JP5498497B2 - (1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの製造方法 - Google Patents

(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5498497B2
JP5498497B2 JP2011524412A JP2011524412A JP5498497B2 JP 5498497 B2 JP5498497 B2 JP 5498497B2 JP 2011524412 A JP2011524412 A JP 2011524412A JP 2011524412 A JP2011524412 A JP 2011524412A JP 5498497 B2 JP5498497 B2 JP 5498497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
hexahydrofuro
benzyl
furan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011524412A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012501316A (ja
Inventor
ウイゲリンク,ピエ・トム・ベール・ポール
スールロー,ドミニク・ルイ・ネストール・ギスラン
ベルシユエレン,ビム・ガストン
ド・コク,ヘルマン・アウグステイヌス
エルテルマン,ビム・アルベール・アレクス
Original Assignee
ヤンセン・アールアンドデイ・アイルランド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=40786641&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP5498497(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by ヤンセン・アールアンドデイ・アイルランド filed Critical ヤンセン・アールアンドデイ・アイルランド
Publication of JP2012501316A publication Critical patent/JP2012501316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5498497B2 publication Critical patent/JP5498497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

発明の分野
本発明は、(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの製造方法ならびに該方法において用いるための新規な中間体に関し、その方法は工業的大規模化に従順(amenable)である。
背景
後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こすウイルスは、T−リンパ球ウイルスIII(HTLV−III)又はリンパ節症−関連ウイルス(LAV)又はAIDS−関連ウイルス(ARV)又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含む種々の名前により知られている。今日までに2つの異なるファミリー(family)、すなわちHIV−1及びHIV−2が同定されている。下記では、これらのウイルスを総称的に示すためにHIVを用いる。
レトロウイルス生活環における決定的な経路の1つは、レトロウイルスプロテアーゼによるポリたんぱく質前駆体のプロセシングである。例えばHIVウイルスの複製サイクルの間に、gag及びgag−pol遺伝子転写産物はタンパク質として翻訳され、それは続いてウイルスによりコードされるプロテアーゼによりプロセシングされてウイルス酵素及びウイルスコアの構造タンパク質を与える。最も普通には、gag前駆体タンパク質はコアタンパク質にプロセシングされ、pol前駆体タンパク質はウイルス酵素、例えば逆転写酵素及びレトロウイルスプロテアーゼにプロセシングされる。感染性ビリオンの集合には、レトロウイルスプロテアーゼによる前駆体タンパク質の正しいプロセシングが必要であり、かくしてレトロウイルスプロテアーゼを抗ウイルス治療のための魅力的な標的としている。特にHIV処置のために、HIVプロテアーゼは魅力的な標的である。
いくつかのプロテアーゼ阻害剤が市販されており、且つ開発中である。ヒドロキシエチルアミノスルホンアミドHIVプロテアーゼ阻害剤、例えば4−アミノベンゼンヒドロキシエチルアミノスルホンアミドは、野生型及び突然変異HIVウイルスに対して好ましい薬理学的及び薬物動態学的性質を有すると記載されている。アンプレナビル(amprenavir)は、この4−アミノベンゼンヒドロキシエチルアミノスルホンアミドの種類のプロテアーゼ阻害剤の商業的に入手可能な代表的なものである。アンプレナビルの合成方法は、特許文献1(Glaxo Group Ltd.)に記載されている。
特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6ならびに非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3に記載されている方法に従って4−アミノベンゼンヒドロキシエチルアミノスルホンアミドを製造することもでき、これらの文献のすべては引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる。
レトロウイルス感染の処置のための人間への臨床的使用のために米国で承認された1つのプロテアーゼ阻害剤は、USAN承認名ダルナビル(darunavir)を有する化合物であり、化学名(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3a
S,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル及び式(A):
Figure 0005498497
の構造を有する。ダルナビルは、臨床においてそのエタノラート溶媒和物誘導体の形態で用いられる。
ダルナビルの製造に適した方法は、特許文献4(USA,The Secretary,Dpt.of Health and Human Services)及び特許文献3(USA,The Secretary,Dpt.of Health and Human Services and The Board of Trustees of the University of Illinois)中ならびに特許文献7(Tibotec N.V.)及び特許文献8(Tibotec Pharmaceuticals)中に開示されている。
特許文献9(Ajinomoto KK)は、結晶性ベンゼンスルホンアミド誘導体の製造方法に関する。特にそれは、ダルナビルの製造のために興味深い中間体である(2R,3S)−N−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル)−N−イソブチル−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドのための結晶化を与える。
化学的経路が工業的規模に適したものであるために、それは許容され得る収率及び純度で化合物を製造しながら、実施が容易且つ簡単であり、ならびに原価効率が高くなければならない。従って、工業的規模での使用に従順なダルナビルの合成のための新規な方法が見出された。
国際公開第99/48885号パンフレット 欧州特許第715618号明細書 国際公開第99/67254号パンフレット 国際公開第99/67417号パンフレット 米国特許第6,248,775号明細書 国際公開第2007/060253号パンフレット 国際公開第03/106461号パンフレット 国際公開第2005/063770号パンフレット 欧州特許第1466896号明細書
Bioorganic and Chemistry Letters,Vol.8,1998年,pp.687−690 Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 14,2004年,959−963 J.Med.Chem.48,2005年,1813−1822
特に本発明は、ダルナビルならびに中間体、それらの溶媒和物、付加塩、多形相及び/又は擬似多形相(pseudopolymorphic forms)の工業的規模での製造のための簡単な方法を提供する。
該方法でさらに用いられる試薬は安全であり、且つ大量に利用可能である。さらに、該方法の各段階は制御可能な条件下において行われ、所望の化合物を最適な収率で与える。さらに、該方法の各段階は立体選択的に実施され、それは所望の化合物の純粋な立体異性体の合成を可能にする。ニトロ基を還元してアミノ基を形成することを含む方法の最後の段階は、所望の化合物を比較的純粋な形態で与え、伴う不純物が最少量なので、特に有利である。また、反応容器から中間化合物を取り出さずに、段階の多くを連続的に行うことができる。
本発明の他の目的及び利点は、添付の実施例と結び付けて理解される以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
発明の詳細な記述
本発明は、式(A)のダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相の製造方法に関し:
Figure 0005498497
その方法は:
(i)式(1):
Figure 0005498497
[式中、PGはアミノ保護基を示す]
の化合物を、N−ベンジル−イソブチルアミン、すなわち式(2):
Figure 0005498497
の化合物と反応させて式(3):
Figure 0005498497
の化合物を得、
(ii)式(3)の化合物を処理してPG保護基を除去して式(4):
Figure 0005498497
の化合物を得、
(iii)式(4)の化合物を(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体とカップリングさせて式(5):
Figure 0005498497
の化合物を得、
(iv)式(5)の化合物からN−ベンジル基を除去して式(6):
Figure 0005498497
の化合物を得、
(v)式(6)の化合物中にp−ニトロフェニルスルホニル基を導入して式(7):
Figure 0005498497
の化合物を得、
(vi)式(7)の化合物のニトロ基を還元してダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相を形成する
ことを含んでなる。
式(1)の化合物
式(1)の化合物は、
Figure 0005498497
[式中、PGはアミノ−保護基を示す]
である。
