disperbyk170(ビックケミー(BYK)社製)、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)などのシリーズのものを挙げることができる。
本発明におけるウレタン系分散剤の重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜50,000、好ましくは7,000〜20,000である。
上記ウレタン系分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記(メタ)アクリル系分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
顔料分散液を調製する際の溶媒の使用量は、顔料100重量部に対して、通常、500〜1,000重量部、好ましくは700〜900重量部である。
この場合、ビーズの充填率は、通常、ミル容量の50〜80%であり、顔料混合液の注入量は、通常、ミル容量の20〜50%程度である。また処理時間は、通常、2〜50時間、好ましくは2〜25時間である。
この場合、ロール間隔は10μm以下であることが好ましく、剪断力は、通常、108dyn/秒程度である。また、処理時間は、通常、2〜50時間、好ましくは2〜25時間である。
本発明におけるアセテート構造を2つ持っている溶媒としては、例えば、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテートが挙げられ、1,3−ブチレングリコールジアセテートが分散安定性、乾燥性の点から特に好ましい。
このような他の溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、ベンジルアルコールの如きアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルの如き(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフランの如き他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オンなどのケトン類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピオン酸n−ブチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、2−オキソ酪酸酸エチルなどの如きエステル類;
トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドの如きアミド類
などを挙げることができる。
上記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体である。
多官能性単量体としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコールの如きアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートやそのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂の如きオリゴ(メタ)アクリレート;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンの如き両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレートや、
トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕ホスフェート
などを挙げることができる。
上記多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるバインダー樹脂としては、(A)顔料に対してバインダーとして作用する限り、適宜の樹脂を使用することができる。
本発明における好ましいバインダー樹脂は、カルボキシル基を含有するポリマーであり、特に、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、単に「カルボキシル基含有不飽和単量体」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「他の不飽和単量体(e1)」という。)との共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体(E1)」という。)である。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などの不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸などの不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類;
こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などの2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;
ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどの両末端にカルボキシル基とヒドロキシル基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類
などを挙げることができる。
なお、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)およびフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれM−5300およびM−5400(東亞合成化学工業(株)製)の商品名で市販されている。
これらのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;
インデン、1−メチルインデンなどのインデン類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、マレイミドなどの不飽和アミド類あるいは不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンなどの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類
などを挙げることができる。
これらの他の不飽和単量体(e1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
アクリル酸/ベンジルアクリレート共重合体、アクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体、アクリル酸/スチレン/ベンジルアクリレート共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/メチルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
