JP5505152B2 - 分散体 - Google Patents

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Description

本発明は、分散媒に炭素材料を分散させてなる分散体に関する。
炭素材料は、電気伝導性、熱伝導性、耐食性、耐熱性、黒色着色性および薬品安定性など多くの面ですぐれた性能を有するため、様々な用途に使用されており、特に耐食性を要する帯電防止材や電磁波シールド材や、電気伝導性および耐食性を有することが必要とされる燃料電池セパレータあるいはリチウム二次電池の負極には、金属材料の使用が難しいため、黒鉛、カーボンブラックまたはカーボンファイバーなどの炭素材料が使用されている。
炭素材料、特にカーボンナノチューブに代表される筒状の形状を持った炭素材料は、その直径は数nmから100nmで、長さは数nmから1mmであり、アスペクト比が大きく、高い導電性、機械的強度を有することから、燃料電池、電極、電磁波シールド材、導電性樹脂、電界放出ディスプレー(FED)用部材、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料などの機能性材料として、エレクトロニクス、エネルギー分野等の幅広い分野への利用が期待されている。
通常、カーボンナノチューブは隣接するカーボンナノチューブ同士が絡まり合った凝集物として得られる。一般に、カーボンナノチューブを使用する場合には、溶液中に微分散していることが好ましい。しかし、カーボンナノチューブそのものは、親水性液体にも疎水性液体にも分散しない。
現在まで、様々な方法で分散やインキ化を試みた文献がある(例えば、特許文献1、特許文献2)。多くの文献では、カーボンナノチューブを分散させるための分散剤の検討や、カーボンナノチューブ自体を化学修飾して易分散化(特許文献3)等が検討されているが、未だ十分な分散性、分散安定性に優れた分散体は得られていなかった。
また、カーボンナノチューブの合成に使用した触媒を、除去等の為の酸性処理を行わずに、塩基性を示すカーボンナノチューブを用いて、分散性、分散安定性を改善する検討(特許文献4)もなされているが、残存する触媒金属等により特性が低下し、満足できるものではなかった。
特開2003−238126号公報 特開2004−276232号公報 特表2008−517863号公報 特開2007−297255号公報
本発明は、凝集しやすい、特にカーボンナノチューブに代表される筒状の形状を持った炭素材料を、有機溶媒に均一に分散させ、分散後の保存安定性が良好な分散体を提供することにある。
すなわち、本発明は、炭素材料と、
2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)およびジイソシアネート(B)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するプレポリマーに、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(C)を反応させてなる樹脂とを、
有機溶媒に分散させてなる分散体であって、
ビニル重合体(A)が、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合させて得られるビニル重合体であり、
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)が、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、チオグリセロール、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又は2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
である分散体に関する。
また、本発明は、炭素材料が、カーボンナノチューである上記分散体に関する。
また、本発明は、樹脂のアミン価が3〜100mgKOH/gであることを特徴とする上記分散体に関する。
また、本発明は、炭素材料のアミン吸着量が20〜700μmol/gである上記分散体に関する。
本発明によって得られる炭素材料の分散体は、極めて良好な分散性、保存安定性を示した。
本発明で言う炭素材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、フラーレンなどが挙げられるが、好ましくは、優れた電気伝導性と熱伝導性の観点からカーボンナノチューブが、電気特性および嵩密度の観点からカーボンブラックまたは黒鉛が用いられる。これらは、溶液分散するものであれば特に制限なく使用することができ、カーボンナノチューブとしては単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブなどが、カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが、また黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれかが用いられる。
本発明の分散体に用いられるカーボンナノチューブの種類には特に限定はなく、用途に応じ、単層、2層又は多層カーボンナノチューブの全てのものが使用できる。砕けたり潰れたりしにくい点で、分散させやすさの点からは多層カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブの直径、長さにも特に限定はなく、あらゆる大きさのものに適用可能であるが、直径については10nm〜1000nmが好ましく、30nm〜400nmが特に好ましく、50nm〜200nmが更に好ましい。また、長さについては0.1μm〜500μmが好ましく、0.2μm〜100μmが特に好ましく、0.5μm〜50μmが更に好ましい。本発明における特定の樹脂を用いることによって、単層から多層に至るまで、また、あらゆる種類や大きさのカーボンナノチューブ分散体を得ることができる。
