JP5502327B2 - 気体放出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、香料、医薬品などの主として生活の中で使用する化学物質を空気に含有させ、当該化学物質含有気体を固まりにして、効率よく利用者に提示するための気体放出装置に関する。
本発明の主な応用例である香り放出装置を例に、従来技術とその問題点を説明する。ストレスが多い現代、癒しを与える商品として芳香器が注目されている。様々な香りを切り替えて提示できれば魅力的な商品となる。
また、映像に香りを付加することによって臨場感やコンテンツの内容理解が向上することが知られており、匂いを適切に切り替えて鑑賞者に提示できる装置が望まれている(特開2006−295321参照)。
従来、香りなどの化学物質を気体に含有させて放出する装置としては、超音波で発生させた霧に化学物質を含有させる装置(例えば、実開平06−64760、PCT/JP2006/304604、特願2006−220887)、化学物質含有液体を霧吹きの原理で霧にして放出させる装置(例えば、実開平05−048946、特開平08−332420)、同様に化学物質含有液体を静電気力を利用し霧にして放出させる装置(例えば、特願2006−114613)、香料含有素材に風を通過させ、所定の方向に放出する装置(例えば、特開2000−189503、特開2004−159875など)が知られている。
しかし、これらの装置には、香料が周囲に拡散すると言う特性がある。放出した香りが拡散すると、残香時間が長くなるため、香りの切り替え難しいと言う問題がある。また、香り利用者以外の周囲の人にまで香りが拡散すると、好まれない、又は、相手を不愉快にすると言う問題がある。香りは、空間的にも時間的にもピンポイントで提示することが望ましい。特に、映像などに香りを付加する場合、これは必須の条件になる。
香りを離れた場所からピンポイントで利用者に提示する方法として、空気砲の原理を用いた香り発生装置が検討されている。例えば、特許第3675203号、特願2006−220888、特開2005−296540などには、霧を砲筒に入れて様々な方向に放出し、雰囲気の演出を図る装置が開示されている。
従来の空気砲の多くは、砲筒の壁に穴をあけ複数の香料を砲筒内に入れて混ぜ、空気槽内を加圧して、当該砲筒内の気体を放出する構造である。例えば、特開2004−81851には、砲筒に様々な香料含有気体を充填して放出することで、香りによる空間演出を可能とする装置が開示されている。砲筒にシャッター機構を導入し、シャッターを閉じた状態で砲筒内で香りを調合し、調合し終わった段階でシャッターを開け、空気砲を作動させると、香りを固まりとして放出できる。
当該装置は、香り調合特性は優れているが、砲筒内で香料を調合すると香料が砲筒に付着するため、長時間使用すると、砲筒に付着した香料とその後の香料が混ざり、香りの切り替えが鮮明でなくなる、メンテナンスが面倒などの問題がある。また、香り発生部を空気砲とは別に設置する必要があるため、装置が大きくなりやすく、コストが掛かることも問題である。これは、前記に挙げた空気砲式香り発生器の共通する問題点でもある。
映像に香りを付ける応用において、従来の空気砲式香り発生装置は、表示画面の脇に設置せざるを得ないため、スペースを取り目障りである。また、画面が大きくなると利用者への香り放出角が鈍角になるため、利用者の嗅覚器付近へ狙いを定めて香りの固まりを放出する制御が難しくなるなどの問題がある。
また、利用者を検出して、当該利用者に向けて香りを放出する場合、香りの固まりを真っ直ぐ、遠方に飛行させる空気砲の設計が必要になるが、従来あまり検討されていない。
特開2006−295321 実開平06−64760 PCT/JP2006/304604 特願2006−220887 実開平05−048946 特開平08−332420 特願2006−114613 特開2000−189503 特開2004−159875 特許第3675203号 特願2006−220888 特開2005−296540 特開2004−81851
本発明の気体放出装置が解決しようとする主な課題は、香料、医薬品などの主として生活の中で使用する化学物質を空気に含有させ、当該化学物質含有気体を固まりにして、周囲に拡散させることなく、利用者に提示できるようにすること、及び、当該提示の心理的、生理的効果が高まるようにすることである。具体的な課題は以下の通りである。
(1)複数の化学物質を高速に切り替えて、又は、調合して気体に含有させて提示できるようにする。当該切り替え時の嗅覚特性を明確にする。装置を大きくしないで、使用できる化学物質をできるだけ多くする。
(2)当該気体としては、各種香料含有気体、医薬品含有気体、消毒薬含有気体、消臭剤含有気体、殺虫剤含有気体、霧(水蒸気)、及び、これらの組み合わせなどが適用できるようにする。
(3)化学物質含有気体の固まりを真っ直ぐに遠くに放出できるようにする。
(4)気体に含有させる化学物質の交換、装置の清掃などのメンテナンスが容易な構成とする。
(5)小型で安価な装置構成とする。
(6)表示装置と化学物質含有気体放出装置を一体的に構成できるようにし、映像表示画面の中から化学物質含有気体が飛び出るように構成する。
(7)遠隔の特定の利用者に適切な化学物質を提示できるようにする。即ち、周囲の人に影響を与えず、迷惑を掛けないようにするために、局所空間に気体を搬送して提示する。
<手段1>
本発明の気体放出装置は、図1〜図15に対応付けて説明すると、
内部に複数の気流管(例えば、図8の02i)を収めて砲筒(例えば、図8の06)とし、又は、複数の気流管(例えば、図3の02i、図13の03Ti)を束ねて当該束の外周を砲筒と定義し(例えば、図3の05、図13の05T)、当該砲筒、又は、気流管内の気圧を高めて気体を放出する気体放出装置であって、複数の気流管から出る気体は相互に流れが整えられ、又は、気流管から出る気と砲筒から出る気体は相互に流れが整えられ、前記砲筒から気体を固まり、又は、渦輪として放出させることを特徴とする。
本発明において、気流管(02i)は気体を通過せしめることが可能な管である。複数の気流管から出る気体は相互に流れが整えられ、又は、気流管から出る気と砲筒から出る気体は相互に流れが整えられて、前記砲筒の軸方向に気体の固まり(図3の04)を放出できる構成が望ましい。前記気体の相互作用は、気体の整流、又は、渦輪の生成を含む。なお、気流管は常に気流を通過せしめる構造でなくてもよい。必要な際に気体を通過せしめることが可能であればよい。例えば、図1に示すように、前記砲筒、又は、気流管内の気圧を瞬間的に高めることにより、各穴から出る気体は相互に流れが整えられ、空気の渦輪(04)、又は、空気の固まりを放出できる。
ここで、前記砲筒は、気体が所定の拘束断面内を移動するための構成体を意味し、実在する砲筒(例えば、図8の06)の他、複数の気流管を束ねて構成した束の外周を砲筒と定義してもよい。これをバーチャル砲筒(例えば、図3の05、図13の05T)と呼ぶ。つまり、バーチャル砲筒とは、束ねた各気流管の概ね外接円内の領域を意味する。前記気流管の末端部(図8のEnd)、又は、砲筒の末端部の気圧を高めることができる。当該複数の気流管に加える気圧は連動して制御できる。気流管毎に異なる気圧を加えてもよい、また、一様の気圧を加えてもよい。
前記各気流管は、図13、図14に示すように、形状、径、長さが異なってもよい。また、複数の気流管の密度は、砲筒の中心から気流管の中心を結ぶ線(図13のLine from Center of Cylinder to Center of Tube)と当該気流管の軸線(Axis of Tube)とが成す面内において気流が自由度をもつように設定することが望ましい。
また、図8に示すように、複数の気流管(02i)は、砲筒の内周部(Inner Surroundings of Cylinder)に配置し、砲筒の中心部(Center of Cylinder)に空間を設けてもよい。
<手段2>
本発明の気体放出装置は、例えば、図3、図4、図5、図7、図8、図13に対応付けて説明すると、手段1において、砲筒先端の内周面積(図3では、Area05、又は、図8では、Area06)に対する気体が放出される開口面積(図3では、Σ(Open02i )、図8では、Σ(Open06+Open02i ))の割合YASが20%以上になるように構成され、砲筒から気体の固まり、又は、渦輪が放出されることを特徴とする。
ここで、開口面積とは、砲筒、又は、気流管の断面において空気が通過する面積を意味する。前記バーチャル砲筒のように、気流管の束から砲筒が構成される場合は、バーチャル砲筒先端の内周面積(Area05)に対する各気流管の開口面積の合計(Σ(Open02i ))の割合YASが20%以上になるように構成される。また、前記開口面積は、図12のように、微細な穴を多数設けた画面の裏側に砲筒を設ける場合、当該砲筒の先端が接した画面の中に含まれる穴の面積の合計が対応する。
前記気流管(図3、図4、図5、図7、図8の02i、又は、図13の03Ti)の直径は、砲筒(図3、図4、図5、図7の05、又は、図8の06、又は、図13の05T)の直径の1/100以上で1/3以下の範囲、当該気流管の長さは、砲筒の直径の1/10以上で5倍以下の範囲のもの用い、当該気流管を少なくとも砲筒の内周に沿って、3本以上、200本以下の範囲で配置することが望ましい。また、当該気流管は、砲筒の内周に沿って概ね均等に配置されるのが望ましい。
図2に示すように、気流管の末端部(End)の気圧を高める加圧手段(07)は、空気槽(08)と空気圧縮機構(09)とから構成でき、空気槽の先端には、各気流管に気体を供給するための接続部となる差込口(Ins)を設けることができる。
前記気流管、又は、砲筒の気圧を制御する手段(07)は、図1(B)に示すように、昇圧と降圧の速度を調整でき、昇圧が高速で、降圧が低速の非対称パルスで駆動してもよい。この場合、渦輪の気流は、砲筒中心部から渦輪の進行方向に流れて周辺に向かい、再び中心部に戻る。また、図1(C)に示すように、昇圧が低速で、降圧が高速の非対称パルスで駆動してもよい。この場合、渦輪の気流は、砲筒中心部から渦輪の進行方向と逆に流れて周辺に向かい、再び中心部に戻る。
