JP5505089B2 - 産業機器の関節部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、回動軸心方向に対向配置された第1フレームと第2フレームとを、グリス又は潤滑剤を有した機構部を介して相対的に回動可能に連結するようにした産業機器の関節部構造に関する。
産業機器、例えば可搬重量の小さい小型組立用ロボットにおける関節部の構造としては、第1フレームと第2フレームとを軸受により回動可能に連結すると共に、例えば第1フレーム内に設けられたモータの回転力を第2フレームに伝達する減速機を設けるものがある。この場合、前記減速機においては、グリスによる潤滑が行われるが、このグリスが関節部から漏れ出す虞がある。そこで、一般に、グリスが関節部の外部に漏れることを防止するため、軸受近傍部分にゴムオイルシールを設けることが行われている(例えば特許文献1、2参照)。
前記ゴムオイルシールは、金属環とその内周部に設けられたゴム製のリップとからなり、例えば、外周の金属環が第1フレーム側に固定され、内周側のリップが第2フレーム側の外周壁のシール面に圧接するようになっている。これにより、第2フレームの相対回転に伴い、リップが前記シール面に接触して相対的に摺動しながらシールを行うようになっている。尚、部品同士の重ね合せ面等には、シール性を高めるためのOリングが設けられており、このOリングの外面にも例えばグリスが塗布されている。
特開2007−187234号公報 特開2007−182956号公報
ところで、この種のロボットにあっては、関節部におけるグリスの漏れ出しを抑制したいクリーンな環境で使用されることもあり、このような場合には、グリスの漏れ防止効果をより高めることが要望される。このような要望に応えるためには、関節部における前記軸受の更に外周側にも、上記ゴムオイルシールと同様の第2のゴムオイルシールを設ける、つまりゴムオイルシールを二重に設ける構成が考えられる。
しかしながら、ゴムオイルシールを二重に設ける構成では、次のような不具合が生ずる。即ち、ゴムオイルシールは、リップが第2フレームのシール面に弾性的に圧接しながら相対移動する構成であるので、その際の摺動抵抗が大きくなりトルク損失を招いてしまうものとなる。また、高いシール性を得るためには、ゴムオイルシール自体や組付け部分の部品の寸法精度を高くすると共に、その組付けの精度も高いものが必要となり、全体としてコスト高となる。
尚、ゴムオイルシールにあっては、シール部分で関節部が密封されるため、例えば関節部の温度上昇等によってシールの内側部分の圧力が上昇し、外部(大気)との間の圧力差が生ずることがある。そのため、内部が高圧となった状態で、ゴムオイルシールのうち最もシール強度の弱い部分で密封が破れて圧力が一気に放出されることが考えられ、グリスが勢い良く吹出して飛散し、周辺を汚染してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、駆動トルクの損失を招きにくく、且つ、比較的安価に済ませながらも、グリス又は潤滑剤の液体成分の外部への漏れを効果的に防止することができる産業機器の関節部構造を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の産業機器の関節部構造は、回動軸心方向に対向配置された第1フレームと第2フレームとを、グリス又は潤滑剤を有した機構部を介して相対的に回動可能に連結するようにしたものにおいて、前記第1フレームには、前記機構部の外周側に位置して前記回動軸心を中心とした円筒状をなす第1円筒壁が前記第2フレーム側に突出するように設けられると共に、前記第1フレームの前記第1円筒壁に連なる底面のうち該第1円筒壁の内周側部分には、前記機構部から漏れ出る前記グリス又は潤滑剤の液体成分を吸収するための、円環状の第1繊維状吸取部材が全周に渡って設けられ、前記第2フレームの外面には、前記第1繊維状吸取部材の内周側に隙間を存して、或いは、前記第1円筒壁の外周側に隙間を存して、前記機構部から漏れ出る前記グリス又は潤滑剤の液体成分を吸収するための帯状の第2繊維状吸取部材が全周に渡って設けられているところに特徴を有する。
ここで、機構部の潤滑を図るために設けられるグリスは、基油と添加剤とで構成されており、通常は粘性を有した半固形状をなしているが、温度変化や経年変化に伴い、基油と添加剤とが分離し、僅かではあるが液体成分である基油が流れ出す。
上記構成によれば、機構部に含まれているグリス又は潤滑剤のごく一部の液体成分が、例えば遠心力や重力等の作用によって、第1フレーム或いは第2フレームの表面を伝うようにして機構部から外周側に漏れ出そうとする。そのうち第1フレームの表面を伝う液体成分は、第1円筒壁に連なる底面のうち内周側部分に設けられた円環状の第1繊維状吸取部材に吸収されて捕獲される。また、第2フレームの表面を伝う液体成分は、第2フレームの外面に設けられた帯状の第2繊維状吸取部材に吸収されて捕獲される。この場合、膜状となっている液体成分を、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材により容易に吸収することができる。