一般的に、カーボンナノチューブの製造には金属化合物が触媒として使用され、カーボンナノチューブを生成後、硝酸や硫酸などの強酸で洗浄し、カーボンナノチューブから触媒として用いた金属化合物を取り除いている。そのため、カーボンナノチューブの表面は酸化されて酸性を呈する官能基がある程度存在することが知られている。
カーボンナノチューブ等の炭素材料表面の酸性を呈する官能基量を推量する時に、炭素材料のアミン吸着量で推量することができることが一般に知られている。
アミン吸着量は次のようにして測定した。密閉できるガラス容器に、測定する試料1gを測り取り、0.02mol/lのn−ヘキシルアミン(吸着物質)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を30ml加えた。容器に栓をして超音波洗浄機に1時間かけ、炭素材料の表面に吸着物質を吸着させた。遠心分離機にかけて炭素材料を沈降させ上澄み液を得た。上澄み液を15ml採取し、0.02mol/lの過塩素酸ジオキサン溶液にて残存したn−ヘキシルアミンを電位差滴定装置により逆滴定した。ブランクを測定し、定量してアミン吸着能が得られた。
本発明で言うカップスタック型カーボンナノチューブは、底の無いカップ形状をなす炭素網層が数個〜数百個積み重ねた構造をもつ炭素繊維であり、市販品を入手することができる。カップスタック型カーボンナノチューブの粒子サイズは、直径が約10nm〜1μm、長さが約50nm〜500μmである。カップスタック型カーボンナノチューブは、底の無いカップ形状をなす炭素網層が数個〜数百個を積み重ねた構造をもつ炭素繊維のため、カーボンナノチューブの側面には繊維状の端部が多く存在するため、硝酸や硫酸などの強酸での洗浄において、単層、2層又は多層構造のカーボンナノチューブに比べて、より多くの酸性を呈する官能基が存在することが期待され、本発明の分散体に特に好ましく使用できる。
本発明において、前述のアミン吸着能測定法により得られる炭素材料のアミン吸着能が、20〜700μmol/gであることが好ましい。アミン吸着能が20μmol/gより小さいと、つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)およびジイソシアネート(B)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するプレポリマーに、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(C)を反応させてなる樹脂との相互作用が小さくなり、分散安定性が劣る。また700μmol/gより大きいと、つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)およびジイソシアネート(B)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するプレポリマーに、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(C)を反応させてなる樹脂との相互作用が大きくなりすぎて、分散が困難となる。より好ましくは、アミン吸着能が50〜500μmol/gであり、さらにより好ましくは70〜400μmol/gである。
カップスタック型カーボンナノチューブは、広義の意味で、カーボンナノチューブに含まれる。本発明においても、特に、カップスタック型カーボンナノチューブに特徴的な場合に、カップスタック型カーボンナノチューブの文言を使う。
本明細書に記載のアミン価は、試料1g中に含有する塩基性窒素成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数であり、指示薬ブロモフェノールブルーを用いた適定法により求めることができる。酸価は、試料1g中に含有する酸性成分を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、JISK2501の方法で測定できる。
また、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイルオキシ」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
《樹脂》
本発明で用いられる樹脂は、好ましくは、アミン価が3〜100mgKOH/gであり、より好ましくはアミン価を有し酸価を有さない樹脂である。本発明で用いられる樹脂の重量平均分子量は、200〜1、000,000であることが好ましく、後述の有機溶媒に溶解することが必須である。具体的には、まず、つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B)のイソシアネート基とを反応させてなるつのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(D)を合成し、次に、このプレポリマー(D)のイソシアネート基と、ポリアミン(C)の一級及び/又は二級アミノ基と、を反応させてなる樹脂である。
つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)》
つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)(以下、ビニル重合体(A)と略記する場合がある。)は、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合することで得ることができる。ビニル重合体(A)のビニル重合体部位は、有機溶媒に親和性の高い部位であり、下記一般式(1)で表される。
一般式(1):
Figure 0005505152

[一般式(1)中、
1は、化合物(a1)からヒドロキシル基とチオール基とを除く残基であり、
2は、エチレン性不飽和単量体(a2)から二重結合除く残基であり、
3は水素原子又はメチル基であり、
nは、2以上の整数、好ましくは3〜200の整数である。
ここでR1がビニル重合体(A)でいう、末端領域となる。]