<手段3>
本発明の気体放出装置は、図1、図4、図5、図7、図8、図12に対応付けて説明すると、手段1において、前記気流管(02i)の少なくとも一部に化学物質を供給する機構(例えば、図1の30、図8の36A、図12の36D)を設けたことを特徴とする。
前記化学物質は、香料、医薬品、霧、高濃度酸素、マイナスイオン、これらの組み合わせが可能である。
図4、図5、図7に示すように、前記砲筒は、化学物質を放出する気流管(02a、02b)の周りを、空気を放出する気流管(02S)で囲む、又は、前記2種類の気流管を交互に配置して構成してもよい。
図5、図7、図8、図12に示すように、前記化学物質を放出する気流管、又は、空気を放出する気流管は、砲筒の先端に向けて集束するように曲げてもよい。各気流管の先端を接近させることで砲筒先端部の開口面積を大きくできる。
図7、図8、図12に示すように、化学物質を供給する機構を設けた気流管(02i)は、砲筒の内周付近に配置し、砲筒の中心部に空気を放出する気流管を配置する、又は、空間を設けてもよい。
前記化学物質は、気流管の管壁に設けた穴から管内に供給されると共に、当該気流管は、前記気体を放出する際に空気を管の軸方向に通過せしめるように構成できる。当該構造によって、気流管に供給された化学物質含有気体は、管内に一時的に蓄えられ、前記管内の気圧が高められる際に気流管から一気に放出される。
また、複数の気流管から放出された化学物質含有気体は、空気中を進行中に、混合、又は、調合される。当該混合、又は、調合は、前記化学物質含有気体が瞬間的な圧力によって放出される場合に促進される。特に、渦輪を形成するように気体の固まりとして放出される場合に顕著である。従って、例えば、図12から明らかなように、砲筒の中で化学物質同士が混ざることはない。
図10に示すように、前記気流管(37)の末端部(End)、又は、先端部は、通常は閉じており、気体の固まりを放出する際に開けるように制御してもよい。
図12に示すように、化学物質を供給する機構(36D)は、気流管の管壁付近に設けた超音波振動子(62、63、64)、又は、高電界素子によって化学物質含有液体を霧化する機構で構成してもよい。また、管壁付近に設けた圧電素子(Piezo)、又は、静電素子、又は、加熱素子によって霧状の液滴(mis)を生成する機構で構成してもよい。更に、管壁に設けた穴から化学物質含有液体を気流管内に入れ、管内で香料を霧化するように構成してもよい。当該化学物質含有液体は、毛細管現象を利用する機構(61)、又は、液体電気ポンプなどによって、前記霧化装置まで搬送できる。
図2の30に示すように、前記化学物質は管壁付近に蓄積し(31)、気化させることができる。この際、加熱手段(HT)を用いることができる。また、図9に示すように、外部から気化した化学物質を別の管(38)を用いて搬送し、気流管内(37)に供給してもよい。気流管は、図2、図9、図10に示すように、加圧手段に脱着可能に取り付けることができる。
本発明の気体放出装置は、図1、図9に対応付けて説明すると、手段3において、前記化学物質を供給する機構は、気流管の管壁に設けた穴(図1のHal、図9のHol1、HOL2)から管内に化学物質を供給する機構(例えば、図1の30、又は、図9(A)の36A)であって、当該穴の開閉により、管内に供給する化学物質の量が制御され、当該化学物質は、気流管を軸方向に通過する気体(Air)によって管の先端から放出されても良い。
前記管壁に設けた穴の開閉には、管型気流制御板、又は、2重管構造の弁を使用できる(例えば、図1の33、又は、図9の33、又は、図10の34)。当該気流制御板は前記管壁面に密着して可動するように取り付けることができる。開閉駆動機構には、電磁機構(39)、又は、圧電駆動機構を用いることができる。当該弁の開閉時間、又は、単位時間の開閉回数によって気流管内に供給する化学物質含有気体の量を制御できる。当該開閉回数による制御には、ΔΣ変調方式などが適用できる。また、前記管壁に設けた穴の開閉制御には、マスフローコントローラ、ニードルバルブなどに用いられる流量調整機構を使用してもよい。
複数の気流管に設けた穴の開閉を制御することにより、混合、又は、調合された化学物質含有気体を放出できる。複数の化学物質を調合する際の濃度比は、開閉回数比の設定によって実現できる。また、図1、図9、図10に示すように、気体の固まりを放出する前に当該穴を所定時間開いて化学物質を管内に供給するように制御してもよい。
<手段4>
本発明の気体放出装置は、図5、図7、図12、図13、図14に対応付けて説明すると、手段1において、前記砲筒、又は、気流管は、腹部から先端に向けて径を細くすることによって、先端に向かって気圧を高め、気流を速めて放出することを特徴とする。
前記砲筒、又は、気流管の先端部を細くする構成は、気流速度を腹部から先端部に向けて速くするように構成できる。図12に示すように、砲筒を流線型にして速度を速くすれば、綺麗な渦輪が生成される。また、図5、図7に示すように、砲筒の腹部を大きくすれば、当該部分の気流管は実装空間に余裕ができるため、前記気流管の腹部には、化学物質供給機構を設けることができる。同図では、斜線(30)で示している。
本発明の気体放出装置は、図13、図14に対応付けて説明すると、手段1において、気流管の長さ、又は、太さは、砲筒中心部から砲筒周辺部に向かって変化するように構成しても良い。
図13に示すように、前記束ねられた管の末端部(End)は、凹面を成すように構成できる。また、図14(C)に示すように、前記束ねられた管の先端部は凸面を成すように構成できる。
<手段5>
本発明の気体放出装置は、図1、図3、図4、図12、図15、図17に対応付けて説明すると、手段1において、前記砲筒(例えば、図5の05、図12の06)は、表示素子、又は、画素(11)の間に穴(02)を設けた映像表示装置(10)の裏側に設けられ、又は、前記気流管は、当該穴を気体が通過するように接続され、当該砲筒、又は、気流管内の気圧を高めることによって、前記表示素子、又は、画素の間の複数の穴から気体を放出させることを特徴とする。
前記表示素子には、発光素子として発光ダイオード(LED)、有機EL素子(OLED)を含むEL素子、プラズマ放電管(PDP)、FED、表面伝導型ディスプレイ用素子(SED)、非発光素子として液晶などが利用できる。これらの表示素子を用いた表示装置の画面に小さな穴(02)を設けることができる。
図12に示すように、前記表示装置の画面には複数の穴(02)が設けられ、当該穴を気体が通過するように、前記気体放出装置(01)を密着させることができる。また、図3に示すように、表示装置の表示素子(11)、又は、画素の間(02)に気流管(02i)を設け、当該管を砲筒の一部とすることができる。当該複数の気流管を束ねて機能砲筒にしてもよい。前記表示装置の画面は小さな穴を設けたスクリーンであって、当該スクリーンに映像を投影する構成でもよい。画素の間から気体が放出される。
<手段6>
本発明の気体放出装置は、図1、図8、図12、図16、図17に対応付けて説明すると、手段5において、利用者の位置検出情報に基づいて、当該利用者に映像内容と関連する嗅覚刺激、又は、皮膚触覚刺激を与えるように、気体を画面の中から放出することを特徴とする。
前記気体の温度、又は、湿度、又は、風圧を制御する手段を設けることによって、皮膚触覚刺激を多様に制御できる。また、当該気体は、図1、図12、図17に示すように、表示装置の表示素子、又は、画素(11)の間から放出されることが望ましい。また、図16、図17に示すように、映像の内容と関連するように香りや気流を放出できる。
<手段7>
本発明の気体放出装置は、図17に対応付けて説明すると、手段5において、利用者の属性、又は、場所を特定する情報、又は、化学物質放出要求情報を発信する人(Aki、Yoshi)に向けて、映像内容と関連する化学物質を含有する気体を画面の中から放出することを特徴とする。
前記情報を発信する人は、当該情報を発信する携帯端末(Ue)を保持する人とすることができる。また、当該情報を予め登録した人、又は、センサで当該情報が検出可能な人を含むことができる。当該センサには、男女識別センサ、位置検出センサなどを用いることができる。前記人に向けて、化学物質(香り)を切り替えて放出するように制御手段(SG1、SG2)を設けることができる。
当該香りは、場所情報に基づいて変化させることができる。特に表示装置と連動させる場合には、表示装置への接近に応じて、表示内容に沿った香りを提示することができる。
<手段1、および、手段2の効果>
図1〜図15に示すように、本発明は、構造的には、砲筒内に複数の気流管を束ねて収め、当該管の末端部の気圧、又は、砲筒の末端部の気圧を高めて、当該砲筒の軸方向に気体の固まりを放出することを主要な特徴としている。図3に示すように、砲筒の中心部から放出された気流(F1)は、砲筒の周辺部の管から放出される気流(F2)に比べて、筒先を離れたところで速く、気圧は下がる。気流F2は、砲筒の外周から一旦外側に広がった後、砲筒中心部の気圧の低い領域に引き込まれるように流れて環状渦(04)となる。
多数の気流管で砲筒を構成することによって、砲筒の中で気流は整流され、砲筒外において砲筒の中心部と周辺部で気流の速さを制御できる。例えば、管の径を細くする、又は、長くすれば空気抵抗は大きくなり気流は遅くなる、逆に、管の径を太くする、又は、短くすれば空気抵抗は小さくなり気流は速くなる。目的に応じて、所定の太さ、長さの管を束ねることによって、様々な特性の空気砲を構成できる(図13、図14参照)。
従来の中空砲筒を用いた空気砲に比べて、本発明の砲筒では、気体の固まりを真っ直ぐに遠くに放出できる。実験によると、気流管として、直径が砲筒の直径の1/100以上、1/3以下で、長さが砲筒の直径の1/10以上、5倍以下のもの用い、当該管を少なくとも砲筒の内周に沿って、3本以上、200本以下の範囲で配置し、砲筒の内周面積に対する砲筒先端の開口面積、及び、各管の開口面積の合計の割合YASが20%以上になるように構成すると、砲筒の中心から管の中心を結ぶ線と当該管の軸線とが成す面内において気流が自由度を持ちやすい(図13参照)。つまり、砲筒から放出される気体は、正常な環状渦を生成し易く、気体の固まりは、真っ直ぐ飛行させることができる。