本明細書で用いられる「アミノ−保護基」という用語は、合成法の間に望ましくない副反応に対してアミノ官能基を遮断もしくは保護するために通常用いられるアミノ基上の1個もしくはそれより多い選択的に除去可能な置換基を指し、すべての通常のアミノ保護基を含む。アミノ−保護基の例には、ウレタン遮断基、例えばt−ブトキシ−カルボニル(「Boc」)、2−(4−ビフェニリル)プロピル(2)オキシカルボニル(「Bpoc」)、2−フェニルプロピル(2)オキシカルボニル(「Poc」)、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエチル(1)−オキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロピル(1)オキシカルボニル、2−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル(2)−オキシカルボニル(「Ddz」)、2−(p−5−トルイル)プロピル(2)オキシカルボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシ−カルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(メチルスルホニル)−エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)−エトキシカルボニル、9−フルオロエニルメトキシカルボニル(「Fmoc」)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロペ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンズイソキサリルメトキシ−カルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモ−エトキシカルボニル、2−エチニル(2)プロポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(「Z」又は「Cbz」)、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシ−カルボニル、α−2,4,5−テトラメチル−ベンジルオキシカルボニル(「Tmz」)、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシ−カルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、オルト−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシカルボニルなど;ベンゾイルメチルスルホニル基、ジチアスクシノイル(「Dts」)基、2−(ニトロ)フェニルスルフェニル基(「Nps」)、ジフェニルホスフィンオキシド基などが含まれる。用いられるアミノ−保護基の種類は、誘導体化されるアミノ基が続く反応の条件に安定であり、且つ適した時点に化合物の残りの部分を分裂させずに除去され得る限り、通常重大ではない。
アミノ保護基の追加の例には、フェニルアセチル、ホルミル(「For」)、トリチル(Trt)、アセチル、トリフルオロアセチル(TFA)、トリクロロアセチル、ジクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、ベンゾイル、tert
−アミルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル、2−フルフリルオキシ−カルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、フタリル又はフタルイミド、スクシニル、アラニル、ロイシル及び8−キノリルオキシカルボニル、ベンジル、ジフェニル−メチル、2−ニトロフェニルチオ、2,4−ジニトロフェニルチオ、メタンスルホニル、パラトルエン−スルホニル、N,N−ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、2−ヒドロキシベンジリデン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデン、2−ヒドロキシ−1−ナフチルメチレン、3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレン、シクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−エトキシ−カルボニルシクロペンチリデン、2−アセチルシクロヘキシリデン、3,3−ジメチル−5−オキシシクロヘキシリデン、ジフェニルホスホリル、ジベンジルホスホリル、5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イル−メチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、2−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、トリフェニルメチル、トリメチルシラン、フェニルチオカルボニル、パラニトロベンジルカルボニルが含まれる。
他のアミノ保護基には、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオ−キサンチル)]メチルオキシカルボニル;2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル;2−フェニルエチルオキシカルボニル;1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルオキシカルボニル;1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルオキシカルボニル;p−ニトロベンジルオキシカルボニル;2−(p−トルエンスルホニル)−エチルオキシカルボニル;m−クロロ−p−アシルオキシベンジルオキシカルボニル;5−ベンジルイソオキサゾリルメチル−オキシカルボニル;p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルオキシカルボニル;m−ニトロフェニルオキシカルボニル;o−ニトロベンジルオキシカルボニル;3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル;3,4−ジメトキシ−6−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル;N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル;t−アミルオキシカルボニル;p−デシルオキシベンジルオキシカルボニル;2,2−ジメトキシカルボニルビニルオキシカルボニル;ジ(2−ピリジル)メチルオキシカルボニル;2−フラニルメチルオキシカルボニル;ジチアスクシンイミド;2,5−ジメチルピロール;5−ジベンジルスベリル及びメタンスルホンアミドが含まれる。好ましいアミノ−保護基はBocである。
他の保護基にはベンジル;ジフェニルメチル(すなわちベンズヒドリル);トリチル(トリフェニルメチル);アルファメチル−ベンジル;4−メトキシベンジル;(4,4’−メトキシジフェニル)−メチル;2,4−ジメトキシベンジル;2−ヒドロキシベンジル;又は4−ニトロベンジル;2−ニトロベンジルが含まれ、そのような基はPd/C/エタノールを用いるか、あるいはアンモニウムホルムアミド/Pd/C/エタノール/酢酸を用いる水素化により除去され得;代わりとなる保護基は2,4−ジニトロ−ベンジルであり、それはアンモニア、ピペリジン、モルホリンのような塩基及びジメチルホルムアミド又はアセトニトリルのような極性溶媒を用いて除去され得る。
アミノ−保護基のさらに別の例は、有機合成及びペプチド技術分野において周知であり、例えばT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective
Groups in Organic Synthesis,2nd ed.,John Wiley and Sons,New York,Chapter 7,1991;M.Bodanzsky,Principles of Peptide Synthesis,1st and 2nd revised ed.,Springer−Verlag New York,1984及び1993;Stewart and Young,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.
,Pierce Chemical Co,Rockford,IL 1984;L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley
and Sons(1994);L.Paquette,ed.Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiely and Sons(1995)により記載されている。適したアミノ保護基は、国際公開第98/07685号パンフレットにも示されている。
好ましくは、式(1)の化合物は、PGがtert−ブチルオキシカルボニル又は「Boc」基である下記に示される式(1’)の化合物である。式(1)及び(1’)の化合物は商業的に入手可能であり、且つ例えば国際公開第95/06030号パンフレット(Searle &Co.)に記載されているような、欧州特許第0754669号明細書、欧州特許第1029856号明細書及び欧州特許第1067125号明細書中でKaneka Corporationにより記載されているような、ならびに欧州特許第1081133号明細書及び欧州特許第1215209号明細書中でAjinomoto KKにより開示されているような、文献において利用可能ないくつかの方法で製造され得る。
Figure 0005498497
式(1)の化合物を、式(2)の化合物を用いてエポキシド上のアミノ化に供し、式(3)の化合物を得る:
Figure 0005498497
本明細書で用いられる「アミノ化」という用語は、アミン、すなわち式(2)のN−ベンジル−イソブチルアミンを式(1)の有機分子中に導入するプロセスを指す。例えば下記に記載するような通常の方法で、式(1)の化合物のアミノ化を行うことができる。
好ましい態様において、式(1’)の化合物を式(2)のN−ベンジル−イソブチルアミンと反応させて式(3’)の化合物を与える:
Figure 0005498497
式(3’)の化合物は新規な化合物であり、本発明のさらなる側面を構成する。
従って本発明は、式(3’)の化合物を提供し:
Figure 0005498497
それはその別の立体異性体ならびに付加塩及び溶媒和物(水和物を含む)を含む。特に本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤の製造のため、さらに特定的にダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相の製造のための式(3’)の化合物を提供する。
エポキシドのアミノ化は、例えばMarch,Advenced Organic Chemistry 368−69(3rd Ed.1985)及びMcManus et
al.,3 Synth.Comm.177(1973)に記載されており、それらは引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる。
