JP5502010B2 - B−c−n−o蛍光体の製造方法 - Google Patents

B−c−n−o蛍光体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)及び酸素(O)元素からなるB−C−N−O蛍光体の製造方法に関する。
蛍光体は、蛍光管、蛍光表示管、夜光性表示板、LED白色光源用途の波長変換剤、化粧品用途などに用いられている。求められる発光色、発光スペクトル強度、経済性、耐久性などの向上に向けた研究、開発が進められている。
従来、蛍光体は発光中心としてEuやCeなどの希少金属を使用するため、原料の入手性、経済性などの問題があった。
この問題に対し、かかる希少金属を含まない蛍光体が提案されている。例えば、特許文献1にはSiO2とAl2O3からなる蛍光体が開示されており、特許文献2には一般式CaxSn1−yTiySizOrで表される蛍光体が開示されている。また、特許文献3および4には、IIIB族元素(M)、炭素(C)、窒素(N)及び酸素(O)からなるM−C−N−O蛍光体が開示されている。特許文献4にはホウ酸と尿素、ポリマーからなる混合物を一度焼成して熱分解させた後、解砕工程を経て再度焼成することで、蛍光体中の炭素組成を均一化し、色純度の高いB−C−N−O蛍光体を得る方法が開示されている。
特開2009−173937号公報 特開2010−215772号公報 国際公開第2008/126500号パンフレット 国際公開第2010/067767号パンフレット
特許文献1〜4に開示された蛍光体は、希土類元素が含まれておらず、また、重金属も含まれていないため、経済的にも環境保護の観点からも望ましい蛍光体である。特に特許文献3および4に示された蛍光体は、発光スペクトルのピークトップ波長が炭素の含有量に応じて変動することから、該蛍光体を利用することにより、単純な構造でありながら様々な色相の光を放出することが可能な発光素子を製造でき、例えば、青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体をそれぞれ調製し、組み合わせて演色性の良い白色蛍光体とすることが期待される。
しかしながら、特許文献1および2に示された蛍光体は発光効率が低く、特にLED白色光源用の波長変換剤として十分な発光は得られない。また特許文献3の蛍光体は発光が不均一となる場合がある。特許文献4に記載の蛍光体は粒径が不均一なため、品質ムラがあるばかりでなく、特許文献3同様に発光が不均一となる問題があった。
しかして、本発明の目的は、希土類元素を含まず、発光効率の向上したB−C−N−O蛍光体の製造方法を提供することにある。
本発明は、
[1] (1)ホウ酸、無水ホウ酸、オルトホウ酸、メタホウ酸からなる群から選ばれるホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびにグアニジン、ジシアンジアミド、メチルアミン、エチレンジアミン、尿素、ホルムアミド、アセトアミド、メラミン、アミノピリミジン、メチロールメラミン、アンメリン、アンメリドからなる群から選ばれる含窒素有機化合物を75〜160℃の湿熱下で混練して粒径6μm以下のホウ酸複合体を調製する混練工程;および(2)該ホウ酸複合体を200〜1000℃で熱処理する熱処理工程;を含むB−C−N−O蛍光体の製造方法;
[2] 前記混練工程を加圧下で実施する[1]のB−C−N−O蛍光体の製造方法;および
[3] 前記熱処理工程が、少なくとも酸素存在下での焼成を含む[1]または[2]のB−C−N−O蛍光体の製造方法;
を提供することにより達成される。

本発明によれば、発光効率の向上したB−C−N−O蛍光体を得ることができる。
実施例1で得られたホウ酸複合体のSEM写真である。 実施例2で得られたホウ酸複合体のSEM写真である。 比較例1で得られたホウ酸複合体のSEM写真である。 比較例2で得られたホウ酸複合体のSEM写真である。 実施例3で得られたホウ酸複合体のSEM写真である。
本発明で使用するホウ酸類縁体としては無水ホウ酸、オルトホウ酸、メタホウ酸が挙げられる。ホウ酸および/またはホウ酸類縁体は、1種を単独で使用しても、複数種を混合して使用してもよい。
本発明で使用する含窒素有機化合物は熱処理工程でアンモニアを発生する化合物である。かかる含窒素有機化合物としてはグアニジン、ジシアンジアミド、メチルアミン、エチレンジアミンなどのアミン類、尿素、ホルムアミド、アセトアミドなどのアミド類、メラミン、アミノピリミジン、メチロールメラミン、アンメリン、アンメリドなどの芳香族アミン類が挙げられ、尿素、尿素樹脂、ジシアンジアミド、メラミン、メチロールメラミンが好ましく、メラミンが特に好ましい。これらは1種を単独で用いても、二種類以上を混合して用いてもよい。
