JP2011063731A - 非水系樹脂分散体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウレタン樹脂を有機溶剤中に分散させた、単分散性、分散安定性(保存安定性)に優れた非水系樹脂分散体の提供。
【解決手段】分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて得られる非水系樹脂分散体であって、
分散安定用樹脂(A)が、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、
ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させてなるウレタン樹脂である非水系樹脂分散体。
【選択図】なし
【解決手段】分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて得られる非水系樹脂分散体であって、
分散安定用樹脂(A)が、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、
ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させてなるウレタン樹脂である非水系樹脂分散体。
【選択図】なし
Description
本発明は、単分散性、分散安定性に優れた非水系樹脂分散体に関する。
有機媒体中(主に高沸点・低極性媒体)に溶解しない重合体樹脂が、有機媒体中で安定に分散して粒子分散系を形成する形態をNAD(非水分散体)と呼ぶ。NADは、塗料やインクのべヒクルとして利用されている。一般的にNADは、櫛型やブロック型の分散安定用樹脂存在下で分散媒に不溶な樹脂を析出、安定化させて調製する。この様なNADに使用される樹脂としては、ビニル系ポリマーがよく知られているが、ウレタン樹脂を分散させたNAD(以下、ウレタンNADと表記する。)についてもいくつか報告されている。
ウレタンNADの合成おいても、ビニル系ポリマーと同様に、粒子径やその分布、分散安定性に大きく影響を及ぼすことから分散安定用樹脂の設計が大変重要となる。分散安定性に優れるものとして、特許文献1では、分散安定用樹脂中に活性水素含有ポリブタジエン誘導体成分を含有することを特徴としたウレタンNADが開示されている。
特許文献2では、分散安定用樹脂中に活性水素含有ポリシロキサン誘導体成分を含有することを特徴としたウレタンNADが開示されている。
また、特許文献3では、エチレン性不飽和二重結合を有するポリオールと炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体とを反応せしめて得られる分散安定用樹脂を使用したウレタンNADが開示されている。
しかしながら、これらのウレタンNADの分散安定性は十分とはいえず、粒子径や分布(単分散性)の制御も困難であった。
本発明は、ウレタン樹脂を有機溶剤中に分散させた、単分散性、分散安定性(保存安定性)に優れた非水系樹脂分散体を提供することを目的とする。
本発明の第1の発明は、分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて得られる非水系樹脂分散体であって、
分散安定用樹脂(A)が、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、
ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させてなるウレタン樹脂である非水系樹脂分散体に関する。
分散安定用樹脂(A)が、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、
ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させてなるウレタン樹脂である非水系樹脂分散体に関する。
また、第2の発明は、分散媒(B)が、エチレン性不飽和単量体(b1)である第1の発明の非水系樹脂分散体に関する。
また、第3の発明は、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の重量平均分子量が、1000〜20000である第1または第2の発明の非水系樹脂分散体に関する。
また、第4の発明は、ポリオール(F)100重量%中に、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を70〜100重量%含む第1〜3いずれかの発明の非水系樹脂分散体に関する。
また、第5の発明は、ポリオール(F)中に、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(f1)を含む第1〜4いずれかの発明の非水系樹脂分散体に関する。
本発明により、ウレタン樹脂を有機溶剤中に分散させた、単分散性、分散安定性(保存安定性)に優れた非水系樹脂分散体を提供することができた。
まず、本発明で使用する分散安定用樹脂(A)について説明する。分散安定用樹脂(A)は、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させてなるウレタン樹脂である。
この分散安定用樹脂(A)は、主鎖としてウレタン樹脂骨格、側鎖としてビニル樹脂骨格をもつ櫛型構造を有している。分散安定用樹脂(A)中のウレタン樹脂骨格(主鎖)が粒子核[ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて得られるウレタン樹脂]に吸着する一方、ビニル樹脂骨格(側鎖)が分散媒(B)中にひろがること(立体反発)で粒子核は分散安定化される。
片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)は、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下において、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合することで得ることができる。
2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)としては、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる
エチレン性不飽和単量体(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素基含有(メタ)アクリレート類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素基含有(メタ)アクリレート類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
なお、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)としては、市販品を使用しても構わない。市販品としては、例えば、綜研化学社製のUT−1001等が挙げられる。
分散安定用樹脂(A)は、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)とポリイソシアネート(G)とを重付加反応させることで得ることができるウレタン樹脂である。
ポリオール(F)中の、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)と併用することのできるポリオールは、分散媒(B)に溶解するものであることが好ましい。また、ポリイソシアネート(G)との重付加反応後に得られるウレタン樹脂[分散安定用樹脂(A)]についても分散媒(B)に溶解することが好ましい。併用するポリオールが分散媒(B)に溶解しないと、ポリイソシアネート(G)との重付加反応時の反応性が悪くなる場合がある。また、反応後に得られるウレタン樹脂[分散安定用樹脂(A)]が分散媒(B)に溶解しない場合には、粒子核の安定な形成が困難となる場合がある。
片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)と併用することのできるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルキレングリコール類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンエーテルジオール類;
ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチルベンゼン)、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、ポリフェノール(カテコール、ハイドロキノン、レゾルシン等)、および上記のアルキレンオキサイド付加物等の環状構造を有するジオール類;
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック共重合体またはランダム共重合体等のポリエーテルポリオール類;
該多価アルコールまたはポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール類;
カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール類;
ポリオレフィン系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等のポリブタジエン系ポリオール等のポリオールが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンエーテルジオール類;
ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチルベンゼン)、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、ポリフェノール(カテコール、ハイドロキノン、レゾルシン等)、および上記のアルキレンオキサイド付加物等の環状構造を有するジオール類;
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック共重合体またはランダム共重合体等のポリエーテルポリオール類;
該多価アルコールまたはポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール類;
カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール類;
ポリオレフィン系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等のポリブタジエン系ポリオール等のポリオールが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
さらに、ポリオール(F)中に水酸基含有エチレン性不飽和単量体(f1)を使用することで、エチレン性不飽和基を有する分散安定用樹脂(A)を得ることができる。エチレン性不飽和基を有する分散安定用樹脂(A)を用いることで、本発明の非水系樹脂分散体にエチレン性不飽和基を導入することができ、例えば、光硬化性組成物用の材料として有用である。
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(f1)としては、例えば、グリセロール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。ここでポリオール(F)100重量%中における、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(f1)の含有量は、3〜30重量%であることが好ましい。水酸基含有エチレン性不飽和単量体(f1)の含有量が3重量%未満であると、光硬化後の塗膜物性(耐溶剤性や耐擦性)が不十分になる場合があり、30重量%以上であると安定な粒子核の形成が困難になる場合がある。
ポリイソシアネート(G)は、分散媒(B)に溶解するものであることが好ましい。ポリイソシアネート(G)が分散媒(B)に溶解しないと、ポリオール(F)との重付加反応時の反応性が悪くなる場合がある。
ポリイソシアネート(G)としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類;
イソホロジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類;
等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
イソホロジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類;