アミノ化法は一般に、1種もしくはそれより多い溶媒の存在下で行われる。適した溶媒には、プロトン性、非−プロトン性及び双極性非プロトン性有機溶媒、例えば溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのようなアルコール;ケトン、例えばアセトン;エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど;エステル、例えば酢酸エチル;アミン、例えばトリエチルアミン;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド;塩素化溶媒、例えばジクロロメタンならびに他の溶媒、例えばトルエン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及びそれらの混合物であるものが含まれる。好ましい溶媒はトルエンである。
例えば約−20℃〜約200℃の広範囲の温度に及んで反応を簡便に行うことができるが、必ずではないが好ましくは、溶媒が還流する温度、すなわち40℃〜100℃、より
好ましくは60℃〜90℃で反応を行う。
本発明の1つの態様において、アミノ化反応はN−ベンジル−イソブチルアミンを用いて、溶媒としてイソプロピルアルコール及び約82℃における約3時間の加熱を用いて行われる。
上記の方法で用いられるN−ベンジル−イソブチルアミンは通常の方法で、例えばベンズアルデヒドをイソブチルアミンと反応させて式(2’)のイミンを形成し、それを次いで還元して所望の式(2)の化合物を形成することにより、製造され得る:
Figure 0005498497
ベンズアルテヒドとイソブチルアミンの反応は、種々の条件下で、例えば以下の方法により:
(a1)メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジェルエーテル、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタンのような溶媒あるいはメタノール/ジクロロメタン、ベンゼン/エタノールのような溶媒混合物中で、室温と還流温度の間の温度において硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム又はトリエチルアミンを用いて;
(a2)エタノール、メタノール、イソプロパノール、水のような溶媒あるいはエタノール/水のような溶媒混合物中で、室温と還流温度の間の温度において水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムを用いて;
(a3)メタノール中で、室温と還流温度の間の温度において炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムを用いて;
(a4)ジクロロメタン中で室温においてモレキュラーシーブを用い、塩化アンモニウム塩として存在するアミンを用いて(Synthetic Communications,33:24,4331−4338);
(a5)ジクロロメタン中で室温において塩化チタン、トリエチルアミン及び硫酸ナトリウム無水物を用い、塩化アンモニウム塩として存在するアミンを用いて(Synthetic Communications,33:24,4331−4338);
(a6)メタノール中で、室温と55〜60℃の間の温度においてナトリウムメタノラート又はリチウムメタノラートを用いて;
(a7)メタノール又はエタノール中で、室温と還流温度の間の温度において、酢酸ナトリウムを用いて;
(a8)溶媒として、及び水の除去のためにオルトギ酸メチルを用いて;
(a9)トルエン又はキシレン中でp−トルエン−スルホン酸を用い、共沸蒸留により水を除去して;
(a10)溶媒としてトルエン又はキシレンを用い、共沸蒸留により水を除去して;
(a11)溶媒としてメタノール、エタノール又はジクロロメタンを用い、室温と還流温度の間の温度において;
(a12)水/エタノール、水/メタノール、メタノール/ジクロロメタン又はエタノー
ル/ジクロロメタンを含んでなる溶媒混合物を用い、室温と還流温度の間の温度において;あるいは
(a13)メタノール溶媒中でナトリウムを用いて
行うことができる。
ベンズアルデヒドとイソブチルアミンの反応は、例えばメタノールのような適した有機溶媒中で、一般的にわずかに高められた温度、例えば20〜50℃、好ましくは18〜36℃の範囲内の温度で、最も好適に行われる。
得られる式(2’)のイミン化合物を、次いで種々の還元法を用いて、例えば:
(b1)メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はアセトニトリル水溶液のような溶媒中で、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸又は塩酸のような酸の存在下に、ナトリウムボロハイドライド(必要なら四塩化ジルコニウム、塩化セリウム、四塩化チタン、塩化ニッケル、塩化パラジウム又はテトライソプロポキシチタンと組み合わせて)、リチウムボロハイドライド、カリウムボロハイドライド、リチウムアルミニウムボロハイドライド、亜鉛ボロハイドライド、アルキルボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライドアセテート、ナトリウムボロハイドライドトリアセテート、ナトリウムシアノボロハイドライド、リチウムシアノボロハイドライド又はボランを用いて;
(b2)メタノール、エタノール、イソプロパノール又はテトラヒドロフランを含んでなる溶媒中で、水素及びPd/C、RaNi、Pt/C又はPtOを含んでなる触媒を用いて;
(b3)酸媒体中で亜鉛を用いて;あるいはテトラヒドロフランを含んでなる溶媒中で亜鉛/CeCl又はCeCl.7HOを用いて;
(b4)ギ酸を用いて;
(b5)テトラヒドロフランを含んでなる溶媒中でN−ジブチル錫クロリドハイドライド−ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)錯体を用いて(JOC 1998,63,383−385);
(b6)エタノール中でナトリウムを用いて;
(b7)N,N−ジメチルホルムアミド中でナトリウムシアノボロハイドライド及び酢酸を用いて(JOC 2006,71(4),1322−1329);
(b8)テトラヒドロフラン又はジクロロメタンを含んでなる溶媒中で室温において、n−テトラブチルアンモニウムボロハイドライドを用いて(Tetrahedron Letters 42(2001)719−721);
(b9)メタノール又はベンゼンを含んでなる溶媒中でロジウム、イリジウムもしくはルテニウム−キラルホスフィン(例えばBINAP=2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)錯体及び水素化を用いて;
(b10)ベンゼン溶媒中で室温において、Red−Al(ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライド)又はDIBAL(ジイソブチルアルミニウムハイドライド)を用いて;
(b11)ジクロロメタン溶媒中でアミン−ボラン及び酢酸を用いて;
(b12)ジエチルエーテル/メタノールを含んでなる溶媒混合物中でナトリウムシアノボロハイドライド及び塩化亜鉛を用いて;
(b13)トリフルオロ酢酸の存在下でトリエチルシリルハイドライド又はジメチルフェニルシリルハイドライドを用いて;あるいは
(b14)電子伝達体としてのナフタレン又はDTBB(4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−1,1’−ビフェニルの存在下で塩化ニッケル−リチウム−(例えばポリマー担持)アレン触媒を用いて(Chemical Society Reviews,2004,33,284−293)
還元し、式(2)の化合物を形成することができる。
得られる式(2’)のイミン化合物は、例えば簡便にはメタノールのような有機溶媒中で、例えば0〜5℃の低温で、ナトリウムボロハイドライドを用いる処理により、最も好適に還元される。
式(4)の化合物は、通常の酸性条件下で式(3)の化合物を脱保護することにより得られる。あるいはまた、塩基性条件を適用することができる。
Figure 0005498497
好ましい態様において、式(3’)の化合物の脱保護により、式(4)の化合物を製造することができる。
Figure 0005498497
式(4)の化合物は新規な化合物であり、本発明のさらなる態様を構成する。
従って本発明は式(4)の化合物を提供し:
Figure 0005498497
それはその別の立体異性体ならびに付加塩及び溶媒和物(水和物を含む)を含む。特に本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤の製造のため、さらに特定的にダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相の製造のための式(4)の化合物を提供する。
分子の残りの部分に影響を与えないであろう条件を用いて、アミノ−保護−基の除去を達成することができる。これらの方法は当該技術分野において周知であり、酸加水分解、水素化分解などを含み、かくして適した溶媒中で通常の既知の酸を用いる。
アミノ保護基の除去において用いられる酸の例には、無機酸、例えば塩化水素、硝酸、塩酸、硫酸及びリン酸;有機酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸;ルイス酸、例えば三フッ化ホウ素;酸性カチオン性イオン−交換樹脂、例えばDowex 50WTMが含まれる。これらの酸の中で、無機酸及び有機酸が好ましい。塩酸、硫酸、リン酸及びトリフルオロ酢酸がより好ましく、塩酸が最も好ましい。
式(3)及び(3’)の中間体の脱保護の間に用いられる溶媒は特に制限されず、但しそれは反応に悪影響を有しておらず、且つ出発材料を少なくともいくらかの程度まで溶解する。適した溶媒は、脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン及び石油エーテル;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン;ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及びジクロロエタン;エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及び1,2−ジメトキシエタン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノール;エステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル及びプロピオン酸エチル;ニトリル、例えばアセトニトリル;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド及びそれらの混合物である。芳香族炭化水素、アルコール及びエステルが好ましい。溶媒としてアルコール及び水がより好ましく、そして水、イソプロパノール、エタノール及びメタノールが特に好ましく、エタノールが最も好ましい。
用いられる反応温度は、出発材料、溶媒及び酸の性質のような種々の因子に依存する。しかしながら、それは通常−20℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜100℃であり、さらにもっと好ましくは還流の温度である。
アミノ保護基からアミンを脱保護するための試薬及び方法の例は、さらに、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となるProtective Groups in Organic Synthesis by Theodora W.Greene,New York,John Wiley and Sons,Inc.,1981において見出され得る。
