実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
演出表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。
演出表示装置9の下方には、始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出されるとともに、入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される(なお、逆に、始動口スイッチ14aをフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチ14bを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。なお、この実施の形態では、始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、乱数回路からの乱数の抽出が行われ、特別図柄の変動表示が開始される。また、後述するように、始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて、後述する入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態にされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態に制御される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)で検出されるとともに、入賞確認スイッチ23b(例えば、フォトセンサ)によって検出される(なお、逆に、カウントスイッチ23をフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチ23bを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。なお、この実施の形態では、カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことにもとづいて、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞したことが検出されるとともに、ラウンドごとに大入賞口への入賞数が所定数(本例では、10個に達したか否か)の判定が行われる。また、後述するように、カウントスイッチ23による検出結果に加えて入賞確認スイッチ23bの検出結果にもとづいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて入賞確認スイッチ23bの検出結果にもとづいて、後述する入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30が設けられ、遊技球の入賞口29,30への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a(例えば、近接スイッチ)によって検出されるとともに、入賞確認スイッチ29b,30b(例えば、フォトセンサ)によって検出される(なお、逆に、入賞口スイッチ29a,30aをフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチ29b,30bを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。なお、この実施の形態では、後述するように、入賞口スイッチ29a,30aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ29b,30bの検出結果にもとづいて、入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。
なお、図3に示すように、入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30bのうち、少なくとも、入賞口29,30への入賞を検出する入賞確認スイッチ29b,30bについては、遊技枠側に取り付けられている。そのように構成することによって、この実施の形態のように遊技盤6が交換可能に構成されている場合に、遊技枠側に設けられた入賞確認スイッチ29b,30bについては、遊技盤6にかかわらず共通に用いることができ、遊技機のコスト削減を図っている。
なお、この実施の形態では、以下、入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30bを区別して指す場合に、それぞれ、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b、入賞確認3スイッチ29b、および入賞確認4スイッチ30bともいう。
各入賞口29,30は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。なお、各入賞口29,30に入賞した遊技球を入賞スイッチで検出する構成に代えて、遊技球が所定領域(例えばゲート)を通過したことを検出スイッチで検出する構成としてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。なお、この実施の形態では、遊技機に設けられている発光体をランプやLEDを用いて構成する場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、遊技機に設けられている発光体を全てLEDを用いて構成するようにしてもよい。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放は、決定されたラウンド数の最後のラウンドまで(例えば、15ラウンドまで)許容される。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りになる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図4を参照して説明する。図4は、遊技機を裏面から見た背面図である。図4に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図32に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。
次に、各入賞口の断面構造の具体例の一例として、始動入賞口14内の断面構造の具体例を説明する。なお、一例として始動入賞口14内の断面構造について説明するが、大入賞口や入賞口29,30についても、およそ同様の断面構造でカウントスイッチ23や入賞口スイッチ29a,30aが上流側に配置され、入賞確認スイッチ23b,29b,30bが下流側に配置されている。ただし、入賞口29,30に関しては、上流側に配置される入賞口スイッチ29a,30aと、下流側に配置される入賞確認スイッチ29b,30bとの距離が多少離れていても支障が生じる処理はないので、既に図3で説明したように、少なくとも、入賞確認スイッチ29b,30bについては遊技枠側に配置され、遊技機のコスト低減を図っている。
図5は、始動入賞口14内の断面構造の具体例を示す説明図である。図5に示すように、始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施の形態では、図5に示すように、始動入賞口14内で、始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、始動口スイッチ14aが上側に配置され、入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施の形態では、始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず始動口スイッチ14aで検出され、次いで入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施の形態では、始動口スイッチ14aとして近接スイッチを用い、入賞確認スイッチ14bとしてフォトセンサを用いる場合を示している。なお、始動口スイッチ14aおよび入賞確認スイッチ14bの検出方式は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとで異なる検出方式であれば、逆に始動口スイッチ14aとしてフォトセンサを用い、入賞確認スイッチ14bとして近接スイッチを用いてもよい。
図6は、遊技球を検出可能な検出手段の方式を説明するための回路図である。図6(A)には、始動口スイッチ14a(近接スイッチ)が示されている。始動口スイッチ14aの一方の端子には、電源基板910から+12V電源電圧が供給されている。始動口スイッチ14aの他方の端子の電圧レベルである検出信号は、主基板31に入力される。主基板31において、検出信号は、入力ドライバ回路から遊技制御用マイクロコンピュータの入力ポートに入力される。また、始動口スイッチ14aの出力側には、一端が接地されている抵抗RとコンデンサCが接続されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、始動口スイッチ14aからの出力がハイレベルであれば始動口スイッチ14aがオフ状態であると判断することができ、始動口スイッチ14aからの出力がローレベルであれば始動口スイッチ14aがオン状態であると判断することができる(すなわち、始動口スイッチ14aの出力は負論理となっている)。なお、検出信号のレベルを入力ドライバ回路で論理反転してから遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力するように構成してもよい。
図6(B)には、入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)が示されている。図6(B)に示すフォトセンサは、発光する発光ダイオード(LED)341と、受光して電流を出力するフォトトランジスタ342とで構成されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、入賞確認スイッチ14bからの出力(論理反転後の出力)がローレベルであれば入賞確認スイッチ14bがオフ状態であると判断することができ、入賞確認スイッチ14bからの出力(論理反転後の出力)がハイレベルであれば入賞確認スイッチ14bがオン状態であると判断することができる。
なお、この実施の形態では、フォトセンサとして反射型のフォトセンサが用いられるが、図6(C)における上段に示すように、発光素子(LED341)と受光素子(フォトトランジスタ342)とを入賞球経路を挟むように対向させて設置し、遊技球が発光素子からの光を遮ることによって受光素子が光を検出しなくなることによって、発光素子と受光素子との間を通過した遊技球を検出する透過型のフォトセンサを用いてもよい。透過型のフォトセンサを用いる場合に、図6(C)における下段に示すように、発光素子の光軸(図6(C)において黒丸で例示されている。)が、遊技球経路(入賞球経路)を通過する遊技球の中央部からずれるように、発光素子および受光素子を設置することが好ましい。光軸が遊技球の中央部に相当するように設置する場合に比べて、連続して通過する2つの遊技球の間隔が相対的に広い部分(図6(C)における「空隙」の部分)において遊技球を検知することができ、2つの遊技球を別個に検出しやすいからである。同様の理由で、図6(B)に例示する反射型のフォトセンサを用いる場合にも、発光素子からの光の反射点が遊技球の中央部からずれるように、発光素子および受光素子を設置することが好ましい。
図7は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図7には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560、制御用クロック生成回路111、および乱数用クロック生成回路112が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路509が内蔵されている。
ここで、制御用クロック生成回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路111により生成された制御用クロックCCLKは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路112は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路112により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路509から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ370)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路511が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、入賞確認1スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞確認2スイッチ23b、各入賞口スイッチ29a,30a、入賞確認3スイッチ29bおよび入賞確認4スイッチ30bからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図8は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図8に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号にもとづいて天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図9は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図9に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち高確中信号も出力される。
なお、図9に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち高確中信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、後述する賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
図10は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図10に示すように、入力ポート0のビット0,2〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23の検出信号、入賞口スイッチ29a,30aの検出信号、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b、入賞確認3スイッチ29b、および入賞確認4スイッチ30bの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0,2〜4には、それぞれ、始動口スイッチ14aの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図11は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図11に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に高確中信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号は、出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から高確中信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報が出力される。
なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号とフォトセンサ(入賞確認スイッチ29b,30b,23b,14b)からの検出信号との両方を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。また、コネクタCN10から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。
この実施の形態では、排出異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号を外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。また、排出異常や異常入賞も何らかの不正行為が行われないかぎり発生しないのであるから、排出異常や異常入賞のために専用のコネクタや半導体リレーを個別に設けることも効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、排出異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、例えば、この実施の形態では、始動入賞口14および大入賞口の両方の異常入賞を検出してセキュリティ信号を外部出力可能に構成しているが、始動入賞口14と大入賞口とのいずれか一方の異常入賞のみを検出して、セキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図12は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、ROM54に記憶されているセキュリティチェックプログラム54Aに従って、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。そして、クリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。このとき、チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行う(ステップS91)。また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS92)、ステップS15に移行する。なお、ステップS92で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、排出異常フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(始動口情報記憶タイマや、入賞情報記憶タイマ、セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路509を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。また、CPU56は、シリアル通信回路511を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。シリアル通信回路511を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路511の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。
次に、ステップS91のホットスタート処理について説明する。図13は、ホットスタート処理の処理例を示すフローチャートである。ホットスタート処理において、CPU56は、まず、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9101)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS9102)。
なお、この実施の形態では、排出異常が検出され排出異常フラグがセットされている場合には、ステップS9102の処理が実行されても排出異常フラグの内容はそのままバックアップRAMに残る。一方で、セキュリティ信号情報タイマの値はクリアされる。
また、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す高確中信号を、ターミナル基板160を介して外部出力することを許可する旨の高確中出力許可フラグをセットする(ステップS9103)。また、CPU56は、後述する入賞信号の出力時間を計測するための入賞情報記憶タイマをクリアする(ステップS9104)。すなわち、この実施の形態では、入賞情報記憶タイマの値は、電源バックアップされたRAM55に記憶され、電力供給が停止しても所定時間は保持されるのであるが、ステップS9104の処理が実行されることによって停電復旧時にクリアされる。このように、この実施の形態では、共通のホットスタート処理において、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とが実行可能に構成されており、処理ルーチンの共通化によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減している。
次に、タイマ割込処理について説明する。図14は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、入賞確認1スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞確認2スイッチ23b、入賞口スイッチ29a,30a、入賞確認3スイッチ29b、および入賞確認4スイッチ30bのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための異常入賞報知処理を行う(ステップS23)。
次いで、CPU56は、磁石センサから検出信号を入力したことにもとづいて磁石センサエラー報知を行う磁石センサエラー報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1〜3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路511を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には始動口スイッチ14aや、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a、入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。さらに、CPU56は、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す情報が設定された枠状態表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する枠状態出力処理を実行する(ステップS39)。その後、割込許可状態に設定し(ステップS40)、処理を終了する。
図15は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8または特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定処理を実行し、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。また、大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、ステップS36の特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。なお、「大入賞口の閉成条件」は、大入賞口内の上流側のカウントスイッチ23により検出された大入賞口への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達したことにもとづいて成立する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。なお、「大入賞口の閉成条件」は、大入賞口内の上流側のカウントスイッチ23により検出された大入賞口への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達したことにもとづいて成立する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図16は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211)。保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)となる数値データの読出元となる乱数値レジスタを特定する。
次いで、CPU56は、保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。次いで、CPU56は、特定した乱数回路509の乱数値レジスタから数値データを抽出するとともに、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、RAM55に形成されている保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。なお、ステップS213の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS214)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していない場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS52)、処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55において、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。そして、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。すなわち、CPU56は、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS213で抽出し保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブルとが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。次いで、CPU56は、大当り種別を決定するための大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1301)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS1302)。なお、セットされていれば、時短回数カウンタもリセットする。また、CPU56は、セットされていれば、高確中出力許可フラグをリセットする(ステップS1303)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1304)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には、大当り遊技の開始および通常大当りであることを指定する大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には、大当り遊技の開始および確変大当りであることを指定する大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には、大当り遊技の開始および小当り/突然確変大当りであることを指定する小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1305)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技や小当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。
また、CPU56は、開放回数カウンタ(大当り遊技中や小当り遊技中の大入賞口の開放回数をカウントするためのカウンタ)に開放回数をセットする(ステップS1306)。なお、この実施の形態では、大当り種別を区別することなく、開放回数カウンタには固定回数15回がセットされるものとする。なお、大当り種別に応じて異なる回数を開放回数カウンタにセットするようにしてもよい。例えば、通常大当りや確変大当りである場合には開放回数カウンタに15回をセットし、突然確変大当りである場合には開放回数カウンタに2回をセットするようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1307)。
