JP5505013B2 - 音源制御装置、楽音合成装置およびプログラム - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、曲調に応じた自然なレガート感を実現できる音源制御装置、楽音合成装置およびプログラムを提供することを目的としている。
請求項1記載の音源制御装置にあっては、複数のノートオンイベントおよびノートオフイベントを含む演奏データに基づいて楽音信号を合成する音源(6)に対して、制御信号を出力する音源制御装置であって、前記音源(6)は、第1のノート(図7,NT1)のノートオンイベント(時刻t1)が生じた後に該第1のノート(NT1)のノートオフイベント(時刻t53)が生じる前に他の第2のノート(NT2)のノートオンイベント(時刻t30)が生じると、前記第1のノート(NT1)から前記第2のノート(NT2)に向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部(64)の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第2のノート(NT2)に係るピッチを有するボディ部(66)の波形とを出力するものであり、前記第1および第2のノート(NT1,NT2)のノートオンイベントの時間差(T3)に応じて、前記ジョイントヘッド部(64)の長さを制御する制御信号出力手段であって、前記時間差がより長い場合の前記ジョイントヘッド部の長さが、前記時間差がより短い場合の前記ジョイントヘッド部の長さ以上になるように、前記音源(6)に制御信号を出力する制御信号出力手段(図10,SP22〜SP30)を有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の音源制御装置において、前記音源(6)は、さらに、前記第1のノート(NT1)のノートオフイベント(時刻t53)が生じる前に前記第2のノート(NT2)のノートオフイベント(時刻t40)が生じると、前記第2のノート(NT2)から前記第1のノート(NT1)に向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部(68)の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第1のノート(NT1)に係るピッチを有するボディ部(70)の波形とを出力するとともに、前記第2のノート(NT2)のノートオフイベント(時刻t40)が生じた後、前記第1のノート(NT1)のノートオフイベント(時刻t53)が生じる前に他の第3のノート(NT3)のノートオンイベント(時刻t50)が生じると、前記第1のノート(NT1)から前記第3のノート(NT3)に向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部(72,78)の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第3のノート(NT3)に係るピッチを有するボディ部(74)の波形とを出力するものであり、前記制御信号出力手段は、前記第2のノート(NT2)のノートオフイベント(時刻t40)と前記第3のノート(NT3)のノートオンイベント(時刻t50)との時間差(T6)が長くなるほど、前記第1のノート(NT1)から前記第3のノート(NT3)に向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部(72,78)の長さを長くするように、前記音源(6)に制御信号を出力する(図12,SP86)ものであることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1記載の楽音合成装置において、前記音源(6)は、複数種類の長さのジョイントヘッド部(72,78)用の波形データをそれぞれ記憶する波形メモリ(30)を有するものであり、前記音源制御装置は、これら波形データのうち何れかを指定する制御信号(スタートアドレスおよびエンドアドレス)を前記音源(6)に供給するものであることを特徴とする。