等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
次に、粒子核[ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて得られるウレタン樹脂]形成について説明する。粒子核は、分散安定用樹脂(A)を使用して、分散媒(B)中でポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応することで形成させる。粒子核は、生成するウレタン樹脂のウレタン結合が集積し、不溶化することで形成される。この粒子核形成時において、分散安定樹脂(A)を使用することで、粒子核は安定に保護されながら成長し、分散安定性に優れた非水系樹脂分散体を得ることができる。
本発明で使用する分散媒(B)は、反応前のポリオール(C)およびポリイソシアネート(D)は溶解するが、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)を重付加反応して得られる粒子核成分(ウレタン樹脂)は溶解しない溶媒である必要がある。反応前のポリオール(C)およびポリイソシアネート(D)が溶解しないと、粒子核形成時における凝集物発生の原因となり、単分散性に優れた粒子を得ることができない。また、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応して得られる粒子核成分(ウレタン樹脂)が溶解しないと、安定な粒子核の形成が困難となる。
本発明で使用する分散媒(B)としては、液体であれば特に限定されず、公知の有機溶剤を使用することができる。例えば、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸デシル等のエステル系溶剤;
n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール溶剤;
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族系炭化水素溶剤類;
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族系炭化水素溶剤類;
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、エクソン化学社製のソルベッソ100等の芳香族系炭化水素溶剤類;
エクソン化学社製のアイソパーG、H、L、M、ノーパー12、13、15、出光石油化学社製のIPソルベント1620、2028、日本石油化学社製のノルマルパラフィンSL、L、M、H、O型ソルベントL、M、H、アイソゾール300、400、ドライソルベント、ドライソルベントハイソフト、クレンゾル、ミネラルスピリットA、Aソルベント、ハイアロム2S、丸善石油化学社製のマルカゾールR、出光興産社製の出光スーパゾルLA25、LA30、LA35、LA41、FP20、FP25、FP30、FP38、CA25、ダイアナフレシアP02、P05、S02、シェルジャパン社製のシェルゾール71、72、松村石油研究所社製のモレスコホワイトP−40、P−55、P−60、P−70、P−80、P−100、P−120、P−150、P−200、P−230、P−260、P−300、P−350P、モレスコバイオレス等のパラフィン系炭化水素溶剤;
日本石油化学社製のAF−4、AF−7、AF−5、AF−6、テクリーンN16、N20、N22等のナフテン系溶剤;
エクソン化学社製のエクソノールD40、D80、D110、D130、シェルジャパン社製のシェルゾールD100等のパラフィン/ナフテン混合系溶剤などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることもできる。
n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール溶剤;
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族系炭化水素溶剤類;
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族系炭化水素溶剤類;
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、エクソン化学社製のソルベッソ100等の芳香族系炭化水素溶剤類;
エクソン化学社製のアイソパーG、H、L、M、ノーパー12、13、15、出光石油化学社製のIPソルベント1620、2028、日本石油化学社製のノルマルパラフィンSL、L、M、H、O型ソルベントL、M、H、アイソゾール300、400、ドライソルベント、ドライソルベントハイソフト、クレンゾル、ミネラルスピリットA、Aソルベント、ハイアロム2S、丸善石油化学社製のマルカゾールR、出光興産社製の出光スーパゾルLA25、LA30、LA35、LA41、FP20、FP25、FP30、FP38、CA25、ダイアナフレシアP02、P05、S02、シェルジャパン社製のシェルゾール71、72、松村石油研究所社製のモレスコホワイトP−40、P−55、P−60、P−70、P−80、P−100、P−120、P−150、P−200、P−230、P−260、P−300、P−350P、モレスコバイオレス等のパラフィン系炭化水素溶剤;
日本石油化学社製のAF−4、AF−7、AF−5、AF−6、テクリーンN16、N20、N22等のナフテン系溶剤;
エクソン化学社製のエクソノールD40、D80、D110、D130、シェルジャパン社製のシェルゾールD100等のパラフィン/ナフテン混合系溶剤などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることもできる。
さらに、分散媒(B)としては、上記の有機溶剤以外にエチレン性不飽和単量体(b1)を使用することが好ましい。エチレン性不飽和単量体(b1)を使用することで、光硬化系における非水系樹脂分散体の利用も可能となる。エチレン性不飽和単量体(b1)としては、上記したエチレン性不飽和単量体(a2)で例示したものを挙げることができる。
ポリオール(C)は、分散媒(B)に溶解し、ポリイソシアネート(D)との重付加反応後に得られるウレタン樹脂が分散媒(B)に溶解しないものであることが必要である。ポリオール(C)が分散媒(B)に溶解しないと、粒子核形成時における凝集物発生の原因となり、単分散性に優れた粒子を得ることができない。また、ポリイソシアネート(D)との重付加反応後に得られるウレタン樹脂が分散媒(B)に溶解すると、安定な粒子核の形成が困難となる。
