JP6867001B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来の遊技機では、遊技盤の遊技領域に発射された遊技球が始動口に入球(以下「始動入賞」ともいう)すると、この始動入賞を契機として大当り抽選を実行し、これに当選すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する。また、遊技機では、上述した始動入賞を契機とする始動条件の成立後、図柄表示装置において図柄の変動表示を開始し、大当たり抽選の結果を示唆する演出を図柄変動とともに実行する。
特開2005−192783号公報
このような遊技機においては、図柄変動に伴って複数の演出が同時に実行されることがある。当該複数の演出の態様が共通する場合、遊技者は同時に実行される当該複数の演出を明確に区別することができず、遊技興趣の低下を招くおそれがあった。
本発明の一態様は、遊技興趣の低下を抑止することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は例えば以下の構成を採用する。所定の始動口への遊技球の入球を契機として判定用情報を取得する判定用情報取得手段と、図柄変動の開始条件の成立時に、前記判定用情報に基づき当りであるかを判定する開始時判定手段と、前記開始条件が成立するまでの間、取得された前記判定用情報を保留記憶する保留記憶手段と、前記開始時判定手段の判定結果に基づいて、前記図柄変動を行う図柄制御手段と、前記開始時判定手段による判定結果に基づいて、該判定結果が当りであるかを示唆可能な演出を前記図柄変動が行われているなかで演出表示装置に表示可能な演出実行手段と、前記開始条件の成立の前に、前記判定用情報取得手段によって取得された判定用情報に基づいて、遊技者による操作を受付可能な操作手段を動作させる示唆演出を実行するかを決定する示唆演出決定手段と、前記示唆演出決定手段による決定に基づいて前記示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を備える遊技機であって、前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出決定手段により前記示唆演出を実行すると決定された判定用情報の取得契機となる前記所定の始動口へ遊技球が入球されたタイミングで当該示唆演出を実行可能であるが、前記示唆演出決定手段により前記示唆演出を実行すると決定された判定用情報に基づく前記図柄変動の開始条件が成立されるよりも前の図柄変動において、前記操作手段への操作を促す特定演出が実行される場合には、当該特定演出の実行が終了するよりも前に当該示唆演出を実行せず、当該特定演出の実行が終了した後に実行しうるものであり、前記示唆演出決定手段により前記示唆演出を実行すると決定された判定用情報の取得契機となる前記所定の始動口へ遊技球が入球されたタイミングが前記特定演出の実行が開始するよりも前であった場合に、当該示唆演出が当該特定演出の実行が終了した後に実行されることで、前記保留記憶手段により保留記憶された複数の判定用情報のうちのいずれに基づいて当該示唆演出が実行されたのかが認識困難になされることを特徴する遊技機。
本発明の一態様によれば、遊技興趣の低下を抑止することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体をそれぞれ分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 (a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図である。 皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作部ボタンユニットの進退方向から見た平面図である。 (a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり 、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。 (a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 (a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。 演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。 演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。 (a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。 (a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。 扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。 本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。 (a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。 図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。 パチンコ機において、遊技パネルを不透明にして遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。 遊技盤におけるアタッカユニット付近を拡大して示す正面図である。 遊技盤を右前から見た斜視図である。 遊技盤を左前から見た斜視図である。 遊技盤を後ろから見た斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 遊技パネルを透明にした状態の遊技盤の正面図である。 遊技パネルの装飾パターンと障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。 遊技盤における前構成部材及び遊技パネルの正面図である。 前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図である。 前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。 前構成部材及び遊技パネルを分解して前から見た分解斜視図である。 前構成部材及び遊技パネルを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は遊技パネルにおけるパネル板と左上パネル装飾基板及び左下パネル装飾基板とを示す正面図であり、(b)は特定障害釘の部位におけるパネル板の部分断面図であり、(c)は装飾パターンと重なっている障害釘の部位におけるパネル板の部分断面図である。 遊技パネルにおける装飾パターンと障害釘との関係を示す遊技盤の正面図である。 (a)は遊技パネルのパネル板における装飾パターンと裏ユニットにおける裏前演出ユニットの裏前装飾基板との関係を示す正面図であり、(b)はパネル板とパネル装飾基板のパネル装飾用LEDとの関係を示す断面図である。 遊技盤の表ユニットのセンター役物と表演出ユニットとを分解して前から見た分解斜視図である。 表演出ユニットにおいて第一絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。 表演出ユニットにおいて第二絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。 裏前装飾基板及び裏前右装飾基板を強調して示す遊技盤の裏ユニットの正面図である。 遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図である。 裏ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏ユニットにおける裏後演出ユニットを前から見た斜視図である。 裏後可動装飾体が通常の位置で裏後可動機構を強調して示す裏後演出ユニットの正面図である。 図133の状態から裏後可動装飾体がロック部材によりロックされてい る状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。 図134の状態からスライドガイドを下降端付近まで下方へ移動させている状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。 図135の状態からスライドガイドによりロック部材を解除位置へ回動させて裏後可動装飾体を落下させた状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。 スライドガイドにより裏後可動装飾体を上下方向へ移動させている状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。 スライドガイドによる裏後可動装飾体の上方への移動によりロック部材がロック位置から解除位置側へ回動している状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。 (a)は裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後装飾演出ユニットにおいて第五絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。 裏後装飾演出ユニットにおいて第六絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。 (a)は裏ユニットの裏中演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏中演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏中演出ユニットにおいて第三絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。 裏中演出ユニットにおいて第四絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。 裏ユニットにおける裏右演出ユニットの正面図である。 (a)は裏ユニットにおける裏右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏右演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏右可動装飾体の先端が上方へ回動していると共に軸受スライダが上昇端に位置している通常の状態で裏右可動機構を強調して示す裏右演出ユニットの正面図である。 図147の状態から裏右可動装飾体がそのままの状態で軸受スライダが下降端に位置している状態を示す裏右演出ユニットの正面図である。 図148の状態から裏右可動装飾体の先端が下方へ回動している状態を示す裏右演出ユニットの正面図である。 図149の状態から裏右可動装飾体がそのままの状態で軸受スライダが上昇端に位置している状態を示す裏右演出ユニットの正面図である。 裏ユニットにおける裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から待機位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 図151の状態から裏後可動装飾体を下降位置へ落下させた状態を示す遊技盤の正面図である。 図152の状態から裏後可動装飾体をスライドガイドにより待機位置と下降位置との間で上下方向へ移動させている状態を示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットにおける裏右演出ユニットの裏右可動装飾体を初期状態から第一状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 図154の状態から裏右可動装飾体を第二状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 図155の状態から裏右可動装飾体を第三状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットにおける裏上演出ユニットの裏上可動装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットにおける裏下演出ユニットの裏下可動装飾体を下降位置から上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットにおける裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を下降位置へ、裏右演出ユニットの裏右可動装飾体を第二状態へ、裏上演出ユニットの裏上可動装飾体を出現位置へ、及び裏下演出ユニットの裏下可動装飾体を上昇位置へ、それぞれ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 表演出ユニットの表導光板において第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 表演出ユニットの表導光板において第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏中演出ユニットの裏第一導光板において第三絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤正面図である。 裏中演出ユニットの裏第一導光板において第四絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤正面図である。 裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットの裏第二導光板において第五絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットの裏第二導光板において第六絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 表導光板、裏第一導光板、及び裏第二導光板を用いた複数絵柄によるアニメーション風の発光演出を示す説明図である。 表演出ユニットの表導光板において第一絵柄を発光装飾させると共に、裏右演出ユニットの裏右可動装飾体を第二状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 周辺制御ユニットの正面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの背面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの正面図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 枠アース基板の構成を示す図である。 (a)は、同実施の形態の主制御MPUによって実行されるメイン処理についてその手順を示すフローチャートであり、(b)は、同実施の形態の主制御MPUによって定期的に行われる割り込み処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 始動口入賞時制御データテーブルの一例を示す図である。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、大当りについての抽選処理に用いられる大当り判定テーブルであり、(B)は、大当りの種類についての抽選処理に用いられる図柄決定テーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大入賞口開閉処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二受入口開閉処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行されるゲート部通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行されるサブメイン処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行される16ms定常処理についてその手順を示すフローチャートである。 グレースケール演出の一例を示す説明図である。 図194に続く説明図である。 図195に続く説明図である。 回転操作部を用いた操作演出の実行時における音量調整の禁止期間を示すタイムチャートである。 回転操作部を用いた駆動演出の実行時における音量調整の禁止期間を示すタイムチャートである。 押圧操作部を用いた操作演出の実行時における音量調整の禁止期間を示すタイムチャートである。 回転操作部の回転操作による音量調整時における演出表示装置の演出表示の一例である。 別実施形態のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 スロットマシンの概略斜視図である。 特別図柄用乱数を格納するエリアの一例を示す図である。 記憶先読み処理の一例を示すフローチャートである。 予告許可判定データに関連するテーブルを示す図であり、(A)は予告許可判定データアドレステーブル、(B)は予告許可判定データの一例である。 特別図柄保留球数コマンドに関連するテーブルを示す図であり、(A)は特別図柄保留球数コマンドアドレステーブル、(B)は特別図柄保留球数指定コマンド作成テーブルの一例である。 特別図柄大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターン選択判定処理の一例を示すフローチャートである。 図209の変動パターン選択判定処理のつづきを示すフローチャートである。 変動タイプ判定処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄先読み処理の一例を示すフローチャートである。 普図先読み判定禁止期間の一例を示す図である。 普通図柄当り判定処理の一例を示すフローチャートである。 主制御プログラムのモジュール構成の一例を示す図である。 変動パターンテーブルの一例を示す図である。 受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。 演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。 ストーリーリーチ設定処理の一例を示すフローチャートである。 ストーリーリーチにおける演出選択パターンの一例を示す図である。 乱数抽出範囲の変化を時系列順に示す図である。 ストーリーリーチの演出例を説明する図である。 ストーリーリーチの演出例を説明する図である。 ストーリーリーチの演出例を説明する図である。 ストーリーリーチの演出例を説明する図である。 擬似連続変動設定処理の一例を示すフローチャートである。 擬似連続変動制御処理の一例を示すフローチャートである。 擬似連続変動の場合のシナリオを選択するための演出パターンテーブルの一例を示す図である。 擬似連続変動の演出例を説明する図である。 擬似連続変動の制御のタイミングを説明する図である。 擬似連続変動の制御のタイミングの変形例を説明する図である。 特図先読み演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 保留表示の態様を変化させる通常先読み演出の態様の一例を示す図である。 連続先読み演出抽選テーブルの一例を示す図である。 連続先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。 連続先読み演出の態様(特定演出)を選択するための連続先読み演出態様選択テーブルの一例を示す図である。 連続先読み演出の画面遷移の一例を示す図である。 普図先読み演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 普図先読み演出の一例を示す図である。 主制御基板から周辺制御基板へ送信されるコマンドのうち特図先読みに係るコマンドについての詳細な内容を説明するテーブルの一例である。 主制御基板から周辺制御基板へ送信されるコマンドのうち特図先読みに係るコマンドについての詳細な内容を説明するテーブルの一例である。 変形例の記憶先読み処理の一例を示すフローチャートである。 (A)は変動パターン選択判定処理(図209)を前述の変動振り分けテーブルに着眼して簡素化した略式フローチャートの一例であり、(B)はリーチ判定用乱数と比較値の相関に応じたリーチ実行可否テーブルの一例である。 (A)は変形例の主制御基板1310が先読みを禁止する条件を示すテーブルの一例であり、(B)は状態移行時に先読みを禁止する効果について説明する図である。 変形例1の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 変形例1の受信コマンド解析処理における先読み禁止カウント処理の一例を示すフローチャートである。 変形例2の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 変形例2の受信コマンド解析処理における投入時不明フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。 変形例2の受信コマンド解析処理における不明カウント処理の一例を示すフローチャートである。 変形例2の受信コマンド解析処理における特図先読み実行判定処理の一例を示すフローチャートである。 大当り表示処理の一例を示すフローチャートである。 大当りオープニング表示処理の一例を示すフローチャートである。 確変時短状態における演出遷移の一例を示す図である。 周辺制御ICのCPUによって実行される演出モード移行処理の一例を示すフローチャートである。 特図先読み演出の切替制御を含む特図先読み演出制御処理の手順を示すフローチャートである。 特図先読み演出(保留先読み演出)のシナリオを選択するためのテーブルである。 特図先読み演出(背景先読み演出)のシナリオの選択するためのテーブルである。 特図先読み演出の切替制御を含み、保留先読み演出と背景先読み演出とを並行して実行可能な特図先読み演出制御処理の手順を示すフローチャートである。 特図先読み演出(背景先読み演出)の一例を示す図である。 実行中の特図先読み演出(背景先読み演出)を新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出に切り替える演出例を示す図である。 保留先読み演出と背景先読み演出とが並行して実行され、新たに発生した始動記憶に基づく背景先読み演出に実行中の背景先読み演出が切り替えられる演出例 を示す図である。 本実施形態の変形例3の変動パターンの種類の一例を示す図である。 本実施形態の変形例3の特別図柄の変動表示における予告演出の実行パターンに対応する変動シナリオの一例を示す図である。 本実施形態の変形例3の各変動シナリオの予告演出を実行するタイミングを説明する図である。 本実施形態の変形例3の抽選ポイントの予告の内容の一例を示す図である。 本実施形態の変形例3の変動パターンとレベルとの関係を説明するための図である。 本実施形態の変形例3の変動パターンと遊技状態との関係を説明するための図である。 本実施形態の変形例3のレベルごとに予告演出の実行可否を設定するテーブルの一例を示す図である。 本実施形態の変形例3の予告演出の内容を選択するためのテーブルの一例を示す図であり、(A)は前半変動時、(B)はリーチ後又は擬似連発生時、(C)はリーチ後の発展前半又は擬似連発生後のリーチ前半、(D)はリーチ後の発展後半又は擬似連発生後のリーチ後半の予告演出の抽選確率を演出フラグの設定値を示している。 本実施形態の変形例3のセリフ予告演出の一例を説明する図であり、(A)は従来のセリフ予告演出の選択テーブル、(B)は本発明のセリフ予告演出の選択テーブルである。 本実施形態の変形例3の予告演出を選択する抽選を行うレベル設定処理の手順を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例3における特図先読み演出制御処理の手順を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の特図先読み実行判定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の特図先読み実行判定処理の(A)先読み演出無し時情報、(B)特図先読み演出の禁止判定の一例について説明する。 本実施形態の変形例4の特図先読み演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の先読み可能変動数設定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の先読み優先判定の一例について説明する図である。 本実施形態の変形例4の図柄背景先読み演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の図柄背景先読み演出抽選処理において使用される各種テーブルの一例を示す図である。 本実施形態の変形例4の背景図柄先読み演出抽選処理において装飾図柄を用いた同色図柄先読みが設定された場合の先読み演出画面遷移の一例を示す図である。 本実施形態の変形例4の背景図柄先読み演出抽選処理において装飾図柄を用いた同色図柄先読みが設定された場合の先読み演出画面遷移の一例を示す図である。 本実施形態の変形例4の保留先読み演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例4の保留先読み演出抽選処理において使用される各種テーブルの一例を示す図である。 本実施形態の変形例4の特別抽選テーブルの選択条件を特定の先読み演出内容の選択の有無とした場合における(A)通常抽選テーブルの一例、(B)特別抽選テーブルの一例、(C)始動記憶表示部における演出の一例を示す図である。 本実施形態の変形例4の状態移行時の先読み演出制御の一例について説明する図である。 本実施形態の変形例4の状態移行時の画面演出遷移の一例を示す図である。 通常先読み演出の実行タイミングが変更された場合における演出の一例を示す説明図である。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第1の例を示す説明図である。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第2の例を示す説明図である。 通常先読み演出設定処理の第1の例を示すフローチャートである。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第3の例を示す説明図である。 通常先読み演出設定処理の第2の例を示すフローチャートである。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第4の例を示す説明図である。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第5の例を示す説明図である。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第6の例を示す説明図である。 通常先読み演出の実行タイミング変更の第7の例を示す説明図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図12を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘と、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005と、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、表演出ユニット2600、裏後演出ユニット3100、裏中演出ユニット3200、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500、及び裏前演出ユニット3600等により可動演出や発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体をそれぞれ分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、それぞれが上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へそれぞれ窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bがそれぞれ挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へそれぞれ窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cがそれぞれ挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、それぞれ取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1−1.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺にそれぞれ接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1−2.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1−3.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1−4.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1−5.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1−6.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、それぞれ一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面しているそれぞれの辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1−7.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1−8.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1−9.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1−10.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145がそれぞれ配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、それぞれ回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図168を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状にそれぞれ形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1−11.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36及び図37を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの通常誘導路と皿ユニットの上皿球供給口とを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの満タン誘導路と連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニットの下皿球供給口と連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とにそれぞれ取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、それぞれ回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内にそれぞれ突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間してそれぞれ取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275のそれぞれの下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5−1.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5−2.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5−3.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5−3a.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5−3b.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5−3c.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5−3d.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5−3e.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5−3f.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5−4.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間してそれぞれ取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275のそれぞれの下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5−4a.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5−4b.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、それぞれの前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5−4c.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5−4d.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5−4e.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275にそれぞれ沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5−5.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5−5a.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端とそれぞれ連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端とそれぞれ連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、それぞれの全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5−5b.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5−5c.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、それぞれ透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5−5d.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5−5e.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5−5f.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面のそれぞれに、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5−5g.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声、効果音、音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。このとき、遊技者は、演出操作ユニット300が震えたかのような感触を得ることとなる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示することができる。
振動スピーカ354は音情報を与えて、演出操作部301を振動させることを目的としており、共振により振動が得られるように音情報を与えることとなる。ここで、共振させるにあたっては、遊技機に取り付けられる振動スピーカ354の特性、振動スピーカを取り付ける部材の材質、硬さ、取り付け方法に左右されるため、特定の周波数のみの音情報を入力するようにした場合には、特性のバラツキによって共振せずに振動が得られない場合がある。本実施形態では、これらの特性のバラツキを吸収すべく、入力する音情報の周波数を単一の周波数とはせずに、幅を持たせた周波数として入力している。具体的には、40Hz±2Hzの正弦波、38Hzから42Hzを1Hz単位で各1周期、およそ1秒間に8回変化(スイープ)させている。これを断続的に、1秒スイープ入力しては、1秒後再び入力することを繰り返し行っている。
なお、遊技機の組み立て作業において、出荷時における振動スピーカの検査(動作確認)については、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310に設けられるRAMクリアスイッチが操作されることに基づいて行うようになっている。具体的には、検査員が遊技機の電源投入時に所定期間内にRAMクリアスイッチを操作すると(又は、検査員がRAMクリアスイッチを操作した状態で遊技機の電源を投入すると)、主制御基板1310がRAMをクリアして初期化する旨のコマンドを後述する周辺制御ユニット1500の周辺制御基板へ送信(出力)する。周辺制御基板は、このコマンドを受信すると、振動スピーカの検査(動作確認)を行う振動スピーカ動作確認処理を行う。検査員は、この振動スピーカ動作確認処理により、振動スピーカ354による音声や音楽等のサウンド(音)を確認することができるほかに、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動を確認することもできる。
[3−5−5h.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362がそれぞれ挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置にそれぞれ取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362がそれぞれ摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5−5i.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5−5j.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450、扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部にそれぞれ挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bのそれぞれの後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を添えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463にそれぞれ取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bのそれぞれの外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端とそれぞれ連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aのそれぞれの左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、それぞれ左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端とそれぞれ連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺においてそれぞれ前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、透明な合成樹脂によって成型され、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、透明な合成樹脂によって成型され、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されており、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されており、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な赤色に成型されており、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aにおける球タンク552の正面視左方に外部端子板558と枠アース基板559とを取付ける基板収容部551aaが形成されている。外部端子板558の上側は、透明な合成樹脂によって成型される端子カバー551kにより覆われている。外部端子板558は、その実装面と複数の電線接続端子558a(複数の外部端子(本実施形態では、払出ベースユニット550を後ろから見て左側から右側へ向かって一列に配置される外部端子XCN1〜XCN10という10個の外部端子を備えている。))とが露出するように、払出ベース551を正面から見て、その実装面を払出ベース551の後方へ向けて垂直となるように基板収容部551aaに取付けられている。これに対して、枠アース基板559は、複数のアース端子(本実施形態では、アース端子ECN1〜ECN5という5個のアース端子を備えている。)が実装される実装面を下方へ向けて水平となるように、払出ベース551を正面から見て、外部端子板558の前方に配置して基板収容部551aaに取付けられて端子カバー551kにより覆われている。このため、枠アース基板559は、基板収容部551aaと端子カバー551kとにより形成される空間に収容された状態となっている。端子カバー551kが透明な合成樹脂によって成型されているため、基板収容部551aaと端子カバー551kとにより形成される空間に収容される枠アース基板559を端子カバー551kの外部から視認することができるようになっている。
なお、アース端子ECN1〜ECN5のうち、アース端子ECN2〜ECN4の高さは、13.4mm(アース端子ECN2〜ECN4に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが18.6mmとなる。)であるのに対して、アース端子ECN1,ECN5の高さは、7mm(アース端子ECN1,ECN5に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが9.8mmとなる。)である。基板収容部551aaの内部に枠アース基板559が収容されて取付けられると共に、基板収容部551aaの後面に外部端子板558が取付けられる状態においては、パチンコ機1を背面から見ると、枠アース基板559が外部端子板558の存在により隠れて視認困難となるものの、枠アース基板559のアース端子ECN1〜ECN5のうち、アース端子ECN2,ECN4のみ、外部端子板558の下辺より飛び出した状態となり、パチンコ機1の背面から視認することができるようになっている(例えば、図77を参照)。アース端子ECN3は、その高さが上述したように13.4mmであり高いものの、パチンコ機1を背面から見ると、球整流部材556の存在により隠れて視認し難くなっている。アース端子ECN1,ECN5は、その高さが上述したように7mmであり低く、外部端子板558の下辺より飛び出すことができず、パチンコ機1を背面から見ると、外部端子板558の存在により隠れて視認困難となっている。枠アース基板559についての詳細な説明を後述する。
外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。枠アース基板559は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)するためのものである。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7−1.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7−2.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するようにそれぞれから後方及び前方へ突出していると共に、それぞれが払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7−3.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7−4.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、それぞれの上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとのそれぞれの前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、それぞれ上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、それぞれの前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7−5.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4−11.本体枠上部の詳細な構成]
続いて、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図99乃至図106を参照して詳細に説明する。図99(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。図100は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図101(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図102は、図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図103は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図104は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図105は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図106は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺からそれぞれ上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺からそれぞれ上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。従って、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の可動演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球の外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍〜4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oのそれぞれの左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしてもよい。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。従って、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。従って、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上記のような形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、それぞれ前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図103において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、それぞれ低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、それぞれ左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図104を参照)。従って、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(所謂、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図105に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。従って、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。従って、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。従って、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図104において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図104に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。従って、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図107乃至図115を参照して詳細に説明する。図107は、パチンコ機において、遊技パネルを不透明にして遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。図108は、遊技盤におけるアタッカユニット付近を拡大して示す正面図である。図109は遊技盤を右前から見た斜視図であり、図110は遊技盤を左前から見た斜視図であり、図111は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図112は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図113は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図114は、遊技パネルを透明にした状態の遊技盤の正面図である。図115は、遊技パネルの装飾パターンと障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005が備えられている。従って、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図108を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図97及び図168等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されている駆動基板ユニット1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。また、演出表示装置1600の後方で裏ユニット3000の後面に、駆動基板ユニット1700が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120(図113を参照)と、を備えている。
駆動基板ユニット1700は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニットに備えられている装飾基板及び駆動モータを駆動させる演出駆動基板1720と、パネル中継基板1710と演出駆動基板1720とを収容している駆動基板ボックス1730と、を備えている。駆動基板ボックス1730は、背面視左辺側が裏ユニット3000における裏箱3010の後面にヒンジ回転可能に取付けられていると共に、背面視右辺側が演出表示装置1600の後面に着脱可能に取付けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、大入賞口2005に受入れられた遊技球が流通する所定広さの受入空間2006と、受入空間2006内の遊技球を何れかで受入れる第一受入口2007及び第二受入口2008と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左上で内レール1002に沿うように取付けられているサイドスロープ2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、大入賞口2005、受入空間2006、第一受入口2007、及び第二受入口2008を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられている枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の枠内を閉鎖するようにセンター役物2500に取付けられている表演出ユニット2600と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図168を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の後部に取付けられている裏後演出ユニット3100と、裏後演出ユニット3100の前側に取付けられている裏中演出ユニット3200と、裏中演出ユニット3200の前面右部に取付けられている裏右演出ユニット3300と、裏中演出ユニット3200の前面上部の左側に取付けられている裏上演出ユニット3400と、裏中演出ユニット3200の前面下部に取付けられている裏下演出ユニット3500と、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、及び裏下演出ユニット3500の前方で裏箱3010の前端に取付けられている裏前演出ユニット3600と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図116乃至図120を参照して詳細に説明する。図116は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルの正面図であり、図117は前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、図118は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。図119は前構成部材及び遊技パネルを分解して前から見た分解斜視図であり、図120は前構成部材及び遊技パネルを分解して後ろから見た分解斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、のそれぞれの部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100における図示しないパネルホルダの切欠部と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図115乃至図123等を参照して詳細に説明する。図121(a)は遊技パネルにおけるパネル板と左上パネル装飾基板及び左下パネル装飾基板とを示す正面図であり、(b)は特定障害釘の部位におけるパネル板の部分断面図であり、(c)は装飾パターンと重なっている障害釘の部位におけるパネル板の部分断面図である。図122は、遊技パネルにおける装飾パターンと障害釘との関係を示す遊技盤の正面図である。図123(a)は遊技パネルのパネル板における装飾パターンと裏ユニットにおける裏前演出ユニットの裏前装飾基板との関係を示す正面図であり、(b)はパネル板とパネル装飾基板のパネル装飾用LEDとの関係を示す断面図である。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
また、遊技パネル1100は、パネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aが実装されているパネル装飾基板1130と、パネル装飾基板1130をパネルホルダ1120に取付けている基板カバー1135と、を備えている。パネル装飾基板1130は、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131と、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132と、から構成されている。基板カバー1135は、左上パネル装飾基板1131をパネルホルダ1120に取付けるための左上基板カバー1136と、左下パネル装飾基板1132をパネルホルダ1120に取付けるための左下基板カバー1137と、から構成されている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔1113と、上縁と下縁とにおいてそれぞれ左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部1114と、を備えている。位置決孔1113は、パネルホルダ1120の突出ピン1124が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部1114は、パネルホルダ1120の係合爪1125や係合片1126に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図121(a)等に示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側と右側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。本実施形態では、パネル板1110において、図121(a)において一点鎖線で囲んでいるように、幅が広くなっている部位を装飾パターン形成領域1101としていると共に、幅が狭くなっている部位を装飾パターン非形成領域1102としている。
このパネル板1110は、後面おいて、装飾パターン形成領域1101に、所定の絵柄を複数の線状の溝(つまり、線状に窪んだ複数の溝)により形成した装飾パターン1150を備えている。本実施形態の装飾パターン1150は、ガラスにヒビ割れが入ったような絵柄である。装飾パターン1150は、断面形状がV字状に形成されている。この装飾パターン1150は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させていない状態でも、前方の遊技者側から視認することができ、遊技領域5a内を装飾している。また、パネル板1110は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させてパネル板1110の内部に光を入射させると、ヒビ割れのような絵柄に形成された装飾パターン1150を発光装飾させることができる。
パネル板1110の装飾パターン1150は、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を主に前方へ反射させる放射部1151と、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を前方へ反射させると共に線状に沿って導光する放射導光部1152と、から構成されている。放射導光部1152は、放射部1151と比較して、溝の深さが深い、及び、断面において周長が長い、の少なくとも一方を満たしているものである。放射導光部1152は、複数の放射部1151を結ぶように(或いは交差するように)形成され、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を、パネル板1110内において乱反射させることで、溝の延びている方向へ光を導くことができる。つまり、放射導光部1152は、自身が結ぶ複数の放射部1151のうちの一方から他方に光を導光する役割を担うものであり、これにより、パネル装飾用LED1130aの配置部位、配置数が限られたなかで、パネル板1110の装飾パターン1150全体の感光率(前方へ放射(反射)される光の量の割合)が高められる。より具体的には、放射導光部1152は、図121(a)において二点鎖線で示すように、左上パネル装飾基板1131のパネル装飾用LED1130aや左下パネル装飾基板1132のパネル装飾用LED1130aから通常導光領域1103の範囲内よりも外側に配置されている放射部1151へ光を導いて、その放射部1151を発光させ、装飾パターン1150全体の感光率が高められることとなる。
これにより、パネル装飾用LED1130aからの光が届き難い部位(通常導光領域1103よりも外側の部位)に形成されている装飾パターン1150の放射部1151に対して、放射導光部1152により多くの光を届かせて当該放射部1151を十分な光量で発光装飾させることができる。従って、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させると、パネル板1110の内部に入射された光が、放射部1151及び放射導光部1152から前方へ反射し、ヒビ割れのような絵柄に形成された装飾パターン1150を、略全体に亘って均一な明るさで発光装飾させることができる。
パネル板1110は、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。複数の障害釘Nには、遊技に対して重要な役割を有した特定障害釘N1を有している。特定障害釘N1は、図122に示すように、ワープ入口2501、一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、の付近に配置されている。これら特定障害釘N1は、遊技球Bが当接することで、歪んだり曲がったりすると、ワープ入口2501や一般入賞口2001等へ遊技球Bが受入れられる確率が変化してしまうため、遊技ホール側において歪み等が無いように常にメンテナンスする対象となっているものである。
本実施形態では、図121(b)や図122に示すように、特定障害釘N1を中心にして所定の範囲内(例えば、半径1.5mm〜3mm)を装飾禁止領域1104としており、その範囲内には装飾パターン1150の放射部1151や放射導光部1152を形成しないようにしている。これにより、パチンコ機1をメンテナンスする際に、特定障害釘N1を見え易くすることができ、特定障害釘N1が歪んでいるか否かを確認し易くできる。また、特定障害釘N1の周りの装飾禁止領域1104内に、放射部1151や放射導光部1152の溝を形成してないため、メンテナンス等の際に特定障害釘N1を調整するために、特定障害釘N1を叩いた時に、その力が特定障害釘N1から放射部1151や放射導光部1152に伝わって、パネル板1110が割れたりヒビが入ったりするのを防止することができる。
また、特定障害釘N1を除いた障害釘Nのなかで、装飾パターン1150と重なった部位に植設されている障害釘Nは、図121(c)に示すように、パネル板1110に植設されている先端が、装飾パターン1150を構成している溝(図では、放射導光部1152)の内部に突出している。従って、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させてパネル板1110の内部へ光を入射させると、装飾パターン1150の溝から、溝の内部に突出している障害釘Nの先端に光が照射され、その光が障害釘Nの傾斜している先端で反射することとなり、当該障害釘Nの先端を輝かせることができる。これにより、障害釘Nを光らせることができ、これまでのパチンコ機にはない発光演出を遊技者に見せることができる。なお、遊技領域5a内において、特別な部位に植設されている障害釘Nに対して、意図的に装飾パターン1150が重なるようにしても良く、これにより、装飾パターン1150の発光装飾と一緒に特別な部の障害釘Nを光らせることができ、遊技者の関心を特別な部位の障害釘Nに強く引付けさせることができると共に、その特別な障害釘Nを狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができる。
また、パネル板1110の装飾パターン1150は、線状の溝に形成されている放射部1151や放射導光部1152の一部が、図123(a)に示すように、後述する裏ユニット3000における裏前演出ユニット3600の裏前装飾基板3603正面視遊技領域5aの中央側を向いている内側の外縁に沿うように形成されている。これにより、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aにより、装飾パターン1150(放射部1151及び放射導光部1152)を発光させた時に、遊技者側から見ると裏前装飾基板3603の内側の外縁を発光装飾させることができる。また、これにより、正面視において、裏前装飾基板3603の内側の外縁が発光装飾されることで、相対的に裏前装飾基板3603を暗くして見え辛くすることができ、正面視における遊技領域5a内の見栄えを良くすることができる。
本実施形態では、線状の溝からなる装飾パターン1150を、パネル板1110に対して切削加工により形成している。また、装飾パターン1150は、障害釘Nを植設するための植設孔の形成よりも前に、形成している。これにより、装飾パターン1150の形成により排出される切削カスが、植設孔に詰まることを回避させることができ、障害釘Nを良好な状態で植設することができる。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部1123と、保持段部1123を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、保持段部1123から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔1113にそれぞれが挿入される複数の突出ピン1124と、保持段部1123よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部1114に対して弾性係合する三つの係合爪1125と、保持段部1123の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部1114とそれぞれ係合する一対の係合片1126と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部1114を、係合片1126に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部1114を係合爪1125に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部1123に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔1113に、パネルホルダ1120の突出ピン1124が挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
パネルホルダ1120は、保持段部1123よりも外側で正面視左上隅と右上隅に、前方から後方へ向かって凹んでいる二つの基板取付凹部1127と、それぞれの基板取付凹部1127の後側において後方から前方へ向かって凹んでいる二つのコネクト凹部1128と、を備えている。二つの基板取付凹部1127には、左上パネル装飾基板1131が取付けられた左上基板カバー1136と、左下パネル装飾基板1132が取付けられた左下基板カバー1137とが、それぞれ前方から取付けられる。上側の基板取付凹部1127は、機能表示ユニット1400の後方に位置している。また、下側の基板取付凹部1127は、前構成部材1000における証紙貼付部1012の後方に位置している。下側の基板取付凹部1127は、保持段部1123との境側から、パネル板1110における左下の斜めの部位の係合段部1114と係合する係合爪1125が突出している。
パネルホルダ1120のコネクト凹部1128は、基板取付凹部1127に取付けられた左上パネル装飾基板1131の接続コネクタ1131aと、左下パネル装飾基板1132の接続コネクタ1132aとが、基板取付凹部1127の後壁を貫通して内部に突出した状態で、接続コネクタ1131b及び接続コネクタ1132bの周囲に指が入るような十分な広さの空間が形成される大きさに形成されている。これにより、接続コネクタ1131b及び接続コネクタ1132bへの接続ケーブル(図示は省略)の接続や取外し作業を容易に行うことができる。
パネル装飾基板1130は、左上パネル装飾基板1131と左下パネル装飾基板1132とで構成されている。左上パネル装飾基板1131は、前面に複数のパネル装飾用LED1130aが実装されている。左上パネル装飾基板1131の複数のパネル装飾用LED1130aは、パネル板1110の周縁における左上の斜めの部位に沿うように並んでおり、最も上側が右方へ向けて、最も下側が下方へ向けて、光を照射するように実装されていると共に、残りがパネル板1110の左上の斜めの部位に対して垂直となるように右下方へ向けて光を照射するように実装されている。左上パネル装飾基板1131は、後面に後方へ突出した接続コネクタ1131aが取付けられている。
左下パネル装飾基板1132は、前面に複数のパネル装飾用LED1130aが実装されている。左下パネル装飾基板1132は、パネルホルダ1120における下側の係合爪1125を避けるように切欠かれており、その切欠かれている部位を避けた状態で、複数のパネル装飾用LED1130aが、上方、右方、右上方へ向けて光を照射するように実装されている。左下パネル装飾基板1132は、後面に後方へ突出した接続コネクタ1132aが取付けられている。
パネル装飾基板1130は、白色の部材により形成されており、前方から目立たないようになっている。また、パネル装飾基板1130の複数のパネル装飾用LED1130aは、サイドビュータイプの広角のフルカラーLEDであり、前方へも光を照射することができる。
パネル装飾基板1130は、図123(b)に示すように、サイドビュータイプのパネル装飾用LED1130aが実装される前面(板面)が、パネル板1110の表面と平行とになるように配置されている。これにより、パネル装飾基板1130の前後方向の寸法を、パネル板1110よりも薄くすることができ、パネル装飾基板1130をパネルホルダ1120に問題なく取付けることができると共に、パネルホルダ1120(遊技パネル1100)の前後方向の寸法の増加を抑制しつつ、パネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させることができる。
また、パネル装飾基板1130は、その板面を、パネル板1110の表面と平行にしていると共に、板面(前面)に実装されるパネル装飾用LED1130aの大きさに対して十分すぎるほどの大きさの板面としている。換言すると、パネル装飾基板1130は、実装される複数のパネル装飾用LED1130aが占めるLED実装領域に対して、40倍〜100倍の広さの複数のパネル装飾用LED1130aが実装されないその他の領域(余剰領域)を有している。これにより、パネル装飾基板1130の取付強度を高めることができ、パチンコ機1の運送時、設置時、メンテナンス等の際に生ずる振動や衝撃が作用しても、パネル装飾基板1130とパネル板1110との位置関係のズレを生じ難くすることができ、パネル装飾用LED1130aの光軸のズレを抑制してパネル板1110へ光の入射に不具合が発生することを防止することができる。
更に、パネル装飾基板1130は、基板カバー1135を介してパネルホルダ1120の基板取付凹部1127に取付けられるようにしているため、パチンコ機1の運送時、設置時、メンテナンス等の際に生ずる振動や衝撃が、パネル装飾基板1130へ伝わり難くなっている。従って、パネル装飾基板1130(パネル装飾用LED1130a)に作用する振動等を軽減させることができ、パネル装飾用LED1130aの耐久性の低下を抑制させることができると共に、上記と同様に、パネル装飾基板1130とパネル板1110との位置関係のズレを生じ難くすることができ、パネル装飾用LED1130aの光軸のズレを抑制してパネル板1110へ光の入射に不具合が発生することを防止することができる。
基板カバー1135は、後側にパネル装飾基板1130が取付けられる。基板カバー1135は、後側に取付けられたパネル装飾基板1130が認識し難いように、すりガラス状の半透明に形成されていると共に、パネル装飾用LED1130aからの光を拡散させられるように形成されている。これにより、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aから前方へ照射された(漏れた)光が、遊技者を照らすことで、遊技者に対して眩しさを感じさせてしまうのを低減させることができ、遊技者に不快感を与えてしまうのを防止することができる。
本実施形態の遊技パネル1100は、透明なパネル板1110の装飾パターン形成領域1101に、ヒビ割れ状の装飾パターン1150が形成されており、印刷シートによる従来の装飾と比較して、透明で立体感のある装飾を遊技者に見せることができる。そして、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させると、パネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させることができ、これまでのパチンコ機では見られなかった遊技領域5a内における遊技球Bが流通する領域の発光装飾を遊技者に見せることができる。
また、装飾パターン1150を、遊技領域5a内における遊技球Bが様々な流路で流通する装飾パターン形成領域1101内にのみ形成するようにしているため、装飾パターン1150を遊技領域5a内の全体に形成するようにした場合と比較して、装飾パターン1150の形成に係るコストを低減させることができる。
更に、本実施形態の遊技パネル1100は、機能表示ユニット1400の後方に左上パネル装飾基板1131を配置しているため、左上パネル装飾基板1131のパネル装飾用LED1130aを発光させると、機能表示ユニット1400を後方から照らすことができ、これまでのパチンコ機にはない機能表示ユニット1400(機能表示部)が発光装飾される発光演出を遊技者に見せることができる。
また、本実施形態の遊技パネル1100は、証紙貼付部1012の後方に左下パネル装飾基板1132を配置しているため、左下パネル装飾基板1132のパネル装飾用LED1130aを発光させると、証紙貼付部1012に貼付けられている証紙(図示は省略)を後方から照らして発光させることができ、これまでのパチンコ機にはない証紙が発光装飾される発光演出を遊技者に見せることができる。
また、本実施形態の遊技パネル1100は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aと、パネル板1110の側面との間には、集光レンズや拡散レンズ等を配置していない。これにより、パネル装飾用LED1130aからの光が、パネル板1110の側面に対して直接広範囲に照射されることとなり、パネル板1110の内部の広い範囲に光を入射させることができ、装飾パターン1150を綺麗に発光装飾させることができる。
更に、本実施形態の遊技パネル1100は、パネル板1110の後面に形成された装飾パターン1150を発光装飾させるためのパネル装飾基板1130(パネル装飾用LED1130a)を、パネルホルダ1120に設けたことにより、遊技盤5の機種を変更したり、機種をマイナーチェンジしたりするために、他の異なる装飾パターンが施されたパネル板1110に変更する場合、パネル板1110の交換のみで対応することができ、パネルホルダ1120、前構成部材1000、パネル装飾基板1130、基板カバー1135を、共通部品として用いることができる。これにより、本実施形態のパチンコ機1は、他の装飾パターン1150が施されたパネル板1110を有する他機種との間で、高い汎用性を有し、パチンコ機1にかかるコストの抑制を図ることができる。
また、本実施形態の遊技パネル1100は、パネルホルダ1120の基板取付凹部1127内に基板カバー1135を介してパネル装飾基板1130を取付けるようにしており、パネル装飾基板1130とパネル板1110とを別々に取付けるようにしている。これにより、装飾パターン1150が施されていない通常のパネル板1110を有するパチンコ機(遊技盤)に対して、基板カバー1135やパネル装飾基板1130を取外したパネルホルダ1120を用いることができ、パネルホルダ1120と前構成部材1000とを共通部品とすることができる。これにより、本実施形態のパチンコ機1は、他の装飾パターン1150が施されたパネル板1110を有する他機種との間で、高い汎用性を有し、パチンコ機1にかかるコストの抑制を図ることができる。なお、装飾パターン1150が施されていないパネル板1110を有する機種に用いる際に、パネルホルダ1120の基板取付凹部1127にダミーの基板カバー1135を取付けて用いるようにしてもよいし、パネルホルダ1120に基板カバー1135及びパネル装飾基板1130を取付けたまま用いるようにしてもよい。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図112及び図113等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図111乃至図113等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図168を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、第一受入口センサ2404、第二受入口センサ2405、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、振分ソレノイド2416、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、磁気センサ3003、と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図107等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略脛が、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図111及び図113等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図168を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1505と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上面から外方へ突出している二つの上固定片1601と、下面から外方へ突出している下固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601を挿入した上で、下固定片1602側を前方へ移動させて、下固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において右方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図107、図108、図112、及び図113等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されており、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つそれぞれ配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央の下寄りに配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下に配置されている。大入賞口2005は、左右方向中央より右側の一般入賞口2001の右上方で第一始動口2002と第二始動口2004との間の高さに配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左上で内レール1002に沿うように取付けられているサイドスロープ2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、大入賞口2005、受入空間2006、第一受入口2007、及び第二受入口2008を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられている枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の枠内を閉鎖するようにセンター役物2500に取付けられている表演出ユニット2600と、を備えている。
[5−8−1.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を、を有している。始動口ユニット2100は、第一始動口2002の前面を除いた部位が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110を通して裏ユニット3000)を視認することができる。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けることで、一般入賞口2001がパネル板1110の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、第一始動口2002が後述するセンター役物2500のステージ2503の中央の直下に位置する。従って、ステージ2503の中央から下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、パネル板1110の後方に誘導し、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3600の誘導路に受け渡すことができる。第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、裏ユニット3000に備えられている第一始動口センサ3002に検知される(図168を参照)。
[5−8−2.サイドユニット]
表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を、備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。
サイドユニット2200は、最も右側の一般入賞口2001が、始動口ユニット2100の第一始動口2002と同じ高さで上方へ向かって開口しており、左右方向中間側の一般入賞口2001が、右側の一般入賞口2001よりも高い位置で上方へ向かって開口しており、最も左側の一般入賞口2001が、中間側の一般入賞口2001よりも高い位置で正面視左上方へ向かって開口している。
サイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001の前面を除いた部位が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110を通して裏ユニット3000)を視認することができる。サイドユニット2200は、パネル板1110の前面に取付けることで、三つの一般入賞口2001が、パネル板1110の前面よりも前方へ突出した状態となる。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1110の後方に誘導し、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3600の誘導路に受け渡すことができる。一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、裏ユニット3000に備えられている一般入賞口センサ3001に検知される(図168を参照)。
[5−8−3.サイドスロープ]
表ユニット2000のサイドスロープ2300は、サイドユニット2200の正面視左上で内レール1002に沿うように取付けられている。サイドスロープ2300は、正面視において右端が低くなるように傾斜している棚部2301を、備えている。サイドスロープ2300は、パネル板1110の前面に取付けられており、棚部2301がパネル板1110の前面よりも前方に突出している。
サイドスロープ2300は、センター役物2500の左側の領域を流下してきた遊技球Bを、右方へ誘導させることができる。このサイドスロープ2300は、全体が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110を通して裏ユニット3000)を視認することができる。
[5−8−4.アタッカユニット]
表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、パネル板1110の前面に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、四つの一般入賞口2001のうちの一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、大入賞口2005、受入空間2006、第一受入口2007、及び第二受入口2008を備えている(図108等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視における外形形状が、左右方向の略中央から右側の上端が上方へ延びたL字状に形成されている。このアタッカユニット2400は、右上隅に遊技球Bが上下に流通(通過)するゲート部2003が配置されていると共に、ゲート部2003の直下に前方へ向かって開口可能な第二始動口2004が配置されている。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004の左下に上方へ向かって開口可能な大入賞口2005が配置されていると共に、大入賞口2005の左下に斜め右方へ向かって常時開口している一つの一般入賞口2001が配置されている。更に、アタッカユニット2400は、大入賞口2005の下方に大入賞口2005に受入れられた遊技球Bが流通する所定広さの受入空間2006が配置されている。また、アタッカユニット2400は、受入空間2006内において、上方へ向かって開口可能な第一受入口2007が配置されていると共に、第一受入口2007の右側で上方へ向かって常時開口している第二受入口2008が配置されている。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001が遊技球Bよりも若干大きい大きさで開口していると共に、ゲート部2003が遊技球Bよりも若干大きい大きさで上下に貫通している。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技球よりも若干大きい大きさで前方へ向かって開口していると共に、大入賞口2005が左右方向へ遊技球の外径の約3倍〜5倍の幅で上方へ向かって開口している。
アタッカユニット2400は、ゲート部2003を通過する遊技球Bを検知するゲートセンサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、第一受入口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一受入口センサ2404と、第二受入口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二受入口センサ2405と、を備えている(図168を参照)。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411をゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、第一受入口2007を開閉する(大入賞口2005に受入れられて受入空間2006内を流通する遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振分ける)振分片2415と、振分片2415を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させる振分ソレノイド2416と、を備えている。
アタッカユニット2400は、正面視において右上隅で上下に延びていると共に、上端と下端にゲート部2003と第二始動口2004とがそれぞれ配置されており、遊技球Bが流通可能なゲート通路2421と、ゲート部2003の左側において上下に第二始動口2004よりも下方まで延びており遊技球Bが流通可能な左サイド通路2422と、ゲート部2003の右側において上下に延びた後に第二始動口2004の上方でゲート通路2421と合流するように屈曲しており遊技球Bが流通可能な右サイド通路2423と、ゲート通路2421、及び左サイド通路2422の下方で、且つ、大入賞口2005の上側においてゲート通路2421の下方から左端側が低くなるように左方へ延びており、遊技球Bが流通可能なアタッカ通路2424と、大入賞口2005の左端から左端側が低くなるように左方へ延びている放出棚部2425と、を備えている。
ゲート通路2421は、図108に示すように、ゲート部2003と第二始動口2004との間の部位が、左サイド通路2422と右サイド通路2423とにそれぞれ遊技球Bが通過可能に連通している。従って、上方からゲート通路2421に進入した遊技球Bは、ゲート部2003を通過した後に第二始動口2004の前方を通ってアタッカ通路2424へ流下する。また、上方から左サイド通路2422に進入した遊技球Bは、ゲート部2003及び第二始動口2004のそれぞれの左側を通ってアタッカ通路2424へ流下するパターンと、ゲート部2003の左側を通った後に右方へ屈曲してゲート通路2421へ進入し、第二始動口2004の前方を通ってアタッカ通路2424へ流下するパターンとがある。一方、上方から右サイド通路2423に進入した遊技球Bは、ゲート部2003の右側を通った後に左方へ屈曲してゲート通路2421へ進入し、第二始動口2004の前方を通ってアタッカ通路2424へ流下する。遊技球Bが第二始動口2004の前方を通る際に、第二始動口2004が開放されていれば、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる。
第二始動口扉2411は、前方へ開口している第二始動口2004を、前方から閉鎖可能としており、第二始動口2004の下端付近において、下辺が左右に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。この第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412の駆動によって、上辺が前方へ移動するように回転(回動)することで、第二始動口2004を開放すると共に、ゲート通路2421を閉鎖し、第二始動口2004の前方へ流下してきた遊技球Bを、第二始動口2004側へ誘導して、第二始動口2004へ受入れさせることができる。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412がOFF(非通電時)の時は第二始動口2004を閉鎖し、始動口ソレノイドがON(通電時)の時は第二始動口2004を開放させる。
大入賞口扉2413は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している大入賞口2005を開閉可能としている。大入賞口扉2413は、前進することで大入賞口2005を閉鎖すると共に、アタッカ通路2424を流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導した上で放出棚部2425上へ受渡すことができる。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414の駆動によって後退することで大入賞口2005を開放し、ゲート通路2421、左サイド通路2422、及び右サイド通路2423の何れかを流通した上でアタッカ通路2424を流通した遊技球Bを、大入賞口2005に受入れさせることができる。この大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414がOFF(非通電時)の時は大入賞口2005を閉鎖し、アタッカソレノイド2414がON(通電時)の時は大入賞口2005を開放させる。
振分片2415は、受入空間2006内において、前後に延びていると共に、右端が低くなるように左右に延びている板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している第一受入口2007(V入賞口)を開閉可能としている。振分片2415は、前進することで第一受入口2007を閉鎖し、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを右方へ誘導して常時上方へ向かって開口している第二受入口2008へ受入れさせることができる。また、振分片2415は、振分ソレノイド2416の駆動によって、後退することで第一受入口2007を開放し、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、高い確率で第一受入口2007に受入れさせることができる。この振分片2415は、振分ソレノイド2416がOFF(非通電時)の時は第一受入口2007を閉鎖し、振分ソレノイド2416がON(通電時)の時は第一受入口2007を開放させる。換言すると、振分片2415は、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに受入れられるように振分けることができる。
このアタッカユニット2400は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、ゲート通路2421が、後述するセンター役物2500における右案内通路2510の下流側の開口部の下方(直下よりもやや左寄り)に位置していると共に、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005がセンター役物2500のステージ2503よりも上方に位置している。また、一般入賞口2001が、第一始動口2002と略同じ高さに位置している。また、パネル板1110に取付けた状態では、センター役物2500の右案内通路2510の下端と、上端(ゲート部2003)との間には、複数の障害釘Nが、存在している。
続いて、アタッカユニット2400における遊技球Bの流れについて説明する。遊技盤5に組立てた状態で、アタッカユニット2400のゲート部2003が、センター役物2500のステージ2503よりも上方に位置していることから、ステージ2503から遊技球Bが放出されてもゲート部2003を通過することはない。従って、センター役物2500の右側(右案内通路2510)を流下した遊技球Bのみ、ゲート部2003を通過する可能がある。右案内通路2510の下流には、左サイド通路2422、ゲート通路2421、及び右サイド通路2423が左から並んで開口しており、センター役物2500の右側を流下した遊技球Bは、それらの何れかに進入することとなる。
そして、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、その直下の第二始動口2004を閉鎖している第二始動口扉2411の前方を通って、ゲート通路2421からアタッカ通路2424へ放出される。この際に、第二始動口扉2411が前方へ回動して開位置の状態となっていると、ゲート部2003を通過した遊技球Bが第二始動口扉2411の裏面に当接して第二始動口2004側へ誘導され、第二始動口2004に受入れられることとなる。第二始動口扉2411は、ゲート部2003を遊技球Bが通過する(ゲートセンサ2401により遊技球Bが検知される)ことで抽選される普通抽選結果に応じて(普通抽選結果が「普通当り」の時に)駆動させられるため、普通抽選結果の抽選時間や第二始動口扉2411の開閉タイミング等を適宜設定することで、「普通当り」を抽選した遊技球Bそのものを第二始動口2004へ受入れさせることもできる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402により検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
このゲート通路2421では、ゲート部2003と第二始動口2004との間の部位の右側において、右サイド通路2423の下流端と連通していることから、ゲート部2003の右側の右サイド通路2423に進入した遊技球Bが、ゲート部2003を通過することなく第二始動口2004の前方側へ流通させられるようになっている。従って、第二始動口扉2411が開位置へ移動して第二始動口2004が受入可能となっている状態では、ゲート部2003を通過した遊技球B、或いは、右サイド通路2423を流通した遊技球Bを、極めて高い確率で第二始動口2004へ受入れさせることができる。なお、ゲート通路2421は、ゲート部2003と第二始動口2004との間の部位の左側が、左サイド通路2422の途中と連通していることから、ゲート部2003の左側の左サイド通路2422に進入した遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられる可能性がある。
センター役物2500の右側を流下した遊技球が、第二始動口2004に受入れられなかった場合、ゲート通路2421或いは左サイド通路2422の下端からアタッカ通路2424に放出される。
アタッカ通路2424に放出された遊技球Bは、その傾斜に沿って左方へ誘導され、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413を介して放出棚部2425の左端から下方へ放出される。この際に、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開いていると、アタッカ通路2424内に放出された遊技球Bが、高い確率で大入賞口2005に受入れられる。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403に検知された後、受入空間2006に送られ、振分片2415によって第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振分けられる。
第一受入口2007又は第二受入口2008に受入れられた遊技球Bは、第一受入口センサ2404又は第二受入口センサ2405により検知された上で、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
放出棚部2425から下方へ放出された遊技球Bは、下方に配置されている一つの一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。アタッカユニット2400の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、パネル板1110の後側へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3600の誘導路に受け渡される。一方、一般入賞口2001に受入れられなかった遊技球は、遊技領域5a下端のアウト口1008を通り、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
[5−8−5.センター役物]
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット2200等よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状に形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(頂部)と、その左右両側の最も低くなっている部位(谷部)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(頂部)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央から遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、正面視右側の外周面に沿って流下してきた遊技球Bを、やや左方へ誘導した後に下方へ放出する右案内通路2510を備えている。この右案内通路2510は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、右案内通路2510における下流端が、アタッカユニット2400におけるゲート部2003の直上よりやや右側に位置するように形成されている。
このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、右側の外周面が、前構成部材1000における右レール1005から遊技球の外径よりも若干大きく離れるように形成されている。従って、遊技球Bがセンター役物2500の右側を流通すると、センター役物2500の右側の外周面に沿って流通することとなり、センター役物2500の右側を流通する遊技球Bは全て右案内通路2510に進入して案内される。これにより、遊技球Bがセンター役物2500の右側を流通するように遊技領域5a内に打込む(所謂、右打ちする)と、高い確率でゲート部2003に対して遊技球Bを通過させることができると共に、高い確率で開放されている(開いている)大入賞口2005に対して遊技球Bを受入させることができる。
[5−8−6.表演出ユニット]
次に、表ユニット2000における表演出ユニット2600について、主に図124乃至図126等を参照して詳細に説明する。図124は、遊技盤の表ユニットのセンター役物と表演出ユニットとを分解して前から見た分解斜視図である。図125は表演出ユニットにおいて第一絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図であり、図126は表演出ユニットにおいて第二絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。
表ユニット2000の表演出ユニット2600は、枠状のセンター役物2500の枠内を閉鎖するように、センター役物2500に取付けられている。表演出ユニット2600は、センター役物2500の後側に取付けられており、センター役物2500の枠内を閉鎖する透明な平板状の表導光板2610と、表導光板2610の右側面へ向かって光を照射可能な複数の導光板用LED2611aが実装されており、センター役物2500の後側に取付けられている第一絵柄用基板2611と、表導光板2610の上面へ向かって光を照射可能な複数の導光板用LED2612aが実装されており、センター役物2500の後側に取付けられている第二絵柄用基板2612と、を備えている。
表導光板2610は、上下方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第一反射部により形成されている第一絵柄2621(図125を参照)と、左右方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第二反射部により形成されている第二絵柄2622(図126を参照)と、を備えている。つまり、表演出ユニット2600は、第一絵柄用基板2611の導光板用LEDを2611a発光させると、第一絵柄2621を発光表示させることができ、第二絵柄用基板2612の導光板用LED2612aを発光させると、第二絵柄2622を発光表示させることができる。
表導光板2610は、第一絵柄2621を形成している無数の第一反射部や、第二絵柄2622を形成している無数の第二反射部が、それぞれの凹凸が微細に形成されており、第一絵柄用基板2611の導光板用LED2611aや第二絵柄用基板2612の導光板用LED2612aを発光させていない状態では、透明に見えて、後側に配置されている裏ユニット3000の各種の装飾体や演出表示装置1600に表示されている演出画像等を、良好な状態で視認することができる。
第一絵柄2621は、図125に示すように、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの一方の目の周りを模した絵柄である。また、第二絵柄2622は、図126に示すように、ガラスに放射状且つ同心円状のヒビが入ったような絵柄である。なお、第一絵柄用基板2611及び第二絵柄用基板2612に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDである。
本実施形態の表演出ユニット2600は、第一絵柄用基板2611及び第二絵柄用基板2612が、その板面を、表導光板2610の周面と平行に向けた状態としており、それらの板厚の方向を、表導光板2610の表面と平行な方向に配置しているため、前方(遊技者側)から見た時に、第一絵柄用基板2611及び第二絵柄用基板2612を見え辛くすることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができる。
[5−9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図127乃至図131等を参照して説明する。図127は、裏前装飾基板及び裏前右装飾基板を強調して示す遊技盤の裏ユニットの正面図である。図128は遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図であり、図129は裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図130は裏ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図131は裏ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられており、後側に周辺制御ユニット1500、演出表示装置1600、及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図168を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の後部に取付けられている裏後演出ユニット3100と、裏後演出ユニット3100の前側に取付けられている裏中演出ユニット3200と、裏中演出ユニット3200の前面右部に取付けられている裏右演出ユニット3300と、裏中演出ユニット3200の前面上部の左側に取付けられている裏上演出ユニット3400と、裏中演出ユニット3200の前面下部に取付けられている裏下演出ユニット3500と、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、及び裏下演出ユニット3500の前方で裏箱3010の前端に取付けられている裏前演出ユニット3600と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の上固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの下辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が左右にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[5−9−1.裏後演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏後演出ユニット3100について、主に図132乃至図141等を参照して詳細に説明する。図132は、裏ユニットにおける裏後演出ユニットを前から見た斜視図である。図133は、裏後可動装飾体が通常の位置で裏後可動機構を強調して示す裏後演出ユニットの正面図である。図134は、図133の状態から裏後可動装飾体がロック部材によりロックされている状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。図135は、図134の状態からスライドガイドを下降端付近まで下方へ移動させている状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。図136は、図135の状態からスライドガイドによりロック部材を解除位置へ回動させて裏後可動装飾体を落下させた状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。図137は、スライドガイドにより裏後可動装飾体を上下方向へ移動させている状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。図138は、スライドガイドによる裏後可動装飾体の上方への移動によりロック部材がロック位置から解除位置側へ回動している状態を示す裏後演出ユニットの正面図である。
図139(a)は裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図140は裏後装飾演出ユニットにおいて第五絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図であり、図141は裏後装飾演出ユニットにおいて第六絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。
裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100は、裏箱3010内の最後部に取付けられている。裏後演出ユニット3100は、正面視の形状が略正方形で、裏箱3010の内形と略同じ大きさに形成されている。裏後演出ユニット3100は、外形が四角形で枠状に形成されている裏後可動演出ユニット3110と、裏後可動演出ユニット3110の後側に取付けられていると共に裏箱3010内に取付けられる裏後装飾演出ユニット3150と、を備えている。
まず、裏後演出ユニット3100における裏後可動演出ユニット3110について、詳細に説明する。裏後可動演出ユニット3110は、演出表示装置1600の左右方向の全幅と略同じ長さで左右方向へ延びており、パチンコ機1のコンセプトに沿ったアイテムとしてのナタを模した形状に形成されている裏後可動装飾体3120と、裏後可動装飾体3120を上下方向へ移動可能に取付けている裏後可動機構3130と、を備えている。
裏後可動装飾体3120は、左右方向へ延びておりナタを模した装飾体本体3121と、装飾体本体3121の左右両端からそれぞれ外方へ突出しており、後述する裏後可動機構3130の一対のスライドシャフト3132に上下方向へスライド可能に取付けられる左スライダ3122及び右スライダ3123と、を備えている。また、裏後可動装飾体3120は、図示は省略するが、装飾体本体3121の後側に取付けられており前面及び後面に複数のLED(フルカラーLED)が実装されている裏後可動装飾体装飾基板と、裏後可動装飾体装飾基板と装飾体本体3121との間に取付けられており裏後可動装飾体装飾基板の前面に取付けられているLEDからの光を拡散させて前方へ照射させる前レンズと、裏後可動装飾体装飾基板の後側に取付けられており裏後可動装飾体装飾基板の後面に取付けられているLEDからの光を誘導して装飾体本体3121の下部となる部位の後方から前方へ照射させる後レンズと、を備えている。
裏後可動装飾体3120の装飾体本体3121は、ナタを模した形状に形成されており、正面視において左端側をナタの先端としていると共に、下辺側をナタの刃としている。装飾体本体3121は、ナタの刃を模している部位が透明に形成されている。また、装飾体本体3121は、左右方向の中央で下端付近の部位を中心にして、放射状、且つ、同心円状、に広がるような亀裂模様の装飾が形成されている。
左スライダ3122は、前面から前方へ突出しており、後述する裏後可動機構3130のロック部材3141の規制部3141cや案内部3141dと当接可能なロック突起3122aを、備えている。また、左スライダ3122は、図示は省略するが、上下に離隔しており裏後可動機構3130の左側のスライドシャフト3132が摺動可能に挿通される一対の摺動ブッシュを備えている。摺動ブッシュは、内部にスライドシャフト3132と当接する複数のベアリング鋼球を有しており、挿通されたスライドシャフト3132に対して、ガタツクことなく滑らかに摺動することができる。この左スライダ3122は、一対の摺動ブッシュによって、裏後可動装飾体3120を左側のみでも上下方向へスムーズに移動させることができる。また、左スライダ3122は、図示は省略するが、後方へ突出している検知片を、備えている。左スライダ3122の検知片は、裏後装飾演出ユニット3150の装飾体検知センサ3154により検知される。
右スライダ3123は、装飾体本体3121の上下方向の寸法と、略同じ長さで上下に延びており、裏後可動機構3130の右側のスライドシャフト3132を左右から挟むような断面四角形の筒状に形成されている。
裏後可動装飾体装飾基板は、装飾体本体3121におけるナタの刃を模している部位よりも上方に取付けられている。裏後可動装飾体装飾基板の前面に実装されている複数のLEDは、左右方向の略中央の下辺付近を中心にして、同心円状に配置されていると共に、それぞれが中心から外方へ放射状に光が照射される向きに取付けられている。また、裏後可動装飾体装飾基板の後面に実装されている複数のLEDは、下辺及び背面視右辺に沿って列設されていると共に、裏後可動装飾体装飾基板の後面に平行でそれぞれの辺側へ向けて光が照射されるように取付けられている。
裏後可動装飾体3120は、装飾体本体3121におけるナタの刃を模した部位を通して後方を視認することができる。また、裏後可動装飾体3120は、裏後可動装飾体装飾基板の前面に実装されている複数のLEDを発光させると、前レンズを介して装飾体本体3121の前面における亀裂模様の装飾が形成されている部位を発光装飾させることができ、後面に実装されている複数のLEDを発光させると、後レンズを介して装飾体本体3121のナタの先端と刃の部位を発光装飾させることができる。
裏後演出ユニット3100の裏後可動演出ユニット3110における裏後可動機構3130は、金属板により形成されており外形が四角形で枠状のユニットフレーム3131と、上下に延びていると共に左右方向へ離隔しておりそれぞれがユニットフレーム3131に取付けられている一対のスライドシャフト3132と、正面視において左側のスライドシャフト3132の左方で平行に上下に延びていると共に外周にスパイラル状の溝が形成されておりユニットフレーム3131に回転可能に取付けられているスパイラルシャフト3133と、スパイラルシャフト3133に螺合されており裏後可動装飾体3120の下面と当接可能とされているスライドガイド3134と、回転軸を上方へ向けてユニットフレーム3131の正面視左下隅に取付けられている裏後駆動モータ3135と、裏後駆動モータ3135の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア(図示は省略)と、モータギアと噛合しておりスパイラルシャフト3133の下端に取付けられている平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、を備えている。
また、裏後可動機構3130は、ユニットフレーム3131における正面視左上隅からやや下方の部位において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられているロック部材3141と、上下に延びていると共にユニットフレーム3131に上下方向へスライド可能に取付けられておりロック部材3141を回動させるための伝達スライダ3142と、伝達スライダ3142を上方へ付勢しているロックバネ3143と、ロック部材3141の上方でユニットフレーム3131に取付けられておりロック部材3141の回動を規制している回動規制部材3144と、を備えている。
更に、裏後可動機構3130は、ユニットフレーム3131に取付けられていると共に下面に裏後駆動モータ3135が取付けられており、内部にモータギア及び駆動ギアが収容されている箱状のギアボックス3145と、上方へ向けてギアボックス3145に取付けられているダンパ3146と、ダンパ3146の外周を囲むようにギアボックス3145から上方へ突出している保護ストッパ3147と、を備えている。
ユニットフレーム3131は、それぞれの辺を構成している四つの帯板状の部材によって枠状に形成されている。ユニットフレーム3131は、上下の高さが、裏箱3010内の高さと略同じであり、左右の長さが、裏箱3010内の左右の幅と略同じである。一対のスライドシャフト3132は、ユニットフレーム3131の高さと略同じ長さで上下に延びている円柱状の金属シャフトである。一対のスライドシャフト3132は、それぞれの上端と下端が、ユニットフレーム3131に取付けられている。
スパイラルシャフト3133は、左側のスライドシャフト3132の左方で上下両端が、ユニットフレーム3131に回転可能に取付けられている。スパイラルシャフト3133は金属により形成されている。
スライドガイド3134は、スパイラルシャフト3133が螺合されているガイド本体3134aと、ガイド本体3134aから正面視右方へ突出しており裏後可動装飾体3120の下面と当接可能なガイド突起3134bと、を備えている。スライドガイド3134は、図示は省略するが、ガイド突起3134bの先端面から正面視左方へ窪んでいると共に上下に貫通しており左側のスライドシャフト3132が挿入されるガイド溝と、ガイド本体3134aから後方へ突出している検知片と、を備えている。
スライドガイド3134は、ガイド突起3134bの先端のガイド溝内にスライドシャフト3132が挿入されることで、スパイラルシャフト3133の軸を中心にした回転が阻止された状態となり、スパイラルシャフト3133の回転方向に応じて上方又は下方へ移動することができる。また、スライドガイド3134は、ガイド突起3134bの上面に、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122の下面が当接可能とされている。スライドガイド3134の検知片は、裏後装飾演出ユニット3150に備えられている複数(二つ)のスライド検知センサ3155により検知される。
ロック部材3141は、上下に延びている本体部3141aと、本体部3141aの下部である基端部において前後方向に貫通している軸受孔3141bと、本体部3141aの上部である先端部から直角に正面視右方へ突出しており上方を向いている平面状の規制部3141cと、規制部3141cの先端から本体部3141aの基端部付近へ向かって斜めに延びている案内部3141dと、本体部3141aの上端面から上方へ突出しているストッパ3141eと、本体部3141aの基端部から正面視左方へ突出している伝達突部3141fと、伝達突部3141fを前後方向へ貫通していると共に伝達突部3141fが突出している方向へ延びている伝達長孔3141gと、を備えている。
ロック部材3141の軸受孔3141bは、ユニットフレーム3131の図示しない軸ピンが挿入される。これにより、ロック部材3141は、前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられる。規制部3141cは、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122のロック突起3122aが、上方からに当接可能とされている。案内部3141dは、左スライダ3122のロック突起3122aが、下方から当接可能とされている。ストッパ3141eは、正面視右方を向いている面が、回動規制部材3144と当接可能とされている。伝達長孔3141gは、伝達スライダ3142の伝達ピン3142aが摺動可能に挿入される。
伝達スライダ3142は、上下に延びた金属の帯板により形成されており、ユニットフレーム3131の枠内の高さよりも若干短く形成されている。伝達スライダ3142は、ユニットフレーム3131における左辺を構成している部位に、上下方向へスライド可能に取付けられている。伝達スライダ3142は、上端付近において前後方向へ突出しておりロック部材3141の伝達長孔3141gに摺動可能に挿入される円柱状の伝達ピン3142aと、下端に形成されておりスライドガイド3134のガイド突起3134bと当接可能な解除当接部3142bと、上端に形成されておりロックバネ3143下端が掛止される係止部3142cと、を備えている。伝達スライダ3142の解除当接部3142bは、保護ストッパ3147の上端の高さよりも下方に位置している。