などのアクリル酸共重合体類;
などのメタクリル酸共重合体類
などを挙げることができる。
本発明において、カルボキシル基含有共重合体(E1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
N位−置換マレイミドにおけるN位−置換基としては、例えば、炭素数1〜20の(シクロ)アルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基や、これらの基の置換誘導体などを挙げることができ、これらのN位−置換基のうち、炭素数6〜20のアリール基やその置換誘導体が好ましい。
などを挙げることができる。
上記N位−置換マレイミドは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/アリルアクリレート共重合体、N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/アリルメタアクリレート共重合体、N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体、N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/フェニルメタクリレート共重合体、
N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/フェニルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、N−フェニルマレイミド/メタクリル酸/スチレン/フェニルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
などを挙げることができる。
また、N位−置換マレイミド共重合体がN位−置換マレイミドとカルボキシル基含有不飽和単量体と他の不飽和単量体(e1)との共重合体である場合、カルボキシル基含有不飽和単量体の共重合割合は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%であり、他の不飽和単量体(e1)の共重合割合は、通常、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。
本発明において、N位−置換マレイミド共重合体(E2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の(感放射線性)樹脂組成物には、(F)光重合開始剤を配合することができる。本発明における光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線などの放射線の露光により、上記(D)多官能性単量体および場合により使用される単官能性単量体の重合を開始し得る活性種を発生することができる化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物などを挙げることができる。
これらのアセトフェノン系化合物のうち、特に、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1などが好ましい。
上記アセトフェノン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記ビイミダゾール系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明においては、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、下記水素供与体を併用することは、感度をさらに改良することができるので好ましい。
ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。
本発明における水素供与体としては、下記で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物などが好ましい。
また、上記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という。)からなる。
なお、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有することもできる。
メルカプタン系水素供与体は、ベンゼン環あるいは複素環をそれぞれ1個以上有することができ、またベンゼン環と複素環との両者を有することができ、これらの環を2個以上有する場合、縮合環を形成しても形成しなくてもよい。
また、メルカプタン系水素供与体は、メルカプト基を2個以上有する場合、少なくとも1個の遊離メルカプト基が残存する限りでは、残りのメルカプト基の1個以上がアルキル、アラルキルまたはアリール基で置換されていてもよく、さらには少なくとも1個の遊離メルカプト基が残存する限りでは、2個の硫黄原子がアルキレン基などの2価の有機基を介在して結合した構造単位、あるいは2個の硫黄原子がジスルフィドの形で結合した構造単位を有することができる。
このようなメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができる。
これらのメルカプタン系水素供与体のうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールなどが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
また、アミン系水素供与体は、アミノ基の1個以上がアルキル基または置換アルキル基で置換されてもよく、またアミノ基以外の箇所で、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、置換フェノキシカルボニル基、ニトリル基などによって置換されていてもよい。
これらのアミン系水素供与体のうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
なお、アミン系水素供与体は、ビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤の場合においても、増感剤としての作用を有するものである。
メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組み合わせにおけるメルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との重量比は、好ましくは1:1〜1:4、より好ましくは1:1〜1:3である。
これらのトリアジン系化合物のうち、特に2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが好ましい。
上記トリアジン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるカラーフィルタ用感放射線性組成物は、必要に応じて種々の添加剤成分を含有することもできる。
銅フタロシアニン誘導体の如き青色顔料誘導体や黄色顔料誘導体などの分散助剤;
ガラス、アルミナなどの充填剤;