また、ステップS1301で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1308)。時短回数カウンタの値が0でなければ(この場合、通常大当りとなったことにもとづいて時短状態に制御されるとともに時短回数カウンタがセットされている場合である)、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS1309)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS1310)、時短フラグをリセットする(ステップS1311)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1312)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS1313)。また、大入賞口開放前タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1314)。なお、小当りとなる場合には、小当り遊技の開始時に、ステップS1314において、変動表示を停止してから小当り遊技が開始されるまでに要する時間が大入賞口開放前タイマに設定される。また、小当り遊技中においては、大入賞口の各開放間のインターバル時間が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタに開放回数をセットする(ステップS1315)。なお、この実施の形態では、ステップS1315において、開放回数カウンタに15回がセットされる。なお、ステップS1306で大当り種別に応じて異なる回数がセットされる場合、例えば、突然確変大当りである場合に開放回数カウンタに2回がセットされる場合には、ステップS1315でも開放回数カウンタに2回をセットするようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS1316)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS1312のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS1317)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS29)について説明する。図19は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図20は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図23に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図21は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS131のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図22は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには普通電動役物作動時間として7秒を設定し、低ベース状態のときには普通電動役物作動時間として1.5秒を設定するものとする。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図23に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図23に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図23に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、低ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として1.5秒が設定されており、可変入賞球装置15が0.5秒間1回だけ開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする。また、図23に示す例では、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として7秒が設定されており、可変入賞球装置15が2.5秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、開放時間2.5秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする。なお、閉鎖時間(本例では1.0秒)は、所定のインターバル期間に相当する。したがって、この実施の形態では、図23に示す開放パターンに示される開放時間に従って可変入賞球装置15が物理的に開放されている状態と、開放パターンに示される閉鎖時間の間に可変入賞球装置15が閉鎖されている状態とが、可変入賞球装置15の開状態に相当する。
そして、CPU56は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図24は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS161のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。始動口スイッチ14aがオンとなっていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。始動口スイッチ14aがオンとなっていれば(ステップS164のY)、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS161のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図25は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0,2の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。なお、図25に示す前回ポートバッファ、ポートバッファ、およびスイッチオンバッファは、入力ポート0,2ごとに用意される。例えば、この実施の形態では、2つのスイッチオンバッファ1,2が用意されており、入力ポート0のスイッチの状態がスイッチオンバッファ1に設定され、入力ポート2のスイッチの状態がスイッチオンバッファ2に設定される。
図26は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0,2(図10参照)に入力されているデータを入力し(ステップS2101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS2102)。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS2103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS2104,S2105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0,2のデータを入力し(ステップS2106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS2108)。ステップS2103〜S2108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0,2から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS2109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS2111)、ステップS2108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS2112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、スイッチ正常/異常チェック処理を行う(ステップS2113)。
図27は、スイッチ正常/異常チェック処理を示すフローチャートである。図27に示すスイッチ正常/異常チェック処理において、CPU56は、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(ステップS2121)。そして、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける始動口スイッチ14aに対応するビット0の値が0であるか否か確認する(ステップS2122)。すなわち、始動入賞口14内の上部に設けられた始動口スイッチ14a(近接スイッチ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける始動口スイッチ14aに対応するビット0の値が0である場合(すなわち、始動口スイッチ14aがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ1の値を1増やす(ステップS2123)。
また、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(ステップS2124)。そして、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認1スイッチ14bに対応するビット4の値が1であるか否か確認する(ステップS2125)。すなわち、始動入賞口14内の下部に設けられた入賞確認1スイッチ14b(フォトセンサ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認1スイッチ14bに対応するビット4の値が1である場合(すなわち、入賞確認1スイッチ14bがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ1の値を1減らす(ステップS2126)。
そして、CPU56は、スイッチ用カウンタ1の値が所定値以上になっているか否か確認する(ステップステップS2127)。スイッチ用カウンタ1の値が所定値以上になっている場合には、CPU56は、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定し、排出異常が発生したことを示す排出異常フラグをセットする(ステップS2128A)。また、CPU56は、排出異常が発生したことの報知を指定する排出異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS2128B)。なお、この実施の形態では、CPU56は、スイッチ用カウンタ1の値が所定値として10以上となったことにもとづいて排出異常フラグがセットされ、情報出力処理(S31参照)において排出異常フラグがセットされていることにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。そして、遊技機の電源が再投入され初期化処理が実行されて排出異常フラグがリセットされるまで、セキュリティ信号が継続して外部出力される。
次いで、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおけるカウントスイッチ23に対応するビット0の値が1であるか否か確認する(ステップS2129)。すなわち、大入賞口内の上部に設けられたカウントスイッチ23(近接スイッチ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおけるカウントスイッチ23に対応するビット0の値が1である場合(すなわち、カウントスイッチ23がオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ2の値を1増やす(ステップS2130)。
また、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認2スイッチ23bに対応するビット5の値が1であるか否か確認する(ステップS2131)。すなわち、大入賞口内の下部に設けられた入賞確認2スイッチ23b(フォトセンサ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認2スイッチ23bに対応するビット5の値が1である場合(すなわち、入賞確認2スイッチ23bがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ2の値を1減らす(ステップS2132)。
そして、CPU56は、スイッチ用カウンタ2の値が所定値以上になっているか否か確認する(ステップステップS2133)。スイッチ用カウンタ2の値が所定値以上になっている場合には、CPU56は、大入賞口への排出異常が発生したと判定し、排出異常フラグをセットする(ステップS2134A)。また、CPU56は、排出異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS2134B)。なお、この実施の形態では、CPU56は、スイッチ用カウンタ2の値が所定値として10以上となったことにもとづいて、排出異常フラグがセットされ、情報出力処理(S31参照)において排出異常フラグがセットされていることにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。そして、遊技機の電源が再投入され初期化処理が実行されて排出異常フラグがリセットされるまで、セキュリティ信号が継続して外部出力される。
なお、ステップS2127,S2133の処理において、CPU56は、例えば、スイッチ用カウンタ1,2の値が10以上となったことにもとづいて、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定することに加えて、逆にスイッチ用カウンタ1,2の値が−10以下となったことにもとづいても、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定するようにしてもよい。この場合、スイッチ用カウンタ1,2の値がマイナス値となっていることを認識できないように構成されている場合には、例えば、スイッチ用カウンタ1,2の値のデフォルト値として10をセットするようにしておき、スイッチ用カウンタ1,2の値が0または20以上となったことにもとづいて、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、1つのスイッチ用カウンタ1,2のみを用いて始動入賞口14や大入賞口への排出異常を検出する場合を示したが、始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23の検出回数と入賞確認スイッチ14b,23bの検出回数とで異なるスイッチ用カウンタを用いてもよい。この場合、例えば、始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23のオン状態を検出するごとに第1スイッチ用カウンタの値を1加算するようにするとともに、入賞確認スイッチ14b,23bのオン状態を検出するごとに第2スイッチ用カウンタの値を1加算するようにすればよい。そして、ステップS2127,S2133では、第1スイッチ用カウンタの値と第2スイッチ用カウンタの値との差が所定値(例えば、10)以上であると判定したことにもとづいて、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定し、ステップS2128,S2134の処理を実行してセキュリティ信号を外部出力するようにすればよい。
また、例えば、始動入賞口14や大入賞口への排出異常に加えて、異常磁気エラー、異常電波エラー、通信エラーを検出した場合にもセキュリティ信号を出力するように構成する場合には、それぞれエラーの種類ごとに異なるエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、演出表示装置9に、エラーの種類ごとにそれぞれ異なるエラー画面を表示させるなどによりエラー報知を行えるようにしてもよい。
図28および図29は、スイッチ正常/異常チェック処理を説明するための説明図である。このうち、図28は、正常な状態におけるスイッチ正常/異常チェック処理の例を示しており、図29は、排出異常につながる不正行為が行われているときのスイッチ正常/異常チェック処理の例を示している。また、図28(A)および図29(A)は、始動入賞口14への排出異常の有無を検出する場合を示しており、図28(B)および図29(B)は、大入賞口への排出異常の有無を検出する場合を示している。
まず、始動入賞口14への排出異常の有無を検出する場合を説明する。図28(A)および図29(A)に示すように、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファのビット0は、そのビット0に対応する始動口スイッチ14a(近接スイッチ)によって遊技球が検出されると「0」になる。また、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット4は、そのビット4に対応する入賞確認1スイッチ14b(フォトセンサ)によって遊技球が検出されると「1」になる。スイッチが正常に動作し、かつ、不正行為(スイッチからの検出信号を不正にオン状態にしたり、オン状態の検出信号を不正にオフ状態にしたりする行為)を受けていない場合には、始動口スイッチ14aが入賞確認1スイッチ14bよりも上流側に配置されていることから、まず、始動口スイッチ14a(近接スイッチ)がオンし、次いで、入賞確認1スイッチ14b(フォトセンサ)がオンするはずである。従って、まず始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづいてスイッチ用カウンタ1の値が1加算されて1となり(ステップS2123参照)、次いで入賞確認1スイッチ14bがオンしたことにもとづいてスイッチ用カウンタ1の値が1減算されて0に戻る(ステップS2126参照)。よって、遊技球がスイッチを通過するときに、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファのビット0が「0」となるとともに、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット4が「1」となり、正常な動作状態であれば、カウントアップのタイミングにずれ(遊技球の通過タイミングのずれに相当)があるものの、図28(A)に示すように、スイッチ用カウンタ1の値は0に保たれる筈である。
しかし、電波による不正行為が行われた場合には、図29(A)に示すように、始動口スイッチ14aが1回オンする筈の期間に、電波により不正にオフ状態を割り込ませ、恰も始動口スイッチ14aが2回オンしたかのように認識させる不正行為が行われるおそれがある。例えば、図29(A)に示すように、負論理で入力される始動口スイッチ14aの場合、信号がローレベルとなってオン状態となっているときに、電波などにより不正にノイズをのせてハイレベルとしてオフ状態とさせるような行為が行われるおそれがある。従って、始動口スイッチ14aが1回だけオンとなったにもかかわらず、始動口スイッチ14aが2回に亘ってオンしたと誤認識させられてスイッチ用カウンタ1の値が合計で2加算されて2となる(ステップS2123が2回実行されることになる)。一方、下流側に配置されている入賞確認1スイッチ14bは、電磁式である始動口スイッチ14aとは検出方式が異なり、光学式のフォトセンサが用いられていることから、電波による不正行為の影響を受けない。そのため、図29(A)に示すように、始動口スイッチ14aで遊技球を1球検出した後に、少し遅れて入賞確認1スイッチ14b側で遊技球を検出されたときに、正常に入賞確認1スイッチ14bのオンを1回だけ検出して、スイッチ用カウンタ1の値を1減算して1とする(ステップS2126参照)。従って、電波による不正行為が行われた場合には、検出方式の異なる始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間で検出数に差が生じるのであるから、図29(A)に示すように、スイッチ用カウンタ1の値が0に保たれず、スイッチ用カウンタ1の値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて(始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間の検出誤差の累積値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて)、始動入賞口14への排出異常が発生したことを検出することができる。
次に、大入賞口への排出異常の有無を検出する場合を説明する。図28(B)および図29(B)に示すように、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット0は、そのビット0に対応するカウントスイッチ23(近接スイッチ)によって遊技球が検出されると「1」になる。また、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット5は、そのビット5に対応する入賞確認2スイッチ23b(フォトセンサ)によって遊技球が検出されると「1」になる。スイッチが正常に動作し、かつ、不正行為(スイッチからの検出信号を不正にオン状態にしたり、オン状態の検出信号を不正にオフ状態にしたりする行為)を受けていない場合には、カウントスイッチ23が入賞確認2スイッチ23bよりも上流側に配置されていることから、まず、カウントスイッチ23(近接スイッチ)がオンし、次いで、入賞確認2スイッチ23b(フォトセンサ)がオンするはずである。従って、まずカウントスイッチ23がオンしたことにもとづいてスイッチ用カウンタ2の値が1加算されて1となり(ステップS2130参照)、次いで入賞確認2スイッチ23bがオンしたことにもとづいてスイッチ用カウンタ2の値が1減算されて0に戻る(ステップS2132参照)。よって、遊技球がスイッチを通過するときに、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット0が「1」となるとともに、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット5が「1」となり、正常な動作状態であれば、カウントアップのタイミングにずれ(遊技球の通過タイミングのずれに相当)があるものの、図28(B)に示すように、スイッチ用カウンタ2の値は0に保たれる筈である。
しかし、電波による不正行為が行われた場合には、図29(B)に示すように、正論理であるカウントスイッチ23の信号がローレベルとなってオフ状態となっているときに、電波などにより不正にノイズをのせてハイレベルとしてオン状態とさせて、恰もカウントスイッチ23がオンしたかのように認識させる不正行為が行われるおそれがある。従って、例えば、図29(B)に示す例では、カウントスイッチ23が1回だけオンとなったにもかかわらず、カウントスイッチ23が2回に亘ってオンしたと誤認識させられてスイッチ用カウンタ2の値が合計で2加算されて2となる(ステップS2130が2回実行されることになる)。一方、下流側に配置されている入賞確認2スイッチ23bは、電磁式であるカウントスイッチ23とは検出方式が異なり、光学式のフォトセンサが用いられていることから、電波による不正行為の影響を受けない。そのため、図29(B)に示すように、カウントスイッチ23で遊技球を1球検出した後に、少し遅れて入賞確認2スイッチ23b側で遊技球を検出されたときに、正常に入賞確認2スイッチ23bのオンを1回だけ検出して、スイッチ用カウンタ2の値を1減算して1とする(ステップS2132参照)。従って、電波による不正行為が行われた場合には、検出方式の異なるカウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間で検出数に差が生じるのであるから、図29(B)に示すように、スイッチ用カウンタ2の値が0に保たれず、スイッチ用カウンタ2の値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて(カウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間の検出誤差の累積値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて)、大入賞口への排出異常が発生したことを検出することができる。
なお、不正に光を照射するなどの行為によって同様な不正行為が行われることも考えられる。この場合、入賞確認1スイッチ14bや入賞確認2スイッチ23bが1回オンする筈の期間に、光により不正にオフ状態を割り込ませ、恰も入賞確認1スイッチ14bや入賞確認2スイッチ23bが2回オンしたかのように認識させる不正行為が行われるおそれがある。しかし、この場合、逆に電磁式の始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23側では光による不正行為の影響をうけず正常に遊技球を検出できるのであるから、同様にスイッチ用カウンタ1,2の値が0に保たれず、スイッチ用カウンタ1,2の値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて(始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間の検出誤差の累積値、またはカウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間の検出誤差の累積値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて)、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したことを検出することができる。
また、この実施の形態では、スイッチ用カウンタ1,2の値が0に保たれていないこと(始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間に検出誤差が発生したこと、またはカウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間に検出誤差が発生したこと)にもとづいて直ちに排出異常と判定するのではなく、スイッチ用カウンタ1,2の値が所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて排出異常が発生したと判定している。そのように構成することによって、例えば、始動入賞口14内や大入賞口内で遊技球が球詰まり状態を起こした場合などを不正行為による排出異常と判定することを防止している。
図30は、始動入賞口14内で遊技球が球詰まり状態を起こした場合を示す説明図である。なお、図30では、一例として、始動入賞口14内で球詰まり状態が発生した場合を示しているが、大入賞口内で球詰まり状態が発生した場合についても同様に考えることができる。
図30に示すように、始動入賞口14内において、始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとは、上下に一定の距離をおいて配置されている。そのため、始動入賞口14に入賞した遊技球は、まず始動口スイッチ14aで検出された後、少し時間をおいて下流側の入賞確認1スイッチ14bで検出されることになる。図30に示すように、始動入賞口14内において遊技球が球詰まり状態を起こした場合には、始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの物理的な距離差によって、その検出数に差が生じた状態となる。この実施の形態では、図30に示すように、始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間で最大3個の検出誤差が生じるものとする。そこで、この実施の形態では、スイッチ用カウンタ1の値が、球詰まり状態における始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出誤差3個に対して十分余裕をもたせた所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて排出異常が発生したと判定することによって、始動入賞口14内で遊技球が球詰まり状態を起こした場合などを不正行為による排出異常と判定することを防止している。
なお、この実施の形態では、球詰まり状態における始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出誤差3個に対して十分余裕をもたせた所定値(本例では10)以上となったことにもとづいて排出異常が発生したと判定する場合を示しているが、排出異常の判定に用いる所定値は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、少なくとも、球詰まり状態における始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出誤差3個より多い数であれば、誤って排出異常と判定してしまうことを防止できるのであるから、スイッチ用カウンタ1の値が4以上となったことにもとづいて排出異常が発生したと判定するようにしてもよい(大入賞口に関しても、同様に、スイッチ用カウンタ2の値が4以上となったことにもとづいて排出異常が発生したと判定するようにしてもよい)。
また、特に、始動入賞口を2つ備えるように遊技機を構成した場合には、これら2つの始動入賞口に加えて大入賞口の排出異常を検出可能に構成し、1つ当りの入賞口において球詰まり状態における検出誤差がそれぞれ3個ずつであるとすると、最大3個×3=9個までの検出誤差であれば、電波を用いた不正行為によらなくても、入賞口における球詰まりによって生じる可能性がある。そこで、そのような場合には、スイッチ用カウンタの値が少なくとも10以上となったことにもとづいて排出異常が発生したと判定すれば、誤って排出異常を判定することを防止することができる。
図31は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS251)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS251のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(ステップS251のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ1(入力ポート0に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(ステップS252)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図10参照)との論理積をとる(ステップS253)。スイッチオンバッファ1の内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS254のN)、すなわち、カウントスイッチ23がオンしていれば、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS255)。この実施の形態では、ステップS255でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、大入賞口への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の検出数をカウントするための入賞累積数カウンタの値を1加算する(ステップS256)。そして、入賞累積数カウンタの値が20となっていれば(ステップS257)、CPU56は、第1態様で大入賞口への異常入賞の報知を行うことを示す異常入賞1報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS258)。また、入賞累積数カウンタの値が50となっていれば(ステップS259)、CPU56は、第2態様で大入賞口への異常入賞の報知を行うことを示す異常入賞2報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS254のY)、すなわち、カウントスイッチ23がオンしていなければ、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