また、請求項4記載の楽音合成装置にあっては、複数のノートオンイベントおよびノートオフイベントを含む演奏データに基づいて楽音信号を合成するとともに、第1のノート(図7,NT1)のノートオンイベント(時刻t1)が生じた後に該第1のノート(NT1)のノートオフイベント(時刻t53)が生じる前に他の第2のノート(NT2)のノートオンイベント(時刻t30)が生じると、前記第1のノート(NT1)から前記第2のノート(NT2)に向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部(64)の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第2のノート(NT2)に係るピッチを有するボディ部(66)の波形とを出力する音源と、前記第1および第2のノート(NT1,NT2)のノートオンイベントの時間差(T3)に応じて、前記ジョイントヘッド部(64)の長さを制御する制御信号出力手段であって、前記時間差がより長い場合の前記ジョイントヘッド部の長さが、前記時間差がより短い場合の前記ジョイントヘッド部の長さ以上になるように、前記音源(6)に制御信号を出力する制御信号出力手段(図10,SP22〜SP30)とを有することを特徴とする。
また、請求項5記載のプログラムにあっては、コンピュータを、複数のノートオンイベントおよびノートオフイベントを含む演奏データに基づいて楽音信号を合成する音源(6)を制御する装置として機能させるためのプログラムであって、前記音源(6)は、第1のノート(図7,NT1)のノートオンイベント(時刻t1)が生じた後に該第1のノート(NT1)のノートオフイベント(時刻t53)が生じる前に他の第2のノート(NT2)のノートオンイベント(時刻t30)が生じると、前記第1のノート(NT1)から前記第2のノート(NT2)に向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部(64)の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第2のノート(NT2)に係るピッチを有するボディ部(66)の波形とを出力するものであり、前記コンピュータを、前記第1および第2のノート(NT1,NT2)のノートオンイベントの時間差(T3)に応じて、前記ジョイントヘッド部(64)の長さを制御する制御信号出力手段であって、前記時間差がより長い場合の前記ジョイントヘッド部の長さが、前記時間差がより短い場合の前記ジョイントヘッド部の長さ以上になるように、前記音源(6)に制御信号を出力する制御信号出力手段(図10,SP22〜SP30)として機能させるためのものであることを特徴とする。
次に、本発明の一実施例の電子楽器の構成を図1を参照し説明する。
図1において2は表示器であり、ユーザに対して各種情報を表示する。4は設定操作子であり、各種の動作モード等を設定するボタン等から構成されている。5は外部記憶装置であり、CD−R、フラッシュメモリ等から構成され、演奏データ(MIDIデータ)等の記録/再生等を行う。6は波形メモリ音源であり、その内部に設けられた波形メモリを読み出し、各種の処理を行うことにより楽音信号を出力する。出力された楽音信号は、DAコンバータ8を介してアナログ信号に変換された後、サウンドシステム10を介して発音される。14はMIDIインタフェースであり、外部機器との間でMIDI信号を入出力する。
図2において30は波形メモリであり、楽音信号を合成するための各種波形データを記憶する。32−1〜32−nは第1〜第n発音チャンネルであり、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等によって実現され、各発音チャンネル毎に波形メモリ30を読み出し、楽音信号を合成する。34は混合エフェクト処理部であり、各発音チャンネルから出力された楽音信号をミキシングし、エフェクト処理等を施す。36は音源レジスタであり、各発音チャンネルおよび混合エフェクト処理部34の動作パラメータ値などを記憶する。この音源レジスタ36の内容は、CPU20によって随時更新することが可能である。
音量=振幅エンベロープ信号 × 振幅変調信号 × 音量係数 …式(1)
式(1)における振幅エンベロープ信号は、上述のように各種EG部48から出力され、基本的な振幅エンベロープを定める。振幅変調信号は、楽音信号にビブラートを施さない場合は「1」に設定され、ビブラートを施す場合には、例えば「1±0.1」の範囲で正弦波状に変動する信号になる。音量係数は、楽音信号を通常の状態で出力すべき場合は「1」に設定されるが、楽音信号を出力すべきでない場合には「0」に設定され、また、楽音信号のフェードイン、フェードアウトを行う場合には「0〜1」の範囲で直線的に増減する係数である。
以上、第1発音チャンネル32−1の構成を詳述したが、他の第2〜第n発音チャンネル32−2〜32−nの構成もこれと同様である。
2.1.通常奏法