本発明で使用するホウ酸および/またはホウ酸類縁体と、含窒素有機化合物との使用量は、ホウ酸および/またはホウ酸類縁体が含有するホウ素のモル数と含窒素有機化合物が有する窒素のモル数との質量比で、1:0.3〜1:3であることが好ましく、1:0.4〜1:2であることがより好ましい。
本発明の製造方法における第一段階である混練工程においては、B−C−N−O蛍光体の色調を変化させるために、分散剤を添加してもよい。
使用できる分散剤としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレンオキサイドなどのポリエーテル;ポリビニルピロリドンなどのポリアミド;ポリビニルグリセリン、ポリビニルアルコールなどの水酸基含有ポリマー;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの多価アルコール;ジメトキシエタン、1,2−プロパンジオールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、グリセリントリメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエトキシエタン、1,2−プロパンジオールジエチルエーテル、1,3−プロパンジオールジエチルエーテル、1,2−ブタンジオールジエチルエーテル、1,4−ブタンジオールジエチルエーテル、グリセリントリエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル;N−メチルピロリドンなどのラクタム;ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンなどのアミン;糖、アミノ酸、たんぱく質などが挙げられる。入手性、炭素の導入効果などを考慮して、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル;テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;が好ましい。
分散剤を用いる場合、その使用量は、ホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびに含窒素有機化合物の総量に対して通常10〜200質量%の範囲であり、好ましくは15〜180質量%の範囲である。分散剤の使用量がホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびに含窒素有機化合物の総量に対して200質量%を超えると、分散剤による混練物の膠着が起こり分散不良となる傾向となり、10質量%を下回ると分散剤が偏在し、分散不良となる傾向となる。
混練工程においては、昇温開始時から混練を開始することが好ましい。混練工程における昇温速度は、通常0.01〜10℃/分の範囲、好ましくは0.1〜5℃/分の範囲である。
混練工程における混練温度は80〜160℃の範囲であり、操作性、安全性の観点から、80〜120℃の範囲で行うことが好ましい。混練温度が160℃を超えると、含窒素有機化合物が分解する傾向となる。所定の混練温度での混練時間は、通常0.5〜6時間の範囲、好ましくは1〜5時間の範囲である。混練時間が短すぎると、ホウ酸複合体への転化が十分に進行せず、後の発光色バラツキに繋がり、混練時間が長すぎると、ホウ酸複合体に与える影響は少ないものの、経済性の観点から不利となる。
混練工程においては降温時も混練を続けることが好ましい。混練工程における降温速度は、通常0.01〜5℃/分の範囲、好ましくは0.1〜2℃/分の範囲である。
混練工程は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
本発明の混練工程は湿熱下で行う。混練工程を湿熱下で行うために系内に水を共存させる。系内は飽和湿度であることが好ましく、水の使用量は、ホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびに含窒素有機化合物の総量に対して通常0.1〜25質量%の範囲であり、好ましくは1〜10質量%の範囲である。水の使用量がホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびに含窒素有機化合物の総量に対して25質量%を超えると、混練して得られるホウ酸複合体の凝集が促進する傾向となり、0.1質量%を下回ると反応速度が低下する傾向となる。混練を湿熱下で行うことで、ホウ酸および/またはホウ酸類縁体と含窒素有機化合物の親和性が向上し、ホウ酸複合体の生成を円滑に進めることができる。