従って、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材によって機構部のグリス又は潤滑剤の液体成分が確実に捕獲され、それを越えて外部に漏れることを効果的に防止することができる。尚、本発明における「繊維状吸取部材」とは、液体を吸収することが可能な部材を言い、より具体的には、繊維材料からなる、フェルト、不織布、紙、綿などがあり、さらには、プラスチック製のスポンジ等の多孔質部材も含まれている。
ちなみに、本発明者等の研究によれば、産業機器として、可搬重量の小さい小型産業用ロボット(例えば可搬重量20kg以下)の場合、一つの関節部において、標準的メンテナンス期間(例えば5年間)に漏れる液体(基油)の量は、高々1〜2mlであり、繊維状吸取部材で十分に捕獲、吸収することができる。このように、例えば実験的又は理論的に求められる液体の漏れ量から、例えば標準的メンテナンス期間において、漏れる虞のある液体を吸収するに十分な繊維状吸取部材の体積(厚みや幅等の寸法)を逆算し、それに応じた量の繊維状吸取部材を設けるようにすれば良い。
このとき、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材は、相互間で、或いは相手フレーム側の部材等に対して非接触に設けることができるので、摺動抵抗が生ずることはない。寸法精度等の事情から、使用開始当初において第2繊維状吸取部材の内周面が例えば第1円筒壁の外周面に対し接触(摺動)することがあっても、第2繊維状吸取部材の摺動部分は容易に摩耗して隙間ができるので、結局、早期に非接触状態になる。従って、ゴムオイルシールのような摺動を伴うものと異なり、摺動抵抗による駆動トルクの損失を招くことを抑制することができる。
そして、第1繊維状吸取部材は、円環状のものつまり平板状のものを、第1フレームの底面という平板状部分に対して設ければ良いので、曲面に対して繊維状吸取部材を貼付けるような場合と比較して、取付け作業が容易になる。また、帯状の第2繊維状吸取部材は、ゴムオイルシールに比べて、部材自体のコストを安価に済ませることができ、また、材料取りも無駄なく効率的に行うことができる。この結果、全体としてコストを安く済ませることができる。
ここで、第1繊維状吸取部材の径方向の寸法(幅寸法)を十分に取ることにより、厚みは薄くても十分な量の液体を吸収することができる。このとき、第1フレームが高速回転を繰返した場合でも、その際の遠心力は、第1繊維状吸取部材の径方向に作用し、第1繊維状吸取部材の面に対する圧縮方向の力として作用することはないので、第1繊維状吸取部材で一旦吸収した液体が容易に滲み出すことはない。
また、第1繊維状吸取部材の厚み寸法が小さく済むことにより、第1円筒壁の軸方向の高さ(突出方向)寸法をさほど大型化させずに済み、ひいては、関節部全体としての軸方向寸法を比較的小さく抑えることができる。さらには、ゴムオイルシールのように関節部の内周側と外周側との間が密閉されることがないので、関節部の内外の圧力差が生ずることはなく、漏れ出した液体が吹出して飛散するといった不具合を未然に防止することができる。
本発明においては、前記第2フレームに、前記回動軸心を中心とした円筒状をなし前記第1円筒壁の外周側に隙間をもって重なる第2円筒壁を前記第1フレーム側に突出するように設けると共に、前記帯状の第2繊維状吸取部材を、前記第2円筒壁の内周面に全周に渡って設けることができる(請求項2の発明)。
これによれば、第2フレームの表面を伝って漏れ出した液体成分は、第2円筒壁の内周面に設けられた第2繊維状吸取部材によって吸収され、第2円筒壁を越えて外側に漏れ出すことを防止することができる。また、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材は、第1円筒壁及び第2円筒壁に夫々隠されて外側からは見えないので、油等の液体を吸った繊維状吸取部材が見えて見栄えが悪くなるようなこともない。
更にこの場合、前記第2繊維状吸取部材を、前記第2円筒壁の基端部から、該第2円筒壁が前記第1円筒壁の外周を覆っている部分まで延びるように設けることができる(請求項3の発明)。これによれば、第2繊維状吸取部材のうち、第1円筒壁の外周を覆っている部分には、機構部から漏れ出るグリス又は潤滑剤の液体成分が、直接的に捕獲されること、つまり空中を飛んで来て付着することはなく、帯状の第2繊維状吸取部材のうち第2円筒壁の基端部側に位置される端縁部分において、第2フレームの壁部を伝って第2円筒部の基端部まで至った液体成分が吸収される。
従って、第2繊維状吸取部材のうち第1円筒壁の外周を覆っている部分においては、第2円筒壁の基端部側の端縁部にて吸収した液体の一部が染みて来るだけなので、十分な余裕をもって液体を吸収、捕獲することができ、一旦捕獲した液体が外部へ滲み出すことはない。この結果、第2フレーム(或いは第1フレーム)が高速回転を繰返す場合であっても、機構部から漏れ出るグリス又は潤滑剤の液体成分が外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