ポリオール(C)としては、上記した片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)と併用するポリオールで例示したものを挙げることができる。
ポリイソシアネート(D)は、分散媒(B)に溶解し、ポリオール(C)との重付加反応後に得られるウレタン樹脂が分散媒(B)に溶解しないものであることが必要である。ポリイソシアネート(D)が分散媒(B)に溶解しないと、粒子核形成時における凝集物発生の原因となり、単分散性に優れた粒子を得ることができない。また、ポリオール(C)との重付加反応後に得られるウレタン樹脂が分散媒(B)に溶解すると、安定な粒子核の形成が困難となる。
ポリイソシアネート(D)としては、上記したポリイソシアネート(G)で例示したジイソシアネートを挙げることができる。さらに、3官能ポリイソシアネートが使用できる。
3官能ポリイソシアネートとしては、例えば、上記に示すジイソシアネートのトリメチロ−ルプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の非水系樹脂分散体の製造方法は、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合して、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を得る第1の工程;
第1の工程で得られた片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させて分散安定用樹脂(A)を得る第2の工程;
ならびに第2の工程で得られた分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)を重付加反応させて不溶化させ、非水系樹脂分散体を得る第3の工程からなる。
第1の工程で得られた片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させて分散安定用樹脂(A)を得る第2の工程;
ならびに第2の工程で得られた分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)を重付加反応させて不溶化させ、非水系樹脂分散体を得る第3の工程からなる。
第1の工程で得られる片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)は、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下において、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合することで得ることができるが、ラジカル重合としては公知の方法で行うことができる。ラジカル重合の際、重合開始剤や希釈溶剤[分散媒(B)]を使用することもでき、反応条件としては、50〜150℃、1〜12時間反応させるのが好ましい。一例を挙げると、第3の工程で分散媒(B)として使用するアイソパーH(エクソン社製、パラフィン系炭化水素溶剤)中に、エチレン性不飽和単量体(a2)として、2−エチルヘキシルアクリレート、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)として、チオグリセロールを添加し、加熱攪拌する。昇温後、重合開始剤である2,2−アゾビスイソブチロニトリルを添加し、さらに加熱撹拌することにより片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂を得ることができる。
2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の使用量は、必要とする片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の分子量によって適宜調整することができるが、エチレン性不飽和単量体(a2)100重量部に対して、2〜10重量部使用するのが好ましい。2重量部未満であると、ビニル系樹脂(E)の重量平均分子量が、20000を超えてしまう場合があり、10重量部を超えると、ビニル系樹脂(E)の重量平均分子量が1000未満になってしまう場合がある。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル等のアゾビス化合物等を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。これら重合開始剤は、エチレン性不飽和単量体(a2)100重量部に対して、0.1〜10.0重量部の量を用いるのが好ましい。
片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の重量平均分子量は、1000〜20000であることが好ましい。1000未満であると粒子核の分散安定性が悪くなる場合があり、20000を超えるとポリイソシアネート(G)との重付加反応において、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の反応性が低下してしまう場合がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値をいう。
次に、第2の工程で得られる分散安定用樹脂(A)は、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)とポリイソシアネート(G)とを重付加反応させて得ることができる。ここでポリオール(F)100重量%中における、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の含有量は、70〜100重量%であることが好ましい。片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の含有量が70重量%未満であると分散安定用樹脂(A)の分散媒(B)に対する溶解性が悪くなる場合があり、さらに粒子核の安定性も悪くなる場合がある。
