JP5500088B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、燃焼室からのガス漏れを判定する装置として好適な内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、燃焼室からのガス漏れの原因を特定できるようにした内燃機関が開示されている。具体的には、この従来の内燃機関では、クランクケース内の圧力が所定値を超えている場合には、ピストンリングの不具合が原因でガス漏れが発生していると判断するようにしている。また、軽負荷運転時に測定または推定された体積効率実測値が所定値に対して低下しているか否かに応じて、ガス漏れの原因が吸気弁の閉弁不良であるかヘッドガスケットの抜けであるかを判断するようにしている。
特開2005−264852号公報 特開平9−256879号公報 特開2007−120392号公報 特開2008−208751号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術のように、センサの検出値もしくはそれに基づく算出(推定)値を所定値と比較することによって燃焼室からのガス漏れの有無を判定するという手法では、上記センサに経年劣化が生じた場合に、ガス漏れの有無を正確に判定することが困難となることが懸念される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃焼室からのガス漏れの判定に用いるセンサの経年劣化の影響を受けずに上記ガス漏れを正確に判定できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記筒内から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記燃料噴射弁を用いた吸気行程噴射の実行時に前記空燃比センサを用いて検出される第1空燃比と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において前記燃料噴射弁を用いた圧縮行程噴射の実行時に前記空燃比センサを用いて検出される第2空燃比との比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
を備え
前記ガス漏れ判定手段は、隣接する2サイクルにおける、前記第1空燃比と前記第2空燃比との比較結果に基づいて、前記ガス漏れの判定を行うことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記ガス漏れ判定手段は、前記第1空燃比と前記第2空燃比との差が所定値よりも大きい場合に、前記ガス漏れが発生していると判定することを特徴とする。
また、第3の発明は、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
前記筒内圧センサにより検出された前記筒内圧力に基づいて、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する燃焼指標値を算出する燃焼指標値算出手段と
前記燃料噴射弁を用いた吸気行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第1燃焼指標値と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において前記燃料噴射弁を用いた圧縮行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第2燃焼指標値との比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
を備え
前記燃焼指標値は、発熱量であり、
前記ガス漏れ判定手段は、前記第2燃焼指標値としての第2発熱量と、前記第1燃焼指標値としての第1発熱量との差が所定値よりも大きい場合に、前記ガス漏れが発生していると判定することを特徴とする。
また、第4の発明は、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
前記筒内圧センサにより検出された前記筒内圧力に基づいて、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する燃焼指標値を算出する燃焼指標値算出手段と
前記燃料噴射弁を用いた吸気行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第1燃焼指標値と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において前記燃料噴射弁を用いた圧縮行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第2燃焼指標値との比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
を備え、
前記燃焼指標値は、内燃機関のトルクであることを特徴とする。