ところで、上記円環状の第1繊維状吸取部材の内周側に隙間を存して、第2繊維状吸取部材を設けた構成の場合、第1繊維状吸取部材の内周端面と第2繊維状吸取部材の外周面とが直径方向に隙間を存して向い合って配置されことになるが、全体の直径方向の小型化を図る観点からは、その隙間を極力小さくすることが望ましい。しかし、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材の表面は、多少なりとも繊維が毛羽立っている事情があるため、それらの間の隙間が小さいと、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材が相対的に回動される際に、表面の毛羽立った繊維同士が絡まって引きちぎられ、繊維屑からなるダストが発生してしまう虞がある(図6参照)。
そこで、本発明では、前記第1繊維状吸取部材と前記第2繊維状吸取部材とが隙間を存して向い合う部分に、それら第1繊維状吸取部材と第2繊維状吸取部材との間を隔てるための薄板状の仕切部材を配置することができる(請求項4の発明)。これによれば、第1繊維状吸取部材の表面の繊維と第2繊維状吸取部材の表面の繊維とが、仕切部材によって隔てられ、直接接触しないようにすることができる。この結果、相対回転に伴う繊維同士の絡み合いひいてはダストの発生を防止することができる。
このとき、前記薄板状の仕切部材は、繊維状吸取部材の表面の繊維が接触して摺動するような場合でも、小さい摩擦力で摺動できるよう、表面が平滑なものが望ましい。この仕切部材としては、例えば、厚み寸法が0.1〜0.5mm程度のPET,アクリル等のプラスチック製の薄板から構成したり、あるいは金属製の薄板を採用したりすることが可能である。
前記仕切部材を軸方向に薄型の円筒状に構成し、第1繊維状吸取部材と第2繊維状吸取部材との対向している部分全体を覆うように設けることができる。円筒状の仕切部材は、いずれか一方のフレームに対し、軸方向一端側が接着等により固定されていても良いし、抜止め状態を確保した上で、若干の遊びをもって配置されていても良い。更には、どちらかの繊維状吸取部材の表面に接着剤などで貼付けるようにしても良い。但し、仕切部材が、第1繊維状吸取部材及び第2繊維状吸取部材によるグリス又は潤滑剤の液体成分の吸収を邪魔しないように、液体成分が通過する隙間を確保した状態で配置することが重要である。
本発明の第1の実施例を示すもので、下アームと第1の上アームとを連結する関節部の構成を概略的に示す縦断正面図 図1のA部の拡大縦断面図 ロボット本体の外観構成を示す斜視図 本発明の第2の実施例を示す図1相当図 本発明の第3の実施例を示すもので、関節部の要部の拡大縦断面図 第1フェルト部材と第2フェルト部材との間でダストが発生する様子を説明するための図
(1)第1の実施例
以下、本発明を産業機器としてのロボットに適用した第1の実施例について、図1ないし図3を参照しながら説明する。尚、ここでは、可搬重量20kg以下(例えば10kg)の小型産業用ロボット、例えば6軸の垂直多関節型ロボットを具体例としている。図3は、ロボットの本体1の外観(正面やや上部右寄りから見た様子)を概略的に示している。このロボット本体1は、ベース2上に6軸のアームを備えて構成され、それらアームは、次のように、関節部を介して順次回動可能に連結されている。
即ち、前記ベース2上には、ショルダ部3が、垂直方向に延びる回動軸J1を中心に水平方向に旋回可能に連結され、このショルダ部3には、図で上方に延びる下アーム4が、水平方向に延びる回動軸J2を中心に上下方向に旋回可能に連結されている。前記下アーム4の先端部には、第1の上アーム5が、水平方向に延びる回動軸J3を中心に上下方向に旋回可能に連結され、この第1の上アーム5の先端部には、第2の上アーム6が、回動軸J4を中心に同軸回転可能に連結されている。第2の上アーム6の先端には、手首7が、回動軸J5を中心に上下方向に回動可能に連結され、前記手首7の先端には、フランジ8が、回動軸J6を中心に同軸回転可能に連結されている。前記フランジ8には、図示しないハンド等のツールが取付けられる。
図1は、ロボット本体1に設けられる関節部を代表させて、前記ショルダ部3と下アーム4との間の関節部9を示しており、この関節部9は本実施例に係る関節部構造を備えている。この関節部9においては、前記ショルダ部3の外殻を構成する第1フレーム10と、下アーム4の外殻を構成する第2フレーム11とが、図で左右方向に延びる回動軸J2方向に対向配置され、それらが機構部としての減速機12を介して回動軸J2を中心に回動可能に連結されている。前記減速機12は、ショルダ部3(第1フレーム10)内に設けられたサーボモータ13の回転を、減速して第2フレーム11(下アーム4)に伝達するものである。
前記第1フレーム10の先端部には、つまり、第2フレーム11側つまり図で右側に開口する円形凹部10aが設けられていると共に、その円形凹部10aの底部の中心に円形の貫通孔10bが形成されている。そして、第1フレーム10内には、サーボモータ13が図で右向きに配設され、そのシャフト13aが、貫通孔10bを通して右方、つまり、円形凹部10a内に突出している。このとき、シャフト13aの中心(及び円形凹部10aの中心)が、回動軸J2に一致している。