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリ(フロロアルキルアクリレート)などの高分子化合物;
ノニオン系、カチオン系、アニオン系などの界面活性剤;
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤;
ポリアクリル酸ナトリウムなどの凝集防止剤;
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどの熱ラジカル発生剤
メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、グリセリン等のインクジェット吐出性能安定化剤;
等を挙げることができる。
上記熱酸発生剤は、加熱により酸を発生する成分であり、その例としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩を挙げることができ、特に、スルホニウム塩およびベンゾチアゾリウム塩が好ましい。
上記スルホニウム塩としては、下記式(1)で表される化合物(以下、「スルホニウム塩(1)」という。)が好ましい。
/
R1−S ・Y− ・・・(1)
\
R3
4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−ベンジルオキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ベンゾイルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ベンゾイルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、3−クロロ−4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのジアルキルスルホニウム塩類;
などを挙げることができる。
上記熱酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
−CH2OR4
(式中、R4は水素原子または炭素原子数が、通常、1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。)
で表される1価の有機基(以下、「メチロール(エーテル)基」という。)を、一分子中に好ましくは2個以上有する化合物であり、さらに好ましくは該1価の有機基が窒素原子に結合した化合物、すなわちN−メチロール基および/またはN−アルコキシメチル基を有する化合物からなる。酸架橋剤が一分子中にメチロール(エーテル)基を2個以上有するとき、各メチロール(エーテル)基は相互に同一でも異なってもよい。
このような酸架橋剤として、例えば、
下記式(2)で表されるN,N,N,N,N,N-ヘキサ(アルコキシメチル)メラミンなどのアルコキシメチル化メラミン類、
下記式(3)で示されるN,N,N,N-テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリルなどのアルコキシメチル化グリコールウリル類、
などを挙げることができる。
これらの酸架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物の調製法としては、特に限定されるものではないが、予め(A)顔料、(B)分散剤、(C)アセテート構造を2つ持っている溶媒を含む媒体中に分散させる工程を経て調製することが好ましい。
以下では、予め(A)顔料を上記媒体中に分散させる工程を「予備分散工程」といい、予め(A)顔料を上記媒体中に分散させた分散液を「予備分散液」という。
予備分散工程は、例えば、ディゾルバー、ビーズミル、ロッドミルなどの混合装置を用いて、上記各成分を混合することにより実施することができる。
このようにして得られる予備分散液中の(A)顔料の平均粒径は、好ましくは50〜400nm、より好ましくは50〜150nmである。
予備分散工程に続いて、予備分散液と、(D)多官能性単量体および(E)バインダー樹脂と、場合により(F)光重合開始剤、および溶媒をさらに加えてこれらと共に、常法により混合することにより、本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用(感放射線性)組成物を得ることができる。
次に、上記インクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物を用いる、本発明におけるインクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法(以下、単に「カラーフィルタの製造方法」という。)について説明する。
図2は、本発明におけるカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタを有する液晶表示装置を例示する要部縦断面図である。
図に示すように、カラーフィルタ1は、基板101、隔壁102、各色の画素パターン20(例えば赤)、21(例えば緑)および22(例えば青)、並びに画素パターンを覆う保護層103を基本的に積層して構成されており、これらの構成部品は、隔壁102を除き光透過性を有しているが、隔壁102は、光透過性でも遮光性でもよい。
さらに、液晶表示装置6は、基板101の外面側に偏光板201が配置され、また保護層103の上に、共通電極202、配向膜203、液晶層204、配向膜205、画素電極206、基板207および偏光板208が基本的に積層して構成されている。
また、これらの材料は、基板207にも使用することができるが、場合により、両基板で材質を変えてもよい。
隔壁102の形成に使用される樹脂組成物としては、例えば、(i)バインダー樹脂、多官能性単量体、光重合開始剤などを含有する、放射線の照射により硬化する感放射線性樹脂組成物や、(ii)バインダー樹脂、放射線の照射により酸を発生する化合物、放射線の照射により発生した酸の作用により架橋しうる架橋性化合物などを含有する、放射線の照射により硬化する感放射線性樹脂組成物などを使用することができる。これらの隔壁形成用感放射線性樹脂組成物は、通常、その使用に際して溶媒を混合して液状組成物として調製されるが、この溶媒は、高沸点溶媒でも低沸点溶媒でもよい。
隔壁102で区画される画素パターンの総数は、液晶表示装置における各色の画素パターンの数に原色数(図では、赤色、緑色および青色の三原色)を乗じたものとなる。例えば、パソコンなどの情報端末に使用されるVGA仕様の液晶表示装置の場合、各色の画素パターンの数は640列×480行となるので、総計で(640×480×3)個の画素パターンから構成されることになる。また、画素パターンの配列ピッチは、例えば100μmである。なお図では、理解を容易とするため、画素パターンの数を少なく表示している。
さらに、共通電極202は、光透過性と導電性を備えた材料、例えばITO(インジウウム錫酸化物)を用い、常法により加工して形成することができる。
配向膜203および205は、例えば、適当な液晶配向剤から形成した膜に対してラビング処理などを施して形成することができ、液晶分子を一定方向に配向させる作用を有するものである。