当該技術分野における熟練者が認識するであろう通り、方法の前の段階において用いられるアミノ保護基の選択は、該アミノ保護基の除去において用いられる試薬及び方法を指図する。
式(4)の化合物を(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体とカップリングさせることにより、式(5)の化合物が得られる:
Figure 0005498497
式(5)の化合物は新規な化合物であり、従って本発明のさらなる態様を構成する。
従って本発明は式(5)の化合物を提供し:
Figure 0005498497
それはその別の立体異性体ならびに付加塩及び溶媒和物(水和物を含む)を含む。特に本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤の製造のため、さらに特定的にダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相の製造のための式(5)の化合物を提供する。
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール及びその前駆体を含んでなる上記の反応で用いられる(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体は、国際公開第03/022853号パンフレットに記載されている通りに合成され得る。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール及びその前駆体は、カップリンリグ剤を用いて適切に活性化されて(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体を生じ、それは式(4)の化合物を用いるカルバモイル化を経ることができる。カップリング剤を用いる(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール及びその前駆体の活性化は、好ましくは式(4)の化合物とのカップリングの前に行われる。該(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール及びその前駆体の活性化及び式(4)の化合物へのそれらのカップリングは、活性化された中間体の単離が必要でないために、一−容器法である追加の利点を有する。
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの前駆体は、アルコール官能基の酸素がO−保護基、例えばt−ブチルエーテル(「Boc」)、アセテート、ベンジル基、ベンジルエーテル、アリル、シリル保護基、例えばter
t−ブチルジメチルシリル(TBS)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、アルコキシアルキル基、例えばメトキシエトキシメチル(MEM)、メトキシメチル(MOM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロピラニル(THE)などで保護されている化合物である。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの前駆体が用いられる場合、カップリングの前か又はその場で脱保護を行うことができる。酸性又は塩基性条件においてアルコール保護基の除去を達成することができ、酸性条件が好ましい。保護基は当該技術分野において周知であり、例えばGreene,T.W.Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Inc.New York,1991を参照されたい。
あるいはまた、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールのラセミ体混合物の動的ジアステレオ選択的分割を介して、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール及びその前駆体を得ることができる。そのような場合、適した溶媒及び試薬、例えば無水酢酸及び酢酸ビニルの存在下で、ラセミ体混合物を、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセア(candida cylindracea)、パンクレアチンなどのようなある種の酵素の作用に供する。この代わりの経路は、所望の(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールエナンチオマーのその場製造を可能にし、それを簡便に一−容器法において活性化することができ;望ましくない立体異性体は遮断されるか又は不活性にされる。
カルバモイル化反応において用いられるカップリング剤の例は、カーボネート、例えばビス−(4−ニトロフェニル)カーボネート、ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)である。他のカップリング剤には、p−ニトロフェニルクロロホルメートのようなクロロホルメート、ホスゲン及びトリホスゲンのようなホスゲンが含まれる。
特に、ジスクシンイミジルカーボネートを用いて(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを処理する場合、1−([[(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]−カルボニル]オキシ)−2,5−ピロリジンジオンが得られる。該化合物は、好ましい(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体である。
Figure 0005498497
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールとジスクシンイミジルカーボネートとの反応は、例えばフラン−3−オール化合物をアセトニトリルのような適した溶媒中に溶解し、トリエチルアミンのような塩基を加え、続いてジスクシンイミジルカーボネートを加え、温度を好ましくは35℃より低く保つことにより行われ得る。反応混合物を、好ましくは約20℃の温度で約3時間撹拌する。
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体と式(4)の化合物との反応は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジオキサン、ジクロロメタン又はクロロホルムのような適した溶媒の存在下に、
場合によりトリエチルアミンのような塩基を用いて行われるであろうが、本明細書上記で開示した溶媒及び塩基からの別の組み合わせも具体化される。
溶媒の中で、好ましい溶媒は非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどであり、ジメチルホルムアミドが特に好ましい。反応は、好ましくはトリエチルアミンのような塩基の存在下で行われ、好ましくは7〜8のpHを達成する。
カルバモイル化反応は、−70℃〜40℃、好ましくは−10℃〜20℃、特に15〜18℃の温度で適切に行われる。
式(5)の化合物からN−ベンジル基を除去することにより、式(6)の化合物を得ることができる:
Figure 0005498497
式(6)の化合物は、特許明細書、国際公開第2004/016619号パンフレット、国際公開第2005/110428号パンフレット、国際公開第2005/087728号パンフレット、国際公開第2007/060249号パンフレット及び国際公開第2007/060253号パンフレットにおいて開示されている。
通常の方法で、例えば以下の方法のいずれかにより:
(c1)Pd/C又はPd(OH)触媒の存在下に、場合によりギ酸、酢酸又は塩酸のような酸の存在下に、場合により炭酸カリウム又はヒドラジン水和物のような塩基の存在下に、場合によりリン酸水素ナトリウム又はアンモニウムホルムアミドの存在下に、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、シクロヘキセン又はシクロヘキサジエンを含んでなる溶媒中で、室温又は高められた温度において、且つ場合により大気圧又は過圧下で水素を用いて;
(c2)ナトリウム及びアンモニアを用いて;
(c3)tert−ブタノール又はテトラヒドロフランのような溶媒中でリチウム及び塩基、例えばエチルアミン、ビスメチルアミン又はトリエチルアミンを用いて;あるいは
(c4)室温においてポリメチルヒドロシロキサン、Pd(OH)及びエタノール溶媒を用いて
N−ベンジル保護基の除去を行うことができる。
N−ベンジル保護基の除去は、メタノールのような適した有機溶媒中で、高められた温度、好ましくは20〜50℃においてPd/Cを用いる接触還元により最も好適に行われる。
式(7)の化合物は、式(6)の中間体中にスルホニル部分、p−ニトロベンゼン−SO−を導入することにより製造される:
Figure 0005498497
式(7)の化合物は、J.Med.Chem.48,2005年,1813−1822において開示されている。
従って、式(6)の化合物をスルホニル化剤と反応させて、式(7)の化合物を得ることができる。
本明細書で用いられる「スルホニル化」という用語は、式(6)の有機分子中にp−ニトロベンゼン−スルホニル部分を導入するプロセスを指す。本明細書で用いられる「スルホン化」という用語は、スルホニル化剤が製造されるプロセスを指す。「スルホニル化剤」という用語は、p−ニトロベンゼン−スルホニル誘導体、例えばp−ニトロベンゼンスルホニルハロ誘導体を指し;本明細書で用いられる「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードの総称である。
スルホニル化剤、そして特にp−ニトロベンゼンスルホニルハロ誘導体は、注意深く制御された条件下で、水の存在下に、塩素を用いてチオールを塩化スルホニルに酸化することにより、製造され得る。さらにスルホン酸を、PClのような試薬を用いてスルホニルハライドに、及びまた適した脱水剤を用いて無水物に転換することができる。今度は代わってスルホン酸は、当該技術分野において周知の方法を用いて製造され得る。そのようなスルホン酸は、商業的に入手可能でもある。E.E.Gilbertによる“Sulfonation and Related Reactions”,R.E.Krieger Publishing Co.Huntington,N.Y.(1977)、H.Cerfontainによる“Mechanistic Aspects of Aromatic Sulfonation and Desulfonation”,Interscience Publishers,New York(1968)及び米国特許第6455738号明細書,“Process for the sulfonation of an aromatic compound”に記載されているスルホン化法によりスルホニル化剤を同様に製造することができ、これらの文献は引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる。