ステップS261では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS261)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態であると判断される状態(可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態のときとを含む)である。そのような状態であれば(ステップS261のY)、始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態以外の状態と判断される状態である。このような状態のときに始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS261のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ2(入力ポート2に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(ステップS262)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ2の内容と始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)、図10参照)との論理積をとる(ステップS263)。スイッチオンバッファ2の内容が01(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、すなわち、始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS265)。この実施の形態では、ステップS265でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、始動入賞口14への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
次いで、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞の検出数をカウントするための始動入賞累積数カウンタの値を1加算する(ステップS266)。そして、始動入賞累積数カウンタの値が20となっていれば(ステップS267)、CPU56は、第1態様で始動入賞口14への異常入賞の報知を行うことを示す始動異常入賞1報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS268)。また、始動入賞累積数カウンタの値が50となっていれば(ステップS269)、CPU56は、第2態様で始動入賞口14への異常入賞の報知を行うことを示す始動異常入賞2報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS270)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS264のY)、すなわち、始動口スイッチ14aがオンしていなければ、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(ステップS31参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。また、大入賞口への異常入賞の検出数が20となれば異常入賞1報知指定コマンドが送信され、大入賞口への異常入賞の検出数が50となれば異常入賞2報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態(始動入賞口14が開状態以外の状態)において始動口スイッチ14aがオンした場合にも、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(ステップS31参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。また、始動入賞口14への異常入賞の検出数が20となれば始動異常入賞1報知指定コマンドが送信され、始動入賞口14への異常入賞の検出数が50となれば始動異常入賞2報知指定コマンドが送信される。
なお、ステップS251の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたりエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS261の処理では、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたりエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
図32は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図32に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、および高確中信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS31参照)によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理によって出力される。
図柄確定回数1信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号とフォトセンサ(入賞確認スイッチ29b,30b,23b,14b)からの検出信号との両方を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認1スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が電源が再投入されて初期化処理が実行されるまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、カウントスイッチ23の検出結果と入賞確認2スイッチ23bの検出結果とにもとづいて、大入賞口への排出異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が電源が再投入されて初期化処理が実行されるまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、大入賞口や始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
なお、セキュリティ信号として外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、始動入賞口14や大入賞口への排出異常にかぎらず、普通入賞口29,30への排出異常を検出して、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。そのように、普通入賞口への排出異常や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から払出制御コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路511のステータスレジスタのいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
高確中信号は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す信号である。この実施の形態では、高確中信号は、停電復旧してから所定条件が成立するまで(具体的には、最初の大当りが発生するまで)、ターミナル基板160を介して外部出力される。
また、賞球情報は、既に説明したように、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号とフォトセンサ(入賞確認スイッチ29b,30b,23b,14b)からの検出信号との両方を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)にもとづいて入賞信号が外部出力され、入賞信号にもとづいてホール側で賞球数の把握を行うことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。
図33〜図37は、ステップS31の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図33〜図37に示す処理のうち、ステップS1002〜S1020が始動口信号を出力するための処理であり、ステップS1021〜S1023が入賞信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、ステップS1050〜S1068が大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号を出力するための処理である。また、ステップS1068A〜S1068C,S1069〜S1074がセキュリティ信号を出力するための処理であり、ステップS1075〜S1077が高確中信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、まず、始動口情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口情報設定テーブルには、処理数(=1)と始動口スイッチ入力ビット(始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)))とが設定されている。なお、始動口スイッチ入力ビット判定値とは、始動入賞口14への始動入賞の有無を判定するための判定値である。ステップS1003では、ポインタが始動口情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口情報設定テーブルにおける処理数(=1)のデータがロードされることになる。なお、遊技機が2つの始動入賞口を備えている場合には、始動口情報設定テーブルに、処理数として2が設定されるとともに、2つの始動入賞口に対する始動口スイッチ入力ビットがそれぞれ設定されるようにすればよい。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビットをレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は01(H)になる。始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、始動入賞口14への入賞が生じたと判定し、始動口情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口情報記憶カウンタは、始動口信号の残り出力回数(つまり、始動口信号の未出力の始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
なお、この実施の形態では、始動入賞口14内の上流側の始動口スイッチ14aのオン状態のみを検出したことにもとづいて、ステップS1010以降の処理を実行して始動口信号を出力する場合を示しているが、上流側の始動口スイッチ14aと下流側の入賞確認スイッチ14bとの両方のオン状態を検出したことにもとづいて、始動口信号を出力するように構成してもよい。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1016)。処理数が0でないときは(ステップS1016のY)、ステップS1004の処理に移行する。なお、この実施の形態では、遊技機は始動入賞口14のみを備えていることから、処理数の初期値として1が設定され、ステップS1016では必ず処理数が0であると判定されることになる。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1017)。次いで、CPU56は、RAM55に形成されている情報出力バッファの始動口出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット1)をセットする(ステップS1018)。そして、CPU56は、始動口情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1019)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1020)。
次いで、CPU56は、情報出力バッファの入賞出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット6)をセットする(ステップS1021)。そして、CPU56は、入賞情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1022)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1023)。
なお、この実施の形態では、始動口信号を外部出力する場合と入賞信号を外部出力する場合とで共通のサブルーチン(入賞タイマセット処理)が実行されることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされて始動口信号が出力され、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされて入賞信号が出力される。なお、入賞タイマセット処理の具体的な処理内容については後述する(図38参照)。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303参照)において、変動時間がタイムアウトすると、特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(ステップS1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(ステップS1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット0)をセットする(ステップS1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1033のY)、ステップS1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1031〜S1036の処理によって、特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1050)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(ステップS1051)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1052)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1052のY)、ステップS1058の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1052のN)、さらに特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)を比較し(ステップS1053)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(ステップS1054)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1054のY)、ステップS1058の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1054のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1055)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1056)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
なお、この実施の形態では、ステップS1054の処理によって小当りである場合には大当り1信号を外部出力しないように制御する場合を示しているが、確変状態であるか否かを認識不能とする共通演出(いわゆる確変潜伏演出)を実行可能に遊技機を構成する場合には、小当りであってもステップS1055の処理に移行し、大当り1信号を外部出力可能に構成してもよい。
また、CPU56は、時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(ステップS1058)、時短状態であるか否かを判定する(ステップS1059)。具体的には、CPU56は、時短状態に移行するときにセットされる時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、時短状態であるか否かを判定する。時短状態であるときは(ステップS1059のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1060)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1061)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1062)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(ステップS1063)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1064)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1064のY)、ステップS1068Aの処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1064のN)、さらに特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)を比較し(ステップS1065)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(ステップS1066)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1066のY)、ステップS1068Aの処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1066のN)、特別図柄通常処理で大当り種別判定結果にもとづいて設定される大当り種別バッファの内容をロードし、通常大当りまたは確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1067)。なお、通常大当りまたは確変大当りであるか否かは、例えば、特別図柄通常処理において設定された大当り種別バッファの内容を確認することによって判定できる。例えば、大当り種別バッファには、特別図柄通常処理で決定された大当り種別の内容や大当り判定結果を示す内容が格納されており、例えば、「01」が通常大当り、「02」が確変大当り、「03」が突然確変大当りとされている。そして、大当り種別バッファの内容が「01」または「02」であれば、通常大当りまたは確変大当りであると判断される。この場合、情報バッファの大当り3出力ビット位置をセットする(ステップS1068)。大当り3出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り3信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1050〜S1068の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号が出力される(オン状態になる)。
次いで、CPU56は、排出異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1068A)。排出異常フラグがセットされていれば(すなわち、排出異常の発生が検出されていれば)、CPU56は、セットされていればセキュリティ信号情報タイマの値をクリアし(ステップS1068B)、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1068C)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1068A〜S1068Cの処理によって、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が検出されると、遊技機への電源が再投入されて初期化処理が実行されるまで、排出異常にもとづくセキュリティ信号が出力される。
なお、既に説明したように、排出異常フラグはバックアップRAMに記憶され遊技機への電力供給が停止しても保持されるので、遊技機への電力供給停止後に再び電力供給が開始されても停電復旧処理(ステップS91,S92参照)が実行された場合には、排出異常フラグが保持されていることにもとづいてステップS1068A〜S1068Cの処理が実行されることにより停電復旧後に再び排出異常にもとづくセキュリティ信号の外部出力が再開されることになる。そして、遊技機への電力供給が開始されるときに初期化処理(ステップS10参照)が実行されたことにもとづいて排出異常フラグもリセットされ、排出異常にもとづくセキュリティ信号の外部出力が終了することになる(ただし、この場合には、後述するステップS1069〜S1074の処理が実行されることにより、初期化処理の実行にもとづくセキュリティ信号の外部出力が所定期間(例えば、30秒)実行されることになる)。
排出異常フラグがセットされていなければ(ステップS1068AのN)、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1069)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1070)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1071)。この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態でないときに始動入賞口14への遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(異常入賞報知処理におけるステップS255,S265参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1071のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1072)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1073)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1074)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1071のY)、ステップS1074の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1069〜S1074の処理によって、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞が検出されてから30秒が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。
なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから30秒が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
また、異常入賞を検出したことや初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した後、まだセキュリティ信号の出力中であるときに排出異常を検出した場合には、異常入賞の検出や初期化処理の実行にもとづくセキュリティ信号の出力制御から排出異常にもとづくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。具体的には、異常入賞の検出や初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号情報タイマがセットされていることによりステップS1069〜S1074の処理が実行されてセキュリティ信号が外部出力されているときに、排出異常が検出されると、スイッチ正常/異常チェック処理において排出異常フラグがセットされる(ステップS2128A,S2134A参照)。そして、それ以降は、排出異常フラグがセットされていることによりステップS1068A〜S1068Cの処理に切り替わり、セキュリティ信号情報タイマはクリアされて(ステップS1068B参照)、初期化処理で排出異常フラグがリセットされるまで、排出異常フラグがセットされていることにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される(ステップS1068C参照)。
次いで、CPU56は、高確中出力許可フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1075)。なお、高確中出力許可フラグは、遊技機への電力供給開始時にホットスタート処理が実行されたときにセットされる(ステップS9103参照)。高確中出力許可フラグがセットされていれば、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1076)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、情報バッファの高確中信号出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート0のビット7)をセットする(ステップS1077)。情報バッファの高確中信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート0に出力することによって、高確中信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。なお、この実施の形態では、停電復旧した後、最初の大当りが発生すれば、高確中出力許可フラグがリセットされ(ステップS1303参照)、その結果、高確中信号はオフ状態となる。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに高確中出力許可フラグをリセットする場合を示しているが、高確中出力許可フラグがリセットされるタイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、小当りが発生した場合にも高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。また、例えば、確変状態に制御された後に変動表示を所定回数実行したことにもとづいて確変状態を終了するように構成されている場合には、その所定回数の変動表示を終了して確変状態を終了するときに高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。
以上に示したステップS1075〜S1077の処理によって、停電復旧した後、確変フラグがセットされていれば、所定条件が成立するまで(本例では、最初の大当りが発生するまで)、高確中信号が出力される(オン状態になる)。すなわち、この実施の形態では、既に説明したように、遊技機への電源供給が停止しても所定期間はバックアップRAMに確変フラグが保持されている。そのため、停電発生前に確変状態に制御されていた場合には、バックアップRAMに確変フラグが保持されている筈であるから、停電復旧時に高確中信号の出力が開始され、最初の大当りが発生するまで高確中信号の出力が継続される。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに、高確中出力許可フラグがリセットされる(ステップS1303参照)のであるから、以降、高確中信号の出力は行われなくなる。従って、この実施の形態では、所定条件が成立すれば(本例では、最初の大当りが発生すれば)、高確中信号の出力が禁止されることになる。
なお、この実施の形態では、メイン処理の停電復旧処理の実行時に高確中出力許可フラグをセットする処理のみを行い、ステップS31の情報出力処理において確変フラグがセットされているか否かを確認して高確中信号を出力するように処理を行う場合を示したが、高確中信号出力の処理方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、メイン処理の停電復旧処理において確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、情報バッファの高確中信号出力ビット位置をセットしたり、高確中信号出力用のタイマをセットしたりするなどの処理を行って、高確中信号を出力するようにしてもよい。そして、このように停電復旧処理において確変フラグを確認して高確中信号の出力を開始するように構成する場合であっても、最初の大当りが発生したときなど所定条件が成立したときに高確中信号の出力を停止する制御を行って、以降、高確中信号の出力を行わないように制御するように構成されていればよい。