図1(B)(C)に示すように、加圧手段の立ち上がりの加圧で、気体の固まりを放出し、立ち下がりの減圧で吸気することができる。圧縮板は1往復運動し、従来のように繰り返し減衰振動することがないので、気体の固まりを真っ直ぐ、遠くに放出させることができる。また、気体の固まりに成らなかった残留気体の帯が生じにくい。
立ち上がりの速さ、又は、大きさによって、気体の固まりの放出距離を制御できる。利用者の位置情報に基づいて制御することによって、利用者に適切に気体を提示することができる。気体の香料を含有させる場合、香りを効果的に利用者に提示できる。
砲筒を構成する各気流管には適度な空気抵抗があるため、前記加圧手段を用いると、気体放出後に気流管内に残留する化学物質は、当該管の中に留まり易い。つまり、加圧手段(07)の空気槽(08)に複数の化学物質が逆流して混ざると言った不都合が生じにくい。従って、繰り返し香料含有気体の固まりを放出する場合でも、利用者に香りを明確に提示できる。
<手段3、および、手段4の効果>
図1、図4、図5、図7、図8、図12に示すように、前記砲筒の一部に化学物質を通過させる気流管を用い、当該化学物質の通過を選択的に制御することによって、様々な化学物質を含有する気体を高速に切り替えて、又は、調合して放出できる。化学物質は1つの気流管に1種類ずつ通すことができるので、長期間使用しても、砲筒内での化学物質の混合はなく、砲筒内が化学物質で汚染されることが少ない。化学物質の切り替えは明確である。
気流管を細くすることによって、極めて多くの化学物質を切り替えることができる。例えば、3〜5mm程度の径の気流管を束ね、70mm程度の砲筒にして用いた場合、50〜100種類程度の化学物質を用いることができる。化学物質が香料の場合、極めて多様な匂いを生成できる。
図5、図7、図8、図12に示すように、香りを放出する気流管は、香り供給部を設けるため太くなりやすいが、気流管は滑らかに曲げることができるため、砲筒の先端に向けて集束させることができる。また、化学物質を放出する気流管の回りに空気を放出する気流管を配置することができる。これらによって、砲筒先端の開口面積を大きくでき、香料含有気体の固まりを、真っ直ぐ、遠くに飛行させることができる。
図1、図9に示すように、化学物質を放出する気流管として、当該管壁に設けた穴(Hol)から管内に気化した化学物質を供給する機構(図1の30、図9の36A)を備えた気流管を用いると、空気(Air)を気流管内に通過させつつ、当該穴を開閉することができる。従って、化学物質の放出に関わらず、常に安定した環状渦を生成できる。
図1に示すように、気流管の管壁に化学物質を蓄積することで、化学物質を放出する気流管を細く小型に構成できる。また、図1、図9に示すように、管壁に設けた前記穴を開閉するために、対向穴を設けた気流制御板(33)を密着させてスライドさせる機構を用いると、化学物質を管内に供給している場合は当然、供給していない場合でも、管内に空気(Air)を通過させることが可能であり、安定した環状渦を作るために有効である。
図1、図9、図10に示すように、化学物質を放出する気流管の管壁に設けた穴(Hol)は、通常は閉じており、管の末端部の気圧を高める際に開くように制御できるため、化学物質を含有する気体を切り替えて提示する際の嗅覚刺激特性は明確である。空気砲と組み合わせて使用することによってその効果は顕著である。
図9、図11に示すように、電磁弁機構(39)を用いて、穴(Hol)の開閉時間間隔を制御する、又は、単位時間当たりの開閉回数を制御することによって、気流管に供給する化学物質の定量が可能である。従って、放出される化学物質の濃度制御、複数の化学物質の高精度な調合が可能である。
図10に示すように、気流管(37)の末端部(End)、又は、先端部を開閉する機構を用いると、化学物質は、常に管内に残留し、砲筒内、又は、空気槽内に拡散することがないため、前記化学物質の切り替えは更に明確になる、前記調合精度は更に高くなるなどの効果がある。
図2、図9、図10に示すように、本発明の気流管(02i)は、加圧手段(07)に対して脱着可能であり、取替え部品として構成できる。気流管が汚れた場合、当該管のみを清掃できる、又は、取り替えることができる。従って、メンテナンス性がよい。気流管は、金型による成型製造が可能なため、大量生産によって安価にできる。また、管の部品化は、装置の小型化、メンテナンス容易化にも効果がある。
図7、図13、図14に示すように、複数の管の長さ、又は、太さを砲筒中心部から砲筒周辺部に向かってに変化させることによって、砲筒中心部と砲筒周辺部の空気抵抗を変化させ気流速度を制御することができる。
例えば、図13に示すように、管の末端部が凹面を成すように複数の管の長さを調整すると、砲筒の中心部は管の長さが短くなるため、当該部分の気流は周辺部に対してより速くなる。砲筒中心部の気流が高速になると、砲筒周辺部の気体は、外側を回った後に中心部に引き込まれやすくなる。これによって美しい環状渦を作ることができ、気体の固まりを遠くまで飛行させることができる。
<手段5から手段7の効果>
図1、図3、図4、図17に示すように、本発明では、複数の細い管を用いることができるため、表示装置の表示素子、又は、画素の間に穴を開け、当該穴に当該管を通すことができる。当該複数の管を束ねて1つのバーチャル砲筒とみなし、当該砲筒の末端部に気圧を加えると、気体を固まりとして表示装置の前に放出できる。気体に香料を含有させて放出することで、映像に香りを付けることができる。また、図12に示すように、砲筒(06)を前記穴の開いた画面の裏側に密着させても気体は穴(02)から放出され、同様な効果を生じる。画面から香りが飛び出して来るので、高い臨場感が得られる。
画素としてLEDなどの発光素子を用いた場合、当該素子間には空間を作り易いため、本発明の細い気流管を設け易い。少し離れて見ると、気流管の存在はほとんど分からず、画面から香りが放出されると言う従来にない表示装置が実現される。
図1、図8、図12、図17に示すように、本発明では、画面内から気体を放出し、温度、湿度、風圧などの触覚刺激を与えることができる。画面に表示されるコンテンツに適合したこれらの刺激を与えることで臨場感が向上する、コンテンツの内容理解が深まるなどの効果がある。当該気体に香りなどの化学物質を含ませることで、臨場感効果は更に高まる。
例えば、通行人の頬などに向けて香りを含んだ気体を放出すると、風が運んだ自然な香りのような感覚刺激を提示できる。映像の中からこのような刺激を提示すれば、誘目性は高く、通行人は、思わず画面を振り向くことになる。電子広告板(デジタルサイン)に使用すれば、広告効果は高い。
図17に示すように、本発明の特徴は、極めて多くの種類の化学物質を気体の固まりとして放出できることである。従って、利用者の属性、又は、場所を特定する情報、又は、化学物質放出要求情報を発信する手段を組み合わせると、当該人に向けて、特定の化学物質含有気体を放出できる。
大型表示装置(Tom)の前を通過する人を検出して、関心を示しそうな香りを提示し、振り向かせるなどの広告利用に効果がある。通行人が表示装置に近づいたことを検出して映像内容に相応しい香りに切り換えて提示することにより、広告効果は一層向上する。
予め好きな香りを登録しておけば、その場を通過する度に当該香りが提示されるシステムを構成できる。また、男女、年齢などの属性を検出するセンサと組み合わせることで、より木目の細かい香り提示サービスが可能である。
図1は、本発明の第1の実施例の映像用香り調合放出装置の断面図(Sectional View)と部分正面図(Front View)である。図2は、当該実施例の分解図で、香り放出管の脱着の様子を示す。図3は、当該実施例の正面図で、映像表示装置の画素間から香りが放出される様子を示す。01は本発明の気体放出装置である。装置構成について説明する。
同図において、02a、02b、02c、02dは、化学物質含有気体を放出する気流管である。任意の気流管を表す場合、02iと表すものとする。また、以下では、化学物質として香料を用いる場合を例に説明する。30は香料を管壁に蓄積し、気化して気流管内に放出する香り供給部、07は加圧手段、10は映像表示装置、11はLEDなどの発光素子、12は発光素子取り付け部(画面を構成するボード)である。各香りを放出する気流管02iは、発光素子11の間に差し込むようにして取り付けられる。13は10を制御する映像制御装置である。
07の構成について説明する。08は空気槽、09は空気圧縮機構である。41は、気流管02i(32)の末端部Endが差し込まれる口で、円筒型を成し磁性体で構成される。図2のInsは、41の差込口を示す。39は、41と電磁石40で構成される電磁弁機構で、後述の気流制御板33を同図右側に駆動する。32と33は気流管内への香料供給を制御する弁機構を構成する。14は、39の駆動制御装置で、後述のように香り放出管02iへの香料供給を制御する。同図では、14が気流管02dにのみに設けられているが、気流管02a、02b、02cにも当然設けられているものとする。
空気圧縮機構09は、バイモルフ型圧電素子20で構成される。21は金属板、22は圧電板である。16は電圧制御装置で、22への印加電圧を制御する。22に電圧を印加すると、22は当該印加電圧の極性によって板面方向に伸縮する。22が縮んだ状態では、20は同図破線のように内側に湾曲し、空気槽08内の気圧を圧縮する。空気Airは、一点鎖線のように、気流管02i(32)に送出される。一方、22が伸びた状態では、20は外側に湾曲し08内の気圧を下げ、空気を取り込む。つまり、16によって、空気槽08内の気圧を制御することができる。
なお、本実施例では、空気圧縮機構09として、バイモルフ型圧電素子20を用いたが、電磁式の空気圧縮機構を用いることも可能である。電磁石の駆動部に空気圧縮板を取り付け、当該圧縮板で空気槽の容積を変化させ、空気を送出することができる。また、サーボモータとリンク機構を用いることも可能である。リンク機構の駆動部に空気圧縮板を取り付け、当該圧縮板で空気槽の容積を変化させる。サーボモータを使用する場合、圧縮板を様々な速度で制御することができる。後に、図15で詳細に述べる。