スルホニル化剤を用いる式(6)の化合物の処理は、溶媒の存在下に、初期反応の間は温度を好ましくは0〜5℃に保ち、次いで温度を好ましくは約20℃に保持して行われ得る。スルホニル化の後、残るスルホニル化剤又は塩を、必ずではないが、好ましくは反応混合物から除去する。水を用いて繰り返される洗浄、pHの変化、有機相と水相の分離、限外濾過、逆浸透、遠心及び/又は濾過などにより、この除去を行うことができる。
式(7)の化合物は、アルカリ性条件下に、適した溶媒中で、スルホニル化剤を式(6)の化合物と反応させることにより製造され得る。適したアルカリ性条件は、通常の非−求核性無機もしくは有機塩基及び/又は酸掃去剤を含む。通常の非−求核性無機もしくは
有機塩基には、例えばアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩あるいはアルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウム及び金属アミド、例えばナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド又はカリウムヘキサメチルジシラジドならびに金属アルカン、例えばナトリウムメチレート、ナトリウムエチレート、カリウムtert−ブチレート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウムならびにまた塩基性有機窒素化合物、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンのようなトリアルキルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネ−5−エン(DBN)又は1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−ウンデセ−7−エン(DBU)が含まれるか、あるいは過剰の適したピペリジン化合物を用いることができる。好ましくは、トリエチルアミンが用いられる。
上記の式(6)の化合物のスルホニル化において用いるのに適した溶媒には、例えばトルエン、酢酸エチル、塩化メチレン、ジクロロメタン及びテトラヒドロフランが含まれ、クロロホルムが特に好ましい。
所望の化合物、ダルナビルは、場合により水素雰囲気下で還元剤を用いる式(7)の化合物のニトロ部分の還元により得られる。
Figure 0005498497
ニトロ部分の還元に適した還元剤は、金属性還元試薬、例えばボラン錯体、ジボラン、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド−LiCl、アルミニウムリチウムハイドライド又はジイソブチル−アルミニウムハイドライド;金属、例えば鉄、亜鉛、錫など;ならびに遷移金属、例えばパラジウム−カーボン、酸化白金、ラネイ−ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどである。接触還元が適用される場合、水素源としてギ酸アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、ヒドラジンを用いることができる。
ニトロ部分の還元に適した溶媒は、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、エステル、例えば酢酸エチル、アミド、例えばジメチルホルムアミド、酢酸、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、ベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル(petrol ether)、1,4−チオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物から選ばれることができる。一般に、化学的還元法において用いることが可能ないずれの
溶媒を用いることもできる。
還元段階は0℃〜100℃の温度で行われ得、好ましい温度は10℃〜70℃、より好ましくは20℃〜60℃に含まれる。反応時間は30分〜2日間、より適切には1時間〜24時間の範囲であることができる。好ましい態様に従うと、還元段階は、酢酸エチル中に懸濁された木炭上のパラジウムを用いて行われる。
上記に示した製造のそれぞれにおいて、反応生成物、例えば式(3)、(3’)、(4)、(5)、(6)、(7)の化合物及び最終的な生成物ダルナビルを、当該技術分野において一般的に既知の方法、例えば抽出、結晶化、蒸留、磨砕及びクロマトグラフィーに従って、反応媒体から単離し、必要ならさらに精製することができる。
治療的使用のために、ダルナビルの塩は、対−イオンが製薬学的又は生理学的に許容され得るものである。しかしながら、製薬学的に許容され得ない対イオンを有する塩も、例えば製薬学的に許容され得る本発明の化合物の製造又は精製において用途を見出すことができる。製薬学的に許容され得ても許容され得なくても、すべての塩が本発明の範囲内に含まれる。
ダルナビルの製薬学的に許容され得る塩、すなわち水−、油−溶性もしくは分散性生成物の形態におけるダルナビルの製薬学的に許容され得る塩は、例えば無機もしくは有機酸もしくは塩基から生成する通常の無毒性の塩又は第4級アンモニウム塩を含む。そのような酸付加塩の例には酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレート及びウンデカン酸塩が含まれる。塩基塩にはアンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム及びマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えばジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンならびにアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩が含まれる。また、低級アルキルハライド、例えばメチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びヨーダイド;ジメチル、ジエチル、ジブチルのようなジアルキルサルフェート;ならびにジアミルサルフェート、長鎖ハライド、例えばデシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びヨーダイド、ベンジル及びフェネチル−ブロミドのようなアラルキルハライドならびに他のような薬剤を用いて、塩基性窒素−含有基を第4級化することができる。他の製薬学的に許容され得る塩には、サルフェート塩エタノラート及びサルフェート塩が含まれる。
「多形相」という用語は、結晶硬度、形及び寸法において異なる別個の構造を有する非晶質形態、多形相、結晶形態で存在するダルナビルの性質を指す。結晶学的方法により、又はそれぞれの特定の多形相に伴う物理的及び/又は化学的性質における相違の評価により間接的に、種々の結晶形を検出することができる。異なる多形相は、溶解度、溶解性(dissolution)、固体−状態安定性ならびに粉末流動性(powder flow)及び錠剤化の間の圧縮に関する加工挙動のような物理的性質において異なる。
「擬似多形相」又は「溶媒和物」という用語は、モル/モル基準で(on a mol/mol basis)且つ種々の溶媒和の程度において溶媒分子に捕獲されたか又は溶
媒分子と錯体化したダルナビル及びその塩の分子から成るアグリゲート(aggregates)を指す。
本発明に従う中間体は、それらの互変異性体においても存在し得る。そのような形態は、本明細書に記載される化合物中に明白に示されていないが、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
本明細書で言及する化合物及び中間体の純粋な立体異性体は、該化合物又は中間体の同じ基本的分子構造の他のエナンチオマーもしくはジアステレオマー形態を実質的に含まない異性体として定義される。特に「立体異性体的に純粋な」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰率(すなわち最小で90%の一方の異性体及び最大で10%の他方の可能な異性体)から最高で100%の立体異性体過剰率(すなわち100%の一方の異性体及び他方の異性体なし)を有する化合物又は中間体、さらに特定的には90%から100%までの立体異性体過剰率を有する、さらにもっと特定的には94%から100%までの立体異性体過剰率を有する、そして最も特定的には97%から100%までの立体異性体過剰率を有する化合物又は中間体に関する。「エナンチオマー的に純粋な」及び「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は、類似して理解されるべきであるが、その場合には問題の混合物のそれぞれエナンチオマー過剰率及びジアステレオマー過剰率に関する。
本発明の化合物及び中間体の純粋な立体異性体は、当該技術分野において既知の方法の適用により得ることができる。例えばエナンチオマーを、光学的に活性な酸もしくは塩基とのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により互いから分離することができる。その例は酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸及びショウノウスルホン酸である。あるいはまた、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー法によりエナンチオマーを分離することができる。該純粋な立体化学的異性体を、適した出発材料の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導することもでき、但し反応は立体特異的に起こる。好ましくは、特定の立体異性体が望まれる場合、該化合物は立体特異的な方法により合成されるであろう。これらの方法は、有利にはエナンチオマー的に純粋な出発材料を用いるであろう。
本発明の化合物及び中間体のジアステレオマー的ラセミ体を、通常の方法により別々に得ることができる。有利に用いることができる適した物理的分離法は、例えば選択的結晶化及びクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
ダルナビルならびに式(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)の中間体が少なくとも2個の不斉中心を含有し、かくして種々の立体異性体として存在し得ることは、当該技術分野における熟練者に明らかである。これらの不斉中心を、下記のダルナビルにおいて星印(*)を用いて示す。上記の中間体中に、対応する中心が存在する。
Figure 0005498497
ダルナビル及び本発明の中間体中に存在し得るそれぞれの不斉中心の絶対立体配置を、立体化学的記述字(descriptors)R及びSにより示すことができ、このR及びS表示法は、Pure Appl.Chem.45,1976年,11−30に記載されている規則に対応する。
本発明は、本化合物上に存在する原子のすべての同位体を含むことも意図されている。同位体は、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として且つ制限ではなく、水素の同位体はトリチウム及びジューテリウムを含む。炭素の同位体はC−13及びC−14を含む。