片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、ポリイソシアネート(G)との重付加反応は、公知の方法で行うことができる。重付加反応の際、希釈溶剤[分散媒(B)]や触媒を使用することもでき、反応条件としては、60〜100℃、4〜12時間反応させるのが好ましい。また、ポリオール(F)とポリイソシアネート(G)との配合比は、ポリオール(F)中の水酸基の1モルに対して、ポリイソシアネート(G)中のイソシアネート基が1モルより少なくなることが必要であり、好ましくは0.60〜0.98モル、さらに好ましくは0.80〜0.95モルの範囲内が適当である。一例を挙げると、第1の工程で得られた片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)に、1,4−ブタンジオール、ジブチル錫ジラウレ−トを添加し、加熱攪拌する。昇温後、ポリイソシアネート(G)である、トリレンジイソシアネートを添加し、さらに加熱撹拌することにより目的の分散安定用樹脂(A)を得ることができる。
ポリオール(F)とポリイソシアネート(G)との重付加反応に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。例えば、有機金属系化合物、三級アミン化合物等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらは単独使用、もしくは併用することもできる。
三級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
次に、第3の工程について説明する。第3の工程は、第2の工程で得られた分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて不溶化させ、目的の非水系樹脂分散体を得る工程である。
分散媒安定用樹脂(A)の添加量は、分散媒(B)100重量部に対し、5〜60重量部であることが好ましい。分散安定用樹脂(A)の添加量が5重量部未満であると、粒子核の安定化が不十分となり、凝集物発生の原因となる場合がある。また、60重量部を超えると吸着安定化に関与しない分散安定用樹脂(A)が大量に残留してしまい、用途によっては悪影響を及ぼす場合がある。
また、粒子核成分量[ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)の合計量]は、分散安定用樹脂(A)100重量部に対し、2〜30重量部であることが好ましい。粒子核成分の添加量が2重量部未満であると、粒子核が形成しない場合がある。また、30重量部を超えると、分散安定化されない粒子核成分が凝集物の原因となる場合がある。
分散媒(B)中において、分散安定用樹脂(A)の存在下、ポリオール(C)と、ポリイソシアネート(D)との重付加反応は、公知の方法で行うことができる。重付加反応の際、触媒を使用することもでき、反応条件としては、60〜100℃、4〜12時間反応させるのが好ましい。また、ポリオール(F)とポリイソシアネート(G)との配合比は、ポリオール(F)中の水酸基の1モルに対して、ポリイソシアネート(G)中のイソシアネート基が1モルより少なくなることが必要であり、好ましくは0.60〜0.98モル、さらに好ましくは0.80〜0.95モルの範囲内が適当である。一例を挙げると、分散媒(B)であるアイソパーH(エクソン社製、パラフィン系炭化水素溶剤)中に上記で例示した分散安定用樹脂(A)、1,4−ブタンジオールを添加し、加熱攪拌する。昇温後、ポリイソシアネート(G)である、トリレンジイソシアネートを添加し、さらに加熱撹拌することにより目的の非水樹脂分散体を得ることができる。
本発明で得られる非水樹脂分散体は、平均粒子径を150nm〜3.0μmの範囲で制御することが可能であり、変動係数が25%以下の単分散な非水樹脂分散体である。また、分散安定性(長期保存安定性)にも優れる。
平均粒子径は溶液にレーザー光を照射して、その散乱光から粒子のブラウン運動を検出する動的光散乱法により測定した。また、単分散性の指標である変動係数は平均粒子径を標準偏差で割ることで算出した。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の値である。
平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置により測定した。また、単分散性の指標である変動係数は平均粒子径を標準偏差で割ることで算出した。
<ビニル系樹脂(E)の合成>
[製造例1]
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコにブチルアクリレート100部、トルエン26部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら昇温させた。50℃まで昇温したところで、チオグリセロール3.9部を添加し、さらに90℃まで昇温した。昇温後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)溶液19.5部(AIBN 0.5部、酢酸オクチル19.0部)を5時間かけて添加し、8時間反応させて片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E−1)溶液を得た。得られたビニル系樹脂の重量平均分子量は5800であった。固形分は、反応時の溶媒で70%に調整した。
[製造例1]
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコにブチルアクリレート100部、トルエン26部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら昇温させた。50℃まで昇温したところで、チオグリセロール3.9部を添加し、さらに90℃まで昇温した。昇温後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)溶液19.5部(AIBN 0.5部、酢酸オクチル19.0部)を5時間かけて添加し、8時間反応させて片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E−1)溶液を得た。得られたビニル系樹脂の重量平均分子量は5800であった。固形分は、反応時の溶媒で70%に調整した。
[製造例2〜14]
下記表1に示す配合に従って製造例1と同様の方法でビニル系樹脂(E−2〜E−14)を得た。得られたビニル系樹脂(E−2〜E−14)の重量平均分子量も表1に示す。
下記表1に示す配合に従って製造例1と同様の方法でビニル系樹脂(E−2〜E−14)を得た。得られたビニル系樹脂(E−2〜E−14)の重量平均分子量も表1に示す。