これに対し、前記第2フレーム11の基端部の、第1フレーム10に対向する面(図で左側を向く面)には、第1フレーム10側に若干量だけ凸となる円形凸部11aが設けられている。この円形凸部11aの外径寸法は、前記円形凹部10aの内径寸法よりもやや小さく構成されている。そして、円形凸部11aの先端面には、円筒ブロック状(リング状)をなす回転体14が連結(固着)されている。このとき、回転体14の中心及び円形凸部11aの中心も、前記回動軸J2に一致している。
このとき、前記第1フレーム10の円形凹部10aの内周面部に嵌合するように、クロスローラベアリングからなる軸受15が設けられている。この軸受15の外輪15aは、第1フレーム10に固定され、軸受15の内輪15bは、前記回転体14に固定的に連結されている。この軸受15により、第1フレーム10に対し第2フレーム11が回動軸J2を中心に回動可能に支持されている。尚、図示はしないが、軸受15においては、例えば外輪15aと内輪15bとの間(第2フレーム11側を向く端部)に、ゴムオイルシールを設けるようにしても良い。
詳しく図示はしないが、前記減速機12は、例えばハーモニックドライブ(登録商標)から構成される。周知のように、この減速機12は、楕円状のカムとその外周のボールベアリングからなるウェーブジェネレータ、その外周に配置されたカップ状のフレクスプライン(弾性歯車)、その外周に噛合うサーキュラスプライン(内歯車)を備えて構成されている。このとき、前記サーボモータ13のシャフト13aの先端に前記ウェーブジェネレータが嵌合連結され、前記フレクスプラインの基端部が前記回転体14に固着されている。また、前記サーキュラスプラインは、第1フレーム10側に固定されている。
これにて、前記サーボモータ13の駆動力が、減速機12を介して回転体14ひいては第2フレーム11に伝達されるようになっている。この場合、減速機12内にはグリス(又は他の潤滑剤)が収容され、潤滑がなされるようになっている。また、他の部品同士の重ね合せ面等には、シール性を高めるためのOリングが設けられており、このOリングの外面にも例えばグリスが塗布されている。このグリスは、基油と添加剤とで構成されており、通常は粘性を有した半固形状をなしているが、温度変化や経年変化に伴い、基油と添加剤とが分離し、僅かではあるが基油成分が流れ出す虞がある。
さて、本実施例では、減速機12のグリスに含まれていた液体成分である油分(基油)が、関節部9の外部に漏れることを防止するために、次のような構成が設けられている。即ち、図2にも示すように、前記第1フレーム10のうち前記第2フレーム11側(図で右側)を向く面には、前記減速機12よりも外周側である前記円形凹部10aの外周側部分に位置して、前記回動軸J2を中心とした円筒状をなす第1円筒壁16が、端面から前記第2フレーム11側(図で右側)に突出するように一体に設けられている。
そして、この第1フレーム10の前記第1円筒壁16に連なる底面つまり円形凹部10aの外周側の端面部分には、第1円筒壁16の内周側部分に位置して、前記減速機12部分から漏れ出る前記グリスの基油成分を吸収するための、円環状の第1繊維状吸取部材たる第1フェルト部材17が全周に渡って設けられている。この第1フェルト部材17は、繊維材料の集合体を圧縮して形成される周知のフェルト材料から、所定の厚み寸法(例えば1mm程度)及び径方向幅寸法(例えば数mm程度)を有する円環状(リング板状)に構成されている。この第1フェルト部材17は、その外周縁部が、第1円筒壁16の内周面に接するようにして、第1フレーム10の外面に例えば接着により取付けられる。
これに対し、前記第2フレーム11のうち、前記第1フレーム10側(図で左側)を向く面には、前記回動軸J2を中心とした円筒状をなし、前記第1円筒壁16の外周側に隙間をもって重なる第2円筒壁18が前記第1フレーム10側に突出するように設けられている。そして、前記第2円筒壁18の内周面には、前記第1円筒壁16の外周面との間に僅かな隙間を存して、前記減速機12部分から漏れ出る前記グリスの基油成分を吸収するための、帯状の第2繊維状吸取部材たる第2フェルト部材19が全周に渡って設けられている。
この第2フェルト部材19は、前記第1フェルト部材17と同様の材料から、所定の厚み寸法(例えば1mm程度)及び幅寸法(例えば数mm程度)を有する帯状に構成され、帯の一方の縁部が第2円筒壁18の内周面の基端側に宛がわれるようにしながら、第2円筒壁18の内周面を1周して帯の両端部が突合せられるようにして例えば接着により取付けられる。このとき、図2に符号Lで示すように、前記第2フェルト部材19は、前記第2円筒壁18の基端部から、該第2円筒壁18が前記第1円筒壁16の外周を覆っている部分まで延びて設けられている。
尚、上記第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19の取付け方法としては、接着剤による接着の他にも、両面テープ等を用いた接着や、ビスや金具等を使った固定など様々な方法を採用することができ、要するに、動かないように固定できれば良い。また、上記構成においては、図2に示すように、第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19は、相互間で、或いは相手側の円筒壁18,16等に対して非接触に設けられる。第1円筒壁16及び第2円筒壁18が、相互間で或いは相手側のフレーム11,10等に対して非接触状態に設けられることは勿論である。