当該技術分野における熟練者に既知の通り、明細書全体を通じて用いられる試薬及び溶媒を、その機能性代替物又は機能性誘導体により置き換えることができる。撹拌時間、精製及び温度のような反応条件を調整して、反応条件を最適化することもできる。類似して、当該技術分野において一般的に既知の方法、例えば抽出、結晶化、磨砕及びクロマトグラフィーに従って、反応生成物を媒体から単離し、必要ならさらに精製することができる。前記の製造において用いられる中間体及び出発材料の複数は既知の化合物であるが、他は該化合物又は類似の化合物の製造の技術分野において既知の方法に従って製造され得る。
本発明は、本明細書に記載される中間体の使用により得られるHIVプロテアーゼ阻害剤及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相にも関し、ここでそのような化合物及び中間体は本発明において記載される通りに製造される。
本発明は、中間体として少なくとも1種の式(3’)、(4)又は(5)の化合物の使用により得られるダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤にも関する。
本発明は、ダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤の製造において使用するための式(3’)の化合物にも関する。
本発明は、ダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤の製造において使用するための式(4)の化合物にも関する。
本発明は、ダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤の製造において使用するための式(5)の化合物にも関する。
本発明は、式(3’)の化合物が用いられる、ダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤の製造方法にも関する。
本発明は、式(4)の化合物が用いられる、ダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤の製造方法にも関する。
本発明は、式(5)の化合物が用いられる、ダルナビル及びその製薬学的に許容され得る塩、多形相又は擬似多形相のようなHIVプロテアーゼ阻害剤の製造方法にも関する。
以下の実施例は本発明を例示することを意味している。実施例は本発明を例示するために示され、本発明の範囲を制限すると考えられるべきではない。
以下の実施例において、ガスクロマトグラフィー(GC)及び高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は、以下の系を用いて行われた:
ガスクロマトグラフィー:
カラム:Agilent HP−1 30mx320umx0.25um
キャリヤー:窒素,1.1ml/分
インジェクター温度:200℃
スプリット比 80:1
検出器温度:250℃
:30ml/分
Ai:400ml/分
:30ml/分
カラム温度:開始時(Start) 40℃
開始温度:4分
速度:10℃/分
末端(End):200℃
末端温度:5分
高圧液体クロマトグラフィー:
カラム:ZORBAX Eclipse XDB−C18 4.6x250mm,5μm;
速度:1.0mL/分(特定する場合を除く);
カラム温度:30℃
UV:210nm(特定する場合を除く);
移動相及び溶媒は、各化合物に関して特定される。
1)化合物(2)の製造
Figure 0005498497
a)50リットルのガラス−で内張りされた反応器中で、3.5kgのベンズアルデヒドを7.1kgのメタノール中に加え、次いで3.6kgのイソブチルアミンを加えた。混合物の温度が50℃より低く保たれるように、イソブチルアミンの添加速度を調節した。混合物を18〜36℃で2時間撹拌した。GC分析は、ベンズアルデヒドの含有率がGC面積により0.05%より低いことを示した;ベンズアルデヒドの保持時間:9.982分。溶媒を減圧下で除去した(<40℃/0.085MPa)。残るイミン(2’)は、GC面積含有率により98.5%純粋であった;保持時間:15.121分。
Figure 0005498497
b)15.4kgのメタノール中の段階a)で得られた残留物の溶液に、1.35kgのナトリウムボロハイドライド(NaBH)を0〜5℃において少しづつ加えた。混合物を1.5℃〜6.4℃において1.5時間、及び次いで約15℃において1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し(<40℃/0.085MPa)、12.5kgの水を加えた。次いで水相を22kgのメチル第3級ブチルエーテル(MTBE)で3回抽出した。有機相を11.4kgのブラインで洗浄し、1kgの硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。化合物(2)は反応器中で、純度がHPLC面積により95.6%の黄色がかった油,移動相:MeCN/15ミリモル/L KHPO 0.1%W/V TEA(50/50);保持時間:5.542分として得られ、方法の次の段階において直接用いた。
2)化合物(3’)の製造
Figure 0005498497
化合物(2)を8.3kgのイソプロピルアルコール中に溶解し、4kgの化合物(1’)
Figure 0005498497
を溶液に加えた;次いで混合物を82℃に3時間加熱した。過剰のメタノールを減圧下で除去した(<40℃/0.085MPa)。系中に4.8kgのMTBEを加え、混合物を室温で撹拌し、次いで温度を−5.9℃に下げた。生成物をMTBE中で再結晶し、化合物(3’)を、重量4.6kgのオフホワイト色の固体(収率70.7%,純度 HP
LC面積により99.6%,移動相:MeCN/15ミリモル/L KHPO 0.1%W/V TEA(80/20);保持時間:12.550分)として得た。生成物を分析し、以下の結果を得た。
元素分析:
C:理論値72.30% 測定値73.20%;H:理論値8.98% 測定値9.20%;N:理論値6.57% 測定値6.57%。
NMR分析:
分析のために、化合物をジュウテリウム化クロロホルム中に溶解した。
Bruker 5mm CPDUL 1H/2H−13C Z−GRD高分解能プローブ及びラニング(running)TOPSPIN 2.0ソフトウェアが備えられたBruker AVANCE−400MHz NMR分光計を用いて、1−次元(dimentional)プロトン及び炭素を集めた。
得られた1H及び13C NMRスペクトル及び以下の結果は生成物に関する共有結合構造(covalent structure)と一致する。
1H NMR(600MHz,クロロホルム−d)δppm 0.86(d,J=6.80Hz,3H)0.89(d,J=6.80Hz,3H)1.34(s,9H)1.51(br.s.,1H)1.77−1.85(m,1H)2.18−2.25(m,2H)2.44(dd,J=12.84,3.40Hz,1H)2.52(dd,J=12.46,10.20Hz,1H)2.78(br.s.,1H)2.87(dd,J=13.97,3.79Hz,1H)3.36(d,J=13.60Hz,1H)3.58(br.s.,1H)3.72(br.s.,1H)3.76(d,J=13.60Hz,1H)4.49(br.s.,1H)7.15(d,J=7.18Hz,2H)7.17(t,J=7.18Hz,1H)7.22−7.27(m,5H)7.31(t,J=7.55Hz,2H)
13C NMR(151MHz,クロロホルム−d)δppm 20.63(s,1C)20.93(s,1C)26.27(s,1C)28.33(s,3C)36.13(br.s.,1C)54.50(br.s.,1C)58.13(s,1C)59.48(s,1C)63.18(s,1C)69.10(br.s.,1C)79.20(br.s.,1C)126.18(s,1C)127.23(s,1C)128.27(s,2C)128.39(s,2C)129.19(s,2C)129.62(s,2C)138.17(s,1C)138.67(s,1C)155.49(br.s.,1C)
MS分析:
高分解能質量分析は、Q−Tof−2測定器上で、高性能液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化質量分析器(HPLC−ESI−MS)を用いて行われた。HPLC−ESI−MSにより生成物の分子量が確定され、それはさらに正確な質量測定により支持された。分子量は、m/z 427.3(M+H)において強いシグナルを示すESI質量スペクトルから明らかであった。正確な質量測定(427.2961)と計算される質量の間の差は0.1ppmである。
MS(ESI)m/z 427.3(M+H)
MS/MS(ESI)m/z 427.3(M+H),m/z 371.2(第3級ブチルの喪失),m/z 327.2(BOCの喪失),m/z 292.2,m/z 254.1,m/z 208.1,m/z 176.1,m/z 164.1,m/z 91.1。
3)1−([[(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル]−オキシ)−2,5−ピロリジンジオンの製造
Figure 0005498497
ガラスが内張りされた反応器中に、アセトニトリル(30%)中の17.7kgの(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを加え、次いで3.9kgのトリエチルアミンを加えた。反応温度を35℃より低く保ちながら、9kgの固体ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)を分けて加えた。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。温度を2℃に下げ、45kgの氷−水を反応器に加えた。沈殿が観察され、沈殿を濾過した。ケークを41kgのクロロホルム中に溶解し、水相を分離した。溶液を蒸発乾固し、残留物を含有する反応器に18.8kgの石油エーテルを加えた。混合物を0〜5℃で1時間撹拌した。得られる白色の沈殿を濾過し、約2kgの石油エーテルで濯いだ。1−([[(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル]オキシ)−2,5−ピロリジン−ジオンが、重量3.69kgのオフホワイト色の固体(収率 39.9%,純度 HPLC面積により68.7%,移動相:CHCN/15ミリモル/L NaHPO,HPOによりpH3.0(35/65);速度:0.8mL/分;保持時間:7.730分)として得られた。
4)化合物(4)の製造
Figure 0005498497
4.6kgの化合物(3’)を20kgのエタノール中に溶解し、2.8kgの36%塩酸を加えた。次いで溶液を78℃で4時間加熱し、次いで40℃に冷ました。トルエン(10kg)を加え、溶媒を減圧下で除去した(<40℃/0.085MPa)。化合物(4)が白色の固体(純度 HPLC面積により98.6%,移動相:MeCN/15ミリモル/L KHPO/0.1%W/V TEA(80/20);保持時間:6.106分)として得られ、それを方法の次の段階のために反応器中に保持した。
5)化合物(5)の製造
Figure 0005498497