画素電極206は、カラーフィルタ1の各画素パターンに対応して配置され、駆動手段(図4参照)の出力端子が接続されている。画素電極206も、光透過性と導電性を備えた材料からなり、その材料としては、共通電極202と同様のものを使用することができるが、場合により共通電極202とは材質を変えてもよい。上記駆動手段としては、例えば、TFT(薄膜トランジスター)、TFD(薄膜ダイオード)などを使用することができる。
ここでは、液晶表示装置6のうちカラーフィルタ1の製造工程だけを述べる。液晶表示装置6の残りの構成部品の製造には、公知の技術を適用することが可能である。
図1は、カラーフィルタ1の製造工程を例示する要部縦断面図で、図3のA−A矢視図に対応する切断面を示しており、図3は、カラーフィルタ1の平面図である。
まず、隔壁形成用感放射線性樹脂組成物を溶液として基板101に塗布したのち、プレベーク(PB)を行い溶剤を蒸発させて、塗膜を形成する。この場合のPBの条件は、例えば、加熱温度が50〜150℃程度、加熱時間が30〜600秒程度である。
その後、図1(c)に示すように、各貯留層をなす樹脂組成物に対し熱処理を行って溶媒を蒸発させることにより、樹脂組成物を乾燥して、所定の厚みの画素パターン20、21、22、・・・を形成する。なお、このような処理により各貯留層の体積が減少する。この場合の熱処理は、例えばヒータを用いて行われ、全体を所定の温度(例えば、50℃程度)に加熱して行われる。
画素パターン20、21、22、・・・の形成に際しては、例えば、赤色、緑色または青色の樹脂組成物を順次用いることにより、赤色、緑色、青色の三原色の画素アレイを基板101上に配置することができる。
さらに、保護層103上に、光透過性と導電性を備えた材料(例えば、ITOなど)を用い、例えば、スパッタリング法、蒸着法などの方法により、共通電極202を形成する。共通電極202にパターンを形成する場合には、画素電極206などの他の構成部品のパターン形状に対応させて、共通電極202をエッチングする。
以上の各工程を経ることにより、カラーフィルタ1を製造することができる。
隔壁形成用感放射線性樹脂組成物を基板101に塗布する際には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布などの適宜の塗布法を採用することができる。塗布厚さは、PB後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜3.0μmである。
また、隔壁102を形成する際に使用されるアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硅素ナトリウム、メタ硅素ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどの水溶液が好ましい。
上記アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ現像液による現像後は、通常、水洗する。
このカラーフィルタ製造装置は、インクジェットヘッド10を制御する制御装置2、モータ3および4、位置センサ5などから構成されている。
インクジェットヘッド10は、供給されたカラーフィルタ用樹脂組成物をそのノズルから吐出するものであり、その形態は特に限定されるものではなく、公知のインクジェット方式でよいが、本発明においては、カラーフィルタ用樹脂組成物を使用するため、その材質を損なわないように、該樹脂組成物に熱を作用させないピエゾジェット式のものが好ましい。
ピエゾジェット式のインクジェットヘッド10には、カラーフィルタ用樹脂組成物を吐出させるための圧電体素子40がN個(Nは任意の数)設けられている。また、圧電体素子40は、個々に駆動および非駆動が制御可能なように構成されている。
インクジェットヘッド10は、主として、圧力室基板11、振動板12およびノズルプレート13から構成されており、振動板12は圧力室基板11の一方の面に設けられ、ノズルプレート13は圧力室基板11の他方の面に設けられる。
圧力室基板11には、例えばシリコン基板をエッチングすることにより、圧力室14、側壁15、リザーバ16、供給口17などが形成されており、振動板12の変形によって圧力室14に体積変化が生じるように、振動板12に設けた各圧電体素子40と各圧力室14とが位置合わせされている。
ノズルプレート13には、カラーフィルタ用樹脂組成物を吐出するためのノズル19が設けられており、各ノズル19が各圧力室16に対応するようにされている。
インクジェットヘッド10は、カラーフィルタ用樹脂組成物の種類だけ設けられており、実際には、例えば、赤色用、緑色用および青色用の各インクジェットヘッド10が使用される。ただし、ここでは理解を容易とするために、インクジェットヘッド10を一つだけ示してある。
N個のノズル番号をhn(nは1からNまでの数)として、図に示すように、各ノズル19の位置Nn(xn,yn)が、相対座標x2軸とy2軸とで特定されるようになっている。
隔壁102の格子で区画された最小の画素要素をフィルタエレメントといい、例えば、x1軸(横)方向の幅300μm、y1軸(縦)方向の長さ100μm程度の大きさのウィンドウをなしており、隔壁を形成した基板では、各フィルタエレメントの位置Wm(xm,ym)(mは1からフィルタエレメントの最大数までの数)が、相対座標x1軸とy1軸とで特定されるようになっている。
前述したカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタは、加法混色タイプおよび減法混色タイプとして、例えば、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子、カラーセンサーなどに極めて有用である。
本発明のカラーフィルタは、本発明のインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物を用いて、インクジェット方式により形成された画素パターンを有することを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示装置のほか、カラー撮像管素子、カラーセンサーなどに極めて有用である。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。
本発明の液晶表示装置は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成し、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示装置が得られるという利点を有する。
〔本発明に係るその他の態様〕
本発明に係るその他の態様としては、以下のものが挙げられる。
(A)顔料、(B)分散剤、および(C)アセテート構造を2つ持っている溶媒を含有することを特徴とする顔料分散組成物である。
また、(A)顔料、(B)分散剤、(C)アセテート構造を2つ持っている溶媒、(D)多官能性単量体、および(E)バインダー樹脂を含有することを特徴とするインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物である。