次に、気流管02iに香りを供給する30の構成について説明する。32は02aから続く管路の一部で、管壁に穴Holを設けてある。31は香料蓄積機構で、網目構造素材、多孔質素材などを使用できる。当該機構に液体香料、ジェル香料などを蓄積できる。a、b、c、dは各々香料である。液体は毛細管現象で当該微細構造の内部に蓄積できる。前記穴付きの管路32は香料蓄積機構31を保持するカバー板の役割を果たす。31の香料は気化し、管壁の穴Holから気流管02iに供給される。
香料蓄積機構31と穴付き管路32については、本発明者らによる特開2004−159875の構造を使用することができる。また、31として、ゲル化香料、固体香料を用いてもよい。この場合は、香料が漏れることはないので、香料を円筒型に加工して実装できる。
HTは電熱器、15はHTを制御する装置で、香料の気化を加速制御できる。CNは、HTと15を接続するコネクタである。同図では、15は気流管02dにのみ設けられているが、気流管02a、02b、02cにも当然設けられているものとする。31を加熱すると、多くの香りが気流管内に供給される。
33は、32の香り供給穴を開閉するための気流制御板で、32と相似形の円筒をなし、磁性体で構成される。33には、32の穴Holと対向するように、空気穴Holが設けられている。33はバネ35によって、通常同図左側に付勢されているため、気流管02a、02cにおいては、32の穴と33の穴はずれており、穴が閉じた状態にある。従って、香りは気流管内に供給されない。
一方、気流管02b、02dにおいては、電磁石40に通電した場合を示している。磁束が41の中を通り、33は右側に引き寄せられる。当該動作によって、32の穴と33の穴は対応し、31の中で気化した香りは、穴Holを通過して気流管内に供給される。
次に、01の動作について説明する。気流管02iの香料蓄積機構31には所定の香料が蓄積されている。02b、02dの香料を気化して放出する場合には、39によって、33を右にスライドさせ香料b、dを気流管内に供給した後、07を圧縮状態にする。空気Airは各気流管02iに送出される。気流の流れを一点鎖線で示す。02a、02cの先端からは空気Airが、02b、02dの先端からは香りFrgが放出される。
この実施例で重要な点は、02iには、39の動作状態によって、香りを放出する管と空気のみを放出する管があるが、全ての気流管から気体が放出されることである。これらの管をある程度密着して気体を放出すると、図3に示すように気体が環状渦04となって前方に放出される。直径1cm〜5cm程度の小さな砲筒を使用した場合、この固まりは、数m飛行する。また、直径が10cm以上の大きな砲筒を使用した場合、10mを超えて飛行させることができる。
従来の空気砲は、中空の砲筒を用い、砲筒の末端に瞬間的に気圧を加える。砲筒の中心では気流が速く気圧が下がり、周辺では気流が遅くなる。周辺の気流は、砲筒の外周から一旦外側に広がった後、砲筒中心部に引き込まれ環状渦が発生すると言う原理を利用している。
しかし、本実施例では、中空の砲筒を用いるのではなく、図3に示すうように、複数の気流管によって構成されるバーチャルな砲筒05を用いる。この場合でも、管の密度などの条件が所定範囲を満たす場合、同様な現象が起きることを実験により発見し、利用したものである。
常識的には、砲筒内に気流を遮る物体を挿入した場合には、環状渦が生じないと考えられ、従来、中空以外の環状渦生成条件は求められていない。実験によると、確かに、気流管が細すぎる場合、気流管が長すぎる場合、気流管の密度が粗過ぎる場合、砲筒の内周面積に対する気流管の合計開口面積が小さい場合には、環状渦は生成しにくい。
しかし、気流管の直径を砲筒の直径の1/100以上から1/3以下の範囲で、かつ、当該管の長さを、砲筒の直径の1/10以上から5倍以下のもの用い、当該管を少なくとも筒の内周に沿って、3本以上、200本以下の範囲で配置し、図3(A)で示すように、砲筒の内周面積(Area05)に対する気流管の開口面積の合計(Σ(Open02i))の割合YASが20%以上になるように構成すると、各気流管から放出される気体は、相互に力を及ぼしあって流れが整えられ、砲筒先端において環状渦を生成しやすい。
ここで、環状渦を生成するためには、特に、砲筒の内周面積に対して実際に気体が通過する面積の割合YAS(開口率)が重要なパラメータである。図3(A)のように、気流管を束ねてバーチャルな砲筒を構成した場合、当該YASは20%以上が望ましい。また、後に図8で述べるように、実在する砲筒の内周に沿って複数の気流管を設けた場合は、砲筒と気流管に両方に気体が通るのでその合計面積の割合YAS(開口率)は、同様に20%以上が望ましい。YASは大きいほど望ましい。
図3(B)において、バーチャル砲筒の中央部の気流管から放出される気流F1は、砲筒から出たところで、周辺の気流管から放出される気流F2に比べて速い。従って、この部分では気圧が下がる。周辺の管から出た気流は、一旦外側に広がった後、砲筒中心部に引き込まれ環状渦04となる。
本発明では基本的には空気砲の原理を利用しているので、前記のように、開口率を増やすことが望ましい。本実施例の気流管02iは、前記のように、香りを放出する場合も、放出しない場合でも気体を通過させる構造になっているため、開口率を上げるように作用する。従って、環状渦の固まりを生成しやすい。
次に、加圧手段07の空気圧縮機構09の動作について述べる。従来の空気砲では、空気槽に電磁駆動の圧縮板を設け、パルス駆動する方法が用いられるが、圧縮板が繰り返し減衰振動する場合には、気流の乱れが生じ、美しい環状渦が生成しにくい。
一方、図1(B)は、バイモルフ圧電素子20で構成される圧縮板の時間・動作特性を示したものである。圧縮板(Conpression Borad)は、瞬間的に動作させて空気槽08を加圧し、気体が環状渦の固まりとなって砲筒を離れたところで、ゆっくり戻すように動作させるとよい。つまり、立ち上がり(図面左側への押し出し)が高速で、立下り(図面右側へ引く動作)が低速の非対称パルスで駆動し、減衰振動させずに1往復の動作が望ましい。圧縮板が繰り返し振動しないので、従来問題になっている気体の固まりに成らなかった残留気体の帯が生じにくい。
図1(C)は、立ち上がり(図面左側への押し出し)を低速にして、立下り(図面右側へ引く動作)を高速にする駆動モードである。この場合は、渦の回転が図1(B)の場合とは逆になるが、同様に残留気体の帯が生じにくい。何れの場合も、圧縮板は1〜1.5往復の非対称パルスで駆動するのが望ましい。
砲筒を構成する各気流管には適度な空気抵抗があるため、前記非対称パルス駆動による加圧手段を用いると、気体放出後に管内に残留する化学物質(香料)は、気流管から出ずに管内に留まり易い。つまり、空気槽08内に複数の香りが逆流して混ざると言った不都合が生じにくい。従って、繰り返し香りの固まりを放出させる場合でも、利用者に明確に提示できる。
圧縮板動作の立ち上がりの速さ、又は、大きさによって、気体の固まりの放出距離を制御できる。利用者の位置情報に基づいて制御することによって、利用者に適切に香りを提示できる。
図1において、空気槽08に霧を入れて放出することができる。Mistは霧発生装置で、空気槽に接続できる。超音波式霧発生装置(例えば、PCT/JP2006/304604)、又は、静電式霧発生装置(特願2006−114613)などが使用できる。霧を発生させる液体を予め温めておけば、暖かい霧が香りと共に放出される。また、低温の液体を使用すれば、冷たい霧が香りと共に放出される。霧の量、液体の温度制御、風圧制御などによって、利用者に様々な触覚を提示できる。
超音波式霧発生装置を用いた場合、振動数を高くすることで極めて微細な粒子を作ることができる。霧の量、粒子の大きさ制御で湿度の調節が可能である。因みに、圧電振動子を2MHz以上で駆動すると1ミクロン〜数ミクロン径の粒子が得られる。この程度の大きさになると、白色に見えるがあまり湿気を感じなくなり、心地よい刺激になる。更に粒子径を小さくし、視認できなくすることもできる。
これを映像と連携して用いることで、臨場感の高い雰囲気を演出できる。例えば、高原の風景を映像で提示し、画面の中から利用者の顔に向けて、爽やかな香り付きの冷たい霧を放出すると、高原の中をそよ風に吹かれて歩いているような雰囲気が得られる。癒しを演出するシステムとして利用できる。
また、利用者が画面の所定場所に近づくように映像コンテンツを制作し、利用者が当該所定場所に近づいたところでその場所から香りを提示することもできる。表示装置の裏側に本装置を設けることで可能である。電子広告(デジタルサイン)の分野で、通行人に注目させる手段として最適である。
図1に示すように、霧発生装置で生成した霧は、電熱器(Heater)で加熱する、又は、冷却器(Cooler)で冷却することができる。同図では、制御手段を省略して示しているが、映像制御装置13、香料供給制御装置14、気圧制御装置16、霧発生装置Mist、当該霧の加熱・冷却装置などを連携して制御できるのは当然である。
図2は、本装置01の分解の様子を示している。気流管02aの末端部Endは、空気槽08の差込口Insに挿入できるように構成されている。挿入することによって、気流制御板33は、39に連結され動作可能になる。電熱器HTは、コネクタCNを接続することによって動作可能になる。同図のように、香り放出管02iは取り外しが可能なので、メンテナンスは容易である。また、02iを組み替えることによって、様々な香りの調合が可能である。
次に、本実施例の特徴的な効果について述べる。従来の中空の砲筒を用いる場合、応用は限定的であるが、本発明では、複数の気流管を束ねてバーチャル砲筒にする、又は、後述するように、中空砲筒に気流管を入れて砲筒として使用する発想に基づくため、応用範囲が広がる。つまり、砲筒から放出する気体に含有させる香料の数を大幅に増やすことができる。