<分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)>
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)(以下、化合物(a1)と表記する場合がある。)としては、−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン、若しくはチオグリセロールとも言う。)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又は2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール挙げられる。
一般式(1)中の化合物(a1)からヒドロキシル基とチオール基とを除く残基R1は、剤や他の樹脂との相溶性の観点から、記に挙げた化合物(a1)のような、炭素数1〜7の直鎖状又は分岐状アルキル基がましい。2つのヒドロキシル基と1つのチオール基は、それぞれ異なる炭素に結合していても、一部同じ炭素に結合していても、すべて同じ炭素に結合していても構わない。

<エチレン性不飽和単量体(a2)>
エチレン性不飽和単量体(a2)としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、又はフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、又はオキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;あるいは、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
また、上記アクリル系単量体と併用できる単量体として、
スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;あるいは、
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)としては、500〜30,000であることが好ましく、1,000〜15,000であることがより好ましく、1,000〜8,000であることが特に好ましい。該重量平均分子量が500未満では、溶媒親和部による立体反発の効果が少なくなるとともに、炭素材料の凝集を防ぐことが困難となり、分散安定性が不十分となる場合がある。また、30,000を超えると、溶媒親和部の絶対量が増えてしまい、分散性の効果自体が低下する場合がある。更に、分散体の粘度が高くなる場合がある。
該重量平均分子量が500〜30,000であれば、炭素材料の凝集を防ぐことにより、分散体の粘度上昇を抑えることに有利である。
つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、塗膜の耐性が向上するという点から、50〜200℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。
つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のTgは、下記のFoxの式で算出した値を用いた。なお、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)由来の骨格もビニル重合体(A)中に存在するが、ガラス転移温度を計算する以下の計算から除くものとする。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
W1からWnは、使用している各単量体の重量分率を示し、Tg1からTgnは、各単量体から得られるそれぞれのホモポリマーのガラス転移温度(単位は絶対温度「K」)を示す。
算出に使用する主なホモポリマーのTgを下記に例示する。
メチルメタクリレート:105℃(378K)
n−ブチルメタクリレート:20℃(293K)
t−ブチルメタクリレート:107℃(380K)
ラウリルメタクリレート:−65℃(208K)
2−エチルヘキシルメタクリレート:−10℃(263K)
シクロヘキシルメタクリレート:66℃(339K)
n−ブチルアクリレート:−45℃(228K)
エチルアクリレート:−20℃(253K)
ベンジルメタクリレート:54℃(327K)
スチレン:100℃(373K)
《ジイソシアネート(B)》
本発明に用いられるジイソシアネート(B)としては、ポリウレタン等の合成時に従来から使用されている、公知のものを使用することができ、例えば、芳香族基を有するジイソシアネート(b1)、脂肪族基を有するジイソシアネート(b2)、芳香基及び脂肪族基を有するジイソシアネート(b3)、又は脂環族基を有するジイソシアネート(b4)等が挙げられる。
芳香族基を有するジイソシアネート(b1)としては、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、又は1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン等が挙げられる。
脂肪族基を有するジイソシアネート(b2)としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族基及び脂肪族基を有するジイソシアネート(b3)としては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、又は1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族基を有するジイソシアネート(b4)としては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、又はメチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。
以上、列挙したジイソシアネート(B)は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、2種類以上を併用して使用することもできる。
