JP5497632B2 - 関心対象のポリペプチドを産生するライブラリークローンの選択に適した発現クローニング法 - Google Patents
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Description
本発明は、関心対象のポリペプチドを産生するライブラリークローンの選択に適した発現クローニング法に関する。
WO03/070956は、AMA1配列及び損傷翻訳開始配列を含んでなる発現クローニング用クローニングベクターを開示する。
糸状菌における発現クローニング自体が、現在では本技術分野における標準的な方法論の一部であるが、かかる方法の使用は産業と深く関連するため、効率、性能又は経済性の僅かな改善が、大きな関心の的となる。
a)1又は2以上の関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドライブラリーを提供する工程であって、前記ライブラリーが、少なくとも
i)選択マーカーをコードするポリヌクレオチド、
ii)真菌の複製開始配列、好ましくは自律複製配列(ARS)、及び
iii)真菌細胞由来のプロモーター、ライブラリーのクローニング対象となるクローニング部位、及び転写ターミネーターを、この順に含んでなるポリヌクレオチド
を、要素として含んでなる発現クローニングベクターにおいて調製される工程:
b)前記ライブラリーで、親糸状菌宿主細胞の変異体を形質転換する工程であり、前記変異体における非相同組換の頻度が、親と比べ低下している工程;
c)工程(b)で得られた形質転換宿主細胞を、ポリヌクレオチドライブラリーの発現に適した条件下で培養する工程;並びに
d)関心対象のポリペプチドを産生する形質転換宿主細胞を選択する工程:を含んでなる方法に関する。
a)1又は2以上の関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドライブラリーを提供する工程であって、前記ライブラリーが、少なくとも
i)選択マーカーをコードするポリヌクレオチド、
ii)真菌の複製開始配列、好ましくは自律複製配列(ARS)、及び
iii)真菌細胞由来のプロモーター、ライブラリーのクローニング対象となるクローニング部位、及び転写ターミネーターを、この順に含んでなるポリヌクレオチド
を、要素として含んでなる発現クローニングベクターにおいて調製される工程:
b)前記ライブラリーで、親糸状菌宿主細胞の変異体を形質転換する工程であり、前記変異体における非相同組換の頻度が、親と比べ低下している工程;
c)工程(b)で得られた形質転換宿主細胞を、ポリヌクレオチドライブラリーの発現に適した条件下で培養する工程;並びに
d)関心対象のポリペプチドを産生する形質転換宿主細胞を選択する工程:を含んでなる方法に関する。
真核細胞において、組換によるゲノムへの組込みは、相同組換(homologous recombination:HR)及び非相同組換(non-homologous recombination:NHR)という、異なる2つの経路により生じ得る。酵母で優先される経路はHRであるが、糸状菌では殆どの組込事象がNHRにより生じる。WO02/052026は、ゲノムへのDNA配列の標的化効率が改善されたサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)の変異体を開示する。この変異体は、NHRに関与するKU70を欠損している。KU70欠損哺乳類細胞が単離されている(Pierceら、Genes and Development, 15: 3237-3242 (2001))が、かかる変異体は、相同性に基づく標的化組込の増大という同じ表現型を示さない。糸状菌では、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)KU70の変異体が、ゲノムへの標的化組込効率の改善を示した(WO2005/095624)。酵母の研究から、NHR経路に関与している可能性がある遺伝子として、KU70、KU80、RAD50、MRE11、XRS2、LIG4及びSIR4が同定されている(van den Boschら、Biol. Chem., 383: 873-892 (2002)、及びAllenら、Mol. Cancer Res., 1: 913-920 (2003))。WO02/052026の23頁の表2も参照のこと。糸状菌において、かかる遺伝子の機能同等物も同定されている。WO2005/095624には、アスペルギルス・ニガー由来のKU70及びKU80ホモログであるhdfA及びhdfBが開示されており、Ishibashi, K.、Suzuki, K.、Ando, Y.、Takakura, C.及びInoue, H.の論文(PNAS, USA. 103(40): 14871-14876 (2006))には、ニューロスポラ属(Neurospora)におけるMUS−53(LIG4ホモログ)が開示されている。