香料は1つの気流管に1種類ずつ、つまり、所定の気流管の中を通過するので、ある気流管の香料が隣接する他の気流管や砲筒を汚染することが少ない。長期間使用しても、装置内部での香料の混合は少なく、香りの切り替えは明確である。また、高速な香り切り替えが可能である。
複数の香りを調合して放出する場合において、従来の中空砲筒を用いる場合は、砲筒内で香料を混ぜて放出するため、砲筒が汚染される問題があったが、本発明では、当該複数の香りは、砲筒を離れたところで混ざるので、砲筒内を汚染する問題は少ない。メンテナンスは容易である。
また、気流管に細い管を使用できるため、図3に示すように、映像表示装置の画素間に当該管を設けることができる。複数の気流管がバーチャル砲筒として作用するため、表示画面から様々な香りを調合して放出できる。また、画面の裏側に設置できるため、大型の空気砲を構成しても邪魔にならない。表示装置と一体的に構成できる。大型の空気砲であれば、気体の固まりを遠くに飛行させることが可能である。空気砲の応用範囲を大きく広げる技術である。
図4は、本発明の第2の実施例で、香りを放出する気流管02aと空気を放出する気流管02Sを交互に配置したバーチャル砲筒05を用いた表示装置一体型香り調合放出装置(気体放出装置01)である。02iは、02a、02Sを含めた気流管を示す。
図1と比較して異なる構成について説明する。香り放出する気流管には、香り供給部30が必要なため管の径は太くなりやすい。図1に示したように、気流管02iを香り放出管のみで構成すると、30のために管同士を密着させにくい。従って、砲筒先端の内周面積(Area05)に対する気流管の合計開口面積(Σ(Open02i))の割合YASを大きくすることに限界がある。また、気流管の間に表示装置の画素を配置しようとすると、画素間隔は大きくなり、表示装置の精細度を損なうことがある。
図4は、この問題への対応例である。香りを放出する気流管02aと空気を放出する気流管02Sを交互に配置するため、気流管の密度を上げることができる。つまり、香り供給部30同士の間に空気放出管02Sを設けることができる。バーチャル砲筒の先端において、気流管の合計開口面積が増えるためYASを大きくすることができる。YASが大きくなると、環状渦が生成しやすく、香りの固まりを安定に遠くまで飛行させることができる。また、同図のように、画素間隔を小さくできるため、表示装置の精細度を上げる、または、明るい画面を構成しやすい。
図5は、本発明の第3の実施例で、香りを放出する気流管02aと空気を放出する気流管02Sを交互に配置し、各気流管の先端を接近させバーチャル砲筒05にしたものである。香り調合放出装置を構成している。図(A)は、砲筒の縦断面と砲筒先端部の構造を示す。図(B)は、図(A)の香り供給部30での横断面である。切断面をcutと破線で示す。02iは、02a、02Sを含めた気流管を示す。02iの末端部Endには加圧手段の空気槽が接続される。
図4と比較して異なる構成について説明する。図4は、気流管を映像表示装置の表示素子間に挿入して、映像用香り放出装置を構成する例であるが、図5は、香り調合放出装置単体の構成例である。
気流管02aには、香り供給部30を設けるため太くなりやすいが、気流管は途中で滑らかに曲げることができるため、砲筒の先端に向けて集束させることができる。また、香り02aの回りに02Sを配置することができる。これらによって、バーチャル砲筒05の内周面積(Area05)に対する気流管02iの合計開口面積の割合YASを大きくしている。YASは60%以上にすることができる。バーチャル砲筒の性能が上がるため、美しい環状渦を生成しやすく、香りの固まりを真っ直ぐ遠くまで飛行させることができる。
また、気流管を細くすることによって、極めて多くの化学物質を用いることができる。例えば、3〜5mm程度の径の気流管を束ね、70mm程度の砲筒にした場合、50種類以上の化学物質を用いることができる。化学物質が香料の場合、香りを高速に切り替えて提示できる。また、砲筒から複数の香りを放出し、環状渦の中で混ざるようにすることで、極めて多様な香りを混合し提示できる。
次に、図6を用いて、気流管を所定の密度で束ねることの作用を説明する。同図(A)は、本発明の典型例で、図3と同様な構成である。穴02を密集させ砲筒06に瞬間的に気圧を発生させると、穴から出る気体は相互に力を及ぼしあって流れが整えられ、渦輪04が発生する。図6(B)は、穴02の密度を疎にし、YASを小さくした場合である。穴から出る気体は相互に力を及ぼしあうことはなく、流れが整わない。このため、渦輪は生成されず、気体を遠くまで飛行させることはできない。気体は短い距離で拡散する。
図6(C)は、バーチャル砲筒05を大きな面積にし、羽車(ファン)47を用い連続に気流を発生させる装置である。この場合も02が密集していると、気体は整流されて砲筒の中心部は一様な圧力になる。破線の枠の一点鎖線は気流を模式的に示しているが、穴を密集させることで、各穴から放出される気体は広がることなく前進する。画面の広い範囲から観察者に気流を当てることができるので、例えば、風が皮膚に当る触覚を再現する場合などに適している。
このように、画面から進行方向が整えられた気流を放出する、又は、渦輪を放出するためには、画面に設けた穴の密度、又は、当該穴に設ける気流管02iの密度が重要なことが分かる。気流管02iを、第1の実施例で説明したように、YASが20%以上になるように設定すると望ましい。
図7は、本発明の第4の実施例で、気流管02iの太さを砲筒中心部から筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒05を示している。砲筒の末端部には加圧手段が接続され、空気Airが送り込まれる。30には図1の香り供給部が設けられている。砲筒の内側には、香りを放出する気流管02aが配置されており、砲筒先端から空気Airと香りFrgが放出される。
図5と比較して異なる構成について説明する。図7では、砲筒の中心部に太い気流管を配置し、周辺に行くに従って細い気流管を配置している。太い気流管では気体通過抵抗が小さく、細い気流管では気体通過抵抗が大きい。このため、各管の末端部に同等な空気圧を加えると、中心部では速い気流となり、周辺部に行くに従って遅い気流となる。このため、環状渦を生成するのに適している。
図8は、本発明の第5の実施例で、香り調合放出装置を示している。実在する砲筒06の内周(Inner Surroundings of Cylinder)に複数の気流管02iを配置し、当該砲筒の中心部に空間を設けである。同図(A)は、装置の縦断面と砲筒の正面を示している。砲筒06は香り放出用気流管02iと一体で構成され、加圧手段07の空気槽08に勘合するようにして取り付けられる。同図(B)は、砲筒06の末端部の正面を示している。Endは気流管の末端部、Endは砲筒06の末端部を示す。
破線枠で示す36Aは、香料を外部から気流管内に供給する香り供給部である。香り放出用気流管02aに設けられた36Aは非動作状態を示し、02bに設けられた36Aは動作状態を示している。詳細な構造は、図9に示す。同図(A)は、砲筒06が加圧手段07から外れた状態、(B)は、砲筒06を07に勘合させた状態、(C)は、香り供給部を動作させた状態を各々示している。
図9において、空気槽08には、後述する管型気流制御板33を駆動するための電磁駆動機構39が設けられている。39は、磁性体管41と電磁石40とから構成され、空気を通過するメッシュ機構の取り付け部45によって所定の位置に保持されている。
37は、香り放出用気流管02bの一部で、管壁に香料取り込み穴Hol1が設けられている。38は、当該Hol1に接続された香料気体搬送管、Kaoriは香り発生器である。Kaoriで作られた香りが38を介して37内に供給される。図9(A)のInsは空気槽08に設けられた差込口を示し、砲筒06、及び、気流管37が差し込まれる。
37(02b)の末端部Endは、図9(B)に示すように、06を08に勘合させた際、磁性体管41に連結される。管型気流制御板33は、37のHol1を開閉するための機構である。33は磁性体管で構成され、穴Hol2が設けられている。33は、35のバネによって通常同図左側に付勢されている。図9(B)の状態では、37の穴Hol1と33の穴Hol2は対向していないので、香りは37内に供給されない。管内には、同図一点鎖線のように空気Airが流れる。
図9(C)は、電磁石40が動作した状態を示す。磁束が41から33に流れ、33は同図右側に引き寄せられる。このとき、同図のように、37の穴Hol1と33の穴Hol2が対向するため、Kaoriから出た香りは、一点鎖線Frgに示すように37に供給される。このように、33と37は香料供給の弁機構を構成し、電磁石40によって動作する。37には、空気Airと共に香りFrgが流れる。
香りを放出しようとする場合は、所定の気流管の香り供給部36Aを放出直前に図9(C)の状態にし、図8の空気圧縮機構09を動作する。香りの流れは、砲筒前方に一方向であり残留気体との混合が少ないので、香りの提示、及び、切り替えは極めて明確である。また、香りを調合して放出する場合、その調合精度が高い。複数の気流管に香料を定量して供給する電磁弁駆動方法については、後に図11で詳細に述べる。
図8において、砲筒06は末端部から先端部にかけて滑らかに細くなっている。砲筒末端部を加圧すると、空気は一点鎖線Airのように、砲筒に沿って流れ先端部に進むにつれて速くなる。砲筒の中心部が最も速く、周辺が遅くなる。このため、美しい環状渦が生成される。砲筒先端の角度θは、0度〜60度の範囲が望ましい。
気流管02iは砲筒の内周に沿って設けられているが、末端部が細いと空気が入りにくいため、末端部には空気が入りやすいように空気収集機構46を設けている。46は円錐筒で、気圧のバランスを考慮して大きさを選択できる。02iは図7に示したように06の内側に更に多く設けてもよい。
本実施例は、香りを流す場合も流さない場合も、気流管内には常に空気が流れるように構成されているのが特徴である。仮に、砲筒内に香料を供給するためだけの管、つまり、気流を通過させない管が多く存在するような場合には、気体の通過面積が少なくなる、又は、気体通過領域が非対称になるなどにより、環状渦が生成しにくくなる場合がある。しかし、本実施例では、全ての気流管は常に気流を通過させるので、砲筒先端において、気体が通過する面積は変化せず、安定して環状渦を作ることができる。