本発明に用いられるジイソシアネート(B)としては、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート、IPDI]が難黄変性であるために好ましい。
《少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(C)》
本発明に用いられるポリアミン(C)としては、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物であり、イソシアネート基と反応しウレア結合を生成するために用いられる。このようなアミンとしてジアミン(c1)が挙げられる。
2つの一級アミノ基を有するジアミン(c1)としては、ポリウレタン等の合成時に、鎖延長剤として、従来から使用されている、公知のものを使用することができ、具体的には、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン[別名:1,2−ジアミノプロパン又は1,2−プロパンジアミン]、トリメチレンジアミン[別名:1,3−ジアミノプロパン又は1,3−プロパンジアミン]、テトラメチレンジアミン[別名:1,4−ジアミノブタン]、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチレンジアミン[別名:1,5−ジアミノペンタン]、ヘキサメチレンジアミン[別名:1,6−ジアミノヘキサン]、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、又はトリレンジアミン等の脂肪族ジアミン;
イソホロンジアミン、又はジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ジアミン;あるいは、
フェニレンジアミン、又はキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げることができる。
また、2つの二級アミノ基を有するジアミン(c1)としては、ポリウレタン等の合成時に、鎖延長剤として、従来から使用されている、公知のものを使用することができ、具体的には、
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、又はN,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
また、一級及び二級アミノ基を有するジアミン(c1)としては、ポリウレタン等の合成時に、鎖延長剤として、従来から使用されている、公知のものを使用することができ、具体的には、
N−メチルエチレンジアミン[別名:メチルアミノエチルアミン]、N−エチルエチレンジアミン[別名:エチルアミノエチルアミン]、N−メチル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−メチル−1,3−ジアミノプロパン又はメチルアミノプロピルアミン]、N,2−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン[別名:イソプロピルアミノエチルアミン]、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン[別名:N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン又はイソプロピルアミノプロピルアミン]、又はN−ラウリル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン又はラウリルアミノプロピルアミン]等挙げることができる。
本発明のポリアミンは少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物であり、一級及び/又は二級アミンがイソシアネート基と反応してウレア基を生成する、このウレア基が顔料吸着部位になるが、ポリアミン(C)が、両末端に2つの一級及び/又は二級アミノ基を有し、更に、両末端以外に二級及び/又は三級アミノ基を有する化合物である場合には、酸性顔料に対しての吸着性が向上するため、特に好ましい。
このようなポリアミン(C)としては、以下の様な両末端に2つの一級及び/又は二級アミノ基を有し、更に、両末端以外に二級及び/又は三級アミノ基を有するポリアミン(c2)が挙げられる。
ポリアミン(c2)としては、
メチルイミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン]、ラウリルイミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)ラウリルアミン]、イミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン]、N,N’−ビスアミノプロピル−1,3−プロピレンジアミン、又はN,N’−ビスアミノプロピル−1,4−ブチレンジアミン等を挙げることができ、
2つの1級アミノ基と1つの3級アミノ基を有するメチルイミノビスプロピルアミン、又はラウリルイミノビスプロピルアミンは、ジイソシアネートとの反応制御がし易く好ましい。
2つの1級アミノ基と1つの2級アミノ基を有するイミノビスプロピルアミンは、炭素材料への吸着性が良く好ましい。
また、本発明のポリアミン(C)としては、2つ以上の一級及び/又は二級アミノ基を有する重合体(c3)も使用することができる。
一級及び/又は二級アミノ基を有する重合体(c3)としては、一級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体や二級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、例えば、ビニルアミンやアリルアミンの単独重合体(いわゆるポリビニルアミンやポリアリルアミン)、あるいはそれらと他のエチレン性不飽和単量体との共重合体、及び、エチレンイミンの開環重合体や塩化エチレンとエチレンジアミンとの重縮合体やオキサゾリドン−2の開環重合体(いわゆるポリエチレンイミン)から選ばれることが好ましい。重合体中における一級及び/又は二級アミノ基の含有率としては、重合体を基準として、単量体単位で10〜100重量%が好ましく、20〜100重量%がより好ましい。含有率が10重量%以上であれば、炭素材料の凝集を防ぎ、粘度の上昇を抑えることに効果的である。