NHR/HRの比が、野生型と比べ、変異体において変化したかどうかを決定するために、組換頻度の決定を使用することができる。NHR効率は、実施例4に説明された、あるいはWO2005/095624の6〜7頁に開示されたように本質的に決定することができる。
本発明のライブラリーは、該糸状菌宿主細胞に対し原性であるか又は異種であってもよい、関心対象のポリペプチドをコードしている。関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドを産生することが可能である任意の生物を起源としてよく、これは多細胞生物及び微生物、例えば細菌及び真菌を含んでなる。該ポリヌクレオチドの起源は、合成されてもよく、このことはこのライブラリーは、例えば同じポリペプチドをコードしているコドン最適化された変種で構成されるか、又はこのライブラリーは、本技術分野において公知のシャッフリング技術により得られた変種を含んでなることができることを意味する。
本明細書において使用される用語「真菌の複製開始配列」は、通常DNA−ベクターの構造再編成又は宿主細胞ゲノムへの組込みを伴わずに、糸状菌宿主細胞において、染色体外分子、例えば、プラスミド等のDNAベクターの自律複製を支援することが可能である核酸配列と定義される。この複製開始配列は、それが真菌細胞において複製開始活性を媒介することが可能である限りは、任意の起源であってもよい。例えば複製開始配列は、プラスミドにアスペルギルス属における複製能を付与するヒト起源のテロメアであってもよい(Aleksenko及びIvanova, Mol.Gen. Genet. 260: 159-164 (1998))。好ましくは、この複製開始配列は、糸状菌細胞、より好ましくはアスペルギルス属、フサリウム属(Fusarium)又はアルテナリア属(Alternaria)の株、更により好ましくはA.ニジュランス(Aspergillus nidulans)、A.オリザエ、A.ニガー、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)又はアルテナリア・アルテナータ(Alternaria altenata)の株から得られる。
用語「複製開始活性」は、その通常の意味で本明細書において使用され、すなわちその配列は、真菌細胞におけるプラスミド又はDNAベクターなどの染色体外分子の自律複製を支援することが可能であることを示す。
ふたつのアミノ酸配列の間の関連は、パラメータ「同一性」により説明される。
本明細書において用語「翻訳イニシエーター配列」は、ポリペプチドをコードする核酸配列のオープンリーディングフレームのイニシエーター又は開始コドンのすぐ上流の10個のヌクレオチドとして定義される。このイニシエーターコドンは、アミノ酸メチオニンをコードしている、いわゆる「開始」コドンである。典型的なイニシエーターコドンはATGであるが、GTG等の任意の機能性開始コドンであってもよい。RNAにおいてウラシル(ウリジン)Uは、デオキシヌクレオチドチミン(チミジン)Tと交換されることは本技術分野において周知である。
N YNN ATG YNN (配列番号3)
ここで、−3位の「Y」はピリミジン(シチジン又はチミジン/ウリジン)であり、「N」は任意のヌクレオチドであり、かつこの数値指定は、マーカーの開始コドン「ATG」(太字)内の最初のヌクレオチドに対するものである。
関心対象のポリペプチドは、関心対象の糸状菌宿主細胞に対し原性(native)であってもよく、異種であってもよい。本明細書において用語「異種ポリペプチド」は、真菌細胞に対して原性でないポリペプチド、原性配列を変更するように修飾が生じた原性ポリペプチド、又は組換DNA技術による真菌細胞の操作の結果としてその発現が定量的に変更された原性ポリペプチドと定義される。関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、多細胞生物並びに微生物、例えば細菌及び真菌を含んでなる、関心対象のポリペプチドの生成が可能な任意の生物を起源とすることができる。あるいはこのポリヌクレオチドは、合成により作製されたポリヌクレオチド、例えばコドン最適化されたポリヌクレオチド又はシャッフルされたポリヌクレオチドであってもよい。