次に、上記構成の作用について述べる。上記した減速機12の潤滑を図るために設けられるグリスは、基油と添加剤とで構成されており、通常は粘性を有した半固形状をなしているが、温度変化や経年変化に伴い、基油と添加剤とが分離し、僅かではあるが液体成分である基油が流れ出す。上記構成のロボット本体1の関節部9においては、減速機12(機構部)に含まれているグリスのごく一部の液体成分(基油)が、例えばロボット本体1の駆動時の遠心力や重力等の作用によって、例えば軸受15部分(外輪15aと内輪15bとの間)などを通して、第1フレーム10或いは第2フレーム11の表面を伝うようにして外周側に漏れ出そうとする。
このとき、第1フレーム10の表面を伝って漏れ出そうとする基油成分は、第1円筒壁16の内周側に設けられた円環状の第1フェルト部材17に吸収されて捕獲される。また、第2フレーム11の表面を伝って漏れ出そうとする基油成分は、第2円筒壁18の内周面に設けられた帯状の第2フェルト部材19に吸収されて捕獲される。この場合、膜状となっている基油成分を、第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19により容易に吸収することができる。
ここで、第1フェルト部材17の径方向の寸法(幅寸法)を十分に取ることにより、厚みは薄くても十分な量の基油を吸収することができる。このとき、第1フレーム10が高速回転を繰返した場合でも、その際の遠心力は第1フェルト部材17の径方向に作用し、第1フェルト部材17の面に対する圧縮方向の力として作用することはないので、第1フェルト部材17で一旦吸収した基油が容易に滲み出すことはない。従って、第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19によって減速機12等から漏れ出すグリスの基油成分が確実に捕獲され、第1円筒壁16及び第2円筒壁18を越えて外部に漏れることを効果的に防止することができる。
ちなみに、本発明者等の研究によれば、産業機器として、例えば可搬重量20kg以下の小型産業用ロボットの場合、一つの関節部において、標準的メンテナンス期間(例えば5年間)に漏れるグリスの基油の量は、高々1〜2mlであり、フェルト部材で十分に捕獲、吸収することができる。このように、例えば実験的又は理論的に求められる液体の漏れ量から、例えば標準的メンテナンス期間において、漏れる虞のある液体を吸収するに十分なフェルト部材の体積(厚みや幅等の寸法)を逆算し、それに応じた量の第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19を設けるようにすれば良い。
このとき、上記第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19は、相互間で、或いは相手側の円筒壁18,16等に対して非接触に設けることができるので、摺動抵抗が生ずることはない。例えば寸法精度等の事情から、例えば第2フェルト部材19が第1円筒壁16の外周面に対し、使用開始当初において接触(摺動)することがあっても、摺動部分が容易に摩耗して隙間ができるので、結局、早期に非接触状態になる。従って、ゴムオイルシールのような摺動を伴うものと異なり、摺動抵抗による駆動トルクの損失を招くことを抑制することができる。
そして、第1フェルト部材17については、円環状のものつまり平板状のものを、第1フレーム10の外面の平板状部分に対して設ければ良いので、貼付け作業が容易となる。また、第2フェルト部材19は、ゴムオイルシールに比べて、部材自体のコストを安価に済ませることができ、帯状のものを使用していることにより、材料取りも無駄なく効率的に行うことができる。この結果、全体としてコストを安く済ませることができる。
さらには、ゴムオイルシールのように関節部9の内周側と外周側との間が密閉されることがないので、関節部9の内外の圧力差が生ずることはなく、漏れ出した基油が吹出して飛散するといった不具合を未然に防止することができる。また、第1フェルト部材17及び第2フェルト部材19は、第1円筒壁16及び第2円筒壁18に夫々隠されて外側からは見えないので、油等の液体を吸ったフェルト部材17,19が見えて見栄えが悪くなるようなこともない。
特に本実施例においては、前記第2フェルト部材19は、前記第2円筒壁18の基端部から、該第2円筒壁18が前記第1円筒壁16の外周を覆っている部分まで延びるように設けられている。これにより、第2フェルト部材19のうち、第1円筒壁16の外周を覆っている部分には、漏れ出したグリスの基油成分が、直接的に捕獲されること、つまり空中を飛んで来て付着することはなく、帯状の第2フェルト部材19のうち第2円筒壁18の基端部側に位置される端縁部分において、第2フレーム11の壁部を伝って第2円筒部18の基端部まで至った基油が吸収される。