本発明の混練工程における圧力は、温度と水の使用量によって調整できる。通常、ゲージ圧で0.1〜2MPaの範囲であり、安全性、操作性の観点から、好ましくは0.11〜1.1MPaの範囲である。かかる圧力とすることによって、系内の水蒸気圧の偏りが抑制でき、反応速度が均一になり、調製されるホウ酸複合体の粒子径も均一になる。
混練工程においては、混練によって、ホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびに含窒素有機化合物の混合物に機械剪断をかけることが好ましい。かかる観点から、混練工程における混練は一軸混練機、二軸混練機、加圧ニーダー、トーラスディスクなどを用いることが好ましい。調製するホウ酸複合体の粒度、取出し時の操作性などを考慮すると、二軸混練機、加圧ニーダーが好ましい。得られたホウ酸複合体は、室温まで冷却して取り出すことができる。
混練工程で得られるホウ酸複合体の粒径は6μm以下であり、5μm以下であることが好ましい。粒径が6μmを超えるとホウ酸複合体に熱斑が発生し、得られるB−C−N−O蛍光体の発光色バラツキの原因となる。なおかかる粒径は得られたホウ酸複合体のSEM写真から、無作為に選択した他の粒子が重なっていない10〜20個の粒子の最大径を測定し、かかる最大径の平均値とする。
混練工程における攪拌回転数によって得られるホウ酸複合体の粒径を制御できる。かかる攪拌回転速度は通常25〜100rpmであり、30〜80rpmであることが好ましい。
混練工程で得られたホウ酸複合体は、続いて200〜1000℃での熱処理工程に供する。熱処理工程はホウ酸複合体を熱分解物生成工程と、該熱分解物生成工程で得られた熱分解物を解砕し、混合する解砕工程と、解砕工程により得られた解砕物をさらに焼成する解砕物焼成工程に分けてもよい。かかる方法によって熱処理による凝集を回避して熱処理工程による生成物の均一性を高めることができる。すなわち、熱分解物生成工程で得られた熱分解物を解砕する解砕工程により、解砕物焼成工程における気流の拡散性が高まるので、局所的な吸着、凝集が回避され、焼成ムラが抑制され生成物の均一性が高まる。
熱分解物生成工程に使用できる加熱装置としては、ロータリーキルン炉やコニカルキルン炉のような移動床、ローラーハース炉やプッシャー炉のような連続式固定床、雰囲気調整炉のようなバッチ式固定床などの加熱焼成炉、スプレーや噴霧法などの熱分解炉が挙げられる。また、一軸押出機、二軸押出機のような押出機;トーラスディスクなどの加熱混合機;などの加熱混練装置を使用してもよい。
熱分解物生成工程において、加熱温度は、通常200〜800℃の範囲、好ましくは300〜750℃の範囲で実施する。200℃よりも低いと含窒素ホウ酸化合物や含窒素有機化合物、分散剤が熱分解せず、800℃よりも高いとエネルギー効率が悪化する傾向となる。
熱分解物生成工程における昇温速度は、通常1〜80℃/分の範囲、好ましくは毎分2〜50℃/分の範囲である。昇温速度が80℃/分よりも速いと、特殊な焼成炉を使用しなければならず設備負荷が大きくなる。
上記加熱温度における保持時間は、通常、0〜180分の範囲であり、好ましくは1〜150分の範囲であり、より好ましくは5〜120分の範囲である。保持時間が短すぎると、熱伝達が十分でなく、均質性にムラが生じる傾向となり、保持時間が長すぎると、炭素分の欠損を引き起こす傾向となる。
熱分解物生成工程は、窒素、希ガス(例えばアルゴン)などの不活性ガス雰囲気下(酸素不存在下)、または水素などの還元性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。昇温途中までは空気など酸素存在下でもよいが、ホウ酸複合体の熱分解温度以上ではアンモニアの発生による爆発の危険性の観点から、酸素を遮断ないし除去することが好ましい。これらの操作は、ガス気流下で実施してもよく、または密閉雰囲気下で実施してもよい。
降温速度としては、通常1〜80℃/分の範囲、好ましくは2〜50℃/分の範囲である。特殊な加熱装置を使用しなければならず、80℃/分よりも速いと設備負荷が大きい。