前段階からの反応器中に保持された化合物(4)を20.4kgのジメチルホルムアミド中に溶解し、3.9kgのトリエチルアミンを加えて7〜8のpHを与え、次いで3.3kgの1−([[(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]カルボニル]オキシ)−2,5−ピロリジンジオンを混合物に加え、それを次いで15℃〜18℃で約5時間撹拌した。水をゆっくり加え、沈殿が観察された。沈殿を濾過し、ケークを71kgのクロロホルム中に溶解した。水相を分離した。減圧下で有機相からクロロホルムを除去した(<30℃/0.085MPa)。化合物(5)が白色のガラス状固体(純度 HPLC面積により96.4%,移動相:MeCN/15ミリモル/L KHPO/0.1%W/V TEA(60/40);保持時間:18.322分)として得られ、それを方法の次の段階のために反応器中に保持した。
6)化合物(6)の製造
Figure 0005498497
前段階からの反応器中に保持された化合物(5)を26kgのメタノール中に溶解した。1.36kgの湿潤(68%水)10%Pd/Cをエタノールで洗浄し、溶液に加えた。混合物を、0.5Mpaの水素下に約21℃〜46℃で約5.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を40℃で濃縮した。8kgのエタノール及び17kgの石油エーテルを残留物に加え、結晶化が起こり、化合物(6)が重量3.2kgのオフホワイト色の結晶性生成物(収率 73.34%,純度 HPLC面積により96.7%,移動相:MeCN/15ミリモル/L KHPO/0.1%TEA(W/V=60/40);保持時間:2.746分)として得られた。
7)化合物(7)の製造
Figure 0005498497
前段階で得られた3.2kgの化合物(6)を52kgのクロロホルム中に溶解し、3.0kgのトリエチルアミンを溶液に加えた。1.9kgのp−ニトロ−ベンゼンスルホニルクロリドを、0〜5℃において分けて混合物に加え、次いで20℃で4時間撹拌した。有機溶液を46.8kgの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回及び42kgの5%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで0.07kgの活性炭を用いて脱色した。濾液を65℃で濃縮した。粗生成物を、10kgの酢酸エチル及び17kgの石油エーテル中で再結晶した。化合物(7)が、重量4.12kgのオフホワイト色の固体(収率 84.6%,純度 HPLC面積により96.3%,溶媒:MeCN/水(50/50),移動相:MeCN/水(45/55),UV:215nm;保持時間:16.424分)として得られた。
8)ダルナビルの製造
Figure 0005498497
4.12kgの化合物(7)を30kgの酢酸エチル中に溶解した。1.35kgの湿潤(68%水)10%Pd/Cを酢酸エチルで洗浄し、溶液に加えた。混合物を、0.5Mpaの水素下に25.6℃〜57℃で約0.6時間撹拌した。混合物に0.31kgの活性炭を加え、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した(<25℃/0.085MPa)。15kgのエタノールを用いて残留物を再結晶した。ダルナビル(エタノラートとして)が重量2.9kgのオフホワイト色の固体(収率 73.6%,純度 HPLC面積により99.2%,溶媒:MeCN/水(50/50),移動相 MeCN/水(45/55),UV:215nm;保持時間:9.072分)として得られた。最終的な生成物をIR分光分析法により分析し、生成物の基準試料の参照スペクトルに対応するIRスペクトルを有することが決定された。

Claims (14)

  1. (i)式(1):
    Figure 0005498497
    [式中、PGはアミノ保護基を示す]
    の化合物を、N−ベンジル−イソブチルアミン、すなわち式(2):
    Figure 0005498497
    の化合物と反応させて式(3):
    Figure 0005498497
    の化合物を得、
    (ii)式(3)の化合物を処理してPG保護基を除去して式(4):
    Figure 0005498497
    の化合物を得、
    (iii)式(4)の化合物を(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体とカップリングさせて式(5):
    Figure 0005498497
    の化合物を得、
    (iv)式(5)の化合物からN−ベンジル基を除去して式(6):
    Figure 0005498497
    の化合物を得、
    (v)式(6)の化合物中にp−ニトロフェニルスルホニル基を導入して式(7):
    Figure 0005498497
    の化合物を得、
    (vi)式(7)の化合物のニトロ基を還元してダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相を形成する
    ことを含んでなる式(A)のダルナビルあるいはその溶媒和物、付加塩又は多形相もしくは擬似多形相の製造方法。
    Figure 0005498497
  2. ダルナビルをそのエタノラート溶媒和物の形態で得る請求項1に記載の方法。
  3. 式(1’)の化合物を式(2)のN−ベンジル−イソブチルアミンと反応させて式(3’)の化合物を与える:
    Figure 0005498497
    請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 式(3’)の化合物を続いて脱保護して式(4)の化合物を得る請求項3に記載の方法。
  5. 式(3)の化合物を処理してPG保護基を除去し、式(4)の化合物を得る:
    Figure 0005498497
    ことを含んでなる式(4)の化合物の製造方法。
  6. 式(3’)の化合物を処理してBoc保護基を除去し、式(4)の化合物を得る:
    Figure 0005498497
    ことを含んでなる請求項5に記載の方法。
  7. 式(3)の化合物を酸加水分解により処理して保護基を除去する請求項5又は請求項6に記載の方法。
  8. 式(4)の化合物を(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体とカップリングさせて式(5)の化合物を得る:
    Figure 0005498497
    ことを含んでなる式(5)の化合物の製造方法。
  9. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体が式:
    Figure 0005498497
    の1−([[(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシ]−カルボニル]オキシ)−2,5−ピロリジンジオンである請求項8に記載の方法。
  10. 式(5)の化合物からN−ベンジル基を除去する:
    Figure 0005498497
    ことを含んでなる式(6)の化合物の製造方法。
  11. N−ベンジル基の除去を、式(5)の化合物の接触還元により行う請求項10に記載の方法。
  12. 他の立体異性体及び付加塩及び溶媒和物(水和物を含む)を含む式(3’):
    Figure 0005498497
    の化合物。
  13. 他の立体異性体及び付加塩及び溶媒和物(水和物を含む)を含む式(4):
    Figure 0005498497
    の化合物。
  14. 他の立体異性体及び付加塩及び溶媒和物(水和物を含む)を含む式(5):
    Figure 0005498497
    の化合物。
JP2011524412A 2008-09-01 2009-09-01 (1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの製造方法 Active JP5498497B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP08163383.6 2008-09-01
EP08163383 2008-09-01
PCT/EP2009/061253 WO2010023322A1 (en) 2008-09-01 2009-09-01 Process for the preparation of (3r,3as,6ar)-hexahydrofuro [2,3-b] furan-3-yl (1s,2r)-3-[[(4-aminophenyl) sulfonyl] (isobutyl) amino]-1-benzyl-2-hydroxypropylcarbamate

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012501316A JP2012501316A (ja) 2012-01-19
JP5498497B2 true JP5498497B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=40786641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011524412A Active JP5498497B2 (ja) 2008-09-01 2009-09-01 (1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの製造方法

Country Status (12)

Country Link
US (1) US8580981B2 (ja)
EP (1) EP2346877B1 (ja)
JP (1) JP5498497B2 (ja)
CN (1) CN102131815B (ja)
AR (3) AR073248A1 (ja)
AU (1) AU2009286619B2 (ja)
BR (1) BRPI0917377B1 (ja)
CA (1) CA2734814C (ja)
ES (1) ES2519115T3 (ja)
MX (1) MX2011002259A (ja)
TW (1) TWI482775B (ja)
WO (1) WO2010023322A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8921415B2 (en) 2009-01-29 2014-12-30 Mapi Pharma Ltd. Polymorphs of darunavir
AU2010313085A1 (en) 2009-10-30 2012-05-31 Lupin Limited A novel process for preparation of darunavir and darunavir ethanolate of fine particle size
PL2528923T3 (pl) 2010-01-28 2015-01-30 Mapi Pharma Ltd Sposób wytwarzania darunawiru i pochodnych darunawiru
CN102584844B (zh) * 2011-01-11 2016-04-13 浙江九洲药业股份有限公司 一种达芦那韦晶型及其制备方法
CN102617586B (zh) * 2011-01-26 2016-04-06 浙江九洲药业股份有限公司 地瑞那韦中间体的制备方法