従って、第2フェルト部材19のうち第1円筒壁16の外周を覆っている部分においては、第2円筒壁18の基端部側の端縁部にて吸収した基油の一部が染みて来るだけなので、十分な余裕をもって液体を吸収、捕獲することができ、一旦捕獲した基油が外部へ滲み出すことはない。この結果、第2フレーム11(或いは第1フレーム10)が高速回転を繰返す場合であっても、減速機12等から漏れ出るグリスの基油成分が外部に漏れ出すことが確実に防止されるのである。
尚、本実施例では、第1フェルト部材17の厚み寸法(軸方向寸法)が小さく済むことにより、第1円筒壁16の軸方向(突出方向)の高さ寸法をさほど大型化させずに済む。従って、関節部9全体としての軸方向寸法を比較的小さく抑えることができる。
このように本実施例の関節部9の構造によれば、第1フレーム10の第1円筒壁16の内周側に円環状の第1フェルト部材17を設けると共に、第2フレーム11に設けられた第2円筒壁18の内周面に帯状の第2フェルト部材19を設けるようにしたので、駆動トルクの損失を招きにくく、且つ、比較的安価に済ませながらも、減速機12等に含まれるグリスの液体成分が外部に漏れることを効果的に防止することができるという優れた効果を奏する。
(2)第2の実施例
図4は、本発明の第2の実施例を示すものであり、ロボット本体1のショルダ部3(第1フレーム10)と下アーム4(第2フレーム11)とを相対的に回転可能に連結する関節部31の構成を示している。この第2の実施例が、上記第1の実施例と異なる点は、減速機12のグリスに含まれている基油が、関節部31の外部に漏れることを防止するための構成にある。従って、上記第1の実施例と同一部分については、同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、上記第1の実施例と異なる点についてのみ述べる。
即ち、前記第1フレーム10の前記減速機12よりも外周側である前記円形凹部10aの外周側部分に位置して、前記回動軸J2を中心とした円筒状をなす第1円筒壁32が、端面から前記第2フレーム11側(図で右側)に突出するように一体に設けられている。この第1円筒壁32の内周側には、前記減速機12部分から漏れ出る前記グリスの基油成分を吸収するための円環状の第1繊維状吸取部材たる第1フェルト部材33が全周に渡って接着により設けられている。この第1フェルト部材33は、上記第1の実施例における第1フェルト部材17と同等の寸法を有している。
これに対し、前記第2フレーム11の外面のうち、前記円形凸部11aの外周面のうち基端側部分には、前記第1フェルト部材33の内周側に隙間を存して、前記減速機12部分から漏れ出る前記グリスの基油成分を吸収するための帯状の第2繊維状吸取部材たる第2フェルト部材34が全周に渡って設けられている。この第2フェルト部材34も、上記第1の実施例における第2フェルト部材19とほぼ同等の厚み及び幅寸法を有する帯状に構成され、内周面が円形凸部11aの基端側外周面に密着するようにして、例えば接着により設けられている。
上記構成の関節部31の構造においても、やはり、第1フレーム10の表面を伝って漏れ出す基油成分は、第1円筒壁32の内周側に設けられた円環状の第1フェルト部材33に吸収されて捕獲される。また、第2フレーム11の表面を伝って漏れ出す基油成分は、円形凸部11aの外周面に設けられた帯状の第2フェルト部材34に吸収されて捕獲される。この場合、膜状となっている基油成分を、第1フェルト部材33及び第2フェルト部材34により容易に吸収することができる。従って、第1フェルト部材33及び第2フェルト部材34によって、減速機12等から漏れ出すグリスの基油成分が確実に捕獲され、それを越えて外部に漏れることを効果的に防止することができる。
このとき、上記第1フェルト部材33及び第2フェルト部材34は、相互間で、或いは相手側の部材等に対して非接触に設けることができるので、摺動抵抗が生ずることはない。例えば寸法精度等の事情から、使用開始当初において接触(摺動)することがあっても、第1フェルト部材33及び第2フェルト部材34は、摺動部分が容易に摩耗して隙間ができるので、結局、早期に非接触状態になる。従って、ゴムオイルシールのような摺動を伴うものと異なり、摺動抵抗による駆動トルクの損失を招くことを抑制することができる。さらには、ゴムオイルシールのように関節部31の内周側と外周側との間が密閉されることがないので、関節部31の内外の圧力差が生ずることはなく、漏れ出した基油が吹出して飛散するといった不具合を未然に防止することができる。
そして、第1フェルト部材33については、円環状のものつまり平板状のものを、第1フレーム10の外面の平板状部分に対して設ければ良いので、貼付け作業が容易となる。第2フェルト部材34は、ゴムオイルシールに比べて、部材自体のコストを安価に済ませることができ、また、帯状のものを使用していることにより、材料取りも無駄なく効率的に行うことができる。従って、全体としてコストを安く済ませることができる。
この結果、この第2の実施例の関節部31の構造においても、駆動トルクの損失を招きにくく、且つ、比較的安価に済ませながらも、グリスの基油成分の外部への漏れを効果的に防止することができる。しかも、特に本実施例では、上記第1の実施例における第2円筒壁18を省略した分だけ、構成が簡単となり、関節部31全体を直径方向により小型化することができるといったメリットも得ることができる。