降温時は、安全性の観点から、窒素、希ガス(例えばアルゴン)などの不活性ガス雰囲気下(酸素不存在下)で降温することが好ましい。さらに300℃以下では目的とする熱分解物表面に水分が付着するため、乾燥ガス雰囲気下で降温することが好ましい。
上記のようにして得られた熱分解物は、解砕工程で解砕し、混合されることで凝集を回避され、均一性が高まる。かかる解砕および混合により、過剰な炭素の導入、または炭素の未導入による蛍光体の色純度の低下が抑制される。解砕工程で、さらに含窒素有機化合物や分散剤を加えてもかまわない。解砕工程では、ボールミル、ターボミル、ジェットミル、乳鉢などを用いることができる。解砕の程度は、平均粒径が通常0.1μm〜2mmの範囲、より好ましくは、0.2μm〜1mmの範囲内となるように解砕される。解砕物が細か過ぎると、解砕物焼成工程において気体の流通が悪くなり、焼成が不均一になる傾向となる。
上記のようにして得られた解砕物を焼成し、焼成物を得る。この解砕物焼成工程において用いることのできる加熱装置としては熱分解物生成工程と同様のものが挙げられる。
解砕物焼成工程の焼成温度は、使用するホウ酸、ホウ酸類縁体、含窒素有機化合物、分散剤の量などに影響されるが、通常500〜1000℃の範囲、好ましくは510〜950℃の範囲、より好ましくは、520〜900℃の範囲である。焼成温度が500℃よりも低いと未反応の炭化残留分が焼成物表面に付着し発光効率が低下し、1000℃よりも高いと炭素分が分解に伴い焼成物に欠損が生じ、好ましい発光色が得られない。
解砕物焼成工程における昇温速度は、通常1〜80℃/分の範囲、好ましくは2〜50℃/分の範囲である。
解砕物焼成工程における焼成温度の保持時間は、通常、0〜180分の範囲であり、好ましくは1〜150分の範囲であり、より好ましくは5〜120分の範囲である。180分を超える場合、炭素分の欠損を引き起こす場合がある。
解砕物焼成工程は、余分な炭素分を燃焼させるため、含酸素雰囲気下で行うことが好ましい。かかる工程を含酸素雰囲気下とすることで、得られるB−C−N−O蛍光体中に発光効率低下の原因となる黒点の発生を抑制できる。酸素濃度は特に制限されないが、通常1〜30%の範囲、より好ましくは3〜25%の範囲で使用される。
また、焼成温度で保持する間に、不活性ガス雰囲気下に切り替え、更なる炭素の欠損や酸化物の生成を抑制することもできる。これらの操作は、ガス気流下に実施してもよく、密閉雰囲気下で実施してもよい。
解砕物焼成工程における降温速度としては、1〜80℃/分の範囲、好ましくは2〜50℃/分の範囲である。速すぎると特殊な焼成炉を使用しなければならず、設備負荷が大きくなる。
解砕物焼成工程における降温時の雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素存在下のいずれでもよい。安全性の観点から、不活性ガス雰囲気下で降温することが好ましい。さらに300℃以下では表面に水分が付着するため、乾燥ガス雰囲気下で降温することが好ましい。
本発明では、熱処理工程を終えた焼成物を本発明のB−C−N−O蛍光体とできる。かかる焼成物を粉砕して、さらに微細な粒子からなるB−C−N−O蛍光体としてもよい。焼成物を粉砕する場合、乳鉢、ボールミル、ターボミル、ジェットミルなどを用いることができ、かかる粉砕は溶媒の存在下で行ってもよい。焼成物を溶媒存在下で粉砕することで、焼成物の飛散や発熱による劣化を抑制できるので好ましい。かかる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールが挙げられる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<ホウ酸複合体の粒径>
得られたホウ酸複合体のSEM写真から、他の粒子が重なっていない粒子を無作為に10個選択し、各粒子の最大径を計測し、その平均値を粒径とした。
<実施例1>
ホウ酸125g(2.0モル)、メラミン140g(1.1モル)、水20mlをニーダー本体に投入し、ニーダー内を窒素で置換した後、窒素により0.2MPaに加圧した。攪拌回転数55rpmで混練しながらニーダー温度を室温から75℃まで3℃/分で昇温し、さらに75℃で60分間混練したのち、混練を続けながら0.7℃/分で室温まで冷却しホウ酸複合体を得た。得られたホウ酸複合体をDMSO−dに溶かしてH−NMRを測定し、該ホウ酸複合体がホウ酸メラミンを主成分とすることを確認した。得られたホウ酸複合体の粒径は3.5μmであった。
得られたホウ酸複合体のSEM写真を図1に示す。