ロックバネ3143は、コイルスプリングとされている。ロックバネ3143は、上端が、ユニットフレーム3131の左辺を構成している部位の上端に係止されており、下端が、伝達スライダ3142の係止部3142cに係止されている。ロックバネ3143は、伝達スライダ3142を上方へ付勢している。
ダンパ3146は、ギアボックス3145に取付けられている円柱状のダンパ本体3146aと、ダンパ本体3146aから上方へ延出しているピストンロッド3146bと、ピストンロッド3146bの先端(上端)に取付けられている円柱状の当接受部3146cと、を備えている。ダンパ3146のダンパ本体3146aは、図示は省略するが、内部に上下方向(軸方向)へ延びた円柱状の空間を有しており、その空間内に、上下方向(軸方向)へ摺動可能なピストンと、ピストンを上方へ付勢しているバネと、内部に、空間内に充填されている粘性流体と、を備え、ピストンからピストンロッド3146bが上方の外側へ延出している。
ダンパ3146は、上端の当接受部3146cに、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122が上方から当接可能とされている。ダンパ3146は、裏後可動装飾体3120が上方から当接受部3146cに当接することで、ピストンロッド3146bを介してダンパ本体3146aの内部のピストンが下方へ移動する際に、バネによる弾性力と、粘性流体による粘性抵抗とによって、その衝撃を吸収することができる。ダンパ3146は、当接受部3146cに裏後可動装飾体3120が当接していない状態(フリーの状態)では、当接受部3146cの上面が、保護ストッパ3147の上端の高さよりも上方に位置している。
続いて、裏後可動演出ユニット3110の動作について説明する。裏後可動演出ユニット3110は、通常の状態では、図133に示すように、裏後可動装飾体3120が、最も上昇している退避位置の状態となっていると共に、ロック部材3141が、正面視において時計回りの方向への回動端であるロック位置の状態となっている。この状態では、スライドガイド3134のガイド突起3134bに、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122の下面が当接していると共に、左スライダ3122のロック突起3122aが、ロック部材3141の規制部3141cよりも上方に位置している。
また、通常の状態では、裏後可動装飾体3120における左スライダ3122の検知片が、裏後装飾演出ユニット3150の装飾体検知センサ3154により検知されていると共に、スライドガイド3134の検知片が、裏後装飾演出ユニット3150における上側のスライド検知センサ3155により検知されている。
ロック位置の状態のロック部材3141は、本体部3141aが垂直になっていると共に、本体部3141aの基端部から左方へ突出している伝達突部3141fが水平になっている。また、ロック部材3141は、本体部3141aの上端から右方へ突出している規制部3141cが、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aの直下に位置していると共に、上方へ突出しているストッパ3141eが、回動規制部材3144に当接している。ロック部材3141は、ストッパ3141eが回動規制部材3144に当接していることにより、これ以上の正面視時計回りの方向への回動が規制されている。
ロック部材3141のストッパ3141eが回動規制部材3144に当接することにより、伝達突部3141fが上方へ移動する方向への回動が規制されているため、伝達突部3141fに形成されている伝達長孔3141gに挿入されている伝達ピン3142aが、これ以上の上方へ移動することはない。従って、ロックバネ3143により上方へ付勢されている伝達スライダ3142は、ロック位置のロック部材3141により、伝達ピン3142aを介して上方へのこれ以上の移動が規制されている。
この通常の状態では、裏後可動装飾体3120の下方への移動(落下)を、スライドガイド3134によって規制している。仮に、この状態において、誤作動等の何らかの理由により、スライドガイド3134が、或る程度下方へ移動した場合、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122のロック突起3122aが、ロック部材3141の規制部3141cに当接するため、ロック部材3141(規制部3141c)よりも下方への移動(落下)を規制することができる。つまり、通常の状態では、スライドガイド3134とロック部材3141との二つによって、裏後可動装飾体3120の落下が阻止されている。
この通常の状態で、裏後駆動モータ3135によりスパイラルシャフト3133を所定方向(ここでは、平面視において反時計回りの方向)へ回転させると、スパイラルシャフト3133に螺合されているガイド本体3134aにより、スライドガイド3134が下方へ移動する。このスライドガイド3134の下方へ移動により、スライドガイド3134のガイド突起3134bの上面に当接している裏後可動装飾体3120が、スライドガイド3134と一緒に下方へ移動することとなる。
そして、スライドガイド3134と一緒に下方へ移動している裏後可動装飾体3120のロック突起3122aが、ロック部材3141の規制部3141cに当接すると、裏後可動装飾体3120の下方への移動が規制されて、裏後可動装飾体3120の移動が停止し、待機位置の状態となる(図134を参照)。この待機位置の状態では、スライドガイド3134の検知片が、裏後装飾演出ユニット3150の上側のスライド検知センサ3155よりも下方に位置しており、非検知の状態となっている。一方、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122の検知片は、裏後装飾演出ユニット3150の装飾体検知センサ3154により検知されたままの状態となっている。図示は省略するが、左スライダ3122の検知片は、裏後可動装飾体3120が退避位置から待機位置までの間で、裏後装飾演出ユニット3150の装飾体検知センサ3154により検知されるように上下に延びている。
その後、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を更に下方へ移動させると、スライドガイド3134のガイド突起3134bが、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122の下面から離れ、裏後可動装飾体3120が待機位置のままで、スライドガイド3134のみが下方へ移動することとなる(図135を参照)。
この状態では、裏後可動装飾体3120の荷重が、ロック部材3141の右方へ突出している規制部3141cに作用することとなるため、規制部3141cにかかる荷重により、ロック部材3141が軸受孔3141bを中心にして正面視時計回りの方向へ回動しようとする。しかしながら、ロック部材3141のストッパ3141eが、回動規制部材3144に左方から当接していることから、時計回りの方向への回動が規制されており、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aが規制部3141cから外れることはない。
そして、下方へ移動しているスライドガイド3134のガイド突起3134bの下面が、伝達スライダ3142の解除当接部3142bの上面に当接すると(図135を参照)、スライドガイド3134の検知片が、裏後装飾演出ユニット3150の下側のスライド検知センサ3155により検知される。この状態では、スライドガイド3134のガイド突起3134bの上面が、保護ストッパ3147の上端の高さよりも低くなっている。
この状態から、更に裏後駆動モータ3135によりスパイラルシャフト3133を介してスライドガイド3134を下方へ移動させると、スライドガイド3134のガイド突起3134bが、伝達スライダ3142の解除当接部3142bを下方へ押圧し、伝達スライダ3142がロックバネ3143の付勢力に抗して下方へスライドすることとなる。
伝達スライダ3142が下方へスライドすると、伝達スライダ3142の伝達ピン3142aも下方へ移動するため、伝達ピン3142aが挿入されているロック部材3141の伝達長孔3141gが、伝達ピン3142aによって下方へ押圧され、ロック部材3141が、軸受孔3141bを中心にして正面視反時計回りの方向へ回動することとなる(図136を参照)。
ロック部材3141が正面視反時計回りの方向へ回動することで、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122のロック突起3122aが上方から当接している規制部3141cが、その先端側(右端側)が上方へ移動すると共に、左方へ移動するように回動することとなる。つまり、ロック部材3141の反時計回りの方向への回動に伴って、規制部3141cの上昇する先端側により裏後可動装飾体3120がロック突起3122aを介して上昇すると共に、規制部3141cの先端側がロック突起3122aの下面を左方へ摺動することとなる。
その後、ロック部材3141が更に反時計回りの方向へ回動して、規制部3141cの先端が、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aの左端よりも左方へ移動すると、裏後可動装飾体3120は規制部3141cによる下方からの支持を失い、作用している重力により裏後可動装飾体3120が落下することとなる(図136を参照)。つまり、ロック部材3141が、規制部3141cの上面がロック突起3122aの下面に当接しているロック位置から、規制部3141cの先端がロック突起3122aの左端よりも左方となる位置(解除位置)まで、正面視反時計回りの方向へ回動すると、下方への移動が規制されていた(ロックされていた)裏後可動装飾体3120のロックが解除されて、裏後可動装飾体3120が待機位置から自由落下する。
待機位置から落下した裏後可動装飾体3120は、左スライダ3122の下面が、ダンパ3146の当接受部3146cに当接し、当接受部3146cを介してピストンロッド3146bがダンパ本体3146a内に沈み込むと共に、ダンパ本体3146a内のバネと粘性流体とによって裏後可動装飾体3120の落下の衝撃が吸収される。そして、左スライダ3122の下面が、保護ストッパ3147の上面に当接する前に、裏後可動装飾体3120の落下が停止し、下降位置の状態となる。
裏後可動装飾体3120が下降位置の状態では、左スライダ3122の下面と保護ストッパ3147の上面との間には、隙間が形成されていると共に、スライドガイド3134のガイド突起3134bの上面が、左スライダ3122の下面(保護ストッパ3147の上端)よりも十分に下方に位置している。つまり、待機位置から下降位置へ自由落下した裏後可動装飾体3120は、ダンパ3146以外の部材には、何も当接しないように構成されている。
これにより、演出表示装置1600の全幅と略同じ長さで左右に延びた大きな裏後可動装飾体3120を、演出表示装置1600の上部から下部までと同じ高さで自由落下させても、ダンパ3146以外の部材に当接することはなく、大きな衝撃により他の部材が破損することはない。また、仮に、ダンパ3146において、自由落下してきた裏後可動装飾体3120を十分に停止させることができなかったとしても、ダンパ3146により運動エネルギーを減衰させた状態で、保護ストッパ3147に当接することとなり、保護ストッパ3147が破損することなく裏後可動装飾体3120の落下を停止させることができる。また、スライドガイド3134のガイド突起3134bを、保護ストッパ3147の上端よりも下方に位置させているため、自由落下してきた裏後可動装飾体3120がガイド突起3134bに当接することはなく、裏後可動装飾体3120の当接によるスライドガイド3134の破損を防止することができる。
裏後可動装飾体3120を下降位置へ落下させた後に、裏後駆動モータ3135によりスパイラルシャフト3133を上記とは逆方向(ここでは、平面視において時計回りの方向)へ回転させると、スライドガイド3134が上昇する。スライドガイド3134のガイド突起3134bにより伝達スライダ3142の解除当接部3142bを下方へ押圧して、伝達スライダ3142を下方へスライドさせている状態で、スライドガイド3134を上昇させると、伝達スライダ3142がロックバネ3143により上方へ付勢されていることから、スライドガイド3134(ガイド突起3134b)と一緒に伝達スライダ3142が上方へスライドする。
伝達スライダ3142が上方へスライドすると、伝達ピン3142aが上方へ移動するため、伝達ピン3142aが挿入されているロック部材3141の伝達長孔3141gが、伝達ピン3142aにより上方へ押圧され、ロック部材3141が軸受孔3141bを中心にして正面視時計回りの方向へ回動することとなる。そして、更にスライドガイド3134に伴って伝達スライダ3142が上方へスライドすると、ロック部材3141のストッパ3141eが回動規制部材3144に当接し、ロック部材3141の時計回りの方向へのこれ以上の回動が規制されると共に、伝達スライダ3142の上方へのスライドが規制される。これにより、ロック部材3141が、解除位置の状態からロック位置の状態に復帰することとなる。
この状態から、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を上方へ移動させると、伝達スライダ3142が上記のように上方への移動が規制されていることから、伝達スライダ3142の解除当接部3142bからスライドガイド3134のガイド突起3134bが上方へ離れ、スライドガイド3134のみが上方へ移動する。そして、上方へ移動しているスライドガイド3134のガイド突起3134bが、下降位置の状態の裏後可動装飾体3120の左スライダ3122に下方から当接し、左スライダ3122を介して裏後可動装飾体3120がスライドガイド3134と一緒に上方へ移動することとなる(図137を参照)。
この裏後可動演出ユニット3110では、裏後可動装飾体3120を落下させた後に、スライドガイド3134により下降位置よりも上方へ移動させて、裏後可動装飾体3120が待機位置と下降位置との間に位置している状態で、裏後駆動モータ3135の回転方向を適宜に変化させることで、スライドガイド3134によって裏後可動装飾体3120を任意に上下方向へ移動させることができる(図137を参照)。
そして、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を上方へ移動させて、スライドガイド3134と伴に下降位置から上方へ移動している裏後可動装飾体3120が、待機位置付近の高さまで移動すると、裏後可動装飾体3120の左スライダ3122のロック突起3122aが、ロック位置の状態のロック部材3141の案内部3141dに下方から当接する。この状態から、スライドガイド3134によりロック突起3122a(裏後可動装飾体3120)が更に上方へ移動すると、ロック部材3141の案内部3141dが斜めになっていることから、案内部3141dにおけるロック突起3122aと当接している部位に、左方への力が作用することとなる。
従って、ロック突起3122aが上方へ移動するのに従って、案内部3141dに作用する左方へ力により、ロック部材3141が軸受孔3141bを中心にして正面視反時計回りの方向へ回動することとなる(図138を参照)。この際に、ロック部材3141において、本体部3141aの基端部から左方へ突出している伝達突部3141fは、反時計回りの方向への回動により下方へ移動することとなるため、伝達突部3141fの伝達長孔3141gに挿入されている伝達スライダ3142の伝達ピン3142aを介して時計回りの方向へ作用しているロックバネ3143の付勢力に抗して、ロック部材3141が反時計回りの方向へ回動する。
その後、ロック突起3122aが更に上方へ移動すると、ロック部材3141の更なる正面視反時計回りの方向へ回動により、本体部3141aから右方へ突出している規制部3141c及び案内部3141dが、ロック突起3122aよりも左方の解除位置へ移動し、ロック突起3122aの上面が規制部3141cよりも上方へ移動することとなる。そして、ロック突起3122aが更に上方へ移動して、ロック突起3122aの下面がロック部材3141の案内部3141dの先端よりも上方へ移動すると、案内部3141dとの当接が解除される。これにより、ロック部材3141は、ロックバネ3143の付勢力により正面視時計回りの方向へ回動し、解除位置からロック位置の状態となる。ロック部材3141がロック位置へ回動した状態では、ロック突起3122aの下面が、規制部3141cの上面よりも上方に位置している。
そして、スライドガイド3134によりロック突起3122a(裏後可動装飾体3120)が更に上方へ移動して、スライドガイド3134の検知片が、裏後装飾演出ユニット3150の上側のスライド検知センサ3155により検知されると、裏後駆動モータ3135の駆動が停止して、裏後可動装飾体3120が退避位置で停止する。つまり、裏後可動装飾体3120が通常の状態に復帰する。
このように、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を下方へ移動させると、伝達スライダ3142を介して、ロック部材3141をロック位置から解除位置へ回動させて裏後可動装飾体3120を、待機位置から下降位置まで自由落下させることができる。これにより、演出表示装置1600の表示画面を左右方向へ跨ぐ大きなナタ(裏後可動装飾体3120)が、演出表示装置1600の表示画面を遮りながら自由落下する可動演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
次に、裏後演出ユニット3100の裏後装飾演出ユニット3150について、主に図139乃至図141等を参照して、詳細に説明する。裏後装飾演出ユニット3150は、外形が四角形で枠状のユニットベース3151と、ユニットベース3151の前側に取付けられておりユニットベース3151の枠内を閉鎖している透明平板状の裏第二導光板3160と、裏第二導光板3160よりも前方でユニットベース3151の前側に取付けられており、ガラスが割れているような形状の装飾が施されている透明枠状の裏後装飾レンズ3152と、裏第二導光板3160の上方でユニットベース3151と裏後装飾レンズ3152との間に取付けられている裏後上装飾基板3153と、を備えている。
また、裏後装飾演出ユニット3150は、裏後可動装飾体3120における左スライダ3122の検知片を検知する装飾体検知センサ3154と、裏後可動機構3130のスライドガイド3134の検知片を検知する二つのスライド検知センサ3155と、裏第二導光板3160の下方に配置されており左右に延びている集光レンズ3156と、を備えている。
また、裏後装飾演出ユニット3150は、裏第二導光板3160の左右両外側でユニットベース3151と裏後装飾レンズ3152との間に取付けられており裏第二導光板3160の左右両側面へ向かって光を照射可能な複数の導光板用LED3171aが実装されている左右一対の第五絵柄用基板3171と、裏第二導光板3160の下方でユニットベース3151と裏後装飾レンズ3152との間に取付けられており裏第二導光板3160の下面へ向かって光を照射可能な複数の導光板用LED3172aが実装されている一対の第六絵柄用基板3172と、を備えている。
裏後装飾演出ユニット3150のユニットベース3151は、外形がユニットフレーム3131と略同じ大きさに形成されている。裏後装飾レンズ3152は、外形がユニットフレーム3131の外形よりも若干小さい四角形に形成されている。ユニットフレーム3131は、下辺から上方(内側)へ突出し、窓ガラスが割れて窓枠にガラスの破片が残っているような形状に形成されている透明平板状の装飾レンズ部を有している。枠状の裏後装飾レンズ3152は、内側が正面視においてユニットベース3151の枠内へ突出しており、窓ガラスが割れて窓枠にガラスの破片が残っているような形状に形成されている。裏後装飾レンズ3152は、内側へ突出している部位の辺縁が前後方向に対して斜めに形成されている。
裏後上装飾基板3153は、左右方向に列設されており下方へ向かって光を照射可能な複数のLED3153aが前面に実装されている。裏後上装飾基板3153は、前面に裏後装飾レンズ3152の後面が当接しており、複数のLED3153aが、枠状の裏後装飾レンズ3152の側面側から内側へ向かって裏後装飾レンズ3152の内部へ光が照射されるように実装されている。
装飾体検知センサ3154は、退避位置から待機位置までの間に位置している裏後可動装飾体3120の検知片を検知できるように、左側の第五絵柄用基板3171の前面の上部に取付けられている。二つのスライド検知センサ3155は、裏後可動装飾体3120が退避位置の時のスライドガイド3134の検知片を検知できるように、左側の第五絵柄用基板3171の前面の上部と、スライドガイド3134のガイド突起3134bが伝達スライダ3142の解除当接部3142bに当接する高さの時のスライドガイド3134の検知片を検知できるように、左側の第五絵柄用基板3171の前面の下部と、にそれぞれ取付けられている。
一対の第五絵柄用基板3171は、後面に、複数の導光板用LED3171aが、上下方向に列設されている状態で実装されている。一対の第五絵柄用基板3171は、前面に、上下方向に列設されており裏後装飾レンズ3152を発光装飾させるための複数のLED3171bが、実装されている。左側の第五絵柄用基板3171は、後面の複数の導光板用LED3171aが、右方へ向かって光を照射可能に実装されていると共に、前面の複数のLED3171bが、右方へ向かって光を照射可能に実装されている。左側の第五絵柄用基板3171は、前面に裏後装飾レンズ3152の後面が当接しており、前面の複数のLED3171bが、枠状の裏後装飾レンズ3152の側面側から内側へ向かって裏後装飾レンズ3152の内部へ光が照射されるように実装されている。
また、右側の第五絵柄用基板3171は、後面の複数の導光板用LED3171aが、左方へ向かって光を照射可能に実装されていると共に、前面の複数のLED3171bが、左方へ向かって光を照射可能に実装されている。この右側の第五絵柄用基板3171は、前面に裏後装飾レンズ3152の後面が当接しており、前面の複数のLED3171bが、枠状の裏後装飾レンズ3152の側面側から内側へ向かって裏後装飾レンズ3152の内部へ光が照射されるように実装されている。
第六絵柄用基板3172は、後面に、複数の導光板用LED3172aが、上方へ向かって光を照射可能に実装されていると共に、前面に、左右方向に列設されており上方へ向かって光を照射可能な複数のLED3172bが実装されている。第六絵柄用基板3172は、後面の複数の導光板用LED3172aから上方へ光を照射させると、集光レンズ3156を介して裏第二導光板3160の内部へ入射させることができる。第六絵柄用基板3172は、前面に裏後装飾レンズ3152の後面が当接しており、前面の複数のLED3172bが、枠状の裏後装飾レンズ3152の側面側から内側へ向かって裏後装飾レンズ3152の内部へ光が照射されるように実装されている。
上記の構成により、裏後装飾レンズ3152は、裏後上装飾基板3153のLED3153a、一対の第五絵柄用基板3171のLED3171b、及び、第六絵柄用基板3172のLED3172b、を発光させることで、内部に照射された光を、枠の内側へ突出している辺縁の傾斜している部分により前方へ反射させることができる。これにより、窓ガラスが割れて窓枠に残っているガラスの破片の辺縁が光っているような発光演出を遊技者に見せることができる。
裏第二導光板3160は、左右方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第五反射部により形成されている第五絵柄3161(図140を参照)と、上下方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第六反射部により形成されている第六絵柄3162(図141を参照)と、を備えている。つまり、裏後装飾演出ユニット3150は、第五絵柄用基板3171の導光板用LED3171aを発光させると、第五絵柄3161を発光表示させることができ、第六絵柄用基板3172の導光板用LED3172aを発光させると、第六絵柄3162を発光表示させることができる。
裏第二導光板3160は、第五絵柄3161を形成している無数の第五反射部や、第六絵柄3162を形成している無数の第六反射部が、それぞれの凹凸が微細に形成されており、第五絵柄用基板3171の導光板用LED3171aや第六絵柄用基板3172の導光板用LED3172aを、発光させていない状態では、透明に見えて、後側の演出表示装置1600に表示されている演出画像等を、良好な状態で視認することができる。
第五絵柄3161は、図140に示すように、全体が砂嵐のような模様の中に「Chance!」の文字からなる遊技者に対する案内(メッセージ)を有した絵柄である。第六絵柄3162は、図141に示すように、割れたガラスの破片が飛び散っているような絵柄である。この第六絵柄3162は、後述する裏中演出ユニット3200の第三絵柄3211よりも、飛び散っているガラスの破片が少ない。
第五絵柄3161の「Chance!」の文字は、図示するように、上下方向の中央に配置されていることから、左右それぞれ21個ずつ上下に配置されている導光板用LED3171aの中央の三つのみを発光させると、「Chance!」の文字のみを発光表示させることが可能である。或いは、上下方向中央の三つの導光板用LED3171aを消灯させ、残りの導光板用LED3171aを発光させると、「Chance!」の文字が見えない(見え難い)状態で全体を発光表示させることができる。
なお、裏後装飾演出ユニット3150における裏後上装飾基板3153、一対の第五絵柄用基板3171、及び第六絵柄用基板3172に、実装されているLEDは、全てサイドビュータイプのフルカラーLEDである。
本実施形態の裏後装飾演出ユニット3150は、図示するように、裏後上装飾基板3153、一対の第五絵柄用基板3171、及び第六絵柄用基板3172が、それぞれの板面を裏第二導光板3160の表面と平行に配置されている。これにより、裏後装飾演出ユニット3150における前後方向の寸法の増加を抑制することができると共に、裏第二導光板3160の第五絵柄3161や第六絵柄3162、裏後装飾レンズ3152等を発光装飾させることができる。
また、本実施形態の裏後装飾演出ユニット3150は、裏第二導光板3160の第六絵柄3162を発光表示させる複数の導光板用LED3172aを、裏第二導光板3160の下辺側にのみ配置しており、第五絵柄3161を発光表示させる複数の導光板用LED3171aよりもその数が少なくなっているが、導光板用LED3172aと裏第二導光板3160との間に集光レンズ3156を配置しているため、導光板用LED3172aから広がる光を集光させて無用に拡散されてしまうことを抑制することができ、その数が少なくても第六絵柄3162を最適な明るさで発光表示させることができる。
[5−9−2.裏中演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏中演出ユニット3200について、主に図142乃至図144等を参照して詳細に説明する。図142(a)は裏ユニットの裏中演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏中演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図143は裏中演出ユニットにおいて第三絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図であり、図144は裏中演出ユニットにおいて第四絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。
裏中演出ユニット3200は、裏箱3010の内部で、裏後演出ユニット3100の前面に取付けられている。裏中演出ユニット3200は、正面視の外形形状が略正方形で、裏箱3010の内形と略同じ大きさに形成されている。裏中演出ユニット3200は、外形が四角形で枠状のユニットベース3201と、ユニットベース3201の前側に取付けられておりユニットベース3201の枠内を閉鎖している透明平板状の裏第一導光板3210と、裏第一導光板3210よりも前方でユニットベース3201の前側に取付けられており、ガラスが割れているような形状の装飾が施されている透明枠状の裏中装飾レンズ3202と、裏第一導光板3210の左方でユニットベース3201と裏中装飾レンズ3202との間に取付けられている裏中左装飾基板3203と、裏第一導光板3210の右方に配置されており上下に延びている集光レンズ3204と、を備えている。
また、裏中演出ユニット3200は、裏第一導光板3210の右外側でユニットベース3201と裏中装飾レンズ3202との間に取付けられており裏第一導光板3210の右側面へ向かって光を照射可能な複数の導光板用LED3221aが実装されている第三絵柄用基板3221と、裏第一導光板3210の上下両外側でユニットベース3201と裏中装飾レンズ3202との間に取付けられており裏第一導光板3210の上下両面へ向かって光を照射可能な複数の導光板用LED3222aが実装されている上下一対の第四絵柄用基板3222と、を備えている。
裏中演出ユニット3200のユニットベース3201は、外形が裏後演出ユニット3100のユニットフレーム3131と略同じ大きさに形成されている。ユニットベース3201は、下辺から上方(内側)へ突出し、窓ガラスが割れて窓枠にガラスの破片が残っているような形状に形成されている透明平板状の装飾レンズ部を有している。裏中装飾レンズ3202は、外形がユニットベース3201の外形よりも若干小さい四角形に形成されている。枠状の裏中装飾レンズ3202は、内側が正面視においてユニットベース3201の枠内へ突出しており、窓ガラスが割れて窓枠にガラスの破片が残っているような形状に形成されている。裏中装飾レンズ3202は、内側へ突出している部位の辺縁が前後方向に対して斜めに形成されている。
裏中左装飾基板3203は、上下方向に列設されており右方へ向かって光を照射可能な複数のLED3203aが前面に実装されている。裏中左装飾基板3203は、前面に裏中装飾レンズ3202の後面が当接しており、前面の複数のLED3203aが、枠状の裏中装飾レンズ3202の側面側から内側へ向かって裏中装飾レンズ3202の内部へ光が照射されるように実装されている。
第三絵柄用基板3221は、後面に、複数の導光板用LED3221aが、左方へ向かって光を照射可能に実装されていると共に、前面に、上下方向に列設されており左方へ向かって光を照射可能な複数のLED3221bが実装されている。第三絵柄用基板3221は、後面の複数の導光板用LED3221aから左方へ光を照射させると、集光レンズ3204を介して裏第一導光板3210の内部へ入射させることができる。第三絵柄用基板3221は、前面に裏中装飾レンズ3202の後面が当接しており、前面の複数のLED3221bが、枠状の裏中装飾レンズ3202の側面側から内側へ向かって裏中装飾レンズ3202の内部へ光が照射されるように実装されている。
一対の第四絵柄用基板3222は、後面に、複数の導光板用LED3222aが、左右方向に列設されている状態で実装されている。一対の第四絵柄用基板3222は、前面に、左右方向に列設されており裏中装飾レンズ3202を発光装飾させるための複数のLED3222bが、実装されている。上側の第四絵柄用基板3222は、後面の複数の導光板用LED3222aが、下方へ向かって光を照射可能に実装されていると共に、前面の複数のLED3222bが、下方へ向かって光を照射可能に実装されている。上側の第四絵柄用基板3222は、前面に裏中装飾レンズ3202の後面が当接しており、前面の複数のLED3222bが、枠状の裏中装飾レンズ3202の側面側から内側へ向かって裏中装飾レンズ3202の内部へ光が照射されるように実装されている。
また、下側の第四絵柄用基板3222は、後面の複数の導光板用LED3222aが、上方へ向かって光を照射可能に実装されていると共に、前面の複数のLED3222bが、上方へ向かって光を照射可能に実装されている。この下側の第四絵柄用基板3222は、前面に裏中装飾レンズ3202の後面が当接しており、前面の複数のLED3222bが、枠状の裏中装飾レンズ3202の側面側から内側へ向かって裏中装飾レンズ3202の内部へ光が照射されるように実装されている。
上記の構成により、裏中装飾レンズ3202は、裏中左装飾基板3203のLED3203a、第三絵柄用基板3221のLED3221b、及び、一対の第四絵柄用基板3222のLED3222b、を発光させることで、内部に照射された光を、枠の内側へ突出している辺縁の傾斜している部分により前方へ反射させることができる。これにより、窓ガラスが割れて窓枠に残っているガラスの破片の辺縁が光っているような発光演出を遊技者に見せることができる。
裏第一導光板3210は、左右方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第三反射部により形成されている第三絵柄3211(図143を参照)と、上下方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第四反射部により形成されている第四絵柄3212(図144を参照)と、を備えている。つまり、裏中演出ユニット3200は、第三絵柄用基板3221の導光板用LED3221aを発光させると、第三絵柄3211を発光表示させることができ、第四絵柄用基板3222の導光板用LED3222aを発光させると、第四絵柄3212を発光表示させることができる。
裏第一導光板3210は、第三絵柄3211を形成している無数の第三反射部や、第四絵柄3212を形成している無数の第四反射部が、それぞれの凹凸が微細に形成されており、第三絵柄用基板3221の導光板用LED3221aや第四絵柄用基板3222の導光板用LED3222aを、発光させていない状態では、透明に見えて、後側の裏後演出ユニット3100の裏後可動装飾体3120や演出表示装置1600に表示されている演出画像等を、良好な状態で視認することができる。
第三絵柄3211は、図143に示すように、ガラスに放射状且つ同心円状のヒビが入った後に複数の破片に分裂したような絵柄である。第三絵柄3211は、裏後装飾演出ユニット3150における裏第二導光板3160の第六絵柄3162と比較して、飛び散っているガラスの破片が、多く描かれている。第四絵柄3212は、図144に示すように、複数の光の筋が斜め上方や斜め下方へ延びているような絵柄である。
第四絵柄3212は、斜めに延びた筋が、図144に示すように、上下両側の第四絵柄用基板3222に実装されている各導光板用LED3222aと対応するように、形成されている。つまり、一つの導光板用LED3222aを発光させると、裏第一導光板3210における上辺又は下辺の、発光させた導光板用LED3222aに最も近い部位を起点として、裏第一導光板3210の上下方向中央へ向かうほど互いに離隔するように斜めに延びた二つの光の筋(V字状の光の筋)が発光装飾される。
この第四絵柄3212は、裏第一導光板3210の上下方向の中央へ向かうほど、導光板用LED3222aから遠くなるため、V字状の光の筋の明るさは、裏第一導光板3210の上下方向の中央へ向かうに従って暗くなる。これにより、第四絵柄3212を前方(遊技者側)から見ると、裏第一導光板3210の上下方向の中央へ向かうほど、光の筋が後方へ延びているように見え、光が立体的に放射されているように錯覚させることができ、裏第一導光板3210による発光演出を楽しませることができる。
なお、裏中演出ユニット3200における裏中左装飾基板3203、第三絵柄用基板3221、及び一対の第四絵柄用基板3222に、実装されているLEDは、全てサイドビュータイプのフルカラーLEDである。
本実施形態の裏中演出ユニット3200は、図示するように、裏中左装飾基板3203、第三絵柄用基板3221、及び一対の第四絵柄用基板3222が、それぞれの板面を裏第一導光板3210の表面と平行に配置されている。これにより、裏中演出ユニット3200における前後方向の寸法の増加を抑制することができると共に、裏第一導光板3210の第三絵柄3211や第四絵柄3212、裏中装飾レンズ3202等を発光装飾させることができる。
また、本実施形態の裏中演出ユニット3200は、裏第一導光板3210の第三絵柄3211を発光表示させる複数の導光板用LED3221aを、裏第一導光板3210の右辺側にのみ配置しており、第四絵柄3212を発光表示させる複数の導光板用LED3222aよりもその数が少なくなっているが、導光板用LED3221aと裏第一導光板3210との間に集光レンズ3204を配置しているため、導光板用LED3221aから広がる光を集光させて無用に拡散されてしまうことを抑制することができ、その数が少なくても第三絵柄3211を最適な明るさで発光表示させることができる。
[5−9−3.裏右演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏右演出ユニット3300について、主に図145乃至図150を参照して詳細に説明する。図145は、裏ユニットにおける裏右演出ユニットの正面図である。図146(a)は裏ユニットにおける裏右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏右演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。図147は、裏右可動装飾体の先端が上方へ回動していると共に軸受スライダが上昇端に位置している通常の状態で裏右可動機構を強調して示す裏右演出ユニットの正面図である。図148は、図147の状態から裏右可動装飾体がそのままの状態で軸受スライダが下降端に位置している状態を示す裏右演出ユニットの正面図である。図149は、図148の状態から裏右可動装飾体の先端が下方へ回動している状態を示す裏右演出ユニットの正面図である。図150は、図149の状態から裏右可動装飾体がそのままの状態で軸受スライダが上昇端に位置している状態を示す裏右演出ユニットの正面図である。
裏ユニット3000の裏右演出ユニット3300は、裏箱3010内において裏中演出ユニット3200の前面の右上部に取付けられている。裏右演出ユニット3300は、裏中演出ユニット3200の前面に取付けられている裏右可動演出ユニット3310と、裏右可動演出ユニット3310の前面に取付けられている裏前右装飾体ユニット3350と、を備えている。
まず、裏右演出ユニット3300の裏右可動演出ユニット3310について説明する。裏右可動演出ユニット3310は、演出表示装置1600の左右方向の全幅よりも短い長さで延びており、パチンコ機1のコンセプトに沿ったアイテムとしてのナタを摸した形状に形成されている裏右可動装飾体3320と、裏右可動装飾体3320の基端側を中心にして回動可能に取付けていると共に上下方向へ移動可能に取付けている裏右可動機構3330と、を備えている。
裏右可動装飾体3320は、左右方向へ延びておりナタを摸した平板状の装飾体本体3321と、装飾体本体3321と外形が同じ大きさで装飾体本体3321の後側に取付けられている透明平板状の装飾体ベース3322と、装飾体ベース3322と装飾体本体3321との間に取付けられており前面及び後面に複数のフルカラーLEDが実装されている裏右可動装飾体装飾基板3323(図145を参照)と、を備えている。
裏右可動装飾体3320の装飾体本体3321は、ナタを模した形状に形成されており、正面視において左端側をナタの先端としていると共に、下辺側をナタの刃としている。装飾体本体3321は、上下方向のおよそ下半分の部位が透明に形成されている。また、装飾体本体3321は、先端付近の上下方向中央の部位を中心にして、放射状に広がるような亀裂模様の装飾が形成されている。
裏右可動装飾体3320は、装飾体本体3321及び装飾体ベース3322の正面視において右端側である基端側で前後方向へ貫通している軸孔3324と、軸孔3324よりも左方で下辺付近において後方へ突出している円柱状の装飾体側リンクピン3325と、を備えている。
裏右可動装飾体装飾基板3323は、前面において、装飾体本体3321の放射状に広がる亀裂模様の中心部分の後方となる部位に、前方へ向けて光を照射する複数の中央LED3323aを備えている。中央LED3323aは、高輝度LEDである。また、裏右可動装飾体装飾基板3323は、前面と後面に基板の面に沿った方向へ光を照射する複数の周辺LED3323bを備えている。
裏右可動装飾体3320は、裏右可動装飾体装飾基板3323の中央LED3323aを適宜発光させることで、装飾体本体3321の亀裂模様の中心部分が輝くように発光装飾させることができ、裏右可動装飾体装飾基板3323の周辺LED3323bを発光させることで、装飾体本体3321の外周縁と亀裂模様を発光装飾させることができる。
裏右可動演出ユニット3310の裏右可動機構3330は、上下に延びており裏中演出ユニット3200の前面の右上部に取付けられるユニットベース3331と、ユニットベース3331における下から全高の約3/4の高さの部位において上下方向へ移動可能に取付けられており、前後方向へ突出して裏右可動装飾体3320の軸孔3324に回転可能に挿入される円柱状の軸受ピン3332aを有している軸受スライダ3332と、を備えている。
また、裏右可動機構3330は、ユニットベース3331の上部において回転軸を前後方向へ向けて取付けられている裏右駆動モータ3333と、裏右駆動モータ3333の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3334と、モータギア3334と噛合していると共にユニットベース3331に回転可能に取付けられており、前後方向へ突出している伝達突起3335a、及び前後方向へ突出している検知片(図示は省略)を、有している平歯車状のリンク駆動ギア3335と、を備えている。
また、裏右可動機構3330は、ユニットベース3331におけるリンク駆動ギア3335の正面視斜め右下の部位で前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられており、回転軸に対して直角方向へ延出してリンク駆動ギア3335の伝達突起3335aに当接している伝達アーム3336a、及び回転軸を中心にして円弧状に延びている伝達ギア部3336b、を有している伝達リンクギア3336と、ユニットベース3331における伝達リンクギア3336の回転軸の下方の部位で前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられており、伝達リンクギア3336の伝達ギア部3336bと噛合している平歯車状の第一ギア部3337a、及び第一ギア部3337aと一体回転し第一ギア部3337aよりも直径の大きい平歯車状の第二ギア部3337b、を有している二段ギア3337と、を備えている。
更に、裏右可動機構3330は、ユニットベース3331に上下方向へスライド可能に取付けられており上下に延びているラック本体3338a、ラック本体3338aに形成されており二段ギア3337の第二ギア部3337bと噛合しており上下方向へ直線状に延びているラックギア部3338b、ラック本体3338aの下部において前後方向へ突出している円柱状の可動機構側リンクピン3338c、を有しているスライドラック3338と、上下に延びており、上端側が裏右可動装飾体3320の装飾体側リンクピン3325が回転可能に挿入されると共に、下端側がスライドラック3338の可動機構側リンクピン3338cが回転可能に挿入されるリンクアーム3339と、を備えている。
また、裏右可動機構3330は、ユニットベース3331に取付けられており、裏右可動装飾体3320と当接可能な衝撃吸収ゴム3340と、リンク駆動ギア3335の検知片を検知することで裏右可動装飾体3320の位置を検知する二つの可動位置検知センサ(図示は省略)と、を備えている。
続いて、裏右可動機構3330による裏右可動演出ユニット3310の動作について説明する。裏右可動演出ユニット3310は、通常の状態では、図147に示すように、裏右可動機構3330の軸受スライダ3332及びスライドラック3338が上昇端に位置していると共に、軸受スライダ3332の軸受ピン3332aに基端側が回転可能に取付けられる裏右可動装飾体3320が、先端側が基端側よりも上方に位置するように傾斜している(初期状態)。また、この状態では、裏右可動装飾体3320は、軸孔3324の中心に対して、装飾体側リンクピン3325の中心が、若干上方に位置していると共に、リンク駆動ギア3335の検知片が、一つの目の可動位置検知センサにより検知されている。
この通常の状態では、リンク駆動ギア3335の伝達突起3335aが、リンク駆動ギア3335の回転中心よりも正面視右方で若干上方に位置しており、この伝達突起3335aに、伝達リンクギア3336の伝達アーム3336aが右方から当接している。詳述すると、リンク駆動ギア3335の回転中心点と、伝達突起3335aと伝達アーム3336aとの接点と、を結んだ直線に対して、伝達リンクギア3336の回転中心点と、伝達突起3335aと伝達アーム3336aとの接点と、を結んだ直線が、直交している。これにより、伝達アーム3336aから伝達突起3335aへ作用する力が、リンク駆動ギア3335の回転中心を通るため、伝達アーム3336aから伝達突起3335aに力が作用しても、リンク駆動ギア3335は回転することはなく、伝達アーム3336aが正面視左方へ移動する方向(正面視において反時計回りの方向)へ伝達リンクギア3336が回動することはない。つまり、通常の状態では、リンク駆動ギア3335により、伝達リンクギア3336の正面視反時計回りの方向への回転が規制(ロック)されている。
ところで、軸受スライダ3332には、軸受ピン3332aが裏右可動装飾体3320の基端側の軸孔3324に挿通されているため、裏右可動装飾体3320の荷重が、軸受ピン3332aを介して作用している。そして、通常の状態では、軸受スライダ3332が上昇端に位置していることから、裏右可動装飾体3320の荷重により軸受スライダ3332が下方へ移動しようとする力が作用している。
一方、裏右可動装飾体3320は、基端側の軸孔3324に軸受スライダ3332の軸受ピン3332aが挿通されていることから、裏右可動装飾体3320の自重により、軸孔3324(軸受ピン3332a)を中心にして先端側が下方へ移動する方向(正面視において反時計回りの方向)に回転しようとする力が作用している。そして、裏右可動装飾体3320の自重により反時計回りの方向へ回動しようとする力が、装飾体側リンクピン3325からリンクアーム3339を介して可動機構側リンクピン3338cに作用している。つまり、自重により裏右可動装飾体3320が反時計回りの方向へ回動しようとする力により、リンクアーム3339を介してスライドラック3338を下方へ移動させようとする力が作用している。
このスライドラック3338を下方へ移動させようとする力は、スライドラック3338のラックギア部3338bにより、ラックギア部3338bと噛合している第二ギア部3337bを介して二段ギア3337に伝達され、二段ギア3337を正面視において時計回りの方向へ回動させるように作用している。この二段ギア3337は、第一ギア部3337aが伝達リンクギア3336の伝達ギア部3336bと噛合しているため、二段ギア3337を時計回りの方向へ回動させるように作用している力が、伝達ギア部3336bを介して伝達リンクギア3336を反時計回りの方向へ回動させるように作用している。つまり、裏右可動装飾体3320が自重により反時計回りの方向へ回動しようとする力によって、伝達リンクギア3336が反時計周りの方向へ回動しようとする。
そして、通常の状態において、伝達リンクギア3336は、上記のように、リンク駆動ギア3335によって反時計回りの方向への回動がロックされているため、伝達リンクギア3336の伝達ギア部3336bと噛合している二段ギア3337も回転することはなく、更に、二段ギア3337の第二ギア部3337bと噛合しているラックギア部3338bによりスライドラック3338も下方へ移動することはない。
このように、スライドラック3338の下方への移動が規制されていることから、スライドラック3338に下端が取付けられているリンクアーム3339も、全体が下方へ移動することはない。そのため、裏右可動装飾体3320は、リンクアーム3339の上端側(装飾体側リンクピン3325)を中心にして先端側が下方へ移動するように反時計回りの方向へ回動しようとするが、裏右可動装飾体3320の基端側に取付けられている軸受スライダ3332が上昇端に位置しているため、装飾体側リンクピン3325を中心とした反時計回りの方向への回動が規制され、裏右可動装飾体3320は先端側が基端側よりも上方に位置している斜めの状態に維持されることとなる。
この通常の状態で、裏右駆動モータ3333によりモータギア3334を介して、リンク駆動ギア3335を正面視時計回りの方向へ回動させると、リンク駆動ギア3335の伝達突起3335aが、左方且つ下方に移動する方向へ公転することとなる。そして、伝達突起3335aが時計回りの方向へ公転して位置が変化することで、裏右可動装飾体3320の自重により反時計回りの方向への力が作用している伝達リンクギア3336が、伝達突起3335aが伝達アーム3336aに対して摺動するように、伝達アーム3336aと伝達突起3335aとが当接している部位を変化させながら反時計回りの方向へ回動することとなる(図148を参照)。
伝達リンクギア3336が正面視反時計回りの方向へ回動することで、二段ギア3337を介してスライドラック3338が下方へ移動することとなり、スライドラック3338と一緒にリンクアーム3339も下方へ移動することとなる。裏右可動装飾体3320の荷重は、基端側に取付けられている軸受スライダ3332によって支持されているため、リンクアーム3339が下方へ移動すると、裏右可動装飾体3320を介して軸受スライダ3332も一緒に下方へ移動することとなる。
これにより、裏右可動装飾体3320は、通常の状態(初期状態)からは軸受スライダ3332が下降端に到達するまで、その先端側が高くなっているままの状態で、下方へ移動することとなる。つまり、裏右可動装飾体3320は、初期状態から下方へ移動して軸受スライダ3332が下降端に到達した状態(第一状態)では、初期状態と同様に、その先端側が基端側よりも高い斜めの状態となっている。
そして、軸受スライダ3332が下降端到達した後に、更に、裏右駆動モータ3333によりリンク駆動ギア3335が正面視時計回りの方向へ回転すると、伝達リンクギア3336及び二段ギア3337を介して、スライドラック3338が更に下方へ移動することとなる。このスライドラック3338の下方への移動により、裏右可動装飾体3320の装飾体側リンクピン3325が、リンクアーム3339を介して下方へ引張られることとなり、裏右可動装飾体3320が基端側の軸孔3324を中心にして、先端側が下方へ移動するように反時計回りの方向へ回動することとなる(図149を参照)。
引き続き裏右駆動モータ3333によりリンク駆動ギア3335を時計回りの方向へ回転させると、裏右可動装飾体3320が軸孔3324を中心にして反時計回りの方向へ更に回転し、その下面が、ユニットベース3331に取付けられている衝撃吸収ゴム3340に当接することで、これ以上の反時計回りの方向への回転が規制されて、先端側が基端側よりも下方となった斜めの状態(第二状態)で裏右可動装飾体3320が停止する。この際に、リンク駆動ギア3335の検知片が二つ目の可動位置検知センサにより検知され、二つ目の可動位置検知センサによる検知に基づいて、裏右駆動モータ3333の駆動が停止する。
裏右可動装飾体3320が第二状態となった後には、裏右駆動モータ3333によりリンク駆動ギア3335を、上記とは逆方向となる正面視反時計回りの方向へ回転させる。リンク駆動ギア3335と共に伝達突起3335aが反時計回りの方向へ公転することで、伝達突起3335aと当接している伝達アーム3336aにより、伝達リンクギア3336が時計回りの方向へ回転し、二段ギア3337を介してスライドラック3338が上方へ移動することとなる。
このスライドラック3338が下降端から上方へ移動すると、裏右可動装飾体3320がリンクアーム3339によって上方へ押圧されることとなり、裏右可動装飾体3320が軸受スライダ3332と一緒に上方へ移動することとなる。つまり、裏右可動装飾体3320は、軸受スライダ3332が上昇端に到達するまで、先端側が低くなっているままの状態で上方へ移動する。従って、裏右可動装飾体3320は、第二状態から軸受スライダ3332と一緒に上方へ移動して、軸受スライダ3332が上昇端に到達した状態(第三状態)では、第二状態と同様に、先端側が基端側よりも下方となった斜めの状態となっている(図150を参照)。
そして、裏右駆動モータ3333によりリンク駆動ギア3335が更に反時計回りの方向へ回転すると、伝達リンクギア3336が更に時計回りの方向へ回転して二段ギア3337を介してスライドラック3338が上方へ移動することとなり、スライドラック3338に取付けられているリンクアーム3339により裏右可動装飾体3320の装飾体側リンクピン3325が上方へ押圧され、裏右可動装飾体3320が基端側の軸孔3324を中心にして時計回りの方向へ回動することとなる。
その後、裏右駆動モータ3333により反時計回りの方向へ回転させられているリンク駆動ギア3335の検知片が、一つ目の可動位置検知センサにより検知されると、裏右駆動モータ3333の駆動が停止させられて、リンク駆動ギア3335の回転が停止する。この状態では、裏右可動機構3330の軸受スライダ3332及びスライドラック3338が上昇端に位置していると共に、軸受スライダ3332の軸受ピン3332aに基端側が回転可能に取付けられる裏右可動装飾体3320が、先端側が基端側よりも上方に位置するように傾斜している。つまり、裏右可動装飾体3320は、通常の状態(初期状態)に復帰している。
なお、通常の状態において、裏右駆動モータ3333が上記とは逆方向(正面視時計回りの方向)へ回転した場合、リンク駆動ギア3335が反時計回りの方向へ回転することにより、伝達突起3335aが上方へ移動するように公転することで、伝達突起3335aと伝達アーム3336aとの当接が外れ、伝達突起3335aによる伝達リンクギア3336の反時計回りの方向への回転の規制が即座に解除される。これにより、裏右可動装飾体3320は、初期状態から第二状態へ一気に変化(移動)することとなる。
裏右可動装飾体3320が第二状態の時には、図149に示すように、伝達リンクギア3336の伝達アーム3336aが、リンク駆動ギア3335における伝達突起3335aの公転範囲内に位置しているため、裏右駆動モータ3333によりリンク駆動ギア3335が更に反時計回りの方向へ回転すると、公転している伝達突起3335aが、伝達アーム3336aに対して下方から当接することとなる。そして、更に伝達突起3335aが反時計回りの方向へ公転すると、伝達突起3335aにより伝達アーム3336aを介して伝達リンクギア3336が時計回りの方向へ回転することとなり、上記と同様の動きによって、裏右可動装飾体3320が第二状態から第三状態を経て初期状態に復帰することとなる。
このように、裏右駆動モータ3333の駆動により、裏右可動装飾体3320を基端側の軸孔3324を中心として回動させることで、裏右可動装飾体3320が模しているナタが振り下ろされたような可動演出を遊技者に見せることができる。また、裏右可動装飾体3320を、初期状態から第一状態を経て第二状態へ移動する動きと、第二状態から第三状態を経て初期状態へ復帰する動きとが、異なっていることから、遊技者に対して複数の動きを見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、裏右可動装飾体3320は、初期状態からナタを振り下ろした第二状態へ移動する際に、回動中心がある基端側(軸孔3324)が、軸受スライダ3332により下方へ移動させているため、基端側を下方へ移動させない場合と比較して、裏右可動装飾体3320を演出表示装置1600の前面側へより多く出現させることができ、裏右可動装飾体3320を目立たせることができる。また、裏右可動装飾体3320を初期状態の位置へ移動させる際に、回動中心がある基端側を軸受スライダ3332により上方へ移動させているため、裏右可動装飾体3320の回動中心が正面視において演出表示装置1600の上部側へ移動することで、初期状態の裏右可動装飾体3320が演出表示装置1600に表示されている演出画像を遮り難くなり、良好に視認できる表示領域をより広くすることができ、遊技者に演出画像をより楽しませることができる。
次に、裏右演出ユニット3300の裏前右装飾体ユニット3350について説明する。裏前右装飾体ユニット3350は、裏右可動装飾体3320よりも前方で裏右可動機構3330のユニットベース3331の前面に取付けられており上下に延びている平板状の装飾体ベース3351と、装飾体ベース3351の前面に取付けられており割れたガラスのような形状に形成されている透明平板状の裏前右装飾体3352と、裏前右装飾体3352と装飾体ベース3351との間に取付けられており前面に左方へ向けて光を照射可能な複数のフルカラーLEDが実装されている裏前右装飾基板3353(図145を参照)と、裏前右装飾体3352の後面下部に取付けられている磁気センサ3003と、を備えている。
裏前右装飾体3352は、上方へ向かうに従って左方へ位置するように円弧状に上下に延びている。裏前右装飾体3352は、左辺側が、ガラスが割れているようなギザギサ状に形成されていると共に、前面に亀裂模様の装飾が形成されている。裏前右装飾体ユニット3350は、裏前右装飾基板3353に実装されているLEDを発光させることで、左辺縁と亀裂模様を発光装飾させることができる。
[5−9−4.裏上演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3400について、主に図130及び図131等を参照して詳細に説明する。裏上演出ユニット3400は、裏箱3010内において、裏中演出ユニット3200の前面の上部左側に取付けられている。裏上演出ユニット3400は、パチンコ機1のコンセプトに沿ったアイテムとしてのナタを摸した形状に形成されており左右方向へ延びている裏上可動装飾体3410と、裏上可動装飾体3410の左端側である基端側を前後方向へ延びた軸周りに対して回転可能としており裏中演出ユニット3200の前面に取付けられる裏上可動機構3420と、を備えている。裏上演出ユニット3400の裏上可動装飾体3410は、裏後可動装飾体3120よりも前方で、裏右可動装飾体3320よりも後方に配置されている。
裏上可動装飾体3410は、左右方向へ延びておりナタを摸した平板状の装飾体本体3411と、装飾体本体3411と外形が同じ大きさで装飾体本体3411の後側に取付けられている透明平板状の装飾体ベース3412と、装飾体ベース3412と装飾体本体3411との間に取付けられており後面に複数のフルカラーLEDが実装されている裏上可動装飾体装飾基板3413と、装飾体ベース3412の基端側の後面から後方へ突出している円柱状の軸ピン(図示は省略)と、装飾体ベース3412と一体回転し軸ピンを中心とした平歯車状の装飾体ギア(図示は省略)と、を備えている。
裏上可動装飾体3410の装飾体本体3411は、ナタを模すようにして割れたガラスを組み合わせたような形状に形成されており、上辺及び下辺が技ギザギザに形成されている。装飾体本体3411は、全体が透明である。装飾体本体3411は、ギザギザの上辺及び下辺のそれぞれの周面が、前辺よりも後辺が突出するように傾斜していると共に、前面に、亀裂模様に窪んだ装飾が形成されている。
装飾体ベース3412は、外形が装飾体本体3411と同じ形状に形成されており、上辺及び下辺のそれぞれの周面が、端辺へ向かうに従って前方へ位置するように傾斜している。裏上可動装飾体装飾基板3413は、複数のLEDが、装飾体ベース3412の面に沿った方向へ光を照射可能に実装されている。裏上可動装飾体3410は、裏上可動装飾体装飾基板3413のLEDを発光させることで、装飾体本体3411の周辺縁を発光装飾させることができる。
裏上可動機構3420は、裏中演出ユニット3200の前面に取付けられると共に裏上可動装飾体3410の軸ピンが回転可能に取付けられるユニットベース3421と、ユニットベース3421の前面に取付けられており回転軸が後方へ突出している裏上駆動モータ3422と、裏上駆動モータ3422からの回転が伝達されて回転すると共に裏上可動装飾体3410の装飾体ギアと噛合している伝達ギア(図示は省略)と、を備えている。
裏上演出ユニット3400は、通常の状態では、裏上可動装飾体3410が水平に延びた退避位置の状態となっており、裏上駆動モータ3422により伝達ギアを回転させることで、裏上可動装飾体3410が、その右端側である先端側が基端側よりも下方に位置して斜めに延びた出現位置の状態とすることができる。
[5−9−5.裏下演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏下演出ユニット3500について、主に図130及び図131等を参照して詳細に説明する。裏下演出ユニット3500は、裏箱3010内において、裏中演出ユニット3200の前面下部の左右方向中央に取付けられている。裏下演出ユニット3500は、複数の花弁を有する花を摸した裏下可動装飾体3510と、裏中演出ユニット3200の前面下部に取付けられ裏下可動装飾体3510を上下方向へ移動させる裏下可動機構3520と、を備えている。
裏下可動装飾体3510は、立体的に形成されており複数の花弁を有する花を摸した装飾体本体3511と、装飾体本体3511を発光装飾させるための複数のフルカラーLEDが実装されている裏下可動装飾体装飾基板3512と、を備えている。裏下可動装飾体3510は、裏右可動装飾体3320よりも前方に配置されている。
裏下可動機構3520は、裏中演出ユニット3200の前面に取付けられると共に裏下可動装飾体3510の装飾体本体3511の下部を上下方向へ移動可能に取付けているユニットベース3521と、ユニットベース3521の後面に取付けられており回転軸が前方へ突出している裏下駆動モータ3522と、裏下駆動モータ3522の駆動により前後方向へ延びた軸周りに公転して装飾体本体3511を上下方向へ移動させる駆動ピンを有している昇降駆動ギア(図示は省略)と、を備えている。
裏下演出ユニット3500は、通常の状態では、裏下可動装飾体3510が最も下降した下降位置の状態となっており、昇降駆動ギアの公転する駆動ピンが、下死点に位置している。この状態で、裏下駆動モータ3522により昇降駆動ギアを回転させて駆動ピンを公転させると、裏下可動装飾体3510が公転する駆動ピンの上方への移動と一緒に上昇する。そして、駆動ピンが上死点に到達すると、裏下駆動モータ3522の駆動が停止させられて、昇降駆動ギアの回転(駆動ピンの公転)が停止する。これにより、裏下可動装飾体3510が最も上方へ移動した上昇位置の状態となる。
[5−9−6.裏前演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3600について、主に図130及び図131等を参照して詳細に説明する。裏前演出ユニット3600は、遊技領域5aの内形に沿うようにC字状に形成されており、裏箱3010の前端に取付けられている。裏前演出ユニット3600は、正面視の形状が略C字状に形成されており、外周が遊技領域5aの内形に沿うように形成されていると共に、内周が窓枠に破片が残っている割れたガラスのようなギザギザ状に突出した形状に形成されている透明平板状の裏前装飾体3601と、裏前装飾体3601の後側に取付けられている平板状の装飾体ベース3602と、装飾体ベース3602と裏前装飾体3601との間に取付けられており裏前装飾体3601を発光装飾させるための裏前装飾基板3603と、を備えている。
裏前演出ユニット3600は、表ユニット2000の一般入賞口2001及び第一始動口2002に受入れられて遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bを、下方へ誘導して基板ホルダ1200上へ排出する誘導路(図示は省略する)を備えている。また、裏前演出ユニット3600には、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、遊技領域5a内に作用させられている磁気を検知する磁気センサ3003と、が取付けられている。
裏前演出ユニット3600の裏前装飾体3601は、内側の周面が、前辺よりも後辺が突出するように傾斜していると共に、前面に、亀裂模様に窪んだ装飾が形成されている。裏前装飾基板3603は、裏前上装飾基板3603aと、裏前左装飾基板3603bと、裏前下装飾基板3603c、の三つにより構成されている(図127を参照)。裏前装飾基板3603は、複数のLEDが、C字状の中央側を向くように実装されている。裏前演出ユニット3600は、裏前装飾基板3603に実装されている複数のLEDを発光させることで、裏前装飾体3601の内側の周面と亀裂模様とを発光装飾させることができる。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な可動演出について、主に図151乃至図159等を参照して詳細に説明する。図151は、裏ユニットにおける裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から待機位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図152は、図151の状態から裏後可動装飾体を下降位置へ落下させた状態を示す遊技盤の正面図である。図153は、図152の状態から裏後可動装飾体をスライドガイドにより待機位置と下降位置との間で上下方向へ移動させている状態を示す遊技盤の正面図である。図154は、裏ユニットにおける裏右演出ユニットの裏右可動装飾体を初期状態から第一状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図155は、図154の状態から裏右可動装飾体を第二状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図156は、図155の状態から裏右可動装飾体を第三状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
図157は、裏ユニットにおける裏上演出ユニットの裏上可動装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図158は、裏ユニットにおける裏下演出ユニットの裏下可動装飾体を下降位置から上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図159は、裏ユニットにおける裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を下降位置へ、裏右演出ユニットの裏右可動装飾体を第二状態へ、裏上演出ユニットの裏上可動装飾体を出現位置へ、及び裏下演出ユニットの裏下可動装飾体を上昇位置へ、それぞれ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
遊技盤5は、遊技領域5aの後端を区画している遊技パネル1100のパネル板1110、始動口ユニット2100、サイドユニット、2200、サイドスロープ2300、及びセンター役物2500等が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図114に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像、裏ユニット3000における裏右演出ユニット3300の裏前右装飾体3352、及び裏前演出ユニット3600の裏前装飾体3601、等を良好に視認することができる。
この通常の状態では、裏右演出ユニット3300の裏右可動装飾体3320は、初期状態に位置しており、C字状の裏前装飾体3601の内側よりも下方に位置している下部の一部が、前方へ臨んでいる。また、裏右可動装飾体3320よりも後方に配置されている裏上演出ユニット3400の裏上可動装飾体3410は、退避位置の状態となっており、裏右可動装飾体3320よりも下方に位置している下部の一部が、前方へ臨んでいる。
また、裏上可動装飾体3410よりも後方に配置されている裏後演出ユニット3100の裏後可動装飾体3120は、退避位置の状態となっており、裏上可動装飾体3410よりも下方に位置しているナタを模した先端のごく一部が、前方へ臨んでいる。つまり、通常の状態では、裏後可動装飾体3120が殆ど見えないようになっている。また、裏下演出ユニット3500の裏下可動装飾体3510は、下降位置の状態となっており、C字状の裏前装飾体3601の内側よりも上方に位置している一部の部位が、前方へ臨んでいる。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100の裏後可動演出ユニット3110、裏右演出ユニット3300の裏右可動演出ユニット3310、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500が、所定の可動演出を行う。
具体的には、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100における裏後可動演出ユニット3110を用いた可動演出としては、例えば、図151に示すように裏後駆動モータ3135の駆動によりスライドガイド3134を介して、演出表示装置1600の表示画面を跨ぐように左右方向へ延びた大きな裏後可動装飾体3120を、通常の状態(退避位置の状態と)と、ロック突起3122aがロック部材3141の規制部3141cに当接する待機位置の状態と、の間で上下方向へ往復移動させる。この可動演出では、裏後可動装飾体3120の大部分が遊技者側からは良く見えないため、演出表示装置1600の表示画面の上部で、何かが上下に揺れているように感じさせることができ、遊技者に対して何かが起こるのではないかと期待感を抱かせることができる。
そして、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を下方へ移動させて、伝達スライダ3142の解除当接部3142bに当接させた上で、スライドガイド3134により解除当接部3142bを下方へ押圧して、ロック部材3141をロック位置から解除位置へ回動させ、正面視において演出表示装置1600の表示画面の上部の待機位置の状態の裏後可動装飾体3120を、演出表示装置1600の表示画面の下部の下降位置の状態へ落下させる(図152を参照)。これにより、演出表示装置1600の表示画面を左右方向へ跨ぐ大きなナタ(裏後可動装飾体3120)が、演出表示装置1600の表示画面を遮りながら自由落下する可動演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
その後、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を上昇させて、下降位置の裏後可動装飾体3120を、通常の退避位置の状態に復帰させる。この際に、図153に示すように、裏後駆動モータ3135の回転方向を適宜変化させることで、スライドガイド3134を介して裏後可動装飾体3120を、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央付近において、上下に往復移動させるようにしてもよい。これにより、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央を遮りながら、裏後可動装飾体3120が上下に移動するため、遊技者の関心を裏後可動装飾体3120に強く引付けさせて裏後可動装飾体3120に注目させることができ、裏後可動装飾体3120の動きを楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏右演出ユニット3300の裏右可動演出ユニット3310を用いた可動演出としては、例えば、図154に示すように、裏右駆動モータ3333により裏右可動装飾体3320を、通常の初期状態の状態から第一状態の位置へ移動させる。これにより、C字状の裏前装飾体3601の内側よりも下方に、裏右可動装飾体3320の全体が位置することとなり、ナタを模した裏右可動装飾体3320の全容を遊技者に見せることができるため、遊技者に対してナタ(裏右可動装飾体3320)がこの後に振り下ろされるか否かでワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせることができる。
そして、裏右駆動モータ3333を更に駆動させて、裏右可動装飾体3320を第一状態の位置から第二状態の位置へ移動させる(図155を参照)。これにより、裏右可動装飾体3320により摸されているナタが振り下ろされたような可動演出を遊技者に見せることができるため、ナタの振り下ろしにより遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を裏右可動装飾体3320に強く引付けさせることができると共に、ナタが振り下ろされることで何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
その後、第二状態の裏右可動装飾体3320を、裏右駆動モータ3333により第三状態を経て初期状態に復帰させる。この裏右可動装飾体3320が、第二状態の位置から第三状態の位置へ移動する際に、図156に示すように、裏右可動装飾体3320が第二状態のナタが振り下ろされたままの姿勢で、上方へ移動し、第三状態から初期状態へは、ナタの先端側が上方へ移動するように裏右可動装飾体3320が基端側を中心にして回動するため、遊技者に対して、ナタが振り下ろされた時とは、明らかに違う動きであることを認識させることができ、初期状態から第二状態までの初めの動きとは異なる動きで初期状態に復帰する裏右可動装飾体3320の動きを楽しませることができる。
なお、裏右可動演出ユニット3310では、第一状態で一旦停止させずに、初期状態から一気に第二状態へ裏右可動装飾体3320を移動させるようにしても良く、これによりナタが一気に振り下ろされた可動演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏上演出ユニット3400を用いた可動演出としては、例えば、図157に示すように、退避位置の裏上可動装飾体3410を、裏上駆動モータ3422の駆動により基端側(左端側)を中心に回動させて演出表示装置1600の表示画面の前方の出現位置の状態とする。これにより、ナタを模した裏上可動装飾体3410が、演出表示装置1600の表示画面の前方に出現する可動演出を遊技者に見せることができる。この裏上可動装飾体3410は、摸されているナタを、割れたガラスの破片で構成したように形成されていることから、通常の退避位置の状態では、裏前装飾体3601と一体に見え、その存在に気づき難くなっているため、出現位置へ移動させることで、裏前装飾体3601の一部が動いたように見せることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏下演出ユニット3500を用いた可動演出としては、例えば、図158に示すように、裏下駆動モータ3522の駆動により裏下可動装飾体3510を下降位置から上昇位置へ移動させる。これにより、C字状の裏前装飾体3601の後方の裏下可動装飾体3510が上昇することで、裏下可動装飾体3510により摸されている花が見え易くなるため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、本実施形態の遊技盤5では、裏後演出ユニット3100の裏後可動演出ユニット3110、裏右演出ユニット3300の裏右可動演出ユニット3310、裏上演出ユニット3400、及び、裏下演出ユニット3500、を用いた上述したような可動演出を、適宜組合せた可動演出も行うことができる。例えば、まず、裏上可動装飾体3410を退避位置から出現位置へ移動させた後に、裏右可動装飾体3320を初期状態から第二状態の位置へ移動させ、更に、裏後可動装飾体3120を下降位置へ落下させた上で、裏下可動装飾体3510を上昇位置へ移動させる(図159を参照)。この可動演出により、全ての可動装飾体が演出表示装置1600の表示画面の前方に位置することとなるため、遊技者に対して有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生することを確信させることができ、遊技者の興趣を高めさせることができる。また、この可動演出では、複数の可動装飾体が順次、演出表示装置1600の表示画面の前方へ移動してくるため、一つの可動装飾体が表示画面の前方へ移動した後に、次の可動装飾体が表示画面の前方へ移動するから否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
続いて、遊技盤5における主な発光演出について、主に図160乃至図166等を参照して詳細に説明する。図160は、表演出ユニットの表導光板において第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図161は、表演出ユニットの表導光板において第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図162は、裏中演出ユニットの裏第一導光板において第三絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤正面図である。図163は、裏中演出ユニットの裏第一導光板において第四絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤正面図である。図164は、裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットの裏第二導光板において第五絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図165は、裏後演出ユニットにおける裏後装飾演出ユニットの裏第二導光板において第六絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図166は、表導光板、裏第一導光板、及び裏第二導光板を用いた複数絵柄によるアニメーション風の発光演出を示す説明図である。図167は、表演出ユニットの表導光板において第一絵柄を発光装飾させると共に、裏右演出ユニットの裏右可動装飾体を第二状態へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、表ユニット2000の表演出ユニット2600、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100の裏後装飾演出ユニット3150、及び裏中演出ユニット3200が、所定の発光演出を行う。
具体的には、表ユニット2000の表演出ユニット2600を用いた発光演出としては、例えば、図160に示すように、表導光板2610の正面視右側に配置された第一絵柄用基板2611に実装されている複数の導光板用LED2611aを発光させて、第一絵柄2621を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面よりも前方で、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの目が発光表示されることで、遊技者を驚かせることができると共に、遊技状態が変化するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、表演出ユニット2600を用いた発光演出として、例えば、図161に示すように、表導光板2610の上側に配置された第二絵柄用基板2612に実装されている複数の導光板用LED2612aを発光させて、第二絵柄2622を発光装飾させる。これにより、第二絵柄2622が発光表示されることで、演出表示装置1600の表示画面の前方に、前面全体にヒビ割れが入ったガラスが備えられているように錯覚させることができ、遊技者を不思議がらせて楽しませることができる。また、例えば、リーチ演出中に第二絵柄2622を発光表示させると、遊技者に対してリーチが発展するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
裏ユニット3000の裏中演出ユニット3200を用いた発光演出としては、例えば、図162に示すように、裏第一導光板3210の正面視右側に配置されている第三絵柄用基板3221に実装されている複数の導光板用LED3221aを発光させて、第三絵柄3211を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面の前方において、第三絵柄3211として割れて飛び散った複数のガラス片が発光表示されるため、遊技者を不思議がらせて楽しませることができる。
また、裏中演出ユニット3200を用いた発光演出として、例えば、図163に示すように、裏第一導光板3210の上下両外側に配置された第四絵柄用基板3222に実装された複数の導光板用LED3222aを適宜発光させて、第四絵柄3212を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面の前方において、第四絵柄3212として遠近感のある複数のV字状の光の筋が発光表示されるため、表示画面の前方を綺麗に見せることができ、遊技者に発光装飾を楽しませることができる。
裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100における裏後装飾演出ユニット3150を用いた発光演出としては、例えば、図164に示すように、裏第二導光板3160の左右両外側に配置されている第五絵柄用基板3171に実装されている複数の導光板用LED3171aを発光させて、第五絵柄3161を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面の前方において、第五絵柄3161として「Chance!」の文字からなる遊技者に対する案内(メッセージ)が発光表示されるため、その案内により遊技者に対してチャンスの到来を示唆させることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏後装飾演出ユニット3150を用いた発光演出として、例えば、図165に示すように、裏第二導光板3160の下側に配置されている第六絵柄用基板3172に実装されている複数の導光板用LED3172aを発光させて、第六絵柄3162を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面の前方において、第六絵柄3162として割れて飛び散った複数のガラス片が発光表示されるため、遊技者を不思議がらせて楽しませることができる。
本実施形態の遊技盤5では、表導光板2610、裏第一導光板3210、及び裏第二導光板3160において、互いに関連する絵柄を順次、発光装飾させることで、アニメーションのような動きのある発光演出を行うことができる。具体的には、図166に示すように、表導光板2610の第二絵柄2622、裏第一導光板3210の第三絵柄3211、裏第二導光板3160の第六絵柄3162、の順に発光装飾(発光表示)させると、透明なガラスにヒビ割れが入った後に、割れたガラス片が飛び散って行くような動きのある発光演出を遊技者に見せることができる。この際に、表導光板2610、裏第一導光板3210、裏第二導光板3160、の順に後方へ並んでいるため、遊技者側から見ると、割れたガラス片が後方へ飛び散って行くように見え、立体感のある連続した発光装飾を見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
表ユニット2000の表演出ユニット2600と、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3300と、を用いた発光演出としては、例えば、図167に示すように、裏右演出ユニット3300の裏右可動演出ユニット3310において裏右駆動モータ3333により裏右可動装飾体3320を、通常の初期状態の状態から裏右可動装飾体3320が模されているナタが振り下ろされた第二状態の位置へ移動させると共に、表導光板2610の正面視右側に配置された第一絵柄用基板2611に実装されている複数の導光板用LED2611aを発光させて、第一絵柄2621を発光装飾させる。この状態では、図示するように、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの目の瞳の部分の後方に、裏右可動装飾体3320の前面に形成されている放射状の亀裂模様の中央部分が位置している。そして、この状態で、裏右可動装飾体装飾基板3323の中央LED3323aを発光させると、発光表示されている第一絵柄2621の瞳が輝くように光ることとなり、遊技者に対して強いインパクトを与えて驚かせることができると共に、「大当り遊技」等の有利遊技状態が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、本実施形態の遊技盤5では、上記したような可動演出と発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、可動演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.周辺制御ユニットの構成]
次に、図12に示した遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に配置される周辺制御ユニット1500の全体構成について、図168〜図170を参照して詳細に説明する。図168は周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図169は周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図170は周辺制御ユニットの正面図である。ここでは、パチンコ機1の背面側を周辺制御ユニット1500の正面側として説明する。
周辺制御ユニット1500は、図168及び図169に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有するカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がそれぞれ所定位置に取り付けられ、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[6−1.カバー体]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる各種基板には、周辺制御基板1510のほかに、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM基板1520と、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを出力することができる液晶出力基板1530と、がある。周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、約3分の2の領域を有する横長の長方形状を有し、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。周辺データROM基板1520と液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、残り約3分の1の領域のうち、周辺データROM基板1520が正方形状を有してカバー体1501の右上側に配置されている一方、液晶出力基板1530が周辺データROM基板1520と比べて二回り大きい正方形状を有してカバー体1501の右下側に配置されている。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続され、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続されている。これにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっている。なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、図95に示した本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
カバー体1501は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のカバー平板1501a(板厚:2mm)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にカバー側壁1501b〜1501eが後方(パチンコ機1の正面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その中央やや右上側であって、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aと対応する位置に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有するFAN取付凹部1501aaがカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。FAN取付凹部1501aaの底面には、この底面の上下左右方向の中心を中心点とする複数の同心円上に沿って、円弧形状のスリット孔1501aaaが複数それぞれ形成されている。またFAN取付凹部1501aaの底面の四隅には、正方形状を有する空冷ファンFANの四隅に形成される貫通孔th1〜th4と対応する位置に、この貫通孔th1〜th4に挿通される円柱形状の所定高さ(空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する案内突出部1501aab1〜1501aab4がカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されてそれぞれ形成されている。なお、円弧形状のスリット孔1501aaaとして形成することにより、周辺制御基板1510に備える各種電子部品を、周辺制御基板1510から不正に取り出す不正行為を防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aには、FAN取付凹部1501aaの近傍であって対角状に一対の取付孔1501aac1,aac2が形成されている。空冷ファンFANをFAN取付凹部1501aaに押し込んで取り付けると、空冷ファンFANの正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、一対の取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込むことにより、座付きナベねじの座部分である平ワッシャーが空冷ファンFANの正面とカバー体1501のカバー平板1501aの正面とに当接する状態となることによって、空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaから飛び出すことを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とに所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
なお、カバー平板1501aは、FAN取付凹部1501aaに連通すると共に、FAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、配線引出凹部1501abがカバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaに取り付けられて固定されると、空冷ファンFANからの複数の配線を配線引出凹部1501abから引き出せるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置を1つの閉じたほぼ横長の長方形領域(正確には、音量調整スイッチ1510dとコネクタCN1とを上部とすると共に、コネクタCN2〜コネクタCN7を下部とする凸状領域)としてコネクタ凹部1501acがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。コネクタ凹部1501acの底面には、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置に、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8がそれぞれ形成されている。なお、コネクタ凹部1501acの底面は、カバー平板1501aを正面から見て、右下側の領域を概ね占有している。このため、コネクタ凹部1501acの底面の面積が大きくなることによって生ずるカバー体1501(カバー平板1501a)の強度不足及び反りの対策として、コネクタ凹部1501acの底面には、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8と干渉しない位置であって、上下方向に細長い2つの補強リブ1510aci1,1510aci2が所定間隔をあけて前方へ突出して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dは、コネクタ凹部1501acの底面に形成されるコネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8からそれぞれ露出する状態となる。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置を1つの閉じた横長の長方形領域としてコネクタ凹部1501adがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成され、コネクタ凹部1501adの底面とコネクタ凹部1501acの底面とが同一の平面上に配置されている。コネクタ凹部1501adの底面には、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置に、コネクタ穴1501ac9,1501ac10がそれぞれ形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、コネクタ凹部1501adの底面に形成されるコネクタ穴1501ac9,1501ac10からそれぞれ露出する状態となる。
またカバー平板1501aは、その正面から見て、その左辺側に沿って、液晶出力基板1530に備えるCN10と対応する位置に、配線引出開口部1501aeが形成されている。この配線引出開口部1501aeに連通すると共に、配線引出開口部1501aeを塞ぐことができる横長の長方形状を有する配線カバー体1503を取り付けるための取付凹部1501afが上述したFAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。取付凹部1501afは、配線カバー体1503に形成される貫通穴1503aと対応する位置に、この貫通穴1503aに挿通される円柱形状の所定高さ(配線カバー体1503の奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する突出部1501afaがカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されて形成されると共に、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2と対応する位置に、取付孔1501afb1,1501afb2がそれぞれ形成されている。
配線カバー体1503を取付凹部1501afに嵌め合わせると、配線カバー体1503の正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定することができる。
配線カバー体1503が取付凹部1501afに固定されると、配線引出開口部1501aeを塞ぐと共に、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN10と接続される複数の配線(演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の配線)を触れることができないように保護するカバーとして配線カバー体1503が機能することができるようになっている。配線カバー体1503は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。
カバー体1501を正面から見て、左側のカバー側壁1501cのカバー体1501の開口側近傍であって中央所定間隔をあけて上下それぞれ外側へ突出する板状の案内部1501ca,1501cbが形成されていると共に、案内部1501caの上方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501ccと、案内部1501cbの下方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501cdと、がそれぞれ形成されている。案内部1501ca,1501cbの左端の後面側は面取りが形成されている。これに対して、ヒンジ掛け部1501cc,1501cdの左端の前面側に前方に対して突出するL字状の鉤部1501cca,1501cdaが形成されている。また、右側のカバー側壁1501eのカバー体1501の中央には、外側へ突出するカバー側封印部1501eaが形成されている。
周辺制御基板1510がカバー体1501の背面の左側に詰めて配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4と対応する位置に、4つの取付ボス孔1501ag1〜1501ag4がカバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4の周囲は、周辺制御基板1510の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1〜1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1〜1510rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4は、それぞれ周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺制御基板1510に形成されている。
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺制御基板1510の表面側に形成されるランド1510rf1〜1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面側に形成されるランド1510rb1〜1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ回路アースされることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ回路アースされることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ回路アースされることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、カバー体1501は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ回路アースされることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ回路アースされることとなる。
なお、周辺制御基板1510がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1510r1〜1510r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されるようになっている。
周辺データROM基板1520がカバー体1501の背面の右上側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2と、一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4の周囲は、周辺データROM基板1520の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rf1〜1520rf4と、周辺データROM基板1520の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rb1〜1520rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4は、それぞれ周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺データROM基板1520に形成されている。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入し、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面側に形成されるランド1520rf1〜1520rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1,1501ah2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺データROM基板1520の裏面側に形成されるランド1520rb1〜1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ回路アースされることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ回路アースされることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ回路アースされることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、カバー体1501は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ回路アースされることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ回路アースされることとなる。
なお、周辺データROM基板1520がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1520r2,1520r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、周辺データROM基板1520の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。
液晶出力基板1530がカバー体1501の背面の右下側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501am1,1501am2と、一対の取付ボス突出部1501an1,1501an2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4の周囲は、液晶出力基板1530の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rf1〜1530rf4と、液晶出力基板1530の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rb1〜1530rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4は、それぞれ液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが液晶出力基板1530に形成されている。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、液晶出力基板1530の表面側に形成されるランド1530rf1〜1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501n1,1501n2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am1,1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面側に形成されるランド1530rb1〜1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接地されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ回路アースされることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、へ回路アースされることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、カバー体1501は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ回路アースされることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ回路アースされることとなる。
なお、液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1530r1,1530r3に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、液晶出力基板1530の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺データROM基板1520の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。
このように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。この状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
カバー体1501のカバー平板1501aには、複数の円形状を有する通風孔1501azがFAN取付凹部1501aaの右側、右下側、左下側、及び左側にそれぞれ形成されている。FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、これらの通風孔1501azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができる。これらの通風孔1501azは、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm〜6.5mmを有して形成されている。
[6−2.ベース体]
カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のベース平板1502aの上辺、左辺、下辺、及び右辺にベース側壁1502b〜1502eが前方(パチンコ機1の背面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eにより形成される開口の大きさは、カバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eにより形成される開口の大きさと比べると、一回り大きく形成されている。これにより、カバー体1501にベース体1502を被せることによりカバー体1501の開口をベース体1502で塞ぐ状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
ベース平板1502aは、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7と干渉しない位置に、これらのコネクタCN2〜CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3がそれぞれ形成され、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1及び音量調整スイッチ1510dと干渉しない位置に、コネクタCN1に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力や音量調整スイッチ1510dを操作するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ左右方向に細長い断線防止リブ部1502aa4が形成されている。
ベース体1502を正面から見て、左側のベース側壁1502cのベース体1502の開口側近傍には、外側へ突出する係合部1502caが形成されている。この係合部1502caには、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbと対応する位置に案内受部1502caa,1502cabと、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdと対応する位置にヒンジ受け部1502cac,1502cadと、がそれぞれ形成されている。ヒンジ受け部1502cac,1502cadは、U字溝形状の袋部1502cae,1502cafが形成されている。
案内受部1502caa,1502cabに、上述したカバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを挿入すると共に、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、上述したカバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを挿入する。そして、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態で回り込ませることによって、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを引っ掛けて係合することができるようになっている。
また、右側のベース側壁1502eの中央には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと対応する位置に外側へ突出するベース側封印部1502eaが形成されている。また右側のベース側壁1502eの上側及び下側には、周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付けるための貫通孔1502eb1,1502eb2がそれぞれ形成されている。
[6−3.各種コネクタ]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる周辺制御基板1510は、CPU、RAM、VDP、音源、シリアルATAコントローラ(Advanced Technology Attachment、以下、「SATAコントローラ」と記載する。)、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、遊技演出の進行やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を制御することができる各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、各種コネクタCN1〜CN7と、を備えている。
周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bは、128Mbitの記憶容量を有し、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2は、それぞれ2Gbitの記憶容量を有している。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、62Gbitの記憶容量を有している。
周辺制御基板1510の各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/O、各種パラレルI/O等がある。各種シリアルI/Oとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信、及びI2C(Inter−Integrated Circuit)通信等である。
本実施形態では、主制御基板1310からのコマンドを受信する通信方法としてUART通信を採用し(コネクタCN5を介して通信する。)、遊技盤5側に備える各種基板、扉枠側に備える各種基板に対して制御データを送信する通信方法としてSPI通信やI2C通信を採用している(コネクタCN3、コネクタCN6、及びコネクタCN7のうち、対応するコネクタを介して通信している)。
本実施形態では、SPI通信やI2C通信を用いて、遊技盤5側に備える電気的駆動源(例えば、裏後演出ユニット3100、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500等に備える各種モータであり、コネクタCN6を介して通信している。)や、扉枠3側に備える電気的駆動源(例えば、演出操作ユニット300に備える操作リング駆動モータ342や操作ボタン昇降駆動モータ367等であり、コネクタCN3を介して通信している。)を駆動する駆動制御ICに対して駆動データを送信したり、遊技盤5側に備える複数のLED(コネクタCN7を介して通信している。)や扉枠3側に備える複数のLED(コネクタCN3を介して通信している。)を駆動するLED制御ICに対して発光データを送信したり、遊技盤5側に備える各種センサ(例えば、裏後演出ユニット3100、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500等に備える各種検知センサであり、コネクタCN6を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したり、扉枠3側に備える各種センサ(例えば、演出操作ユニット300に備える各種検知センサであり、コネクタCN3を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したりする。なお、本実施形態では、SPI通信による転送速度は、250kpbsに設定され、I2C通信による転送速度は、1kbpsに設定されている。
各種パラレルI/Oとしては、GPIO(General Purpose Input/Output、汎用IO)がある。本実施形態では、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号が(コネクタCN1を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象の動作や原点位置を確認する各種センサからの信号が(コネクタCN6を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象に対する制御信号をGPIOから(コネクタCN6を介して)出力したり、周辺制御IC1510aが動作している旨を報知するための周辺制御基板1510に備えるLEDML4に信号をGPIOから出力したりする。
本実施形態では、例えば、コネクタCN1にはGPIOが割り当てられ、コネクタCN3にはSPI通信、及びI2C通信が割り当てられ(つまり、コネクタCN3は、SPI通信、及びI2C通信が併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN5にはUART通信が割り当てられ、コネクタCN6にはSPI通信、及びGPIOが割り当てられ(つまり、コネクタCN6は、SPI通信、及びGPIOが併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN7にはSPI通信が割り当てられている。
周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSATA規格に準拠する通信を確立することができ、2Gbpsという高速な転送速度(3Gbpsまで対応。)を実現している。周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺制御IC1510aのCPUの指示により、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)を、周辺制御IC1510aのRAMに高速に転送したり、SDRAM1510c1,1510c2に高速に転送したりすることができるようになっている。
SDRAM1510c1,1510c2は、DDR3 SDRAM(Double Data Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、高速なデータ通信速度を実現することができるものである。SDRAM1510c1,1510c2は、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)が周辺制御IC1510aのSATAコントローラにより高速に転送される。
周辺制御基板1510は、さらに、周辺データROM基板1520と基板間接続するための特殊コネクタSCN1と、液晶出力基板1530と基板間接続するための特殊コネクタSCN2と、を備えている。周辺データROM基板1520は、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN3を備えている。液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4を備えている。
周辺制御基板1510は、演出表示装置等の表示装置に描画する画像の描画データを複数種類の映像信号の方式で特殊コネクタSCN2から出力する。この複数種類の映像信号の方式としては、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式、eDP(Embedded DisplayPort)方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式があり、本実施形態では、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。また、本実施形態では、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されている。なお、MIPI方式に代えて例えばeDP方式を採用し、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びeDP方式を1系統とする周辺制御基板1510を作成することもできる。
また、周辺制御基板1510は、さらに、制御ROM1510bの近傍にLEDML1と、SDRAM1510cの近傍にLEDML2と、特殊コネクタSCN1の近傍にLEDML3と、特殊コネクタSCN2の近傍にLEDML4と、を備えている。周辺制御基板1510は、後述するが、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+37V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。LEDML1は、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML2は、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML3は、直流+37Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+37Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML4は、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)するものであり、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持される。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。このように形成される空間内を、周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができるようになっている。
周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1,SCN2、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4は、フローティング機構を備えている点で、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8〜CN10と構造が全くことなっている。これらのコネクタCN1〜CN10は、それぞれソケットであり、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530に対して垂直方向に、対応するコネクタのプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。コネクタCN1〜CN10のソケットは、この嵌合する際に、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530を正面から見てそれぞれ上下方向へ移動する量が全くない構造となっている。
周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1,SCN2は、それぞれプラグであり、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4は、それぞれソケットである。
周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットは、この嵌合する際に、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットは、周辺データROM基板1520がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットは、この嵌合する際に、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を可動することによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットは、液晶出力基板1530がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