本発明は、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなる核酸構築体にも関する。これらのポリヌクレオチドは、好適な宿主細胞において、該制御配列と適合性のある条件下でコード配列の発現を指示する1又は2以上の制御配列に機能的に連結されている。発現は、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、及び分泌を含んでなるが、これらに限定されるものではない、ポリペプチドの産生に関連した任意の工程を含んでなることが理解されるであろう。
糸状菌宿主細胞について好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリザエ・TAKAアミラーゼ及びアスペルギルス・ニジュランス・トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られる。
先に説明された様々な核酸配列及び制御配列は一緒に、そのような制限部位でプロモーター及び/又はポリペプチドをコードする核酸配列の挿入又は置換を可能にするために、1又は2以上の都合の良い制限部位を含み得る組換発現ベクターを作出することができる。あるいは、核酸配列は、核酸配列又は不能とされた翻訳イニシエーター配列を含んでなる核酸構築体及び/又は配列を、発現に適したベクターに挿入することにより、発現されてよい。発現ベクターの作出において、このコード配列は、コード配列が本発明の不能とされた翻訳イニシエーター配列及び1又は2以上の適当な発現のための制御配列と機能的に連結されるように、ベクター内に配置される。
本発明のベクターは、先に説明されたように形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は2以上の選択マーカーも含む。
本宿主細胞は、本発明の方法に有用な任意の真菌細胞である。本明細書において使用される「真菌」は、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、ツボカビ門(Chytridiomycota)、及び接合菌門(Zygomycota)(Hawksworthらにより定義、「Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi」、第8版、1995, CAB International, University Press, ケンブリッジ, 英国)に加え、卵菌門(Oomycota)(Hawksworthら, 1995, 前掲, 171頁に列記)及び全ての栄養胞子形成菌(Hawksworthら, 1995, 前掲)を含んでなる。
本発明は、下記の実施例により更に説明される。
菌株:
アスペルギルス・オリザエNBRC4177:発酵研究所(大阪)(大阪府大阪市淀川区十三浜町2丁目17−25、日本)から入手可能
アスペルギルス・オリザエJal355(amy-、alp-、NpI-、CPA-、KA-、pyrG)は、WO98/01470に開示のとおり、pyrG遺伝子が失活されたA.オリザエA1560の誘導体であり;形質転換プロトコールはWO00/24883に開示されている。
アスペルギルス・オリザエPFjo218(amy-、alp-、NpI-、CPA-、KA-、pyrG-、ku70-)は、実施例1に記載のとおりである。
アスペルギルス・オリザエPFjo220(amy-、alp-、NpI-、CPA-、KA-、pyrG-、ku70::PyrG)は、実施例1に記載のとおりである。
pENI2344は、WO2003/070956に実施例1に記載のとおりである。
pENI2155は、WO2003/070956に実施例1に記載のとおりである。
pIC19Hは、Marshらの論文(Gene, 32:481-485 (1984))に実施例1に記載のとおりである。
pJaL554は、特許WO2001068864、実施例8に実施例1に記載のとおりである。
pJaL925は、実施例4に実施例1に記載のとおりである。
pJaL575は、実施例1に実施例1に記載のとおりである。
pDV8は、特許WO0168864、実施例8に実施例1に記載のとおりである。
pyrG:この遺伝子は、ウリジンの生合成に関連した酵素である、オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼをコードしている。
wA:この遺伝子は、胞子(分生子)色形成に関連した酵素である、ポリケチド合成酵素をコードしている。wA遺伝子の破壊は、白色の胞子色をもたらす。