環状渦を作るためには、砲筒先端において空気の通過する面積が重要なパラメータであり、砲筒の内周面積Area06に対して、砲筒の開口面積Open06と気体放出管の開口面積Open02iの合計の割合YASは20%以上であることが望ましい。なお、同図の構成の場合、YASは90%程度が得られる。
図8に示すように、砲筒06は07から脱着可能に構成される。気流管02iの香料は、砲筒内、他の気流管の中、又は、空気槽に漏れることが少ないため、取り扱い、及び、メンテナンスが容易である。空気槽07には、図1と同様な霧発生器Mistが接続されている。加熱した霧、冷却した霧などを放出できる。
図10は、香りを外部から気流管37に供給する香り供給部の他の構成例で、通常、気流管37の末端Endは閉じており、気体を放出する際に当該末端を開けるように制御する例である。36Bは香り供給部で、同図(A)は、砲筒06が加圧手段07から外れた状態を示し、(B)は、砲筒06を07に勘合させた状態を示し、(C)は、37に香りを供給する状態を示し、(D)は、香りを放出する状態を示す。
図9と比較して異なる点は、気流管37の壁に穴Hol3が設けられ、37の内側に末端部Endを遮断する管型気流制御板34が設けられていることである。34は磁性体で、電磁石40で駆動される。40はメッシュ構造の保持機構45に取り付けられている。
動作を説明する。図10(B)は、駆動してない状態である。気流管37は閉じている。この状態から40に通電し、34を同図左側に動作させると、図10(C)の状態になる。Kaoriから、一点鎖線のようにして、香りが37内に供給される。次に、40に前記と逆極性の電流を流すと、34は右側に引き寄せられ、図10(D)の状態になる。穴Hol2と、穴Hol3の位置が重なるため、空気と香りは一点鎖線のように流れて放出される。放出後、香りは残らない。
37は、通常(D)の状態とし空気を通過させる気流管として使用し、香り放出時に(C)の状態にして香りを管内に供給し、(D)の状態に戻して放出することができる。また、通常(B)の状態とし、気流管を動作させない利用方法も可能である。本発明では、このように気流管の一部を動作させない構成も含むものとする。ただし、この場合でも砲筒06内で空気の通過の偏りを少なくし、YASは20%以上にすることが望ましい。
本実施例では、気流管37と砲筒06が通常は分離されているため、複数の香りが混じることがない。必要なときにのみ香りを明確につけたい場合に有効である。また、香りの調合精度を高くしたい場合にも効果がある。図9の気流管と図10の気流管を組み合わせて使用することもできる。
図11は、香りを調合して放出する実施例を示している。同図(A)は例えば、図8の気体放出装置の渦輪生成原理である。空気槽08内の気体が瞬間的に圧縮されると、バーチャル砲筒05から出た気体は、飛び出した瞬間、<1>に示すような速度分布VEになる。矢印は速度を示し、中心部が早く、周辺部が遅いことを示している。飛び出した気体の固まりの平均速度を基準に砲筒周辺の気体の相対速度RVEを示すと<2>のようになる。白抜き矢印は気体の固まりの速度を示している。
同図から分かるように、固まりの中には左側に進もうとする気体と、右側に進もうとする気体があるため渦を形成し、これがバーチャル砲筒05の周囲に沿って発生するため<3>に示すような渦輪を形成する。F1は05の中心部の気体の流れ、F2は05の周辺部の気体の流れを示している。この例では、気流は、砲筒中心部から渦輪の進行方向に流れて周辺に向かい、再び中心部に戻るモードである。香料は砲筒から放出後渦の中で混ざることが分かる。また、前記のように逆向き回転の渦を作ることもできる。
図11(B)は、複数の香料を気化し、定量化して気流管に搬送する構成である。84は空気槽、81a、81bは容器、Wa、Wbは液体香料である。動作を説明する。空気Airはエアーポンプなどによって84に溜められ、84は所定の気圧になっているものとする。空気は、管Tubeによって81a、81bに送られ、香料を気化する。香料を含有する空気は、管によって香り供給部36Aに搬送される。
ここで、図9に示したように、36Aの電磁弁機構39は、33を動作し穴Hol1を開閉する。単位時間当たり穴が開いている割合によって、気流管02a、02bに供給される香料を定量することができる。電磁弁機構39の1回の開放時間を0.1秒、10回動作すればほぼ全開とする。例えば、気流管02aに香料aを40%、02bに香料bを60%流す場合には、36Aaの電磁弁機構を毎秒4回、36Abの電磁弁機構を毎秒6回動作すればよい。このようにして、各気流管に香料を供給し、空気砲によって放出し、渦輪の中で香料を混ぜ、利用者の鼻先近くに提示できる。
図11(C)は、複数の香料を気化し、定量化して気流管に搬送する他の構成である。82、83は、気流切り替え電磁弁機構である。空気Airは、84に蓄えられ、管Tube1によって82、83に搬送される。82、83は、通常Tube2に接続されており、1回0.1秒のパルスでTube3に空気を送るものとする。従って、毎秒1回の動作の場合、10%の空気がTube3に送られ、90%の空気がTube2を介して84に戻る。Tube3を通過した空気は、香料容器81a、81bを通過し、気流管02a、02bに香料含有気体を供給する。
気流管に供給される気体は、82、83で制御されるため、気流管02a、02bには、図11(B)のような電磁弁機構は必要ない。単に管壁に穴を設けTubeを接続すればよい。気流管の構造が簡単なため気流管を束ね易く、気体の固まりを放出しやすい。また、小型化にも効果がある。
調合方法について説明する。例えば、気流管02aに香料aを40%、02bに香料bを60%流す場合には、82を毎秒4回、83を毎秒6回動作させ、Tube3に空気を流せばよい。このように、複数の香りを調合する際の濃度比は、全気流管に供給する気体の総和が一定になるように、かつ、各気流管の電磁弁機構の動作回数比を設定することによって実現できる。
図12は、本発明の第6の実施例で、気流管の管壁に設けた超音波振動子、又は、ピエゾ素子によって香料を気化する機構を用いた香り調合放出装置である。図8と比較して異なる点を説明する。図12(A)において、気体放出装置01の砲筒先端は、映像表示装置10の裏面に密着するように設けられている。画面には、小さな空気穴が多数設けてある。図12(E)は、画面の拡大図で、11が表示素子、02が空気穴である。
また、香料を外部から気流管02iに供給する香り供給部36Dには、超音波振動子を用いている。60は液体香料容器、61は液体を搬送するための毛細管現象を利用した芯、62は超音波振動子、65は振動子保持機構である。
動作を説明する。60には、液体香料Wbが入っている。Wbは61によって62の裏側に到達する。62には小さな穴が設けられており、超音波振動によってWbは霧化し、当該霧misはこの穴を通して同図のように気流管内に放出される。ここで、空気砲を動作すると、空気Airが同図一点鎖線のように流れ、misはAirに混じって香りFrgとして画面の穴を介して放出される。砲筒の中心部は速い空気の流れが生じ、FegはAirの渦輪に混ざって前方に飛行する。
図12(A)の上部には、別の液体香料Waを用いた霧発生装置が設けられている。この他、砲筒の周囲に複数の液体香料を用いた霧発生装置を設けることができる。これらの動作を組み合わせることで様々な香りを調合して放出できる。
図12(B)は、超音波振動子63を管壁に対して傾斜するように設けた例である。気流管の軸方向にmisを放出しやすい。図12(C)は、湾曲した超音波振動子64を用いた例である。超音波は凹面で集束され液体に照射されるため霧化効率が良い。また、管壁に対して傾斜するように設けられているため、気流管の軸方向にmisを放出しやすい。
図12(C)は、ピエゾ素子を用いて液体微粒子を管内に放出する機構である。70は液体噴射装置、Piezoはピエゾ素子(圧電素子)、71は液体溜め、72は微粒子吹き出し口である。動作を説明する。容器60から液体香料Waが71に搬送される。Piezoに電圧Voltageを印加すると、同図のように形状が変化し、71内の液体は圧力Pressによって72より押し出される。maは香料aを含有する微粒子である。Piezoを繰り返し高速に動作させることによって、多量の微粒子(霧)misが気流管02i内に放出される。
図13は、本発明の第7の実施例で、気流管03Tiの長さを筒中心部から筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒05Tを用いた気体放出装置である。束ねられた気流管の末端部Endは、凹面(Concave)を成すように構成される。同図の03Tiの断面は、円形であるが、三角形、四角形、六角形(ハニカム構造)などの多角形を使用することもできる。多角形を使用することで砲筒の開口率を上げることができる。
バーチャル砲筒05Tは、プラスチック、セラミックス、金属、カーボンなどの素材を用い一体成型法で製造できる。因みに、セラミックスの場合、気流管03Tiの断面を四角形にし、管径を2mm〜5mm程度、バーチャル砲筒径を10cm程度にした場合、開口率YASを60%以上にすることができる。気流管の壁を薄くすると、90%以上にすることができる。
気流管は、更に細くすることも、太くすることもできるが、砲筒の直径の1/100以上で1/3以下の範囲が望ましい。気流管の長さは、短くすることも長くすることもできるが、砲筒の直径の1/10以上、5倍以下の範囲が望ましい。気流管は、バーチャル砲筒の周に沿って、3本以上、200本以下の範囲で配置し、当該砲筒の内側にも数多く配置することが望ましい。また、図7に示したように、砲筒の中心部に空間を設けてもよい。
なお、図13(A)において、斜線部は、気流管03iを構成する素材を示し実在するものであるが、バーチャル砲筒05Tは、束ねられた03iがあたかも1本の砲筒のように作用するものを意味する。