ここで、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4を採用した理由について簡単に説明する。周辺データROM基板1520には、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM1520aを備えている。各種の制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等を挙げることができる。
周辺データROM1520aは、NAND型フラッシュ(不揮発性)メモリであり、NOR型フラッシュ(不揮発性)メモリと比べて安価であり、大容量であり、そして各種データの書き込みを高速に行うことができる。周辺データROM1520aは、動作電圧が低く、消費電力を抑制することができと共に、SATA規格に準拠する通信による高速な転送速度を実現することができる。
このように、周辺データROM1520aとしてNAND型フラッシュ(不揮発性)メモリを採用することによって、コストダウンを実現すると共に、消費電力の抑制に寄与し、記憶した各種データを高速な転送速度により読み出すことができる。ところが、周辺データROM1520aは、その動作電圧が低いことにより消費電力を抑制することができるものの、動作電圧が低いことによってノイズの影響を受けやすい。また周辺データROM基板1520から、周辺データROM1520aに記憶される各種データを周辺制御基板1510に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、周辺データROM基板1520は、自身に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510から伝送される演出表示装置1600に描画する画像の描画データをコネクタCN10から出力することにより、演出表示装置1600に演出の進行(例えば、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生する旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しない旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しないものの、通常状態と比べて大当り遊技状態が発生する状態へ近づいている旨を伝える画像等)を画像として描画する重要な基板である。このため、周辺制御基板1510からの演出表示装置1600に描画する画像の描画データを液晶出力基板1530に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、液晶出力基板1530は、自身に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、上述したように、周辺制御基板1510の裏面と、周辺データROM基板1520の裏面と、液晶出力基板1530の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっているため、周辺制御基板1510に表面に対して周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530を配置するという立体配置を行う場合と比べると、周辺制御ユニット1500の前後方向(つまり奥行き方向)の距離寸法を小さくすることができるため、例えば、遊技盤5に大型の可動演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置するための奥行き方向の距離寸法の確保に寄与することができる。
[6−4.周辺制御ユニットの組み立て方法]
ここで、周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と、におけるそれぞれの寸法公差により吸収することができるようになっている。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませてそのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。これにより、カバー体1501、及びベース体1502は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、カバー体1501、及びベース体1502が導通する状態となる。なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を遊技パネル1100に設けられる図示しない装着溝に挿入して周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して遊技パネル1100に設けられる図示しない取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
なお、上述した組み立て方法のうち、カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順においては、例えば、まず周辺データROM基板1520を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(周辺データROM基板1520は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右上側に配置されている。)に固定すると共に、液晶出力基板1530を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右下側に配置されている。)に固定した後において、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むと共に、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込み、周辺制御基板1510を上述した所定位置(周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。)に固定することもできる。このような各種基板の取り付け手順においても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3,SCN4のソケットを採用することにより、この押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実にそれぞれ形成することができることができると共に、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
ところで、パチンコ機に装着される遊技盤には、遊技仕様が異なる複数種類のものが存在する。本実施形態では、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を3つに分割してそれぞれ取り付けることができるように構成すると共に、周辺制御基板1510はパチンコ機に装着される遊技盤の遊技仕様に依存されない共通に利用することができる基板とし、周辺データROM基板1520は周辺データROM1520aに遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶されることで遊技盤の遊技仕様に依存される基板とし、液晶出力基板1530は演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存される基板としている。
これにより、周辺制御基板1510は、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。また、遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶される周辺データROM1520aを備える周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっているため、遊技盤の遊技仕様に合わせて、周辺データROM基板1520を容易に交換することができる。
演出表示装置等の表示装置に入力される映像信号の方式には、例えば、上述したように、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式がある。これら複数種類の方式と対応する液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっている。つまり、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて、液晶出力基板1530を容易に交換することができる。本実施形態では、上述したように、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されているため、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式(LVDS方式)に合わせた液晶出力基板1530が周辺制御基板1510と上述した基板間コネクタにより電気的に接続されている。
また、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらの各種基板のグランド(GND)へ回路アースされるように構成されている。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。このため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入した電磁波ノイズを、回路アースとして、各種基板のグランド(GND)、電源基板630のグランド(GND)、そして図86(b)に示した枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このような電磁波ノイズを除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500が上述したように組み立てると、図170に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、制御ROM1510bの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bと周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、制御ROM1510bの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、周辺データROM1520aの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容と、を多方向の角度からほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3と周辺データROM基板1520にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの改変、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+37Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+37Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、周辺データROM1520aの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、それぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4と液晶出力基板1530にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、SDRAM1510c1,1510c2の表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、の視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備えるLEDML1〜LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、このように形成される空間内を明るく照らすことができる。
また、周辺制御基板1510に備えるLEDML1〜LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1〜LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510へ向かわせる図示しない反射部がそれぞれ形成されている。これらの図示しない反射部としては、白色などの明るい色の着色塗料のほかに光沢を有する着色塗料であってもよいし、光沢を有する金属製シートを貼り付けてもよい。
また、周辺制御ユニット1500が遊技盤5の近傍には、図4に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されている。このように、遊技盤5の周囲は電磁波ノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製とすると共に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530と同一のグランド(GND)となるように電気的に接続するという回路アースとする構成を採用した。また、本実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインを、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続することにより、同一のグランド(GND)とする構成を採用した。
これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501及び/又はベース体1502等を介して侵入する電磁波ノイズを、回路アースとして、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)、電源基板630のグランド(GND)、そして図86(b)に示した枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501及び/又はベース体1502を介して侵入する電磁波ノイズを、回路グランドという回路アースとして、図86(b)に示した枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。
[7.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図171を参照して説明する。図171は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、それぞれの制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出の進行を制御する。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[7−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、大入賞口センサ2403に検知された後に第一受入口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一受入口センサ2404、大入賞口センサ2403に検知された後に第二受入口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二受入口センサ2405、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003、等からの検出信号がそれぞれ主制御入力回路を介して主制御I/Oポートに入力される。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、及び振分ソレノイド2416に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、等に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2401、大入賞口センサ2403、第一受入口センサ2404、及び第二受入口センサ2405には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403、第一受入口センサ2404、及び第二受入口センサ2405、による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403、第一受入口センサ2404、及び第二受入口センサ2405にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートから周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aに送信したりする。なお、主制御MPUは、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御IC1510aに送信する。
主制御基板1310には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+37V、直流+12V、及び直流+5V)が払出制御基板633を介して供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御MPUの主制御I/Oポートに入力されるほかに、払出制御基板633等にも出力されている。
[7−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、を備えている。
[7−2−1.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをシリアル方式で払出制御I/Oポートで受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御入力回路を介して払出制御I/Oポートに入力されたりするほかに、満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ574からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が払出制御入力回路を介して払出制御I/Oポートに入力されたりする。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路を介して、払出制御MPUの払出制御I/Oポートに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチからの検出信号、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路を介して、払出制御MPUの払出制御I/Oポートに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号は、払出制御入力回路を介して、払出制御MPUの払出制御I/Oポートに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oから払出モータ駆動回路を介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/OポートからエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、シリアル方式で払出制御I/Oポートから主制御基板1310に送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートから外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御MPUの払出制御I/Oポートで受信される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新すると共に、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[7−2−2.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力すると共に、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力される。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+37V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。この払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板633のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板633のRAMから完全に消去(クリア)される。
[7−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、上述したように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出の進行を制御するものであり、CPU、RAM、VDP、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、図示しない周辺制御入力回路と、を備えている。各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/Oポート、各種パラレルI/Oポート等を挙げることができる。
[7−3−1.周辺制御IC]
周辺制御IC1510aのCPUは、電源投入時(停電から復電する場合も含む。)において、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)をSDRAM1510c1,1510c2に転送する制御を行う。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSDRAM1510c1,1510c2との間においては、上述したように、2Gbpsという転送速度を有しているため、周辺データROM1520aに記憶される制御情報がSDRAM1510c1,1510c2へ高速に転送される。制御情報(周辺データ)としては、上述したように、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像、保留画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等である。なお、背景画像、キャラクタ画像、図柄画像、保留画像等は、フルカラー画像である。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのRAMを用いて、処理に伴う一時的に情報を記憶したり、その情報を削除したりする。また周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了すると、主制御基板1310から各種コマンドに基づいて、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出して演出の進行を行う。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出し、演出表示装置1600に画像を描画する制御を行ったり、各種演出に合わせた各種LEDの発光態様となるように制御を行ったり、各種演出に合わせた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行ったりすることにより各種演出を進行する。
周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを生成して液晶出力基板1530に出力する制御を行う。この描画データは、液晶出力基板1530を介して、演出表示装置1600に伝送されて演出表示装置1600にさまざまな画像が描画される。
周辺制御IC1510aのVDPは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、それぞれ対応する周辺制御IC1510aのフレームバッファ(内蔵VRAM)にそれぞれ保持し、これらの周辺制御IC1510aのフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、それぞれ対応する周辺制御IC1510aのVDPの出力チャンネルから出力する方式である。周辺制御IC1510aのVDPの出力チャンネルとしてチャンネルCH1〜CH4という4つのチャンネルがある。本実施形態では、周辺制御IC1510aのVDPは、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを、4つのチャンネルのうちチャンネルCH1から液晶出力基板1530に出力する制御を行う。周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動する際に、これらの4つのチャンネルと対応するようにフレームバッファ(内蔵VRAM)の領域を割り振り確保する。
なお、周辺制御IC1510aのCPUが自身のシステムを起動して周辺制御IC1510aのVDPが1画面分(1フレーム分)の描画データを、それぞれ対応する内蔵VRAM上の所定の領域に生成して外部へ出力(送信)すると、周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データ(演出表示装置1600等の各種表示装置に描画(表示)される画面の構成を規定するもの。)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御IC1510aのCPUに出力する。
周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して生成して出力することにより、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dを操作すると、この音量調整操作信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、入力された音量調整操作信号に応じた音量を調整することができ、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622と、に対して音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、または、4.1chサラウンド信号、等)を出力することで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提供することができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLEDや遊技盤5の各絵柄用基板に設けられた導光板用LED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出して各種シリアルI/Oポートから遊技盤5の演出駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板や遊技盤5の各絵柄用基板に送信したり、遊技盤5に設けられる各駆動モータや各駆動ソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出して各種シリアルI/Oポートから遊技盤5の演出駆動基板1720に送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出して各種シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したりする。
遊技盤5に設けられる裏後演出ユニット3100、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500において可動装飾体の位置を検知するための各検知センサからの検出信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポートに受信されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381からの検出信号、第一回転検知センサ347からの検出信号、及び第二回転検知センサ348からの検出信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポートに受信されている。また、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。
周辺制御基板1510には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+37V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。周辺制御基板1510に備える図示しない電源作成回路は、電源基板630からの各種電圧のうち、一の電圧(例えば、直流+12V)から周辺制御基板1510に備える各種電子部品に対応する制御電圧をそれぞれ複数種類作成して供給している。
なお、周辺制御基板1510は、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)を備えており、周辺制御IC1510aは、外部WDTを利用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−3−2.制御ROM]
制御ROM1510bは、上述したように、各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶することができるものである。各種スケジュールデータには、複数種類の演出のパターンによって演出を進行する各種データがそれぞれ複数規定されている。各種スケジュールデータには、例えば演出表示装置1600等の各種表示装置に描画(表示)する画面を生成する複数種類の画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する複数種類の発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する複数種類の音生成用スケジュールデータ、駆動モータや駆動ソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する複数種類の電気的駆動源スケジュールデータ等がある。周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数種類の演出のパターンからいずれかのパターンを設定(決定)すると、複数種類の各種スケジュールデータの中から、この設定(決定)したパターンと対応する各種スケジュールデータを設定(決定)する。
ここで、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列される画面データについて簡単に説明する。画面データは、描画(表示)される画面の構成を規定するものである。具体的には、画面データは、1行ごとにコマンドと、コマンドに対するパラメータと、が配置されて構成されている。なお、コマンドには、パラメータがないものもある。ここでの説明におけるスプライトは、キャラクタデータにより構成されるものであり、1つのスプライトが1つのキャラクタデータにより構成されるものや、1つのスプライトが複数のキャラクタデータにより構成されるものもある。例えば、背景画像を含む1つの図形は、1つのキャラクタデータにより構成される場合もあれば、複数のキャラクタデータが整列されて構成される場合もある。
画面データを構成するコマンドとしては、オブジェクト追加コマンド、オブジェクト挿入コマンド、オブジェクト移動コマンド、オブジェクト加工コマンド、オブジェクト削除コマンド、オブジェクト入れ替えコマンド、オブジェクト差し替えコマンド、1フレーム終了コマンド等がある。
オブジェクト追加コマンドは、1つのスプライトを追加するためのコマンドである。オブジェクト追加コマンドを指定して、パラメータに追加する1つのスプライト情報(スプライトの名前、又はスプライトが記憶されたアドレスを示すポインタ)を指定する。オブジェクト追加コマンドとパラメータとにより1つのスプライトが追加されると、この1つのスプライトを個別に識別するための番号としてスプライトインデックスの値が付与されて登録される。スプライトインデックスの値は値0(ゼロ)から始まり、1つのスプライトが追加されるごとに値1ずつ増加する。このスプライトインデックスの値が小さい程、最も奥側に配置されて表示される画面となる。つまり、スプライトインデックスの値が大きいスプライトが最も手前側に配置されて表示される画面となる。
オブジェクト挿入コマンドは、オブジェクト追加コマンドによりすでに追加された複数のスプライトが存在する場合に、複数のスプライトの中にスプライトインデックスの値を指定して1つのスプライトを挿入するためのコマンドである。オブジェクト挿入コマンドを指定して、パラメータに挿入する1つのスプライト情報(スプライトの名前、又はスプライトが記憶されたアドレスを示すポインタ)を指定すると共に、挿入するスプライトインデックスの値を指定する。オブジェクト挿入コマンドとパラメータとによりスプライトインデックスの値が指定された1つのスプライトが挿入されると、指定されたスプライトインデックスの値と対応する挿入される直前に登録されているスプライトインデックスの値以上の値は1つずつズレて大きくなる。例えば、複数のスプライトとして8個のスプライトがオブジェクト追加コマンドによりすでに追加されている場合には、スプライトインデックスの値は値0〜値7まで付与されて登録されている状態であり、オブジェクト挿入コマンドを指示して、パラメータに1つのスプライト情報を指示すると共に、挿入するスプライトインデックス値として値6を指定すると、新たに1つのスプライトがスプライトインデックスの値が値6として挿入されると共に、指定されたスプライトインデックスの値と対応する挿入される直前に登録されているスプライトインデックスの値以上の値であるスプライトインデックスの値6、そして値7の値は1つずつズレて値が大きくなって値7、そして値8として再登録されることとなる。
オブジェクト移動コマンドは、1つのスプライトを座標と大きさとを設定するためのコマンドである。オブジェクト移動コマンドを指示して、パラメータにスプライトインデックスの値(つまり1つのスプライト)を指定すると共に、指定する1つのスプライトの座標と大きさとを指定する。座標は、画面のXY座標を指定するものであり、大きさは、1つのスプライトの大きさ(幅、高さ)を指定するものである。オブジェクト移動コマンドとパラメータとによりスプライトインデックスの値が指定された1つのスプライトが、指示される大きさで座標に移動(配置)される。
オブジェクト加工コマンドは、アレンジ(脚色処理(細工処理))を設定するためのコマンドである。オブジェクト加工コマンドを指定して、パラメータにスプライトインデックスの値(つまり1つのスプライト)を指定し、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))を指定し、アレンジに対する各種値を指定する。アレンジ(脚色処理(細工処理))としては、透過率設定モード、ノイズ付加設定モード、モザイク設定モード、油絵風設置モード、墨絵風設定モード、立体視設定モード、グレースケール設定モード、モノクロ2階調設定モード等がある。
例えば、透過率設定モードについて簡単に説明すると、透過率設定モードには、スプライト個別透過率設定モード、特定領域内透過率設定モード、画面透過率設定モード等がある。スプライト個別透過率設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトの透過率(0(ゼロ)%〜100%)を設定するための値を指定することができるモードである。特定領域内透過率設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトと対応する画面領域を特定領域とし、この特定領域内の透過率(0(ゼロ)%〜100%)を設定するための値を指示することができるモードである。画面透過率設定モードは、画面全体の透過率(0(ゼロ)%〜100%)を設定するための値を指定することができるモードである。この画面透過率設定モードでは、上述したように、画面全体の透過率を設定するものであるため、パラメータにスプライトインデックスの値(つまり1つのスプライト)を指定せず、アレンジ(脚色処理(細工処理))である画面透過率設定モードを指定し、画面全体の透過率(0%〜100%)を指定する。なお、透過率として0%が最も小さく、100%へ向かって透過率が大きくなり、透過率が0%に設定されると、光を透過せず不透明とし、透過率が100%に設定されると、光をほぼすべて透過して透明とする。この透過率設定モードにより透過率が設定されるスプライト又は画面全体は、その後方を視認することができるという奥行き感を表現することができるため、3次元描写されることとなる。
また、例えば、ノイズ付加設定モードについて簡単に説明すると、ノイズ付加設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトに対してノイズの量(0.1%〜50%)を設定するための値、分布方法(均等分布、ガウス分布)の設定、グレースケールノイズのON/OFFの設定を指定することができるモードである。ノイズの量として0.1%が最も小さく50%へ向かってノイズの量が大きくなり、ノイズの量が大きくなるほどランダムにピクセルが配置される画像となる。グレースケールノイズをON設定すると、ノイズがグレースケールとして表現される一方、グレースケールノイズをOFF設定すると、カラーノイズとして表現される。このノイズ付加設定モードによりノイズが設定されるスプライト又は画面全体は、2次元描写されることとなる。
また、例えば、モザイク設定モードについて簡単に説明すると、モザイク設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトに対してモザイクの大きさ(値1〜値15)、モザイク領域の形状(矩形領域の大きさ、円領域を含む楕円領域の大きさ)、スプライト内における座標(X座標、Y座標)を指定することができるモードである。モザイクの大きさとして値1が最も小さく値15へ向かってモザイクの大きさが大きくなる。値1がセルの大きさ1平方ピクセルに相当し、値15がセルの大きさ15平方ピクセルに相当する。モザイクの大きさが大きくなるほど、スプライト内に指定した座標におけるモザイク領域内の画像が粗いモザイクとなる。このモザイク設定モードによりモザイクが設定されるスプライト又は画面全体は、2次元描写されることとなる。
また、例えば、油絵風設置モードについて簡単に説明すると、油絵風設置モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトに対してブラシで加工するブラシの種類(幅狭、標準、幅広)を設定するための値、ブラシサイズ(値1〜値50)を設定するための値、シャープの強さ(値0(ゼロ)〜値30)を設定するための値、及び網目の効果の設定を指定することができるモードである。ブラシサイズとして値1が最も小さく、値50へ向かってブラシサイズが大きくなる。シャープの強さとして値0が最も小さく(シャープの強さなし)、値30へ向かってシャープの強さが大きくなる。この油絵風設置モードにより指定されるスプライトは、凹凸のある3次元描写されることとなる。
また、例えば、墨絵風設定モードについて簡単に説明すると、墨絵風設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトに対してストロークの幅(値1〜値15)を設定するための値、筆圧(値1〜値15)を設定するための値、コントラスト(値0(ゼロ)〜値40)を設定するための値を指定することができるモードである。ストロークの幅として値1が最も小さく、値15へ向かってストロークの幅が大きくなる。筆圧として値1が最も小さく、値15へ向かって筆圧が大きくなる。コントラストとして値0が最も小さく、値40へ向かってコントラストが大きくなる。この墨絵風設定モードにより墨絵風に加工されるスプライト又は画面全体は、和紙に描いたような和風の画像となり、2次元描写されることとなる。
また、例えば、立体視設定モードについて簡単に説明すると、立体視設定モードには、特定領域内立体視設定モード、画面立体視設定モード等がある。特定領域内立体視設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトと対応する画面領域を特定領域とし、この特定領域内を、観察者(遊技者)の右目用の画像である右画像と、観察者(遊技者)の左目用の画像である左画像と、を交互に配置することにより、観察者(遊技者)が特定領域内における画像を立体視することができるモードである。この特定領域内立体視設定モードにより指定される特定領域内における画像は、画面の表示領域の前面に浮き出た(飛び出した)立体的な態様となる3次元描写されることとなる。画面立体視設定モードは、画面全体を、観察者(遊技者)の右目用の画像である右画像と、観察者(遊技者)の左目用の画像である左画像と、を交互に配置することにより、観察者(遊技者)が画面全体を立体視することができるモードである。この画面立体視設定モードにより指定される画面全体の画像は、画面の表示領域の前面に浮き出た(飛び出した)立体的な態様となる3次元描写されることとなる。なお、立体視設定モードを指定する場合には、演出表示装置1600等の各種表示装置に備える液晶パネルの後方にスイッチ液晶をさらに備える必要がある。このスイッチ液晶は、液晶パネルであるTFT液晶を構成する細条部と対応して上下方向に沿って伸びた所定幅を有する帯状の視差バリアが所定間隔ごとに左右方向に一列に複数配置される液晶であり、この視差バリアが透明状態に制御されたり、不透明状態に制御されたりすることによって相互に切り替えることで光学的なシャッタとして働かせることできるようになっている。視差バリアが透明状態に制御されている場合には、スイッチ液晶の後側に配置されたバックライトからの照明光がTFT液晶に均一に照らされるのに対して、視差バリアが不透明状態に制御されている場合には、スイッチ液晶の後側に配置されたバックライトからの照明光が視差バリアにより分離されることとなる。周辺制御IC1510aのCPUがスイッチ液晶の視差バリアを直接制御して透明状態または不透明状態に制御するように構成することができる。また、スイッチ液晶の視差バリアを透明状態または不透明状態に制御する情報を上述した描画データに含ませることにより周辺制御IC1510aのVDPがスイッチ液晶の視差バリアを直接制御するように構成することもできる。
また、例えば、グレースケール設定モードについて簡単に説明すると、グレースケール設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトに対してグレースケールのビット幅(8ビット、16ビット)を設定するための値を指定することができるモードである。グレースケールのビット幅として8ビットを設定すると、画像を8ビット幅のグレーススケールに変換する一方、グレースケールのビット幅として16ビットを設定すると、画像を16ビット幅のグレーススケールに変換する。このグレースケール設定モードによりグレースケールに変換されるスプライト又は画面全体は、2次元描写されることとなる。
また、例えば、モノクロ2階調設定モードについて簡単に説明すると、モノクロ2階調設定モードは、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトを指定すると共に、この1つのスプライトに対してモノクロ2色を設定するための値を指定することができるモードである。モノクロ2色として、白色と黒色とを指定することができるし、白色と赤色とを指定することができるし、緑色と黒色とを指定することができる。これらの2色は、フルカラーとして、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)それぞれ8ビットを有する24ビット幅でそれぞれ指定する。このモノクロ2階調設定モードによりモノクロ2階調に設定されるスプライト又は画面全体は、2次元描写されることとなる。
このように、3次元描写されるモードとしては、上述したように、透過率設定モード、油絵風設置モード、そして立体視設定モードが用意されている。これに対して、2次元描写されるモードとしては、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトに対して平面的に加工するものであるため、上述した、ノイズ付加設定モード、モザイク設定モード、墨絵風設定モード、グレースケール設定モード、モノクロ2階調設定モード等が用意されている。なお、オブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトに対してオブジェクト加工コマンドにより何らアレンジ(脚色処理(細工処理))が設定されないスプライトは、平面的な図形(絵、写真、文、値、及び図等を含む)であり2次元描写されるものである。
オブジェクト削除コマンドは、オブジェクト追加コマンドにより追加した1つのスプライトを削除するためのコマンドである。オブジェクト追加コマンドを指定して、パラメータにオブジェクト追加コマンドにより追加した1つのスプライトのスプライトインデックスの値を指定する。オブジェクト削除コマンドとパラメータとにより指定される1つのスプライトが削除されると、指定されたスプライトインデックスの値と対応する削除される直前に登録されているスプライトインデックスの値より大きい値は1つずつズレて小さくなる。例えば、複数のスプライトとして8個のスプライトがオブジェクト追加コマンドによりすでに追加されている場合には、スプライトインデックスの値は値0〜値7まで付与されて登録されている状態であり、オブジェクト削除コマンドを指示して、パラメータに6番目にオブジェクト追加コマンドにより追加されたスプライトのスプライトインデックスの値である値5を指定すると、スプライトインデックスの値が指定された1つのスプライトが削除されると共に、スプライトインデックスの値と対応する削除される直前に登録されているスプライトインデックスの値より大きい値であるスプライトインデックスの値6、そして値7の値は1つずつズレて値が小さくなって値5、そして値6として再登録されることとなる。
オブジェクト入れ替えコマンドは、オブジェクト追加コマンドによりすでに追加された複数のスプライトが存在する場合に、オブジェクト追加コマンドによりすでに追加された1つのスプライトと他の1つのスプライトとを入れ替えるためのコマンドである。オブジェクト入れ替えコマンドを指示して、パラメータに2つのスプライトインデックスの値を指定する。オブジェクト入れ替えコマンドとパラメータとにより入れ替える2つのスプライトが指定されると、2つのスプライトインデックスの値が相互に入れ替わる。例えば、複数のスプライトとして8個のスプライトがオブジェクト追加コマンドによりすでに追加されている場合には、スプライトインデックスの値は値0〜値7まで付与されて登録されている状態であり、オブジェクト入れ替えコマンドを指示して、パラメータに1番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライト(1番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトのスプライトインデックスの値は値0)と、5番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライト(5番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトのスプライトインデックスの値は値4)と、を指定すると、1番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトのスプライトインデックスの値が値0から値4に変更されて再登録されると共に、5番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトのスプライトインデックスの値が値4から値0に変更されて再登録されることなって相互に入れ替わる。これにより、1番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトと、5番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトと、における前後関係が逆転することとなる。
オブジェクト差し替えコマンドは、オブジェクト追加コマンドによりすでに追加された1つのスプライトを、他の1のスプライトに差し替えるためのコマンドである。オブジェクト差し替えコマンドを指示して、パラメータにオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトと他の1つのスプライト(差し替え用の1つのスプライト)とを指定する。オブジェクト差し替えコマンドとパラメータとによりスプライトインデックスの値が変更されず、スプライトのみ差し替わる。例えば、複数のスプライトとして8個のスプライトがオブジェクト追加コマンドによりすでに追加されている場合には、スプライトインデックスの値は値0〜値7まで付与されて登録されている状態であり、オブジェクト差し替えコマンドを指定して、パラメータに、8番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライト(8番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトのスプライトインデックスの値は値7)と、他のスプライト(差し替え用の1つのスプライト)と、を指定すると、スプライトインデックスの値である値7が変更されず、スプライトのみ差し替わることとなる。これにより、複数のスプライトとして8個のスプライトがオブジェクト追加コマンドによりすでに追加されている場合には、8番目にオブジェクト追加コマンドにより追加された1つのスプライトが最も手前側に配置されて表示される画面となるため、この最も手前側に配置されて表示される1つのスプライトが他のスプライト(差し替え用の1つスプライト)に差し替わることにより、例えば、スプライトとして数字を用いる場合には、カウントダウンやカウントアップする領域を有する画面とすることができる。
1フレーム終了コマンドは、1フレームの画面データの構成をすべて指示した旨を伝えるためのコマンドである。1フレーム終了コマンドには、パラメータを設定する必要がない単独のコマンドとなっている。
次に、1フレームの画面データとしてコマンドが配置される例について簡単に説明する。周辺制御IC1510aのCPUは、上述したように、画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データをVブランク信号が入力されるごとに先頭の画面データから1つずつ、つまり1フレームの画面データを周辺制御IC1510aのVDPに出力する。
1フレームの画面データに基づいてスプライトの配置、移動、アレンジ等は、周辺制御IC1510aの内蔵VRAMに設けられる作業領域において行われ、各スプライトのスプライトデータが作成される。そして、各スプライトのスプライトデータから1つの画面として重ね合わせたデータが周辺制御IC1510aのVDPのチャンネルCH1〜CH4と対応する内蔵VRAMの領域(描画データ生成用の領域)に書き込まれるようになっている。
ここでは、演出表示装置1600の表示領域に表示される画面を規定する1フレームの画面データの構成について簡単に説明する。なお、ここでの説明におけるスプライトは、1つのスプライトが1つの画像データにより構成されるものや、1つのスプライトが複数の画像データにより構成されるものもある。この1フレームの画面データに基づいてスプライトの配置、移動、アレンジ等は、周辺制御IC1510aのVDPのチャンネルCH1と対応する内蔵VRAMに設けられる作業領域において行われて各スプライトのスプライトデータが作成される。そして、この作業領域において、各スプライトのスプライトデータから演出表示装置1600の表示領域に描画するための1つの画面として重ね合わせたデータが周辺制御IC1510aのVDPのチャンネルCH1と対応する内蔵VRAMの領域に書き込まれることによって、描画データが生成されるようになっている。チャンネルCH1から出力される描画データは、例えば後述する図194(a)のような画面として演出表示装置1600の表示領域に描画(表示)されることとなる。
例えば、演出表示装置1600の表示領域に表示されるフルカラー画像からグレースケール画像に切り替わるグレースケール演出を行わない後述する図194(d)のような画面を規定する1フレームの画面データ、このグレースケール演出を行う後述する図194(s)のような画面を規定する1フレームの画面データは、実際には、後述する装飾図柄を変動表示開始して変動表示中における演出表示装置1600の表示領域に描画されるため、この画面における1フレームの画面データは、画面データの先頭行(1行目)から数百行目又は数千行目に配置されるが、ここでは、説明の便宜上、1フレームの画面データの1行目から配置されているものとして、グレースケール演出を行わない後述する図194(d)のような画面、グレースケール演出を行う後述する図194(s)のような画面について、以下に説明する。また、画面データには、同一のコマンドが複数回配置されるため、説明の便宜上、コマンドに続けて数字を付して以下に説明する。
演出表示装置1600は、その表示領域を正面から見て左上部の角を原点座標(X座標の原点,Y座標の原点)とし、原点座標から右方向へ向かってX座標が大きくなると共に、原点座標から下方向へ向かってY座標が大きくなり、その表示領域を正面から見て右下部の角を最大座標(X座標の最大値、Y座標の最大値)となるXY空間が設定されている。
グレースケール演出を行わない後述する図194(d)のような画面について説明する。まず、最も奥側に配置されるスプライトから最も手前側に配置されてスプライトの順番として、1フレームの画面データの1行目には、オブジェクト追加コマンド1が配置されていると共に、パラメータとして指定される、追加する1つのスプライト情報として背景画像(後述する図194(d)における背景画像1640)の情報(背景画像の名前、又は、背景画像が記憶されたアドレスを示すポインタ)が配置されている。この背景画像は、予め1つの背景画像として作成される画像データにより構成されている(なお、背景画像は、元となる複数の画像の描画データを整列して構成されていてもよい)。これにより、背景画像を識別するための番号としてスプライトインデックスの値には値0(ゼロ)が自動的に付与されて登録される。
1フレームの画面データの2行目には、オブジェクト追加コマンド2が配置されていると共に、パラメータとして指定される、追加する1つのスプライト情報として第1保留画像(後述する図194(d)における赤色を有する第1保留表示1655a)の情報(保留画像の名前又は、保留画像が記憶されたアドレスを示すポインタ)が配置されている。これにより、第1保留画像を識別するための番号としてスプライトインデックスの値には、値1が自動的に付与されて登録される。1フレームの画面データの3行目には、オブジェクト追加コマンド3が配置されていると共に、パラメータに追加する1つのスプライト情報として第2保留画像(後述する図194(d)における白色を有する第2保留表示1655b)の情報(保留画像の名前又は、保留画像が記憶されたアドレスを示すポインタ)が配置されている。これにより、第2保留画像を識別するための番号としてスプライトインデックスの値には、値2が自動的に付与されて登録される。1フレームの画面データの4行目には、オブジェクト追加コマンド4が配置されていると共に、パラメータに追加する1つのスプライト情報として第1図柄画像(後述する図194(d)における左装飾図柄1650aを停止表示する図柄4)の情報(保留画像の名前又は、保留画像が記憶されたアドレスを示すポインタ)が配置されている。これにより、第1図柄画像を識別するための番号としてスプライトインデックスの値には、値3が自動的に付与されて登録される。1フレームの画面データの5行目には、オブジェクト追加コマンド5が配置されていると共に、パラメータに追加する1つのスプライト情報として第2図柄画像(後述する図194(d)における中装飾図柄1650bを停止表示する図柄5)の情報(保留画像の名前又は、保留画像が記憶されたアドレスを示すポインタ)が配置されている。これにより、第2図柄画像を識別するための番号としてスプライトインデックスの値には、値4が自動的に付与されて登録される。1フレームの画面データの6行目には、オブジェクト追加コマンド6が配置されていると共に、パラメータに追加する1つのスプライト情報として第3図柄画像(後述する図194(d)における右装飾図柄1650cを停止表示する図柄6)の情報(保留画像の名前又は、保留画像が記憶されたアドレスを示すポインタ)が配置されている。これにより、第3図柄画像を識別するための番号としてスプライトインデックスの値には、値5が自動的に付与されて登録される。
このように、スプライトインデックスの値が設定されることにより、スプライトインデックスの値が大きい、第3図柄画像が最も手前側に配置され、後方へ向かって、第2図柄画像、第1図柄画像、第2保留画像、第1保留画像、そして背景画像という順番(スプライトインデックスの値が最も小さい背景画像が最も奥側)に配置されることとなる。
1フレームの画面データの7行目には、オブジェクト移動コマンド1が配置されていると共に、パラメータとして指定される、背景画像のスプライトインデックスの値である値0、座標、大きさ(幅、高さ)が配置されている。1フレームの画面データの8行目には、オブジェクト移動コマンド2が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第1保留画像のスプライトインデックスの値である値1、座標、大きさ(幅、高さ)、が配置されている。1フレームの画面データの9行目には、オブジェクト移動コマンド3が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第2保留画像のスプライトインデックスの値である値2、座標、大きさ(幅、高さ)、が配置されている。1フレームの画面データの10行目には、オブジェクト移動コマンド4が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第1図柄画像のスプライトインデックスの値である値3、座標、大きさ(幅、高さ)、が配置されている。1フレームの画面データの11行目には、オブジェクト移動コマンド5が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第2図柄画像のスプライトインデックスの値である値4、座標、大きさ(幅、高さ)、が配置されている。1フレームの画面データの12行目には、オブジェクト移動コマンド6が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第3図柄画像のスプライトインデックスの値である値5、座標、大きさ(幅、高さ)、が配置されている。1フレームの画面データの13行目には、1フレーム終了コマンド1が配置されており、1フレームの画面データの構成をすべて指示した旨を伝えている。
これにより、演出表示装置1600の表示領域には、第1図柄画像、第2図柄画像、第3図柄画像、第1保留画像、及び第2保留画像が相互に干渉することなく配置されると共に、グレースケール演出を行わない後述する図194(d)のようなフルカラー画像の画面が表示される。
次に、グレースケール演出を行う後述する図194(s)のような画面について説明する。1フレームの画面データの1行目〜1フレームの画面データの12行目には、上述したグレースケール演出を行わない後述する図194(d)のような画面を構成する1フレームの画面データと同一であるため、説明を省略し、1フレームの画面データの13行目から19行目までの内容を以下に説明する。
この1フレームの画面データの13行目から19行目までの内容のうち、13行目から18行目までの内容は、実際には、1フレームの画面データに予め組み込まれず、グレースケール演出を行わない場合における上述した1フレームの画面データの1行目〜1フレームの画面データの13行目までのうち、上述した1フレームの画面データの12行目と13行目との間に周辺制御IC1510aのCPUがリアルタイムに独自に選択したアレンジ(脚色処理(細工処理))を周辺制御IC1510aのVDPに指示する。具体的には、周辺制御IC1510aのCPUは、グレースケール演出を行うか否かを抽選により決定し、グレースケール演出を行う場合には、グレースケール演出を行わない場合における上述した1フレームの画面データの1行目〜1フレームの画面データの12行目に続いて13行目から18行目までの内容をリアルタイムに独自にアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モードを選択して周辺制御IC1510aのVDPに指示する。
周辺制御IC1510aのCPUは、グレースケール演出を行う場合において、まずアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モードを選択して1フレームの画面データの13行目の内容には、オブジェクト加工コマンド1が配置されていると共に、パラメータとして指定される、背景画像のスプライトインデックスの値である値0、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モード、ビット幅(16ビット)、が配置されている。1フレームの画面データの14行目の内容には、オブジェクト加工コマンド2が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第1保留画像のスプライトインデックスの値である値1、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モード、ビット幅(16ビット)、が配置されている。1フレームの画面データの15行目の内容には、オブジェクト加工コマンド3が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第2保留画像のスプライトインデックスの値である値2、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モード、ビット幅(16ビット)、が配置されている。1フレームの画面データの16行目の内容には、オブジェクト加工コマンド4が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第1図柄画像のスプライトインデックスの値である値3、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モード、ビット幅(16ビット)、が配置されている。1フレームの画面データの17行目の内容には、オブジェクト加工コマンド5が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第2図柄画像のスプライトインデックスの値である値4、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モード、ビット幅(16ビット)、が配置されている。1フレームの画面データの18行目の内容には、オブジェクト加工コマンド6が配置されていると共に、パラメータとして指定される、第3図柄画像のスプライトインデックスの値である値5、指定する1つのスプライトに対するアレンジ(脚色処理(細工処理))としてグレースケール設定モード、ビット幅(16ビット)、が配置されている。1フレームの画面データの19行目には、グレースケール演出を行わない場合における上述した1フレームの画面データの13行目の内容である1フレーム終了コマンド1が配置されており、1フレームの画面データの構成をすべて指示した旨を伝えている。
これにより、演出表示装置1600の表示領域には、第1図柄画像、第2図柄画像、第3図柄画像、第1保留画像、及び第2保留画像が相互に干渉することなく配置されると共に、グレースケール演出を行わない後述する図194(d)のような画面を構成する1フレームの画面データと同じ画面データを用いながらも、グレースケール設定モードに対応するオブジェクト加工コマンドの指定により、グレースケール演出を行う後述する図194(s)のようなグレースケールに変換された画像の画面が表示される。
[8.アース線の系統]
図86に示した枠アース基板559は、上述したように、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものである。ここでは、枠アース基板559によるアース線の系統について、図172を参照して説明する。図172は枠アース基板559の構成を示す図であり、図172(a)は枠アース基板559の側面図であり、図172(b)は枠アース基板559の実装面であり、図172(c)は枠アース基板559の回路図であり、図172(d)は枠アース基板559に備える各アース端子の説明を示すテーブルである。なお、枠アース基板559は、図172(a)に示すように、その実装面が下向きとなった状態(つまり、アース端子ECN1〜ECN5のコネクタ差込口がそれぞれ下向きとなった状態)で、図86(b)に示した払出ベース551の天板部551aに形成される基板収容部551aaの内部に収容されて取付けられる。
枠アース基板559は、図172(b)に示すように、その上辺沿って右側から左側へ向かってアース端子ECN1,ECN5,ECN4,ECN2が一列に並んで配置されていると共に、その左辺の中央下寄りアース端子ECN3が配置されている。アース端子ECN1〜ECN5について簡単に説明すると、図172(d)に示すように、アース端子ECN1は、インターフェースアースとして、図94に示した本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635に設けられるアース接続端子とインターフェーススアース線を介して電気的に接続されるものであり、アース端子ECN2は、島設備アースとして、遊技ホールの島設備におけるアース接続端子と島設備アース線を介して電気的に接続されるものであり、アース端子ECN3は、球タンクアースとして、図86(b)に示した球タンク552(具体的には、基板収容部551aa寄りの球タンク552の側壁の外側に)に図示しない金属ネジにより球タンクアース線の一端が取付けられると共に、この球タンクアース線の他端が電気的に接続されるものであり、アース端子ECN4は、本体枠金属アースとして、図81に示した本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530(具体的には、本体枠補強フレーム530の上側)に図示しない金属ネジにより本体枠金属アース線の一端が取付けられると共に、この本体枠金属アース線の他端が電気的に接続されるものであり、アース端子ECN5は、電源アースとして、図95に示した本体枠4の基板ユニット620における電源基板630に設けられるアース接続端子と電源アース線を介して電気的に接続されるものである。
枠アース基板559の回路は、図172(c)に示すように、球タンクアースとしてのアース端子ECN3は、抵抗ER1の一端と電気的に接続され、この抵抗ER1の他端が電源アースとしてのアース端子ECN5、島設備アースとしてのアース端子ECN2、及びインターフェースアースとしてのアース端子ECN1とそれぞれ電気的に接続され、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4は、抵抗ER2の一端と電気的に接続されると共に、この抵抗ER2の他端が電源アースとしてのアース端子ECN5、島設備アースとしてのアース端子ECN2、及びインターフェースアースとしてのアース端子ECN1とそれぞれ電気的に接続されている。つまり、抵抗ER1の他端と抵抗ER2の他端とが電気的に接続されている。本実施形態では、抵抗ER1,ER2として、510オーム(Ω)、2ワット(W)を採用している。
インターフェースアースとしてのアース端子ECN1に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、球タンクアースとしてのアース端子ECN3に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、電源アースとしてのアース端子ECN5に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。
図82に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550には、球タンク552、及び払出ユニット560等が取付けられる。球タンク552は、遊技ホールの島設備からの遊技球Bが供給され、球タンク552から払出ユニット560に遊技球Bが供給される。遊技球Bは、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
そこで、本実施形態では、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置すると共に、静電気が溜まりやすい結果、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、をそれぞれ抵抗ER1,ER2を介して、電磁波ノイズを徐々に流して減衰させて高電圧の瞬時的な放電を抑制し、島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導くことができるようになっている。換言すると、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズは、フレームグランドというフレームアースとして、球タンク552や金属製の本体枠補強フレーム530を介して、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導くことにより、球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ流して除去することができる。
これに対して、図168に示した周辺制御基板ボックス1505を構成するカバー体1501及び/又はベース体1502に、電磁波ノイズが侵入すると、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインへ侵入して、電源基板630のグランド(GND)ラインへ流れ込み、電源基板630のアース接続端子から電源アース線を介して枠アース基板559における、電源アースとしてのアース端子ECN5に流れ、島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501及び/又はベース体1502を介して侵入する電磁波ノイズは、回路グランドという回路アースとして枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導くことにより、周辺制御ユニット1500のカバー体1501及び/又はベース体1502を介して侵入する電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ流して除去することができる。
本実施形態では、アース端子ECN1〜ECN5のうち、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、については、上述したように、電磁波ノイズの影響を強く受ける領域(その周囲)と対応するものであるため、大型のアース端子が採用されると共に、島設備アースとしてのアース端子ECN2は、上述したように、枠アース基板559に流れ込んだ電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去するものであるため、大型のアース端子が採用されている。この大型のアース端子を採用したアース端子ECN2〜ECN4は、その端子の断面形状が一辺1.14mmを有する正方形であり、定格電流:7A(AC・DC、AWG#18使用時)、定格電圧:250V(AC・DC)、適用電線範囲:AWG#22〜#18という一般仕様を有し、図172(a)に示すように、その高さが13.4mmとなっている(アース端子ECN2〜ECN4に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが18.6mmとなる)。
これに対して、インターフェースアースとしてのアース端子ECN1と、電源アースとしのアース端子ECN5と、に流れ込む電磁波ノイズは、上述したアース端子ECN2〜ECN4と比べて小さく、電流が小さいため、本実施形態では、アース端子ECN1,ECN5については、小型のアース端子が採用されている。この小型のアース端子を採用したアース端子ECN1,ECN5は、その端子の断面形状が一辺0.64mmを有する正方形であり、定格電流:3A(AC・DC、AWG#22使用時)、定格電圧:250V(AC・DC)、適用電線範囲:AWG#30〜#22という一般仕様を有し、図172(a)に示すように、その高さが7mmとなっている(アース端子ECN1,ECN5に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが9.8mmとなる)。
本実施形態では、アース端子ECN2〜ECN4に電気的に接続されるそれぞれのアース線(島設備アース線、球タンクアース線、本体枠アース線)は、アース端子ECN1,ECN5に電気的に接続されるそれぞれのアース線(インターフェースアース線、電源アース線)と比べると、電磁波ノイズによる電流が大きいため、アース端子ECN2〜ECN4に電気的に接続されるそれぞれのアース線(島設備アース線、球タンクアース線、本体枠アース線)の太さがアース端子ECN1,ECN5に電気的に接続されるそれぞれのアース線(インターフェースアース線、電源アース線)の太さと比べて太いものが採用されている。なお、本実施形態では、枠アース基板559の板厚として、図172(a)に示すように、1.6mmを採用している。
このように、各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができるように構成されているため、枠アース基板559は、除電作用を発揮する機能を有している。
また、各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができるように構成されているため、パチンコ機1の上側に配置される球タンク552からのアース線(配線)をパチンコ機1の下側に配置される電源基板630に引き回して、電源基板630において電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去するという構成と比べると、アース線(配線)の引き回しが極めて簡単となる。
また、外部端子板558と枠アース基板559とを近接した状態で払出ベース551の基板収容部551aaに配置することができるように構成されているため、外部端子板558に設けられる複数の電線接続端子558a(複数の外部端子(本実施形態では、払出ベースユニット550を後ろから見て左側から右側へ向かって一列に配置される外部端子XCN1〜XCN10という10個の外部端子を備えている。))と、遊技ホールに設けられるホールコンピュータと、をそれぞれ配線で電気的につなげる作業と、枠アース基板559における島設備アースとしてのアース端子ECN2と、遊技ホールの島設備に設けられるアース接続端子と、を島設備アース線(配線)で電気的につなげる作業と、を一連の作業として行うことができるため、作業性の向上に寄与することができる。
また、枠アース基板559を払出ベース551の基板収容部551aaに配置することができるように構成されているため、枠アース基板559の島設備アースとしてのアース端子ECN2と、遊技ホールの島設備に設けられるアース接続端子と、を電気的に接続する島設備アース線(配線)を、遊技盤5に備える各種制御基板(例えば、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310、演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530等)から引き離すように配置することができるため、各種制御基板に備える電子部品(コネクタも含む)等への悪影響を排除することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、をそれぞれ電気的に接続するアース線(球タンクアース線、本体枠金属アース線)の長さを極めて短くして、電磁波ノイズを、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、静電気が溜まりやすい球タンク552と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する球タンクアース線(配線)の長さは、金属製の本体枠補強フレーム530と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する本体枠金属アース線(配線)の長さと、電源基板630と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する電源アース線(配線)の長さと、インターフェイス基板635と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続するインターフェースアース線(配線)の長さと、比べて最短となるように構成することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、には大きな電流が流れるものの、枠アース基板559の抵抗ER1,ER2により低減されることにより、電源基板630の動作に影響が生ずることなく、枠アース基板559の島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。
因みに、従来より、に開示されているように、CRユニットの電源AC24Vを供給し易いように本体枠の下部のCRユニット側に配置された電源基板に各アースを一旦集約し、電源基板を介して島設備のアースに接続して接地する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−120593号公報(段落[0335]、図68、図69))。電源基板は一般的に重量があるため、遊技機において下方に配置されることが多い。そのため、アースを電源基板において集約するためには、遊技機の上部の球タンクや賞球装置等からアース線を下方の電源基板に向けて引き回す必要がある。このようにアース線を引き回すことによって、途中に存在する各種制御基板に電磁波ノイズが伝達して予期せぬ影響を及ぼすおそれがあった。また、電源基板にアース線を集約しているため、電源基板に何らかの問題が発生するとアースに影響が出たり、逆にアース線に電流が流れることによって、電源基板の動作に影響を与えるおそれがあった。また、島設備のアースを取る箇所が遊技機の上方にある場合などは、電源基板で集約したアース線を再度下方から上方に引き回して接続する必要があるため煩雑となることがあった。
[9.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図107及び図108等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込み強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央から前方へ放出される。ステージ2503の中央から遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その部位が第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドスロープ2300や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、センター役物2500の右案内通路2510からアタッカユニット2400の上部へ放出される。右案内通路2510の下流端の下方には、アタッカユニット2400におけるゲート部2003と第二始動口2004とが備えられており、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
そして、右打した遊技球Bが、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「15R大当りA」、「15R大当りB」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「15R大当り」であれば15ラウンド繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技状態によって大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に受入れられた遊技球が、振分片2415によって第二受入口2008に振り分けられると、大当り遊技状態の終了後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更する確変や、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更する時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、それぞれ4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるようにそれぞれの絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び表演出ユニット2600や裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100、裏中演出ユニット3200、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500、及び裏前演出ユニット3600等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、遊技盤5における表ユニット2000の表演出ユニット2600、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100、裏中演出ユニット3200、裏右演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏下演出ユニット3500、及び裏前演出ユニット3600等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[10.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図173(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図173(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、RAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPUのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPUのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPUのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置1600で実行される装飾図柄の変動表示にてリーチ(左装飾図柄と右装飾図柄を同一図柄で停止表示して中装飾図柄を未だ停止表示していない状態や、左・中・右の装飾図柄を全て同一図柄となるように同期して変動表示する状態)するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口扉2411の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図173(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図173(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2401、上記第一始動口センサ3002、上記第二始動口センサ2402、上記大入賞口センサ2403、上記第一受入口センサ2404、上記第二受入口センサ2405、上記一般入賞口センサ3001など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPUのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口扉2411の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当り遊技状態の終了後の所定期間内は、上記第二始動口扉2411の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記大当り遊技状態の終了後の所定期間内だけ上記普通図柄の当選確率を高くするとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口扉2411の開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPUのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(15R大当りA、15R大当りB)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3002、上記第二始動口センサ2402、上記大入賞口センサ2403、上記一般入賞口センサ3001などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板633に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板633に搭載される払出制御MPUは、払出制御部633aから払出モータ584に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図174は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図174に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ3002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2402による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS39)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当りA」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2005を開閉制御し、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御し、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目に有効状態に設定する処理を実行する。また、「15R大当りB」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2005を開閉制御し、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御し、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目に有効状態に設定する処理を実行する。
ここで、「有効状態」及び「無効状態」について説明する。先ず、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として、「有効状態」を有している。ここで、「有効状態」は、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目において、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容される(有効化される)状態である。よって、「有効状態」で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることによって、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることととなる。また、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがない状態として、「有効状態」とは異なる「無効状態」を有している。ここで、「無効状態」は、第一受入口2007に遊技球Bを振り分ける1〜14ラウンド目など、原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがない状態であり、仮に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容されない(無効化される)状態である。よって、「無効状態」で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることはない。また、「無効状態」は、不正行為などの異常が発生することにより第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合において、そのような異常発生に関する情報をホール管理側に通知可能とするため、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かについて監視される期間とされている。なお、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることを可能とする所定のラウンド(15ラウンド目)には「有効状態」に設定するようにし、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたときには必ず、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するようにしている。また、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることがない所定のラウンド(1〜14ラウンド目)には「無効状態」に設定しているが、「有効状態」に設定してもよい。このように大当り遊技状態中の全てのラウンドで「有効状態」に設定したとしても、1〜14ラウンド目には原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがないため、1〜14ラウンド目に「無効状態」に設定する場合と同じく、「有効状態」に設定した15ラウンド目に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるか否かが重要となっている。
また、大当り制御処理(ステップS41)では、大入賞口2005の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグである。大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態の実行中において、大入賞口2005を開放する1〜15ラウンド目のうち第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御することから高確率フラグがセットされるが、その15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御しないことから高確率フラグがセットされない。そして、高確率フラグがセットされた場合には、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理で高確率フラグがリセットされる。
また、時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる、そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS36)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS37)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS36)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS38)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図175は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図175に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S45の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
最後に、主制御MPUは、特図先読み演出を実行するための記憶先読み処理を実行する(ステップS45)。特図先読み演出は、特別図柄の変動表示を開始する前に特別抽選の抽選結果を事前に暗示させる演出である。記憶先読み処理では、特別図柄の変動表示を開始する前に各種乱数を取得し、取得した乱数値に基づいて特別図柄先読み演出を周辺制御基板で決定するための情報(当落情報、図柄種別、変動パターン番号等)を生成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶させる。この際、主制御MPUは、特別抽選の抽選結果そのものの代わりに、大当り遊技の種別を示唆している情報として特別図柄の停止図柄に関する情報をコマンドに含めるようにしてもよい。例えば、変動パターンのうちのSPリーチ群、ノーマルリーチ群、図柄種別のうちの潜確当り群、小当り群といった、最終的に決定される前の段階の情報を先読みコマンドとして送信してもよい。記憶先読み処理の詳細については、図204にて後述する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS45の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは第一保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図177は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2402がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図177に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウンアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは第二保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
なお、上述した例では第一始動口通過処理と第二始動口通過処理が異なる例を説明したが、第一始動口2002と第二始動口2004について始動口通過処理が同じであってもよい。つまり、ステップS32とステップS34が共通であってもよい。主制御MPUは、例えば、第一始動口2002入賞時(S31:YES)に第一始動口識別値を設定し、第二始動口2004入賞時(S33:YES)に第二始動口識別値を設定する。
主制御MPUは、始動口通過処理において、例えば各種乱数の取得前に、第一始動口識別値又は第二始動口識別値に基づいて、入賞した始動口に対応する始動口入賞時制御データテーブルを設定する。始動口入賞時制御データテーブルには、始動入賞時に実行される処理に必要なデータが格納されている。以下、始動口入賞時制御データテーブルについて説明する。
図176は、本実施形態における始動口入賞時制御データテーブルの一例を示す図である。始動口入賞時制御データテーブルは、第一始動口2002入賞時にセットされる始動口入賞時制御データテーブル1と第二始動口2004入賞時にセットされる始動口入賞時制御データテーブル2とが定義されている。各テーブルは、特別図柄保留球数コマンドアドレステーブル、特別図柄作動保留球数エリア、保留履歴特図識別値及び保留情報記憶エリア参照用オフセット値が定義されており、同じ構造となっている。
前述のように、始動口識別値に基づいて、入賞した始動入賞口に対応する始動口入賞時制御データテーブルの先頭アドレスを、制御データアドレスとしてセットする。これにより、セットされた始動口入賞時制御データテーブルの先頭アドレスから所定の位置に必要なデータが格納されているため、第一始動口2002と第二始動口2004とで共通の処理で始動口に対応するデータを取得することができる。
なお、主制御MPUは、例えば、第一始動口通過処理についてはステップS44で、第二始動口通過処理についてはステップS54で、始動入賞によって抽出される大当り判定用乱数等の各種乱数の格納場所(特別図柄保留記憶エリア)を以下のように特定してもよい。ここで、特別図柄保留記憶エリアの構成例について説明する。図203は、第一始動口2002と第二始動口2004に関わる特別図柄保留記憶エリア(ソースコード)の一例を示す図である。なお、図203の各行の右側に「特別図柄1〜」と記載されている行については、第一始動口2002に関する特別図柄保留記憶エリアであり、「特別図柄2〜」と記載されている行については、第二始動口2004に関する特別図柄保留記憶エリアである。また、「特別図柄1変動パターン用乱数記憶Nエリア」となっている場合には「N」が保留数に対応する。各エリアには、対応する乱数値が1個ずつ格納される。
図203を参照しながら具体的に説明すると、まず、特別図柄1大当り判定用乱数記憶1エリアのアドレス(B_HIT_M1)を基準アドレスとしてセットする。そして、加算値として、保留球数に応じた値(具体的には保留球数に格納領域のサイズ(_TMEM1_KO)を乗算した値)に、保留記憶エリアインデックス値(保留情報記憶エリア参照用オフセット値)を加算する。保留記憶エリアインデックス値は、始動口識別エリアの値が始動口1識別値であれば“00H”、始動口2識別値であれば特別図柄2大当り判定用乱数記憶エリアとなるようにオフセット値(_TMEM_ADD)が設定される。最後に、算出された加算値を基準アドレスに加算し、大当り判定用乱数の格納場所(転送先アドレス)を算出することができる。このように、インデックス値を用いることによって始動口が異なっていても共通の処理で適切な格納場所を指定することができる。また、共通の処理を実行するタイミングによってインデックス値を異ならせることで、それぞれ別の記憶領域にデータを格納させることも可能である。例えば、先読み処理時と変動開始時とで大当り判定を行う場合に、それぞれ異なるインデックス値を設定することによって大当り判定に必要な情報をそれぞれ別の記憶領域に格納することが可能となる。
[10−1.記憶先読み処理]
続いて、始動口入賞時処理における記憶先読み処理(ステップS45)の詳細について説明する。図204は、本実施形態における記憶先読み処理の手順の一例を示すフローチャートである。記憶先読み処理では、特別抽選の結果をあらかじめ取得する先読みを実行するための処理を行う。記憶先読み処理によって取得された特別抽選の結果に基づいて、周辺制御基板1510に所定のコマンド(特別図柄保留数指定コマンド)を送信することで、特別図柄の変動表示が開始される前に結果を示唆する特図先読み演出を実行することが可能となる。
記憶先読み処理が開始されると、主制御MPUは、まず、制御データ(始動入賞時制御データテーブル)のアドレスを退避させる(ステップS240)。さらに、保留コマンドとして先読み無し時保留コマンドを設定する(ステップS242)。
続いて、主制御MPUは、始動入賞のタイミングと、実際に変動が開始されるタイミングとで、変動パターンを選択するためのテーブルが変化するか否かを判定する(ステップS244)。具体的には、変動パターンを選択するためのテーブルが、始動入賞時と変動開始時とで異なるか否かを判定し、変動パターンを選択するためのテーブルが異なる場合に先読みを禁止する。例えば、時短状態の維持回数(ゲーム数)又は変動テーブルの維持回数(ゲーム数)が保留数の上限数(例えば、特別図柄が1個の場合で保留数の上限数が4個の場合には4回、特別図柄が2個の場合で、各保留数の上限数の合算値が8個の場合8回、特別図柄が2個の場合でも、一方の図柄を優先して変動表示を開始する場合には、優先する側の保留数の上限数等)以内の場合には先読みを禁止する。主制御MPUは、変動パターンを選択するためのテーブルが変化する場合には(ステップS244の結果が「yes」)、先読みに関する処理を実行せずに、ステップS282以降の処理を実行する。
一方、主制御MPUは、変動パターンを選択するためのテーブルが変化しない場合には(ステップS244の結果が「no」)、先読み判定禁止期間であるか否かを判定する(ステップS246)。
ここで、先読み判定禁止期間の判定について説明する。先読み判定禁止期間であるか否かは図205に示した予告許可判定データアドレステーブルに基づいて判定される。具体的には、入賞した始動口(始動口識別エリアの設定値)に対応する予告許可判定データアドレステーブルをセットし、特別図柄・電動役物動作番号、時短中フラグに応じた予告許可判定データを取得する。取得した予告許可判定データが“00H”(_RENZOCK_OK)であれば先読み許可、“01H”(_RENZOCK_NG)であれば先読み禁止とする。予告許可判定データについては、図205に示す。
図205は、予告許可判定データに関連するテーブルの一例であり、(A)は予告許可判定データアドレステーブル、(B)は予告許可判定データの一例を示す。予告許可判定データアドレステーブルは、特別図柄1に対応した判定テーブル(RNEZO_CK1_W)と、特別図柄2に対応した判定テーブル(RNEZO_CK2_W)とが定義されている。また、予告許可判定データは、特別図柄動作番号(T_JOB_NO)に基づくデータ(RENZO_CK1_B)と、時短中フラグ(JITAN_FG)に基づくデータ(RENZO_CK2_B,RENZO_CK3_B)とが定義されている。
予告許可判定データアドレステーブルの基本構造としては、1バイト目は当該テーブルを参照する回数、2バイト目は参照元となる情報(参照先のRAMエリアの下位アドレス)、3、4バイト目は先読み禁止期間判定の参照テーブルアドレスとなっている。2〜4バイト目(3バイト)のデータを基本単位として、参照する回数分この基本単位のデータが設定される。本実施形態では、参照する回数として2回分のデータが設定されているが、当然のことながら、2回に限定されず、1回分であってもよいし、3回以上であってもよい。このようなデータ構造にすることで、プログラムコードの修正をすることなくデータ値のみの修正でどのような仕様にも対応できるようになっている。
例えば、特別図柄・電動役物動作番号が特別図柄変動中(HEND)であれば、予告許可判定データが“00H”(_RENZOCK_OK)となり、先読みが許可される。なお、特別図柄・電動役物動作番号は数値データであり、例えば、特別図柄の変動中を示すHENDは1となり、その他、特別図柄の変動待ち(IDOL)では0などとなる。また、第一始動口2002に遊技球が入賞して時短状態(時短フラグ(JITAN_FG)が1)であれば、予告許可判定データ2(RENZO_CK2_B)が先読み禁止期間判定の参照テーブルとして選択され、時短フラグに対応した値が決定される。このとき、時短フラグが1であるので、予告許可判定データ2の2行目のデータである_RENZOCK_NG(“01H”=先読み判定禁止期間に対応)が選択され、ステップS246の判定処理において先読みが規制される。予告許可判定データ3(RENZO_CK3_B)は、特図2に対応した先読み禁止期間の参照テーブルであり、データの選択については、予告許可判定データ2(RENXO_CK2_B)と同様であるため詳細な説明については省略する。
なお、図205に示した例では、特別図柄1と特別図柄2とで別々の判定テーブルで定義しているが、内容が同じであれば共通のテーブルを使用してもよいし、特別図柄ごとにまったく異なる内容としてもよい。
また、予告許可判定データアドレステーブルによる判定結果に関わらず、特図先読み演出が実行中の場合には、重複して先読み演出を実行しないようにするために、先読み判定禁止期間と判定してもよい。
ここで図204の記憶先読み処理のフローチャートの説明に戻る。主制御MPUは、先読み判定禁止期間の場合には(ステップS246の結果が「yes」)、先読み判定を行わず、ステップS282以降の処理を実行する。
一方、主制御MPUは、先読み判定禁止期間でない場合には(ステップS246の結果が「no」)、入賞した始動口及び保留球数に対応した特別図柄保留記憶エリア(保留数毎の乱数を記憶するエリアの総称)に記憶された乱数値を保留1個分の対応した特別図柄保留記憶エリア分(本実施形態では7バイト分)設定された特別図柄保留記憶バッファ(大当り判定用乱数バッファから特別図柄用乱数バッファの総称)に格納する(ステップS248)。そして、特別図柄保留記憶バッファに格納された乱数に基づいて、先読み判定と変動開始時の判定を行う。すなわち、先読み時には、保留数に対応させて記憶した特別図柄保留記憶エリアの内容を当該バッファに記憶させ、変動開始時には特別図柄保留記憶エリアの先頭のエリアの情報を当該バッファに記憶させることで、先読み時と変動開始時とで共通の参照先で判定が可能となり、いずれの場合であっても以降の処理(大当り判定等の処理)を共通化して使用することが可能となる。
特別図柄保留記憶エリアは、特別図柄1及び時別図柄2について、大当り判定用乱数記憶Nエリア、リーチ判定用乱数記憶Nエリア、変動パターン用乱数1記憶Nエリア、変動パターン用乱数2記憶Nエリア、変動タイプ用乱数記憶Nエリア及び特別図柄用乱数記憶Nエリアを含む(Nは1〜4)。また、特別図柄保留記憶バッファは、大当り判定用乱数バッファ、リーチ判定用乱数バッファ、変動パターン用乱数1バッファ、変動パターン用乱数2バッファ、変動タイプ用乱数バッファ及び特別図柄用乱数バッファを含む。
ステップS248の処理では、例えば、特別図柄1の3個目の保留記憶を特別図柄保留記憶バッファに格納する場合には、特別図柄1大当り判定用乱数記憶3エリアの値を大当り判定用乱数バッファ、特別図柄1リーチ判定用乱数記憶3エリアの値をリーチ判定用乱数バッファ、特別図柄1変動パターン用乱数1記憶3エリアの値を変動パターン用乱数1バッファ、特別図柄1変動パターン用乱数2記憶3エリアの値を変動パターン用乱数2バッファ、特別図柄1変動タイプ用乱数記憶3エリアの値を変動タイプ用乱数バッファ、特別図柄1特別図柄用乱数記憶3エリアの値を特別図柄用乱数バッファに格納する。
そして、主制御MPUは、ステップS248の処理で設定された特別図柄保留記憶バッファに格納された各乱数を参照して、特別抽選の結果を判定する特別図柄大当り判定処理を実行する(ステップS250)。特別図柄大当り判定処理の詳細については、図207にて後述する。
さらに、主制御MPUは、特別抽選の結果(大当り)の種類(特別図柄)を判定する特別図柄判定処理を実行する(ステップS252)。特別図柄判定処理の詳細については、図208にて後述する。
続いて、主制御MPUは、大当りフラグ格納エリアとして、大当りフラグバッファを設定する(ステップS254)。大当りフラグバッファ(特別図柄当選フラグバッファ(T_HIT_FGBF))とは、先読み判定時に大当りフラグ等を記憶する領域である。なお、変動開始時には、大当りフラグエリア(特別図柄当選フラグエリア)に大当り判定結果が記憶される。
特別抽選の先読みに係るバッファには、特別図柄当選フラグバッファ(T_HIT_FGBF)の他に、大当り図柄種別バッファ(BRZ_TPBF)、変動パターンバッファ(T_HD_PTBF)、変動タイプ種別バッファ(T_HD_TPBF)、図柄種別コマンドバッファ(TZTP_CMBF)、特別図柄識別フラグバッファ(T_MOV_FGBF)及び特別図柄作動保留球数バッファ(T_SID_CTBF)が含まれる。
なお、普通抽選についても、特別抽選の場合と同様に、普通抽選の先読みに係るバッファが設けられている。普通抽選の先読みに係るバッファには、当りフラグバッファ(F_HIT_FGBF)、普通図柄種別エリアバッファ(F_FZ_TPBF)及び普通図柄作動保留球数バッファ(F_SID_CTBF)が含まれる。このようにバッファを設けることによって、特別抽選の場合と同様に、先読み時と変動開始時とで処理を共通化することが可能となる。
さらに、主制御MPUは、変動パターンを選択するための情報を保持する特別図柄変動振分情報源アドレステーブルとして、特別図柄変動振分情報源アドレステーブル1を設定する(ステップS256)。その後、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択判定処理を実行する(ステップS258)。なお、変動パターン選択判定処理の詳細については、図209にて後述する。
変動パターン選択判定処理が終了すると、主制御MPUは、変動パターンバッファに抽出された変動パターン値を設定し(ステップS260)、さらに、変動タイプ種別値を取得する変動タイプ判定処理を実行する(ステップS262)。変動タイプ種別値とは、各変動パターンに定義された変動タイプを特定するためのパラメータである。一の変動パターンには、一又は複数の変動タイプを定義可能となっている。変動タイプは、例えば、擬似連続変動に対応する変動パターンが選択された場合における、擬似連続変動の種類に対応する。主制御MPUは、変動タイプ種別値が選択されると、当該選択された変動タイプ種別値を変動タイプ種別バッファに設定する(ステップS264)。
その後、主制御MPUは、大当り判定用乱数バッファから特別図柄用乱数バッファまでの値をクリアする(ステップS266)。これは、大当り判定を行う際に値が残ることで誤動作することを防ぐためである。
さらに、主制御MPUは、先読み結果を示すコマンド(図柄種別先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド及び変動タイプ先読みコマンド)を、周辺制御基板1510に送信するためのコマンドバッファに設定する(ステップS268〜S278)。さらに、先読み有り時保留コマンド参照値を保留コマンド参照値に設定する(ステップS280)。
そして、主制御MPUは、ステップS240の処理で退避されていた制御データ(始動入賞時制御データテーブル)のアドレスを復帰させる(ステップS282)。最後に、設定された保留コマンド参照値に基づいて、保留球数コマンドを取得し(ステップS284)、当該取得された保留球数コマンド(特別図柄保留球数指定コマンド)をコマンドバッファに設定する(ステップS286)。
ここで、保留球数コマンド(特別図柄保留球数指定コマンド)を取得する手順についてさらに説明する。ステップS282の処理で復帰させた制御データのアドレスには、遊技球が入賞した入賞口(始動口識別エリアの値)に対応する始動口入賞時制御データテーブルのアドレスが設定されている。前述のように、始動口入賞時制御データテーブルの構造が始動口識別エリアの値にかかわらず共通となっているため、以降の処理を共通化することが可能となっている。
図206は、特別図柄保留球数コマンドに関連するテーブルを示す図であり、(A)は特別図柄保留球数コマンドアドレステーブル、(B)は特別図柄保留球数指定コマンド作成テーブルの一例である。始動口入賞時制御データテーブルには、図176に示したように、特別図柄保留球数コマンドアドレステーブルのアドレスが含まれており(各データテーブルの先頭アドレスに設定されたデータ(T1_SCT_CM_W,T2_SCT_CM_W))、当該アドレスから特別図柄保留球数コマンドアドレステーブルを参照することができる。
主制御MPUは、入賞した始動口に対応して特別図柄1に対応する特別図柄1保留球数コマンドアドレステーブル(T1_SCT_CM_W)又は特別図柄2に対応する特別図柄2保留球数コマンドアドレステーブル(T2_SCT_CM_W)を参照し、ステップS242又はステップS280の処理でセットされた保留コマンド参照値に基づいて、特別図柄保留球数コマンドアドレステーブルから対応する特別図柄保留球数指定コマンド作成データのアドレスを特定する。図206(B)に示すように、特別図柄保留球数指定コマンド作成データは、特別図柄ごとに、先読み禁止時の保留コマンド生成テーブルと(上段、T1_SCT_CM1_B,T2_SCT_CM1_B)、先読み許可時の保留コマンド生成テーブルと(下段、T1_SCT_CM2_B,T2_SCT_CM2_B)が定義されている。
そして、主制御MPUは、特別図柄保留球数指定コマンド作成データに基づいて特別図柄保留球数指定コマンドを作成する。特別図柄保留球数指定コマンド作成データ(T1_SCT_CM1_B、T1_SCT_CM2_B、T2_SCT_CM1_B、T2_SCT_CM2_B)のデータ構成は、3バイトのデータで構成される。1バイト目のデータが保留数を参照する記憶領域(RAM)の下位アドレス、2バイト目のデータがコマンドのモードデータとして設定する値のデフォルト値、3バイト目のデータがコマンドのステータスデータ値となる。例えば、特別図柄1保留記憶数(T1_SID_CT)が3(保留数3の場合)で、先読みありの場合の特別図柄保留球数指定コマンドは、特別図柄1保留球数指定コマンド作成データ2(T1_SCT_CM2_B)に基づいて作成される。具体的には、ステータス値が“62H”、モード値が“02H”(保留数3−1)+“11H”(デフォルト値)=“13H”となり、特別図柄保留球数指定コマンドは“6213H”となる。最後に、作成した特別図柄保留球数指定コマンドをコマンドバッファに設定する。
また、図206(B)に示したように、特別図柄保留球数指定コマンド作成データの2バイト目のデータ(モード値のデフォルト値)は、先読み禁止の場合には“01H”、先読み許可の場合には“11H”となっている。したがって、特別図柄保留球数指定コマンドのモード値の上位ビットは、保留数を加算した後であっても先読み禁止の場合には“0”、先読み許可の場合には“1”となる。そのため、特別図柄保留球数指定コマンドを受信した周辺制御基板1510は、特別図柄保留球数指定コマンドのモード値を参照することによって、先読みの有無を判断することができる。これにより、周辺制御基板1510は、特別図柄保留球数指定コマンドを受信してモード値を参照することによって、特図先読み演出を実行するために必要な情報(コマンド)を受信するまで待機するか否かを決定することができる。すなわち、特別図柄保留球数指定コマンドのモード値の上位ビットが“0”であれば、先読み関連のコマンドを受信せずに処理を継続することが可能となる。なお、特別図柄保留球数指定コマンド作成データに設定されるデータ構成の順序は、当該記載順に限定されず、例えば、2バイト目に保留数を参照する記憶領域の下位アドレスが設定される等、予め定められた順に設定されていればよい。さらには、3バイト(3情報)に限定されず、予め定められたデータ構成であれば、保留数コマンド出力に伴うような他の情報について設定されていてもよい。
[10−2.特別図柄大当り判定処理]
続いて、記憶先読み処理における特別図柄大当り判定処理(ステップS250)について説明する。図207は、本実施形態における特別図柄大当り判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。特別図柄大当り判定処理は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数に基づいて、特別抽選の結果が大当りか否かを判定する。本処理は、特別抽選の先読み時と、特別図柄の変動開始時(変動表示確定時)に共通して使用される。
主制御MPUは、まず、大当り判定用乱数バッファから大当り判定用乱数を取得する(ステップS300)。続いて、特別図柄大当り判定下限値データ(大当り判定用の下限値テーブル)から確変フラグに基づいて、特別抽選を行うための特別図柄大当り判定下限値を取得する(ステップS302)。特別図柄大当り判定下限値データ(大当り判定用の下限値テーブル)には、確変フラグに対応して特別図柄大当り判定下限値が定義されている。確変フラグは、確率状態が通常確率(低確率)か高確率かを示す情報であって、低確率であれば“00H”、高確率であれば“01H”が設定されている。特別図柄大当り判定下限値データは、確率状態に応じた値が設定されており、確変フラグに基づいて下限値データが選択され、下限値データを異ならせることで抽選確率を異ならせることが可能となっている。
続いて、主制御MPUは、ステップS300の処理で取得された大当り判定用乱数が、ステップS302の処理で取得された大当り判定下限値よりも小さいか否かを判定する(ステップS304)。大当り判定用乱数が大当り判定下限値よりも小さくない場合(ステップS304の結果が「no」)、すなわち、大当り判定用乱数が大当り判定下限値以上の場合には、大当り判定用乱数が大当り判定上限値より大きいか否かを判定する(ステップS306)。なお、本実施形態では、大当り判定用乱数が生成される範囲が0から上限値までとなっており、さらに、大当りと判定される乱数の範囲が大当り判定下限値から上限値までの範囲となっている。そのため、本来であれば、大当り判定用乱数が大当り判定下限値以上であれば大当りと判定してもよいが、ノイズ等の影響で大当り判定用乱数に上限値を超えた値が設定されてしまった場合にも大当りと判定されてしまうおそれがある。本実施形態ではこのような誤動作を防止するために、上限値とも比較している。
主制御MPUは、大当り判定用乱数が大当り判定上限値より大きくない場合(ステップS306の結果が「no」)、すなわち、大当り判定用乱数が大当り判定上限値以下の場合には、大当りフラグに大当り当選を設定する(ステップS308)。具体的には、フラグ設定値として大当り当選を設定し、大当りフラグ格納エリアに当該フラグ設定値を格納する。なお、大当りフラグ格納エリアは、前述のように、変動開始時には大当りフラグエリア(特別図柄当選フラグエリア)、先読み判定時には大当りフラグバッファ(特別図柄当選フラグバッファ)となっている。
一方、主制御MPUは、大当り判定用乱数が大当り判定下限値よりも小さい場合(ステップS304の結果が「yes」)、又は、大当り判定用乱数が大当り判定上限値よりも大きい場合には(ステップS306の結果が「yes」)、大当りフラグに当選なし(はずれ)を設定する(ステップS310)。これにより、上限値よりも大きいと判断された場合においても下限値よりも小さいと判断された場合のように、大当りフラグがはずれとなる値が設定されることで、上限値を超えた値が設定されたとしても、誤って大当りと判定されることを防止している。以上のように、大当りフラグが設定されると、特別図柄大当り判定処理を終了する。
[10−3.特別図柄判定処理]
続いて、記憶先読み処理における特別図柄判定処理(ステップS252)の詳細について説明する。図208は、本実施形態における特別図柄判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。特別図柄判定処理は、始動入賞時に抽出された大当り図柄判定用乱数に基づいて特別図柄を特定する。
主制御MPUは、まず、大当りフラグ格納エリア(大当りフラグエリア又は大当りフラグバッファ)から大当りフラグを取得する(ステップS320)。そして、大当りフラグの内容が大当り当選か否かを判定する(ステップS322)。大当りフラグの内容が大当り当選でない場合には(ステップS322の結果が「no」)、特別図柄番号値にはずれ図柄コマンド値(0)をセットする(ステップS330)。さらに、特別図柄番号値を図柄種別コマンドのモード値に設定し(ステップS332)、特別図柄判定処理を終了する。
一方、主制御MPUは、大当りフラグの内容が大当り当選の場合には(ステップS322の結果が「yes」)、大当り図柄乱数に基づいて、特別図柄判定データアドレステーブルから大当り図柄番号及び大当り図柄種別番号を取得する(ステップS324)。大当り図柄は複数定義されているために、大当り図柄乱数に基づいて特別図柄判定データアドレステーブルから大当り図柄番号が取得される。大当り図柄種別番号は、大当りの種類に一対一に対応した番号である。大当り図柄番号に基づいて、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器に表示される特別図柄(本特図)が遊技者から視認し難くするため、大当り図柄番号が同一の大当り種別に対して複数備えられている。一方、はずれ図柄は1種類のため、テーブルから選択されるのではなく、はずれ図柄番号には所定の値(はずれ図柄コマンド値(0))が設定される。
さらに、主制御MPUは、大当り図柄種別番号に基づいて、大当り図柄を周辺制御基板1510に通知するための図柄種別コマンドを設定する(ステップS326)。最後に、大当り図柄番号に基づいて特別図柄番号値を設定し(ステップS328)、特別図柄判定処理を終了する。
[10−4.変動パターン選択判定処理]
続いて、記憶先読み処理における変動パターン選択判定処理(ステップS258)の詳細について説明する。図209及び図210は、本実施形態における変動パターン選択判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。変動パターン選択判定処理は、特別図柄の変動表示における変動パターンを選択するための処理である。なお、本処理は先読み時と同様に変動開始時にも実行され、先読み時と変動開始時とで同じ変動パターンテーブルを参照する。