WO2013011485A1 (en) 2011-07-20 2013-01-24 Ranbaxy Laboratories Limited Process for the preparation of sulfonamides useful as retroviral protease inhibitors
EP2877474B1 (en) * 2012-07-24 2020-11-04 Laurus Labs Limited A process for preparation of darunavir
CN105315178B (zh) * 2014-07-09 2018-07-06 浙江九洲药业股份有限公司 达芦那韦相关物质及其制备方法
JP6435907B2 (ja) * 2015-02-16 2018-12-12 住友化学株式会社 ヘキサヒドロフロフラノール誘導体の製造方法

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5968942A (en) 1992-08-25 1999-10-19 G. D. Searle & Co. α- and β-amino acid hydroxyethylamino sulfonamides useful as retroviral protease inhibitors
WO1995006030A1 (en) 1993-08-24 1995-03-02 G.D. Searle & Co. Hydroxyethylamino sulphonamides useful as retroviral protease inhibitors
KR100411856B1 (ko) 1995-02-03 2004-05-20 카네카 코포레이션 α-할로케톤,α-할로히드린및에폭사이드의제조법
DK0920410T3 (da) 1996-08-23 2002-06-10 Gilead Sciences Inc Fremgangsmåde til fremstilling af cyclohexencarboxylatderivater
GB9805898D0 (en) 1998-03-20 1998-05-13 Glaxo Group Ltd Process for the sythesis of hiv protease inhibitors
DE69943266D1 (de) 1998-06-23 2011-04-21 Trustees For The University Of Illinois Board Of Arzneimittel zur behandlung von hiv-infizierten säugetieren
AU4828199A (en) * 1998-06-23 2000-01-10 Board Of Trustees Of The University Of Illinois, The Multi-drug resistant retroviral protease inhibitors and associated methods
CA2306741A1 (en) 1998-08-25 2000-03-02 Kazumi Okuro Process for the preparation of (2r, 3s)-3-amino-1,2-oxirane
AU2322600A (en) 1999-01-29 2000-08-18 Kaneka Corporation Processes for the preparation of (threo)-1,2-epoxy-3-amino-4-phenylbutane derivatives
KR100708221B1 (ko) 1999-08-31 2007-04-17 아지노모토 가부시키가이샤 에폭사이드 결정의 제조방법
US6455738B1 (en) 2000-07-13 2002-09-24 Rhodia Chimie Process for the sulfonation of an aromatic compound
US6764545B2 (en) 2000-12-12 2004-07-20 Ajinomoto Co., Inc. Production method of epoxide crystal
AP1758A (en) 2001-09-10 2007-07-30 Tibotec Pharm Ltd Method for the preparation of hexahydro-furo [2,3-b]furan-3-ol.
EP1466896A4 (en) 2001-12-28 2005-01-26 Ajinomoto Kk PROCESS FOR PRODUCING A CRYSTAL OF A BENZENESULFONAMIDE DERIVATIVE, AND A NEW CRYSTAL OF AN INTERMEDIATE PRODUCT OF SAID DERIVATIVE AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
EP3045460B1 (en) 2002-05-16 2019-04-17 Janssen Sciences Ireland Unlimited Company Pseudopolymorphic forms of a hiv protease inhibitor
PL375307A1 (en) 2002-08-14 2005-11-28 Tibotec Pharmaceuticals Ltd. Broadspectrum substituted oxindole sulfonamide hiv protease inhibitors
ME01059B (me) * 2003-12-23 2012-10-20 Janssen Sciences Ireland Uc Proces za pripremanje (3r,3as,6ar)-heksahidrofuro [2,3-b] furan-3-il (1s,2r)-3-[[(4-aminofenil) sulfonil] (izobutil) amino]-1-benzil-2- hidroksipropilkarbamata
PL1725566T3 (pl) 2003-12-23 2009-11-30 Janssen Sciences Ireland Uc Sposób wytwarzania (1s,2r)-3-[[(4-aminofenylo)sulfonylo](izobutylo)amino]-1-benzylo-2-hydroksypropylokarbaminianu (3r,3as,6ar)-heksahydrofuro-[2,3-b]furan-3-ylu
AU2005222435B2 (en) 2004-03-11 2012-03-15 Sequoia Pharmaceuticals, Inc. Resistance-repellent retroviral protease inhibitors
EP2422780A1 (en) 2004-05-07 2012-02-29 Sequoia Pharmaceuticals, Inc. Resistance-repellent retroviral protease inhibitors
TWI432438B (zh) 2005-11-28 2014-04-01 Tibotec Pharm Ltd 作為hiv蛋白酶抑制劑之經取代的胺基苯基磺醯胺化合物及衍生物
TWI385173B (zh) 2005-11-28 2013-02-11 Tibotec Pharm Ltd 作為hiv蛋白酶抑制劑之經取代的胺基苯基磺醯胺化合物

Also Published As

Publication number Publication date
TW201022276A (en) 2010-06-16
AR118270A2 (es) 2021-09-22
CA2734814A1 (en) 2010-03-04
CN102131815A (zh) 2011-07-20
US20110160468A1 (en) 2011-06-30
AR119702A2 (es) 2022-01-05
AU2009286619B2 (en) 2015-05-14
MX2011002259A (es) 2011-04-12
AR073248A1 (es) 2010-10-20
TWI482775B (zh) 2015-05-01
EP2346877A1 (en) 2011-07-27
CA2734814C (en) 2017-03-07
WO2010023322A1 (en) 2010-03-04
JP2012501316A (ja) 2012-01-19
AU2009286619A1 (en) 2010-03-04
BRPI0917377B1 (pt) 2022-04-19
ES2519115T3 (es) 2014-11-06
EP2346877B1 (en) 2014-08-20
US8580981B2 (en) 2013-11-12
CN102131815B (zh) 2014-10-15
BRPI0917377A2 (pt) 2015-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5498497B2 (ja) (1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルの製造方法
US7772411B2 (en) Process for the preparation of (3R,3aS,6aR)-hexahydrofuro [2,3-b] furan-3-yl (1S,2R)-3[[(4-aminophenyl) sulfonyl] (isobutyl) amino]-1-benzyl-2-hydroxypropylcarbamate
RU2376308C2 (ru) СПОСОБ ПОЛУЧЕНИЯ (3R, 3aS,6aR)-ГЕКСАГИДРОФУРО[2,3-b]ФУРАН-3-ИЛ(1S,2R)-3-[[(4-АМИНОФЕНИЛ)СУЛЬФОНИЛ](ИЗОБУТИЛ)АМИНО]-1-БЕНЗИЛ-2-ГИДРОКСИПРОПИЛКАРБАМАТА
RU2464266C2 (ru) СПОСОБЫ ПОЛУЧЕНИЯ ГЕКСАГИДРОФУРО[2,3-b] ФУРАН-3-ОЛА
JP3871705B2 (ja) エポキシドの合成方法
JP2010525029A (ja) N−イソブチル−n−(2−ヒドロキシ−3−アミノ−4−フェニルブチル)−p−ニトロベンゼンスルホニルアミド誘導体の製造方法
EP1670773B1 (en) Methods for the preparation of benzoxazole sulfonamide compounds and intermediates thereof
JP6201823B2 (ja) 4’−o−グルコシル−5−o−メチルビサミノールの製造方法
EP2643326B1 (en) Process for the preparation of (3R, 3aS, 6aR)-hexahydrofuro[2,3-b]furan-3-ol
TW201829419A (zh) 製備3-經取代5-胺基-6H-噻唑并[4,5-d]嘧啶-2,7-二酮化合物之方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5498497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250