なお、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図33〜図37に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(ステップS1036,S1055,S1056,S1060,S1061,S1068,S1068C,S1074,S1077参照)、ステップS1102,S1103を実行して出力ポート0,1から外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
図38は、情報出力処理のステップS1020,S1023で実行される入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。入賞タイマセット処理において、CPU56は、まず、ポインタの指す情報記憶タイマをロードし(ステップS2001)、ロードした情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2002)、信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS2003)。この場合、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、始動口情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、始動口信号が出力中であるか否かを判定することになる。また、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、入賞情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、入賞信号が出力中であるか否かを判定することになる。
始動口情報記憶タイマは、始動口信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。始動口情報記憶タイマの値が0でなければ始動口信号が出力中であると判定され、始動口情報記憶タイマの値が0であれば始動口信号が出力中でないと判定される。また、入賞情報記憶タイマは、入賞信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。入賞情報記憶タイマの値が0でなければ入賞信号が出力中であると判定され、入賞情報記憶タイマの値が0であれば入賞信号が出力中でないと判定される。
信号(始動口信号または入賞信号)が出力中であれば(ステップS2003のY)、ステップS2012の処理に移行する。信号(始動口信号または入賞信号)が出力中でなければ(ステップS2003のN)、CPU56は、ポインタの値を1加算する(ステップS2004)。なお、この実施の形態では、ROM54において、始動口情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に始動口情報記憶カウンタがセットされ、入賞情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に入賞情報記憶カウンタがセットされている。従って、ステップS2004の処理が実行されることによって、ポインタの値は、始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタのアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)をロードし(ステップS2005)、ロードした情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)の状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2006)、信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS2007)。
なお、始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口情報記憶カウンタが加算されるので、始動口信号の出力回数の残数があると判定されることになる。また、いずれかの入賞口(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し、近接スイッチ(始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a)がオンするとともにフォトセンサ(入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b)がオンした場合には、賞球予定数が10個累積するごとに入賞情報記憶カウンタが加算される(ステップS5132参照)ので、入賞信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数がなければ(ステップS2007のY)、入賞タイマセット処理を終了する。信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があれば(ステップS2007のN)、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)を1減算し(ステップS2008)、演算結果(1減算した結果)を情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)にストアする(ステップS2009)。そして、入賞情報動作時間(50)をレジスタにセットする(ステップS2010)。なお、入賞情報動作時間(50)は、4msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。なお、この実施の形態では、始動口信号を出力する場合と入賞信号を出力する場合とで、入賞情報動作時間として同じ値を設定する場合を示しているが、異なる値を設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS2011)。ステップS2011の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマのアドレスを示している状態に戻ることになる。そして、ステップS2012に移行する。
次に、CPU56は、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていなければポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)を1減算し、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS2012)。そして、演算結果(1減算した結果)をポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)にストアする(ステップS2013)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(25)を比較し(ステップS2014)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS2015)。なお、入賞情報オン時間(25)は、4msのタイマ割込みが25回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS2015のN)、CPU56は、情報バッファをロードし(ステップS2016)、ロードした情報バッファの値と情報出力バッファの値との論理和を求める(ステップS2017)。そして、CPU56は、ステップS2017の演算結果を情報バッファにストアする(ステップS2018)。
なお、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1018で始動口出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット1)がセットされることになる。そして、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、始動口信号が出力ポート1から出力されることになる。
また、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1011で入賞出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの入賞出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット6)がセットされることになる。そして、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、入賞信号が出力ポート1から出力されることになる。
情報出力処理のステップS1002〜S1020および図38に示す入賞タイマセット処理によって、始動入賞口14への入賞(始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この始動口信号がホールコンピュータに入力されることによって、始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、始動入賞数の総数を確実に把握することができる。
また、情報出力処理のステップS1021〜S1023および図38に示す入賞タイマセット処理によって、いずれかの入賞口(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し(近接スイッチ(始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a)がオンするとともにフォトセンサ(入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b)がオンし)、賞球予定数が10個累積するごとに、入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この入賞信号がホールコンピュータに入力されることによって、賞球予定数を認識させることができる。
入賞信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、賞球予定数の総数を確実に把握することができる。
なお、この実施の形態では、入賞信号を外部出力する場合に、まずステップS2012の処理を実行して入賞情報記憶タイマの値を減算してから、ステップS2018,S1102,S1103を実行して入賞信号を外部出力する場合を示したが、入賞情報記憶タイマの減算処理と入賞信号の外部出力処理との処理順は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、まず、ステップS2018,S1102,S1103と同様の処理を実行して入賞信号の外部出力処理を実行してから、ステップS2012と同様の処理を行い入賞情報記憶タイマの値を減算するようにしてもよい。
次に、セキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図39は、セキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(ステップS10〜S14参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS14a参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図39(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、大入賞口への異常入賞が発生したと判定されたとき(ステップS251〜S254参照)や、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたとき(ステップS261〜S264参照)にも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS255,S265参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図39(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、遊技機への電源供給が開始された後に、始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認1スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となったことにもとづいて、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定されたとき(ステップS2121〜S2127参照)や、カウントスイッチ23の検出数と入賞確認2スイッチ23bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となったことにもとづいて、大入賞口への排出異常が発生したと判定されたときにも(ステップS2129〜S2133参照)、排出異常フラグがセットされたことにもとづいて(ステップS2128A,S2134A参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1068A〜S1068C,S1102,S1103の処理が実行されて、図39(B)に示すように、次に遊技機に電源が再投入されて初期化処理が実行されるまで、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。
上記のように、この実施の形態では、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたときと、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出したときと、始動入賞口14や大入賞口への排出異常を検出したときとで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、セキュリティ信号の外部出力中である場合に、新たに始動入賞口14や大入賞口への排出異常を検出した場合には、初期化処理の実行や異常入賞の検出にもとづくセキュリティ信号の出力制御から排出異常の検出にもとづくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。例えば、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合や、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出したことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図39(A)に示すように、原則として30秒を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図39(C)に示すように、その30秒を経過する前であっても、始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認1スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって始動入賞口14への排出異常が発生したと判定されたり、カウントスイッチ23の検出数と入賞確認2スイッチ23bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって大入賞口への排出異常が発生したと判定される可能性がある。この場合、排出異常の発生が検出され排出異常フラグがセットされることにより(ステップS2121〜S2128A,S2129〜S2134A参照)、情報出力処理(ステップS31参照)においてステップS1069〜S1074の処理からステップS1068A〜S1068Cの処理に切り替えれて、図39(C)に示すように、次に遊技機に電源が再投入されて初期化処理が実行されるまで、セキュリティ信号の出力が継続されることになる。
なお、この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行された場合や始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合には30秒間に亘ってセキュリティ信号を出力する場合を示したが、セキュリティ信号の出力時間は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、初期化処理が実行された場合にはセキュリティ信号を30秒間出力する一方で、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力するなど、セキュリティ信号の出力時間を異ならせて、初期化処理が実行された場合であるか始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合であるかを認識可能に構成してもよい。
さらに、始動入賞口14への異常入賞を検出した場合と大入賞口への異常入賞を検出した場合とでセキュリティ信号の出力期間を異ならせてもよい。例えば、始動入賞口14への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を2分間出力し、大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力するようにしてもよい。
次に、排出異常にもとづきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後に、電力供給が復旧した場合のセキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図40は、排出異常にもとづきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後に、電力供給が復旧した場合のセキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。
排出異常にもとづきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(ステップS10〜S14参照)、排出異常フラグがリセットされ(ステップS10参照)、排出異常にもとづくセキュリティ信号の出力制御を終了する。一方、初期化処理が実行された場合には、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされる(ステップS14a参照)。そのため、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。従って、停電復旧後に初期化処理が実行された場合には、図40(A)に示すように、見た目上、遊技機への電源が再投入された後、所定期間(例えば、30秒間)を経過したときにセキュリティ信号の外部出力が終了する。
一方、排出異常にもとづきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、パックアップRAMの記憶内容にもとづいて停電復帰処理が実行されると(ステップS91,S92参照)、バックアップRAMに排出異常フラグがバックアップされているので、停電復旧後も情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1068A〜S1068C,S1102,S1103の処理の実行が継続される。従って、停電復旧後に初期化処理が実行されずに停電復帰処理が実行された場合には、図40(B)に示すように、遊技機への電源が再投入された後もセキュリティ信号の外部出力が継続される。よって、一度排出異常にもとづきセキュリティ信号の出力を開始すると、初期化処理が実行されるまでは遊技機への電源を再投入してもセキュリティ信号の出力が継続される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図42は、図41に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、まず、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1態様で異常入賞の報知(以下、異常入賞1報知という)を行っていることを示す異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS823)。異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(ステップS823のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および音番号データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS824)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
異常入賞1報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2態様で異常入賞の報知(以下、異常入賞2報知という)を行っていることを示す異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS825)。異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(ステップS825のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS826)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、異常入賞の報知中であるか否かに応じて演出装置を制御する処理を分けているが、可変表示に応じたランプの表示パターンや音演出の効果音と異常入賞の報知に応じたランプの表示パターンや警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらのランプ表示を同時に行い音を同時に音出力することが可能であれば、ステップS824,S826,S827の処理を分ける必要はない。
また、この実施の形態では、特に言及していないが、排出異常報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合にも、演出図柄の変動表示とともに排出異常報知が実行されるようにして、排出異常報知が継続されるようにすることが望ましい。例えば、演出図柄の変動表示中も演出表示装置9の表示画面の一部に「排出異常」などの文字列を縮小表示することによって、排出異常報知が継続されるようにすればよい。
また、逆に、排出異常報知の実行中である場合には、演出図柄の変動表示を実行しないように制御してもよい。この場合、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS821の前や後述する演出図柄変動中処理のステップS841の前に排出異常フラグがセットされているか否かを確認し、排出異常フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了して、ステップS821以降の処理やステップS841以降の処理に移行しないようにすればよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS829)。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845)。異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(ステップS845のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiおよび音番号データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS846)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。よって、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
異常入賞1報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS847)。異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(ステップS847のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS848)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。よって、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(表示制御実行データi、ランプ制御実行データiおよび音番号データi)にもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS849)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS850)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、ステップS852に移行する。
図45および図46は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、排出異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS3001)。排出異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、排出異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、排出異常報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3002)。さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面(例えば、「排出異常」などの文字列を表示する画面)を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS3003)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する。よって、以後、排出異常報知に応じたランプ表示が行われるとともに、演出表示装置9に排出異常報知画面が重畳表示される。
この実施の形態では、排出異常報知として排出異常報知に応じたランプ表示と排出異常報知画面の表示とを行う場合を示しているが、排出異常報知の報知態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに、排出異常報知に応じた音出力を行うことによって排出異常報知を実行するように構成してもよい。
排出異常報知指定コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3005)。異常入賞1報知中フラグがセットされていれば(異常入賞1報知中であれば)演出制御用CPU101は、異常入賞1報知の実行期間を計測するための異常入賞1報知タイマを1減算し(ステップS3006)、減算後の異常入賞1報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3007)。異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を停止し異常入賞1報知を停止する(ステップS3008)。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグをリセットする(ステップS3009)。
異常入賞1報知中フラグがセットされていない場合(ステップS3005のN)、または異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS3007のN)には、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3010,S3011)。異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信していれば(ステップS3010のY、ステップS3011のY)、すなわち大入賞口または始動入賞口14への異常入賞を20回検出した場合には、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3012)。よって、以後、異常入賞1報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグをセットし(ステップS3013)、異常入賞1報知タイマに31秒に対応する値をセットする(ステップS3014)。
以上のように、ステップS3005〜S3014の処理が実行されることによって、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、31秒間にわたって異常入賞1報知が実行される。
なお、この実施の形態では、異常入賞1報知として異常入賞1報知に応じたランプ表示を行う場合を示しているが、異常入賞1報知の報知態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに、異常入賞1報知に応じた画面表示や音出力を行うことによって異常入賞1報知を実行するように構成してもよい。
異常入賞1報知指定コマンドおよび始動異常入賞1報知指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3015)。異常入賞2報知中フラグがセットされていれば(異常入賞2報知中であれば)演出制御用CPU101は、異常入賞2報知の実行期間を計測するための異常入賞2報知タイマを1減算し(ステップS3016)、減算後の異常入賞2報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3017)。異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を停止し異常入賞2報知を停止する(ステップS3018)。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグをリセットする(ステップS3019)。