主制御MPUは、まず、変動テーブル番号に基づいて変動情報源テーブルを取得する(ステップS340)。変動テーブル番号は、変動情報源アドレステーブルから変動情報源テーブルを選択(取得)するための値である。変動情報源テーブルは、遊技状態に応じた特別図柄1と特別図柄2の、当り(当り変動選択情報状態テーブル)、はずれ(はずれ変動選択情報状態テーブル)、リーチ(リーチ変動選択情報状態テーブル)、リーチ確率(特別図柄リーチ確率テーブル)、変動タイプ(変動タイプ判定データテーブル)を参照するためのテーブル情報が記憶されたデータテーブルである。
続いて、主制御MPUは、特別図柄識別値を取得し、変動パターン選択値変動特別識別エリアに格納する(ステップS342)。さらに、特別図柄識別値と特別図柄別変動振り分け情報源テーブルの1ブロック分のデータ数に基づいて、変動情報源テーブルの特別図柄(特別図柄1又は特別図柄2)に対応する領域を特定する(ステップS344)。続いて、特別抽選の結果を導出するための当り判定値(先読み時であれば特別図柄当選フラグバッファ又は変動開始時であれば特別図柄当選フラグエリアに格納された当落結果の値(例えば、00H:はずれ、01H:大当り、02H:小当り)を取得する(ステップS346)。
主制御MPUは、当り判定値が大当り値若しくは小当り値と一致するか否かを判定することによって大当り若しくは小当りに当選したか否かを判定する(ステップS350)。大当り若しくは小当りに当選した場合には(ステップS350の結果が「yes」)、状態フラグに基づいて、当り変動選択情報状態テーブルから大当り変動選択情報種別テーブルを検索する(ステップS352)。このとき、検索された大当り変動選択情報種別テーブルのアドレスを退避しておく。大当り変動選択情報種別テーブルは、大当り変動種別(大当り変動パターンを決定する前の段階の変動グループであって、例えば、SP1系リーチ、SP2系リーチ等のように、最終的に決定される変動パターン群をグループ単位でまとめられたもの)を選択するためのテーブルである。特別抽選の結果が小当りに当選した場合と大当りに当選した場合とで、変動パターンの選択は、大当り図柄種別に設定された値に基づいて決定しており、大当り図柄種別番号は大当りと小当りとで異なる値が設定されていることから大当りと小当りとで共通の処理により変動パターンを選択することが可能となっている。
次に、主制御MPUは、大当り図柄種別(先読み時であれば大当り図柄種別バッファ、又は、変動開始時であれば大当り図柄種別エリアに格納された値)を取得する(ステップS354)。設定された大当り図柄種別はステップS358の変動情報番号検索処理で使用される。
続いて、主制御MPUは、変動パターン選択時変動特図識別エリアの値に応じた、変動パターン振分用図柄種別設定データ選択テーブルを選択する。(ステップS356)。変動パターン振分用図柄種別設定データ選択テーブルとは、大当り変動選択情報種別テーブルから当り時変動パターン選択値データテーブルを決定するための種別を、(当り)図柄種別の値に基づいて決定するためのテーブルである。
次に、主制御MPUは、ステップS354の処理で取得された大当り図柄種別を比較値として変動情報番号検索処理を実行することによって変動情報番号(大当り変動選択情報種別テーブルから当り時変動パターン選択値データテーブルを決定するための種別値)を取得する(ステップS358)。さらに、退避していた大当り変動選択情報種別テーブルを検索データとして設定する(ステップS360)。また、ステップS358の処理によって、変動情報番号検索処理の結果である変動情報番号を選択値として設定する(ステップS362)。
一方、主制御MPUは、大当り若しくは小当りに当選していない場合には(ステップS350の結果が「no」)、検索データとして特別図柄リーチ確率テーブルを設定する(ステップS364)。そして、特別図柄リーチ確率テーブルから状態フラグに対応する特別図柄リーチ確率データを検索する(ステップS366)。状態フラグとは、遊技状態に対応して数値化されたデータが設定されており、本実施形態においては、00H(低確率非時短(通常遊技)状態)、01H(高確率時短状態)、02H(低確率時短状態)、03H(高確率非時短状態)の何れかの値が設定されている。これにより、遊技状態に応じた特別図柄のリーチ確率を選択することが可能となっている。さらに、特別図柄リーチ確率データ及び保留球数(当該先読み若しくは変動が特別図柄1か特別図柄2かに対応した保留球数)に基づいて、リーチを発生させるか否かを判定するためのリーチ判定しきい値を取得する(ステップS368)。続いて、主制御MPUは、検索データとしてリーチ変動選択情報状態テーブルを設定する(ステップS370)。
続いて、主制御MPUは、始動入賞に対応する変動表示においてリーチを発生させるか否かを判定する(ステップS372)。具体的には、リーチ判定用乱数バッファからリーチ判定用乱数を取得し、ステップS368の処理で取得されたリーチ判定しきい値と比較する。リーチ判定用乱数よりもリーチ判定しきい値が大きい場合にリーチを発生させる。
主制御MPUは、当該変動表示においてリーチを発生させない場合には(ステップS372の結果が「no」)、検索データとしてはずれ変動選択情報状態テーブルを設定する(ステップS374)。さらに、はずれ変動選択情報状態テーブルから状態フラグに対応するはずれ変動選択情報保留テーブルを検索し(ステップS376)、検索されたはずれ変動選択情報保留テーブルを検索データとして設定する(ステップS378)。さらに、選択値に保留球数(当該先読み若しくは変動が特別図柄1か特別図柄2かに対応した保留球数)を設定する(ステップS380)。
ステップS374からステップS380の処理は、リーチが発生しない通常はずれの場合に変動パターンを選択する処理である。通常はずれの場合には、変動パターンを保留数に応じて変化させる必要があり、例えば、保留数が多い場合には、少ない場合と比較して、変動時間が短い変動パターンが選択される可能性が高くなるように設定された変動パターンテーブルが選択される。
一方、主制御MPUは、当該変動表示においてリーチを発生させる場合には(ステップS372の結果が「yes」)、選択値として状態フラグを設定する(ステップS382)。リーチを発生させる場合には、保留数で変動時間の長短を決定していないが、通常はずれの場合と同様に保留数によって変動時間を変化させてもよい。具体的には、同じリーチ変動でも、保留数が多い場合には、少ない場合と比較して所定の変動時間(例えば、変動開始直後の高速変動時間)を調整するようにしてもよい。この場合には、変動時間が異なることから、異なる変動パターンコマンドが設定されることになる。
主制御MPUは、ステップS362、ステップS380又はステップS382の処理が終了すると、このとき設定されている検索データから選択値に対応する変動パターン選択値データテーブルを選択する(ステップS384)。具体的には、特別抽選の結果が大当りの場合には(ステップS362)、検索データとして大当り変動選択情報種別テーブルが設定され、選択値としてステップS358の変動情報番号検索処理の検索結果である変動パターン振分用図柄種別値が設定される。また、特別抽選の結果がはずれ、かつ、リーチが発生する場合には(ステップS382)、検索データとしてリーチ変動選択情報状態テーブルが設定され、選択値として状態フラグが設定される。さらに、特別抽選の結果がはずれ、かつ、リーチが発生しない場合には(ステップS380)、検索データとしてはずれ変動選択情報保留テーブルが設定され、選択値として保留球数が設定される。
続いて、主制御MPUは、変動パターン用乱数1を取得し(ステップS386)、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS388)。変動情報番号検索処理によって変動パターン選択値データテーブルから変動パターン選択データ選択値が取得される。さらに、主制御MPUは、変動パターン選択データアドレステーブルから変動パターン選択データ選択値に対応する変動パターン選択値データテーブルを取得する(ステップS390)。
続いて、主制御MPUは、変動パターン用乱数2を取得し(ステップS392)、変動パターン用乱数2及びステップS390の処理で取得された変動パターン選択値データテーブルに基づいて、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS394)。その後、変動情報番号検索処理の結果に基づいて変動パターンを選択し(ステップS396)、本処理を終了する。
変動パターン選択データテーブルは、変動パターン用乱数2下限値と変動パターン設定値を一組のデータとして、一ないし複数組のデータで構成されている。変動情報番号検索処理を実行することにより、変動パターン用乱数2と、変動パターン選択データテーブルに設定された変動パターン用乱数2下限値とを比較し、変動パターン用乱数2下限値よりも変動パターン用乱数2の値の方が大きいと判定された場合に、その変動パターン用乱数2下限値に対応した変動パターン設定値が選択される。変動パターン用乱数2下限値よりも変動パターン用乱数2の値の方が小さい場合には、次に設定された変動パターン用乱数2下限値と比較し、変動パターン用乱数2の値の方が大きいと判定されるまで変動パターン用乱数2下限値を変更しながら繰り返し実行される。
本実施形態では、変動パターン用乱数1(ステップS386)及び変動パターン用乱数2(ステップS392)の2種類の乱数によって2段階で変動パターンが選択される。まず、変動パターン用乱数1に基づいて変動パターンの種別(○○系リーチといった変動パターン群)を選択する。さらに、変動パターン用乱数2に基づいて変動パターン用乱数1によって選択した変動パターン群から、最終的に変動表示する変動パターン(変動パターンコマンドに設定される値)が選択される。なお、2段階で抽選する方法に限定されず、3段階以上で抽選する方式でもよいし、一の変動パターン用乱数で直接変動パターンを選択するようにしてもよい。なお、現状の各変動パターン用乱数は1バイトで構成されているため、二つの乱数で判定することによって合計2バイト分の乱数で判定した結果と同じになる。一の変動パターン用乱数で変動パターンを選択する場合には、変動パターン用乱数を2バイトで構成すればよい。
[10−5.変動タイプ判定処理]
続いて、記憶先読み処理における変動タイプ判定処理(ステップS262)の詳細について説明する。図211は、本実施形態における変動タイプ判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。変動タイプ判定処理は、前述のように、特別図柄の変動表示における変動パターンに定義された変動タイプを選択するための処理である。
主制御MPUは、まず、変動タイプ判定データテーブルから状態フラグに対応する変動タイプ判定データを検索する(ステップS3100)。続いて、変動パターン設定値を復帰させて比較値として設定し(ステップS3102)、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS3104)。
変動タイプ判定データテーブルは、遊技状態に応じて異なる変動タイプ判定データが設定されており、ステップS3100の処理により遊技状態に対応した変動タイプ判定データが選択される。また、変動タイプ判定データは、変動パターン下限値と変動タイプ選択データ選択値を一組のデータとして、一ないし複数組のデータで構成されている。そして、変動情報番号検索処理を実行することにより、変動パターン選択値と、変動タイプ判定データに設定された変動パターン下限値とを比較し、変動パターン下限値よりも変動パターン選択値の方が大きいと判定された場合に、当該変動パターン下限値に対応した変動タイプ選択データ選択値が選択される。変動パターン下限値よりも変動パターン選択値の方が小さい場合には、次に設定された変動パターン下限値と比較し、変動パターン選択値の方が大きいと判定されるまで変動パターン下限値を変更しながら繰り返し実行される。なお、変動タイプ判定処理を実行する前に、変動情報源アドレステーブルが入力パラメータとして事前に設定されており、この変動情報源アドレステーブルに設定されている変動タイプ判定データテーブルに基づいて変動タイプが判定される。
次に、主制御MPUは、ステップS3104の変動情報番号検索処理によって取得された変動タイプ選択データ選択値に対応する変動タイプ選択データ(のアドレス)を変動タイプ判定データアドレステーブルから検索する(ステップS3106)。
続いて、主制御MPUは、変動タイプ用乱数を比較値として設定し(ステップS3108)、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS3110)。このとき、ステップS3106の処理で取得された変動タイプ選択データが検索データとして設定されており、変動情報番号検索処理によって変動タイプ設定値が取得される。
変動タイプ選択データは、変動タイプ用乱数下限値と変動タイプ設定値を一組のデータとして、一ないし複数組のデータで構成されている。変動情報番号検索処理を実行することにより、変動タイプ用乱数と、変動タイプ選択データに設定された変動タイプ用乱数下限値とを比較し、変動タイプ用乱数下限値よりも変動タイプ用乱数の方が大きいと判定された場合に、その変動タイプ用乱数下限値に対応した変動タイプ設定値が選択される。変動タイプ用乱数下限値よりも変動タイプ用乱数の値の方が小さい場合には、次に設定された変動タイプ用乱数下限値と比較し、変動タイプ用乱数の値の方が大きいと判定されるまで変動タイプ用乱数下限値を変更しながら繰り返し実行される。
図178は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS37)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS37で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS37で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPUのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図173参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図179は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図179に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図180は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図181(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図181(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図181(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率:300分の1)。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に、1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率:300分の1)。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む10種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、290種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率:30分の1)。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の10倍に高められる。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む10種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、290種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率:30分の1)。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS117)。そして、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS119)。
図182は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図182に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS121で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図181(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS124)。
図181(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(15R大当りA、15R大当りB)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、1.15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、15ラウンド目で大入賞口2005を短時間開放(遊技球Bが入球困難な開放。例えば、0.5秒)及び長時間開放(遊技球Bが入球可能(容易)な開放。例えば、20秒)するときに有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りA
2.15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、15ラウンド目で大入賞口2005を短時間開放(遊技球Bが入球困難な開放。例えば、0.5秒)するときに有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りB、の2種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例の15R大当り遊技状態Aでは、15ラウンド目における大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に大入賞口2005を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、15ラウンド目における振分片2415の動作スケジュールとして、大入賞口2005の短時間開放(0.5秒)を開始するときには、振分片2415の短時間作動(0.2秒)を開始し、大入賞口2005の長時間開放(20秒)を開始するときには、振分片2415の長時間作動(10秒)を開始し、それら振分片2415の作動期間中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れ可能となるように設定されている。また、15ラウンド目における第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
一方、本例の15R大当り遊技状態Bでは、15ラウンド目における大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)するように設定されている。また、15ラウンド目における振分片2415の動作スケジュールとして、大入賞口2005の短時間開放(0.5秒)を開始するときには、振分片2415の短時間作動(0.2秒)を開始し、その振分片2415の作動期間中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れ可能となるように設定されている。また、15ラウンド目における第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
上記したように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも15ラウンド目に有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているが、15R大当り遊技状態Aでは、15ラウンド目における大入賞口2005の2回目の開放時に長時間開放(20秒)するため、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられることが極めて容易であり、さらに大入賞口2005を長時間開放(20秒)する期間中に振分片2415を長時間作動(10秒)するため、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bが第二受入口2008に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて容易となっている。このように、15R大当り遊技状態Aでは、有効状態に設定された15ラウンド目で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が極めて高いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて高くなっている。一方、15R大当り遊技状態Bでは、15ラウンド目に大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)しかしないため、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられることが極めて困難であり、さらに大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2415を短時間作動(0.2秒)しかしないため、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bが第二受入口2008に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。このように、15R大当り遊技状態Bでは、有効状態に設定された15ラウンド目で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が極めて低いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて低くなっている。
また、振分片2415の動作スケジュールとしては、振分片2415を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に振分片2415を長時間開放(10秒)するように設定されている単一の動作スケジュールを有しており、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける15ラウンド目を開始するときに、そのような振分片2415の動作スケジュールを開始するようにしている。このように、振分片2415の動作スケジュールを単一の動作スケジュールとすることで、振分片2415の動作スケジュールに関するデータ量を極力増加させないようにしている。
なお、本例の15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1〜14ラウンド目の各々のラウンドにおける大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、1〜14ラウンド目の各々のラウンドにおける振分片2415の動作スケジュールとして、振分片2415を作動させず、その期間中に第二受入口2008ではなく第一受入口2007に遊技球Bが受け入れられるように設定されている。また、1〜14ラウンド目の各々のラウンドにおける第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、無効状態(原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがなく、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。このように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも1〜14ラウンド目では、15ラウンド目のような大入賞口2005の開放時に第二受入口2008に遊技球Bが振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行うことがなく、単純に、大入賞口2005の開放時に遊技球Bが受け入れられるかどうかの遊技を行うようになっている。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図181(B)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りAに対して65個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りBに対して35個の判定値の振分けが設定されている。このように、第一特別図柄側の大当り時には、遊技者の有利度合いが異なる15R大当りA又は15R大当りBのいずれかを決定することから、初大当り時にどのような大当りの種類が決定されるかに注目させることができる。また、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態では、第二特別図柄側の遊技(第二始動口2004への遊技球Bの入球を可能とする遊技)が行われるが、第二特別図柄側の大当り時には、第一特別図柄側の大当り時よりも高い確率で15R大当り遊技Aに決定することから、連荘時にどの程度の賞球量を獲得することができるかに注目させることができる。したがって、初大当り時と連荘時とでゲーム性が変化するため、遊技が単調とはならない。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定し、15R大当りBに決定した場合には大当り図柄として15R大当りB図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS125の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS126の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御IC1510aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように演出表示装置1600を表示制御する。
具体的には、周辺制御IC1510aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が15R大当りA図柄または15R大当りB図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、15R大当りA図柄及び15R大当りB図柄として共通の図柄を用いているため、15R大当りAまたは15R大当りBのいずれかを判別することができない。
また、周辺制御IC1510aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
図183は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図183に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS143)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS145)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS146)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS147)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS149の処理として、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図184は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図184に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図185は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図185に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短フラグがセットされているとともに、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する(ステップS183)。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS184)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS185)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短フラグをリセットし、さらに上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットする(ステップS186)。なお、上記ステップS183の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS185の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS187の処理に移行する。
また、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS187)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS188)、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS189)。そして次に、上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットし、上記時短フラグがセットされている場合には該時短フラグをリセットし、さらに時短回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合には同カウンタ値をリセット(「0」に戻す)した後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし(ステップS190)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS191)、この処理を終了する。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R大当りA、15R大当りB)に応じて個々に用意されている。ステップS188では、大当りの種類に応じた大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図186は、上記大当り制御処理(ステップS39)についてその手順を示すフローチャートである。
上記ステップS189では、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間をインターバルタイマにセットしているが、ステップS401の処理において、このインターバルタイマにセットされた待機時間を経過した後には、同図186に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大入賞口2005を開閉制御するとともに、15ラウンド目に有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定する大入賞口開閉処理(ステップS402)と、15ラウンド目に大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けることが可能となるように振分片2415を駆動制御するとともに、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かを監視する第二受入口開閉処理(ステップS403)と、を順に実行する。
図187は、上記大入賞口開閉処理(ステップS402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS411の処理において、上記大入賞口2005が開放状態にあると判断されるとすると、同図187に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の動作スケジュールに従って、上記大入賞口2005の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに20秒、短時間開放のときに0.5秒)が経過したとき(ステップS412)、あるいは、開放状態の上記大入賞口2005に遊技球Bが最大入賞数(例えば、9個)入賞したときには(ステップS413)、開放状態の上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御する(ステップS414)。そして、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンドを終了すると判断された場合には(ステップS415)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットし(ステップS416)、ステップS428に移行する。
また、ステップS411の処理において、上記大入賞口2005が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図187に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の動作スケジュールに従って、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングになったときに(ステップS417)、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始すると判断された場合には(ステップS418)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び新たなラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする(ステップS419)。そして、上記第二受入口2008の状態設定スケジュールに従って、有効状態フラグをセットするタイミングであると判断された場合、すなわち、上記大入賞口2005を開放する1〜15ラウンド目のうち15ラウンド目の開始時である場合には(ステップS420)、有効状態フラグをセットする(ステップS421)。なお、ステップS420で15ラウンド目の開始時に有効状態フラグがセットされた場合には、15ラウンド目の終了時において、その有効状態フラグをリセットする必要がある。そして、閉鎖状態の上記大入賞口2005又は上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS422)、ステップS428に移行する。なお、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始することにならない(同じラウンド内における2回目の開放など)と判断された場合(ステップS418)、あるいは、有効状態フラグをセットするタイミングではないと判断された場合(15ラウンド目の開始時ではない場合)には(ステップS420)、閉鎖状態の上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS422)、ステップS428に移行する。これにより、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
なお、有効状態フラグは、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定された状態であることを示すフラグである。上記大入賞口2005を開放する1〜15ラウンド目のうち15ラウンド目では、後述する第二受入口開閉処理(ステップS403)で大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御することにより第二受入口2008に遊技球Bを受け入れ可能にするとともに、有効状態に設定するようにしている。
また、ステップS428の処理において、上記大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図187に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大入賞口入球コマンドをセットし(ステップS429)、この処理を終了する。これにより、大入賞口入球コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記大入賞口2005への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
また、ステップS417の処理において、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図187に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の開放状態と閉鎖状態とを繰り返すことにより全てのラウンド数を終了したときに(ステップS423)、大当り実行中フラグをリセットする(ステップS424)。そして、後述する第二受入口通過フラグがセットされていると判断された場合には(ステップS425)、高確率フラグをセットし(ステップS426)、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS427)、この処理を終了する。なお、第二受入口通過フラグがセットされていないと判断された場合には(ステップS425)、高確率フラグをセットすることがなく、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS427)、この処理を終了する。このように、第二受入口通過フラグがセットされている(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた)と判断された場合には、高確率フラグ及び時短フラグをセットし、高確率時短状態に制御するが、第二受入口通過フラグがセットされていない(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった)と判断された場合には、時短フラグのみをセットし、低確率時短状態に制御するようになる。
図188は、上記第二受入口開閉処理(ステップS403)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS431の処理において、上記第二受入口2008が開放状態(振分片2415により第二受入口2008側に遊技球Bが振り分けられる状態)にあると判断されるとすると、同図188に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記振分片2415の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2008の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに10秒、短時間開放のときに0.2秒)が経過したとき(ステップS423)、あるいは、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンド(15ラウンド目)を終了するときには(ステップS433)、開放状態の上記第二受入口2008を閉鎖状態(振分片2415により第一受入口2007側に遊技球Bが振り分けられる状態)に制御する(ステップS434)。
また、ステップS431の処理において、上記第二受入口2008が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図188に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記振分片2415の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2008を開放状態とするタイミングになったときには(ステップS435)、閉鎖状態の上記第二受入口2008を開放状態に制御する(ステップS436)。
次に、ステップS437の処理において、開放状態の上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図188に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、有効状態フラグのセット中で、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かを判断する(ステップS438)。そして、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたと判断された場合には(ステップS438)、その15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたことを示す第二受入口通過フラグがセットされていない場合に(ステップS439)該第二受入口通過フラグをセットし(ステップS440)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして第二受入口通過コマンドをセットした時点で(ステップS411)、この処理を終了する。このように、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられない限りは、第二受入口通過フラグがセットされることがなく、ステップS426で高確率フラグがセットされないため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することがない。また、第二受入口通過コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記第二受入口2008への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
図189は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図189に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図173参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図190は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図190に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS811の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S815の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。そして次に、ステップS815の処理として、主制御MPUは、新たに記憶された普通図柄保留記憶に基づく普通図柄先読み処理を実行する。普通図柄先読み処理の詳細については、図212にて後述する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS815の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
なお、ゲート部通過処理(ステップS802)としては、以下に記載する別例のようにしても良い。例えば、いま、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得し、暫定記憶領域に格納する。その後に、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。そして、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)し、次いで、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数(暫定記憶領域に記憶された上記普通乱数、上記普図変動乱数)を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。一方、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得した結果、このカウンタ値がその最大値である「4」であると判断された場合(上記普通図柄の保留記憶数がその最大値である場合)には、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数を、普通図柄保留記憶領域に格納することなく破棄し、上記取得した普通図柄の変動表示制御は新たに保留されないようにすることとしてもよい。
[10−6.普通図柄先読み処理]
続いて、ゲート部通過処理における普通図柄先読み処理(ステップS815)の詳細について説明する。図212は、本実施形態における普通図柄先読み処理の手順の一例を示すフローチャートである。普通図柄先読み処理では、新たに記憶された普図保留記憶に基づいて普通図柄の変動表示を開始する前に各種乱数を取得し、取得した乱数値に基づいて普図先読み演出を周辺制御基板で決定するための情報(普通図柄種別先読み演出コマンド)を生成し、周辺制御基板1510に対応するコマンドを送信するなどの処理を行う。周辺制御基板1510では、普通図柄種別先読みコマンドを受信すると、普図先読み演出の実行可否を判定し、判定結果に応じた処理を行う。
主制御MPUは、普通図柄先読み処理が開始されると、先読み判定値を先読み禁止に仮設定する(ステップS850)。さらに、処理実行時に先読み判定禁止期間となっているか否かを判定する(ステップS852)。
ここで、先読み判定が禁止された期間について説明する。図213は、先読み判定が禁止される期間の一例を示す図である。本実施形態では、第二始動口扉2411(普通電動役物)の動作(開放)状態によって普通抽選の先読み判定が禁止されるか否かが決定される。
図213に示すように、普通電動役物の動作状態は、遊技状態及び特別先読み演出の態様によって決定される。また、遊技状態には、特別抽選の当選確率に対応する確率状態と、普通抽選における変動時間、当選確率及び普通電動役物の動作態様に対応する時短状態と、が含まれる。確率状態には、低確率状態(通常状態)と、低確率状態よりも特図抽選の当選確率が高い高確率状態(確変状態)とがある。また、時短状態には、非時短状態と、非時短状態よりも遊技者にとって有利な時短状態とがある。本実施形態における時短状態では、非時短状態よりも、普通図柄の変動時間が短く、普図抽選の当選確率が高くなっており、さらに、普通電動役物の動作時間(第二始動口2004に遊技球が入球可能となる時間)が長くなるように構成されている。
また、本実施形態の普通電動役物の開放態様には、時短状態における開放態様の他に、遊技球が第二始動口2004に入球しにくいショート開放と、遊技球が第二始動口2004に十分に入球可能なロング開放の2種類の動作態様がある。さらに、ショート開放とロング開放の開放態様は、非時短状態と時短状態とで異なる態様にしてもよい。非時短状態におけるショート開放は、始動口への入球がしにくい開放態様であるものの、時短状態においては、ロング開放と同様に始動口への入球がし易い開放態様としてもよい。また、ロング開放は、非時短状態と時短状態とで異なる開放態様とし、非時短状態と比較して時短状態の方がさらに始動口への入賞する割合が増える開放態様としてもよい。ショート開放の場合には遊技者が狙って遊技球を第二始動口2004に入球させることが難しいため、ロング開放の場合のみ普図先読み演出が実行されるようになっている。
これに対し、ショート開放の場合にも先読み演出を実行するようにしてもよい。例えば、ロング開放とショート開放とで同一の先読み演出を実行させることで、遊技者がロング開放なのかショート開放なのかが分かりづらくなり、先読み演出による期待感をより増幅させることができる。また、ショート開放とロング開放とで先読み演出の態様を異ならせる若しくは一部のみ異ならせることで、遊技者は何れの開放パターンとなるかを識別可能となり、開放パターンに対応した発射操作を行うことで、遊技に対する興趣を高めることができる。
さらに、先読み演出については、ロング、ショートを問わず、ガセ演出を設けてもよい。ガセ演出とは、先読み演出が実行されるものの、最終的には演出が成功しない(失敗する)ことで、結果的に普通電動役物の開放が行われないことを遊技者に報知するようにしてもよい。ガセ演出は、結果的に遊技者にとって落胆するものとはなるものの、ガセ演出を設けないと先読み演出が行われたときには必ず開放動作が行われるため、先読み演出が実行されることによる遊技者の期待感をより増幅させることを目的とする。また、先読み演出でショート開放かロング開放の何れかが必ず実行されるような確定演出としての先読み演出を設けてもよい。確定演出については、通常の先読み演出とは異なる態様とすることで、遊技者に対し、より期待感を増幅させることができる。
なお、時短状態の場合には、普図抽選の当選確率が高く、また、普通電動役物の開放時間が長いため、ロング開放を報知する利益が遊技者にとって乏しいため、普図先読み演出を実行しないようにしてもよい。
さらに、特図先読み演出が実行されている場合には、普図先読み演出の実行を規制してもよい。本実施形態では、保留表示の態様を変化させる特図先読み演出が実行されている場合には、普図先読み演出を並行して実行することを許可している。一方、背景表示を変化させる特図先読み演出が実行されている場合には、確率状態が低確率であれば普図先読み演出の実行を許可し、確率状態が高確率であれば普図先読み演出の実行を規制している。高確率状態における特図先読み演出では、特別抽選が当選することに対する期待感が高いため、普図先読み演出の効果が低下している可能性があるためである。しかし、普図先読み演出を実行することによって、特図先読み演出が実行されている間に遊技者が遊技球の発射を停止させずに発射の継続を促すことができるため、普図先読み演出を実行するようにしてもよい。また、遊技状態に応じて普図先読み演出の実行を規制してもよく、例えば、大当り遊技状態の場合には普図先読み演出の実行を規制してもよい。
ここで、図212のフローチャートの説明に戻る。主制御MPUは、先読み判定禁止期間となっている場合には(ステップS852の結果が「yes」)、ステップS868以降の処理を実行する。一方、先読み判定禁止期間となっていない場合には(ステップS852の結果が「no」)、先読み判定を実行するために、先読み対象となる当り判定用乱数記憶エリアの内容を当り判定用乱数バッファに格納する(ステップS854)。具体的には、まず、保留球数に対応した区画0〜3の何れかの普通図柄乱数記憶エリアに記憶された乱数値を普通図柄用乱数バッファに格納する。普通図柄用乱数バッファは、ゲート通過時に普通図柄乱数記憶エリアに記憶される乱数値に対応して構成される。本実施形態では、当り判定用乱数と当り図柄用乱数の2バイト分の領域が確保されており、当り判定用乱数バッファと当り図柄用乱数バッファによって構成される。具体的に保留球数が2の場合について説明すると、普通図柄乱数記憶エリアの区画1に記憶された当り判定用乱数と当り図柄用乱数がそれぞれ、当り判定用乱数バッファと当り図柄用乱数バッファに格納される。このように、抽選に係る乱数値を当り判定用乱数バッファに格納し、当り判定用乱数バッファに格納された乱数値に対して「普通図柄当り判定処理」を実行することによって、先読み時の当り判定と変動開始時の当り判定とを共通の処理で行うことが可能となる。
続いて、主制御MPUは、当りフラグ格納エリアとして当りフラグバッファを設定する(ステップS856)。参照/設定先の基準アドレスとして当りフラグバッファのアドレスを設定し、「普通図柄当り判定処理」を実行することで、当り結果、当り図柄、保留数がそれぞれ、当りフラグバッファ、普通図柄種別エリアバッファ、普通図柄作動保留球数バッファに設定/参照されることになる。さらに、主制御MPUは、普通図柄の当り判定を行う普通図柄当り判定処理を実行する(ステップS858)。普通図柄当り判定処理の詳細については、図214にて後述する。その後、当り判定用乱数バッファと当り図柄乱数バッファをクリアする(ステップS860)。
主制御MPUは、当り判定用乱数バッファと当り図柄乱数バッファをクリアすると、コマンドデータとして普通図柄種別先読みコマンド作成データを設定し(ステップS862)、普通図柄種別先読みコマンド作成データの内容を参照して普通図柄の先読みコマンド(普通図柄種別先読み演出コマンド)を生成し、コマンドバッファに設定する(ステップS864)。さらに、先読み判定値を先読み許可に再設定する(ステップS866)。
主制御MPUは、ステップS866の処理終了後、又は、先読み判定禁止期間の場合には(ステップS852の結果が「yes」)、コマンドデータとして普通図柄作動保留球数コマンド作成データ1を仮設定する(ステップS868)。さらに、先読み判定値が先読み禁止であるか否かを判定し(ステップS870)、先読み判定値が先読み禁止でない場合(ステップS870の結果が「no」)、すなわち、先読み判定値が先読み許可の場合には、コマンドデータとして普通図柄作動保留球数コマンド作成データ2を再設定する(ステップS872)。このように、普通図柄作動保留球数コマンドは、先読み許可時と先読み禁止時とで異なるコマンドが作成され、例えば、先読みの許可又は禁止によって異なるモードが設定される。最後に、主制御MPUは、ステップS868又はステップS872の処理で設定されたコマンドデータに基づき先読み許可時又は先読み禁止時の普通図柄作動保留球数コマンドを生成してコマンドバッファに設定する(ステップS874)。
[10−7.普通図柄当り判定処理]
続いて、普通図柄先読み処理における普通図柄当り判定処理(ステップS858)の詳細について説明する。図214は、本実施形態における普通図柄当り判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。普通図柄当り判定処理では、普通抽選の結果を判定する処理を行う。
主制御MPUは、普通図柄当り判定処理が開始されると、まず、当り判定用乱数バッファの値を比較値として設定する(ステップS900)。さらに、時短遊技状態か否かに基づいて普通図柄当り判定下限値データテーブルから当り値の下限等を選択し、普通図柄当り判定下限値データを設定する(ステップS902)。なお、普通図柄は、時短中に高確率となり、時短中における当り値の数は、非時短中の当り値の数よりも多くするため、下限等の値が時短中の方が小さい値となる(当り値の総数が多くなる)ようになっている。さらに、主制御MPUは、普通図柄当選判定値にデフォルト値として普通図柄当選なしを仮設定する(ステップS904)。
続いて、主制御MPUは、ステップS900の処理で設定された比較値がステップS902の処理で設定された当り判定下限値よりも小さいか否かを判定する(ステップS906)。比較値が当り判定下限値よりも小さい場合には(ステップS906の結果が「yes」)、普図抽選に当選しなかったので、当りフラグ格納エリアに仮設定された普通図柄当選判定値(普通図柄当選なし)を格納する(ステップS922)。さらに、普通図柄種別格納エリアにも普通図柄当選判定値を格納する(ステップS924)。すなわち、はずれ時には、当りフラグ格納エリアと普通図柄種別格納エリアにそれぞれはずれ値である“0”(普通図柄当選なし)を設定する。
一方、主制御MPUは、比較値が当り判定下限値以上の場合には(ステップS906の結果が「no」)、さらに、比較値が当り判定上限値よりも大きいか否かを判定する(ステップS908)。比較値が当り判定上限値よりも大きい場合には(ステップS908の結果が「yes」)、普図抽選に当選しなかった場合と同様にはずれと判断し、当りフラグエリアと普通図柄種別エリアにそれぞれはずれ値である“0”を設定する。なお、特図の場合と同様に、本来であれば、当り判定用乱数が当り判定下限値以上であれば当りと判定してもよいが、ノイズ等の影響で当り判定用乱数に上限値を超えた値が設定されてしまう誤動作に対応するために、上限値とも比較している。
主制御MPUは、比較値が当り判定上限値以下の場合には(ステップS908の結果が「no」)、普図抽選に当選したと判断し、普通図柄当選判定値として、普通図柄当選(“1”)を設定する(ステップS910)。そして、普通図柄当選判定値(普通図柄当選)を当りフラグ格納エリアに格納する(ステップS912)。
続いて、主制御MPUは、検索データとして普通図柄判定データ1を設定する(ステップS914)。さらに、比較値として、当り図柄用乱数を設定し(ステップS916)、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS918)。変動情報番号検索処理によって当り図柄乱数バッファの値に基づいて普通図柄判定データ1を検索して当り図柄種別を決定し、決定した当り図柄種別を普通図柄種別格納エリアに格納する(ステップS920)。
以上のように、普通図柄当り判定処理では、当りフラグ格納エリア及び普通図柄種別格納エリアに判定結果を格納する。そして、当りフラグ格納エリア及び普通図柄種別格納エリアに、先読み時と変動時とで異なる領域を事前に設定することによって、先読み時と変動時とで処理を共用することが可能となっている。具体的には、普通図柄の変動開始時には当りフラグ格納エリアに当りフラグエリアを設定し、普通図柄種別格納エリアに普通図柄種別エリアを設定する。一方、先読み時には当りフラグ格納エリアに当りフラグバッファを設定し、普通図柄種別格納エリアに普通図柄種別エリアバッファを設定する。以上のように構成することによって、本実施形態では、特別抽選の場合と同様に、普通抽選についても、先読み時と変動開始時とで処理を共通化することが可能となっている。
図191は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図191に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPUのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)であれば(ステップS826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態)であれば(ステップS825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が時短時(低確率時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御することがない。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS833)、この処理を終了する。
本例では、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を251/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなるとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を極端に短い所定時間(例えば、0.3秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004を極端に長い所定時間(例えば、5.5秒)の間、開状態として閉鎖する開閉パターンで制御している。つまり、上記時短状態の制御中には、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bを入賞させることを格段に容易とし、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができる。なお、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を0/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなることがなく、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができない。
上記したように、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができないため、上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の左側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「左打ち」)しなければならない。また、上記センター役物2500の左側の遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bがその障害釘Nに当接することで、遊技球Bに様々な動きが付与されて流下するようになっている。このため、上記第一始動口2002を狙って上記センター役物2500の左側に遊技球Bを打ち込んだとしても、上記第一始動口2002に入賞するとは限らず、上記第一始動口2002に入賞しなかった遊技球Bは、遊技領域5aの左右方向中央下端に設けられたアウト口1008から外部に排出される。
一方、上記時短状態の制御中には、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができるため、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の右側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「右打ち」)しなければならない。また、遊技盤5の構造上、上記第二始動口2004を開放したときに、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むと、上記ゲート部2003を通過した遊技球Bが、上記第二始動口2004に極めて高い確率で入賞するようになっている。このため、上記時短状態の制御中では、上記センター役物2500の右側に打ち込んだ遊技球Bが無駄となる(アウト口1008から外部に排出される)ことが殆どなく、上記非時短状態の制御中における上記第一始動口2002と比べて、遊技球Bが極めて効率良く上記第二始動口2004に入賞するようになる。
また、上記時短状態の制御中には、遊技盤5の構造に加え、上記ゲート部2003を通過したときに、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開放状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞しやすく、さらに、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞したときに、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間を1秒程度とし、上記非時短状態の制御中における10〜120秒の範囲と比べて極めて短くなるため、短時間で上記特別図柄の変動表示制御(上記特別図柄の変動表示制御の保留)を消化することができる。すなわち、大当り遊技状態の終了後に上記時短状態に制御した場合には、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むことで、短時間で再び大当りとなって大当り遊技状態に制御し、多くの遊技球Bの獲得を期待することができる。なお、上記したように本実施形態では、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞により払出される遊技球Bの数を、1個としているので、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞が頻繁に起きたとしても、遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
以上、主制御基板1310において実行される特別抽選及び普通抽選にかかる主な処理について説明した。本実施形態における遊技制御を実行するためのプログラムは、例えば、複数のモジュールによって構成されている。図215は、本実施形態における主制御プログラムのモジュール構成を説明する図である。図215では特別図柄及び特別電動役物制御処理と普通図柄及び普通電動役物制御処理の一部のモジュールを抜粋して示している。
本実施形態の遊技機における制御プログラムでは、機能ごとに分割してモジュール化されている。汎用的なモジュールについては各処理で共通に利用される。例えば、図215に示すように、主制御基板1310から周辺制御基板1510にコマンドを送信する場合に実行されるコマンドバッファ設定処理は、特別図柄及び特別電動役物制御処理の始動口入賞時処理や特別図柄変動待ち処理などで利用されているだけでなく、普通図柄及び普通電動役物制御処理の普通図柄先読み処理などでも利用されるように構成されている。このように構成することによって、コマンドの種類にかかわらず、コマンド作成時に共通のモジュール、バッファ等を使用することが可能となり、遊技機の資源を有効に利用することが可能となる。
さらに、所定のテーブルからデータ(変動情報番号)を検索する処理(変動情報番号検索処理)も共通に利用可能となっている。これは、検索対象のテーブルの構成を共通化し、検索範囲、検索パラメータを指定することによって実現されている。このようにモジュールを共通化して構成することによって、プログラムの開発効率やメンテナンス効率を向上させることが可能となる。
また、コマンドバッファ設定処理や変動情報番号検索処理は、比較的少ない手順のモジュールを共通化したものであるが、本実施形態に係る遊技機では、特別図柄の大当り判定などの処理を先読み時(始動入賞時)と変動開始時で共通化している。
具体的に説明すると、前述したように、先読み時(記憶先読み処理)と変動開始時(特別図柄変動待ち処理)において、特別図柄大当り判定処理(図207)、特別図柄判定処理(図208)、変動パターン選択判定処理(図209,204)、変動タイプ判定処理(図211)が共通して使用されている。これらの処理では、指定されたアドレスに格納された値を参照するように構成されており、処理実行前に参照アドレスを指定することによって、先読み時と変動開始時とで異なる領域に記憶された値に基づいて処理を実行することが可能となる。また、値だけでなく、テーブルの参照先を指定するようにしてもよい。例えば、遊技状態に応じて異なるテーブルを参照する処理に適用すれば、遊技状態によらずに共通の処理とすることができる。
また、本実施形態では、普通図柄に関連する処理においても普通抽選の当り判定を行う普通図柄当り判定処理を共通化している。普通図柄当り判定処理では、普図抽選の結果を示す当りフラグを当りフラグ格納エリアから取得して処理を行うが、普通図柄先読み判定処理から実行される場合には、当りフラグバッファのアドレスを参照アドレスとして設定するが、普通図柄変動待ち処理から実行される場合には、当りフラグエリアのアドレスを参照アドレスとして設定している。
以上のように、本実施形態では、上記したような比較的処理の多いモジュールを共通化することを可能とし、プログラムの開発効率やメンテナンス効率を向上させている。
[11.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御IC1510aによって実行される処理について説明する。図192は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御IC1510aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図192に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御IC1510aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、例えば、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)をSDRAM1510c1,1510c2に転送する処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御IC1510aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいて演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図193は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御IC1510aは、ステップS601〜ステップS607の処理を実行する。ステップS601の受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS147、第二特別図柄プロセス処理の第一変動パターン設定処理に対応する処理(第二変動パターン設定処理))でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出表示装置1600に関わる制御処理を実行する。
ステップS1027の特図先読み演出制御処理では、周辺制御IC1510aは、特図先読み演出の実行開始時の設定を行う。特図先読み演出制御処理の詳細については、後述する。ステップS1028の普図先読み演出制御処理では、周辺制御IC1510aは普図先読み演出の実行開始時の設定と進行の制御を行う。普図先読み演出制御処理の詳細については、後述する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ等に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の操作ユニット監視処理では、周辺制御IC1510aは、後述する2ms定常処理における操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300等に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、演出操作ユニット300の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。ステップS606の情報出力処理では、演出駆動基板1720にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS607の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数(例えば保留先読み関連の演出に用いられる乱数)を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS607の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601の受信コマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS607)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
以下、2ms定常処理において、周辺制御IC1510aが実行する処理の一例を説明する。周辺制御IC1510aは、可動体情報取得処理を実行する。可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など)を作成する。この作成された履歴情報から遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
続いて、周辺制御IC1510aは、操作ユニット情報取得処理を実行する。操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、中央押圧操作部303aや外周押圧操作部303bの操作履歴情報など)を作成する。この履歴情報から中央押圧操作部303aや外周押圧操作部303bの操作有無などを取得することができる。
続いて、周辺制御IC1510aは、モータ及びソレノイド駆動処理を実行する。モータ及びソレノイド駆動処理では、時系列順に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動する。
続いて、周辺制御IC1510aは、描画状態取得処理を実行する。さらに、バックアップ処理を実行し、2ms定常処理を終了する。バックアップ処理では、周辺制御IC1510aのMPUと外付けされるSDRAMに記憶されている内容をバックアップエリアにコピーしてバックアップする。
周辺制御IC1510aは、このような処理進行が行われるなかで、主制御基板1310(主制御MPU)からの遊技に関する情報(特別抽選結果や、現在の遊技の進行状況など)を取得し、該取得した情報に基づいて各種の演出にかかる制御を行うようになっている。これらの演出にかかる制御としては、演出表示装置1600において、主制御基板1310にて決定された変動時間に応じた演出パターンを出現させることや、大当り遊技中に特別の演出画像を出現させることなどのほか、演出表示装置1600を含めて、遊技盤5に配設されている各種の装飾体のいずれか(若しくは、適宜の複数の装飾体)を移動させることや、それら装飾体のいずれか(若しくは、適宜の複数の装飾体)を発光させることなども含まれる。
なお、遊技領域5aが複数の演出表示装置1600を備えている場合、この実施の形態にかかる周辺制御MPU及び表示制御MPUは、各種の演出にかかる制御の1つとして、当該複数の演出表示装置1600において、各演出表示装置1600の表示面に跨る特定の演出画像を出現させる制御を行ったり、それら2つの表示面でそれぞれ異なる演出画像を出現させる制御を行ったりすることが可能とされている。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPUは、各種の演出にかかる制御の1つとして、上記特定の可動演出を実行したり、該特定の可動演出が行われる期間中に、各種の装飾体を発光させることが可能とされている。また、演出表示装置1600と一体に設けられる可動装飾体があってもよい。
[11−1.変動パターン]
続いて、本実施形態における演出について説明する。図216は、本実施形態における変動パターンテーブルの一例を示す図である。変動パターンテーブルは、主制御基板1310における特別図柄の変動表示(変動表示ゲーム)と同調して周辺制御基板1510によって実行される特図同調演出のパターン(変動パターン)を管理するテーブルである。特図同調演出は、変動表示ゲームに対応して、周辺制御基板1510が演出表示装置1600に装飾図柄を変動表示させたり、キャラクタを表示させたりするなどの演出が含まれる。また、装飾図柄の変動表示中に可動役物を動作させたり、ランプなどの発光体を発光させたり、スピーカから音声を出力するなどの演出を含むようにしてもよい。本実施形態の変動パターンに対応する演出には、ストーリーリーチ、擬似連続変動(擬似連)などが含まれる。また、複数の変動表示ゲームにまたがる変動パターンを定義してもよい。
ストーリーリーチは、装飾図柄がリーチ態様となり、実行中の変動表示ゲームの期待度(大当りとなる可能性)に応じた特定演出が一又は複数回実行される演出である。本実施形態では、特定演出の実行回数が多いほど大当りの期待度が高くなるように設定されている。なお、特定演出は、リーチ発生前から実行されるようにしてもよいし、リーチ発生後にのみ実行されるようにしてもよい。また、特定演出の演出態様としては、例えば、キャラクタの登場などの画面表示(カットイン)、セリフ(画面表示、音声出力)、可動役物の動作、ランプの発光などの種類の演出が含まれる。また、同じ種類の演出には、期待度に応じた複数の異なる演出態様が定義されていてもよい。
擬似連続変動は、装飾図柄(識別図柄)の変動表示が一旦停止(仮停止)し、再変動を行う演出である。仮停止及び再変動は、一又は複数回繰り返される。本実施形態では、停止回数が多いほど大当りの期待度が高くなるように設定されている。また、擬似連続変動を実行する場合には、装飾図柄の仮停止時にキャラクタを登場させるなどの演出を実行させてもよいし、装飾図柄の変動表示中に演出を実行するようにしてもよい。また、擬似連続変動の最終変動でリーチが発生する場合には最終変動におけるリーチの種類を合わせて定義するようにしてもよい。
変動パターンは、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される特図1変動パターンコマンド又は特図2変動パターンコマンドの(以下、特図1変動パターンコマンドと特図2変動パターンコマンドとをあわせて「特図変動パターンコマンド」とする)モードに設定された値(演出パターン)と、特図1図柄種別コマンド又は特図2図柄種別コマンド(以下、特図1図柄種別コマンドと特図2図柄種別コマンドとをあわせて「特図図柄種別コマンド」とする)のモードに設定された値(変動表示ゲームの結果)などに基づいて選択される。また、特図1(2)変動パターンコマンド及び特図1(2)図柄種別コマンドの組み合わせに対し、一の変動パターンが対応してもよいし、複数の変動パターンが対応してもよい。複数の変動パターンが対応する場合には、乱数値を取得して抽選して選択してもよいし、遊技状態などの所定の条件に基づいて選択してもよい。
変動パターンテーブルには、変動パターン名、当落情報、変動時間、演出挿入数(シナリオ回数)、演出選択パターン、再抽選などの項目が含まれる。「変動パターン名」は、変動パターンを識別する名称である。「当落情報」は、実行される変動表示ゲームの結果であり、特図1図柄種別コマンド又は特図2図柄種別コマンドのモードに設定された値に対応する。なお、「当落情報」の代わりに遊技状態(例えば、「通常状態」「確変状態」「時短状態」)としてもよい。
「変動時間」は、特別図柄の変動表示が行われる変動時間(変動表示ゲームの実行時間)に対応する。また、始動記憶数に応じて変動時間を変更してもよい。例えば、始動記憶数が多い場合(例えば、始動記憶数が3以上)には、変動時間を短縮してもよい。なお、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器における特別図柄(識別図柄)の変動時間と同じである。また、変動時間を短縮した場合であっても同様である。
「演出挿入数」は、ストーリーリーチにおいて変動表示中に実行される特定演出の実行回数、又は、擬似連続変動において特別図柄が仮停止(仮停止時の演出の実行有無は問わない)される回数である。「演出選択パターン」は、ストーリーリーチにおいて実行される特定の演出の候補を選択したり、擬似連続変動において仮停止時に実行される演出を選択したりするための定義情報である。本実施形態では、高信頼度の変動パターンが選択されるほど、高信頼度の特定演出が選択されやすい演出選択パターンが設定されている。「演出選択パターン」の具体例については、図223にて後述する。
「再抽選」は、特別図柄の変動表示が終了した後、停止した特別図柄を再抽選する処理を実行するか否かを定義する情報である。本実施形態では、「再抽選」は、変動表示ゲームの結果が特別結果(例えば、大当り)になった場合に実行される。
[11−2.受信コマンド解析処理]
続いて、受信コマンド解析処理(図193のステップS601の処理)について、図217を参照しながら説明する。図217は、本実施形態の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。
受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが周辺制御基板1510(周辺制御IC1510aのCPU)に実行されることによって、まず、主制御基板1310から送信されたコマンドが周辺制御部受信リングバッファに記憶されているか否かを判断する(ステップS1401)。
本実施形態にかかる周辺制御基板1510は、主制御基板1310からコマンドを受信すると、周辺制御部コマンド受信割り込み処理(図217)を発生させ、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310からの各種コマンドを周辺制御基板1510に備えられるSDRAM1510cの受信コマンド記憶領域(周辺制御部受信リングバッファ)に記憶する。なお、周辺制御部受信リングバッファには複数の領域が設けられており、主制御基板1310から送信された各種コマンドが受信された順序でそれぞれ記憶される。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御部受信リングバッファにコマンドが記憶されている場合には(ステップS1401の結果が「Yes」)、主制御基板1310からの受信順序が最も早いコマンドを周辺制御部受信リングバッファから読み出す(ステップS1402)。
次いで、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1402の処理で読み出したコマンドが特図変動パターンコマンド(特図1変動パターンコマンド又は特図2変動パターンコマンド)であるか否かを判定する(ステップS1403)。特図変動パターンコマンドであると判定された場合には(ステップS1403の結果が「Yes」)、周辺制御基板1510の変動表示パターン格納領域(RAM)に特図変動パターンコマンドを記憶するとともに、変動パターン受信フラグをセットし(ステップS1404)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出したコマンドが特図変動パターンコマンドでない場合には(ステップS1403の結果が「No」)、該読み出したコマンドが特図図柄種別コマンド(特図1図柄種別コマンド又は特図2図柄種別コマンド、「はずれ」「特定大当り」「非特定大当り」を示す当選情報コマンド)であるか否かを判定する(ステップS1405)。特図図柄種別コマンドであると判定された場合には(ステップS1405の結果が「Yes」)、周辺制御基板1510の当選情報格納領域(RAM)に当落情報を記憶し(ステップS1406)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出した演出コマンドが特図図柄種別コマンドでない場合には(ステップS1405の結果が「No」)、該読み出したコマンドが特図先読み演出を指示するコマンド(特別図柄1保留数指定コマンド又は特別図柄2保留数指定コマンド(先読み有))であるか否かを判定する(ステップS1407)。特図先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数(特別図柄2作動保留球数)が増加したタイミングで主制御基板1310から送信される。後述するように、読み出した演出コマンドが特図先読み演出を指示するコマンドである場合には、特図先読み演出の実行を示す特図先読み演出実行フラグが設定される。したがって、前述のステップS1407の処理における「Yes」の判定は、読み出した演出コマンドが「先読み有」の特別図柄1(2)保留数指定コマンドである場合に限る。「先読み無」の特別図柄1(2)保留数指定コマンドである場合は「No」の判定となる。なお、ステップS1407の処理における判定対象の特図先読み演出コマンドとして、特別図柄1(2)保留数指定コマンド以外の特図先読み演出を指示するコマンド(図柄種別先読み、変動パターン先読み、変動タイプ先読み)も含めて、これら全ての特図先読み演出を指示するコマンドを受信している場合に「Yes」の判定を行うようにしてもよい。
さらに、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出した演出コマンドが特図先読み演出コマンドの場合には(ステップS1407の結果が「Yes」)、特図先読み演出実行フラグを設定し(ステップS1408)、受信コマンド解析処理を終了する。特図先読み演出実行フラグが設定されると、16ms定常処理において実行される特図先読み演出制御処理(図193のステップS1027)において、特図先読み演出の実行可否が決定され、特図先読み演出を実行するために必要な設定を行う。なお、特図先読み演出を実行するか否かを主制御基板1310で判定するようにしてもよい。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出した演出コマンドが特図先読み演出コマンドでない場合には(ステップS1408の結果が「No」)、読み出したコマンドが普図先読み演出コマンド(普通図柄種別先読みコマンド)であるか否かを判定する(ステップS1409)。普図先読み演出コマンドは、普通図柄作動保留球数が増加したタイミングで主制御基板1310から送信される。また、普図先読み演出コマンドには、普図抽選の結果に対応する情報が含まれる。普図先読み演出コマンドを受信すると、普通図柄種別先読み演出(普図先読み演出)の開始を指示する普図先読み演出実行フラグを設定する。普図先読み演出実行フラグが設定されると、16ms定常処理において実行される普図先読み演出制御処理(図193のステップS1028)において、普図先読み演出の実行可否が決定され、普図先読み演出を実行するために必要な設定を行う。なお、普図先読み演出を実行するか否かを主制御基板1310で判定するようにしてもよい。また、普図先読み演出を実行しない機種の場合には、受信したコマンドを破棄する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出した演出コマンドが普図先読み演出コマンドでない場合には(ステップS1409の結果が「No」)、受信したコマンドに対応したフラグをセットするなどの処理を実行し(ステップS1411)、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、主制御基板1310から受信するコマンドには、例えば、特別図柄の変動表示を停止させる特図同調演出終了コマンド(特図1同調演出終了コマンド又は特図2同調演出終了コマンド)や、変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合に、大当り遊技終了後の遊技状態(確変状態、時短状態、通常遊技状態)を指定する変動時状態指定コマンドが含まれる。特図同調演出終了コマンドを受信した場合には、同調演出終了フラグを設定する。また、変動表示ゲームの結果に応じて、大当り遊技の開始時の演出の実行を指示する大当りオープニングコマンドや大当り遊技の終了時の演出の実行を指示する大当りエンディングコマンド等が含まれる。
さらに、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞した場合には、主制御基板1310から始動口入賞コマンドが送信され、始動口に遊技球が入賞したことを報知する始動口入賞演出(例えば、音声出力)の開始が指示される。また、第一始動口2002への遊技球の入賞や第一特別図柄表示器における特別図柄の変動表示の開始によって特別図柄1作動保留球数が変化した場合には、特別図柄1記憶コマンドを主制御基板1310から受信する。同様に、第二始動口2004への遊技球の入賞や第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示の開始によって特別図柄2作動保留球数が変化した場合には、特別図柄2記憶コマンドを主制御基板1310から受信する。
また、特別図柄1記憶コマンド(特別図柄2記憶コマンド)には特別図柄1作動保留球数(特別図柄2作動保留球数)が含まれており、演出表示装置1600における特別図柄1作動保留球数(特別図柄2作動保留球数)に対応する表示を更新するように設定される。
また、演出関連コマンド以外のエラー発生などを報知する報知コマンドを受信した場合には、所定の記憶領域にフラグ等をセットし(ステップS1407)、警告処理などによって対応する処理を実行する。
さらに、前述したコマンドの他に、主制御基板1310に対する電源の供給が遮断された場合には、電断コマンドが送信される。なお、主制御基板1310には、パチンコ島設備などの外部からの電源供給が停止した場合であっても電源基板630に備えられたキャパシタ(バックアップ電源)から所定時間電源が供給されるため、主制御基板1310のRAMに記憶された情報を保持し、周辺制御基板1510等に電断コマンド等のコマンドを送信することができる。また、外部からの電源供給が再開された場合には、電源投入コマンドが送信される。周辺制御基板1510は、電断コマンド又は電源投入コマンドを受信すると、状態に応じた処理を実行する。これらの処理の詳細については後述する。
[11−3.演出制御処理]
続いて、演出制御処理(図193のステップS602の処理)について、図218を参照しながら説明する。図218は、本実施形態の演出制御処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値に基づいて、装飾図柄変動開始処理(ステップS1500)、装飾図柄変動処理(ステップS1600)、及び大当り表示処理(ステップS1700)のいずれかの処理を選択的に行う。
処理選択フラグが「0」の場合に実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1500)では、受信コマンド解析処理のステップS1404(図217参照)の処理にて変動パターン受信フラグがセットされている場合に、装飾図柄の変動表示を含む特図同調演出を開始するための処理を行う。例えば、変動パターンや変動表示ゲームの当落情報に基づいて演出内容(装飾図柄の停止図柄、リーチ演出の種類、予告演出の実行可否の判定、予告演出態様、延長演出の有無など)を決定し、決定した演出内容に応じた設定等を行う。また、特図同調演出が実行されない場合にデモ演出を実行するように制御する。装飾図柄変動開始処理の詳細については図219にて後述する。
また、処理選択フラグが「1」の場合に実行される装飾図柄変動処理(ステップS16000)では、特図同調演出(装飾図柄の変動表示)が開始されていることを条件に、変動表示ゲームと同調して実行される特図同調演出を制御する。また、特図同調演出終了コマンドを受信した場合には、特図同調演出を終了させて確定停止させるための処理を実行する。すなわち、装飾図柄変動処理では、特図同調演出が開始されてから終了するまでの演出制御を行う。装飾図柄変動処理の詳細については図221にて後述する。
また、特図同調演出終了コマンドの受信時には、装飾図柄の変動表示を伴う特図同調演出を終了させるため、演出制御プログラムは、変動表示ゲームの結果に基づく装飾図柄を確定停止させる。最後に、演出制御プログラムは、変動表示ゲームの結果に基づいて、処理選択フラグを設定する。具体的には、変動表示ゲームの結果が「大当り」の場合には処理選択フラグを[2]に設定し、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には処理選択フラグを[0]に設定する。
特図同調演出終了条件を満たすまでの間は、特図同調演出を継続するため、演出制御プログラムは、例えば、演出表示装置1600で表示中のシーン(映像)を切り替えたり、キャラクタを登場させたりするなどの演出を実行する。また、変動パターンに依存しない演出を独立して実行するようにしてもよく、例えば、次回以降に実行される変動表示ゲームの結果を示唆する先読み演出などを実行する。
また、処理選択フラグが「2」の場合に実行される大当り表示処理(ステップS1700)では、ステップS1407(図217参照)の処理で設定される大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口2005が開放されることを演出表示装置1600に示す表示や、大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了時には、大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
[11−4.装飾図柄変動開始処理]
次に、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1500)について説明する。図219は、本実施形態における装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
図219に示すように、装飾図柄変動開始処理では、演出制御プログラムは、まず、ステップS1404(図217参照)の処理で設定される変動パターン受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1501)。すなわち、ステップS1501の処理では、主制御基板1310側で所定の始動条件(所定条件)が成立したことに基づいてステップS1404(図218参照)の処理で変動パターン受信フラグがセットされるまで待機する。そして、変動パターン受信フラグがセットされるまでの間(すなわち、変動表示ゲームが開始されるまで)、ステップS1511からステップS1513までの処理によってデモ演出にかかる制御を実行する。
具体的に説明すると、変動パターン受信フラグがセットされていない場合には(ステップS1501の結果が「No」)、演出制御プログラムは、演出表示装置1600においてデモ演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS1511)。そして、デモ演出の実行中でないと判定した場合には(ステップS1511の結果が「No」)、前回の図柄変動などの表示演出が終了してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1512)。所定時間が経過した場合には(ステップS1512の結果が「Yes」)、演出表示装置1600においてデモ演出を開始させるデモ演出表示フラグを設定する(ステップS1513)。
一方、所定時間が経過していないと判定された場合には(ステップS1512の結果が「No」)、演出制御プログラムは、当該装飾図柄変動開始処理を一旦終了し、変動パターン受信フラグがセットされるか(ステップS1501の結果が「Yes」)、所定時間が経過するか(ステップS1512の結果が「Yes」)のいずれかの条件が満たされるまで待機する。
また、演出制御プログラムは、演出表示装置1600においてデモ演出を実行していると判定された場合には(ステップS1511の結果が「Yes」)、そのままデモ演出の実行を継続する。
これに対し、変動パターン受信フラグがセットされている場合には(ステップS1501の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、変動パターン受信フラグをクリアする(ステップS1502)。そして、受信した特図変動パターンコマンド及び特図図柄種別コマンドに基づいて、実行される演出の内容を設定するための演出設定処理を実行する(ステップS1503)。演出設定処理の詳細については図220にて後述する。最後に、演出制御プログラムは、処理選択フラグを[1]に更新する(ステップS1504)。このように制御することによって、装飾図柄変動開始処理は、特図同調演出の実行開始時に1回だけ実行されるようになる。
[11−5.演出設定処理]
続いて、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、特図同調演出の開始時に演出内容を設定するための処理である。主制御基板1310から送信された特図変動パターンコマンドに基づいて、対応するフラグの設定やパラメータの設定を行う。図220は、本実施形態における演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御プログラムは、まず、主制御基板1310から受信した特図変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを特定する(ステップS1520)。このとき、現在の遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、通常遊技状態等、演出態様のみに関連する演出モードのようなものであってもよい)に基づいて、変動パターンを選択するようにしてもよい。具体的には、図216に示した変動パターンテーブルに遊技状態の項目を設け、遊技状態ごとに演出態様の異なる変動パターンを定義するようにしてもよい。
そして、演出制御プログラムは、変動パターンに対応する演出の設定を行う。具体的には、まず、特定された変動パターンが、ストーリーリーチであるか否かを判定する(ステップS1521)。ストーリーリーチである場合には(ステップS1521の結果が「Yes」)、ストーリーリーチの実行に必要なデータを設定するためのストーリーリーチ設定処理を実行する(ステップS1530)。ストーリーリーチ設定処理の詳細については、図222にて後述する。
一方、演出制御プログラムは、特定された変動パターンが、ストーリーリーチでない場合には(ステップS1521の結果が「No」)、変動パターンが擬似連続変動であるか否かを判定する(ステップS1522)。擬似連続変動である場合には(ステップS1522の結果が「Yes」)、擬似連続変動の実行に必要なデータを設定するための擬似連続変動設定処理を実行する(ステップS1550)。
一方、演出制御プログラムは、特定された変動パターンが、擬似連続変動でない場合には(ステップS1522の結果が「No」)、当該変動パターンに基づく演出を実行するために必要な情報を設定する(ステップS1523)。
変動パターンに対応する演出の設定が完了すると、変動パターンとは独立して演出内容を設定可能な連続先読み演出を実行するための連続先読み演出設定処理を実行する(ステップS1524)。連続先読み演出設定処理では、図193のステップS1027の特図先読み演出制御処理で連続先読み演出が実行されることが決定された場合に、決定された演出内容に基づいて連続先読み演出の進行を制御する。連続先読み演出設定処理の詳細については後述する。
最後に、演出制御プログラムは、遊技状態に応じた演出パターン及び停止図柄を設定し(ステップS1525)、演出設定処理を終了する。遊技状態に応じた演出パターンとしては、例えば、演出表示装置1600で表示されている画像の背景、スピーカから出力されている音楽や音声などを遊技状態に応じて設定する。ステップS1524の処理で設定された停止図柄は、主制御基板1310から特図同調演出終了コマンドを受信したタイミングで、装飾図柄変動処理において確定表示される。
最後に、演出制御プログラムは、遊技状態に応じた演出パターン及び停止図柄を設定し(ステップS1525)、演出設定処理を終了する。遊技状態に応じた演出パターンとしては、例えば、演出表示装置1600で表示されている画像の背景、スピーカから出力されている音楽や音声などを遊技状態に応じて設定する。また、演出パターンには、変動パターンに対応した予告態様も含まれる。例えば、変動表示の結果を示唆するために、特定のキャラクタを登場させたり、背景色を通常とは異なる色に設定したりする。ステップS1524の処理で設定された停止図柄は、主制御基板1310から特図同調演出終了コマンドを受信したタイミングで、装飾図柄変動処理において確定表示される。
演出設定処理が終了すると、特図同調演出を実行するために必要な情報が設定される。そして、S606の情報出力処理が実行されることによって、装飾図柄の変動表示などの特図同調演出が開始される。
[11−6.装飾図柄変動処理]
次に、処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS1600)について説明する。図221は、本実施形態における装飾図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。
装飾図柄変動処理は、装飾図柄変動開始処理が実行されて処理選択フラグが「1」の場合に実行される。そして、装飾図柄変動処理では、特図同調演出(装飾図柄の変動表示)が開始されていることを条件に、変動表示ゲームと同調して実行される特図同調演出を制御する。
装飾図柄変動処理が開始されると、演出制御プログラムは、まず、装飾図柄の変動表示を終了させる条件、すなわち、特図同調演出の終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS1601)。特図同調演出の終了条件としては、例えば、主制御基板1310から特図同調演出終了コマンド(図柄確定コマンド)を受信した場合に特図同調演出を終了してもよいし、特図同調演出の開始から所定時間経過した場合に特図同調演出を終了してもよい。また、特図同調演出終了コマンドの受信及び特図同調演出の開始からの経過時間の両方を特図同調演出の終了条件としてもよく、例えば、特図同調演出の開始から所定時間を経過していなくても、特図同調演出終了コマンドを受信した場合には、変動表示を強制的に終了し、装飾図柄を確定停止させるように表示画面を切り替えるようにしてもよい。
演出制御プログラムは、特図同調演出の終了条件が成立した場合には(ステップS1601の結果が「Yes」)、特図図柄種別コマンドに対応する装飾図柄で変動表示を停止(確定停止)させる(ステップS1602)。そして、変動表示ゲームの結果に基づいて処理選択フラグを設定する(ステップS1602)。具体的には、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には処理選択フラグを「0」、「大当り」の場合には処理選択フラグを「2」に設定する。また、「小当り」がある場合には別の処理選択フラグ(例えば、「3」)に設定する。
一方、演出制御プログラムは、特図同調演出の終了条件が成立していない場合(ステップS1601の結果が「Yes」)、すなわち、装飾図柄の変動表示を継続する場合には、まず、変動パターンの種類がストーリーリーチか否かを判定する(ステップS1604)。変動パターンの種類がストーリーリーチの場合には(ステップS1604の結果が「Y」)、ストーリーリーチの進行を制御するためのストーリーリーチ制御処理を実行する(ステップS1610)。本実施形態では、ストーリーリーチで実行されるシナリオ演出は変動表示の開始時(ストーリーリーチ設定処理)にすべて選択されるが、シナリオ演出実行直前にそれぞれシナリオを選択する場合には、ストーリーリーチ制御処理で選択される。また、演出操作ユニット300の操作に基づいてシナリオ演出の進行が制御される場合には、ストーリーリーチ制御処理において演出操作ユニット300の操作状況を検出し、当該操作状況に応じた制御が実行するようにすればよい。
演出制御プログラムは、変動パターンの種類がストーリーリーチでない場合には(ステップS1604の結果が「No」)、変動パターンの種類が擬似連続変動であるか否かを判定する(ステップS1605)。変動パターンの種類が擬似連続変動の場合には(ステップS1604の結果が「Yes」)、擬似連続変動の進行を制御するための擬似連続変動制御処理を実行する(ステップS1630)。擬似連続変動制御処理の詳細については後述する。
さらに、演出制御プログラムは、変動パターンの種類が擬似連続変動でない場合には(ステップS1605の結果が「No」)、スペシャルリーチなどの変動パターンに対応する特図同調演出の制御処理を実行する(ステップS1660)。例えば、演出表示装置1600で表示中のシーン(映像)を切り替えたり、キャラクタを登場させたりするなどの演出を実行する。また、変動パターンに依存しない演出を独立して実行するようにしてもよく、例えば、次回以降に実行される変動表示ゲームの結果を示唆する先読み演出などを実行してもよい。変動パターンに対応する演出の制御が完了すると、本処理を終了する。
[11−7.ストーリーリーチ]
続いて、変動パターンとしてストーリーリーチが選択された場合について説明する。本実施形態における遊技機では、主制御基板1310における特別図柄の変動表示(変動表示ゲーム)と同調して、周辺制御基板1510によって特図同調演出が実行される。変動パターンとしてストーリーリーチが選択された場合には、特図同調演出において、所定のタイミングで実行中の変動表示ゲームの期待度を示唆する演出(特定演出)が一回又は複数回実行(挿入)される。
また、ストーリーリーチにかかる演出では、装飾図柄がリーチ態様となるが、特定演出の実行タイミングはリーチ演出の前であってもよいし、リーチ演出の後であってもよい。なお、本実施形態では、リーチ発生後にストーリーリーチにおける特定演出が実行されるように構成されている。以下、変動パターンとしてストーリーリーチが選択された場合の演出について説明する。
[11−7−1.ストーリーリーチ設定処理]
まず、ストーリーリーチにおける演出制御について説明する。図222は、本実施形態におけるストーリーリーチ設定処理の一例を示すフローチャートである。ストーリーリーチ設定処理は、演出設定処理(図220)のステップS1530の処理で実行される。なお、図222に示すストーリーリーチ設定処理では、所定のタイミングで実行される特定演出の設定に関する処理を説明し、その他のリーチ演出などの特図同調演出の設定については、他の変動パターンが選択された場合と同様に処理されるため、説明を省略する。
ストーリーリーチ設定処理が実行されると、演出制御プログラムは、まず、変動パターンテーブル(図216)から演出挿入数及び演出選択パターンを取得する(ステップS1531)。このとき、変動表示ゲームの確率状態(確変状態、通常状態)や普通電動役物の作動状態(時短状態)などの遊技状態に応じて演出挿入数及び演出選択パターンを変更してもよい。さらに、本処理で設定している特定演出の数(カウンタ)を示す選択演出数に初期値(“0”)に設定する(ステップS1532)。続いて、特定演出のシナリオを演出挿入数だけ選択する(ステップS1533〜ステップS1539)。本実施形態では、最後に実行される特定演出から順次選択し、最初に実行される特定演出を最後に選択する。
演出制御プログラムは、選択演出数が演出挿入数以上であるか否か、すなわち、すべての特定演出に対してシナリオを選択したか否かを判定する(ステップS1533)。選択演出数が演出挿入数未満の場合には(ステップS1533の結果が「No」)、シナリオが未選択の特定演出が残っているため、シナリオを選択するための処理(ステップS1534〜ステップS1538)を実行する。
演出制御プログラムは、特定演出を選択するための乱数値(演出選択情報)を取得する(ステップS1534)。そして、ステップS1531の処理で取得された演出選択パターン及びステップS1534の処理で取得された乱数値に基づいて、演出選択パターンテーブル(図223)から特定演出を選択する(ステップS1535)。
ここで、特定演出を選択する手順についてさらに詳しく説明する。本実施形態のストーリーリーチで実行される演出は、変動パターンに対応して演出選択パターンが設定されている(図216)。図223は、本実施形態のストーリーリーチにおける演出選択パターンの一例を示す図である。
本実施形態では、ストーリーリーチが実行される場合、シナリオ1からシナリオ6のいずれかの特定演出が実行され、また、シナリオ1からシナリオ6の順で変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度(可能性)が高くなるように設定されている。
また、図223に示すように、パターン1からパターン3の順で期待度の高いシナリオが選択されやすくなっている。具体的には、パターン1では相対的に期待度の高いシナリオ5及びシナリオ6は選択されないように設定されており、また、パターン3では、相対的に期待度の低いシナリオ1及びシナリオ2が選択されないように設定されている。
さらに、各シナリオには乱数の範囲が設定されており、図222のステップS1534の処理で取得された乱数値に基づいて各シナリオが選択される。なお、特定のシナリオが選択されないように設定するのではなく、すべてのシナリオを選択可能とし、対応する乱数の範囲を調整することによって各シナリオの選択率を調整するようにしてもよい。
また、演出選択パターンは、遊技状態ごとに保持するようにしてもよい。例えば、特別図柄の変動表示が当選する確率の高い高確率状態では、期待度の高いシナリオが選択されやすいようにし、より遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。さらに、所定条件の成立によって複数の演出選択パターン(抽選テーブル)を選択するようにしてもよい。この所定条件は、例えば、前述した遊技状態であってもよいし、所定の変動パターンに基づく変動表示の実行回数(例えば、SPリーチの実行回数)であってもよいし、大当り遊技における大入賞口への遊技球の入賞数であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
特定演出を選択するための乱数は、所定の範囲(本実施形態では“0”から“1000”の範囲)から抽出される。そのため、期待度の高いシナリオが選択された後に、期待度の低いシナリオが選択されることで(成り下がり)、ストーリーリーチそのものの信頼度を遊技者が把握しにくくなってしまうおそれがあった。例えば、変動パターンとして「ストーリーリーチ2」が選択された場合について説明すると、演出選択パターンとしてパターン1が選択され、挿入演出数が3となる。このとき、最初に実行される特定演出に対応するシナリオが「シナリオ2」、次に実行されるシナリオが「シナリオ3」、最後に実行されるシナリオが「シナリオ1」が選択されたとする。この場合、2回目に実行される特定演出(「シナリオ3」)の後に実行される特定演出が相対的に期待度の低い「シナリオ1」となってしまう。このため、遊技者は実行中の変動表示ゲームの期待度が「シナリオ1」に相当するのか、「シナリオ3」に相当するのかを判断できず、予告演出としてのストーリーリーチの信頼度が損なわれてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、ステップS1613の処理で取得される乱数値の抽出範囲を調整することによって、上述したような成り下がりが発生することを防止する。図224は、本実施形態における乱数抽出範囲の変化を時系列順に示す図である。
前述のように、本実施形態では、最後に実行される特定演出から順次選択する。変動パターンとして「ストーリーリーチ2」が選択された場合(挿入演出数3)、まず、最後(3番目)に実行される特定演出を実行する。このとき、ステップS1534の処理では、0から1000までの範囲(規定の範囲)で乱数値が抽出される(図224(A))。このとき抽出された乱数値を“550”とした場合、図223の演出選択パターン選択テーブルを参照すると、「シナリオ3」が選択される。そして、演出制御プログラムは、周辺制御基板1510のSDRAM1510cに割り当てられた所定の記憶領域に選択されたシナリオの識別情報を記憶する(ステップS1536)。なお、選択されたシナリオの画像データや音声データなどの情報は制御ROM1510bなどに記憶されている。そして、選択演出数に1を加算する(ステップS1537)。
続いて、演出制御プログラムは、2番目に実行される特定演出を選択するために抽出される乱数の範囲(上限値)を設定する(ステップS1538)。前述したように、最後に実行される特定演出では「シナリオ3」が選択されているため、2番目に実行される特定演出で「シナリオ4」が選択されてしまうと、成り下がりが発生してしまう。そこで、図224(B)に示すように、乱数値の生成範囲を規定の0から1000まで範囲ではなく、「シナリオ1」から「シナリオ3」だけが選択されるように、乱数値の生成範囲を0から600まで範囲に設定する。再設定された上限値“600”は、「シナリオ3」が選択される上限値であり、上限値を“600”に設定することによって、「シナリオ4」が選択されないようにする。なお、図224(B)では、実線の範囲(“0”から“600”)が乱数の抽出可能な範囲となり、破線の範囲(“600”から“1000”までの範囲)が乱数の抽出不可能な範囲となっている。
ここで、2番目に実行される特定演出を選択するための乱数値として“150”が抽出されると、特定演出のシナリオとして「シナリオ2」が選択される。そこで、演出制御プログラムは、最初に実行される特定演出に成り下がりが発生しない「シナリオ1」又は「シナリオ2」が選択されるように、抽出される乱数値の範囲の上限値を“200”に設定する。その後、例えば、乱数値として“85”が抽出されると、「シナリオ1」が設定される(図224(C))。
そして、ステップS1538の処理で選択演出数の値が3となり、選択演出数の値と演出挿入数の値が一致するため、ステップS1533の処理の結果が「Yes」となり、演出制御プログラムは、特定演出の選択を終了する。最後に、変更された乱数の範囲(上限値)を規定値(0〜1000)に設定し(ステップS1539)、ストーリーリーチ設定処理を終了する。
図222のストーリーリーチ設定処理における手順では、変動開始時(演出制御処理→装飾図柄変動開始処理→演出設定処理→ストーリーリーチ設定処理)にて乱数の範囲を設定していたが、他のタイミングで乱数の範囲を設定してもよい。
例えば、最初に特定演出が実行されるタイミングで(特定演出の実行開始時)、すべての特定演出のシナリオを選択するようにしてもよい。この場合には、装飾図柄変動処理(図221)のストーリーリーチ制御処理(ステップS1610)で、最初の特定演出を実行するタイミングで上述したストーリーリーチ設定処理を実行すればよい。
このとき、変動開始から特定演出が実行されるまでに主制御基板1310から送信された始動入賞コマンドや先読み演出関連のコマンドなどに基づいて、選択パターンを再設定するようにしてもよい。このように構成することによって、後に実行される変動表示ゲームの期待度を示唆する演出を実行することも可能となり、演出のバリエーションを多彩にすることができる。なお、特定演出の実行(挿入)がリーチ発生後であれば、リーチ演出の開始時に特定演出を選択するようにしてもよい。
また、特定演出を選択するタイミングで、演出挿入数に対応する数の乱数値を抽出し、昇順に並び替えて特定演出の実行順序を決定してもよい。例えば、乱数値を3回抽出し、“550”、“85”、“150”が抽出された場合には、“85”(シナリオ1)、“150”(シナリオ2)、“550”(シナリオ3)の順序で特定演出が実行されるようにしてもよい。
さらに、特定演出が実行されるたびに乱数値の抽選を行うようにしてもよい。例えば、スケジュールデータに特定演出の実行タイミングが定義されており、当該特定演出の実行タイミングでシナリオを選択するための乱数値を抽出する。この場合には、特定演出のシナリオを選択した後、乱数の下限値を設定する。図223に示した演出選択パターンテーブルでは、乱数値が大きいほど期待度の高い演出が実行されるように設定されているため、実行される特定演出を実行順に選択する場合には、上限値ではなく、下限値を再設定する。具体的には、最初にシナリオ2が選択された場合には、次の特定演出を選択時には成り下がりが発生しないように下限値を“100”とし、“100”から“1000”の範囲で乱数値を発生させるようにする。このように制御することによって、変動開始時などに特定演出を選択する場合と同様にストーリーリーチを実行することができる。なお、特定演出の選択が終了すると、SDRAM1510cに設定された下限値を保持し、次の特定演出を実行する場合に利用する。さらに、最後の特定演出が選択されたタイミング又は変動表示ゲーム(特図同調演出)が終了したタイミングで下限値をクリア(0に設定)すればよい。なお、さらに具体的な手順については、後述する擬似連続演出における制御にて説明する。
さらに、特定演出の選択時に下限値及び上限値をともに設定可能としてもよい。こうすることによって、特定の順序でシナリオが実行されやすくなるように制御することが可能となる。例えば、シナリオ1が選択された後、下限値を“0”、上限値を“200”に設定することによって、「シナリオ1」又は「シナリオ2」のみを選択することが可能となる。また、下限値を“101”、上限値を“200”と設定することによって、必ず「シナリオ2」が選択されるようにすることも可能となる。なお、変動開始時などにすべての特定演出を選択する場合についても同様に処理することができる。さらに、演出選択パターンテーブルに、上限値(又は下限値)のみを設定する、若しくは、上限値及び下限値を設定するなどの項目を設け、演出選択パターンごとに設定可能としてもよい。
なお、下限値が“0”でない場合には、“0”から“下限値−上限値”までの乱数値を生成させ、抽出した乱数値に下限値を加算してもよい。例えば、下限値が“101”、上限値が“200”の場合には、“0”から“99(=下限値−上限値)”までの乱数を発生させ、下限値“101”を加算した結果を抽出した乱数としてもよい。
[11−7−2.演出例]
以上の処理によって、成り下がりが発生しないように、ストーリーリーチにおいて実行される特定演出を選択することができる。続いて、変動パターンとしてストーリーリーチが選択された場合における演出の具体例について説明する。
図225は、本実施形態のストーリーリーチにおいて実行される特定演出の一例を示す図である。本実施形態のストーリーリーチでは、装飾図柄の変動表示においてリーチが発生した後、所定のタイミングで特定演出が実行される。特定演出が実行されると、装飾図柄1910が縮小されて右上部に移動し、始動記憶表示部1911の上方に領域1912が形成される。領域1912は、実行される特定演出のシナリオに対応するセリフが表示される。
図226は、本実施形態のストーリーリーチにおいて実行される特定演出のシナリオ(セリフ)の一例を示す図である。(A)はシナリオ1、(B)はシナリオ2、(C)はシナリオ3、(D)はシナリオ4、(E)はシナリオ5、(F)はシナリオ6を示す。前述のように、シナリオ1からシナリオ6の順で実行中の変動表示ゲームの期待度が高いことを示す。具体的には、シナリオ1では期待度が低いことを示すセリフ(「ダメっぽい!!」)が表示され、順次、期待感が高くなるようにセリフが設定されている。シナリオ5では、大当りを示唆するセリフ(「当たりかな?」)が設定され、シナリオ6では大当りが確定したことを示唆するセリフ(「大当りだ〜!!」)が設定されている。なお、シナリオ6は大当りが確定している場合にのみ選択されるようにしてもよい。
続いて、ストーリーリーチの画面遷移について説明する。図227及び図228は、本実施形態のストーリーリーチの画面遷移の一例を示す図である。まず、主制御基板1310から特図1変動パターンコマンドを受信すると、図227(A)に示すように、装飾図柄の変動表示を伴う特図同調演出が開始される。また、変動パターンとしてストーリーリーチが選択されているため、画面(B)に示すように、所定のタイミングでリーチが発生する。
その後、最初の特定演出を実行するタイミングになると、領域1912にセリフ(シナリオ2)が表示される特定演出が実行される(画面(C))。その後、二番目の特定演出を実行するタイミングになると、画面(D)に示すように、より期待度の高いシナリオ3が選択され、対応する演出態様で特定演出が実行される。
ここで、乱数の生成範囲を調整しない場合には、最後に実行される特定演出において、画面(E−1)に示すように、以前に実行された特定演出よりも期待度の低い特定演出が実行されてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、成り下がりを防止するように制御されるため、以前に実行された特定演出と期待度が同じ又は高い特定演出が必ず実行される(画面(E−2))。なお、本実施形態の手順では、最後に実行される特定演出から順にシナリオが選択されるため、最後にシナリオ1が選択される場合には、すべての特定演出においてシナリオ1が選択される。このような場合、同じ特定演出が連続して実行されてしまうため、同じ期待度に対応するシナリオを複数用意し、同じ特定演出が連続して実行されないようにしてもよい。
[11−8.擬似連続変動]
本実施形態における遊技機では、変動パターンとして擬似連続変動が選択された場合には、特図同調演出において、装飾図柄の仮停止と再変動が1回以上実行され、所定のタイミングで抽選によって選択されたシナリオに基づく演出が実行される。シナリオに基づく演出は、前述したストーリーモードと同様に、実行中の変動表示ゲームの期待度を示唆する演出(特定演出)が実行される。
装飾図柄の仮停止とは、装飾図柄の変動があたかも停止したように遊技者から認識されるが、実際には変動を継続している状態である。例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順で装飾図柄が停止する場合に、最後に停止する中図柄がわずかに上下動している状態であり、この状態から再変動を開始する。
また、装飾図柄の仮停止については、左図柄、右図柄、中図柄の他に、遊技者が認識しにくい態様で第4図柄を表示し、左図柄、右図柄、中図柄が停止した状態で第4図柄の変動表示を継続し、停止した図柄を再変動させるようにしてもよい。この場合、変動表示の結果態様を、左図柄、右図柄、中図柄に加えて第4図柄の停止態様を含めて示すようにしてもよい。このとき、左図柄、右図柄、中図柄を同じ装飾図柄で停止させ、第4図柄の相違のみで異なる結果態様としてもよい。このように構成することによって、大当りの結果態様の一部と小当りの結果態様とを類似させて当り遊技を実行することで、当り遊技終了後の遊技状態(変動表示ゲームの当選確率など)を遊技者に認識しにくくすることが可能となり、演出のバリエーションを増加させることができる。
本実施形態におけるストーリーリーチでは、変動開始時に実行されるシナリオをすべて決定していたが、本実施形態における擬似連続変動では、特定演出(シナリオ演出)を実行するタイミングでシナリオを抽選して選択する。また、擬似連続変動では、最後の再変動において、リーチが発生する場合には、擬似連続変動が発生しなくても実行可能な通常のリーチ演出(例えば、SPリーチ)を実行するようにしてもよいし、擬似連続変動の場合のみ実行されるリーチ演出としてもよい。また、擬似連続変動では、最後の変動でリーチを発生させなくてもよい。以下、変動パターンとして擬似連続変動が選択された場合の演出について説明する。
[11−8−1.擬似連続変動設定処理]