また、(A)顔料、(B)分散剤、(C)アセテート構造を2つ持っている溶媒、(D)多官能性単量体、(E)バインダー樹脂、および(F)光重合開始剤を含有することを特徴とするインクジェット方式カラーフィルタ用感放射線性樹脂組成物である。
また、上記インクジェット方式カラーフィルタ用(感放射線性)樹脂組成物を用いて、インクジェット方式により形成された画素パターンを有することを特徴とするカラーフィルタである。
また、上記カラーフィルタを具備する液晶表示装置である。
(A)顔料としてC.I.ピグメントレッド254/C.I.ピグメントレッド177=92/8(重量比)混合物15重量部、(B)分散剤としてDisperbyk−2000(固形分濃度46.2重量%)5重量部(固形分換算約2.31重量部)および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート40重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部ビーズミルにより処理して、予備分散液(R1)を調製した。
次いで、予備分散液(R1)100重量部、(E)バインダー樹脂としてメタクリル酸/こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合重量比=25/10/30/20/15、Mw=12,000、Mn=6,500)5重量部、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、(F)光重合開始剤として2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン−1を5重量部、および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部を混合して、樹脂組成物を調製した。
(A)顔料としてC.I.ピグメントグリーン36/C.I.ピグメントイエロー150=47.5/52.5(重量比)混合物15重量部、(B)分散剤としてDisperbyk−2000を7重量部(固形分換算約3.465重量部)および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート39重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39重量部を実施例1と同様に処理して、予備分散液(G1)を調製した。
次いで、予備分散液(G1)100重量部、(E)バインダー樹脂としてメタクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジルメタクリレート/グリセロールモノメタクリレート共重合体(共重合重量比=15/25/15/35/10、Mw=13,500、Mn=6,000)5重量部、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、(F)光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1を5重量部、および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部を混合して、樹脂組成物を調製した。
(A)顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6/C.I.ピグメントバイオレット23=80/20(重量比)混合物15重量部、(B)分散剤としてDisperbyk−2000を9重量部(固形分換算4.62重量部)および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート38重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート38重量部を実施例1と同様に処理して、予備分散液(B1)を調製した。
次いで、予備分散液(B1)100重量部、(E)バインダー樹脂としてメタクリル酸/N−フェニルマレイミド/α−メチルスチレン/ベンジルメタクリレート(共重合重量比=20/25/25/30、Mw=43,000、Mn=21,000)10重量部、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、(F)光重合開始剤として2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン−1を5重量部、および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート110重量部を混合して、樹脂組成物を調製した。
実施例1における予備分散工程において(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート40重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部に代えて、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80重量部を用いて予備分散液(R2)調製した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
(A)顔料としてC.I.ピグメントレッド254/C.I.ピグメントレッド177=92/8(重量比)混合物15重量部、(B)分散剤としてDisperbyk−2000(固形分濃度46.2重量%)5重量部(固形分換算約2.31重量部)および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート40重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部ビーズミルにより処理して、予備分散液(R1)を調製した。
次いで、予備分散液(R1)100重量部、(E)バインダー樹脂としてメタクリル酸/こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合重量比=25/10/30/20/15、Mw=12,000、Mn=6,500)5重量部、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、および(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部を混合して、樹脂組成物を調製した。
実施例1における予備分散工程において(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート40重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート40重量部を用い予備分散液(r1)調製し、(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート70重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