ソルベッソ100:エクソン化学社製、芳香族系炭化水素溶剤
アイソパーH:エクソン化学社製、パラフィン系炭化水素溶剤
アイソパーG:エクソン化学社製、パラフィン系炭化水素溶剤
AF−7:日本石油化学社製、ナフテン系溶剤
TG:チオグリセロール
BA:ブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
iPMA:イソプロピルメタクリレート
St:スチレン
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
TFPMA:テトラフルオロプロピルメタクリレート
DDMA:ドデシルメタクリレート
iOA:イソオクチルアクリレート
DDA:ドデシルアクリレート
DMA:デシルメタクリレート
ODA:オクタデシルアクリレート
iBOA:イソボニルアクリレート
iAA:イソアミルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
iBMA:イソブチルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
アイソパーH:エクソン化学社製、パラフィン系炭化水素溶剤
アイソパーG:エクソン化学社製、パラフィン系炭化水素溶剤
AF−7:日本石油化学社製、ナフテン系溶剤
TG:チオグリセロール
BA:ブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
iPMA:イソプロピルメタクリレート
St:スチレン
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
TFPMA:テトラフルオロプロピルメタクリレート
DDMA:ドデシルメタクリレート
iOA:イソオクチルアクリレート
DDA:ドデシルアクリレート
DMA:デシルメタクリレート
ODA:オクタデシルアクリレート
iBOA:イソボニルアクリレート
iAA:イソアミルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
iBMA:イソブチルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
[製造例15]
<分散安定用樹脂(A)の合成>
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコにビニル系樹脂E−1溶液135.8部に、トルエン59.3部、1,4−ブタンジオール0.84部、ジブチル錫ジラウレ−ト0.05部を仕込み、攪拌しながら70℃まで昇温した。昇温後、トリレンジイソシアネート4.1部を添加し、6時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−1)の重量平均分子量は19300であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
<分散安定用樹脂(A)の合成>
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコにビニル系樹脂E−1溶液135.8部に、トルエン59.3部、1,4−ブタンジオール0.84部、ジブチル錫ジラウレ−ト0.05部を仕込み、攪拌しながら70℃まで昇温した。昇温後、トリレンジイソシアネート4.1部を添加し、6時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−1)の重量平均分子量は19300であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
[製造例16〜34]
下記表2に示す配合に従って製造例15と同様の方法で分散安定用樹脂(A−2〜A−20)を得た。得られた分散安定用樹脂(A−2〜A−20)の重量平均分子量も表2に示す。
下記表2に示す配合に従って製造例15と同様の方法で分散安定用樹脂(A−2〜A−20)を得た。得られた分散安定用樹脂(A−2〜A−20)の重量平均分子量も表2に示す。
P−510:クラレ社製、ポリエステルポリオール
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
C−590:クラレ社製、ポリカーボネートポリオール
1,5−PD:1,5−ペンタンジオール
1,8−OD:1,8−オクタンジオール
1,4−BD:1,4−ブタンジオール
GI−1000:ニッソー社製、ポリブタジエンポリオール
m−XG:m−キシレングリコール
GlyMA:グリセロールメタクリレート
1,3−PD:1,3−プロパンジオール
PCL05:ダイセル化学工業社製、ポリカプロラクトンポリオール
HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
DPMDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
XDI:キシリレンジイソシアネート
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
C−590:クラレ社製、ポリカーボネートポリオール
1,5−PD:1,5−ペンタンジオール
1,8−OD:1,8−オクタンジオール
1,4−BD:1,4−ブタンジオール
GI−1000:ニッソー社製、ポリブタジエンポリオール
m−XG:m−キシレングリコール
GlyMA:グリセロールメタクリレート
1,3−PD:1,3−プロパンジオール
PCL05:ダイセル化学工業社製、ポリカプロラクトンポリオール
HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
DPMDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
XDI:キシリレンジイソシアネート
[実施例1]
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコにトルエン75部、分散安定用樹脂A−1溶液83.5部、1,4−ブタンジオール2.9部を添加し、攪拌しながら、70℃まで昇温した。昇温後、トリレンジイソシアネート5.4部を添加し、6時間反応させた。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は360nm、変動係数は19.9%、最終固形分は30%であった。