(3)第3の実施例、その他の実施例
次に、図5及び図6を参照しながら、本発明の第3の実施例について説明する。図5は、ロボット本体1の第1フレーム10と第2フレーム11とを相対的に回転可能に連結する本実施例に係る関節部41の要部構成を示している。この第3の実施例でも、上記第2の実施例と同様に、第1フレーム10の第1円筒壁32の内周側に円環状の第1フェルト部材33が全周に渡って設けられ、第2フレーム11の円形凸部11aの外周面に、第1フェルト部材33の内周側に隙間を存して、帯状の第2フェルト部材34が全周に渡って設けられている。
そして、本実施例では、第1フェルト部材33の内周端面と、第2フェルト部材34の外周面とが直径方向に隙間を存して向い合う部分に、それら第1フェルト部材33と第2フェルト部材34との間を隔てるための薄板状の仕切部材42を設けるようにしている。従って、上記第1、第2の実施例と同一部分については、同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、相違する点についてのみ述べる。
本実施例では、前記仕切部材42は、例えば厚み寸法が0.1mm程度のPET,アクリル等のプラスチック製の硬質フィルム(薄板)から軸方向に薄型の円筒状に構成されている。このとき、仕切部材42の直径寸法は、前記第2フェルト部材34の外径寸法よりも若干大きくされると共に、軸方向に第2フェルト部材34よりもやや大きい幅寸法を有しており、その軸方向一端部(第1フレーム10を向く側)は、例えばプレス加工により内径寸法が次第に小さくなるような曲面状に構成されている。
前記仕切部材42は、表面が平滑で比較的軽量のものが望ましく、プラスチックから所定の直径寸法の円管(パイプ)状に成型されたものを、いわゆる輪切りにすることにより製造することができる。この場合、1本の長いパイプから多数個の仕切部材42を短時間で製造することができ、仕切部材42の1個1個を成型により得るような場合に比べて生産性を高めることができる。尚、パイプを輪切りに切断する際の切断刃については、滑らかな切断面形状を得ることができる刃先形状を有するものを用いることが望ましい。
この仕切部材42は、第2フェルト部材34の外周側に位置して、その軸方向一端部が第2フレーム11の外面に例えば接着により取付けられる。これにより、仕切部材42は、第2フレーム11側に、第2フェルト部材34の表面側全体、つまり第1フェルト部材33と直径方向に対向している部分全体を覆うようにして、該第2フェルト部材34の表面(外周面)と前記第1フェルト部材33の内周端面とを隔てるように取付けられる。尚、このとき、仕切部材42の軸方向(第1フレーム10側)の端部が内周側にやや湾曲していることにより、仕切部材42のエッジが第1フェルト部材33又は第2フェルト部材34に接することを防止し、繊維屑が出ることを未然に防止している。
ここで、図6に示すように、第1フェルト部材33と第2フェルト部材34とが直径方向に隙間を存して向い合って配置される場合、関節部全体の小型化を図る観点からは、その隙間を極力小さくすることが望ましい(図6(a)参照)。しかし、第1フェルト部材33及び第2フェルト部材34の表面は、多少なりとも繊維が毛羽立っている事情があるため、それらの間の隙間が小さいと、第1フェルト部材33に対し第2フェルト部材34が回転された際に、表面の毛羽立った繊維同士が絡まってしまい(図6(b)参照)、絡まり部分の繊維がフェルト部材33、34から引きちぎられ、繊維屑からなるダストDが発生してしまう虞がある(図6(c)参照)。
これに対し、本実施例では、第1フェルト部材33の表面の繊維と第2フェルト部材34の表面の繊維とが、仕切部材42によって隔てられ、直接接触しないようにすることができる。従って、第1フェルト部材33と第2フェルト部材34との間の隙間を小さくしながら、相対回転に伴う繊維同士の絡み合いひいてはダストDの発生を防止することができる。
このとき、第1フェルト部材17と第2フェルト部材19とが対向配置されている場合、表面の毛羽立ち部分が互いに接触しないようにするためには、相互に距離を離さなければならない。本発明者の実験によれば、フェルト部材の厚みが1mmの場合、毛羽立ち分が0.5mm程度になり、フェルト部材の厚みが2mmの場合、毛羽立ち分が0.8mm程度になることが確認されている。仕切部材42を挟むようにすると、仕切部材42を合成樹脂製フィルムから構成した場合、その厚みは数十μm〜100μmといったレベルで実現可能となる。これにより、第1フェルト部材17と第2フェルト部材19との間の隙間を十分に小さくすることができるのである。
この結果、この第3の実施例の関節部41の構造においても、上記第2の実施例と同様に、駆動トルクの損失を招きにくく、且つ、比較的安価に済ませながらも、グリスの基油成分の外部への漏れを効果的に防止することができる。そして、それに加え、第1、第2フェルト部材33、34の表面の繊維に起因するダストDの発生を抑制しながら、第1フェルト部材33と第2フェルト部材34との間の隙間を小さくする、ひいては関節部41全体の直径方向のより一層の小型化を図ることができるものである。