実施例2における予備分散工程において(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート39重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート39重量部を用い予備分散液(g1)調製し、(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート70重量部を用いた以外は、実施例2と同様にして、樹脂組成物を調製した。
実施例3における予備分散工程において(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート38重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート38重量部を用い予備分散液(b1)調製し、(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート70重量部を用いた以外は、実施例3と同様にして、樹脂組成物を調製した。
実施例1における予備分散工程において(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート40重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部に代えて、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80重量部を用い予備分散液(R2)調製し、(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部に代えて、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
実施例1における予備分散工程において(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート40重量部と、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部に代えて、その他の溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80重量部を用い予備分散液(R2)調製し、(C)として1,3−ブチレングリコールジアセテート70重量部に代えて、その他の溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート70重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
初期粘度評価
E型粘度計を用いて初期粘度を測定した。予備分散液としての要求粘度は30mPa.s以下、樹脂組成物としての要求粘度が10mPa.s以下のところ、予備分散液r1、g1、b1、および比較例1、2、3の樹脂組成物は数百mPa.sと要求粘度以上になった。
レオロジー評価
粘弾性測定装置を用いて測定した。その際、歪み速度10s−1のときの複素粘度を1としたとき、歪み速度500s−1のときの複素粘度の値の変化率が20%以下であることが要求されるが、予備分散液r1、g1、b1、比較例1、2、3の樹脂組成物では要求値を満たさなかった。
各予備分散液および樹脂組成物50gを遮光ガラス容器に入れ、密閉状態で40℃にて1週間静置したのち、E型粘度計を用いて静置後粘度を測定した。このとき、静置後粘度の初期粘度に対する変化率を算出し、変化率が5%以下であることが要求されるが、予備分散液r1、g1、b1、比較例1、2、3の樹脂組成物では要求値を満たさなかった。
沈降性評価
各樹脂組成物50gを遮光ガラス容器に入れ、密閉状態で23℃にて3ヶ月間静置したのち、容器内の沈降物の発生具合を目視で評価した。発生してないものを「○」、発生しているものを「×」とした。比較例1、2、3、5の樹脂組成物で「×」となった。
インクジェット吐出装置を用いて、各樹脂組成物を吐出したときの液滴の着弾性、連続吐出性および間欠吐出性を評価した。着弾性、連続吐出性および間欠吐出性すべての評価で問題ないものを「○」、どれかの評価で問題あるものを「×」とした。比較例1、2、3、4の樹脂組成物で「×」となった。
コントラスト評価
各樹脂組成物について、膜厚1.0μmになるようにガラス基板上に成膜後、(1)感光性があるものは80℃で10分間プレベーク後、UV照射量200mJ/cm2で露光後、220℃で30分間ベークし、また、(2)感光性がないものは80℃で10分間プレベーク後、220℃で30分間ベークし、次いで、それぞれ、コントラスト測定装置でコントラストを評価した。コントラストの値が1,000以上要求されるところ、比較例1、2、3の樹脂組成物で要求値を満たさなかった。
2制御装置
3モータ
4モータ
5位置センサ
6液晶表示装置
10インクジェットヘッド
11圧力室基板
12振動板
13ノズルプレート
14圧力室
15側壁
16リザーバ
17供給口
18インクタンク口
19ノズル
20画素パターン(赤)
21画素パターン(緑)
22画素パターン(青)
40圧電体素子
101基板
102隔壁
103保護層
105光透過領域
201偏光板
202共通電極
203配向膜
204液晶層
205配向膜
206画素電極
207基板
208偏光板
Claims (4)
- (A)顔料、(B)ウレタン系分散剤および(メタ)アクリル系分散剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む分散剤、および(C)1,3−ブチレングリコールジアセテートを含有することを特徴とする顔料分散組成物。
- (A)顔料を、(B)ウレタン系分散剤および(メタ)アクリル系分散剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む分散剤、および(C)1,3−ブチレングリコールジアセテートを含む媒体中に分散させることを特徴とする請求項1に記載の顔料分散組成物の製造方法。
- (A)顔料、(B)ウレタン系分散剤および(メタ)アクリル系分散剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む分散剤、(C)1,3−ブチレングリコールジアセテート、(D)多官能性単量体、および(E)バインダー樹脂を含有することを特徴とするインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物。
- (A)顔料を、(B)ウレタン系分散剤および(メタ)アクリル系分散剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む分散剤、および(C)1,3−ブチレングリコールジアセテートを含む媒体中に分散させて予備分散液とし、この予備分散液と、(D)多官能性単量体および(E)バインダー樹脂をさらに加えて混合することを特徴とする、請求項3に記載のインクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物の製造方法。
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