ポリエチレングリコール(分子量20000)2gを乳鉢で粉砕し、上記で得られたホウ酸複合体5gを加えて混合したのち、アルミナ製の坩堝に移して加熱炉に入れ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で500℃まで昇温し、500℃で1時間焼成しホウ酸複合体を熱分解した。得られた熱分解物を乳鉢で解砕、混合し、同様にSEM画像にて、平均粒径に変化がないことを確認した。得られた解砕物を坩堝に移して加熱炉に入れ、大気気流下、昇温速度10℃/分で750℃まで昇温し、窒素雰囲気に切り替えて750℃で30分間焼成したのち、3℃/分で室温まで冷却し、焼成物としてB−C−N−O蛍光体を得た。
<実施例2>
攪拌回転数を40rpmとした以外は、実施例1と同様に行い、B−C−N−O蛍光体を得た。途中で得られたホウ酸複合体をDMSO−dに溶かしてH−NMRを測定し、該ホウ酸複合体がホウ酸メラミンを主成分とすることを確認した。またかかるホウ酸複合体の粒径は、4.7μmであった。得られたホウ酸複合体のSEM写真を図2に示す。
<比較例1>
攪拌回転数を5rpmとした以外は、実施例1と同様に行い、B−C−N−O蛍光体を得た。途中で得られたホウ酸複合体をDMSO−dに溶かしてH−NMRを測定し、該ホウ酸複合体がホウ酸メラミンを主成分とすることを確認した。またかかるホウ酸複合体の粒径は10.9μmであった。得られたホウ酸複合体のSEM写真を図3に示す。
<比較例2>
攪拌回転数を20rpmとした以外は、実施例1と同様に行い、B−C−N−O蛍光体を得た。途中で得られたホウ酸複合体をDMSO−dに溶かしてH−NMRを測定し、該ホウ酸複合体がホウ酸メラミンを主成分とすることを確認した。またかかるホウ酸複合体の粒径は7.6μmであった。得られたホウ酸複合体のSEM写真を図4に示す。
<実施例3>
ホウ酸250g(4.0モル)、メラミン280g(2.2モル) 、ポリエチレングリコール(分子量40000)151g、水20mlをニーダー中に添加した。攪拌回転数40rpm で混練しながらニーダー温度を室温から85℃まで3℃/分で昇温し、さらに85℃で60分間混練したのち、混練を続けながら0.7℃/分で室温まで冷却しホウ酸複合体を得た。得られたホウ酸複合体をDMSO−dに溶かしてH−NMRを測定し、該ホウ酸複合体がホウ酸メラミンを主成分とすることを確認した。得られたホウ酸複合体の粒径は2.2μmであった。得られたホウ酸複合体のSEM写真を図5に示す。得られたホウ酸複合体5gをアルミナ製の坩堝に移して加熱炉に入れ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で500℃まで昇温し、500℃で1時間焼成しホウ酸複合体を熱分解した。得られた熱分解物を乳鉢で解砕、混合し、得られた解砕物のSEM写真を観察し、平均粒径に変化がないことを確認した。得られた解砕物を坩堝に移して加熱炉に入れ、大気気流下、昇温速度10℃/分で750℃まで昇温し、窒素雰囲気に切り替えて750℃で30分間焼成したのち、3℃/分で室温まで冷却し、焼成物としてB−C−N−O蛍光体を得た。
実施例、比較例で得られたB−C−N−O蛍光体の発光色を分光蛍光光度計FP6500(日本分光株式会社製)にて測定した。また、20℃において励起波長350nmの励起光をB−C−N−O系蛍光体に照射して放出される蛍光について蛍光量子収率を測定した。測定した発光色(CIE色度座標(x,y)値)および蛍光量子収率を表1に示した。

Claims (3)

  1. (1)ホウ酸、無水ホウ酸、オルトホウ酸、メタホウ酸からなる群から選ばれるホウ酸および/またはホウ酸類縁体ならびにグアニジン、ジシアンジアミド、メチルアミン、エチレンジアミン、尿素、ホルムアミド、アセトアミド、メラミン、アミノピリミジン、メチロールメラミン、アンメリン、アンメリドからなる群から選ばれる含窒素有機化合物を75〜160℃の湿熱下で混練して粒径6μm以下のホウ酸複合体を調製する混練工程;および(2)該ホウ酸複合体を200〜1000℃で熱処理する熱処理工程;を含むB−C−N−O蛍光体の製造方法。
  2. 前記混練工程を加圧下で実施する請求項1に記載のB−C−N−O蛍光体の製造方法。
  3. 前記熱処理工程が、少なくとも酸素存在下での焼成を含む請求項1または2に記載のB−C−N−O蛍光体の製造方法。
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