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、
前記ガス漏れ判定手段は、隣接する2サイクルにおける、前記第1燃焼指標値と前記第2燃焼指標値との比較結果に基づいて、前記ガス漏れの判定を行うことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記ガス漏れ判定手段によって前記ガス漏れが発生していると判定された場合に、前記圧縮行程噴射を選択するガス漏れ時噴射態様設定手段を更に備えることを特徴とする。
燃焼室からのガス漏れが発生している状況下では、吸気行程噴射の実行時であれば、筒内から混合気が漏れ出ることとなり、一方、圧縮行程噴射の実行時であれば、筒内から空気が漏れ出ることとなる。従って、吸気行程噴射の実行時と圧縮行程噴射の実行時とでは、上記ガス漏れが発生している状況下において空燃比センサにより検出される排気ガスの空燃比が相違することになる。第1の発明によれば、2つの異なる態様での燃料噴射の実行時の第1空燃比と第2空燃比との相対的な比較結果に従って上記ガス漏れが判定されるので、上記ガス漏れの判定に用いる空燃比センサの経年劣化の影響を受けずに上記ガス漏れを正確に判定することが可能となる。また、本発明によれば、運転条件が同一とみなせるタイミングで取得した第1および第2空燃比を比較することができる。これにより、上記ガス漏れを精度良く判定することが可能となる。
上記ガス漏れの発生箇所としては、吸気弁、排気弁およびピストンリング等が該当するが、これらの何れの箇所からのガス漏れが発生している場合であっても、第1空燃比の方が第2空燃比よりも大きくなる。従って、第2の発明によれば、これらの第1空燃比と第2空燃比との差が所定値よりも大きい場合に上記ガス漏れが発生していると判定しているので、上記ガス漏れを精度良く判定することができる。
燃焼室からのガス漏れが発生している状況下では、吸気行程噴射の実行時であれば、筒内から混合気が漏れ出ることとなり、一方、圧縮行程噴射の実行時であれば、筒内から空気が漏れ出ることとなる。従って、吸気行程噴射の実行時と圧縮行程噴射の実行時とでは、上記ガス漏れが発生している状況下において筒内ガスの空燃比が相違することになる。それに伴い、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する燃焼指標値(発熱量もしくは内燃機関のトルク)についても相違することになる。第3または第4の発明によれば、2つの異なる態様での燃料噴射の実行時に筒内圧センサにより検出された筒内圧力に基づいて算出される値であって、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する第1燃焼指標値と第2燃焼指標値との相対的な比較結果に従って上記ガス漏れが判定される、これにより、上記ガス漏れの判定に用いる筒内圧センサの経年劣化の影響を受けずに上記ガス漏れを正確に判定することが可能となる。さらに付け加えると、上記ガス漏れの発生箇所としては、吸気弁、排気弁およびピストンリング等が該当するが、これらの何れの箇所からのガス漏れが発生している場合であっても、第2発熱量の方が第1発熱量よりも大きくなる。従って、第3の発明によれば、これらの第2発熱量と第1発熱量との差が所定値よりも大きい場合に上記ガス漏れが発生していると判定しているので、上記ガス漏れを精度良く判定することができる。
第5の発明によれば、運転条件が同一とみなせるタイミングで取得した第1および第2燃焼指標値を比較することができる。これにより、上記ガス漏れを精度良く判定することが可能となる。
第6の発明によれば、上記ガス漏れが発生していると判定された際に圧縮行程噴射が選択されるようにすることで、排気通路に配置される触媒への未燃混合気の流入による当該触媒の溶損を回避しつつ、退避走行が行えるようになる。
本発明の実施の形態1における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。筒内におけるピストン12の頂部側には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。吸気通路16および排気通路18には、それぞれ、燃焼室14と吸気通路16、或いは燃焼室14と排気通路18を導通状態または遮断状態とするための吸気弁20および排気弁22が設けられている。
吸気通路16の入口近傍には、吸気通路16に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ24が設けられている。エアフローメータ24の下流には、電子制御式のスロットルバルブ26が設けられている。また、スロットルバルブ26の下流には、吸気圧力を検出するための吸気圧力センサ28が取り付けられている。