16〜20時間齢の培養物を、Miraクロスで収集し、0.6MMgSO4で洗浄した。この菌糸を、10ml MgSO4、10mM NaH2PO4、pH5.8、50〜100mgグルカネックスを含んでなる、100mlプラスチックチューブに移した。BSA 12mgを添加し、この溶液を37℃で2時間、弱く振盪しながらインキュベーションした。プロトプラストを、Miraクロスを通して収集し、ST(0.6Mソルビトール、100mMトリス−Cl、pH7.0)5mlを、プロトプラストの上側に層として添加した。2500rpmで15分間遠心分離した後、境界面のプロトプラストを収集し、新たなチューブに移した。STC(1.2Mソルビトール、10mMトリス−Cl、pH7.5、10Mm CaCl2)の2容量を添加し、引き続き2500rpmで5分間遠心分離した。このプロトプラストを、STC 5mlで2回洗浄し、最後にSTC中に再浮遊させた。
PCR増幅は全て、1.5mM MgCl2を含有するExpand High Fidelity緩衝液中、Expand High Fidelity PCR System(Roche社)1.75単位、DNA約1μg、dNTP各々250μM、及び先に説明した2種のプライマー各々10pmolを含有する、容量50μLで行った。
リパーゼ活性についてアッセイされる形質転換体は、1×Vogel培地及び2%マルトースを含有する96ウェルマイクロタイタープレートに接種した(Methods in Enzymology, 17巻, 84頁)。34℃で4日間増殖した後、培養ブロスを、リパーゼ基質としてp−ニトロフェニル吉草酸(pnp−吉草酸)を用い、リパーゼ活性についてアッセイした。
真菌菌糸(10ml YPD中で2日間増殖した後収集した)を、即時真空で乾燥し、菌糸を破砕した。溶解緩衝液1mlを添加し(溶解緩衝液:100mM EDTA、10mMトリス−pH8.0、1%TritonX 100、500mMグアニジウム−HCl、200mM NaCl)、混合し、RNAseA(10mg/ml)2μlを添加し、37℃で30分間インキュベーションした。プロテイナーゼK(20mg/ml)5μlを添加した。混合し、50℃で2時間インキュベーションした。20,000gで10分間遠心した。この上清をプラスミドスピンカップ(QIAprep(登録商標)Miniprepキット、Qiagen社より入手)に、キットプロトコールに従い加えた。100μl中にゲノムDNAを溶出した。
JaL355及びPFjo218におけるリパーゼの発現
アスペルギルス属株Jal355及びPfjo218は両方とも、説明されたようにpENI2344により形質転換した。pENI2344は、WO2003/070956(実施例2)に詳細に開示されており、かつレポーター遺伝子としてリパーゼ遺伝子を、及び選択マーカーとしてpyrGを含んでなる。pENI2344上のpyrG遺伝子は、点突然変異T102Nを含み、コピー数の増大を生じた。
JaL355及びPFjo218におけるリパーゼの発現
アスペルギルス・オリザエ株JaL355及びPFjo218は両方とも、リパーゼレポーター遺伝子を含んでなるプラスミドpENI2155により形質転換した。
リパーゼアッセイからの発現データを、下記表に示している。ku70欠失株を使用した場合に、低い相対標準偏差が存在することは、明らかである。変種ライブラリーをスクリーニングする場合には、発現レベルにおけるこの低い相対標準偏差が望ましい。
KU70欠失株におけるNHR/HR頻度の決定
相同組換に関するKU70株バックグラウンドの挙動を試験するために、異なる容易に選択可能な標的を、試験ケースとして選択することができる。標的としては以下が挙げられる。wA−破壊された場合に、雪白色スポットを生じる;adeB−破壊された場合に、赤色菌糸体を生じる;及び、niaD−唯一の窒素由来源として硝酸を含んでなるプレート上での増殖不能を生じるのに対し、全ての株は、唯一の窒素由来源としての亜硝酸の上で増殖した。wAに関する結果は、下記表に示している。
プラスミドpJaL901は、pIC19H内にwA遺伝子をコードしているA.オリザエNBRC4177由来の4658bp BgllI断片(配列番号13)を含んでなる。プラスミドpJaL901を、Asp718及びSnaBIで消化し、かつ5501bp断片を精製した。pJaL554由来のpyrG選択マーカーに隣接したリピート配列を、2027bp Asp718−SmaI断片として精製した。これら2種の断片はライゲーションし、プラスミドpJaL925を生じた。これによりpyrG遺伝子は、wA遺伝子のコード部分1861bp Asp718−SnaBIと交換し、従ってpyrG遺伝子は、wAの5’末端の685bp断片及びwA.の3’の2105bp断片に隣接している。
