JP5505589B2 - 機能性ゲル体、それを用いるゲル装飾キット及びその使用方法 - Google Patents
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Description
本発明の機能性ゲル体は、使用時に収納容器から取り出し、別の受け容器に移し置いて使用することが容易であり、使用開始時から終了時まで外観が良好で、使用終点がわかりやすく、ゲル全体から有効成分が揮散するため、有効成分の揮散効率に優れる。
また、特開2006−180959号公報には、狭い空間でも邪魔にならないゲル芳香剤として、薄型の容器本体内部にゲル状組成物が充填された該容器本体の表側構成面に複数個の揮散孔を有するゲル芳香剤が記載されている。
また、有効成分は、ゲル体上面のみからの揮散されるため、その揮散効率は高いものではなく、また、ゲル体の上方では、有効成分の揮散によりゲル体が収縮して変形するのに対し、下方では殆ど収縮による変形が起こらないため、ゲル体全体の外観が悪くなるという問題もあった。
そのため、本発明は、上記問題を解決し得る、即ち、有効成分の揮散効率が高く、ゲル体の収縮による外見の悪化を抑えることができ、更に、装飾性に優れる機能性ゲル体、それを用いるキット及びその使用方法の提供を課題とする。
また、上記ゲル体は、種々の形状の容器を用いて容易に製造できるため、容易に装飾性
に優れる形状を採用することができ、更に、ゲル体の下方又は側方から光を照射した場合、該ゲルを特定の形状、即ち、横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有するものとすると、電飾のような更に優れる装飾性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
(1)機能性ゲル体と、該機能性ゲル体が置かれる透明な受け容器と、該受け容器を介して前記機能性ゲル体に光を照射することができる発光機とからなる、ゲル装飾キットであって、
前記機能性ゲル体は、芳香、消臭、除菌、防カビ、殺虫、虫よけ又はダニよけの機能を示すとともに、使用する際に収納容器から取り出して受け容器に移し置かれるゲル体であって、ゲル体の下方又は側方より光照射されそしてゲル体内を透過し外部に出る屈折光により光輝させて使用する透明な機能性ゲル体であり、
該ゲル体は、その水平横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する外形を有することを特徴とする
キット。
(2)前記機能性ゲル体は、ゲル化剤として、ゼラチン、ジェランガム、カラギーナン又はイソブチレン−無水マレイン酸共重合体を用いてゲル化されたものである前記(1)記載のキット。
(3)前記発光機は、前記機能性ゲル体に光を照射するための、明暗及び/又は色調を変化させ得る単数又は複数の色の発光体を備えたものである、前記(1)又は(2)記載の
キット。
(4)前記発光体が発光ダイオード、カラー電球又はネオンライトである前記(3)記載のキット。
(5)芳香、消臭、除菌、防カビ、殺虫、虫よけ又はダニよけの機能を示す透明な機能性ゲル体の使用方法であって、該機能性ゲル体を収納容器から取り出して別の受け容器に移し置き、同機能性ゲル体に光を照射するための、明暗及び/又は色調を変化させ得る単数又は複数の色の発光体を備えた発光機の上に設置して光を照射することにより、該機能性ゲル体はゲル体の下方又は側方より光照射されそしてゲル体内を透過し外部に出る屈折光により光輝させて使用することからなり、該機能性ゲル体は、その水平横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する外形を有することを特徴とする、機能性ゲル体の使用方法。
(6)前記発光機の発光体が発光ダイオード、カラー電球又はネオンライトである前記(5)記載の方法。
本発明の機能性ゲル体は、その横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する幾何学的な又は装飾的な外形を有するものとすることにより、下方又は側方から光を照射した際、優れた装飾性を示すものである。
また、本発明の機能性ゲル体は、使用の際に、簡単な操作で収納容器から取り出して使用されるものであるが、該収納容器は、種々の形状を容易に採用でき、それにより種々の形状の機能性ゲル体を容易に作成できる。