また、内燃機関10の各気筒には、燃焼室14内(筒内)に直接燃料を噴射する燃料噴射弁30、および、混合気に点火するための点火プラグ32がそれぞれ設けられている。更に、排気通路18には、排気ガスを浄化するための上流触媒(S/C)34および下流触媒36が配置されている。上流触媒34よりも上流側の排気通路18(より具体的には、排気マニホールドの集合部)には、その位置で排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ38が取り付けられている。ここでは、空燃比センサ38は、広範囲にわたって排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発するセンサであるものとする。
本実施形態のシステムは、演算処理装置として、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力部には、上述したエアフローメータ24、吸気圧力センサ28および空燃比センサ38に加え、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ42等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。また、ECU40の出力部には、上述したスロットルバルブ26、燃料噴射弁30および点火プラグ32等の各種のアクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力に基づいて、所定のプログラムに従って上記各種のアクチュエータを駆動することにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
[実施の形態1における燃焼室からのガス漏れの判定手法]
筒内に直接燃料を噴射可能な上記燃料噴射弁30を備える本実施形態のシステムによれば、燃料噴射時期を切り替えることにより、吸気行程中に筒内に燃料を噴射する吸気行程噴射と、圧縮行程中に筒内に燃料を噴射する圧縮行程噴射とを行うことができる。
そこで、本実施形態では、吸気行程噴射の実行時に空燃比センサ38を用いて検出される排気ガスの空燃比(以下、「第1空燃比A/F1」と称する)と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において圧縮行程噴射の実行時に空燃比センサ38を用いて検出される排気ガスの空燃比(以下、「第2空燃比A/F2」と称する)との比較結果に基づいて、燃焼室14からのガス漏れ(以下、「圧縮抜け」と称する)の有無を判定するようにした。より具体的には、本実施形態では、隣接する2サイクルにおいて、第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2とを取得したうえで、これらの第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差が所定値よりも大きい場合に、圧縮抜けが発生していると判定するようにした。
ここで、圧縮抜けが発生している場合に第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との間に生ずる具体的な相違について、圧縮抜けの発生箇所毎に個別に説明を行う。尚、前提として、圧縮抜けの判定を行う際の燃料噴射量は、吸気行程噴射および圧縮行程噴射の何れの場合にも、筒内ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ)となるように調整されているものとする。
(排気弁を介した圧縮抜けが発生しているケース)
このケースでは、吸気行程噴射が行われている場合であれば、排気弁22を介して混合気が筒内から排気通路18に抜けることになる。排気通路18側に抜けた混合気が空燃比センサ38に到達した際、混合気に含まれる炭化水素と空気とでは空気の方が空燃比センサ38の検出感度が高いため、空燃比センサ38の出力はストイキよりもややリーンな値となる。その後、この場合の圧縮抜けが生じたサイクルにおける燃焼ガスが空燃比センサ38に到達した際には、空燃比センサ38の出力はストイキを示す値となる。その結果、この場合の第1空燃比A/F1は、圧縮抜けガスと燃焼ガスとを合わせた全体としては、ストイキ寄りのリーンな値となる。
一方、圧縮行程噴射が行われている場合であれば、排気弁22を介して空気のみが筒内から排気通路18に抜けることになる。その結果、排気通路18側に抜けた空気に対しては、空燃比センサ38の出力はリーンな値となり、この場合の圧縮抜けが生じたサイクルにおける燃焼ガスに対しては、空燃比センサ38の出力はリッチな値となる。その結果、この場合の第2空燃比A/F2は、圧縮抜けガスと燃焼ガスとを合わせた全体としては、ストイキを示す値となり、吸気行程噴射の実行時の第1空燃比A/F1と比べて相対的にリッチな値となる。
(ピストンリングを介した圧縮抜けが発生しているケース)
このケースでは、吸気行程噴射が行われている場合であれば、ピストンリング12a(図1参照)を介して混合気が筒内からクランク室に抜けることになる。筒内から抜けた混合気は空燃比センサ38に到達しないので、空燃比センサ38の出力には、この場合の圧縮抜けが生じたサイクルにおける燃焼ガス分のみが寄与することになる。この場合には、混合気がピストンリング12aを介して抜けるため、燃焼ガスの空燃比は、ストイキのままである。従って、この場合の第1空燃比A/F1は、ストイキを示す値となる。