異常入賞2報知中フラグがセットされていない場合(ステップS3015のN)、または異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS3017のN)には、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3020,S3021)。異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信していれば(ステップS3020のY、ステップS3021のY)、すなわち大入賞口または始動入賞口14への異常入賞を50回検出した場合には、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS3022)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。また、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3023)。よって、以後、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグをセットし(ステップS3024)、異常入賞2報知タイマに300秒に対応する値をセットする(ステップS3025)。
以上のように、ステップS3015〜S3025の処理が実行されることによって、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、300秒間にわたって異常入賞2報知が実行される。
なお、この実施の形態では、異常入賞2報知として異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を行う場合を示しているが、異常入賞2報知の報知態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに、異常入賞2報知に応じた画面表示を行うことによって異常入賞2報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口や始動入賞口14への異常入賞の発生回数をカウントして、20回検出したタイミングで異常入賞1報知指定コマンドや始動異常入賞1報知指定コマンドを送信し、50回検出したタイミングで異常入賞2報知指定コマンドや始動異常入賞2報知指定コマンドを送信する場合を示しているが、この実施の形態で示した処理方法にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で大入賞口や始動入賞口14への異常入賞の発生回数をカウントするように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口や始動入賞口14への異常入賞を検出するごとに、異常入賞を検出することを示す異常入賞コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その異常入賞コマンドの受信回数をカウントするようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞コマンドの受信回数が20回となれば異常入賞1報知を実行し、異常入賞コマンドの受信回数が50回となれば異常入賞2報知を実行するようにすればよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、入賞領域(本例では、始動入賞口14、大入賞口)に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出部(本例では、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23)と、入賞領域に入賞した後に入賞検出部を通過した遊技球を検出可能な入賞確認部(本例では、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b)とを備える。そして、入賞検出部で検出された遊技球の数と入賞確認部で検出された遊技球の数との差分が所定数(本例では、10個)以上となる差分異常(本例では、排出異常)が発生したことにもとづいて、異常情報(本例では、セキュリティ信号)を外部出力するとともに、差分異常が発生したことにもとづいて異常報知(本例では、排出異常報知)を実行する。また、異常情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合には、初期化処理が実行されたか否かに応じて、遊技機への電力供給が再開されてから異なる期間にわたって異常情報を外部出力する(本例では、電源復旧後、初期化処理が実行された場合には30秒間だけセキュリティ信号が外部出力され、初期化処理が実行されず停電復帰処理が実行された場合には、次に初期化処理が実行されるまでセキュリティ信号の外部出力が継続される)。また、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止し、初期化処理が実行されることなく遊技機への電力供給が再開された場合には、異常報知を実行しないように構成されている。そのため、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止して再度電力供給が開始されたときに、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを外部から認識可能とすることができる。
例えば、図28および図29で説明したように、電波などを用いた不正行為が行われ排出異常報知が開始された場合には、排出異常報知を終わらせるために遊技機の電源を再投入されることが考えられる。この場合、一般に、遊技店員などによって正規に遊技機の電源投入が行われる場合には、クリアスイッチを押下した状態で電源投入が行われるのが通常であり、遊技機への電源投入とともに初期化処理が実行される。一方で、不正に遊技機の電源が再投入される場合には、クリアスイッチの押下まで行った状態で電源投入することは難しいと思われ、初期化処理が実行されず停電復帰処理が実行されて遊技機が起動される。そこで、この実施の形態では、初期化処理が実行されて遊技機が起動された場合には30秒間だけセキュリティ信号を外部出力するのに対して、初期化処理が実行されずに遊技機が起動された場合には、次に初期化処理が実行されないかぎりセキュリティ信号の外部出力が延々と継続されるので、不正者にとっては見た目上は排出異常報知が終了したように見えても、ホール側ではセキュリティ信号の出力状態を確認することにより、排出異常が生じている状態であるか否かを認識可能とすることができる。従って、たとえ不正者によって電源の再投入が行われたとしても排出異常の有無を認識可能とすることができ、不正行為の防止を強化することができる。
なお、この実施の形態では、入賞検出部(本例では、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23)で検出された遊技球の数と、入賞確認部(本例では、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b)で検出された遊技球の数との差分にもとづいて排出異常を判定する場合を示しているが、排出異常の判定の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、入賞検出部での検出タイミングを示す情報と入賞確認部での検出タイミングを示す情報とを記憶しておくようにし、その検出タイミングの順番にもとづいて排出異常が発生したか否かを判定するように構成してもよい。すなわち、この実施の形態では、入賞検出部の方が入賞確認部よりも前段に設けられているので、まず入賞検出部で遊技球を検出した後に入賞確認部で遊技球を検出する筈である。従って、もし入賞確認部で遊技球を検出した後に入賞検出部で遊技球を検出するような事態が生じた場合には何らかの不正が行われたと推測することが可能であり、排出異常が発生したと判定することができる。そのように構成することにより、例えば、遊技球を糸などを用いて吊った状態で大入賞口や始動入賞口14に挿入して恰も入賞が発生したかのように見せる不正行為も防止することができる。
また、この実施の形態では、排出異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止した後、遊技機への電力供給が開始された場合には、一律に停電復旧後は排出異常報知を実行しないように構成しているが、少なくとも不正者に排出異常報知が消えたように見せればよいのであるから、初期化処理が実行されずに停電復旧した場合にのみ排出異常報知を実行しないようにすればよく、初期化処理が実行された場合には排出異常報知を実行してもよい。例えば、遊技機への電源供給が開始され初期化処理が実行された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から排出異常報知指定コマンドを送信するようにし、所定期間(例えば、30秒)だけ排出異常報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、異常情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合に、初期化処理が実行された場合には所定期間(本例では、30秒)が経過するまで異常情報を外部出力し、初期化処理が実行されなかった場合には初期化処理が実行されるまで異常情報を外部出力する。そのため、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを容易に外部から認識可能とすることができる。
また、この実施の形態によれば、入賞領域に遊技球が入賞不可能な閉鎖状態と遊技球が入賞容易な開放状態とに変化可能な可変入賞装置(本例では、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20)を備える。また、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が入賞する異常入賞が発生したか否かを判定する。そして、異常入賞が発生したと判定された場合にも、差分異常が発生した場合と共通の出力端子(本例では、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8)を用いて異常情報を外部出力可能であり、異常入賞が発生したことにもとづいて異常情報を外部出力しているときに差分異常が発生した場合には、差分異常の発生にもとづく異常情報の外部出力の制御に切り替える(図39(C)参照)。そのため、差分異常(本例では、排出異常)の発生だけでなく異常入賞の発生も外部から認識可能とするとともに、出力端子の共通化によって差分異常や異常入賞の発生を認識可能とするための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、この実施の形態によれば、異常入賞が発生したと判定された場合にも異常報知(本例では、異常入賞1報知、異常入賞2報知)を実行可能である。また、異常入賞が発生した場合には、第1態様の異常報知を実行し(本例では、異常入賞1報知ではランプのみを用いた報知を行い、異常入賞2報知ではランプおよび音を用いた報知を行う)、差分異常が発生した場合には、第1態様と比較して外部から認識しやすい第2態様の異常報知を実行する(本例では、ランプを用いた報知に加えて、排出異常報知画面の表示を行う)。そのため、緊急性が高い差分異常をより目立つ態様で報知することができる。
なお、「外部から認識しやすい」態様で報知とは、例えば、演出表示装置9の表示画面において報知画面を表示するなど外部の遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様で報知することである。なお、遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様であれば、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、同じ演出表示装置9の表示画面に表示して報知する場合であっても、報知画面の表示領域を広くすることによって表示してもよい。また、例えば、同じランプを用いた報知を行う場合であっても点灯または点滅するランプの数を多くしたり、同じスピーカ27を用いた報知を行う場合であっても報知音を大きくしたりするなど、遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様であれば、外部から認識しやすい態様で報知での報知といえる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数(本例では、20個)入賞した場合には、第1態様の異常入賞報知(本例では、ランプのみを用いた異常入賞1報知)を実行し、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数(本例では、50個)入賞した場合には、第1態様とは異なる第2態様の異常入賞報知(本例では、ランプおよび音を用いた異常入賞2報知)を実行する。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより目立つ態様で報知することができる。
なお、この実施の形態では、第1所定数として20個となったときに異常入賞1報知を実行し、第2所定数として50個となったときに異常入賞2報知を実行する場合を示したが、第1所定数と第2所定数とは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1所定数として30個となったときに異常入賞1報知を実行し、第2所定数として70個となったときに異常入賞2報知を実行するなど、第1所定数および第2所定数として様々な値を選択可能である。
また、この実施の形態によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数入賞した場合には、異常入賞が発生したと判定されてから所定期間(本例では、31秒)経過後に異常入賞報知の実行を終了し(本例では、ランプのみを用いた異常入賞1報知を終了する)、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数入賞した場合には、異常入賞が発生したと判定されてから所定期間よりも長い特定期間(本例では、300秒)経過後に異常入賞報知の実行を終了する(本例では、ランプおよび音を用いた異常入賞2報知を終了する)。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより長い期間報知して認識しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、所定期間として31秒間異常入賞1報知を実行し、特定期間として300秒間異常入賞2報知を実行する場合を示しているが、所定期間と特定期間とは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、所定期間として50秒間異常入賞1報知を実行し、特定期間として500秒間異常入賞2報知を実行するなど、所定期間および特定期間として様々な期間を選択可能である。
また、この実施の形態によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数入賞した場合には、第1演出手段(本例では、ランプ)を用いた異常入賞報知を実行し(本例では、異常入賞1報知を実行する)、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数入賞した場合には、第1演出手段(本例では、ランプ)および第2演出手段(本例では、スピーカ27)を用いた異常入賞報知を実行する(本例では、異常入賞2報知を実行する)。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより目立つ態様で報知することができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号を外部出力する構成は、様々な態様に構成された遊技機に適用可能である。例えば、可動部材などの役物を備えた遊技機において、第1の実施の形態と同様の処理に従って、排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。以下、可動部材などの役物を備えた遊技機に適用した第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図47は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
図47に示す演出表示装置9の円形の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出制御用マイクロコンピュータは、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させる。これにより、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が通過したことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。なお、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のそれぞれについて、始動口スイッチ(例えば、近接スイッチ)を設けるとともに入賞確認スイッチ(例えば、フォトセンサ)を設けるようにしてもよい。そして、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のそれぞれについて、第1の実施の形態と同様に、始動口スイッチによって遊技球が検出されたことにもとづいて、乱数回路からの乱数の抽出が行われ、特別図柄の変動表示が開始されるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のそれぞれについて、第1の実施の形態と同様に、始動口スイッチによる検出結果に加えて入賞確認スイッチの検出結果にもとづいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力されるようにしてもよい。さらに、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のそれぞれについて、第1の実施の形態と同様に、始動口スイッチによる検出結果に加えて入賞確認スイッチの検出結果にもとづいて入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行されるようにしてもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。なお、この実施の形態では、図47に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、例えば、擬似連の演出や予告演出が実行されるときに動作する。また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出が実行されるときに動作する。
また、図47に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は第1の実施の形態におけるものと同様であればよい。なお、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技領域7に入った遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されたときには、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図48は、第2の実施の形態における主基板(遊技制御基板)31の回路構成の一例を示すブロック図である。この回路構成において、図7と同一の符号が付された構成は、第1の実施の形態における構成と同様の機能を有するものであればよい。乱数回路503は、図7に示す乱数回路509と同様のものであればよい。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図49は、第2の実施の形態における演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。この回路構成において、図8と同一の符号が付された構成は、第1の実施の形態における構成と同様の機能を有するものであればよい。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図49には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図48に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
図50は、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、メイン処理において、第1の実施の形態で示した処理に加えて、遊技機への電力供給開始時に可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を行う役物初期動作処理を実行する(ステップS708)。そして、役物初期動作処理を実行すると、その後、ステップS702に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS707の報知制御処理において、第1の実施の形態で示した排出異常報知や異常入賞報知の処理に加えて、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知も実行される。
図51は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、ステップS821〜S822の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(ステップS823のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1、音番号データ1、および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS824A)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
また、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(ステップS825のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS826A)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知の実行中であることを示す初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8261)。初期化報知中フラグがセットされている場合には(ステップS8261のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8262)。つまり、初期化報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、初期化報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに初期化報知が実行されることになる。
初期化報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中であることを示す役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8263)。役物初期動作中フラグがセットされている場合には(ステップS8263のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、および音番号データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8264)。つまり、役物初期動作中フラグがセットされている場合には、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作中であるので、演出図柄の変動表示が開始されるとともに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作が継続される。従って、この実施の形態では、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作が実行されることになる。
役物初期動作中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、演出用部品としての可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物)の制御を実行する(ステップS827A)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材78や演出羽根役物79a,79bを可動させるために、モータ86,87に対して駆動信号を出力する。なお、ステップS828〜S829の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図52は、第2の実施の形態における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、ステップS841〜S844の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(ステップS845のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データi、音番号データi、および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS846A)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。よって、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
また、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(ステップS847のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiおよび可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS848A)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。よって、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8481)。初期化報知中フラグがセットされている場合には(ステップS8481のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータiのうち表示制御実行データiおよび可動部材制御データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8482)。つまり、初期化報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、初期化報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに初期化報知が実行されることになる。
初期化報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8483)。役物初期動作中フラグがセットされている場合には(ステップS8483のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータiのうち表示制御実行データi、ランプ制御実行データi、および音番号データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8484)。つまり、役物初期動作中フラグがセットされている場合には、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作中であるので、演出図柄の変動表示が実行されるとともに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作が継続される。従って、この実施の形態では、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作が実行されることになる。
役物初期動作中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(表示制御実行データi、ランプ制御実行データi、音番号データi、および可動部材制御データi)にもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS849A)。
なお、ステップS850〜S852の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図53は、第2の実施の形態における報知制御処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、報知制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3101)。初期化報知中フラグがセットされていれば(初期化報知中であれば)演出制御用CPU101は、初期化報知の実行期間を計測するための初期化報知タイマを1減算し(ステップS3102)、減算後の初期化報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3103)。初期化報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じたランプ表示および音出力を停止し初期化報知を停止する(ステップS3104)。そして、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグをリセットする(ステップS3105)とともに、初期化報知の実行済みであることを示す初期化報知済フラグをセットする(ステップS3106)。