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコにトルエン75部、分散安定用樹脂A−1溶液83.5部、1,4−ブタンジオール2.9部を添加し、攪拌しながら、70℃まで昇温した。昇温後、トリレンジイソシアネート5.4部を添加し、6時間反応させた。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は360nm、変動係数は19.9%、最終固形分は30%であった。
[実施例2〜24]
下記表3に示す配合に従って実施例1と同様の方法で非水樹脂分散体を得た。得られた非水樹脂分散体(実施例2〜24)の平均粒子径、変動係数も表3に示す。
下記表3に示す配合に従って実施例1と同様の方法で非水樹脂分散体を得た。得られた非水樹脂分散体(実施例2〜24)の平均粒子径、変動係数も表3に示す。
1,4−CHD:1,4−シクロヘキサンジオール
1,7−HD:1,7−ヘプタンジオール
IPDIヌレート:イソホロンジイソシアネートのヌレート体
1,7−HD:1,7−ヘプタンジオール
IPDIヌレート:イソホロンジイソシアネートのヌレート体
[比較製造例1]
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、トルエン400部、重量平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール182.4部、重量平均分子量2000の水素添加ポリブタジエンポリオール182.4部、ヘキサメチレンジイソシアネート35.2部を仕込み、100℃で6時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−21)の重量平均分子量は12000であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、トルエン400部、重量平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール182.4部、重量平均分子量2000の水素添加ポリブタジエンポリオール182.4部、ヘキサメチレンジイソシアネート35.2部を仕込み、100℃で6時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−21)の重量平均分子量は12000であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
[比較製造例2]
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、トルエン500部、両末端水酸基含有ポリシロキサンジオール(KF6003、信越シリコーン製)355.3部、重量平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール118.4部、イソホロジイソシアネート26.3部を仕込み、100℃で6時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−22)の重量平均分子量は11000であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、トルエン500部、両末端水酸基含有ポリシロキサンジオール(KF6003、信越シリコーン製)355.3部、重量平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール118.4部、イソホロジイソシアネート26.3部を仕込み、100℃で6時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−22)の重量平均分子量は11000であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
[比較製造例3]
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、アジピン酸660部、無水マレイン酸98部、エチレングリコール410部、オクテン酸第1スズ0.05部を仕込んだ。窒素雰囲気下で120〜160℃で縮合水を系外に出した後、徐々に減圧しながら反応を続け、最終的に190℃、30mmHgの条件で4時間反応した後、反応を終了させた。得られたポリエステルの重量平均分子量は1170で、水酸基価は104mgKOH/gであった。このポリエステルは1分子中に平均1モルのエチレン性不飽和二重結合を有する。別の攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、上記のポリエステル74部、トルエンを149.5部仕込んだ。窒素雰囲気下で110℃に昇温後、2−エチルヘキシルメタクリレート74部、ベンゾイルパーオキサイド1.5部の溶解混合物を1時間かけて滴下した。さらに130℃で2時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−23)の重量平均分子量は20000であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、アジピン酸660部、無水マレイン酸98部、エチレングリコール410部、オクテン酸第1スズ0.05部を仕込んだ。窒素雰囲気下で120〜160℃で縮合水を系外に出した後、徐々に減圧しながら反応を続け、最終的に190℃、30mmHgの条件で4時間反応した後、反応を終了させた。得られたポリエステルの重量平均分子量は1170で、水酸基価は104mgKOH/gであった。このポリエステルは1分子中に平均1モルのエチレン性不飽和二重結合を有する。別の攪拌羽、還流管、ガス導入管、および温度計を装備するセパラブルフラスコに、上記のポリエステル74部、トルエンを149.5部仕込んだ。窒素雰囲気下で110℃に昇温後、2−エチルヘキシルメタクリレート74部、ベンゾイルパーオキサイド1.5部の溶解混合物を1時間かけて滴下した。さらに130℃で2時間反応させた。得られた分散安定用樹脂(A−23)の重量平均分子量は20000であった。固形分は反応時の溶媒で50%に調整した。
[比較例1]