一級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体や二級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、又はフマール酸等の不飽和カルボン酸;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、クロロメチルスチレン、インデン、又はビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル;
グリシジル(メタ)アクリレート、又は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、又はtert−オクチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミド;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の置換アルキル(メタ)アクリルアミド;
1,3−ブタジエン、又はイソプレン等のジエン化合物;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、又は片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー(マクロモノマー);あるいは、
シアン化ビニル等を挙げることができる。
一級及び/又は二級アミノ基を有する重合体の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)としては、300〜75,000であることが好ましく、300〜20,000であることがより好ましく、500〜5,000であることが特に好ましい。該重量平均分子量が300〜75,000であれば、炭素材料の凝集を防ぐことにより、分散体の粘度上昇を抑えることに効果的である。
《ウレタンプレポリマー(D)》
ウレタンプレポリマー(D)はつのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B)のイソシアネート基と、を反応して得られる。
例えば、ビニル重合体(A)のモル数をα、ジイソシアネート(B)のモル数をβとした場合、α/β=α/(α+1)の時、理論上、つのイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが得られる。αを正の整数とすると、αが大きくなるほど分子量が高くなる。

<合成触媒(E)>
ウレタンプレポリマー(D)の合成時には、ポリウレタン等の合成触媒として従来から使用されている、公知の触媒(E)を使用することができ、例えば三級アミン系化合物、又は有機金属系化合物等を挙げることができる。
三級アミン系化合物としては、例えば、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、又はジアザビシクロウンデセン(DBU)等を挙げることができる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、又は非錫系化合物を挙げることができる。
錫系化合物としては、例えば、
ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、又は2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
非錫系化合物としては、例えば、
ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、又はブトキシチタニウム
トリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛;
2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、又はナフテン酸鉛等の鉛系;
2−エチルヘキサン酸鉄、又は鉄アセチルアセトネート等の鉄系;
安息香酸コバルト、又は2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;
ナフテン酸亜鉛、又は2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;あるいは、
ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系を挙げることができる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、又は2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。
上記三級アミン系化合物、又は有機金属系化合物等の触媒は、場合によっては単独でも使用できるが、併用することもできる。
本発明で言う分散媒とは、アミン価を3mgKOH/g以上有し重量平均分子量が200〜1、000,000である樹脂を溶解し、かつ炭素材料を分散できる分散媒であれば、特に種類は問わない。具体的には、次の(i)〜(xi)を例示することができる。
(i)アルコール、特にメタノール、エタノール、ブタノール、エチルヘキサノール、デカノール、イソトリデシルアルコール、ベンジルアルコール、プロパルジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、オキソ−加工アルコール、ネオペンチルアルコール、シクロヘキサノール、脂肪アルコールのような直鎖、分枝又は環式の一価又は多価アルコール、及び、グリコールのようなジオール及びポリオール;