まず、擬似連続変動における演出制御について説明する。擬似連続変動では、前述のように、特定演出(シナリオ演出)を実行する直前に演出内容を抽選する。そのため、変動開始時には、擬似連続変動を実行するために必要な初期設定を行う。図229は、本実施形態における擬似連続変動設定処理の一例を示すフローチャートである。擬似連続変動設定処理は、演出設定処理(図220)のステップS1550の処理で実行される。なお、図229に示す擬似連続変動設定処理では、所定のタイミングで実行される特定演出の設定に関する処理を説明し、その他のリーチ演出などの特図同調演出の設定については、他の変動パターンが選択された場合と同様に処理されるため、説明を省略する。
擬似連続変動設定処理が実行されると、演出制御プログラムは、まず、変動パターンテーブル(図216)から演出挿入数(仮停止回数)及び演出選択パターンを取得し(ステップS1551)、SDRAM1510cの所定の領域に格納する。
さらに、演出制御プログラムは、擬似連続変動において実行される特定演出の残り実行回数である残り演出数に初期値として演出挿入数を設定する(ステップS1552)。最後に、特定演出のシナリオを選択するための乱数の範囲(上限値及び下限値)を初期化するために、規定値を設定する(ステップS1553)。本実施形態では、シナリオ演出実行時に演出内容を抽選し、最初に実行されるシナリオ演出から順次選択されるため、シナリオ選択抽選用乱数の範囲として下限値が初期化される。このとき、選択されるシナリオを限定するために、上限値も設定するようにしてもよい。
なお、ストーリーモードの場合と同様に、変動開始時にすべてのシナリオ演出を選択するように、擬似連続変動設定処理ですべてのシナリオを抽選してもよい。シナリオ演出を抽選する手順は、ストーリーモードと同様である。
[11−8−2.擬似連続変動制御処理]
続いて、装飾図柄変動処理において実行される擬似連続変動制御処理について説明する。図230は、本実施形態における擬似連続変動制御処理の一例を示すフローチャートである。擬似連続変動制御処理は、装飾図柄の変動表示が開始されてから停止するまでの間に実行され、擬似連続変動における仮停止の実行やシナリオ演出の実行を制御する。擬似連続変動制御処理は、装飾図柄変動処理(図221)のステップS1630の処理において実行される。
本実施形態の擬似連続変動演出では、仮停止のタイミングにあわせて押圧操作部(演出ボタン)303の操作入力受付期間が設定され、当該操作入力受付期間に押圧操作部303が操作されると、シナリオ演出が実行される。なお、図230に示す手順では、押圧操作部303が操作されない場合には、シナリオ演出を実行せずに通常の演出が継続される。
演出制御プログラムは、まず、押圧操作部操作受付可能フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1631)。押圧操作部操作受付可能フラグは、シナリオ演出を実行するために押圧操作部303の操作入力を受付可能な状態となっている場合にセットされる。すなわち、押圧操作部操作受付可能フラグがセットされている間に押圧操作部303が操作されると、シナリオ演出を実行するための処理が実行される。
押圧操作部操作受付可能フラグがセットされていない場合には(ステップS1631の結果が「No」)、演出制御プログラムは、押圧操作部303の操作受付が可能となるタイミングであるか否かを判定する(ステップS1646)。押圧操作部303の操作受付が可能となるタイミングでない場合には(ステップS1646の結果が「No」)、擬似連続変動制御処理を終了する。
押圧操作部303の操作受付が可能となるタイミングとなっている場合には(ステップS1646の結果が「Yes」)、押圧操作部303の操作入力が受付可能になったことを示唆する(押圧操作部303の操作を要求する)演出を実行するための設定を行う(ステップS1647)。さらに、押圧操作部操作受付可能フラグをセットし(ステップS1648)、擬似連続変動制御処理を終了する。なお、押圧操作部303の操作受付が可能となるタイミングは、装飾図柄の仮停止のタイミングに合わせて設定される。例えば、装飾図柄が仮停止される所定時間前に設定される。
一方、押圧操作部操作受付可能フラグがセットされている場合には(ステップS1631の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、押圧操作部操作フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1632)。押圧操作部操作フラグは、実際に押圧操作部303が操作された場合に設定される。具体的には、押圧操作部303の操作は2ms定常処理の操作ユニット情報取得処理で取得され、押圧操作部操作フラグは、16ms定常処理の操作ユニット監視処理でセットされる。
押圧操作部操作フラグがセットされている場合には(ステップS1632の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、設定された上限値及び下限値の範囲の乱数値を取得する(ステップS1633)。さらに、取得した乱数値に基づいて、演出パターンテーブルから特定演出として実行されるシナリオを取得する(ステップS1634)。演出パターンテーブルの形式は、ストーリーリーチの場合と同様である。図231は、本実施形態における擬似連続変動の場合のシナリオを選択するための演出パターンテーブルの一例を示す図である。本実施形態では、期待度の低いシナリオが選択されやすいように乱数の範囲が設定されている。
演出制御プログラムは、シナリオが選択されると、選択されたシナリオを基づく演出(特定演出)を実行するために必要な画像データや音データなどに関連する演出情報を設定するシナリオ実行設定処理を実行する(ステップS1635)。シナリオ実行設定処理で設定された演出情報は、ステップS606の情報出力処理によって実際に演出が実行される。
その後、演出制御プログラムは、ステップS1633の処理で取得された乱数値に基づいて、演出内容の成り下がりが発生しないように、次に実行されるシナリオを選択するための乱数値の範囲の下限値を設定する(ステップS1636)。具体的には、ステップS1634の処理で選択されたシナリオよりも期待度の低いシナリオが選択されないように、すなわち、少なくとも同程度のシナリオが選択されるように、乱数の下限値を設定する。例えば、図231を参照しながら、演出パターン12が選択された場合について説明する。取得された乱数値が“450”とすると、シナリオ2が選択される。このとき、下限値を“301”に設定することによって、次の抽選で必ずシナリオ2と同等以上の期待度のシナリオが選択される。また、下限値を“301”ではなく、“501”に設定することによって、必ず成り上がるように設定することができる。
一方、演出制御プログラムは、押圧操作部操作フラグがセットされていない場合には(ステップS1632の結果が「No」)、演出制御プログラムは、押圧操作部操作受付可能期間計測タイマがタイムアップしているか否かを判定する(ステップS1638)。タイムアップしていない場合には(ステップS1638の結果が「No」)、擬似連続演出制御処理を終了し、継続して押圧操作部303の操作入力を受け付ける。一方、押圧操作部操作受付可能期間計測タイマがタイムアップした場合には(ステップS1638の結果が「Yes」)、ステップS1640以降の処理を実行する。
押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303の操作入力が受け付けられた場合、又は、押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303の操作入力が受け付けられずにタイムアップした場合には、演出制御プログラムは、押圧操作部操作示唆演出を終了させる(ステップS1640)。さらに、押圧操作部操作受付可能フラグをクリアし(ステップS1641)、残り演出回数を1減算する(ステップS1642)。
最後に、演出制御プログラムは、残り演出数が0になったか否かを判定する(ステップS1643)。残り演出数が0になった場合には(ステップS1643の結果が「Yes」)、最後の特定演出が実行されたため、乱数の上限値を規定値に設定し(ステップS1645)、擬似連続演出制御処理を終了する。
一方、残り演出数が0でない場合には(ステップS1643の結果が「No」)、演出制御プログラムは、次の押圧操作部に対する操作入力タイミングを設定するために、押圧操作部操作受付可能時間計測タイマをセットする(ステップS1644)。
以上より、押圧操作部操作受付可能時間計測タイマがタイムアップしていない状態で、かつ、押圧操作部操作受付可能フラグが設定されている状態で、押圧操作部が操作された場合に特定演出が実行されるように制御される。なお、シナリオを基づく演出(特定演出)の実行タイミングは、装飾図柄が仮停止した後であってもよいし、押圧操作部303の操作直後であってもよい。例えば、装飾図柄が仮停止した後であれば、押圧操作部操作受付可能時間計測タイマがタイムアップしてからシナリオ実行設定処理が実行されるように制御を変更し、シナリオ実行設定処理後に押圧操作部操作フラグがクリアされるようにすればよい。
[11−8−3.擬似連続変動の演出例]
続いて、擬似連続変動の演出例について説明する。本実施形態の擬似連続変動では、装飾図柄の変動表示においてリーチが発生する前、装飾図柄の仮停止のタイミングにあわせて特定演出が実行される。具体的には、装飾図柄が仮停止する所定時間前から押圧操作部示唆演出が開始され(押圧操作部303に対する操作受付が可能な状態になる)、仮停止のタイミングで押圧操作部示唆演出が終了する(押圧操作部303に対する操作受付が不能になる)。押圧操作部303に対する操作受付が可能な状態(押圧操作部操作受付可能期間)に押圧操作部303が操作された場合には、装飾図柄の仮停止後、識別図柄の再変動が開始されるまでの間に特定演出が実行される。
特定演出はストーリーリーチと同様であり、特定演出が実行されると、装飾図柄1910が縮小されて右上部に移動し、始動記憶表示部1911の上方に領域1912が形成される。領域1912は、実行される特定演出のシナリオに対応するセリフが表示される。
図232は、本実施形態の擬似連続変動における演出の一例を示す図である。まず、主制御基板1310から特図1変動パターンコマンドを受信すると、装飾図柄の変動表示を伴う特図同調演出が開始され、図232(A)に示すように、左図柄、右図柄の順で装飾図柄が停止する。そして、図232(B)に示すように、押圧操作部操作受付可能期間となり、押圧操作部(演出ボタン)303の操作を促す押圧操作部示唆演出が開始される。押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303が操作されると、図232(C)に示すように、擬似連続変動が実行されることを示す継続図柄が中図柄として停止し、その後、図232(D)に示すように、特定演出が実行される。
その後、図232(E)に示すように、装飾図柄の再変動が開始され、図232(B)と同様に、押圧操作部示唆演出が開始される(図232(F))。このとき、押圧操作部303が操作されない場合には、装飾図柄の仮停止後(図232(G))、特定演出を実行せずに再変動が開始される(図232(H))。その後、最後の装飾図柄の仮停止を行うと(図232(I))、リーチ演出が実行される(図232(J))。図232(J)に示す例では、擬似連続変動が実行されない場合にも実行可能なSPリーチ3が実行されるが、このとき実行されるリーチは擬似連続演出に特化した演出であってもよい。また、最後の仮停止の前にも押圧操作部示唆演出を実行し、特定演出の実行後、リーチ演出を実行するようにしてもよい。
また、図232に示した例では、押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303が操作されない場合には、特定演出を実行せずに再変動を開始するが、所定時間経過後に特定演出を実行するようにしてもよい。
[11−8−4.擬似連続変動のタイミングチャート]
さらに、擬似連続変動における演出の実行タイミングについて説明する。図233及び図234は、本実施形態における擬似連続変動の制御のタイミングを説明する図である。
図233は、図232に示した演出例に対応するタイミングチャートである。図233(A)は押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303を操作した場合を示している。
まず、時刻t10において、始動口に遊技球が入賞し、主制御基板1310における特別図柄の変動表示(第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器における特別図柄(識別図柄)の変動表示、変動表示ゲーム)が開始される。このとき、主制御基板1310から周辺制御基板1510に特図変動パターンコマンド及び特図図柄種別コマンド等が送信される。周辺制御基板1510はコマンドを受信し、擬似連続演出を実行する変動パターンを選択する。
装飾図柄の変動開始(特図同調演出の開始)から所定時間が経過すると、装飾図柄が仮停止する前のタイミングで押圧操作部(演出ボタン)303の操作入力の受付期間(押圧操作部操作受付可能期間)が開始され、押圧操作部示唆演出が開始される(時刻t11)。押圧操作部操作受付可能期間は装飾図柄の仮停止が完了する時刻t13まで継続する。このとき、実行するシナリオ演出を抽選する(図230のステップS1634)。
そして、押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303が操作されると(時刻t12)、装飾図柄の仮停止が終了するタイミング(装飾図柄の再変動を開始するタイミング、時刻t14)で、抽選されたシナリオに基づく特定演出を実行する。
同様に、時刻t15でシナリオ3の特定演出が実行され、時刻t15でシナリオ3、時刻t16でシナリオ4の特定演出が実行される。その後、最後の仮停止が終了すると、リーチ演出が開始される(時刻t17)。そして、リーチ演出終了後、主制御基板1310における特別図柄の変動表示の終了と同調して装飾図柄の変動が終了し、確定図柄が表示される(時刻t18)。
続いて、押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303を操作しない場合について説明する。図233(B)は1回目の押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303を操作せずに対応する特定演出の実行がスキップされた場合を示している。
図233(B)に示す例では、時刻t12のタイミングで押圧操作部303を操作しないため、シナリオ1に基づく特定演出は実行されない。なお、時刻t15のタイミングで実行される特定演出は、乱数の下限値が再設定されていないため、候補となるすべてのシナリオが選択可能になっている。
次に、図234を参照しながら変形例について説明する。図234は、本実施形態における擬似連続変動の変形例のタイミングチャートである。図234(C)は押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303を操作した場合を示している。
図234(C)に示す例では、押圧操作部303を操作しない場合であっても、装飾図柄の再変動開始時に特定演出を実行する。また、押圧操作部303を操作した場合には、最変動開始前に特定演出を実行するように構成されている。このように構成されることによって、遊技者の操作したタイミングで特定演出を実行することが可能となり、違和感のない演出を実行することができる。
図234(D)に示す例では、押圧操作部303を操作しない場合には特定演出を実行せずにスキップし、その後に発生した押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303を操作した場合には、スキップした分の特定演出を実行する。
図234(D)を参照すると、2回目の押圧操作部操作受付可能期間に押圧操作部303を操作せずに、3回目の押圧操作部操作受付可能期間で押圧操作部303を操作した場合を示している。この場合、2回目の仮停止時に実行される特定演出はスキップされるが、3回目の仮停止時にはスキップされた分の特定演出も実行される。
図234(D)に示す例では、最初の仮停止時にシナリオ1に基づく特定演出が実行され、2回目の仮停止時に実行される特定演出がスキップされる。3回目の押圧操作部操作受付可能期間で押圧操作部303が操作されると、スキップされた分も含めて特定演出が選択される。装飾図柄の仮停止後、選択された特定演出(シナリオ3、シナリオ4)が順次実行される。
以上のように、本実施形態における擬似連続演出では、先行する特定演出を抽選した乱数に基づいて、後続の特定演出を抽選する乱数の範囲(下限値)を設定することによって、先行して実行される特定演出の期待度よりも低い期待度の演出が実行される成り下がりを防止することができる。
また、押圧操作部303の操作によって特定演出の実行可否を遊技者が選択できるので、遊技者の意図に沿った演出を実行させることができる。
[11−8−5.擬似連続変動の変形例]
[11−8−5−1.シナリオ選択タイミングの変形例]
以上説明した擬似連続変動の例では、装飾図柄が仮停止するタイミングに合わせて押圧操作部操作可能期間を設定し、押圧操作部303が操作されたタイミングで特定演出を実行するためのシナリオを選択していた。これに対し、前述したストーリーリーチのように、特定演出を実行するためのシナリオを変動開始時にすべて選択する場合について説明する。
変動開始時にシナリオをすべて選択する場合には、演出設定処理(図218)で実行される擬似連続変動設定処理(ステップS1550、図229)において、ストーリーリーチ設定処理(図222)におけるステップS1533からステップS1538と同様の処理を実行する。このように構成することによって、特定演出に対応するすべてのシナリオが設定された状態で装飾図柄の変動表示が開始される。
上記のように、変動開始時にすべてのシナリオが決定している場合に、押圧操作部操作可能期間において押圧操作部303が操作されなかったときには、実行されなかった特定演出の実行を規制(スキップ)してもよい。この場合、後の押圧操作部操作可能期間において押圧操作部303が操作された場合には、再抽選を実行してシナリオを再度選択してもよい。また、再抽選を実行せずに規制された特定演出を実行せずにスキップして、あらかじめ設定されていた特定演出を実行してもよいし、規制を解除してスキップされたシナリオに基づく特定演出を実行してもよい。
なお、最後の特定演出が実行される場合には、途中で実行されるはずの特定演出が規制された場合であっても、遊技者に最終的な期待度を報知するために、変動開始時に決定されたシナリオに基づく特定演出を実行するようにしてもよい。
また、押圧操作部303を操作しない場合であっても所定期間経過後に特定演出を実行するようにしてもよい。
[11−8−5−2.特定演出実行条件の変形例]
以上説明した実施形態では、押圧操作部303を操作することによって、装飾図柄の仮停止のタイミングで特定演出が実行されていたが、その他の条件に基づいて、特定演出を実行するようにしてもよい。
その他の条件とは、例えば、確定停止する図柄で構成され、ハズレ時には出現しない組み合わせの図柄、いわゆるチャンス目で停止した場合には、押圧操作部303を操作しなくても特定演出を実行してもよい(このとき、押圧操作部303の操作を要求しなくてもよい)。また、チャンス目ではなく、擬似連の仮停止時のみ出現する擬似連専用図柄を含む組み合わせで装飾図柄が停止した場合に特定演出を実行するようにしてもよい。この場合、最終停止図柄が擬似連専用図柄でければならないのではなく、表示する図柄列のうちいずれかの図柄が擬似連専用図柄で停止すればよい。また、通常のハズレ時の図柄(いわゆるハズレ目)で停止した場合に特定演出を実行してもよい。
また、特定演出実行のタイミングは、所定の可動体(可動役物)が動作したり、所定の発光体(ランプ、LEDなど)が発光したり、所定の音声が出力されたりした場合であってもよい。
さらに、本実施形態の遊技機の演出操作ユニット300には、押圧操作部303の他に、演出操作リング330が備えられている。演出操作リング330は、例えば、左右に回転可能に構成されており、例えば、所定のタイミングでリングを回転させた場合に特定演出を実行するようにしてもよい。また、リングの回転方向に応じて演出の態様を変化させるようにしてもよい。
その他の操作手段として、例えば、操縦桿のようなレバータイプの操作部が上皿201の前面に配置し、所定のタイミングでレバーを操作することによって特定演出を実行するようにしてもよい。
さらに、上皿等に搭載された演出表示装置の表面にタッチパネルを搭載し、このタッチパネルから遊技者の操作入力を可能とし、当該演出表示装置を操作することによって特定演出を実行するようにしてもよい。また、タッチパネルでは、多様な入力を可能とするため、特定演出の選択だけでなく、操作内容によって特定演出の演出態様を変更するようにしてもよい。
以上のような接触型の操作手段だけでなく、非接触センサなどの非接触型の操作手段を利用するようにしてもよい。例えば、遊技機の前面側に非接触センサを配置し、遊技盤の前方に手をかざすなどの動作を遊技者が行うことによって特定演出を実行するようにしてもよい。
[11−9.特図先読み演出]
続いて、特別図柄の変動表示が開始される前に、変動表示の結果を示唆する先読み演出について説明する。本実施形態における先読み演出は、原則的に始動口に遊技球が入賞したタイミングで実行される通常先読み演出と、先読み演出の対象となる始動記憶が消化されるまでの間に所定のタイミングで当該始動記憶に基づく変動表示の期待度が示唆される連続先読み演出とが実行可能に構成されている。なお、通常先読み演出は、後述するステップS2014の通常先読み演出実行タイミング変更処理が実施されない場合には、始動口に遊技球が入賞したタイミングで実行される。
通常先読み演出は、例えば、先読み対象の始動記憶の保留表示を通常とは異なる態様で表示する演出を含む。また、通常先読み演出は、例えば、始動口に遊技球が入賞したタイミングで実行される、各操作部の動作(振動等)、各操作部の操作を促す演出、演出表示装置1600への所定の画像の表示、各種スピーカからの所定の音の出力、及び各種ランプからの所定パターンの発光等を含む。なお、所定の条件が満たされる場合、通常先読み演出が実行されるタイミングが変更されてもよい。また、連続先読み演出では、先行して変動表示される始動記憶が消化されるたびに、先読み対象の始動記憶の保留表示の態様が変化するように構成される。なお、始動記憶の保留表示の態様を変化させるだけではなく、ストーリーリーチや擬似連続変動における特定演出を保留表示の態様を変化させるタイミングで実行するようにしてもよい。
[11−9−1.特図先読み演出制御処理]
まず、16ms定常処理の特図先読み演出制御処理(ステップS1027)について説明する。図235は、本実施形態における特図先読み演出制御処理の一例を示すフローチャートである。特図先読み演出制御処理では、通常先読み演出を実行するための処理と、連続先読み演出を実行するか否かを決定するための処理を実行する。なお、特図先読み演出制御処理は、受信コマンド解析処理で先読み演出コマンドを受信した場合に実行するようにしてもよい。
演出制御プログラムは、まず、特図先読み演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2001)。特図先読み演出実行フラグは、前述のように、主制御基板1310から先読み演出コマンドを受信した場合に、受信コマンド解析処理(図193のステップS601)でセットされる(図217のステップS1408)。特図先読み演出実行フラグが設定されていない場合には(ステップS2001の結果が「No」)、先読み演出を実行しないので、特図先読み演出制御処理を終了する。
一方、演出制御プログラムは、特図先読み演出実行フラグがセットされている場合には(ステップS2001の結果が「Yes」)、先読み対象の始動記憶に対応する先読み演出コマンドの内容に基づいて、通常先読み演出の態様を選択する(ステップS2002)。このとき、先読み対象の始動記憶に対応する特別図柄の変動表示においてリーチ演出が実行される場合にのみ通常先読み演出の態様を変化させるようにしてもよい。
図236は、本実施形態における保留表示の態様を変化させる通常先読み演出抽選テーブルの一例を示す図である。保留表示の態様を変化させる通常先読み演出では、始動口に遊技球が入賞すると、保留されている始動記憶の数が0の場合を除いて、現在実行中の特別図柄の変動表示の進行にかかわらず、保留表示の態様を所定の割合で変化させる。
先読み演出が実行されていない場合には保留表示は「白」となっているが、保留表示の態様を変化させる通常先読み演出が実行されると、保留表示の表示色が「白」から大当りとなる期待度に応じて所定の確率(図236)で「青」、「緑」、「赤」、「虹」に変化する。また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、はずれの場合よりも高い確率で保留表示の色が変化するように設定されている。
演出制御プログラムは、通常先読み演出設定処理を実行する。(ステップS2003)。通常先読み演出設定処理の詳細については、図294等を用いて後述する。例えば、通常先読み演出として保留表示の態様を変化させる通常先読み演出が選択された場合、保留表示の色が選択されると、演出制御プログラムは、ステップS2003において、選択された色に変化させるための設定を行う。また、この場合、ステップS2003において、保留表示の表示色を変化させる設定を行うとともに、変化のタイミングで効果音を出力させたり、ランプを点灯させたり、役物を可動させたりするための設定を行う。以下、特に断らない限り、通常先読み演出として保留表示の態様を変化させる通常先読み演出が選択されたものとする。その後、特図先読み演出実行フラグをクリアする(ステップS2004)。これにより、一の始動記憶に対して複数回の通常先読み演出が実行されることを防止することができる。
本実施形態では、通常先読み演出を実行する場合に限り、連続先読み演出を実行するように構成されている。すなわち、遊技者は始動口に遊技球が入賞したタイミングで通常先読み演出によって期待感を抱くようになり、遊技の進行によって保留表示の態様がさらに変化すると、より大きな期待感を抱くようになる。なお、通常先読み演出を実行せずに連続先読み演出を実行させるようにしてもよく、例えば、保留されている始動記憶数が多い場合には通常先読み演出を実行せずに連続先読み演出を実行させるようにしてもよい。特に、第一始動口と第二始動口とが常時入賞可能であって、これらの始動口に交互に入賞可能に構成されて始動記憶を8個まで保留可能な場合に有効である。
演出制御プログラムは、通常先読み演出を実行するか否かを判定する(ステップS2005)。通常先読み演出を実行しない場合には(ステップS2005の結果が「No」)、すなわち、保留表示の色が「白」のまま変化しない場合には、連続先読み演出を実行せずに、特図先読み演出制御処理を終了する。
通常先読み演出を実行する場合には(ステップS2005の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、主制御基板1310から受信した先読み演出コマンドに含まれる各種情報に基づいて、連続先読み演出抽選テーブル(図236)から対応する情報を取得し(ステップS2006)、連続先読み演出を実行するか否かを抽選する(ステップS2007)。各種情報には、例えば、変動パターン及び当落情報が含まれる。また、始動記憶数(特別図柄作動保留球数)は先読み演出コマンド同様のタイミングで送信される特別図柄記憶コマンドに含まれる。抽選の結果、連続先読み演出を実行しない場合には(ステップS2007の結果が「No」)、特図先読み演出制御処理を終了する。
図237は、本実施形態における連続先読み演出抽選テーブルの一例を示す図である。本実施形態の連続先読み演出は、複数の変動にまたがって、保留表示の態様が変化するため、始動記憶数が3以上の場合に実行されるようになっている。また、始動記憶に基づく変動表示の結果が大当り(又は大当りの可能性が高い)の場合には、連続先読み演出が実行されやすく、また、連続先読み回数が多くなりやすくなるように設定されている。
なお、連続先読み演出を実行するか否かの抽選(ステップS2007)は、連続先読み演出実行確率に基づいて抽選される。また、先読み対象の始動記憶にリーチが発生しない場合には、連続先読み演出が実行されないように設定されている。なお、図237の連続先読み演出実行確率の単位は%である。
演出制御プログラムは、連続先読み演出を実行する場合には(ステップS2007の結果が「Yes」)、連続先読み演出抽選テーブルから取得された演出選択パターンをセットする(ステップS2008)。さらに、残り演出数(残り先読み回数)に連続先読み演出実行回数をセットする(ステップS2009)。
さらに、演出制御プログラムは、連続先読み演出を選択するための乱数の範囲(上限値及び下限値)を規定値(初期値)に設定する(ステップS2010)。最後に、連続先読み演出実行フラグをセットし(ステップS2011)、特図先読み演出制御処理を終了する。
[11−9−2.連続先読み演出設定処理]
続いて、装飾図柄変動処理において実行される連続先読み演出設定処理について説明する。連続先読み演出設定処理は、先読み演出の対象となる始動記憶に対する先読み演出を制御する処理である。本実施形態では、前述のように、先読み演出対象の始動記憶よりも先行して変動表示ゲームが実行される始動記憶が消化されるタイミングで先読み演出対象の始動記憶の保留表示を変更するなどの処理を実行する。
図238は、本実施形態の連続先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。連続先読み演出設定処理は、演出設定処理(図220)のステップS1524の処理において実行される。
演出制御プログラムは、まず、連続先読み演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2101)。連続先読み演出実行フラグは、連続先読み演出を実行する場合に、特図先読み演出制御処理(図235)のステップS2011の処理で設定される。連続先読み演出実行フラグがセットされていない場合には(ステップS2101の結果が「No」)、連続先読み演出を実行しないため、連続先読み演出処理を終了する。
一方、連続先読み演出実行フラグがセットされている場合には(ステップS2101の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、実行する先読み演出(特定演出)を選択するための乱数値を取得する(ステップS2102)。さらに、取得された乱数値に基づいて、連続先読み演出態様選択テーブル(図239)から特定演出の態様を取得し(ステップS2103)、特定演出設定処理を実行する(ステップS2104)。特定演出設定処理では、連続先読み演出(特定演出)を実行するための設定を行う。
本実施形態における連続先読み演出(特定演出)は、保留表示の形状を期待度に応じて変化させる。また、通常先読み演出が実行された状態で連続先読み演出が実行されるため、保留表示の色が変化した状態で形状が変化するように制御される。図239は、本実施形態の連続先読み演出(特定演出)における保留表示の態様を選択するための連続先読み演出態様選択テーブルの一例を示す図である。
図239に示すように、本実施形態では、期待度に応じて6種類の特定演出が定義され、各特定演出に乱数の範囲が設定されている。例えば、演出選択パターンが「パターン2」の場合には、乱数値が0〜200の場合には特定演出1が、201〜400の場合には特定演出2が、・・・、901〜1000の場合には特定演出6が選択される。
また、パターン1では、期待度の高い特定演出5及び特定演出6が選択されないようになっており、また、パターン1では、すべての特定演出が実行可能となっているが、期待度の高い特定演出が選択されにくいように乱数の範囲が設定されている。これに対し、パターン4では、期待度の低い特定演出1が選択されないようになっているとともに、期待度の高い特定演出4や特定演出5が選択されやすいようになっている。図237に示すように、パターン1は、期待度の低い変動パターンで選択されるようになっている一方、パターン4は変動表示ゲームの結果が大当りの場合に選択されるようになっている。
なお、先に実行された連続先読み演出と同じ形状が選択された場合には、連続先読み演出が実行されなかったものとしてそのまま遊技を進行させるようにしてもよいし、保留表示を一時的に点滅させるなどして、連続先読み演出が実行された旨を遊技者に報知するようにしてもよい。
ここで、図238のフローチャートの説明に戻る。特定演出設定処理を実行すると、演出制御プログラムは、残り演出数を1減算する(ステップS2105)。そして、残り演出数が0になったか否か、すなわち、すべての連続先読み演出(特定演出)が実行されたか否かを判定する(ステップS2106)。残り演出数が0になった場合には(ステップS2106の結果が「Yes」)、すべての連続先読み演出が実行されたので、連続先読み演出実行フラグをクリアする(ステップS2107)。最後に、乱数の下限値を規定値(例えば、“0”)に設定し(ステップS2108)、連続先読み演出設定処理を終了する。
一方、演出制御プログラムは、残り演出数が0でない場合(ステップS2106の結果が「No」)、すなわち、連続先読み演出がすべて実行されていない場合には、ステップS2102の処理で取得された乱数値に基づいて、乱数の下限値を設定する(ステップS2109)。例えば、演出選択パターンが「パターン3」で抽出された乱数値が“350”の場合には、特定演出3が選択されるため、特定演出1又は特定演出2が選択されないように、すなわち、成り下がりが発生しないように、乱数の下限値を特定演出3が選択される場合の下限値“201”を設定する。これにより、次の連続先読み演出が実行される場合には、ステップS2102の処理で“201”〜“1000”の範囲の乱数値が抽出され、連続先読み演出で先行して実行された演出よりも期待度の低い演出が実行されることを防止することができる。
なお、連続先読み演出において、段階的に保留表示が変化するように、乱数の抽出範囲を調整するようにしてもよい。例えば、演出選択パターンが「パターン3」で連続先読み実行回数が「3」の場合には、最初に実行される特定演出が1〜4となるように下限値を“0”、上限値を“600”とする。このとき、最初に実行される特定演出が2であれば、2回目に実行される特定演出を選択するための乱数値の下限値を“201”、上限値を“800”に設定する。すなわち、特定演出が3〜5のいずれかが選択されるように設定される。こうすることによって、必ず期待度が高くなるように(成り上がるように)特定演出が実行され、さらに、特定演出5が選択された場合であっても、次回(最後)の特定演出では特定演出6が選択されるようになり、成り下がりを防止するとともに、確実に期待度が高くなるように特定演出を実行することができる。なお、確実に成り上がるように設定すると、遊技者の期待感を大きく高めることが可能となるため、大当りの場合にのみ確実に成り上がるように制御してもよい。
[11−9−3.演出例]
以上の処理によって、連続先読み演出において、成り下がりが発生しないように特定演出を選択することができる。続いて、連続先読み演出の具体例について説明する。図240は、本実施形態の連続先読み演出の画面遷移の一例を示す図である。
図240(A)は、先読み演出が実行されていない状態で装飾図柄の変動表示が実行されている状態である。図240(B)は、図240(A)の状態で第一始動口2002に遊技球が入賞した結果、通常先読み演出が実行された状態を示している。その後、図240(C)に示すように、装飾図柄が確定表示される。
その後、図240(D)に示すように、保留されている始動記憶が消化され、次の変動表示が開始される。このとき、1回目の連続先読み演出が実行され、特定演出3が実行されている。さらに、図240(D)〜(G)に示すように、保留されている始動記憶が消化されて変動表示が開始されるたびに特定演出4、特定演出5が実行され、保留表示の形状が変化する。
そして、先読み演出の対象となる始動記憶が消化され、装飾図柄の変動表示が開始されると(図240(H))、リーチが発生する(図240(I))。図240(J)に示す例では、SPリーチ3が実行される。
以上のように、本実施形態によれば、遊技の進行に基づいて先読み演出を実行可能とする(演出態様を変化させる)ことによって、遊技を継続する過程で遊技者の期待感をより高めることが可能となる。特に、始動口に遊技球が入賞したタイミングで先読み演出(通常先読み演出)が実行された後、先読み演出の対象となっている始動記憶が消化されるまでの間に実行される変動表示ゲームに対する遊技興趣が低下してしまうおそれがあるが、変動表示ゲームが実行されるたびに保留表示の態様が変化することで、遊技者の期待感を継続して高めることが可能となり、遊技興趣の低下を防止することができる。
[11−9−4.特図先読み演出の変形例]
[11−9−4−1.特図先読み演出制御の変形例]
なお、通常先読み演出と連続先読み演出とを区別しなくてもよい。前述した実施形態では、最初の先読み演出(通常先読み演出)では始動口に遊技球が入賞したタイミングで保留表示の態様(色)が変化し、2回目以降の先読み演出(連続先読み演出)では保留消化時に保留表示の態様(形状)が変化する。この場合、連続先読み演出を実行するか否かだけを始動口に遊技球が入賞したタイミングで判定し、保留消化時に特定演出(保留表示の変化)の内容を抽選していた。
これに対し、ストーリーリーチのように、始動入賞時にすべての特定演出の内容(シナリオ)を抽選するようにしてもよい。例えば、特図先読み演出制御処理(図193のステップS1027、図235)ですべての特定演出を抽選する。受信コマンド解析処理(図217)の特図先読み演出実行フラグを設定する処理(ステップS1408)において、すべての特定演出の内容を抽選するようにしてもよい。
また、始動入賞時に保留記憶数が2以下、かつ、変動表示が実行中の場合には、連続先読み演出の実行回数を1とし、保留記憶数が3以上の場合には連続先読み演出抽選テーブル(図237)に基づいて連続先読み演出の態様を選択すればよい(連続先読み演出抽選テーブルですべてのパターンを網羅できるようにしてもよい)。この場合、最初の先読み演出(通常先読み演出と同じ)において保留表示の色を変化させてもよいし、最初から形状を変更させてもよく、また、色及び形状の両方を変化させてもよい。
また、先読み演出の回数が1回の場合、すなわち、始動入賞時に保留表示の態様が変化し、その後、保留表示の態様が変化しない場合にはきわめて期待度の低いガセ演出としてもよい。すなわち、保留態様の変化の回数が多いほど大当りの期待度が高まるが、1回のみの場合には期待度が低いように構成してもよい。
[11−9−4−2.特図2優先消化]
本実施形態では、第一始動口2002に遊技球が入賞した場合に第一特別図柄表示器で特別図柄が変動表示される第1特図変動表示ゲームと、第二始動口2004に遊技球が入賞した場合に第二特別図柄表示器で特別図柄が変動表示される第2特図変動表示ゲームと、が実行される。また、本実施形態では、第二始動口2004に遊技球が入賞した場合のほうが、第一始動口2002に遊技球が入賞した場合よりも優先して変動表示が開始される。したがって、第一始動口2002に遊技球が入賞した始動記憶に基づいて先読み演出が実行されている場合に、第二始動口2004に遊技球が入賞すると、先読み演出対象の始動記憶の消化が遅れることになる。
このように、先読み対象の変動表示が割り込まれた場合には、直前に実行された特定演出を継続して実行するようにしてもよい。また、抽選されたシナリオに基づく特定演出を実行し、最後に実行される特定演出を割り込まれた分だけ連続して実行するようにしてもよい。
また、割り込まれた分だけ、シナリオを再選択するようにしてもよい。このとき、演出内容が成り下がりとならないように、実行済みの特定演出に対応するシナリオに対応して乱数の範囲を設定し、シナリオを新たに抽選してもよいし、実行済みのシナリオを無視し、乱数の範囲を初期化して新たにシナリオを抽選するようにしてもよい。
さらに、第二始動口2004に遊技球が入賞した場合には、特定演出を実行せずに、第一始動口2002に入賞した始動記憶に対応する変動表示のみ特定演出を実行するようにしてもよい。
また、第1特図変動表示ゲームと、第2特図変動表示ゲームと、が同時に実行可能に構成されている場合には、例えば、第1特図変動表示ゲームの実行に合わせて特定演出を実行すればよい。
また、本実施形態では、普通図柄の変動表示が当選した場合に、始動口ソレノイド2105が駆動して第二始動口扉2411が開閉されることにより、第二始動口2004に遊技球が入賞可能となっているが、遊技球が第一始動口2002及び第二始動口2004に交互に入賞し、第1特図変動表示ゲームと、第2特図変動表示ゲームと、が交互に実行される場合には、割り込みが発生しない。この場合、第1特図変動表示ゲームのみを実行する場合と同様に制御すればよいが、最大8回分の変動表示を保留することができるため、これらの変動表示ゲームを区別せずに、長期間におよぶ一連の特定演出を実行することが可能となり、さらにバリエーションに富んだ演出を実行することができる。
[11−9−4−3.特図先読み演出態様の変形例]
以上説明した実施形態では、保留表示の態様が変化させていたが、演出表示装置1600の画面の背景を変化させるようにしてもよい。具体的には、単に背景色を変更してもよいし、装飾図柄やキャラクタなどの後方に特別な態様の構造物や自然物を配置してもよい。例えば、雲を表示させ、大当りの期待度に応じて雲の色を変化させたり、雲から雷を発生させたりするようにしてもよい。
[11−10.乱数抽選の変形例]
以上説明した演出例では、乱数を生成する範囲(上限値、下限値)を変更することによって、成り下がりを防止するように構成していたが、これ以外の方法で成り下がりを防止するようにしてもよい。なお、図223に示した演出選択パターンのパターン1が選択された場合について説明する。
例えば、乱数の生成範囲は変更せずに(すなわち、“0”から“1000”の範囲のままで)、抽出された乱数値を演算等の処理により変換することによって特定演出を選択するようにしてもよい。以下、具体例について説明する。
本発明では、特定演出として「シナリオ3」が選択されると、直前に実行される特定演出は「シナリオ1」から「シナリオ3」のいずれかとなる。このような例について説明すると、成り下がりを防止するために、“0”から“600”までの範囲で乱数が生成されるように設定される。ここで、“0”から“1000”までの範囲で乱数を生成させ、“600/1000”で乗算することによって(小数点以下切捨て)、“0”から“600”までの範囲の乱数を生成させることができる。
また、“0”から“600”までの範囲の乱数を生成させる場合に、“0”から“1000”までの範囲で生成された乱数に対し、“600”で除算した余りを乱数値としてもよい。この場合、“0”から“400”までの値が重複するため、乱数のばらつきが偏ってしまうが、例えば、除算結果が1以上の場合には、乱数の生成範囲と重複する範囲との差分(ここでは600−400=200)を乱数値に加算することによって(すなわち、重複範囲を“200”から“600”にする)、期待度の高いシナリオを実行する可能性が高くなるように設定して遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
さらに別の例として、“0”から“1000”までの範囲の乱数を生成する場合に、“0”から“100”までの範囲で生成された乱数を10回生成し、各生成された乱数を加算することによって、“0”から“1000”までの範囲の乱数を生成するようにしてもよい。このように構成することによって、生成する乱数の範囲に応じて乱数の生成回数を設定して加算することによって、実際に生成する乱数の範囲を一定にしながら多様な乱数の範囲を設定することができる。また、乱数を所定回数生成するのではなく、所定倍してもよい。例えば、“0”から“100”までの範囲で生成された乱数を10倍することによって“0”から“1000”までの範囲の乱数を生成してもよい。きめ細かい振り分けはできなくなるが、乱数が一様乱数であれば同様の結果を得ることが可能となる。また、演出選択パターンに応じて乱数の抽出方法を変更してもよく、必要に応じて抽出される乱数の精度を調整してもよい。
また、最初に実行される特定演出を選択するための乱数を抽出した後、後続の特定演出を選択するための乱数は、先行する特定演出を選択するための乱数に加算するようにしてもよい。このとき、加算後の乱数値が上限値を超えないように乱数の生成範囲を調整するようにしてもよいし、上限値の超過分を切り捨てるようにしてもよい。
[11−11.成り下がりの許容(法則崩れ)]
[11−11−1.演出例]
以上説明した実施形態では、連続して実行される特定演出について、演出内容の期待度が低下する成り下がりを防止できるように構成されている。しかしながら、成り下がりが発生しなくても必ずしも変動表示の結果が大当りになるとは限らない。また、最初に期待度の高い特定演出が実行された場合には、以降の演出の流れが遊技者に予測されてしまい、遊技の興趣を高められない可能性もあった。
そこで、所定の条件を満たす場合には、成り下がりを許容し、通常実行される演出パターンに変化をもたらす変形例について説明する。成り下がりを許容する条件は、例えば、変動表示の当選確率の確率状態や普通電動役物の作動状態(時短状態)などの遊技状態に応じて行うか否かを決定してもよい。具体的には、変動表示の結果が大当りとなる確率が高い場合(高確率状態、確変状態)、又は、時短状態のように遊技者に有利な状態の場合に乱数の生成範囲を調整せずに成り下がりを許容してもよい。逆に、確変状態や時短状態以外の遊技者に有利でない状態の場合に乱数の生成範囲を調整せずに成り下がりが発生するようにしてもよい。
また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合に限り、成り下がりを許容するようにしてもよい。すなわち、期待度が低くなる演出が実行されてがっかりするところで、逆に大当りが確定することを遊技者が認識できるようになる。このように、通常の流れでは実行されない演出が実行された場合に逆に期待度が高くなるようにすることによって、演出のバリエーションを増加させ遊技の興趣を高めることができる。なお、成り下がりが発生しにくく制御しながら通常時にも成り下がりを(低確率で)許容し、変動表示ゲームの結果が大当りの場合に成り下がりが発生する確率を高くするようにしてもよい。
さらに、変動表示ゲームの結果ではなく、変動パターンに応じて成り下がりを許容するか否かを決定するようにしてもよい。例えば、信頼度の高いリーチ(例えば、ストーリーリーチ、擬似連続演出後のSPリーチ3など)が発生する場合には、信頼度の低いリーチよりも成り下がりが発生しやすくしてもよい。一方、信頼度の低いリーチが発生する場合に、信頼度の高いリーチよりも成り下がりが発生しやすくしてもよい。このように、変動表示ゲームの結果ではなく、成り下がりの許容可否を演出内容に対応させてもよい。
また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合における変動パターンの信頼度で成り下がりを許容してもよい。例えば、高信頼度の変動パターン(リーチ)のほうが低信頼度の変動パターン(リーチ)が選択された場合よりも成り下がりが発生する可能性が高くなるように設定する。逆に、低信頼度の変動パターン(リーチ)のほうが高信頼度の変動パターン(リーチ)が選択された場合よりも成り下がりが発生する可能性が高いようにしてもよい。
また、大当り遊技が終了した後に変動表示ゲームの確率状態が通常状態か確変状態かを明確に報知しない不明瞭モードを実行されている場合に、実際の確率状態が通常状態の場合に限り、乱数の生成範囲を調整するようにしてもよい。この場合、確率状態が確変状態であれば、成り下がりが発生しても変動表示ゲームの当選確率が高いため、結果的に遊技者を落胆させることが少ないし、通常状態であれば、成り下がりが発生しないため、ストーリーリーチの演出によって遊技者を落胆させることが少なくなる。逆に、確変状態の場合に限り、乱数の生成範囲を調整して成り下がりを防止するようにしてもよい。このように構成することによって、成り下がりが発生したことで遊技者は現在の確率状態が通常状態(低確率)であることを認識することができる。
さらに、不明瞭モードでは乱数の生成範囲を調整せずに成り下がりが発生した場合に明示的に確率状態を報知するようにしてもよい。また、不明瞭モードに乱数の生成範囲を調整するモードと、乱数の生成範囲を調整しないモードの2種類のモードを設定可能としてもよい。さらに、これらのモードを遊技者が選択できるようにしてもよい。このように構成することによって、遊技者は確率状態を早期に認識可能とするか、落胆の少ない演出が実行できるようにするかを選択することが可能となる。
[11−11−2.制御例]
続いて、成り下がりを許容する制御について説明する。本実施形態では、成り下がりを防ぐために、乱数の生成範囲を調整していたが、具体的な手順について説明する。
例えば、成り下がりを許容する場合には、乱数の上限値又は下限値を規定値(初期値)に再設定する。この場合、成り下がりとならない可能性もあるが、大当りの報知演出として成り下がりを発生させる場合には、必ず成り下がりを発生させるように乱数の範囲を設定すればよい。また、乱数の上限値又は下限値を規定値(初期値)までではなく所定段階戻すように設定してもよい。このようの構成することによって、成り下がりの発生確率や段階を調整することができる。
また、前述したように、所定範囲の乱数を重複して発生させることで偏った分布の乱数を発生させてもよい。この場合、重複範囲を、成り下がりを発生させる範囲としたり、逆に成り上がりを発生させる範囲としたりすることによって、成り下がり(成り上がり)の発生確率を調整してもよい。さらに、乱数のカウンタの初期値、最小値及び最大値を設定することによって生成される乱数の範囲を調整するようにしてもよい。
また、乱数を更新するカウンタは、前述のように、所定のタイミング(例えば、2ms定常処理が開始するごと)で1ずつ加算されているが、これを遊技状態に応じて加算する数値を変更してもよい。例えば、通常遊技状態では1加算し、高確率状態(確変状態)では別の乱数を抽出して加算する。このように乱数カウンタの更新方法を変化させることによって、遊技状態に応じて成り下がりの発生頻度を変化させることが可能となる。
[11−12.電源遮断時の処理]
ここで、受信コマンド解析処理において、電断コマンド又は電源投入コマンドを受信した場合の処理について説明する。
前述のように、電断コマンドは、主制御基板1310に外部からの電源供給が停止した場合に送信される。なお、電断コマンドが送信される前には、前述のように、主制御基板1310から停電予告信号が出力され、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が実行されることによってコマンドのバックアップ等の処理が実行される。
周辺制御基板1510では、電源が遮断される態様に応じた処理を実行する。具体的には、外部からの電源供給が停止して遊技機全体(主制御基板1310及び周辺制御基板1510)に電源の供給が遮断された場合、主制御基板1310にのみ電源の供給が遮断された場合、周辺制御基板1510にのみ電源の供給が遮断された場合がある。以下、それぞれの場合について説明する。
[11−12−1.周辺制御基板のみ電源が遮断された場合]
配線の接触不良などの要因で周辺制御基板1510のみに対して電源の供給が遮断された場合、主制御基板1310における遊技制御は継続されている。このとき、SDRAM1510cの記憶内容が消失していない場合、すなわち、SDRAM1510cの記憶内容がバックアップ管理対象ワークエリアの記憶内容と一致している場合には、前述したように、ホットスタートとして演出制御を再開(継続)する。
なお、ホットスタートで演出制御を再開した場合であっても、周辺制御基板1510において電源供給が一時的に遮断されたことを報知してもよい。電源供給遮断の報知は、例えば、電源投入時の初期画面を表示してもよいし、電源が遮断されたことを報知する画面を表示してもよい。
また、電源の遮断によって、主制御基板1310における時間計測(タイマ)と、周辺制御基板1510における時間計測との間でずれが生じてしまうおそれがある。例えば、主制御基板1310における特別図柄の変動表示と、周辺制御基板1510における装飾図柄の変動表示の変動開始からの経過時間がずれてしまう可能性がある。この場合には、装飾図柄の変動表示のほうが遅く終了するため、特図同調演出終了コマンドを受信した時点で特図同調演出を終了させてもよい。また、変動開始時に初期図柄を表示する必要がある場合には、デフォルトのハズレ図柄又は所定の図柄を表示する。所定の図柄は、大当り以外の図柄であればよく、停電発生時専用の図柄であってもよい。
また、大当り遊技の実行時に電源が遮断された場合には、次のラウンドに移行することを示す大入賞口閉鎖表示コマンドやエンディングコマンドなどを受信したタイミングで時間計測のずれを修正すればよい。
なお、SDRAM1510cの記憶内容が消失してしまった場合には、SDRAM1510cの通常使用する記憶領域に値0を書き込んでコールドスタートとして演出制御を再開する。
コールドスタートとして演出制御が再開されたタイミングで特定演出を伴う演出(変動パターン)が実行されていた場合には、一連の特定演出の実行を中断する。一方、ホットスタートの場合には、特定演出の進行情報が保持されていればそのまま演出を継続してもよいし、シナリオの抽選結果を破棄し、シナリオを再抽選してもよい。各特定演出実行時にシナリオを抽選する場合には、各特定演出の内容に齟齬が生じないように、最後の特定演出がすべて終了するタイミングまで、以降の特定演出を実行するためのシナリオを抽選せずに、特定演出を実行しないようにしてもよい。なお、コールドスタート又はホットスタートのいずれであっても、周辺制御基板の電源が遮断された場合には特定演出の実行を中止するようにしてもよい。
[11−12−2.主制御基板のみ電源が遮断された場合]
主制御基板1310の電源のみが遮断され、周辺制御基板1510の電源が供給されている場合には、前述のように、主制御基板1310から電断コマンドが周辺制御基板1510に送信される。このとき、周辺制御基板1510は、実行中の演出表示を電源遮断時の画面表示(異常報知画面)に切り替える。その後、主制御基板1310に電源の供給が再開されると、電源投入コマンドとともに、遊技状態を通知するコマンドを周辺制御基板1510に送信する。なお、遊技状態を通知するコマンドは電源投入コマンドと一体となっていてもよい。
周辺制御基板1510は、電源投入コマンドとともに通知された遊技状態が現在実行中の演出内容と一致する場合には、演出画面に復帰させてそのまま演出を継続する。このとき、電源投入コマンドとともに通知された情報だけでは演出画面に復帰できない場合には、遊技者が誤認しないような演出を実行する。例えば、実行中の演出に復帰できない場合とは、例えば、装飾図柄の変動表示の停止結果を表示している状態や大当り遊技中のラウンド演出などである。遊技者が誤認しないような演出とは、例えば、装飾図柄の変動表示中であれば、すべての装飾図柄を高速に変動表示させたり、異常時専用の装飾図柄を表示させたりする。また、大当り遊技中であれば、ラウンド数を表示せずに大当り遊技中であることだけを表示すればよい。
また、遊技状態と現在演出中の表示状態が異なっていれば、異常報知画面を表示する。そして、主制御基板1310から正常なコマンドを受信した場合に受信したコマンドに対応した演出を行うことで正常な状態に復帰する。なお、異常報知画面について、遊技者が異常を生じたことを認識できる程度の表示であればよい。このとき、擬似連続変動やストーリーリーチの変動パターンで変動表示が実行されている場合には特定演出の実行は中止され、連続先読み演出が継続中の場合でも以降の特定演出の実行(シナリオの抽選)は中止される。
[11−12−3.主制御基板及び周辺制御基板の電源が遮断された場合]
遊技機に対する電源が遮断された場合、主制御基板1310にはバックアップ電源から電源が供給され、RAMに記憶された内容は所定期間保持される。前述のように、主制御基板1310から電断コマンドが周辺制御基板1510に送信される。
その後、遊技機に再び電源が供給されると、主制御基板1310は電源投入コマンドを周辺制御基板1510に送信する。このとき、主制御基板1310から周辺制御基板1510に遊技状態が通知され、客待ち状態のような遊技停止状態でない場合には、周辺制御基板1510は、電源の遮断が発生したことを報知する演出を実行した後、客待ち等の遊技者に誤認を与えないような演出に切り替える。その後、主制御基板1310から正常なコマンドを受信すると、受信したコマンドに対応した演出を行うことで正常な状態に復帰する。この場合、擬似連続変動やストーリーリーチの変動パターンで変動表示が実行されている場合には特定演出の実行は中止され、連続先読み演出が継続中の場合でも以降の特定演出の実行(シナリオの抽選)は中止される。
[11−12−4.電源遮断時のまとめ]
以上のように構成することによって、主制御基板1310や周辺制御基板1510への電源供給が遮断された場合であっても、擬似連続変動やストーリーリーチの変動パターンで変動表示の実行を継続するか否かを適切に判断することができる。
[11−13.普図先読み演出]
続いて、普通図柄種別先読み演出(普図先読み演出)について説明する。本実施形態では、主制御基板1310から普通図柄種別先読み演出コマンドを受信すると、普図先読み演出が実行される。図241は、本実施形態における普図先読み演出制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。図242は、本実施形態の普図先読み演出の一例を示す図である。
演出制御プログラムは、普図先読み演出制御処理が開始されると、まず、普図先読み演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2201)。普図先読み演出実行フラグは、前述のように、普通図柄種別先読み演出コマンドを受信した場合に、受信コマンド解析処理(図217)において設定される。演出制御プログラムは、普図先読み演出実行フラグがセットされていない場合には(ステップS2201の結果が「No」)、普図先読み演出を実行しないため、本処理を終了する。
一方、演出制御プログラムは、普図先読み演出実行フラグがセットされている場合には(ステップS2201の結果が「Yes」)、普図先読み演出を現在実行中であるか否かを判定する(ステップS2202)。普図先読み演出を実行中の場合には(ステップS2202の結果が「Yes」)、実行中の普図先読み演出を継続するため、ステップS2207以降の処理を実行する。
演出制御プログラムは、普図先読み演出を実行中でない場合には(ステップS2202の結果が「No」)、普図先読み演出の実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS2203)。普図先読み演出の実行条件は、例えば、遊技状態や他の演出の実行状況などに応じて成立可否を判定する。演出制御プログラムは、普図先読み演出の実行条件が不成立の場合には(ステップS2203の結果が「No」)、普図先読み演出実行フラグをクリアし(ステップS2209)、本処理を終了する。
また、本実施形態では、普図先読み演出を実行するタイミングを特に限定していない。例えば、特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の変動表示(特図同調演出)の実行状態とは独立して実行させてもよい。図242(A)に示すように、特別図柄に対応する装飾図柄が変動表示している間であっても、図242(B)に示すように、普図先読み演出が実行される。また、普図先読み演出の実行タイミングは、装飾図柄が停止表示されているタイミングであってもよい。また、図242に示すように、特図先読み演出が実行されている間であっても、並行して普図先読み演出を実行してもよい。
一方、主制御基板から4100から普図先読み演出の実行を指示するコマンド(普通図柄種別先読み演出コマンド)を受信した場合であっても周辺制御基板1510が普図先読み演出の実行可否を判定することが可能となっている。例えば、遊技者が注目する演出(例えば、リーチ演出など)が実行されている場合や、普図先読み演出の実行中に特別な演出が実行される場合には、普図先読み演出の実行条件を不成立として、普図先読み演出の実行を規制してもよい。また、複数種類の予告演出が同時に実行されないように、特別抽選の先読み予告演出が実行されている場合には周辺制御基板1510側の処理で普通抽選の先読み予告演出の実行を規制するようにしてもよい。
本実施形態における普図先読み演出では、図242(B)に示すように、画面右上部に星形状の普図先読み演出領域が表示され、領域内で図柄が変動表示するように構成される(図242(C))。そして、変動表示の結果、当りに対応する図柄(「当」、図242(D))やはずれに対応する図柄(「−」、図242(E))が停止表示され、普図抽選の結果が報知される。遊技者は、普図先読み演出領域で当りを示す図柄が停止した場合に第二始動口扉2411を備える第二始動口2004を狙って遊技球を発射すればよい。また、当りを示す図柄が停止した場合には、第二始動口2004を狙って遊技球を発射するように遊技者に報知してもよい。このとき、演出制御プログラムは、遊技者が第二始動口2004を狙って発射する時間を確保するために、第二始動口扉2411が拡開される所定時間前に、普図先読み演出の結果が表示されるように制御する。
さらに、普通抽選の当りの種類によって第二始動口扉2411の可動態様が複数設定されている場合には、遊技者にとっての有利度(第二始動口2004への遊技球の入賞しやすさ)に応じて普図先読み演出の実行条件が成立したか否かを決定してもよい。例えば、第二始動口扉2411の可動態様として、第二始動口扉2411が拡開している時間を長く設定したり(ロング開放)、第二始動口扉2411が可動する回数が多くなるように設定したりする。このとき、ロング解放などの遊技者に有利な可動態様の場合に限り、普図先読み予告を実行するようにしてもよい。
また、当りとはずれ以外の複数種類の図柄を定義し、普通抽選が大当りとなる期待度に応じて停止図柄を設定するようにしてもよい。さらに、停止図柄を第二始動口扉2411の可動態様に対応させてもよい。普図抽選が当りとなった結果、ロング開放の態様で第二始動口扉2411が可動する場合には当りとして報知する停止図柄を設定し、短時間の開放態様の場合には、当りでもはずれでもない別の停止図柄としてもよい。
なお、普通図柄の変動時間が短い時短状態の場合には、普通図柄種別先読み演出を実行しなくてもよい。当選確率が高く、普通抽選の結果を予告しても遊技者にとっての利益が少なく、また、普通図柄の変動時間が短いため、普図先読み演出を実行する時間を十分に確保できないからである。すなわち、遊技状態に応じて普図先読み演出の実行可否を決定するようにしてもよい。
演出制御プログラムは、普図先読み演出の実行条件が成立した場合には(ステップS2203の結果が「Yes」)、普図先読み演出領域を表示する(ステップS2204)。そして、普図先読み演出における図柄を変動表示させる時間を設定するために、普図先読み演出タイマをセットし(ステップS2205)、普図先読み演出を開始する(ステップS2206)。なお、普図先読み演出タイマがタイムアップするまでの時間は固定でもよいし、遊技状態に応じてもよいし、普通図柄の変動時間応じてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
さらに、演出制御プログラムは、普図先読み演出が実行中の場合には(ステップS2202の結果が「yes」)、普図先読み演出タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップS2207)。普図先読み演出タイマがタイムアップしていない場合には(ステップS2207の結果が「no」)、普図先読み演出を継続するため、本処理を終了する。
一方、演出制御プログラムは、普図先読み演出タイマがタイムアップした場合には(ステップS2207の結果が「Yes」)、普図抽選の先読み結果を表示するため、変動中の図柄を停止表示させる(ステップS2208)。最後に、普図先読み演出実行フラグをクリアし(ステップS2209)、本処理を終了する。
なお、以上説明した普図先読み演出は、演出表示装置1600の画面上にて実行されていたが、図示しない他の表示画面にて実行するようにしてもよい。また、普図先読み演出は、表示装置に表示するだけでなく、可動役物を動作させたり、ランプなどの発光体を発光させたり、スピーカから音声を出力させたりするなど複数の演出装置で実行可能としてもよく、これらの複数の演出装置による組み合わせであってもよい。複数の演出装置による組み合わせて普図先読み演出を実行する場合、複数の演出装置で同時に実行する場合以外にも、複数の演出装置のうちいずれかの演出装置で普図先読み演出を実行するようにしてもよい。例えば、画面表示と音声出力で普図先読み演出を行う場合、画面表示によって普図先読み演出を実行することができない状態(例えば、エラー報知中、別の(先読み)演出を実行している場合等)の場合には、表示装置による演出の実行を規制し、音声出力による普図先読み演出のみを実行する。また、普図先読み演出の実行を規制するのではなく、普図先読み演出を他の演出と重複させて実行するようにしてもよい。この場合、普図先読み演出の演出態様を変化させる。例えば、画面表示を半透明にして普図先読み演出を実行してもよいし、ボリュームを絞って音声出力を行うようにしてもよい。
[11−14.効果等]
以上のように、本実施形態によれば、遊技状態などに応じて動的に乱数値の範囲を変更することによって、制御を複雑化させずに成り下がりを防ぐなど、矛盾のない連続演出を実行することができる。
また、特定演出を含む演出の実行中に所定の初期化条件が成立すると、特定演出を実行するためのフラグや乱数初期値がクリアされる。所定の初期化条件は、例えば、演出の実行中に電源の供給が遮断され、演出を継続することができない場合などである。
また、演出の実行中に大当りや小当りなどを発生させる始動入賞があった場合、特定の変動パターン(例えば、期待度の高いレアな変動パターンなど)を発生させる始動入賞があった場合、遊技状態(遊技モード)の移行条件が成立した場合にも特定演出を含む演出の実行を中止し、フラグや乱数初期値をクリアする。
例えば、前述した第二始動口2004に遊技球が入賞したことに基づく変動表示が第一始動口2002に入賞した場合よりも優先して実行される仕様において、優先して実行される変動表示の結果が大当りなどの上記初期化条件を満たす場合に、フラグや乱数初期値をクリアし、特定演出を含む演出の実行を中止する。このように構成することによって、大当りの発生や遊技状態の変化などのイベントが発生することで特定演出が中断され、中途半端な状態で再開されることを防止することができる。
また、成り下がりを防止するためだけでなく、連続的に実行され、順序性を有する演出を実行する場合に本発明を適用してもよい。
例えば、大当り遊技でラウンドごとの演出を選択する場合に適用してもよい。この場合、大当り遊技の開始時に各ラウンドの演出を選択してもよいし、所定数のラウンドごと(例えば、15ラウンドの大当り遊技で3ラウンドごと)に演出内容を選択するようにしてもよい。また、途中のラウンド(例えば、15ラウンド中の7ラウンド)までは、共通の演出を実行し、以降のラウンド(例えば、8ラウンド以降)については、演出内容を選択するようにしてもよい。このとき、例えば、大当り遊技終了後に実行される変動表示ゲームの始動記憶に大当りとなる始動記憶が含まれている場合には、特別な演出が実行されやすい演出パターンを選択して、連続大当りであることを遊技者に示唆(報知)してもよい。
以上説明したように、本発明の特徴は、遊技状態などに応じて動的に乱数値の範囲を変更することによって、制御を複雑化させずにバリエーションに富んだ演出を実行することが可能となる。
また、本実施形態によれば、ストーリーリーチ、擬似連続変動、連続先読み演出における特定演出の選択パターンをすべて網羅した予告抽選テーブルを保持する必要がないため、演出の多様化に伴う記憶容量の増大を抑制することが可能となる。
[11−15.特図先読み(判定・演出)の禁止]
ここでは、主制御基板1310の主制御MPUが特図先読み判定を禁止する制御と周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aのCPUが特図先読み演出を禁止する制御とについて説明する。
[11−15−1.主制御基板側の制御(特図先読み判定の禁止)]
[11−15−1−1.コマンド]
まず、図243及び図244は、主制御基板から周辺制御基板へ送信されるコマンドのうち特図先読みに係るコマンドについての詳細な内容を説明するテーブルの一例である。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出の開始を指示するものである。ここでは、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した場合はモード値を「01H」とし、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合はモード値を「02H」とする。
次に、前述では、特別図柄1保留数が変化したタイミング(第一始動口2002への遊技球入賞による保留数(始動記憶数)の増加タイミング、又は、第一特別図柄表示器における変動表示による保留数の減少タイミング)で、特別図柄1記憶コマンドが周辺制御IC1510aのCPUに送信され、さらに、特別図柄1保留数が増加する場合(第一始動口2002への遊技球入賞時)は特別図柄1保留数指定コマンドが送信されていた。したがって、特別図柄1記憶コマンドは0〜4個の保留数情報を有し、これに合わせてモード値「00H」〜「04H」が設定されている。また、前述したように、特別図柄1保留数指定コマンドは増加時の保留数だけでなく先読み演出の有無を通知する。特別図柄1保留数指定コマンドは、モード値の上位4ビットが「1」の場合には「先読み有」情報を表し、モード値の上位ビットが「0」の場合には「先読み無」情報を表している。そして、特別図柄1保留数指定コマンドが「先読み有」の場合には、先読み演出の開始を指示する役割も果たす。なお、特別図柄2記憶コマンド及び特別図柄2保留数指定コマンドは、特別図柄1とステータス値が異なるだけで同様の構成である。
これに対し、変形例(図243)では、特別図柄1保留数が減少する場合(変動開始時)と増加する場合(始動口入賞時)とで送信されるコマンドが異なる。特別図柄1保留数が減少したタイミング(第一特別図柄表示器における変動表示による保留数の減少タイミング)、すなわち、該変動表示の開始タイミングで、保留球数を示す変動開始時特別図柄1記憶コマンドが送信される。したがって、保留数減少時に送信される変動開始時特別図柄1記憶コマンドは0〜3個の保留数情報を有し、これに合わせてモード値「01H」〜「04H」が設定される。一方、特別図柄1保留数が増加したタイミング(第一始動口2002への遊技球入賞による保留数の増加タイミング)では、保留球数及び先読みの有無を示す先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドが送信される。したがって、保留数増加時に送信される先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドは1〜4個の保留数情報を有し、これに合わせてモード値「*2H」〜「*5H」が設定される。なお、モード値の上位4ビット「*」は、「先読み無」の場合に「0」が設定され、「先読み有」の場合に「1」が設定される。これら先読みの有無情報の設定は、後述の記憶先読み処理(図245)のステップS242の処理(「先読み無」)及びステップS280の処理(「先読み有」)にて行われる。先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドと前述の特別図柄1保留数指定コマンドとは、周辺制御IC1510aのCPUに送信する情報は同じであるが、コマンドを構成するステータス値及びモード値の設定が異なる。なお、変動開始時特別図柄2記憶コマンド及び先読み時特別図柄2記憶先読みコマンドは、特別図柄1とステータス値が異なるだけで同様の構成である。
また、先読み有り時の場合(すなわち、先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドのモード値の先頭アドレスが「1」である場合)に限り、図柄種別先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド及び変動タイプ先読みコマンドが送信される。なお、変形例では、変動振り分けテーブル情報先読みコマンドも送信される。したがって、変形例では、前述の記憶先読み処理(図204)に、先読み判定を行った場合に変動振り分けテーブル情報先読みコマンドの送信を設定する処理が追加される。
ここで、図245を参照して、変形例の記憶先読み処理について説明する。図245は、変形例の記憶先読み処理の一例を示すフローチャートである。なお、前述の記憶先読み処理(図204)と共通する処理については同じ符号を付し説明を省略する。
変形例では、前述したように、先読み判定を行った場合に変動振り分けテーブル情報先読みコマンドを送信する。したがって、主制御MPUは、先読み結果を示すコマンド(図柄種別先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド及び変動タイプ先読みコマンド)を、周辺制御基板1510に送信するためのコマンドバッファに設定する(ステップS268〜S278)ときに、変動振り分けテーブル情報先読みコマンドも該コマンドバッファに設定する(ステップS279a及びS279b)。変動振り分けテーブル情報先読みコマンドについては、図243を参照して後述する。また、ステップS284の処理において取得するコマンドは、対応する特図の先読み時特別図柄記憶先読みコマンド(図243)が対象となる。前述したように、先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドは、特別図柄1(2)保留数指定コマンドと保持する情報は同じである。
図243に戻る。図柄種別先読みコマンドは、記憶先読み処理(図245)の特別図柄大当り判定処理(ステップS250、図207)及び特別図柄判定処理(ステップS252、図208)の結果に応じて、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するコマンドである。同様に、変動開始時に実行される特別図柄・フラグ設定処理(図34)の特別図柄大当り判定処理(ステップS510、図207)及び特別図柄判定処理(ステップS512、図208)の結果に応じて、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するコマンドとして、特図1(2)図柄種別コマンドがある。これらのコマンドの詳細な構成について説明する。
図柄種別先読みコマンド(図243)及び特図1(2)図柄種別コマンド(図244)のモード値には、はずれ又は大当り図柄種別0〜48が対応付けられている。図柄種別先読みコマンドは、はずれに対しモード値「01H」が設定され、特定大当りを示す大当り図柄種別0〜44に対して図柄種別毎にモード値「02H」〜「46H」が設定され、非特定大当り(小当り)を示す大当り図柄種別45〜48に対して同一のモード値「50H」が設定される。一方、特図1(2)図柄種別コマンドは、非特定大当り(小当り)を示す大当り図柄種別45〜48に対しても図柄種別毎にそれぞれモード値「47H」〜「50H」が設定される。
変動パターン先読みコマンドは、前述したとおり、演出パターン(変動パターン)を指定するコマンドである。変動パターンを示す変動パターン値(変動パターン番号)は、記憶先読み処理(図245)の変動パターン選択判定処理(ステップS258、図209、図210)において変動パターン用乱数1及び変動パターン用乱数2を用いて設定される。変動パターン用乱数1は複数から演出モードを設定するために用いられ、変動パターン用乱数2は、設定された演出モードに応じた詳細の演出内容(演出パターン)を設定するために用いられる。
変動タイプ先読みコマンドは、設定された変動パターンに対して擬似連続変動を行うか否かの情報(時間の加算値)を指定するコマンドである。時間の加算値は、記憶先読み処理(図245)の変動タイプ判定処理(ステップS262、図211)において変動タイプ用乱数を用いて設定される。変動タイプ用乱数によって擬似連続変動を行わないと判定された場合には、設定された変動パターンの変動時間を維持する。また、変動タイプ用乱数によって擬似連続変動を行うと判定された場合は、該変動タイプ用乱数によって、設定済みの変動パターンに対応する変動タイプ(タイプA〜Cのいずれか)に応じた擬似連続変動の実行回数(1〜3回)が決定される。このとき、擬似連続変動の実行回数に応じて時間の加算値が対応付けられているので、タイプ別の実行回数が決定されることで時間の加算値が設定されることになる。したがって、擬似連続変動が行われる場合には、変動パターンに設定される変動時間が延長される。
変動振り分けテーブル情報先読みコマンドは、変動開始時に変動パターン選択判定処理(図209)において変動パターンを決定するときに用いられる変動振り分けテーブルを指定するコマンドである。前述したように、変動振り分けテーブルには、大当りとなる場合(ステップS350にて「yes」)に用いられる大当り変動選択情報種別テーブル(大当り振り分けテーブル)、はずれとなるがリーチ演出を行う場合(ステップS372にて「yes」)に用いられるリーチ変動選択情報状態テーブル(リーチ振り分けテーブル)、及び、はずれとなりリーチ演出を行わない場合(ステップS372にて「no」)に用いられるはずれ変動選択情報テーブル(非リーチ振り分けテーブル)が設けられている。そして、変動振り分けテーブル情報先読みコマンドに設定される変動開始時の変動振り分けテーブルには、前述の3つの振り分けテーブルの他に、リーチ又は非リーチ振り分けテーブルがある。リーチ又は非リーチ振り分けテーブルは、先読み時と変動開始時とで保留球数が変化するとリーチ演出を行うか否かのリーチ判定の結果が変わる可能性があるリーチ判定用乱数を有する保留(始動記憶)に対して設定されるテーブルである。
ここで、図246を参照して、先読みコマンドの一つとして変動振り分けテーブル情報先読みコマンドを送信するメリットについて説明する。図246は、(A)変動パターン選択判定処理(図209)を前述の変動振り分けテーブルに着眼して簡素化した略式フローチャートの一例であり、(B)リーチ判定用乱数と比較値の相関に応じたリーチ実行可否テーブルの一例である。
図246(A)に示すように、変動パターン選択判定処理では、大当り判定用乱数によって大当り判定が行われ、大当りとなる場合には大当り振り分けテーブルが設定される。一方、大当り判定の結果がはずれとなる場合には、リーチ判定用乱数によってリーチ判定が行われる。リーチ判定では、リーチ判定用乱数の値が比較値(リーチしきい値)よりも小さい場合にリーチ振り分けテーブルが設定され、リーチ判定用乱数の値が比較値よりも大きい場合に非リーチ振り分けテーブルが設定される。その後、設定されたテーブルを用いて変動パターン用乱数1から演出モードが決定され、該演出モードにおいて変動パターン用乱数2から変動パターンが決定される。
リーチ判定では、図246(B)に示すように、比較値(リーチしきい値)が判定時の保留球数に応じて変動する。ここでは、判定時の保留球数が4個である場合の比較値を10とし、保留球数が1個減少するごとに比較値が10加算されるとする。この場合、リーチ判定用乱数が0〜9の場合は、保留球数が0〜4個のいずれであってもリーチ振り分けテーブルが設定されることになる。しかし、リーチ判定用乱数が10〜49の場合は、保留球数に応じてリーチ判定の結果が異なるので、リーチ振り分けテーブル及び非リーチ振り分けテーブルのどちらかが設定されることになる。また、リーチ判定用乱数が50以上の場合は、保留球数に関係なく常に非リーチ振り分けテーブルが設定されることになる。
したがって、変動振り分けテーブル情報先読みコマンドのモード値には、大当り判定結果が大当りとなる場合「01H」、はずれとなる場合において、リーチ判定用乱数が0〜9のとき「02H」、リーチ判定用乱数が10〜49のとき「03H」、リーチ判定用乱数が50以上のとき「04H」が設定される。
このように、先読み時に主制御基板から周辺制御基板に変動振り分けテーブル情報先読みコマンドを送信することで、周辺制御IC1510aのCPUは、モード値が「03H」の保留に対して先読み時と変動開始時とで保留球数が変動するとリーチ判定の結果が異なる可能性があることを考慮した先読み演出制御を実行することが可能となる。なお、記憶先読み処理(図245)において、変動振り分けテーブル情報先読みコマンドのモード値が「03H」となる場合には、ステップS280の先読み有り時の保留コマンド参照値を設定する処理を行わず、ステップS242の先読み無し時の保留コマンド参照値を設定した状態を維持するようにしてもよい。すなわち、主制御MPUは、先読み判定は行うが先読み判定結果情報を周辺制御基板1510に送信しない。この場合は、「先読み無」の特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを周辺制御基板に送信する。これにより、周辺制御IC1510aのCPUによる先読み演出制御を簡素化することができ、制御負担を軽減することができる。
以上のように、第一始動口2002(第二始動口2004)への遊技球入賞時に主制御基板から周辺制御基板へ送信される特別図柄1記憶先読みコマンド(特別図柄2記憶先読みコマンド)には、保留球数情報とともに先読み演出を行うか否か(「先読み有」又は「先読み無」)の情報が含まれる。そして、「先読み有」の場合にのみ図柄種別先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、変動タイプ先読みコマンド及び変動振り分けテーブル情報先読みコマンドが送信され、「先読み無」の場合にはこれらの先読みコマンドは送信されない。周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aのCPUは、始動口入賞発生時に送信される特別図柄1記憶先読みコマンド(特別図柄2記憶先読みコマンド)さえ受信すれば、他の先読みコマンドの受信を待つことなく先読み演出の実行対象か否かを判別することができる。周辺制御IC1510aのCPUは、「先読み有」の特別図柄1記憶先読みコマンド(特別図柄2記憶先読みコマンド)を受信した場合(特定の遊技情報を受信した場合)には、他の先読みコマンドの受信や特図先読み演出実行フラグのセット(受信コマンド解析処理のステップS1408、図217)を行って先読み演出の実行条件を成立させる処理(第一事前処理)を実行した上で、特図先読み演出制御処理(図193のステップS1027、第二事前処理)を実行し、先読み演出を実行する。また、周辺制御IC1510aのCPUは、「先読み無」の特別図柄1記憶先読みコマンド(特別図柄2記憶先読みコマンド)を受信した場合は、後に先読みコマンドが送信されてこないことを把握することができるので、その他の先読みコマンドの受信を待つことなく先読み演出の不実行決定(特図先読み演出実行フラグをセットしない)を即断することができる。すなわち、この場合、周辺制御IC1510aのCPUは、第一事前処理を実行せずに第二事前処理である特図先読み演出制御処理(図235)を実行することになり、特図先読み演出実行フラグがセットされていないことから(ステップS2001にて「No」)先読み演出を実行することなく当該特図先読み演出制御処理を終了する。
また、主制御基板1310側で先読み判定が行われなかった場合(「先読み無」のコマンドを受信した場合)は、周辺制御基板1510に先読み演出の設定に必要なコマンド(図柄種別先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、変動タイプ先読みコマンド及び変動振り分けテーブル情報先読みコマンド)が送信されないので、始動口入賞時(先読み時)に送信されるコマンドが簡潔になるとともに、周辺制御IC1510aのCPUが先読み演出を実行してしまう誤制御を未然防止することができる。また、後述するように遊技の進行において発生し得る先読み演出の不具合に対してバックアップ機能を有する主制御基板1310が先読みの有無情報を周辺制御基板1510に送信可能なことで、適切な先読み演出の実行を促進することができる。なお、特別図柄1(2)記憶先読みコマンドに「先読み無」が設定される条件(すなわち、主制御基板1310が先読みを禁止する条件)については、図247にて後述する。
また、始動口入賞時(先読み時)に送信される図柄種別先読みコマンドは、条件装置の作動を伴う特定大当り(第一特定結果)は特定大当り種類毎に異なるモード値が設定されるが、条件装置の作動を伴わない所謂小当りとされる非特定大当り(第二特定結果)は非特定大当り種類に関係なく共通のモード値が設定される。すなわち、主制御基板1310は、先読み判定結果が特定大当り(第一特定結果)の場合には特定大当りの種類を特定可能にモード値が設定されたコマンド(第一特定情報)を周辺制御基板1510に送信するが、先読み判定結果が非特定大当り(第二特定結果)の場合には非特定大当り種類を特定不能にモード値が統一されたコマンド(第二特定情報)を送信する。そして、変動開始時に送信される特図1(2)図柄種別コマンドは、非特定大当りも非特定大当り種類毎に異なるモード値が設定される。これにより、所謂小当りとされる非特定大当りとなる保留に関しては変動開始時までその種類を周辺制御基板1510すら把握することができないので、該保留の先読み演出から遊技者に小当りの種類が読み取られる虞がない。よって、適度に期待度を高める先読み演出を提供でき、遊技の興趣低下を抑制することができる。
例えば、小当りを契機に大入賞口が開放され、該大入賞口内の特定領域(Vゾーン)への遊技球入賞(V入賞)によって大当りが発生する2種羽根物のVゾーン入賞構造を備えるパチンコ機では、小当りの種類に応じて特定領域への遊技球入賞の容易さが異なる。すなわち、小当りの種類に応じて大当りが導出され得るか否かが決まる。また、小当りの種類に応じて導出される大当りの種類が異なるので、遊技者が獲得可能な特典(時短回数等)が異なる。このため、遊技者にとって小当りの種類情報がより重要になる。このようなパチンコ機において小当り種類を把握可能な先読み演出を行うと、遊技者は小当り種類に応じて打ち分けを行い、容易に大当りや特定の特典を狙うことが可能になってしまう。したがって、小当り種類に応じた先読み演出が実行されないようにすることで、変動開始されるまで遊技者には何ら予測可能な要素(情報)が与えられないようにする。これにより、遊技の公平性を保ち、遊技の興趣を高めることができる。
[11−15−1−2.先読み判定の禁止条件]
図247は、(A)変形例の主制御基板1310が先読みを禁止する条件を示すテーブルの一例であり、(B)状態移行時に先読みを禁止する効果について説明する図である。
前述の記憶先読み処理(図245)では、遊技球の始動入賞のタイミングと、実際に変動が開始されるタイミングとで変動パターンを選択するテーブルが異なる場合(ステップS244にて「yes」)、又は、テーブルが変化せずとも先読み判定禁止期間である場合(ステップS246にて「yes」)に、先読み判定を禁止している。そして、先読み判定を禁止した場合は、特別図柄1(2)記憶先読みコマンドに「先読み無」が設定される。
ここで、図247(A)に示すように、変動パターンを選択するテーブルが異なる場合(ステップS244にて「yes」)とは、具体的には始動入賞時の確率状態が変動開始時の確率状態と異なる場合や始動入賞時の時短状態が変動開始時には非時短状態となる場合等が挙げられ、確率状態や時短状態の状態維持回数(ゲーム数)又は変動パターンを選択するテーブルの状態維持回数(ゲーム数)が4回以内に該当するときを示す。この場合は、特別図柄の種類に関係なく先読み判定を禁止する。
また、先読み判定禁止期間である場合(ステップS246にて「yes」)とは、第一始動口2002(特図1始動口)への遊技球入賞時の遊技状態が時短状態又は条件装置の作動を伴う大当り遊技状態である場合や第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球入賞時の遊技状態が非時短状態又は大当り遊技状態である場合を示す。なお、本パチンコ機では、第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球入賞(特別図柄2保留の発生)が時短状態に限定されることから、第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球入賞時の遊技状態が非時短状態(時短状態でない状態)である場合に先読み判定を禁止している。また、大当り遊技中に発生した特別図柄保留に対して先読み判定を行っても、大当り遊技中はそれまでの遊技状態に関係なく通常(低)確率状態及び非時短状態となるので、該特別図柄保留が消化されるときの遊技状態(該大当り遊技後の遊技状態)と異なる可能性が高く、先読み判定の精度低下を招く懸念がある。このため、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球入賞時(特別図柄保留発生時)の遊技状態が大当り遊技中である場合も、先読み判定を禁止している。
図247(B)に示すように、状態Aが100回の変動消化を契機に状態Bに移行する場合、状態Aの維持回数(残り変動回数)が4回となるタイミングで(状態Aにおける97回目の変動開始時)に先読み判定を禁止する。そして、状態Aから状態Bに移行するまでを先読み判定禁止期間とする。
状態Aにおける97回目の変動が開始される直前に発生した入賞1は、保留記憶1〜4エリア全てに保留がなければ97回目の変動として消化されるが、保留記憶1〜3エリアに保留があれば2〜4つ目の保留としてそれぞれ保留記憶2〜4エリアに記憶される。そして、98〜100回目の変動として消化される。また、保留記憶1〜4エリア全てに保留が記憶されていればオーバーフロー入賞となり記憶されない。
このように、入賞1は、変動消化が遅い場合であっても状態Aにおいて変動が実行される。入賞時と変動開始時とで状態移行がない場合、入賞時によって決定される先読み情報(大当り判定結果、変動パターン等)は、変動開始時に決定される変動情報と違わない。しかしながら、入賞1の後、すなわち、状態Aにおける97回目の変動開始後に発生した入賞2は、入賞発生時の保留球数によって入賞時と変動開始時とで状態が移行してしまうことが起こり得る。入賞2発生時の保留球数が3個であって、入賞2が4つ目の保留として保留記憶4エリアに記憶される場合は、入賞時は状態Aであっても変動開始時は状態Bとなる。これでは、入賞時に決定される先読み情報と変動開始時に決定される変動情報とでは、各種判定の前提とする状態が異なるので、同一とならない可能性がある。特に、状態Aが状態Bよりも遊技者にとって有利な状態である場合は、先読み情報に基づく先読み演出では期待度の高い演出が行われていたにも関わらず、実際は期待度の低い変動となり、遊技者を大幅に落胆させてしまう事象が発生し得る。
そこで、入賞発生時の保留球数によって入賞時と変動開始時とで状態移行が発生し得る期間、すなわち、状態Aにおける97回目の変動開始後から100回目の変動が終了して状態Aから状態Bに移行するまでの期間を先読み禁止とする。このように、変動パターンを選択するテーブルが変更になるまでの期間が所定期間(ここでは、状態の残り維持回数4変動)となった場合に先読み演出が行われないようにする。これにより、実際の変動に比較して過度な(乖離した)先読み演出が実行されることで遊技の興趣低下を招くことを防止することができるとともに、先読み演出の信頼度を上げることができる。よって、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、状態移行には、ST回数消化による高確率状態から通常確率状態への移行、時短回数消化による時短状態から非時短状態への移行、変動回数に応じた演出モード遷移による状態移行等が挙げられる。これらの状態移行により入賞時(先読み時)と変動開始時とで変動パターンを選択するテーブルが変化することが起こり得る場合は、主制御MPUは、先読み判定を行わず、周辺制御IC1510aのCPUに入賞した始動口に対応する特別図柄の保留球数と先読み無しの情報のみを送信する。
このような状態移行時の先読み禁止制御を主制御MPUが行うことで、例えば、時短状態中に電断が発生して復電した場合に、周辺制御IC1510aのCPUは、従来、残りの時短回数を把握できないため復電後は禁止していた先読み演出を実行することができるようになる。具体的には、前述したように時短状態と非時短状態とでは変動パターンを選択するテーブルが異なる。また、時短状態における変動回数(時短回数)は、主制御MPUがカウントするが、時短回数情報は周辺制御基板1510側には送信されない。したがって、復電したときに周辺制御IC1510aのCPUは、時短状態である情報は受信するが時短状態の進捗状況(残りの時短回数)は把握することができなかった。このため、時短状態から非時短状態への状態移行前の残り時短回数が4回以下になった場合に先読み演出を禁止しようとしても、その判定ができず、復電後は時短状態が終了するまで先読み演出を禁止せざるを得なかった。これに対し、本発明では、主制御MPUが状態移行時の先読み禁止制御を行う。主制御MPUは、時短状態から非時短状態への状態移行前の残り時短回数が4回(所定回数)以下になった場合は、先読み判定を行わないので、先読み演出に必要な先読みコマンドを周辺制御基板1510に送信しない。したがって、周辺制御IC1510aのCPUが先読み演出を行うことはない。これにより、周辺制御IC1510aのCPUは、時短状態中に電断が発生して復電した場合であっても、主制御MPUから送信されるコマンドに従って時短状態中の先読み演出を実行することができる。よって、先読み演出が行われない期間を削減することでき、遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、変動振り分けテーブル情報先読みコマンド(図243、図246)の説明において、モード値が「03H」となる場合には、先読み時と変動開始時とで保留球数が変動するとリーチ判定の結果が異なる可能性がある、すなわち、変動パターンを選択するテーブルが変化する可能性があると前述した。リーチ判定の結果によって変動パターンを選択するテーブルが変化する可能性があるか否かは、リーチ判定用乱数とリーチ判定に用いる比較値の上下限値によって判断可能である。比較値は、特別図柄リーチ確率データと保留球数から設定される。特別図柄リーチ確率が予め決められていれば、これらの値は、先読み判定によって変動振り分けテーブル情報先読みコマンドを設定せずとも取得可能である。このような場合は、記憶先読み処理(図245)において先読み判定(ステップS248〜280)を実行する前に先読み対象とするか否か判定する対象としてもよい。リーチ又は非リーチ振り分けテーブルのどちらも選択される可能性がある場合は、主制御MPUは変動パターンを選択するテーブルが異なる場合(ステップS244にて「yes」)と判定する。
なお、本発明のパチンコ機1は、特別図柄2保留が特別図柄1保留よりも優先消化され、それぞれ上限4個まで保留記憶可能な構成であるため、移行前の状態維持回数(ゲーム数)が残り4回以下となる場合に先読みを禁止しているが、これに限らない。パチンコ機1に適用される仕様に応じて判定しきい値の回数(ここでは4回)を変更すればよい。また、前述した主制御基板側で行う特図先読み判定を実行しない制御は、後述する周辺制御基板側で特図先読み演出を行わない制御としてもよい。
[11−15−2.周辺制御基板側の制御(特図先読み演出の禁止)]
続いて、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aのCPUが特図先読み演出を禁止する制御について説明する。
前述では、主制御基板1310の主制御MPUによる特図先読み禁止制御について述べたが、主制御MPUによる先読み禁止制御だけでは、先読み演出に係る不具合発生を防止するには不十分である。例えば、パチンコ機1が電断から復電した場合は、主制御MPUは復電時情報(遊技バックアップ情報)を把握することが可能であるが、周辺制御IC1510aのCPUは把握することができない。電断発生時に保留が存在していた場合に、主制御MPUは、保留球数の情報を周辺制御基板1510に送信するが、該保留球数分の先読み情報(結果情報、変動パターン等、先読みコマンドの内容)までは送信しない。したがって、周辺制御IC1510aのCPUは、電断時に保留状態となっていた電断時保留に対して先読み演出を実行することができない。また、復電後に発生した保留に対する先読み情報は主制御MPUから送信されるが、電断時保留が全て消化されるまでは復電後に発生した保留の先読み演出の実行に懸念がある。
例えば、復電後の確率状態が高確率状態であって、電断時保留の中に低確率状態になる当り保留が含まれる場合に、主制御MPUは復電後に発生した保留の先読み判定を高確率状態において実行するが、該当り保留の変動実行によって確率状態は高確率状態から低確率状態となる。すなわち、復電後に発生した保留が消化されるときは低確率状態である。したがって、復電後に発生した保留の先読み演出が期待度の高い演出であっても、該保留の変動演出は通常はずれ演出となる可能性があり、遊技者の期待を著しく裏切ることになり遊技の興趣低下を招く虞がある。
そこで、変形例1では、復電時を含む電源投入後、所定回数(8回)の変動が開始されるまで、周辺制御IC1510aのCPUは、特図先読みコマンドを受信しても先読み演出を禁止する。所定回数は、特別図柄1保留と特別図柄2保留の保留上限数とする。また、前述したように、受信した先読み時変動振分テーブル情報コマンドのモード値が「03H」である場合にも先読み演出を禁止する。以下では、図248及び図249を参照して、変形例1の周辺制御IC1510aのCPUによる先読み演出禁止制御について説明する。
また、変形例2として、電源投入時に不明保留(電断時保留)がある場合は、該不明保留が消化されるまで、周辺制御IC1510aのCPUは、特図先読みコマンドを受信しても先読み演出を禁止する。また、変形例2では、遊技状態に限らず周辺制御IC1510aのCPUが「先読み無」の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合は、該コマンドの保留を不明保留として扱い、同様に、該不明保留が消化されるまで先読み演出を禁止する。以下では、図250〜図253を参照して、変形例2の周辺制御IC1510aのCPUによる先読み演出禁止制御について説明する。
[11−15−2−1.変形例1(電源投入時、所定変動回数先読み禁止)]
まず、変形例1について説明する。図248は、変形例1の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、前述の受信コマンド解析処理(図217)と共通の処理は同一の符号を付し、説明を省略する。また、図249は、変形例1の受信コマンド解析処理における先読み禁止カウント処理の一例を示すフローチャートである。
前述したように、受信コマンド解析処理において、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドを周辺制御基板1510に備えられるSDRAM1510cの受信コマンド記憶領域(周辺制御部受信リングバッファ)に記憶する。そして、主制御基板1310からの受信順序が最も早いコマンドを周辺制御部受信リングバッファから読み出し(ステップS1402)、読み出したコマンドに応じた処理を実行する。
変形例1において、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出したコマンドが電源投入時状態コマンドである場合に(ステップS1421にてYes)、投入後8変動先読み禁止フラグと、その他コマンドに対応するフラグを設定し(ステップS1422)、受信コマンド解析処理を終了する。パチンコ機1の電源投入後は、まず、主制御基板1310の電源投入時に主制御MPUは、遊技バックアップ情報に応じた各種コマンド(演出開始と遊技状態の指示)を周辺制御基板1510へ送信する。したがって、電源投入後、周辺制御基板1510が最初に受信するコマンドは、電源投入時状態コマンドである。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、読み出したコマンドが特図変動パターンコマンドである場合に(ステップS1403にてYes)、先読み禁止カウント処理を実行する(ステップS1430)。その後、周辺制御基板1510の変動表示パターン格納領域(RAM)に特図変動パターンコマンドを記憶するとともに、変動パターン受信フラグをセットし(ステップS1404)、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、図249を参照して、先読み禁止カウント処理について説明する。先読み禁止カウント処理は、電源投入後に特別図柄変動表示ゲームが8回実行開始されたか否かを特図先読みコマンドを受信したときも判定可能にするための設定を行う処理である。
まず、周辺制御IC1510aのCPUは、投入後8変動先読み禁止フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1431)。そして、フラグがセットされている場合には(ステップS1431にてYes)、SDRAM1510cに設けられる減算方式の先読み禁止カウントに「8」をセットする(ステップS1432)。その後、投入後8変動先読み禁止フラグを解除する(ステップS1433)。これにより、電源投入後、最初の特別図柄変動表示ゲーム開始時に、先読み禁止カウントの設定が完了する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、投入後8変動先読み禁止フラグがセットされていない場合には(ステップS1431にてNo)、後述のステップS1434の処理に移行する。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、先読み禁止カウントが「0」であるか否かを判定する(ステップS1434)。先読み禁止カウントが「0」でない場合は(ステップS1434にてNo)、先読み禁止カウントを1減算して更新し(ステップS1435)、先読み禁止カウント処理を終了する。一方、先読み禁止カウントが「0」である場合は(ステップS1434にてYes)、そのまま先読み禁止カウント処理を終了する。
時間経過に沿って説明する。電源投入後、1回目の変動開始時にステップS1431にてYes→ステップS1432→ステップS1433の処理が実行され、電源投入後の変動回数をカウントする先読み禁止カウントの設定が行われる。その後、ステップS1434にてNo→ステップS1435の処理が実行され、先読み禁止カウントは「7」になる。その後、2回目の変動開始時ではステップS1431にてNo→ステップS1434にてNo→ステップS1435の処理が実行され、先読み禁止カウントは「6」になる。3〜8回目の変動開始時にも同様の処理が繰り返され、8回目の変動開始時には先読み禁止カウントが「0」になる。したがって、その後の変動開始時ではステップS1431にてNo→ステップS1434にてYesの処理が繰り返される。
このように、先読み禁止カウント処理では、先読み禁止カウントの値と電源投入後の変動回数とを関連付けて連動させることで、先読み禁止カウントの値から先読み禁止状態か否かを判定できるようにしている。
図248に戻る。周辺制御IC1510aのCPUは、読み出したコマンドが特図先読み演出コマンド(先読み有の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンド、先読み時図柄種別先読みコマンド、先読み時変動パターン先読みコマンド、先読み時変動タイプ先読みコマンド、先読み時変動振分テーブル情報コマンド)である場合に(ステップS1407にてYes)、該特図先読み演出コマンドとしてステータス値「69H」かつモード値「03H」の曖昧コマンド(リーチ又は非リーチ振り分けテーブルを示す先読み時変動振分テーブル情報コマンド)を受信しているか否かを判定する(ステップS1441)。そして、該曖昧コマンドを受信している場合には(ステップS1441にてYes)、先読み演出を実行しないので、そのまま受信コマンド解析処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、曖昧コマンドを受信していない、すなわち、他のモード値の先読み時変動振分テーブル情報コマンドを受信している場合には(ステップS1441にてNo)、先読み禁止カウントが「0」であるか否かを判定する(ステップS1442)。そして、先読み禁止カウントが「0」でない場合には(ステップS1442にてNo)、電源投入後に8回変動開始されていない(先読み禁止状態である)ので、先読み演出を実行しない。よって、そのまま受信コマンド解析処理を終了する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、先読み禁止カウントが「0」である場合には(ステップS1442にてYes)、電源投入後の8回変動開始が終了しているので、先読み演出の実行を指示する特図先読み演出実行フラグをセットし(ステップS1408)、受信コマンド解析処理を終了する。特図先読み演出実行フラグが設定されると、周辺制御IC1510aのCPUは、16ms定常処理(図193)において実行する特図先読み演出制御処理(ステップS1027、図235)において、特図先読み演出を実行するために必要な設定を行う。
このように、変形例1の先読み演出禁止制御では、電源投入後、保留上限数である所定回数の変動開始が実行されるまでは、先読み演出を行わない。このため、電断時の保留が復電後に発生する保留の先読み演出に影響を与えることがない。したがって、前述したような課題を解決することができ、遊技の興趣低下を抑制するとともに適切な先読み演出を提供することができる。また、所定回数を特別図柄1保留と特別図柄2保留の合計保留上限数に設定するので、確実に電断時の保留が消化(変動開始)された後に、先読み演出を許可することができる。
なお、電源投入後は必ず先読み演出禁止制御を行うとしたが、前述した課題は電断からの復電による電源投入時に発生する。主制御基板1310でRAMクリアを実行するような通常の電源投入時には発生しない。主制御基板1310からは双方を区別したコマンドが送信されるが、周辺制御基板1510では処理の簡潔にするため双方の区別をつけていない。しかし、課題が発生しないRAMクリア時まで先読み演出を禁止することも遊技の興趣低下を招きかねない。そこで、周辺制御基板1510においてRAMクリア時であるか否かの判定を行い、RAMクリア時である場合には先読み演出を許可するようにしてもよい。このように不要な先読み演出禁止を解除することで、遊技の興趣低下を抑制するとともに適切な先読み演出を提供することができる。
例えば、復電後の確率状態が高確率状態であって、電断時保留の中に低確率状態になる当り保留が含まれる場合に、主制御MPUは復電後に発生した保留の先読み判定を高確率状態において実行するが、該当り保留の変動実行によって確率状態は高確率状態から低確率状態となる。すなわち、復電後に発生した保留が消化されるときは低確率状態である。したがって、復電後に発生した保留の先読み演出が期待度の高い演出であっても、該保留の変動演出は通常はずれ演出となる可能性があり、遊技者の期待を著しく裏切ることになり遊技の興趣低下を招く虞がある。
[11−15−2−2.変形例2(不明保留消化されるまで先読み禁止)]
次に、変形例2について説明する。図250は、変形例2の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、変形例1の受信コマンド解析処理(図248)と共通の処理は同一の符号を付し、説明を省略する。また、図251は、変形例2の受信コマンド解析処理における投入時不明フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。図252は、変形例2の受信コマンド解析処理における不明カウント処理の一例を示すフローチャートである。図253は、変形例2の受信コマンド解析処理における特図先読み実行判定処理の一例を示すフローチャートである。
前述したように、変形例2では、周辺制御IC1510aのCPUは、変形例1の電源投入時の保留(電断時保留)とともに、主制御基板1310から先読み無の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合の保留を、先読み演出を実行するための先読み情報が不明な「不明保留」として扱う。そして、不明保留が消化されるまでを先読み演出禁止とする。
図250を参照して、変形例2の受信コマンド解析処理について説明する。まず、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1402の処理で読み出したコマンドが電源投入時状態コマンドである場合に(ステップS1421にてYes)、不明保留による先読み禁止(不明フラグ)を設定する投入時不明フラグ設定処理を実行する(ステップS1450)。その後、その他コマンドに対応するフラグを設定し(ステップS1423)、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、図251を参照して、投入時不明フラグ設定処理(ステップS1450)について説明する。まず、周辺制御IC1510aのCPUは、SDRAM1510cに特別図柄毎に設けられる減算方式の特1不明カウント及び特2不明カウントに、それぞれ特図1保留数(不明保留数)及び特2保留数(不明保留数)を設定する(ステップS1451)。電断発生からの復電時の場合は、復電時情報(バックアップ遊技情報)として電断時の保留数が設定されることになる。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、設定した特1不明カウントが「0」であるか否かを判定する(ステップS1452)。そして、特1不明カウントが「0」でない場合には(ステップS1452にてNo)、特1保留の先読み演出禁止を示す特1不明フラグをセットして(ステップS1453)、ステップS1454の処理に移行する。一方、特1不明カウントが「0」である場合は(ステップS1452にてYes)、電断時の特1不明保留が存在しなかった、又は、復電時ではなく初期始動であることを意味するので、フラグをセットせずステップS1454の処理に移行する。
同様に、周辺制御IC1510aのCPUは、設定した特2不明カウントが「0」であるか否かを判定する(ステップS1454)。そして、特2不明カウントが「0」でない場合には(ステップS1454にてNo)、特2保留の先読み演出禁止を示す特2不明フラグをセットして(ステップS1455)、投入時不明フラグ設定処理を終了する。一方、特2不明カウントが「0」である場合は(ステップS1454にてYes)、電源時の特2不明保留が存在しなかった、又は、復電時ではなく初期始動であることを意味するので、フラグをセットせず、投入時不明フラグ設定処理を終了する。
このように、パチンコ機1に電源が投入されると、投入時の状態に応じて特別図柄毎に不明保留の有無に基づいた先読み演出禁止設定(不明フラグセット)が行われる。具体的には、電断時保留があった場合に該電断時保留の対象となる特別図柄の先読み演出禁止設定が行われる。
図250に戻る。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1402の処理で読み出したコマンドが特図変動パターンコマンドである場合に(ステップS1403にてYes)、不明カウント処理を実行する(ステップS1460)。その後、周辺制御基板1510の変動表示パターン格納領域(RAM)に特図変動パターンコマンドを記憶するとともに、変動パターン受信フラグをセットし(ステップS1404)、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、図252を参照して、不明カウント処理(ステップS1460)について説明する。不明カウント処理は、不明保留の消化によって先読み禁止を解除する(不明フラグをクリアする)か否かを判定する処理である。具体的には、変動開始対象の特別図柄の不明カウントを減算して不明保留の消化判定(先読み演出禁止の解除判定)を行い、消化された場合には不明フラグ(先読み演出禁止)を解除する。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、変動開始対象の特別図柄の不明フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1461)。そして、対象特図の不明フラグがセットされていない場合には(ステップS1461にてNo)、不明カウント処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、対象特図の不明フラグがセットされている場合には(ステップS1461にてYes)、対象特図の不明カウントを1減算更新し(ステップS1462)、更新後の対象特図の不明カウントが「0」であるか否かを判定する(ステップS1463)。そして、不明カウントが「0」でない場合は(ステップS1463にてNo)、不明カウント処理を終了する。一方、不明カウントが「0」である場合は(ステップS1463にてYes)、対象特図の不明フラグをクリア解除して(ステップS1464)、不明カウント処理を終了する。
このように、不明カウント処理では、不明カウントの値と不明保留が消化されるまでの変動回数(不明保留情報受信時の保留球数)とを関連付けて連動させ、不明保留の有無を示す不明カウントの値が「0」になった場合に不明フラグを解除する。これにより、後述の特図先読み実行判定処理(図250のステップS1470、図253)において、不明フラグの状態から先読み禁止状態か否かを判定可能にし、発生した保留の先読み演出実行の可否を判定することができるようにしている。
図250に戻る。
ところで、変形例2では、電断時保留に限らず、主制御基板1310から先読み無の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合の保留を「不明保留」として扱う。したがって、不明保留の発生による不明フラグの設定(先読み演出禁止設定)は、電源投入時だけでなく、電源投入後に発生する保留(第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球入賞)の先読みコマンド受信時にも行われる。
周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1402の処理で読み出したコマンドが始動口入賞発生時の保留球数と発生した保留の先読み情報の有無を示す先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドである場合に(ステップS1469にてYes)、特図先読み実行判定処理を実行する(ステップS1470)。特図先読み実行判定処理では、受信したコマンドの先読み情報の有無に応じて特別図柄別の不明フラグの設定(先読み演出禁止設定)をしたり、先読み情報及び不明フラグの状態に応じて先読み演出実行フラグの設定をしたりする。
ここで、図253を参照して特図先読み実行判定処理についての詳細を説明する。周辺制御IC1510aのCPUは、まず、受信した先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドが特別図柄1を対象としたコマンドか否かを判定する(ステップS1471)。そして、特別図柄1のコマンドであった場合は(ステップS1471にてYes)、該コマンドが「先読み有」であるか否かを判定する(ステップS1472a)。具体的には、受信した先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドのモード値の先頭が「1」であるか否かを判定する。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、受信した先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドが「先読み有」でない場合には(ステップS1472aにてNo)、その他の先読みコマンド(先読み時図柄種別先読みコマンド、先読み時変動パターン先読みコマンド、先読み時変動タイプ先読みコマンド、先読み時変動振分テーブル情報コマンド)が主制御基板1310から送信されない不明保留なので、特1先読み演出を禁止する特1不明フラグをセットし(ステップS1473a)、このときの先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドの保留球数を特1不明カウントにセットして(ステップS1474a)、特図先読み実行判定処理を終了する。なお、すでに特1不明フラグが設定されている場合にはステップS1473aの処理でセット状態を確認するとともに、ステップS1474aの処理で特1不明カウントの値を新たな保留球数の値に書き換える処理を行う。常に記憶順の新しい不明保留の消化が先読み演出禁止の解除条件となるように更新する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、受信した先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドが「先読み有」である場合には(ステップS1472aにてYes)、その他の先読みコマンドが主制御基板1310から送信されているので、そのうちの先読み時変動振分テーブル情報コマンドとして「6903H」(曖昧コマンド)を受信しているか否かを判定する(ステップS1475a)。これは、前述の変形例1の受信コマンド解析処理(図248)のステップS1441の処理と同じである。そして、曖昧コマンドを受信している、すなわち、「6903H」の先読み時変動振分テーブル情報コマンドを受信している場合には(ステップS1475aにてYes)、特図先読み実行判定処理を終了する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、曖昧コマンドを受信していない、すなわち、「03H」以外のモード値の先読み時変動振分テーブル情報コマンドを受信している場合には(ステップS1475aにてNo)、特1不明フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1476a)。そして、特1不明フラグがセットされている場合には(ステップS1476aにてYes)、特1先読み演出実行禁止中なので、特図先読み実行判定処理を終了する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、特1不明フラグがセットされていない場合には(ステップS1476aにてNo)、特1先読み演出実行許可中なので、特1先読み演出の実行を指示する特図先読み演出実行フラグをセットし(ステップS1477a)、特図先読み実行判定処理を終了する。特図先読み演出実行フラグが設定されると、周辺制御IC1510aのCPUは、16ms定常処理(図193)において実行する特図先読み演出制御処理(ステップS1027、図235)において、特図先読み演出を実行するために必要な設定を行う。
なお、ステップS1471の処理において、受信した先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドが特別図柄1を対象としていない、すなわち特別図柄2を対象としたコマンドである場合(ステップS1471にてNo)に実行されるステップS1472b〜ステップS1477bの処理は、前述の特別図柄1を対象としたステップS1472a〜ステップS1477aの処理から対象を特別図柄2に変えたものである。
特図先読み実行判定処理では、先読み無の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合は対象の特別図柄の不明フラグをセットし、対応する不明保留が消化されるまで該対象の特別図柄の先読み演出を禁止する。したがって、先読み有の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信しても対象の特別図柄の不明フラグがセットされている間は、先読み演出を実行しない。また、受信した先読み時変動振分テーブル情報コマンドが曖昧コマンドの場合も、先読み演出を実行しない。
このように、変形例2の先読み演出禁止制御では、電源投入時に復電情報として受信する電断時の保留を「不明保留」とし、復電しても先読み演出の実行対象としない。また、不明保留がある場合(すなわち先読み情報(特定遊技情報)が送信されず周辺制御IC1510aのCPUが先読み判定結果を特定不能な保留がある場合)に、該不明保留が消化されるまで対象の特別図柄における先読み演出を行わない。そして、不明保留が消化されれば、先読み演出を許可する。このため、電断時の保留(不明保留)が復電後の先読み演出に影響を与えることがない。また、不明保留数に応じて特別図柄毎に先読み演出の禁止期間を設定するので、より適切な先読み演出禁止制御を実行することができる。よって、先読み演出効果及び遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、主制御基板1310から先読み無の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合も対応する保留を「不明保留」とし、該不明保留が消化されるまで対象の特別図柄における先読み演出を禁止するので、この先読み演出禁止制御を前述の主制御基板1310による状態移行時の先読み判定禁止制御とともに実行することで、より適切な先読み演出を遊技者に提供することができる。例えば、前述の状態移行時において時短状態から非時短状態に移行する際、時短状態の維持回数が残り4変動以下になった場合は、主制御MPUは先読み判定を禁止する。このため、先読み判定禁止期間に発生した特別図柄2保留は先読み判定されず、不明保留として周辺制御IC1510aのCPUに認識される。したがって、残り4変動の時短状態中に発生した特別図柄2保留(上限4個)が消化されるまでは、状態移行後の非時短状態において特別図柄2における先読み演出が禁止となる。そして、特別図柄2優先消化のパチンコ機1においては状態移行後、特別図柄1より先に不明保留の特別図柄2が消化される。このように、移行状態直前4変動中に発生した保留を主制御基板1310側で先読み判定の対象とせず、周辺制御基板1510側でも該保留が消化されるまでは先読み演出可能な保留を受け取っても先読み演出の対象としないことで、確実に不具合が生じやすい期間の先読み演出の実行を禁止することができる。なお、状態移行後の非時短状態で発生する保留は主に特別図柄1保留である。このとき、先読み演出禁止制御は、特別図柄毎に実行されるので、特別図柄2保留に対するものである。したがって、非時短状態における特別図柄1側の先読み演出の実行を妨げない。