また、本発明の機能性ゲル体は、底面以外は全て空気と接触できるため、有効成分の揮発効率に優れ、更に、ゲル体の収縮も均一になるため、揮発初期から後期まで、ゲル体の形状はほとんど変わらず、美観を保ちながら収縮するという点でも優れている。
また、発光機は、明暗及び/又は色調を変化させ得る単数又は複数の色の発光体を採用することにより、ゲル体に電飾のような優れた装飾性を発揮させることができる。
し置き、該ゲルを発光機上に設置して光を照射するという簡単な操作により、優れた装飾性を呈しながら、ゲル体の機能、例えば、芳香、消臭、除菌、防カビ、殺虫、虫よけ、ダニよけなどの機能を示すことができるため、優れた方法といえる。
本発明の機能性ゲルは、使用する際に収納容器から取り出して別の受け容器に移し置き、ゲル体の下方又は側方より光を照射し、ゲル体内を透過し外部に出る屈折光により光輝させて使用するための透明な機能性ゲル体であって、該ゲル体は、その横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する幾何学的な又は装飾的な外形を有することを特徴とするものである。
また、本発明の機能性ゲル体をゲル化するために使用できるゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ジェランガム、カラギーナン、寒天のような天然系ゲル化剤や、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ウレタンポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。透明性の点から、ゼラチン、ジェランガム、カラギーナン又はイソブチレン−無水マレイン酸共重合体を用いたものが好ましい。
また、本発明の機能性ゲル体は、優れた装飾性を得るために光を照射して使用することを特徴とするが、このような態様で使用される機能性ゲル体はこれまで報告されていなかった。
機能性ゲル体が取り出される別の受け容器としては、機能性ゲル体が設置可能な容器であれば、特に限定されないが、例えば、皿状、シャーレ状、天面の開いた箱状の容器等が挙げられる。
また、機能性ゲル体の下方から光が照射される場合、別の受け容器は透明である必要があるが、機能性ゲル体の側方から光が照射される場合は必ずしも透明である必要は無い。
尚、別の受け容器は、光照射の妨げとならない範囲で文字や種々の図柄により装飾が施されていてもよい。
ゲル体は、透明である限りにおいて、装飾性を示し得る種々の色、例えば、無色、赤、ピンク、青、緑、黄緑、黄、紫、橙等の色であり得る。
また、ゲル体は、透明である限りにおいて、ゲル体全体を発光させるために微細な小量の分散可能な不溶物、例えば、シリカゾルやアルミナゾル等を加えることもできる。
また、ゲル体は、優れた装飾性を発揮するように特定の形状であり、その横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する幾何学的な又は装飾的な外形を有するものである。
上記は、ゲル体の上部外面に少なくとも1つの鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を有することを意味するものであり、この際、鋭角を形成するとは、対向する2辺が鋭角を形成する場合に加え、対向する2辺の延長部が鋭角を形成する場合を含む、即ち、対向する2辺により形成される角が不完全で、先端部が丸まっていたり、先端部が欠けて新たな面を形成する場合であっても、該2辺を延長して形成される角度が鋭角となる場合であれば鋭
角を形成するものに含まれることを意味するものである。
装飾的な形状としては、例えば、バラの花、菊の花、ハスの花等の花を模した形状、ブドウ、桃、リンゴ、サクランボ、イチゴ、バナナ等の果物等の植物を模した形状等が挙げられる。
別の装飾的な形状としては、例えば、犬、猫、パンダ、コアラ等の動物を模した形状等が挙げられる。
また、別の装飾的な形状としては、マンガ、アニメ等のキャラクターを模した形状等が挙げられる。
本発明の機能性ゲル体は、上記のような形状を有することにより、光照射されたとき、ゲル体内部を透過する屈折光により、とりわけ鋭角を形成する稜線部又は凸縁部において光輝き、電飾のような装飾効果を示すものである。