(ii)2−メトキシエタノール、モノフェニルヂグリコール、フェニルエタノール、エチレングリコール、及びポリプロピレングリコールのようなエーテルアルコール;
(iii)トルエン、キシレンのような炭化水素、脂肪族及び/若しくは脂環式ベンジン画
分、クロロホルム及びトリクロロエタンのような塩素化炭化水素;
(iv)エーテル、特にジオキサン、テトラヒドロフラン、及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテルのような環式及び非環式エーテル;
(v)カルボン酸エステル、特にエチルアセテート及びブチルアセテートのようなモノカルボン酸エステル、及びC2〜C4時カルボン酸のジアルキルエステルにようなのジカルボン酸又はポリカルボン酸エステル(「二塩基エステル」);
(vi)エーテルエステル、特にエチルグリコールアセテート及びメトキシプロピルアセテートのようなアルキルグリコールエステル;
(vii)ブチロラクトンのようなラクトン;
(viii)可塑剤、特にフタレート;
(ix)メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びアセトンのようなアルデヒド及びケトン;
(x)ジメチルホルムアミドのような酸アミド;
(xi)N−メチルピロリドン;及び上述した分散媒体の混合物
この中で、樹脂の溶解性や取扱い性などの観点より、メチルエチルケトンのようなケトン類や酢酸エチルのようなカルボン酸エステルが好ましい。
<分散方法>
分散媒に、炭素材料を分散させる工程としては、特に限定はなく、公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、ビーズミル分散法等のメディア分散法;超音波分散法、ロールミル分散法等のメディアレス分散法等が挙げられる。このうち、分散安定性等の点から、好ましくは超音波分散法又はビーズミル分散法であり、特に好ましくはビーズミル分散法である。

以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。また、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にDMFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
(合成例1)[ビニル重合体(A)の合成]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート 500部、チオグリセロール 11部、及びジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG) 511部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)] 0.50部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量9,500の、ビニル重合体(A−1)の固形分50%溶液を得た。
(合成例2〜7)[ビニル重合体(A−2〜7)の合成]
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は合成例1と同様にして合成を行い、ビニル重合体(A−2〜7)の固形分50%溶液を得た。
Figure 0005505152
表1中の略称は以下に示す通りである。
MMA:メチルメタクリレート
BMA:n−ブチルメタクリレート
t−BMA:t−ブチルメタクリレート
2EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
St:スチレン
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
Tg:ガラス転移温度
(製造例1)<樹脂溶液(G−1)の製造>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、ビニル重合体(A−1)の固形分50%溶液 1022部と、イソホロンジイソシアネート 45.2部と、DEDG 45.1部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.11gを仕込み
、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却して無色透明溶液(B−1)を得た。ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、メチルイミノビスプロピルアミン 11.1部、ジブチルアミン 6.6部、DEDG 304.6部の混合液を仕込み、100℃まで加熱して無色透明溶液(B−1)1112.4部を30分かけて滴下し、更に1時間反応した後、室温まで冷却して反応を終了した。固形分を40%に調整し、樹脂(G−1)の無色透明溶液を得た。樹脂(G−1)の重量平均分子量は43,200であり、アミン価9.0mgKOH/gであった
(製造例2〜7)<樹脂溶液G−2〜7の製造>
表2に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例1と同様にして合成を行い、樹脂(G−2〜7)の溶液を得た。
Figure 0005505152
表2中の略称は、以下に示す通りである。
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・DBTDL:ジブチル錫ジラウレート
・MIBPA:メチルイミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン]
・IBPA:イミノビスプロピルアミン[別名:N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン]
・DBA:ジn−ブチルアミン
・PA:1−アミノプロパン
・DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
・PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(比較製造例1)<(比較)樹脂溶液G−8〜13の製造>
市販の分散剤であるDISPERBYK−2000、DISPERBYK−167、DISPERBYK−161、DISPERBYK−2001、BYK−9076、BYK−111(以上ビックケミー・ジャパン社製)を表3で示した配合比でPGMAcで希釈し、固形分40%の(比較)樹脂溶液G−8〜9、G−11〜13を得た。樹脂溶液G−10については、希釈前の固形分が30%であり、希釈しないで用いた。
<比較樹脂溶液(G−8〜13)>
Figure 0005505152
本発明では、炭素材料としてカーボンナノチューブ(D)を用いた。実施例中に用いたカーボンナノチューブのアミン吸着量を前述の測定方法にて測定し、それぞれカーボンナノチューブ(D−1)129μmol/g、カーボンナノチューブ(D−2)177μmol/g、カーボンナノチューブ(D−3)242μmol/gであった。
<実施例1>
70ccガラス瓶に、製造例1にて合成した分散剤溶液G−1を1.88部、カーボンナノチューブ(D−1)を0.75部、溶剤(メチルエチルケトン)27.37部を配合し、2mmφジルコニアビーズ70部を加えスキャンデックスで3時間分散し、カーボンナノチューブ分散組成物を調製した。
<実施例2〜7>
表4に示した樹脂溶液(G−2〜G−7)および配合比に変更した以外は、実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ分散組成物を調製した。
<実施例8〜9>
実施例1で用いたカーボンナノチューブ(D−1)を、それぞれカーボンナノチューブ(D−2)、カーボンナノチューブ(D−3)に変更した以外は実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ分散組成物を調製した。
<実施例10〜11>
実施例6で用いたカーボンナノチューブ(D−1)を、それぞれカーボンナノチューブ(D−2)、カーボンナノチューブ(D−3)に変更した以外は実施例6と同様にして、カーボンナノチューブ分散組成物を調製した。
<比較例1〜6>
表4で示した樹脂溶液(G−8〜G−13)および配合比に変更した以外は、実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ分散組成物を調製した。
<比較例7〜8>
実施例1で用いたカーボンナノチューブ(D−1)を、それぞれカーボンナノチューブ(D−2)、カーボンナノチューブ(D−3)に変更し、さらに実施例1で用いた樹脂溶液(G−1)を、樹脂溶液(G−9)に変更した以外は実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ分散組成物を調製した。
<実施例1〜11、比較例1〜8>
Figure 0005505152
表4中の略称(有機溶剤)は以下に示すとおりである。
・MEK:メチルエチルケトン
<カーボンナノチューブ分散組成物の評価>
本発明のカーボンナノチューブ分散組成物の分散状態の評価は、溶剤中で分散したカーボンナノチューブ分散組成物の分散状態(沈殿の有無、粘度、経時安定性)で行った。
・ 初期粘度:カーボンナノチューブ分散組成物を、分散後室温で1日静置後、25℃に調整し、E型粘度計RE−80(東機産業社製)にて測定した。
・ 沈殿の有無:目視で沈殿の有無を確認し、全く沈殿の無いものを○、僅かに沈殿が見られるものを△、沈殿の多いものを×とした。
・ 経時安定性:カーボンナノチューブ分散組成物を、40℃1ヶ月経時保存した後、上記と同様にして、沈殿の有無、経時粘度を測定した。経時粘度については、初期粘度からの変化が10%以内を◎、10〜30%以内を○、それ以上の変化または増粘して粘度が測定不能になった場合を×とした。
<カーボンナノチューブ分散組成物の評価結果>
カーボンナノチューブ分散組成物の評価結果を、表5に示した。
<評価結果>
Figure 0005505152

Claims (5)

  1. 炭素材料と、
    2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)およびジイソシアネート(B)とを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するプレポリマーに、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(C)を反応させてなる樹脂とを、
    有機溶媒に分散させてなる分散体であって、
    ビニル重合体(A)が、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合させて得られるビニル重合体であり、
    分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)が、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、チオグリセロール、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又は2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
    である分散体。
  2. 分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a1)が、チオグリセロールである請求項記載の分散体。
  3. 炭素材料が、カーボンナノチューブである請求項1または2記載の分散体。
  4. 樹脂のアミン価が3〜100mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜いずれかに記載の分散体。
  5. 炭素材料のアミン吸着量が、20〜700μmol/gである請求項1〜いずれかに記載の分散体。
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