初期化報知中フラグがセットされていない場合には(ステップS3101のN)、演出制御用CPU101は、初期化コマンド(図12のステップS14参照)を受信しているか否かを確認する(ステップS3107)。初期化コマンドを受信していれば(ステップS3107のY)、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS3108)。また、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3109)。よって、以後、初期化報知に応じたランプ表示および音出力が行われる。そして、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグをセットし(ステップS3110)、初期化報知タイマに30秒に対応する値をセットする(ステップS3111)。
以上のように、ステップS3101〜S3111の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で初期化処理が実行され初期化コマンドを受信したことにもとづいて、30秒間にわたって初期化報知が実行される。
なお、この実施の形態では、初期化報知として初期化報知に応じたランプ表示および音出力を行う場合を示しているが、初期化報知の報知態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに、初期化報知に応じた画面表示を行うことによって初期化報知を実行するように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS3001以降の処理に移行する。なお、報知制御処理のステップS3001〜S3025の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図54は、第2の実施の形態における役物初期動作処理(ステップS708)を示すフローチャートである。役物初期動作処理において、演出制御用CPU101は、まず、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を実行済みであることを示す役物初期動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3501)。役物初期動作済フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。役物初期動作済フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3502)。初期化報知済フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。初期化報知済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3503)。
役物初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、モータ86,87への駆動信号の出力を開始して、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の可動を開始させる(ステップS3504)。そして、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグをセットする(ステップS3505)。
役物初期動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物が初期位置まで移動したことを検出したか否かを確認する(ステップS3506)。例えば、この実施の形態では、遊技領域において可動部材78や演出羽根役物79a,79bの初期位置に初期位置センサ(例えば、フォトセンサ)が設けられており、初期位置センサからの検出信号を入力すると、演出制御用CPU101は、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物が初期位置まで移動したと判定する。
可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物が初期位置まで移動したと判定すると、演出制御用CPU101は、モータ86,87への駆動信号の出力を停止して、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の可動を停止させる(ステップS3507)。そして、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグをリセットする(ステップS3508)とともに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行済みであることを示す役物初期動作済フラグをセットする(ステップS3509)。なお、以降、役物初期動作済フラグがセットされていることにもとづいて、ステップS3501でYと判定され、ステップS3502以降の処理が実行されることはない。従って、ステップS3502以降の役物の初期動作を行う処理は、遊技機への電力供給が開始され初期化処理および初期化報知が実行された後に1回だけ実行されることになる。
なお、この実施の形態では、複数の役物(可動部材78、演出羽根役物79a,79b)が設けられているので、より正確には、演出制御用CPU101は、全ての役物についてステップS3506,S3507の処理を実行して可動を停止した後に、ステップS3508,S3509の処理に移行して役物初期動作中フラグをリセットするとともに役物初期動作済フラグをセットする。
以上の処理が実行されることによって、遊技機への電力供給が開始され初期化処理が実行されたときに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作が実行される。また、この実施の形態では、ステップS3502で初期化報知済フラグがセットされていることを条件にステップS3503以降の処理に移行して役物の初期動作が実行されるので、初期化処理の実行を終了して初期化報知の実行を終了した後に、役物の初期動作が実行される。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
また、遊技機への電力供給が開始された後、初期化処理および初期化報知を実行し、さらに役物の初期動作を終了するまでには、ある程度の時間がかかるのであるが、初期化処理を終了し遊技制御処理を実行可能な状態となると、初期化処理や役物の初期動作を終了していなくても遊技を開始可能な状態となることになる。そのため、役物の初期動作の開始タイミングとなったときに既に遊技が開始され演出図柄の変動表示の実行中であるというケースもありうる。この実施の形態では、役物初期動作処理において、役物の初期動作を開始するにあたって、特に演出図柄の変動表示中であるか否かを区別することなく、そのままステップS3504の処理に移行して役物の初期動作を開始するように構成されている。つまり、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても役物の初期動作を実行することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立(本例では、クリアスイッチのオン)にもとづいて変動データ記憶手段(本例では、バックアップRAM)の記憶内容を初期化する初期化処理を実行し、初期化処理が実行されたことにもとづいて初期化報知を実行する。また、遊技機への電力供給が開始されたことにもとづいて、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を実行する。そして、この場合、初期化処理の実行を終了した後に、役物の初期動作を実行する。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
例えば、この実施の形態では、ランプおよびスピーカ27を用いて初期化報知を行うのであるが、一般に遊技機においてはスピーカ27で消費される電力が最も大きく代替手段もないため省力化に限界がある。また、役物の初期動作を実行する場合にはモータ86,87の消費電力が大きい。さらに初期化報知などにおいてランプやLEDを点灯すれば消費電力がさらに大きくなる。そのため、初期化処理と役物の初期動作とを重複したタイミングで実行してしまうと、一時的に電力消費が著しく大きくなり遊技店などの電源に余裕がない事態などが生じてしまうおそれがあり、遊技機が瞬停状態に陥るおそれが高くなる。また、一時的に電力消費が大きくなると過電流などにより遊技機内の各回路が損傷するおそれも生じる。そのため、過電流などにより回路が損傷しにくくなるように回路設計を行う必要が生じることになる。さらに、遊技機内部においても、一時的にスピーカ27やモータ86,87での電力消費が集中すると、例えば、ランプや演出表示装置9(液晶表示装置)に供給される電力が不足し、遊技演出を正常に行えなくなるなどの弊害を生じるおそれもある。そこで、この実施の形態では、初期化処理の実行を終了した後に役物の初期動作を実行するように構成されているので、初期化処理と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止し、回路設計にコストをかけることなく、電力消費を分散できるようにしている。
また、この実施の形態によれば、遊技中に少なくとも音出力手段(本例では、スピーカ27)を用いた音出力による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じた音出力を可能である)とともに、音出力手段を用いた音出力を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、音出力手段を用いた音出力による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じた音出力が継続される)。そのため、初期化報知と音出力手段を用いた音出力による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技中に少なくとも発光手段(本例では、ランプ)を用いた発光表示による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じたランプ表示を可能である)とともに、発光手段を用いた発光表示を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、発光手段を用いた発光表示による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じたランプ表示が継続される)。そのため、初期化報知と発光手段を用いた発光表示による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始されるときには、その演出図柄の可変表示とともに初期化報知を実行する。また、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても初期化報知や役物の初期動作を実行することができる。
なお、この実施の形態で示したように、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とを並行して実行可能に構成してしまうと、初期動作のために可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物を可動しているにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態のように演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行可能に構成した場合には、役物の初期動作の実行中に、例えば「役物初期動作中」などの文字列を表示して役物の初期動作中であることを報知するようにすることが望ましい。そのようにすれば、役物の初期動作の実行中であるにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうことを防止することができる。
また、上記のような誤解が生じないようにするために、例えば、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示を開始する場合には、その演出図柄の変動表示において予告演出を実行しないように制限したり予告演出をキャンセルしたりするように構成してもよい。
実施の形態3.
第2の実施の形態では、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときでも、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行するように構成していたが、役物の初期動作を制限するように構成してもよい。以下、演出図柄の変動表示中には役物の初期動作を制限する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図55は、第3の実施の形態における役物初期動作処理(ステップS708)を示すフローチャートである。この実施の形態では、役物初期動作処理において、ステップS3503で役物初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中であるか否かを確認する(ステップS3503A)。なお、演出図柄の変動表示中であるか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS828でセットされる変動時間タイマの値が0であるか否かを確認し、変動時間タイマの値が0でなければ演出図柄の変動表示中であると判定することができる。また、例えば、演出図柄プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理〜演出図柄変動停止処理であることを示す1〜3の値となっているときに演出図柄の変動表示中であると判定してもよい。
演出図柄の変動表示中でなければ(ステップS3503AのN)、演出制御用CPU101は、ステップS3504に移行し、役物の初期動作の実行を開始する。演出図柄の変動表示中であれば(ステップS3503AのY)、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。すなわち、演出図柄の変動表示中である場合には役物の初期動作を開始せず、役物の初期動作の実行を制限する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、役物の初期動作の実行を制限する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても、演出図柄の変動表示を終了した後に役物の初期動作を実行することができる。また、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止できるので、より電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、役物の初期動作の開始タイミングでのみ演出図柄の変動表示中であるか否かを確認し、演出図柄の変動表示中であれば役物の初期動作を開始しないように制御する場合を示したが、役物の初期動作の制限態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、さらに役物の初期動作の実行中の途中から演出図柄の変動表示が開始されたか否かも確認するようにし、演出図柄の変動表示が開始された場合には役物の初期動作を中断するように構成してもよい。そのように構成すれば、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることをより確実に防止することができる。
また、例えば、演出図柄の変動表示が複数回連続して実行されるようなケースでは、所定回数(例えば、3回)演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できなかった場合には、演出図柄の変動表示の実行中であっても強制的に役物の初期動作を実行するように構成してもよい。すなわち、変動表示の実行回数が所定回数に達するまでは、役物の初期動作よりも演出図柄の変動表示を優先して実行する一方、変動表示の実行回数が所定回数に達したときには、演出図柄の変動表示よりも役物の初期動作を優先して実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、役物の初期動作が全く実行できなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、逆に、電力消費の集中防止を重視し、演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できない場合には、役物の初期動作を全く実行しないように構成してもよい。この場合、例えば、所定回数(例えば、3回)演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できなかった場合には、役物の初期動作を実行していなくても、役物初期動作済フラグをセットし、以降、強制的に役物の初期動作を実行しないように構成してもよい。このように、役物の初期動作が実行されずに、その開始タイミングからの経過時間が所定時間が経過した場合には、役物の初期動作を実行しないように制限(禁止)してもよい。
また、上記の各実施の形態で示した排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号を外部出力する構成や、初期化報知および役物の初期動作を実行する構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記の各実施の形態の構成を適用し、排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号を外部出力したり、初期化報知および役物の初期動作を実行するように構成してもよい。
図47に示すパチンコ遊技機1において、操作ボタン120に対する所定の指示操作(押圧操作や回転操作など)が行われると、その検出結果を示す信号が図49に示す入力ポート107を介して、演出制御用CPU101に入力される。このようにして、パチンコ遊技機1の遊技者による指示入力を受け付ける。演出制御用CPU101は、遊技者による指示入力を受け付けると、例えば演出表示装置9における演出画像の表示といった、各種の演出装置を用いた各種演出を実行するための演出動作制御を行う。
パチンコ遊技機1では、例えば、演出図柄を可変表示中の所定期間などにおいて、可変表示の表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される可能性を示唆する予告演出が実行されることがある。予告演出は、例えば所定の演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、演出図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示の表示結果が大当りとなる可能性が高いスーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示の表示結果が大当りとなる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための演出であればよい。
ここで、リーチ態様とは、演出表示装置9の表示画面における演出図柄の可変表示中に停止表示された演出図柄が、予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに、未だ停止表示されていない演出図柄(リーチ変動図柄ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」および「右」の図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの図柄表示エリア(例えば「中」の図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置9の表示画面上に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置9における表示動作のみならず、スピーカ27による音声出力動作や、装飾発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(リーチパターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、可変表示の表示結果が大当りとなる可能性(信頼度あるいは大当り信頼度ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、大当りとなる可能性が異なることを示唆できる。一例として、複数種類の演出態様に応じて、ノーマルのリーチ演出や、スーパーリーチによるリーチ演出といった、複数種類のリーチ演出が実行可能に予め設定されている。そして、スーパーリーチによるリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当りとなる可能性(大当り期待度)が高くなる。
予告演出についても、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(予告パターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれの予告演出における演出態様に応じて、可変表示の表示結果が大当りとなる可能性が異なる。すなわち、複数種類の予告演出のいずれが実行されるかに応じて、大当りとなる可能性が異なることを示唆できる。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、表示結果が大当りとなる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて大当りとなる可能性などを予告する予告演出である。特に、複数回の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、始動入賞の発生により抽出された乱数の値などに基づいて、可変表示の表示結果が大当りとなる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、変動中予告演出ともいう)と称される。
以下では、予告対象になる可変表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行される「保留球変化」の態様の先読み予告演出(保留変化予告演出)が実行される場合を説明する。また、変動中予告演出として、操作ボタン120に対する遊技者の指示入力(押圧操作など)を伴う「ボタン予告」の態様の予告演出(ボタン予告演出)が実行される場合を説明する。保留変化予告演出やボタン予告演出では、まず操作ボタン120による指示入力(押圧操作など)を示唆するボタン操作示唆表示が行われる。このときには、操作ボタン120に対する操作を有効に受け付ける操作有効期間となる。操作有効期間において、操作ボタン120に対する所定の指示入力(例えば押圧操作や回転操作)が検出されたことにもとづいて、ボタン操作示唆表示を特定表示(大当りとなる可能性を示唆する表示など)に変更する演出が実行される。なお、「保留球変化」の態様の先読み予告演出にかぎらず、予告対象となる可変表示に対する始動入賞が発生した後に開始される可変表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる可変表示が実行される以前の複数回の可変表示にわたって実行される先読み予告演出を実行可能に構成してもよい。
CPU56は、始動入賞口(例えば図1に示す始動入賞口14または図47に示す第1始動入賞口13もしくは第2始動入賞口14)に入賞した遊技球が検出された始動入賞時に、所定の入賞時乱数値判定処理(入賞時判定)を実行することにより、図16に示すステップS213で抽出された数値データ(例えば大当り判定用乱数となるランダムRなど)を用いて、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値がいずれの判定値の範囲になるかを判定してもよい。そして、大当りや小当りとなることに加え大当りの種別を指定する図柄指定コマンドと、変動パターン種別判定用乱数の値を判定した結果として判定値の範囲を指定する変動カテゴリコマンドとを、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御が行われてもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できればよい。
このように、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。以下、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとを総称して入賞時判定結果指定コマンドということがある。
ここで、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数などの保留記憶数が同じであるとは限らない。一方、保留記憶数にかかわらず共通の判定値が所定の変動パターン種別に割り当てられていれば、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そこで、こうした共通の判定値が割り当てられた変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して先読み予告演出が実行されればよい。なお、共通の判定値が割り当てられた変動パターン種別になると判定した場合にのみ、変動カテゴリコマンドを送信し、それ以外の変動パターン種別になると判定した場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、共通の判定値が割り当てられた変動パターン種別以外になると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、時短状態(高ベース状態)であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合には、入賞時判定の処理が実行されず、入賞時判定結果指定コマンドが送信されないようにしてもよい。
CPU56が図15に示すステップS301の変動パターン設定処理で変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれか1の変動パターンに決定する。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、例えば図41に示すステップS705や図50に示すステップS705で演出制御プロセス処理を実行するごとに図56(A)に示す先読み予告演出決定処理を実行して、先読み予告演出を実行するか否かの決定や、先読み予告演出における演出態様の決定ができればよい。先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時に主基板31から送信される演出制御コマンドについて、新たな受信があったか否かを確認する(ステップS601)。
主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納された後、演出制御用CPU101がコマンド解析処理(ステップS704)を実行して、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。このとき、受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信したコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたRAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドが新たに格納されていれば、新たなコマンドの受信があったと判定すればよい。
新たな始動入賞時のコマンドの受信があった場合には(ステップS601のY)、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の実行を許容する条件として予め定められた先読み予告許容条件が成立したか否かを判定する(ステップS602)。先読み予告許容条件は、例えば入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド)を欠落なく順番通りに矛盾(不整合)なく正常に受信できた場合に、成立すればよい。また、このような場合でも、予告対象となる可変表示より前に表示結果が大当りや小当りとなることを指定する図柄指定コマンドが格納されていれば、先読み予告許容条件が成立しないようにしてもよい。あるいは、大当り遊技中であるか否かを確認し、大当り遊技中であれば、先読み予告許容条件が成立しないようにしてもよい。大当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)となっているか否かを確認することによって判定できる。
先読み予告許容条件が成立していれば(ステップS602のY)、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行するか否かという先読み予告の有無と、先読み予告演出を実行する場合における演出態様とを決定する(ステップS603)。例えば、先読み予告の有無や演出態様を決定するための先読み予告決定用乱数を抽出し、受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、抽出した先読み予告決定用乱数の値が所定の先読み予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、先読み予告の有無と演出態様とを決定する。