一方、圧縮行程噴射が行われている場合であれば、ピストンリング12aを介して空気のみが筒内からクランク室に抜けることになる。この場合にも、筒内から抜けた空気は空燃比センサ38に到達しないので、空燃比センサ38の出力には、この場合の圧縮抜けが生じたサイクルにおける燃焼ガス分のみが寄与することになる。この場合には、燃焼ガスの空燃比は、ピストンリング12aを介して空気が抜けた影響を受けて、ストイキよりもリッチとなる。従って、この場合の第2空燃比A/F2は、ストイキよりもリッチな値となり、吸気行程噴射の実行時の第1空燃比A/F1と比べて相対的にリッチな値となる。
(吸気弁を介した圧縮抜けが発生しているケース)
このケースでは、吸気行程噴射が行われている場合であれば、吸気弁20を介して混合気が筒内から吸気通路16に抜けることになる。筒内から抜けた混合気は空燃比センサ38に到達しないので、空燃比センサ38の出力には、この場合の圧縮抜けが生じたサイクルにおける燃焼ガス分のみが寄与することになる。この場合には、混合気が吸気弁20を介して抜けるため、燃焼ガスの空燃比は、ストイキのままである。従って、この場合の第1空燃比A/F1は、ストイキを示す値となる。
一方、圧縮行程噴射が行われている場合であれば、吸気弁20を介して空気のみが筒内から吸気通路16に抜けることになる。この場合にも、筒内から抜けた空気は空燃比センサ38に到達しないので、空燃比センサ38の出力には、この場合の圧縮抜けが生じたサイクルにおける燃焼ガス分のみが寄与することになる。この場合には、燃焼ガスの空燃比は、吸気弁20を介して空気が抜けた影響を受けて、ストイキよりもリッチとなる。また、本実施形態のように、吸気行程噴射、次いで圧縮行程噴射という順番でこれら2つの態様の燃料噴射を隣接する2サイクルにおいて実行する場合には、圧縮行程噴射が行われるサイクルにおいて吸入されるガスは、吸気行程噴射を行った1つ前のサイクルの圧縮行程中に吸気通路16側に抜けた混合気を含む空気(通常よりもリッチなガス)となる。従って、これらの理由により、この場合の第2空燃比A/F2は、ストイキよりもリッチな値となり、吸気行程噴射の実行時の第1空燃比A/F1と比べて相対的にリッチな値となる。
圧縮抜けが生じていない場合であれば、本来、第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2とは同一の値となる。一方、圧縮抜けが発生している場合には、以上説明したように、上記3つのケースの何れにおいても、圧縮行程噴射の実行時の第2空燃比A/F2は、吸気行程噴射の実行時の第1空燃比A/F1と比べて相対的にリッチな値となる。つまり、空燃比A/Fの値の大きさとしては、第1空燃比A/F1が第2空燃比A/F2よりも大きくなる。このため、第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差が所定値よりも大きい場合には、圧縮抜けが発生していると判定することが可能となる。
(実施の形態1における具体的処理)
図2は、本発明の実施の形態1における圧縮抜けの判定手法を実現するために、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンの起動時には、筒内ガスの空燃比がストイキとなるように燃料噴射量が調整された状態で、吸気行程噴射が行われているものとする。また、以下に示す本ルーチンにおける圧縮抜けの判定処理は、ここでは、1気筒毎に順に実行されるものとする。
図2に示すルーチンでは、先ず、現在(すなわち、吸気行程噴射の実行時)の排気ガスの第1空燃比A/F1が、空燃比(A/F)センサ38の出力に基づいて算出(検出)される(ステップ100)。次いで、燃料噴射弁30による燃料噴射時期(直噴噴射時期)が変更される(ステップ102)。具体的には、現在の吸気行程噴射から圧縮行程噴射に切り替えられる。
次に、上記ステップ102において圧縮行程噴射に切り替えられた後の初回のサイクルにおける排気ガスの第2空燃比A/F2が、空燃比(A/F)センサ38の出力に基づいて算出(検出)される(ステップ104)。次いで、上記ステップ100において取得された第1空燃比A/F1と上記ステップ104において取得された第2空燃比A/F2との差が所定値よりも大きいか否かが判定される(ステップ106)。本ステップ106における空燃比A/F1、A/F2の差に関する所定値は、空燃比のばらつきによらずに圧縮抜けの発生の有無を判定し得る値として予め設定された値である。
上記ステップ106において、第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差が上記所定値よりも大きいと判定された場合には、圧縮抜けが発生していると判定される(ステップ108)。この場合には、次いで、圧縮行程噴射を選択して退避走行が行われ、また、警告灯(MIL)の点灯が行われる(ステップ110)。