次に、本実施例における動作の概要を図3〜図7を参照し説明する。
図3は、時刻t1においてノートNT1のノートオンイベントが発生し、時刻t4にノートNT1のノートオフイベントが発生した場合に生成される楽音信号の概要を示すものである。通常奏法(後述するレガートが発生しない奏法)においては、ヘッド部、ボディ部およびテイル部の3段階の波形データが波形メモリ30から順次読み出されることにより、3段階の楽音信号が生成される。これら3段階の楽音信号は、各々別の発音チャンネルにおいて生成されクロスフェードによって次段階の楽音信号に遷移するようになっている。まず、ノートオンイベントが生じた時刻t1においては、ヘッド部50およびボディ部52を各々生成するための「2」の発音チャンネルが確保され、ヘッド部50およびボディ部52の楽音信号の生成が開始される。
次に、レガート奏法として楽音信号が生成される例を図4を参照し説明する。
図4においては、時刻t1にノートNT1のノートオンイベントが発生し、時刻t14にノートNT1のノートオフイベントが発生している。このため、図3の場合と同様に、時刻t1においてノートNT1のヘッド部50およびボディ部52の楽音信号の生成が開始され、ボディ部52の音量係数が「0」にされた状態でヘッド部50の楽音信号のみの出力が開始される。次に、時刻t2〜t3の期間においては、出力される楽音信号がヘッド部50からボディ部52にクロスフェードにより遷移し、その後はボディ部52の楽音信号の出力が継続される。一方、図4の例においては、ノートNT1のノートオフイベントがまだ生じていない時刻t10において他のノートNT2のノートオンイベントが発生している。このような場合、「レガート条件」が満たされ、レガート奏法が適用される。
次に、レガート奏法として楽音信号が生成される他の例を図5を参照し説明する。なお、以降の説明において、出力される楽音信号が切り替わる際にクロスフェードが行われる点は図3および図4の場合と同様である。
図5においては、時刻t1にノートNT1のノートオンイベントが発生し、図3,図4の場合と同様に、時刻t1からノートNT1のヘッド部50およびボディ部52の楽音信号が順次出力される。そして、ノートNT1のノートオフイベント(時刻t22)の前に、他のノートNT2のノートオンイベントが発生している。但し、図5の例は、ノートNT1のノートオン時刻t1からノートNT2のノートオン時刻t20までの時間T2が閾値Tthを超えている点において図4の例とは異なっている。
次に、レガート奏法として楽音信号が生成される他の例を図6を参照し説明する。
図6においては、時刻t1にノートNT1のノートオンイベントが発生し、時刻t53にノートNT1のノートオフイベントが発生している。このため、図3〜図5の場合と同様に、時刻t1からノートNT1のヘッド部50およびボディ部52の楽音信号が順次出力される。次に、時刻t30において、レガート条件を満たすノートNT2のノートオンイベントが発生すると、ノートNT2のジョイントヘッド部64およびボディ部66がクロスフェードされつつ順次出力される。ジョイントヘッド部64の長短の区別は、上述のように、時刻t1〜t30の時間T3が閾値Tth以下であるか否かに応じて決定される。
次に、レガート奏法として楽音信号が生成される他の例を図7を参照し説明する。
図7においては、ノートNT1〜NT3の各ノートオン/ノートオフタイミングは、図6の例と全く同一である。但し、時刻t50にノートNT3のノートオンイベントが発生した際にこのノートオンイベントに応じて出力されるジョイントヘッド部の長短の区別は、「ノートNT3のノートオンイベント前に発生し、ノートを変化させた最後のノートオンまたはノートオフイベント」に基づいて決定される。図7において、かかるイベントは、時刻t40に発生したノートNT2のノートオフイベントである。そして、図示の例では、時刻t40〜t50の時間T6が閾値Tth以下であるため、図6における長いジョイントヘッド部72に代えて、短いジョイントヘッド部78が適用される。
3.1.発音管理データ
次に、本実施例における各種データ構成を説明する。
まず、RAM24内には、図8に示す発音管理データ100が記憶される。この発音管理データ100は、ボイスパラメータ参照情報102と、最終ノートオン時刻104と、管理中ノートリスト106とから構成される。ここで、ボイスパラメータ参照情報102とは、後述するボイスパラメータ130−1〜130−m(図9参照)のうち何れかを指定するものであり、ボイスパラメータ130−1〜130−mは、例えば、ピアノ、サックス、トランペット等のボイス(音色)に対応するものである。設定操作子4などによって、ユーザが何れかのボイスを選択すると、対応するボイスパラメータを指定するようにボイスパラメータ参照情報102が設定される。次に、最終ノートオン時刻104とは、当該ボイスにおいて最後に発生したノートオンイベントの時刻である。