尚、上記した第3の実施例においては、仕切部材42をプラスチックの薄板から構成したが、他にも金属製(板延性がある程度高いもの)の薄板を採用することも可能である。また、円筒状の仕切部材は、いずれか一方のフレーム10,11に対し、軸方向のどちらかの端部を固定(接着)するようにしても良いし、抜止め状態を確保した上で、若干の遊びをもって嵌合させても良い。例えば、円筒状の仕切部材を、第1フレーム10側に取付けても良い。あるいは、どちらかのフェルト部材33,34に接着剤などで貼付けるようにしても良い。但し、仕切部材が、第1フェルト部材33及び第2フェルト部材34によるグリス又は潤滑剤の液体成分の吸収を邪魔しないように、軸方向の少なくともどちらかの端部に液体成分が通過する隙間を確保した状態で配置することが重要である。
更に、上記した各実施例においては、繊維状吸取部材としてフェルト部材を採用するようにしたが、繊維状吸取部材としては、液体を吸収することが可能で、所定形状に成形できる部材であれば、他にも、不織布、紙、綿などを採用したり、さらには、プラスチック製のスポンジ等の多孔質部材を採用したりすることも可能である。
また、上記した各実施例においては、ロボット本体1のうち、ショルダ部3と下アーム4とを相対的に回転可能に連結する関節部9,31,41を具体例としてあげたが、6軸のロボット本体1のうち他の関節部についても、本発明を適用することができることは勿論である。この場合、複数の関節部のうちの全部或いは一部に本発明の関節部構造を設けることができる。また、上記各実施例では、第1フレーム10を固定側(サーボモータ13を有する側)、第2フレーム11を回転側(サーボモータ13により相対回転される側)としているが、第1フレームと第2フレームとの相互間で相対的に回転連結される関係であれば良い。
そして、上記各実施例では、機構部として、ハーモニックドライブからなる減速機12や、クロスローラベアリングからなる軸受15を備えたものとしたが、減速機12や軸受15等の具体的構成としては、様々な変形が可能であり、また、別の回転伝達機構を備えるものや、単に軸受のみを有する機構部であっても良い。機構部においては、グリスに限らず、別の潤滑剤を有するものであっても良く、本発明によれば液体成分の漏れを防止することができる。さらには、本発明は小型の産業用ロボットに限らず、大型の産業用ロボット、専用の作業を行う生産装置など、産業機器全般に適用することができる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で、適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1はロボットの本体(産業機器)、9,31,41は関節部、10は第1フレーム、11は第2フレーム、12は減速機(機構部)、15は軸受、16,32は第1円筒壁、17,33は第1フェルト部材(第1繊維状吸取部材)、18は第2円筒壁、19,34は第2フェルト部材(第2繊維状吸取部材)、42は仕切部材を示す。

Claims (4)

  1. 回動軸心方向に対向配置された第1フレームと第2フレームとを、グリス又は潤滑剤を有した機構部を介して相対的に回動可能に連結するようにした産業機器の関節部構造において、
    前記第1フレームには、前記機構部の外周側に位置して前記回動軸心を中心とした円筒状をなす第1円筒壁が前記第2フレーム側に突出するように設けられると共に、
    前記第1フレームの前記第1円筒壁に連なる底面のうち該第1円筒壁の内周側部分には、前記機構部から漏れ出る前記グリス又は潤滑剤の液体成分を吸収するための、円環状の第1繊維状吸取部材が全周に渡って設けられ、
    前記第2フレームの外面には、前記第1繊維状吸取部材の内周側に隙間を存して、或いは、前記第1円筒壁の外周側に隙間を存して、前記機構部から漏れ出る前記グリス又は潤滑剤の液体成分を吸収するための帯状の第2繊維状吸取部材が全周に渡って設けられていることを特徴とする産業機器の関節部構造。
  2. 前記第2フレームには、前記回動軸心を中心とした円筒状をなし前記第1円筒壁の外周側に隙間をもって重なる第2円筒壁が前記第1フレーム側に突出するように設けられていると共に、
    前記帯状の第2繊維状吸取部材は、前記第2円筒壁の内周面に全周に渡って設けられていることを特徴とする請求項1記載の産業機器の関節部構造。
  3. 前記第2繊維状吸取部材は、前記第2円筒壁の基端部から、該第2円筒壁が前記第1円筒壁の外周を覆っている部分まで延びて設けられていることを特徴とする請求項2記載の産業機器の関節部構造。
  4. 前記第1繊維状吸取部材と前記第2繊維状吸取部材とが隙間を存して向い合う部分に、それら第1繊維状吸取部材と第2繊維状吸取部材との間を隔てるための薄板状の仕切部材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の産業機器の関節部構造。
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