以上説明した図2に示すルーチンによれば、隣接する2サイクルにおける第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差が上記所定値よりも大きいと判定された場合に、圧縮抜け(燃焼室14からのガス漏れ)が発生していると判定される。このような手法によれば、2つの異なる態様での燃料噴射の実行時の空燃比A/F1、A/F2の相対的な差に基づいて圧縮抜けの有無が判定される。このため、仮に空燃比センサ38に経年劣化が生じた場合であっても、その影響を受けずに圧縮抜けを正確に判定することが可能となる。
また、本実施形態では、隣接する2サイクル間において、吸気行程噴射と圧縮行程噴射との間で燃料噴射の態様を異ならせるようにしている。このため、運転条件が同一とみなせることで吸入空気量が同一になり、圧縮抜けによるガス量が同一になるとみなせる状況下において、2つの空燃比A/F1、A/F2を比較することができる。これにより、圧縮抜けを精度良く判定することが可能となる。
また、上記ルーチンによれば、圧縮抜けが発生していると判定された際に退避走行を行う場合には、圧縮行程噴射が選択される。排気弁22を介した圧縮抜けが発生している場合には、吸気行程噴射が行われるようになっていると、未燃状態の混合気が排気通路18側に抜けてしまう。その結果、上流触媒34等の溶損が生ずるおそれがある。従って、圧縮抜けが発生していると判定された際に圧縮行程噴射が選択されるようにすることで、上流触媒34等の溶損を回避しつつ、退避走行が行えるようになる。
ところで、上述した実施の形態1においては、圧縮抜けの判定処理を1気筒ずつ順番に行うものとしている。しかしながら、2つの異なる態様での燃料噴射の実行時の空燃比A/F1、A/F2の相対的な差に基づく圧縮抜けの判定処理は、1気筒ずつ順番に行う態様に限らない。すなわち、排気通路18の(排気マニホールド)の集合部に配置された空燃比センサ38には、所定の順序(爆発順序)で各気筒からのガスが規則正しく到達する。従って、空燃比センサ38に各気筒からガスが到達するタイミングに基づいて当該空燃比センサ38の現在の出力がどの気筒からのガスであるかを把握するようにしたうえで、圧縮抜けの判定処理を全気筒(もしくは複数の一部気筒)同時に行うようにしてもよい。また、上記判定処理を全気筒(もしくは複数の一部気筒)同時に行う場合において、他の気筒から流出するガスの影響をより受けにくくしつつ空燃比A/F1、A/F2を検出するために、排気通路18における(排気マニホールドの)各気筒の枝管部に空燃比センサをそれぞれ備えるようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が上記ステップ100〜108の一連の処理を実行することにより前記第1の発明における「ガス漏れ判定手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU40が上記ステップ110の処理を実行することにより前記第6の発明における「ガス漏れ時噴射態様設定手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図3および図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[実施の形態2のシステム構成]
図3は、本発明の実施の形態2における内燃機関50のシステム構成を説明するための図である。尚、図3において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図3に示す内燃機関50のシステムは、各気筒に対して、筒内圧力を検出する筒内圧センサ52をそれぞれ備えている点を除き、上記図1に示す内燃機関10のシステムと同様に構成されている。筒内圧センサ52は、ECU40の入力部に接続されている。
[実施の形態2における燃焼室からのガス漏れの判定手法]
空燃比センサ38は、筒内圧センサと比べると、応答性が良くない。このため、上述した実施の形態1における圧縮抜けの判定手法では、圧縮行程噴射を一定時間続けないと、第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差の判定を満足に行えない場合が生じ得る。また、排気弁22を介した圧縮抜けが発生した場合の第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差は、他の箇所が原因での圧縮抜けが発生した場合よりも小さい。このため、圧縮抜けにより筒内から抜けたガスの量の如何によっては、排気弁22を介した圧縮抜けが発生した場合の第1空燃比A/F1は、ストイキ近傍の値となる。その結果、この場合の第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との差は微小となり、圧縮抜けの判定が困難になる可能性がある。