分散安定用樹脂として分散安定用樹脂(A−21)83.5部を用いる他は、実施例1と同じ操作を行って非水樹脂分散体を調製した。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は1025nm、変動係数は38.7%であった。最終固形分は30%であった。
分散安定用樹脂として分散安定用樹脂(A−21)83.5部を用いる他は、実施例1と同じ操作を行って非水樹脂分散体を調製した。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は1025nm、変動係数は38.7%であった。最終固形分は30%であった。
[比較例2]
分散安定用樹脂として分散安定用樹脂(A−22)83.5部を用いる他は、実施例1と同じ操作をおこなって非水樹脂分散体を調製した。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は965nm、変動係数は39.5%であった。最終固形分は30%であった。
分散安定用樹脂として分散安定用樹脂(A−22)83.5部を用いる他は、実施例1と同じ操作をおこなって非水樹脂分散体を調製した。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は965nm、変動係数は39.5%であった。最終固形分は30%であった。
[比較例3]
分散安定用樹脂として分散安定用樹脂(A−23)83.5部を用いる他は、実施例1と同じ操作をおこなって非水樹脂分散体を調製した。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は780nm、変動係数は32.5%であった。最終固形分は30%であった。
分散安定用樹脂として分散安定用樹脂(A−23)83.5部を用いる他は、実施例1と同じ操作をおこなって非水樹脂分散体を調製した。得られた非水樹脂分散体の平均粒子径は780nm、変動係数は32.5%であった。最終固形分は30%であった。
<単分散性と分散安定性(保存安定性)との評価>
調製した非水樹脂分散体について、単分散性と分散安定性(保存安定性)を評価した。単分散性の評価は、変動係数が25%未満であれば○、25%以上のものは×とした。分散安定性(保存安定性)は1ヶ月間、非水樹脂分散体に変化がなければ○、沈殿物や凝集が発生した場合には×とした。非水樹脂分散体における、単分散性と分散安定性の結果を下記表4に示す。
調製した非水樹脂分散体について、単分散性と分散安定性(保存安定性)を評価した。単分散性の評価は、変動係数が25%未満であれば○、25%以上のものは×とした。分散安定性(保存安定性)は1ヶ月間、非水樹脂分散体に変化がなければ○、沈殿物や凝集が発生した場合には×とした。非水樹脂分散体における、単分散性と分散安定性の結果を下記表4に示す。
表4に示すように、本発明で得られる実施例1〜24の非水樹脂分散体は、単分散性、分散安定性が共に良好であったのに対し、比較例1および2の非水樹脂分散体は、単分散性と分散安定性、共に不良であった。また、比較例3の非水樹脂分散体は、分散安定性は良好であったが、単分散性は不良であった。
本発明の非水樹脂分散体は、分散媒中での優れた分散安定性と高度な単分散性を特徴とすることから、塗料、インキ、接着剤などのベヒクルとして使用することができる。特に低粘度での安定性が要求される溶剤型および紫外線硬化型インクジェットインキに好適に使用することができる。さらに、ディスプレイ表示素材としての光拡散剤やスペーサー等、添加剤としてのブロッキング防止剤、流動調整剤、塗面改質剤等、さらには成形用材料、粉体塗料、充填剤等にも使用することができる。
Claims (5)
- 分散安定用樹脂(A)および分散媒(B)の存在下、ポリオール(C)とポリイソシアネート(D)とを重付加反応させて得られる非水系樹脂分散体であって、
分散安定用樹脂(A)が、2つの水酸基と1つのメルカプト基とを有する化合物(a1)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a2)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を含むポリオール(F)と、
ポリイソシアネート(G)と、を重付加反応させてなるウレタン樹脂である非水系樹脂分散体。 - 分散媒(B)が、エチレン性不飽和単量体(b1)である請求項1記載の非水系樹脂分散体。
- 片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)の重量平均分子量が、1000〜20000である請求項1または2記載の非水系樹脂分散体。
- ポリオール(F)100重量%中に、片末端に2つの水酸基を有するビニル系樹脂(E)を70〜100重量%含む請求項1〜3いずれか記載の非水系樹脂分散体。
- ポリオール(F)中に、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(f1)を含む請求項1〜4いずれか記載の非水系樹脂分散体。
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---|---|---|---|---|
CN104945587A (zh) * | 2015-06-17 | 2015-09-30 | 常州大学 | 一种降解速度可控的聚氨酯及其合成方法 |
CN107779003A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-03-09 | 天津大学 | 一种利用光热效应实现粉末涂料快速固化的方法 |
US11560447B2 (en) * | 2017-08-04 | 2023-01-24 | Battelle Memorial Institute | Formaldehyde free microspheres and encapsulation |
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2009
- 2009-09-18 JP JP2009216316A patent/JP2011063731A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104945587A (zh) * | 2015-06-17 | 2015-09-30 | 常州大学 | 一种降解速度可控的聚氨酯及其合成方法 |
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