図56(B)は、ステップS603の処理による決定内容の具体例を示している。図56(B)に示す例では、変動カテゴリコマンドによって変動パターン種別の入賞時判定結果として「非リーチはずれ」、「スーパーリーチ」または「大当り」のいずれかの判定結果が示されてる場合に、先読み予告演出が実行される場合がある。図56(B)に示す例では、入賞時判定結果が「非リーチはずれ」である場合に、先読み予告演出を実行しない「予告なし」に決定される割合が最も高く、「保留球変化」の態様が「変化B」に決定される割合は「変化A」に決定される割合よりも低い。また、「変化C」には決定されることがない。一方、入賞時判定結果が「スーパーリーチ」である場合には、「変化B」に決定される割合が「変化A」や「予告なし」に決定される割合よりも高くなる。しかしながら、「変化C」には決定されることがない。入賞時判定結果が「大当り」である場合には、「変化C」に決定される割合が最も高く、「変化B」に決定される割合は「変化A」や「予告なし」に決定される割合よりも高い。
このような設定により、「保留球変化」の態様が「変化B」である場合には、「変化A」や「予告なし」である場合に比べて、大当りとなる期待度(大当り信頼度)や演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となってスーパーリーチによるリーチ演出が実行される期待度が高くなる。また、「保留球変化」の態様が「変化C」である場合には、大当りになることが確定する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行しない「予告なし」に決定したか否かを確認する(ステップS604)。先読み予告演出を実行しないことに決定した場合には、ステップS605に移行する。先読み予告演出を実行することに決定した場合には、ステップS606に移行する。
ステップS605において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様の保留表示を1つ増加させる。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合には、保留表示として赤色の丸形表示(第1通常保留表示ともいう)を1つ増加させ、第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合には、保留表示として青色の丸形表示(第2通常保留表示ともいう)を1つ増加させる。
ステップS606において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて「保留球変化」の態様となるボタン保留表示を1つ増加させて、保留変化予告演出となる先読み予告演出の実行を開始させる。保留変化予告演出を実行する場合には、操作ボタン120に対する所定の指示入力(例えば押圧操作)を促す態様のボタン保留表示(例えば操作ボタン120の形状を模した態様の保留表示)を1つ増加させ、その後、操作ボタン120に対する指示入力が検出されたことにもとづいてボタン保留表示を特殊保留表示に変更させる。操作ボタン120に対する指示入力としては、例えば操作ボタン120の押圧操作を1回行う単発操作であってもよいし、押圧操作を複数回(例えば10回)連続して行う連打操作であってもよいし、押圧操作を所定期間(例えば2秒間)継続して行う継続操作であってもよい。また、ボタン保留表示の態様に応じて、操作ボタン120に対する指示入力の態様を異ならせてもよい。
例えば、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、赤色のボタン保留表示(第1ボタン保留表示ともいう)を1つ増加させ、その後、操作ボタン120に対する指示入力を検出したことにもとづいて第1ボタン保留表示を赤色の特殊保留表示(第1特殊保留表示ともいう)に変更する。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに先読み予告演出を開始する場合であれば、青色のボタン保留表示(第2ボタン保留表示ともいう)を1つ増加させ、その後、操作ボタン120による操作を検出したことにもとづいて第2ボタン保留表示を青色の特殊保留表示(第2特殊保留表示ともいう)に変更する。
図56(C)は、ボタン保留表示を変更した後の特殊保留表示について、「保留球変化」の態様に応じた演出態様(操作後演出態様)の設定例を示している。図56(C)に示す例では、「保留球変化」の態様が「変化A」である場合に、特殊保留表示として操作後演出態様が「?」の文字を含む丸形表示の保留表示が行われる。「保留球変化」の態様が「変化B」である場合には、特殊保留表示として操作後演出態様が「熱」の文字を含む丸形表示の保留表示が行われる。「保留球変化」の態様が「変化C」である場合には、特殊保留表示として操作後演出態様が「当」の文字を含む丸形表示の保留表示が行われる。なお、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出として、星形表示の保留表示を行ったり、金色の保留表示を行ったり、ハート形の保留表示を行ったり、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせた保留表示を行ったりするなど、複数種類の態様の演出を実行可能に構成し、いずれの演出態様であるかに応じて大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにすればよい。
以上のように、ステップS606の処理が実行されることによって、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出を実行すると決定された場合に、始動入賞が発生し始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出が開始される。
また、図51に示した演出図柄変動開始処理(ステップS801)に代えて、図57に示すような処理が実行されてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、図51に示した処理に加えて、変動中予告演出となる「ボタン予告」の態様の予告演出(ボタン予告演出)を実行するための設定を行う予告演出設定処理を実行する(ステップS820)。そして、予告演出設定処理を実行すると、その後、ステップS821の処理に移行する。ステップS821の処理では、変動パターンに応じたプロセステーブルとともに、予告演出に応じたプロセステーブルが選択されればよい。
図58(A)は、予告演出設定処理(ステップS820)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の停止図柄を特定する(ステップS651)。演出図柄の停止図柄には、はずれとなる場合の「はずれ図柄」と、大当りとなる場合の「大当り図柄」と、小当りとなる場合の「小当り図柄」とがあればよい。こうした停止図柄の特定結果に応じて、演出制御用CPU101は、ボタン予告演出を実行するか否かというボタン予告演出の有無と、ボタン予告演出を実行する場合における演出態様とを決定する(ステップS652)。例えば、ボタン予告演出の有無や演出態様を決定するためのボタン予告決定用の乱数を抽出し、停止図柄の特定結果にもとづいて、抽出したボタン予告決定用乱数の値が所定のボタン予告振分テーブルに含まれるいずれかの判定値と合致するかを判定することによって、ボタン予告演出の有無と演出態様とを決定する。
図58(B)は、ステップS651の処理により決定決定の具体例を示している。図58(B)に示す例では、停止図柄が「はずれ図柄」である場合に、ボタン予告演出を実行しない「予告なし」に決定される割合が最も高く、ボタン予告演出の態様が「予告B」に決定される割合は「予告A」に決定される割合よりも低く、「予告C」に決定される割合は「予告B」に決定される割合よりもさらに低い。停止図柄が「大当り図柄」(または「小当り図柄」)である場合には、ボタン予告演出の態様が「予告C」に決定される割合が最も高く、「予告B」に決定される割合は「予告A」や「予告なし」に決定される割合よりも高い。
このような設定により、ボタン予告演出が実行された場合には、実行されない場合よりも大当りや小当りに対する期待度(信頼度)が高くなる。また、ボタン予告演出の態様が「予告C」である場合には、「予告B」である場合に比べて大当りや小当りに対する期待度(信頼度)が高く、「予告B」である場合には、「予告A」である場合に比べて大当りや小当りに対する期待度(信頼度)が高くなる。
ボタン予告演出を実行する場合には、まず、操作ボタン120に対する所定の指示入力(例えば押圧操作)を促す態様の演出画像が演出表示装置9に表示(操作促進表示)され、その後、操作ボタン120に対する指示入力が検出されたことにもとづいて、操作促進表示を特殊表示(大当りとなる可能性を示唆する表示)に変更する演出が実行される。操作ボタン120に対する指示入力の態様は、「保留球変化」の態様で先読み予告演出が実行される場合と同様の態様であってもよいし、「保留球変化」の態様で先読み予告演出が実行される場合とは異なる態様であってもよい。
図58(C)は、操作促進表示を変更した後の特殊表示について、ボタン予告演出の態様に応じた演出態様(操作後演出態様)の設定例を示している。図58(C)に示す例では、ボタン予告演出の態様が「予告A」である場合に、特殊表示として操作後演出態様が「…」のメッセージを含む演出画像(文字画像など)の表示が行われる。ボタン予告演出の態様が「予告B」である場合には、特殊表示として操作後演出態様が「チャンス」のメッセージを含む演出画像の表示が行われる。ボタン予告演出の態様が「予告C」である場合には、特殊表示として操作後演出態様が「激アツ」のメッセージを含む演出画像の表示が行われる。その他、複数態様の演出を実行可能に構成して、いずれの演出態様であるかに応じて大当りに対する期待度(信頼度)を異ならせるようにすればよい。
図57に示すような演出図柄変動開始処理が実行される場合には、図52に示した演出図柄変動中処理(ステップS802)に代えて、図59に示すような処理が実行されてもよい。図59に示す演出図柄変動中処理のうち、ステップS841〜S849AおよびステップS850〜S852の処理は、第2の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図59に示す処理では、ステップS843でプロセスタイマがタイムアウトしていない場合や、プロセスタイマがタイムアウトしてステップS844〜S849Aの処理を実行した後に、操作時演出制御処理を実行してから(ステップS849B)、ステップS850の処理に移行する。
図60は、操作時演出制御処理(ステップS849B)を示すフローチャートである。図60に示す操作時演出制御処理において、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するための設定があるか否かを確認する(ステップS501)。例えば、ステップS606でボタン保留表示が開始されたか否かや、ステップS821で予告演出に応じたプロセステーブルが選択されたか否かを確認し、いずれかが行われていれば予告演出を実行するための設定があると判定することができる。
予告演出を実行するための設定がなければ(ステップS501のN)、操作時演出制御処理を終了する。予告演出を実行するための設定がある場合には(ステップS501のY)、操作有効期間の開始タイミングであるか否かを確認する(ステップS502)。例えば、演出図柄の可変表示中にステップS606でボタン保留表示が開始された後、ステップS502が最初に実行されたときには、操作有効期間の開始タイミングであると判定すればよい。また、ステップS821で選択されたボタン予告演出用のプロセステーブルにもとづいて、操作有効期間の開始タイミングであるか否かを判定すればよい。
操作有効期間の開始タイミングであれば(ステップS502のY)、ステップS503に移行し、演出制御用CPU101は、すでに操作有効期間の設定があるか否かを確認する。例えば、ボタン保留表示の開始にもとづいてステップS503の処理が実行されたときに、ステップS821で選択されたプロセステーブルによりボタン予告演出を実行するための操作有効期間が開始されている場合には、操作有効期間の設定があると判定すればよい。また、ステップS821で選択されたボタン予告演出用のプロセステーブルにもとづいてステップS503の処理が実行されたときに、ボタン保留表示が特殊保留表示へと変更されずに合算保留記憶表示部18cに表示されている場合には、操作有効期間の設定があると判定すればよい。
操作有効期間の設定がない場合には(ステップS503のN)、ステップS502で開始タイミングと判定された予告演出に対応する操作有効期間を開始させる(ステップS504)。操作有効期間の設定がある場合には(ステップS503のY)、「保留球変化」の先読み予告演出とボタン予告演出とで、予告演出の優先順位を比較する(ステップS505)。すなわち、すでに設定中(継続中)の操作有効期間と、新たに開始タイミングとなった操作有効期間とで、優先順位の高低を比較する。予告演出の優先順位は、例えば図61(A)に示すように、「保留球変化」の先読み予告演出やボタン予告演出における演出態様ごとに大当りとなる可能性(大当り信頼度)が異なる場合に、大当り信頼度が高いほど優先順位が高く、大当り信頼度が低いほど優先順位が低くなるように、予め設定されていればよい。あるいは、例えば図61(B)に示すように、「保留球変化」の先読み予告演出とボタン予告演出とで操作ボタン120に対する指示入力パターンとなる操作内容が異なる場合に、操作の複雑性といった指示入力量が多いほど優先順位が高く、指示入力量が少ないほど優先順位が低くなるように、予告演出の優先順位が予め定められていてもよい。図61(B)に示す例では、ボタン予告演出の場合に、操作ボタン120に対する押圧操作の検出回数が10回以上となったことにより予告実行条件(連打10回)が成立して、操作促進表示が特殊表示に変更される。一方、「保留球変化」の場合には、操作ボタン120に対する押圧操作の継続時間が2秒に達したことにより予告実行条件(継続押圧2秒)が成立して、ボタン保留表示が特殊保留表示に変更される。
ステップS505に続いて、演出制御用CPU101は、優先順位が高いために優先する予告演出の操作有効期間を開始させる(ステップS506)。このとき、優先順位が低いために劣後する予告演出の操作有効期間がすでに開始されている場合には、その操作有効期間を一旦終了(中断)させて待機中とする。また、優先順位が低いために劣後する予告演出の操作有効期間がいまだ開始されていない場合(開始タイミングとなった場合)には、その操作有効期間の開始を延期させて待機中とする。そして、演出制御用CPU101は、予告待機中フラグをセットする(ステップS507)。
なお、操作有効期間のいずれかを中断したり開始を延期したりするときには、その操作有効期間に対応するボタン保留表示や操作促進表示を、遊技者が視認困難または視認不可能な表示態様となるように制限してもよい。例えば、ボタン保留表示や操作促進表示の透明度を高めた半透明表示または表示の大きさを縮小した縮小表示などを行うことにより、操作有効期間の中断や開始が延期されたことを明確にしてもよい。あるいは、ボタン保留表示を通常保留表示に変更したり、操作促進表示を消去したりすることで、操作有効期間の中断や開始が延期されたことを明確にしてもよい。すなわち、操作ボタン120による指示入力を示唆するボタン操作示唆表示を実行することが決定されても、操作有効期間が中断されたり開始が延期されたりした場合には、ボタン操作示唆表示を行わないように制限(禁止)してもよいし、遊技者が視認困難または視認不可能な演出態様で行うように制限してもよい。
すでに設定中(継続中)の操作有効期間を一旦終了(中断)させる場合には、所定の待機期間(例えば2秒)を経過してから他の操作有効期間を開始させるようにしてもよい。これにより、中断される操作有効期間の最後に検出された指示入力によって意図しない他方の予告演出における演出態様が変更されてしまうことを防止できる。
ステップS502で操作有効期間の開始タイミングではない場合には(ステップS502のN)、予告待機中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS508)。予告待機中フラグがセットされている場合には、待機中となっている予告演出の操作有効期間が終了タイミングとなったか否かを確認する(ステップS509)。例えば、ボタン予告演出の操作有効期間が待機中である場合に、ボタン予告演出のプロセステーブルにおける設定にもとづいて、操作有効期間の終了タイミングとなったか否かを判定すればよい。なお、ボタン保留表示に対応する操作有効期間が待機中である場合には、その保留表示に対応する可変表示が開始されるときに保留表示が消去されることに対応して、操作有効期間が終了タイミングになる。一方、ステップS509は可変表示の実行中に実行される処理であることから、新たに可変表示が開始されることがない。したがって、ステップS509では「保留球変化」の先読み予告演出に対応する操作有効期間の終了タイミングになることがないものとしてもよい。あるいは、第1特別図柄と第2特別図柄の可変表示が並行して実行(同時変動)できる場合には、ステップS509の処理で「保留球変化」の先読み予告演出に対応する操作有効期間の終了タイミングになることがあるものとしてもよい。待機中となっている予告演出の操作有効期間が終了タイミングとなった場合には(ステップS509のY)、予告待機中フラグをリセットする(ステップS510)。
その後、ステップS511に移行して、演出制御用CPU101は、いずれかの予告演出に対応した操作有効期間であるか否かを確認する。操作有効期間ではない場合には(ステップS511のN)、操作時演出制御処理を終了する。操作有効期間である場合には(ステップS511のY)、操作ボタン120に対する指示入力(例えば押圧操作または回転操作)の検出結果にもとづいて、予告実行条件が成立したか否かを確認する(ステップS512)。予告実行条件は、例えばボタン保留表示を特殊保留表示に変更させるために、あるいは操作促進表示を特殊表示に変更させるために、遊技者が要求される操作ボタン120に対する指示入力の内容(例えば1回の押圧操作)として、予告演出ごとに、あるいは、予告演出における演出態様ごとに、予め定められていればよい。
予告実行条件が成立しなければ(ステップS512のN)、操作有効期間の終了タイミングとなったか否かを確認する(ステップS513)。予告実行条件が成立すれば(ステップS512のY)、演出制御用CPU101は、特殊保留表示や特殊表示といった操作後演出態様の予告演出を実行するための制御を行う(ステップS514)。
ステップS513で操作有効期間の終了タイミングではない場合には(ステップS513のN)、操作時演出制御処理を終了する。操作有効期間の終了タイミングである場合や(ステップS513のN)、ステップS514で予告演出の実行制御を行った後には、予告待機中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS515)。予告待機中フラグがセットされていなければ(ステップS515のN)、操作有効期間を終了させる(ステップS516)。予告待機中フラグがセットされていれば(ステップS515のY)、待機中である予告演出の操作有効期間を開始させるとともに(ステップS517)、予告待機中フラグをリセットする(ステップS518)。
図62は、「保留球変化」の先読み予告演出の実行例を示すタイミング図である。図62に示す例では、特別図柄と演出図柄の可変表示中に新たな始動入賞が発生している。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(進入)した遊技球による新たな始動入賞が検出されると、CPU56が入賞時乱数値判定処理を実行して、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)と保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する。保留記憶数加算指定コマンドは、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)または第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。
図62に示す例では、演出図柄の変動表示A中に新たな始動入賞があり、入賞時判定結果指定コマンドの送信前に合算保留記憶数が3であったものとする。そして、演出図柄の変動表示A中の始動入賞により合算保留記憶数が4になる。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて演出制御用CPU101が先読み予告演出決定処理(図56(A)参照)を実行し、「保留球変化」の先読み予告演出を実行することに決定する。このとき、「保留球変化」の態様は「変化B」に決定される。そして、図62に示すタイミングYT0で受信した受信した保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)にもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を1増加させ(ステップS606)、始動入賞の発生時に直ちに先読み予告演出を開始する。
変動表示Aの終了後には、次の変動表示Bを開始する。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減少させ、残りの第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の先読み予告演出が継続する。変動表示Bの終了後には、次の変動表示Cを開始する。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減少させ、残りの第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の先読み予告演出が継続する。
図62に示す例では、変動表示Cの実行中であるタイミングYT3にて操作ボタン120に対する指示入力(押圧操作)が検出される。このように、操作ボタン120に対する押圧操作が検出されたことにより、第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示が第1特殊保留表示または第2特殊保留表示に変更される(図60のステップS514)。その後、変動表示Dが開始された場合には、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減少させ、残りの第1特殊保留表示または第2特殊保留表示を含めた各保留表示が1つずつシフトされ、「保留球変化」の先読み予告演出が継続する。そして、予告対象の変動表示Eが開始されるときに、予告対象の変動表示に対応する保留記憶が消化されたことに対応して受信した保留記憶数減算指定コマンドにもとづいて、予告対象の保留表示(第1特殊保留表示または第2特殊保留表示)が合算保留記憶表示部18cから消去され、「保留球変化」の先読み予告演出を終了する。保留記憶数減算指定コマンドは、第1保留記憶数または第2保留記憶数が1減算したことを指定する演出制御コマンドである。
図62に示す場合において、変動表示Bの実行が開始されるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用CPU101が予告演出設定処理(図57のステップS820および図58(A)参照)を実行し、変動中予告演出となるボタン予告演出を実行することに決定する。このとき、ボタン予告演出の態様は「予告B」に決定される。図63は、変動表示Bにおいて態様が「変化B」となる「保留球変化」の先読み予告演出の操作有効期間が継続しているときに、態様が「予告B」となるボタン予告演出に対応する操作有効期間が開始(重複)する場合の実行例を示すタイミング図である。
図63に示す例では、タイミングYT1がボタン予告演出に対応する操作有効期間の開始タイミングとなる(図60のステップ502でY)。このとき、「保留球変化」の先読み予告演出に対応する操作有効期間が継続中で設定ありとなることから(ステップS503でY)、双方の予告演出について優先順位が比較される(ステップS505)。そして、例えば図61(A)に示すような大当り信頼度に応じた優先順位が予め定められている場合には、態様が「予告B」となるボタン予告演出の優先順位が3であるのに対し、態様が「変化B」となる「保留球変化」の先読み予告演出の優先順位は4であり、ボタン予告演出の方が優先される。
これにより、態様が「予告B」となるボタン予告演出の操作有効期間が開始される一方、態様が「変化B」となる「保留球変化」の先読み予告演出の操作有効期間が中断されて待機中となる(ステップS506)。このときには、予告待機中フラグがセットされる(ステップS507)。その後、タイミングYT2では、操作ボタン120に対する指示入力(押圧操作)が検出されて操作促進表示が特殊表示に変更されたり(ステップS514)、ボタン予告演出の操作有効期間がタイムアウトして終了タイミングとなったりする(ステップS513のY)。こうして、タイミングYT2にてボタン予告演出の操作有効期間が終了するときには、予告待機中フラグがセットされていることから(ステップS515のY)、待機中である態様が「変化B」となる「保留球変化」の先読み予告演出の操作有効期間が開始(再開)される(ステップS517)。
図64は、「保留球変化」の先読み予告演出とボタン予告演出における演出態様の具体例を示している。図64に示す例では、(A)(B)(C)(D)の順に演出画面の態様が遷移する。図64(A)に示すように合算保留記憶表示部18cにボタン保留表示200(第1ボタン保留表示または第2ボタン保留表示)を表示して、「保留球変化」の先読み予告演出が実行される。その後の変動表示(例えば図62および図63に示した変動表示B)において、ボタン予告演出を実行することに決定され、そのボタン予告演出の実行タイミングとなった場合には、予告待機中フラグがセットされて先読み予告演出における操作有効期間を一旦終了(中断)させる。そして、ボタン予告演出における操作促進表示が開始され、図64(B)に示すように、演出表示装置9においてボタン保留表示200と操作促進表示201とが同時に表示された状態となる。具体的には、ボタン保留表示200として、操作ボタン120の形状を模した態様の保留表示が行われるとともに、操作促進表示201として、「PUSH!」などの文字列とともに操作ボタン120の形状を模した絵柄を含む表示が行われる。
こうして先読み予告演出とボタン予告演出とが並行して実行されている間に、操作ボタン120に対する指示入力(押圧操作)が検出されると、図64(C)に示すように、操作促進表示201が特殊表示203に変更される。具体的には、特殊表示203として、態様が「予告B」に対応する「チャンス」などの文字列を含む表示に変更される。ただし、先読み予告演出に関しては操作有効期間が一旦終了(中断)されているので、ボタン保留表示200のまま変化しない。
次いで、ボタン予告演出の操作有効期間(例えば6秒)が終了すると、予告待機中フラグがリセットされて先読み予告演出における操作有効期間が開始(再開)される。その後、操作ボタン120に対する指示入力(押圧操作)が検出されると、図64(D)に示すように、ボタン保留表示200が特殊保留表示202(第1特殊保留表示または第2特殊保留表示)に変更される。具体的には、特殊保留表示202として、態様が「変化B」に対応する「熱」などの文字を含む丸形表示に変更される。
このように、「保留球変化」の先読み予告演出とボタン予告演出(変動中予告演出)との双方を実行することに決定されたときには、それぞれの予告演出の大当り信頼度に応じて予め定められた優先順位に従って、重複する複数の操作有効期間のうち、いずれか一方を開始させるときに他方を中断させたり、いずれか一方が設定中(継続中)であるときに他方の開始を延期させたりすることで、開始された操作有効期間に対応する予告演出だけについて、操作ボタン120に対する指示入力を検出して、予告実行条件を成立させることができるようにする。これにより、複数の予告演出に対応して、それぞれの指示入力を受け付けていくことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当り信頼度が高いほど優先順位が高くなるように設定することで、遊技者の期待感を高める予告演出が優先して実行されることになり、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数の操作有効期間のうちいずれかを中断(または開始を延期)させることにより、指示入力にもとづいて遊技者が意図しない予告演出が実行されてしまうことを防止できる。
なお、複数の予告演出を実行することが決定されたときには、それぞれの予告演出に対応する操作有効期間を設定(開始)することや各操作有効期間にて行われるボタン保留表示や操作促進表示といった所定の促進演出を実行することが決定されたことになる。すなわち、複数の促進演出を実行することが決定されたときに、所定の優先順位に従って、いずれかの操作有効期間を設定(開始)させて他の操作有効期間を一旦終了(中断)または開始延期させることなどにより、いずれかの予告実行条件を成立可能に設定するものであればよい。
図61(A)に示すように、大当り信頼度が高いほど優先順位が高くなるように設定されるものに限定されない。すなわち、大当り信頼度が低いほど優先順位が高く、大当り信頼度が高いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。図61(B)に示すように、操作の複雑性といった指示入力量が多いほど優先順位が高くなるように設定されるものに限定されない。すなわち、指示入力量が少ないほど優先順位が高く、指示入力量が多いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。