そこで、本実施形態では、圧縮抜けの判定のために、空燃比センサ38の代わりに筒内圧センサ52を利用するようにした。そして、吸気行程噴射の実行時に筒内圧センサ52を用いて検出される筒内圧力に基づいて算出される発熱量Q(以下、「第1発熱量Q1」と称する)と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において圧縮行程噴射の実行時に筒内圧センサ52を用いて検出される筒内圧力に基づいて算出される発熱量Q(以下、「第2発熱量Q2」と称する)との比較結果に基づいて、圧縮抜け(燃焼室14からのガス漏れ)の有無を判定するようにした。より具体的には、本実施形態では、隣接する2サイクルにおいて、第1発熱量Q1と第2発熱量Q2とを取得したうえで、これらの第1発熱量Q1と第2発熱量Q2との差が所定値よりも大きい場合に、圧縮抜けが発生していると判定するようにした。
ここで、圧縮抜けが発生している場合に第1発熱量Q1と第2発熱量Q2との間に生ずる具体的な相違について、圧縮抜けの発生箇所毎に個別に説明を行う。尚、前提として、圧縮抜けの判定を行う際の燃料噴射量は、吸気行程噴射および圧縮行程噴射の何れの場合にも、筒内ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ)となるように調整されているものとする。
(排気弁を介した圧縮抜けが発生しているケース)
このケースでは、吸気行程噴射が行われている場合であれば、排気弁22を介して混合気が筒内から排気通路18に抜けることになる。その結果、圧縮抜けに伴う筒内ガスの空燃比の変化はなく、圧縮抜けが生じた気筒における燃焼は、理論空燃比下での燃焼(ストイキ燃焼)となる。一方、圧縮行程噴射が行われている場合であれば、排気弁22を介して空気のみが筒内から排気通路18に抜けることになる。その結果、圧縮抜けに起因して燃焼時の筒内ガスの空燃比がストイキよりもリッチとなるので、圧縮抜けが生じた気筒における燃焼は、リッチ燃焼となる。発熱量Qは、筒内の作動ガスの熱解離の影響等により、理論空燃比よりもリッチ側で最大となる。従って、ストイキ燃焼が行われる場合の第1発熱量Q1よりもリッチ燃焼が行われる場合の第2発熱量Q2の方が大きくなる。
(ピストンリングを介した圧縮抜けが発生しているケース)
このケースでは、排気弁22を介した圧縮抜けが発生しているケースと同様の理由によって、ストイキ燃焼が行われる場合の第1発熱量Q1よりもリッチ燃焼が行われる場合の第2発熱量Q2の方が大きくなる。
(吸気弁を介した圧縮抜けが発生しているケース)
このケースでは、吸気行程噴射が行われている場合であれば、吸気弁20を介して混合気が筒内から吸気通路16に抜けることになる。その結果、圧縮抜けに伴う筒内ガスの空燃比の変化はなく、圧縮抜けが生じた気筒における燃焼は、理論空燃比下での燃焼(ストイキ燃焼)となる。一方、圧縮行程噴射が行われている場合であれば、吸気弁20を介して空気のみが筒内から吸気通路16に抜けることになる。その結果、圧縮抜けに起因して燃焼時の筒内ガスの空燃比がストイキよりもリッチとなる。また、本実施形態では、吸気行程噴射、次いで圧縮行程噴射という順番でこれら2つの態様の燃料噴射を隣接する2サイクルにおいて実行する場合には、圧縮行程噴射が行われるサイクルにおいて吸入されるガスは、吸気行程噴射を行った1つの前のサイクルにおいて圧縮行程中に吸気通路16側に抜けた混合気を含む空気(通常よりもリッチなガス)となる。従って、これらの理由により、圧縮行程噴射が行われている場合には、圧縮抜けが生じた気筒における燃焼は、リッチ燃焼となる。このように、本ケースにおいても、ストイキ燃焼が行われる場合の第1発熱量Q1よりもリッチ燃焼が行われる場合の第2発熱量Q2の方が大きくなる。
圧縮抜けが生じていない場合であれば、本来、第1発熱量Q1と第2発熱量Q2とは同一の値となる。一方、圧縮抜けが発生している場合には、以上説明したように、上記3つのケースの何れにおいても、圧縮行程噴射の実行時の第2発熱量Q2は、吸気行程噴射の実行時の第1発熱量Q1と比べて相対的に大きな値となる。このため、第1発熱量Q1と発熱量Qとの差が所定値よりも大きい場合には、圧縮抜けが発生していると判定することが可能となる。
(実施の形態2における具体的処理)
図4は、本発明の実施の形態2における圧縮抜けの判定手法を実現するために、ECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンの起動時には、筒内ガスの空燃比がストイキとなるように燃料噴射量が調整された状態で、吸気行程噴射が行われているものとする。
図4に示すルーチンでは、先ず、吸気行程噴射が実行されている状況下において筒内圧センサ(CPS)52を用いて検出される筒内圧力に基づいて、第1発熱量Q1が算出される(ステップ200)。具体的には、各気筒において筒内圧力が順に検出されたうえで、各気筒の第1発熱量Q1が順に算出される。内燃機関50の燃焼時の筒内圧力と発熱量(熱発生量)との間には相関がある。このため、本ステップ200では、筒内圧センサ52およびクランク角センサ42を利用して、所定クランク角期間(燃焼期間)において、所定クランク角度毎に筒内圧センサ52を用いて筒内圧力Pが検出される。そして、この筒内圧力Pと、筒内圧力Pの検出時のクランク角度に基づいて算出される筒内容積Vと、筒内のガスの比熱比κとに基づいて、上記所定クランク角度毎に発熱量PVκが算出される。そして、上記所定クランク角期間における発熱量PVκの積算値として、第1発熱量Q1が算出される。