気流管03Tiを前記のように所定の密度で構成すると、バーチャル砲筒の中心から各気流管の中心を結ぶ線(左側の破線)と当該気流管の軸線(右側の破線)とが成す面内において気流は自由度を持ちやすい。外側の気流管から放出される気体は、図13(B)の一点鎖線F2に示すように、一旦外側に流れ、その後中心部に引き込まれて環状渦となる。
加圧手段07の空気槽08は、腹部から先端部にかけて断面を細くし、その先にバーチャル砲筒05Tを設けている。気流管03iによって、砲筒05T内では気体が整流され、また、束ねた気流管の末端部は凹面になっているため、気流は05Tの中心部では速く、周辺部では遅くなるように構成できる。05Tから放出される気体は、正常な環状渦を生成し易く、気体の固まりは、真っ直ぐ、遠くに飛行しやすい。
図13(B)では、香り供給部を省略しているが、任意の03iに、図1、図9、図10、図12で示したような香り供給部を設けても良いのは当然である。この場合、空気圧縮機構09を動作すると、砲筒からは、香り付き空気(Air+Frg)が放出される。
図14は、前記実施例において、バーチャル砲筒のバリエーションを示したものである。同図(A)は、気流管03Hiの管径を筒中心部から筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒05Hを示す。
同図(B)は、気流管03Kiの長さを筒中心部から筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒05Kを示す。砲筒中心部の管は短く、周辺部は長い。また、砲筒先端部が凸面、砲筒末端部が凹面を成す。
同図(C)は、気流管03Miの長さを筒中心部から筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒05Mを示す。砲筒中心部の管は長く、周辺部は短い。また、砲筒先端部が凸面、砲筒末端部が平面を成す。図13の実施例では、中心部の気流を速く、周辺部の気流を遅くするため、中心部の管の長さは短くしたが、本実施例では、逆にしている。
空気砲は一般に、砲筒中心部の気流が速くなるように設計するが、加圧手段07の動作速度などにより、砲筒中心部の気流が速すぎる場合には、当該気流が先に人に当って違和感を生じることがある。このような場合には、図14(C)のようなバーチャル砲筒を使用して、気流速度を調整できる。
同図(D)は、気流管03Yiの長さを筒中心部から筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒05Yを示す。砲筒中心部に空間を設け、砲筒周辺部に向かって気流管03Yiを設けている。砲筒の中心で気流が速く周辺で遅くなる。
図15は、本発明の第9の実施例で、映像表示装置10に気体発生装置01を組み込んだシステム例である。同図(A)は、表示装置の正面(同図左)と、断面(同図右)を示す。気体放出装置01は、気流管02iの先端を砲筒中心部に向かって角度をつけて集束したところに特徴がある。つまり、各気流管から放出される気体は砲筒の中心軸方向に向かう。
11は表示素子、12は表示素子取り付け部、05はバーチャル砲筒である。表示素子の間に香りを放出する気流管02iを設けている。36Cは、香料を放出管内に供給する香り供給部で、図9と類似の機構である。39は、当該香り供給を制御する電磁駆動機構である。図15(A)では、気流管02a、02c、02eの香り供給部が動作し、02b、02dの香り供給部が非動作の状態を示す。
07は加圧手段で、空気槽08の左側から空気Airを各気流管に送る。電磁式空気圧縮機構50の動作によって、空気Airは、一点鎖線のように、香り供給に関わらず各気流管に流れる。50は、圧縮板51、蛇腹機構54、電磁石53、電磁石の芯52から構成される。53に通電すると、52が51を押し出す。Moveは圧縮板51の動作を示す。16は、51が所定の動きをするように53の通電を制御する装置である。
図15(B)は、50の代替として、サーボモータ55とリンク機構56を用いて圧縮板51を動作する空気圧縮機構の例である。55の回転軸は矢印のように左右に回転する。当該回転運動は、56によってMove方向の動きに変換される。
図15(C)は、空気圧縮板51の動作を示したものである。51は、立ち上がり時に急速に動作させて環状渦を生成し、環状渦が砲筒を離れた後にゆっくりと元の位置に戻すように非対称パルスで動作させることができる。図15の他の符号は、図1と同様である。前記のように、各気流管から放出される気体を砲筒の中心軸方向に向かうようにすることによって、気体は圧縮されて速くなり、環状渦は遠くまで飛行する。
図16は、本発明の第10実施例で、気体放出装置を表示装置の内部に組み込んだ応用システムである。同図(A)は、太い柱57に設けた映像表示装置Dis1に適用した例である。05は気体放出装置のバーチャル砲筒である。P1は観察者で、P1がDis1の前に現れると、映像の内容に適した香りの固まりが画面内から放出される。
図16(B)は、湾曲大画面表示装置Dis2に適用した例である。2台の気体放出装置が画面内に設けられている。左右のバーチャル砲筒05から香りの固まり04が放出される。2つの04は、観察者P2の前で衝突し局所的な香り空間を生成する。
図17は、本発明の第11の実施例で、壁型大画面表示装置Tomの中に図1に示した気体放出装置01A、01Bを設け、当該画面の前を通過する人(Aki、Yoshi)に香りを提示し、興味をおこさせる応用システムである。同図は、通路Roadの上方から見た様子を示す。01Aは、様々な香り(Fregrance)を切り替えて固まり04としてYoshiに向けて放出し、01Bは、香りと共に冷たい霧(Cool Mist)の固まり04をAkiに向けて放出する様子を示す。
Ueは、通行人が所有する携帯通信端末である。当該端末は、利用者の属性情報、場所特定情報、香り放出要求情報を発信することができる。SG1は当該信号を受信する装置、SG2は01A、01Bを制御する装置である。SG2は、利用者から発信された情報を下に、適切な香り、又は、触覚刺激を放出するように制御できる。触覚刺激としては、前記の冷たい霧の他、暖かい空気、そよ風のような気流が可能である。
属性情報としては、性別、年齢、職業などが含まれ、これらは利用者が予め登録しておくことができる。当該情報に連動して、表示装置Tomに映像を表示し、香りを放出できる。例えば、通行人が女性であれば、バラやユリなど花の映像を表示し、当該花の香りを放出するとよい。また、男性であれば、海や山の映像を表示し、マリン系や森系の香りを放出することができる。発信者側から、好みの映像、香りを選択するようにしてもよい。
前記場所特定情報は、図17において、壁側に組み込まれた信号発生装置IRから通路側に破線のように信号を発信し、Ueが当該信号を受信すると直ぐに返信する方法で可能である。IRの信号媒体としては、赤外線、超音波、電波などを用いることができる。つまり、IRからみて一定の信号範囲内に人が入ればUeからの返信有によってそれを検出し、映像や香りを提示できる。
前記属性情報、場所特定情報については、携帯通信端末を使用する代わりに、通路にカメラを設け、画像処理によって認識、又は、推定しても良い。
前記では、化学物質として香料を例に説明したが、放出する気体に混入するものとしては、消臭剤、医薬品、抗菌剤、殺虫剤、霧、または、これらの組み合わせなど、生活の中で必要とされる化学物質が使用できる。
加圧手段07の空気圧縮機構として、バイモルフ型圧電素子を用いた機構(図1の09)、電磁式機構(図15の50)、サーボモータを用いる機構(図15(B))を示したが、羽根車を用いて連続的な気流を発生させてもよい。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階において、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。また、上記実施形態は、種々の段階の発明が含まれており、適宜な組み合わせにより実施してもよい。更に、上記各実施例の構成要素は、その目的を踏まえて適宜省略する、または、周知慣用技術で補うことができる。
(1)映像や音楽に香りを付ける嗅覚提示装置;映像や音楽の内容に合わせて、所定の時間に所定量の香りを適切に付けることができる。特に、香りが画面から飛び出てくるようにすることができるため、当該映像や音楽は、臨場感が高く、迫力のあるものになる。香り付き映画、香り付き音楽、香り付きゲーム、香り付きホームページなどに利用でき、コンテンツの付加価値を高める。インターネットを用いた電子商取引で商品紹介に利用すれば、顧客の商品理解が深まり、販売促進につながる。また、大型ディスプレイの画面から香りを提示すると、通行人などを対象にした広告手段として利用できる。通行人に関心を起こさせ、立ち止まらせる効果がある。
(2)高機能芳香発生装置;少量の香料で大きな嗅覚刺激が得られるので高級自然香料(天然香料)を使用できる。複数の香料を用意し、これを切り替えて香りを提示することで高い癒し効果が得られる。また、香料含有霧を固まりとして、人の嗅覚器に向けて放出することができるため、近くの場所から離れた場所まで、香り空間を演出できる。霧の放出にあわせて音や音楽を発生させる、あるいは、照明色を変化させれば、癒し効果は更に高い。
当該芳香発生装置は、ストレス解消や苦痛緩和の要求が高い病院の待合室、ホテルの客室、集中力を高めたい子供の勉強部屋、汗臭さを解消したいスポーツ練習場、安らかな眠りを誘発させたい寝室、特別な顧客にサービスする航空会社、銀行などのロビー、会議室などに最適である。また、パチンコ店など空気の汚れた場所で爽快感を演出する際にも効果的である。
また、食品関係の売り場では、従来芳香提示は食物の匂いの妨げになるとして嫌われていたが、本発明では、香料を選択し、時間的にも、空間的にも、限定的に香りを提示できるため、食べ物売り場にも利用できる。油を多く使用する店舗で油臭さを解消するために、バニラの香りを放出すると効果的である。