指示入力量は、操作ボタン120などの操作手段に対する操作回数に限定されず、例えば押圧操作の所要時間といった、演出の実行条件を成立させる指示入力の所要時間であってもよい。具体的な一例として、押圧操作の検出回数が2回以上となることにより予告実行条件が成立する予告演出(連打2回)と、押圧操作の継続時間が2秒に達したことにより予告実行条件が成立する予告演出(継続押圧2秒)とがあるものとする。この場合、連打2回は操作回数が「2」となるのに対し、継続押圧2秒は操作回数が「1」となるので、連打2回の方が継続押圧2秒よりも指示入力量が多いといえる。一方、連打2回の所要時間(例えば0.5秒)は、継続押圧2秒よりも短くなることがある。したがって、指示入力の所要時間という観点からすると、連打2回よりも継続押圧2秒の方が指示入力量が多いといえる。
さらに、指示入力量は、例えば操作ボタン120が上下左右といった複数のボタンを供える場合に、押圧操作するボタンを変更する回数といった、演出の実行条件を成立させる指示入力の種類数であってもよい。具体的な一例として、押圧操作の検出回数が3回以上となることにより予告実行条件が成立する予告演出のうちに、下ボタンを3回連続して押圧操作する予告演出と、左下右のボタンを1回ずつ押圧操作する予告演出とがあるものとする。この場合、いずれの予告演出も操作回数が「3」となる一方、下ボタンを3回連続して押圧操作する場合にはボタンの変更がなく、左下右のボタンを1回ずつ押圧操作する場合にはボタンの変更が2回行われる。したがって、指示入力の種類数という観点からすると、下ボタンを3回連続して押圧操作するよりも、左下右のボタンを1回ずつ押圧操作する方が指示入力量が多いといえる。
そして、操作有効期間を設定(開始)するときの優先順位は、例えば押圧操作の所要時間といった指示入力の検出時間が長いほど優先順位が高く、指示入力の検出時間が短いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。あるいは、指示入力の検出時間が短いよど優先順位が高く、長いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。また、例えば押圧操作の変更回数といった指示入力の種類数が多いほど優先順位が高く、指示入力の種類数が少ないほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。あるいは、指示入力の種類数が少ないほど優先順位が高く、指示入力の種類数が多いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。このように、指示入力量は、指示入力の検出回数、検出時間、種類数、あるいは、これらの全部または一部の組合せを、含む概念であればよい。
また、操作有効期間を開始させるときに比較される予告演出の優先順位は、予告演出の大当り信頼度や指示入力パターン(操作の複雑性)に従って設定されるものに限定されない。例えば、操作有効期間の開始タイミングの前後関係に従って優先順位が設定されてもよい。より具体的な一例として、操作有効期間の開始タイミングが先になるほど優先順位が高く、開始タイミングが後になるほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。他の一例として、操作有効期間の開始タイミングが後になるほど優先順位が高く、開始タイミングが先になるほど優先順位が高くなるように設定されてもよい。
あるいは、操作有効期間の長さに従って優先順位が設定されてもよい。より具体的な一例として、操作有効期間が短いほど優先順位が高く、操作有効期間が長いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。他の一例として、操作有効期間が長いほど優先順位が高く、操作有効期間が短いほど優先順位が低くなるように設定されてもよい。
あるいは、例えば先読み予告演出であるか変動中予告演出であるかといった演出の種類に従って優先順位が設定されてもよい。より具体的な一例として、変動中予告演出は優先順位が高く、先読み予告演出は優先順位が低くなるように設定されてもよい。他の一例として、先読み予告演出は優先順位が高く、変動中予告演出は優先順位が低くなるように設定されてもよい。
単一の先読み予告演出と単一の変動中予告演出とが実行されるものにおいて、それぞれの予告演出に対応する操作有効期間の開始タイミングとなる場合に限定されず、例えば複数の先読み予告演出あるいは複数の変動中予告演出が実行可能なものにおいて、それぞれの予告演出に対応する操作有効期間の一部または全部が競合する場合にも、同様にして設定された優先順位に従って、いずれかの予告演出に対応する操作有効期間を優先して開始させるようにしてもよい。
複数の先読み予告演出を実行可能とする一例として、合算保留記憶表示部18cにおいて「保留球変化」の先読み予告演出におけるボタン保留表示を複数の表示部位にて行うことで、複数の保留記憶に対応する可変表示の表示結果が大当りとなる可能性などが示唆されてもよい。そして、「保留球変化」の態様が「変化A」〜「変化C」のいずれであるかに対応して大当り信頼度が高いほど優先順位が高くなるように設定することなどにより、いずれかのボタン保留表示に対応する操作有効期間を優先して開始させてもよい。
複数の変動中予告演出を実行可能とする一例として、変動中予告演出を実行するか否かは、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後のそれぞれについて一括または順次に決定されてもよい。この場合、予告演出の信頼度(大当り信頼度)は、1回の演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの変動表示中において、後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度と少なくとも同じであるか高い信頼度となるように決定されてもよい。例えば、中信頼度の予告演出が実行された後には必ず中信頼度または高信頼度の予告演出が実行される(低信頼度の予告演出は出現しない)ように決定される。これにより、予告演出が出現した後に大当りとなる可能性が低いことを示唆する予告演出が出現して大当りに対する期待感が減退してしまうことを防止し、遊技者が一度抱いた期待感を損なうことを防止できる。このような複数の変動中予告演出に対応する操作有効期間と、「保留球変化」の先読み予告演出に対応する操作有効期間とが競合する場合に、それぞれの変動中予告演出と先読み予告演出との優先順位を比較して、いずれかの予告演出に対応する操作有効期間を優先して開始させてもよい。
予告演出に対応する操作有効期間が設定されるものに限定されず、例えばモード移行演出やリーチ演出、大当り中演出、あるいは、これらの一部または全部といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じて実行される各種演出に対応する操作有効期間が設定される場合にも、同様に優先順位を設定することで、いずれかの演出に対応する操作有効期間を優先して開始させるようにしてもよい。すなわち、複数の促進演出を実行することが決定されたときに、所定の優先順位に従って、いずれかの演出実行条件を成立可能に設定して、指示入力の検出によりその演出実行条件が成立したことにもとづいて、予め対応づけられた所定の演出を実行することができればよい。この場合には、パチンコ遊技機における遊技状態や演出状態、その他のパチンコ遊技機1における遊技や演出の進行状況に応じて、異なる優先順位が設定されてもよい。例えば演出図柄の可変表示中には、先読み予告演出、変動中予告演出、モード移行演出あるいはリーチ演出が実行されることがある一方で、大当り中演出は実行されることがない。このときには、大当り中演出を優先順位の設定対象とせずに、それぞれの演出に応じて設定された優先順位に従って、いずれかの演出実行条件を成立可能に設定してもよい。これに対して、大当り遊技中には、先読み予告演出や大当り中演出などが実行されることがある一方で、変動中予告演出やリーチ演出などは実行されることがない。このときには、変動中予告演出やリーチ演出などを優先順位の設定対象とせずに、先読み予告演出や大当り中演出などについて設定された優先順位に従って、いずれかの演出実行条件を成立可能に設定してもよい。
演出実行条件を成立可能に設定するための優先順位は、パチンコ遊技機1における遊技履歴にかかわらず予め定められたものであってもよいし、パチンコ遊技機1における遊技履歴に応じて変更されるものであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用CPU101がパチンコ遊技機1における遊技や演出の実行履歴を示す遊技履歴情報を内蔵または外付けされたRAMに記憶させておけばよい。遊技履歴情報は、遊技の実行履歴と演出の実行履歴との双方を示すデータを含むものであってもよいし、少なくともいずれか一方を示すデータを含むものであってもよい。例えば大当り回数のように、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御された回数を示すデータが、遊技の実行履歴を示すデータとして記憶されてもよい。大当り回数に限定されず、例えば確変大当り回数や連チャン回数、賞球払出数、演出ポイント獲得数、所定の特典を付与するための2次元コード(パスワード発行用のものとは異なる)を表示した回数、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、遊技者に付与された所定価値を示すデータを含んでいてもよい。
演出ポイント獲得数は、例えば特定の演出態様となる予告演出またはリーチ演出が実行されたときに、遊技者に付与される演出ポイントの合計値であればよい。特定の演出態様となる予告演出やリーチ演出は、他の演出態様となる予告演出やリーチ演出に比べて実行割合が低くなるように設定され、出現頻度が低い演出であればよい。あるいは、演出ポイント獲得数は、可変表示の実行回数が所定回数に達したときに、遊技者に付与される演出ポイントの合計値であってもよい。あるいは、演出ポイント獲得数は、パチンコ遊技機1や端末装置(携帯端末)にて所定のミニゲームを実行した結果として、遊技者に付与される演出ポイントの合計値であってもよい。端末装置(携帯端末)では、所定のゲームアプリケーションプログラムをダウンロードして実行することや、所定のWebページにアクセスすることなどにより、パチンコ遊技機1による遊技を模したミニゲームを遊技者が実行できればよい。なお、特定の演出態様となる予告演出やリーチ演出が実行された場合に限定されず、何らかの予告演出やリーチ演出といった所定演出が実行されたときに、演出ポイントが遊技者に付与されてもよい。演出ポイントが付与される条件となる可変表示の実行回数は、例えば「1」(すなわち各回の可変表示ごと)であってもよいし「10」(すなわち複数回の可変表示ごと)であってもよい。このように、演出ポイントは、所定演出が実行されることや、可変表示の実行回数が所定回数に達したこと、所定のミニゲームが実行されたこと、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、予め定められたポイント付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に付与可能となるものであればよい。また、ポイント付与条件が成立した場合でも、演出ポイントを付与するか否かや、付与する演出ポイントの数量などを、所定割合で決定してもよい。
あるいは、優先順位は操作ボタン120といった指示入力手段に対する指示入力の履歴に応じて変更されるものであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用CPU101が指示入力の履歴を示す入力履歴情報を内蔵または外付けされたRAMに記憶させておけばよい。例えば「保留球変化」の先読み予告演出やボタン予告演出が実行されたときに操作ボタン120に対する指示入力が検出されたか否か、および指示入力の検出回数などを示すデータが、指示入力の履歴を示すデータとして記憶されてもよい。具体的な一例として、「保留球変化」の先読み予告演出が実行されたときに操作ボタン120に対する指示入力が検出される割合が高く、ボタン予告演出が実行されたときに操作ボタン120に対する指示入力が検出される割合が低い場合には、ボタン予告演出よりも「保留球変化」の先読み予告演出の優先順位が高くなるように変更してもよい。これにより、遊技者の嗜好にあわせた指示入力にもとづく演出を優先して実行可能にして、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、優先順位はパチンコ遊技機1において予め設定されているものに限定されず、遊技者の選択により設定できるものであってもよい。例えば、パチンコ遊技機1における演出状態(演出モード)を操作ボタン120に対する指示入力(例えば回転操作)にもとづいて選択可能とし、選択された演出モードに応じて異なる優先順位が設定されてもよい。あるいは、複数の演出に対応する複数の操作有効期間が重複(並行)する期間を有するように設定(開始)できるものとし、いずれかの演出態様を変化させるための操作を、遊技者が選択的に実行できるようにしてもよい。
図65は、複数の操作有効期間が重複(並行)して設定(開始)される場合の操作時演出処理(ステップS849B)を示すフローチャートである。図65に示す操作時演出制御処理において、演出制御用CPU101は、図60に示した操作時演出制御処理と同様に、予告演出を実行するための設定があるか否かを確認し(ステップS501)、設定があれば、操作有効期間の開始タイミングとなったか否かを確認する(ステップS502)。ここで、操作有効期間の開始タイミングであれば、図60に示した処理とは異なり、予め設定された優先順位の比較を行うことなく、操作有効期間を開始させる(ステップS531)。そのため、複数の予告演出について操作有効期間が設定(開始)される場合には、それぞれの操作有効期間を一旦終了(中断)や開始延期させずに、そのまま開始させる。操作有効期間の開始タイミングでなければ、ステップS511の処理に移行する。
その後、演出制御用CPU101は、操作有効期間であるか否かを確認する(ステップS511)。そして、操作有効期間であるときには、開始されている操作有効期間のいずれかに対応する予告実行条件が成立したか否かを確認する(ステップS532)。ここで、予告実行条件が予告演出ごとに、あるいは予告演出の演出態様ごとに異なる指示入力の内容となるように定められていれば、操作ボタン120に対する指示入力の検出結果にもとづいて、いずれの予告実行条件を成立させるかを判定することができる。例えば「保留球変化」の先読み予告演出では、操作ボタン120に対する押圧操作の継続時間が所定時間(例えば2秒)に達したときに、予告実行条件(継続押圧2秒)が成立したと判定する。一方、ボタン予告演出では、操作ボタン120に対する押圧操作の回数が所定数(例えば10回)に達したときに、予告実行条件(連打10回)が成立したと判定する。演出制御用CPU101は、操作ボタン120に対する押圧操作が開始されてからの経過時間を計測するための操作検出後タイマや、操作ボタン120に対する押圧操作の回数をカウントするための操作回数カウンタを用いて、押圧操作の継続時間や回数を特定すればよい。
ここで、操作ボタン120に対する押圧操作の回数が第2所定数(例えば10回)以上検出されたことにもとづいて予告実行条件が成立する場合に、第2所定数となる前の第1所定数(例えば5回)に達すると操作ボタン120の操作感が重くなるなどして、操作ボタン120の操作感を変化させてもよい。すなわち、操作ボタン120に対する所定回数の指示入力を伴う操作演出が実行される場合に、所定回数のうち特定回数の指示入力がなされたことにより、操作ボタン120の操作感を変化させてもよい。こうした操作感の変化により遊技の興趣を向上させることができ、また、所定回数のうちの途中の特定回数から操作感を変化させるので、その変化を遊技者に確実に認識させることができる。また、予告演出における演出態様に応じて、操作ボタン120の操作感が変化する予告演出と、変化しない予告演出とがあってもよい。例えば、大当り信頼度が高い予告演出が実行される場合には操作感を変化させる一方、大当り信頼度が低い予告演出が実行される場合には操作感を変化させないようにしてもよい。これにより、操作ボタン120の操作感が変化した場合には、大当りに対する期待感をさらに高めて遊技の興趣を向上させることができる。
いずれかの予告実行条件が成立すれば(ステップS532のY)、演出制御用CPU101は、その成立した予告実行条件に応じた予告演出を実行するための制御を行う(ステップS533)。このときには、設定(開始)された操作有効期間に対応するすべての予告演出が実行済みとなったか否かを確認する(ステップS534)。そして、いまだ実行されていない予告演出があれば(ステップS534のY)、そのまま操作時演出制御処理を終了する。こうして、いまだ実行されていない予告演出がある場合には、操作有効期間を終了させずに継続させる。
ステップS532でいずれの予告実行条件も成立していなければ(ステップS532のN)、操作有効期間の終了タイミングとなったか否かを確認する(ステップS513)。操作有効期間の終了タイミングではない場合には(ステップS513のN)、操作時演出制御処理を終了する。操作有効期間の終了タイミングである場合や(ステップS513のN)、ステップS534ですべての予告演出が実行済みとなった場合には(ステップS534のY)、操作有効期間を終了させる(ステップS516)。
このように、操作ボタン120に対する指示入力を伴う複数の演出(例えば先読み予告演出と変動中予告演出)を同じタイミングで並行して実行可能であるとともに、操作ボタン120に対する指示入力により遊技者が意図する方の演出態様を変化させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技者による指示入力を検出するための構成は、操作ボタン120を用いたものに限定されず、例えばスティックコントローラとプッシュボタンとを用いたものであってもよい。スティックコントローラは、遊技者が把持して傾倒操作が可能な操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。プッシュボタンは、操作ボタン120の一部または全部と同様の構成を有し、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。
これらのスティックコントローラとプッシュボタンのように、複数の指示入力手段を用いた場合には、いずれの指示入力手段に対する指示入力により演出実行条件が成立するかといった、指示入力の種類に従って演出の優先順位が設定されてもよい。具体的な一例として、プッシュボタンに対する指示入力(押圧操作など)により成立する演出実行条件の優先順位が高く、スティックコントローラに対する指示入力(傾倒操作など)により成立する演出実行条件の優先順位が低くなるように設定されてもよい。あるいは、スティックコントローラに対する指示入力(傾倒操作など)により成立する演出実行条件の優先順位が高く、プッシュボタンに対する指示入力(押圧操作など)により成立する演出実行条件の優先順位が低くなるように設定されてもよい。
さらに、複数の指示入力手段ごとに、指示入力量をカウント(計測)するためのパラメータ(または係数)を異ならせてもよい。具体的な一例として、プッシュボタンに対する指示入力(押圧操作など)は、1回検出されるごとに指示入力量が1増加する一方、スティックコントローラに対する指示入力(傾倒操作など)は、2回検出されるごとに指示入力量が1増加するように設定してもよい。あるいは、プッシュボタンに対する指示入力(押圧操作など)は、2回検出されるごとに指示入力量が1増加する一方、スティックコントローラに対する指示入力(傾倒操作など)は、1回検出されるごとに指示入力量が1増加するように設定してもよい。
1つの指示入力手段に対する複数種類の指示入力が可能な場合には、指示入力量をカウント(計測)するためのパラメータ(または係数)を指示入力の種類ごとに異ならせてもよい。具体的な一例として、スティックコントローラに対する傾倒操作のうち、左方向または右方向への傾倒操作は、1回検出されるごとに指示入力量が1増加する一方、上方向または下方向への傾倒操作は、2回検出されるごとに指示入力量が1増加するように設定してもよい。あるいは、上方向または下方向への傾倒操作は、1回検出されるごとに指示入力量が1増加する一方、左方向または右方向への傾倒操作は、2回検出されるごとに指示入力量が1増加するように設定してもよい。
あるいは、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものを用いてもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の指示入力行為を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などを撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、遊技者による指示入力を検出できるようにしてもよい。すなわち、遊技者による指示入力を検出するための構成は、遊技者による所定の指示入力行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
このような指示入力の検出により演出実行条件が成立したことにもとづいて所定の演出を実行する構成は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機にかぎらず、封入循環式のパチンコ機に適用されてもよい。また、上記の各実施の形態で示した構成のうち、少なくとも初期化報知および役物の初期動作を実行する構成と、指示入力の検出により演出実行条件が成立したことにもとづいて所定の演出を実行する構成は、スロットマシンなどの他の遊技機に適用されてもよい。
スロットマシンでは、遊技媒体としてのメダルなどを用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。なお、遊技媒体としてのメダルを用いるものに限定されず、メダルの枚数に対応する点数(クレジットなど)を使用して、所定の遊技が実行可能となるものであってもよい。例えば、スロットマシンの筐体前面における所定位置に設けられた所定の投入口からメダルが投入された枚数や、データとして蓄積されているクレジットなどに応じて、賭け数(例えば「1」または「3」)が設定される。その後、所定のスタートスイッチが、遊技者によるスタートレバーに対する所定操作(例えば押下操作)を検出したことに基づいて、図柄表示装置に含まれる「左」、「中」、「右」の各リールが回転を開始し、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始される。
スタートレバーの操作が検出されて可変表示が開始されるときには、乱数回路などによって更新されている遊技用乱数の一部または全部が抽出される。このとき抽出される遊技用乱数には、所定の入賞役が発生することを許容するか否かを決定するために用いられる内部抽選用の乱数値などが含まれていればよい。こうして抽出された内部抽選用の乱数値や現在の遊技状態などに基づいて、所定の当選判定用テーブルを参照することで、内部抽選が行われる。内部抽選に当選した場合は、当選した役に対応した当選フラグが遊技制御用マイクロコンピュータにおけるRAMの所定領域に設定される。
役の種類には、大別して、メダルや得点の付与を伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、たとえ各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。ただし、例えばレギュラーボーナスといった所定の遊技状態中におけるゲーム(ボーナスゲーム)では、特別役の当選が次のゲームへと持ち越されることがないようにしてもよい。
各リールの回転動作による図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」のストップスイッチが、遊技者による所定操作(例えば押入操作)を検出したことに基づいて、対応するリールの回転を停止させ、入賞ライン上に図柄が停止表示される。スロットマシンの図柄表示装置では、例えば5本(上中下段の3本および対角線の2本)あるいは4本(上中段の2本および対角線の2本)といった、複数の入賞ラインが予め定められ、賭け数の設定などに応じて所定数の入賞ラインが有効化される。そして、すべてのリールが回転を停止することで、1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せなどにより、入賞が発生し得る。
スロットマシンにおける遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば最大360枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。なお、スロットマシンは、景品遊技媒体となるメダルを直接に付与するものであってもよいし、景品遊技媒体となるメダルの枚数に対応した得点を付与するものであってもよい。
スロットマシンでは、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知されるアシストタイム(AT)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
こうしたスロットマシンにおいて遊技媒体として用いられるメダルや、その枚数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらのメダルや得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、スロットマシンで再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、スロットマシンにおいて付与可能となる遊技価値は、景品遊技媒体となるメダルの付与や得点の付与に限定されず、例えばレギュラーボーナスやビッグボーナスや他の特別遊技状態に制御すること、特別遊技状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「25」)よりも多い第1回数(例えば「50」)となることといった、遊技者にとって有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
例えばスロットマシンの前面扉には、各種の演出画像を表示可能な演出表示装置が設けられている。また、スロットマシンの上部左右には、効果音を出力する2つのスピーカが設けられている。その他、スロットマシンの前面扉における所定位置には、遊技効果ランプが設けられている。こうしたスロットマシンが備える演出表示装置やスピーカ、遊技効果ランプなどによる演出動作には、例えば遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行することといった、所定の遊技価値が付与される可能性を予告する予告演出が含まれていればよい。スロットマシンが備える演出制御用マイクロコンピュータのCPUは、例えば図柄の可変表示が開始されるときなどに、内部抽選の結果に基づいて、予告演出を実行するか否かと、実行する場合における予告演出の態様を決定する。このときには、予め用意された予告決定用データと、演出制御用マイクロコンピュータの乱数回路などから抽出した予告決定用の乱数値を示す数値データとを用いて、抽出した乱数値と予告演出の有無や演出態様に割り当てられた予告決定値とを比較し、乱数値と合致する決定値や乱数値が含まれる決定値範囲に対応して、予告なし、あるいは予告演出の態様を決定すればよい。
このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの筐体外形(例えば演出表示装置の設置)を含めたハードウェア資源と、所定の処理とを行うソフトウェアとが協働することにより、各実施の形態で示された初期化報知および役物の初期動作を実行するように構成するとともに、複数のボタン予告演出などを含む複数の演出を指示入力の検出により所定の演出実行条件が成立したことにもとづいて実行可能に構成してもよい。そして、例えば複数のボタン予告演出について、それぞれに対応する操作有効期間の開始タイミングとなる場合に、所定の優先順位に従って、いずれかの操作有効期間を優先して開始させることができればよい。これにより、複数のボタン予告演出に対応して、それぞれの指示入力を受け付けていくことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、例えばビッグボーナスといった所定役が内部当選している可能性が高い予告演出ほど優先順位が高くなるように設定することで、遊技者の期待感を高める予告演出が優先して実行されることになり、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数の操作有効期間のうちいずれかを中断(または開始を延期)させることにより、指示入力にもとづいて遊技者が意図しない予告演出が実行されてしまうことを防止できる。
本発明の遊技機は、上記の各実施の形態で示したすべての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、各実施の形態で示した一部の構成を備えたものであってもよい。また、各実施の形態で示した構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。各実施の形態で示した構成は、互いに排他的に解釈されるべきでなく、技術的矛盾が生じない範囲において、任意に組合せが変更されたものであってもよい。本発明を実現するためのプログラムやデータの一部または全部は、パチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムやデータの一部または全部は、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、遊技や演出の実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムやデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことにより遊技や演出を実行するような形態とすることもできる。