次に、燃料噴射弁30による燃料噴射時期(直噴噴射時期)が変更される(ステップ202)。具体的には、現在の吸気行程噴射から圧縮行程噴射に切り替えられる。次いで、上記ステップ202において圧縮行程噴射に切り替えられた後の初回のサイクルにおける第2発熱量Q2が、当該初回のサイクルにおいて筒内圧センサ52により検出される筒内圧力に基づいて、上記第1発熱量Q1の算出手法と同様の手法に従って気筒毎に順に算出される(ステップ204)。
次に、上記ステップ204において算出された第2発熱量Q2と上記ステップ200において算出された第1発熱量Q1との差が所定値よりも大きいか否かが気筒毎に判定される(ステップ206)。本ステップ206における発熱量Q1、Q2の差に関する所定値は、発熱量のばらつきによらずに圧縮抜けの発生の有無を判定し得る値として予め設定された値である。
上記ステップ206において、第2発熱量Q2と第1発熱量Q1との差が上記所定値よりも大きいと判定された場合には、本判定の対象となった気筒において圧縮抜けが発生していると判定される(ステップ208)。この場合には、次いで、上記ステップ110の処理と同様に、圧縮行程噴射を選択して退避走行が行われ、また、警告灯(MIL)の点灯が行われる(ステップ210)。
以上説明した図4に示すルーチンによれば、隣接する2サイクルにおける第2発熱量Q2と第1発熱量Q1との差が上記所定値よりも大きいと判定された場合に、圧縮抜け(燃焼室14からのガス漏れ)が発生していると判定される。このような手法によっても、2つの異なる態様での燃料噴射の実行時の発熱量Q1、Q2の相対的な差に基づいて圧縮抜けの有無が判定される。このため、仮に筒内圧センサ52に経年劣化が生じた場合であっても、その影響を受けずに圧縮抜けを正確に判定することが可能となる。
また、筒内圧センサ52の応答性は空燃比センサ38のそれと比べて良いので、発熱量Q1、Q2を速やかに算出して、2サイクル間の発熱量Q1、Q2の差異を短時間で判定可能となる。これにより、圧縮抜けの判定実施後に、圧縮抜けが生じていない場合には速やかに吸気行程噴射に復帰させることができる。更に、筒内圧力に基づいて算出される発熱量Q1、Q2には、筒内で燃焼したガス分のみが寄与する。このため、空燃比センサ38を利用した実施の形態1の判定手法のように、圧縮抜けにより筒内から抜けたガスの量が少ないことが原因となって、圧縮抜けの判定が困難となるという懸念をなくすことができる。つまり、圧縮抜けによるガス量の多寡にかかわらず、圧縮行程噴射の実行時の第2発熱量Q2と吸気行程噴射の実行時の第1発熱量Q1との差の比較が可能となる。これにより、圧縮抜けを高精度で判定することが可能となる。その他、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、筒内圧センサ52により検出される筒内圧力に基づく燃焼指標値として、発熱量Q1、Q2を利用した例について説明を行った。しかしながら、本発明において、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する燃焼指標値は、筒内圧センサにより検出される筒内圧力に基づいて算出可能な値であれば発熱量Qに限定されるものではなく、例えば、内燃機関のトルクであってもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、第1発熱量Q1が前記第3の発明における「第1燃焼指標値」に、第2発熱量Q2が前記第3の発明における「第2燃焼指標値」に、それぞれ相当している。また、ECU40が、上記ステップ200および204の処理を実行することにより前記第3の発明における「燃焼指標値算出手段」が、上記ステップ200〜208の一連の処理を実行することにより前記第3の発明における「ガス漏れ判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU40が上記ステップ210の処理を実行することにより前記第6の発明における「ガス漏れ時噴射態様設定手段」が実現されている。
ところで、上述した実施の形態1および2においては、隣接する2サイクルにおける、第1空燃比A/F1と第2空燃比A/F2との比較結果、または、第1発熱量Q1と第2発熱量Q2との比較結果に基づいて圧縮抜けの判定を行うようにしている。しかしながら、本発明において第1空燃比と第2空燃比、または第1燃焼指標値と第2燃焼指標値を取得するタイミングは、内燃機関の同一運転条件が維持されるタイミングであれば、必ずしも隣接する2サイクルに限定されるものではない。