次に、ROM22内には、図9に示すボイスパラメータ130−1〜130−mと、エレメント群140とが記憶される。ここで、ボイスパラメータ130−1〜130−mは、ピアノ、サックス、トランペット等のボイス(音色)に各々対応しており、これらのうち何れか一のボイスパラメータが上述したボイスパラメータ参照情報102によって選択される。図示の例にあっては、ボイスパラメータ130−1が選択されていることとする。一のボイスパラメータは、ジョイントヘッド長短閾値132と、ジョイントヘッドIDテーブル134と、その他ボイスパラメータ136とから構成される。ここで、ジョイントヘッド長短閾値132は、当該ボイスに対応して、ジョイントヘッド部の長短の別を定める閾値Tth(図4〜図7参照)を定めるものである。
まず、「音高差」は、「±1199 cent」の範囲を「100 cent」毎に区切った「24」種類と、「+1200 cent以上」と、「−1200 cent以下」とに分類され、この結果、ジョイントヘッドエレメントIDは音高差に応じて「26」種類に分類される。さらに、ジョイントヘッドエレメントIDは出力時間の長短に応じて「2」種類に分類されるから、ジョイントヘッドIDテーブル134には、合計「52(=26×2)」種類のジョイントヘッドエレメントIDが記憶されることになる。次に、その他ボイスパラメータ136は、後述するヘッドエレメント142、ボディエレメント144およびテイルエレメント146を指定するエレメントIDなどから構成されている。
次に、エレメント群140は、一のヘッドエレメント142と、一のボディエレメント144と、一のテイルエレメント146と、複数のジョイントヘッドエレメントから成るジョイントヘッドエレメント群148とから構成されている。ジョイントヘッドエレメント群148に属するエレメントの数は、ジョイントヘッドエレメントIDの数(上記例では「52」種類)以下である。すなわち、「52」種類のジョイントヘッドエレメントIDは、必ずしも相互に異ならせる必要はなく、同一のIDであっても差し支えないため、かかる場合にはエレメントの数は「52」よりも少なくなる。そして、これらエレメント142,144,146,148のうち任意の一のエレメントは、複数の波形メモリ参照情報と、これら波形メモリ参照情報に各々対応し当該波形メモリ参照情報が適用される条件を定めるキーバンク情報とから構成される。波形メモリ参照情報は、波形メモリ音源6内の波形メモリ30の何れかの波形データ150−1〜150−pの読出方法を記述したものであり、具体的には、当該波形データの読み出し範囲(スタートアドレスおよびエンドアドレス)と、当該読み出し範囲がループ読出されるか否かとを指定するものである。一般的に、ボディエレメント144によって参照される場合は波形データがループ読出され、それ以外のエレメント142,146,148によって参照される波形データはループ読出されない傾向が強い。
4.1.ノートオンイベント処理(図10)
次に、本実施例における各種イベント処理の内容を説明する。
まず、演奏操作子16において奏法スイッチがオン状態であるときに、選択中のボイス(ボイスパラメータ参照情報102にて選択されているボイス)のノートオンイベントが発生すると、図10に示すノートオンイベント処理ルーチンが起動される。なお、ノートオンイベントは、演奏操作子16における鍵盤等の操作、MIDIインタフェース14を介してのMIDI信号の受信、または外部記憶装置5から読み出されたMIDIデータの再生によって発生する。この点は、後述するノートオフイベントについても同様である。
図10において処理がステップSP2に進むと、管理中ノートリスト106に対して、新たに空のノート情報が一つ追加される。次に、処理がステップSP4に進むと、追加されたノート情報におけるノート番号に対して、発生したノートオンイベントに係るノート番号が書き込まれる。
次に、演奏操作子16において奏法スイッチがオン状態であるときに、鍵盤等の操作によって、選択中のボイス(ボイスパラメータ参照情報102にて選択されているボイス)のノートオフイベントが発生し、あるいは、MIDIインタフェース14を介して選択中のボイスのノートオフイベントのMIDI信号が供給されると、図11,図12に示すノートオフイベント処理ルーチン(図11,図12)が起動される。