また、変形例2において、電断時保留以外の不明保留に対する先読み演出禁止制御は、保留数の変化があったタイミングで行われる。具体的には、先読み演出禁止は、先読み無の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンド(不明コマンド)を受信したタイミングで開始され、該不明コマンドに対応する不明保留が消化されて変動開始するタイミングで解除される。このように、保留記憶エリア内に不明保留が発生したときに先読み演出が禁止され、最後の不明保留が消化されると同時に先読み演出が許可される。よって、より正確な先読み演出禁止制御を実行することができ、先読み演出効果及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、変形例1でも述べたように、電源投入時の先読み演出禁止制御はRAMクリア時を対象としなくてもよい。この場合は、前述の投入時不明フラグ設定処理(図251)においてS1451の処理の前に、RAMクリアコマンドの受信を確認する判定処理を追加し、RAMクリアコマンド受信時(RAMクリア時)はその後の処理を実行せず、投入時不明フラグ設定処理を終了すればよい。通常、周辺制御基板1510は、RAMクリアコマンドを受信してはいるが、RAMクリア時と電源投入時との制御を共通化するためSDRAM1510cから読み出していない。このように、RAMクリア時は先読み演出を許可するように制御することで、不要な先読み演出禁止を排除することができ、遊技の興趣低下を抑制するとともに適切な先読み演出を提供することができる。
また、変形例1及び変形例2では、発生した先読み有りの保留に対しては、曖昧コマンド(リーチ又は非リーチ振り分けテーブルを示すモード値「03H」の先読み時変動振分テーブル情報コマンド)を受信している場合に、先読み演出の対象としないが、これに限らない。例えば、変形例2において、高確率状態において非特定当り(小当り)となる保留の発生を契機に先読み演出を禁止してもよい。具体的には、前述の特図先読み実行判定処理(図253)において、先読み有の先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドを受信した場合に(ステップS1472aにてYes)、小当り(モード値「50H」)の図柄種別先読みコマンド(ステータス値「66H」)を受信したか否かを判定する処理と、受信した場合に現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判定する処理とを追加実行し、コマンド受信かつ高確率状態である場合にはステップS1473a及びステップS1474aの処理を実行すればよい。ここで、先読み時の段階では主制御基板1310から小当りの種別情報は周辺制御基板1510に送信されない。小当り種類の中には高確率状態を低確率状態(通常確率状態)に戻してしまうものも含まれる。このような低確率状態への移行を誘発する小当りとなる保留が発生した後も先読み演出を行ってしまうと、該小当り保留の後に発生し、高確率状態での先読み時に大当り判定となった保留が、該小当りを契機に移行した低確率状態での変動開始時にはずれ判定となる事象が起こり得る。このとき先読み演出で当り確定演出が行われてしまうと実際の変動結果(はずれ)は遊技者の期待を著しく落胆させるだけでなく、遊技演出への不信感を招いてしまう虞がある。そこで、先読み有の先読みコマンドを受信しても、小当りの図柄種別先読みコマンド「6650H」を高確率状態において受信している場合には、該小当りの結果が判定する変動開始時(保留消化)まで先読み演出を禁止する。これにより、実際の変動結果に対して過度な(間違った)先読み演出が実行されることによる遊技の興趣低下や遊技者の演出への不信感を招くことを防止することができるとともに、先読み演出の信頼度を上げることができる。
[11−15−2−3.大当り遊技開始時(先読み情報クリア)]
ところで、大当り中に発生する保留は、主制御MPUによって先読み判定が実行されないので先読み演出が禁止されるが、大当り開始時に既に発生して記憶されている保留は、発生時の遊技状態に応じた先読み判定により先読み情報を有しており、周辺制御IC1510aのCPUは先読み演出可能である。しかしながら、大当り開始時の保留の消化(変動開始)される大当り後の遊技状態は、先読み判定時の遊技状態とは異なる(変動パターンテーブルが異なる)可能性があるので、大当り開始時の保留に対して適切な先読み演出とならない虞がある。そこで、周辺制御IC1510aのCPUは、大当り開始時の保留について、主制御基板1310から受信した先読みコマンドの保留情報を保持する一方、該保留情報に基づいて設定していた先読み演出情報を大当り開始時にクリアすることで、適切な先読み演出が行われない不具合発生を未然に防止する。以下、図254及び図255を参照して、周辺制御IC1510aのCPUによる制御処理を説明する。
図254は、大当り表示処理の一例を示すフローチャートである。大当り表示処理は、前述の演出制御処理(図218)において実行される処理(ステップS1700)である。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、大当り開始コマンドに応じて大当りオープニング表示処理を実行する(ステップS1710)。次に、大入賞口2005が開放されることを演出表示装置1600に示す表示や、大当り遊技状態中の表示演出(例えば、ラウンド表示等)を行う大当り中表示処理を実行する(ステップS1720)。その後、大当り遊技状態の終了演出を行う大当りエンディング表示処理を実行し(ステップS1730)、処理選択フラグを「0」に更新したのち(ステップS1740)、大当り表示処理を終了する。
図255は、大当りオープニング表示処理の一例を示すフローチャートである。大当りオープニング表示処理は、前述の大当り表示処理(図254)において実行される処理(ステップS1710)である。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、開始フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1711)。開始フラグは、前述の受信コマンド解析処理(図217)のステップS1411の処理において主制御基板1310から送信された大当りオープニングコマンドを受信した場合に設定されるフラグである。そして、開始フラグがセットされていない場合には(ステップS1711にてNo)、大当りオープニング表示処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、開始フラグがセットされている場合は(ステップS1711にてYes)、SDRAM1510c内のスケジュールデータ記憶領域(所定の記憶領域)から先読みコマンドに対応する演出情報(事前報知態様)をクリアする(ステップS1712)。スケジュールデータ記憶領域には、主制御基板1310から受信したコマンドに対応する各種スケジュールデータが設定される記憶領域であり、周辺制御IC1510aのCPUはスケジュールデータ記憶領域に記憶されている演出情報に基づいて演出制御を行っている。したがって、周辺制御IC1510aのCPUは、所定の記憶領域に先読み演出情報(事前報知態様)を特定可能に設定する機能(事前報知態様特定可能設定手段)と、大当り遊技の実行を条件に当該事前報知態様を特定不能に設定する機能(事前報知態様特定不能設定手段)とを兼ね備えている。ここでクリアされる演出情報は、先読みコマンドを受信したときの演出モードや演出パターン選択テーブルに基づいて設定されたものである。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、再度、今回の大当りを契機に切り替え設定される演出モードや演出パターン選択テーブルに基づいて先読みコマンドに対応する演出情報をスケジュールデータ記憶領域に設定する(ステップS1713)。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、開始フラグをクリアして(ステップS1714)、ファンファーレ演出といったオープニング表示を設定する表示設定処理を実行したのち(ステップS1715)、大当りオープニング表示処理を終了する。その後、大入賞口2005の開放時に主制御基板1310から送信される大当り図柄表示コマンドを受信すると、次の大当り中表示処理(図254のステップS1720)を実行する。
このように、大当りオープニング表示処理では、大当り開始を表す演出表示が行われるとともに、大当り開始時に記憶されている保留の先読み演出情報が保留発生時の遊技状態に応じたものから大当り遊技状態に応じたものに書き換えられる。具体的には、例えば、周辺制御IC1510aのCPUは、保留発生時に通常確率状態のもと選択していた先読み演出情報を削除し、大当りを契機に切り替えられる高確率状態のもとで再度先読み演出情報を選択し直す。また、ステップS1712の演出情報クリア処理の対象となるのは先読み演出情報であって、主制御基板1310から受信した先読みコマンドの保留情報(保留球数、先読み有無、図柄種別、変動パターン、変動タイプ、振り分けテーブル)は保持するので、次のステップS1713の演出情報設定処理で該保留情報に基づく演出情報を再設定可能である。なお、再設定のタイミングは、大当り開始時に限らない。例えば、大当りラウンド確定演出までに再設定されていればよい。これにより、大当り開始時の保留に対して状況に合わせた適切な先読み演出を実行することができ、先読み演出効果及び遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、前述の演出情報クリア処理(ステップS1712)の対象は、大当り開始時に記憶されている保留に限らない。主制御基板1310から先読み有の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信し、その他の先読みコマンドを受信している場合であっても、異常な保留数の変化(前回受信時は保留数情報0個であったのに今回受信の保留数情報が4個に増加している等)が生じたときは、このとき記憶されている保留の演出情報をクリアするようにしてもよい。異常判定条件を設けて、成立したときに記憶されている保留を演出情報クリア処理(ステップS1712)の対象とすれば、該保留に対する先読み演出の不具合を事前に防止することができ、適正な先読み演出の提供につながる。
なお、前述した周辺制御基板側で行う特図先読み演出を実行しない制御は、主制御基板側で特図先読み判定を行わない制御としてもよい。
[11−16.演出モード移行]
ところで、前述の受信コマンド解析処理(図217、図248、図250)では、ステップS1402の処理にて読み出したコマンドが特図変動パターンコマンドであった場合に(ステップS1403にてYes)、ステップS1404の処理で変動パターン受信フラグがセットされる。そして、変動パターン受信フラグがセットされた場合に、装飾図柄の変動表示を含む特図同調演出を開始するための装飾図柄変動開始処理(図221)が行われる。そして、周辺制御IC1510aのCPUは、複数のうち遊技状態に対応する演出モードに基づいて、主制御基板1310から受信した変動パターンや当落情報に対応する演出パターン(装飾図柄の停止図柄、リーチ演出の種類、予告演出の実行可否の判定、予告演出態様、延長演出の有無など)を決定し、特図同調演出として該演出パターンの演出を実行する。
具体的に、図256を参照して、時短回数が64回付与された確変時短状態における演出遷移の一例を説明する。図256は、確変時短状態における演出遷移の一例を示す図である。遊技状態が確変時短状態に突入すると、時短回数1回〜30回までは特定A演出モードの特図同調演出(時短時演出)が実行され、時短回数31回以降は特定B演出モードの特図同調演出(確変確定演出)が実行される。特定A演出モードの特図同調演出では、時短回数が10回、20回、30回となる変動において時短状態が継続されるか否かの継続演出が実行され、その他の変動では通常演出が実行される。
このとき、主制御MPUは、時短回数を管理し、該時短回数に応じた変動パターン(通常演出パターン、継続演出パターン、確変確定演出パターン)を変動パターンコマンドに設定する。具体的には、主制御MPUは、時短回数(時短状態における抽選遊技実行回数)に応じて、まず、複数設けられたテーブルから一のテーブルを選択する。このとき、時短回数に応じて選択されるテーブルが異なる。そして、選択したテーブルから抽選遊技に応じた変動パターン(遊技パターン)を選択する。図256に示すように、確変時短状態において時短回数1〜9回、11回〜19回、21回〜29回となる変動パターンは通常演出パターンが設定されるテーブルから選択され、時短回数10回、20回及び30回となる変動パターンは継続演出パターンが設定されるテーブルから選択され、時短回数31回以降となる変動パターンは確変確定演出パターンが設定されるテーブルから選択される。また、継続演出パターンには、時短状態が継続する成功演出パターンと、時短状態が終了する失敗演出パターンとが設けられている。したがって、周辺制御IC1510aのCPUは、自身が時短回数(変動回数)を管理していなくても受信した変動パターンに従うことで時短回数(変動回数)に対応した演出を決定、実行することが可能である。これにより、周辺制御IC1510aのCPUは、電断時など周辺制御基板1510側のデータがクリアされても復電時に適切な演出を実行することが可能である。なお、各演出の演出態様は、周辺制御IC1510aのCPUによって設定される演出モードによって異なる。図256では、周辺制御IC1510aのCPUは、時短回数1〜30回では特定A演出モードにおける演出態様を選択し、時短回数31回以降は特定B演出モードにおける演出態様を選択する。
以下に、図257を参照して、演出の決定だけでなく、演出モードの移行も主制御MPUから送信される変動パターンコマンドに基づいて実行される演出モード移行処理について説明する。
図257は、周辺制御IC1510aのCPUによって実行される演出モード移行処理の一例を示すフローチャートである。演出モード移行処理は、例えば、前述の装飾図柄変動開始処理(図218)において主制御基板1310から変動開始時に送信される変動パターンコマンドを受信したときに実行される。なお、演出モードの移行は、前述の図256の特定A演出モードから特定B演出モードへの移行を例とする。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、演出モードが特定A演出モード中であるか否かを判定する(ステップS1751)。ここで、特定A演出モードとは、時短状態であって所定回数毎に継続演出(成功or失敗)が実行され、継続成功演出が3回実行されることを特定B演出モードへの移行条件とする演出モードである。周辺制御IC1510aのCPUは、現在、特定A演出モードでない場合には(ステップS1751にてNo)、演出モード移行処理を終了する。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、現在、特定A演出モードである場合には(ステップS1751にてYes)、主制御基板1310から継続演出パターンのうち成功演出パターンを示す成功コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否かを判定する(ステップS1752)。そして、成功コマンドを受信していない場合には(ステップS1752にてNo)、演出モード移行処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、成功コマンドを受信した場合には(ステップS1752にてYes)、成功回数のカウントを1加算更新する(ステップS1753)。そして、更新後の成功回数が3回になったか否かを判定する(ステップS1754)。成功回数が3でない場合には(ステップS1754にてNo)、演出モード移行処理を終了する。成功回数が3である場合には(ステップS1754にてYes)、演出モードを特A演出モードから特B演出モードに移行する(ステップS1755)。その後、演出モード移行処理を終了する。なお、成功回数のカウントは、特A演出モード中に加算可能とし、特A演出モード終了時にカウントクリアされるものとする。
このように、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御MPUから所定回数の特定変動パターンコマンドを受信したときに演出モードを切り替え、主制御MPUから受信する変動パターンコマンドに応じて特定遊技状態(ここでは時短状態)における変動回数を把握していなくても一連の演出モード(特定A演出モード)における遷移演出(通常演出、継続成功演出、継続失敗演出)を適宜決定することが可能である。周辺制御IC1510aのCPUは、常に遊技情報がバックアップされている主制御基板1310側から受信するコマンドに基づいて適切な演出を決定可能なので、電断時など周辺制御基板1510側のデータがクリアされても復電時に該適切な演出を実行することが可能である。
[11−17.特図先読み演出の切替制御]
ここでは、特図先読み演出が実行されている間に、新たに大当りの期待度の高い始動記憶が発生した場合に、先行して実行されている特図先読み演出を、新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出に切り替える(上書きする)制御について説明する。なお、ここまでの説明と重複する内容については記載を省略する。
[11−17−1.主制御基板側の制御(特図先読み演出の切替制御)]
記憶先読み処理(図204)にて説明したように、本実施形態では、遊技球が始動入賞したときに先読み判定禁止期間でなければ、特図先読み演出を実行するために必要なコマンド(特別図柄保留数指定コマンド、特図変動パターンコマンド等)を送信する。特図先読み演出の切替制御を実行する場合であっても、図204に示した記憶先読み処理と同様に、先読み判定禁止期間であるか否かを判定することで特図先読み演出の実行可否を判定し、特図先読み演出の実行に必要なコマンドを生成し、周辺制御基板1510に送信する。このように、主制御基板1310は、始動入賞後、最初に特図先読み演出の実行可否を判定する第1の先読み判定手段をなしている。
[11−17−2.周辺制御基板側の制御(特図先読み演出の切替制御)]
周辺制御基板1510は、主制御基板1310から特図先読み演出を実行するためのコマンドを受信すると、コマンドの内容や特図先読み演出の実行状況に基づいて特図先読み演出を実行する。
また、本実施形態の遊技機では、前述した保留表示を変化させる通常先読み演出など、期待度の高い始動記憶を示唆する特図先読み演出の他に、演出表示装置1600に表示されている画像の背景を変化させたり(背景先読み演出)、変動パターンに対応する演出とは独立してキャラクタを登場させたりする(キャラクタ先読み演出)などの特図先読み演出が実行可能となっている。背景先読み演出は特定の保留表示を明示して演出を実行しなくてもよく、現在保留されている始動記憶(実行中の始動記憶を含んでもよい)のいずれかが大当りの期待度が高いことを示すものであってもよい。本実施形態では、先読み対象の保留表示を変化させる先読み演出(通常先読み演出、連続先読み演出、合わせて「保留先読み演出」とする)とともに、背景を変化させる背景先読み演出を実行する。背景先読み演出の例については、図262から図264にて後述する。
続いて、特図先読み演出を実行するための周辺制御基板1510による制御について説明する。具体的には、特図先読み演出を設定するための特図先読み演出設定処理について説明する。その他の処理については、これまでに説明した処理と共通である。
[11−17−2−1.特図先読み演出制御処理(特図先読み演出の切替制御)]
図258は、本実施形態の特図先読み演出の切替制御を含む特図先読み演出制御処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、図235に示した特図先読み演出制御処理と同様に、サブメイン処理(図192)における16ms定常処理のステップS1027で実行される処理である。
特図先読み演出の切替制御を含む特図先読み演出制御処理では、図235に示した保留表示を変更する通常先読み演出を実行するための処理と、変動表示ごとに保留表示の表示態様を変化可能な連続先読み演出を実行するか否かを決定するための処理の他に、背景先読み演出実行するための処理が含まれる。背景先読み演出を実行するための処理では、先行して実行されている背景先読み演出を、新たに発生した始動記憶に基づく背景先読み演出に切り替える(上書きする)ことが可能となっている。以下、具体的な手順について説明するが、図235に示したフローチャートと共通する処理については適宜説明を省略する。
演出制御プログラムは、まず、特図先読み演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2001)。特図先読み演出実行フラグは、前述のように、主制御基板1310から先読み演出コマンドを受信した場合に、受信コマンド解析処理(図193のステップS601)でセットされる(図217のステップS1408)。特図先読み演出実行フラグがセットされていない場合には(ステップS2001の結果が「No」)、特図先読み演出を実行しないので、特図先読み演出制御処理を終了する。
一方、演出制御プログラムは、特図先読み演出実行フラグがセットされている場合には(ステップS2001の結果が「Yes」)、先読み対象の始動記憶に対応する先読み演出コマンドの内容に基づいて、先読み演出の種類及び態様を選択する(ステップS2020)。具体的には、始動記憶の保留表示の表示態様を変更する通常先読み演出、又は、演出表示装置1600に表示された画像の背景を変更する背景先読み演出のいずれかを選択し、選択された特図先読み演出の演出態様を決定する。
次に、演出制御プログラムは、通常先読み演出が選択されたか否かを判定する(ステップS2021)。通常先読み演出が選択された場合には(ステップS2021の結果が「Yes」)、ステップS2005以降の処理を実行する。ステップS2005以降の処理については、図235にて説明したとおりである。なお、図235に示した処理とは、特図先読み演出実行フラグをクリアするタイミングが異なっている。
一方、演出制御プログラムは、通常先読み演出が選択されなかった場合(ステップS2021の結果が「No」)、すなわち、背景先読み演出が選択された場合には、実際に背景先読み演出を実行するか否かを判定する(ステップS2022)。実際に背景先読み演出を実行するか否かは、例えば、当該始動記憶に対応する変動パターンの期待度が所定の期待度以上であるか否かを判定する。また、期待度が高い場合に特図先読み演出を実行しやすくするなど、期待度に応じて先読み演出を実行するか否かを抽選するようにしてもよい。
なお、特図先読み演出は、基本的には全ての変動パターンにおいて実行することが可能であるものの、変動パターンに応じて、実行の可否を判定するための抽選データの割り振りを異ならせている。例えば、通常はずれ変動の場合、保留先読み演出の当選(実行)確率が1/100(はずれが99/100)に対して、ノーマルリーチの場合は、25/100(はずれが75/100)、スーパーリーチはずれの場合は、50/100(はずれが50/100)、スーパーリーチ当りの場合は99/100(はずれが1/100)となるように設定された抽選テーブルに基づいて決定される。
さらに、実際の演出態様(シナリオ)は、別のシナリオテーブルを演出の実行回数に対応させたテーブルに基づいて決定される。例えば、演出回数が2回の場合には、そのシナリオ毎に抽選確率が設定されたテーブルを備える。なお、シナリオテーブルに応じて選択されるシナリオの演出内容、シナリオ数、抽選確率は異なっている。
図259は、特図先読み演出(保留先読み演出)の演出回数が2回の場合において保留表示の色が変化するシナリオと変動パターンとの関係を説明する図である。各シナリオは、例えば、シナリオ1(青→青)、シナリオ2(青→緑)、シナリオ3(青→赤)、シナリオ4(赤→金色)とし、シナリオ1からシナリオ4の順で期待度の高い特図先読み演出となる。なお、シナリオ4については、大当り時のみに抽選されるように設定しており、大当り時専用のシナリオである。また、連続演出回数は2回に限定されるのではなく、例えば、3回以上でもよく、連続演出回数に応じてシナリオと変動パターンとの対応を示す表を用意するようにしてもよい。
本実施形態では、シナリオ抽選確率が設定されたテーブルに基づいて実行するシナリオを決定する。また、変動パターンとは別に、大当りの場合には、大当りの種別に応じてシナリオ抽選用のテーブルを備えていてもよい。なお、変動パターンと大当り図柄とが一義的に決定されるような場合には、変動パターンに基づいたテーブルのみがあればよく、大当り種別により決定するテーブルを設ける必要はない。
また、保留表示を変化させる特図先読み演出(保留先読み演出)に限定されず、背景先読み演出であっても同様に、抽選テーブルやシナリオテーブルを備える。図260は、背景先読み演出の演出回数が2回の場合におけるシナリオと変動パターンの関係を説明する図である。各シナリオは、例えば、シナリオA(薄曇り→薄曇り)、シナリオB(薄曇り→雨雲)、シナリオC(雨雲→雷雲)、シナリオD(雨雲→晴れ)とし、シナリオAからシナリオDの順で期待度の高い特図先読み演出となる。なお、シナリオDについては、大当り時のみに抽選されるように設定しており、大当り時専用のシナリオである。また、連続演出回数は2回に限定されるのではなく、例えば、3回以上でもよく、連続演出回数に応じてシナリオと変動パターンとの対応を示す表を用意するようにしてもよい。
演出制御プログラムは、背景先読み演出を実行しない場合には(ステップS2022の結果が「No」)、特図先読み演出実行フラグをクリアし(ステップS2027)、本処理を終了する。
一方、背景先読み演出を実行する場合には(ステップS2022の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、現在、背景先読み演出を実行しているか否かを判定する(ステップS2023)。背景先読み演出を実行しているか否かの判定は、例えば、背景先読み演出の実行が開始(もしくは決定/選択)されたタイミングでフラグを設定し、背景先読み演出が終了したタイミング(例えば、背景先読み演出を実行する始動記憶に基づく変動表示が開始(終了)したタイミング)でクリアするフラグを設け、このフラグに設定された値に基づいて行えばよい。
上記フラグの一例としては、先読み演出態様(保留先読みや背景先読み)の期待度毎にフラグ(先読み期待度フラグ)を用意してもよい。例えば、演出態様に応じて大当りとなる期待度が高・中・低のように異なる場合には、それぞれの期待度に応じた先読み期待度フラグを用意する(例えば、高期待度先読み予告フラグ、中期待度先読み予告フラグ、低期待度先読み予告フラグのようにする)。さらに、期待度に応じてフラグを分けるのではなく、一のフラグに設定される情報に応じて期待度を分けてもよい(例えば、フラグの値が“1”のときは低期待度、“2”のときは中期待度、“3”の時は高期待度のようにする)。これらの例はあくまでも一例を示したに過ぎず、期待度として3種類に限定するものである必要はなく、3種類以上であってもよいし、2種類のみであってもよい。つまり、先読み演出態様(背景先読み)の実行の可否を期待度に応じて判別(判定)ができるものであればよい。
なお、先読み期待度フラグを設ける場合には、特図先読み演出を切り替えるときに実行中の特図先読み演出の先読み期待度フラグを保持しておき、新たに実行する特図先読み演出のフラグと比較すればよい。例えば、実行中の特図先読み演出の先読み期待度フラグが期待度中の場合には、新たに実行する特図先読み演出の先読み期待度フラグが期待度高であれば新たな特図先読み演出に切り替える。新たに実行する特図先読み演出のフラグとしては、上記のシナリオ毎に設定されるような情報(数値情報等)としてもよい。
演出制御プログラムは、背景先読み演出が実行されている場合には(ステップS2023の結果が「Yes」)、実行中の背景先読み演出を、新たに実行する背景先読み演出に切り替えるか否かを判定する(ステップS2024)。
本実施形態では、新たに実行する背景先読み演出の期待度と、実行中の背景先読み演出の期待度とを比較し、新たに実行する背景先読み演出のほうが期待度が高い場合に背景先読み演出を切り替える。なお、「期待度」は、基本的に特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる期待度であるが、大当りの種類(図柄)の期待度や大当り後の遊技状態の期待度としてもよい。さらに、特別図柄の変動表示の結果ではなく、演出としての期待度(例えば、通常はずれ、ノーマルリーチ、SPリーチ等)を含んでもよい。例えば、変動パターン先読みコマンドから変動パターンを特定し、変動パターンに基づいて判定してもよい。具体的には、変動パターンテーブル(図216)の項目に「期待度」を追加して変動パターンごとの期待度をあらかじめ定義しておいてもよいし、実行されるリーチ演出(ノーマルリーチ、SPリーチ等)に対応して期待度を設定してもよい。また、SPリーチのように期待度の高いリーチ演出は変動時間が長いため、変動時間が長いほど期待度が高いと判定してもよい。また、期待度が同じ場合には、いずれの始動記憶を優先してもよく、抽選で決定してもよい。なお、両方とも大当りになる場合には、大当り遊技中に特図先読み演出を実行することができないため、実行中の特図先読み演出を優先する。
また、両方大当りのように、遊技者が多大な利益を獲得可能となる場合については、単体の先読み抽選では出現することのない、特別な先読み演出表示態様に切り替えるようにしてもよい。期待度については、大当りのみに限定する必要はなく、大当りの種類に応じて期待度を分けるものであってもよい。例えば、大当り遊技のラウンド数や大当り後の特別抽選の当選確率、遊技者にとって有利な遊技状態(確変状態、時短状態)の継続回数のように、大当り時における獲得可能な利益量や大当り後の遊技状態に応じて期待度を分けてもよい。
さらには、決定されたシナリオ毎に優先度を設け、シナリオ毎に設定された優先度に基づいて判断してもよい。例えば、シナリオ毎に数値情報を設定し、数値が大きくなる程期待度が大きくなるようにする。シナリオ情報をRAMに設定記憶する場合には、数値情報として記憶することから、その値自体で期待度の高低を表すことが可能になる。この数値情報は、例えば、演出態様を決定するための情報(数値)と期待度を示す情報(数値)とが該当し、これらの情報に基づいて数値情報を設定すればよい。この場合、特図先読み演出が終了するまでシナリオの数値情報を保持し、新たに実行する特図先読み演出のシナリオに対応する数値情報と比較することによって、特図先読み演出を切り替えるか否かを判定すればよい。
演出制御プログラムは、実行中の背景先読み演出を継続して新たな背景先読み演出に切り替えない場合には(ステップS2024の結果が「No」)、特図先読み演出実行フラグをクリアし(ステップS2027)、本処理を終了する。この場合には、実行中の特図先読み演出が中断されることなく継続して実行されることになる。
一方、実行中の背景先読み演出を新たな背景先読み演出に切り替える場合には(ステップS2023の結果が「Yes」)、演出制御プログラムは、実行中の背景先読み演出の設定情報を新たな背景先読み演出を実行するために初期化する(ステップS2025)。なお、実行中の背景先読み演出が最後まで実行された場合にも当該背景先読み演出の設定情報が初期化される。設定情報の初期化のタイミングは、例えば、実行中の背景先読み演出に係る始動記憶が消化されるタイミングなどである。
演出制御プログラムは、実行中の背景先読み演出の設定情報を初期化した後(ステップS2025)、又は、背景先読み演出が実行中でない場合には(ステップS2023の結果が「No」)、背景先読み演出設定処理を実行する(ステップS2026)。なお、複数の背景先読み演出を並行して実行することはできないため、背景先読み演出設定処理で無条件に背景先読み演出の設定情報を初期化するようにしてもよい。最後に、演出制御プログラムは、特図先読み演出実行フラグをクリアし(ステップS2027)、本処理を終了する。
なお、ステップS2025の処理で、実行中の背景先読み演出の設定情報を初期化して新たな背景先読み演出を実行するのではなく、実行中の背景先読み演出に継続して新たな背景先読み演出を実行するようにしてもよい。このとき、背景先読み演出が継続(延長)したことを遊技者が認識できるようにしてもよいし、認識できないように(認識しにくく)してもよい。例えば、背景先読み演出が継続(延長)したことを遊技者が認識できなければ期待度の高い状態が長く継続していると感じるため、期待感を長く維持させることができる。このとき、もともと実行されていた特図先読み演出に対応する始動記憶の変動表示がはずれとなった後でも期待度の高い状態維持され、さらに、後に実行される変動表示において、より期待度の高い変動パターンに基づく演出が実行されるため、遊技者を落胆させにくくすることができる。
また、特図先読み演出が切り替えられた場合に、切り替えられたことを報知する演出を実行するようにしてもよい。例えば、特図先読み演出の切り替え時に通常の演出では実行されない演出(表示・音・発光・駆動体等)を実行することによって遊技者が認識できるようにしてもよい。さらに、特図先読み演出の切り替えが発生することを示唆する演出を実行してもよい。この場合、特図先読み演出の切り替えを行うと判定した後の変動開始時に当該演出を実行するのではなく、切り替えが発生しても、実行中の特図先読み演出を継続しつつも、実行中の先読み演出を認識できる程度の演出(画面フラッシュ、表示画面の周囲のみ色が異なる、装飾図柄自体が変化(色、形状)する、サブリミナル的な演出等)を実行し、遊技者に特図先読み演出の切り替えが発生したことを認識できる程度の演出であればよい。
本実施形態では、通常先読み演出は、複数の始動記憶に対して並行して実行可能であるが、背景先読み演出は並行して実行不可能となっている。そこで、ステップS2021の処理は、通常先読み演出を実行するか否かではなく、並行して実行可能な先読み演出であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、並行して実行可能な先読み演出を第1グループ、並行して実行不可能な先読み演出を第2グループとし、ステップS2020の処理で選択された先読み演出が第1グループに属するか、第2グループに属するかによって処理を分岐させるようにしてもよい。なお、並行して実行可能な先読み演出であっても、実行中の先読み演出を新たに発生した始動記憶に基づく先読み演出に切り替える(上書きする)ようにしてもよい。
また、背景先読み演出と通常先読み演出(保留先読み演出)とを同時に実行してもよい。図261は、背景先読み演出と通常先読み演出(保留先読み演出)とを同時に実行可能な特図先読み演出制御処理の手順を示すフローチャートである。
背景先読み演出と保留先読み演出とを同時に実行する場合には、ステップS2020の処理で、通常先読み演出又は背景先読み演出、若しくはその両方を選択可能とする。この点で図258に示した特図先読み演出制御処理のステップS2020の処理と相違する。さらに、図258のステップS2021の処理が削除され、保留先読み演出の設定処理の完了後、背景先読み演出の設定処理を実行する。すなわち、ステップS2011の処理の後、ステップS2022からステップS2026までの処理を実行すればよい。
また、特定の状態に限り、複数の通常先読み演出を並行して実行するようにしてもよい。例えば、先行して実行されている通常先読み演出が新たに実行される通常先読み演出よりも期待度が低い場合に限り、複数の通常先読み演出を並行して実行するようにしてもよい。
また、受信した特別図柄保留コマンドに含まれる特図先読み演出の実行可否を示す情報と、周辺基板側で記憶している現在の遊技状態(ここでいう遊技状態とは、確変、時短に限定されず、変動中、リーチ中、大当り中(オープニング、エンディング、大入賞口作動中等)、客待ち中等のゲームに係るいずれかの状態が該当する)との整合性に基づいて、いずれを優先して特図先読み演出を実行するか否かを判断してもよい。特別図柄保留コマンドを優先する場合には、遊技状態にかかわらず特別図柄保留コマンドに含まれる特図先読み演出の実行可否を示す情報を優先し、遊技状態(確率状態や実行中の特図先読み演出など)を優先する場合には、特別図柄保留コマンドに特図先読み演出の実行を許可する情報が含まれていても特図先読み演出を実行しないようにしてもよい。
また、特別図柄保留コマンドに特図先読み演出の実行を許可する情報が含まれていても特図先読み演出を実行しない場合には、例えば、専用の先読み抽選テーブル(不一致専用テーブル)を設け、当該不一致専用テーブルに基づいて特図先読み演出の実行可否を抽選するようにしてもよい。このとき、この不一致専用テーブルでは、通常態様(特図先読み演出が実行されていない状態)に戻すシナリオを選択する確率が高くなるように設定されており、その他、段階的に期待度が低くなるように演出態様が変化したり、通常の特図先読み演出では実行されない態様の演出が実行されたりする。なお、特別図柄保留コマンドに含まれる特図先読み演出の実行可否を示す情報と、周辺基板側で記憶している現在の遊技状態とが整合しない場合には、遊技者に誤解を与えないように、強制的に通常の演出態様に戻してもよい。
また、受信した特別図柄保留コマンドに含まれる特図先読み演出の実行可否を示す情報と、遊技状態との整合性が合わない場合には、プログラムのバグや静電気ノイズ等の誤動作の可能性があるために、単に特図先読み演出の実行をしないように制御するよりも通常時には実行されえない演出を実行することによって異常の発生を発見しやすくすることが可能となり、開発時におけるデバッグ、耐久試験等の遊技機検査に役立てることができる。
以上のように、周辺制御基板1510は、主制御基板1310(第1の先読み判定手段)によって特図先読み演出の実行可否が判定された後に、遊技状態や他の始動記憶などに基づいて特図先読み演出の実行可否や演出内容を判定可能な第2の先読み判定手段をなしている。
[11−17−3.演出例]
続いて、以上説明した制御によって実行される特図先読み演出(背景先読み演出)の具体例について説明する。図262は、本実施形態における特図先読み演出(背景先読み演出)の一例を示す図である。図262で説明する特図先読み演出は背景が変化する背景先読み演出であり、期待度に応じて所定のタイミングで背景がさらに変化することが可能となっている。以下、背景先読み演出の具体例について図262を参照しながら説明する。
図262(A)は、背景先読み演出が実行される前の状態を示しており、装飾図柄(特別図柄)1910の変動表示が終了し、特別図柄が確定した時点を示している。図262(A)に示す状態では、特別図柄1の始動記憶が4個分保留されている。
特別図柄の停止後、保留されていた始動記憶が消化され、特別図柄の変動表示が開始される。そして、図262(B)に示すように、背景先読み演出が開始された状態を示している。このとき、背景先読み演出の対象となる始動記憶は保留されている3個の始動記憶のいずれかである。背景先読み演出が開始されたタイミングで特図先読み演出の対象となる始動記憶を遊技者が特定できるようにしてもよいし、背景先読み演出の対象となっている始動記憶が消化されるタイミングで報知するようにしてもよい。なお、背景先読み演出の対象となっている始動記憶では期待度の高い変動パターンが選択されていようにすれば、装飾図柄の変動表示中(例えば、リーチ発生時)に当該変動が背景先読み演出の対象となっていることを遊技者が把握することができる。
本実施形態の背景先読み演出では、背景に雲が出現する。また、背景先読み演出による背景の変化が段階的に進行するように構成されており、出現した雲が段階的に変化する。背景(雲)が変化するパターンは、大当りの期待度に応じて決定するようにしてもよい。具体的には、装飾図柄の変動が停止し(図262(C))、保留された始動記憶が消化され、次の変動が開始されると、図262(D)に示すように、雲の色が濃くなることで雨雲に変化する。その後、図262(E)に示すように、雷雲に変化し、さらに雷が発生して大嵐となる。このとき、リーチの発生とともに保留表示を縮小もしくは非表示とする。なお、本実施形態では、雲の色が濃いほど期待度が高く、雷雲が発生した場合が最も期待度が高くなるが、特別な演出(例えば、大当り確定)として雲が消え去って太陽が現れるようにしてもよい(図262(F))。
また、背景が最初に変化するタイミングは、遊技球が始動入賞口(第一始動口2002、第二始動口2004)に入賞したタイミングであってもよいし、装飾図柄の変動開始時としてもよい。本実施形態では、装飾図柄の変動開始時としており、さらに、所定状態(例えば、通常遊技状態)において複数始動口に入賞したとしても、その複数の始動口への入賞が判別可能なように表示するものの、所定状態とは異なる状態においては複数始動口へ入賞したとしても、その複数の始動口への入賞が判別不能もしくは困難としており、所定状態とは異なる状態の場合に、装飾図柄が変動している間に複数の遊技球が始動入することで、遊技者はいずれの始動記憶の期待度が高いのかを認識しにくくなっている。
また、保留数が所定数以上(例えば、3以上)の場合など、期待度の高い始動記憶が発生してから変動が開始されるまで一定の猶予があり、背景先読み演出の実行タイミングが複数設定可能な場合には、一定の期間経過後に背景先読み演出を開始するようにしてもよい。例えば、保留数が3以上で発生した特図先読み演出について、保留1、保留2消化時には何も演出を実行せず、保留3が消化したタイミングで特図先読み演出を開始してもよい。この場合、特図先読み演出のシナリオとして、「変化なし→変化なし→先読みA」のようなシナリオを設定すればよく、変動ごとに抽選してもよい。変動ごとに抽選する場合には、前述したように、成り下がりが発生しないようにすることで遊技の興趣が低下することを防ぐことができる。
以上のように構成することによって、遊技者は特図先読み演出の対象となった始動記憶を把握しにくくなり、期待度の高い変動パターンの変動表示が開始されるまでに実行されるすべての変動表示に対して期待感を維持させることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、背景が段階的に変化するタイミングは装飾図柄の変動開始ごとに変化させてもよいし、装飾図柄の変動開始タイミングに関わらず、所定時間ごとに変化させるようにしてもよい。これにより、先行して消化される始動記憶の数が少ない場合であっても背景を複数の段階で変化させることが可能となる。また、装飾図柄の変動表示においてリーチが発生した場合には、背景先読み演出と並行してリーチ演出を実行してもよいし、背景先読み演出を中止してリーチ演出を実行してもよい。
続いて、背景先読み演出が実行されている間に、新たに大当りの期待度の高い始動記憶が発生した場合に、先行して実行されている背景先読み演出を、新たに発生した始動記憶に基づく背景先読み演出に切り替える(上書きする)場合の演出例について説明する。図263は、実行中の特図先読み演出(背景先読み演出)を新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出に切り替える場合の一例を示す図である。
図263(A)は、図262(A)と同様に、特図先読み演出(背景先読み演出)が実行される前の状態を示しており、装飾図柄(特別図柄)1910の変動表示が終了し、図柄が確定した時点を示している。特別図柄1の始動記憶が4個分保留されている。
また、図263(B)は、図262(B)と同様に、保留されていた始動記憶を新たに消化して特別図柄の変動表示を開始し、背景先読み演出を開始した状態を示している。その後装飾図柄の変動表示が停止し(図263(C))、保留されていた始動記憶を消化して装飾図柄の変動を開始するとともに背景を段階的に変化させ(図263(D))、装飾図柄の変動表示を停止させる(図263(E))。このとき、装飾図柄の変動表示とは独立して背景を変化させてもよい。
このとき、図263(E)に示すように、特別図柄の変動表示中に新たに2個の遊技球が始動入賞口に入賞し、特別図柄1の保留数は再び4個になっている。そして、図263(B)で開始された背景先読み演出、すなわち、実行中の背景先読み演出の期待度よりも、新たに発生した始動記憶が大当りとなる期待度が高い場合には、実行中の背景先読み演出を中断し、新たに発生した始動記憶に基づく背景先読み演出を実行する。
例えば、特図先読み演出の実行中に、新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出の抽選を可能としてもよい。この抽選は常に可能であってもよいし、特定条件(例えば、現在演出されている先読み演出の内容、装飾図柄の変動内容もしくは停止図柄、さらには乱数抽選で抽選の可否を判断する等)成立により可能としてもよい。新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出の抽選に当選した場合に、当該特図先読み演出の表示態様を決定する。決定した表示態様と実行中の特図先読み演出の表示態様とを比較し、新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出の表示態様の方が、期待度の高い表示態様の演出である場合には、所定タイミング(次の変動開始、リーチ発生、図柄停止等)で、新たに実行される特図先読み演出の表示態様に切り替えて実行する。また、新たに実行される特図先読み演出の表示態様が実行中の特図先読み演出の表示態様よりも期待度が低い場合には、新たに実行される特図先読み演出の表示態様に切り替えることなく実行中の特図先読み演出の表示態様を継続してもよいし、実行中の特図先読み演出を停止してもよい。
本実施形態の背景先読み演出では“天気”に関連した演出態様としているが、新たに実行される後続の特図先読み演出は“天気”に直接関連しないものとしてもよい。例えば、実行中の特図先読み演出が“天気”に関するものであったときに、後続の特図先読み演出の内容が全く関係しないカーレース関するものであってもよい。実行中の特図先読み演出に関連する特図先読み演出を実行することによって、遊技者は一連のシナリオを実行しているように感じられ、先読み演出の期間が延長されたように感じさせることができる。
また、新たに実行される後続の特図先読み演出のシナリオにおいて、実行中の特図先読み演出のシナリオを比較し、特に実行中の特図先読み演出のシナリオを進行状況からこれらのシナリオを組み合わせて新たなシナリオを組み合わせてもよい。例えば、実行中の特図先読み演出のシナリオが「曇り→雨雲→積乱雲」、後続の特図先読み演出のシナリオが「薄曇り→雪雲→大嵐」とした場合(大当り期待度は、薄曇り<くもり<雨雲<積乱雲<大嵐とする)、実行中の特図先読み演出の表示態様が「雨雲」のときに後続の特図先読み演出のシナリオに切り換えることで、先読み演出態様の全体の流れとしては、「くもり→雨雲→薄曇り→雷雲→大嵐」のような演出となり、切り替わり時点で一旦期待度が低くなるものの、その後に続く表示態様で一旦低下した期待度がより高くなることになる。この場合、虚偽(ガセ)の特図先読み演出として「くもり→雨雲→薄曇り」の順で変化するシナリオを用意しておくことによって、薄曇りの後に出現する「雷雲」により、遊技者の大当りへの期待度をより高めることができる。
なお、後続の特図先読み演出のシナリオとして関連性のないシナリオの特図先読み演出を実行する場合、新たに期待度の高い始動記憶が発生したことを遊技者に示唆することができるため、実行中の特図先読み演出に対応する抽選の結果がはずれであっても、後続の始動記憶に基づく特図先読み演出に対応する抽選の結果がわかるまで遊技者の期待感を維持することができる。
図263(F)は、新たに発生した始動記憶に基づく背景先読み演出が開始された状態を示している。その後、図263(G)に示すように、雲の色が濃くなるように変化し、図263(H)に示すように、さらに黒くなった雲から雷が出現する。
なお、図263(F)では、図263(E)よりも雲の色が薄くなり、背景先読み演出の進行が前段階に戻っている。このように、背景先読み演出の進行が前段階に戻った場合には、遊技者はより期待度の高い始動記憶が追加されたことを認識することができ、期待感をさらに高めさせることができる。なお、これらの雲の変化の演出にはシナリオとして演出態様をあらかじめ設定されており、複数のシナリオを組み合わせ可能としてもよいし、あらかじめ組み合わせられたシナリオを用意しておいてもよい。
一方、背景先読み演出の進行を前段階に戻さずに、中断する背景先読み演出に継続するように、後続の背景先読み演出を開始するようにしてもよい。このように制御することによって、遊技者は大当りの期待感が継続した状態をより長い時間維持させることができる。
なお、中断された背景先読み演出に対応する変動表示においてもリーチが発生するが、この場合には、リーチ演出が実行され、次の変動表示が開始された後にも継続して背景先読み演出を実行すればよい。
なお、背景を変化させる特図先読み演出(背景先読み演出)を、前述した期待度の高い始動記憶の保留表示の表示態様を変化させる特図先読み演出(通常先読み演出)と並行して実行するようにしてもよい。背景先読み演出に対応する始動記憶を遊技者に把握されてしまう場合があるが、この場合には、単に保留表示の表示態様が変化した場合よりも期待度が高くなるようにして、遊技者の期待感をさらに高めるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、特図先読み演出が実行されている間に、より大当りの期待度の高い始動記憶が発生した場合には、先行して実行されている特図先読み演出を、新たに発生した始動記憶に基づく特図先読み演出に切り替える(上書きする)ことによって、本来の大当りの期待感を遊技者に与えることが可能となり、先読み演出の効果を最大限発揮させることができる。これにより、遊技の興趣が低減することを抑制することが可能となる。
最後に、保留先読み演出と背景先読み演出とを並行して実行する場合の演出例について説明する。図264は、保留先読み演出と背景先読み演出とが並行して実行され、実行中の背景先読み演出を新たに発生した始動記憶に基づく背景先読み演出に切り替える演出例を示す図である。図264に示す演出例では、保留先読み演出に関連する背景先読み演出が実行される。
図264(A)は、先読み演出が実行される前の状態を示しており、装飾図柄(特別図柄)の変動表示が終了し、はずれ図柄が確定した時点を示している。図264(A)に示す状態では、始動記憶が3個分保留されている。図264(B)は、保留されていた始動記憶が消化されて保留数が3から2に変化し、特別図柄の変動表示が開始された状態を示している。
その後、図264(B)の特別図柄の変動中に始動入賞口に遊技球が1個入賞し、当該始動入賞における先読み演出の実行抽選に当選する。図264(C)は、特別図柄の変動が継続し、保留先読み演出が実行された状態を示している。このとき、保留3の保留表示が通常の丸形状ではなく、「積乱雲」の形状に変化する。また、保留先読み演出が実行されている始動記憶では、保留先読み演出と並行して背景先読み演出が実行される。背景先読み演出では、背景が「曇り」から「雨雲」に変化し、最後に「雷雲(積乱雲)」に変化する。このように、保留先読み演出によって保留表示が「積乱雲」に変化し、背景が最終的に「積乱雲」に関連する「雷雲」に変化するようになっている。
図264(D)は、特別図柄の変動表示が終了した状態である。続いて、図264(E)は、次の保留始動記憶が消化され、特別図柄が変動表示している状態を示している。このとき、背景先読み演出として、背景に「曇り」を示す雲を表示する。その後、図264(F)に示すように、特別図柄の変動表示が終了する。このとき、背景に表示された雲をそのまま残しておいてもよいし、一旦消去してもよい。遊技者が背景先読み演出が実行されたことを認識できればよい。
図264(G)は、さらに次の保留始動記憶が消化され、特別図柄が変動表示されている状態を示している。このとき、保留表示は、保留1が「積乱雲」、保留2が「通常」、保留3が「嵐」、保留4が消灯された状態となっている。さらに、背景先読み演出として背景が「雲」が「雨雲」に変化する。また、特別図柄の変動表示中に2個の遊技球が始動入賞口に入賞し、2個目の始動記憶(保留3)が先読み演出の実行抽選に当選した結果、保留表示が「嵐」を示す形状に変化する。さらに、保留3に対応する始動記憶に基づいて背景先読み演出が実行される。このとき、背景が「薄曇り」から「雷雲」に変化し、最後に「大嵐」に変化するシナリオが選択される。保留表示が「積乱雲」の始動記憶よりも、保留表示が「嵐」の始動記憶のほうが大当りとなる期待度が大きいため、背景先読み演出の切り替え(上書き)が実行される。図264(H)は、特別図柄の変動表示が終了した状態であり、背景には雨雲が継続して表示されている。
図264(I)は、保留表示が「積乱雲」であった始動記憶が消化され、特別図柄が変動表示されている状態を示している。また、背景先読み演出が継続されていれば積乱雲(雷雲)が表示されるはずであるが、保留表示が「嵐」の始動記憶に基づく背景先読み演出に切り替えられているため、背景は「薄曇り」に変更される。このとき、保留表示は、保留1が「通常」、保留2が「嵐」、保留3及び保留4が消灯された状態となっている。
その後、図264(J)に示すように、保留表示が「積乱雲」であった始動記憶に基づいてリーチが発生し、リーチ演出が実行される。このとき、背景及び保留表示は変化せずにそのままとなっている。
図264(J)のリーチ変動が終了すると、図264(K)に示すように、特別図柄の変動表示の結果がはずれとなる。このとき、背景は薄曇りの状態のままとなっている。
そして、図264(L)に示すように、次の変動が開始されると、背景が雷雲に変化する。その後、図264(M)に示すように、特別図柄の変動が終了する。このとき、背景と保留表示は図264(L)に示した状態と同じである。
さらに、保留表示が「嵐」の始動記憶を消化すると、図264(N)に示すように、特別図柄の変動表示が開始される。このとき、保留表示はすべて消灯した状態になり、背景は「大嵐(雷+暴風雨)」に変化する。そして、図264(O)に示すように、特別図柄の変動表示が確定停止し、大当りが発生する。
なお、本実施形態では、保留先読み演出と背景先読み演出とを関連付けて、シナリオの最終段階の表示にあわせて行うことによって、保留表示が変化した時点で最終的にどのように背景が変化するか(どのようなシナリオが選択される(発生する)か)を事前に判別することが可能となっている。また、保留表示に対応する表示態様がシナリオの最終段階に対応しなくてもよく、最初又は途中の段階であってもよい。途中段階であれば、最終段階でより期待度の高い表示態様に変化する可能性があり、遊技者の期待感を高めることができる。
[11−18.レベル管理による演出制御を行う変形例]
以上、演出実行時に成り下がりを防止する制御について説明してきたが、変動パターンごとに所定のタイミングで演出を実行する場合、演出のバリエーションが多くなると、演出データが膨大な量となり、管理が困難になる。また、前述の成り下がり防止の処理などの演出制御も複雑化し、例えば、レアな演出を実行する場合に演出データに誤りがあっても発見することが困難になってしまうおそれがある。さらに、すべてのパターンについてテストを実行するためには膨大な工数が必要となる。
そこで、本実施形態の変形例3として、演出を階層的に管理することによって演出データの管理を容易にすることを可能とする遊技機を提案する。これにより、演出を実行するために必要なデータの容量を削減し、演出データの設定の誤りを防止することを目的とする。
本実施形態の変形例3では、始動入賞時に主制御基板1310から送信された先読みコマンドや変動開始時に送信される特図同期演出開始コマンドに対応して実行可能な演出の内容に対応する「レベル(演出基準情報)」を定義する。演出内容はレベルに基づいて決定される。以下、レベルに基づいて予告演出や変動時の演出を選択する例について説明する。
[11−18−1.変動パターン]
まず、以降の説明を簡略化するために、簡略化した変動パターンを定義する。図265は、本実施形態の変形例3の変動パターンの種類の一例を示す図である。図265に示すように、変動パターンコマンドはステータス(STS)とモード(MODE)によって構成されており、これらを組み合わせて変動パターンコマンドとする。
さらに、変動パターン1を「通常はずれ」、変動パターン2を「ノーマルリーチ(はずれ)」、変動パターン3を「ノーマルリーチ(当たり)」、変動パターン4を「SPリーチ(はずれ)」、変動パターン5を「SPリーチ(当たり)」となっている。各変動パターンに付加される枝番は、擬似連回数に対応する。具体的には、枝番が1の場合には擬似連回数が1、・・・、枝番が4の場合には擬似連回数が4となっている。なお、本実施形態の変形例3では、最大4回の擬似連続変動を実行可能としている。したがって、本実施形態の変形例3では図265に示すように、ステータス(STS)が擬似連回数に対応し、モード(MODE)が変動パターンに対応している。
なお、リーチ態様について、ノーマルリーチよりもSPリーチのほうが大当りとなる期待度が大きく、また、擬似連続変動の場合には、擬似連回数が多くなるほど大当りとなる期待度が大きくなる。
[11−18−2.シナリオ]
また、各変動パターンには、対応するシナリオ(変動シナリオ)が定義されている。本変形例における変動シナリオとは、特別図柄が変動表示されている間に実行される演出において、予告演出の実行可否、予告演出が実行されるタイミング及び予告演出の種類等が定義されるものである。以下、本変形例における変動シナリオについて図266及び図267を参照しながら説明する。
図266は、本実施形態の変形例3の特別図柄の変動表示における予告演出の実行パターンに対応する変動シナリオの一例を示す図である。シナリオ1は変動パターン1に対応し、シナリオ2は変動パターン2及び変動パターン3に対応し、シナリオ3は変動パターン4及び変動パターン5に対応する。さらに、シナリオ4は変動パターン1−1に対応し、シナリオ5は、変動パターン2−1〜2、変動パターン3−1〜3、変動パターン4−1〜3及び変動パターン5−1〜4に対応する。このように、本実施形態の変形例3では、変動パターンに対して変動シナリオが対応付けられている。なお、一の変動パターンに複数のシナリオが設定され、抽選で選択するようにしてもよいし、複数の変動パターンに共通のシナリオが設定されるようにしてもよい。以下、各変動シナリオの内容について説明する。
各変動シナリオは、各予告の実行可否と実行タイミングが設定されている。本変形例では、予告の実行可否を示す実行フラグがONに設定されている場合には、対応する実行タイミングで予告演出が実行可能となっている。予告演出には予告演出Aから予告演出Dの4種類が含まれる。予告演出Aから予告演出Dには種類ごとに一又は複数の演出が対応付けられており、対応する予告タイミングで実行される予告演出を、抽選して決定する。また、予告演出Aには対応する予告Aフラグに演出内容が設定されており、実行タイミングにおいて予告Aフラグを参照し、設定された予告演出を実行する。このとき、複数の演出から抽選で選択して実行するようにしてもよい。予告演出Bから予告演出Dについても予告Bフラグから予告Dフラグが対応し、同様に制御される。
以下、変動シナリオごとの予告演出の実行タイミングについて説明する。図267は、本実施形態の変形例3の各変動シナリオの予告演出を実行するタイミングを説明する図である。本変形例では、予告演出を実行するタイミングは期間1から期間4まで設定可能となっており、各期間は予告演出Aから予告演出Dに対応している。予告演出の実行可能な期間は、前述のように、実行フラグ及び実行タイミングによって変動シナリオごとに決定される。以下、各変動シナリオについて具体的に説明する。
シナリオ1は、リーチが発生しない通常はずれであるため、期間1のみで終了する。期間1は、特別図柄の変動開始から変動停止までの期間である。シナリオ1が選択された場合、特別図柄の変動開始から2000ms経過したタイミングで予告演出Aの内容を示す予告Aフラグを参照し、対応する予告演出を実行する。このとき、予告Aフラグ設定時に決定された演出を実行するようにしてもよいし、予告演出Aに対応する一又は複数の演出から抽選によって実行する予告演出を選択するようにしてもよい。また、予告演出を実行しないことを選択可能としてもよい。また、予告演出の選択は、常に特定の確率で抽選してもよいし、後述するレベル(演出基準情報)に基づいて抽選するようにしてもよい。なお、予告演出Aを実行するタイミングは、期間1内であればいつでもよく、選択された演出に応じてタイミングを変更してもよいし、一定のタイミングとしてもよい。また、予告Aフラグを参照するタイミング(特別図柄の変動開始から2000ms経過したタイミング)は期間1内のタイミングである。例えば、期間1全体は5000msであり、期間1の開始(特別図柄の変動開始)から2000ms経過したタイミングで予告Aフラグを参照し、予告演出を抽選する。
シナリオ2は、ノーマルリーチが発生する場合である。特別図柄の変動時間は、リーチが発生するまでの期間1(前半変動)とリーチ発生開始から特別図柄の変動停止までの期間2によって構成されている。そして、変動開始から2000ms経過したタイミングで予告演出Aの内容を示す予告Aフラグを参照し、予告演出Aを実行する。同様に、7500ms経過したタイミングで予告演出Bの内容を示す予告Bフラグを参照し、予告演出Bを実行する。
シナリオ3は、SPリーチが発生する場合である。本変形例のSPリーチは、前半部と後半部によって構成されており、リーチ発生後、所定時間経過後にSPリーチに発展する。シナリオ3は、リーチが発生するまでの期間1、リーチ発生からSPリーチに発展するまでの期間2、SPリーチ前半部の期間3及びSPリーチ後半部の期間4となっている。そして、変動開始から2000ms経過したタイミングで予告演出Aの内容を示す予告Aフラグを参照し、予告演出Aを実行する。同様に、7500ms経過したタイミングで予告演出Bの内容を示す予告Bフラグを参照し、予告演出Bを実行する。さらに、20000ms経過したタイミングで予告演出Cの内容を示す予告Cフラグを参照し、予告演出Cを実行し、30000ms経過したタイミングで予告演出Dの内容を示す予告Dフラグを参照し、予告演出Dを実行する。
シナリオ4は、擬似連ガセが発生する場合である。擬似連ガセとは、特別図柄の変動表示が開始されてから仮停止した後、再変動してもリーチが発生せずに変動表示が終了する変動である。シナリオ4は、特別図柄の変動開始から仮停止するまでの期間1、特別図柄の変動表示が終了するまでの期間2によって構成されている。そして、変動開始から2000ms経過したタイミングで予告演出Aの内容を示す予告Aフラグを参照し、予告演出Aを実行する。同様に、8000ms経過したタイミングで予告演出Bの内容を示す予告Bフラグを参照し、予告演出Bを実行する。
なお、擬似連続表示の仮停止が開始されてから擬似連続表示が終了するまで(変動停止又はリーチ発生)の間が期間2に対応する。この場合、期間2に特別図柄の仮停止が一又は複数回実行され、例えば、仮停止の回数が3回の場合には、初回仮停止〜2回目の仮停止期間を期間2―1とし、このとき実行される予告演出を予告演出B―1とする。同様に、2回目の仮停止期間〜3回目の仮停止(リーチ)期間を期間2―2とし、予告演出B−2が実行される。各予告演出の実行タイミングは、図266に示したタイミング(8000ms)を基準として演出内容に応じて決定される。
シナリオ5は、擬似連続変動からSPリーチに発展する場合である。この場合には、期間1が特別図柄が仮停止するまでの時間となり、期間2が仮停止からSPリーチが発生するまでの時間となる。期間3及び期間4は、通常のSPリーチ発生時と同様である。
シナリオ5は、擬似連続変動からSPリーチに発展する場合であり、特別図柄の変動開始から仮停止するまでの期間1と、リーチが発生するまでの期間2と、リーチ発生からSPリーチに発展及びSPリーチ前半部の期間3と、SPリーチ後半部の期間4とによって構成されている。期間2については、シナリオ4で説明したように、仮停止の回数に対応して期間が分割される。また、期間3についてもリーチ発生からSPリーチに発展するまでの期間と、SPリーチ前半部とを分割してもよい。
シナリオ5では、変動開始から2000ms経過したタイミングで予告演出Aの内容を示す予告Aフラグを参照し、予告演出Aを実行する。同様に、7500ms経過したタイミングで予告演出Bの内容を示す予告Bフラグを参照し、予告演出Bを実行する。さらに、30000ms経過したタイミングで予告演出Cの内容を示す予告Cフラグを参照し、予告演出Cを実行し、40000ms経過したタイミングで予告演出Dの内容を示す予告Dフラグを参照し、予告演出Dを実行する。
なお、図面では各シナリオの代表的な例のみを示しており、各シナリオは、それぞれについて複数種類定義可能である。例えば、ノーマルリーチであれば、シナリオ2が1種類だけ定義されているのではなく、シナリオ2−1、シナリオ2−2、シナリオ2−3のように、演出などのバリエーションに応じて複数のシナリオが定義可能となっている。同様に、SPリーチの種類ごとに複数のシナリオが定義されていたり、変動時間の同じ種類のSPリーチであっても演出などのバリエーションに応じて複数のシナリオが定義されていたりする。
[11−18−3.抽選ポイント]
本実施形態の変形例3では、前述のように、変動パターンに対応する変動シナリオに基づいて演出内容を抽選する(抽選ポイント)。抽選ポイントには、特別図柄の変動表示の期待度に応じたレベル(演出基準情報)が段階的に設定され、対応する変動シナリオが抽選される。図268は、本実施形態の変形例3の抽選ポイントの予告の内容の一例を示す図である。本変形例では、図268に示すように、「先読み」、「前半変動」、「擬似連」、「テンパイ時」、「SP前半」、「SP後半」がある。
「先読み」は、保留先読み、背景変化、その他先読み予告の実施可否及び期待度の強弱を抽選する。具体的には、保留先読みのみ実行する場合や保留先読みと背景変化を同時に実行する場合なども抽選可能となっており、さらに実行する先読み予告の種類(強弱)を決定する。また、先読み予告が特定のキャラクタ等の登場であってもよく、当該キャラクタの登場回数を決定したり、登場タイミングを決定したりしてもよい。
また、前述のように、始動入賞口に遊技球が入賞すると、主制御基板1310は、取得した乱数値により当落判定、変動パターン種別(リーチカテゴリー)又は変動パターン(最終変動パターン)を決定し、これらを先読み情報としてサブ基板にコマンド送信する。なお、先読み時の当落判定、変動パターン種別又は変動パターンの決定方法は、特別図柄の変動開始時と同様に処理され、同じ処理ルーチンを使用することによって、プログラム容量の圧縮を行っている。
周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した先読み情報に基づき、先読み演出の実行可否、先読み態様(保留先読み、背景変化、ゾーン先読み)、決定した先読み態様における演出態様を決定する。なお、保留先読みは保留表示の表示態様を変化させる予告演出であり、表示色や表示色の変化順序(例えば、青⇒緑⇒赤)が演出態様として定義される。また、背景変化であれば、背景画像の種類や背景画像の変化順序(例えば、雨雲⇒雷雲⇒雷)が定義される。ゾーン先読みであれば、ゾーン演出の種類が定義される。これらの演出態様は、変動開始タイミング毎に切り替えられるが、これに限定されずに、変動開始からの経過時間、特定の達成条件(ミッション)等を達成することによって切り替わるようにしてもよい。
「前半変動」は、特別図柄の変動開始からリーチが発生するまで又は特別図柄が仮停止するまでの期間であって、この期間に実行される予告演出の実行可否及び期待度の強弱を抽選する。
「擬似連」は、特別図柄が仮停止し、再変動を繰り返すごとに予告態様を変化させるパターンを抽選する。予告態様の変化パターンは、変動開始時に一括して抽選される。予告態様を変化させるパターンには、実行される予告の期待度が徐々に高くなるようにしたり、期待度を一定にしたりするようなパターンが含まれる。このとき、擬似連の進行に応じて期待度が低下する成り下がりを防止するようにこれらのパターンを定義してもよい。なお、変動開始時に一括して抽選せずに、所定のタイミング(例えば、予告態様の変化タイミング)ごとに予告態様を抽選するようにしてもよい。このように構成することで、期待度が低くなる予告態様を抽選範囲からあらかじめ除外することが可能となり、成り下がりの発生を防止することができる。また、意図的に成り下がりを発生させることで遊技者に何らかの有益な情報(例えば、遊技状態)を示唆してもよい。例えば、遊技者が高確率状態である低確率状態であるかが把握できない確率状態の場合に、成り下がりが発生すると、高確率状態であることを示唆するようにしてもよい。大当りの期待感が低下しても遊技者に有益な情報を示唆することによって興趣の低下を抑制することができる。
「テンパイ時」は、特別図柄の変動表示中に発生する特定のイベント(テンパイ)であって、このイベントの発生時に実行される予告演出の実行可否及び期待度の強弱を抽選する。「SP前半」は、SPリーチの前半部分で実行される予告演出の期待度の強弱を抽選し、「SP後半」は、SPリーチの後半部分で実行される予告演出の期待度の強弱を抽選する。
[11−18−4.レベル(演出基準情報)]
続いて、変動パターンとレベル(演出基準情報)との関係について説明する。本実施形態の変形例3では、レベルが高いほど、大当りの期待度が高くなるように設定されているため、変動パターンの期待度と対応してレベルが設定される。図269は、本実施形態の変形例3の変動パターンとレベルとの関係を説明するための図である。図269に示すように、各変動パターンには基本レベルが設定されており、変動パターン1にはレベル(LV)1、変動パターン2にはLV2、変動パターン3にはLV3、変動パターン4にはLV3、変動パターン5にはLV4が設定されている。
本実施形態の変形例3では、基本レベルが設定されているが、実際には変動パターンと擬似連の回数に基づいてレベルを設定している。例えば、図269に示すように、変動パターン3の場合には、基本レベルにLV3が設定されているが、擬似連の回数が3回の場合には基本レベルよりも高いLV4を選択するように設定されている。変動パターン3は、ノーマルリーチが実行されて大当りが発生する場合であるが、ノーマルリーチでは実行されないはずの演出を実行することによって遊技者の期待感を高めることができる。一方、変動パターン4では、擬似連の回数が少ない場合には基本レベルよりも低いLV2が設定されている。変動パターン4は、SPリーチが実行されるが変動表示の結果がはずれになるため、演出の期待度を低くすることによって期待感を過剰に煽ることを防止することができる。
以上のように、変動パターンと擬似連の回数に基づいてレベルが設定されていることから、本実施形態の変形例3では変動パターンコマンドにレベルが対応するようになっている。また、変動パターン決定時に、基本レベルを設定するか擬似連回数に対応するレベルを設定するかを抽選するようにしてもよい。
また、本実施形態の変形例3では、変動パターン及び遊技状態に基づいてレベルを設定することが可能となっている。図270は、本実施形態の変形例3の変動パターンと遊技状態との関係を説明するための図である。本変形例では、前述したように、変動表示の確率状態(低確率状態(通常状態)、高確率状態)、普通電動役物の作動状態(時短状態)が遊技状態として設定される。具体的には、低確率非時短状態、低確率時短状態、高確率非時短状態(いわゆる潜伏確変)、高確率時短状態(いわゆる確変状態)である。
遊技状態に応じてレベルを基本レベルと異なるレベルに設定する場合には、例えば、遊技者が遊技状態を把握していない場合に、当該遊技状態を示唆するようにしてもよい。具体的には、高確率非時短状態で遊技者が高確率状態であるか低確率状態であるかを把握できない場合に、図270に示すように、基本レベルとは異なるレベルを設定する。例えば、高確率非時短状態で変動パターン1が選択された場合には基本レベル(LV1)よりも高いレベル(LV2)を設定し、変動パターン4の場合には基本レベル(LV3)よりも低いレベル(LV1)を設定することで、通常では実行されない演出を実行するように制御、遊技者に高確率状態であることを示唆する。
なお、高確率非時短状態(いわゆる潜伏確変)について説明したが、遊技性で基本レベルとは異なるレベルを設定するようにしてもよい。例えば、遊技状態が高確率時短状態であって、変動パターン5で高確率状態に移行しない通常大当りが発生する場合には、基本レベルよりも低いレベルを設定し、期待度の低い演出を実行することによって高確率状態から転落してしまうことを示唆することができる。
また、擬似連の進行とともにレベルを変更してもよい。これにより、期待度の低い変動パターンが選択されても、変動表示の結果が大当りであれば、演出の進行に応じてレベルを昇格させることで期待度の高い演出を実行することが可能となるため、遊技者の興趣を段階的に高めることができる。具体的には、特別図柄の仮停止時に実行される演出のレベルを後半で高くなるように設定してもよい。
さらに、レベルの選択は、大当り図柄(大当りの種類)に基づいて決定するようにしてもよい。例えば、確変状態に移行して多量の賞球のある大当りであれば、レベルを高く設定し、確変状態に移行しない大当りであったり、賞球のない(少ない)大当りであれば、相対的に低いレベルに設定する。これに遊技状態を加味し、確変状態でありながら、通常状態に移行してしまう大当りの場合にはレベルを低く設定するようにしたり、確変状態に移行又は確変状態を維持する場合には高いレベルに設定するようにしたりしてもよい。
また、本実施形態の変形例3では、設定されたレベルに応じて演出の実行可否及び実行される演出の種類が異なるようになっている。図271は、本実施形態の変形例3のレベルごとに予告演出の実行可否を設定するテーブルの一例を示す図である。図271では、特別図柄の変動表示における大当りの期待度を示唆する演出(予告演出)の実行可否を示している。
図271を参照しながら具体的に説明すると、予告演出の例として、可動役物(役物A、役物B)、表示画面の背景(背景画像A、背景画像B)が実行可能となっており、役物Aよりも役物Bによる演出のほうが期待度が高いことを示唆し、同様に背景画像Aよりも背景画像Bが表示されたほうが期待度が高いことを示唆している。
前述のように、レベルが高いほうが大当り期待度が高い予告演出が実行されるため、最も低いレベル1の場合には、期待度の低い役物Aによる予告演出が実行されるのみである。一方、レベル4の場合にはすべての予告演出を実行可能となっており、いずれかの予告演出が実行されるようにしてもよいし、可動役物による予告演出と表示画面の背景変更による予告演出の重複実行を許可するようにしてもよいし、可動役物の動作が互いに阻害しなければ可動役物による演出を重複して実行するなど、各予告演出を並行して実行するようにしてもよい。
なお、予告演出が実行可(“○”)となっている場合であっても、必ず実行するのではなく抽選により実行可否を決定するようにしてもよい。予告演出が実行される場合のほうがされない場合よりも大当りの期待度が高いため、レベルが高いほど予告演出を実行する確率が高くなるように設定されており、レベルに応じた抽選確率が設定されている。
また、図271に示すテーブルを各予告演出の実行時に参照し、実際に予告演出を実行してもよいか否かを判定するようにしてもよい。これにより、本来実行すべきでない予告演出が実行されることを防止することが可能となる。レベル4の場合のように、すべて実行可能な場合にはこのような判定を行わなくてもよい。
なお、役物による予告演出や背景画像による予告演出は、実行中の変動表示(当該変動)の結果を示唆するものであってもよいし、変動表示が開始されていない保留記憶に対する予告(先読み予告)であってもよい。
[11−18−5.予告演出の抽選]
次に、各抽選タイミングで選択される予告の選択手順について説明する。図272は、本実施形態の変形例3の予告演出の内容を選択するためのテーブルの一例を示す図であり、(A)は前半変動時、(B)はリーチ後又は擬似連発生時、(C)はリーチ後の発展前半又は擬似連発生後のリーチ前半、(D)はリーチ後の発展後半又は擬似連発生後のリーチ後半の予告演出の抽選確率と演出フラグの設定値を示している。
図272(A)では、特別図柄の変動前半時に実行される予告Aの抽選確率を示している。レベル1では、50%の確率で予告Aを実行せず、50%の確率で予告A−1を実行する。予告Aが実行されない場合には、予告Aフラグのフラグ設定値に0が設定され、同様に、予告A−1が実行される場合には1、予告A−2が実行される場合には2、予告A−3が実行される場合には3、予告A−4が実行される場合には4が設定される。予告A−1からA−4の順に大当りの期待度が高くなり、期待度の高いレベルが選択された場合により期待度の高い予告演出が選択されやすくなるように設定されている。なお、大当りの確定演出としてフラグ設定値が5に設定される予告演出(例えば、A−5)を追加してもよい。
なお、予告Aは、必ずしも1種類の予告演出ではなく、例えば、変動前半に行われる複数種類の演出が含まれる。このとき、演出の種類に応じて予告Aテーブルを複数種類定義する。具体的には、図273にて後述するセリフ予告、複数のキャラクタが表示されるキャラクタ群予告、段階的に期待度の高くなる画像が表示されるステップアップ予告などがあり、予告の種類に応じて予告Aテーブルを定義する。また、これらの予告演出が重複して実行可能であれば並行して複数の予告演出を実行してもよい。一方、並行して実行できない場合には、予告の種類ごとに優先順位を設定し、優先順位の高い予告演出を実行してもよいし、実行する演出を抽選で決定してもよい。なお、後述する予告Bから予告Dについても同様に複数の演出を定義可能となっている。
図272(B)はリーチ後又は擬似連発生時に実行される予告B、(C)はリーチ後の発展前半又は擬似連発生後のリーチ前半に実行される予告C、(D)はリーチ後の発展後半又は擬似連発生後のリーチ後半に実行される予告Dの抽選確率及び演出フラグの設定値を示している。概ね各予告演出は予告Aの場合と同様の傾向で設定されており、予告Dのように実行された時点で大当りの期待度が高い場合にはより期待度の高い予告演出が実行されやすくなるように設定されており、遊技者の期待感を高めるようにしている。なお、レベル1では予告Dが実行されないため、「なし」に100%設定されている。
[22−6.セリフ演出]
続いて、特別図柄の変動表示中に実行される予告演出のうち、演出表示装置1600にキャラクタを表示するなどして、期待度を示唆するセリフを表示及び音声出力するセリフ演出について説明する。なお、キャラクタ等を表示せずに音声出力のみであってもよい。また、セリフ演出は、例えば、図272に示した例では前半変動の予告Aに対応させることができる。
図273は、本実施形態の変形例3のセリフ予告演出の一例を説明する図であり、(A)は従来のセリフ予告演出の選択テーブル、(B)は本発明のセリフ予告演出の選択テーブルである。なお、図272に示した例では、演出内容の選択を抽選確率によって示していたが、図273(B)では乱数値よって示している。
従来のセリフ予告演出は、主制御基板1310によって通知された変動パターンに基づいて実行可否及びセリフの内容が決定されていた。具体的には、変動パターンが通知されると、乱数値を取得し、出力するセリフを抽選する。図273(A)に示す例では、0から1000の乱数が取得され、通知された変動パターンと取得された乱数値に対応するセリフを選択し、セリフ演出を実行する。具体的には、変動パターン3では、0から750までの乱数値が抽出された場合にはセリフ2が選択され、751から1000までの乱数値が抽出された場合にはセリフ3が選択される。例えば、抽出された乱数値が500であれば、セリフ2が選択される。
一方、本発明にかかるセリフ予告演出では、変動パターンが通知されると、前述のように、通知された変動パターンに基づいてレベルを選択する。さらに、乱数値を取得し、取得された乱数値と選択されたレベルに基づいてセリフを選択する。
従来のセリフ予告は変動パターンごとに選択する必要があったため、変動パターンの数が多い場合には、図273(A)に示すように、膨大なデータ量となる選択テーブルを必要としていた。一方、本実施形態の変形例3では、図273(B)に示すように、変動パターンに対応するレベルごとにセリフ予告の内容を選択するため、データ量を大幅に削減することが可能となる。
[11−18−7.予告演出制御]
続いて、予告演出を選択するための抽選を行う制御について説明する。図274は、本実施形態の変形例3の予告演出を選択する抽選を行うレベル設定処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、16ms定常処理(図193)において、主制御基板1310から送信されたコマンド(先読み演出開始コマンド、特図同期演出開始コマンド)に基づいて実行される。本処理の実行タイミングは、例えば、先読み予告の演出内容や当該変動の演出内容が決定される前、すなわち、演出制御処理(ステップS602)や特図先読み制御処理(ステップS1027)の前に実行するようにしてもよいし、演出制御処理(ステップS602)や特図先読み制御処理(ステップS1027)の内部で実行するようにしてもよい。
レベル設定処理が開始されると、まず、周辺制御基板1510(周辺制御IC1510aのCPU)は、始動入賞時に送信される先読み演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3000)。レベル設定処理を受信コマンド解析処理の後に実行する場合には、先読み演出開始コマンドを受信したか否かを、先読み演出実行フラグがセットされているか否かによって判定することができる。
先読み演出開始コマンドを受信した場合には(ステップS3000の結果が「Yes」)、周辺制御IC1510aのCPUは、先読み予告演出のシナリオ(先読みレベルシナリオ)を抽選する(ステップS3001)。先読みレベルシナリオは、先読み演出開始コマンドの内容に対応する変動パターンに基づいて決定する。さらに、擬似連続変動の回数や遊技状態などに基づいてレベルを決定するようにしてもよい。
本変形例では、先読み予告演出に保留予告と背景予告とがある。保留予告の先読みレベルシナリオには、実行可否、保留表示の段階的な変化の有無及びタイミングなどが含まれる。また、背景予告の先読みレベルシナリオには、同じく、実行可否、背景画像の段階的な変化の有無及びタイミングなどが含まれる。さらに、先読みレベルシナリオには、レベルが設定されており、段階的に変化する場合には変化するタイミングごとにレベルが設定されている。なお、先読み演出に係る予告演出は可動役物の動作によるものであってもよく、また、ランプの点灯や音の出力であってもよい。
また、先読み演出開始コマンド受信時と、当該先読み演出開始コマンドに対応する変動表示開始時の遊技状態が異なる場合には(例えば、所定回数継続する高確率状態が終了する場合等)、予告演出と変動表示の結果に齟齬が生じるおそれがあるため、レベルを1に設定することで、不当に期待度の高い演出が実行されることによる遊技者の落胆を防ぐことができる。また、必ずしもレベルを1にする必要はなく、例えば、変動表示の結果が大当りであれば、レベルを最大値に設定してもよい。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、抽選されたレベルに基づいて、保留予告の演出態様を抽選する(ステップS3002)。保留予告は、表示画面上の特別図柄変動の保留表示の態様を変更することによって遊技者に当該保留の大当りの期待度を示唆する演出である。具体的には、保留表示の表示色を変更したり、形状を変更したりする。なお、前述した通常先読み演出が保留予告に対応する。保留予告の抽選は、乱数値を抽出し、抽出された乱数に基づいて、所定のテーブルから保留表示の態様を特定する。さらに、保留表示の態様に対応するフラグ設定値を取得する。そして、周辺制御IC1510aのCPUは、取得したフラグ設定値を保留予告の実行可否及び種類を示す保留予告フラグとして設定する(ステップS3003)。なお、保留予告を実行しない場合には、保留予告の抽選をスキップし、保留予告フラグに0を設定する。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、抽選されたレベルに基づいて、背景予告の演出態様を抽選する(ステップS3004)。背景予告は、表示画面の背景の表示態様を変更することによって遊技者に当該保留の大当りの期待度を示唆する演出である。背景予告の抽選は、乱数値を抽出し、抽出された乱数に基づいて、所定のテーブル(図272)から背景画像を特定する。さらに、背景画像に対応するフラグ設定値を取得する。そして、周辺制御IC1510aのCPUは、取得したフラグ設定値を背景予告の実行可否及び種類を示す背景予告フラグとして設定する(ステップS3005)。なお、背景予告を実行しない場合には、背景予告の抽選をスキップし、背景予告フラグに0を設定する。
一方、先読み演出開始コマンドを受信していない場合には(ステップS3000の結果が「No」)、周辺制御IC1510aのCPUは、特別図柄の変動開始時に送信される特図同期演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3010)。なお、レベル設定処理を受信コマンド解析処理の後に実行する場合には、特図同期演出開始コマンドを受信したか否かを、変動パターン受信フラグがセットされているか否かによって判定することができる。特図同期演出開始コマンドを受信していない場合には(ステップS3011の結果が「No」)、周辺制御IC1510aのCPUは、本処理を終了する。
特図同期演出開始コマンドを受信した場合には(ステップS3010の結果が「Yes」)、周辺制御IC1510aのCPUは、特図同期演出開始コマンドの内容に基づいて、当該変動レベルシナリオを抽選する(ステップS3011)。具体的には、特図同期演出開始コマンドに対応する変動パターンに基づいて抽選する。また、当該変動に対応する先読みレベルシナリオに基づいて、当該変動レベルシナリオを抽選してもよい。さらに、図269及び図270に示したように、擬似連続変動の回数や遊技状態などに基づいてレベルを決定するようにしてもよい。当該変動レベルシナリオには、演出が実行されるポイントごとにレベルが設定されている。
ここで、特図同期演出開始コマンドに基づいて抽選された当該変動レベルシナリオに設定されたレベルが、始動入賞時(先読み演出開始コマンド受信時)に抽選された先読みレベルシナリオに設定されたレベルと矛盾が生じていないかを判定し、矛盾が生じている場合には、始動入賞時に決定したレベルを選択するようにしてもよい。これにより、変動パターンによって複数のレベルを選択可能な場合に、先読み時の演出内容と齟齬が生じることを防ぐことが可能となる。なお、変動表示の結果が大当りになることが確定している場合には、レベルが高くなるように設定してもよい。この場合には、先読み演出よりも当該変動における演出の期待度が高くなっても遊技者の期待感を損なうことがないからである。
当該変動レベルシナリオが抽選されると、周辺制御IC1510aのCPUは、特図同期演出における識別図柄の変動前半時に実行される予告Aを設定する(ステップS3012)。予告Aの実行タイミングは、擬似連続変動が実行されない場合のリーチが発生する前まで、及び、擬似連続変動が開始されるまでの間である。予告Aの抽選は、乱数値を抽出し、抽出された乱数に基づいて、所定のテーブル(図272(A)、図273(B))から実行する予告Aの種類を特定する。さらに、予告Aの種類に対応するフラグ設定値を取得する。そして、周辺制御IC1510aのCPUは、取得したフラグ設定値を予告Aフラグとして設定する(ステップS3013)。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、リーチ発生後又は擬似連続変動の開始時に実行される予告Bを設定する(ステップS3014)。予告Bの抽選は、予告Aの場合と同様に、所定のテーブル(図272(B))から実行する予告Bの種類を特定し、フラグ設定値を取得する。続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、取得したフラグ設定値を予告Bフラグとして設定する(ステップS3015)。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、リーチ後の発展演出の前半又は擬似連続変動の開始後のリーチ演出の前半に実行される予告Cを設定する(ステップS3016)。予告Cの抽選は、予告Aの場合と同様に、所定のテーブル(図272(C))から実行する予告Cの種類を特定し、フラグ設定値を取得する。続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、取得したフラグ設定値を予告Cフラグとして設定する(ステップS3017)。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、リーチ後の発展演出の後半又は擬似連続変動の開始後のリーチ演出の後半に実行される予告Dを設定する(ステップS3018)。予告Dの抽選は、予告Aの場合と同様に、所定のテーブル(図272(D))から実行する予告Dの種類を特定し、フラグ設定値を取得する。続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、取得したフラグ設定値を予告Dフラグとして設定する(ステップS3019)。すべての予告フラグを設定すると、本処理を終了する。
続いて、本実施形態の変形例3における先読み予告(保留予告、背景予告)を実行制御について説明する。本実施形態の変形例3における先読み予告演出では、特図先読み演出制御処理(ステップS1027)において保留予告フラグ及び背景予告フラグを参照して先読み演出の実行を制御する。図275は、本実施形態の変形例3における先読み演出制御処理の手順を示すフローチャートである。
周辺制御IC1510aのCPUは、通常先読み演出設定処理を実行する(S2003)。通常先読み演出設定処理の詳細は後述するが、通常先読み演出設定処理において、通常先読み演出の実行タイミングが変更される可能性がある。周辺制御IC1510aのCPUは、保留予告フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3021)。保留予告フラグがセットされていない場合には(ステップS3021の結果が「No」)、ステップS3024以降の処理を実行する。
一方、保留予告フラグがセットされている場合には(ステップS3021の結果が「Yes」)、周辺制御IC1510aのCPUは、保留予告設定処理を実行する(ステップS3022)。保留予告設定処理では、画面上に表示された保留表示の態様を保留予告フラグの設定値に基づいて変更する。なお、ステップS2003において保留予告の実行タイミングが変更された場合には、ステップS3021において変更後のタイミングを反映する。保留予告設定処理の終了後、保留予告フラグをクリアする(ステップS3023)。
保留予告フラグがセットされていない場合(ステップS3021の結果が「No」)、又は、保留予告の設定が終了した後、周辺制御IC1510aのCPUは、背景予告フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3024)。背景予告フラグがセットされていない場合には(ステップS3024の結果が「No」)、本処理を終了する。
背景予告フラグがセットされている場合には(ステップS3024の結果が「Yes」)、周辺制御IC1510aのCPUは、背景予告フラグに対応する背景画像を画像ROMから取得し、セットする(ステップS3025)。なお、ステップS2003において背景予告の実行タイミングが変更された場合には、ステップS3025において変更後のタイミングを反映する最後に、背景予告フラグをクリアし(ステップS3026)、本処理を終了する。
なお、先読み予告演出のレベルが設定された後に、当該変動開始前までに電源が遮断された場合には、先読み予告演出のレベルに関する情報は電断処理で初期化するとともに、所定回数の変動(保留上限数分以内(最大8個))は、当該変動のレベルを最下位レベル(レベル1)として予告抽選を行う。
具体的には、電源投入時に、電源投入時コマンドに続けて保留数コマンドを受信した場合には、受信した保留数コマンドに基づく保留数(特図二個タイプは合計数)分当該変動のレベルを最下位レベルとする。また、電源投入時に、電源投入時コマンドに続けて保留数コマンドが受信していない場合には、所定数(特図二個タイプは8個)分当該変動のレベルを最下位レベルとする。
以上のように、本実施形態によれば、変動パターンに対応したレベル(演出基準情報)を設定することによって、階層的に演出データを管理することが可能となる。これにより、演出データの設定の誤りを削減することが可能となる。特にレアな演出パターンなどの発見しにくい誤りの発生を防ぐことが可能となるため、遊技機の動作試験の効率も向上させることが可能となる。そして、安定して動作する遊技機を提供することによって、遊技の興趣の低減を抑制することができる。
また、レベルに基づいて演出内容を抽選することによって、予告(先読み)の内容と、特図同期演出(当該変動)の演出の内容とが一致しないことを防止することができる。これにより、遊技者が予告発生時に高まった期待感が変動開始後に低下してしまうことによって遊技の興趣が低下することを防止することができる。
[11−19.変形例4の特図先読み演出制御]
続いて、図276〜図290を参照して、本実施形態の変形例4の特図先読み演出制御について説明する。
[11−19−1.主制御基板側の制御]
変形例4の主制御基板1310の主制御MPUによる制御は前述の変形例(図243〜図247)と同様である。したがって、第一始動口2002(特図1始動口)(第二始動口2004(特図2始動口))へ遊技球が入賞したときに、主制御MPUは、保留球数及び先読みの有無を示す先読み時特別図柄1記憶先読みコマンド(先読み時特別図柄2記憶先読みコマンド)を周辺制御基板1510に送信する。このとき、「先読み有」の情報を送信する場合には、さらに、図柄種別先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、変動タイプ先読みコマンド及び変動振り分けテーブル情報先読みコマンドも送信する。なお、先読みの有無情報の設定は、記憶先読み処理(図245)のステップS242の処理(「先読み無」)及びステップS280の処理(「先読み有」)にて行われる。主制御MPUは、始動入賞時の遊技状態が先読み判定の禁止条件(図247(A))を満たす遊技状態である場合に、先読み判定(ステップS248〜ステップS280)の実行を禁止する。
[11−19−2.周辺制御基板側の制御]
変形例4の周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aのCPUは、電源投入時の保留(電断時保留)とともに、主制御基板1310から「先読み無」の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合の保留を、先読み演出を実行するための先読み情報が不明な「不明保留」として扱う点で前述の変形例2と同じであるが、不明保留の存在を変形例2のように不明フラグで管理するのではなく、始動記憶情報を始動記憶ごとに格納して記憶可能な始動記憶領域(RAM)における不明保留情報の有無を入賞発生時に都度確認し(図277参照)、当該記憶領域に不明保留がある場合に特図先読み演出を禁止する。また、変形例4の周辺制御IC1510aのCPUは、変形例3にて述べた「レベル(演出基準情報)」を用いた先読み特図演出の設定(図279参照)に特徴がある。
[受信コマンド解析処理]
図276は、本実施形態の変形例4の受信コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。なお、変形例2の受信コマンド解析処理(図250)と共通の処理は同一の符号を付し、説明を省略する。
周辺制御IC1510aのCPUは、電源投入時の保留(電断時保留)及び「先読み無」の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドが送られてくる保留を不明保留とし、対応する始動記憶領域に「不明」情報を記憶する。また、不明保留が消化されるまで新たな始動記憶が発生しても特図先読み演出を禁止するが、当該始動記憶には先読み演出無し時情報を記憶する。
具体的には、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1402の処理で読み出したコマンドが電源投入時状態コマンドである場合に(ステップS1421にてYes)、同じタイミングで主制御MPUから送信される保留球数の情報に応じて対応する始動記憶領域に「不明」情報を記憶する(ステップS1481)。例えば、保留球数が3つの場合には、始動記憶1領域〜始動記憶3領域に「不明」情報が記憶される。始動記憶領域には、特別図柄毎に上限N(4つ)まで保留状態の始動記憶を記憶可能であって、発生順に始動記憶毎に情報を記憶する保留始動記憶1領域〜保留始動記憶N(4)領域が設けられている。また、実行中の特別図柄の変動表示、すなわち、消化中の始動記憶の情報を記憶可能な消化始動記憶領域も設けられている。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1402の処理で読み出したコマンドが先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドである場合に(ステップS1469にてYes)、特図先読み実行判定処理を実行する(ステップS1490)。特図先読み実行判定処理では、受信したコマンドの先読み情報の有無に応じて発生した始動記憶を不明保留に設定(先読み演出禁止設定)をしたり、先読み情報及び不明保留の有無に応じて特図先読み演出を許可又は禁止したりする。特図先読み実行判定処理の詳細については、図277にて後述する。
[特図先読み実行判定処理]
図277は、本実施形態の変形例4の特図先読み実行判定処理の一例を示すフローチャートである。特図先読み実行判定処理は、第一始動口2002(特図1始動口)(第二始動口2004(特図2始動口))へ遊技球が入賞し、主制御基板1310から送信される先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを周辺制御基板1510が受信したときに実行される処理である。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、受信した先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドが特別図柄1を対象としたコマンドか否かを判定する(ステップS1491)。そして、特別図柄1のコマンドであった場合は(ステップS1491にてYes)、該コマンドが「先読み有」であるか否かを判定する(ステップS1492a)。具体的には、受信した先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドのモード値の先頭が「1」であるか否かを判定する。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、受信した先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドが「先読み有」でない場合には(ステップS1492aにてNo)、その他の先読みコマンド(先読み時図柄種別先読みコマンド、先読み時変動パターン先読みコマンド、先読み時変動タイプ先読みコマンド、先読み時変動振分テーブル情報コマンド)が主制御基板1310から送信されない不明保留なので、対応する始動記憶領域に「不明」情報を設定し(ステップS1493a)、特図先読み実行判定処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、受信した先読み時特別図柄1記憶先読みコマンドが「先読み有」である場合には(ステップS1492aにてYes)、その他の先読みコマンドが主制御基板1310から送信されているので、そのうちの先読み時変動振分テーブル情報コマンドとして「6903H」(曖昧コマンド)を受信しているか否かを判定する(ステップS1494a)。これは、前述の変形例1の受信コマンド解析処理(図248)のステップS1441の処理と同じである。そして、曖昧コマンドを受信していない、すなわち、「03H」以外のモード値の先読み時変動振分テーブル情報コマンドを受信している場合には(ステップS1494aにてNo)、特別図柄1の始動記憶領域(保留始動記憶領域、消化始動記憶領域)に「不明」情報があるか否かを判定する(ステップS1495a)。そして、「不明」情報がない場合には(ステップS1495aにてNo)、特1先読み演出実行許可中なので、特1先読み演出の実行を指示する特図先読み演出実行フラグをセットし(ステップS1496a)、特図先読み実行判定処理を終了する。特図先読み演出実行フラグが設定されると、周辺制御IC1510aのCPUは、16ms定常処理(図193)において実行する特図先読み演出制御処理(ステップS1027、図279)において、特図先読み演出を実行するために必要な設定を行う。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、曖昧コマンドを受信している、すなわち、「6903H」の先読み時変動振分テーブル情報コマンドを受信している場合(ステップS1494aにてYes)、又は、先の始動記憶領域に「不明」情報がある場合には(ステップS1495aにてYes)、特図先読み演出を禁止するが、対応する始動記憶領域に先読み演出無し時情報を設定し(ステップS1497a)、特図先読み実行判定処理を終了する。先読み演出無し時情報の詳細については、図278にて後述する。
なお、ステップS1491の処理において、受信した先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドが特別図柄1を対象としていない、すなわち特別図柄2を対象としたコマンドである場合(ステップS1491にてNo)に実行されるステップS1492b〜ステップS1497bの処理は、前述の特別図柄1を対象としたステップS1492a〜ステップS1497aの処理から対象を特別図柄2に変えたものである。
ここで、図278を参照して、前述の特図先読み実行判定処理の(A)先読み演出無し時情報、(B)特図先読み演出の禁止判定の一例について説明する。
図278(A)は、前述のステップS1497aの処理で設定される先読み演出無し時情報の設定事項を示す図である。発生した始動記憶は、先の始動記憶に不明情報が存在することによって特図先読み演出禁止設定されると、特図先読み演出実行フラグがセットされないので、後述の特図先読み演出制御処理(図279)が実行されない。発生した始動記憶自体は先読み情報を有しているにもかかわらず特図先読み演出を禁止された場合には、当該始動記憶の後に発生する始動記憶に基づいた特図先読み演出を実行するか否かの判断に使うことができるよう当該始動記憶には特図先読み演出にかかる情報(先読み演出無し時情報)を設定する。
先読み演出無し情報には、擬似連種別値、先読み演出有無、先読み可能変動数、入賞時信頼度レベル、先読み演出組合せ、先読み演出組合せの現在段階、先読み演出組合せの終了段階、入賞保留の消化前保留表示態様上限、入賞時保留表示態様の9項目について情報が設定される。これらの項目は、特図先読み演出実行フラグがセットされた場合に実行される特図先読み演出制御処理(図279)において情報設定されるものである。擬似連種別値には、擬似連を設定しない未選択を示す「1」が設定される。先読み演出の有無、先読み演出組合せ、先読み演出組合せの現在段階及び最終段階には、「演出無し」が設定される。先読み可能変動数及び入賞時信頼度レベルには「0」が設定される。入賞保留の消化前保留表示態様上限及び入賞時保留表示態様には、始動記憶表示部1911に表示される始動記憶のデフォルト態様(先読み演出関係なく入賞を示す態様)を示す「通常」が設定される。
続いて、図278(B)は、特図先読み実行判定処理(図277)における特図先読み演出の許可/禁止の一例を示す図である。
図278(B)に示すように、4つ目の保留始動記憶が発生した場合、消化始動記憶及び先の保留始動記憶3つに不明情報がなければ、当該4つ目の保留始動記憶に対する特図先読み演出を実行することができる。このとき、消化始動記憶及び先の保留始動記憶に不明情報がなくても、発生した保留始動記憶の先読み情報に曖昧コマンドがある場合には、当該発生した保留始動記憶の特図先読み演出が禁止される。4つ目の保留始動記憶の始動記憶4領域には、後に発生する始動記憶に基づいた特図先読み演出が複数変動を跨ぐ演出を行う際の判断情報として先読み演出無し時情報が設定される。
また、消化始動記憶及び先の保留始動記憶に不明情報が1つでもある場合には、発生した保留始動記憶の特図先読み演出が禁止され、始動記憶4領域に先読み演出無し時情報が設定される。
また、発生した保留始動記憶が先読み無のコマンドを持っている場合には、消化始動記憶及び先の保留始動記憶の状態に関係なく、当該発生した保留始動記憶の特図先読み演出が禁止され、始動記憶4領域に不明情報が設定される。
このように、特図先読み実行判定処理では、先読み無の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合は対応する始動記憶情報に不明情報を設定し、始動記憶が消化されるまで対象の特別図柄の特図先読み演出を禁止する。したがって、先読み有の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信しても対象の特別図柄の始動記憶領域に不明情報がある間は、先読み演出を実行しない。また、受信した先読み時変動振分テーブル情報コマンドが曖昧コマンドの場合も、先読み演出を実行しない。但し、先読み有の先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した上で先読み演出の実行対象とならない始動記憶である場合であっても、先読み演出無し時情報を設定することで、当該始動記憶の後に発生する始動記憶に基づいた特図先読み演出を実行するか否かの判断に利用可能にしている。
[特図先読み演出制御処理]
次に、図279は、本実施形態の変形例4の特図先読み演出制御処理の一例を示すフローチャートである。特図先読み演出制御処理は、16ms定常処理のステップS1027にて実行される。
ここで、変形例4で述べる特図先読み演出には、演出表示装置1600の始動記憶表示部1911に表示される始動記憶表示(保留表示)にかかる保留先読み演出と、装飾図柄や背景の変更表示など、表示領域の広域(ほぼ全域)にかかる図柄背景先読み演出とがある。また、保留先読み演出には、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する保留表示を始動口に遊技球が入賞したタイミングで変化させる通常先読み演出と、当該始動記憶が消化されるまでの間に所定のタイミングで変化させる連続先読み演出とがある。特図先読み演出制御処理では、保留先読み演出及び図柄背景先読み演出の実行にかかる処理を実行する。なお、図柄背景先読み演出は、演出表示装置1600の広域(ほぼ全域)にて実行される先読み演出に限らず、当該演出表示装置1600の表示領域のうち始動記憶表示部1911を除いた一部領域にて実行される先読み演出としてもよい。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、特図先読み演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2031)。特図先読み演出実行フラグは、前述のように、主制御基板1310から先読み時特別図柄1(2)記憶先読みコマンドを受信した場合に、受信コマンド解析処理(図276のステップS1469)でセットされる(図276のステップS1490、図277のステップS1496a,S1496b)。特図先読み演出実行フラグがセットされていない場合には(ステップS2031にてNo)、特図先読み演出を実行しないので、特図先読み演出制御処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、特図先読み演出実行フラグがセットされている場合には(ステップS2031にてYes)、先読み対象の始動記憶に対応する先読み演出コマンド、消化始動記憶及び先の保留始動記憶の情報に基づいて、当該先読み対象の始動記憶の特図先読み演出を設定可能な変動回数を決定する先読み可能変動数設定処理を実行する(ステップS2050)。なお、先読み可能変動数設定処理の詳細については、図280にて後述する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄1910や背景等を使った特図先読み演出の実行抽選を行う図柄背景先読み演出抽選処理を実行する(ステップS2070)。なお、図柄背景先読み演出抽選処理の詳細については、図282にて後述する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、演出表示装置1600の始動記憶表示部1911に表示される保留始動記憶の表示(保留表示)を使った特図先読み演出の実行抽選を行う保留先読み演出抽選処理を実行する(ステップS2090)。なお、保留先読み演出抽選処理の詳細については、図286にて後述する。次に周辺制御IC1510aのCPUは、通常先読み演出設定処理を実行する(ステップS2003)。なお、通常先読み演出設定処理の詳細については後述する。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、先読み対象の始動記憶の入賞時保留表示態様が通常態様から変化するか否かを判定する(ステップS2032)。入賞時保留表示態様は、ステップS2090の保留先読み演出抽選処理にて設定される。入賞時保留表示態様が通常態様から変化する場合には(ステップS2032にてYes)、入賞時保留表示態様に変更し(ステップS2033)、ステップS2034に移行する。なお、保留態様が変化するタイミングがステップS2003において変更された場合には、ステップS2033において変更後のタイミングを反映する。入賞時保留表示態様が通常態様と同じ場合には(ステップS2032にてNo)、そのままステップS2034に移行する。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、入賞時保留表示態様から消化前保留(保留1)表示態様上限までに表示態様を変化可能か否か判定する(ステップS2034)。そして、表示態様の変化が可能な場合には(ステップS2034にてYes)、連続先読み演出実行フラグをセットし(ステップS2035)、ステップS2041に移行する。表示態様の変化が可能でない、すなわち入賞時保留表示態様と消化前保留表示態様上限とが同じである場合には(ステップS2034にてNo)、そのままステップS2041に移行する。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、図柄背景先読み演出を実行するか否か判定する(ステップS2041)。図柄背景先読み演出は、ステップS2070の図柄背景先読み演出抽選処理にて設定され、演出しない設定も有り得る。そして、図柄背景先読み演出を実行する場合には(ステップS2041にてYes)、図柄背景先読み演出の実行を設定する図柄背景先読み演出設定処理を実行する(ステップS2042)。なお、図柄先読み演出を実行するタイミングがステップS2003において変更された場合には、ステップS2042において変更後のタイミングを反映する。その後、特図先読み演出実行フラグをクリアして(ステップS2043)、特図先読み演出制御処理を終了する。なお、図柄背景先読み演出を実行しない場合には(ステップS2041にてNo)、特図先読み演出実行フラグをクリアした後(ステップS2043)、特図先読み演出制御処理を終了する。
[先読み可能変動数設定処理]
図280を参照して、前述の特図先読み演出制御処理(図279)にて実行される先読み可能変動数設定処理(ステップS2050)について説明する。図280は、本実施形態の変形例4の先読み可能変動数設定処理の一例を示すフローチャートである。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、消化中及び先行保留中の始動記憶の中に当りとなる始動記憶があるか否かを判定する(ステップS2051)。当りとなる始動記憶が存在する場合には、当該始動記憶の消化前後で遊技状態、演出モード、変動テーブルが変わる可能性がある。このため、当りとなる始動記憶以後に記憶された始動記憶に基づいて特図先読み演出を行う場合には、当該記憶された始動記憶が消化される(変動開始する)前の当該当りとなる始動記憶によって遊技状態、演出モード、変動テーブルが変化することになるため、実行される当該特図先読み演出が適正な演出にならないリスクがある。そこで、当りとなる始動記憶の有無に応じた先読み可能変動数の設定を行う。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、消化中及び先行保留中の始動記憶に当りとなる始動記憶がある場合には(ステップS2051にてYes)、当りが大当りか否かを判定する(ステップS2062)。大当りである場合には(ステップS2062にてYes)、先読み可能変動数αに0を設定し、付属情報として「大当りあり」を設定する(ステップS2063)。また、当りが大当りでない、すなわち小当りである場合には(ステップS2062にてNo)、先読み可能変動数αに0を設定する(ステップS2064)。このとき付属情報は付与しない。先読み可能変動数αを設定したのち先読み可能変動数設定処理を終了する。
このように、当りとなる始動記憶が先に存在する場合には、先読み可能変動数αを0に設定することで図柄背景先読み演出の実行を禁止し、保留先読み演出のみ実行可能にする。このとき、保留先読み演出を実行する場合は、前述のリスクを抑制するために遊技者の期待を高める期待度の高い保留表示態様の出現を制限する。保留先読み演出の詳細については、保留先読み演出抽選処理(図286)にて後述する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、消化中及び先行保留中の始動記憶に当りがない場合には(ステップS2051にてNo)、同じく消化中及び先行保留中の始動記憶の中に図柄背景先読み演出があるか否かを判定する(ステップS2052)。ここでは、先行で設定されている図柄背景先読み演出と連続することで先行の先読み演出が継続していると誤認させないように、先行の図柄背景先読み演出の直後の始動記憶は先読み演出に使用できないようにする。
周辺制御IC1510aのCPUは、先の始動記憶に図柄背景先読み演出がある場合には(ステップS2052にてYes)、先読み可能変動数αの算出を行う(ステップS2054)。具体的には、本処理対象の始動記憶を含む保留数の値(「1」〜「4」)から先の図柄背景先読み演出の対象となる始動記憶の位置(消化始動記憶であれば「0」、保留1〜保留3であれば「1」〜「3」)を減算する。また、先の図柄背景先読み演出直後の始動記憶は演出連続を回避するため先読み演出に使用しないので、さらに「1」を減算する。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、算出した値αを先読み可能変動数に設定し、さらに付属情報として「禁止予告あり」を設定する(ステップS2055)。ここで、「禁止予告あり」とは、先読み演出には始動入賞タイミングで画面全体を使った予告を行うもの等、多種多様な演出が設けられている中で、既に図柄背景先読み演出が設定されていることを考慮した先読み演出組合せ抽選テーブル(後述の図282、図283(A))の選択が必要になることを示す。また、先の図柄背景先読み演出直後の始動記憶に設定されている先読み演出情報(先読み演出なし)を書き換えることを禁止する「先読み書き換え禁止」情報を設定する(ステップS2056)。これにより、先の図柄背景先読み演出と後に設定される図柄背景先読み演出との間には必ず「先読み書き換え禁止」情報を有する先読み演出なしの始動記憶が設けられるため、双方の先読み演出が連続した一の先読み演出と誤認されることを防止することができる。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、先の始動記憶に図柄背景先読み演出がない場合には(ステップS2052にてNo)、先読み可能変動数αに本処理対象の始動記憶を含む保留数の値(「1」〜「4」)を設定する(ステップS2053)。例えば、始動記憶4領域に記憶された始動記憶が先読み対象である場合には、先読み可能変動数αに4を設定する。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、前述のステップS2053又はステップS2055において設定した先読み可能変動数αが0であるか否かを判定する(ステップS2057)。そして、先読み可能変動数αが0である場合には(ステップS2057にてYes)、これ以上、先読み可能変動数を減算(制限)することはできないので、先読み可能変動数設定処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、先読み可能変動数αが0でない場合には(ステップS2057にてNo)、先行保留中の始動記憶の変動パターンに特図先読み演出を禁止する禁止パターンがあるか否かを判定する(ステップS2058)。ここで、周辺制御基板1510は、変動パターン毎に先読み判定分類を付与した先読み判定分類表を格納している。そして、「完全ハズレ」の変動パターン、並びに「Nリーチ」及び「SPリーチ」のうちの所定の変動パターンを許可パターン、「Nリーチ」及び「SPリーチ」のうちの当該所定の変動パターン以外の変動パターン、「不明ハズレ」「大当り変動」、並びに「小当り変動」の変動パターンを禁止パターンと設定している。ここでは、当該所定の変動パターンのリーチ変動となる始動記憶を先読み可能変動数から除外する。つまり、停止図柄で2つの図柄が同じ図柄となる当該所定の変動パターンのリーチ変動では図柄背景先読み演出は実行されないので、図柄背景先読み演出における装飾図柄を用いた先読み演出を実行する場合には、異なる3種類の図柄を好適に停止表示することが可能となる。
なお、先読み判定分類表の変動パターンは、主制御基板1310から送信される変動パターン先読みコマンドの変動パターン番号を利用する。変動開始時には主制御基板1310からの変動パターンに基づいて周辺制御基板1510の変動パターンを作成するが、先読み時(始動入賞時)には主制御基板1310の変動パターンのまま管理し、あえて周辺制御基板1510の変動パターンを作成しない。これにより、先読み時と変動開始時とで設定される演出内容の不整合が発生するのを防止することができる。
処理に戻って、周辺制御IC1510aのCPUは、先行保留中の始動記憶の変動パターンに禁止パターンがない場合には(ステップS2058にてNo)、前述のステップS2053又はステップS2055において設定した先読み可能変動数αを維持して先読み可能変動数設定処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、先行保留中の始動記憶の変動パターンに禁止パターンがある場合には(ステップS2058にてYes)、さらに先行保留中の始動記憶に「先読み書き換え禁止」情報の設定があるか否かを判定する(ステップS2059)。「先読み書き換え禁止」は、前述のステップS2056の処理で設定される情報である。そして、「先読み書き換え禁止」情報が設定されている始動記憶がない場合には(ステップS2059にてNo)、禁止パターンの始動記憶を先読み可能変動数から除外するため先読み可能変動数αを減算する(ステップS2061)。具体的には、前述のステップS2053にて設定した先読み可能変動数αから禁止パターンの変動パターンを有する保留始動記憶の位置(例えば、保留1であれば「1」、保留2であれば「2」、保留3であれば「3」)を減算する。そして、ステップS2061の処理で算出した値αを先読み可能変動数に更新設定し、さらに付属情報として「禁止予告あり」を設定する(ステップS2062)。その後、先読み可能変動数設定処理を終了する。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、先行保留中の始動記憶に「先読み書き換え禁止」情報の設定がある場合には(ステップS2059にてYes)、禁止パターンの始動記憶と「先読み書き換え禁止」情報が設定されている始動記憶の位置関係に応じて先読み可能変動数を更新する。
周辺制御IC1510aのCPUは、禁止パターンの始動記憶の位置が「先読み書き換え禁止」情報が設定された始動記憶の位置よりも後方、すなわち禁止パターンの始動記憶の方が新しい始動記憶か否かを判定する(ステップS2060)。ここで、禁止パターン始動記憶が「先読み書き換え禁止」の始動記憶よりも先に発生した始動記憶又は同じ始動記憶であれば(ステップS2060にてNo)、すでに禁止パターンの始動記憶は先読み可能変動数から除外されていることになるので先読み可能変動数を更新する必要はない。前述のステップS2055の処理で設定した先読み可能変動数αを維持して、先読み可能変動数設定処理を終了する。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、禁止パターンの始動記憶の方が「先読み書き換え禁止」情報が設定された始動記憶よりも新しい始動記憶(後で発生した始動記憶)である場合には(ステップS2060にてYes)、先読み可能変動数から禁止パターン始動記憶を除外する(減算する)必要があるので、ステップS2061及びステップS2062の処理を実行して先読み可能変動数を更新したのち先読み可能変動数設定処理を終了する。
(変形例4の先読み演出制御による効果1)
このように、変形例4の先読み演出制御では、具体的な先読み演出(図柄背景先読み演出、保留先読み演出)を決める前に、処理対象の始動記憶が消化されて行われる変動表示も含め、先読み演出を実行可能な変動回数(先読み可能変動数)を算出する。そして、算出する過程で必要に応じて先読み可能変動数に各種付属情報(「大当りあり」「禁止予告あり」「先読み書換え禁止」)を設定することで、後の図柄背景先読み演出(図282)及び保留先読み演出(図286)において二度手間となる処理を省き、一連の特図先読み演出制御処理(図279)の処理負荷を抑制することができる。