JaL355及びPFJo218は、先に説明されたように、pJaL925により形質転換した。下記の表に示された結果は、KU70欠失株におけるNHRの減少を明確に示す。
Claims (14)
- 関心対象の組換ポリペプチドを産生する方法であって:
a)1又は2以上の関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドライブラリーを、少なくとも
i)選択マーカーをコードするポリヌクレオチド、
ii)自律複製配列(ARS)、及び
iii)真菌細胞由来のプロモーター、ライブラリーのクローニング対象となるクローニング部位、及び転写ターミネーターを、この順に含んでなるポリヌクレオチド
を、要素として含んでなる発現クローニングベクター内に提供する工程:
b)前記ライブラリーで、アスペルギルス(Aspergillus)属の親糸状菌宿主細胞の変異体を形質転換する工程であり、ここで、前記変異体が、ku70、ku80、rad50、mre11、xrs2、lig4、又はsir4からなる群より選択される遺伝子座において修飾され、当該遺伝子座の発現が低下又は消滅することにより、前記変異体における非相同組換の頻度が、親と比べ低下している工程;
c)工程(b)で得られた形質転換宿主細胞を、ポリヌクレオチドライブラリーの発現に適した条件下で培養する工程;並びに
d)関心対象のポリペプチドを産生する形質転換宿主細胞を選択する工程:を含んでなる方法。 - 前記遺伝子座が、ku70又はku80である、請求項1記載の方法。
- 前記ARSが、AMA1配列である、請求項1記載の方法。
- マーカー−コード配列の翻訳開始起始点が、下記配列を含み:
N YNN ATG (ATGは太字)
ここで−3位の「Y」はチミジン(ウリジン)であり、「N」は任意のヌクレオチドであり、前記数値は、マーカーの開始コドン「ATG」(太字)の最初のヌクレオチドを基準に表示される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。 - 前記配列が、−1、−2、及び−4位から選択される1又は2以上の位置において、チミジン(ウリジン)を更に含んでなる、請求項4記載の方法。
- 工程(i)の選択マーカーが、amdS、argB、bar、hygB、niaD、pyrG、sC、及びtrpCからなるマーカーの群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 工程(i)の選択マーカーが、pyrG、又は、アミノ酸置換T102Nを含むその機能性誘導体である、請求項6記載の方法。
- 工程(ii)の真菌複製開始配列が、配列番号1又は配列番号2に記載の核酸配列を含んでなるか、又は、配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%同一の配列からなるそれらの機能性誘導体である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
- 工程(iii)のプロモーターが、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の中性アミラーゼコード遺伝子(NA2)のプロモーターである、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
- 前記プロモーターが、NA2tpiプロモーターである、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
- 工程(iii)の転写ターミネーターが、アスペルギルス・ニガー由来のグルコアミラーゼコード遺伝子(AMG)からのターミネーターである、請求項1記載の方法。
- 関心対象のポリペプチドが、酵素である、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
- 前記酵素が、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素又はリガーゼである、請求項12に記載の方法。
- 前記酵素が、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシル基転移酵素、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、又はキシラナーゼである、請求項12又は13に記載の方法。
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