図11において処理がステップSP50に進むと、今回発生したノートオフイベントに係るノート番号を有するノート情報が、管理中ノートリスト106の中から検索される。次に、処理がステップSP52に進むと、当該ノートは、「ノートオフイベントが生じる前に他のノートオンイベントの発生によりフェードアウトが完了したノート」に該当するか否かが判定される。
以上により、テイル部が発音される場合におけるノートオフイベント処理が終了する。
本実施例の電子楽器においては、「10msec」毎に、図13に示す周期処理ルーチンが起動される。
図13において処理がステップSP100に進むと、クロスフェードを実行する条件に達した全ての発音チャンネルについて、クロスフェードが開始される。より具体的には、フェードアウトを開始すべき発音チャンネルと、フェードインを開始すべき発音チャンネルとが今後音量係数を逐次更新してゆく発音チャンネルとして指定される。次に、処理がステップSP102に進むと、クロスフェードが実行中である全ての発音チャンネルについて、音量係数が変更される。すなわち、フェードイン中である発音チャンネルにおいては、音量係数が所定値だけ増加され、フェードアウト中の発音チャンネルについては、該音量係数が所定値だけ減少される。
(1)テイル部の振幅エンベロープがリリースしきって「0」になり、その結果として音量が「0」になった場合
(2)フェードアウト中にノートオフイベントが発生し、その後もフェードアウトが続行され音量係数が「0」になった結果として音量が「0」になった場合
以上説明したように本実施例によれば、第1および第2のノート(例えば図4,図5のNT1,NT2)のノートオンイベントの時間差(T3)が閾値Tth以下であるかに応じてジョイントヘッド部(56または62)の長短を選択するから、楽曲の曲調がスローテンポになるほど、レガートの時間が長くなる傾向を強めることができる。これにより、曲調に応じた自然なレガート感を実現することができる。
また、各ジョイントヘッド部の楽音信号を出力するための波形データは予め波形メモリ30に記憶されている波形データであり、かつ、出力すべきジョイントヘッド部を決定するための情報は全て過去に取得されている情報であるから、本実施例はリアルタイムの演奏に対しても適用することが可能である。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例におけるノートオフイベント処理ルーチンにおいて、ステップSP84(図12)を実行した後に、破線で表記したステップSP86を実行させてもよい。このステップSP86においては、最終ノートオン時刻104が、現在時刻(すなわちノートオフタイミング)によって更新される。これにより、ノートを変更する契機となるノートオフイベント(例えば図7における、ノートNT2の時刻t40におけるノートオフイベント)も、ノートオンイベントと同様に、ジョイントヘッド部の長短の決定に影響させることができるようになる。
なお、ステップSP86を実行させたほうが望ましいのか否かは、曲調あるいはユーザの好みによっても異なるため、ステップSP86を実行させるのか否かを、設定操作子4を介してユーザが指定できるようにしてもよい。
(5)また、上記実施例において、外部記憶装置5に記憶された演奏データに基づいて楽音信号を合成する場合はノンリアルタイムで合成処理を実行してもよい。
しかし、レガート条件は上述したものに限定されるわけではない。例えば、上記「他のノート情報」に係るノートと、今回のノートオンまたはノートオフイベントに係るノートとの音高差が所定値以下(例えば1オクターブ以下)であることを上記実施例のレガート条件に追加してもよい。
また、ノートオンイベントに対するレガート条件については、「最終ノートオン時刻104と現在時刻との差が所定値(きわめて短い時間)以上である」ことを上記実施例のレガート条件に追加してもよい。これは、きわめて短い時間内にノートオンイベントが生じた場合は、和音が演奏されたものと見做し、それぞれのノートについて発音処理を行えるようにしたものである。
このような音源回路は、専用のハードウェアを用いて構成してもよいし、DSPとマイクロプログラムとを用いて音源回路を構成してもよい。また、パーソナルコンピュータとソフトウェアのプログラムで音源機能を構成してもよく、これらの組み合わせでもよい。また、音源回路においては、1つの回路を時分割で使用して複数の発音チャンネルを形成してもよいし、1つの発音チャンネルを1つの回路で形成してもよい。