また、先読み可能変動数の算出には、先に記憶されている保留状態及び消化状態の始動記憶の当落結果情報、先読み演出情報及び変動パターン情報が考慮されるので、より適正な先読み演出を提供することができる。
具体的には、先の始動記憶に当りとなる始動記憶が存在する場合には、当該始動記憶の消化前後で遊技状態、演出モード、変動テーブルが変わる可能性がある。このため、当りとなる始動記憶以後の始動記憶に特図先読み演出を行っても適正な演出にならないリスクがある。そこで、当りとなる始動記憶が先に存在する場合には、先読み可能変動数αを0に設定することで装飾図柄や背景の変更表示など、遊技者の目につきやすい表示領域の広域(ほぼ全域)にかかる図柄背景先読み演出の実行を禁止し、保留先読み演出のみ実行可能にする。そして、当りの中でも大当りは前述のリスク(特に、遊技状態、演出モード、変動テーブルが変更される可能性)が高いため、先読み可能変動数の付属情報に「大当りあり」を設定することで、後述の保留先読み演出抽選処理(図286)において、大当りとなる始動記憶の後に期待度の高い保留先読み演出が出現しないよう容易に処理することができる。このように、遊技者の期待を煽った上で裏切ることがないよう適正に先読み演出の実行可否を先読み可能変動数に応じて決定することができる。
なお、先読み可能変動数の付属情報には「大当りあり」に加えて図柄種別情報も設定することが望ましい。付属情報に図柄種別情報を設定することで、実行される大当りの中でも遊技状態等が変化する当り種別であるか否かまで判断することが可能となる。これにより、後述の保留先読み演出抽選処理(図286)において、遊技状態等が変化する当り種別である場合にのみ、大当りとなる始動記憶の後に期待度の高い保留先読み演出が出現しないよう処理する等、さらに好適な先読み処理を実現することができる。
ところで、複数変動に亘る演出(先読み演出、変動演出)が区切りなく複数回実行されると、遊技者は一連の演出が1回の演出構成なのか複数回の演出構成からなるのか把握することができず、遊技者を混乱させてしまう懸念がある。このため、従来では、このような複数変動の演出(特定演出)が実行される場合は、当該演出が終了するまで同系統の演出の実行を禁止制限していた。このため、複数変動の演出の出現頻度が低下してしまい、遊技興趣の低下を招くおそれがある。
そこで、変形例4では、複数変動に亘る先読み演出となる図柄背景先読み演出が先の始動記憶に設定されている場合には、当該図柄背景先読み演出の直後の始動記憶を新たな図柄背景先読み演出に使用できないように先読み可能変動数を設定することで、複数の図柄背景先読み演出が区切りなく連続発生するのを防止するとともに、複数の図柄背景先読み演出の設定を可能にする。具体的には、先読み可能変動数設定処理(図280)のステップS2054〜ステップS2056の処理において、既に設定されている図柄背景先読み演出(先の図柄背景先読み演出)の先読み対象となる始動記憶(先の始動記憶)の直後に記憶される始動記憶(直後の始動記憶)は、先読み可能変動数が0に設定されるので、複数変動に亘る先読み演出の対象となることがない。また、直後の始動記憶のさらに後に発生する始動記憶(後の始動記憶)の先読み演出への使用を禁止する「先読み書き換え禁止」の付属情報も設定される。なお、直後の始動記憶は、自身が特図先読み演出制御処理(図279)の処理対象とならず、特図先読み実行判定処理(図277)において後の始動記憶の先読み演出に使用可能な先読み演出無し時情報が設定される場合であっても、先の図柄背景先読み演出がある限り、後の始動記憶で実行される先読み可能変動数設定処理(図280)において「先読み書き換え禁止」の付属情報が設定されることになるので、必ず連続演出を阻む区切りの始動記憶となる。
言い換えると、先の図柄背景先読み演出(特定演出)が実行される先の始動記憶(第一始動記憶)と当該第一始動記憶の後に記憶される始動記憶(第二始動記憶)との関係が隣り合って記憶される関係(第一関係)、すなわち第一始動記憶の直後に第二始動記憶が記憶されている状態である場合には、当該第二始動記憶の先読み演出として図柄背景先読み演出は実行できない。また、第一始動記憶と第二始動記憶との間に図柄背景先読み演出に関係ない始動記憶が存在している状態(第二関係)である場合には、当該第二始動記憶の先読み演出として図柄背景先読み演出は実行可能である。したがって、先の図柄背景先読み演出が実行中であっても第二関係にある場合は、第二始動記憶に図柄背景先読み演出を設定可能となる。これにより、始動記憶領域に複数の図柄背景先読み演出を設定することができるので、図柄背景先読み演出の出現頻度の低下を防止するとともに遊技興趣の低下を抑制することができる。
前述した通り、図柄背景先読み演出は、装飾図柄や背景の変更表示など、演出表示装置1600の表示領域の広域(ほぼ全域)にかかる先読み演出であり、表示領域の広域(ほぼ全域)において同じ演出構成の図柄背景先読み演出が複数回連続で実行されると、遊技者を混乱させてしまう懸念がある。これに対し、一方の保留先読み演出は、演出表示装置1600の始動記憶表示部1911に保留1〜保留4に対応する保留表示部がそれぞれ設けられているため、複数回連続で実行されたとしても、遊技者を混乱させる恐れがない。さらには、保留先読み演出が実行される始動記憶表示部1911は、表示領域にて図柄背景先読み演出が表示される領域とは区別された領域として設けられる。また、図柄背景先読み演出と保留先読み演出とは、それぞれ独立して個々に始動記憶に対して設定可能であり、実行に関して相互依存しない。このため、例えば、図柄背景先読みが実行される始動記憶が記憶された後は、保留先読み演出の実行頻度を上げることも可能である。これにより、前述のような図柄背景先読み演出の連続実行を防止したことによる先読み演出実行率の低下を抑制し、遊技者に好適な先読み演出を提供することができる。
(変形例4の先読み演出制御による効果2)
ここで、前述の先読み可能変動数設定処理(図280)では、複数変動に亘る先読み演出となる図柄背景先読み演出が先行して設定されている場合に、既に設定された図柄背景先読み演出(先の図柄背景先読み演出)を優先するので、処理対象の始動記憶における同様の図柄背景先読み演出(後の図柄背景先読み演出)の設定自由度が抑制される。具体的には、後の図柄背景先読み演出は、先の図柄背景先読み演出の存在により先読み可能変動数が抑制されるので、実行可能であっても短い演出となるか、そもそも実行不能である可能性が高くなる。しかしながら、先の図柄背景先読み演出が本来の信頼度レベルからは選択されない期待度の高い演出に見せかける、所謂ガセ演出である場合には、ガセ演出によって後の図柄背景先読み演出の実行が制限されることになり、適切な先読み演出の実行率が低下し、先読み演出の効果を低減させてしまうおそれがある。このため、遊技興趣の低下を招くおそれがあった。
そこで、図281を参照して、先の図柄背景先読み演出が未実行状態であってガセ演出である場合に、後の図柄背景先読み演出の実行可能性を優先させる処理について説明する。図281は、本実施形態の変形例4の先読み優先判定の一例について説明する図である。ここで、先読み優先判定は、前述の先読み可能変動数設定処理(図280)におけるステップS2052〜ステップS2057の間に追加される処理(ステップS2081〜ステップS2083)である。
図281(A)は、前述の先読み可能変動数設定処理(図280)に先読み優先判定に係る処理を追加したフローチャートの一部抜粋(ステップS2052〜ステップS2057の間)である。
周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS2052の処理において、消化中及び先行保留中の始動記憶の中に図柄背景先読み演出があるか否かを判定し、先の始動記憶に図柄背景先読み演出がある場合には(ステップS2052にてYes)、当該図柄背景先読み演出は未実行であるか否か、すなわち、消化中の始動記憶が有している情報ではないか否かを判定する(ステップS2081)。
そして、周辺制御IC1510aのCPUは、図柄背景先読み演出が未実行である場合には(ステップS2081にてYes)、当該図柄背景先読み演出がガセ演出であるか否かを判定する(ステップS2082)。詳しくは後述するが、ガセ演出であるか否かの判断は、信頼度レベル(擬似連情報と図柄種別情報)に基づいて判断される。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、図柄背景先読み演出がガセ演出である場合には(ステップS2082にてYes)、当該図柄背景先読み演出の設定をクリアし、他の先読み演出に利用可能なように先読み演出無し時情報(図278(A))を設定する。その後は、ステップS2053の処理に移行し、ステップS2052の処理において、消化中及び先行保留中の始動記憶の中に図柄背景先読み演出がない場合(ステップS2052にてNo)と同様の先読み可能変動数αの算出を行う。
一方、周辺制御IC1510aのCPUは、消化中及び先行保留中の始動記憶の中に図柄背景先読み演出があっても(ステップS2052にてYes)、すでに当該図柄背景先読み演出が実行中である場合(ステップS2081にてNo)や当該図柄背景先読み演出がガセ演出ではない場合(ステップS2082にてNo)は、当該図柄背景先読み演出を優先するので、ステップS2054〜ステップS2056の処理に移行する。
図281(B)に示すように、保留始動記憶4領域に記憶される4つ目の保留始動記憶に対して先読み可能変動数設定処理(図280)が実行される場合の先読み優先判定について、先の始動記憶の状態が異なる例1と例2を挙げて説明する。
例1に示すように、消化始動記憶及び先の保留始動記憶(1つ目及び2つ目)に図柄背景先読み演出が設定されている場合は、前述の図281(A)においてステップS2052にてYes→ステップS2081にてNoとなり、実行中の2つ目の保留始動記憶に対する図柄背景先読み演出を継続するので、4つ目の保留始動記憶に対する先読み可能変動数α=4−2−1=1と算出される(ステップS2054及びステップS2055)。したがって、4つ目の保留始動記憶に対する先読み演出は、当該4つ目の保留始動記憶のみを使用して行うことができる。また、先読み演出の中には始動入賞タイミングで画面全体を使った予告を行うものが設けられているが、既に図柄背景先読み演出が実行中であることを考慮した先読み演出組合せ抽選テーブル(後述の図282、図283(A))の選択が必要になるため、算出された先読み可能変動数には、付属情報として「禁止予告あり」が設定される(ステップS2055)。このとき、実行中の図柄背景先読み演出直後の始動記憶に相当する3つ目の保留始動記憶は、前述したように、自身もしくは4つ目の保留始動記憶を処理対象とした先読み可能変動数設定処理において、4つ目の保留始動記憶(後の保留始動記憶)に同系統の図柄背景先読み演出が設定されても連続した演出とならないように当該3つ目の保留始動記憶に設定される先読み演出情報(演出なし)が書き換え禁止に設定される(ステップS2056)。
例2に示すように、消化始動記憶の先読み演出は行われておらず、先の保留始動記憶(1つ目〜3つ目)に未実行の図柄背景先読み演出(ガセ)が設定されている場合は、前述の図281(A)においてステップS2052にてYes→ステップS2081にてYes→ステップS2082にてYesとなり、3つ目の保留始動記憶に対する先の図柄背景先読み演出(ガセ)の設定情報をクリアして、先読み演出無し時情報を設定する(ステップS2083)。これにより、1つ目〜3つ目の保留始動記憶を4つ目の保留始動記憶の先読み演出に用いることができるようになり、4つ目の保留始動記憶に対する先読み可能変動数α=4と算出される(ステップS2053)。したがって、4つ目の保留始動記憶に対する先読み演出は、1つ目〜4つ目の保留始動記憶を使用して行うことができる。
このように、既に設定された図柄背景先読み演出(先の図柄背景先読み演出)がガセ演出であって未実行の場合には、当該ガセ演出を設定していた保留始動記憶を本処理対象の始動記憶に対する先読み演出に使用できるようにするので、本処理対象の始動記憶における図柄背景先読み演出(後の図柄背景先読み演出)の設定自由度を高めることができる。言い換えると、ガセ演出による後の図柄背景先読み演出の実行制限を解除することができ、適切な先読み演出を実行可能となるので、先読み演出の効果の低減を抑制することができる。
なお、前述では先の図柄背景先読み演出がガセ演出である場合を例に挙げたが、これに限らない。同様に、先の図柄背景先読み演出に期待度の低い演出が設定されている場合においても後の図柄背景先読み演出の設定自由度を高めるようにしてもよい。期待度が低いことが判明している先の図柄背景先読み演出よりも、未定の先読み演出自由度を高めたほうが遊技興趣を高めることができる。また、変動パターン情報等の始動入賞時に取得する情報の比較により先の図柄背景先読み演出の対象となる始動記憶より本処理対象の始動記憶の方が遊技者に有利な結果となる期待度が高い場合に、先の期待度の低い図柄背景先読み演出(特定演出)の実行を中止して、後の期待度の高い図柄背景先読み演出(特別演出)を実行可能にしてもよい。先読み演出の興趣(期待増幅効果)をより高めることができる先読み演出に優先して設定自由度を与えることで、遊技興趣の低下を抑制することができる。
その他、先の図柄背景先読み演出の実行を中止して後の図柄背景先読み演出の実行を優先することで同様の効果が得られるケースを具体的に挙げると、(1)先の図柄背景先読み演出の先読み対象となる始動記憶が大当り判定処理(図207)にてはずれと判定され、かつ後の図柄背景先読み演出の先読み対象となる始動記憶が大当り判定処理にて大当りと判定される場合、(2)先の図柄背景先読み演出の先読み対象となる始動記憶に基づく変動パターンよりも後の図柄背景先読み演出の先読み対象となる始動記憶に基づく変動パターンの方が大当りとなる割合が高い変動パターンである場合、(3)先の図柄背景先読み演出の先読み対象となる始動記憶に基づく変動タイプ(擬似連回数)よりも後の図柄背景先読み演出の先読み対象となる始動記憶に基づく変動タイプ(擬似連回数)の方が回数の多い擬似連となる変動タイプである場合、等がある。
[図柄背景先読み演出抽選処理]
次に、図282及び図283を参照して、前述の特図先読み演出制御処理(図279)にて実行される図柄背景先読み演出抽選処理(ステップS2070)について説明する。図282は、本実施形態の変形例4の図柄背景先読み演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。図283は、前述の図柄背景先読み演出抽選処理において使用される各種テーブルの一例を示す図である。
周辺制御IC1510aのCPUは、まず、擬似連種別値を抽選決定する(ステップS2071)。擬似連種別値を抽選する擬似連種別値抽選テーブル(図示省略)は、変動タイプ先読みコマンドのモード値(変動タイプ及び擬似連続変動の実行回数の情報を読み取れる、図243参照)ごとに設けられる。擬似連種別値抽選テーブルには、擬似連続変動にかかる演出内容がそれぞれ設定された複数の擬似連種別値が設けられ、変動パターンに応じて選択可能な擬似連種別値及び選択確率が設定されている。このように本処理対象の始動記憶の先読みコマンド(変動タイプ先読みコマンド及び変動パターン先読みコマンド)から擬似連種別値を決定することで、先読み演出で擬似連内容の示唆演出を行うことを可能にする。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、擬似連種別値及び図柄種別値を用いて入賞時信頼度レベル(演出基準情報)を抽選決定する(ステップS2072)。変形例4では、本処理対象の図柄種別先読みコマンドのモード値(はずれ、特定大当り、非特定大当り(小当り)を指定、図243参照)に応じて、はずれを対象とするグループ1、当りの種類に応じて分けられるグループ2及びグループ3に割り振られる。グループ2は、後述の入賞時信頼度レベル4(プレミアム)は選択不可とする当り(例えば、小当り、非時短の大当り等)を対象とし、グループ3は入賞時信頼度レベル4を選択可能とする当り(例えば、確変確定等)を対象とする。ここでは、グループ、前述のステップS2071にて決定された擬似連種別値、さらに、前述の先読み可能変動数設定処理(図279のステップS2050、図280)で設定される先読み可能変動数の付属情報「禁止予告あり」の有無、に応じて入賞時信頼度レベル抽選テーブルが設けられる。そして、入賞時信頼度レベル抽選テーブルには、変動パターンに応じて選択可能な入賞時信頼度レベル及び選択確率が設定されている。入賞時信頼度レベルはレベル0〜レベル4まで5段階設定され、レベル値が高いほど対象の始動記憶(変動表示)への期待度も高くなる。このように、各種情報に応じて本処理対象の変動表示の入賞時信頼度レベルが決定される。
次に、周辺制御IC1510aのCPUは、入賞時信頼度レベルを用いて先読み演出の種類と組合せを決定する(ステップS2073)。具体的には、擬似連の有無、種類に応じて発生させることができない先読み演出があったり、背景モードによっても実行可能な先読み演出が異なったりするため、まず、現在の背景及び前述のステップS2071で決定した擬似連種別に応じたテーブル群を取得する。さらに、先読み可能変動数によって実行可能な先読み演出が異なるため、取得したテーブル群のうち前述の先読み可能変動数設定処理(図279のステップS2050、図280)にて決定した先読み可能変動数に応じた先読み演出組合せ抽選テーブル(図283(A)参照)を決定する。そして、決定した先読み演出組合せ抽選テーブルに基づいて前述のステップS2072にて決定した入賞時信頼度レベルから先読み演出の種類と組合せを決定する。
ここで、図283(A)を参照して、先読み演出組合せ抽選テーブルについて説明する。前述のように、本処理で使用する先読み演出組合せ抽選テーブルは、現在の背景、擬似連種別及び先読み可能変動数に応じて決定される。ここで、先読み可能変動数が0の場合は、他の要素に関わらず「演出なし」となるように設けられる。すなわち、本処理の図柄背景先読み演出は、複数の変動に亘って実行可能な先読み演出である。
図283は、図柄背景先読み演出抽選処理において用いられる各種テーブルの一例を示す図である。図283(A)は、先読み演出組合せ抽選テーブルの一例を示す図であり、ここでの先読み演出組合せ抽選テーブルは、入賞時信頼度レベルに基づく抽選により先読み演出の種類・組み合わせを決定するテーブルである。
具体的に、先読み演出には、特に何ら変化させない先読み演出なしパターン(PTN)1と、装飾図柄1910による先読みを行う同色図柄先読みパターン(PTN)2と、背景表示によるC予告を行う背景C予告パターン(PTN)3と、背景表示によるB予告と装飾図柄1910による同色図柄先読みを行う組み合わせパターン(PTN)4と、背景表示によるA予告と同色図柄先読みを行う組み合わせパターン(PTN)5が設けられている。
そして、信頼度レベルが「0」の場合、95%の確率でPTN1の先読み演出なしが選択される、すなわち図柄背景先読み演出は行われない。そして、5%の確率でPTN2が選択され、同色図柄先読み演出が行われる。また、信頼度レベルが「1」の場合、90%の確率でPTN1が選択され、図柄背景先読み演出は行われない。そして、10%の確率でPTN2が選択され、同色図柄先読み演出が行われる。また、信頼度レベルが「2」の場合、40%の確率でPTN1が選択され、図柄背景先読み演出は行われない。そして、40%の確率でPTN2が選択されて同色図柄先読み演出が行われ、20%の確率でPTN3が選択されて背景C予告演出が行われる。また、信頼度レベルが「3」の場合、10%の確率でPTN1が選択され、図柄背景先読み演出は行われない。そして、50%の確率でPTN2が選択されて同色図柄先読み演出が行われ、30%の確率でPTN3が選択されて背景C予告演出が行われ、5%の確率でPTN4が選択されて同色図柄先読み演出と背景B予告演出が行われ、5%の確率でPTN5が選択されて背景A予告演出と同色図柄先読み演出が行われる。また、信頼度レベルが「4」の場合、必ず図柄背景先読み演出が行われ、35%の確率でPTN2が選択されて同色図柄先読み演出が行われ、45%の確率でPTN3が選択されて背景C予告演出が行われ、10%の確率でPTN4が選択されて同色図柄先読み演出と背景B予告先読み演出が行われ、10%の確率でPTN5が選択されて同色図柄先読み演出と背景A予告演出が行われる。
次に、図282に戻って、周辺制御IC1510aのCPUは、前述のステップS2073にて決定された先読み演出の種類と組合せに応じた最終段階先読み演出内容抽選テーブル(図283(B)参照)に基づいて、前述のステップS2072にて決定した入賞時信頼度レベルから最終段階の先読み演出を決定する(ステップS2074)。
ここで、図283(B)を参照して、先の先読み演出組合せ抽選テーブル(図283(A))においてPTN2の同色図柄先読みが選択された場合を例に説明する。図283(B)は、最終段階先読み演出内容抽選テーブルの一例を示す図である。
最終段階先読み演出内容抽選テーブルは、先の先読み演出組合せ抽選テーブルにおいて背景A〜C予告及び同色図柄先読みの中から決定した先読み演出における最終段階の演出内容を決定する。最終段階先読み演出内容とは、先読み対象の始動記憶が保留始動記憶1領域に記憶され、消化直前となったときの演出態様をいう。なお、図柄背景先読み演出は演出表示装置1600の画面表示にて行われる。また、本テーブルは、信頼度レベルが高いほど期待度の高い演出態様が選択される確率が高くなるよう設けられる。
具体的には、信頼度レベルが「0」の場合は、必ずPTN1のガセ青が選択される。また、信頼度レベルが「1」の場合は、80%の確率でPTN1のガセ青が選択され、20%の確率でPTN2のガセ緑が選択される。また、信頼度レベルが「2」の場合は、40%の確率でPTN3の青又はPTN4の緑が選択され、20%の確率でPTN5の赤が選択される。また、信頼度レベルが「3」の場合は、20%の確率でPTN3の青が選択され、40%の確率でPTN4の緑又はPTN5の赤が選択される。また、信頼度レベルが「4」の場合は、10%の確率でPTN3の青、30%の確率でPTN4の緑、50%の確率でPTN5の赤、10%の確率でPTN6の虹が選択される。
なお、最終段階先読み演出内容抽選テーブルは、演出の種類毎に設けられている。なお、先読み可能変動数に応じて演出内容の選択率が異なるように複数のテーブルが設けられてもよいし、一律の選択率として一つのテーブルが設けられてもよい。先読み可能変動数に応じて設けられる場合は、同一の信頼度レベルにおいて、先読み可能変動数が多いほど、開始から終了までに演出が変化しやすいよう(変化幅をもたせることができるよう)期待度の高い演出内容の選択率が高くなるように設けられると、遊技の多様性が広がり遊技の興趣を高めることができる。
続いて、図282に戻って、周辺制御IC1510aのCPUは、開始段階先読み演出内容抽選テーブル(図283(C)参照)に基づいて最終段階の先読み演出と先読み可能変動数から開始段階の先読み演出を決定する(ステップS2075)。その後、図柄背景先読み演出抽選処理を終了する。
ここで、図283(C)を参照して、先の先読み演出組合せ抽選テーブル(図283(A))においてPTN2の同色図柄先読みが選択された場合を例に説明する。図283(C)は、開始段階先読み演出内容抽選テーブルの一例を示す図である。
開始段階先読み演出内容抽選テーブルは、先の最終段階先読み演出内容抽選テーブルにおいて決定した最終段階先読み演出内容に基づいて、演出内容が成り下がり(期待度の高い演出内容の後に期待度の低い演出内容が選択されること)とならないように、先読み演出における開始段階の演出内容を決定する。開始段階先読み演出内容とは、複数変動に亘る図柄背景先読み演出の対象となる複数の始動記憶のうち、消化順が一番早い始動記憶に対応する変動表示が開始されるときの演出態様をいう。本テーブルは、先に決定した最終段階先読み演出内容が開始段階先読み演出内容より成り下がることがないよう開始段階先読み演出内容が設けられている。
具体的には、最終段階先読み演出内容が「ガセ青」の場合は、必ずPTN1のガセ青が選択される。また、最終段階先読み演出内容が「ガセ緑」の場合は、80%の確率でPTN1のガセ青が選択され、20%の確率でPTN2のガセ緑が選択される。また、最終段階先読み演出内容が「青」の場合は、100%の確率でPTN3の青が選択される。また、最終段階先読み演出内容が「緑」の場合は、80%の確率でPTN3の青が選択され、20%の確率でPTN4の緑が選択される。また、最終段階先読み演出内容が「赤」の場合は、60%の確率でPTN3の青、30%の確率でPTN4の緑、10%の確率でPTN5の赤が選択される。また、最終段階先読み演出内容が「虹」の場合は、30%の確率でPTN3の青、50%の確率でPTN4の緑、10%の確率でPTN5の赤又はPTN6の虹が選択される。
このように、図柄背景先読み演出は、先読み対象の始動記憶が有する先読み可能変動数が「0」でない場合に実行可能となる。始動入賞時に行われる本処理では、図柄背景先読み演出の開始段階及び最終段階の演出内容を決定し、途中段階の演出内容は変動開始時に行われる先読み演出昇格抽選によって決定する。
ここで、変動開始時の先読み演出昇格抽選は、前述の図283(C)に示したように、先の演出内容と後の演出内容との期待度が順に高まるように(成り上がるように)、現在の演出内容と最終段階の演出内容とから選択し得る範囲の演出内容から抽選決定する。なお、成り下がり演出を防止する演出内容の決定方法については、前述の本実施形態におけるストーリーリーチ設定処理(図222〜図228)や連続先読み演出設定処理(図238〜図240)等にも開示されている。
そして、先読み演出昇格抽選は、特図同期演出開始コマンドを受信した場合、すなわち変動開始する度に実行される。したがって、始動入賞時に決定していた開始段階の演出内容は、最初の変動開始時の先読み演出昇格抽選によって変更される可能性がある。後述の保留表示の先読み演出であれば、始動入賞時から先読み演出態様で表示可能であるが、例えば、図柄先読み演出の場合は変動開始契機で実行することになるので、当該図柄先読み演出の実行開始時の演出内容は、最初の変動開始時の先読み演出昇格抽選において昇格する場合は、始動入賞時に決定された開始段階の演出内容から成り上がる演出内容が最初に出現することになる。また、最初の変動開始時の先読み演出昇格抽選において昇格しない場合は、始動入賞時に決定された開始段階の演出内容が出現する。
なお、変形例4では、入賞時信頼度レベル(演出基準情報)の抽選決定を図柄背景先読み演出処理(ステップS2072)において行ったが、前述の変形例3に示すレベル設定処理(図274参照)のように16ms定常処理(図193)において実行されるようにしてもよい。入賞時信頼度レベルは、本処理における図柄背景先読み演出及び後述の保留先読み演出抽選処理における保留先読み演出の具体的内容を決定する処理の前に決定されていればよい。
続いて、図284及び図285は、前述の背景図柄先読み演出抽選処理(図282)において装飾図柄1910を用いた同色図柄先読みが設定された場合の先読み演出画面遷移の一例を示す図である。ここでは、4つ目の保留始動記憶(入賞時保留4)に対する図柄背景先読み演出として設定される装飾図柄1910を用いた図柄先読み演出を例に説明する。
図284(A)に示すように、4つ目の保留始動記憶(入賞時保留4)が記憶されたとき、消化始動記憶及び1つ目の保留始動記憶には当該1つ目の保留始動記憶(入賞時保留1)の2変動に亘る図柄背景先読み演出として、図柄先読み演出1及び図柄先読み演出2が設定されている。そして、2つ目及び3つ目の保留始動記憶は、先読み演出が設定されていない状態から4つ目の保留始動記憶(入賞時保留4)を先読み対象とする先読み可能変動数設定処理(図280)によって2つ目の保留始動記憶(入賞時保留2)を「先読み書き換え禁止」、3つ目の保留始動記憶(入賞時保留3)を当該入賞時保留4に対する先読み演出に使用可能に設定される。すなわち、4つ目の保留始動記憶(入賞時保留4)の先読み可能変動数α=2に設定され、図柄背景先読み演出抽選処理(図282)によって3つ目の保留始動記憶(入賞時保留3)に入賞時保留4の図柄先読み演出1が設定され、4つ目の保留始動記憶(入賞時保留4)に当該入賞時保留4の図柄先読み演出2が設定される。そして、入賞時保留4の図柄先読み演出の開始段階は「青」、最終段階は「赤」が選択される。
演出表示装置1600では、消化始動記憶(左端)及び入賞時保留1(中央)の変動表示において、装飾図柄1910の図柄色及び停止時エフェクト発生による図柄先読み演出が実行され、入賞時保留2(右端)の変動表示はデフォルト態様の装飾図柄1910で行われる。
次に、図284(B)に示すように、入賞時保留3の変動表示では、変動開始時に先読み演出昇格抽選が行われる。そして、先の図柄背景先読み演出抽選処理にて選択された開始段階の「青」及び最終段階の「赤」の範囲内(すなわち「青、緑、赤」)から抽選によって当該入賞時保留3の変動表示における装飾図柄1910の色が決まる。ここで、先読み演出昇格抽選の結果が「緑」となると、入賞時保留3の変動表示において、緑色の装飾図柄1910による変動表示及び図柄停止時の同色エフェクトが発生する。
続いて、図285(C)に示すように、入賞時保留4の変動表示では、再び変動開始時に先読み演出昇格抽選が行われる。そして、現在の「緑」及び最終段階の「赤」の範囲内(すなわち「緑、赤」)から抽選によって当該入賞時保留4の変動表示における装飾図柄1910の色が決まる。ここで、先読み演出昇格抽選の結果が「赤」となると、入賞時保留4の変動表示において、赤色の装飾図柄1910による変動表示及び図柄停止時の同色エフェクトが発生する。
なお、図285(D)に示すように、入賞時保留4の変動開始時に行われる先読み演出昇格抽選の結果が「緑」となる場合には、当該変動において最終段階の「赤」に成り上がるように所定のタイミングで図柄先読み演出の色態様を変化させてもよい。所定のタイミングとは、例えば、リーチタイミング、擬似連タイミング及び演出切り替えポイント等が考えられる。ここでは、リーチタイミングで装飾図柄1910が「緑」から「赤」に変化し、同色エフェクトが発生する。さらに、図柄停止時にも同様に赤色エフェクトが発生する。
また、装飾図柄1910による図柄先読み演出は色態様に限らず、チャンス目図柄によって行われるものであってもよい。当りとはならない図柄組合せを用いて、語呂が良い組合せになるほど期待度が高い先読み演出となるようにしてもよい。
[保留先読み演出抽選処理]
次に、図286及び図287を参照して、前述の特図先読み演出制御処理(図279)にて実行される保留先読み演出抽選処理(ステップS2090)について説明する。図286は、本実施形態の変形例4の保留先読み演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。図287は、前述の保留先読み演出抽選処理において使用される各種テーブルの一例を示す図である。
まず、周辺制御IC1510aのCPUは、先読み可能変動数が0かつ「大当りあり」の付属情報があるか否かを判定する(ステップS2091)。そして、先読み可能変動数(大当りあり)=0である場合には(ステップS2091にてYes)、特別抽選テーブルを設定する(ステップS2092)。一方、先読み可能変動数(大当りあり)=0でない場合には(ステップS2091にてNo)、通常抽選テーブルを設定する(ステップS2093)。
続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、前述のステップS2092又はステップS2093にて設定されたテーブルに基づいて、本処理対象の始動記憶の消化直前(始動記憶1領域)での表示態様を示す消化前(保留1)上限演出内容を決定する(ステップS2094)。
ここで、図287を参照して、特別抽選テーブルと通常抽選テーブルについて説明する。図287(A)は特別抽選テーブルの一例を示す図であり、図287(B)は通常抽選テーブルの一例を示す図である。特別抽選テーブルは、先の始動記憶に大当りとなる始動記憶が含まれている場合に選択され、通常抽選テーブルでは選択可能なパターン(PTN)5〜7の保留表示態様が選択不能に設けられている。
具体的には、保留表示の表示態様には、保留先読み演出の有無にかかわらず保留状態を示す通常保留態様(白色点灯)のパターン(PTN)1と、保留先読み演出態様としてパターン(PTN)2〜7が設けられている。パターン(PTN)2〜7は、番号が大きくなるほど期待度が高い態様が設定され、順に、白色点滅態様、青色点灯態様、緑色点灯態様、紫色点灯態様、赤色点灯態様、及び虹色点灯態様となる。
特別抽選テーブルでは、信頼度レベルが「0」の場合、保留表示対応は必ずパターン(PTN)1の通常保留態様(白色点灯)が選択される、すなわち保留先読み演出は行われない。また、信頼度レベルが「1」の場合、50%の確率で保留先読み演出が行われ、このときパターン(PTN)2が選択される。また、信頼度レベルが「2」の場合、ほぼ66%の確率で保留先読み演出が行われ、パターン(PTN)2又はパターン(PTN)3が各50%の確率で選択される。また、信頼度レベルが「3」「4」の場合、75%の確率で保留先読み演出が行われ、パターン(PTN)2、パターン(PTN)3及びパターン(PTN)4のうちいずれかが各3分の1の確率で選択される。
通常抽選テーブルでは、信頼度レベルが「0」の場合、保留表示対応は必ずパターン(PTN)1の通常保留態様(白色点灯)が選択される、すなわち保留先読み演出は行われない。また、信頼度レベルが「1」の場合、10%の確率で保留先読み演出が行われ、パターン(PTN)2が選択される。また、信頼度レベルが「2」の場合、パターン(PTN)1〜5がそれぞれ150、50、100、300、400の比率で選択される。信頼度レベルが「2」では、85%の確率で保留先読み演出が行われる。また、信頼度レベルが「3」の場合、パターン(PTN)1〜6がそれぞれ100、25、25、150、400、300の比率で選択される。信頼度レベルが「3」では、90%の確率で保留先読み演出が行われる。また、信頼度レベルが「4」の場合、パターン(PTN)1〜7がそれぞれ50、25、25、100、350、400、50の比率で選択される。すなわち、信頼度レベルが「4」では、95%の確率で保留先読み演出が行われる。
以上より、特別抽選テーブルが選択された場合は、通常抽選テーブルにおいて信頼度レベル「2」〜「4」のとき選択可能であったパターン5、信頼度レベル「3」又は「4」のとき選択可能であったパターン6、信頼度レベル「4」のとき選択可能であったパターン7が選択不能となる。すなわち、先の始動記憶に大当りとなる始動記憶がある場合には、その後に発生する始動記憶の保留先読み演出に期待度の高い保留表示態様が出現しないように抽選の選択肢を制限している。また、特別抽選テーブルが選択された場合は、選択肢が制限される信頼度レベルにおける保留先読み演出の実行確率が通常抽選テーブルの同じ信頼度レベルにおける保留先読み演出の実行確率よりも低くなるようにしている。
次に、図286に戻って、周辺制御IC1510aのCPUは、入賞時保留球数に応じた入賞時保留抽選テーブルを設定し(ステップS2095)、入賞時保留抽選テーブルに基づいて、先に決定した消化前(保留1)上限演出内容から入賞時保留演出内容を決定する(ステップS2096)。その後、保留先読み演出抽選処理を終了する。
ここで、図287を参照して、入賞時保留球数2〜4のときに設定される入賞時保留抽選テーブルについて説明する。入賞時保留抽選テーブルは入賞時保留球数ごとに設けてもよいが、ここでは、入賞時保留球数2〜4で同一のテーブルを使用する。なお、入賞時保留球数が1の場合は、前述のステップS2094にて決定した消化前(保留1)上限演出内容と入賞時保留演出内容とが同一になるテーブル(図示省略)が設定される。図287(C)は、入賞時保留抽選テーブルの一例を示す図である。入賞時保留抽選テーブルでは、消化前(保留1)上限演出内容に基づいて、当該消化前(保留1)上限演出内容と期待度が同じ若しくは低い演出内容が選択可能に設けられる。
具体的には、消化前(保留1)上限演出内容が通常保留態様(PTN1)又は白色点滅態様(PTN2)の場合は、入賞時保留演出内容として必ず同じ態様が選択される。また、消化前(保留1)上限演出内容が青色点灯態様(PTN3)の場合は、入賞時保留演出内容としてPTN1〜3のいずれかが略一定確率で選択される。また、消化前(保留1)上限演出内容が緑色点灯態様(PTN4)の場合は、入賞時保留演出内容としてPTN1〜4のいずれかが一定確率で選択される。また、消化前(保留1)上限演出内容が紫色点灯態様(PTN5)の場合は、入賞時保留演出内容としてPTN1〜5のいずれかが一定確率で選択される。また、消化前(保留1)上限演出内容が赤色点灯態様(PTN6)の場合は、入賞時保留演出内容としてPTN1〜6のいずれかがほぼ一定確率で選択される。また、消化前(保留1)上限演出内容が虹色点灯態様(PTN7)の場合は、入賞時保留演出内容としてPTN1〜7のいずれかがほぼ一定確率で選択される。
なお、入賞時保留球数ごとに入賞時保留抽選テーブルを設ける場合には、例えば、入賞時保留球数が少ないほど消化前(保留1)上限演出内容に期待度が近い態様が選択されやすいよう偏りのある選択確率が設定されるようにしてもよい。
(変形例4の先読み演出制御による効果3)
変形例4の先読み演出制御によれば、始動入賞時に、まず、先読み可能変動数設定処理(図280)において先読み演出を実行可能な先読み可能変動数を算出した後、当該先読み可能変動数を用いて図柄背景先読み演出抽選処理(図282)及び保留先読み演出抽選処理(図286)において先読み演出の実行可否及び先読み演出の開始段階及び最終段階の演出内容を決定する。より具体的には、擬似連種別値及び図柄種別値に基づく入賞時信頼度レベル(演出基準情報)から最終段階の演出内容を決定し、さらに決定した最終段階の演出内容と先読み可能変動数に基づいて開始段階の演出内容を決定する。そして、変動開始時に、当該変動における演出内容を、始動入賞時に決定した先読み演出の最終段階及び開始段階(又は前回の変動開始時に決定した現段階)の演出内容に基づいて決定する。このように、始動入賞時に先読み演出の全容を決定せず、変動中の演出内容を変動開始時に決定するよう処理を分散させることで、始動入賞時の処理負担を低減することができる。これにより、多種多様化な演出に対応することが可能となるので、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、擬似連種別値及び図柄種別値に基づく入賞時信頼度レベル(演出基準情報)や先読み可能変動数を新たに設定することによって、階層的に演出データを管理することが可能となる。これにより、演出データの設定の誤りを削減することが可能となる。特にレアな演出パターンなどの発見しにくい誤りの発生を防ぐことが可能となるため、遊技機の動作試験の効率も向上させることが可能となる。そして、安定して動作する遊技機を提供することによって、遊技の興趣の低減を抑制することができる。また、近年の遊技機は、多種多様な演出が実行可能となっているために、演出のバリエーションの増加に対応させることによって、演出内容の管理が困難になり、演出データに誤りが生じるおそれがあった。特に、出現頻度の少ない演出の演出データに誤りがある場合は発見することが困難であり、確認作業に多大な労力を必要とするおそれがあったが、前述のように階層的に演出データを管理可能にすることで、演出内容の管理を容易にし、演出データに誤りが生じることを防止して遊技興趣が低下することを抑制することができる。
(変形例4の先読み演出制御の効果4)
ところで、大当りとなる始動記憶(大当り始動記憶)が始動記憶領域(保留始動記憶領域、消化始動記憶領域)にある場合には、当該大当り始動記憶の消化を契機に後に記憶された全ての始動記憶の先読み情報がクリアされる。したがって、大当り始動記憶の後の始動記憶に期待度の高い先読み演出を実行しても、当該大当り始動記憶の大当り遊技終了後に当該期待度の高い先読み演出を実行できないことから、大当り始動記憶の後に発生した始動記憶における先読み演出には、遊技者の期待を裏切り、不信感を与えてしまうという懸念があった。このため、従来は、大当り始動記憶発生以後の先読み演出を全面的に禁止していた。
しかしながら、従来の制御では、始動記憶領域内に大当り始動記憶が発生すると、それ以降の始動記憶で先読み演出が行われないことから、複数の始動記憶に対して先読み演出が行われていても、実際に大当りの期待が持てる先読み演出は記憶順が最新の始動記憶に対する先読み演出だけだと遊技者は容易に気づいてしまう。これでは、始動記憶消化前(変動前)に期待度を示唆する先読み演出を行って遊技者の期待を高めるはずが、後の先読み演出によって変動前にはずれ確定を報知してしまうことになり、かえって遊技の興趣を損なわせる虞があった。
そこで、変形例4の先読み演出制御では、先の始動記憶に大当り始動記憶がある場合にも保留先読み演出を実行可能とし、当該大当たり始動記憶の変動が終了するまでその後に発生する始動記憶の保留先読み演出において期待度が高い保留先読み演出が選択されないようにする。具体的には、保留先読み演出を抽選するテーブルとして、通常抽選テーブルと、始動記憶領域に大当り始動記憶がある場合に選択可能な特別抽選テーブルとを設定する。このとき、特別抽選テーブルは、通常抽選テーブルにおいて期待度の高い演出内容を選択可能な信頼度レベルであっても同様の期待度の高い演出内容を選択できないように設けられる。なお、この場合、図柄背景先読み演出は実行しない。
このように、先の始動記憶に大当り始動記憶があっても期待度の高い演出内容を選択肢から外した保留先読み演出抽選を実行可能なので、従来のような大当り始動記憶の発生による先読み演出禁止によって先読み演出がはずれ確定を報知することになる事象は発生しない。また、このとき実行される保留先読み演出に期待度の高い演出内容は選ばれないので、大当り遊技終了後に当該保留先読み演出が復活しなくとも遊技者はそもそも高い期待を抱いていない。したがって、先読み演出の実行による期待の裏切りや不信感を遊技者に感じさせない。よって、遊技の興趣低下を防止することができる。
また、特別抽選テーブルにおいて選択可能に設けられる演出内容を、通常抽選テーブルのような色変化態様とは異なる態様(例えば、形状やキャラクタ等)に変えてもよい。この場合は、特別抽選テーブルを用いる後の始動記憶に対応する保留先読み演出の実行が先の始動記憶の大当りを示唆する演出としても機能するので、遊技の興趣低下を防止することができる。
また、特別抽選テーブルは、通常抽選テーブルにおいて期待度の高い演出内容を選択可能な高信頼度レベルにおける保留先読み演出の実行確率が通常抽選テーブルに比べて低くなるよう設けられる。特別抽選テーブルは、単に通常抽選テーブルにおいて期待度の高い演出内容(PTN5〜7)が選択される確率を他の期待度が低い演出内容(PTN2〜4)に振り分けるだけでなく、保留先読み演出を実行しない選択肢(PTN1)にも振り分ける。このように、保留先読み演出の実行確率及び各演出内容の選択確率を調整して特別抽選テーブルを設定するので、期待度の低い保留先読み演出が頻出されることなくバランスのよい保留先読み演出抽選を提供することができる。
(その他の適用例)
なお、前述の変形例4の先読み演出制御は、以下の観点に応じて柔軟に変形適用可能である。
始動記憶領域内の複数の始動記憶に対してそれぞれ期待度の高い保留先読み演出が選択されると、演出表示装置1600の始動記憶表示部1911には、例えば、赤色や虹色の保留表示が複数発生することになり、期待度の高い保留先読み演出に抱く遊技者の期待が分散してしまい、本来単発の高期待度保留表示に想定される期待感を遊技者に抱かせることができない。このため、期待度の高い保留先読み演出が実行されても印象に残らない始動記憶となってしまう虞があり、遊技の興趣の低下させる懸念がある。
そこで、変形例4の特別抽選テーブルの選択条件を、大当り始動記憶の有無ではなく、期待度の高い保留先読み演出や変動演出の有無に変更すればよい。先の始動記憶(特定の始動記憶)に期待度の高い演出(特定演出)が設定されている場合には、後の始動記憶に対して設定可能な先読み演出を一部制限する。具体的には、後の始動記憶の先読み演出として期待度の高い演出が選択されないようにする。これにより、遊技者が把握できる期待度の高い演出(先読み演出、変動演出)は一つに限定され、重複発生しない。したがって、遊技者の期待感の分散を招くことなく、期待度の高い保留表示に期待を集中させることができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
これによれば、大当り始動記憶に対して期待度の高い保留先読み演出が設定されていない場合は、大当り始動記憶があっても後の始動記憶に対して特別抽選テーブルは選択されない。すなわち、後の始動記憶に期待度の高い保留先読み演出が選択されうる。この場合、後の始動記憶に期待度の高い保留先読み演出が実行されても、先の大当り始動記憶に対する期待を遊技者は抱いておらず、また、当該期待度の高い保留先読み演出は当該大当り始動記憶を契機に終了することから、遊技者に当該期待度の高い保留先読み演出を先の大当り始動記憶の大当りを示唆する演出として認識させることができる。よって、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、変形例4の特別抽選テーブルの選択条件を、大当り始動記憶の有無に代えて、特定の先読み演出内容の選択の有無に変更してもよい。具体的に、図288を参照して説明する。図288は、特別抽選テーブルの選択条件を特定の先読み演出内容の選択の有無とした場合における(A)通常抽選テーブルの一例、(B)特別抽選テーブルの一例、(C)始動記憶表示部1911における演出の一例を示す図である。
通常では、図288(A)に示す通常抽選テーブルを用いた保留先読み演出抽選が行われ、このとき演出内容が「あ」を表示するPTN5が選択されると、その後に発生する始動記憶における保留先読み演出抽選は、図288(B)に示す特別抽選テーブルが用いられることになる。また、図288(A)の通常抽選テーブルのPTN5及び図288(B)の特別抽選テーブルで選択可能な各PTNは、消化前(保留1)上限演出内容かつ入賞時保留演出内容とするのが好ましい。
図288(C)に示すように、演出表示装置1600の始動記憶表示部1911では、先の始動記憶に対応する保留表示に「あ」の文字が表示される保留先読み演出が実行されると、その後に発生する始動記憶は図288(B)に示す特別抽選テーブルによる保留先読み演出抽選が行われ、PTN3が選択されると後の始動記憶に対応する保留表示に「つい!」の文字が表示される保留先読み演出が実行される。したがって、先の始動記憶の保留先読み演出だけでは期待度が不明であり、後の始動記憶の保留先読み演出によって意味を成し、本来の先読み演出効果を得る(期待度を把握する)ことができる。これにより、「あ」の保留表示が出現してから「つい!」の保留表示が出現して期待度が「あつい!」と判明するまでの間、遊技者に期待感を募らせることができる。また、従来、期待度が高い演出が出現すると、遊技者は始動口への遊技球の打ち出しを止める傾向にあるが、一つの保留表示では期待度が判明しないため、打ち出しを促進させることができる。また、ここで判明する期待度は、先の始動記憶及び後の始動記憶の双方の信頼度レベルからなる期待度で構成される。後の始動記憶における保留先読み演出抽選に応じて「あつい!」「あつい?」等、メッセージ(期待度)が異なる。これにより、単調な保留先読み演出となるのを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、ここで信頼度レベル4とは、大当り確定を意味するものとし、図288(B)の特別抽選テーブルには大当り確定時の信頼度レベル4にのみ選択が許可される「たり!×2」及び「たり!」の演出内容が設けられている。したがって、「あたり!」又は「あたり!×2」となった場合は、少なくとも後の始動記憶は大当りとなることを確定報知することになり、より遊技の興趣を高めることができる。また、図288(B)の「たり!×2」及び「たり!」の演出内容は、処理対象の始動記憶に限らず始動記憶領域に大当りとなる始動記憶がある場合に選択可能にしてもよい。「あたり!」又は「あたり!×2」となった場合は、いずれかの始動記憶が大当りとなることが確定報知することになるので、より遊技の興趣を高めることができる。
このように、先の始動記憶(特定の始動記憶)に特定(図288(A)の「あ」)の先読み演出(特定演出)が設定されている場合には、後の始動記憶に対して設定可能な先読み演出を一部制限する。具体的には、後の始動記憶の先読み演出として、図288(B)に示す特別抽選テーブル以外の他のテーブルが選択されないよう制限する。先の始動記憶の先読み演出(特定演出)と後の始動記憶の先読み演出とが共同して本来の先読み演出効果を奏する(期待度示唆を完成させる)ので、遊技者の期待感をこれらの複合先読み演出によって構成される期待度示唆に集中させることができる。なお、前述では2つの始動記憶で構成される複合先読み演出を例に挙げたが、3,4つの始動記憶によって期待度示唆を完成させる複合先読み演出としてもよく、より遊技者に期待感を募らせ、打ち出しを促進し、遊技の興趣を高めることができる。また、後の始動記憶に基づいて実行される先読み演出(後の先読み演出)の一部制限について、前述の図287の例では先の始動記憶に基づいて実行される先読み演出(先の先読み演出)として設定可能な演出内容(7パターン)の一部(3パターン)を制限対象としていたが、図288の例では先の先読み演出と後の先読み演出とで設定可能な演出内容に重複はなく、それぞれ設定可能な演出内容は全く異なる。図288の例では、後の先読み演出の演出内容を選択するために設けられる全ての抽選テーブルのうちの一部(ここでは、図288(B)を除くテーブル)を制限対象とする。このように中身が異なるテーブル単位での制限(変更)制御を可能とすることで、より管理を容易にし、多種多様な先読み演出を提供することが可能である。
なお、前述の図288では後の先読み演出に先の先読み演出とは全く異なる演出内容が設定された特別抽選テーブルを用いる条件として、先の始動記憶に基づく先読み演出に特定の先読み演出内容が選択された場合を例に挙げたが、これに限らない。その他、先読み演出効果を高める例として、(1)先の始動記憶に基づく変動パターンが特定の変動パターンである場合、(2)消化始動記憶(先の始動記憶)が特定の変動パターンの大当り始動記憶である場合、等が挙げられる。(1)の場合には、特定の変動パターンは、SPリーチなど大当りとなる期待度が他の変動パターンよりも高く、変動時間がより長い変動パターンとすることが望ましい。これにより、後の先読み演出において特別抽選テーブルにて設定可能な先読み演出内容が出現した場合に遊技者の期待感を高めることが出来る。また、(2)の場合には、大当りとなる特定の変動パターンによって実行される長時間にわたる変動期間において後の始動記憶が記憶されて特別抽選テーブルによる後の先読み演出が実行されると、当該後の先読み演出は大当りを示唆する演出となるので、変動中においても遊技者の期待感を高める先読み演出を提供することができる。
(変形例4の先読み演出制御による効果5)
また、変形例の先読み制御によれば、遊技状態の移行が発生した場合に、移行前に発生していた始動記憶を不明保留として扱い、当該不明保留が消化されるまで移行後に発生する始動記憶の先読み演出を禁止する。これにより、遊技状態が移行すると移行前に発生した始動記憶の有無に関わらず所定回数(例えば、4回)の変動表示が実行されるまで先読み演出を禁止していた従来の禁止期間を、不明保留の数に応じた適切な禁止期間にして不要な先読み演出の実行制限を回避することができ、先読み演出実行率低下によるゲーム性及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
そして、変形例4の先読み演出制御によれば、遊技状態移行後に発生し、不明保留の存在により先読み演出が禁止された始動記憶に、先読み演出無し時情報(図278(A))を設定する。これにより、先読み演出禁止ゆえに特図先読み演出制御処理(図279)の処理対象とならず、先読み演出に関する情報が何ら設定されない始動記憶を、先読み演出禁止が解除されたのちに発生する始動記憶の先読み演出に使用することができる。そして、実質的に先の不明保留が消化された後も先読み演出禁止の影響を受ける状況において、可能な限り先読み演出の自由度を確保することができ、ゲーム性及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
例えば、大当り遊技を介して遊技状態が低確率非時短状態から高確率非時短状態に移行した場合には、遊技状態が移行しても移行前後で遊技者が狙う始動口は変わらず特図1始動口である。そして、大当り遊技前に記憶されていた特図1特始動記憶は、移行時に保有情報をクリアされて不明保留として扱われる。ここで、状態移行後に記憶される特図1始動記憶は、低確率非時短状態で消化されず残った特図1始動記憶(不明保留)がある限り自身の先読み演出は禁止されるが、不明保留消化後に記憶される特図1始動記憶(後の特図1始動記憶)の先読み演出に利用可能なように先読み演出無し時情報が設定される。したがって、不明保留が始動記憶領域(消化始動記憶領域及び保留始動記憶領域)からなくなれば、後の特図1始動記憶の先読み演出は、不明保留による先読み演出禁止による不利な影響を受けることがない。むしろ、先の特図1始動記憶は不明保留によって先読み演出が禁止され、他の特図1始動記憶の先読み演出に利用可能に設定されているので、後の特図1始動記憶の先読み演出に複数変動に亘る先読み演出を設定しやすくなる。
しかしながら、遊技状態の移行に伴い、遊技者が狙う始動口が異なる場合、例えば、特図2始動口への入賞が主となる時短状態から、特図1始動口への入賞が主となり、特図2始動口への入賞が困難となる非時短状態への状態移行では、前述の変形例4の先読み演出制御の効果を得るのは困難である。後述するように、変形例4の不明保留(状態移行直前の特2保留)の存在によって先読み演出が禁止される特図2の始動記憶は状態移行後に発生しうるが、当該始動記憶に対して先読み演出無し時情報を設定しても、さらに後続して特図2の始動記憶が発生する可能性は低い。このような場合は、遊技者の遊技趣向に沿った始動記憶を発生させるように遊技者を誘導することで、不要な先読み演出の制限をなくし、ゲーム性及び遊技興趣の低下を抑制することが重要である。
以下に、図289及び図290を参照して、時短状態から非時短状態への状態移行に際して有効な演出例について説明する。図289は、本実施形態の変形例4の状態移行時の先読み演出制御の一例について説明する図である。図290は、本実施形態の変形例4の状態移行時の画面演出遷移の一例を示す図である。
なお、前述のパチンコ機1は第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球入賞(特別図柄2保留の発生)が時短状態に限定されることから、第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球入賞時の遊技状態が非時短状態(時短状態でない状態)である場合に主制御基板1310における先読み判定を禁止しているが(図247(A)参照)、ここでは、遊技状態が非時短状態であっても第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球入賞(特別図柄2保留の発生)が可能な構成のパチンコ遊技機とする。すなわち、遊技状態が非時短状態であっても第二始動口2004(特図2始動口)への入賞球に対して先読み判定が行われることを前提とする。
図289(A)に示すように、時短状態が100回の変動消化を契機に非時短状態に移行する場合、時短状態の維持回数(残り変動回数)が4回となるタイミング、すなわち97回目の変動開始時に主制御基板1310側で先読み判定を禁止する。そして、97回目の変動開始時から100回目の変動終了時までを先読み判定禁止期間とする。
時短状態では、遊技者は第二始動口2004(特図2始動口)への入賞を狙うため、特図2始動口への入賞(特2入賞)が発生する。時短状態における97回目の変動が直前の特2入賞1によって実行されるとすると、当該97回目の変動開始後に発生する特2入賞2〜特2入賞4は順に98、99、100回目の変動として消化される。そして、特2入賞5及び特2入賞6は、時短状態が終了するときに保留記憶1及び2エリアに記憶される。このとき、時短状態における97回目の変動開始から100回目の変動終了までに発生した特2入賞2〜6は、主制御基板1310側の先読み判定禁止条件(図247(A))の成立により、周辺制御基板1510では不明保留として扱われる。
そして、図289(B)に示すように、状態移行直前の特2入賞の保留状態は、消化エリアに100回目の変動となる特2入賞4、保留1エリアに特2入賞5及び保留2エリアに特2入賞6が記憶された状態となる。
ここで、時短状態では第二始動口2004(特図2始動口)への遊技球の入賞を容易にする一対の第二始動口扉2411(普通電動役物)の開放状態となる頻度が高く、1回あたりの開放時間は遊技球が複数入賞可能に設けられている。したがって、図289(A)に示すように、時短状態における最後の普通電動役物の開放状態が非時短状態に状態移行しても継続するケースが発生しうる。そして、非時短状態移行後にも特2入賞7及び特2入賞8が発生する。
このとき、図289(B)に示すように、状態移行直後の特2入賞の保留状態は、消化エリアに不明保留の特2入賞5、保留1エリアに不明保留の特2入賞6が記憶されており、特2入賞7及び特2入賞8は、保留2エリア及び保留3エリアに記憶される。そして、特2入賞7及び特2入賞8は、主制御基板1310側の先読み判定は実行されるが、周辺制御基板1510側の特図先読み実行判定処理(図277)で先の不明保留(特2入賞5及び特2入賞6)によって(ステップS1495bにてYes)、先読み演出抽選の対象から除外され、先読み演出が禁止される。なお、特2入賞7及び特2入賞8には先読み演出無し時情報が設定され(ステップS1497b)、特2入賞6の不明保留が消化した後に発生する特2入賞の先読み演出に特2入賞7及び特2入賞8を利用可能となるが、特2入賞6が消化されるときには普通電動役物は閉鎖状態を維持しており、非時短状態での開放は入賞が難しいショート開放であることからすると、特2入賞7及び特2入賞8が後の特2入賞の先読み演出に利用される可能性は低い。
一方、図289(C)に示すように、状態移行直前に特2入賞5及び特2入賞6が発生していない場合には、状態移行直前の特2入賞の保留状態は、消化エリアに100回目の特2入賞4が記憶され、保留エリアには保留がない状態となるので、時短状態と非時短状態とを跨いで記憶される保留が生じない。したがって、状態移行直後の特2入賞の保留状態は、消化エリアに特2入賞7が記憶され、保留1エリアに特2入賞8が記憶される状態となる。このとき、特2入賞7及び特2入賞8は、周辺制御基板1510側の特図先読み実行判定処理(図277)で先読み演出抽選の対象とされ(ステップS1496b)、先読み演出が許可される。そして、保留状態の特2入賞8は、先読み演出制限を受けることなく先読み演出を実行することができる。
以上より、状態移行直後の特2入賞は、状態移行直前の特2入賞の保留状態に応じて先読み演出の許可又は禁止が決まる。そこで、状態移行前の時短状態において、遊技者に、今、特図2始動口へ遊技球を入賞させたら当該入賞はどう扱われるかを報知する演出を行うことで、遊技者の遊技趣向(先読み演出は重視しない、重視する、先読み演出よりも特2入賞を重視する、際どい特2入賞を狙うなら特1入賞狙いに切り替える等)に沿った遊技進行になるよう誘導すればよい。これにより、先読み演出の実行制限に対する遊技者の不満を最低限に抑えることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
以下に、図290を参照して、時短状態から非時短状態への状態移行における演出画面遷移の一例を説明する。
図290(A1)に示すように、時短状態における99回目の変動表示が終了すると、演出表示装置1600では、装飾図柄1910の停止結果「115」が縮小されて画面左下部に移動し、画面中央には「残り1回」のメッセージが表示される。このとき、画面右下部に表示される特2始動記憶表示部1911bには、100回目の変動表示となる保留表示が1個表示されている。また、画面左上部には、現在の遊技モード(遊技状態)が特別モード、すなわち時短状態中であることが表示され、画面右上部には、演出モードとして月夜モードの月が表示される。演出モードは、特図1始動口及び特図2始動口のうち狙える始動口を示し、特図2始動口を優先的に示す。特図2始動口に入賞可能な場合(主に時短中)に月夜モードとなり、特1始動口に入賞可能な場合(非時短中)に晴天モードとなる。
次に、図290(A2)に示すように、時短状態における100回目の変動表示が開始すると、画面中央には「ラスト」のメッセージが表示される。そして、装飾図柄1910が変動表示を開始する。このとき、新たな特2入賞は発生しておらず、特2始動記憶表示部1911bには保留表示がない。
そして、図290(A3)に示すように、時短状態における100回目の変動表示中に普通電動役物の開放が行われると、「ラスト」のメッセージが縮小されて画面左上部に移動し、画面中央には、このタイミングでの特2入賞は不明保留となって、非時短状態に移行することを示すメッセージ「今、入球すると晴天モード!?」が表示される。ここで、晴天モードは、前述したように特図1始動口を狙う非時短状態を示す演出モードである。
次に、図290(A4)に示すように、100回目の変動表示の装飾図柄1910が「184」で停止表示するタイミングとなると、画面中央には、時短状態の終了を示すメッセージ「特別モード終了」が表示される。装飾図柄の停止表示が終了すると、遊技状態は時短状態から非時短状態へと切り替わる。
そして、図290(A5)に示すように、遊技状態が時短状態から非時短状態へと切り替わっても普通電動役物は開放状態にある場合に、画面中央には、このタイミングの特2入賞は非時短状態下での入賞検出となり、先読み演出可能な保留となる可能性を示唆するメッセージ「今、入球すると降水モード!?」が表示される。ここで、降水モードとは、非時短状態でありながら特2入賞の先読み演出が実行可能な状態を示す特別な演出モードである。このとき、画面右上部の演出モードは、特図2始動口に入賞可能であることを示す月夜モードを維持する。そして、画面左上部のモード表示には「特別モード中」から切り替わって、非時短状態中であることを示す「通常モード中」が表示される。また、画面左下部には、特1入賞の発生を示す特1始動記憶表示部1911aが表示される。ここで、本図の状態とは、遊技状態は時短状態から非時短状態に移行したが普通電動役物は開放状態で特2入賞を獲得可能な期間であり、前述の図289(A)において特2入賞7及び特2入賞8が発生する期間をいう。
そして、遊技者が特2入賞を獲得することなく特図1始動口への遊技球の入賞を狙って特図1始動口へ3球入賞した場合は、図290(A6)に示すように、画面左下部の特1始動記憶表示部1911aに保留表示が2個発生し、画面中央では最初に発生した特1入賞に対する装飾図柄1910が変動表示される。そして、画面右上部の演出モードは、特図1始動口に入賞可能であることを示す晴天モードの太陽が表示される。
このように、状態移行に際し、際どい特2入賞を狙うのではなく特1入賞狙いに切り替える遊技者は、前述の図290(A3)〜(A5)の入球タイミングのメッセージ示唆演出に応じることなく、非時短状態への移行を迎えればよい。時短状態が終了に近づくと前述の図290(A1)や(A2)のように残り回数の報知演出がされるので、遊技者は必要な特2入賞を得た後は特1入賞に狙いを切り替えることができる。
一方、先読み演出にはこだわらず、特2入賞を獲得したい遊技者は、可能な限り特図2始動口への遊技球の入賞を狙う。ここで、普通電動役物が開放している時短回数100回目の変動表示中(図290(A3))に特図2始動口へ4球入賞すると、状態移行の画面遷移は、前述の図290(A4)〜(A6)に代えて図290(B1)〜(B3)となる。まず、図290(B1)に示すように、特別モード終了画面において特2始動記憶表示部1911bに上限数4個の保留表示が表示された状態となる。
そして、前述の図290(A5)に代わって、対応する図290(B2)では、特2入賞を順次消化する変動表示が行われ、画面中央には装飾図柄1910が表示される。なお、「今、入球すると降水モード!?」のメッセージは、非時短状態中における普通電動役物の開放を条件に表示されるが、特別モード終了時の保留数が多い(例えば3個以上)場合は非表示にするようにしてもよい。
ここで、遊技者が特別モード終了の画面表示後も特2入賞を狙って特図2始動口へ1球入賞すると、図290(B3)に示すように特2始動記憶表示部1911bに新たに保留表示が追加表示される。新たに発生した特2入賞は、前述の図290(B1)の時点で獲得済みの特2入賞によって先読み演出禁止となる。また、本来であれば後の先読み演出に使用可能となるが、以後は特2入賞獲得不能となるため、先読み演出に使用されることなく消化される。そして、遊技者は特1入賞を狙い始め、特1始動記憶表示部1911aにも保留表示が表示される。特1入賞の変動表示は、特2入賞を優先に消化した後に行われる。なお、保留先読み演出は特図ごとに独立して実行可能であるが、図柄背景先読み演出は特図相互に影響するため、前述の図柄背景先読み演出抽選処理(図282)におけるステップS2073の処理で他方の特図の図柄背景先読み演出状況が考慮される。ここでは、特2入賞に不明保留がある以上、特1入賞において図柄背景先読み演出は実行しない。
このように、状態移行に際し、出来るだけ特2入賞を獲得したい遊技者は、前述の図290(A1)〜(A4)の時短状態だけでなく、図290(A5)の普通電動役物が開放される時短状態終了直後まで特2入賞を狙うことで可能な限り特2入賞を獲得することができる。このとき、前述の図290(A3)〜(A5)に示すように、普通電動役物の開放が報知されるので、遊技者は最後の入賞機会を逃すことなく特2入賞を獲得することができる。
また、先読み演出可能な特2入賞を獲得したい遊技者や難易度の高い降水モードを獲得したい遊技者は、前述の図290(A4)の特別モード終了画面までに特2始動記憶表示部1911bの保留表示がない状態にした上で、前述の図290(A5)の画面表示が行われている間に特図2始動口への遊技球の入賞を狙う。このタイミングでの特2入賞は、前述の図289(A)の特2入賞7及び特2入賞8に相当する。そして、特図2始動口へ3球入賞すると、図290(C1)に示すように、非時短状態でありながら特2入賞の先読み演出が実行可能な状態を示す「降水モード」に突入する。そして、画面左上部のモード表示は「通常モード」から「降水モード」に切り替わり、画面右上部のモード表示は、態様の上から降水モードを示す雲が表示される。
そして、画面中央では、特別モード終了直後に発生した特2入賞の変動表示が行われる。さらに、特2始動記憶表示部1911bに表示される保留表示(ここでは3個目の保留表示)を対象とする保留先読み演出(例えば、赤色)及び背景先読み演出(曇り雨マーク、降水確率の表示)が行われ、ここでは70%の確率で遊技者にとって有利な結果が得られる可能性を示唆する。
このように、状態移行に際し、先読み演出可能な特2入賞を獲得したい遊技者や難易度の高い降水モード獲得にチャレンジしたい遊技者は、画面遷移において適宜、遊技状況や入球タイミングが示唆報知されるため、前述の図290(A4)の時短状態終了までに特2入賞の保留がない状態にした上で、前述の図290(A5)の時短状態直後の普通電動役物開放期間に特2入賞を狙うことができる。
以上より、状態移行時の画面遷移において、遊技者に、現在の状況で特図始動口へ遊技球を入賞させると当該入賞はどう扱われるのかを示唆報知する演出を行うことで、遊技者の遊技趣向を遊技に反映させることが可能となる。ここで、状態移行後に新たに記憶される始動記憶(移行後発生始動記憶)は、状態移行前(特定期間中)に記憶された始動記憶(移行前発生始動記憶)の状態移行後の保留状態に応じて先読み演出の実行が許容されることになる。具体的には、状態移行後も移行前発生始動記憶が始動記憶領域にある限り、移行後発生始動記憶は先読み演出禁止となる。したがって、状態移行後に発生する始動記憶のタイミングが同一であっても、移行前発生始動記憶が状態移行後も多く残っているほど、移行後発生始動記憶の先読み演出が許可されるまでに時間(移行前発生始動記憶の消化時間)を要するので、先読み演出が許可される移行後発生始動記憶の数が少なくなる。変形例4では、このような移行前発生始動記憶の数に応じた先読み演出許容変化を把握した上で、遊技者は遊技を行うことができるので、遊技趣向を遊技に反映させることが可能となる。これにより、先読み演出の実行制限に対する遊技者の不満を抑制することができ、ゲーム性及び遊技興趣の低下を抑制することができる。
[12.保留変化に関する演出]
本実施例では、主制御基板1310から送信される保留数指定コマンドに基づいて、演出表示装置1600にて消化前の保留表示(消化前保留表示)が実行され、その保留表示が消化されると、装飾体本体3511にて消化後の保留表示(消化後保留表示)が実行される。すなわち、本実施例の「保留表示」としては、未だ遊技に供されていない消化前の保留を表す「消化前保留表示」と、現在の遊技に供されている消化済の保留を表す「消化後保留表示」とを含むもの指す総称であり、消化後保留表示を実行することで、その装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の開始後にも、当該保留表示を継続して表示し、大当り期待度等を示唆する演出に用いることができるようになっている。
本実施例の保留表示は、具体的に、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が増加することで、消化前の保留表示(消化前保留表示)を演出表示装置1600に1つ追加して表示する。一方、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)して消化前の保留表示を1つ消化するときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)を1減少させて、演出表示装置1600における消化前の保留表示を1つ消去するとともに、その消化対象となった保留表示を消化後の保留表示として表すべく、装飾体本体3511の発光装飾を更新することとしている。なお、本実施例では、消化前の保留表示としては、演出表示装置1600の表示領域の上部に設定された保留表示領域に円形状の表示体(図194参照)を表示して表すこととし、消化後の保留表示としては、装飾体本体3511の発光装飾を所定色で発光表示することで表すことととしている。なお、保留表示領域に表示される円形状の表示体(図194参照)については、装飾された部分の色はアンティーク調な複数色により表現されているため、装飾された部分を除く部分の色が4種類のうちいずれかの色となる。
また、本実施例では、保留表示として消化前保留表示が実行されてから消化後保留表示の実行が終了するまでの間、それら保留表示の表示態様を変化させることで、当該保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行可能としている。
本実施例では、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から保留数指定コマンド及び事前判定コマンドが送信される。そして、周辺制御IC1510aのCPUでは、ステップS601の受信コマンド解析処理において、保留数指定コマンド及び事前判定コマンドを受信すると、それらのコマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、リーチハズレ、ハズレなど)に対応した保留予告決定テーブルを選択し、その保留予告決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留予告決定用の乱数とを比較することで、保留予告決定テーブルに設定された保留変化パターン(保留変化シナリオ)を決定し、該決定した保留変化パターンに基づいて保留予告演出が行われる。なお、保留予告決定テーブルでは、事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、リーチハズレ、ハズレなど)ごとに、各々の保留変化パターンに対する判定値の振分けが異なり、各々の保留変化パターンの出現率が異なるようになっている。
このように、保留予告演出では、演出表示装置1600に消化前保留表示が表示されてから当該保留表示が消化後保留に変化して終了するまでの表示期間中に、保留変化パターン(保留変化シナリオ)に基づいて保留表示の表示態様が更新され、当該保留表示とは別の保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としている。
次に、保留予告決定テーブルについて説明する。保留予告決定テーブルは、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)ごとに複数種類の保留変化パターンが設定されており、周辺制御基板1510の制御ROM1510bに記憶されている。保留予告決定テーブルとしては、保留1点灯時(消化前保留数=1)に使用する保留予告決定テーブル1、保留2点灯時(消化前保留数=2)に使用する保留予告決定テーブル2、保留3点灯時(消化前保留数=3)に使用する保留予告決定テーブル3、保留4点灯時(消化前保留数=4)に使用する保留予告決定テーブル4が設けられている。これら保留予告決定テーブル1〜4には、夫々複数種類の保留変化パターンが規定されており、これらの保留変化パターンには、保留表示が消化されるごとに演出表示装置1600や装飾体本体3511における保留表示の表示態様がどのように変化するのか(どのような表示態様に変化するのか、どのようなタイミングで変化するのか)が設定されている。
例えば、保留1点灯時(消化前保留数=1)に使用する保留予告決定テーブル1には、演出表示装置1600における保留表示の表示態様が初期態様から変化しない消化される保留変化パターン1Aと、演出表示装置1600における保留表示が消化されて装飾体本体3511で消化後保留表示が表示された際に初期態様から1回だけ変化する保留変化パターン1B等が設けられている。また、保留2点灯時(消化前保留数=2)に使用する保留予告決定テーブル2には、演出表示装置1600における保留表示の表示態様が初期態様から変化しないまま消化される保留変化パターン2Aと、消化前保留から消化後保留に変化するときに保留表示の態様が1回だけ変化する保留変化パターン2Bと、消化前保留数=2の状態から消化前保留数=1の状態に変化するときに保留表示の態様が1回だけ変化する保留変化パターン2Cと、消化前保留数=2の状態から消化前保留数=1の状態に変化するときに保留表示の態様が変化し、消化前保留から消化後保留に変化するときに保留表示の態様がさらに変化する保留変化パターン2D等が設けられている。同様に、保留3点灯時(消化前保留数=3)に使用する保留予告決定テーブル3と、保留4点灯時(消化前保留数=4)に使用する保留予告決定テーブル4にも、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が所定回分変化することが設定された保留変化パターンが複数設けられている。
また、保留変化パターンに設定された保留表示の表示態様(初期表示態様を含む)としては、保留表示が白色(基本色)、青色、黄色、赤色のいずれかで表示されるように4個の表示態様が用意されている。そして、保留予告決定テーブルから保留変化パターンを決定する際には、保留表示の表示態様が最後まで変化した結果として、白色(基本色)→青色→黄色→赤色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したときには、最終的な保留表示の表示態様として大当り期待度の高い表示態様(例えば、赤色)となる保留変化パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレ(ハズレ、リーチハズレ)と特定したときには、最終的な保留表示の表示態様として大当り期待度の低い表示態様(例えば、白色)となる保留変化パターンを高い確率で決定することから、大当り期待度の高い表示態様で最終的な保留表示の表示態様が表示されたときには、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、保留変化パターンには、保留表示の表示態様が白色→青色→黄色→赤色の順序とは逆の順序で変化しないものであり、保留表示の消化時に保留表示の表示態様が維持されるか、又は次の表示態様が大当り期待度の高い表示態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い表示態様で保留表示の表示態様が表示されたとしても、保留表示の消化時に大当り期待度の高い表示態様に変化する可能性が残されており、保留表示の表示態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留変化パターンには、必ずしも保留表示の表示態様が白色(基本色)で表示された後に青色→黄色→赤色の順序で変化する必要はなく、白色(基本色)ではない途中の表示態様から開始(例えば、保留1点灯時の保留変化パターンにより初期から黄色で開始)することや、1つ以上の表示態様を飛ばして次の表示態様に変化(例えば、保留2点灯時の保留変化パターンにより白色(基本色)から赤色に変化)するようにも設定されている。このため、保留表示の表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い表示態様で保留表示の表示態様が表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い表示態様で保留表示の表示態様が表示されたとしても、次の表示態様がいずれの表示態様に変化するか予測することができず、保留表示の表示態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、本実施例では、周辺制御IC1510aのCPUは、保留表示の表示態様を変化する際に、周辺制御IC1510aの音源に指示して、変化後の保留表示の表示態様に対応する効果音を各種スピーカ(例えば、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等)から流している。本実施例では、変化後の保留表示の表示態様(色)に応じて効果音が異なるように予め設定されており、例えば、変化後の保留表示の表示態様が青色であると場合には効果音が「ピー」という効果音が出力され、変化後の保留表示の表示態様が黄色である場合には効果音が「ピー、ピコ」という効果音が出力され、変化後の保留表示の表示態様が赤色である場合には効果音が「ピコピコ」という効果音が出力されるようになっている。
また、本実施例では、保留表示の初期色として、上述したように、白色に予め設定されている。この白色は、保留変化示唆演出を行わない場合に保留表示の色として設定されている白色と同一色となっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報として大当りを特定した場合のみ、最終的な保留表示の表示態様としてレインボー色となる特別な保留変化パターンを決定するようにしてもよく、このような特別な保留変化パターンを決定することで、保留表示の表示態様がレインボー色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に抽選結果が大当りとなることが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報としてハズレを特定した場合、最終的な保留表示の表示態様として白色(基本色)または青色となる保留変化パターンを決定するのに対し、事前判定コマンドから事前判定情報として大当り、リーチを特定した場合、最終的な保留表示の表示態様として黄色または赤色となる保留変化パターンも決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の表示態様が黄色や赤色で表示された場合には、当該保留表示の消化後に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、本実施形態では、消化前の保留表示の追加時に保留変化パターンを決定することで、その保留表示の表示態様が最終的に変化するまでの一連の変化内容を決定するようにしているが、その決定方法として、保留表示の表示開始時には、開始時における保留表示の表示態様と、最終的な保留表示の表示態様と、のみを決定するようにしてもよい。そして、開始時における保留表示の表示態様と、最終的な保留表示の表示態様と、が異なる場合には、少なくとも対象となる保留表示が消化されるよりも前に最終的な保留表示の表示態様が表示されるように、保留表示の表示態様が変化可能なタイミングが到来するごとに、保留表示の表示態様がどのように変化するかを決定するようにしてもよい。このような決定方法であっても、演出表示装置1600や装飾体本体3511における保留表示が終了するまでの間、保留表示の表示態様を順次変化させることができる。
次に、保留予告演出に付加して行われる保留変化示唆演出について説明する。保留変化示唆演出は、保留表示(消化前保留表示、消化後保留表示)の表示期間中において、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する演出である。すなわち、上記した保留予告演出では、保留表示の表示期間中において、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留変化パターンに基づいて保留表示の表示態様を変化可能としているが、その保留表示の表示態様が変化するタイミングにおいて、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化示唆演出を実行可能としている。
具体的には、周辺制御IC1510aのCPUにおいて、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する時点で、保留変化パターンに基づいて保留表示の表示態様が変化するか否かを判別し、その判別結果に対応した保留変化示唆演出決定テーブルを選択し、その保留変化示唆演出決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留変化示唆演出決定用の乱数とを比較することで、保留変化示唆演出決定テーブルに設定された複数の示唆演出パターンの中から一の示唆演出パターンを決定する。
保留変化示唆演出決定テーブルには、複数種類の示唆演出パターンが設定され、いずれの保留変化示唆演出も実行しない示唆演出パターン1(保留消化による更新表示に伴い保留表示の表示態様を変化するだけの演出パターン)、保留表示の表示態様の変化に先行して特定画像等を出現させる保留変化示唆演出が行われる示唆演出パターン2(保留表示の表示態様が変化するのに先行して特定のキャラクタ画像等を出現させ、そのキャラクタ画像の種類により変化する可能性を示唆する演出を行うパターンなど)などが設定されている。なお、保留変化示唆演出決定テーブルは、周辺制御基板1510の制御ROMに記憶されている。また、保留変化示唆演出決定テーブルでは、上述した示唆演出パターンの各々に対する判定値の振分けが同程度であり、各々の保留変化示唆演出の出現率を同程度としているが、判定値の振分けを異ならせ、各々の保留変化示唆演出の出現率が異なるようにしてもよい。
[13.グレースケール演出]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドにより周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aによる制御される演出表示装置1600の表示領域に表示される演出の一例として、上述した周辺制御IC1510aのVDPによるグレースケール設定モードが展開されて演出表示装置1600の表示領域に表示される各種の画像要素がフルカラー画像からグレースケール画像に切り替えられるグレースケール演出について説明する。以下では、グレースケール演出を行う際に、演出表示装置1600の表示領域に表示される演出例について、図194〜図196を参照して簡単に説明する。図194はグレースケール演出の一例を示す説明図であり、図195は図194に続く説明図であり、図196は図195に続く説明図である。ここでは、図107に示した、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受け入れに基づく図113に示した主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、図113に示した周辺制御基板1510(図171に示した周辺制御IC1510a)がグレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出(保留予告演出)と、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aがグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出(保留予告演出)と、について簡単に説明する。
グレースケール演出は、グレースケール演出を行うか否かを決定するグレースケール演出可否抽選を所定時期に行い、グレースケール演出を行うことが決定されることで実行される。具体的に、周辺制御IC1510aのCPUは、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づき主制御基板1310から送信された保留数指定コマンド及び事前判定コマンドを受信し、上述した保留予告決定テーブルの選択、保留予告決定テーブルに設定された保留変化パターンの種別決定および示唆演出パターンの決定がなされた際に、それらの決定結果に拘らず、グレースケール演出可否抽選を行うこととしている。つまり、本実施例の周辺制御IC1510aのCPUは、保留予告演出や保留変化示唆演出の設定と同時期にグレースケール演出の実行を設定可能であり、上述した各種の保留変化示唆演出と並行してグレースケール演出を進行させたり、上述した各種の保留変化示唆演出と独立してグレースケール演出を進行させたりすることが可能となっている。また、本実施例では、なんらかの保留変化示唆が行うことが決定される確率は1/20に設定されているのに対して、グレースケール演出可否抽選によりグレースケール演出を行うことが決定される確率は1/50に設定されており、グレースケール演出が保留変化示唆演出と並行して行われる確率は、グレースケール演出が保留変化示唆演出と並行して行われない確率よりも実行頻度が低くなるように設定されている。
周辺制御IC1510aのCPUは、グレースケール演出可否抽選にてグレースケール演出を行うことを決定した場合には、グレースケール演出の実行を示すグレースケール演出フラグをONに設定し、主制御基板1310が次の保留消化を開始するときにグレースケール演出を開始する。グレースケール演出を開始すると、周辺制御IC1510aのVDPによるグレースケール設定モードが展開されるように周辺制御IC1510aのVDPへの指示を行って、演出表示装置1600の表示領域に表示される各種の画像要素がフルカラー画像からグレースケール画像に切り替えるとともに、装飾体本体3511を含む扉枠3及び遊技盤5にそれぞれ設けられる各種LEDの発光制御を行うときにおいて各種LEDのすべての発光色を白色に変更する処理を開始する。グレースケール演出に関する各種の処理は、グレースケール演出フラグがONに設定されている間、継続的に行われるため、周辺制御IC1510aのVDPによるグレースケール設定モードの処理は、グレースケール演出フラグがONに設定されている期間の毎フレームの生成時に繰り返し行われることとなる。グレースケール演出の終了時期は、後述の演出例で説明しているが、予め定められた終了時期が設定されており、その終了時期が到来すると、グレースケール演出フラグをOFFに設定してグレースケール演出が終了することとなる。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、既にグレースケール演出を行っているときであって、主制御基板1310が保留消化している際に保留追加により保留変化示唆演出を行うか否かを抽選して保留変化示唆演出を行う場合には、新たにグレースケール演出抽選を行わないようように設定されている。これは、既にグレースケール演出を行っている最中であるため、グレースケール演出が新たに上書きされて不要に延長されてしまうことを防ぐと共に、仮にグレースケール演出抽選で落選した場合に誤ってグレースケール演出が解除されないようにするためである。
次に、保留変化示唆演出とグレースケール演出が並行して進行する場合や、並行せずに進行する場合の演出例について説明する。本実施例の周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、演出表示装置1600の表示領域に表示される演出の進行を開始すると、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(a)に示すように、演出表示装置1600の表示領域の全体に宇宙空間(地球と月)が表現される背景画像1640を表示すると共に、この背景画像1640の手前側であって、演出表示装置1600の表示領域の左側には左装飾図柄1650a、演出表示装置1600の表示領域の中央には中装飾図柄1650b、そして演出表示装置1600の表示領域の右側には右装飾図柄1650cの変動表示をそれぞれ開始する。このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、未だ遊技に供されていない遊技球が2球(保留球が2球)あると認識している場合であって、保留変化示唆演出を行わない場合には、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、保留表示として、背景画像1640の手前側であって、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色を有する第1保留表示1655a、そして白色を有する第2保留表示1655bという順番で一列に表示する。また、このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、現在の装飾図柄の変動表示に対応するように、例えば、装飾体本体3511を白色、青色、黄色、赤色のいずれかで発光装飾するなどして、図130に示した裏下可動装飾体装飾基板3512に実装される複数のフルカラーLEDを制御する。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示しているときには背景画像1640が視認できる程度に半透明な態様とし、左装飾図柄1650aは表示領域の左上側から左下側に向かって、中装飾図柄1650bは表示領域の中央上側から中央下側に向かって、右装飾図柄1650cは表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様として変動表示する。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示するまでに、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受け入れに基づく主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、未だ遊技に供されていない保留球の球数を伝える保留表示を行う。
例えば、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示するまでに、保留球が2球から1球増えて3球あると認識している場合であって、この1球増えた保留追加に対して保留変化示唆演出を行わないと判別した場合には、保留表示として、第2保留表示1655bの右方に白色を有する第3保留表示1655cを表示する。これにより、保留球の3球は、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色を有する第1保留表示1655a、白色を有する第2保留表示1655b、そして白色を有する第3保留表示1655cという順番で一列に表示される。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、さらに、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示するまでに、保留球が3球から1球増えて4球あると認識している場合であって、この1球増えた保留追加に対して、保留表示の最終色を赤色にする特定の保留変化パターン(例えば、白→青→黄→赤→赤という変化に対応する保留変化パターン)に応じた保留変化示唆演出(示唆演出パターン1の演出)を行うことが決定された場合には、保留表示として、第3保留表示1655cの右方に白色を有する第4保留表示1655dを表示する。これにより、保留球の4球は、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色を有する第1保留表示1655a、白色を有する第2保留表示1655b、白色を有する第3保留表示1655c、そして白色を有する第4保留表示1655dという順番で一列に表示される。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、図194(b)に示すように、左装飾図柄1650aを図柄1で停止表示し、中装飾図柄1650bを図柄2で停止表示し、右装飾図柄1650cを図柄3で停止表示し、はずれである旨を伝える。
[13−1.グレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出]
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、保留変化示唆演出を行う場合であってグレースケール演出を行わないときには、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(c)に示すように、主制御基板1310による保留消化に伴って、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が4球から3球あると認識して、図194(b)に示した第2保留表示1655b〜第4保留表示1655dを左側へ1つずつ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色を有する第1保留表示1655a、白色を有する第2保留表示1655b、そして青色を有する第3保留表示1655cとする順番で一列に表示する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、第3保留表示1655cとして、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として赤色を決定した第4保留表示1655dの色を、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示する際に、白色から青色へ変化して演出を進行する。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示し、はずれである旨を伝える。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、主制御基板1310による保留消化に伴って、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が3球から2球あると認識して、図194(c)に示した第2保留表示1655b、そして第3保留表示1655cを左側へ1つずつ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色を有する第1保留表示1655a、そして黄色を有する第2保留表示1655bとする順番で一列に表示する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、第2保留表示1655bとして、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(c)に示した第3保留表示1655cの色を、青色から黄色へ変化して演出を進行する。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示し、はずれである旨を伝える。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、主制御基板1310による保留消化に伴って、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が2球から1球あると認識して、上述した第2保留表示1655bを左側へ1つ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央に、赤色を有する第1保留表示1655aを表示する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、第1保留表示1655aとして、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した第2保留表示1655bの色を、黄色から赤色へ変化して演出を進行する。このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310が保留消化している際に保留追加により保留数が1球増えて2球となり、保留表示として、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、第1保留表示1655aの右方に白色を有する第2保留表示1655bを表示する(ここでは、この保留追加に対する保留変化示唆演出の抽選に落選した(保留変化示唆演出を行わない)ものとする)。これにより、保留球の2球は、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、赤色を有する第1保留表示1655a、そして白色を有する第2保留表示1655bという順番で一列に表示される。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、図194(d)に示すように、左装飾図柄1650aを図柄4で停止表示し、中装飾図柄1650bを図柄5で停止表示し、右装飾図柄1650cを図柄6で停止表示し、はずれである旨を伝える。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図195(e)に示すように、主制御基板1310による保留消化に伴って、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が2球から1球あると認識して、図194(d)に示した第2保留表示1655bを左側へ1つ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央に、白色を有する第1保留表示1655aを表示する。このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、図194(d)に示した第1保留表示1655aの色である赤色となるように、図130に示した裏下可動装飾体装飾基板3512に実装される複数のフルカラーLEDを制御して装飾体本体3511の赤色発光装飾を開始する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色となるように、装飾体本体3511の発光装飾を開始する。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図195(f)に示すように、左装飾図柄1650aと右装飾図柄1650cとを同一図柄(図柄7)で停止表示してリーチを形成し、中装飾図柄1650bの変動表示を継続する。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図195(g)に示すように、演出表示装置1600の表示領域の全体に宇宙空間(地球と月)が表現される背景画像1640から恒星間を移動可能なワープ航行が表現される背景画像1645へ切り替えてスーパーリーチへ発展する。なお、本実施形態では、スーパーリーチとして予め複数種類が設定されているため(背景画像が異なり、スーパーリーチへ発展するまでの時間が長いものもあれば、短いものもあり、異なるなるように設定されている。)、リーチが形成されてスーパーリーチへ発展するときには、演出表示装置1600の表示領域の全体に宇宙空間(地球と月)が表現される背景画像1640からスーパーリーチの種類と対応する背景画像(例えば、地球の補給基地が表現されるもの、補給船へのドッキングが表現されるもの、月面基地が表現されるもの、ブラックホールからの脱出が表現されるもの、巨大隕石の接近が表現されるもの、未確認船との遭遇が表現されるもの等を挙げることができる。)へ切り替わる。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図196(h)に示すように、演出表示装置1600の表示領域の中央に、図1に示した押圧操作部303を模したボタン図形1647が上方へ移動する態様のボタン演出を表示する。このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを、演出表示装置1600の表示領域の左下側へ向かって移動しながら縮小し、左装飾図柄1650aと右装飾図柄1650cとを同一図柄(図柄7)で停止表示すると共に、中装飾図柄1650bの変動表示を継続する。その後、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、中装飾図柄1650bを図柄6で停止表示し、はずれである旨を報知する。
ここでは、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図196(i)に示すように、中装飾図柄1650bとして、左装飾図柄1650aと右装飾図柄1650cと異なる図柄(図柄6)に停止表示し、演出表示装置1600の表示領域の全体に、恒星間を移動可能なワープ航行が表現される背景画像1645から宇宙空間(地球と月)が表現される通常の背景画像1640へ再び切り替える(元の通常の背景画像1640へ戻す)と共に、演出表示装置1600の表示領域の左下側に停止表示した左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを、元の位置へ拡大しながら演出表示装置1600の表示領域に停止表示する。続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、主制御基板1310による保留消化に伴って、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示する。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図196(h)において、中装飾図柄1650bを図柄7で停止表示すると、大当りである旨を報知する。その後、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生することとなる。また、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した図195(g)に示したスーパーリーチへ発展しない場合には、上述した図196(i)に示した演出へ進行する。
[13−2.グレースケール演出を伴う保留変化示唆演出]
図194に戻り、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した図194(b)に示したように、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示し、続いて保留変化示唆演出を行う場合であってグレースケール演出を伴わないときには、図194(c)に示した演出を進行していた。これに対して、周辺制御IC1510aのCPUは、保留変化示唆演出を行う場合であってグレースケール演出を並行して行うときには、グレースケール設定モードの展開について周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(b)に続いて、図194(r)に示すように、主制御基板1310による保留消化に伴って、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換するとともに、装飾体本体3511を含む扉枠3及び遊技盤5にそれぞれ設けられる各種LEDの発光制御を行うときにおいて、各種LEDのすべての発光色を白色に変更する処理を開始する。ここでは、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、演出表示装置1600の表示領域に、グレースケールに変換した、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が4球から3球あると認識して、図194(b)に示した第2保留表示1655b〜第4保留表示1655dを左側へ1つずつ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色をグレースケールに変換した色を有する第1保留表示1655a、白色をグレースケールに変換した色を有する第2保留表示1655b、そして青色をグレースケールに変換した色を有する第3保留表示1655cとする順番で一列に表示する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、第3保留表示1655cとして、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として赤色を決定した第4保留表示1655dの色を、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示する際に、白色から青色へ変化してグレースケールに変換した色により演出を進行する。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示し、はずれである旨を伝える。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、主制御基板1310による保留消化に伴って、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する。ここでは、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、演出表示装置1600の表示領域に、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が3球から2球あると認識して、図194(r)に示した第2保留表示1655b、そして第3保留表示1655cを左側へ1つずつ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、白色をグレースケールに変換した色を有する第1保留表示1655a、そして黄色をグレースケールに変換した色を有する第2保留表示1655bとする順番で一列に表示する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、第2保留表示1655bとして、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(r)に示した第3保留表示1655cの色を、青色から黄色へ変化してグレースケールに変換した色により演出を進行する。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを停止表示し、はずれである旨を伝える。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、主制御基板1310による保留消化に伴って、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する。ここでは、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が2球から1球あると認識して、上述した第2保留表示1655bを左側へ1つ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央に、赤色をグレースケールに変換した色を有する第1保留表示1655aを表示する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、第1保留表示1655aとして、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した第2保留表示1655bの色を、黄色から赤色へ変化してグレースケールに変換した色により演出を進行する。このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310が保留消化している際に保留追加により保留数が1球増えて2球となり、保留表示として、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、第1保留表示1655aの右方に白色をグレースケールに変換した色を有する第2保留表示1655bを表示する(ここでは、この保留追加に対する保留変化示唆演出の抽選に落選した(保留変化示唆演出を行わない)ものとする)。これにより、保留球の2球は、演出表示装置1600の表示領域の上側中央から上側右側へ向かって、赤色をグレースケールに変換した色を有する第1保留表示1655a、そして白色をグレースケールに変換した色を有する第2保留表示1655bという順番で一列に表示される。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、図194(s)に示すように、左装飾図柄1650aを図柄4で停止表示し、中装飾図柄1650bを図柄5で停止表示し、右装飾図柄1650cを図柄6で停止表示し、はずれである旨を伝える。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図194(t)に示すように、主制御基板1310による保留消化に伴って、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する。ここでは、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示すると共に、保留球が2球から1球あると認識して、図194(s)に示した第2保留表示1655bを左側へ1つ移動して、演出表示装置1600の表示領域の上側中央に、白色をグレースケールに変換した色を有する第1保留表示1655aを表示する。このとき、周辺制御IC1510aのCPUは、図194(s)に示した第1保留表示1655aの色に対してグレースケールに変換される前の色が赤色であるものの、白色となるように、図130に示した裏下可動装飾体装飾基板3512に実装される複数のフルカラーLEDを制御して装飾体本体3511の発光装飾を開始する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色とせず、白色に変更して装飾体本体3511の発光装飾を開始する。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図195(u)に示すように、左装飾図柄1650aと右装飾図柄1650cとを同一図柄(図柄7)で停止表示してリーチを形成し、中装飾図柄1650bの変動表示を継続する。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、その後、図195(g)に示したスーパーリーチへ発展する直前で、グレースケール演出を終了する。本実施例では、ノーマルリーチの終了後であって、スーパーリーチへの発展前の所定タイミングがグレースケール演出の終了時期に設定されており、個の終了時期の到来により、周辺制御IC1510aのCPUは、グレースケール演出フラグをOFFにして、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する処理を終了すると共に、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色とせず、装飾体本体3511の発光装飾として白色に変更する処理を終了する。また、周辺制御IC1510aのCPUは、扉枠3及び遊技盤5にそれぞれ設けられる各種LEDの発光制御を行うときにおいて各種LEDのすべての発光色を白色に変更する処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、スーパーリーチとして予め複数種類が設定されているため(背景画像が異なり、スーパーリーチへ発展するまでの時間が長いものもあれば、短いものもあり、異なるなるように設定されている。)、リーチが形成されてスーパーリーチへ発展するときには、演出表示装置1600の表示領域の全体に宇宙空間(地球と月)が表現される背景画像1640からスーパーリーチの種類と対応する背景画像(例えば、地球の補給基地が表現されるもの、補給船へのドッキングが表現されるもの、月面基地が表現されるもの、ブラックホールからの脱出が表現されるもの、巨大隕石の接近が表現されるもの、未確認船との遭遇が表現されるもの等を挙げることができる。)へ切り替わる。これにより、本実施形態では、グレースケール演出を終了する時期を複数設定することができるようになっていると共に、グレースケール演出を終了する時期によって、遊技者が色彩を識別することができるフルカラー画像による演出画像の種類を相違することができるようになっている。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した図196(g)に示したスーパーリーチへ発展する演出へ進行する。これにより、演出表示装置1600の表示領域には、その全体がグレースケールに変換された画像から、フルカラー画像の背景画像1645、フルカラー画像の左装飾図柄1650a、フルカラー画像の中装飾図柄1650b、フルカラー画像の右装飾図柄1650c、フルカラー画像の白色を有する第1保留表示1655aへ切り替わって、その全体が本来のフルカラー画像へ戻ると共に、装飾体本体3511の発光装飾は、白色に変更された色から、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色へ切り替わって本来の色へ戻る。また、扉枠3及び遊技盤5にそれぞれ設けられる各種LEDのすべての発光色は、スーパーリーチへ発展する演出へ進行すると、グレースケール演出が終了するまでの白色から、このスーパーリーチの演出と対応する発光色(フルカラーの発光態様)へ切り替わる。
続いて周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した図196(h)に示したボタン演出へ進行し、図196(i)に示した演出へ進行し、その後、主制御基板1310による保留消化に伴って、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、及び右装飾図柄1650cを変動表示する。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、図196(h)において、中装飾図柄1650bを図柄7で停止表示すると、大当りである旨を報知する。その後、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生することとなる。また、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した図195(u)に続いて図195(g)に示したスーパーリーチへ発展しない場合には、グレースケール演出を終了する。つまり、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する処理と、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色とせず、装飾体本体3511の発光装飾として白色に変更する処理と、を終了すると共に、扉枠3及び遊技盤5にそれぞれ設けられる各種LEDのすべての発光色を白色へ変更する処理と、を終了し、周辺制御IC1510aのVDPに指示して、上述した図196(i)に示した演出へ進行する。
このように、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を行う保留変化示唆演出では、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像として、グレースケール演出を行わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換したものであり、保留表示の色が何色から何色へ変化(保留変化)したかを判別することが困難となっている。これにより、グレースケール演出において、保留表示による期待値の示唆を隠すことができる。
また、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出では、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像として、グレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換したものである。これにより、予め定められた複数の保留変化パターンのうちいずれかの保留変化パターンを設定して保留変化を行う場合おいて、同一の保留変化パターンを用いて保留変化を行っても、上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてオブジェクト加工コマンドとしてグレースケール設定モードを指定せずに(つまりグレースケール演出を行わずに)フルカラー画像により演出をすすめる場合と、上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてオブジェクト加工コマンドとしてグレースケール設定モードを指定して(つまりグレースケール演出を行って)グレースケール画像により演出をすすめる場合と、によって、遊技者に与える印象が全く異なる別演出を創り出すことができる。
また、グレースケール演出を終了すると、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する処理を終了すると共に、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色とせず、装飾体本体3511の発光装飾として白色に変更する処理を終了する。これにより、図196(g)に示したスーパーリーチへ発展する演出へ進行すると、演出表示装置1600の表示領域には、その全体がグレースケールに変換された画像から、フルカラー画像の背景画像1645、フルカラー画像の左装飾図柄1650a、フルカラー画像の中装飾図柄1650b、フルカラー画像の右装飾図柄1650c、フルカラー画像の白色を有する第1保留表示1655aへ切り替わって、その全体が本来のフルカラー画像へ戻ると共に、装飾体本体3511の発光装飾は、白色に変更された色から、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色へ切り替わって本来の色へ戻るようになっている。つまり、グレースケール演出を進行中においては保留表示による期待値の示唆を隠すのに対して、グレースケール演出が終了してスーパーリーチへ発展する演出においてはグレースケール演出により隠された保留表示による期待値が解放されることにより保留表示による期待値を示唆することができるという極めて斬新な演出を進行することができるようになっている。
また、図195(t)〜図195(u)に示したグレースケール演出を行う保留変化示唆演出では、グレースケール演出を行わない保留変化示唆演出における、図195(e)に示した青色による装飾体本体3511の発光装飾、図195(f)に示した黄色による装飾体本体3511の発光装飾を、すべて白色に変更して装飾体本体3511の発光装飾を開始するようになっているため、装飾体本体3511の発光装飾による色により保留表示の色を判別することが困難となっている。これにより、グレースケール演出において、装飾体本体3511の発光装飾による期待値の示唆を隠すことができる。
また、保留表示の色を変化する際に、保留表示の色と対応する効果音が各種スピーカ(例えば、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等)から流れるようになっているため、流れる効果音により保留表示の色が何色から何色へ変化したかを遊技者自身で聞き比べて演出の進行を楽しむことができ、グレースケール演出においても遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
また、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を行う保留変化示唆演出では、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像として、グレースケール演出を行わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換したものであるため、グレースケールに変換される画像データを予め図171に示した周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶する必要がなくなることで、画像データの容量を増大することなく、演出のバリエーションを増大することができる。
[14.音量調整について]
次に、本実施形態のパチンコ機1に搭載されている音量調整機能について、以下に説明する。
まず、遊技管理側(ホール側)が操作しうる(遊技者側が操作しえない)音量調整手段として、周辺制御基板1510には、音量のメイン設定値を所定段階(例えば、大、中、小の3段階)に調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dが備えられている。なお、遊技管理側(ホール側)が音量調整スイッチ1510dを操作すると、音量調整操作信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、入力された音量調整操作信号に応じた音量のメイン設定値で、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等のスピーカから演出音を出力することができる。