また、上述した実施の形態1および2においては、筒内ガスの空燃比がストイキとなるように燃料噴射量が調整された運転条件下において、空燃比A/F1、A/F2、または発熱量Q1、Q2を取得するようにしている。しかしながら、本発明は、2つの異なる態様での燃料噴射の実行時の2つの空燃比または燃焼指標値の相対的な比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するものであるので、本発明の前提条件としての筒内ガスの空燃比条件は、吸気行程噴射および圧縮行程噴射のそれぞれの実行時に同一の値とされていれば、必ずしもストイキに限定されるものではない。
10、50 内燃機関
12 ピストン
12a ピストンリング
14 燃焼室
16 吸気通路
18 排気通路
20 吸気弁
22 排気弁
26 スロットルバルブ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 上流触媒
36 下流触媒
38 空燃比センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 クランク角センサ
52 筒内圧センサ

Claims (6)

  1. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記筒内から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記燃料噴射弁を用いた吸気行程噴射の実行時に前記空燃比センサを用いて検出される第1空燃比と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において前記燃料噴射弁を用いた圧縮行程噴射の実行時に前記空燃比センサを用いて検出される第2空燃比との比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
    を備え
    前記ガス漏れ判定手段は、隣接する2サイクルにおける、前記第1空燃比と前記第2空燃比との比較結果に基づいて、前記ガス漏れの判定を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記ガス漏れ判定手段は、前記第1空燃比と前記第2空燃比との差が所定値よりも大きい場合に、前記ガス漏れが発生していると判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサにより検出された前記筒内圧力に基づいて、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する燃焼指標値を算出する燃焼指標値算出手段と
    前記燃料噴射弁を用いた吸気行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第1燃焼指標値と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において前記燃料噴射弁を用いた圧縮行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第2燃焼指標値との比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
    を備え
    前記燃焼指標値は、発熱量であり、
    前記ガス漏れ判定手段は、前記第2燃焼指標値としての第2発熱量と、前記第1燃焼指標値としての第1発熱量との差が所定値よりも大きい場合に、前記ガス漏れが発生していると判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関の筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサにより検出された前記筒内圧力に基づいて、筒内ガスの空燃比の変化に応じて変化する燃焼指標値を算出する燃焼指標値算出手段と
    前記燃料噴射弁を用いた吸気行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第1燃焼指標値と、当該吸気行程噴射の実行時と同一運転条件下において前記燃料噴射弁を用いた圧縮行程噴射の実行時に前記燃焼指標値算出手段を用いて算出される第2燃焼指標値との比較結果に基づいて、燃焼室からのガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段と、
    を備え、
    前記燃焼指標値は、内燃機関のトルクであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 前記ガス漏れ判定手段は、隣接する2サイクルにおける、前記第1燃焼指標値と前記第2燃焼指標値との比較結果に基づいて、前記ガス漏れの判定を行うことを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記ガス漏れ判定手段によって前記ガス漏れが発生していると判定された場合に、前記圧縮行程噴射を選択するガス漏れ時噴射態様設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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