発光機で使用される発光体は、特に限定されるものではないが、好ましくは、発光ダイオード、カラー電球又はネオンライト等が挙げられる。
発光体の色は特に限定されず、白、赤、青、緑、黄緑、黄、紫、橙等、照明の分野で使用される如何なる色をも使用できる。
また、発光体は、上記色の発光体を1個使用するか又は2個以上を種々の色の組合せで使用することができる。
上記発光体は、明暗及び/又は色調を変化させ得るものが好ましい。
また、上記発光体は、経時的に明暗及び/又は色調を変化させ得るものも好ましい。
上記発光体として、発光ダイオードは、コンパクトなサイズに収めやすく、かつ、カラフルな色の色調を容易に自動的に変化させられることから、電飾効果が高く、特に好適に使用することができる。
電気回路としては、発光体を発光させるための電気回路、また、明暗及び/又は色調を変化させる場合、或いは、経時的に明暗及び/又は色調を変化させる場合は、それを制御するための電気回路等が挙げられる。
電源としては、発光体を光らせ及び上記電気回路を起動させるものであるが、マンガン電池、アルカリ電池、ニッケルカドミウム電池、水銀電池、リチウム電池等の電池或いはACアダプター等が挙げられる。
電源スイッチは、発光機のON、OFFを行い、場合によって、発光体の明暗及び/又は色調の変化の様式を変化させるために使用されるものであるが、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ、スナップスイッチ等の何れの形式のものも使用できる。
また、発光機は、機能性ゲル体が置かれた透明な受け容器がその上面に設置される場合、該面は、発光体からの光を機能性ゲル体に照射できるよう穴部を有し、それ以外の面は、機能性ゲル体が効率的に輝くように、鏡面で構成されるのが好ましい。
上記のような簡単な操作により、優れた装飾性を呈しながら、ゲル体の機能、例えば、芳香、消臭、除菌、防カビ、殺虫、虫よけ、ダニよけなどの機能を示すことができる。
上記方法における発光体は、上記の記載と同様のものが使用できる。
本発明の機能性ゲル体は、収納容器から取り出して使用されるが、該収納容器は、例えば、図1ないし図5に示すような、簡単な操作で収納容器1の底部又は側部に空気孔を開けられる構造を採用することにより、簡便に取り出すことができる。この場合の収納容器1は、各種プラスチック材料により形成することができるが、好ましくは、硬質ないし半硬質の熱可塑性プラスチック成形材料を用いるのが好ましい。これらのプラスチック成形材料をシート状に加工し、真空成形法や圧空成形法等により、熱成形するか、又は、該成形材料を、直接射出成形するかして、収納容器を容易に量産することができる。上記プラスチック成形材料の具体例としては、例えば、塩化ビニール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等、各種の熱可塑性樹脂を使用することができる。
用いる密封は、例えば、熱融着等により行われる。
図25ないし27に、機能性ゲル体が発光機の光照射により電飾のような装飾効果を示しているところを模式的に示した。
実施例1
ゼラチン3.0gを水89.0gに約90℃で加熱溶解した。約50℃に冷却後、別容器で混合した香料2.5g、界面活性剤5.0g、プロピレングリコール3.0g、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニア変性物0.5gを攪拌しながら添加し、ゾル状物質を調製した。このゾル状物質を底部の空気孔をフィルムで密封した収納容器に充填し、ゲル化後使用する機能性ゲル体を得た。
底部のフィルムを剥がすことにより空気孔を開け、該機能性ゲル体を、天面の開いた立方体の別の受け容器に取り出し、発光機の上に設置し(図21)、香り立ち及びゲル体の収縮性、装飾性を評価した。その結果、揮散初期から後期にいたるまで、香り立ちがよく、ゲル体の形状も、図22で模式的に示されるすように、形がくずれることなく、小さく収縮し、終点が明確であった。さらに、ゲル体の底部から光を照射することで、ゲル体全体が発光したように見え、高い装飾性を示した。
イソブチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニア変性物5.0gを水84.2gに溶解後、ポリエチレンイミン0.3gを加え、よく攪拌した。その後、別容器で混合した香料2.5g、界面活性剤5.0g、プロピレングリコール3.0gを攪拌しながら添加し、ゾル状物質を調製した。このゾル状物質を底部に突起を有する収納容器に充填し、ゲル化後に使用する機能性ゲル体を得た。
底部の突起を折ることにより空気孔を開け、該機能性ゲル体を皿状の別の受け容器に取り出し、発光機の上に設置し(図23)、香り立ち及びゲル体の収縮性、装飾性を評価し
た。その結果、揮散初期から後期にいたるまで、香り立ちがよく、ゲル体の形状も、図24で模式的に示されるすように、形がくずれることなく、小さく収縮し、終点が明確であった。さらに、ゲル体表面の凹凸により、ゲル体の底部から光を照射することで、乱反射した光でキラキラと輝き非常に高い装飾性を示した。
イソブチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニア変性物5.0gを水84.2gに溶解後、ポリエチレンイミン0.3gを加え、よく攪拌した。その後、別容器で混合した香料2.5g、界面活性剤5.0g、プロピレングリコール3.0gを攪拌しながら添加し、ゾル状物質を調製した。このゾル状物質を一般的な透明容器に充填し、機能性ゲル体を得た。揮散口の開いたキャップを取り付け、発光機の上に設置し(図28)、香り立ち及びゲル体の収縮性、装飾性を評価した。その結果、揮散後期になると、香り立ちが弱く、ゲル体の形状も、図29で模式的に示されるように、揮散口付近は小さく収縮しているのに対し、底面付近はあまり収縮していないため全体としての形がくずれており、美観に欠けるものであった。また、ゲル体の底部から光を照射したところ、揮散初期は、ゲル体が容器に密着しており、上部も平面であるため、光が透過してしまい、装飾性は殆ど認められなかった。さらに揮散中期以降になると、ゲル体上部のみが収縮し、透明性が悪くなり、光を照射しても輝きが感じられず、装飾性は認められなかった。
2:機能性ゲル体
3:突起
4:フィルム
5:空気孔
6:皿状の受け容器
7:天面の開いた箱状の受け容器
8:発光機
9:発光体
10:電源スイッチ
11:キャップ
12:揮散口
Claims (6)
- 機能性ゲル体と、該機能性ゲル体が置かれる透明な受け容器と、該受け容器を介して前記機能性ゲル体に光を照射することができる発光機とからなる、ゲル装飾キットであって、
前記機能性ゲル体は、芳香、消臭、除菌、防カビ、殺虫、虫よけ又はダニよけの機能を示すとともに、使用する際に収納容器から取り出して受け容器に移し置かれるゲル体であって、ゲル体の下方又は側方より光照射されそしてゲル体内を透過し外部に出る屈折光により光輝させて使用する透明な機能性ゲル体であり、
該ゲル体は、その水平横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する外形を有することを特徴とする
キット。 - 前記機能性ゲル体は、ゲル化剤として、ゼラチン、ジェランガム、カラギーナン又はイソブチレン−無水マレイン酸共重合体を用いてゲル化されたものである請求項1記載のキット。
- 前記発光機は、前記機能性ゲル体に光を照射するための、明暗及び/又は色調を変化させ得る単数又は複数の色の発光体を備えたものである、請求項1又は2記載のキット。
- 前記発光体が発光ダイオード、カラー電球又はネオンライトである請求項3記載のキット。
- 芳香、消臭、除菌、防カビ、殺虫、虫よけ又はダニよけの機能を示す透明な機能性ゲル体の使用方法であって、該機能性ゲル体を収納容器から取り出して別の受け容器に移し置き、同機能性ゲル体に光を照射するための、明暗及び/又は色調を変化させ得る単数又は複数の色の発光体を備えた発光機の上に設置して光を照射することにより、該機能性ゲル体はゲル体の下方又は側方より光照射されそしてゲル体内を透過し外部に出る屈折光により光輝させて使用することからなり、該機能性ゲル体は、その水平横断面において対向する2辺又はその延長部が鋭角を形成する稜線部又は凸縁部を少なくともその上部外面に有する外形を有することを特徴とする、機能性ゲル体の使用方法。
- 前記発光機の発光体が発光ダイオード、カラー電球又はネオンライトである請求項5記載の方法。
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