また、遊技者側が操作しうる音量調節手段として、演出操作ユニット300には、遊技者が回転操作することにより音量のサブ設定値を所定段階(例えば、1〜6の6段階。6が最大)に調整することができる回転駆動ユニット340の回転操作部302が備えられている。このサブ設定値は、メイン設定値の設定段階にかかわらず6段階に調整することができるものであるが、メイン設定値の設定段階に基づき、遊技者が実際に可聴できる音量が変位する。すなわち、遊技者が実際に可聴できる音量は、メイン設定値とサブ設定値を掛け合わせた値に基づくものであり、メイン設定値が「大」、サブ設定値が「6」のときが最大音量であり、メイン設定値が「小」、サブ設定値が「1」のときが最小音量となるように構成されている。なお、遊技者側が回転操作部302を操作すると、回転駆動ユニット340に備えられた第一回転検知センサ347からの検出信号、及び第二回転検知センサ348からの検出信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポートに入力される。周辺制御IC1510aでは、回転操作部302が操作されたか否かを監視しており、回転操作部302が右方向に操作された旨判断されると、その操作量に応じて音量のサブ設定値を上昇させる処理を行い、回転操作部302が左方向に操作された旨判断されると、その操作量に応じて音量のサブ設定値を低下させる処理を行う。
そして、周辺制御IC1510aでは、回転操作部302による音量調整処理を、大当り判定に応じた図柄変動が未だ行われておらず遊技が開始されるよりも前の期間(デモ表示などが行われうる期間)のみならず、遊技が開始されて大当り判定に応じた図柄変動が実行されている期間中においても遊技者による受付を許容するようになっており、より重要な演出が出現したときなどに音量値の機動的な設定変化を可能ならしめることで遊技興趣の維持を図るようにしている。なお、大当り判定に応じた図柄変動が未だ行われておらず遊技が開始されるよりも前の期間(デモ表示などが行われうる期間)にて回転操作部302による音量調整処理が実行されて音量のサブ設定値が変更された際には、その変更後の音量のサブ設定値に対応する設定確認音(例えば「ピ」の効果音)が各種のスピーカから出力される一方で、遊技が開始されて大当り判定に応じた図柄変動が実行されている期間中にて回転操作部302による音量調整処理が実行されて音量のサブ設定値が変更された際には、設定確認音を出力しないこととしている。これは、デモ表示などが行われうる期間では、何れの演出音も出力されていない可能性があることから設定確認音により遊技者に音量を認識させる必要がある一方で、図柄変動が実行されている期間では、何れかの演出音が出力されている可能性が高いことから、演出音そのものの変化で遊技者に音量を認識させることができ、むしろ設定確認音が演出音を阻害してしまうことを防止するようにしている。
本実施形態では、上述したように、図柄変動が実行されている期間中において、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量調整(サブ設定値の変更)を可能としているが、その図柄変動が実行されている期間中のうち、少なくとも遊技者が操作可能な演出操作部301(回転操作部302や押圧操作部303)を用いた特定の演出が実行されている期間中には、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないように制限することとしている。
まず、図柄変動の実行中の演出として、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより演出に変化を与えうる操作演出が行われる場合について、図197を参照して説明する。このような回転操作部302を用いた操作演出としては、例えば、演出表示装置1600の画面上に表示された複数種類の選択画像のなかから、遊技者が回転操作部302を回転操作することによりいずれか一つの選択画像を選択し、所定期間の経過後に、その遊技者が選択した選択画像が、大当り期待度を示唆する画像に変化するようにした演出が挙げられる。
図197に示すように、図柄変動の開始後のタイミングt1から、所定期間の経過後のタイミングt3までの期間には、演出表示装置1600の画面上に複数種類の選択画像を表示するとともに、いずれか一つの選択画像を選択するべく遊技者が回転操作部302を回転操作するように指示する指示演出が行われる。また、指示演出の開始後のタイミングt2から、指示演出の終了時点であるタイミングt3までの期間には、回転操作部302の回転操作の受付が許容される演出操作受付期間が設定される。この演出操作受付期間では、選択画像の選択が確定することなく、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより選択画像の選択を切り替えることが可能な期間となっている。
そして、指示演出の終了時点であるタイミングt3になると、演出操作受付期間の終了に伴い、選択画像の選択が確定する。また、指示演出の終了時点であるタイミングt3から、所定期間の経過後のタイミングt4までの期間には、その確定した選択画像が、大当り期待度を示唆する画像に変化する操作対応演出が行われる。つまり、操作対応演出では、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより選択画像を選択した結果、どのような大当り期待度が示唆されるかを知ることができる。
また、指示演出および操作対応演出からなる操作演出が実行される場合には、指示演出の開始前のタイミングt0から、操作対応演出の終了後のタイミングt5までの期間において、音量調整が行われることを禁止する音量変更禁止フラグがオン状態に制御される。つまり、音量変更禁止フラグは、操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間よりも長い期間にわたって、オン状態に制御される。周辺制御IC1510aでは、音量変更禁止フラグがオフ状態であると、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量のサブ設定値を変更する処理を行い、音量変更禁止フラグがオン状態であると、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量のサブ設定値を変更する処理を行わない。このように、少なくとも指示演出および操作対応演出からなる操作演出が実行されている期間中には、回転操作部302の回転操作による音量調整が行われることを禁止することで、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。なお、周辺制御IC1510aでは、音量変更禁止フラグがオン状態であると、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量のサブ設定値を変更する処理が行われないようにしているが、そのようなサブ設定値の変更制限中であっても、遊技管理側(ホール側)がスライド方式の音量調整スイッチ1510dを操作したときには、音量のメイン設定値を変更する処理が行われるようにしている。
より詳細には、操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間だけでなく、操作演出の開始時点であるタイミングt1よりも前のタイミングt0(例えば、2秒前)から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されている。例えば、操作演出の開始時点であるタイミングt1から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御された場合、音量調整を行うべく操作演出の開始前後にまたがって回転操作部302を回転操作してしまい、操作演出において、遊技者の意図しない選択画像の選択が行われる可能性がある。これに対し、操作演出の開始時点であるタイミングt1よりも前のタイミングt0から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されることで、タイミングt0の前後で遊技者が回転操作部302を回転操作していたとしても、タイミングt0からタイミングt1までの期間に音量が調整できなくなったことに気付くようになり、操作演出において、遊技者の意図しない選択画像の選択が行われることを防止することができる。
また、操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間だけでなく、操作演出の終了時点であるタイミングt4よりも後のタイミングt5(例えば、2秒後)までの期間にわたって、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されている。例えば、操作演出の終了時点であるタイミングt4から、音量変更禁止フラグがオフ状態に制御された場合、操作演出の終了前後にまたがって回転操作部302を回転操作してしまい、操作演出の終了後において、遊技者の意図しない音量調整が行われる可能性がある。これに対し、操作演出の終了時点であるタイミングt4よりも後のタイミングt5までの期間にわたって、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されることで、タイミングt4の前後で遊技者が回転操作部302を回転操作していたとしても、音量調整が行われることがなく、操作演出の終了後において、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
次に、図柄変動の実行中の演出として、遊技者が回転操作部302を回転操作することなしに回転操作部302を回転駆動する駆動演出が行われる場合について、図198を参照して説明する。このような回転操作部302を用いた駆動演出が行われる場合についても、上記した回転操作部302を用いた操作演出と同様に、駆動演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしている。
図198に示すように、図柄変動の開始後のタイミングt1から、所定期間の経過後のタイミングt2までの期間には、回転操作部302を回転駆動する駆動演出が行われる。なお、回転操作部302を用いた駆動演出は、その駆動演出が行われない場合よりも大当り期待度が高いことを示唆する演出として行われる。
また、回転操作部302を用いた駆動演出が実行される場合には、駆動演出の開始前のタイミングt0から、駆動演出の終了後のタイミングt3までの期間において、音量調整が行われることを禁止する音量変更禁止フラグがオン状態に制御される。つまり、音量変更禁止フラグは、駆動演出が実行されているタイミングt1からタイミングt2までの期間よりも長い期間にわたって、オン状態に制御される。このように、少なくとも回転操作部302を用いた駆動演出が実行されている期間中には、音量調整が行われることを禁止することで、遊技者が回転操作部302を回転操作するなどにより駆動演出の実行が阻害されることを防止することができる。
より詳細には、駆動演出が実行されているタイミングt1からタイミングt2までの期間だけでなく、駆動演出の開始時点であるタイミングt1よりも前のタイミングt0(例えば、2秒前)から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されている。例えば、駆動演出の開始時点であるタイミングt1から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御された場合、音量調整を行うべく駆動演出の開始前後にまたがって回転操作部302を回転操作してしまい、駆動演出の実行が阻害される可能性がある。これに対し、駆動演出の開始時点であるタイミングt1よりも前のタイミングt0から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されることで、タイミングt0の前後で遊技者が回転操作部302を回転操作していたとしても、タイミングt0からタイミングt1までの期間に音量が調整できなくなったことに気付くようになり、駆動演出の実行が阻害されることを防止することができる。
また、駆動演出が実行されているタイミングt1からタイミングt2までの期間だけでなく、駆動演出の終了時点であるタイミングt2よりも後のタイミングt3(例えば、2秒後)までの期間にわたって、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されている。例えば、駆動演出の終了時点であるタイミングt3から、音量変更禁止フラグがオフ状態に制御された場合、駆動演出により回転操作部302の回転駆動を一旦停止しただけであるのに回転操作部302を回転操作してしまい、駆動演出の実行が阻害される可能性がある。これに対し、駆動演出の終了時点であるタイミングt2よりも後のタイミングt3までの期間にわたって、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されることで、駆動演出の終了後であることを認識させた後に遊技者が回転操作部302を回転操作して音量調整を行いうるようになり、駆動演出の実行が阻害されることを防止することができる。
次に、図柄変動の実行中の演出として、遊技者が押圧操作部303を押圧操作することにより演出に変化を与えうる操作演出が行われる場合について、図199を参照して説明する。本例のパチンコ機1では、押圧操作部303の周囲に回転操作部302が位置するように、回転操作部302の近傍に押圧操作部303が設けられている。このような押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合についても、上記した回転操作部302を用いた操作演出と同様に、操作演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしている。また、押圧操作部303を用いた操作演出としては、例えば、演出表示装置1600の画面上において、遊技者が押圧操作部303を所定回数(1回であっても複数回であってもよい。)押圧操作するように指示し、その指示された回数だけ遊技者が押圧操作部303を押圧操作すると、大当り期待度を示唆する画像が表示されるようにした演出が挙げられる。なお、押圧操作部303を用いた操作演出では、遊技者が押圧操作部303を所定回数押圧操作するように指示するよりも前に、押圧操作部303が突出する演出が行われてもよい。この押圧操作部303が突出する演出は、突出しない場合よりも大当り期待度が高いことを示唆する演出として行われる。
図199に示すように、図柄変動の開始後のタイミングt1から、所定期間の経過後のタイミングt3までの期間には、演出表示装置1600の画面上において、遊技者が押圧操作部303を所定回数(1回であっても複数回であってもよい。)押圧操作するように指示する指示演出が行われる。また、指示演出の開始後のタイミングt2から、指示演出の終了時点であるタイミングt3までの期間には、押圧操作部303の押圧操作の受付が許容される演出操作受付期間が設定される。この演出操作受付期間は、演出表示装置1600の画面上に指示された回数だけ遊技者が押圧操作部303を押圧操作した時点、または、所定期間が経過した時点で、その期間を終了するものとし、これに伴い、指示演出も終了するものとしている。
そして、指示演出の終了時点であるタイミングt3から、所定期間の経過後のタイミングt4までの期間には、演出表示装置1600の画面上において、大当り期待度を示唆する画像を表示する操作対応演出が行われる。つまり、操作対応演出では、演出表示装置1600の画面上に指示された回数だけ遊技者が押圧操作部303を押圧操作した結果、どのような大当り期待度が示唆されるかを知ることができる。
また、指示演出および操作対応演出からなる押圧操作部303を用いた操作演出が実行される場合には、指示演出の開始前のタイミングt0から、操作対応演出の終了後のタイミングt5までの期間において、音量調整が行われることを禁止する音量変更禁止フラグがオン状態に制御される。つまり、音量変更禁止フラグは、操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間よりも長い期間にわたって、オン状態に制御される。ここで、回転操作部302および押圧操作部303は、演出操作部301として一体的に構成されており、押圧操作部303の周囲に回転操作部302が位置していることから、遊技者が押圧操作部303を押圧操作する際に回転操作部302を誤操作してしまう可能性がある。しかしながら、少なくとも指示演出および操作対応演出からなる押圧操作部303を用いた操作演出が実行されている期間中には、遊技者が回転操作部302を誤操作したとしても音量調整が行われることを禁止することで、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
より詳細には、押圧操作部303を用いた操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間だけでなく、操作演出の開始時点であるタイミングt1よりも前のタイミングt0(例えば、2秒前)から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されている。例えば、操作演出の開始時点であるタイミングt1から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御された場合、音量調整を行うべく操作演出の開始前後にまたがって回転操作部302を回転操作してしまい、操作演出の開始後において、誤操作により遊技者の意図しない押圧操作部303の押圧操作が行われる可能性がある。これに対し、操作演出の開始時点であるタイミングt1よりも前のタイミングt0から、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されることで、タイミングt0の前後で遊技者が回転操作部302を回転操作していたとしても、タイミングt0からタイミングt1までの期間に音量が調整できなくなったことに気付くようになり、操作演出の開始後において、誤操作により遊技者の意図しない押圧操作部303の押圧操作が行われることを防止することができる。
また、押圧操作部303を用いた操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間だけでなく、操作演出の終了時点であるタイミングt4よりも後のタイミングt5(例えば、2秒後)までの期間にわたって、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されている。例えば、操作演出の終了時点であるタイミングt4から、音量変更禁止フラグがオフ状態に制御された場合、操作演出の終了前後にまたがって押圧操作部303を押圧操作してしまい、操作演出の終了後において、誤操作により回転操作部302を回転操作し、遊技者の意図しない音量調整が行われる可能性がある。これに対し、操作演出の終了時点であるタイミングt4よりも後のタイミングt5までの期間にわたって、音量変更禁止フラグがオン状態に制御されることで、タイミングt4の前後で遊技者が押圧操作部303を押圧操作していたとしても、操作演出の終了後において、誤操作により回転操作部302を回転操作することがなく、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
上記したように、押圧操作部303を用いた操作演出が実行される場合には、指示演出の開始前のタイミングt0から、操作対応演出の終了後のタイミングt5までの期間において、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われることを禁止しているが、それにもかかわらず遊技者が回転操作部302を回転操作し続けた場合には、演出表示装置1600の画面上に「音量変更できません」などの特定の通知が行われるようにしている。例えば、押圧操作部303を用いた操作演出が実行されているタイミングt1からタイミングt4までの期間には、遊技者が押圧操作部303を押圧操作する際に回転操作部302を回転操作してしまうなどの単なる誤操作ではなく、音量調整が禁止されていることに気付かずに、音量調整を行おうとして回転操作部302を回転操作している可能性もある。しかしながら、このような場合であっても、上記した特定の通知を行うことで、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないことを明確に認識させ、回転操作部302の回転操作が無駄に行われることを防止することができる。
次に、図柄変動が実行されている期間中において、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量調整が行われた場合における具体的な演出例について、図200を参照して説明する。
まず、変動パターンに関するコマンドが、主制御基板1310側から周辺制御基板1510側に送信されると、演出表示装置1600の画面上では、装飾図柄の変動表示を開始する(図200(A))。そして、装飾図柄の変動表示が実行されている期間中には、回転操作部302が右方向に操作された旨判断されると、その操作量に応じて音量のサブ設定値を上昇させる処理を行う。このとき、演出表示装置1600の画面下方には、音量のサブ設定値が上昇または低下するのに合わせて表示量が増減するようにした音量調整バーを表示し、回転操作部302の操作量に応じて上昇した音量のサブ設定値を、その音量調整バーに表示するようにしている(図200(B))。なお、演出表示装置1600の画面上では、装飾図柄の変動表示が行われる領域と、音量調整バーが行われる領域と、が区分されており、回転操作部302を回転操作することにより出現した音量調整バーによって装飾図柄の変動表示が隠蔽されることを防ぎ、装飾図柄の変動表示に対する視認性が低下することを防止している。
一方、装飾図柄の変動表示が実行されている期間中には、回転操作部302が左方向に操作された旨判断されると、その操作量に応じて音量のサブ設定値を低下させる処理を行う。このとき、演出表示装置1600の画面下方には、音量のサブ設定値が上昇または低下するのに合わせて表示量が増減するようにした音量調整バーを表示し、回転操作部302の操作量に応じて低下した音量のサブ設定値を、その音量調整バーに表示するようにしている(図200(C))。
そして、回転操作部302の操作を停止した後、所定期間(例えば、1.8秒)が経過するまでの間、演出表示装置1600の画面下方には、変更後の音量のサブ設定値が表示される音量表示バーを継続して表示するようにしている(図200(D),(E))。
上述したように、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合には、それらの演出が開始されるよりも前の時点(例えば、2秒前)で、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしている。この点、音量変更禁止フラグをオン状態とした後には、演出表示装置1600の画面上において、音量調整バーに表示される音量のサブ設定値が増減することはないものの、図200(D),(E)に示すように、変更後の音量のサブ設定値が表示される音量表示バーを所定期間、継続して表示するようにしている。このため、突然に音量調整が禁止された場合であっても、どの音量のサブ設定値で音量調整が禁止されたのかを知ることができ、遊技者の不快感を軽減することができる。
また、上記では、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合には、それらの演出が開始されるよりも前の音量変更禁止フラグをオン状態とする時点(例えば、2秒前)から、変更後の音量のサブ設定値が表示される音量調整バーを継続して表示しているが、さらに、それらの演出を開始するまでの間に、その音量調整バーを消去するようにしている。つまり、音量変更禁止フラグをオン状態とした後にも、演出表示装置1600の画面上に音量調整バーが表示されている期間は、音量変更禁止フラグをオン状態としてから上記した演出(回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出)が開始されるまでの期間よりも短いものとしている。これにより、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出の開始時点では、演出表示装置1600の画面上に音量調整バーが表示されておらず、それらの演出に対する視認性が低下することを防止することができる。
本実施形態では、図柄変動が実行されている期間中において、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量調整を可能としているが、上述したように、その図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合には、それらの演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしている。これに加え、音量変更禁止フラグがオン状態である音量調整の禁止期間において、再び、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出のいずれかが行われる場合には、当初の演出の終了後にオフ状態にする予定であった音量変更禁止フラグをオン状態のまま継続し、音量調整の禁止期間が延長されるようにしている。これにより、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出のいずれかが行われた後、再び、同様の演出が行われる場合であっても、遊技者の意図しない音量調整が行われることを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、押圧操作部303を用いた操作演出のいずれが行われる場合にも、操作演出(操作対応演出)の終了後のタイミングt5までの間、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしているが、別例として、操作演出のうち回転操作部302や押圧操作部303が操作される指示演出の終了から所定期間の経過後のタイミングで、音量変更禁止フラグをオフ状態としてもよい。つまり、音量変更禁止フラグは、操作演出のうち指示演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、オン状態に制御すればよく、指示演出の終了から所定期間の経過後のタイミングであれば、指示演出後の操作対応演出が終了するよりも前に、オフ状態に制御してもよい。操作演出のうち指示演出では、回転操作部302や押圧操作部303の操作が要求されるのに対し、指示演出後の操作対応演出では、回転操作部302や押圧操作部303の操作が要求されず、それら操作に対する結果が通知されるのみであることから、操作演出のうち指示演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、音量調整の禁止期間を設けるのみであっても、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
また、本実施形態では、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合だけでなく、図柄変動が実行されていない期間中や、大当り遊技が実行されている期間中においても、回転操作部302を用いた操作演出、押圧操作部303を用いた操作演出のいずれかが行われる場合には、それらの演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしている。例えば、上記した保留予告演出が実行される場合には、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としているが、その図柄変動が開始される前の段階で、演出表示装置1600の画面上に表示された複数種類の選択画像のなかから、遊技者が回転操作部302を回転操作することによりいずれか一つの選択画像を選択し、図柄変動が開始される時点で、その遊技者が選択した選択画像が、保留変化パターンに基づいた保留表示の表示態様に変化するようにした操作演出を実行可能としている。このような場合、図柄変動が実行されていない期間が含まれるように、連続した図柄変動の実行にまたがった期間において、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしている。また、例えば、大当り遊技が実行される場合には、特定のラウンド(例えば、1ラウンド目)で、遊技者が回転操作部302を回転操作することによりいずれか一つの楽曲(選択画像)を選択し、その遊技者が選択した楽曲がスピーカから流れるようにした操作演出を実行可能としている。このように、連続した図柄変動の実行にまたがった期間や、大当り遊技が実行されている期間中においても、回転操作部302を用いた操作演出、押圧操作部303を用いた操作演出のいずれかが行われる場合には、それらの演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、音量調整の禁止期間を設けることで、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
なお、図柄変動の終了後、再び図柄変動が行われることなく所定期間(例えば、2秒)が経過した後には、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量調整を可能とするだけでなく、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより演出表示装置1600における光量調整を可能としている。例えば、周辺制御IC1510aでは、回転操作部302が操作されたか否かの監視に加え、押圧操作部303が操作されたか否かを監視しており、音量調整中に押圧操作部303が操作された旨判断されると、光量調整に切り替えられる。そして、光量調整中において、回転操作部302が右方向に操作された旨判断されると、その操作量に応じて光量(輝度)の設定値を上昇させる処理を行い、回転操作部302が左方向に操作された旨判断されると、その操作量に応じて光量(輝度)の設定値を低下させる処理を行う。これに対し、図柄変動が実行されている期間中には、押圧操作部303が操作された旨判断されたとしても、光量調整に切り替えられることがなく、遊技者の意図しない光量調整が行われて図柄変動の実行中の演出が視認し難くなることを防止することができる。
また、本実施形態では、上記したように、押圧操作部303を用いた操作演出(図199参照)が実行される場合におけるタイミングt0からタイミングt5までの期間に、遊技者が回転操作部302を回転操作すると、演出表示装置1600の画面上に「音量変更できません」など、音量調整が禁止されていることを認知させうる特定の通知が行われるようにすることとしたが、他の操作部を用いた操作演出が行われるときにも、こうした特定の通知を行うようにしてもよい。例えば、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出(図197参照)が行われる場合には、その操作演出が実行されている期間(タイミングt1からt4)よりも長い期間(タイミングt0からt5)にわたって、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしているが、その音量調整の禁止期間のうち上記した演出操作有効期間でない期間(タイミングt0からt2、タイミングt3からt5)には、遊技者が回転操作部302を回転操作した際に、音量調整が禁止されていることを認知させうる特定の通知を行うようにしてもよい。この演出操作有効期間でない期間(タイミングt0からt2、タイミングt3からt5)には、操作演出に対する回転操作部302の回転操作が要求されている期間でなく、音量調整が禁止されていることに気付かずに、音量調整を行おうとして回転操作部302を回転操作している可能性があるが、上記した特定の通知を行うことで、音量調整が行われないことを明確に認識させ、回転操作部302の回転操作が無駄に行われることを防止することができる。なお、こうした場合の特定の通知としては、操作演出に関する演出音が阻害されないように、スピーカから出力される音声ではなく、各種装飾基板から照射される光や、演出表示装置1600の画面上の表示(「音量変更できません」の表示など)によって行われることが好ましい。また、回転操作部302を回転駆動する駆動演出(図198)のときにも同様に、音量調整の禁止期間のうち駆動期間(駆動演出が実行されている期間)でない期間(タイミングt0からt1、タイミングt2からt3)には、上記した特定の通知を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、押圧操作部303を用いた操作演出のいずれが行われる場合には、操作演出(操作対応演出)の終了後のタイミングt5までの間、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしているが、操作演出に対して回転操作部302の回転操作や押圧操作部303の押圧操作が行われることにより操作演出に続いて各種可動体の動作が行われる場合には、その可動体の動作期間の終了から所定期間の経過後のタイミングまでの間、音量変更禁止フラグをオン状態で継続することが好ましい。このように、操作演出に続く可動体の動作期間中には、回転操作部302の回転操作による音量調整が行われることを禁止することで、その可動体の動作に対して集中することができる。
また、本実施形態では、図柄変動が実行されている期間中において、回転操作部302を用いた操作演出が行われる場合には、その操作演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないようにしているが、回転操作部302を用いた操作演出として特殊な操作演出については、その特殊な操作演出が実行されている期間に音量変更禁止フラグをオン状態にすることなく、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量の変更と演出への反映とが並行して行われるようにしてもよい。このような特殊な操作演出としては、例えば、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量を上下させることが要求される演出が挙げられる。
[15.共通操作部について]
次に、上記した実施例では、回転操作部302を用いた操作演出や、押圧操作部303を用いた操作演出について記載したが、上記した実施例とは別の実施例として、以下のような構成としてもよい。図201は、別の実施例としてのパチンコ機を右前から見た斜視図である。
図201に示すように、本構成の扉枠3には、ハンドルユニット180のハンドル182の右側方に、奥行き方向に押し込み式の共通操作部255(兼用ボタン)を設けることとしている。この共通操作部255は、遊技者が適正にハンドル182を回転操作したときに、人差し指で奥行き方向に押下しうる位置に設けられており、回転操作部302や押圧操作部303よりも目立つことがないように、回転操作部302や押圧操作部303のような多数のLEDによる発光装飾もなく、回転操作部302や押圧操作部303よりも操作受け部の面積の小さい控えめな外観態様で構成されている。なお、共通操作部255は、扉枠3に限らず、ハンドル182を回転操作したときに操作できる部位であれば、他の部位に設けることとしてもよい。また、共通操作部255では、演出音に関する音量のサブ設定値を変更しえないこととしてもよい。
上記した共通操作部255は、回転操作部302を用いた操作演出、押圧操作部303を用いた操作演出が行われるときに有効となるものである。具体的に、本構成では、遊技者側が共通操作部255を操作すると、共通操作部検知センサからの検出信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポートに入力されるようになっている。周辺制御IC1510aでは、回転操作部302や押圧操作部303を用いた操作演出における演出操作有効期間に共通操作部255の操作状況を監視し、共通操作部検知センサからの検出信号が入力されて共通操作部255が操作された旨判断されると、回転操作部302や押圧操作部303の演出操作有効期間を終了し、回転操作部302や押圧操作部303を操作したものとみなして、それらに対応する操作対応演出を実行する。つまり、本構成では、押圧操作部303を用いた操作演出を行う際に、押圧操作部303を押下する代わりに共通操作部255を押下すれば、押圧操作部303を操作したものとみなして操作対応演出が進展することとなる。また、突出状態となった押圧操作部303を押下する代わりに共通操作部255を押下すれば、押圧操作部303を操作したものとみなして操作対応演出が進展することとなり、この場合には、共通操作部255の操作に基づいて、操作されていない押圧操作部303が通常状態(突出した状態ではない状態)に戻すよう肉動させる処理が行われることとなる。また、回転操作部302を用いた操作演出を行う際には、回転操作部302を回転操作する代わりに共通操作部255を押下すると、回転操作部302を特定の方向(例えば時計回り(右方向))に回転操作した際と同じ挙動を示すように、回転操作部302を右方向に回転操作したものとみなして操作対応演出が進展することとなる。以上のように、本構成では、操作態様の異なる複数の操作部(回転操作部302、押圧操作部303)を共通操作部255で兼用することができ、遊技者がハンドル182を操作して遊技球Bを発射しながら片手で各種の操作演出を進行することができ、利便性を高められる。
加えて、遊技の進行過程にて、回転操作部302や押圧操作部303を用いた操作演出として、押圧操作部303に対する複数回の押下操作を要する連打演出や、回転操作部302に対する左右方向への小刻みな回転操作を要する相互回転演出、あるいは、押圧操作部303や回転操作部302の同一の操作部に対する長時間操作を要する長操作演出(長押し演出、長回し演出など)といった特定操作態様を要する操作演出が実行される場合にも、上述した共通操作部255が上述の特定操作態様に対応付けられた兼用態様(例えば長押し)で操作されることを条件に、こうした特定操作態様を要する操作演出にも共通操作部の操作を反映させるようにしてもよい。
上記に加え、回転操作部302や押圧操作部303を用いた操作演出にて遊技者側が回転操作部302や押圧操作部303を操作したときに、所定の振動手段(振動スピーカや振動モータの駆動など)によって当該パチンコ機1の所定部位が振動して回転操作部302や押圧操作部303を通じて遊技者に振動感を与えるようなものの場合、上述した共通操作部255が操作されたときにも、回転操作部302や押圧操作部303を操作したときと同様に、振動手段(振動スピーカや振動モータの駆動など)によって当該パチンコ機1の所定部位が振動して共通操作部255を通じて遊技者に振動感を与えるようにしてもよい。これにより、上記した利便性を高められるという遊技効果をより効果的に実現できる。
上記に変えて、共通操作部255では、演出音に関する音量のサブ設定値を変更できるようにしてもよい。例えば、音量のサブ設定値を変更する際には、回転操作部302を回転操作する代わりに共通操作部255を押下すると、回転操作部302を時計回り(右方向)に回転操作した際と同じ挙動を示す。さらに、上記した実施例と同様に、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出、押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合には、音量変更禁止フラグをオン状態とし、共通操作部255の役割を、音量操作から回転操作部302あるいは押圧操作部303への演出操作に切り替えるようにしてもよい。すなわち、音量変更禁止フラグをオン状態とする音量調整の禁止期間には、共通操作部を押下したとしても音量調整が行われることなく、回転操作部302あるいは押圧操作部303を操作したものとみなして操作対応演出が進展するようにしてもよい。このように、回転操作部302だけでなく共通操作部255に対しても音量調整も禁止することで、遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止することができる。
[16.通常先読み演出設定処理]
以下、ステップS2003の通常先読み演出設定処理について説明する。前述したように通常先読み演出は、原則的に始動口に遊技球が入賞したタイミングで実行される先読み演出であるが、演出実行タイミング変更されることもある。
図291は、通常先読み演出の実行タイミングが変更された場合における演出の一例を示す説明図である。以下、通常先読み演出は、保留表示の態様を変化させる演出に限らない。(A)では、押圧操作部303の押圧を促す操作指示演出が演出表示装置1600において実行されている最中に、遊技球Bが第一始動口2002に入賞している。なお、当該入賞は、通常先読み演出として、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が実行される入賞である。しかし、図291の例では、当該入賞に対応する通常先読み演出の実行タイミングが変更され、当該入賞時には振動演出は実行されない。
続いて、(B)では、遊技者は(A)の操作指示演出に従って押圧操作部303を押圧したが、当該変動がはずれ変動であったことが演出表示装置1600に表示されている。また、(A)における入賞に対応する保留始動記憶が第1保留表示1655aに表示されている。続いて、(C)では、当該はずれ変動の次の変動の開始時に、実行タイミングが変更された通常先読み演出である振動演出が実行される。
仮に(A)における操作指示演出実行中に、通常先読み演出である振動演出が実行されると、遊技者が押圧操作部303を押圧したタイミングで通常先読み演出である振動演出が実行されるおそれがある。この場合、押圧操作部303の押圧を契機に振動演出が実行されたと、遊技者に誤解を与えてしまうおそれがある。
図291の演出のように、演出制御プログラムは、操作指示演出中における通常先読み演出である振動演出の実行を禁止し、操作指示演出終了後に実行することにより、通常先読み演出と他の演出とを遊技者に明確に区別させることができ、遊技者に演出の実行契機についての誤解を与えることがない。また、通常先読み演出実行のタイミングを先送りすることにより、遊技者に意外性を感じさせる演出を提供することができ、ひいては遊技者は特定の演出の実行時の始動口への入賞について、遊技者は入賞後の期間においても通常先読み演出の実行を期待することができる。
図292は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動は、リーチ演出が実行される変動であり、リーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行される。図292の例では、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が通常先読み演出として実行される入賞が、操作指示演出中の演出操作ユニット300の操作有効期間にあった。例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を当該入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを変更する。例えば、タイミング変更後の振動演出は、第1変動の次変動である第2変動の開始時に実行される。
図293は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動は、リーチ演出が実行される変動であり、リーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行される変動である。図293の例では、当該操作指示演出において、例えば、押圧操作部303が下降位置から上昇位置へと上昇する押圧操作部動作演出の後に、操作有効期間が開始する。
図293の例では、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が通常先読み演出として実行される入賞が、操作指示演出中の押圧操作部動作演出中にあった。例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を当該入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを変更する。例えば、タイミング変更後の振動演出は、第1変動の次変動である第2変動の開始時に実行される。なお、図292や図293の例において、リーチ前期間内や、リーチ期間の操作指示演出が実行されていない期間に、振動演出が通常先読み演出として実行される入賞があった場合、例えば、当該入賞時に通常先読み演出が実行される。
図294は、ステップS2003の通常先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図294のフローチャートは、図292及び図293の変更を実現するための処理の一例を示す。演出制御プログラムは、ステップS2002等で選択された通常先読み演出が特定の通常先読み演出であるか否かを判定する(S2012)。
続いて、演出制御プログラムは、選択された通常先読み演出が特定の通常先読み演出でないと判定した場合(S2012:No)、ステップS2015に遷移する。演出制御プログラムは、選択された通常先読み演出が特定の通常先読み演出であると判定した場合(S2012:Yes)、特定の演出が実行中であるか否かを判定する(S2013)。振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出と、演出操作ユニット300の操作指示演出と、の組み合わせは、特定の通常先読み演出と、特定の演出と、の組み合わせの一例である。
演出制御プログラムは、特定の演出が実行中でないと判定した場合(S2013:No)、ステップS2015に遷移する。演出制御プログラムは、特定の演出が実行中であると判定した場合(S2013:Yes)、通常先読み演出実行タイミング変更処理を行う(S2014)。前述した通りステップS2014を経ない場合の通常先読み演出の実行タイミングは、始動口に遊技球が入賞したタイミングであるが、ステップS2014では当該タイミングを変更する。実行中の変動の次の変動開始時は、変更後のタイミングの一例である。
続いて、演出制御プログラムは、通常先読み演出設定を実行する(S2015)。具体的には、例えば、保留表示の色を変化させるための設定を行ったり、効果音を出力させたり、ランプを点灯させたり、役物を可動させたりするための設定等、選択された通常先読み演出を実行するための設定を行う。なお、演出制御プログラムは、ステップS2014において、通常先読み演出の実行タイミングを変更した場合は、変更後の実行タイミングで通常先読み演出が実行されるようステップS2015の処理を行う。これにより、図292及び図293を用いて説明した、通常先読み演出の実行タイミング変更が実現できる。
また、図275に示す特図先読み演出制御処理において行われる通常先読み演出設定処理においては、保留先読み演出及び背景先読み演出予告以外の通常先読み演出についての設定処理をステップS2015で実行する。また、図279に示す特図先読み演出制御処理において行われる通常先読み演出設定処理においては、保留先読み演出及び図柄背景先読み演出予告以外の通常先読み演出についての設定処理をステップS2015で実行する。
なお、演出制御プログラムは、特定の演出を実行中であると判定した場合(S2013:Yes)、通常演出先読み設定処理を終了してもよい、即ち通常先読み演出の実行を禁止してもよい。具体的には、例えば、演出制御プログラムは、通常先読み演出の入賞に対応する変動が大当り変動であるか否かに基づいて、通常先読み演出の実行タイミングを変更するか、通常先読み演出の実行を禁止するかを決定してもよい。また、例えば、演出制御プログラムは、第2変動の変動パターンが所定の変動パターンであるか否かに基づいて、通常先読み演出の実行タイミングを変更するか、通常先読み演出の実行を禁止するかを決定してもよい。また、例えば、演出制御プログラムは、通常先読み演出の実行タイミングを変更するか、通常先読み演出の実行を禁止するかをランダムに決定してもよい。また、演出制御プログラムは、ステップS2012〜S2014の処理を実行しなくてもよい、即ち全てのケースにおいて、通常先読み演出の実行タイミングを変更しなくてもよい。
なお、通常先読み演出と他の演出とを遊技者に明確に区別させるために、ステップS2012における特定の通常先読み演出と、当該特定の通常先読み演出に対応するステップS2013における特定の演出と、の組み合わせにおいて、演出の態様が共通していることが望ましい。演出に使用される部が同じ態様で動作することは、演出の態様が共通していることの一例である。また、演出に使用される部が共通であることは、演出の態様が共通していることの一例である。
前述したように、演出操作ユニット300の振動演出である通常先読み演出と、遊技者に演出操作ユニット300の操作を促す演出と、は演出に使用される部が共通しているため、当該組み合わせの一例である。また、演出操作ユニット300の振動演出である通常先読み演出と、押圧操作部動作演出と、は演出において使用される部が共通しており、さらに押圧操作部303が動作する点において共通しているため、当該組み合わせの一例である。
同様に、例えば、所定のパターンでLEDが発光する通常先読み演出がステップS2012における特定の通常先読み演出である場合、当該特定の通常先読み演出に対応するステップS2013の特定の演出は、LEDが発光する演出であることが望ましい。この場合、ステップS2013の特定の演出は、当該通常先読み演出と同様のパターンでLEDが発光する演出であることが、特に望ましい。また、同様に、例えば、所定の音がスピーカから出力する通常先読み演出がステップS2012における特定の通常先読み演出である場合、当該特定の通常先読み演出に対応するステップS2013の特定の演出は、スピーカから音が出力する演出であることが望ましい。この場合、ステップS2013の特定の演出は、当該通常先読み演出と同様の音がスピーカから出力する演出であることが、特に望ましい。
図295は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動は、リーチ演出が実行され、かつリーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行されることが確定している変動パターンに対応する変動である。図295の例では、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が通常先読み演出として実行される入賞が、第1変動中のリーチ前期間にあった。例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を当該入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを変更してもよい。例えば、タイミング変更後の振動演出は、第1変動の次変動である第2変動の開始時に実行される。
演出制御プログラムは、操作指示演出終了以前の第1変動中の期間の入賞について、通常先読み演出の実行タイミングを操作指示演出より後に変更することにより、通常先読み演出と他の演出とをさらに明確に区別することができ、遊技者に誤解を与えない効果をより高めることができる。
図296は、ステップS2003の通常先読み演出設定処理の他の一例を示すフローチャートである。図296のフローチャートは、図295の変更を実現するための処理の一例を示す。図294との共通の処理についての説明は省略する。
演出制御プログラムは、特定の演出が実行中でないと判定した場合(S2013:No)、実行中の変動の変動パターンが特定の変動パターンであるか否かを判定する(S2016)。振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が特定の通常先読み演出である場合、操作指示演出が実行されることが確定している変動パターンは、当該特定の変動パターンの一例である。
演出制御プログラムは、実行中の変動の変動パターンが特定の変動パターンであると判定した場合(S2016:Yes)、ステップS2014に遷移する。演出制御プログラムは、実行中の変動の変動パターンが特定の変動パターンでないと判定した場合(S2016:No)、ステップS2015に遷移する。これにより、図295を用いて説明した、通常先読み演出の実行タイミング変更が実現できる。
なお、演出制御プログラムは、実行中の変動の変動パターンが特定の変動パターンであると判定した場合(S2016:Yes)、通常演出先読み設定処理を終了してもよい、即ち通常先読み演出の実行を禁止してもよい。また、演出制御プログラムは、ステップS2012〜S2016の処理を実行しなくてもよい、即ち全てのケースにおいて、通常先読み演出の実行タイミングを変更しなくてもよい。
なお、通常先読み演出と他の演出とを遊技者に明確に区別させるために、ステップS2012における特定の通常先読み演出と、当該特定の通常先読み演出に対応するステップS2016における特定の変動パターンにおいて必ず実行される演出と、の組み合わせにおいて、演出の態様が共通していることが望ましい。
図297は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動及び第2変動は、リーチ演出が実行され、かつリーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行されることが確定している変動パターンに対応する変動である。図297の例では、当該変動パターンが、ステップS2016における特定の変動パターンである。図297の例では、第1変動中のリーチ前期間において、通常先読み演出として、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が実行される入賞があった。また、当該入賞より先に第2変動に対応する入賞が完了している。第3変動は第2変動の次の変動であり、リーチ演出が実行されない変動パターンに対応する変動である。
例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを第3変動開始時に変更してもよい。具体的には、演出制御プログラムは、ステップS2015において、例えば、通常先読み演出に対応する入賞時に既に存在する保留始動記憶のうち、ステップS2016における特定の変動パターンでない最初の変動の直前の変動、において実行される操作指示演出より後のタイミングに、通常先読み演出を実行するよう決定する。なお、第1変動以降、かつ先読み演出に対応する入賞の変動より前の変動の全てが、リーチ演出が実行され、かつリーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行されることが確定している変動パターンに対応する変動である場合、演出制御プログラムは、ステップS2014において、通常先読み演出の実行を禁止してもよい。
図298は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動は、リーチ演出が実行され、かつリーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行されることが確定している変動パターンに対応する変動である。図298の例では、第1変動中のリーチ前期間において、通常先読み演出として、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が実行される入賞があった。第2変動は、その変動パターンが特図先読み演出を禁止する禁止パターンであると、ステップS2058において判定された変動である。図298の例では、禁止パターンが、ステップS2016における特定の変動パターンである。また、当該入賞より先に第2変動に対応する入賞が完了している。第3変動は第2変動の次の変動であり、リーチ演出が実行されない変動パターンに対応する変動である。
例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを第3変動開始時に変更してもよい。具体的には、演出制御プログラムは、ステップS2015において、例えば、通常先読み演出に対応する入賞時に既に存在する保留始動記憶のうち、ステップS2016における特定の変動パターンでない最初の変動の直前の変動、において実行される操作指示演出より後のタイミングに、通常先読み演出を実行するよう決定する。なお、第1変動以降、かつ先読み演出に対応する入賞の変動より前の変動の全てが、禁止パターンに対応する変動である場合、演出制御プログラムは、ステップS2014において、通常先読み演出の実行を禁止してもよい。
以下、変更後の通常先読み演出の実行タイミングの他の例を図299及び図300を用いて説明する。図299は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動は、リーチ演出が実行され、かつリーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行される変動である。図299の例では、図292の例と同様に、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が通常先読み演出として実行される入賞が、操作指示演出中の操作有効期間にあった。例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを変更する。例えば、タイミング変更後の振動演出は、第1変動の終了時に図柄の停止に合わせて実行される。
図300は、通常先読み演出の実行タイミング変更の一例を示す説明図である。第1変動は、リーチ演出が実行され、かつリーチ期間中に押圧操作部303の操作指示演出が実行される変動である。図300の例では、図292の例と同様に、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が通常先読み演出として実行される入賞が、操作指示演出中の操作有効期間にあった。第2変動は第1変動の次の変動であり、リーチ演出が実行されない変動パターンに対応する変動である。また、当該入賞より先に第2変動に対応する入賞が完了している。第3変動は第2変動の次の変動であり、リーチ演出が実行されない変動パターンに対応する変動である。
例えば、この場合、演出制御プログラムは、振動演出を入賞時に実行せず、振動演出の実行タイミングを変更する。例えば、タイミング変更後の振動演出は、第1変動の次の次の変動である第3変動開始時に実行される。図300の例のように、通常先読み演出の実行タイミングを、通常先読み演出に対応する入賞時に実行中の変動の次の次以降の変動で実行することにより、遊技者に意外性を感じさせる演出を提供することができ、さらに遊技者は特定の演出の実行時の始動口への入賞について、遊技者は入賞後の長い期間において通常先読み演出の実行を期待することができる。
図291等の例においては、実行タイミング変更後の通常先読み演出が、操作指示演出が実行される次の変動開始時に実行されていたが、図298及び図299の例のように、変更後のタイミングは、遊技者が、操作指示演出と通常先読み演出とを混同しないタイミングであればよい。具体的には、例えば、変更後のタイミングは、通常先読み演出と共通の態様の演出が実行されないタイミング、かつ通常先読み演出に対応する入賞の変動開始以前であればよい。
なお、例えば、演出制御プログラムは、ステップS2014において、複数のタイミングから、通常先読み演出の変更後の実行タイミングを選択してもよい。具体的には、例えば、演出制御プログラムは、第2変動の変動パターンが所定の変動パターンであるか否かに基づいて、第1変動の終了時に図柄の停止に合わせて通常先読み演出を実行するか、第2変動の開始時に通常先読み演出を実行するか、を決定してもよい。また、例えば、演出制御プログラムは、複数のタイミングから、通常先読み演出の変更後の実行タイミングをランダムに選択してもよい。これにより遊技者は、様々なタイミングにおいて、通常先読み演出が実行されるのではないかと期待感を持つことができる。
なお、図291〜図300では第1変動がはずれ変動である例を説明したが、第1変動が当り変動であって、第1変動の実行中に通常先読み演出に対応する入賞が実行された場合、演出制御プログラムは、ステップS2014において通常先読み演出の実行の禁止を決定してもよい。
[17.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技領域5aの外周を区画している透明枠状の前構成部材1000の枠内を閉鎖するようにその後側に取付けられ、前面に複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されていると共に、前面に遊技領域5aが形成された透明平板状の遊技パネル1100のパネル板1110に、正面視において遊技領域5aの中央に対して右上に偏芯した位置にセンター役物2500を取付けるための開口部1112を有するようにした上で、遊技パネル1100のパネル板1110において、開口部1112の中心を通り遊技領域5aの中央と開口部1112の中央とを結んだ線と直交する線を境に、開口部1112が偏芯している方向の側を装飾パターン非形成領域1102とすると共に、その反対側を装飾パターン形成領域1101とし、装飾パターン形成領域1101におけるパネル板1110の後面に、パネル板1110の後面を装飾する装飾パターン1150を形成していることから、パネル板1110の側面から光を入射させるパネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させていない状態では、本パチンコ機1に備えられている発光装飾体や演出表示装置1600等からの光、パチンコ機1を設置している遊技ホール内の照明の光、近くに設置されている他のパチンコ機からの光、更には、本パチンコ機1の前方で着座している遊技者の目の位置、等によって、装飾パターン1150の見え具合が様々に変化して見えることとなるため、遊技パネルに装飾シートを貼り付けた従来のパチンコ機とは、明らかに異なる印象(雰囲気)の遊技領域5a内を遊技者に見せことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、遊技パネル1100のパネル板1110の装飾を遊技者に楽しませて、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
そして、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させると、遊技パネル1100のパネル板1110の側面から入射された光が装飾パターン1150において前方へ反射されることで、透明なパネル板1110を通して見える装飾パターン1150が光って見えることとなりパネル板1110の後面を発光装飾させることができるため、装飾パターン1150を目立たせることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができる。また、装飾パターン1150を発光装飾させることで、発光装飾させていない時とは装飾パターン1150の見え方を異ならせることができることから、従来のパチンコ機では見ることができなかった遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾の発光を見せることができるため、装飾パターン1150が発光装飾されることで、チャンスの到来等のように遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾パターン1150を、遊技パネル1100におけるパネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aから所定範囲内の通常導光領域1103内に形成された放射部1151、及び通常導光領域1103外に形成された放射部1151と、遊技パネル1100のパネル板1110の側面から入射された光を前方へ反射させると共に通常導光領域1103から遠ざかった放射部1151へ誘導させる放射導光部1152と、で構成しており、装飾パターン1150の放射導光部1152により、通常導光領域1103の外側に形成されている放射部1151へ光を導くようにしているため、パネル装飾用LED1130aから遠い放射部1151でも、パネル装飾用LED1130aに近い放射部1151と同じような明るさで発光装飾させることが可能となり、装飾パターン1150全体を均一に発光装飾させることができ、装飾パターン1150の発光装飾の見栄えを良くすることができる。
また、放射導光部1152によりパネル装飾用LED1130aから遠くの位置の放射部1151まで光を導くことができるため、遊技パネル1100のパネル板1110の外周側面に対して、パネル装飾用LED1130aを部分的に配置しても、装飾パターン1150を均一に発光装飾することができる。これにより、パネル板1110の全周に亘ってパネル装飾用LED1130aを配置する必要がなく、パネル装飾用LED1130aをスペースの確保し易い正面視左上と左下の位置に配置することができ、パネル装飾用LED1130aの配置スペースを確保するために遊技パネル1100のパネル板1110が小さくなってしまうことを回避させることができる。
更に、遊技パネル1100のパネル板1110において、センター役物2500を取付けるための右上へ偏芯して貫通している開口部1112の中心を通り、遊技領域5a(パネル板1110)の中央と開口部1112の中央とを結んだ線と直交する線を境にして、開口部1112が偏芯している方向の側(右上側)はパネル板1110の幅が狭く、反対側(左下側)はパネル板1110の幅が広くなっており、幅が広い側を装飾パターン形成領域1101とし、幅の狭い側を装飾パターン非形成領域1102としていることから、パネル板1110の幅の広い装飾パターン形成領域1101に装飾パターン1150が形成されるため、装飾パターン1150が大きくなり装飾パターン1150を見え易くすることができ、装飾パターン1150の装飾を遊技者に楽しませることができる。また、パネル板1110の幅の狭い装飾パターン非形成領域1102には、装飾パターン1150を形成しないようにしているため、当該領域に装飾パターン1150を形成しなくても遊技領域5a内の見栄えが悪くなることはなく、幅の狭い見え辛い領域に装飾パターン1150を無駄に形成することを回避させることができ、装飾パターン1150の形成にかかる手間を低減させることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110の後面の一部(装飾パターン形成領域1101)に、装飾パターン1150を形成するようにしているため、パネル板1110の後面の全体に装飾パターン1150を形成するようにした場合と比較して、装飾パターン1150の形成にかかる手間を軽減させることができ、パチンコ機1のコストの増加を抑制させることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110において、複数の障害釘Nのうち遊技内容に影響を与える特定障害釘N1を中心にした正面視所定半径を装飾禁止領域1104とし、その装飾禁止領域1104を避けるように装飾パターン1150を形成するようにしている。これにより、特定障害釘N1に無数の遊技球Bが当接することで、特定障害釘N1が歪んだり傾いたりして、予め設定されている遊技球Bの流れを提供することができなくなることを防止するために、特定障害釘N1を叩いて予め設定されている状態に調整する際に、特定障害釘N1の周り(装飾禁止領域1104)に装飾パターン1150を形成していないため、特定障害釘N1の現状の歪み具合を見え易くすることができ、特定障害釘N1のメンテナンスを容易なものとすることができる。また、特定障害釘N1の周りに装飾パターン1150を形成していないため、メンテナンスの際に特定障害釘N1が叩かれても、特定障害釘N1からパネル板1110に伝達された衝撃が、特定障害釘N1に近い部位の装飾パターン1150に到達するまでにある程度減衰されることとなり、たとえ応力が集中しても、その力が弱くなっていることでパネル板1110にヒビが入ったり割れたりすることはなく、特定障害釘N1のメンテナンスを行い易いものとすることができる。
更に、装飾禁止領域1104を設けるようにしていることから、パネル板1110における装飾パターン1150を形成することができる部位を明確にすることができるため、特定障害釘N1に対して装飾パターン1150を無用に遠ざけてしまうことを回避させることができ、より多彩な装飾パターン1150を形成し易くすることができると共に、装飾性の高い装飾パターン1150を形成することができ、遊技者に対する訴求力をより高めることができる。
また、装飾禁止領域1104により特定障害釘N1を避けて装飾パターン1150を形成するようにしていることから、特定障害釘N1を除いた障害釘Nが植設される部位の後方では装飾パターン1150と重なるものも存在することとなるため、装飾パターン1150と重なるように植設されている障害釘Nでは、発光装飾された装飾パターン1150により当該障害釘Nの先端に光を照射させて、当該障害釘Nの先端を輝かせることができ、障害釘Nと先端が輝くようなこれまでのパチンコ機では見ることのできなかった発光演出を遊技者に見せて楽しませることができる。
また、パネル装飾用LED1130aにより装飾パターン1150を発光装飾させると、その発光装飾の光によって、遊技領域5aよりも外側である前構成部材1000の外周と内周との間の部位も発光させることができる。そして、装飾パターン1150の発光装飾により、前構成部材1000の外周と内周との間の部位を発光装飾させることができることから、当該部位に取付けられている機能表示ユニット1400や証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙に対して、後方から光を照射させることが可能となるため、機能表示ユニット1400や証紙を発光装飾させることができ、従来のパチンコ機では発光することのなかった機能表示ユニット1400や証紙が発光装飾されることで、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、それらが発光装飾されることで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、常時視認可能な装飾パターン1150に、遊技パネル1100の後方に配置されている裏前演出ユニット3600における裏前装飾基板3603の内側を向いている外縁に沿っている部位を有しているため、装飾パターン1150の当該部位により、遊技パネル1100のパネル板1110を通して見た時に裏前装飾基板3603の外縁を認識させ辛くすることができる。また、装飾パターン1150に、裏前装飾基板3603の外縁に沿っている部位を有していることから、装飾パターン1150の装飾と、裏前装飾基板3603の形状(装飾)とが似通っていることとなるため、裏前装飾基板3603と装飾パターン1150とで一体感のある装飾を見せることができると共に、奥行き感のある装飾を見せることができ、正面視における遊技領域5a内の見栄えを良くすることができる。
更に、導光板用LED2612a、導光板用LED3172a、及び導光板用LED3221aを発光させていない状態では、表導光板2610、裏第二導光板3160、及び裏第一導光板3210が透明となっており、表導光板2610、裏第二導光板3160、及び裏第一導光板3210の後方に配置されている演出表示装置1600の表示画面を前方から視認することができると共に、遊技パネル1100のパネル板1110に形成されている装飾パターン1150を視認することができる。この状態で、導光板用LED2612a、導光板用LED3172a、及び導光板用LED3221aの何れかとパネル装飾用LED1130aとを発光させると、表導光板2610の第二絵柄2622、裏第二導光板3160の第六絵柄3162、及び裏第一導光板3210の第三絵柄3211の何れかの装飾と装飾パターン1150とが一体となったような発光装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、正面視において遊技領域5a内の中央に遊技パネル1100(パネル板1110)を通して視認可能に演出表示装置1600が配置されており、演出表示装置1600よりも前方に、透明な裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160が配置されていると共に、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160の外側から内側の位置まで延びている透明な裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152が配置されている。そして、第五絵柄用基板3171の導光板用LED3171a、第六絵柄用基板3172の導光板用LED3172a、第三絵柄用基板3221の導光板用LED3221a、及び第四絵柄用基板3222の導光板用LED3222aを、発光させていない状態では、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160が透明な状態となっており裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160を通して後方の演出表示装置1600に表示されている演出画像を視認することができ、表示されている演出画像を楽しませることができると共に、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152見え辛い状態となっている。
この状態で、導光板用LED3172a又は導光板用LED3221aと、LED3203a、LED3221b、LED3222b、LED3153a、LED3171b、及びLED3172bと、を発光させると、正面視遊技領域5a内の中央で演出表示装置1600の前方に、特定の対象物(割れたガラス)が描かれた特定絵柄としての第三絵柄3211又は第六絵柄3162が発光表示されると共に、第三絵柄3211や第六絵柄3162の周囲に、第三絵柄3211や第六絵柄3162の対象物と同じような形状のユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202が発光装飾され、第三絵柄3211や第六絵柄3162の発光表示とユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202の発光装飾とによって演出表示装置1600に表示されている演出画像が見え辛くなり、発光表示された第三絵柄3211又は第六絵柄3162と発光装飾されたユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202とが目立って見えることとなる。
つまり、裏第一導光板3210又は裏第二導光板3160による第三絵柄3211又は第六絵柄3162の発光表示とユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202の発光装飾とによる発光演出を実行すると、演出表示装置1600に表示されていた演出画像が見え辛くなって、代わりに、第三絵柄3211又は第六絵柄3162と、ユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202とが目立って見えるため、遊技者に対して強いインパクトを与え遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。この際に、第三絵柄3211や第六絵柄3162と、ユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202とは、前後方向へ離隔しているため、第三絵柄3211や第六絵柄3162と、ユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202とが前後方向に重なっている部位では、重なっている部分が、前方へ飛び出しているように、或いは、後方へ引っ込んでいるように、見えることとなり、遠近感のある立体的な絵柄を発光表示させることができるため、遊技者を不思議がらせることができ、裏第一導光板3210又は裏第二導光板3160と、ユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202とによる発光演出を飽き難くさせることができると共に、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160と、ユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202とによる発光演出を遊技者に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第三絵柄3211及び第六絵柄3162として描かれた特定の対象部と同じような形状に形成された透明なユニットベース3151、裏後装飾レンズ3152、ユニットベース3201、裏中装飾レンズ3202を、第三絵柄3211及び第六絵柄3162が発光表示される裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160の前後に備えるようにしており、前後方向の位置の異なった部材を少なくとも三つ備えるようにしているため、それぞれを発光させた時の遠近感をより強調することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152における内側の端面を傾斜させるようにしていると共に、LED3203a、LED3221b、LED3222b、LED3153a、LED3171b、及びLED3172bを、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の内側の端面へ向けて、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160の表面と平行な方向で裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の内部へ光を照射させるようにしているため、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の内部へ照射された光が、内側の端面(内側を向いている外周縁)において前方側へ反射して前方へ放射されることとなり、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の内側を向いた外周縁を帯状に発光装飾させることができ、遊技者に対して裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の形状を認識させ易くすることができると共に、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152を強調することができ、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の外周形状が強調されることで、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160の第三絵柄3211及び第六絵柄3162と裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152との前後方向の位置が異なっていることを認識させ易くすることができ、より遠近感のある立体的な絵柄の発光演出を行うことができる。
また、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の内側の端面(内側を向いている外周縁)を、前後方向に対して傾斜させるようにしており、上述したように、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の外周縁では平板状の前面とは反射方向(或いは、屈折方向)が異なることとなるため、パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明の光や他のパチンコ機からの光等の前方から遊技領域5a内へ照射される光の状態によっては、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の前面が透明に見えるのに対して、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の外周縁が光って見えたり半透明に見えたりすることとなり、遊技者に対して裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152の形状や存在を認識させ易くすることができ、裏中装飾レンズ3202及び裏後装飾レンズ3152による遊技領域5a内の装飾効果を高めることができる。
また、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160を前後方向に離隔して配置した上で、それぞれに描かれている第三絵柄3211及び第六絵柄3162としての対象物が時系列的に異なるようにしていることから、第三絵柄3211及び第六絵柄3162として描かれている対象物の時系列順、或いは、時系列とは逆の順で、裏第一導光板3210及び裏第二導光板3160のそれぞれの第三絵柄3211及び第六絵柄3162を順次発光表示させると、動きのある発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に強いインパクトを与えて遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出表示装置1600を備えているため、発光表示される第三絵柄3211及び第六絵柄3162と合わせるようにした演出画像を表示させることで、第三絵柄3211や第六絵柄3162及び裏中装飾レンズ3202や裏後装飾レンズ3152と演出画像とによるコラボレーション演出(例えば、演出画像として表示されているキャラクタによって第三絵柄3211や第六絵柄3162の発光表示によりガラスが割れるような演出や、第三絵柄3211や第六絵柄3162の発光表示によりガラスが割れることで演出画像のキャラクタが出現するような演出、等)を行うことができ、多彩な演出によって遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100における裏後可動装飾体3120が待機位置の状態では、遊技領域5aの後端を区画している透明な遊技パネル1100(パネル板1110)を通して、正面視において遊技領域5a内の中央に演出画像が表示される演出表示装置1600が位置していると共に、演出表示装置1600の前方の上部に、演出表示装置1600の表示画面を左右方向へ跨ぐように延びている大きな裏後演出ユニット3100の裏後可動装飾体3120が位置している。この状態では、ロック部材3141がロック位置の状態となっていると共に、ロック部材3141の規制部3141cに裏後可動装飾体3120の左スライダ3122のロック突起3122aが上方から当接しており、規制部3141cよりも下方側への裏後可動装飾体3120の移動が規制されている。また、ロック部材3141は、ロックバネ3143により伝達スライダ3142を介して解除位置側からロック位置側へ付勢されていると共に、ストッパ3141eが回動規制部材3144に当接することによりロック位置から解除位置とは反対側への回動が規制されている。
そして、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて、裏後可動機構3130の裏後駆動モータ3135の駆動によるスライドガイド3134の下方への移動によってロック部材3141がロック位置から解除位置へ回動すると、規制部3141cが裏後可動装飾体3120のロック突起3122aと当接しない位置へ移動することで、裏後可動装飾体3120に作用している重力により、演出表示装置1600の前方を縦断するように下方側の移動端(下降位置)まで落下(移動)する。裏後可動装飾体3120が落下した後に、スライドガイド3134を上方へ移動させると、ロック部材3141がロックバネ3143の付勢力により、解除位置からロック位置へ回動する。その後、裏後可動機構3130のスライドガイド3134により裏後可動装飾体3120を上方へ移動させると、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aがロック部材3141の案内部3141dに当接することで、ロック部材3141が解除位置側へ回動し、裏後可動装飾体3120がロック部材3141の規制部3141cを越えた位置まで上方へ移動することができる。そして、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aがロック部材3141よりも上方へ移動すると、ロック部材3141がロックバネ3143の付勢力によってロック位置へ回動し、裏後可動装飾体3120が正面視において遊技領域5a内の上部に位置している状態に復帰することとなる。
このように、遊技状態に応じて裏後可動機構3130の伝達スライダ3142によりロック部材3141をロック位置から解除位置へ移動させると、演出表示装置1600を左右方向へ跨ぐような大きな裏後可動装飾体3120が、演出表示装置1600の前側を縦断するように落下(移動)することとなるため、裏後可動装飾体3120が演出表示装置1600に表示されている演出画像を遮ることで、遊技者に裏後可動装飾体3120の移動に気付かせることができ、遊技者の関心を裏後可動装飾体3120へ強く引付けさせることができる。また、大きな裏後可動装飾体3120が落下することにより、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を裏後可動装飾体3120に強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、裏後可動装飾体3120を、演出表示装置1600を左右方向へ跨ぐような大きさとしていると共に左右方向の両端をそれぞれスライドシャフト3132により移動可能に取付けているため、裏後可動装飾体3120が左右方向(水平)に対して傾き易くなる。これに対して、ロック部材3141による裏後可動装飾体3120のロックを解除する際に、ロック部材3141の規制部3141cが、裏後可動装飾体3120が移動しようとする下方向に対して反対側の上方側へ移動するようにロック部材3141を回動させており、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aを規制部3141cから外れ難くしている。これにより、裏後可動装飾体3120が傾いてもロック突起3122aが規制部3141cから外れることはなく、裏後可動装飾体3120が勝手に下方側へ落下してしまうことを防止することができる。従って、裏後可動装飾体3120が勝手に落下してしまうことを防止することができるため、裏後可動装飾体3120の勝手な落下によって遊技者に不信感を抱かせてしまうことを回避させることができると共に、遊技状態に応じた所望のタイミングでロックを解除して裏後可動装飾体3120を落下させることができ、裏後可動装飾体3120を用いた可動演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
また、演出表示装置1600を備えているため、演出表示装置1600において演出画像を表示させることで、演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。更に、演出画像を表示可能な演出表示装置1600に、裏後可動装飾体3120の移動と合わせるようにした演出画像を表示させることで、裏後可動装飾体3120と演出画像とによるコラボレーション演出(例えば、演出画像として表示されているキャラクタによって裏後可動装飾体3120が動かされるような演出や、裏後可動装飾体3120が動くことでキャラクタが動かされるような演出、等)を行うことができ、多彩な演出によって遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、裏後可動装飾体3120のロックを解除する際に、ロック部材3141を、規制部3141cが上方側へ移動するように回動させていることから、演出表示装置1600を左右方向へ跨ぐような大きさの裏後可動装飾体3120とすることで、裏後可動装飾体3120の重量が増大しても、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aを規制部3141cから外れ難くすることができるため、一つのロック部材3141で裏後可動装飾体3120を十分にロックすることができる。そして、ロック部材3141を一つのみ備えるようにしているため、ロック部材3141を複数備えるようにした場合と比較して、それらを備えるためのスペースを確保する必要がなく、ロック部材3141を備えるためのスペースを可及的に小さくすることができ、相対的に、裏後可動装飾体3120を大きくして目立たせることができる。
更に、ロック部材3141を、裏後可動装飾体3120の上方への移動端付近に取付けているため、ロック部材3141の規制部3141c(待機位置)から下方側の移動端(下降位置)までの移動距離を可及的に長くすることができる。従って、裏後可動装飾体3120が長い距離を落下することで、遊技者の関心を裏後可動装飾体3120へ引付け易くすることができると共に、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ロック部材3141を、裏後可動装飾体3120の上方への移動端付近に取付けていることから、ロック部材3141(規制部3141c)と上方の移動端との間にはある程度の距離(空間)を確保するようにしているため、裏後可動機構3130によりロック部材3141をロック位置から解除位置へ回動させる際に、規制部3141cが上方へ移動できる空間を確保することが可能となり、ロック部材3141を解除位置へ確実に回動させることができ、ロック部材3141により裏後可動装飾体3120の移動をロックしたりロックを解除したりすることができる。
また、ロック部材3141に、斜めに延びている案内部3141dを備えているため、裏後可動装飾体3120を上方へ移動させて元の位置の状態に戻す際に、裏後可動機構3130によってロック部材3141を解除位置側へ回動させなくても、裏後可動装飾体3120の移動に伴ってロック突起3122aが案内部3141dに当接することで、ロック部材3141を解除位置側へ自動的に回動させることができる。従って、裏後可動装飾体3120を元の状態に復帰させる際に、裏後可動機構3130の裏後駆動モータ3135を制御する必要がなく、演出制御にかかる負荷を低減させることができ、過負荷により演出制御が不安定になることで遊技者を楽しませられなくなって、興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
更に、ロック部材3141のストッパ3141eの回動規制部材3144への当接により、ロック位置から解除位置とは反対側への回動を規制しているため、ロック位置において規制部3141cと当接している裏後可動装飾体3120のロック突起3122a側から下方側へ力が強く作用しても、ロック部材3141が解除位置とは反対側へ回動して、裏後可動装飾体3120のロック突起3122aが規制部3141cから外れてしまうことを阻止することができ、裏後可動装飾体3120が勝手に落下してしまうことを確実に防止することができる。
また、裏後可動機構3130の裏後駆動モータ3135の駆動によりスライドガイド3134を下方へ移動させて伝達スライダ3142を介してロック部材3141をロック位置から解除位置へ回動させた後に、裏後可動装飾体3120を元に状態に戻すために、裏後駆動モータ3135によりスライドガイド3134を上方へ移動させると、ロック部材3141がロックバネ3143の付勢力によって解除位置からロック位置へ自動的に回動するため、裏後可動機構3130によりロックを解除して裏後可動装飾体3120を落下させた後に、裏後可動機構3130によりロック部材3141をロック位置へ戻さなくても、ロックバネ3143によってロック位置へ戻すことができる。従って、ロック部材3141をロック位置(元の状態)へ戻すためだけに裏後可動機構3130の裏後駆動モータ3135を駆動(制御)する必要がないため、演出制御にかかる負荷を低減させることができ、過負荷により演出制御が不安定になることで遊技者を楽しませられなくなって、興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
また、裏後可動装飾体3120を、常時作用している重力によって下方側へ移動(落下)させるようにしているため、裏後可動装飾体3120を下方側へ移動させるための機構を備える必要がなく、裏後可動装飾体3120の移動に係る構成を簡単なものとすることができ、移動に係る構成をコンパクトにすることができると共に、コンパクトにしたスペースの分だけ裏後可動装飾体3120を大きくすることが可能となり、裏後可動装飾体3120を目立たせ遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏後可動装飾体3120を上方へ移動させる裏後可動機構3130を備えていることから、ロック部材3141と裏後可動機構3130の二つで、裏後可動装飾体3120が落下することを阻止することが可能となる。つまり、ロック部材3141と裏後可動機構3130のスライドガイド3134とで二重にロックすることが可能となるため、裏後可動装飾体3120が勝手に下方側の移動端へ落下するような不具合を防止することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、始動条件が成立したことに基づいて抽選した結果として図107の第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が当りであるときに遊技者に利益を付与することができるものであり、表示装置として図107の演出表示装置1600、画像情報記憶手段として図168の周辺データROM基板1520の周辺データROM1520a、演出パターン設定手段及び画像表示制御手段として図168の周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを備えている。
演出パターン設定手段としての周辺制御IC1510aは、抽選の結果に基づいて、この抽選に関する演出のパターンを複数のパターンの中から設定することができものである。具体的には、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンド(第一特別抽選結果と対応するコマンド又は第二特別抽選結果と対応するコマンド)に基づいて、複数種類の演出のパターンからいずれかのパターンを設定(決定)すると、複数種類の各種スケジュールデータの中から、この設定(決定)したパターンと対応する各種スケジュールデータを設定(決定)する。
表示装置としての演出表示装置1600は、周辺制御IC1510aにより設定されたパターンの演出に対応する演出画像が表示されることできるものである。
画像情報記憶手段としての周辺データROM1520aは、演出画像を構成する画像情報として、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データを記憶することができるものである。
画像表示制御手段としての周辺制御IC1510aは、周辺データROM1520aに記憶された画像情報から、演出画像として演出表示装置1600に描画する画像の描画データを生成して演出表示装置1600に演出画像を表示することができるものである。
本実施形態のパチンコ機1では、演出進行過程で演出表示装置1600に表示される演出画像の態様によって、当り期待度を遊技者に認識させることできるようになっている。具体的には、保留表示として消化前保留表示が実行されてから消化後保留表示の実行が終了するまでの間、それら保留表示の表示態様を変化させることで、当該保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行可能としている。
画像表示制御手段としての周辺制御IC1510aは、所定条件が成立するとしてグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出を行う場合、演出パターン設定手段としての周辺制御IC1510aにより設定されたパターンの演出に対応する演出画像として、通常とは異なる特定の加工が施された特殊な演出画像を生成して演出表示装置1600に表示することができるようになっているし、この特定の加工が施されない通常の演出画像の態様を識別困難にすることができるようになっている。具体的には、周辺制御IC1510aは、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出では、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像を、グレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換することにより、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出に用いる特殊な演出画像と、図194(c)〜図195(f)に示したグレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出に用いる通常の演出画像と、の態様を識別困難にすることができるようになっている。
演出パターン設定手段としての周辺制御IC1510aにより設定されたパターンの演出が進行するなかで、画像表示制御手段としての周辺制御IC1510aにより特殊な演出画像を生成して演出表示装置1600に表示することが継続的に(例えば、1画面分のフレームを所定フレーム分)行われる特定期間としてグレースケール演出を行っている期間を発生させることによって、この特定期間については、演出表示装置1600に表示される演出画像を通じて当り期待度を遊技者に識別困難とすることができるようになっているし、この特定期間の終了後については、演出表示装置1600に表示される演出画像を通じて当り期待度を遊技者に識別容易にすることができるようになっている。具体的には、周辺制御IC1510aは、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出では、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像として、グレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換したものであり、保留表示の色が何色から何色へ変化(保留変化)したかを判別することが困難となっている。これにより、グレースケール演出において、保留表示による期待値の示唆を隠すことによって、その期待値(当り期待度)を遊技者に識別困難とすることができるようになっている。そして、周辺制御IC1510aは、図196(g)に示したスーパーリーチへ発展する演出へ進行すると、演出表示装置1600の表示領域には、その全体がグレースケールに変換された画像から、フルカラー画像の背景画像1645、フルカラー画像の左装飾図柄1650a、フルカラー画像の中装飾図柄1650b、フルカラー画像の右装飾図柄1650c、フルカラー画像の白色を有する第1保留表示1655aへ切り替えて、その全体が本来のフルカラー画像へ戻すと共に、装飾体本体3511の発光装飾を、白色に変更した色から、図194(b)に示した保留変化示唆演出を行う場合であって保留表示の最終色として決定した第4保留表示1655dの赤色へ切り替えて本来の色へ戻す。これにより、グレースケール演出の終了後において、保留表示による期待値の示唆によって、その期待値(当り期待度)を遊技者に識別容易とすることができるようになっている。
このように、演出パターン設定手段としての周辺制御IC1510aにより設定されたパターンの演出が進行するなかで、画像表示制御手段としての周辺制御IC1510aにより特殊な演出画像を生成して演出表示装置1600に表示することが継続的に行われる特定期間を発生させることによって、この特定期間において演出表示装置1600に表示される演出画像を通じて当り期待度を遊技者に識別困難とすることができるようになっているし、この特定期間の終了後において演出表示装置1600に表示される演出画像を通じて当り期待度を遊技者に識別容易にすることができるようになっている。したがって、簡易な制御で新たな演出を実行することにより遊技興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、図柄変動や大当り遊技が実行されている遊技演出期間中において、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量調整を可能としているが、その遊技演出期間中において、回転操作部302を用いた操作演出、回転操作部302を用いた駆動演出が行われる場合には、それらの演出が実行されている期間よりも長い期間にわたって、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないように制限している。これによれば、回転操作部302の回転操作により遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止し、遊技興趣の低下を抑止することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、図柄変動や大当り遊技が実行されている遊技演出期間中において、遊技者が回転操作部302を回転操作することにより音量調整を可能としているが、その遊技演出期間中において、押圧操作部303を用いた操作演出が行われる場合には、少なくとも押圧操作部303を用いた操作演出が実行されている期間にわたって、音量変更禁止フラグをオン状態とし、遊技者が回転操作部302を回転操作したとしても音量調整が行われないように制限している。これによれば、押圧操作部303を用いた操作演出に対して押圧操作部303を操作する際に、押圧操作部303の近傍に位置する回転操作部302を誤操作するなどの遊技者の意図しない音量調整が行われることを防止し、遊技興趣の低下を抑止することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、回転操作部302が操作されて音量の調整がなされると、演出表示装置1600の画面上において、該調整後の音量を示す音量調整バーを表示し、最終の調整の受付後から所定期間が経過すると、該音量調整バーを消去するものであって、図柄変動や大当り遊技が実行されている遊技演出期間にて回転操作部302が操作されているなかで、音量の調整が制限(禁止)される音量変更禁止フラグがオン状態になった場合に、その音量変更禁止フラグがオン状態になった時点で表示されている音量調整バーの表示を、音量変更禁止フラグがオン状態になった後にも継続して表示するようにしている。これによれば、遊技演出期間にて回転操作部302が操作されているなかで、音量変更禁止フラグがオン状態になった場合であっても、どのような音量で調整が制限されたのかが分かるように、音量変更禁止フラグがオン状態になった後にも音量調整バーの表示を継続して表示することを可能とし、突然に音量の調整が制限されたことに対して不快感が生じることを軽減し、遊技興趣の低下を抑止することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、実行中の第1演出と特定の先読み演出との演出態様が共通であると判定した場合、第1演出の実行中において、特定の先読み演出の実行を禁止する。これにより、特定の先読み演出と第1演出とを遊技者に明確に区別させることができ、遊技者に演出の実行契機についての誤解を与えることがなく、遊技興趣の低下を抑止することが可能となる。始動口への入賞時に実行される先読み演出は、当該特定の先読み演出の一例である。押圧操作部303の押圧を促す演出や、押圧操作部303が動作する演出が第1演出である場合、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動演出が入賞時に実行される先読み演出は、特定の先読み演出の一例である。
また、本実施形態のパチンコ機1では、上述のように禁止された特定の先読み演出を、第1演出終了後の特定のタイミングで実行してもよい。これにより、遊技者に当該特定の先読み演出に対する意外性を感じさせることができ、さらに遊技者は第1演出の実行時の始動口への入賞について、遊技者は入賞後の期間においても当該特定の先読み演出の実行を期待することができる。第1演出が実行された変動の第1演出実行後、及び第1演出が実行された変動の次回以降の変動であって、当該特定の先読み演出に対応する変動以前の入賞に対応する変動、の開始時は、いずれも特定のタイミングの一例である。
また、本実施形態のパチンコ機1では、実行中の変動の変動パターンが、第1演出が実行されることが確定している変動パターンであり、かつ第1演出と特定の先読み演出との演出態様が共通であると判定した場合、当該変動において、特定の先読み演出の実行を禁止してもよい。これにより、特定の先読み演出と第1演出とを遊技者により明確に区別させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、上述のように禁止された特定の先読み演出を、第1演出が実行される変動終了後の特定のタイミングで実行してもよい。これにより、遊技者に当該特定の先読み演出に対する意外性を感じさせることができ、さらに遊技者は第1演出の実行時の始動口への入賞について、遊技者は入賞後の期間においても当該特定の先読み演出の実行を期待することができる。第1演出が実行された変動の次回以降の変動であって、当該特定の先読み演出に対応する変動以前の入賞に対応する変動、の開始時は、いずれも特定のタイミングの一例である。
[18.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、装飾パターン1150として、線状に窪んだ複数の溝により構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、装飾パターン1150を、点状に窪んだ複数の溝により構成されているもの、線状に膨らんだ複数の突条により構成されているもの、点状に膨らんだ複数の突起により構成されているもの、等としてもよい。
また、上述した本実施形態では、装飾パターン1150の柄(模様)として、ヒビ割れ模様のものを示したが、これに限定するものではなく、装飾パターン1150の模様を、波模様、幾何学模様、チェック模様、籠目模様、ウロコ模様、パチンコ機1のコンセプトに沿ったキャラクタを模した模様、パチンコ機1のコンセプトに沿ったアイテムを模した模様、パチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴを模した模様、パチンコ機1のコンセプトに沿った背景を模した模様、等としてもよい。
更に、上述した本実施形態では、透明なパネル板1110(遊技パネル1100)の後面に装飾パターン1150のみを形成したものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、「装飾パターン形成領域1101に装飾パターン1150を形成し、装飾パターン非形成領域1102に装飾が施された装飾シートを貼り付ける」ようにしてもよいし、「装飾パターン形成領域1101において、装飾パターン1150を避けるように装飾が施された装飾シートを貼り付ける」ようにしてもよいし、「装飾パターン形成領域1101に装飾パターン1150を形成した上で、装飾パターン1150を後方から覆うようにパネル板1110の後面の一部又は全面に、装飾が施された装飾シートを貼り付ける」ようにしてもよい。
また、上述した本実施形態では、移動方向の一方側へ常時移動させようとする力が作用している可動装飾体として、重力によって下方側へ常時移動させようとする力が作用している裏後可動装飾体3120としたものを示したが、これに限定するものではなく、左右方向へ移動可能に取付けられており、弾性部材による付勢力によって移動方向の一方側へ常時移動させようとする力が作用している可動装飾体としてもよいし、上下方向へ移動可能に取付けられており、弾性部材による付勢力によって上方側へ常時移動させようとする力が作用している可動装飾体としてもよい。
更に、上述した本実施形態では、周辺制御IC1510aが保留変化示唆演出を行う場合において、装飾が施された円形状の保留表示の最終色を決定し、保留表示の色を初期色から最終色へ向かって主制御基板1310による保留消化がすすむにつれて期待値が高くなるように変化する演出を進行するようになっていたが、円形状の保留表示のほかに、三角形状の保留表示、四角形状の保留表示を組み合わせると共に、保留表示の色を初期色から最終色へ向かって主制御基板1310による保留消化がすすむにつれて期待値が高くなるように変化する演出を進行するようにしてもよい。こうすれば、グレースケール演出において、保留表示による期待値の示唆を隠すことができる。
また、上述した本実施形態では、保留表示の色を初期色から最終色へ向かって変化する態様(保留変化パターン)として、色を変化する時期、変化する色を、周辺制御IC1510aが抽選により決定することができるようになっていたが、主制御基板1310側において抽選により決定したり、又は主制御基板1310側において予め定めたテーブルから抽出したりすることにより周辺制御IC1510aに送信する各種コマンドに含ませるようにしてもよい。
更に、上述した本実施形態では、周辺制御IC1510aは、グレースケール演出の終了時に、周辺制御IC1510aのVDPにより演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換する処理を終了することにより、演出表示装置1600の表示領域には、その全体がグレースケールに変換された画像から、フルカラー画像の背景画像1645、フルカラー画像の左装飾図柄1650a、フルカラー画像の中装飾図柄1650b、フルカラー画像の右装飾図柄1650c、フルカラー画像の白色を有する第1保留表示1655aへ切り替わって、その全体が本来のフルカラー画像へ一度に戻る(切り替わる)ように構成されていた。このようにグレースケールに変換された画像からフルカラー画像へ一度に戻る(切り替える)ように構成せずに、グレースケール画像を徐々に解除して少しずつフルカラー画像へ戻る(切り替える)ように構成してもよい。このとき、グレースケールに変換された画像のうち、背景画像1645、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、右装飾図柄1650cを徐々に解除してフルカラー画像へ戻し(切り替え)、最後に、第1保留表示1655aを徐々に解除してフルカラー画像へ戻す(切り替える)ように構成してもよい。
また、上述した本実施形態では、グレースケール演出を伴う保留変化示唆演出では、保留表示の色が何色から何色へ変化(保留変化)したかを判別することが困難とすることにより保留表示による期待値の示唆を隠すことができるように構成していたが、このような保留変化に限らず、上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてグレースケール設定モードを用いて期待値(期待度)の示唆に関する演出を秘匿するようにしてもよい。例えば、グレースケール演出を行わない場合には、画面においてボタンの操作指示する演出によりボタンの色を用いて期待値(期待度)を示唆することができるときには、このボタンの操作指示する演出をグレースケール演出とすることにより、赤色のボタンであるか、青色のボタンであるか、を判別することが困難とすることができる。
更に、上述した本実施形態では、上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてグレースケール設定モードを用いて期待値(期待度)の示唆に関する演出を秘匿するように構成していたが、このようなグレースケール設定モードに限らず、他の設定モードを用いて期待値(期待度)の示唆に関する演出を秘匿するようにしてもよい。例えば、上述したモザイク設定モードを用いて、赤色の保留表示であるか、青色の保留表示であるか、を判別することが困難とすることができる。
また、上述した本実施形態では、上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてグレースケール設定モードを用いて期待値(期待度)の示唆に関する演出を秘匿するように構成していたが、このようなグレースケール設定モードに限らず、他の設定モードを用いて期待値(期待度)の示唆に関する演出を秘匿する場合に、各設定モードごとに大当りとなる期待値(期待度)が相違するようにしてもよい。例えば、他の設定モードとして上述したモザイク設定モードに設定される演出に対する大当りとなる期待値(期待度)を、グレースケール設定モードに設定される演出に対する大当りとなる期待値(期待度)と比べて高く設定することができる。
更に、上述した本実施形態では、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出において、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像として、グレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換していたが、グレースケール演出として、背景画像1645、左装飾図柄1650a、中装飾図柄1650b、右装飾図柄1650cに対して上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてグレースケール設定モードを用いずにフルカラー画像により演出をすすめると共に、保留表示に対して上述した画面を規定する1フレームの画面データにおいてグレースケール設定モードを用いてグレースケール画像により演出をすすめるようにしてもよい。これにより、保留表示される領域という、演出表示装置1600の表示領域の一部の領域に対してグレースケール演出を行うことができる。
また、上述した本実施形態では、演出表示装置として遊技盤5に1つの演出表示装置1600を設けていたが、遊技盤5に複数の演出表示装置を設けてもよし、遊技盤5のほかに扉枠3の押圧操作部303の近傍や図5に示した扉枠右サイド装飾体419に設けて複数の演出表示装置をそれぞれ設けてもよい。この場合、例えば、演出表示装置1600の表示領域において保留表示を行うときには、図194(r)〜図195(u)に示したグレースケール演出を伴う保留変化示唆演出において、演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像として、グレースケール演出を伴わない保留変化示唆演出における図194(c)〜図195(f)に示した演出表示装置1600の表示領域に表示するすべての画像をグレースケールに変換するのに対して、このような保留表示を行わない他の演出表示装置に対しては、グレースケール演出を伴わずにフルカラー画像による演出をすすめる。
更に、上述した実施形態では、保留表示の色を変化する際に、保留表示の色と対応する効果音が各種スピーカ(例えば、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等)から流れるようになっていたが、保留表示の色を変化する際に、同一の効果音が流れるようにしてもよい。こうすれば、グレースケール演出において、効果音により保留表示の色が何色から何色へ変化したかを判別することが困難とすることができるため、グレースケール演出が終了してスーパーリーチへ発展する演出においてグレースケール演出により隠された保留表示が保留表示の最終色に切り替わることで期待値が解放されることによって、さらに斬新な演出を遊技者に提供することができる。
また、上述した実施形態では、保留表示の色を変化する際に、保留表示の色と対応する効果音として、例えば、保留表示の色が白色である場合には効果音が「ピコ」と流れ、保留表示の色が青色であると場合には効果音が「ピー」と流れ、保留表示の色が黄色である場合には効果音が「ピー、ピコ」と流れ、保留表示の色が赤色である場合には効果音が「ピコピコ」と流れるようになっていたが、保留表示の色を変化する際に、判別し難い効果音を流してもよい。例えば、効果音「ピ」を流す時間として基準時間(1秒)に加えて、0.2秒単位で、保留表示の色を白色から赤色へ向かって長くなるようにしたり、短くしたりしてもよいし、効果音「ピ」の繰り返す回数を保留表示の色を白色から赤色へ向かって多くしたり、短くしたりしてもよいし、保留表示の色と対応する効果音として、効果音「ピ」を流す時間と、効果音「ピ」を繰り返す回数と、を組み合わせてもよい。こうすれば、グレースケール演出において、効果音により保留表示の色が何色から何色へ変化したかを判別することが困難とすることができるため、グレースケール演出が終了してスーパーリーチへ発展する演出においてグレースケール演出により隠された保留表示が保留表示の最終色に切り替わることで期待値が解放されることによって、さらに斬新な演出を遊技者に提供することができる。
更に、上述した実施形態では、パチンコ機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ機に限定されるものではなく、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン(回胴式遊技機)又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。ここで、回胴式遊技機としてのスロットマシンについて図202を参照して説明する。図202はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図202に示すように、前面扉6002、本体部分6004を備えて構成されている。前面扉6002と本体部分6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉6002の右側端に設けた鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉6002を本体部分6004から開放することができるようになっている。
前面扉6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310に電気的に接続されている。主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310により駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530を備えている。周辺制御ユニット1500のカバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)に接地されて同一のグランド(GND)となるように構成されている。
主制御基板1310は、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008’となり、主制御基板1310は、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008’に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。
1…パチンコ機、2…外枠、3…扉枠、4…本体枠、5…遊技盤、5a…遊技領域、1300…主制御ユニット、1310…主制御基板、1500…演出制御ユニット、1501…カバー体、1502…ベース体、1503…配線カバー体、1510…周辺制御基板、1520…周辺データROM基板、1530…液晶出力基板、1600…演出表示装置

Claims (1)

  1. 所定の始動口への遊技球の入球を契機として判定用情報を取得する判定用情報取得手段と、
    図柄変動の開始条件の成立時に、前記判定用情報に基づき当りであるかを判定する開始時判定手段と、
    前記開始条件が成立するまでの間、取得された前記判定用情報を保留記憶する保留記憶手段と、
    前記開始時判定手段の判定結果に基づいて、前記図柄変動を行う図柄制御手段と、
    前記開始時判定手段による判定結果に基づいて、該判定結果が当りであるかを示唆可能な演出を前記図柄変動が行われているなかで演出表示装置に表示可能な演出実行手段と、
    前記開始条件の成立の前に、前記判定用情報取得手段によって取得された判定用情報に基づいて、遊技者による操作を受付可能な操作手段を動作させる示唆演出を実行するかを決定する示唆演出決定手段と、
    前記示唆演出決定手段による決定に基づいて前記示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を備える遊技機であって、
    前記示唆演出実行手段は、
    前記示唆演出決定手段により前記示唆演出を実行すると決定された判定用情報の取得契機となる前記所定の始動口へ遊技球が入球されたタイミングで当該示唆演出を実行可能であるが、
    前記示唆演出決定手段により前記示唆演出を実行すると決定された判定用情報に基づく前記図柄変動の開始条件が成立されるよりも前の図柄変動において、前記操作手段への操作を促す特定演出が実行される場合には、当該特定演出の実行が終了するよりも前に当該示唆演出を実行せず、当該特定演出の実行が終了した後に実行しうるものであり、
    前記示唆演出決定手段により前記示唆演出を実行すると決定された判定用情報の取得契機となる前記所定の始動口へ遊技球が入球されたタイミングが前記特定演出の実行が開始するよりも前であった場合に、当該示唆演出が当該特定演出の実行が終了した後に実行されることで、前記保留記憶手段により保留記憶された複数の判定用情報のうちのいずれに基づいて当該示唆演出が実行されたのかが認識困難になされる
    ことを特徴とする遊技機。
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