(3)感染症予防空気清浄装置;天然香料には免疫力を高め、ウイルスを撃退する作用のあるものがある。これらを霧に含有して放出することにより、感染症予防として利用できる。例えば、風邪の予防には、ヒノキ、レモン、ハーブ系の香りが効果的である。花粉症にはユーカリ、ペパーミントなどが効果的である。次亜塩素酸ナトリウムは殺菌作用あるので、水に溶かし噴霧することで感染症予防になる。病院や老人ホームなど身体的弱者の生活空間に適している。また、エアコンやファンヒータに連動させることも可能である。
(4)訪問客向け雰囲気演出装置;本発明は、香りを高速に切り替えて放出できるのが大きな特徴である。店舗の入り口などで入店客が居ることを検出して、即座に香りを提示すると良い雰囲気を演出できる。また、家庭の玄関用芳香装置としても最適である。ドアホンと連動させ、お客の訪問を検知した後、香りを発生する用途にも使用できる。必要な時間帯に集中して香りを提示できるため、香料の効率的な使用が可能で経済的である。
(5)香り発生トイレ;本装置をトイレの便器に連動させることもできる。使用者が便器に接近した際、これを検出して香りを発生する。本発明は高速に香りを発生、または、切り替えることができるので、便器を使用中のみ爽やかな香りを発生させることができる。また、使用者毎に好みの香りを発生することもできる。また、消臭剤を放出した後、芳香剤を放出することもできる。クリアで良い香りになる。
(6)香り発生時計;複数の香りを時刻に対応させ、時報として利用することができる。例えば、朝は、ベルガモット、レモン、ペパーミント、コーヒーなど爽やかな目覚めの良い香り、昼間は、グレープフルーツ、シダーウッドなど集中力を高めるリフレッシュな香り、夜は、ラベンダー、ローズウッド、スイートオレンジなどのリラックスな香りを放出することができる。また、短い時間で部屋の香りを切り替えると、香りが複雑に混ざり、素敵な芳香空間を作る。
(7)自動車の運転支援装置;運転支援用の芳香器として利用できる。例えば、運転中に疲労を感じた場合には、リフレッシュ作用のある柑橘系の香料を提示し、渋滞などで、いらいら感が増した場合には、リラックス作用のあるラベンダーなどを提示できる。居眠りを検出する装置と組み合わせると、注意喚起する香りを提示して、警告することもできる。また、本装置は、香りの放出方向や到達距離を制御することができるため、運転席、助手席、後部席に選択的な香りを提示できる。
(8)防災警報装置;地震、津波、テロなどによって大きな災害が予想される場合、危険を知らせる警報として香りを使用できる。テレビやラジオ放送で危険を知らせる特殊信号を送信する。受信端末は当該信号を受信すると、本発明を応用した香り発生装置を制御して、視聴者に注意を喚起する香りを提示できる。異変を確実に知らせる手段として効果的である。また、危険な場所への立ち入りを制限するために、人が当該場所に近づいたことをセンサで検知し、当該場所に所定の香りを放出することもできる。
本発明の第1の実施例の断面図で、映像用香り調合放出装置である。 前記第1の実施例の分解図で、気流管脱着の様子を示す。 前記第1の実施例の正面図で、映像装置の画素間から香りが放出される様子を示す。 本発明の第2の実施例の正面図で、香りを放出する気流管と空気を放出する気流管を交互に配置したバーチャル砲筒を用いた映像用香り調合放出装置である。 本発明の第3の実施例で、香りを放出する気流管と空気を放出する気流管を交互に配置し、各気流管の先端を接近させたバーチャル砲筒を用いた香り調合放出装置である。 気流管を所定の密度で束ねることの作用を説明する図である。 本発明の第4の実施例で、気流管の太さを砲筒中心部から砲筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒である。 本発明の第5の実施例で、複数の気流管を実在砲筒の内周部に配置した複合砲筒を用いた香り調合放出装置である。 香りを外部から気流管に供給する香り供給部で、気流管に空気を通過させつつ、管壁に設けた穴から香りを管内に供給する構成である。 香りを外部から気流管に供給する香り供給部で、通常は気流管の末端部を閉じており、気体の固まりを放出する際に当該末端部を開けるように制御する構成である。 環状渦生成原理と香料調合技術を説明する図である。 本発明の第6の実施例で、気流管の管壁に設けた超音波振動子、又は、ピエゾ素子によって香料を気化する機構を用いた香り調合放出装置である。 本発明の第7の実施例で、気流管の長さを砲筒中心部から砲筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒を用いた気体放出装置である。 本発明の第8の実施例で、前記バーチャル砲筒の変形例である。(A)は、気流管の太さを変化、(B)、(C)、(D)は、気流管の長さを変化させた例である。 本発明の第9の実施例で、気流管の長さを砲筒中心部から砲筒周辺部に向かって単調に変化させたバーチャル砲筒を用いた気体放出装置である。 本発明の第9実施例で、気体放出装置を表示装置の内部に組み込んだ応用システムである。 本発明の第11の実施例で、壁型大画面表示装置の中に気体放出装置を設け、当該画面の前を通過する人に香りを提示し、興味をおこさせる応用システムである。
01、01A、01B・・・気体放出装置
02・・・・・表示装置の画面に設けた穴
02a、02b、02c、02d、02e、02i・・気流管(香り放出管)
02S・・・・気流管(空気放出管)
03T、03H、03K、03M、03Y・・・気流管
04・・・・・環状渦気体の固まり(渦輪)
05、05T、05H、05K、05M、05Y・・・バーチャル砲筒
06・・・・・実在砲筒
07・・・・・加圧手段
08・・・・・空気槽
09・・・・・空気圧縮機構
10・・・・・映像表示装置
11・・・・・表示素子(LEDなど)
12・・・・・表示素子取り付け部
13・・・・・映像制御装置
14・・・・・香料供給制御装置
15・・・・・気化加速制御装置(加熱制御装置)
16・・・・・気圧制御装置
20・・・・・バイモルフ型圧電素子
21・・・・・金属板
22・・・・・圧電板
30・・・・・香料を管壁に蓄積し、気化して気流管内に放出する香り供給部
31・・・・・香料蓄積機構
32・・・・・穴の開いた管壁
33・・・・・穴の開いた管型気流制御板(磁性体)
34・・・・・末端部遮断の管型気流制御板(磁性体)
35・・・・・バネ
36A、36B、36C、36D・・香料を外部から気流管内に供給する香り供給部
37・・・・・香料取り込み穴を設けた気流管(香り放出管)
38・・・・・香料気体搬送管
39・・・・・電磁弁機構
40・・・・・電磁石
41・・・・・磁性体管
45・・・・・メッシュ機構(電磁弁機構取り付け部)
46・・・・・空気収集機構
50・・・・・電磁式空気圧縮機構
51・・・・・圧縮板
52・・・・・電磁石の可動芯
53・・・・・電磁石
54・・・・・蛇腹機構
55・・・・・サーボモータ
56・・・・・リンク機構
57・・・・・柱
60・・・・・液体香料容器
61・・・・・液体搬送用芯
62、63、64・・超音波振動子
65・・・・・振動子保持機構
70・・・・・ピエゾ式液体噴射装置
71・・・・・液体溜め
72・・・・・微粒子吹き出し口
81a、81b・・液体香料容器
82、83・・気流切り替え電磁弁機構
84・・・・・空気槽
Air・・・・空気
Aki、Yoshi・・・携帯端末を持った通行人
a、b、c、d・・・香料
Ins・・・・差込口
IR・・・・・信号発生装置
CN・・・・・コネクタ
Cooler・・・冷却器
Concave・・凹面
Dis1・・・柱に設けた表示装置
Dis2・・・湾曲大画面表示装置
End・・・・気流管の末端部
Frg・・・・香料含有気体(香り)
F1、F2・・気流
HT、Heater・・電熱器
Hol、Hol1、Hol2、Hol3・・・穴
Kaori・・香り発生器
ma・・・・・香料aを含有する微粒子
mis・・・・霧
Mist・・・霧発生器
Move・・・圧縮板の動作
P1、P2・・観察者
Piezo・・ピエゾ素子(圧電素子)
Road・・・通路
SG1・・・・受信機
SG2・・・・情報処理装置
Tom・・・・壁型大画面表示装置
Tube・・・気体搬送管
Ue・・・・・携帯端末
Wa・・・・・香料aを含有する液体
Wb・・・・・香料bを含有する液体
YAS・・・・砲筒の内周面積に対して実際に気体が通過する面積の割合

Claims (7)

  1. 内部に複数の気流管を収めて砲筒とし、又は、複数の気流管を束ねて当該束の外周を砲筒と定義し、当該砲筒、又は、気流管内の気圧を高めて気体を放出する気体放出装置であって、
    複数の気流管から出る気体は相互に流れが整えられ、又は、気流管から出る気と砲筒から出る気体は相互に流れが整えられ、前記砲筒から気体を固まり、又は、渦輪として放出させることを特徴とする気体放出装置。
  2. 請求項1において、砲筒先端の内周面積に対する気体が放出される開口面積の割合YASが20%以上になるように構成され、砲筒から気体の固まり、又は、渦輪が放出されることを特徴とする気体放出装置。
  3. 請求項1において、前記気流管の少なくとも一部に化学物質を供給する機構を設けたことを特徴とする気体放出装置。
  4. 請求項1において、前記砲筒、又は、気流管を、腹部から先端に向けて径を細くすることによって、先端に向かって気圧を高め、気流を速めて放出することを特徴とする気体放出装置。
  5. 請求項1において、前記砲筒は、表示素子、又は、画素の間に穴を設けた映像表示装置の裏側に設けられ、又は、前記気流管は、当該穴を気体が通過するように接続され、当該砲筒、又は、気流管内の気圧を高めることによって、前記表示素子、又は、画素の間の複数の穴から気体を放出させることを特徴とする気体放出装置。
  6. 請求項5において、利用者の位置検出情報に基づいて、当該利用者に映像内容と関連する嗅覚刺激、又は、皮膚触覚刺激を与えるように、気体を画面の中から放出することを特徴とする気体放出装置。
  7. 請求項5において、利用者の属性、又は、場所を特定する情報、又は、化学物質放出要求情報を発信する人に向けて、映像内容と関連する化学物質を含有する気体を画面の中から放出することを特徴とする気体放出装置。
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