Claims (5)
- 複数のノートオンイベントおよびノートオフイベントを含む演奏データに基づいて楽音信号を合成する音源に対して、制御信号を出力する音源制御装置であって、
前記音源は、第1のノートのノートオンイベントが生じた後に該第1のノートのノートオフイベントが生じる前に他の第2のノートのノートオンイベントが生じると、前記第1のノートから前記第2のノートに向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第2のノートに係るピッチを有するボディ部の波形とを出力するものであり、
前記第1および第2のノートのノートオンイベントの時間差に応じて、前記ジョイントヘッド部の長さを制御する制御信号出力手段であって、前記時間差がより長い場合の前記ジョイントヘッド部の長さが、前記時間差がより短い場合の前記ジョイントヘッド部の長さ以上になるように、前記音源に制御信号を出力する制御信号出力手段
を有することを特徴とする音源制御装置。 - 前記音源は、さらに、前記第1のノートのノートオフイベントが生じる前に前記第2のノートのノートオフイベントが生じると、前記第2のノートから前記第1のノートに向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第1のノートに係るピッチを有するボディ部の波形とを出力するとともに、前記第2のノートのノートオフイベントが生じた後、前記第1のノートのノートオフイベントが生じる前に他の第3のノートのノートオンイベントが生じると、前記第1のノートから前記第3のノートに向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第3のノートに係るピッチを有するボディ部の波形とを出力するものであり、
前記制御信号出力手段は、
前記第2のノートのノートオフイベントと前記第3のノートのノートオンイベントとの時間差が長くなるほど、前記第1のノートから前記第3のノートに向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部の長さを長くするように、前記音源に制御信号を出力するものである
ことを特徴とする請求項1記載の音源制御装置。 - 前記音源は、複数種類の長さのジョイントヘッド部用の波形データをそれぞれ記憶する波形メモリを有するものであり、
前記音源制御装置は、これら波形データのうち何れかを指定する制御信号を前記音源に供給するものである
ことを特徴とする請求項1記載の楽音合成装置。 - 複数のノートオンイベントおよびノートオフイベントを含む演奏データに基づいて楽音信号を合成するとともに、第1のノートのノートオンイベントが生じた後に該第1のノートのノートオフイベントが生じる前に他の第2のノートのノートオンイベントが生じると、前記第1のノートから前記第2のノートに向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第2のノートに係るピッチを有するボディ部の波形とを出力する音源と、
前記第1および第2のノートのノートオンイベントの時間差に応じて、前記ジョイントヘッド部の長さを制御する制御信号出力手段であって、前記時間差がより長い場合の前記ジョイントヘッド部の長さが、前記時間差がより短い場合の前記ジョイントヘッド部の長さ以上になるように、前記音源に制御信号を出力する制御信号出力手段と
を有することを特徴とする楽音合成装置。 - コンピュータを、複数のノートオンイベントおよびノートオフイベントを含む演奏データに基づいて楽音信号を合成する音源を制御する装置として機能させるためのプログラムであって、
前記音源は、第1のノートのノートオンイベントが生じた後に該第1のノートのノートオフイベントが生じる前に他の第2のノートのノートオンイベントが生じると、前記第1のノートから前記第2のノートに向かって遷移する音を表すジョイントヘッド部の波形と、該ジョイントヘッド部に接続され該第2のノートに係るピッチを有するボディ部の波形とを出力するものであり、
前記コンピュータを、
前記第1および第2のノートのノートオンイベントの時間差に応じて、前記ジョイントヘッド部の長さを制御する制御信号出力手段であって、前記時間差がより長い場合の前記ジョイントヘッド部の長さが、前記時間差がより短い場合の前記ジョイントヘッド部の長さ以上になるように、前記音源に制御信号を出力する制御信号出力手段
として機能させるためのプログラム。
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